(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
イオン化された気流を均衡させるために、前記コロナ放電調整制御は、前記マイクロパルス式AC電源によって生成される前記正パルス列及び/又は負パルス列内のパルスの数を変更する、請求項1に記載の方法。
イオン化された気流を均衡させるために、前記コロナ放電調整制御は、前記マイクロパルス式AC電源によって生成される前記正パルス列及び/又は負パルス列内のイオン化パルスの持続時間を変更する、請求項1に記載の方法。
イオン化された気流を均衡させるために、前記コロナ放電調整制御は、前記マイクロパルス式AC電源によって生成される前記正パルス列及び/又は負パルス列内のイオン化パルスの繰り返し率を変更する、請求項1に記載の方法。
前記イオン均衡モニターは、前記パルス式AC電圧源、前記イオンエミッター及び前記基準電極の間に閉ループ電流経路を配置することによって、パルス式AC電流からイオン対流電流を分離する、請求項1に記載の方法。
イオン均衡モニターが、イオン均衡制御システムに接続され、前記空気移動デバイスの出口において前記イオンエミッターの下流に設置されるハイインピーダンス電圧センサーを含む、請求項9に記載の装置。
イオン均衡制御システムが、前記イオン化パルス間の時間間隔において、前記検流抵抗器及び/又は電圧センサーからの出力信号をサンプリングするように構成される、請求項9に記載の装置。
前記高電圧源は出力を生成し、前記出力は、マイクロパルス間の時間間隔の少なくとも約100分の1の前記マイクロパルスの少なくとも1つの極性の持続時間を含む、請求項9に記載の装置。
制御システムを更に備え、イオン化された気流を均衡させるために、前記制御システムは、前記電圧源によって生成される前記正パルス列及び/又は前記負パルス列内のパルスの数を変更する、請求項9に記載の装置。
制御システムを更に備え、イオン化された気流を均衡させるために、前記制御システムは、前記電圧源によって生成される前記正パルス列及び/又は前記負パルス列内のイオン化パルスの持続時間を変更する、請求項9に記載の装置。
制御システムを更に備え、イオン化された気流を均衡させるために、前記制御システムは、前記電圧源によって生成される前記正パルス列及び/又は前記負パルス列内のイオン化パルスの繰り返し率を変更する、請求項9に記載の装置。
前記イオン均衡モニターは、前記電圧源、前記イオンエミッター及び前記基準電極の間に閉ループ電流経路を配置することによって、パルス式AC電流からイオン対流電流を分離する、請求項9に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、説明の目的上、本発明の種々の実施形態を完全に理解してもらうために、数多くの具体的な細部が記述される。本発明のこれらの種々の実施形態が例示にすぎず、多少なりとも制限することを意図していないことは、当業者は理解されよう。本明細書における開示の恩恵を受けたそのような当業者には、本発明の他の実施形態が容易に思い浮かぶであろう。
【0013】
本発明の一実施形態は、例えば、イオン化バー、送風機又はインラインイオン化デバイスとして構成される数多くのタイプの空気−ガスイオン発生器に適用することができる。
【0014】
広域を対象範囲とするイオン化送風機は、高い効率の空気イオン化と、短い放電時間及び厳密なイオン均衡制御との組み合わせを必要とする。
図1Aは、本発明の一実施形態による、イオン化送風機100の全体のブロック図であり、一方、
図1Bは、線A−Aに沿った
図1Aの送風機100の断面図である。効率的な空気イオン化は、エミッターポイント102のアレイ(すなわち、エミッターポイントアレイ102)と、2つの基準電極104、105(上側基準電極104及び下側基準電極105として示される)との間に生成される双極コロナ放電によって達成される。エミッターポイント102は保護グリル106(すなわち、エアダクト106)上に取り付けられ(正:is mounted)、保護グリル106はイオン化された空気流の速度を速めるためにも同様に有効である。
【0015】
ファン130(
図1A)が空気移動デバイスであり、エミッターポイントアレイ102(1つ又は複数のイオンエミッター102)と2つの基準電極104、105との間の空間130内に高度に調整可能な空気流125を与える。エアダクト106は、空気流125を集中させ、コロナ放電の空間130内に散布する。コロナによって生成された正イオン及び負イオンは電極102、104、105間を移動する。空気流125は、コロナ放電によって生成された正イオン及び負イオンのうちの相対的に少ない量だけを取り込み、搬送することができる。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、空気125はエアダクト(106)出口131から押し出され、空気125は空気イオン化センサー101を通る。センサー101の設計の一実施形態の細部が
図1Cに示される。ファン(
図1Bにおいてブロック126として示される)が空気の流れ125を与える。空気イオン化電圧センサー101は、ダクト106の全幅に伸びるルーバータイプの薄い誘電体板109を有する。ルーバー板109は、ダクト106及び上側電極104(
図2Aも参照)から到来するイオン化された空気流125b(イオン化された気流125b)の一部125a(又はサンプル125a)を変向し、それにより、センサー101はイオン化された空気流125bの一部125a内のイオン電荷のうちのある量を検知し、収集することができる。収集されたイオン電荷は、その後、イオン化送風機100内のイオンを均衡させるためのアルゴリズム300(
図3)によって使用するための制御信号250(
図2)を生成する。板109の上側132は、感応電極として機能する細い金属ストリップを有し、下側133は、幅が広い接地面(正:grounded plane)電極110を有する。この電極110は、空気イオン化センサー101がエミッターポイントアレイ102の強い電界から遮蔽されるように、通常遮蔽される。電極108は、イオンの電荷のうちのある量を収集し、結果として、イオン化された空気流125b内のイオン均衡に比例する電圧/信号135(
図2A)が生成される。センサー101からの電圧/信号135は、制御システム107(
図2においてシステム200として示される)によって、イオン化された空気流125b内のイオン均衡を監視し、調整するために使用される(正:is used)。また、この信号135は同じく、信号250によって表され、その信号は、後に更に論じられるように、サンプルアンドホールド回路205に入力される。本発明の他の実施形態では、他の構成のイオン均衡センサー、例えば、イオン流の中に入れられる導電性格子又は金網の形のセンサーを使用することもできる。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、イオン電流センサー204を用いて、イオン化された流れの均衡を監視する。それゆえ、本発明の一実施形態は、イオン化された空気流の均衡を監視するためのイオン化帰還電流センサー204を備えるシステム200(
図2)を提供する。本発明の別の実施形態では、システム200は、イオン化された空気流の均衡を監視するための空気イオン化電圧センサー101を備える。
【0018】
本発明の更に別の実施形態では、システム200は、空気イオン化電圧センサー101及びイオン化帰還電流センサー204を備えるデュアルセンサーを備え、いずれのセンサー101及び204もイオン化された空気流の均衡を監視するように構成される。
【0019】
イオン化帰還電流センサー204は、キャパシタC2及びキャパシタC1と、抵抗器R1及び抵抗器R2とを含む。キャパシタC2は、電流検出回路をバイパスして、グラウンドへのAC電流経路を与える。抵抗器R2は、イオン電流を電圧に変換し(Ii*R2)、抵抗器R1及びR2並びにキャパシタC2は、マイクロパルスによって生成された誘導電流をフィルタリングにより除去するローパスフィルターを形成する。センサー204から流れる帰還電流210はI2として示される。
【0020】
エミッターポイント102に流れる電流254は、電流総和Σ(Ii(+)、Ii(−)、I2、Ic1、Ic2)であり、電流Ic1及びIc2はそれぞれキャパシタC1及びC2を通って流れる電流である。
【0021】
図2Aは、エミッター102と基準電極104、105との間に流れるイオン流220を示す。ダクト106からの空気流125は、これら2つのイオン流220のうちの一部を、送風機100の外部にある電荷中和ターゲットまで移動するイオン化された空気流125bに変換する。ターゲットは
図1Bにおいて全体としてブロック127として示されており、イオン化送風機100に対して異なる場所に配置することができる。
【0022】
図2Bは、本発明の一実施形態による、イオン化送風機100内のシステム200の電気的ブロック図を示す。システム200は、イオン電流センサー204と、マイクロパルス高電圧電源230(マイクロパルス式AC電源230)(その電源はパルスドライバー202と、高電圧(HV)変圧器203とによって形成される)と、イオン化送風機の制御システム201とを含む。一実施形態では、制御システム201はマイクロコントローラー201である。マイクロコントローラー201は、例えば、約3.3DCボルトとすることができる電圧バイアス256から電力を受け取り、ライン257において接地される。
【0023】
システム200によって使用される種々の電圧(例えば、−12VDC、12VDC又は3.3VDC)を与えるために、システム200においてオプションで電力変換器209が使用される場合がある。電力変換器209は、電圧源値258(例えば、24VDC)をマイクロコントローラー201にバイアスをかけるための種々の電圧256に変換することができる。
【0024】
マイクロパルス高電圧電源230は、マイクロコントローラー201によって制御されるパルスドライバー202を有する。パルスドライバー202は、ステップアップパルス変圧器203に接続される。変圧器203は、コロナ放電を生成するのに十分な振幅を有する正極性及び負極性の短い持続時間のパルス(マイクロ秒範囲)を生成する。変圧器203の二次コイルは、グラウンドに対して相対的に浮いた状態にされる。変圧器203の高電圧端子250は、エミッターポイントアレイ102に接続され、変圧器203の低電圧端子は基準電極104、105に接続される。
【0025】
短い持続時間の高電圧ACパルス(高電圧電源230によって生成される)の結果として、電極102と、104、105との間に著しい容量性電流又は変位電流Ic1及びIc2が流れる。例えば、電流Ic1が電極(エミッターポイント)102と上側基準電極104との間に流れ、電流Ic2が電極102と下側基準電圧105との間に流れる。Ii(+)及びIi(−)を付された相対的に小さな正イオンコロナ電流及び負イオンコロナ電流が、このイオン生成システム200を出て、送風機100の外部環境に入り、ターゲットまで移動する。
【0026】
容量性電流及びイオン電流を分離するために、変圧器203の二次コイル及びコロナ電極102、104及び105がグラウンドに対して実質的に浮いた状態され、イオン電流Ii(+)及びIi(−)がグラウンドへの帰還経路を有する(そして、グラウンドに流れる)ように、イオン生成システム200は、Ic1及びIc2を付された高周波AC容量性電流のための閉ループ回路内に配置される。AC電流は、このループ内で循環するためにグラウンドに流れるこれらのAC電流より著しく低い抵抗を有する。
【0027】
システム200は、パルス式AC電圧源230、上記イオンエミッター102及び基準電極104又は105の間に閉ループ電流経路を配置することによって、パルス式AC電流からのイオン対流電流の分離を提供するイオン均衡モニターを含む。
【0028】
さらに、イオン均衡監視は、マイクロパルス間の期間中にシステム200内で実行される。さらに、イオン均衡監視は、正及び負対流電流の差分信号を積分することによって実行される。
【0029】
高電圧電源230の変圧器203、イオンエミッター102及び基準電極104又は105は、AC電流回路のための閉ループ内に配置され、その閉ループは高い値の検流抵抗器R2によって接地される。
【0030】
電荷保存則によれば、AC電源230の出力(変圧器203を経由)が浮いた状態にされるとき、イオン電流は正イオン電流Ii(+)及び負イオン電流Ii(−)の和に等しい。これらの電流Ii(+)及びIi(−)は、システム200内の帰還電流センサー204の回路を通して戻らなければならない。各極性のイオン電流の量は、
【数1】
である。ただし、Qは正イオン又は負イオンの電荷であり、Nはイオン濃度であり、Uは空気流である。正電流Ii(+)及び負電流Ii(−)の絶対値が同じである場合には、イオン均衡が達成される。両方の極性の空気イオンが概ね同じ量の電荷(1電子に等しい)を搬送することが当該技術分野において知られている。したがって、イオン均衡の別の条件は、両方の極性のイオンの等しい濃度である。空気イオン化電圧センサー101(イオン均衡モニター101)は、イオン電流変化に敏感に反応する帰還電流センサー204(イオン均衡モニター204)とは対照的に、イオン濃度の変動に敏感に反応する。それゆえ、空気イオン化電圧センサー(キャパシタセンサー)101の応答速度は通常、イオン化帰還電流センサー204の応答より速い。
【0031】
センサー101によって、より多くの数の正イオンが検出される結果として、センサー101は、サンプルアンドホールド回路205に入力される(そして処理される)正出力電圧を生成する。センサー101によって、より多くの数の負イオンが検出される結果として、センサー101は、サンプルアンドホールド回路205に入力される(そして処理される)負出力電圧を生成する。対照的に、上記で同様に説明されたように、イオン化送風機100内のイオン均衡を判断し、達成するためにサンプルアンドホールド回路205に入力するための信号250を出力するために、センサー204によって正Ii(+)及び負Ii(−)の絶対値が使用される。
【0032】
マイクロパルス列間の時間において、サンプル信号215は、増幅器218がキャパシタC3に接続されるようにスイッチ216を閉じることになり、キャパシタC3は、その際、入力信号250に応答して、それに基づく値に充電される。
【0033】
気流で浮いた状態にされるイオン電流は非常に低い周波数によって特徴付けられ、高いメガオーム抵抗回路R1及びR2を通ってグラウンドまで流れることによって監視することができる。容量性電流及び高い周波数の寄生電流の影響を最小化するために、センサー204は、C1及びC2を備える2つのバイパス容量性経路を有する。
【0034】
電流Ii(+)及びIi(−)の差はセンサー204によって絶えず測定される。抵抗回路R1、R2を通って流れる結果として生成された電流は、送風機を出た気流の経時的に積分/平均されたイオン均衡に比例する電圧/信号を生成する。結果として生成されたこの電流は、総和Σ(Ii(+)、Ii(−))によって表される電流214として示される。
【0035】
イオン均衡監視は、電流センサー204の電圧出力を測定することによって、又は電圧センサー101の出力を測定することによって、又は空気イオン化センサー101及び204からの電圧を測定することによって達成される。明確にするために、電流センサー204の電圧出力及び電圧センサー101の電圧出力はそれぞれ、
図2において、同じ信号250によって示される。この信号250は、サンプルアンドホールド回路205(サンプリング回路205)の入力に加えられ、回路205は、信号250に関するサンプルアンドホールド動作をトリガーするスイッチ216を開くサンプル信号215を介して、マイクロコントローラー201によって制御される。
【0036】
コロナシステムのための幾つかの事例又は実施形態では、両方のセンサー101及び204からの診断信号を比較することができる。これらの診断信号は、サンプルアンドホールド回路205に信号250として入力される。
【0037】
その後、信号250は、マイクロコントローラー201内に存在するアナログ/デジタル変換器(ADC)の入力に加えられる前に、ローパスフィルター206によって調整され、増幅器207によって増幅される。サンプルアンドホールド回路205は、パルス時刻間で信号250をサンプリングし、再生された信号250内の雑音を最小化する。キャパシタC3は、サンプリング時刻間に、直前の信号値を保持する。増幅器207は、信号250をマイクロコントローラー201のためのより有用なレベルまで増幅し、増幅器207からのこの増幅された信号が、均衡信号252として示される。
【0038】
マイクロコントローラー201は、均衡信号252を、均衡調整ポンテンショメーター208によって生成された基準信号である設定点信号253と比較する。設定点信号253は、ポテンショメーター208によって調整することができる可変信号である。
【0039】
設定点信号253は、イオン化送風機100の異なる環境を補償するために調整することができる。例えば、イオン化送風機100の出力131(
図1B)付近の基準レベル(グラウンド)は近似的に0にすることができ、一方、イオン化ターゲット付近の基準レベルは0でない場合がある。例えば、イオン化ターゲットの場所が強いグラウンド電位値を有する場合には、その場所において、より多くの負イオンが失われる場合がある。それゆえ、イオン化ターゲットの場所において非0値の基準レベルを補償するために、設定点信号253を調整することができる。この場合、マイクロコントローラー201がHV変圧器230を制御するためにパルスドライバー202を駆動し、イオン化ターゲットの場所における負イオンの損失を補償するために、エミッターポイント102においてより多くの正イオンを生成する(より多くの正イオンの生成をトリガーするための比較として用いられる低い設定点値253に起因する)HV出力254を生成することができるように、設定点信号253を下げることができる。
【0040】
ここで、
図2及び
図8への参照が行われる。本発明の一実施形態では、イオン化送風機100は、以下の1つ又は複数に基づいて、すなわち、(1)正パルス幅値及び/又は負パルス幅値を増加及び/又は減少させることによって、(2)正パルス間の時間及び/又は負パルス間の時間を増加及び/又は減少させることによって、及び/又は(3)以下に説明されるように、正パルス数及び/又は負パルス数を増加及び/又は減少させることによって、イオン化送風機100内のイオン均衡を達成することができる。マイクロコントローラー201は、パルスドライバー202に送り込まれ、パルスドライバー202を制御する正パルス出力815及び負パルス出力816(
図2及び
図8)を出力する。出力815及び816に応答して、変圧器230は、イオン化波形814(HV出力814)を生成し、その波形は、イオン化波形814に基づいて正イオンの量及び負イオンの量を生成するためにエミッターポイント102に加えられる。
【0041】
一例として、センサー101及び/又はセンサー204が、送風機101において正イオンの量が負イオンの量を超えるような、イオン化送風機100内のイオン不均衡を検出する場合には、マイクロコントローラー201への均衡信号252は、このイオン不均衡を示すことになる。マイクロコントローラー201は、負パルス804の負パルス幅(持続時間)811を長くする。幅811が長くされるので、負マイクロパルス802の振幅が増加する。正マイクロパルス801及び負マイクロパルス802は、エミッターポイント102に送り込まれる高電圧出力である。負マイクロパルス802の増加した振幅は、エミッターポイント102から生成される負イオンを増加させることになる。イオン化波形814は、短い持続時間のイオン化マイクロパルス801及び802の可変極性群を生成している。マイクロパルス801及び802は、両方の極性の電圧の振幅及び持続時間に関して主に非対称であり、少なくとも1つの極性のイオン化パルスがコロナしきい値を超える(正:exceeding)大きさを有する。
【0042】
負パルス幅811のための最大パルス幅に達しても、正イオンの量が送風機100内の負イオンの量を依然として超えている場合には、マイクロコントローラー201は、正パルス803の正パルス幅(持続時間)810を短くすることになる。幅810が短くされるので、正マイクロパルス801の振幅が減少する。正マイクロパルス801の減少した振幅は、エミッターポイント102から生成される正イオンを減少させることになる。
【0043】
その代わりに、又はそれに加えて、正イオンの量が送風機100内の負イオンの量を超える場合には、マイクロコントローラー201は、負Rep−Rate813(負パルス804間の時間間隔)を長くすることによって、負パルス804間の時間を長くすることになる。負Rep−Rate813が長くされるので、負マイクロパルス802間の時間も増加する。結果として、長くされた、又はより長い負Rep−Rate813は、負マイクロパルス802間の時間を増加させ、それにより、エミッターポイント102から負イオンが生成される時間の長さを増加させることになる。
【0044】
負Rep−Rateのための最小の負Rep−Rateに達しても、正イオンの量が送風機100内の負イオンの量を依然として超えている場合には、マイクロコントローラー201は、正Rep−Rate812(正パルス803間の時間間隔)を短くすることによって、正パルス803間の時間を短くすることになる。正Rep−Rate812が短くされるので、正マイクロパルス801間の時間も増加する。結果として、短くされるか、又はより短い正Rep−Rate811が、正マイクロパルス803間の時間を減少させ、それにより、エミッターポイント102から正イオンが生成される時間の長さを減少させることになる。
【0045】
その代わりに、又はそれに加えて、正イオンの量が送風機100内の負イオンを超える場合には、マイクロコントローラー201は、負パルス出力816における負パルス804の数を減少させる。マイクロコントローラー201は、負パルス出力816における負パルス804の数を増加させるために増加させることができる負パルスカウンターを有する。負パルス804の数が増加するので、負パルス出力816における負パルス列が増加し、これは、エミッターポイント102に加えられるイオン化波形814であるHV出力における負マイクロパルス802の数を増加させる。
【0046】
負パルス出力816に最大量の負パルスが加えられても、正イオンの量が送風機100内の負イオンの量を依然として超えている場合には、マイクロコントローラー201は、正パルス出力815における正パルス803の数を減少させることになる。マイクロコントローラー201は、正パルス出力815における正パルス803の数を減少させるために減少させることができる正パルスカウンターを有する。正パルス803の数が減少するので、正パルス出力815における正パルス列は減少し、これは、エミッターポイント102に加えられるイオン化波形814であるHV出力における正マイクロパルス801の数を減少させる。
【0047】
以下の例は、負イオンの量が送風機内の正イオンの量を超えるときに、送風機100内のイオン均衡を達成することに向けられる。
【0048】
センサー101及び/又はセンサー204が、送風機101内で負イオンの量が正イオンの量を超えるような、イオン化送風機101内のイオン不均衡を検出する場合には、マイクロコントローラー201への均衡信号252は、このイオン均衡を示すことになる。マイクロコントローラー201は、正パルス803の正パルス幅812を長くすることになる。幅810が長くされるので、正マイクロパルス801の振幅は増加する。正マイクロパルス801の増加した振幅は、エミッターポイント102から生成される正イオンを増加させることになる。
【0049】
正パルス幅812のための最大パルス幅に達しても、送風機100内の負イオンの量が正イオンの量を依然として超えている場合には、マイクロコントローラー201は、負パルス804の負パルス幅811を短くすることになる。幅811が短くされるので、負マイクロパルス802の振幅が減少する。負マイクロパルス802の減少した振幅は、エミッターポイント102から生成される負イオンを減少させることになる。
【0050】
その代わりに、又はそれに加えて、負イオンの量が送風機100内の正イオンの量を超える場合には、マイクロコントローラー201は、正Rep−Rate812を長くすることによって、正パルス803間の時間を長くすることになる。正Rep−Rate812が長くされるので、正マイクロパルス801間の時間も増加する。結果として、長くされた、又はより長い正Rep−Rate812は、正マイクロパルス801間の時間を増加させ、それにより、エミッターポイント102から正イオンが生成される時間の長さを増加させることになる。
【0051】
正Rep−Rateのための最小の正Rep−Rateに達しても、負イオンの量が送風機100内の正イオンの量を依然として超えている場合には、マイクロコントローラー201は、負Rep−Rate813を長くすることによって、負パルス804間の時間を長くすることになる。負Rep−Rate813が長くされるので、負マイクロパルス802間の時間も増加する。結果として、長くされるか、又はより長い負Rep−Rate813が、負マイクロパルス802間の時間を減少させ、それにより、エミッターポイント102から負イオンが生成される時間の長さを減少させることになる。
【0052】
その代わりに、又はそれに加えて、負イオンの量が送風機100内の正イオンを超える場合には、マイクロコントローラー201は、正パルス出力815における正パルス803の数を増加させることになる。マイクロコントローラー201は、正パルス出力815における正パルス803の数を増加させるために増加させることができる正パルスカウンターを有する。正パルス803の数が増加するので、正パルス出力815における正パルス列が長くされ、エミッターポイント102に加えられるイオン化波形814であるHV出力における正マイクロパルス801の数が増加する。
【0053】
正パルス出力815に最大量の正パルスが加えられても、負イオンの量が送風機100内の正イオンの量を依然として超えている場合には、マイクロコントローラー201は、負パルス出力816における負パルス804の数を減少させることになる。マイクロコントローラー201は、負パルス出力816における負パルス804の数を減少させるために減少させることができる負パルスカウンターを有する。負パルス804の数が減少するので、負パルス出力816における負パルス列は短くされ、エミッターポイント102に加えられるイオン化波形814であるHV出力における負マイクロパルス802の数が減少する。
【0054】
イオン不均衡(それは均衡電流値252において反映される)が設定点253と大きく異ならない場合には、イオン不均衡を少し調整するだけで十分な場合があり、マイクロコントローラー201は、パルス幅811及び/又は810を調整して、イオン均衡を達成することができる。
【0055】
イオン不均衡(それは均衡電流値252において反映される)が設定点253と或る程度異なる場合には、イオン不均衡を或る程度調整するだけで十分な場合があり、マイクロコントローラー201は、Rep−Rate813及び812を調整して、イオン均衡を達成することができる。
【0056】
イオン不均衡(それは均衡電流値252において反映される)が設定点253と著しく異なる場合には、イオン不均衡を大きく調整すれば十分な場合があり、マイクロコントローラー201は出力815及び816においてそれぞれ正パルス及び/又は負パルスを加えることができる。
【0057】
本発明の更に別の実施形態では、
図8におけるマイクロパルスの少なくとも1つの極性の持続時間(パルス幅)は、マイクロパルス間の時間間隔の少なくとも約100分の1である。
【0058】
本発明の更に別の実施形態では、
図8におけるマイクロパルスは、次々に続く群/パルス列に配置され、一方の極性のパルス列は約2個〜16個の正イオン化パルスを含み、負パルス列は、約2個〜16個の正イオン化パルスを含み、正パルス列と負パルス列との間の時間間隔は連続したパルスの周期の約2倍に等しい。
【0059】
図3の流れ図は、本発明の一実施形態による、システム200のフィードバックアルゴリズム300を示す。フィードバックアルゴリズム300の使用によるイオン均衡制御を与える機能は、イオン化サイクルの最後に実行される。このアルゴリズムは、例えば、
図2のシステム200によって実行される。ブロック301において、均衡制御フィードバックアルゴリズムが開始される。
【0060】
ブロック302、303、304及び305において、負パルス幅の制御値の計算が実行される。ブロック302において、被測定イオン均衡(BalanceMeasurement)から所望のイオン均衡(SetPoint)を減算することによって、誤差値(Error)が計算される。ブロック303において、誤差値がループ利得を乗算される。ブロック304において、制御値が制限され、範囲から外れないように制御値の計算が最小値又は最大値に制限される。ブロック305において、制御値は、最後の負パルス幅値に加えられる。
【0061】
ブロック306、307、308及び309において、パルス幅がインクリメント又はデクリメントされる。ブロック306において、負パルス幅が最大パルス幅(MAX)と比較される。負パルス幅がMAXに等しい場合には、ブロック307において、正パルス幅がデクリメントされ、アルゴリズム300はブロック310に進む。負パルス幅がMAXに等しくない場合には、アルゴリズム300はブロック308に進む。
【0062】
ブロック308において、負パルス幅が最小パルス幅(MIN)と比較される。負パルス幅がMINに等しい場合には、ブロック309において、正パルス幅がデクリメントされ、アルゴリズム300はブロック310に進む。負パルス幅がMINに等しくない場合には、アルゴリズム300はブロック310に進む。負パルス幅がその制御限界に達するとき、正パルス幅の変化が、均衡設定点をオーバーシュートするようなやり方で均衡をシフトさせ、負パルスをその限界に向かって強制的に移行させる。
【0063】
ブロック310、311、312及び313において、パルス幅限界が満たされるときに、パルス繰り返し率(Rep−Rate)がインクリメント又はデクリメントされる。ブロック310において、正パルス幅がMAXと比較され、かつ負パルス幅がMINと比較される。正パルス幅がMAXに等しく、かつ負パルス幅がMINに等しい場合には、ブロック311において、交互に、正パルス繰り返し率(Rep−Rate)がインクリメントされるか、又は負パルスRep−Rateがデクリメントされる。アルゴリズム300はブロック314に進む。正パルス幅がMAXに等しくなく、かつ負パルス幅がMINに等しくない場合には、アルゴリズム300はブロック312に進む。
【0064】
ブロック312において、正パルス幅がMINと比較され、かつ負パルス幅がMAXと比較される。正パルス幅がMINに等しく、かつ負パルス幅がMAXに等しい場合には、ブロック313において、交互に、正パルス繰り返し率(Rep−Rate)がデクリメントされるか、又は負パルスRep−Rateがインクリメントされる。アルゴリズム300はブロック314に進む。正パルス幅がMINに等しくなく、かつ負パルス幅がMAXに等しくない場合には、アルゴリズム300はブロック314に進む。
【0065】
均衡が設定点に近いとき、正パルス幅制御及び負パルス幅制御が使用される。エミッターポイントが経時変化するにつれて、又は環境によって決定づけられるとき、正パルス幅制御及び負パルス幅制御は、その範囲を有しなくなり、制御限界に(正がその最大値に、かつ負がその最小値に(又はその逆に))「達する」ことになる。これが起こるとき、アルゴリズムは、正Rep−Rate又は負Rep−Rateを変更し、正イオン又は負イオンの生成のオン時間の長さを実効的に増減し、均衡を設定点に向かってシフトさせる。
【0066】
ブロック314、315、316及び317において、パルス幅限界が満たされるとき、パルス繰り返し率(Rep−Rate)がインクリメント又はデクリメントされる。ブロック314において、正パルスRep−Rateが最小パルス繰り返し率(MIN−Rep−Rate)と比較され、かつ負パルスRep−Rateが最大パルス繰り返し率(MAX−Rep−Rate)と比較される。正パルスRep−RateがMIN−Rep−Rateに等しく、かつ負パルスRep−RateがMAX−Rep−Rateに等しい場合には、ブロック315において、オフ時間カウントを通して、1つの負パルスが正パルスにシフトし、その後、アルゴリズム300は、均衡制御フィードバックアルゴリズム300が終了するブロック318に進む。オフ時間カウントは、イオン化波形がオフである時点である。オフ時間は、負群と正群(又はパルス列)との間、及び正群と負群(又はパルス列)との間の時間であり、本明細書において、正Rep−Rate又は負Rep−Rateを伴うパルス持続時間に等しいカウントと規定される。
【0067】
正パルスRep−RateがMIN−Rep−Rateに等しくなく、かつ負パルスRep−RateがMAX−Rep−Rateに等しくない場合には、アルゴリズム300はブロック316に進む。
【0068】
ブロック316において、正パルスRep−RateがMAX−Rep−Rateと比較され、かつ負パルスRep−RateがMIN−Rep−Rateと比較される)。正パルスRep−RateがMAX−Rep−Rateに等しく、かつ負パルスRep−RateがMIN−Rep−Rateに等しい場合には、ブロック317において、オフ時間カウントを通して、1つの正パルスが負パルスにシフトし、その後、アルゴリズム300は、均衡制御フィードバックアルゴリズム300が終了するブロック318に進む。正パルスRep−RateがMAX−Rep−Rateに等しくなく、かつ負パルスRep−RateがMIN−Rep−Rateに等しくない場合には、アルゴリズム300は、アルゴリズム300が終了するブロック318に進む。
【0069】
Rep−Rate制御が限界に達するとき、アルゴリズムは次の調整制御レベルをトリガーする。
【0070】
マイクロパルスを正パルス群からオフ時間パルス群へ、そして負パルス群へシフトさせることにより、均衡が負方向にシフトする。逆に、マイクロパルスを負パルス群からオフ時間パルス群へ、そして正パルス群へシフトさせることにより、均衡が正方向にシフトする。オフ時間群を使用することは影響を低減し、それにより、より細かい制御を提供する。
【0071】
図4の流れ図は、マイクロパルス発生器制御のアルゴリズム400を示す。駆動パルス及び高電圧出力の波形が
図8に図示される。このアルゴリズム400は、例えば、
図2のシステム200によって実行される。ブロック401において、Timer1の割込みサービスルーチンが開始される。マイクロパルス発生器のためのアルゴリズム400は、例えば、0.1ミリ秒ごとに実行される。
【0072】
ブロック402において、マイクロパルス繰り返し率カウンターがデクリメントされる。このカウンターは、Timer1の繰り返し率分周器カウンターである。Timer1は、メインループタイマーであり、0.1msで動作するパルス制御タイマーである。Timer1はHVPS出力を、それゆえ、マイクロパルスの開始をオンに切り替え、Timer0はHVPSをオフに切り替え、マイクロパルスを終了する。それゆえ、Timer1はrep−rateを設定し、アナログ/デジタル変換をトリガーし、Timer0はマイクロパルス幅を設定する。
【0073】
ブロック403において、マイクロパルス繰り返し率カウンターが2に等しいか否かの比較が実行される。言い換えると、Rep−Rate分周器カウンターが次のマイクロパルスの開始から2カウントにあるか否かを判断する試験が実行される。ブロック403のステップは、ADC(マイクロコントローラー201内にある)を次のマイクロパルス伝送の直前の時刻に同期させる。マイクロパルス繰り返し率カウンターが2に等しい場合には、サンプルアンドホールド回路205が、ブロック404に示されるようにサンプルモードに設定される。ブロック405において、マイクロコントローラー201内のADCが、サンプルアンドホールド回路205からのセンサー入力信号を読み取る。
【0074】
マイクロパルス繰り返し率カウンターが2に等しくない場合には、アルゴリズム400は、ブロック406に進む。
【0075】
ブロック404及び405は、マイクロコントローラー201がサンプルアンドホールド回路205から受信されたアナログ入力を測定できるようにするために、アナログ/デジタル変換を開始し、実行する。
【0076】
パルス幅810及び811をそれぞれ有するマイクロパルス803及び804を用いてブロック403において次のマイクロパルスが生じる通常約0.2ミリ秒前に、サンプルアンドホールド回路205が使用可能になるとき、マイクロコントローラー201内に存在するアナログ/デジタル変換器(ADC)の入力に加えられる前に、信号250(
図2)はローパスフィルター206によって調整され、増幅器207によって増幅される。サンプルアンドホールド回路205がサンプルアンドホールド動作を有効にした直後に(ブロック404)、ADCは変換を開始するように通知される(ブロック405)。結果として生成された均衡信号のサンプリングレートは通常約1.0ミリ秒であり、マイクロパルス繰り返し率(rep−rate)と同期している。しかしながら、実際のサンプリングレートは、Rep−Rate812、813(
図8)が変化する(ブロック310、311、312、313において示される)につれて変化するが、マイクロパルスrep−rate812、813と常に同期したままである。
【0077】
この実施形態によれば、次のマイクロパルスの前に信号をサンプリングする方法によって、システム200は、雑音及び電流サージ(容量性結合される)を無視できるようになり、イオン均衡測定値の破損を都合よく回避できるようになる。
【0078】
ブロック406において、Timer1のRep−Rate分周器カウンターが次のマイクロパルスを開始する準備ができているか否かを判断する試験が実行される。マイクロパルス繰り返し率カウンターが0に等しいか否かの比較が実行される。マイクロパルス繰り返し率カウンターが0に等しくない場合には、アルゴリズム400はブロック412に進む。マイクロパルス繰り返し率カウンターが0に等しい場合には、アルゴリズム400は、ブロック417に進む。
【0079】
ブロック417において、マイクロパルス繰り返し率カウンターがデータレジスタからリロードされる。これは、次のパルス(マイクロパルス)の開始のための時間間隔をリロードすることになる。その後、アルゴリズム400は、ブロック408に進む。
【0080】
ブロック408、409及び410は、新たなパルス段階が開始されるか、又は現在のパルス段階を継続するかを判断するステップを提供する。
【0081】
ブロック408において、マイクロパルスカウンターがゼロ(0)に等しいか否かの比較が実行される。
【0082】
等しい場合には、アルゴリズム400は、次のパルス段階を呼び出すブロック410に進み、アルゴリズム400は、ブロック411に進む。
【0083】
等しくない場合には、アルゴリズム400は、現在のパルス段階の継続を呼び出すブロック409に進む。
【0084】
ブロック411において、Timer0(マイクロパルス幅カウンター)が開始される。Timer0は、ブロック414〜417を参照しながら後に論じられるように、マイクロパルス幅を制御する。
【0085】
ブロック412において、全てのシステム割込みが有効にされる。ブロック413において、Timer1の割込みサービスルーチンが終了される。
【0086】
Timer0の時間が満了するとき、ブロック414〜417に基づいて、実際のマイクロパルス幅が制御される。ブロック414において、Timer0の割込みサービスルーチンが開始される。ブロック415において、正マイクロパルスドライブがオフに設定される(すなわち、正マイクロパルスがオフに切り替えられる)。ブロック416において、負マイクロパルスドライブがオフに設定される(すなわち、負マイクロパルスがオフに切り替えられる)。ブロック417において、Timer0の割込みサービスルーチンが終了される。
【0087】
図400の部分450にも示されるように、マイクロパルスドライブ信号452に関して、Timer0の持続時間は、マイクロパルスドライブ信号452のマイクロパルス幅454に等しい。マイクロパルス幅454は、パルス立ち上がりエッジ456(Timer0の開始時にトリガーされる)において開始し、パルス立ち下がりエッジ458(Timer0の終了時にトリガーされる)において終了する。
【0088】
イオン均衡センサー入力を平均する方法700の詳細が
図7の流れ図に示される。ブロック701〜706は、サンプルアンドホールド回路205の動作と、サンプルアンドホールド回路205からのデータのADC変換とを記述する。ADC変換701の終了時に、約0.1ミリ秒遅れて、サンプルアンドホールド回路205が停止され、雑音及び電流サージが均衡測定値を破損するのを防ぐ。結果として生成された測定値703及びサンプルカウンター705が、先行するRaw Measurement Sum704値に加算され(704)、セーブされて、更なる処理を待つ。ブロック707〜716は、センサー101及び/又は204の測定値を平均するための平均化ルーチンであり、Ion Balance Measurement Averageを取得する。その後、Ion Balance Measurement Averageは、Balance Measurement Averageを先行する測定値と結合する有限インパルス応答計算を用いて結合され(714)、均衡制御ループにおいて使用される最終的なBalance Measurementが得られる。ブロック714における計算は、先行する一連のセンサー入力測定値からの重み付け平均を計算する。ブロック715において、ブロック714の計算に基づいて、イオン生成における調整を行うためのイベントルーチンが呼び出される。
【0089】
図5A、
図5B及び
図5の流れ図は、負極性及び正極性のパルス列の形成中のシステム動作を示す。イオン化サイクル531が、一連の正パルス502、602と、その後のオフ時間間隔503、603と、その後の一連の負パルス517、604と、その後のオフ時間間隔518、605とから構成される。規定された数のイオン化サイクルが行われたとき(708)、Ion Balance Measurement Averageが計算され(709)、Raw Measurement Sum710及びSample Counter値がクリアされる(710、711)。
【0090】
ここで、
図5A、
図5B及び
図6が参照される。これらの図は、本発明の一実施形態による、それぞれ負パルス列及び正パルス列形成中のシステム動作の流れ図である。ブロック501において、負パルス列のための次のパルス段階のルーチンが開始される。ブロック502〜515は、負の一連のパルス及びパルス持続時間のオフ時間を生成するためのステップを記述する。ブロック517〜532は、正の一連のパルス及びパルス持続時間のオフ時間を生成するためのステップを記述する。ブロック601〜613は、次のパルス段階を生成するためのステップか、又は現在のパルス段階が継続する場合を記述する。
【0091】
その後、Balance Measurement Averageを先行する測定値714と結合し、均衡制御ループにおいて使用される最終的なBalance Measurementをもたらすために、Balance Measurement Averageが有限インパルス応答計算を用いて結合される。
【0092】
均衡制御ループ301は、Balance Measurementを設定点値と比較し(302)、誤差値を生成する。Error信号はループ利得を乗算され(303)、範囲の上限/下限を超えるか否かをチェックされ(304)、現在のNagative Pulse Width値に加算される。
【0093】
マイクロパルスHV供給システム202、203において、駆動マイクロパルスのパルス幅が、結果として生成される高電圧(HV)波形814、801、802のピーク振幅を変更する。この場合、負パルス振幅は、Ion Balanceの変化に影響を及ぼすように変更される。誤差信号値が0より大きい場合には、負パルス幅が上方に調整され、それにより、結果として負HVパルス振幅を増加させ、均衡を負方向に変更する。逆に、均衡が負である場合には、負パルス幅が下方に調整され、それにより、均衡を正方向に変更する。
【0094】
負パルス幅の連続調整中に、条件によって、負パルス幅がその制御限界に達する場合がある。この状況において、正パルス幅は、負パルス幅が制御を再開できるまで、正不均衡の場合に下方に調整されるか(307)、又は負不均衡の場合に上方に調整される(309)。負パルス幅及び正パルス幅を使用するこの制御方法は、3V未満の安定性で約10Vの平均均衡制御調整範囲をもたらす。
【0095】
大きな不均衡条件下、例えば、イオン化送風機始動時、著しい汚染物質蓄積時、又はエミッター(複数の場合もある)が経年劣化するときのエミッターの腐食時における別の実施形態によれば、負パルス幅及び正パルス幅がその制御限界310、312に達することになる。この状況において、正パルス繰り返し率及び負パルス繰り返し率を調整して(311、313)、正パルス幅及び負パルス幅が再びそれぞれの制御範囲内に入る点まで均衡を動かす。それゆえ、大きな正不均衡条件の場合、負パルス繰り返し率を増加させ(313)、結果として均衡を負にシフトさせる。その条件が依然として存在する場合には、正パルス繰り返し率を減少させ(313)、同じく結果として均衡を負にシフトさせる。正/負rep−rate313を変更するこの代替の方法は、負パルス幅及び正パルス幅が再びその制御範囲内に入るまで継続する。同様に、大きな負不均衡条件の場合、正パルス繰り返し率を増加させる(正:is increased)か(311)、代替的には、負パルス繰り返し率を減少させ(311)、結果として均衡を正にシフトさせる。これは、上記のように、負パルス幅及び正パルス幅が再びその制御範囲内に入るまで継続する。
【0096】
極端な不均衡条件が存在する場合、負/正パルス幅及び正/負rep−rate調整の両方がそれぞれの制御限界に達している場合があり(310、312、314、316)、その際、正/負rep−rateが再びそれぞれの制御範囲内に入る点まで均衡を動かすように、正パルスカウント及び負パルスカウントが変更される。それゆえ、極端な正不均衡条件の場合、正パルスカウントが減少し(317)、オフ時間パルスカウント317が1パルスカウントだけ増加し、結果として均衡が負に変化する。
【0097】
その条件が依然として存在する場合には、オフ時間パルスカウントを減少させ(317)、負パルスカウントが1パルスカウントだけ増加し(317)、結果として均衡が更に負に変化する。負パケット/列から正パケット/列へのこの1パルスシフトは、正/負Rep−Rateが再びその制御範囲内に入るまで継続する。同様に、極端な負不均衡条件の場合、正パルス315パケット/列からオフ時間パルスカウントを通して負パルスパケット315に一度に1パルスだけシフトし、正/負Rep−Rateが再びその制御範囲内に入るまで、結果として均衡が正に変化する。
【0098】
並列プロセスにおいて、Balance Measurementが設定点と比較される。Balance Measurementが、イオン化装置から1フィートにおいて測定される+/−15Vの平均CPM(帯電プレートモニター)読み値に対応する、その規定範囲外にあると判断される場合には、イオン化装置の制御システムは、均衡アラームをトリガーすることになる。
【0099】
図9は、イオン不均衡がある場合に、イオン均衡アラームを作動させるフィードバックルーチンを与えるための方法である。ブロック901〜909は、均衡アラームが作動するか否かを判断するためにしきい値と比較される測定を実行する。ブロック910〜916は、均衡アラームが作動するか否かを判断する。
【0100】
5秒に1回の時間間隔において、Balance Measurementが評価され(903)、この範囲から外れるとき、「1」がアラームレジスタの中に左シフトされ(904)、そうでない場合には、「0」がアラームレジスタの中に左シフトされる(902)。アラームレジスタが255(オール「1」)の値を含むとき、Balance Measurementがアラーム状態にあると宣言される。同様に、アラームレジスタが0(オール「0」)の値を含むとき、Balance Measurementがアラーム状態にないと宣言される。255又は0でないアラームレジスタの任意の値は無視され、アラームの状態は変更されない。これは、アラーム通知をフィルタリングし、突発的な通知を防ぐ。副産物として、通知遅延が、均衡制御システムが外部刺激から回復するだけの十分な時間を与える。
【0101】
各ADC変換サイクルの終了時に実行される別の並列プロセスでは、約1ミリ秒ごとに、
図9B、均衡制御システムが監視される。このルーチン910は、正パルスカウント及び負パルスカウントが限界条件にあるかをチェックする(911、912)。上記のように、不均衡条件が存在し、正/負パルス幅及び正/負rep−rateがそれぞれの限界にあるとき、正パルスカウント及び負パルスカウントが調整される。しかしながら、均衡を仕様どおりに回復させることができず、正/負パルスカウントがその調整限界に達していた場合には(911、912)、アラームレジスタをオール「1」の値に設定することによって(913)、アラームフラグを設定することによって(914)、そして両方のアラームステータスビットを設定することによって(915)、強制的にアラーム状態に入れられる。
【0102】
上記で論じられた自動均衡制御の方法及び技法は、1つのタイプのイオン化送風機には限定されない。その方法及び技法は、種々のエミッター電極を備える異なるイオン化送風機モデルにおいて使用することができる。自動システムの他の適用例は、マイクロパルス高電圧電源を備えるイオン化バーのモデルを含む。
【0103】
要約書において説明される内容を含む、本発明の例示された実施形態の上記の説明は、本発明を包括的に述べること、又は開示されたのと全く同じ形態に限定することは意図していない。本発明の具体的な実施形態及び本発明に関する例が、例示のために本明細書において説明されるが、当業者は認識するように、本発明の範囲内で種々の同等の変更が可能である。
【0104】
上記の詳細な説明を踏まえて、本発明に対してこれらの変更を加えることができる。添付の特許請求の範囲において使用される用語は、本発明を本明細書及び特許請求の範囲において開示される具体的な実施形態に限定すると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって完全に決定されるべきであり、特許請求の範囲は、クレーム解釈の確立された原則に従って解釈されるべきである。