特許第6717800号(P6717800)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6717800
(24)【登録日】2020年6月15日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】吐出ノズル付きキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/40 20060101AFI20200629BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20200629BHJP
   B65D 47/12 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   B65D47/40 100
   B65D47/06
   B65D47/12 200
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-237244(P2017-237244)
(22)【出願日】2017年12月11日
(65)【公開番号】特開2019-104512(P2019-104512A)
(43)【公開日】2019年6月27日
【審査請求日】2019年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 徳司
(72)【発明者】
【氏名】川上 タケル
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−180761(JP,A)
【文献】 英国特許出願公告第00792301(GB,A)
【文献】 特開平07−041027(JP,A)
【文献】 特開平08−324614(JP,A)
【文献】 特開2012−041078(JP,A)
【文献】 特開2016−078911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出ノズル部を備えており、容器本体の口首部に取り付けて用いられる吐出ノズル付きキャップであって、
前記吐出ノズル部は、吐出孔が形成された天面部と、該天面部の周囲を囲む外周壁部とを備えると共に、前記容器本体の口首部の先端開口を覆う開口閉塞部に設けられており、
前記吐出孔は、前記外周壁部の先端よりも高い位置に先端吐出口を開口させており、
前記天面部の外周縁部は、前記外周壁部に、当該外周壁部の先端よりも低い位置において連続していることで、前記外周壁部における前記天面部の外周縁部よりも高くなっている部分が、液溜め壁を形成しており、
前記外周壁部の外周面に、周方向に延設するフランジが、外側に突出して設けられており、
該フランジは、前記外周壁部において、前記天面部の外周縁部が接続する高さ位置よりも、前記容器本体側に設けられている吐出ノズル付きキャップ。
【請求項2】
前記開口閉塞部の外周面には、前記フランジよりも前記容器本体側に、前記吐出ノズル部を覆うオーバーキャップを着脱可能に螺着させるための、雄ネジ凸条が設けられている請求項1記載の吐出ノズル付きキャップ。
【請求項3】
前記フランジよりも前記容器本体側に、前記外周壁部より大きな外径を備える円筒状基部を有しており、該円筒状基部に、前記雄ネジ凸条が設けられている請求項2記載の吐出ノズル付きキャップ。
【請求項4】
前記吐出ノズル部の前記天面部に、複数の吐出孔が形成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の吐出ノズル付きキャップ。
【請求項5】
前記複数の吐出孔は、前記天面部に列状に配置されて形成されている請求項4記載の吐出ノズル付きキャップ。
【請求項6】
前記フランジは、前記外周壁部の周方向に環状に連続して設けられている請求項1〜5のいずれか1項記載の吐出ノズル付きキャップ。
【請求項7】
前記フランジは、エッジ状の角部を備える断面形状を有している請求項1〜6のいずれか1項記載の吐出ノズル付きキャップ。
【請求項8】
前記天面部は、前記外周縁部の前記外周壁部に連続する最も低い位置に線状円環状領域を有しており、前記外周壁部は、前記線状円環状領域から前記外周壁部の頂部に向かって徐々に高くなる傾斜面を備えている請求項1〜7のいずれか1項記載の吐出ノズル付きキャップ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の吐出ノズル付きキャップが、容器本体の口首部に装着されている吐出ノズル付き容器。
【請求項10】
前記容器本体が、胴部を押圧することで内容液を吐出させるスクイズ容器の容器本体である請求項9記載の吐出ノズル付き容器。
【請求項11】
請求項9又は10記載の吐出ノズル付き容器に、内容液が収容されている容器製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出ノズル付きキャップに関し、具体的には、容器本体の口首部に取り付けて用いられる、吐出ノズル部を備える吐出ノズル付きキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体に収容した内容液を吐出ノズル部から吐出させる吐出容器として、例えばスクイズ容器が知られている。スクイズ容器は、内容液が収容された、例えば可撓性を有する合成樹脂製のボトル形状の容器本体を傾倒させると共に、容器本体の口首部に取り付けられたキャップの先端の吐出孔を吐出箇所に向けた状態で、容器本体の胴部を押圧することにより、内部の圧力を高めて、内容液を吐出孔の先端吐出口から線状に連続吐出させることが可能である。
【0003】
また、スクイズ容器等の吐出容器に取り付けられるキャップとして、容器本体の口首部の先端開口を覆う閉塞部に設けられた吐出ノズル部に、複数の吐出孔を形成することで吐出箇所への吐出領域を広げて、より広い面積の吐出箇所に対しても内容液を効率良く吐出できるようにした吐出ノズル付きキャップも開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の吐出ノズル付きキャップでは、キャップの天面部から突出して設けられた、内部に流路状の吐出孔を備える複数のノズル筒から、内容液を線状に連続吐出させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−251699号公報
【特許文献2】特開2001−180715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
吐出ノズル部を備える従来の吐出ノズル付きキャップでは、特に吐出孔が、キャップの天面部から突出するノズル筒の内部に設けられた流路状の吐出孔である場合、吐出孔を介して内容液を吐出した後に、吐出を終了して吐出容器を正立状態に戻した際に、吐出孔の内部に戻りきらなかった内容液が、ノズル筒の外周面を伝ってキャップの天面部や、キャップの外周部分まで液垂れすることで、これらの天面部や外周部分を汚すことになる。またキャップの外周部分に液垂れした内容液によって、次に吐出させる操作を行なう際に、容器を持つ手を汚すことになり易い。
【0006】
これに対して、キャップの天面部から突出するノズル筒を囲んで、天面部の周縁部分から立設する環状の外周壁部を設けることで、天面部に液垂れした内容液を外周壁部の内側に液溜めし、又は外周壁部の形状により容器本体の内部に回収することによって、天面部まで液垂れした内容液が、キャップの外周部分には至らないようにした吐出ノズル付きキャップも開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかしながら、天面部に液垂れした内容液を外周壁部の内側に液溜めできるようにした従来の吐出ノズル付きキャップでは、外周壁部の内側に液溜めされた内容液は、次に内容液を吐出させるために吐出容器を傾倒させた際に、回収しきれなかった内容液が外周壁部を越流して下方に排除されることになるが、特に、液溜めされた内容液が粘性の高いものであると、外周壁部を越流した内容液は、下方に落下することなく、外周壁の外周側に回り込むと共に外周部分を伝って流れることで、キャップの外周部分に付着して、キャップや容器を持つ手を汚し易くなる。
【0008】
本発明は、キャップの天面部に液溜めされた内容液が、次に内容液を吐出させる際に、キャップの外周部分を伝って流れることでキャップの外周部分に付着して、キャップや容器を持つ手を汚し易くなるのを効果的に回避できる吐出ノズル付きキャップに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、吐出ノズル部を備えており、容器本体の口首部に取り付けて用いられる吐出ノズル付きキャップであって、前記吐出ノズル部は、吐出孔が形成された天面部と、該天面部の周囲を囲む外周壁部とを備えると共に、前記容器本体の口首部の先端開口を覆う開口閉塞部に設けられており、前記吐出孔は、前記外周壁部の先端よりも高い位置に先端吐出口を開口させており、前記天面部の外周縁部は、前記外周壁部に、当該外周壁部の先端よりも低い位置において連続していることで、前記外周壁部における前記天面部の外周縁部よりも高くなっている部分が、液溜め壁を形成しており、前記外周壁部の外周面には、好ましくは前記外周壁部の先端から離間して、周方向に延設するフランジが、外側に突出して設けられている吐出ノズル付きキャップを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、上記の吐出ノズル付きキャップが、容器本体の口首部に装着されている吐出ノズル付き容器を提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、上記の吐出ノズル付き容器に、内容液が収容されている容器製品を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の吐出ノズル付きキャップ、吐出ノズル付き容器又は容器製品によれば、キャップの天面部に液溜めされた内容液が、次に内容液を吐出させる際に、キャップの外周部分を伝って流れることでキャップの外周部分に付着して、キャップや容器を持つ手を汚し易くなるのを効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の好ましい一実施形態に係る吐出ノズル付きキャップが取り付けられた吐出ノズル付き容器の斜視図である。
図2】本発明の好ましい一実施形態に係る吐出ノズル付きキャップの斜視図である。
図3】本発明の好ましい一実施形態に係る吐出ノズル付きキャップの、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図4】(a)は、図3(b)のA−Aに沿った断面図、(b)は、図3(a)のB−Bに沿った断面図である。
図5】本発明の好ましい一実施形態に係る吐出ノズル付きキャップのキャップ本体が取り付けられた吐出ノズル付き容器から、内容液を吐出させている状態を説明する平面図である。
図6】(a)、(b)は、次に内容液を吐出させる際に、液溜めされた内容液を排除する状況を説明する要部部分断面図である。
図7】本発明の好ましい他の実施形態に係る吐出ノズル付きキャップが取り付けられた吐出ノズル付き容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい一実施形態に係る吐出ノズル付きキャップ10は、図1に示すように、吐出ノズル付き容器として、好ましくはスクイズ容器20の容器本体22の口首部21(図6(a)、(b)参照)に着脱可能に一体として装着して用いられて、容器本体22と共にスクイズ容器20を形成している。吐出ノズル付き容器であるスクイズ容器20は、合成樹脂製のボトル形状の容器となっており、内容液として例えば浴室清掃用の液体洗剤が収容されていることで、容器製品として販売されるようになっている。スクイズ容器20は、例えば容器本体22の胴部22aを把持して傾倒させた状態で、胴部22aを挟み込むようにして押圧することによりスクイズ変形させながら、内部に圧力を加えることによって、吐出ノズル付きキャップ10の開口閉塞部11に設けられた吐出ノズル部19に形成された、複数の吐出孔12から、被吐出箇所に向けて内容液を吐出できるようになっている(図5参照)。吐出ノズル付きキャップ10は、後述するオーバーキャップ50との関係では、キャップ本体を構成している。
【0015】
本実施形態の吐出ノズル付きキャップ10は、吐出ノズル部19に複数の吐出孔12を備えており、これらの吐出孔12の先端吐出口12aから各々線状に連続吐出される内容液が重なり合うのを回避しつつ、広い面積の吐出箇所に対して、内容液を広い吐出幅B(図5参照)で効率良く吐出できるようにする機能を備えている。また本実施形態の吐出ノズル付きキャップ10は、内容液を吐出させる操作を行った後に、吐出を終了してスクイズ容器20を正立状態に戻した際に、吐出孔12の内部に戻りきらなかった内容液が、ノズル筒である後述する外方突出スリーブ部15の外周面を伝ってキャップ10の天面部19bに至っても、天面部19bに液溜めすることで、キャップ10の外周部分まで液垂れしないようにする機能を備えると共に、次に吐出させる操作を行なう際に、液溜めした内容液が、天面部19bからキャップ10の外周部分に廻り込んでも、キャップ10の外周部分を伝って流れないようにすることで、キャップ10の外周部分に内容液が付着してキャップ10や容器20を持つ手を汚し易くなるのを、回避できるようにする機能を備えている(図6(a)、(b)参照)。
【0016】
そして、本実施形態の吐出ノズル付きキャップ10は、吐出ノズル部19を備えており、吐出容器として例えばスクイズ容器20の容器本体22の口首部21に取り付けて用いられるキャップであって、図2図4(a)、(b)に示すように、吐出ノズル部19は、吐出孔12が形成された天面部19bと、天面部19bの周囲を囲む外周壁部19aとを備えると共に、容器本体22の口首部21の先端開口21aを覆う開口閉塞部11に設けられている。吐出孔12は、外周壁部19aの先端よりも高い位置に先端吐出口12aを開口させており、天面部19bの外周縁部は、外周壁部19aに、当該外周壁部19aの先端よりも低い位置において連続していることで、外周壁部19aにおける天面部19の外周縁部よりも高くなっている部分が、液溜めするよう機能する液溜め壁を形成している。外周壁部19aの外周面には、好ましくは外周壁部19aの先端から離間して、周方向に連続するフランジ26が、外側に突出して設けられている。本実施形態では、フランジ26は、好ましくは外周壁部19aの周方向に環状に連続して設けられている。
【0017】
また、本実施形態では、天面部19bの外周縁部の外周壁部19aに連続する最も低い位置に線状円環状領域19eを有している(図2図4(b)参照)。線状円環状領域から連続する外周壁部19aは、線状円環状領域19eから外周壁部19aの頂部に向かって徐々に高くなる傾斜面19fを備えている(図2図4(b)参照)。
【0018】
また、本実施形態では、開口閉塞部11の外周面には、フランジ26よりも容器本体22側に、吐出ノズル部19を覆うオーバーキャップ50(図1参照)を着脱可能に螺着させるための、雄ネジ凸条18aが設けられている。本実施形態では、フランジ26よりも容器本体22側に、外周壁部19aより大きな外径を備える円筒状基部18を有しており、この円筒状基部18に、雄ネジ凸条18aが設けられている。
【0019】
本実施形態では、スクイズ容器20の容器本体22は、図1に示すように、例えば高分子化合物等の合成樹脂として、好ましくはポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(L−LDPE)、またはこれらとエラストマーとをブレンドした樹脂等からなるボトル形状を有するブロー成形品であって、胴部22aが弾性変形可能な可撓性を備えていることで、押圧変形(スクイズ変形)可能な容器となっている。また、スクイズ容器20の容器本体22は、押圧後にその弾性変形性により、元の形状に復元することが好ましい。スクイズ容器20の容器本体22は、胴部22aと、口首部21と、底部23とからなり、底部23を載置面に載置することで、スクイズ容器20や容器製品を、立設させた状態で店頭に陳列したり、家庭内で保管したりできるようになっている。容器本体22の胴部22aは、上部が滑らかに縮径した、直径が例えば30〜100mm程度の大きさの中空の略円筒形状を有しており、片手で把持して、押圧操作を容易に行うことができるようになっている。
【0020】
胴部22aの縮径した上部から、肩部22b(図6(a)、(b)参照)を介して先端側に突出して、口首部21が設けられている。この口首部21の先端開口面21aを開口閉塞部11によって覆うようにして、吐出ノズル付きキャップ10が、口首部21に着脱可能に取り付けられている。スクイズ容器20の容器本体22の口首部21の先端開口面21aは、直径が例えば10mm〜100mm程度の大きさとなっていることが好ましく、20mm〜70mm程度の大きさとなっていることが更に好ましい。なお、容器本体22の胴部22aの形状については特に制限はなく、円形の断面形状を備えているものの他、長円、楕円、長方形等の断面形状を備えていても良い。
【0021】
なお、本明細書において、吐出ノズル付きキャップ10やスクイズ容器20における下方や下部は、容器本体22の底部23側の部分を示し、上方や上部は、下方や下部の逆方向の部分を示す。これらの上/下は、吐出ノズル付きキャップ10やスクイズ容器20を使用する際の姿勢とは無関係である。
【0022】
容器本体22と共にスクイズ容器20を構成する吐出ノズル付きキャップ10は、図2図4(a)、(b)に示すように、例えば高分子化合物等の合成樹脂として、好ましくPP、HDPE、低密度ポリエチレン(LDPE)、L−LDPE等からなる射出成形品であって、容器本体22の口首部21(図6(a)、(b)参照)に取り付けるための装着筒状部17を備えている。装着筒状部17の肩部17aから立設して、容器本体22の口首部21の先端開口面21aを閉塞する開口閉塞部11が設けられている。吐出ノズル付きキャップ10は、開口閉塞部11と装着筒状部17とを含んで構成されている。
【0023】
吐出ノズル付きキャップ10の装着筒状部17は、スクイズ容器20の口首部21の外径と同様の内径を備えており、先端部から径方向内側に環状に連続して張り出して、開口閉塞部11との接続部となる肩部17aaが形成されている。装着筒状部17の内周面には、雌ネジ凸条17bが設けられている(図4(a)、(b)参照)。この雌ネジ凸条17bを、スクイズ容器20の口首部21の外周面に設けられた雄ネジ突条21b(図6(a)、(b)参照)に螺着することによって、吐出ノズル付きキャップ10を、スクイズ容器20の容器本体22の口首部21に締着固定できるようになっている。
【0024】
吐出ノズル付きキャップ10を容器本体22の口首部21に締着した状態では、装着筒状部17の内側面と、肩部17aの内側縁部から容器本体22側に延設して環状に設けられたプラグシール17cとの間に、口首部21の先端部が挟み込まれるようになっており、また口首部21の先端が肩部17aの下面に当接するようになっている。装着筒状部17の外周面には、好ましくは線状の凹凸を周方向に連続させたローレット加工17dが施されている。ローレット加工17dによる滑り止め機能によって、吐出ノズル付きキャップ10を容器本体22の口首部21に着脱する操作を、さらに容易に行うことが可能になると共に、容器の外観にローレット加工17dによるアクセントを加えることによって、スクイズ容器20の全体の意匠性を一層向上させることが可能になる。
【0025】
吐出ノズル付きキャップ10の開口閉塞部11は、容器本体22の口首部21の先端開口21aを覆って配置される部分であって、本実施形態では、円筒状基部18と、円筒状基部18の先端部から先端側に突出して設けられた、吐出ノズル部19とを含んで構成されている。開口閉塞部11の吐出ノズル部19に、吐出孔12が、開口閉塞部11の直径方向Xに列状に並べて配置されて、3箇所に形成されている。
【0026】
円筒状基部18は、装着筒状部17の肩部17aの内側縁部から立設して一体として設けられた、装着筒状部17の外径よりも小さな外径を有する円筒状の部分となっている。円筒状基部18の内周面は、装着筒状部17に設けられたプラグシール17cの内周面と、面一になるように形成されており(図6(a)、(b)参照)、また外周面には、オーバーキャップ50(図1参照)を螺着させる雄ネジ凸条17aが設けられている。
【0027】
吐出ノズル部19は、円筒状基部18の先端部から立設する外周壁部19aと、外周壁部19aよって周囲を囲まれて、これの先端部に一体として設けられた天面部19bとを含んで形成されている。吐出ノズル部19の外周壁部19aは、円筒状基部18の外径よりも僅かに小さな外径を備える、高さが低い円筒状の部分であって、円筒状基部18と同心状に配置されることで、円筒状基部18との間に、これらの境界部分である段差部19cが形成されている。外周壁部19aは、天面部19bの外周縁部よりも高い位置まで立設しており、これによって外周壁部19aにおける天面部19bの外周縁部よりも高くなっている部分が、液溜め壁を形成している。
【0028】
また、本実施形態では、外周壁部19aの外周面には、外周壁部19aの先端から、好ましくは0.1〜10mm程度離間して、好ましくは周方向に連続するフランジ26が、外側に突出して設けられている。本実施形態では、フランジ26は、例えば外側への突出高さが0.5〜5mm、外周壁部13aの立設方向の高さが0.1〜3mm程度の大きさの、矩形状又は5角形状の断面形状を備えるフランジとして、好ましくは外周壁部19aの先端と平行な面に沿って周方向に環状に連続して延設すると共に、外周壁部19aの外周面から外側に突出して設けられている。フランジ26は、後述するように、次に内容液を吐出させるためにスクイズ容器20を傾倒させた際に、天面部19bに液溜めされた内容液が外周壁部19aを越流して、外周壁部19aの外周部分に回り込んでも、回り込んだ内容液を水切りして下方に落下させることで、外周部分を伝ってさらに流れようとするのを阻止する、水切り用のフランジとして機能するようになっている。ここで内容液を水切りして落下させる下方は、重力方向の下方である。
【0029】
また、フランジ26は、外周壁部19aにおいて、天面部19bの外周縁部が接続する高さ位置よりも、容器本体22側に設けられていることが好ましい。これによって、次に内容液を吐出させるためにスクイズ容器20を傾倒させた際に、外周壁部19aによる液溜め壁を越流して回り込んだ内容液をフランジ26に導いて、フランジ26により水切りして容易に下方に落下させることが可能になると共に、回り込んだ内容液によって手や雄ネジ凸条18aを汚すことになるのを、効果的に回避することが可能になる。フランジ26は、例えば外周壁部19aの先端側又は基端側の角部に、直角又は鋭角に尖ったエッジ状の角部を備えていることが好ましい。これによって、外周壁部19aによる液溜め壁を越流して回り込んだ内容液を、フランジ26によって、さらに効果的に水切りして下方に落下させることが可能になる。
【0030】
本実施形態では、吐出ノズル部19の天面部19bは、外周壁部19aの先端部の開口を閉塞するようにして、外周壁部19aに一体として設けられた、円形の平面形状を有すると共に、中央部分が盛り上がった立体形状を備える板状の部分となっている。天面部19bは、外周縁部を外周壁部19aの先端よりも一段低い位置に配置して形成されている。天面部19bは、開口閉塞部11の直径方向Xに沿って延設する帯状先端面19dを有している。帯状先端面19dは、開口閉塞部11の直径方向Xに沿った縦断形状が、上方に向けて凸に湾曲していることで、湾曲凸面となっている。帯状先端面19dは、両側の外周壁部19aに近接する部分を除いた、中央部分を含む殆どの部分を、外周壁部19aよりも上方に突出させて設けられている。帯状先端面19dの両側の側方領域には、なだらかに凹状に湾曲する湾曲凹面が形成されており、これによって天面部19bの外周縁部は、外周壁部19aに、当該外周壁部19aの先端よりも一段低い位置において連続している。
【0031】
また、帯状先端面19dには、これの中央部分及び中央部分を挟んだ両側の合計3箇所に、外方突出スリーブ部15が、先端側(外方)に突出して、開口閉塞部11及び天面部19bの直径方向Xに沿って列状に配置されて設けられている。これらの3箇所の外方突出スリーブ部15の容器本体22側に連続させるようにして、内方突出スリーブ部16が、容器本体22側(内方)に突出して、開口閉塞部11及び天面部19bの直径方向Xに沿って列状に配置されて3箇所に設けられている。外方突出スリーブ部15及び内方突出スリーブ部16を貫通させると共に、吐出ノズル部19の天面部19bの一部を構成する、帯状先端面19dを貫通させることで、これらの貫通孔が連続する吐出孔12が、好ましくは相当の流路長さを備える吐出流路として形成されている。これによって吐出孔12は、開口閉塞部11の帯状先端面19dの中央部分及び両側の3箇所に、複数の吐出孔12として、開口閉塞部11及び天面部19bの直径方向Xに沿って列状に並べて配置されて設けられることになる。
【0032】
本実施形態では、開口閉塞部11の帯状先端面19dに設けられた3箇所の吐出孔12は、先端吐出口12aが外方突出スリーブ部15の先端部に設けられており、先端吐出口12aの開口周縁部12bは、好ましくは、口首部21の先端開口面21a(図6(a)、(b)参照)と平行なフラットな面上に配置されている。また、3箇所の吐出孔12の先端吐出口12aは、例えば0.5〜10mm程度のキャップ10の中心軸Z1方向の高低差h1(図4(a)参照)で、開口閉塞部11及び天面部19bの直径方向Xの中心側に配置される中心側吐出孔(本実施形態では、中央の吐出孔)12’の先端吐出口12aの方が、直径方向Xの外側に配置される外側吐出孔(本実施形態では、両端部の吐出孔)12の先端吐出口12aよりも、例えば口首部21の先端開口面21aからの高さが高くなるように形成されている。さらに、本実施形態では、好ましくは、3箇所の吐出孔12の先端吐出口12aの開口周縁部12bに、各々、環状に連続するコンタクトリング12cが突出して設けられている。
【0033】
また、本実施形態では、開口閉塞部11及び天面部19bの直径方向Xの両端部に配置される外側吐出孔12は、これらの吐出先端部の先端部中心軸12d(図4(a)参照)が、吐出方向Z(図5参照)に向けて開口閉塞部11及び天面部19bの直径方向X外側に、傾斜した状態で形成されている。これによって、複数の吐出孔12の先端吐出口12aから各々線状に連続吐出される内容液を重なり合わせることなく、全体の吐出幅B(図5参照)が広がるようにして、広い面積の吐出箇所に対して内容液を効率良く吐出させることのできるようになっている。
【0034】
吐出ノズル付きキャップ10の吐出ノズル部19を覆って着脱可能に装着されるオーバーキャップ50(図1参照)は、好ましくは吐出ノズル付きキャップ10を形成する合成樹脂とは異なる弾性率の合成樹脂を用いて形成される射出成形品である。オーバーキャップ50は、吐出ノズル付きキャップ10を形成する合成樹脂よりも弾性率が大きく、ひずみが小さな合成樹脂を用いて形成することが、より好ましい。これによって、オーバーキャップ15を吐出ノズル付きキャップ10に締着した際に、オーバーキャップ50の内周面の、吐出ノズル付きキャップ10に形成された複数の吐出孔12の各々の開口周縁部12bとの密着性を、向上させることが可能になる。オーバーキャップ15を形成する合成樹脂として、例えばポリプロピレン、ポリエチレン(PE、HDPE、LDPE、L−LDPE)、ポリエチレンテレフタレート等を好ましく用いることができる。吐出ノズル付きキャップ10を形成する合成樹脂として、上述のように、例えばポリプロピレン、ポリエチレン(PE、HDPE、LDPE、L−LDPE)等を好ましく用いることができる。さらに、オーバーキャップ50を形成する合成樹脂よりも、吐出ノズル付きキャップ10を形成する合成樹脂を柔らかくすることが好ましい。オーバーキャップ50を形成する合成樹脂をポリプロピレンとし、吐出ノズル付きキャップ10を形成する合成樹脂をポリエチレン(PE、HDPE、LDPE、L−LDPE)とすることがより好ましい。例えば、本実施形態では、オーバーキャップ50にポリプロピレンを、吐出ノズル付きキャップ10にL−LDPEを用いている。オーバーキャップ50を形成する合成樹脂の弾性率は、1000〜3000Mpaとすることが好ましく、吐出ノズル付きキャップ10を形成する合成樹脂の弾性率は、100〜500Mpaとすることが好ましい。
【0035】
オーバーキャップ50は、天面部50aと円筒部50bとの接続角部分50eが湾曲形状に面取りされた、有天の円筒形状を備えるキャップ部材となっている。オーバーキャップ50の円筒部50bの内側壁面には、雌ネジ凸条(図示せず)が形成されており、この雌ネジ凸条を、吐出ノズル付きキャップ10の円筒状基部18の外周面に形成された雄ネジ凸条18aに螺着することによって、オーバーキャップ50を、吐出ノズル部19を覆って吐出ノズル付きキャップ10に締着固定できるようになっている。また、オーバーキャップ50の円筒部50bの外周面には、好ましくは線状の凹凸を周方向に連続させたローレット加工50dが施されている(図1参照)。ローレット加工50dによる滑り止め機能によって、オーバーキャップ50を吐出ノズル付きキャップ10の開口閉塞部11の円筒状基部18に着脱する操作を、さらに容易に行うことが可能になると共に、容器の外観にローレット加工50dによるアクセントを加えることによって、吐出ノズル付きキャップ10の装着筒状部17の外周面に施されたローレット加工17dと共に、スクイズ容器20の全体の意匠性を一層向上させることが可能になる。
【0036】
オーバーキャップ50の天面部50aは、円筒部50bとの接続角部分50eの内側に連接して配置された円環状平坦部50fと、円環状平坦部50fによって囲まれる天面部50aの中央部分において、湾曲接続傾斜部50hを介して円環状平坦部50fよりも一段高い位置に配置された、円形マウンド部50gとを含んで形成されている。円環状平坦部50f及び円形マウンド部50gの下面には、複数(3箇所)の吐出孔12の先端吐出口12aの開口周縁部12bと同時に密着可能な封止面部を構成する、オーバーキャップ50の中心軸と垂直で互いに平行な仮想の封止面上に配置され、且つ同心状に配置された、径方向内側の円形密着面(図示せず)と径方向外側の円環状密着面(図示せず)とが形成されている。これにより、スクイズ容器20の非使用時に、簡易な構成によって、吐出ノズル部19に形成された複数(3箇所)の吐出孔12をオーパーキャプ50を用いて同時に封止して、複数(3箇所)の吐出孔12から液漏れが生じるのを効果的に回避できるようになっている。
【0037】
上述の構成を備える本実施形態の吐出ノズル付きキャップ10は、容器本体22の口首部21に着脱可能に取り付けられて、容器本体22と共にスクイズ容器20を形成する(図1参照)。スクイズ容器20は、オーバーキャップ50を取り外し、例えば容器本体22の胴部22aを把持して傾倒させた状態で、胴部22aを挟み込むようにして押圧することによりスクイズ変形させながら、内部に圧力を加える。これによって、図5に示すように、吐出ノズル付きキャップ10の開口閉塞部11に設けられた吐出ノズル部19に形成された、複数の吐出孔12から、被吐出箇所に向けて内容液を吐出できるようになっている。吐出ノズル付きキャップ10の開口閉塞部11の直径方向Xの両端部に配置される吐出孔12は、これらの吐出先端部の先端部中心軸14dが、吐出方向Zに向けて開口閉塞部11の直径方向X外側に、傾斜した状態で形成されているので(図4(a)参照)、複数の吐出孔12の先端吐出口12aから各々線状に連続吐出される内容液を重なり合わせることなく、全体の吐出幅Bが広がるようにして、広い面積の吐出箇所に対しても内容液を効率良く吐出させることが可能なる(図5参照)。
【0038】
本実施形態では、スクイズ容器20の容器本体22の胴部22aをスクイズ変形させながら、吐出ノズル部19から所定量の内容液を吐出させた後に、吐出を終了してスクイズ容器20を正立状態に戻した際に、吐出孔12の内部に戻りきらなかった内容液が、外方突出スリーブ部15の外周面を伝って吐出ノズル部19の天面部19bまで液垂れして、図6(a)に示すように、液溜め壁を形成する外周壁部19aによって囲まれる内側部分の天面部19bの上に液溜めされる。液溜めされた内容液は、容器本体22の胴部22aを把持して、次に内容液を吐出させるために吐出容器を再び傾倒させた際に、図6(b)に示すように、外周壁部19aを越流させて下方に排除されることになる。
【0039】
そして、上述の構成を備える本実施形態の吐出ノズル付きキャップ10によれば、キャップ10の天面部19bに液溜めされた内容液が、次に内容液を吐出させる際に、キャップ10の外周部分を伝って流れることでキャップの外周部分に付着して、キャップ10やスクイズ容器20を持つ手を汚し易くなるのを、効果的に回避することが可能になる。
【0040】
すなわち、本実施形態によれば、吐出ノズル付きキャップ10は、吐出ノズル部19の天面部19bの外周縁部が、外周壁部19aに、当該外周壁部19aの先端よりも低い位置において連続していることで、外周壁部19aにおける天面部19bの外周縁部よりも高くなっている部分が、液溜め壁を形成しており、外周壁部19aの外周面には、好ましくは外周壁部19aの先端から離間して、周方向に延設するフランジ26が、外側に突出して設けられている。
【0041】
したがって、本実施形態の吐出ノズル付きキャップ10によれば、内容液の吐出を終了してスクイズ容器20を正立状態に戻した際に、吐出孔12の内部に戻りきらなかった内容液が外方突出スリーブ部15の外周面を伝って液垂れしても、液垂れした内容液を、外周壁部19aの内側の天面部19bに液溜めすることが可能になる。また、次の内容液の吐出時に、スクイズ容器20を傾倒させて液溜めされた内容液を下方に排除する際に、図6(b)に示すように、外周壁部19aを越流した内容液が、下方に落下することなく、外周壁部19aの外周部分に廻り込んで、外周部分を伝って流れようとしても、廻り込んだ内容液は、一段高くなったフランジ26の部分で外周部分を伝う流れが遮断され、水切りされることにより下方に落下することになる。これによって、本実施形態によれば、キャップ10の外周部分を伝って、液垂れした内容液がフランジ26を超えて流れないようにして、キャップの外周部分に内容液が付着しないようにすることにより、キャップ10やスクイズ容器20を持つ手が汚れ易くなるのを、効果的に回避することが可能になる。
【0042】
また、本実施形態では、天面部19bの外周縁部の外周壁部19aに連続する最も低い位置に線状円環状領域19eを有しており、外周壁部19aは、線状円環状領域19eから外周壁部19aの頂部に向かって徐々に高くなる傾斜面19fを備えていることから、スクイズ容器20を傾倒させた際に、天面部19bに液溜めされた内容液を、天面部19bから排出させやすい。また、天面部19bに残存する内容液を拭き取りやすい。
【0043】
また、本実施形態では、開口閉塞部11の外周壁部19aの外周面に設けられたフランジ26よりも容器本体22側に、吐出ノズル部19を覆うオーバーキャップ50を着脱可能に螺着させるための、雄ネジ凸条18aが設けられているが、液垂れした内容液は、フランジ26により遮断されて雄ネジ凸条18aまで至らないようになっているので、オーバーキャップ50を着脱する際に手や指が汚れ易くなったり、オーバーキャップ50の着脱操作に支障を生じるのを、効果的に回避することが可能になる。
【0044】
図7は、本発明の好ましい他の実施形態に係る吐出ノズル付きキャップ10’が取り付けられた、吐出ノズル付き容器であるスクイズ容器20’を示すものである。図7に示す吐出ノズル付きキャップ10’が取り付けられたスクイズ容器20’は、吐出ノズル部19の天面部19b’における形態が、図1に示すスクイズ容器20のものと相違している。図7に示すスクイズ容器20’では、図1に示すスクイズ容器20と異なる構成部分について主として説明し、同様の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。特に言及しない構成部分については、図1に示すスクイズ容器20に関する説明が適宜適用される。
【0045】
すなわち、図7に示す吐出ノズル付きキャップ10’が取り付けられたスクイズ容器20’では、吐出ノズル付きキャップ10’の天面部19b’は、開口閉塞部11の直径方向Xに沿って延設する帯状先端面19d’を有していると共に、帯状先端面19d’に、複数の吐出孔12が開口閉塞部11の直径方向Xに沿って列状に配置されており、帯状先端面19d’は、吐出方向Z(図5参照)に向けて凸に湾曲する湾曲凸面となっている。また、図7に示す吐出ノズル付きキャップ10’が取り付けられたスクイズ容器20’では、オーバーキャップ50’の先端部分をドーム状に湾曲させると共に、先端部分の内側面を、複数の吐出孔12の開口周縁部が配置されている帯状先端面19d’の湾曲凸面の曲率半径と、同様の曲率半径で湾曲させた、ドーム状の湾曲内周面としている。これによって、オーバーキャップ50’が吐出ノズル付きキャップ10’に装着された際に、オーバーキャップ50’の先端部分の内側面が、帯状先端面19d’の湾曲凸面に沿って配置された複数の吐出孔12の各々の開口周縁部に同時に密着することを可能にして、これらの吐出孔12の先端吐出口12aを同時に封止できるようになっている。
【0046】
図7に示す吐出ノズル付きキャップ10’によっても、吐出ノズル部19の天面部13b’の外周縁部が、外周壁部19aに、当該外周壁部19aの先端よりも低い位置において連続していることで、外周壁部19aにおける天面部19b’の外周縁部よりも高くなっている部分が、液溜め壁を形成しており、外周壁部13aの外周面には、好ましくは外周壁部19aの先端から離間して、周方向に延設するフランジ26が、外側に突出して設けられているので、上記の実施形態の吐出ノズル付きキャップ10と同様の作用効果が奏される。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、開口閉塞部の外周壁部の外周面に設けられたフランジよりも容器本体側に、雄ネジ凸条が設けられている必要は必ずしも無く、フランジよりも容器本体側に、外周壁部よりも大きな外径を備える円筒状基部を備えている必要は必ずしも無い。吐出ノズル部の天面部に形成された吐出孔は、複数形成されている必要は必ずしも無く、1箇所にのみ形成されていても良い。複数の吐出孔が形成されている場合、複数の吐出孔は、列状に配置されていなくても良い。吐出ノズル付きキャップが取り付けられる容器本体は、スクイズ容器の容器本体である必要は必ずしも無く、その他の種々の吐出容器の容器本体であっても良い。吐出孔の先端吐出口は、外方突出スリーブ部の先端部に設けられていなくても良い。
【0048】
また、フランジは、外周壁部の周方向に環状に連続して外周壁部に設けられている必要は必ずしも無く、周方向に断続的に延設していたり、内容液を吐出させる際に容器を傾倒させる方向が特定されているような場合には、傾倒させる方向の部分にのみ、周方向に延設させて外周壁部の外周面に設けることもできる。フランジは、外周壁部の先端から離間して、外周壁部の外周面に設ける必要は必ずしも無く、外周壁部の先端部において、外周壁部の外周面から外側に突出させて設けることもできる。
【符号の説明】
【0049】
10,10’ 吐出ノズル付きキャップ
11 開口閉塞部
12 吐出孔
12a 先端吐出口
15 外方突出スリーブ部
16 内方突出スリーブ部
17 装着筒状部
18 円筒状基部
19 吐出ノズル部
19a 外周壁部
19b,19b’ 天面部
19d,19d’ 帯状先端面
19e 線状円環状領域
19f 傾斜面
20,20’ スクイズ容器
21 口首部
21a 先端開口面
22 容器本体
22a 胴部
26 フランジ
B 吐出幅
Z 吐出方向
X 開口閉塞部の直径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7