特許第6717911号(P6717911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6717911ポリエーテルアミンを含有する清浄組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6717911
(24)【登録日】2020年6月15日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】ポリエーテルアミンを含有する清浄組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/30 20060101AFI20200629BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20200629BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20200629BHJP
   C11D 1/88 20060101ALI20200629BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20200629BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20200629BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20200629BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20200629BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20200629BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20200629BHJP
   C07C 217/08 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   C11D3/30
   C11D3/37
   C11D1/75
   C11D1/88
   C11D1/14
   C11D1/29
   C11D1/22
   C11D1/66
   C11D3/04
   C11D3/48
   C07C217/08
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-193610(P2018-193610)
(22)【出願日】2018年10月12日
(62)【分割の表示】特願2016-563778(P2016-563778)の分割
【原出願日】2015年4月30日
(65)【公開番号】特開2019-23310(P2019-23310A)
(43)【公開日】2019年2月14日
【審査請求日】2018年11月12日
(31)【優先権主張番号】14166723.8
(32)【優先日】2014年4月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランク フルスコッター
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ファーミン オーガスト デルプランケ
(72)【発明者】
【氏名】グロリア ディ カープア
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ シャッラ
【審査官】 林 建二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−097496(JP,A)
【文献】 特表2001−507727(JP,A)
【文献】 特開2003−290107(JP,A)
【文献】 特表2016−516088(JP,A)
【文献】 特表2016−531135(JP,A)
【文献】 特表2002−542381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00−19/00
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
A47L 15/00−21/06
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬表面清浄組成物であって、
a)アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤を含む一次補助界面活性剤とを含み、前記両性界面活性剤はアミンオキシド界面活性剤であり、前記組成物の1重量%〜60重量%の界面活性剤系と、
b)前記組成物の0.1重量%〜10重量%のポリエーテルアミンと、
を含み、
前記ポリエーテルアミンは以下の式を有し、
【化1】
式中、n+mは、0から8であり
前記ポリエーテルアミンが、150〜1000グラム/モルの重量平均分子量を有し、
前記組成物のpHは、25℃及び蒸留水中10%の水中濃度で測定されたときに、8〜10であ
硬表面清浄組成物。
【請求項2】
前記アニオン性界面活性剤が、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホネート、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アニオン性界面活性剤が、アルキルサルフェートとアルキルアルコキシスフェートとの混合物であり、前記アルキルアルコキシサルフェートが、アルキルエトキシサルフェートである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記両性界面活性剤が、その少なくとも60重量%の前記アミンオキシド界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記一次補助界面活性剤が、双極性界面活性剤を含み、前記両性界面活性剤及び前記双極性界面活性剤が、2:1〜1:2の重量比であり、前記双極性界面活性剤がベタインである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、二価のカチオンの塩を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、キレート剤を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、イソチアゾリノン系防腐剤を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
食器類を手洗いする方法であって、前記食器類を、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物と接触させる工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、清浄組成物に関し、より具体的には、脂汚れの除去に関して利益をもたらすポリエーテルアミンを含有する硬表面清浄組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤配合者は、洗剤組成物の性能を向上させることを常に目指している。硬表面の清浄において遭遇する最大の難題のうちの1つは、脂汚れの除去、具体的にはプラスチック等の疎水性アイテムからの脂汚れの除去である。
【0003】
この難題は、疎水性アイテムから脂を除去するだけでなく、それらに脂っこい又はぬるぬるしない触感を残すことでもある。理想的には、消費者は、キュッキュッと音がするほどの清浄度を達成するようにアイテムを清浄すること、すなわち、指をアイテムに沿って滑らせたときに、キュッキュッという音が出るほどにアイテムをきれいにすることを好む。この音は、総合的な清浄度と関連している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、改善された脂汚れ除去を有する食器手洗い組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様に従って清浄組成物が提供され、好ましくは、本組成物は、食器手洗い清浄組成物である。好ましくは、本組成物は、液体の形態である。本組成物は、界面活性剤系、並びに式(I)、(II)、(III)、及びこれらの混合物のポリエーテルアミンからなる群から選択されるポリエーテルアミンを含む。
【0006】
本発明の組成物は、プラスチック等の疎水性アイテムからでさえも優れた脂除去を提供する。本組成物は、プラスチックアイテムにさえもキュッキュッと音がするほどきれいな触感を残す。
【0007】
本発明の組成物の界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される一次補助界面活性剤とを含む。
【0008】
アニオン性界面活性剤は、任意のアニオン性清浄界面活性剤であってもよく、特に好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシスフェート、アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホネート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、及びこれらの混合物から選択され、好ましいアルキルアルコキシサルフェートは、アルキルエトキシサルフェートである。本明細書における使用に好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェートとアルキルエトキシサルフェートとの混合物である。
【0009】
本明細書における使用に非常に有用な界面活性剤系には、アミンオキシド、特にアルキルジメチルアミンオキシドと組み合わせたアニオン性界面活性剤、及び/又はベタイン界面活性剤を含むものが挙げられる。
【0010】
本明細書で使用するのに好ましい別の界面活性剤系は、両性界面活性剤対双性界面活性剤の重量比が、好ましくは約2:1〜約1:2である、アニオン性界面活性剤系及び両性/双性界面活性剤系である。具体的には、両性界面活性剤がアミンオキシド界面活性剤であり、双極性界面活性剤がベタインであり、アミンオキシド対ベタインの重量比が約1:1である系。
【0011】
また、本明細書における使用に好ましいものは、非イオン性界面活性剤を更に含む界面活性剤系である。特に好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤、特にアルキルエトキシル化界面活性剤である。
【0012】
本発明の組成物のための特に好ましい界面活性剤系は、好ましくはアルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤、より好ましくはアルキルアルコキシル化サルフェートと、両性界面活性剤、好ましくはアミノオキシド界面活性剤及び非イオン性界面活性剤とを含む。要約すると、本明細書における使用に最も好ましい界面活性剤系は、アルキルアルコキシル化サルフェート界面活性剤、アミンオキシド、及び非イオン性界面活性剤、特にアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキシド、及びアルキルエトキシレート非イオン性界面活性剤を含む。
【0013】
好ましくは、本発明の組成物は、二価のカチオンの塩を含む。具体的には、マグネシウムの塩。マグネシウムカチオンは、本組成物の脂清浄プロファイルを強化し、かつ広げることによって、ポリエーテルアミンとの組み合わせで働くことができることが見出されている。
【0014】
好ましくは、本発明の組成物は、キレート剤を含む。キレート剤は、本発明のポリエーテルアミンと一緒に作用して、改善された清浄を提供することができることが見出されている。本明細書における使用に好ましいキレート剤は、アミノホスホネート及びアミノカルボキシレート化キレート剤、特にMGDA及びGLDA等のアミノカルボキシレート化キレート剤である。
【0015】
好ましくは、本発明の組成物は、イソチアゾリノン系防腐剤を含む。ポリエーテルアミンは、この種の防腐剤との良好な相溶性を示す。
【0016】
本発明の第2の態様に従って、本発明の組成物を使用する食器類を手洗いする方法が提供される。本発明の組成物は、希釈形態又は非希釈形態での使用に好適である。本発明の組成物は、非希釈形態での使用に特に好適である。食器類を手洗いしてキュッキュッと音がするほどの清浄度を達成するための本発明の組成物の使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、硬表面清浄組成物、好ましくは、界面活性剤系及び特定のポリエーテルアミンを含む食器手洗い清浄組成物を構想する。本発明の組成物は、非常に良好な脂除去、特に植物/又は動物系油及び脂の除去を提供する。本発明は、食器手洗い方法及び本組成物を使用してキュッキュッと音がするほどの清浄度を達成することも構想する。
【0018】
清浄組成物
好ましくは、本清浄組成物は、食器手洗い清浄組成物、好ましくは液体の形態である。洗剤は、典型的には、30重量%〜95重量%、好ましくは40重量%〜90重量%、より好ましくは50重量%〜85重量%の液体キャリアを含有し、このキャリアには他の必須成分及び任意の成分が溶解、分散、又は懸濁している。液体キャリアの1つの好ましい構成成分は水である。
【0019】
好ましくは、本組成物のpHは、25℃及び蒸留水中10%の水中濃度で測定されたときに、約6〜約12、より好ましくは約7〜約11、最も好ましくは約8〜約10である。本発明の清浄アミンは、8〜10のpHでより良好に機能する。本組成物のpHは、当該技術分野において既知のpH調整成分を使用して調整することができる。
【0020】
ポリエーテルアミン
本明細書に記載の清浄組成物は、本組成物の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは、約0.2重量%〜約5重量%、より好ましくは、約0.5重量%〜約4重量%のポリエーテルアミンを含む。
【0021】
本発明の組成物のポリエーテルアミンのうちの1つは、式(I)の構造により表わされ、
【0022】
【化1】
【0023】
式中、R1〜R6の各々は、独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから選択され、R1〜R6のうちの少なくとも1つは、Hとは異なり、典型的にはR1〜R6のうちの少なくとも1つは、2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A1〜A6の各々は、独立的に、2〜18個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレンから選択され、Z1〜Z2の各々は、独立的に、OH又はNH2から選択され、Z1〜Z2のうちの少なくとも1つは、NH2であり、典型的にはZ1及びZ2の各々は、NH2であり、x+yの和は、約2〜約200、典型的には約2〜約20、より典型的には約2〜約10、又は約3〜約8、又は約4〜約6の範囲であり、x≧1であり、y≧1、x1+y1の和は約2〜約200、典型的には約2〜約20、より典型的には約2〜約10、又は約3〜約8、又は約2〜約4の範囲であり、x1≧1であり、y1≧1である。
【0024】
好ましくは、式(I)のポリエーテルアミン中、A1〜A6の各々は、独立的に、エチレン、プロピレン、又はブチレンから選択され、典型的にはA1〜A6の各々は、プロピレンである。より好ましくは、式(I)のポリエーテルアミン中、R1、R2、R5、及びR6の各々は、Hであり、R3及びR4の各々は、独立的に、C1〜C16アルキル又はアリールから選択され、典型的にはR1、R2、R5、及びR6の各々は、Hであり、R3及びR4の各々は、独立的に、ブチル基、エチル基、メチル基、プロピル基、又はフェニル基から選択される。より好ましくは、式(I)のポリエーテルアミン中、R3は、エチル基であり、R1、R2、R5、及びR6の各々は、Hであり、R4は、ブチル基である。特に、式(I)のポリエーテルアミン中、R1及びR2の各々は、Hであり、R3、R4、R5、及びR6の各々は、独立的に、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、又はHから選択される。
【0025】
式(II)の構造により表わされるポリエーテルアミン中、
【0026】
【化2】
【0027】
7〜R12の各々は、独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから選択され、R7〜R12のうちの少なくとも1つはHとは異なり、典型的にはR7〜R12のうちの少なくとも1つは、2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A7〜A9の各々は、独立的に、2〜18個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレンから選択され、Z3〜Z4の各々は、独立的に、OH又はNH2から選択され、Z3〜Z4のうちの少なくとも1つは、NH2であり、典型的にはZ3及びZ4の各々は、NH2であり、x+yの和は約2〜約200、典型的には約2〜約20、より典型的には約2〜約10、又は約3〜約8、又は約2〜約4の範囲であり、x≧1であり、y≧1であり、x1+y1の和は約2〜約200、典型的には約2〜約20、より典型的には約2〜約10、又は約3〜約8、又は約2〜約4の範囲であり、x1≧1であり、y1≧1である。
【0028】
好ましくは、式(II)のポリエーテルアミン中、A7〜A9の各々は、独立的に、エチレン、プロピレン、又はブチレンから選択され、典型的にはA7〜A9の各々は、プロピレンである。より好ましくは、式(II)のポリエーテルアミン中、R7、R8、R11、及びR12の各々は、Hであり、R9及びR10の各々は、独立的に、C1〜C16アルキル又はアリールから選択され、典型的にはR7、R8、R11、及びR12の各々は、Hであり、R9及びR10の各々は、独立的に、ブチル基、エチル基、メチル基、プロピル基、又はフェニル基から選択される。より好ましくは、式(II)のポリエーテルアミン中、R9は、エチル基であり、R7、R8、R11、及びR12の各々は、Hであり、R10は、ブチル基である。いくつかの態様では、式(II)のポリエーテルアミン中、R7及びR8の各々は、Hであり、R9、R10、R11、及びR12の各々は、独立的に、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、又はHから選択される。
【0029】
好ましいポリエーテルアミンは、式A、式B、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
【0030】
【化3】
【0031】
好ましくは、ポリエーテルアミンは、式(I)の化合物と式(II)の化合物との混合物を含む。
【0032】
典型的には、式(I)又は式(II)のポリエーテルアミンは、約グラム/モル1000グラム/モル、好ましくは約100〜約800グラム/モル、より好ましくは約200〜約450グラム/モル未満の重量平均分子量を有する。
【0033】
ポリエーテルアミンは、ポリエーテルアミン混合物の少なくとも90重量%の式(I)のポリエーテルアミン、式(II)のポリエーテルアミン、式(III)のポリエーテルアミン、又はこれらの混合物を含むポリエーテルアミン混合物を含んでもよい。好ましくは、ポリエーテルアミンは、ポリエーテルアミン混合物の少なくとも95重量%の式(I)のポリエーテルアミン、式(II)のポリエーテルアミン、及び式(III)のポリエーテルアミンを含むポリエーテルアミン混合物を含む。
【0034】
式(I)のポリエーテルアミン及び/又は式(II)のポリエーテルアミンは、
a)式(1)の1,3−ジオールをC2〜C18アルキレンオキシドと反応させてアルコキシル化1,3−ジオールを形成し、1,3−ジオール対C2〜C18アルキレンオキシドモル比は、約1:2〜約1:10の範囲であり、
【0035】
【化4】
【0036】
式中、R1〜R6は、独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから選択され、R1〜R6のうちの少なくとも1つは、Hとは異なり、
b)アルコキシル化1,3−ジオールをアンモニアでアミノ化することによって、得られる。
【0037】
1,3−ジオール対C2〜C18アルキレンオキシドのモル比は、好ましくは約1:3〜約1:8の範囲、より典型的には約1:4〜約1:6の範囲である。好ましくは、C2〜C18アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択される。より好ましくは、C2〜C18アルキレンオキシドは、プロピレンオキシドである。
【0038】
式(1)の1,3−ジオール中、R1、R2、R5、及びR6は、Hであり、R3及びR4は、C1~16アルキル又はアリールである。好ましくは、式(1)の1,3−ジオールは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−フェニル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、又はこれらの混合物から選択される。
【0039】
工程a):アルコキシル化
式(1)の1,3−ジオールは、国際公開第10026030号、同第10026066号、同第09138387号、同第09153193号、及び同第10010075号で説明される通り合成される。好適な1,3−ジオールには、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(2−メチル)ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−フェニル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ(2−メチルプロピル)−1,3−プロパンジオール、2−イソプロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、又はこれらの混合物が挙げられる。いくつかの態様では、1,3−ジオールは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−フェニル−1,3−プロパンジオール、又はこれらの混合物から選択される。典型的には、使用される1,3−ジオールは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−フェニル−1,3−プロパンジオールである。
【0040】
アルコキシル化1,3−ジオールは、任意の数の当該技術分野において既知の一般的なアルコキシル化手順に従って、式Iの1,3−ジオールをアルキレンオキシドと反応させることによって得ることができる。好適なアルキレンオキシドには、C2〜C18アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンテンオキシド、ヘキセンオキシド、デセンオキシド、ドデセンオキシド、又はこれらの混合物が含まれる。いくつかの態様では、C2〜C18アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択される。1,3−ジオールは、単一のアルキレンオキシド又は2つ以上の異なるアルキレンオキシドの組み合わせと反応させてもよい。2つ以上の異なるアルキレンオキシドを使用する場合、結果として生じるポリマーは、ブロック様構造又はランダム構造として得ることができる。
【0041】
典型的には、アルコキシル化反応が行われる1,3−ジオール対C2〜C18アルキレンオキシドのモル比は、約1:2〜約1:10、より典型的には約1:3〜約1:8、更により典型的には約1:4〜約1:6の範囲である。
【0042】
アルコキシル化反応は、一般に約70℃〜約200℃、典型的には約80℃〜約160℃の反応温度で水溶液中の触媒の存在下で進行する。この反応は、最大約1MPa又は最大約0.8MPa(約10バール又は最大約8バール)の圧力で進行し得る。好適な触媒の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、特にナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert−ブトキシドなどのナトリウム及びカリウムC1〜C4−アルコキシド、水素化ナトリウム及び水素化カルシウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、並びに炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩である。いくつかの態様では、触媒は、アルカリ金属水酸化物、典型的には水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムである。触媒の典型的な使用量は、1,3−ジオールとアルキレンオキシドとの合計量に基づいて、約0.05〜約10重量%、特に約0.1〜約2重量%である。
【0043】
x+y C2〜C18アルキレンオキシド及び/又はx1+y12〜C18アルキレンオキシドを用いたアルコキシル化は、式2及び/又は式3により表わされる構造を生成し、
【0044】
【化5】
【0045】
式中、R1〜R12は、独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから選択され、
1〜R6のうちの少なくとも1つ及びR7〜R12のうちの少なくとも1つは、Hとは異なり、A1〜A9の各々は、独立的に、2〜18個の炭素原子、典型的には2〜10個の炭素原子、より典型的には2〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレンから選択され、x+yの和は約2〜約200、典型的には約2〜約20、より典型的には約2〜約10又は約2〜約5の範囲であり、x≧1であり、y≧1であり、x1+y1の和は約2〜約200、典型的には約2〜約20、より典型的には約2〜約10又は約2〜約5の範囲であり、x1≧1であり、y1≧1である。
【0046】
工程b):アミノ化
アルコキシル化1,3−ジオールのアミノ化は、式I又は式IIにより表わされる構造を生成し、
【0047】
【化6】
【0048】
式中、R1〜R12の各々は、独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから選択され、R1〜R6のうちの少なくとも1つ及びR7〜R12のうちの少なくとも1つは、Hとは異なり、
1〜A9の各々は、独立的に、2〜18個の炭素原子、典型的には2〜10個の炭素原子、より典型的には、2〜5子の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレンから選択され、Z1〜Z4の各々は、独立的に、OH又はNH2から選択され、Z1〜Z2のうちの少なくとも1つ及びZ3〜Z4のうちの少なくとも1つは、NH2であり、x+yの和は約2〜約200、典型的には約2〜約20、より典型的には約2〜約10又は約2〜約5の範囲であり、x≧1であり、y≧1であり、x1+y1の和は約2〜約200、典型的には約2〜約20、より典型的には約2〜約10又は約2〜約5の範囲であり、x1≧1であり、y1≧1である。
【0049】
式I及び/又は式IIに従うポリエーテルアミンは、水素及び触媒含有ニッケルの存在下で、アンモニアを用いたアルコキシル化1,3−ジオール混合物(式2及び式3)の還元アミノ化によって得られる。好適な触媒は、国際公開第2011/067199A1号、同第2011/067200A1号、及び欧州特許第0696572 B1号に記載されている。好ましい触媒は、担持された銅、ニッケル、及びコバルト含有触媒であり、そこでは触媒の触媒活性材料が、水素による還元前に、アルミニウム、銅、ニッケル及びコバルトの酸素化合物、及びSnOとして計算して約0.2〜約5.0重量%の範囲のスズの酸素化合物を含む。他の好適な触媒は、担持された銅、ニッケル、及びコバルト含有触媒であり、そこでは触媒の触媒活性材料が、水素によるその還元前に、アルミニウム、銅、ニッケル、コバルト、及びスズの酸素化合物、及びそれぞれY23、La23、Ce23、及びHf23として計算して約0.2〜約5.0重量%の範囲のイットリウム、ランタン、セリウム、及び/又はハフニウムの酸素化合物を含む。別の好適な触媒は、ジルコニウム、銅、及びニッケル触媒であり、そこでは触媒活性組成物がZrO2として計算して約20〜約85重量%の酸素含有ジルコニウム化合物、CuOとして計算して約1〜約30重量%の銅の酸素含有化合物、NiOとして計算して約30〜約70重量%のニッケルの酸素含有化合物、Al23及びMnO2、それぞれAl23及びMnO2として計算して約0.1〜約5重量%のアルミニウム及び/又はマンガンの酸素含有化合物を含む。
【0050】
還元アミノ化工程の場合、担持触媒及び非担持触媒が使用され得る。例えば、担持触媒は、当該技術分野において周知の手法を用いて、既知の形のアルミナ、シリカ、木炭、カーボン、グラファイト、粘土、モルデナイトを含むが、これらに限定されない当業者に既知の担持材料上に触媒組成物の金属成分を堆積することにより得られてもよく、モレキュラーシーブを使用して、担持触媒を得てもよい。触媒を担持する場合、触媒の担体粒子は、規則的又は不規則な形状の任意の幾何学的形状、例えば、球、錠剤、又は円筒を有してもよい。このプロセスは、連続又は不連続方式で、例えばオートクレーブ、管式反応器、又は固定床反応器中で行われてもよい。反応器への供給は、上方流又は下方流であってもよく、反応器中でプラグフローを最適化する反応器中の設計特徴を使用してもよい。アミノ化度は、約50%〜約100%、典型的には約60%〜約100%、より典型的には約70%〜約100%である。
【0051】
アミノ化度は、全アミン価(AZ)を全アセチル化可能価(AC)及び三価アミン価(tert.AZ)の和で割り、100を掛けたもの(全AZ/((AC+tert.AZ))×100)から計算される。全アミン価(AZ)はDIN 16945に従って求められる。全アセチル化可能価(AC)はDIN 53240に従って求められる。二価アミン及び三価アミン価はASTM D2074−07に従って求められる。
【0052】
ヒドロキシル価は(全アセチル化可能価+三価アミン価)−全アミン価から計算される。本発明のポリエーテルアミンは、脂汚れの除去、特に結晶性脂の除去に有効である。
【0053】
本明細書における使用に特に好ましいものは、以下の構造式を有する式(I)のポリエチレンアミンであり、
【0054】
【化7】
【0055】
式中、n+mは、0〜8である。好ましくはn+mは、0〜6、より好ましくは1〜6である。
【0056】
ポリエーテルアミンは、式(III)のポリエーテルアミンであってもよく、
【0057】
【化8】
【0058】
式中、
Rは、H又C1〜C6アルキル基から選択され、
1、k2、及びk3の各々は、独立的に、0、1、2、3、4、5、又は6から選択され、
1、A2、A3、A4、A5、及びA6の各々は、独立的に、約2〜約18個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基又はこれらの混合物から選択され、
x≧1、y≧1、及びz≧1であり、x+y+zの和は約3〜約100の範囲であり、 Z1、Z2、及びZ3の各々は、独立的に、NH2又はOHから選択され、その場合Z1、Z2、及びZ3のうちの少なくとも2つは、NH2である。
【0059】
好ましくは、Rは、H又はメチル、エチル、若しくはプロピルから選択されるC1〜C6アルキル基である。いくつかの態様では、Rは、H又はエチルから選択されるC1〜C6アルキル基である。
【0060】
好ましくは、k1、k2、及びk3の各々は、独立的に、0、1、又は2から選択される。k1、k2、及びk3の各々は、独立的に、0又は1から選択されてもよい。より好ましくは、k1、k2、及びk3のうちの少なくとも2つは、1であり、更により好ましくは、k1、k2、及びk3の各々は、1である。
【0061】
好ましくは、Z1、Z2、及びZ3の各々は、NH2である。
【0062】
全てのA基(すなわち、A1〜A6)が同じでもよいか、少なくとも2つのA基が同じでもよいか、少なくとも2つのA基が異なってもよいか、又は全てのA基が互いに異なってもよい。A1、A2、A3、A4、A5、及びA6の各々は、独立的に、約2〜約10個の炭素原子、若しくは約2〜約6個の炭素原子、若しくは約2〜約4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基、又はこれらの混合物から選択されてもよい。好ましくは、A1〜A6のうちの少なくとも1つ又は少なくとも3つは、直鎖又は分岐鎖ブチレン基である。より好ましくは、A4、A5、及びA6の各々は、直鎖又は分岐鎖ブチレン基である。特に、A1〜A6の各々は、直鎖又は分岐鎖ブチレン基である。
【0063】
好ましくは、x、y、及び/又はzは、独立的に選択され、3以上と等しくあるべきであり、このポリエーテルアミンが、2つ以上の[A1−O]基、2つ以上の[A2−O]基、及び/又は2つ以上の[A3−O]基を有してもよいことを意味する。好ましくは、A1は、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はこれらの混合物から選択される。好ましくは、A2は、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はこれらの混合物から選択される。好ましくは、A3は、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はこれらの混合物から選択される。A1、A2、及び/又はA3がエチレン、プロピレン、及び/又はブチレンの混合物である場合、結果として生じるアルコキシレートは、ブロック様構造又はランダム構造を有してもよい。
【0064】
[A1−O]x-1は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択されてもよい。[A2−O]y-1は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択されてもよい。[A3−O]z-1は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択されてもよい。
【0065】
好ましくは、x+y+zの和は約3〜約100、又は約3〜約30、又は約3〜約10、又は約5〜約10の範囲である。
【0066】
典型的には、本発明のポリエーテルアミンは、約150、又は約200、又は約350、又は約500グラム/モルから約1000、約900、約800グラム/モルまでの重量平均分子量を有する。
【0067】
好ましくは、ポリエーテルアミンが式(III)のポリエーテルアミン(式中、RがC2アルキル基(すなわち、エチル)であり、所望によりk1、k2、及びk3の各々が1である)である場合、ポリエーテルアミンの分子量は、約500〜約1000、又は〜約900、又は〜約800グラム/モルである。ポリエーテルアミンが式(III)のポリエーテルアミン(式中、Rは、C2アルキル基(すなわち、エチル)であり、所望によりk1、k2、及びk3の各々が1である)である場合、少なくとも1つのA基(すなわち、A1、A2、A3、A4、A5、又はA6のうちの少なくとも1つ)がプロピレン基ではないことも好ましい。ポリエーテルアミンが式(III)のポリエーテルアミン(式中、RはC2アルキル基(すなわち、エチル)であり、所望によりk1、k2、及びk3の各々が1である)である場合、少なくとも1つのA基(すなわち、A1、A2、A3、A4、A5、又はA6のうちの少なくとも1つ)は、エチレン基若しくはブチレン基であるか、又はより典型的には少なくとも1つのA基(すなわち、A1、A2、A3、A4、A5、又はA6のうちの少なくとも1つ)がブチレン基であることも好ましい。
【0068】
以下の構造を有するポリエーテルアミンは、本明細書における使用に好ましく、
【0069】
【化9】
【0070】
式中、nの平均は、約0.5〜約5、又は約1〜約3、又は約1〜約2.5である。
【0071】
他の好ましいポリエーテルアミンは、式C、式D、式E、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
【0072】
【化10】
【0073】
式中、nの平均は約0.5〜約5である。
【0074】
本発明の式(III)のポリエーテルアミンは、以下の工程:
a)グリセリン及び/又は1,1,1−トリメチロールプロパンなどの低分子量の有機トリオールをC2〜C18アルキレンオキシドと反応させて、アルコキシル化トリオールを形成する工程であって、低分子量有機トリオール対アルキレンオキシドのモル比が約1:3〜約1:10の範囲である、工程と、
b)アルコキシル化トリオールをアンモニアでアミノ化する工程を含むプロセスによって得られてもよい。
【0075】
このプロセスは、下記により詳細に説明される。
【0076】
アルコキシル化
式(III)に従うポリエーテルアミンは、アルコキシル化トリオールの還元アミノ化によって得られてもよい。本開示のアルコキシル化トリオールは、グリセリン及び/又は1,1,1−トリメチロールプロパンなどの低分子量の有機トリオールとアルキレンオキシドとの当該技術分野において既知の一般的なアルコキシル化手順に従って反応により得られてもよい。
【0077】
「低分子量」とは、トリオールが、約64〜約500、又は約64〜約300、又は約78〜約200、約92〜約135の分子量を有するという意味である。このトリオールは水溶性であってもよい。
【0078】
本明細書で有用な低分子量の有機トリオール(又は本明細書において使用する場合、単に「低分子量トリオール」)は、式(4)の構造を有し、
【0079】
【化11】
【0080】
式中、Rは、H又C1〜C6アルキル基から選択され、各kは、独立的に、0、1、2、3、4、5、又は6から選択され、好ましくは、RはH又はメチル、エチル、若しくはプロピルから選択されるC1〜C6アルキル基である。より好ましくは、Rは、H又はエチルである。k1、k2、及びk3は各々、独立的に、0、1、又は2から選択される。k1、k2、及びk3の各々は、独立的に、0又は1から選択されてもよい。好ましくは、k1、k2、及びk3のうちの少なくとも2つが1である。より好ましくは、k1、k2、及びk3の3つ全てが1である。
【0081】
低分子量トリオールは、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、又はこれらの混合物からされてもよい。
【0082】
【化12】
【0083】
アルコキシル化グリセリン又はアルコキシル化1,1,1−トリメチロールプロパンなどのアルコキシル化トリオールは、低分子量トリオールのアルキレンオキシドとの反応による既知の方法で作製されてもよい。好適なアルキレンオキシドは、直鎖又は分岐鎖C2〜C18アルキレンオキシド、典型的にはC2〜C10アルキレンオキシド、より典型的にはC2〜C6アルキレンオキシド又はC2〜C4アルキレンオキシドである。好適なアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンテンオキシド、ヘキセンオキシド、デセンオキシド、及びドデセンオキシドが挙げられる。いくつかの態様では、C2〜C18アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択される。いくつかの態様では、C2〜C18アルキレンオキシドは、所望により他のC2〜C18アルキレンオキシドと組み合わせたブチレンオキシドである。
【0084】
グリセリン又は1,1,1−トリメチロールプロパンなどの低分子量トリオールは、1つの単一の種類のアルキレンオキシド又は2つ以上の異なる種類のアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの組み合わせと反応させてもよい。2つ以上の異なる種類のアルキレンオキシドを使用する場合、結果として生じるアルコキシレートは、ブロック様構造又はランダム構造を有してもよい。
【0085】
典型的には、アルコキシル化反応が行われる低分子量トリオール対C2〜C18アルキレンオキシドのモル比は、約1:3〜約1:10、より典型的には約1:3〜約1:6、更により典型的には約1:4〜約1:6の範囲である。いくつかの態様では、アルコキシル化反応が行われる低分子量トリオール対C2〜C18アルキレンオキシドのモル比は、約1:5〜約1:10の範囲である。
【0086】
低分子量トリオールが、1,1,1−トリメチロールプロパンである場合、又は式(2)のトリオールのRがC2アルキルであり、k1、k2、及びk3の各々が1である場合、ポリエーテルアミンは、約500〜約1000、又は〜約900、又は〜約800グラム/モルの重量平均分子量を有する。
【0087】
反応は、一般に約70℃〜約200℃、典型的には約80℃〜約160℃の反応温度で水溶液中の触媒の存在下で行われる。この反応は、最大約1MPa又は最大約0.8MPa(最大約10バール又は最大約8バール)の圧力で行われてもよい。
【0088】
好適な触媒の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、特にナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert−ブトキシドなどのナトリウム及びカリウムC1〜C4−アルコキシド、水素化ナトリウム及び水素化カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、並びに炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩である。水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物が特に好適である。塩基性触媒の典型的な使用量は、低分子量トリオールとアルキレンオキシドとの合計量に基づいて、0.05〜10重量%、特に0.1〜2重量%である。
【0089】
アミノ化
式(III)に従うポリエーテルアミンは、上述のものなどアルコキシル化トリオール、例えばアルコキシル化グリセリン又はアルコキシル化1,1,1−トリメチロールプロパンとアンモニアとの水素及びニッケル含有触媒などの触媒の存在下での還元アミノ化により得られてもよい。好適な触媒は、国際公開第2011/067199(A1)号、同第2011/067200(A1)号、及び欧州特許第0696572 B1号に記載されている。
【0090】
アミノ化は、銅、ニッケル、又はコバルト含有触媒の存在下で行われてもよい。好ましい触媒は、担持された銅、ニッケル及びコバルト含有触媒であり、そこでは触媒の触媒活性材料が、水素による還元前に、アルミニウム、銅、ニッケル及びコバルトの酸素化合物、及びSnOとして計算して約0.2%〜約5.0重量%の範囲のスズの酸素化合物を含む。他の好適な触媒は、担持された銅、ニッケル、及びコバルト含有触媒であり、そこでは触媒の触媒活性材料が、水素によるその還元前に、アルミニウム、銅、ニッケル、コバルト、スズの酸素化合物、及びそれぞれY23、La23、Ce23、及びHf23として計算して約0.2〜約5.0重量%の範囲のイットリウム、ランタン、セリウム、及び/又はハフニウムの酸素化合物を含む。別の好適な触媒は、ジルコニウム、銅、ニッケル触媒であり、そこでは触媒活性組成物がZrO2として計算して約20〜約85重量%の酸素含有ジルコニウム化合物、CuOとして計算して約1〜約30重量%の銅の酸素含有化合物、NiOとして計算して約30〜約70重量%のニッケルの酸素含有化合物、Al23及びMnO2、それぞれAl23及びMnO2として計算して約0.1〜約5重量%のアルミニウム及び/又はマンガンの酸素含有化合物を含む。
【0091】
還元アミノ化工程の場合、担持並びに非担持触媒を使用することができる。担持触媒は、当該技術分野において周知の手法を用いて、既知の形のアルミナ、シリカ、木炭、カーボン、グラファイト、粘土、モルデナイトを含むが、これらに限定されない当業者に既知の担持材料上に触媒組成物の金属成分を堆積することにより得られてもよい。モレキュラーシーブもまた、担持触媒を提供するために使用されてもよい。触媒を担持する場合、触媒の担体粒子は、任意の幾何学的形状、例えば規則的又は不規則な形状の球、錠剤、又は円筒の形状を有してもよい。
【0092】
このプロセスは、連続又は不連続方式で、例えばオートクレーブ、管式反応器、又は固定床反応器中で行われてもよい。多数の反応器設計を使用してもよい。例えば、反応器への供給は、上方流又は下方流であってもよく、反応器中でプラグフローを最適化する反応器中の設計特徴を使用してもよい。
【0093】
アミノ化度は約67%〜約100%、又は約85%〜約100%であってもよい。アミノ化度は、全アミン価(AZ)を全アセチル化可能価(AC)及び三価アミン価(tert.AZ)の和で割り、100を掛けたもの(全AZ/((AC+tert.AZ)×100))から計算される。
【0094】
全アミン価(AZ)はDIN 16945に従って求められる。
【0095】
全アセチル化可能価(AC)はDIN 53240に従って求められる。
【0096】
二価アミン及び三価アミン価はASTM D2074−07に従って求められる。
【0097】
ヒドロキシル価は(全アセチル化可能価+三価アミン価)−全アミン価から計算される。
【0098】
本明細書において、「アミン」という用語は、単一のアミン及びこれらの混合物を包含する。
【0099】
アミンは、清浄媒体が使用される清浄媒体のpHに応じてプロトン化に供されてもよい。四級化されたアミンの使用は、好ましくないが、本発明において構想される。
【0100】
界面活性剤系
清浄組成物は、その約1重量%〜約60重量%、好ましくは約5重量%〜約50重量%、より好ましくは約8重量%〜約40重量%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、より好ましくはアルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、特にアルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホネート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含む。界面活性剤系は、両性、及び/又は双極性界面活性剤、並びに所望により非イオン性界面活性剤も含む。
【0101】
アルキルサルフェートは、本明細書における使用に好ましく、またアルキルエトキシサルフェート、より好ましくは、5未満、好ましくは3未満、より好ましくは2未満かつ0.5超の合わせた平均エトキシル化度と、約5%〜約40%の平均分岐レベルとを有するアルキルサルフェートとアルキルエトキシサルフェートとの組み合わせも好ましい。
【0102】
本発明の組成物は、両性及び/又は双極性界面活性剤を含み、好ましくは、両性界面活性剤が、アミンオキシド、好ましくはアルキルジメチルアミンオキシドを含み、双極性界面活性剤が、ベタイン界面活性剤を含む。
【0103】
本発明の洗剤組成物のための最も好ましい界面活性剤系は、本組成物の0.5重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜12重量%、より好ましくは2重量%〜10重量%の両性及び/又は双極性界面活性剤、より好ましくは両性界面活性剤、更により好ましくはアミンオキシド界面活性剤、特にアルキルジメチルアミンオキシドと合わせた、総組成物の1%〜40%、好ましくは6%〜35%、より好ましくは8%〜30%重量のアニオン性界面活性剤、好ましくはアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤、より好ましくはアルキルエトキシサルフェートを含む。好ましくは、本組成物は、非イオン性界面活性剤、特にアルコールアルコキシレート、及びアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤を更に含む。本発明のポリエーテルアミンと組み合わせたそのような界面活性剤系が、優れた脂清浄及び洗浄されたアイテムの良好な仕上げを提供することが見出されている。
【0104】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤には、有機疎水基の分子構造中に、一般に8〜22個の炭素原子又は一般に8〜18個の炭素原子を含有する有機疎水基、並びに水溶性化合物を形成するために、好ましくはスルホネート、サルフェート、及びカルボキシレートから選択される少なくとも1つの水溶性基を含有するこれらの界面活性化合物が挙げられるが、これに限定されない。通常、疎水基は、C8〜C22アルキル基又はアシル基を含む。そのような界面活性剤は、水溶性塩の形態で使用され、塩形成カチオンは、通常は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、及びモノ、ジ、又はトリC2〜C3アルカノールアンモニウムから選択され、通常カチオンであるナトリウムが選択される。
【0105】
アニオン性界面活性剤は、単一の界面活性剤であってもよいが、通常は、アニオン性界面活性剤の混合物である。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、サルフェート界面活性剤、より好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるサルフェート界面活性剤を含む。本明細書における使用に好ましいアルキルアルコキシサルフェートは、アルキルエトキシサルフェートである。
【0106】
硫酸化アニオン性界面活性剤
好ましくは、硫酸化アニオン性界面活性剤は、アルコキシル化、より好ましくは、約0.2〜約4、更により好ましくは約0.3〜約3、更により好ましくは約0.4〜約1.5、特に約0.4〜約1のアルコキシル化度を有するアルコキシル化分岐硫酸化アニオン性界面活性剤である。好ましくは、アルコキシ基は、エトキシである。硫酸化アニオン性界面活性剤が、硫酸化アニオン性界面活性剤の混合物である場合、アルコキシル化度は、この混合物の全ての構成成分の重量平均アルコキシル化度(重量平均アルコキシル化度)である。重量平均アルコキシル化度の計算において、アルコキシル化基を有さない硫酸化アニオン性界面活性剤構成成分の重量も含まれるべきである。
【0107】
重量平均アルコキシル化度=(x1*界面活性剤1のアルコキシル化度+x2*界面活性剤2のアルコキシル化度+...)/(x1+x2+...)
式中、x1、x2、...は、グラムでの混合物の各硫酸化アニオン性界面活性剤の重量であり、アルコキシル化度は、各硫酸化アニオン性界面活性剤中のアルコキシ基の数である。
【0108】
好ましくは、分岐基は、アルキルである。典型的には、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、環式アルキル基、及びこれらの混合物から選択される。単一又は複数のアルキル分岐は、本発明の洗剤で使用される硫酸化アニオン性界面活性剤を生成するために使用される開始アルコール(複数可)のヒドロカルビル主鎖上に存在し得る。最も好ましくは、分岐硫酸化アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、及びこれらの混合物から選択される。
【0109】
分岐硫酸化アニオン性界面活性剤は、単一のアニオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤の混合物であってもよい。単一の界面活性剤の場合、分岐の%は、界面活性剤が由来する最初のアルコール中で分岐しているヒドロカルビル鎖の重量%を指す。
【0110】
界面活性剤混合物の場合、分岐のパーセントは、重量平均であり、以下の式に従って定義され、
分岐の重量平均(%)=[(x1*アルコール1中の分岐アルコール1重量%+x2*アルコール2中の分岐アルコール2重量%+....)/(x1+x2+....)]*100
式中、x1、x2、...は、本発明の洗剤のためのアニオン性界面活性剤の開始材料として使用されたアルコールの総アルコール混合物中の各アルコールのグラムでの重量である。重量平均分岐度の計算において、分岐基を有さないアニオン性界面活性剤構成成分の重量も含まれるべきである。
【0111】
本明細書における使用に好適なサルフェート界面活性剤には、C8〜C18アルキル若しくはヒドロキシアルキル、サルフェート、及び/又はエーテルサルフェートの水溶性塩が含まれる。好適な対イオンには、アルカリ金属カチオン又はアンモニウム又は置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムである。
【0112】
サルフェート界面活性剤は、C8〜C18一級分岐鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS)、C8〜C18二級(2、3)アルキルサルフェート、C8〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AExS)(式中、好ましくは、xは、1〜30である)から選択されてもよく、アルコキシ基は、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、又はより高級のアルコキシ基、及びこれらの混合物から選択されてもよい。
【0113】
アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシサルフェートは、様々な鎖長、エトキシル化、及び分岐度で市販されている。市販のサルフェートには、the Shell companyからのNeodolアルコール、the Sasol companyからのLial−Isalchem and Safol、The Procter & Gamble Chemicals companyからの天然アルコールをベースにしたものが挙げられる。
【0114】
好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、特に少なくとも70重量%のサルフェート界面活性剤を含む。清浄の観点から特に好ましい洗剤は、アニオン性界面活性剤が、その50%超、より好ましくは少なくとも60%、特に少なくとも70重量%のサルフェート界面活性剤を含み、サルフェート界面活性剤が、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。更により好ましいものは、アニオン性界面活性剤が、約0.2〜約3、より好ましくは約0.3〜約2、更により好ましくは約0.4〜約1.5、特に約0.4〜約1のエトキシル化度を有するアルキルエトキシサルフェートであるものである。これらは、更により好ましくは、約5%〜約40%、約10%〜35%、特に約20%〜30%の分岐レベルを有する好ましいアニオン性界面活性剤でもある。
【0115】
スルホネート界面活性剤
本明細書における使用に好適なスルホネート界面活性剤には、C8〜C18アルキル又はヒドロキシアルキルスルホネートの水溶性塩;国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号で考察されているC11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);及びα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。これらのスルホネート系界面活性剤としてはまた、モノスルホネート及び/又はジスルホネートであってよいパラフィンスルホネートが挙げられ、これらは10〜20個の炭素原子を有するパラフィンのスルホン化により得られる。スルホネート界面活性剤としてはまた、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤が挙げられる。
【0116】
非イオン性界面活性剤
存在する場合、非イオン性界面活性剤は、本組成物の0.1重量%〜40重量%、好ましくは0.2重量%〜20重量%、最も好ましくは0.5重量%〜10重量%の典型量で含まれる。好適な非イオン性界面活性剤には、脂肪族アルコールと1〜25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分枝鎖状、一級又は二級でよく、概して8〜22個の炭素原子を含有する。特に好ましいものは、10〜18個の炭素原子、好ましくは10〜15個の炭素原子を有するアルキル基を有するアルコールと、アルコール1モル当たり2〜18モル、好ましくは2〜15モル、より好ましくは5〜12モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。非常に好ましい非イオン性界面活性剤は、1モルのアルコール当たり、2〜18モル、好ましくは2〜15、より好ましくは5〜12のエチレンオキシドを有するゲルベアルコールの縮合生成物である。
【0117】
本明細書における使用に好適な他の非イオン性界面活性剤には、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、アルキルポリグリコシド、及び脂肪酸グルカミドが挙げられる。
【0118】
両性界面活性剤
好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミノオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中間分岐鎖アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドには、1つのR1 C8〜18アルキル部分と、C1〜3アルキル基及びC1〜3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが上げられる。好ましくは、アミンオキシドは、式R1−N(R2)(R3)O(式中、R1はC8〜18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロクスエチル、2−ヒドロキシプロピル、及び3−ヒドロキシプロピルからなる群から選択される)を特徴とする直鎖アミンオキシド系界面活性剤としては、具体的には、直鎖C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド、及び直鎖C8〜C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが挙げられ得る。好ましいアミンオキシドとしては、直鎖C10、直鎖C10〜C12、及び直鎖C12〜C14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。本明細書において使用する場合、「中間分岐鎖」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、このアルキル部分上の1つのアルキル分枝がn2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分の窒素のα炭素に位置する。アミンオキシドのこの種の分岐は、当該技術分野において内在アミンオキシドとしても知られている。n1とn2の合計は、10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜20個、より好ましくは10〜16個である。1つのアルキル部分の炭素原子の数(n1)は、1つのアルキル部分と1つのアルキル分岐とが対称となるように、1つのアルキル分岐(n2)と炭素原子の数がおよそ同じであるべきである。本明細書において使用する場合「対称」は、本明細書において使用される中間分岐鎖アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%〜100重量%で、|n1−n2|が5個以下、好ましくは4個、最も好ましくは0〜4個の炭素原子であることを意味する。
【0119】
アミンオキシドは、C1〜3アルキル、C1〜3ヒドロキシアルキル基、又は平均で約1〜約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立的に選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、2つの部分は、C1〜3アルキルから選択され、より好ましくは、両方にC1アルキルが選択される。
【0120】
双極性界面活性剤
他の好適な界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられ、好ましくは次の式(I)に合致し、
1−[CO−X(CH2nx−N+(R2)(R3)−(CH2m−[CH(OH)−CH2y−Y−(I)
式中、
1は、飽和又は不飽和のC6〜22のアルキル残基、好ましくはC8〜18のアルキル残基であり、特に飽和C10〜16のアルキル残基、例えば、飽和C12〜14のアルキル残基であり、
Xは、NH、C1〜4アルキル残基R4を有するNR4、O、又はSであり、
nは1〜10の数であり、好ましくは2〜5、特に3であり、
xは、0又は1、好ましくは1であり、
2、R3は、独立的に、ヒドロキシエチル、好ましくはメチルなどの、ヒドロキシ置換される可能性のあるC1〜4アルキル残基であり、
mは、1〜4の数、特に1、2、又は3であり、
yは、0又は1であり、
Yは、COO、SO3、OPO(OR5)O又はP(O)(OR5)Oであり、R5は、水素原子H又C1〜4アルキル残基である。
【0121】
好ましいベタインは、式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドプロピルベタイン、式(Ic)のスルホベタイン、及び式(Id)のアミドスルホベタインである;
1−N+(CH32−CH2COO- (Ia)
1−CO−NH(CH23−N+(CH32−CH2COO- (Ib)
1−N+(CH32−CH2CH(OH)CH2SO3− (Ic)
1−CO−NH−(CH23−N+(CH32−CH2CH(OH)CH2SO3−(Id)、式中、R11は、式Iと同じ意味である。特に好ましいベタインは、カルボベタイン[式中、Y-=COO-である]、特に式(Ia)及び(Ib)のカルボベタインであり、式(Ib)のアルキルアミドベタインがより好ましい。
【0122】
好適なベタイン及びスルホベタインの例は以下のものである[INCIに従って表記している]:アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、ベタイン、キャノーラアミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチル大豆グリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、PG−ベタインのプロピルジメチコーン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水素添加タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、ヤシアミドプロピルベタイン、パルミチン酸アミドプロピルベタイン、パルミトイルカルニチン、ヤシ仁アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノール酸アミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタイン。
【0123】
好ましいベタインは、例えば、ココアミドプロピルベタインである。
【0124】
二価のカチオン
本発明の組成物で利用される場合、カルシウム及びマグネシウムイオン、好ましくはマグネシウムイオン等の二価のカチオンは、好ましくは水酸化物、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酸化物、乳酸塩、又は硝酸塩として、本発明の組成物に、典型的には本組成物の0.01重量%〜1.5重量%、好ましくは0.015重量%〜1重量%、より好ましくは0.025重量%〜0.5重量%の活性レベルで添加される。
【0125】
キレート剤
本明細書の組成物は、所望により、本組成物の0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.2重量%〜5重量%、より好ましくは0.2重量%〜3重量%のレベルでキレート剤を更に含んでもよい。
【0126】
洗剤分野において通常理解されるように、キレート化は、本明細書において、二座配位子又は多座配位子の結合又は錯化を意味する。多くの場合有機化合物であるこれら配位子は、キーラント(キレート剤)、キレート化剤、キレート剤、及び/又は金属イオン封鎖剤と呼ばれる。キレート剤は、単一金属イオンと多重結合を形成する。キレート剤は、特定の金属イオンと可溶性錯体分子を形成する化学物質であり、これらのイオンを不活性化してこれらのイオンが他の構成成分又はイオンと正常に反応して沈殿物又はスケールを生成することができないようにするか、又は汚れを不安定化させてこれらの除去を促進する。配位子は、基質とキレート錯体を形成する。この用語は、金属イオンがキレート剤の2つ以上の原子と結合する錯体のためのものである。
【0127】
好適なキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0128】
アミノカルボキシレートには、エチレンジアミンテトラ−アセテート、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリアセテート、ニトリロ−トリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、及びエタノールジグリシン、アルカリ金属、アンモニウム、及びそれらの置換アンモニウム塩、並びにそれらの混合物と、MGDA(メチル−グリシン−二酢酸)並びにその塩及び誘導体と、GLDA(グルタミン酸−N、N−二酢酸)並びにその塩及び誘導体とが含まれる。GLDA(それらの塩及び誘導体)は特に、本発明に従って好ましく、それらの四ナトリウム塩が特に好ましい。
【0129】
他の好適なキレート剤には、アミノ酸系化合物又はコハク酸塩系化合物が挙げられる。用語「コハク酸塩系化合物」及び「コハク酸系化合物」は、本明細書において互換的に使用される。他の好適なキレート剤は、米国特許第6,426,229号に記載されている。特定の好適なキレート剤としては、例えば、アスパラギン酸−N−一酢酸(ASMA)、アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸−N−モノプロピオン酸(ASMP)、イミノジコハク酸(IDS)、イミノ二酢酸(IDA)N−(2−スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS)、N−(2−スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N−(2−スルホメチル)グルタミン酸(SMGL)、N−(2−スルホエチル)グルタミン酸(SEGL)、N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)、アラニン−N,N−二酢酸(ALDA)、セリン−N,N−二酢酸(SEDA)、イソセリン−N,N−二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン−N,N−二酢酸(PHDA)、アントラニル酸−N,N−二酢酸(ANDA)、スルファニル酸−N,N−二酢酸(SLDA)、タウリン−N,N−二酢酸(TUDA)、及びスルホメチル−N,N−二酢酸(SMDA)、並びにこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。エチレンジアミンジコハク酸(「EDDS」)、特に米国特許第4,704,233号に記載のような[S,S]−異性体も好適である。更に、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸、イミノジコハク酸ヒドロキシ、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸も好適である。
【0130】
他のキレート剤としては、ポリカルボン酸のホモポリマー及びコポリマー、並びにそれらの部分的又は完全に中和された塩、モノマー性ポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸、並びにそれらの塩が挙げられる。上述の化合物の好ましい塩は、アンモニウム塩及び/又はアルカリ金属塩、すなわち、リチウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩であり、特に好ましい塩は、ナトリウム塩である。
【0131】
好適なポリカルボン酸は、非環式、脂環式、複素環式、及び芳香族カルボン酸であり、いずれの場合にも、それらは少なくとも2つのカルボキシル基を含有し、これらのカルボキシル基は、それぞれの場合に、好ましくは2個以下の炭素原子によって互いに隔てられる。2つのカルボキシル基を含むポリカルボキシレートとしては、例えば、マロン酸、(エチレンジオキシ)二酢酸、マレイン酸、ジグリコール酸、酒石酸、タルトロン酸、及びフマル酸の水溶性塩が挙げられる。3つのカルボキシル基を含有するポリカルボキシレートには、例えば、水溶性クエン酸が挙げられる。同様に、好適なヒドロキシカルボン酸は、例えばクエン酸である。別の好適なポリカルボン酸は、アクリル酸のホモポリマーである。スルホネート末端封鎖ポリカルボキシレートが好ましい。
【0132】
アミノホスホネートも、キレート剤としての使用に好適であり、DEQUESTのようなエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)が挙げられる。約6個を超える炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル基を含有しないこれらのアミノホスホネートが好ましい。
【0133】
米国特許第3,812,044号に記載されるような、多官能置換された芳香族キレート化剤もまた、本明細書の組成物に有用である。この種の好ましい化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼン等のジヒドロキシジスルホベンゼンである。
【0134】
本明細書における使用に更に好適なポリカルボキシレートキレート剤としては、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸、ギ酸が挙げられ、全て好ましくは水溶性塩の形態である。他の好適なポリカルボキシレートは、オキソジスクシネート、カルボキシメチルオキシコハク酸、及び米国特許第4,663,071号に記載されているようなタータラートモノコハク酸とタータラートジコハク酸の混合物である。
【0135】
本発明での使用に最も好ましいカルボキシレートは、MGDA、GLDA、クエン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0136】
防腐剤
本発明の組成物は、好ましくは防腐剤を含む。防腐剤は、微生物の増殖によってか、又は望ましくない化学変化による分解を防ぐために洗剤組成物に添加される、天然に存在するか、又は合成的に生成された物質である。防腐剤は、それらの発生源に応じて2つの種類に分けることができる。クラスI防腐剤は、天然に存在するありふれた物質である防腐剤を指す。クラスII防腐剤は、合成的に製造された防腐剤を指す。液体洗剤組成物での使用に最も好ましい防腐剤には、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、オクチルイソチアゾリノン、1、2−ベンズイソチアゾリノン、及びこれらの混合物を含む、イソチアゾリノンの誘導体が含まれる。典型的に使用される防腐剤の他の非限定的な例は、フェノキシエタノール、メチルパラベン及びプロピルパラベン等のパラベン誘導体、イミダゾール誘導体、並びにグルタルアルデヒドを含むアルデヒドである。
【0137】
本明細書の洗剤組成物は、ビルダー、コンディショニングポリマー、清浄用ポリマー、表面改質ポリマー、汚れ凝集ポリマー、構造化剤、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚若返り作用薬、酵素、カルボン酸、スクラビング粒子、漂白剤及び漂白剤活性剤、香料、悪臭制御剤、顔料、染料、乳白剤、ビーズ、真珠光沢粒子、マイクロカプセル、抗細菌薬、酵素及びpH調整剤及び緩衝手段、若しくは水、或いは配合物と互換的な任意の他の希釈剤又は溶媒等の多くの任意の成分を含んでもよい。
【0138】
洗浄方法
本発明の第2の態様は、本発明の組成物で食器類を洗浄する方法に対する。前記方法は、好ましくは液体の形態の本組成物を、希釈された形態若しくは非希釈形態のいずれかで食器類の表面上に適用する工程と、本組成物をすすぐ工程又は表面をすすがずに組成物を表面に残したまま乾燥させる工程と、を含む。
【0139】
「その非希釈形態で」とは、本明細書において、前記組成物が、流し台一杯の水で希釈されていないことを意味する。本組成物は、適用前(直前)に、目立った希釈をせずに、処理される表面上及び/或いは清浄デバイス又はふきん、スポンジ、若しくは食器ブラシ等の用具上に、直接適用される。清浄デバイス又は用具は、好ましくは、組成物がそれに供給される前か、又は供給された後に湿る。特に良好な脂除去は、組成物が非希釈形態で使用されたときに見出されている。「希釈形態」とは、本明細書において、前記組成物が、適切な溶媒、典型的には水を使用して、使用者によって希釈されることを意味する。「すすぐ」とは、本明細書において、前記食器類上に本明細書の液体組成物を適用する工程の後に、本発明に従うプロセスを使用して清浄された食器類を大量の適切な溶媒、典型的には水と接触させることを意味する。「大量」とは、通常、約1〜約10リットルを意味する。
【0140】
本明細書の組成物は、その希釈された形態で適用されてもよい。汚れた食器類を、有効量、典型的には(処理される約25枚の食器当たり)約0.5ml〜約20ml、好ましくは約3ml〜約10mlの、好ましくは液体の形態の水で希釈された本発明の洗剤組成物と接触させる。使用される洗剤組成物の実際の量は、使用者の判断に基づくものであり、組成物中の活性成分の濃度、清浄される汚れた食器類の数、食器類上の汚れの程度などを含む、組成物の特定の生成物の配合等の要因に依存する。一般に、約0.01ml〜約150ml、好ましくは約3ml〜約40mlの本発明の液体洗剤組成物が、約1000ml〜約20000ml、より典型的には約5000ml〜約15000mlの範囲の容積容量を有する流し台の中で、約2000ml〜約20000ml、より典型的には約5000ml〜約15000mlの水と合わせられる。汚れた食器類を、結果として得られた希釈された組成物を収容する流し台の中で浸漬させ、そこで食器の汚れた表面を、ふきん、スポンジ、又は食器を清浄する同様の物品と接触させる。ふきん、スポンジ、又は同様の物品は、洗剤組成物と水との混合物中に浸漬させた後で、食器の表面と接触させてもよく、典型的には約1〜約10秒にわたる時間、食器の表面と接触するが、実際の時間は、用途及び使用者によって異なる。ふきん、スポンジ、又は同様の物品を食器の表面と接触させることは、好ましくは食器表面を同時に擦ることを伴う。
【0141】
本発明の別の方法は、液体食器洗い洗剤なしで水浴中に汚れた食器類を浸漬するか、又は流水下に保持することを含む。スポンジ等の液体食器洗い洗剤を吸収するためのデバイスは、ある時間、典型的には約1〜約5秒にわたり、別の量の非希釈の液体の中に直接入れられる。次いで、吸収デバイス、ひいては非希釈の液体食器洗い組成物を、汚れた食器類の各々の表面と個別に接触させて、前記汚れを除去する。吸収デバイスを、典型的には約1〜約10秒にわたる時間各食器の表面と接触させるが、適用の実際の時間は、食器の汚れの程度等の要因に依存する。吸収道具を食器表面と接触させることは、好ましくは、同時に擦ることを伴う。
【0142】
或いは、デバイスを、食器手洗い組成物と水との混合物に浸漬した後に、食器の表面と接触させてもよく、濃縮溶液は、清浄デバイスを収容することができる小さな容器の中で、使用者の習慣及び清浄作業に応じて、それぞれ食器手洗い液体:水の、それぞれ約95:5〜約5:95、好ましくは約80:20〜約20:80、より好ましくは約70:30〜約30:70にわたる重量比で食器手洗い組成物を水で希釈することによって作製される。
【実施例】
【0143】
本発明に従うポリエーテルアミンを有する食器手洗い洗剤組成物及び本発明に従うポリエーテルアミンを有さない食器手洗い洗剤組成物の脂清浄性能を評価した。以下の結果から見ることができるように、本発明のポリエーテルアミンを含む組成物は、ポリエーテルアミンを有さない同じ組成物よりも大幅に優れた脂除去をもたらす。
【0144】
(実施例1)
以下の食器手洗い洗剤組成物を作製した。
【0145】
【表1】
【0146】
AES:アルキルエトキシサルフェート
PPG:ポリプロピレングリコール(分子量2000)
【0147】
試験されたポリエーテルアミン:
BEPPA 4.0:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4molのプロピレンオキシド、アミノ化
【0148】
【化13】
【0149】
1molの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4molのプロピレンオキシドの合成、アミノ化
a)1molの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4molのプロピレンオキシド
2lオートクレーブ中に、322.6gの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール及び7.9gのKOH(水中50%)を混合し、真空下で(1kPa未満(10ミリバール未満))2時間、120℃で撹拌した。オートクレーブを窒素でパージし、140℃に加熱した。467.8gのプロピレンオキシドを、6時間以内に少量ずつに分けて添加した。反応を完了させるために、混合物を更に5時間140℃でポスト反応させた。反応混合物を窒素で揮散し、揮発性化合物を真空下80℃で除去した。触媒カリウム水酸化物を、2.3gの合成ケイ酸マグネシウム(Macrosorb MP5plus,Ineos Silicas Ltd.)を添加し、100℃で2時間撹拌し濾過することによって除去した。黄色がかった油を得た(772.0g、ヒドロキシ値:248.5mgKOH/g)。
【0150】
b)1molの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4molのプロピレンオキシド、アミノ化
9lオートクレーブ中で、欧州特許第0696572B1号に記載される200mlの固形触媒の存在下、工程a)からの600gの結果として生じたジオール混合物、1250gのTHF、及び1500gのアンモニアを混合した。
【0151】
ニッケル、コバルト、銅、モリブデン、及びジルコニウムを含有する触媒は、3×3mmの表の形態であった。オートクレーブを水素でパージし、オートクレーブを加熱することにより反応を開始した。反応混合物を205℃で18時間撹拌し、全還元アミノ化工程中、水素をパージすることにより5つの全圧を27MPa(270バール)に維持した。オートクレーブを冷却した後、最終生成物を収集し、濾過し、過剰のアンモニアを放気し、ロータリーエバポレーター中で揮散して、軽質アミン及び水を除去した。合計560グラムの淡色のエーテルアミン混合物を回収した。その分析結果を以下の表に示す。
【0152】
【表2】
【0153】
BEPPA 5.6:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6molのプロピレンオキシド、アミノ化
1molの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6molのプロピレンオキシドの合成、アミノ化
a)1molの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6molのプロピレンオキシド
2lオートクレーブ中で、313.1gの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール及び3.8g KOH(水中50%)を混合し、真空下(1kPa未満(10ミリバール未満))で、2時間120℃で撹拌した。オートクレーブを窒素でパージし、140℃に加熱した。635.6gのプロピレンオキシドを6時間以内に少量ずつに分けて添加した。反応を完了させるために、混合物を更に5時間140℃でポスト反応させた。反応混合物を窒素で揮散し、揮発性化合物を真空下80℃で除去した。触媒を、50.9gの水及び8.2gのリン酸(水中40%)を添加し、100℃で0.5時間撹拌し、真空中で2時間脱水することによって除去した。濾過後、930.0gの軽質の黄色がかった油を得た(ヒドロキシ値:190mgKOH/g)。
【0154】
b)1molの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6molのプロピレンオキシド、アミノ化
工程a)の生成物(1molの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6モルの5プロピレンオキシド)のアミノ化を、15mlのシリカ(3×3mmペレット)と、続いて70mL(74g)の触媒前駆物質(ガマ−Al2O3上にニッケル、コバルト、銅、及びスズの酸化物を含有、1.0〜1.6mmの分割−国際公開第2013/072289 A1号に従って作製)で満たし、シリカ(約15mL)を充填した管状反応器(長さ500mm、直径18mm)中で行った。
【0155】
触媒を、大気圧で、25Nl/hの窒素で100℃に加熱し、次いで150℃で3時間加熱し、この時に水素供給を2から25Nl/hに上昇させ、次いで1時間当たり60℃の加熱速度で280℃に加熱し、280℃で12時間維持することによって活性化させた。
【0156】
反応器を100℃に冷却し、窒素流を止め、圧力を12MPa(120バール)に上昇させた。触媒を、温度が206℃に上昇する前に、100℃でアンモニアを用いてフラッシュし、アルコール供給を0.19kg/リットル*hのWHSVで開始した(アンモニア/アルコールのモル比=55:1、水素/アルコール=11.6:1)。粗材料を収集し、ロータリーエバポレーター上で揮散させ、過剰のアンモニア、軽量アミン、及び反応水を除去して、(1molの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6モルのプロピレンオキシド、アミノ化)を得た。反応生成物の分析データを以下の表に示す。
【0157】
【表3】
【0158】
本組成物の脂清浄性能を、脂と接触させて組成物の洗浄溶液の濁度を測定することにより評価した。
【0159】
方法
脂(牛脂)を加熱することにより液化し、少量を小さなガラスバイアル瓶の中に入れ、4℃で少なくとも24時間放置する。試験の前日、脂が入ったバイアル瓶を21℃で置いて均衡化する。表1に示される食器手洗い洗剤組成物の5%の洗浄溶液(水硬度:14dH)を、脂を含むバイアル瓶に添加する。洗浄溶液の濁度/吸光度を、25℃で小さなオーバーヘッドスターラーを介して、緩やかな撹拌条件下で、経時的に測定する。清浄指数を、ポリエーテルアミンを含有しない組成物に関して計算する:(ポリエーテルアミンを有する試験溶液の吸光度/ポリエーテルアミンを含まない基準溶液の吸光度)*100。清浄指数が高ければ高いほど、ポリエーテルアミンの脂清浄性能がより優れている。
【0160】
【表4】
【0161】
(実施例2)
以下の食器手洗い洗剤組成物を作製した。
【0162】
【表5】
【0163】
PEI:アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマー
【0164】
方法
脂(牛脂)を加熱することにより液化し、脂で覆われた棒が得られるように、パラフィンワックスでコーティングされたポリスチレンの棒を液体脂にさっと浸す。脂で覆われた棒を4Cで最低24時間保管する。組成物の脂清浄性能を測定するために、脂で覆われた棒を、本組成物の10%の洗浄溶液(水硬度:14dH)を含む僅かに動いている/旋回しているマイクロプレート上に配置する。脂で覆われた棒をマイクロプレートの壁又は底部と接触させることなく試験溶液中にさっと浸し、洗浄時間の間、旋回している試験溶液中に保持する。洗浄温度は30Cである。試験溶液の濁度を、試験溶液の吸光度の測定を介して定量化し、測定された吸光度から清浄指数を計算する:(ポリエーテルアミンを有する試験溶液の吸光度/ポリエーテルアミンを有さない基準溶液の吸光度)*100。清浄指数が高ければ高いほど、ポリエーテルアミンの脂清浄性能がより優れている。
【0165】
【表6】
【0166】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。