【課題を解決するための手段】
【0017】
そこで本発明者らは上記の目的を達成するために、電子アクセプターをドープしたアリールアミン系の材料が正孔注入および輸送能力、薄膜の安定性や耐久性に優れていることに着目し、特定の(構造を有する)アリールアミン化合物を選択して、陽極からの正孔を効率良く注入・輸送できるように、正孔注入層の材料に電子アクセプターをドープした特定の(構造を有する)アリールアミン化合物を用い、正孔輸送層の材料に電子アクセプターをドープしない特定の(構造を有する)アリールアミン化合物を組み合わせた種々の有機EL素子を作製し、素子の特性評価を鋭意行った。そして、正孔輸送層を第一正孔輸送層と第二正孔輸送層の二層とし、それぞれに特定の2種類のアリールアミン化合物を選択し、発光層へ正孔を効率良く注入・輸送できるように第一正孔輸送層の材料と第二正孔輸送層の材料を組み合わせた種々の有機EL素子を作製し、素子の特性評価を鋭意行った。さらには、特定の構造を有するアントラセン環構造を有する化合物、ピリミジン環構造を有する化合物、またはベンゾトリアゾール環構造を有する化合物を電子輸送層の材料とし、キャリアバランスのとれるように組み合わせた種々の有機EL素子を作製し、素子の特性評価を鋭意行った。その結果、本発明を完成するに至った。
【0018】
すなわち本発明によれば、以下の有機EL素子が提供される。
【0019】
1)少なくとも陽極、正孔注入層、第一正孔輸送層、第二正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び陰極をこの順に有する有機EL素子において、前記正孔注入層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物および電子アクセプターを含有することを特徴とする有機EL素子。
【0020】
【化1】
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(1)
【0021】
(式中、Ar
1〜Ar
4は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
【0022】
2)前記電子アクセプターが、トリスブロモフェニルアミンヘキサクロルアンチモン、テトラシアノキノンジメタン(TCNQ)、2,3,5,6−テトラフルオロ−テトラシアノ−1,4−ベンゾキノンジメタン(F4TCNQ)、ラジアレン誘導体から選ばれる電子アクセプターである、上記1)記載の有機EL素子。
【0023】
3)前記電子アクセプターが、下記一般式(2)で表されるラジアレン誘導体である、上記1)または2)に記載の有機EL素子。
【0024】
【化2】
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(2)
【0025】
(式中、Ar
5〜Ar
7は相互に同一でも異なってもよく、電子受容体基を置換基として有する芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、または縮合多環芳香族基を表す。)
【0026】
4)前記第一正孔輸送層もしくは第二正孔輸送層が、正孔輸送性のアリールアミン化合物のみを含有する、上記1)〜3)のいずれかに記載の有機EL素子。
【0027】
5)前記第一正孔輸送層および第二正孔輸送層が、正孔輸送性のアリールアミン化合物のみを含有する、上記1)〜3)のいずれかに記載の有機EL素子。
【0028】
6)前記第一正孔輸送層が、分子中にトリフェニルアミン構造を2個〜6個、単結合またはヘテロ原子を含まない2価基で連結した構造を有するアリールアミン化合物を含有する、上記4)または5)に記載の有機EL素子。
【0029】
7)前記分子中にトリフェニルアミン構造を2個〜6個、単結合またはヘテロ原子を含まない2価基で連結した構造を有するアリールアミン化合物が、下記一般式(3)で表されるアリールアミン化合物であることを特徴とする、上記6)記載の有機EL素子。
【0030】
【化3】
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(3)
【0031】
(式中、R
1〜R
6は重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。r
1〜r
6は相互に同一でも異なってもよく、r
1、r
2、r
5、r
6は0〜5の整数を表し、r
3、r
4は0〜4の整数を表す。r
1、r
2、r
5、r
6が2〜5の整数である場合、または、r
3、r
4が2〜4の整数である場合、同一のベンゼン環に複数個結合するR
1〜R
6は相互に同一でも異なってもよく、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。L
1は2価の連結基、もしくは単結合を表す。)
【0032】
8)前記分子中にトリフェニルアミン構造を2個〜6個、単結合またはヘテロ原子を含まない2価基で連結した構造を有するアリールアミン化合物が、下記一般式(4)で表されるアリールアミン化合物であることを特徴とする、上記6)記載の有機EL素子。
【0033】
【化4】
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(4)
【0034】
(式中、R
7〜R
18は重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。r
7〜r
18は相互に同一でも異なってもよく、r
7、r
8、r
11、r
14、r
17、r
18は0〜5の整数を表し、r
9、r
10、r
12、r
13、r
15、r
16は0〜4の整数を表す。r
7、r
8、r
11、r
14、r
17、r
18が2〜5の整数である場合、または、r
9、r
10、r
12、r
13、r
15、r
16が2〜4の整数である場合、同一のベンゼン環に複数個結合するR
7〜R
18は相互に同一でも異なってもよく、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。L
2、L
3、L
4は相互に同一でも異なってもよく、2価の連結基、もしくは単結合を表す。)
【0035】
9)前記第二正孔輸送層が、下記一般式(5)で表されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする、上記4)または5)に記載の有機EL素子。
【0036】
【化5】
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(5)
【0037】
(式中、Ar
8〜Ar
11は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
【0038】
10)前記第二正孔輸送層が、下記一般式(10)で表されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする、上記4)または5)に記載の有機EL素子。
【0039】
【化6】
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(10)
【0040】
(式中、Ar
18〜Ar
21は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、n1は2〜4の整数を表す。)
【0041】
11)前記電子輸送層が、2.9eV〜3.4eVのLUMO準位を有することを特徴とする、上記1)〜10)のいずれかに記載の有機EL素子。
【0042】
12)前記電子輸送層が、下記一般式(6)で表されるアントラセン環構造を有する化合物を含有することを特徴とする、上記1)〜10)のいずれかに記載の有機EL素子。
【0043】
【化7】
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(6)
【0044】
(式中、A
1は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、B
1は置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表し、Cは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、Dは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、p、qは、pとqの和が9となる関係を維持しつつ、pは7または8を表し、qは1または2を表す。)
【0045】
13)前記電子輸送層が、下記一般式(7)で表されるピリミジン環構造を有する化合物を含有することを特徴とする、上記1)〜10)のいずれかに記載の有機EL素子。
【0046】
【化8】
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(7)
【0047】
(式中、Ar
12は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、Ar
13、Ar
14は相互に同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、Eは、下記構造式(8)で示される1価基を表す。ここで、Ar
13とAr
14は同時に水素原子となることはないものとする。)
【0048】
【化9】
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(8)
【0049】
(式中、Ar
15は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表し、R
19〜R
22は相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、R
19〜R
22とAr
15が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0050】
14)前記電子輸送層が、下記一般式(9)で表されるベンゾトリアゾール環構造を有する化合物を含有することを特徴とする、上記1)〜10)のいずれかに記載の有機EL素子。
【0051】
【化10】
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(9)
【0052】
(式中、Ar
16は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、Ar
17は水素原子、重水素原子、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、A
2は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、A
3は置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、B
2は置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。)
【0053】
15)前記発光層が、青色発光性ドーパントを含有することを特徴とする、上記1)〜14)のいずれかに記載の有機EL素子。
【0054】
16)前記発光層が、ピレン誘導体である青色発光性ドーパントを含有することを特徴とする、上記15)に記載の有機EL素子。
【0055】
17)前記発光層が、アントラセン誘導体を含有することを特徴とする、上記1)〜16)のいずれかに記載の有機EL素子。
【0056】
18)前記発光層が、アントラセン誘導体であるホスト材料を含有することを特徴とする、上記17)に記載の有機EL素子。
【0057】
一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、具体的に、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、およびカルボリニル基などをあげることができる。
【0058】
一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基;スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などのシリル基のような基をあげることができ、これらの置換基は、さらに前記例示した置換基が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
【0059】
一般式(2)中のAr
5〜Ar
7で表される「電子受容体基を置換基として有する芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、または縮合多環芳香族基」における「電子受容体基」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、などをあげることができる。
【0060】
一般式(2)中のAr
5〜Ar
7で表される「電子受容体基を置換基として有する芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、または縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は電子受容体基以外にも置換基を有していてもよく、置換基としては、具体的に、重水素原子;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基をあげることができ、これらの置換基は、さらに前記例示した置換基、もしくは電子受容体基が置換していてもよい。そして、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
【0061】
一般式(3)中のR
1〜R
6で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
【0062】
一般式(3)中のR
1〜R
6で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基のような基をあげることができ、これらの置換基はさらに、前記例示した置換基が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
【0063】
一般式(3)中のR
1〜R
6で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」としては、具体的に、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(3)中のR
1〜R
6で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0064】
一般式(3)中のR
1〜R
6で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0065】
一般式(3)中のR
1〜R
6で表される「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」としては、具体的に、フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ピレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0066】
一般式(3)において、r
1〜r
6は相互に同一でも異なってもよく、r
1、r
2、r
5、r
6は0〜5の整数を表し、r
3、r
4は0〜4の整数を表す。r
1、r
2、r
5、r
6が2〜5の整数である場合、または、r
3、r
4が2〜4の整数である場合、同一のベンゼン環に複数個結合するR
1〜R
6は相互に同一でも異なってもよく、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
【0067】
一般式(3)中のL
1で表される「2価の連結基」としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピリレン基、イソプロピリレン基、n−ブチリレン基、イソブチリレン基、tert−ブチリレン基、n−ペンチリレン基、イソペンチリレン基、ネオペンチリレン基、n−ヘキシリレン基などの「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基」;シクロペンチリレン基、シクロヘキシリレン基、アダマンチリレン基などの「炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基」;ビニレン基、アリレン基、イソプロペニレン基、ブテニレン基などの「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニレン基」;ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、テトラキスフェニルなどの芳香族炭化水素から水素原子を2個取り除いてできる「芳香族炭化水素の2価基」;ナフタレン、アントラセン、アセナフタレン、フルオレン、フェナントレン、インダン、ピレン、トリフェニレンなどの縮合多環芳香族から水素原子を2個取り除いてできる「縮合多環芳香族の2価基」のような2価基をあげることができる。
また、これらの2価基は置換基を有していてもよく、「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニレン基」の置換基として、前記一般式(3)中のR
1〜R
6で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、「芳香族炭化水素の2価基」または「縮合多環芳香族の2価基」の置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0068】
一般式(4)中のR
7〜R
18で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、前記一般式(3)中のR
1〜R
6で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0069】
一般式(4)中のR
7〜R
18で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」としては、前記一般式(3)中のR
1〜R
6で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0070】
一般式(4)中のR
7〜R
18で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0071】
一般式(4)中のR
7〜R
18で表される「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」としては、前記一般式(3)中のR
1〜R
6で表される「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0072】
一般式(4)において、r
7〜r
18は相互に同一でも異なってもよく、r
7、r
8、r
11、r
14、r
17、r
18は0〜5の整数を表し、r
9、r
10、r
12、r
13、r
15、r
16は0〜4の整数を表す。r
7、r
8、r
11、r
14、r
17、r
18が2〜5の整数である場合、または、r
9、r
10、r
12、r
13、r
15、r
16が2〜4の整数である場合、同一のベンゼン環に複数個結合するR
7〜R
18は相互に同一でも異なってもよく、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
【0073】
一般式(4)中のL
2、L
3、L
4で表される「2価の連結基」としては、前記一般式(3)中のL
1で表される「2価の連結基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0074】
一般式(5)中のAr
8〜Ar
11で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0075】
一般式(6)中のA
1で表される、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」における「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族」の「芳香族炭化水素」、「芳香族複素環」または「縮合多環芳香族」としては、具体的に、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、テトラキスフェニル、スチレン、ナフタレン、アントラセン、アセナフタレン、フルオレン、フェナントレン、インダン、ピレン、トリフェニレン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピロール、フラン、チオフェン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドリン、カルバゾール、カルボリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ナフチリジン、フェナントロリン、アクリジンなどをあげることができる。
そして、一般式(6)中のA
1で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」は、上記「芳香族炭化水素」、「芳香族複素環」または「縮合多環芳香族」から水素原子を2個取り除いてできる2価基を表す。
また、これらの2価基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0076】
一般式(6)中のB
1で表される「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」における「芳香族複素環基」としては、具体的に、トリアジニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、およびカルボリニル基などをあげることができる。
【0077】
一般式(6)中のB
1で表される「置換芳香族複素環基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基などの炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基などの炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基;フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基などのアリールオキシ基;スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基のような基をあげることができ、これらの置換基は、さらに前記例示した置換基が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
【0078】
一般式(6)中のCで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、これらの基が同一のアントラセン環に複数個結合している場合(qが2である場合)、相互に同一でも異なってもよいものとする。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0079】
一般式(6)中のDで表される、「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などをあげることができる。
また、複数個存在するDは、互いに同一でも異なってもよく、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
【0080】
一般式(6)中のDで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、複数個存在するDは、相互に同一でも異なってもよく、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0081】
一般式(7)中のAr
12、Ar
13、Ar
14で表される、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、具体的に、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、テトラキスフェニル基、スチリル基、ナフチル基、アントラセニル基、アセナフテニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、スピロビフルオレニル基、フリル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基のような基をあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、スピロビフルオレニル基などの芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、アザフルオレニル基、ジアザフルオレニル基、カルボリニル基、アザスピロビフルオレニル基、ジアザスピロビフルオレニル基などの芳香族複素環基;スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基のような基をあげることができ、これらの置換基はさらに、前記例示した置換基が置換していてもよい。
また、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよく、これらの置換基と当該置換基が結合しているAr
12、Ar
13もしくはAr
14が酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
【0082】
構造式(8)中のAr
15で表される、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」における「芳香族複素環基」としては、具体的に、トリアジニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、アザフルオレニル基、ジアザフルオレニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、カルボリニル基、アザスピロビフルオレニル基、ジアザスピロビフルオレニル基のような基をあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(7)中のAr
12、Ar
13、Ar
14で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0083】
構造式(8)中のR
19〜R
22で表される、「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、3−メチルブチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基およびtert−ヘキシル基をあげることができる。
【0084】
構造式(8)中のR
19〜R
22で表される、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、具体的に、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、テトラキスフェニル基、スチリル基、ナフチル基、アントラセニル基、アセナフテニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、スピロビフルオレニル基、トリアジニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、アザフルオレニル基、ジアザフルオレニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、カルボリニル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、フェナジニル基、アザスピロビフルオレニル基、ジアザスピロビフルオレニル基のような基をあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(7)中のAr
12、Ar
13、Ar
14で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0085】
一般式(9)中のAr
16、Ar
17で表される、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、具体的に、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、テトラキスフェニル基、スチリル基、ナフチル基、アントラセニル基、アセナフテニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ピリジル基、トリアジニル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基のような基をあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0086】
一般式(9)中のA
2で表される、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」における「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族」の「芳香族炭化水素」、「芳香族複素環」または「縮合多環芳香族」としては、具体的に、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、テトラキスフェニル、スチレン、ナフタレン、アントラセン、アセナフタレン、フルオレン、フェナントレン、インダン、ピレン、トリフェニレン、ピリジン、ビピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピロール、フラン、チオフェン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドリン、カルバゾール、カルボリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ナフチリジン、フェナントロリン、アクリジンなどをあげることができる。
そして、一般式(9)中のA
2で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」は、上記「芳香族炭化水素」、「芳香族複素環」または「縮合多環芳香族」から水素原子を2個取り除いてできる2価基を表す。
また、これらの2価基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0087】
一般式(9)中のA
3で表される、「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」における「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族」の「縮合多環芳香族」としては、具体的に、ナフタレン、アントラセン、アセナフタレン、フルオレン、フェナントレン、インダン、ピレン、トリフェニレン、などをあげることができる。
そして、一般式(9)中のA
3で表される「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」は、上記「縮合多環芳香族」から水素原子を2個取り除いてできる2価基を表す。
また、これらの2価基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0088】
一般式(9)中のB
2で表される「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」における「芳香族複素環基」としては、具体的に、ピリジル基、ビピリジル基、トリアジニル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基のような基をあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(6)中のB
1で表される「置換芳香族複素環基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0089】
一般式(10)中のAr
18〜Ar
21で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0090】
一般式(1)中のAr
1〜Ar
4としては、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の含酸素芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ジベンゾフラニル基がより好ましい。
一般式(1)において、Ar
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、重水素原子、「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」が好ましく、重水素原子、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、ビニル基がより好ましい。また、これらの基同士が単結合を介して互いに結合して縮合芳香環を形成する場合も好ましい。
【0091】
本発明の有機EL素子の正孔注入層において、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物にドープされる電子アクセプターとしては、トリスブロモフェニルアミンヘキサクロルアンチモン、テトラシアノキノンジメタン(TCNQ)、2,3,5,6−テトラフルオロ−テトラシアノ−1,4−ベンゾキノンジメタン(F4TCNQ)、ラジアレン誘導体(例えば、特開2011−100621号公報参照)などをあげることができ、前記一般式(2)で表されるラジアレン誘導体が好ましく用いられる。
【0092】
一般式(2)中のAr
5〜Ar
7としては、「芳香族炭化水素基」、「縮合多環芳香族基」、またはピリジル基が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ピリジル基がより好ましく、「電子受容体基」としては、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基が好ましい。
一般式(2)中のAr
5〜Ar
7は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に「電子受容体基」で置換されている態様が好ましい。
一般式(2)中のAr
5〜Ar
7としては、テトラフルオロピリジル基、テトラフルオロ−(トリフルオロメチル)フェニル基、シアノ−テトラフルオロフェニル基、ジクロロ−ジフルオロ−(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、などのフッ素原子、塩素原子、シアノ基、またはトリフルオロメチル基で完全に置換されたフェニル基もしくはピリジル基が好ましい。
【0093】
一般式(3)中のR
1〜R
6としては、重水素原子、「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」が好ましく、重水素原子、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、ビニル基がより好ましく、特に、重水素原子、フェニル基、ビフェニリル基が好ましい。また、これらの基同士が単結合を介して互いに結合して縮合芳香環を形成する場合も好ましい。
一般式(3)中のr
1〜r
6としては、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましい。
一般式(3)中のL
1で表される「2価の連結基」としては、メチレン基、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基」、「芳香族炭化水素の2価基」、「縮合多環芳香族の2価基」、もしくは単結合が好ましく、下記構造式(B)〜(G)で示される2価基、もしくは単結合がより好ましく、下記構造式(B)または(D)で示される2価基が特に好ましい。
一般式(3)における下記構造式(B)としては、n2が1〜3の整数であることが好ましく、2または3であることがより好ましい。
【0094】
【化11】
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(B)
【0095】
(式中、n2は1〜4の整数を表す。)
【0096】
【化12】
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(C)
【0097】
【化13】
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(D)
【0098】
【化14】
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(E)
【0099】
【化15】
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(F)
【0100】
【化16】
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(G)
【0101】
一般式(4)中のR
7〜R
18としては、重水素原子、「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」が好ましく、重水素原子、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、ビニル基がより好ましく、これらの基同士が単結合を介して互いに結合して縮合芳香環を形成する場合も好ましい。特に、重水素原子、フェニル基、ビフェニリル基が好ましい。
一般式(4)中のr
7〜r
18としては、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましい。
一般式(4)中のL
2〜L
4で表される「2価の連結基」としては、メチレン基、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基」、「芳香族炭化水素の2価基」、「縮合多環芳香族の2価基」、もしくは単結合が好ましく、前記構造式(B)〜(G)で示される2価基、もしくは単結合がより好ましく、前記構造式(B)または(D)で示される2価基、もしくは単結合がより好ましい。
一般式(4)における前記構造式(B)としては、nが1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
【0102】
一般式(5)において、Ar
8としては、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フェナントラセニル基、アントラセニル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基がより好ましい。
一般式(5)において、Ar
9としては、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フェナントラセニル基、アントラセニル基、フルオレニル基がより好ましく、中でも、フェニル基、特に無置換のフェニル基が好ましい。
一般式(5)で表されるアリールアミン化合物としては、下記一般式(5a)または一般式(5b)で表されるアリールアミン化合物がより好ましく用いられる。
【0103】
【化17】
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(5a)
【0104】
(式中、Ar
8〜Ar
10は、前記一般式(5)で示した通りの意味を表し、Ar
18〜Ar
19は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
【0105】
【化18】
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(5b)
【0106】
(式中、Ar
8〜Ar
9は、前記一般式(5)で示した通りの意味を表し、Ar
18〜Ar
21は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
【0107】
一般式(5a)、一般式(5b)中のAr
18〜Ar
21で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0108】
一般式(5a)において、Ar
8とAr
18が同一の基であり、かつ、Ar
9とAr
19が同一の基であることが好ましい。
一般式(5b)において、Ar
8、Ar
18およびAr
20が同一の基であり、かつ、Ar
9、Ar
19およびAr
21が同一の基であることが好ましい。
【0109】
一般式(5)において、Ar
8〜Ar
11で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、重水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」が好ましく、重水素原子、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、ビニル基がより好ましい。また、これらの基同士が単結合を介して互いに結合して縮合芳香環を形成する場合も好ましい。
【0110】
一般式(6)中のB
1で表される「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」における「芳香族複素環基」としては、ピリジル基、ピリミジニル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、およびカルボリニル基などの含窒素芳香族複素環基が好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、ピラゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、およびカルボリニル基がより好ましい。
一般式(6)中のp、qは、pとqの和(p+q)が9となる関係を維持するものとし、pは7または8を表し、qは1または2を表す。
一般式(6)中のA
1としては、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」が好ましく、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、またはフェナントレンから水素原子を2個取り除いてできる2価基がより好ましい。
一般式(6)で表されるアントラセン環構造を有する化合物としては、下記一般式(6a)、一般式(6b)または一般式(6c)で表されるアントラセン環構造を有する化合物がより好ましく用いられる。
【0111】
【化19】
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(6a)
【0112】
(式中、A
1は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、もしくは単結合を表し、Ar
22、Ar
23、Ar
24は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。R
23〜R
29は相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。X
1、X
2、X
3、X
4は炭素原子または窒素原子を表し、X
1、X
2、X
3、X
4のいずれか1つのみが窒素原子であるものとし、この場合の窒素原子はR
23〜R
26の水素原子もしくは置換基を有さないものとする。)
【0113】
【化20】
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(6b)
【0114】
(式中、A
1は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、Ar
25、Ar
26、Ar
27は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
【0115】
【化21】
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(6c)
【0116】
(式中、A
1は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基、置換もしくは無置換の芳香族複素環の2価基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基、または単結合を表し、Ar
28、Ar
29、Ar
30は相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、R
30は水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。)
【0117】
一般式(6a)中のAr
22、Ar
23、Ar
24で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0118】
一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
【0119】
一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基のような基をあげることができ、これらの置換基はさらに、前記例示した置換基が置換していてもよい。また、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
【0120】
一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」としては、具体的に、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0121】
一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0122】
一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」としては、具体的に、フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ピレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0123】
一般式(6a)において、X
1、X
2、X
3、X
4は炭素原子または窒素原子を表し、X
1、X
2、X
3、X
4のいずれか1つのみが窒素原子であるものとする。この場合の窒素原子はR
23〜R
26の水素原子もしくは置換基を有さないものとする。すなわち、X
1が窒素原子である場合はR
23が、X
2が窒素原子である場合はR
24が、X
3が窒素原子である場合はR
25が、X
4が窒素原子である場合はR
26が存在しないことを意味する。
【0124】
一般式(6b)中のAr
25、Ar
26、Ar
27で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0125】
一般式(6c)中のAr
28、Ar
29、Ar
30で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0126】
一般式(6c)中のR
30で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、前記一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0127】
一般式(6c)中のR
30で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」としては、前記一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0128】
一般式(6c)中のR
30で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0129】
一般式(6c)中のR
30で表される「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」としては、前記一般式(6a)中のR
23〜R
29で表される「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」に関して示したものと同様のものをあげることができる。
また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基として、前記一般式(1)中のAr
1〜Ar
4で表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
【0130】
一般式(7)中のAr
12としては、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、アセナフテニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、スピロビフルオレニル基、もしくはフリル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基のような含酸素芳香族複素環基、またはチエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基のような含硫黄芳香族複素環基が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、スピロビフルオレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基がより好ましい。ここで、フェニル基は置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、もしくはフェニル基を置換基として有していることが好ましく、ナフチル基、フェナントレニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、スピロビフルオレニル基、もしくはフェニル基から選ばれる置換基を有していることがより好ましく、フェニル基が有する置換基とフェニル基とが酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成することも好ましい。
一般式(7)中のAr
13としては、置換基を有するフェニル基、置換もしくは無置換のスピロビフルオレニル基、もしくはフリル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基のような含酸素芳香族複素環基、またはチエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基のような含硫黄芳香族複素環基が好ましく、この場合のフェニル基の置換基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニル基などの芳香族炭化水素基、ナフチル基、アセナフテニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、スピロビフルオレニル基などの縮合多環芳香族基、もしくはフリル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基のような含酸素芳香族複素環基、またはチエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基のような含硫黄芳香族複素環基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、スピロビフルオレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基がより好ましく、フェニル基が有する置換基とフェニル基とが酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成することも好ましい。
一般式(7)中のAr
14としては、水素原子、置換基を有するフェニル基、置換もしくは無置換のスピロビフルオレニル基、もしくはフリル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基のような含酸素芳香族複素環基、またはチエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基のような含硫黄芳香族複素環基が好ましく、この場合のフェニル基の置換基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニル基などの芳香族炭化水素基、ナフチル基、アセナフテニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、スピロビフルオレニル基などの縮合多環芳香族基、もしくはフリル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基のような含酸素芳香族複素環基、またはチエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基のような含硫黄芳香族複素環基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、スピロビフルオレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基がより好ましく、フェニル基が有する置換基とフェニル基とが酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成することも好ましい。
一般式(7)において、Ar
12とAr
13が同一ではないことが、薄膜の安定性の観点から好ましい。ここで、Ar
12とAr
13が同一の基である場合、異なる置換基であってもよいし、あるいは、異なる置換位置であってもよい。
一般式(7)において、Ar
13とAr
14は同一の基であってもよいが、分子全体の対称性がよくなることによって結晶化し易くなる恐れがあり、薄膜の安定性の観点から、Ar
13とAr
14は異なる基であることが好ましく、Ar
13とAr
14が同時に水素原子とはなることはないものとする。
一般式(7)において、Ar
13とAr
14の一方が水素原子であることが好ましい。
【0131】
一般式(7)で表されるピリミジン環構造を有する化合物としては、置換基の結合様式の異なる、下記一般式(7a)、一般式(7b)で表されるピリミジン環構造を有する化合物がある。
【0132】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
(7a)
【0133】
(式中、Ar
12、Ar
13、Ar
14、Eは、前記一般式(7)で示した通りの意味を表す。)
【0134】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
(7b)
【0135】
(式中、Ar
12、Ar
13、Ar
14、Eは、前記一般式(7)で示した通りの意味を表す。)
【0136】
構造式(8)中のAr
15としては、トリアジニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、アザフルオレニル基、ジアザフルオレニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、カルボリニル基、アザスピロビフルオレニル基、ジアザスピロビフルオレニル基などの含窒素複素環基が好ましく、トリアジニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、キノキサリニル基、アザフルオレニル基、ジアザフルオレニル基、ベンゾイミダゾリル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、アザスピロビフルオレニル基、ジアザスピロビフルオレニル基がより好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、アザフルオレニル基、ジアザフルオレニル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、アザスピロビフルオレニル基、ジアザスピロビフルオレニル基が特に好ましい。
構造式(8)において、ベンゼン環におけるAr
15の結合位置は、下記構造式(8a)に示されるように、一般式(7)に示されるピリミジン環との結合位置に対し、メタ位であることが、薄膜の安定性の観点から好ましい。
【0137】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
(8a)
【0138】
(式中、Ar
15、R
19〜R
22は、前記構造式(8)に記載した通りの意味である。)
【0139】
一般式(9)中のAr
16、Ar
17としては、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」、もしくはピリジル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、またはジベンゾフラニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントラセニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ピリジル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基がより好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントラセニル基、フルオレニル基が特に好ましい。
そして、これらが有していてもよい置換基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、テトラキスフェニル基、スチリル基、ナフチル基、アントラセニル基、アセナフテニル基、フェナントラセニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ピリジル基、トリアジニル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基などのような「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントラセニル基、フルオレニル基、ピレニル基、ピリジル基、トリアジニル基、ピリミジニル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、カルバゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基が特に好ましい。
一般式(9)中のA
2としては、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素の2価基」、「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族の2価基」、もしくはピリジレン基、ビピリジレン基が好ましく、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、ピレン、もしくはピリジンから誘導される2価基がより好ましく、ベンゼン、ナフタレン、もしくはピリジンから誘導される2価基が特に好ましい。
一般式(9)中のA
3としては、単結合、もしくはナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレンまたはピレンから誘導される2価基が好ましく、単結合、もしくはナフタレンまたはアントラセンから誘導される2価基がより好ましい。
一般式(9)中のB
2としては、ピリジル基、ビピリジル基、トリアジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基のような含窒素芳香族複素環基が好ましく、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジニル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、カルボリニル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基がより好ましく、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基が特に好ましい。
一般式(9)において、A
2が置換もしくは無置換のベンゼンから水素原子を2個取り除いてできる2価基であって、A
3が単結合である場合、B
2はピリジル基、ビピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基のような縮合多環構造を有する含窒素芳香族複素環基が好ましく、ピリジル基、ビピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、カルボリニル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基がより好ましく、ピリジル基、ビピリジル基、キノリル基、イソキノリル基が特に好ましい。
一般式(9)において、B
2がピリジル基、もしくはビピリジル基であって、A
3が単結合である場合、A
2はベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレンまたはピレンから水素原子を2個取り除いてできる2価基、もしくは単結合であることがより好ましく、ベンゼンまたはビフェニルから水素原子を2個取り除いてできる2価基、もしくは単結合であることが特に好ましい。
【0140】
一般式(10)中のAr
18〜Ar
21としては、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の含酸素芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ジベンゾフラニル基がより好ましい。
一般式(10)において、Ar
18とAr
19もしくはAr
20とAr
21が異なる基であることが好ましく、Ar
18とAr
19およびAr
20とAr
21が異なる基であることがより好ましい。
一般式(10)中のn1としては、2または3であることが好ましい。
一般式(10)におけるフェニレン基の結合様式としては、素子寿命に影響を与える薄膜の安定性の観点から、全ての結合が1,4−結合ではなく、1,2−結合もしくは1,3−結合が混在していることが好ましく、結果として、フェニレン基が4個(nが2の場合)、5個(nが3の場合)もしくは6個(nが4の場合)連結したアリールジアミン誘導体としては、1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クォーターフェニルジアミン、1,1’:3’,1’’:2’’,1’’’:3’’’,1’’’’−キンクフェニルジアミン、1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’:3’’’,1’’’’−キンクフェニルジアミン、1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’−クォーターフェニルジアミン、1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クォーターフェニルジアミン、1,1’:4’,1’’:2’’,1’’’:4’’’,1’’’’−キンクフェニルジアミン、1,1’:2’,1’’:3’’,1’’’:2’’’,1’’’’−キンクフェニルジアミン、1,1’:4’,1’’:3’’,1’’’:4’’’,1’’’’−キンクフェニルジアミン、1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’:2’’’,1’’’’−キンクフェニルジアミンなどのように直線的に連結していないものが好ましい。
【0141】
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物は、有機EL素子の正孔注入層または正孔輸送層の構成材料として使用することができる。正孔の移動度が高く正孔注入層または正孔輸送層の材料として好ましい化合物である。
【0142】
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(2)で表されるラジアレン誘導体は、有機EL素子の正孔注入層あるいは正孔輸送層に通常使用される材料に対するPドーピング材料として好ましい化合物である。
【0143】
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(3)で表される、分子中にトリフェニルアミン構造を2個有するアリールアミン化合物、および前記一般式(4)で表される、分子中にトリフェニルアミン構造を4個有するアリールアミン化合物は、有機EL素子の正孔注入層または正孔輸送層の構成材料として好ましい化合物である。
【0144】
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(5)もしくは一般式(10)で表されるアリールアミン化合物は、有機EL素子の正孔輸送層または電子阻止層の構成材料として使用することができる。電子阻止性能が高く、発光層の陽極側に隣接する層の材料として好ましい化合物である。
【0145】
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(6)で表されるアントラセン環構造を有する化合物は、有機EL素子の電子輸送層の構成材料として好ましい化合物である。
【0146】
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(7)で表されるピリミジン環構造を有する化合物は、有機EL素子の電子輸送層の構成材料として好ましい化合物である。
【0147】
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(9)で表されるベンゾトリアゾール環構造を有する化合物は、有機EL素子の電子輸送層の構成材料として好ましい化合物である。
【0148】
本発明の有機EL素子は、正孔の注入・輸送性能、薄膜の安定性や耐久性に優れた有機EL素子用の材料を、キャリアバランスを考慮しながら組み合わせているため、従来の有機EL素子に比べて、陽極から正孔輸送層への正孔輸送効率が向上する(さらに、正孔輸送層を第一正孔輸送層と第二正孔輸送層の二層とし、それぞれに特定の(構造を有する)2種類のアリールアミン化合物を選択し、組み合わせる)ことによって、低駆動電圧を維持しつつ、発光効率が向上するとともに、有機EL素子の耐久性を向上させることができる。
低駆動電圧、高発光効率、かつ長寿命の有機EL素子を実現することが可能となった。