特許第6717847号(P6717847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6717847コンフォーマブル低密度フルオロポリマー繊維ブレンドを含む布
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6717847
(24)【登録日】2020年6月15日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】コンフォーマブル低密度フルオロポリマー繊維ブレンドを含む布
(51)【国際特許分類】
   D03D 15/00 20060101AFI20200629BHJP
   D01F 6/48 20060101ALI20200629BHJP
   D04B 1/14 20060101ALI20200629BHJP
   D04B 21/00 20060101ALI20200629BHJP
   D06M 13/00 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   D03D15/00 A
   D01F6/48 C
   D04B1/14
   D04B21/00 B
   D06M13/00
【請求項の数】34
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-548438(P2017-548438)
(86)(22)【出願日】2016年3月16日
(65)【公表番号】特表2018-509533(P2018-509533A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】US2016022537
(87)【国際公開番号】WO2016149298
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2017年9月14日
(31)【優先権主張番号】15/070,568
(32)【優先日】2016年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/133,525
(32)【優先日】2015年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジェイ.マイナー
(72)【発明者】
【氏名】ノーマン イー.クラフ
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド ビー.マイナー
【審査官】 小石 真弓
(56)【参考文献】
【文献】 特表平09−501995(JP,A)
【文献】 米国特許第05262234(US,A)
【文献】 特開平10−046427(JP,A)
【文献】 特開2004−244787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D 15/00
D01F 6/48
D04B 1/14
D04B 21/00
D06M 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維であって、前記複数のePTFE繊維は小線維の相互接続したネットワークの微細構造を有し、前記複数のePTFE繊維は被膜を形成することまたは処理されることにより親水性の性質を与えられ、前記複数のePTFE繊維は液体によって湿潤されおよび前記複数の親水性ePTFE繊維の微細構造内に液体を含むことができ、前記複数のePTFE繊維のそれぞれは1.2g/cm未満の密度を有する、ePTFE繊維と、
複数の非ePTFE繊維と、
を含む、布。
【請求項2】
前記布が、少なくとも15wt%のePTFE繊維を含む、請求項1に記載の布。
【請求項3】
前記ePTFE繊維が、1超の幅の高さに対する比を有する、請求項1に記載の布。
【請求項4】
前記ePTFE繊維が、実質的に長方形の断面形状を有する、請求項3に記載の布。
【請求項5】
前記ePTFE繊維が、1の幅の高さに対する比を有する、請求項1に記載の布。
【請求項6】
前記ePTFE繊維が、実質的に円形の断面形状を有する、請求項5に記載の布。
【請求項7】
前記ePTFE繊維が着色剤を含む、請求項1に記載の布。
【請求項8】
前記ePTFE繊維が、その中に断熱材料を有する、請求項1に記載の布。
【請求項9】
前記布が、織布および編布から選択される、請求項1に記載の布。
【請求項10】
前記布の少なくとも片側に付着した編織布をさらに含む、請求項1に記載の布。
【請求項11】
前記布の少なくとも片側に付着したポリマー膜をさらに含む、請求項1に記載の布。
【請求項12】
前記非ePTFE繊維が、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の布。
【請求項13】
複数のたて糸繊維およびよこ糸繊維であって、前記たて糸繊維の少なくとも1つ、前記よこ糸繊維の少なくとも1つ、または前記たて糸繊維および前記よこ糸繊維の少なくとも1つが少なくとも1種の延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維であって、前記ePTFE繊維のそれぞれは小線維の相互接続したネットワークの微細構造を有し、前記少なくとも1種のePTFE繊維は被膜を形成することまたは処理されることにより親水性の性質を与えられ、前記少なくとも1種のePTFE繊維は液体によって湿潤されおよび前記少なくとも1種の親水性ePTFE繊維の微細構造内に液体を含むことができ、前記ePTFE繊維のそれぞれは1.2g/cm未満の密度を有する、ePTFE繊維を含む、複数のたて糸繊維およびよこ糸繊維と、
複数の非PTFE繊維と、
を含む、織布。
【請求項14】
前記布が、少なくとも15wt%のePTFE繊維を含む、請求項13に記載の織布。
【請求項15】
前記ePTFE繊維が、1超の幅の高さに対する比を有する、請求項13に記載の織布。
【請求項16】
前記ePTFE繊維が、1の幅の高さに対する比を有する、請求項13に記載の織布。
【請求項17】
前記ePTFE繊維が着色剤を含む、請求項13に記載の織布。
【請求項18】
前記ePTFE繊維が、その中に断熱材料を有する、請求項13に記載の織布。
【請求項19】
前記非ePTFE繊維が、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の織布。
【請求項20】
複数の延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維と、編物形態の複数の非ePTFE繊維と、を含む、編布であって、前記複数のePTFE繊維のそれぞれは小線維の相互接続したネットワークの微細構造を有し、前記複数のePTFE繊維は被膜を形成することまたは処理されることにより親水性の性質を与えられ、前記複数のePTFE繊維は液体によって湿潤されおよび前記複数の親水性ePTFE繊維の微細構造内に液体を含むことができ、前記複数のePTFE繊維のそれぞれは1.2g/cm未満の密度を有する、編布。
【請求項21】
前記布が、少なくとも15wt%のePTFE繊維を含む、請求項20に記載の編布。
【請求項22】
前記ePTFE繊維が、その中に断熱材料を有する、請求項20に記載の編布。
【請求項23】
前記ePTFE繊維が、1超の幅の高さに対する比を有する、請求項20に記載の編布。
【請求項24】
前記ePTFE繊維が、1の幅の高さに対する比を有する、請求項20に記載の編布。
【請求項25】
前記ePTFE繊維が着色剤を含む、請求項20に記載の編布。
【請求項26】
前記非ePTFE繊維が、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の編布。
【請求項27】
親水性ePTFE繊維と、
非ePTFE繊維と、
を含み、
前記親水性ePTFE繊維および前記非ePTFE繊維が布に形成されている、物品であって、前記ePTFE繊維のそれぞれは小線維の相互接続したネットワークの微細構造を有し、前記ePTFE繊維は被膜を形成することまたは処理されることにより親水性の性質を与えられ、前記ePTFE繊維は液体によって湿潤されおよび前記親水性ePTFE繊維の微細構造内に液体を含むことができる、物品。
【請求項28】
前記非ePTFE繊維が、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項27に記載の物品。
【請求項29】
前記ePTFE繊維が着色剤を含む、請求項27に記載の物品。
【請求項30】
前記布が、少なくとも15wt%のePTFE繊維を含む、請求項27に記載の物品。
【請求項31】
前記ePTFE繊維が、その中に断熱材料を有する、請求項27に記載の物品。
【請求項32】
前記ePTFE繊維が、1超の幅の高さに対する比を有する、請求項27に記載の物品。
【請求項33】
前記ePTFE繊維が、1の幅の高さに対する比を有する、請求項27に記載の物品。
【請求項34】
複数のコンフォーマブル親水性フルオロポリマー繊維と、
複数の他の非フルオロポリマー繊維と、
を含む、布であって、前記複数のコンフォーマブル親水性フルオロポリマー繊維のそれぞれは小線維の相互接続したネットワークの微細構造を有し、前記複数のコンフォーマブル親水性フルオロポリマー繊維は被膜を形成することまたは処理されることにより親水性の性質を与えられ、前記複数のコンフォーマブル親水性フルオロポリマー繊維は液体によって湿潤されおよび前記複数のコンフォーマブル親水性フルオロポリマー繊維の微細構造内に液体を含むことができ、前記複数のコンフォーマブル親水性フルオロポリマー繊維のそれぞれは1.2g/cm未満の密度を有する、布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、布、およびさらに具体的に言うと、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維などのコンフォーマブル低密度フルオロポリマー繊維と少なくとも1種の他の繊維とのブレンドを含む布に関する。布は、通気性があり、まとうことができ(drapable)、耐久性があり、および改善された汗管理を含む改善された液体および湿気蒸気管理を示す。
【背景技術】
【0002】
湿気管理衣類は、当該技術分野で知られている。布は、典型的にはヤーンから編まれてまたは織られて、ソックス、シャツ、下着、およびその同類のものなどの物品を形成する。使用される典型的なヤーン材料は、人工または天然ヤーン、またはそれらの組み合わせのいずれかである。有名な天然材料は、典型的には、羊毛、綿、および絹を含む。有名な人工材料は、典型的には、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリル、スパンデックス、アラミド、およびそれらの組み合わせを含む。さらに、これらの繊維および/または衣類は、親水性表面または疎水性表面、またはそれらの組み合わせのいずれかを作るように処理されることができる。
【0003】
心地よさが衣類の重要なパラメーターであることがまた知られている。これは、使用者のための心理的、感覚的、熱的、および湿気条件のバランスをとることを含む。理想的に、布は、広範な条件にわたって心地よさを示し、心地悪さに関連した負の属性を除くであろう。これらの属性は、典型的には使用者が心地よくないと認めるのに特に注意を払う程、冷たく、暑く、じめじめしており、蒸し暑く、または汗臭い感じからの心地悪さに対する保護を含む。
【0004】
それぞれの天然繊維および人工繊維は、特に活動部分(汗をかく速度の変化)または変化する環境条件(湿度または温度、当たっている風、太陽、影、または雨の変化)を含む活動において利用される場合、利点および欠点を有することが、当該技術分野で知られている。これらの繊維は、属性の組み合わせに基づいた用途のために選択され、いくつかの重要なパラメーターは、布をまとうことができること、または布の柔軟さ、および体から来る汗(蒸気および液体)をどう管理するかを含む。
【0005】
現在の解決は、使用者の望む程度のこれらのニーズに対応していない。例えば、メリノ羊毛布は、柔軟であり、まとうことができ、そして繊維の内側部分内の湿気蒸気吸収のための高い容量を提供し、変化する条件において使用者をかなり心地よく保つ。しかし、これらの布は機械的耐久性があまりなく、および高い活性または高湿度の期間では、いったん羊毛が吸収された蒸気で満たされると、凝縮または液体管理のための羊毛糸の束中の容量は殆どなく、したがって望まないときに使用者に湿り感を与える。過剰液体に加えて羊毛の高い吸収は、重い衣類、および長期間の湿り気または長い乾燥時間、特に吸収された湿気を羊毛が容易に放出できない場合湿った環境となる場合がある。
ポリエステル布は、大部分の環境下で耐久性があり、軽量であり、そして乾燥が速いままである能力を有するが、これらの布は、わずかな蒸気吸収しかなく、そして望むより早く、冷たさ、暑さ、または汗臭い感じがするのを防ぐための湿気蒸気の吸着、および/または凝縮に充分な容量がない。これらの布はまた、商品に加えられた非常に低いレベルの液体で湿った感じを与え、望まないときに湿ったおよび/または冷たさの感じを与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
使用者が心地よいままであることができる範囲をまた広げながら柔軟で、好適な生活(耐久力)を維持する衣類への技術的なニーズがある。本明細書中に記載された衣類は個人により織られたあらゆる物品を含むことができ、そしてシート、毛布、寝袋およびその同類のものなどの個人と接触する物品をまた含むことができる。
【0007】
したがって、良好な目に見える美的感覚を有する柔軟で耐久性のある布を保ちながら、湿気蒸気吸着および凝縮のための高い容量、および規定された体積での液体への高い容量を含む手触りおよび感触、暖かさ、湿気管理および美的感覚に関して、着衣者に全体的な心地よさを持たせる布を提供することに技術的なニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一態様では、(1)小線維の相互に接続したネットワークの微細構造を有し、固有の親水性または親水性の性質を繊維に与えるための被膜もしくは処理を可能にする高表面積のいずれかを有し、および典型的には約1.2g/cm未満の密度を有する複数の低密度の親水性繊維と、(2)複数の他の繊維と、を含む布を取り込んだ衣類に関する。他の繊維は、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックス、およびそれらの組み合わせを含むことができる。一態様では、布は、少なくとも約15wt%の低密度の親水性繊維を含むことができる。これらの低密度の親水性繊維は、考えられた最終用途に適当な任意の好適な形状およびアスペクト比を有することができる。1つの別の態様において、低密度の親水性繊維は、実質的に長方形の形状(例えば、1超のアスペクト比)または実質的に円形の形状(例えば約1のアスペクト比)を有することができる。布は、事実上織られているか、または編まれていることができる。一態様では、編織布および/またはポリマー膜は、布の少なくとも片側に貼り付けられていることができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、(1)約1.2g/cm未満の密度を有する複数の親水性延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維と、(2)複数の非ePTFE繊維と、を含む布に関する。非ePTFE繊維は、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックス、およびそれらの組み合わせを含むことができる。一態様では、布は、少なくとも約15wt%のePTFE繊維を含むことができる。繊維は、考えられた最終用途に適当な任意の好適な形状およびアスペクト比を有することができる。1つの別の態様において、ePTFE繊維は、実質的に長方形の形状{例えば、1超のアスペクト比)または実質的に円形の形状(例えば約1のアスペクト比)を有することができる。一態様では、編織布および/またはポリマー膜は、布の少なくとも片側に貼り付けられていることができる。
【0010】
本発明の第3の態様は、(1)たて糸方向またはよこ糸方向の少なくとも1つにおける繊維の少なくとも幾つかが、約1.2g/cm未満の密度を有する少なくとも1種の親水性延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維を含む、複数のたて糸繊維およびよこ糸繊維と、(2)複数の非PTFE繊維と、を含む織布に関する。一態様では、織布は、少なくとも15wt%のePTFE繊維を含む。ePTFE繊維は、実質的に長方形の形状(例えば、1超のアスペクト比)または実質的に円形の形状(例えば約1のアスペクト比)を有することができる。非ePTFE繊維は、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックス、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0011】
本発明の第4の態様は、(1)約1.2g/cm未満の密度を有する複数の親水性延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維と、(2)複数の非ePTFE繊維と、を含む編布に関する。非ePTFE繊維は、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックス、およびそれらの組み合わせを含むことができる。ePTFE繊維は、少なくとも15wt%の量で編布中に存在する。親水性ePTFE繊維は、実質的に長方形の形状{例えば、1超のアスペクト比)または実質的に円形の形状(例えば約1のアスペクト比)を有することができる。
【0012】
本発明の第5の態様は、(1)親水性ePTFE繊維と、(2)非ePTFE繊維と、を含む物品であって、親水性繊維と非ePTFE繊維とが布に形成されている物品に関する。非ePTFE繊維は、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックスおよびそれらの組み合わせから選択されることができる。一態様では、ePTFE繊維は、その中に少なくとも1種の断熱材料を含むことができる。ePTFE繊維は、その中に少なくとも1種の着色剤材料を含むことができる。本発明の別の態様では、ePTFE繊維は、その中に高屈折率を示す少なくとも1種の材料を含むことができる。少なくとも1つの態様では、布は、少なくとも約15wt%のePTFE繊維を含む。布は、10分で10mm超の垂直のウィッキング(ウィッキング)を示す。ePTFE繊維は、1超のアスペクト比を有しおよび実質的に長方形の形状を有することができる。別の態様では、ePTFE繊維は、約1のアスペクト比を有しおよび実質的に円形の形状を有することができる。
【0013】
本発明のさらなる態様において、布のいずれかの表面で、ePTFE繊維が突き出ないか、または限られた様式でのみ突き出るように、ePTFE繊維は布構造中に位置する。このePTFE繊維は固有の低い摩擦を有するので、使用されるある終端において、「摩擦」または「静止摩擦」等の属性に影響を与えないことが望まれている。これは初期の静止摩擦が最高であるソックスおよび履物に特に関連する。これらのそうした用途において、使用者と物理的に接触しないが、代わりに布の構造中に取り込まれている場合に、ePTFE繊維構造の利点が付与される。この態様において、ePTFE繊維は、ゆるやかさ、耐久性、および湿気管理等の布の属性を改善し、これは健全な足を維持するのに重要であり、着衣者への良好な静止摩擦となる。代わりに、少なくともいくらかの低摩擦性能が望まれるいくつかの態様では、ePTFE繊維の露出は、布織物または布編物の構造の中で設計されてこの効果を提供することができる。
【0014】
添付図面は、本開示のさらなる理解を提供し、およびこの明細書中に取り込まれおよび明細書の一部を構成し、および本開示の原理を説明するのに役立つ記載と共に、態様を具体的に示すために含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の態様による、1000倍で撮られた親水性ePTFE繊維の上表面の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
【0016】
図2図2は、本発明の態様による、80倍の倍率で撮られた2×1の綾織物の上表面の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
【0017】
図3図3は、本発明の態様による、120倍の倍率で撮られた図2の織布の断面の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
【0018】
図4図4は、本発明の例示的な態様による、80倍の倍率で撮られた編布の上表面の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
【0019】
図5図5は、本発明の例示的な態様による、180倍の倍率で撮られた図4の編布の断面の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
【0020】
図6図6は、1000倍の倍率で撮られた完全密度のePTFE繊維の上表面の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
【0021】
図7図7は、80倍の倍率で撮られた図6の完全密度のePTFE繊維を使用した編布の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
【0022】
図8図8は、本発明の態様による親水性ePTFE繊維の内側構造中への液体のウィッキングを具体的に示す重ね合わせた矢印を有する図2中に記載された織布の上表面の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書中で使用される場合、用語「アモルファスを固定した」は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料がPTFEの結晶溶融温度より上に加熱されたことを意味する。
【0024】
用語「低密度繊維」または「低密度ePTFE繊維」は、本明細書中で使用される場合、約1.0g/cm未満の織る前または編む前の密度を有する繊維を記載することを意味する。
【0025】
本明細書中で使用される場合、用語「高密度繊維」または「高密度ePTFE繊維」は、約1.9g/cm超の織る前または編む前の密度を有する繊維を記載することを意味する。
【0026】
用語「コンフォーマブル」および「コンフォーマブル繊維」は、本明細書中で使用される場合、繊維マットが織りまたは編み間隔にならうように繊維自身を丸めおよび/またはたたむことができることを意味する。織布において、これはたて糸繊維とよこ糸繊維との交差間で提供され、および1インチ当たりのピック(pick)の数および/またはたて糸繊維およびよこ糸繊維の1インチ当たりの終端の数で決定される。編布において、これはループ(loop)により提供され、そして編みパターンとなる。
【0027】
「微小孔性」は、本明細書中において、肉眼で見えない孔を有するものとして規定される。
【0028】
本明細書中で使用される場合、用語「通気性のある」および「通気性」は、少なくとも約3000グラム/m/24時間の湿気蒸気透過速度(MVTR)を有するePTFE布をいう。
【0029】
用語「実質的長方形の形状」は、本明細書中で使用される場合、ePTFE繊維が、丸い端もしくは尖った端(または側部)および1超のアスペクト比を有するかまたは有さない、長方形の断面またはほぼ長方形の断面を有することを意味する。
【0030】
用語「実質的円」は、本明細書中で使用される場合、ePTFE繊維が、円形の形状またはほぼ円形の形状および約1のePTFE繊維のアスペクト比を有することを意味する。
【0031】
用語「布」は、本明細書中で使用される場合、親水性ePTFE繊維および少なくとも1種の非PTFE繊維を含む任意の織物、不織物、フエルト、フリース、または編物を含むことを意味する。
【0032】
本明細書中で使用される場合、用語「編織布」は、任意の織物、不織物、フエルト、フリース、または編物を意味し、そして天然繊維材料および/または合成繊維材料および/または他の繊維またはフロッキング(flocking)材料からなることができる
【0033】
用語「織物繊維」および「編物繊維」は、本明細書中で使用される場合は、親水性ePTFE繊維と共に織られたかまたは編まれて織布または編布をそれぞれ形成する非ePTFE繊維を意味する。
【0034】
本明細書中で使用される場合、用語「乾燥」は標準状態での乾燥質量を意味する。
【0035】
用語「複数の」は、本明細書中で使用される場合、特別な繊維の1つまたは2つ以上を意味する。
【0036】
用語「の上」は、本明細書中で使用される場合、ある要素が別の要素の「の上」にある場合、ある要素は別の要素の上に直接にあるか、または介在する要素がまた存在できることを意味する。
【0037】
用語「隣接した」および「に隣接した」は、本明細書中で使用される場合、ある要素が別の要素に「隣接した」場合、ある要素が、別の要素に直接隣接できるか、または介在する要素が存在できることを意味する。
【0038】
当業者は、本開示の種々の形態が意図された機能を行うように構成された任意の数の方法および装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書において参照される添付図面の図は、必ずしも実寸ではなく、本開示の種々の形態を具体的に示すために、拡大されることができ、およびその点で、図は限定すると考えてはならないことに、また留意すべきである。
【0039】
本発明は、親水性の、コンフォーマブルな延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維および少なくとも1種の他の非ePTFE繊維を含む布に関する。布は、例えば、織物、編物、またはフリース布であることができる。ePTFE繊維は、単一繊維としてまたはマルチフィラメント繊維の一部として織られまたは編まれることができる。布は、高通気性(高湿気蒸気透過)、蒸気吸着および凝縮のための高表面積、および制御された液体管理(制御された方向性ウィッキングおよび貯蔵)の組み合わせを提供する。布は、例えば、染色または印刷により、色をつけられることができる。さらに、断熱材料は、ePTFE中に含まれて、布断熱特性を与えることができる。代わりに、着色剤は、ePTFE中に含まれて、ePTFEに好適な色を提供することができる。代わりに、高屈折率材料は、ePTFE中に含まれて、湿った場合または汚れた場合に、改善された外観を提供することができる。ポリマー膜および/または編織布は、布にラミネート加工されて、ラミネート加工された物品を提供できる。さらに、布は、静かで、柔軟で、およびまとうことができ、衣類(例えば、ジャケット、パンツ、帽子、およびソックス)、はきもの、およびグローブでの使用に特に好適である。
【0040】
1つの例示的な態様において、ePTFE繊維は、ノード(node)が小線維によって相互に接続したノードおよび小線維構造を有し、ノードと小線維との間の間隔は、繊維を通る通路を規定する。また、ePTFE繊維は、微小孔性である。ePTFE繊維内のノードおよび小線維構造は、繊維、および繊維を用いて織られたまたは編まれた布が非常に通気性であることを可能にし、そして着色剤の浸透を可能にする。また、ノードおよび小線維によって提供されたマトリックスは、所望のフィラーおよび/または添加物、すなわち、高屈折率材料(TiO)の包含を可能にする。
【0041】
ePTFE繊維に関して;本明細書中では、議論を容易にするために、延伸ポリテトラフルオロエチレン繊維に関して参照がなされることが認識される。しかし、当然のことながら、任意の好適な低密度の、コンフォーマブルフルオロポリマー繊維は本出願中に記載されたePTFE繊維と交互に使用されることができる。好適なフルオロポリマーの非限定の例は、延伸PTFE、延伸改質PTFE、PTFEの延伸コポリマー、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、およびパーフルオロアルコキシコポリマー樹脂(PFA)を含むがこれらに限られない。Brancaの米国特許第5,708,044号明細書;Baillieの米国特許第6,541,589号明細書;Sabolらの米国特許第7,531,611号明細書;Fordの米国特許第8,637,144号明細書;およびXuらの米国特許出願公開第12/410,050号明細書などであるがこれらに限られないPTFEの延伸可能なブレンド、延伸可能な改質されたPTFE、およびPTFEの延伸されたコポリマーについて特許がある。
【0042】
1つまたは2つ以上の態様において、フルオロポリマー繊維は、以下の材料:Sbrigliaの米国特許出願公開第2014/0212612号明細書に記載の超高分子量ポリエチレン;Sbrigliaの米国仮特許出願第62/030,419号明細書に記載のポリパラキシリレン;Sbrigliaらの米国仮特許出願第62/030、408号明細書に記載のポリ乳酸、Sbrigliaの米国仮特許出願第62/030,442号明細書に記載のVDF−co−(TFEまたはTrFE)ポリマー;およびSbrigliaの米国仮特許出願第62/030,448号明細書に記載の交互のポリ(エチレンテトラフルオロエチレン)の1種または2種以上で置き換えられることができる。
【0043】
さらに、ePTFE繊維は、実質的に長方形の形状を有することができる。少なくとも図2および図3は、実質的に長方形の形状を有する例示的なePTFE繊維を記載する。本明細書中で使用される場合、用語「実質的に長方形の形状」は、ePTFE繊維が長方形またはほぼ長方形の断面を有することを意味する。すなわち、ePTFE繊維は、その高さ(厚さ)より大きい幅を有する。繊維は、丸い端部もしくは尖った端部(または側部)を有することができることに留意する。
【0044】
さらに、本明細書中で使用されるePTFE繊維は、約1.0g/cm未満の織る前または編む前の密度を有する。例示的な態様において、繊維は、約0.9g/cm未満、約0.85g/cm未満、約0.8g/cm未満、約0.75g/cm未満、約0.7g/cm未満、約0.65g/cm未満、約0.6g/cm未満、約0.5g/cm未満、約0.4g/cm未満、約0.3g/cm未満、または約0.2g/cm未満の織る前の密度を有する。織りまたは編みなどの布を製造するために使用される方法は、ePTFE繊維の密度を増加させることができることに留意する。結果として、繊維は、約1.2g/cm以下の織った後または編んだ後の密度を有することができる。ePTFE繊維(織りまたは編みの前および後の両方)の低密度はまた、それらを用いて作った布の通気性を高める。
【0045】
ePTFE繊維は、約1.5cN/dtex超の織り前もしくは後または編み前もしくは後の強さ(tenacity)を有する。本発明の少なくとも1つの態様では、ePTFE繊維は、約1.5cN/dtex〜約7cN/dtex、約2cN/dtex〜約6cN/dtex、または約2.5cN/dtex〜約5cN/dtexの強さを有する。さらに、ePTFE繊維は、少なくとも約15Nの繊維破断強度を有する。1つまたは2つ以上の態様において、ePTFE繊維は、約2N〜約20N、約3N〜約19N、約4N〜約18N、または約5N〜約17Nの繊維破断強度を有する。
【0046】
さらに、ePTFE繊維は、約20dtex〜約1200dtex、約30dtex〜約1000dtex、約40dtex〜約500dtex、約50dtex〜約450dtex、約100dtex〜約400dtex、または約150dtex〜約300dtexの織り前もしくは後または編み前もしくは後の長さ当たりの質量を有することができる。より低いdtexはより低い質量/面積の布を提供し、これは布でできた衣類の心地よさを高めることに留意する。
【0047】
ePTFE繊維はまた、約500μm未満の高さ(厚さ)(織り前もしくは後または編み前もしくは後)を有する。いくつかの態様において、厚さは、約10μm〜約500μm,15μm〜約250μm、約20μm〜約150μm、約25μm〜100μm、約30μm〜約80μm、または約35μm〜約50μmの範囲である。織り前もしくは後または編み前もしくは後高さ(厚さ)は、500μm未満、400μm未満、300μm未満、200μm未満、100μm未満、または50μm未満であることができる。ePTFE繊維はまた、約40mm未満である幅(織り前もしくは後または編み前もしくは後)を有する。
【0048】
少なくとも1つの例示的な態様において、ePTFE繊維は、約0.05mm〜約4.0mm、約0.1mm〜約3.0mm、約0.3mm〜約2.0mm、または約0.5mm〜約1.5mmの織り前もしくは後または編み前もしくは後幅を有する。例示的な態様において、ePTFE繊維のアスペクト比{すなわち、幅の高さに対する比)は、1超である。いくつかの態様において、アスペクト比は、約2超、約5超、約10超、約15超、約20超、または約25超である。ePTFE繊維によって達成されるような高アスペクト比は、面積当たり低質量の布、より容易でおよびさらに効率的な再形成を可能にし、そして織物または編物においてより広い対象を達成する。
【0049】
一態様では、ePTFE繊維は、実質的に円形の形状を有する。本明細書中で使用される場合、用語「実質的に円」は、繊維が円形の形状またはほぼ円形の形状および約1のアスペクト比を有することを意味する。
【0050】
さらに、ePTFE繊維は、その中に、例えば、エーロゲルなどの断熱材料を含むことができる。そうしたePTFE繊維は、親水性を与えられることができ、および織布または編布中に取り込まれて布に断熱特性を与えることができる。
【0051】
さらに、ePTFE繊維は、その中に、例えば、顔料などの着色剤を含むことができる。そうしたePTFE繊維は、親水性を与えられることができ、および織布または編布中に取り込まれて、布に追加の美的感覚の制御を与えることができる。
【0052】
さらに、ePTFEは、その中に、例えば。TiOなどの高屈折率材料を含むことができる。そうしたePTFE繊維は、親水性を与えられることができ、および織布または編布中に取り込まれて、湿ったまたは汚れた場合に、布により良い外観を与えることができる。
【0053】
本明細書中に記載された低密度ePTFE繊維は、少なくとも1つの他の織物繊維または編物繊維(例えば、非ePTFE繊維)を織られてまたは編まれて、高い通気性および制御された湿気(液体および蒸気)管理の組み合わせを提供する布を生成できる。ePTFE繊維を用いた織りまたは編みでの使用のために好適な非ePTFE繊維は、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックス、およびそれらの組み合わせおよびそれらのブレンドを含むがこれらに限られない。織物繊維または編物繊維は、滑らかであることができ、または、織地の表面を有することができる。さらに、織物繊維または編物繊維は、織布または編布の所望の性能特性によって選択されることができる。
【0054】
一態様では、ePTFE繊維および1種または2種以上の非ePTFE繊維は織られて、織布を形成する。例えば、1種または2種以上のePTFE繊維は、1種または2種以上の非ePTFE繊維に隣接してまたは1種または2種以上の非ePTFE繊維に沿って配置されて、そして織物繊維として扱われることができる。代わりに、非ePTFE繊維は、ePTFE繊維の周りに巻かれて(またはその逆)、そして織布に織られることができる。別の態様では、ePTFE繊維および非ePTFE繊維は、共に撚り合わされてまたは組紐(braided)にされて、そして単一の織り繊維として扱われることができる。さらなる態様では、ePTFE繊維は、コア/シース形状(またはその逆)で非ePTFE繊維をカプセル化するように、非ePTFE繊維の周りに巻かれることができる。平織、繻子織り、綾織り、およびバスケット織りなどであるがこれらに限られない任意の織りパターンを使用して、ePTFE繊維および非ePTFE繊維を織布に生成させることができる。
【0055】
ePTFE繊維は、単独でまたは非ePTFE繊維と組み合わせるかのいずれかで、たて糸および/またはよこ糸方向で利用されることができる。例えば、ePTFE繊維は、たて糸またはよこ糸方向でのみで、またはたて糸およびよこ糸方向で使用されることができ、および非ePTFE繊維と交互であることができ、または非ePTFE繊維は。例えば、1ピック(pick)おき、3ピックごと、4ピックごとなどの所定の間隔で挿入されることができる。ePTFE繊維は、代わりに、所定の間隔でたて糸方向およびよこ糸方向の両方に存在できる。1つの非限定の例として、たて糸繊維は、ポリアミド繊維で形成されることができ、およびよこ糸繊維は、交互のピックのポリアミド繊維およびePTFE繊維で形成されることができる。他の態様において、よこ糸(またはたて糸)方向は、ePTFE繊維で構成されることができ、およびたて糸繊維(またはよこ糸)は、ポリアミド繊維で構成されることができる。ePTFE繊維および/または非ePTFE繊維がたて糸およびよこ糸方向に使用される、織りパターンの任意の数の変化が可能であることおよびそうした織りパターンは、本発明の範囲内にあると考えられることに留意する。さらに、ePTFE繊維のコンフォーマブル性は、ePTFE繊維が巻いて、および/またはePTFE繊維を折りたたんで、織布中でたて糸およびよこ糸繊維の交差の間に提供される織り間隔にならうことを可能にする。
【0056】
別の態様では、ePTFE繊維は、編物繊維(例えば、非ePTFE繊維)と組み合わせて、編布中に編まれることができる。上に記載したように、非ePTFE繊維は、編布の所望の性能特性によって選択されることができる。ePTFE繊維は、編物繊維と共に、たて編、よこ編、管状編、平編、フリース編、ファジー(fuzzy)編、ワッフル(waffle)編、ジャージ編、および密接なブレンド編みなどであるがこれらに限られない、任意の編みパターンを使用して編まれることができる。ePTFE繊維は、非ePTFE繊維に隣接してまたは非ePTFE繊維に沿って配置され、そして単一の編物繊維として扱われることができる。代わりに、編物繊維は、ePTFE繊維(またはその逆)の周りに巻かれて、そして編物に編まれることができる。別の態様では、ePTFE繊維および非ePTFE繊維は、共に撚り合わされてまたは組紐にされて、そして単一の編物繊維として扱われることができる。さらなる態様では、ePTFE繊維は、コア/シース形状(またはその逆)で、非ePTFE繊維をカプセル化するように、非ePTFE繊維の周りに巻かれることができる。
【0057】
一態様では、織布または編布は、最終の布に基づいて、少なくとも15%質量%のePTFE繊維を含むことができる。いくつかのほかの態様において、布は、少なくとも約15%のePTFE繊維、少なくとも約20%のePTFE繊維、少なくとも約25%のePTFE繊維、少なくとも約30%のePTFE繊維、少なくとも約35%のePTFE繊維、少なくとも約40%のePTFE繊維、少なくとも約45%のePTFE繊維、少なくとも約50%のePTFE繊維、少なくとも約55%のePTFE繊維、少なくとも約60%のePTFE繊維、少なくとも約65%のePTFE繊維、少なくとも約70%のePTFE繊維、少なくとも約75%のePTFE繊維、少なくとも約80%のePTFE繊維、少なくとも約85%のePTFE繊維、少なくとも約90%のePTFE繊維、または少なくとも約95%のePTFE繊維を含む。ePTFE繊維は、約50%〜約98%、約55%〜約95%、約60%〜約90%、約65%〜約80%。または約70%〜約75%の量で織布または編布中に存在できる。
【0058】
上記のコンフォーマブル低密度ePTFE繊維は当然疎水性である。しかし、低密度ePTFE繊維は、親水性処理の適用により親水性を与えられることができる。ePTFE繊維の汚染はまた、ePTFE繊維に親水性を与える。例えば、皮脂、汗、洗剤、界面活性剤、または染料からの仕上げになどによって、ePTFE繊維が汚染された場合、ePTFE繊維は親水性になる。親水性、低密度ePTFE繊維は、液体または蒸気を、親水性ePTFE繊維の微細構造中に向かわせ、移動させおよび貯蔵することにより、水または汗などの湿気を制御するように使用できる。
【0059】
いったんePTFE繊維が親水性を与えられると、親水性ePTFE繊維は、織布または編布中の液体のウィッキングおよび貯蔵の両方を制御することができる。ウィッキングは、汗などの液体を布に入らせ、そして液体が蒸発できる皮膚から移動させ、それによって衣類の着衣者の心地よさ高めることができる。特に、ePTFE繊維は湿潤されることができ、そして液体{例えば、水または汗)が微細構造の内側に入り、および親水性ePTFE繊維の微細構造の内側に含まれることができる。さらに、親水性ePTFE繊維は、隣接した非ePTFE繊維および/または布中の空間からから液体を出すことができる。図8に示すように、矢印1によって示された液体(例えば、水または汗)は布に入り、そして非ePTFE繊維のキャピラリーおよび空間を通って移動する。矢印2によって概して示されているように、液体は、親水性の、低密度ePTFE繊維中に引き入れられる。さらに具体的に言うと、液体は、親水性ePTFE繊維の内側構造(例えば、微細構造)中に引き入れられ、それによって非ePTFE繊維および/または布の間の空間から液体を除くかまたは実質的に除く。液体が親水性ePTFE繊維の繊維ネットワーク中の空の空間に、ポンプメカニズムを介して、ウィックできるように、布中の非ePTFE繊維に隣接したまたは非ePTFE繊維の周囲の親水性ePTFE繊維の存在はチャネル、表面、および/または引っ張り力を作る。
【0060】
親水性ePTFE繊維は、ePTFE繊維の微細構造中に液体が入ることを可能にし、これは他の繊維、繊維の間の空間、および使用者に接触する場合がある繊維から液体を出す。そうした制御されたウィッキングは、そうでなければ布の中に位置する液体を介してエンドユーザーに移送される場合があるあらゆる熱伝導性を低下させるか除く。液体は、親水性ePTFE繊維の中にいったん入ると、液体の形態でePTFE繊維から出てエンドユーザーの体に触れる場合がある例えば、気腔または繊維などの別の層または別の場所に移送されない。親水性ePTFE繊維は、蒸気の形態で繊維から蒸発するまで、液体を保持する。さらに、ほとんど少しの液体が親水性ePTFE繊維の外側に残り、たとえその中に液体を含んでいても親水性ePTFE繊維を乾燥していると感じさせる。また、親水性ePTFE繊維中に液体をウィッキングし、および貯蔵することによって、布は乾燥していると感じられ、およびエンドユーザーに湿り気の感じを移送しない。親水性繊維内の液体のウィッキングの量および貯蔵の有効性は、ePTFE繊維が布の中へ取り込まれる布中の親水性ePTFE繊維の密度、デニール、量によって制御されることができる。いくつかの態様において、この微細構造は、規定された繊維エリア内の80体積%超の液体を貯蔵できる(80%空気→80%液体)。したがって、布は、特定の最終用途のために設計されおよび/または適合されることができる。
【0061】
湿った環境において、親水性ePTFE繊維は、湿気の吸着および凝縮を示すことができ、および繊維の内部表面上(例えば、ePTFE繊維の微細構造中)に湿気蒸気を集めることができる。親水性ePTFE繊維の内側での湿気の吸着および凝縮は、湿り気感触がエンドユーザーに与えられないように、ePTFE繊維の外側を乾燥、または少なくとも実質的に乾燥させたままである。
【0062】
親水性、低密度ePTFE布は、10分で10mm超、10分で15mm超、または10分で30mm超の垂直のウィッキングを示す。皮膚などから液体を動かす高い垂直のウィッキング、および布自体から液体を除く速い乾燥時間の両方を布が有することが望ましい。これらの特徴は競合する因子であるが、親水性、低密度ePTFE布は、高いウィッキング(例えば、10分で約30mm以上)および速い乾燥時間(例えば、30分未満)の両方を達成する。
【0063】
いくつかの態様において、織布または編布に難燃性を与えることが望ましい場合がある。そうした態様では、防火繊維は、織物繊維または編物繊維の少なくとも1つとして用いられることができる。非限定の例は、アラミド、防炎性綿、ポリベンズイミダゾール(PBI(商標))、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、防炎性レーヨン、モダクリルブレンド、炭素、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)、および組み合わせおよびそれらのブレンドである。
【0064】
本明細書中に記載された親水性ePTFE布は、本明細書中に記載された湿気蒸気透過速度(MVTR)試験方法によって試験した場合に、約3000g/m/24時間超、約5000g/m/24時間超、約8000g/m/24時間超、約10000g/m/24時間超、約12000g/m/24時間超、約15000g/m/24時間超、約20000g/m/24時間超、または約25000g/m/24時間超である湿気蒸気透過速度(MVTR)を有する。本明細書中で使用される場合、用語「通気性のある」または「通気性」は、少なくとも約3000グラム/m/24時間の湿気蒸気透過速度(MVTR)を有する親水性、低密度の布または積層物をいう。湿気蒸気透過、または通気性は、例えば、布でできた衣類の着衣者に冷却を提供する。
【0065】
親水性ePTFE布はまた、約1000cfm未満、約500cfm未満、約300cfm未満、約100cfm未満、約50cfm未満、約25cfm未満、約20cfm未満、約15cfm未満、約10cfm未満、約5cfm未満、およびさらに約3cfm未満である通気性を有する。当然のことながら、低通気性は、布の改善された防水性と関係する。
【0066】
さらに、本明細書中に記載されたePTFE布は、柔軟な手触りを有し、およびまとうことができ、衣類での使用に好適である。織布および編布は、約1000g未満、約500g未満、約400g未満、約300g未満、約250g未満、約200g未満、約150g未満、約100g未満、およびさらに約50g未満の平均剛性を有する。柔軟な手触りに加えて、親水性ePTFE布は、布を曲げることまたはたたむことに関連する騒音の低下を示すことを驚いたことに見出した。多孔質ポリマー膜の添加によってさえ、下記に述べるように、特に従来のePTFE積層物に比較した場合、騒音は減少したことをさらに見出した。
【0067】
親水性低密度ePTFE布はまた、引き裂きに耐性を示す。例えば、織布は、本明細書中に記載されたElemendorf Tear試験によって測定して、約10N〜約200N(またはそれよりさらに高い)、約15N〜約150N、または約20N〜約100Nの引裂強度を有する。親水性ePTFE布が従来の、非ePTFE布より改善された引裂強度を有することを見出した。本明細書中に記載された低密度ePTFE織布および編布はまた、本明細書中で説明する布破断強度試験(Fabric Brak Strength test)で測定して、約100N〜約1500N(またはそれよりさらに高い)、約300N〜約1000N、または約500N〜約750Nの破断強度を有する。そうした高い引裂強度および破断強度は、低密度ePTFE布が使用においてさらに耐久性であることを可能にする。
【0068】
処理は、織布または編布への撥油性などであるがこれに限られない、1種または2種以上の所望の機能性を与えるように提供されることができる。被膜または処理は、親水性ePTFE布の片側または両側に適用されることができ、およびePTFE布に浸透するかまたは部分的に浸透することができる。当然のことながら、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、セロファン、および防水性および通気性の両方である非フルオロポリマー膜などであるがこれらに限られない任意の機能性保護の層、機能性被膜、または機能性膜は、親水性ePTFE布上に付着されるか、またはさもなければ貼り付けもしくは積層されることができる。
【0069】
親水性ePTFE布は、好適な着色剤組成物によって着色されることができる。一態様では、ePTFE繊維は、ePTFE繊維の孔が充分に開いていて着色剤の被膜によって湿気蒸気透過および浸透などの特性を提供する微細構造を有する、1つの態様において、ePTFE繊維は、印刷された場合に、耐久性のある美的感覚を提供する表面を有する。いくつかの態様においてePTFE繊維の孔内におよび/または織布または編布内に適合する程充分に小さい粒径を有する顔料を含む着色剤被膜組成物を用いて美的耐久力を提供できる。複数の色は、1種または2種以上の顔料の濃度を変化させることによって、またはこれらの技術の組み合わせによって、複数の顔料を使用して適用されることができる。さらに、被膜組成物は、固体、パターン、または印刷などの任意の形態で適用されることができる。被膜組成物は、従来の印刷方法によって織布に適用されることができる。カラー化のための適用方法は、トランスファーコーティング、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、およびナイフコーティングを含むがこれらに限られない。いくつかの態様において、ePTFE繊維は非着色のままであり、一方織布または編布中の織物繊維は着色剤組成物によって着色されている。例えば、織物をUV安定、抗菌、抗カビ、防汚などにするなどの他の被膜または処理を適用できる。
【0070】
少なくとも1つの態様では、多孔質または微小孔性ポリマー膜は、ラミネート加工されているか、または親水性ePTFE布に結合されている。多孔質膜の非限定の例は、延伸PTFE、延伸改質PTFE,PTFEの延伸コポリマー、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、およびパーフルオロアルコキシコポリマー樹脂(PFA)を含む。ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレン)、ポリウレタン、およびポリエステルなどのポリマー材料は、本発明の範囲内に入ると考えられるが、ただし、ポリマーの材料が加工されて多孔質または微小孔性膜構造を形成できるのが前提である。親水性ePTFE布がラミネート加工されたかまたは多孔質または微小孔性膜に結合した場合でさえ、生じるラミネートは非常に通気性があるままであることに留意する。
【0071】
微小孔性膜は、非対称膜であることができる。本明細書中で使用される場合、「非対称」は、膜構造が膜中にePTFEの複数の層を含み、膜中の少なくとも1つの層が膜中の第2の層の微細構造と異なる微細構造を有することを意味する。第1の微細構造と第2の微細構造との間の違いは、例えば、孔サイズの違い、ノードおよび/または小線維形状またはサイズの違い、および/または密度の違いによって生じることができる。
【0072】
さらなる態様では、編織布は、微小孔性膜に付着、または親水性ePTFE布に直接付着することができる。本明細書中で使用される場合、用語「編織布」は、任意の織物、不織物、フエルト、フリース、または編物を意味し、そして天然繊維材料および/または合成繊維材料および/または他の繊維またはフロッキング材料からなることができる。例えば、編織布は、綿、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、およびそれらのブレンドなどであるがこれらに限られない材料からなることができる。編織布を形成する材料の質量は、適用で必要となる場合を除いて、特に限定されない。例示的な態様において、編織布は空気浸透性でありおよび通気性である。
【0073】
グラビアラミネーション、融着結合、スプレー接着結合、およびその同類のものなどの膜および/または編織布を低密度ePTFE布に(および編織布を膜に)接続する任意の好適な方法を使用できる。接着剤は、不連続的にまたは連続的に適用されることができるが、ただしラミネートを通して通気性が維持されるのが前提である。例えば、接着剤は、離散した点または格子パターンによって、またはラミネートの層を共に接着する接着ウェブの形態などの、不連続な付着物の形態で適用されることができる。
【0074】
編物および織物の親水性ePTFE布は、衣類(ジャケット、パンツ、帽子、およびソックスを含む)、履物、グローブ、およびその同類のものであるがこれらに限られない、種々の用途での使用に好適である。布は、高い通気性(高い湿気蒸気透過)、および制御された湿気管理(湿気蒸気吸着および凝縮、制御された方向性ウィッキングおよび貯蔵)の組み合わせを提供する。ePTFE繊維は、単一の繊維として、マルチフィラメント繊維の一部として織られまたは編まれることができ、または別の繊維と撚り合わされてまたは組紐にされて織布または編布を形成することができる。ePTFE織布および編布は、単独で使用されることができ、またはポリマー膜および/または編織布と共に使用されることができる。親水性ePTFE織布または編布の表面は、例えば、印刷によって着色されることができる。当然のことながら、本明細書中に記載された利益および利点は、本明細書中に記載した物品に等しく適用される。
【0075】
当業者は、本開示の種々の形態が、意図された機能を行うように任意の数の方法および装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書において参照される添付図面の図は、必ずしも実寸ではなく、本開示の種々の形態を具体的に示すために、拡大されることができ、およびその点で、図は限定すると考えてはならないことに、また留意すべきである。
【0076】
試験方法
当然のことながら、ある方法および装置が下記に記載されるが、当業者によって好適に決定される他の方法または装置を代わりに利用できる。
【0077】
長さ当たりの繊維質量
45メートル長さの繊維がskein reelを使用して得られた。次に45メートル長さが、0.0001グラムの正確さの秤で秤量された。次にこの質量に200を掛けて、デニール(g/9000m)での長さ当たりの質量を与えた。3回測定を行い、そして平均した。
【0078】
繊維幅
繊維幅を、グラデーションを有する10倍のルーペを使用して従来の様式で、ほぼ0.1mmまで測定した。ほぼ0.05mmに幅を決定するために、3回の測定を行い、そして平均した。
【0079】
繊維厚さ
スナップゲージを使用して、繊維厚さをほぼ0.0001インチまで正確に測定した。スナップゲージで繊維を圧迫しないように注意した。3回の測定を行い、そして平均し、ほぼ0.0001mmに変換した。
【0080】
繊維密度
あらかじめ測定された長さ当たりの繊維質量、繊維幅および繊維厚さを使用して、以下の式を使用して繊維密度を計算した:
繊維密度(g/cm)=(繊維質量/長さ(dtex))/(繊維幅(mm)×繊維厚さ(mm)×10,000)
【0081】
繊維破断強度
繊維破断強度は、繊維を破断(断裂)するのに必要な最大荷重の測定である。破断強度をCanton, MAのInstron(商標)Machineなど引張試験機によって測定した。Instron(商標)machineは、張力荷重の測定の間繊維およびストランド物品を保持するのに好適である繊維(ホーンタイプ)のジョー(jaws)で適合されていた。引張試験機のクロスヘッド速度は、25.4cm/分であった。ゲージ長は25.4cmであった。5回の測定をそれぞれの繊維タイプで行い、平均して、ニュートンの単位で報告した。
【0082】
繊維強さ
繊維強さは、繊維の長さ当たりの質量に正規化された繊維の破断強度である。繊維強さを以下の式を使用して計算した:
繊維強さ(cN/dtex)=(繊維破断強度(N)×100)/長さ当たりの繊維質量(dtex)
【0083】
質量/面積
面積当たりの質量を測定するために、少なくとも100cmの面積を有する布サンプルを調製した。Karl Schroder100cmサークルカッターを使用できた。Mettler ToledoスケールモデルAB204を使用して各サンプルを秤量した。試料を秤量する前に秤を再較正し、および結果をグラム/平方メートル(gsm)で報告した。試料当たり3つのサンプルを取り、そして平均を報告した。
【0084】
SEMサンプル調製方法
液体窒素を用いてサンプルをスプレーすることによって、断面SEMサンプルを調製し、そして次にスプレーされたサンプルをLeica Microsystems, Wetzlar, Germanyから入手したLeica ultracut UCTのダイアモンドナイフを用いて切断した。
【0085】
布引裂強度
本試験は、織布中の切込みから始めて、単一−引き裂きタング(rip tongue)タイプの伝搬をさせるのに必要な平均力を決定するために設計された。Thwing−Albert Heavy Duty Elmendorf Tearing試験機(MAI227)を使用した。装置を較正し、そして正しい振り子の質量を選択した。振り子を開始位置まで上げた。試料をジョー中に配置し、そしてクランプした。突き当りに対して注意深く試料の底の端を中心に置いた。せん断動作を確かにするために試料の上部領域を振り子に向かって向かわせた。完全な引き裂きを達成するまで試験を行った。デジタルでの読み取りをニュートンで記録した。これを一式(3つのたて糸および3つのよこ糸)が完了するまで繰り返した。報告した結果は、それぞれのたて糸およびよこ糸方向での測定の平均である。
【0086】
布破断強度
5つのたて糸および5つのフィル(fill)の試料を4''×6'の寸法で切断し、試験方向に平行に長い寸法で、ASTM D751の一般的な教示に従って、試験を行った。試験前に少なくとも1時間70±2°F、65±2% RHで試料の調子を整えた。次に、1.5''×6''のテンプレートを得て、サンプルの6''の端と位置合わせした。試料の全長にわたって布に沿って(1.5''の側部に)薄いガイドラインを引いた。このラインは縦方向の繊維に可能な限り正確かつ平行とした。これらのラインの意図は、試料の中心部分が試験されること、および試料がたて糸およびフィルの繊維のためのジョーと適切に位置合わせされることを確かにすることである。これは、真の試料の性能を得るために重要である。Instronモデル5565を較正し、そして1000lb.のロードセルを設置した。1''×1''のゴムのジョーを上部グリップおよび底部グリップの同じ側上に配置し、そして1''×3''のゴムのジョーを、上部グリップおよび底部グリップの反対側上に配置した(1''×1''のジョーは、1''×3''のジョーをクランプする)。ゲージ長さを3''に設定した。試料を開放したジョーの間に配置し、上部および底部の1''×1''のジョーの両方の外側端と参照ラインとを揃えた。圧空のフットペダルを使用して、上部のジョーを閉じた。試料は制限なくぶら下がることができ、そして底部のジョーをフットペダルの別のクリックにより閉じた。ロードセルのバランスを取った。次に、制御パネル上のスタートを押すことによって、試験を開始した。ジョーの中での試料の滑りが観察されたら、データを無視して、再切断し再試験した。ジョーの中での試料の破断が観察されたら、データを無視して、再切断し再試験した。ジョーの端での試料の破断が観察されたら、ジョーは力がかけられるにつれて試料が幅で収縮することを防ぐので、試料の大部分がジョーの端の近くで破断しているかどうかをチェックした。もしそうなら、次に「ジョー破断」はその材料に特徴的であり、再試験は必要ではない。これらのステップをたて糸およびフィル試料のそれぞれで5回繰り返し、そして破断での平均最大力を、それぞれの方向で報告した。
【0087】
布剛性
1000gのビーム(beam)および1/4''のスロット幅を有するThwing Albert Handle−O−メーターを、ハンド(剛性)を測定するために使用した。4''×4''のサンプルを布から切り出した。試料プラットフォーム上に試料を上に向けて配置した。試験方向がスロットと垂直になって、たて糸方向を試験するように、試料を並べた。クリックが聞こえるまで開始/試験ボタンを押し、次に解放した。第2のクリックが聞こえた後で、デジタル画面上に現れた数を記録した。読み取り値は0に戻らず、それぞれの個々の試験のピークの読み取り値を示した。試料をひっくり返し、そして再度試験し、数を記録した。次に、試料を90度回転させて、フィル方向で試験し、数を記録した。最終的に、試料をひっくり返し、そして再度試験し、数を記録した。4つの記録された数を、共に加え(1つのたて糸面、1つのたて糸裏面、1つのフィル面、1つのフィル背面)て、グラムでの試料の全体的な剛性を計算した。結果を1つのサンプルで報告した。
【0088】
通気性−フレーザー数(Frazier Number)法
空気流れの測定のための約6平方インチ(2.75インチ直径)の円の面積を提供するガスケット付いたフランジの治具中に試験サンプルをクランプすることによって通気性を測定した。サンプル治具の上流側を、乾燥圧縮空気の供給源と接続している流量計に接続した。サンプル治具の下流側は、雰囲気に対して開放していた。
【0089】
試料の上流側に水の0.5インチの圧力を適用することによって試験を行い、そして接続されている流量計(ボール−フロートロータメーター)を通って流れる空気の流量を記録した。
【0090】
試験の前に70°F(21.1℃)および65%相対湿度で少なくとも4時間サンプルの調子を整えた。
【0091】
0.5インチの水圧力での試料の体積フィート/分/平方フィートの通気性であるフレーザー数について、結果を報告した。N=3であった。
【0092】
湿気蒸気透過速度試験−(Moisture Vapor Transmission Rate Test:MVTR)
各試料布でのMVTRを、サンプル水蒸気透過(WVP)が装置水蒸気透過(WVPapp)に基づくMVTR湿気蒸気透過速度(MVTR)に変換され、以下の変換を使用した点を除き、ISO15496の一般的な教示に従って決定した。
MVTR=(DeltaP値×24)/((1/WVP)+(1+WVPapp値))
【0093】
比較できる結果を確かにするために、試験前に73.4±0.4°Fおよび50±2% RHで2時間、試料の調子を整え、およびバスの水を一定の73.4°F±0.4°Fにした。
【0094】
MVTRを各サンプルで1回測定し、そして結果をg/m/24時間として報告した。
【0095】
垂直ウィッキング:
一つの500mlのErlemeyerフラスコを、サンプル上の水のレベルを見えるようにするのに好適な任意の色で着色した200mlの水で満たした。2つの6''×1''のストリップ(たて糸方向で6''の長さで切断した)をサンプル布から切断した。ストリップの上端(上部から約1/8''〜1/4'')を長い真っ直ぐなピン(このピンは1''の端と平行である)で刺し通した。200mlの着色した水で満たしたフラスコ中でピンからストリップを吊るした(フラスコが開いている端の上にピンがある)。10分後、ストリップをフラスコから取り出し、そして水のレベルをストリップ上で(mmで)測定し、記録した。水中に吊るされた水ウィック試験試料の速度を決定するためにこの手順を使用した。N=2であった。
【0096】
質量増加および乾燥時間
試験前に、65±2%RHおよび21±1℃(70±2°F)で最小4時間、布サンプルおよびブロッティングペーパーの調子を整えた。それぞれの試料が2''×2''の切り出された断片からなる、それぞれのサンプルから3つの試料を取り出した。実験室の秤を使用して、調子を整えた試料を、0.1gまで正確に秤量した。250mlビーカー中に100mlの蒸留水を置いた。
【0097】
1つの試料をビーカー中に30分間沈めて、試料が水中に完全沈み、湿潤を完了することを確かにした。試料を取り出し、そして未使用の2片のブロッティングペーパーの間に挟み、そして絞り器を通した。この端切れを湿ったブロッティングペーパーの間に挟まれたままにした。同じサンプルの残りの2つの試料でこの工程を繰り返した。ブロッティングした試料を一度に1つ秤量し、そして質量を湿潤質量として記録した。布の質量増加を、湿潤重量から乾燥質量を差し引くことによって考慮した。この記録した質量増加は、3つの試料の平均である。
【0098】
65±2%RHおよび21±1℃(70±2°F)の条件の場所において、各サンプルを別々に吊るして乾燥させた。1つのサンプルについて、完全に乾燥するまで5分ごとにほぼ0.1gまで秤量し、それぞれの質量を記録した。それらの元の乾燥質量に戻るまですべての試料で、これを繰り返した。ここで、全部で3つの試料の乾燥時間を平均することによって、全体的な乾燥時間を計算した。
【0099】
家庭洗濯タイプの絞り器は、直径5.1〜6.4cmおよび長さ28.0〜30.5cm、およびデュロメーター試験機で測定した場合70〜80の硬度の柔軟なゴム絞りロールを備えていた。絞り器は布片の上部の圧力が重りまたはレバーシステムによって維持されるように組み立てられており、(重りまたはレバーシステムおよびローラーの質量の合計から生じる)全圧力が27.2±0.5kgであるようになっていた。絞り器は一定速度で駆動され、布片が2.5cm/秒の速度でローラーを通過するようになっていた。絞りロールの直径は、1対のカリパスを用いてまたは好適なマイクロメーターを用いて測定されることが好ましい。各ロールの長さに沿って5つの異なる場所で測定され、そしてこれらの測定の平均をロールの直径として得ることが好ましい。重りまたはレバーシステムによって掛けられた荷重をばね秤または秤を使用して測定することが好ましく、そして等しい長さの2つのテープにより秤から絞り器の上部ロールを吊るした。テープはそれらの端部近くのロールの間に配置されることが好ましく、そしてそれらを充分に離して保持する手段を備えて、テープと絞り器の上部の構造的要素と荷重システムとが接触しないようになっていることが好ましい。ばね秤または秤は、好適な剛体支持体から吊るされ、そして秤の高さを調整するための締め金具または他の器具を備えていることが好ましい。ばね秤の0修正に関する通常の事前注意が観察されることが好ましい。締め金具または他の器具は次に、上部ロールおよびその荷重システムの重さをばね秤または秤上に配置するように調整されることが好ましく、そして絞り器の上部ロールがテープの底と下部ロールの上部との間に視界を与えることができるように、下部ロールから充分に持ち上げられた場合、システムは平衡になるように考慮されることが好ましい。この点で、荷重システム上の重りは、ばね秤または秤が27.7±0.5kgの荷重の荷重を示すまで調整されることが好ましい。ばね秤または秤の較正は、全質量24.95、27.22、および29.48kg±0.23kgの公知の公認の重りの使用によって、保証されることが好ましい。ばね秤は、3つの検証荷重のそれぞれで±0.2268kg以内に正確であることが好ましい。ロールの直線速度は、ロールに薄いスチールテープを供給することによって測定されることが好ましい。スチールテープは少なくとも150cm長を有することが好ましく、そして150cm当たり3mm以内の正確性を有することが好ましい。正確に150cmのこのテープがロールのニップを通過するのに必要な時間は、0.5秒以下の間隔まで較正されたストップウォッチでほぼ秒までの秒単位で測定されることが好ましい。150cmのテープがロールの間のニップを通過するのに必要な時間が60±2秒になるまでロールの速度は調整されることが好ましい。N=3であった。
【0100】
ティシュー湿り気試験(Tissue Dampness Test)
試験前に最小4時間の間65±2%RHおよび21±1℃(70±2°F)で、布サンプルおよび0.08gのハイイールドの分離したティシュー(ピンク色)の調子を整えた。3つの試料をそれぞれのサンプルから取り、それぞれの試料は、2”×2”の片からなっていた。2つの5”×5”×1.4”のガラス板を得、そしてクリーニングし、そして乾燥した。
【0101】
ガラス板の一つを平面上にセットした。プラスチックピペットを使用して。5滴の水をガラス板の中心上に置いた(ほぼ0.07gの水)。次に試験試料をガラス板の中心上で水の上に置き、そして少なくとも1分間放置し、水がサンプルに浸透し、そしてウィックするのに充分な時間を与えた。次に、0.08グラムのハイイールドの分離したティシューを試験試料の上に置き、そして他のガラス板をその上に直ちに置いた。さらに、1.5lbの質量を上部ガラス板の中心上に置いた。サンプルを少なくとも1分間放置し、ティシューに水が移送されるのに充分な時間を与えた。質量および上部ガラス板を取り除き、そしてピンクペーパーを秤量した。ハイイールドの分離したティシューの質量の%増加を水移送質量の増加として報告した。N=3であった。
【実施例】
【0102】
例1
微粉末PTFE樹脂(E.I.du Pont de Nemours, Inc.,Wilmington, DEから市販されているテフロン(商標)669X)を得た。樹脂と0.184g/g質量の比の粉末のIsopar(商標)Kとを混合した。湿潤された粉末をシリンダー中で圧縮し、室温で18時間放置した。次にペレットを169対1の減少比でラム(ram)押し出しして、約0.64mm厚さのテープを生成した。押し出したテープをその後に0.25mmの厚さに圧縮した。次に圧縮されたテープを、2つの積重なったロールの間で縦方向に伸ばした。第2ロールと第1のロールとの間の速度比は、それゆえに30%/秒のストレッチ速度で、ストレッチ比1.4:1であった。次にストレッチテープを200℃で保持し乾燥させた。次に乾燥テープを300℃の温度の加熱チャンバー中の加熱された積み重なったロールの間で、0.2%/秒のストレッチ速度で1.02:1の比に、続いて46%/秒のストレッチ速度で1.75:1のさらなる延伸比に、また続いて0.5%/秒のストレッチ速度で1.02:1のさらなる延伸比に、伸ばした。この工程は0.24mmの厚さを有するテープを生成した。
【0103】
次にテープは3.30mm幅×0.24mmの厚さの断面を作り、および6162dtexの長さ当たりの質量を有するように切り裂かれた。次にこのスリットテープを70%/秒のストレッチ速度で6.00:1のストレッチ比に390℃に設定した加熱プレートで延伸した。これに続いて、74%/秒のストレッチ速度で2.50:1のストレッチ比に390℃に設定した加熱プレートでさらに延伸した。これに続いて26%/秒のストレッチ速度で1.30:1のストレッチ比に390℃に設定した加熱プレートでさらに延伸した。これに続いて1.4秒の期間で1.00:1のストレッチ比に390℃に設定した加熱プレートでさらに延伸し、アモルファスを固定した延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維を生成した。
【0104】
アモルファスを固定したePTFE繊維は316dtexと測定され、そして長方形の断面を有し、そして以下の特性:幅=1.8mm、高さ=0.0381mm、密度=0.46g/cm、6.36Nの破断強度、2.02cN/dtexの強さを有した。1000倍の倍率で撮影した繊維表面の走査電子顕微鏡写真を図1中に示す。
【0105】
繊維は、4/70/34(ply/デニール/フィラメント)ポリアミドAJT繊維(Premier Fibers Inc.、Ansonville.SC)およびePTFE繊維の布ブレンドを含むように織られた。得られた4/70/34ポリアミド繊維は、358dtexと測定され、そして以下の特性:破断強度=15.03N、強さ=4.21cN/dtexを有すると測定された。ePTFE繊維は織る前に撚られなかった。織りパターンは、2×1の綾織りであって、54×50スレッド/インチ(21.2×19.7スレッド/cm、たて糸×フィル)のスレッドカウントを有した。たて糸繊維はポリアミド繊維からなり、そしてフィル繊維は、交互のピックのポリアミド繊維およびePTFE繊維からなっていた。織布は、18質量%ePTFEおよび82質量%ポリアミドからなっていた。織布を受け入れられる目で見える外観のために染色および印刷し、着色をポリアミド繊維に適用した(すなわち、ePTFEは着色されなかった)。織布は、以下の特性:通気性=58cfm、乾燥時間=20分、垂直のウィッキング=10分で105mm、ハンド=160g、破断強度=1.36kN(w)×0.90kN(f)、引裂強度=125N(w)×85N(f)を有した。80倍の倍率で撮影した織布の走査電子顕微鏡写真を図2中に示す。120倍の倍率で撮影した布の断面の走査電子顕微鏡写真を図3に示す。布は、183g/mの質量を有した。
【0106】
布はその後、市販されている洗剤を用いて1サイクルの間洗濯機中で洗浄されることによって親水性を与えられた。布は空気乾燥させられた。この布での親水性を与えられる前および後の質量増加および乾燥時間テスト法において測定された全質量は、それぞれ、57gsmおよび65gsmであった。これは、親水性を与えられた後で14%の水質量の増加となった。
【0107】
例2
以下の様式で編みソックスを得た。例1に記載された155デニールePTFE繊維を得た。各ePTFE繊維は、かかとおよび伸縮性のある足首バンドを有する4.5インチ直径200針(完全回転当たりのスティッチ)丸編み機を使用して70デニール(34フィラメントカウント)のナイロン6,6ヤーンで編まれた。最終のPTFE含有量は、68.8wt%であった(ナイロン含有量は、31.2%であった)。2層の30デニールナイロン6,6ヤーンでつま先の範囲を縫合した後の最終のソックスはサイズ10(米国のメンズサイズ)であり、そして市販されている布柔軟剤(Melatex Incorporated.3818 Northmore Street, Charlotte, NC28205から入手可能であるMelasoft LS1C 2800)を用いて1サイクルの間洗濯機中で洗浄により親水性を与えられた。
【0108】
布は空気で乾燥された。80倍の倍率で撮られた編物の走査電子顕微鏡写真を図4中に示す。180倍の倍率で撮られたこのように与えられた親水性布の断面図の走査電子顕微鏡写真を図5中に示す。布を上記の試験方法に従って試験した。この布での親水性を与えられる前および後の質量増加および乾燥時間テスト法において測定された全質量は、それぞれ、35gsmおよび74gsmであった。これは、親水性を与えられた後で111%の水質量の増加となった。
【0109】
1×6インチのソックスの小布を上記の垂直のウィッキング試験に曝した。このソックスは、10分後に50mmのウィッキングを示した。
【0110】
このソックスをまた上記のティシュー湿り気試験に曝した。ソックスに関連したティシューの質量の変化は12%であった。
【0111】
比較例1
ePTFE繊維を70デニールナイロン6,6ヤーンと等しい数で置き換えた点を除き、例2に記載されたのと同じ様式で比較例のソックスを製造した。すべてのナイロンソックスの1×6インチの小布を、上記の垂直ウィッキング試験に曝した。すべてのナイロン繊維のソックスは、10分後に10mmのウィッキングを示した。
【0112】
すべてのナイロンソックスはまた、上記のティシュー湿り気試験に晒された。すべてのナイロンソックスに関連したティシューの質量の変化は38%であった。
【0113】
比較例2
1.94g/cmの密度を有するePTFE繊維をePTFE繊維と置き換えた点を除き、例2に記載されたのと同じ様式で、比較例のソックスを製造した。W.L Gore & Associates (部品番号 V111776, W.L. Gore & Associates. Inc..Elkton, MD)による、ePTFE繊維が得られた。ePTFE繊維は111dtexと測定され、そして長方形の断面を有し、そして以下の特性:幅=0.5mm、高さ=0.0114mm、密度=1.94g/cm、破断強度=3.96N、強さ=3.58cN/dtex、および小線維長さ=中間(小線維で終点を規定する見えるノードがない)を有した。1000倍の倍率で撮られた繊維の上表面の走査電子顕微鏡写真を図6中に示す。80倍の倍率で撮られた編物の走査電子顕微鏡写真を図7中に示す。
【0114】
この高密度ePTFEソックスの1×6インチの小布を、上記の垂直ウィッキング試験に曝した。高密度ePTFEソックスは、10分後に17mmのウィッキングを示した。
【0115】
高密度ePTFEソックスを、上記のティシュー湿り気試験に曝した。高密度ePTFEソックスに関連したティシューの質量における変化は50%であった。
【0116】
この出願の本発明は、一般的におよび特定の実施形態の両方に関して上記に記載された。本開示の範囲を離れることなく、種々の改質および変化が態様になされることができることを、当業者は理解するであろう。したがって、意図された態様は、付属の請求項およびそれらの均等の範囲内である限り、本発明の改質および変化を対象とすることが意図される。
(態様)
(態様1)
約1.2g/cm未満の密度を有する複数の親水性延伸ポリテトラフルオロエチレン繊維(ePTFE)繊維と、
複数の非ePTFE繊維と、
を含む、布。
(態様2)
前記布が、少なくとも15wt%のePTFE繊維を含む、態様1に記載の布。
(態様3)
前記ePTFE繊維が、1超のアスペクト比を有する、態様1に記載の布。
(態様4)
前記ePTFE繊維が、実質的に長方形の断面形状を有する、態様3に記載の布。
(態様5)
前記ePTFE繊維が、約1のアスペクト比を有する、態様1に記載の布。
(態様6)
前記ePTFE繊維が、実質的に円形の形状を有する、態様5に記載の布。
(態様7)
前記ePTFE繊維が、その中に取り込まれている着色剤および高屈折率材料からなる群から選択される少なくとも1種の材料を有する、態様1に記載の布。
(態様8)
前記ePTFE繊維が、その中に断熱材料を有する、態様1に記載の布。
(態様9)
前記布が、織布および編布から選択される、態様1に記載の布。
(態様10)
前記布の少なくとも片側に付着した編織布をさらに含む、態様1に記載の布。
(態様11)
前記布の少なくとも片側に付着したポリマー膜をさらに含む、態様1に記載の布。
(態様12)
前記非ePTFE繊維が、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様1に記載の布。
(態様13)
複数のたて糸繊維およびよこ糸繊維であって、前記たて糸繊維の少なくとも1つ、前記よこ糸繊維の少なくとも1つ、または前記たて糸繊維および前記よこ糸繊維の少なくとも1つが約1.2g/cm未満の密度を有する少なくとも1種の親水性延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維を含む、複数のたて糸繊維およびよこ糸繊維と、
複数の非PTFE繊維と、
を含む、織布。
(態様14)
前記布が、少なくとも15wt%のePTFE繊維を含む、態様13に記載の布。
(態様15)
前記ePTFE繊維が、1超のアスペクト比を有する、態様13に記載の布。
(態様16)
前記ePTFE繊維が、約1のアスペクト比を有する、態様13に記載の布。
(態様17)
前記ePTFE繊維が、その中に取り込まれている着色剤および高屈折率材料からなる群から選択される少なくとも1種の材料を有する、態様13に記載の布。
(態様18)
前記ePTFE繊維が、その中に断熱材料を有する、態様13に記載の布。
(態様19)
前記非ePTFE繊維が、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様13に記載の布。
(態様20)
約1.2g/cm未満の密度および編物形態の複数の非ePTFE繊維を有する複数の親水性延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)繊維、を含む、編布。
(態様21)
前記布が、少なくとも15wt%のePTFE繊維を含む、態様20に記載の布。
(態様22)
前記ePTFE繊維が、その中に断熱材料を有する、態様20に記載の布。
(態様23)
前記ePTFE繊維が、1超のアスペクト比を有する、態様20に記載の布。
(態様24)
前記ePTFE繊維が、約1のアスペクト比を有する、態様20に記載の布。
(態様25)
前記ePTFE繊維が、その中に取り込まれている着色剤および高屈折率材料からなる群から選択される少なくとも1種の材料を有する、態様20に記載の布。
(態様26)
前記非ePTFE繊維が、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様20に記載の布。
(態様27)
親水性ePTFE繊維と、
非ePTFE繊維と、
を含む、物品であって、
前記親水性ePTFE繊維および前記非ePTFE繊維が布に形成されている、物品。
(態様28)
前記非ePTFE繊維が、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、綿、羊毛、絹、アラミド、ポリアミド、アクリル、オレフィン、スパンデックスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様27に記載の物品。
(態様29)
前記ePTFE繊維が、その中に取り込まれている着色剤および高屈折率材料からなる群から選択される少なくとも1種の材料を有する、態様27に記載の布。
(態様30)
前記布が、少なくとも15wt%のePTFE繊維を含む、態様27に記載の物品。
(態様31)
前記ePTFE繊維が、その中に断熱材料を有する、態様27に記載の布。
(態様32)
前記ePTFE繊維が、1超のアスペクト比を有する、態様27に記載の布。
(態様33)
前記ePTFE繊維が、約1のアスペクト比を有する、態様27に記載の布。
(態様34)
約1.2g/cm未満の密度を有する複数のコンフォーマブル親水性フルオロポリマー繊維と、
複数の他の非フルオロポリマー繊維と、
を含む、布。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8