特許第6717513号(P6717513)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6717513個包装容器開封補助具および混合容器およびこれらのための個包装容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6717513
(24)【登録日】2020年6月15日
(45)【発行日】2020年7月1日
(54)【発明の名称】個包装容器開封補助具および混合容器およびこれらのための個包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/28 20060101AFI20200622BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20200622BHJP
【FI】
   B65D51/28 100
   B65D81/32 T
【請求項の数】5
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-194445(P2019-194445)
(22)【出願日】2019年10月25日
【審査請求日】2019年11月12日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518189563
【氏名又は名称】有限会社クラウン商会
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】徐 民
(72)【発明者】
【氏名】徐 光孝
(72)【発明者】
【氏名】徐 光宏
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0361016(US,A1)
【文献】 特開2007−001650(JP,A)
【文献】 独国実用新案第202007008690(DE,U1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0027322(US,A1)
【文献】 米国特許第10059493(US,B1)
【文献】 中国特許出願公開第107697459(CN,A)
【文献】 特開2006−027709(JP,A)
【文献】 特表2008−514514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/28
B65D 81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の開口に着脱可能に又は一体に設けられて、混合用物質を小分けしてなる個包装容器の開封を補助するための補助具であって、
前記開口を塞ぐように設けられ、前記個包装容器を載置する支持台と、
前記支持台の中央に形成されて前記開口と連通する導出口と、
前記支持台の周縁に立設される円筒状のホルダーと、
円筒状又は厚みを有するリング状をなし、前記ホルダーの内側面に螺着されて、端面で前記個包装容器を前記支持台側に押し付けて固定する固定リングと、
復元可能な弾性材からなり、前記固定リングの中空部側に水密に固設され、前記固定リングにより前記個包装容器を前記支持台に固定した状態で、前記個包装容器の裸出面を被覆するカバーと、
前記カバーの内側面に突設され、前記カバーを前記容器側に押し込んだ際に、前記カバーの前記内側面において前記個包装容器を押圧する突起と、を備えていることを特徴とする個包装容器開封補助具。
【請求項2】
容器の開口に着脱可能に又は一体に設けられて、混合用物質を小分けしてなる個包装容器の開封を補助するための補助具であって、
前記開口を塞ぐように設けられ、前記個包装容器を載置する支持台と、
前記支持台の中央に形成されて前記開口と連通する導出口と、
前記支持台の周縁に立設される円筒状のホルダーと、
円筒状又は厚みを有するリング状をなし、前記ホルダーの内側面に螺着されて、端面で前記個包装容器を前記支持台側に押し付けて固定する固定リングと、
前記固定リングの前記個包装容器と接触しない側の端面に設けられている操作用のつまみと、を備えていることを特徴とする個包装容器開封補助具。
【請求項3】
容器の開口に着脱可能に又は一体に設けられて、混合用物質を小分けしてなる個包装容器の開封を補助するための補助具であって、
前記開口を塞ぐように設けられ、前記個包装容器を載置する支持台と、
前記支持台の中央に形成されて前記開口と連通する導出口と、
前記支持台の周縁に立設される円筒状のホルダーと、
円筒状又は厚みを有するリング状をなし、前記ホルダーの内側面に螺着されて、端面で前記個包装容器を前記支持台側に押し付けて固定する固定リングと、
前記支持台及び/又は前記固定リングにおいて前記個包装容器と接触する面に設けられ、リング状をなす弾性部材と、を備えていることを特徴とする個包装容器開封補助具。
【請求項4】
被混合対象物又は混合物を収容する容器と、
前記容器の開口に着脱可能に又は一体に設けられている請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の個包装容器開封補助具と、を備えていることを特徴とする混合容器。
【請求項5】
小分けされた液体又は粉粒体からなる混合用物質を収容するための容器であって、
中空で柱状をなす容器本体と、
前記容器本体の底面の中央に形成されている排出口と、
前記容器本体の前記排出口が形成されない側の面において前記容器本体の外側に向かって突設され、可撓材からなりその突出方向を反転可能な押し込み部と、
前記排出口を封止するフィルム又は蓋と、を備え、
前記容器本体の中心軸方向において、前記容器本体の高さHは、前記押し込み部の高さHよりも小さいことを特徴とする個包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばPTP包装物等のような個包装容器内に小分けされる混合用物質を容器内に確実に供給するための個包装容器開封補助具及び混合容器及びこれらのための個包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スポーツドリンク等の飲用物の成分を粉粒体として提供し、利用者が自らこの粉粒体を水に溶かして飲用することが行われている。
この場合、利用者は必要量の混合用物質を容器内に供給する必要があるが、飲用物の成分が特に粉粒体である場合はこの作業が特に煩雑であった。
このような課題に対処できると考えられる先願としては、例えば特許文献1に開示されるような発明が知られている。
【0003】
特許文献1には「放出可能タブレットのための吐出キャップ」という名称で、容器のためのキャップに関し、特にこのキャップ内に含まれる物質を容器内に放出しかつこの容器を密閉するための手段を含むキャップに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明は、例えば同文献中の図1に示されるように、頂部の開口を備えた液体容器のためのキャップ(2)において、このキャップが、他の材料にヒート・シールまたは接着されることが可能なフランジ付きの平坦な縁部と、柔軟な上部と柔軟な材料の底部とを含み、この底部が上部よりも小さな破裂強度を有し、フランジ付きの縁部、上部および底部が積層可能であり、上部と底部との間に間隔が開けられていてその間にタブレットを配置するための空間を形成しているタブレット保持器(6)と、容器の頂部と離脱可能に係合する手段を備えたカラーであって、このカラーがタブレット保持器のフランジ付きの縁部をカラーと容器の頂部の間に離脱可能に保持しその間に液体のシールを形成するためのフランジを含むカラー(5)と、カラーに離脱可能に固定できるカバー(7)とを備えてなるものである。なお、上記文中において括弧書きで付されている数字は、特許文献1の図1中の対応する符号である。
上述のような特許文献1に開示されるキャップ(2)によれば、液体容器の開口にタブレット保持器(6)を設置することができる。さらに、この状態でタブレット保持器(6)の上部(10)を容器の中空部側に押し込むことで、タブレット保持器(6)に収容されるタブレット(12)を容器内に押し出すことができる(特許文献1中の図2,3を参照)。
また、特許文献1に開示されるキャップ(2)において、タブレット保持器(6)内に収容されるタブレット(12)を粉粒体に置換した場合は、タブレット保持器(6)に収容される粉粒体を容器内に導入することができる。
【0004】
また、本願の出願人は過去に、本件発明と関連する技術分野の先願として「混合用容器およびそれを備えたスプレー容器」(特許文献2)を発明し、既に特許されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2002−529324号公報
【特許文献2】特許第6493600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される発明の場合、発明品であるキャップと、このキャップが取設される容器は使い捨てにすることを前提にしている。
その一方で、特許文献1の明細書段落0034、0038、0056には、特許文献1に開示されるキャップ及びこのキャップが取設される容器を繰り返し使用する場合があるとの記載がある。
そして、特許文献1に開示されるキャップを繰り返し使用する場合は、使用者がキャップに設けられた使用済の保持器(6)を交換して容器の開口に再び取設する必要があると考えられる。
また、この場合の作業手順は、容器の開口に未開封のタブレット(12)が収容された保持器(6)をセッティングし、この後保持器(6)を、カラー(5)を用いて容器の開口に固定する必要がある(引用文献1中の図1乃至図3を参照)。
そして、保持器(6)の縁部(9)の平面形状及び寸法が容器の開口の寸法及び平面形状と略同一である場合に、容器の開口において保持器(6)設置位置がわずかでもずれていると、カラー(5)による保持器(6)の固定作業時に、保持器(6)の縁部(9)がカラー(5)の内側面と干渉してしまい、水密構造を形成できなくなる懸念があった。
そして、特許文献1に開示される発明において、容器に収容されている被混合対象物が例えば液体である場合、保持器(6)が容器の開口に水密に固定されていないと、容器の持ち運び時に液漏れが生じるおそれがあった。
【0007】
さらに、特許文献1に開示される保持器(6)内に収容される混合用物質は、液体又は粉粒体である方が、被混合対象物(例えば液体等)への溶解及び混合が容易になると考えられる。
そして、特許文献1に開示される保持器(6)内に収容されるタブレット(12)を粉粒体に置換する場合は、保持器(6)の容積が大きくなるほど、つまり、保持器(6)の縁部(9)から上部(10)までの高さ(厚み)が大きくなるほど、箔状材料又はプラスチック・フィルムからなる底部(8)を破損させるのが難しくなる可能性がある。
この理由として、特許文献1に開示されるキャップ(同文献中の図1乃至図3を参照)を用いる場合で、かつ保持器(6)の縁部(9)から上部(10)までの高さ(厚み)が大きい場合は、保持器(6)を上部(10)側から押圧した際の押圧力により保持器(6)自体の変形が起こり易くなる。この反面、箔状材料又はプラスチック・フィルムからなる底部8は破損し難くなると考えられるためである。
したがって、特許文献1に開示されるキャップ(同文献中の図1乃至図3を参照)を用いる場合で、かつ保持器(6)に収容されるタブレット(12)を液体又は粉粒体に置換する場合は、その収容量が大きくなるにつれて底部8の開封が困難になることが予想される。
【0008】
本発明はかかる従来の課題に対処してなされたものでありその目的は、混合用物質が収容される個包装容器を交換しながら混合用の容器を繰り返し用いる際に、容器の開口の適切な位置に個包装容器を容易にセッティングすることができる個包装容器開封補助具及びそれを用いてなる混合容器を提供することにある。
さらに、本発明は上記目的に加えて、上記個包装容器開封補助具及びそれを用いてなる混合容器で使用することができ、かつ特に液体又は粉粒体の収容量を大きくする場合でもその開封作業を容易に行うことができる個包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1の発明である個包装容器開封補助具は、容器の開口に着脱可能に又は一体に設けられて、混合用物質を小分けしてなる個包装容器の開封を補助するための補助具であって、開口を塞ぐように設けられ、個包装容器を載置する支持台と、この支持台の中央に形成されて開口と連通する導出口と、支持台の周縁に立設される円筒状のホルダーと、円筒状又は厚みを有するリング状をなし、ホルダーの内側面に螺着されて、その端面で個包装容器を支持台側に押し付けて固定する固定リングと、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において支持台は、個包装容器を支持するという作用を有する。
また、導出口は、支持台上に保持される個包装容器が開封された際に、個包装容器内の混合用物質を容器内に導出するという作用を有する。
さらに、支持台の周縁に立設される円筒状のホルダーは、その中空部内に個包装容器を保持することで、支持台上における個包装容器の位置を適切に保つという作用を有する。より具体的には、ホルダーは、個包装容器の平面形状における中心位置と支持台の中心位置とを略一致させながら個包装容器を支持台上に保持するという作用を有する。
加えて、固定リングは、個包装容器を支持台側に押し付けて固定するという作用を有する。
そして、上述のような第1の発明によれば、容器の開口に個包装容器を開封可能に保持するとともに、個包装容器が開封された際に個包装容器内に収容される混合用物質を容器内にスムーズに供給するという作用を有する。
【0010】
第2の発明である個包装容器開封補助具は、上述の第1の発明であって、固定リングの中空部側に水密に固設され、固定リングにより個包装容器を支持台に固定した状態で、個包装容器の裸出面を被覆するカバーを備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用に加えて、カバー付きの固定リングにより個包装容器を固定することで、個包装容器と、支持台及びホルダーとの接触部分を水密な状態にするという作用を有する。
この場合、容器内に収容される被混合対象物が例えば液体であり、かつ容器の開口に個包装容器を取設したまま容器を持ち運ぶ際に、容器から液漏れが生じるのを防ぐという作用を有する。
【0011】
第3の発明である個包装容器開封補助具は、上述の第1又は第2の発明であって、カバーの内側面に突設され、カバーを容器側に押し込んだ際に、カバーの内側面において個包装容器を押圧する突起を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第3の発明は、上述の第2の発明による作用と同じ作用に加えて、カバーの外側からカバーの突出部分を押し下げた際に、カバーの内側面に突設される突起が、個包装容器を容器の中空部側に向かって押圧するという作用を有する。
この動作に伴って個包装容器の圧力が高まり、個包装容器において導出口と接触する部分が破損する又は開封される。
この結果、個包装容器に収容される混合用物質が導出口から容器の中空部内に導出される。
【0012】
第4の発明である個包装容器開封補助具は、上述の第1の発明であって、固定リングの個包装容器と接触しない側の端面は、操作用のつまみを備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用に加えて、固定リングの中心軸方向長さがホルダーの中心軸方向長さよりも短い場合に、操作用のつまみは、ホルダーの中空部内に収容された固定リングの回動操作を可能にするという作用を有する。
【0013】
第5の発明である個包装容器開封補助具は、上述の第1の発明であって、支持台及び/又は固定リングは、個包装容器と接触する面にリング状をなす弾性部材を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第5の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用に加えて、固定リングにより支持台側に個包装容器を押し当てて固定する場合に、弾性部材は弾性変形して支持台及び/又は固定リングと個包装容器との間に隙間が生じるのを防ぐという作用を有する。
この場合、容器内に収容される被混合対象物が特に液体である場合で、かつ個包装容器を固定リングにより固定する場合に、個包装容器と固定リングとの隙間、あるいは、個包装容器と支持台との隙間、あるいはこれら両方から液漏れが起こるのを防ぐという作用を有する。
【0014】
第6の発明である混合容器は、被混合対象物又は混合物を収容する容器と、容器の開口に着脱可能に又は一体に設けられている第1乃至第5のいずれかの発明である個包装容器開封補助具と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の発明において容器は、その中空部内に被混合対象物と、後から容器内に供給される混合用物質とを収容し、さらにこれらからなる混合体を収容するという作用を有する。
また、容器の開口に着脱可能に又は一体に設けられている個包装容器開封補助具は、上述の第1乃至第5のそれぞれの発明の作用と同じ作用を有する。
よって、第6の発明は、個包装容器内に収容される混合用物質を容器内に供給して、この混合用物質と被混合対象物とから混合体を調整するという作用を有する。
【0015】
第7の発明である個包装容器は、上述の第1乃至第6の発明である包装容器開封補助具に用いられ、小分けされた液体又は粉粒体からなる混合用物質を収容するための容器であって、中空で柱状をなす容器本体と、この容器本体の底面の中央に形成されている排出口と、容器本体の排出口が形成されない側の面において容器本体の外側に向かって突設され、可撓材からなりその突出方向を反転可能な押し込み部と、排出口を封止するフィルム又は蓋と、を備えていることを特徴とするものである。
なお、上記構成の第7の発明において「押し込み部」が形成される「容器本体の排出口が形成されない側の面」とは、排出口が形成されている面の反対側の面である。つまり、第7の発明である個包装容器の容器本体において排出口と押し込み部は互に対向した状態で配置されている。
上記構成の第7の発明において、容器本体及び押し込み部の中空部は、液状又は粉粒体状をなす混合用物質を収容するという作用を有する。
また、容器体の底面形成されている排出口は、この排出口を塞ぐフィルムが破損した際に、あるいはこの排出口を塞ぐ蓋が外れた際に、容器本体及び押し込み部の中空部内に収容される液状又は粉粒体状の混合用物質を排出するという作用を有する。
また、排出口を封止するフィルム又は蓋は、排出口を塞ぐという作用を有する。
さらに、押し込み部は、容器本体の外側から容器本体の中空部側に押し込まれてその突出方向が反転することで、排出口を封止するフィルムを直接又は間接的に破損させる、あるいは排出口を封止する蓋を排出口から外す、という作用を有する。
【発明の効果】
【0016】
上述のような第1の発明によれば、容器の開口の適切な位置に個包装容器をセッティングすることができる。
より具体的には、第1の発明である個包装容器開封補助具のホルダーの中空部内に個包装容器を投入するだけで、そのセッティング作業を完了することができる。
この場合、ホルダーの中空部内に収容された個包装容器を固定リングにより固定する場合に、個包装容器が位置ずれを起こす心配がない。
このため、固定リングにより支持台上に個包装容器を固定した際に、ホルダー、支持台、個包装容器及び固定リングにより水密構造を形成することができる。
この結果、容器内に収容される被混合対象物が例えば液体である場合で、かつ容器の開口に個包装容器を取設したまま容器を持ち運ぶ際に、被混合対象物が容器から漏れ出るのを防止できる。
よって、第1の発明によれば、操作性が良好で、かつ携行に適した混合容器を提供することができる。
さらに、第1の発明では、ホルダーの中空部内に個包装容器を収容することで個包装容器の位置決めも同時に行っている。
このことはすなわち、個包装容器がホルダー内に収容可能なサイズであれば、その平面形状が容器の開口の平面形状と略完全に一致していなくとも個包装容器開封補助具にセッティングして用いることができることを意味している。
よって、第1の発明によれば、個包装容器の平面形状が円形でなく正方形や正多角形であってもその使い勝手が変わらないので、個包装容器の外形に対する汎用性が高い個包装容器開封補助具を提供することができる。
【0017】
第2の発明は、上述のような第1の発明による効果と同じ効果に加えて、カバー付きの固定リングで個包装容器を固定することで、個包装容器を支持台上に固定した際の、ホルダー、支持台、個包装容器及び固定リングからなる水密構造を一層確実なものにすることができる。
より具体的には、固定リングにより個包装容器を固定する際に、意図せず個包装容器と、ホルダー又は支持台の間に空隙が生じる可能性がある。
これに対して第2の発明では、固定リングの外側面がホルダーの内側面に螺着し、さらに固定リングの中空部側にカバーが水密に固設されていることで、万一個包装容器と、ホルダー又は支持台の間に空隙が生じてしまった場合に、カバーにより容器内の被混合対象物や混合物が外部に漏れ出るのを妨げることができる。
【0018】
第3の発明は、上述のような第2の発明による効果と同じ効果に加えて、カバーがその内側面に突起を備えていることで、カバーの外から個包装容器を押圧した際に個包装容器の変形を助長して個包装容器を開封され易くすることができる。
この結果、個包装容器から容器内に混合用物質をスムーズに導出させることができる。
よって、第3の発明によれば、容器内の被混合対象物が外部に漏れ出すのを防止しつつ、個包装容器の開封を一層容易かつ確実にできる個包装容器開封補助具を提供することができる。
【0019】
第4の発明は、上述の第1の発明による効果と同じ効果に加えて、固定リングが操作用のつまみを備えていることで、ホルダーの中空部内に固定リングが完全に収容されている状態でも固定リングの回動操作を行うことができる。
なお、固定リングが操作用のつまみを備えていない場合は、ホルダーの中空部内に収容されている固定リングを操作するために、固定リングの支持台側に配されない側の端部を常時ホルダーから裸出させておく必要がある。この場合、第4の発明と比較して、個包装容器開封補助具の中心軸方向の長さ(大きさ)を大きく設定しておく必要がある。
よって、第4の発明によれば、コンパクトな個包装容器開封補助具を提供することができる。
【0020】
第5の発明は、上述の第1の発明による効果と同じ効果に加えて、支持台及び/又は固定リングがリング状をなす弾性部材を備えていることで、支持台上に固定リングを用いて個包装容器を固定する際に、個包装容器と支持台及び/又は固定リングとの間に隙間が生じるのを防ぐことができる。
つまり、支持台及び/又は固定リングに設けられる弾性部材は、個包装容器を固定リングで固定する際に、支持台及び/又は固定リングと個包装容器との接触部分に確実に水密構造を形成することができる。
この場合、支持台上に個包装容器を固定した状態で容器を携行する場合に、容器内に収容されている被混合対象物が外に漏れ出るのを防ぐことができる。
よって、第5の発明によれば、容器を傾倒させた状態で携行する場合でも被混合対象物や混合物の漏出が起こり難い高性能な混合容器を提供することができる。
【0021】
第6の発明は、被混合対象物又は混合物を収容する容器と、上述の第1乃至第5のいずれかの発明である個包装容器開封補助具を備えてなる混合容器である。
このような混合容器によれば、第1乃至第5のそれぞれの発明による効果を有する。さらに、第6の発明によれば、使用済の個包装容器を交換しながら、混合容器を繰り返し使用することができる。
そして、その場合でも個包装容器のセッティング作業が容易であり、かつ被混合対象物や混合物が容器から外部に漏れ難くすることができる。このため、第6の発明によれば、操作性及び携行性に優れた混合容器を提供することができる。
より具体的には、第6の発明によれば、飲用物中に混合される成分のみを個包装容器内に収容して使用者に提供することができる。この場合、使用者は所望の時に所望の場所で個包装容器に収容される飲用物の成分と水等を混合して自ら好みの飲用物を調整して飲むことができる。
この場合、調整済の飲用物として提供する場合に比べて、飲用物の輸送コストを軽減することができる。また、利用者は自分の好みの飲用物を好きな時に飲むために、重量がありかつ嵩張る調整済の飲用物を携行する必要がなくなる。このため、第6の発明によれば、飲用物自体のコストを削減できる上、利用者にとっての携行容易性を向上させることができる。
また、第6の発明は、上述のような飲用物の調整のみならず、適切な濃度の薬液等の調整にも便利である。
【0022】
一般に混合用物質を収容するための個包装容器としては、例えば特許文献1に開示されるような保持器(6)や特許文献2に開示されるようなPTP包装物が知られている。
ただし、このようなPTP包装物では、そのフランジ部分に混合用物質を収容することができない。このため、PTP包装物の収容量を大きくする場合は、収容容器の開口部を大きくして中空部の容積を増加させるか、あるいは収容容器の開口部の大きさを変えない場合は、収容容器の高さ(厚み)を大きくする必要があった。
そして、特に前者の場合は、PTP包装物の収容容器の開口面積の増大に伴って、容器の開口面積も増大させる必要があるため、被混合対象物や混合物を収容する容器が携行に適さない形状やサイズになってしまう懸念があった。
また、後者の場合は、PTP包装物の収容容器部分が細長くなるため、収容容器を押し潰すだけでは容易に開封できない可能性があった。
これに対して第7の発明によれば、従来公知のPTP包装物におけるフランジ部分に容器本体を備え、かつ従来公知のPTP包装物における収容容器が押し込み部として機能するよう構成されている。
この結果、第7の発明によれば、個包装容器の平面寸法を変更することなく、混合用物質の収容量を大きくした個包装容器を提供することができる。
さらに、上述のような第7の発明では、容器本体及び押し込み部の中空部内に収容される混合用物質は液体又は粉粒体であるため、排出部が開放された際にそこから混合用物質を容器内にスムーズに導出することができる。
加えて、第7の発明において特に排出口が蓋により封止されている場合、第7の発明である個包装容器を繰り返し使用することができる。
この場合、使い捨ての個包装容器でなく、耐用品としての個包装容器を提供することができる。よって、第7の発明において特に排出口を蓋で封止する場合は、個包装容器を都度廃棄する場合に比べてゴミの発生量を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具及びそれを備えた混合容器の要部断面図である。
図2】本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具及びそれを備えた混合容器を分解した状態を示す断面図である。
図3】(a)本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具における固定リングの斜視図であり、(b)同個包装容器開封補助具に用いる個包装容器の断面図である。
図4】(a),(b)はいずれも本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具を用いて個包装容器を開封する様子を示す断面図である。
図5】(a)本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具に用いられる個包装容器の変形例の断面図であり、(b)同変形例に係る個包装容器が開封された状態を示す断面図である。
図6】本発明の実施例1の変形例に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の要部断面図である。
図7】本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の他の使用例を示す要部断面図である。
図8】(a)本発明の実施例2に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の要部断面図であり、(b)同個包装容器開封補助具のキャップと固定リングを取り外した状態を示す斜視図である。
図9】本発明の実施例2に係る個包装容器開封補助具を分解した状態を示す断面図である。
図10】(a),(b)はいずれも本発明の実施例2に係る個包装容器開封補助具を用いて個包装容器(PTP包装物)を開封する様子を示す断面図である。
図11】本発明の実施例2の変形例に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の要部断面図である。
図12】本発明の実施例2の別の変形例に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態に係る個包装容器開封補助具及びそれを備えた混合容器、並びにこれらのための個包装容器について図1乃至図12を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0025】
はじめに、図1乃至図7を参照しながら本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具及びそれを備えた混合容器、並びにこれらのための個包装容器について説明する。
図1は本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の要部断面図であり、図2は同個包装容器開封補助具及び同混合容器を分解した状態を示す断面図である。また、図3(a)は本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具における固定リングの斜視図であり、(b)は同個包装容器開封補助具に用いる個包装容器の断面図である。
実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aは、図1,2に示すように、容器3の開口3aに着脱可能に設けられて、混合用物質13を小分けしてなる個包装容器8の開封を補助するための補助具である。
このような実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aは、図1,2に示すように、容器3の開口3aを塞ぐように設けられ、その上面側に個包装容器8を載置する支持台4と、この支持台4の中央に形成されて個包装容器8から導出された混合用物質13を容器3内に供給する導出口4aと、支持台4の周縁に立設される円筒状のホルダー5と、このホルダー5内に収容された個包装容器8を固定するための固定リング6により構成されている。
【0026】
この固定リング6は、図1に示すように、厚みを有するリング状をなしホルダー5の内側面5aに螺着されて用いられる。
より具体的には、図1及び図3(a)に示すように、固定リング6の外側面6aはねじ山6bを備えている。また、ホルダー5の内側面5aはねじ山5bを備えている。そして、固定リング6のねじ山6bとホルダー5のねじ山5bとが螺合することで、ホルダー5の内側面5aに固定リング6を螺着することができる。
そして、実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aでは、図1に示すように、ホルダー5の内側面5aに固定リング6が螺着された際に、この固定リング6の支持台4側の端面により個包装容器8が支持台4側に押し付けられて固定される。
なお、固定リング6の厚み(固定リング6の中心軸方向長さ(高さ))は、図1に示されるものよりも小さく設定してもよい。より具体的には、固定リング6は、操作時にそれ自体が変形しない程度の十分な剛性を備え、かつ必要に応じて後段に示す回動操作を可能にする付属具(例えばつまみ6d等)を備えるなどしていれば、その形態は例えば切れ目を有しないワッシャーのような扁平状のもの(図示せず)を採用してもよい。
【0027】
さらに、実施例1に係る固定リング6は、図1,2及び図3(a)に示すように、ホルダー5の開放端側に配される端面に突設されるつまみ6dを備えていてもよい(任意選択構成要素)。
図1,2に示す固定リング6は、その中心軸方向における長さが、ホルダー5の中心軸方向における長さよりも短い。このため、ホルダー5の中空部内に固定リング6が完全に収容されてしまった場合に、固定リング6の回動操作が困難になる。
これに対して、実施例1に係る固定リング6は、ホルダー5の開放端側に配される端面につまみ6dを備えていることで、ホルダー5の中空部内に固定リング6が完全に収容された状態でもつまみ6dを操作して固定リング6をその周方向に自在に回動させることができる。
なお、後段における実施例2において詳細に説明するが、固定リング6の中心軸方向における長さを、ホルダー5の中心軸方向における長さよりも長くできる場合は、固定リング6は必ずしもつまみ6dを備えていなくともよい。
【0028】
そして、中空状の容器3の開口3aに上述のような実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aを着脱可能に螺着してなるものが実施例1に係る混合容器である。
なお、容器3の開口3aへの実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aの取設構造は螺着である必要はなく、螺着以外の構造を採用してもよい。
図1,2に示すように、容器3の開口3aに個包装容器開封補助具1Aを着脱可能に取設することで、必要に応じて容器3の開口3aから個包装容器開封補助具1Aを取り外すことができる。
この場合、必要に応じて容器3の開口3aを開放することができるので、容器3内の洗浄作業が容易になる。また、容器3から個包装容器開封補助具1Aを分離できることで、個包装容器開封補助具1A自体の洗浄も容易に行える。
この結果、実施例1に係る個包装容器開封補助具1A及び混合容器2Aにおいて、容器3に対して個包装容器開封補助具1Aを着脱可能に取設する場合は、個包装容器8を交換しながら個包装容器開封補助具1A及び容器3を繰り返し使用する際に、これらを衛生的に使用することができる。
【0029】
また、図1では容器3の開口3aに、実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aを着脱可能に設ける場合を例に挙げて説明しているが、容器3の開口3aに個包装容器開封補助具1Aを着脱不可に固設してもよい(任意選択構成要素)。あるいは、容器3と、個包装容器開封補助具1Aにおける支持台4及びホルダー5を一体ものとして構成してもよい(任意選択構成要素)。
より具体的には、実施例1における個包装容器開封補助具1Aにおける導出口4aの直径が十分に大きく、この導出口4aから容器3内の洗浄が容易である場合や、実施例1に係る混合容器2Aを使い捨てにする場合は、個包装容器開封補助具1Aにおける支持台4及びホルダー5を一体ものとすることでその製造コストを廉価にできる場合がある。
【0030】
さらに、実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aの固定リング6は、図1,2及び図3(a)に示すように、その中空部6cに水密に固設され、この固定リング6により個包装容器8を支持台4に固定した状態で、個包装容器8の裸出面を被覆するカバー7を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、図1に示すように、カバー7を備えた固定リング6を用いることで、支持台4上に個包装容器8を一層確実な水密構造を形成しながら固定することができる。
また、カバー7を合成樹脂やシリコン等の復元可能な弾性材により構成することで、カバー7の突出部分を押し込むことにより、カバー7の内側に配置されている個包装容器8を間接的に押圧することができる。
そして、後段において図面を参照しながら詳細に説明するが、個包装容器8に押圧力を付加することで個包装容器8を開封することができる。この結果、個包装容器8内に収容される混合用物質13を容器3内に供給することができる。
また、容器3内に収容される被混合対象物が例えば液体である場合、実施例1に係る固定リング6がカバー7を備えていることで、混合容器2Aを携行する際に容器3が傾倒した場合でも収容物が外部に漏れ出るのを防ぐことができる。
よって、実施例1に係る混合容器2Aによれば、携行性が優れた混合容器2Aを提供することができる。
【0031】
次に、実施例1に係る個包装容器開封補助具1A及び混合容器2Aに用いられる個包装容器8について説明する。
実施例1に係る個包装容器8は、小分けされた液体又は粉粒体である混合用物質を収容するための容器である。
実施例1に係る個包装容器8は、図1,2及び図3(b)に示すように、外形が中空で柱状をなす容器本体9と、この容器本体9の底面の中央に形成されている排出口10と、この排出口10を封止するフィルム12を備え、さらに、容器本体9において排出口10が形成されない側の面は、容器本体の外側に向かって突設される中空状の押し込み部11を備えている。
また、上述の個包装容器8において押し込み部11は、例えば合成樹脂やシリコン等の復元性を有する可撓材により構成されている。このため、実施例1に係る個包装容器8内に混合用物質13が充填されている状態で押し込み部11を容器本体9の中空部側に押し込むと、押し込み部11の突出方向が反転する。
これにより、容器本体9内の圧力が上昇して排出口10を封止しているフィルム12が破損して排出口10が開放される。この結果、個包装容器8内の混合用物質13を外に導出することができる。
なお、容器本体9の形態は、例えば中空円柱、中空多角柱体、あるいは、任意の辺面形状を有する柱状体のいずれでもよく、ホルダー5の中空部内に収容することができ、カバー7を備えた又はカバー7を備えていない固定リング6により支持台4上に水密に固定することができれば、どのような柱状体であってもよい。
また、実施例1では、個包装容器8の押し込み部11の外形が半球状である場合を例に挙げて説明しているが、カバー7の中空部内に収容できる形状及びサイズであれば半球状以外の形態でもよい。
なお、使用時に個包装容器8の押し込み部11がカバー7の中空部内に収容されることで、支持台4上における個包装容器8の位置決め効果が発揮される。このため、容器本体9の直径(外−外寸法)は、ホルダー5の中空部の内径(内−内寸法)と略同一でなくともよい。なお、容器本体9の直径(外−外寸法)は少なくとも、導出口4aの直径(内−内寸法)よりも大きく設定されている必要がある。
【0032】
なお、上述のような実施例1に係る個包装容器8では、容器本体9の中心軸方向における高さH図3(b)を参照)が押し込み部11の高さH図3(b)を参照)よりも小さくなるよう構成してもよい(任意選択構成要素)。
この場合、押し込み部11を容器本体9の中空部側に押し込んだ際に、突出方向が反転した押し込み部11により直接フィルム12を破損させることができる。
このため、実施例1に係る個包装容器8を用いる際の開封作業の失敗を防止できる。
【0033】
なお、実施例1に係る個包装容器8において、押し込み部11が十分な可撓性を有している必要がある一方で、容器本体9は可撓性を有しないことが望ましい。
なお、本実施形態において容器本体9が可撓性を有しない状態とは、押し込み部11の押し込み操作時に、それに付随して容器本体9が変形しない程度の剛性を有していることを意味しており、分別回収等のために大きな外力を容器本体9に作用させた場合、容易に容器本体9は圧潰してもよい。より具体的には、容器本体9は、清涼飲料水等を収容する従来公知のペットボトルと同程度の剛性を有していることが望ましい。
ただし、容器本体9の直径(外−外寸法)が、ホルダー5の中空部の直径(内−内寸法)と略同一である場合は、押し込み部11を容器本体9の中空部側に押し込んだ際に、その周囲に配設されるホルダー5及び固定リング6(図1を参照)により容器本体9の変形を抑制することができるので、容器本体9の強度が従来公知のペットボトルよりも劣っていても問題ない場合もある。
【0034】
さらに、図1,2及び図3(b)に示すように、実施例1に係る個包装容器8において容器本体9の底面は、個包装容器開封補助具1Aにおける支持台4の上面の立体形状と略符合する形状を有していてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aのホルダー5に個包装容器8を収容した際に、個包装容器8の底面と支持台4の上面とを嵌合させることができる。
この場合、例えば実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aにおけるホルダー5の中空部の直径(ホルダー5の内−内寸法)よりも容器本体9の直径(外−外寸法)が小さい個包装容器8をホルダー5の中空部内にセッティングする際に、支持台4上における個包装容器8の位置決めを正確かつ容易に行うことができる。
【0035】
また、図1,2に示すように、実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aは、ホルダー5の開放端を封止する蓋14を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
なお、図1,2では、ホルダー5の開放端に蓋14を螺着する場合を例に挙げて説明しているが、蓋14の取設構造は螺着以外の構造でもよい。
この場合、容器3内に収容される被混合対象物(図示せず)が例えば液体である場合で、かつホルダー5に固定リング6を螺着した際に個包装容器8を水密に固定することができていなかった場合に、被混合対象物が外部に漏れ出るのを防止することができる。
【0036】
さらに、実施例1に係る個包装容器開封補助具1A及び混合容器2Aは、図1,2に示すように、円筒状をなすホルダー5において支持台4が設けられる側の端部に接続部5cを備えている。そして、この接続部5cが、容器3の開口3aに螺着されることで、容器3の開口3aに実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aが着脱可能に取設されている。
なお、容器3の開口3aへの個包装容器開封補助具1Aの取設構造は、上述のような接続部5cによる螺着以外の構造を採用してもよい。
【0037】
続いて、図2,4を参照しながら実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aの使用方法について説明する。
図4(a),(b)はいずれも本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具を用いて個包装容器を開封する様子を示す断面図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aに実施例1に係る個包装容器8をセッティングするには、図2に示すように、容器3の開口3aに、支持台4を備えたホルダー5を螺着して取り付ける。
この後、個包装容器開封補助具1Aにおけるホルダー5の中空部内に未開封の個包装容器8を落とし込んで支持台4上に載置する。
さらに、ホルダー5の開放端側から固定リング6を回転させながら、ホルダー5の中空部内に収容される個包装容器8側に移動させる。
この時、固定リング6をそれ以上回転させることができなくなるまで回転させることで、固定リング6により個包装容器8を支持台4に押し付けながら固定することができる。
【0038】
この後、図4(a)に示すように、個包装容器8の押し込み部11とカバー7の重なり部分を、図中の矢印Pで示す方向に、すなわち押し込み部11とカバー7をこれらの突出方向と反対方向に押し込めばよい。
この動作により個包装容器8内の圧力が上昇し、図4(b)に示すように、支持台4の導出口4aを塞ぐように配される個包装容器8のフィルム12が破損する。この結果、フィルム12の破損部分から個包装容器8内に収容されている混合用物質13が容器3内に供給される。
【0039】
なお、実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aに用いられる個包装容器として図1,2,4及び図3(b)に示すような実施例1に係る個包装容器8を用いる場合、フィルム12の破損部分から個包装容器8内の収容物を確実に外部に排出できる必要がある。
このため、実施例1に係る個包装容器8に収容される混合用物質13の態様は、液体又は粉粒体等の流動性を有する物質が最適である。
なお、実施例1に係る個包装容器開封補助具1A及び混合容器2Aを繰り返し使用する場合は、個包装容器開封補助具1Aに実施例1に係る個包装容器8を設置する手順の逆を行って個包装容器開封補助具1Aから使用済個包装容器8を取外し、その後上述の手順により新たな個包装容器8を個包装容器開封補助具1Aにセッティングすればよい。
【0040】
続いて、図5を参照しながら実施例1に係る個包装容器8の変形例について説明する。
図5(a)は本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具に用いられる個包装容器の変形例の断面図であり、(b)は同変形例に係る個包装容器が開封された状態を示す断面図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
先の図1,2,4及び図3(b)に示すような実施例1に係る個包装容器8は、容器本体9の排出口10がフィルム12により封止されている。このため、個包装容器8は使い捨てされる。
これに対して、図5(a)に示すように、実施例1の変形例に係る個包装容器8´では、容器本体9の排出口10が蓋15で封止されているため、個包装容器8´を洗浄することで繰り返し使用することができる。
この場合、例えば使用者が自ら個包装容器8´内に混合用物質13を充填して蓋15で封止して使用することができる。
【0041】
そして、上述のような繰り返し使用可能な変形例に係る個包装容器8´を用いる場合は、個包装容器8を使用する場合に比べて、個包装容器開封補助具1Aの使用に伴うゴミの排出を大幅に削減することができる。
よって、変形例に係る個包装容器8´によれば、その使用時の環境負荷が小さい個包装容器開封補助具1A及び混合容器2Aを提供することができる。
【0042】
さらに、変形例に係る個包装容器8´は、その蓋15に磁器素材を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、変形例に係る個包装容器8´を開封した際に、容器3内に落下した磁器素材を備えた蓋15により容器3内に収容される物質を撹拌することができる。
より具体的には、変形例に係る個包装容器8´の開封動作に伴って容器3内に落下した磁器素材を備えた蓋15に対して、容器3の外から別体として準備される機器により磁気を作用させることで、この蓋15によりマグネチックスターラーの撹拌子と同様の作用効果を発揮させることができる。
この結果、容器3内に予め収容されている被混合対象物と、個包装容器8´から供給される混合用物質を、蓋15を用いて効率良く撹拌することができ、これにより均質な混合体を容易に得ることができる。
このように変形例に係る個包装容器8´を耐用品として提供する場合は、蓋15に磁器素材を付加することで上述のような独自の効果を発揮させることができる。この場合、使い捨て品である個包装容器8を使用する場合に比べてより高い付加価値を有する個包装容器開封補助具1A及び混合容器2Aを提供することができる。
【0043】
また、図5では変形例に係る個包装容器8´の蓋15が、容器本体9から分離できる場合を例に挙げて説明しているが、蓋15は、容器本体9と一体に、又は、容器本体9に連結された状態で設けられていてもよい。
より具体的には、容器本体9の排出口10に、例えばヒンジ等の接続構造を介して蓋15を一体に設けてもよい。あるいは、容器本体9の排出口10に又は排出口10の近傍に、帯状のバンドや紐等の可撓性を有する材質からなる連結材を介して蓋15を固設してもよい。
いずれの場合も、個包装容器8´の使用時に、蓋15の紛失を防止できるという利点がある。
また、特に容器本体9の排出口10に一体に蓋15を取設する場合は、排出口10から外れた蓋15が排出口10側に戻ってしまわないように、これらの連結部分の剛性を適宜調整しておくことが望ましい。
より具体的には、例えば容器本体9及び蓋15を合成樹脂成型体により構成する場合、容器本体9と蓋15の連結部分は、容器本体9や蓋15を構成する材質よりもより柔軟な性質を有する材質(例えば合成樹脂、シリコン、ゴム等)により構成することが望ましい。
この場合、変形例に係る個包装容器8´を開封した際に、排出口10から外れた蓋15が容器本体9の排出口10や、実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aの導出口4aを塞いで、混合用物質13の排出の妨げになるのを防止できる。
【0044】
続いて、図6を参照しながら、実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aの変形例について説明する。
図6は本発明の実施例1の変形例に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の要部断面図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
先の図1,4に示す個包装容器開封補助具1Aでは、支持台4の上面と個包装容器8の底面とが嵌合構造を形成しながら密着する場合を例に挙げて説明しているが、この部分は図6に示すように空隙を有していてもよい。
さらに、変形例に係る個包装容器開封補助具1Aでは、図6中に示される個包装容器8に代えて、図5に示す変形例に係る個包装容器8´(図5を参照)を使用することもできる。
ただし、この場合でも導出口4aの周縁部分の全域は、個包装容器8又は変形例に係る個包装容器8´の底面に密着していることが望ましい。
この場合、容器3内に収容されている被混合対象物が導出口4aを通じてホルダー5の中空部内に浸入するのを防止できる。
なお、支持台4の上面に載置された個包装容器8又は変形例に係る個包装容器8´は、固定リング6により支持台4の上面側に押し付けられているため、導出口4aの周縁部分の全域が、個包装容器8又は変形例に係る個包装容器8´の底面に密着していれば、容器3内の収容物が導出口4aからホルダー5の中空部内に漏れ出すおそれはない。
【0045】
また、先の図1,4では、ホルダー5において支持台4側の端面に延設される接続部5cを、容器3の開口3aの内側面に螺着する場合を例に挙げて説明しているが、図6に示す変形例1に係る個包装容器開封補助具1Aのように容器3の開口3aの内側面及び外側面の両方を挟持するように螺着される接続部5c´を備えていてもよい。
この場合、容器3と個包装容器開封補助具1Aの接続部分における水密性を一層向上させることができる。
なお、実施例1では、容器3の開口3aに実施例1に係る個包装容器開封補助具1A〜1Aを螺着する場合を例に挙げて説明しているが、水密な状態を維持することができれば、容器3に対する実施例1に係る個包装容器開封補助具1A〜1Aの取設構造はどのような構造でもよい。
【0046】
さらに、図7を参照しながら実施例1に係る個包装容器開封補助具1A及び混合容器2Aの他の使用例について説明する。
図7は本発明の実施例1に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の他の使用例を示す要部断面図である。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図7に示すように、実施例1に係る個包装容器開封補助具1Aでは、図1,4,5に示すような実施例1に係る個包装容器8や、その変形例に係る個包装容器8´以外に、特許文献2に示されるようなPTP包装物16を使用することもできる。
なお、このPTP包装物16は、図7に示すように、例えば合成樹脂を成形してなり、混合用物質13を収容するための凹状の中空部有する収容容器17と、この収容容器17の排出口10に沿って延設されるフランジ17aと、排出口10を封止しつつフランジ17aに密着されるフィルム12により構成されている。また、PTP包装物16内に収容する混合用物質13は、図7に示すような粉粒体以外に、液体やタブレットでもよい。
この場合、PTP包装物16のフランジ17aの平面寸法を、ホルダー5の中空部内に収容可能な大きさに設定する必要がある。さらに、PTP包装物16の収容容器17を平面視した場合の外形寸法も、カバー7の中空部内に収容可能な大きさに設定する必要がある。
【0047】
さらに、実施例1に係る個包装容器開封補助具1AにおいてPTP包装物16を使用する場合は、ホルダー5内に設けられる支持台4´の上面が略平坦状であることが望ましい。
これは、通常PTP包装物16の底面は略平坦状をなしているため、支持台4´の上面を略平坦状にしておくことで、固定リング6でPTP包装物16を支持台4´の上面側に押し付けて固定する際の水密性を向上させることができるためである。
よって、実施例1に係る個包装容器開封補助具1A及び混合容器2Aによれば、個包装容器の形態に対する汎用性が高い個包装容器開封補助具及びそれを用いてなる混合容器を提供することができる。
【実施例2】
【0048】
次に、図8乃至図12を参照しながら本発明の実施例2に係る個包装容器開封補助具及びそれを用いてなる混合容器について説明する。
図8(a)は本発明の実施例2に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の要部断面図であり、(b)は同個包装容器開封補助具のキャップと固定リングを取り外した状態を示す斜視図である。また、図9は本発明の実施例2に係る個包装容器開封補助具を分解した状態を示す断面図である。なお、図1乃至図7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、ここでは上述の実施例1に係る個包装容器開封補助具及びそれを用いてなる混合容器との相違点に重点をおいて説明する。
【0049】
図8(a)及び図9に示すように、実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bでは、支持台4及び固定リング6´は個包装容器であるPTP包装物16と接触する面にリング状をなす弾性部材P,Pを備えている。
より具体的には、固定リング6´は、PTP包装物16のフランジ17aの上面と接触する部分にリング状をなす弾性部材Pを備えている。また、支持台4は、PTP包装物16の底面(フィルム12が覆設されている側の面)と接触する部分に、リング状をなす弾性部材Pを備えている。
そして、実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bでは弾性部材P,Pを備えていることで、固定リング6´で支持台4´´の上面にPTP包装物16のフランジ17aを押し付けながら固定した際に、固定リング6´、支持台4´´及びPTP包装物16により確実に水密構造を形成することができる。
したがって、実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bによれば、固定リング6´がカバー7(図1,4を参照)を備えていなくとも、容器3から被混合対象物が外部に漏れ出るのを防止できる。
なお、図8(a)及び図9では、実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bが弾性部材P,Pの両者を備えている場合を例に挙げて説明しているが、弾性部材P,Pのいずれか一方を備えるだけでも水密性を十分に向上させることができる。
【0050】
さらに、実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bでは、ホルダー5の開放端側から常時固定リング6´の上端が裸出するよう構成されている。
この場合、ホルダー5の開放端側(上端)から裸出している固定リング6´の開放端6d´を指先で摘んで固定リング6´を回動操作することができる。なお、固定リング6´は先の実施例1の個包装容器開封補助具1Aに示すようなつまみ6dを備えた固定リング6でもよい。
なお、図8(a)及び図9に示すような実施例2に係る個包装容器開封補助具1B及びそれを用いてなる混合容器2Bは、これらに取設する個包装容器が比較的小さい場合に適した形態である。
このような実施例2に係る個包装容器開封補助具1B及び混合容器2Bによれば、何らかの薬剤を水等の溶媒に溶解させて所望の濃度に調整する必要がある場合に用いられる混合容器としても利用することができる。
【0051】
さらに、実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bでは、図8(b)及び図9に示すように、ホルダー5の中空部内にPTP包装物16を投下するだけでそのセッティング作業を完了することができる。
このため、実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bでは、個包装容器として薬剤等が収容された小型のPTP包装物16を用いて混合体を調整する場合に、その作業を容易に、迅速にかつ正確に行うことができる。
よって、特許文献1に開示される発明と比較してより利便性が高い個包装容器開封補助具及び混合容器を提供することができる。
なお、PTP包装物16内に収容される混合用物質13は、図8(a)及び図9に示すような粉粒体以外に、液体やタブレットでもよい。
【0052】
また、実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bは、図8(a)及び図9に示すように、カップ状の蓋18を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、固定リング6´と支持台4´´によるPTP包装物16の固定構造において万一液漏れ等が生じた際に、蓋18により漏れ出た液体が容器3の外に流出するのを防ぐことができる。
また、実施例2に係る混合容器2Bを用いて飲用物を調整する場合は、蓋18をコップとして使用することができるので便利である。
なお、図8(a)では、ホルダー5の外側面に蓋18を螺着する場合を例に挙げて説明しているが、蓋18は容器3の外側面に螺着してもよい。
この場合、蓋18の容積を大きくすることができるので、蓋18をコップとして使用する際の利便性を一層向上させることができる。
また、図8(a)及び図9では、蓋18をその取設対象に螺着する場合を例に挙げて説明しているが、蓋18を水密に取設することができればどのような取設構造を採用してもよい。
【0053】
続いて、図9,10を参照しながら実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bの使用方法について説明する。
図10(a),(b)はいずれも本発明の実施例2に係る個包装容器開封補助具を用いて個包装容器(PTP包装物)を開封する様子を示す断面図である。なお、図1乃至図9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bに個包装容器であるPTP包装物16をセッティングするには、図9に示すように、個包装容器開封補助具1Bにおけるホルダー5の中空部内に未開封のPTP包装物16を収容して支持台4´´上に載置する。
さらに、ホルダー5の開放端側から固定リング6´を回転させながら、ホルダー5の中空部内に収容されているPTP包装物16側に固定リング6´を移動させる。
この時、固定リング6´をそれ以上回転させることができなくなるまで回転させることで、固定リング6´により支持台4´´にPTP包装物16のフランジ17aを押し付けた状態で固定することができる。
【0054】
この後、図10(a)に示すように、PTP包装物16の収容容器17を、図中の矢印Pで示す方向に、すなわち容器3の中空部側に押し込む。
この動作によりPTP包装物16の収容容器17内の圧力が上昇し、図10(b)に示すように、支持台4´´の導出口4aを塞ぐように配されているPTP包装物16のフィルム12が破損する。
この結果、フィルム12の破損部分からPTP包装物16内に収容されている混合用物質13が容器3内に供給される。
【0055】
なお、実施例2に係る個包装容器開封補助具1B及び混合容器2Bを繰り返し使用する場合は、個包装容器開封補助具1BにPTP包装物16を設置する手順の逆を行って個包装容器開封補助具1Bから使用済のPTP包装物16を取外し、この後上述の手順により新たなPTP包装物16を個包装容器開封補助具1Bにセッティングすればよい。
【0056】
次に、図11を参照しながら実施例2の変形例に係る個包装容器開封補助具及び混合容器について説明する。
図11は本発明の実施例2の変形例に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の要部断面図である。なお、図1乃至図10に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2の変形例に係る個包装容器開封補助具1Bは、図11に示すように、先の実施例2に係る個包装容器開封補助具1Bにおける固定リング6´の中心軸方向の長さを長く設定したものである。
図11に示すような変形例に係る個包装容器開封補助具1Bは、フィルム12からの高さ(厚み)が大きいPTP包装物16を開封するのに特に適している。
より具体的には、図11に示すようなフィルム12からの高さ(厚み)が大きいPTP包装物16を開封すべく、収容容器17の頂部をフィルム12側に押し込んだ場合に、ホルダー5が存在しない状態では収容容器17が水平方向に広がるように変形して、フィルム12が容易に破損しないといった事態が起こる可能性がある。
【0057】
これに対して、図11に示すような変形例に係る個包装容器開封補助具1Bでは、PTP包装物16を押し潰した際に、ホルダー5の存在により収容容器17の水平方向に広がるような変形が規制されて、収容容器17を押圧した際の圧力が効率良くフィルム12に伝達されてフィルム12を破損させることができる。
したがって、図11に示すような変形例に係る個包装容器開封補助具1B及びそれを用いてなる混合容器2Bによれば、容量の大きいPTP包装物16の開封が容易な個包装容器開封補助具を提供することができる。
【0058】
最後に、図12を参照しながら実施例2の別の変形例に係る個包装容器開封補助具及び混合容器について説明する。
図12は本発明の実施例2の別の変形例に係る個包装容器開封補助具とそれを備えた混合容器の要部断面図である。なお、図1乃至図11に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2の別の変形例に係る個包装容器開封補助具1B及び混合容器2Bは、図12に示すように、先の図8乃至図10に示す個包装容器開封補助具1Bの固定リング6´の中空部6c側にカバー7´を一体にかつ水密に固設したものである。
このような別の変形例に係る個包装容器開封補助具1B及び混合容器2Bによれば、個包装容器開封補助具1Bの水密性を向上させることができる。
【0059】
さらに、別の変形例に係る個包装容器開封補助具1B及び混合容器2Bは、図12に示すように、カバー7´の内側面に、PTP包装物16の収容容器17を押圧するための突起7aを備えていてもよい(任意選択構成要素)。
このような個包装容器開封補助具1Bによれば、カバー7´の内側面に突設される突起7aにより、PTP包装物16の収容容器17を容器3の中空部側に向かって強く押圧することができる。
これにより、PTP包装物16を容易に開封することができる。
【0060】
なお、図8乃至図12では実施例2に係る個包装容器開封補助具1B〜1Bが容器3の開口3aに一体に設けられている場合を例に挙げて説明しているが、容器3の開口3aに実施例2に係る個包装容器開封補助具1B〜1B着脱可能に取設してもよい。
【0061】
また、上述の実施例1,2に係る混合容器2A〜2Bでは、容器3内に収容物を出し入れするための開口3aを、個包装容器8やPTP包装物16内に収容される混合用物質13を容器3内に供給するための供給口として使用する場合を例に挙げて説明しているが、実施例1,2に係る混合容器は上記形態に特定されなくてもよい。
より具体的には、実施例1,2に係る混合容器は、例えば容器3内に収容物を出し入れするための開口3aと別の第2の開口(図示せず)を、容器3の側面又は底面に備え、この第2の開口に実施例1,2に係る混合容器2A〜2Bのいずれかを一体又は着脱可能に取設して用いてもよい。
この場合、容器3の開口3aに個包装容器8又はPTP包装物16が取設されないので、容器3から調整済混合物を取り出す際に、開口3aから使用済の個包装容器8やPTP包装物16等を除去する作業を行う必要がない。
したがって、実施例1,2に係る混合容器が上述のような図示しない第2の開口を備える場合は、容器3内の調整済混合物を開口3aから容易に取り出すことができるというメリットを有する。
【0062】
さらに、本実施形態では、本発明に係る個包装容器開封補助具1A〜1Bにおける導出口4aの平面形状、及び、同じく本発明に係る個包装容器8,8´の容器本体9に形成される排出口10の平面形状、並びに、同じく本発明に用いられるPTP包装物16の収容容器17に形成される排出口10の平面形状、はいずれも円形である場合を例に挙げて説明しているが、これらの平面形状は円形以外の任意の形状であってもよい。
より具体的には、上述の導出口4aの平面形状、及び、上述の排出口10の平面形状は、個包装容器8,8´やPTP包装物16に収容される混合用物質13の排出の妨げにならなければどのような形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように本発明は、混合用物質が小分けされてなる個包装容器を容器の開口の適切な位置に容易に取設することができ、さらにこの状態から簡単な操作で個包装容器内の混合用物質を容器内に供給することができる個包装容器開封補助具及びそれを用いてなる混合容器並びにこれらのための個包装容器であり、日用品や医療用品又は研究用の備品等に関する技術分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1A,1A,1B,1B,1B…個包装容器開封補助具 2A,2A,2B,2B,2B…混合容器 3…容器 3a…開口 4…支持台 4a…導出口 5…ホルダー 5a…内側面 5b…ネジ山 5c…接続部 6,6´…固定リング 6a…外側面 6b…ねじ山 6c…中空部 6d…つまみ 6d´…開放端 7,7´…カバー 7a…突起 8,8´…個包装容器 9…容器本体 10…排出口 11…押し込み部 12…フィルム 13…混合用物質 14…蓋 15…蓋 16…PTP包装物 17…収容容器 17a…フランジ 18…蓋 P,P…弾性部材
【要約】
【課題】混合用物質が小分けされてなる個包装容器を容器の開口の適切な位置に容易に取設することができ、さらにこの状態から簡単な操作で個包装容器内の混合用物質を容器内に供給することができる個包装容器開封補助具を提供する。
【解決手段】被混合対象物を収容する容器3の開口3aに着脱可能に又は一体に設けられて、混合用物質13を小分けしてなる個包装容器8の開封を補助するための補助具であって、容器3の開口3aを塞ぐように設けられ個包装容器8を載置する支持台4と、この支持台4の中央に形成されて開口3aと連通する導出口4aと、支持台4の周縁に立設される円筒状のホルダー5と、円筒状又は厚みを有するリング状をなし、ホルダー5の内側面に螺着されて、その端面で個包装容器を支持台4側に押し付けて固定する固定リング6と、を備えてなる個包装容器開封補助具1Aによる。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12