(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
半導体基板、前記半導体基板上に設けられた第1絶縁膜、および、前記半導体基板上に前記第1絶縁膜を介して形成された半導体層を含む基板上に行列状に並ぶ複数のメモリセルを有し、
前記複数のメモリセルのそれぞれは、
前記半導体層の上面上に第2絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、
前記第1ゲート電極の側壁に、電荷蓄積部を含む第3絶縁膜を介して隣接し、前記半導体層の前記上面上に前記第3絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、
前記第1ゲート電極と隣接する前記半導体層の前記上面に形成されたドレイン領域と、
前記第2ゲート電極と隣接する前記半導体層の前記上面に形成されたソース領域と、
を備え、
消去動作を行う際、前記複数のメモリセルのうち、消去を行わない第1メモリセルでは、前記ドレイン領域および前記ソース領域に電圧を印加せず、前記第2ゲート電極に正電圧を印加し、
前記消去動作を行う際、前記第1メモリセルの前記第2ゲート電極の直下の前記半導体層の前記上面には、前記第2ゲート電極に印加された前記正電圧により誘起電圧領域が生じる、半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0016】
(実施の形態1)
<半導体装置の構造について>
以下に、
図1〜
図9を用いて、本実施の形態の半導体装置の構造を説明する。本実施の形態の半導体装置は、フィン型トランジスタからなるスプリットゲート型のMONOSメモリにおいて、ビット毎に情報の消去を行うことを可能とし、これによりEEPROMのメモリアレイ(メモリセルアレイ)構造をもつ半導体装置の記憶容量の増大および微細化などを実現するものである。
【0017】
図1および
図5は、本実施の形態の半導体装置である不揮発性メモリを構成するメモリアレイを示す等価回路図である。
図2、
図6および
図8は、本実施の形態の半導体装置を構成するメモリセルを示す斜視図である。
図3、
図4、
図7および
図9は、本実施の形態の半導体装置を構成するメモリセルを示す断面図である。なお、
図1および
図5では、個々のメモリセル(ビット)を破線で囲んでいる。
図2〜
図4および
図6〜
図9では、メモリセル上に形成された層間絶縁膜、コンタクトプラグ、シリサイド層および配線層などの図示を省略している。また、
図6および
図8に示す斜視図では、メモリセルおよびフィンの一部を破断して示している。
【0018】
まず、本実施の形態の複数のメモリセルを備えたメモリアレイの等価回路を
図1に示す。ここでは、アレイ状に並ぶ16ビットのメモリセルを示している。すなわち、
図1には16のメモリセルMC1〜MC16を示している。このようにメモリセルの配置を繰り返すことで、メモリアレイが構成される。当該メモリアレイでは、メモリセル(MC1、MC2等)が16個配置され、列方向に延在するビット線(ドレイン線)BL0、BL1、BL2およびBL3が配置されている。また、当該メモリアレイでは、ビット線BL0〜BL3に対して交差する方向(行方向)に延在する制御ゲート線CGL0、CGL1、CGL2、CGL3、メモリゲート線MGL0、MGL1、MGL2、MGL3、ソース線SL0およびSL1が配置されている。
【0019】
ビット線BL0〜BL3、メモリゲート線MGL0〜MGL3、ソース線SL0、SL1および制御ゲート線CGL0〜CGL3は、それぞれメモリセルMC1〜MC16の上に形成された金属配線(信号線)からなる。
【0020】
なお、本願でいう行方向とは、メモリアレイ内において行列状に並ぶ複数のメモリセルのうち、1行に並ぶメモリセル(例えばメモリセルMC1〜MC4)の並ぶ方向を指す。また、本願でいう列方向とは、行方向に対して直交する方向であって、メモリアレイ内において行列状に並ぶ複数のメモリセルのうち、1列に並ぶメモリセル(例えばメモリセルMC1、MC5、MC9およびMC13)の並ぶ方向を指す。
【0021】
図1において破線に囲まれた1つのメモリセルは、
図2および
図3に示す構造を有している。
図3は、
図2に示す破線に沿う箇所の断面図である。つまり、
図3は
図2示すフィンFIの延在方向(x方向)に沿い、当該フィンFIを含む断面図である。
【0022】
図2に示すように、半導体基板SBの上面には複数の溝が形成されており、隣り合う溝同士の間には、半導体基板SBの一部であるフィンFIが形成されている。半導体基板SBは、例えば単結晶シリコンからなる。フィンFIは、上記溝の底面から上方に突出する板状(壁状)のパターン(突出部)であり、半導体基板SBの主面に沿うx方向に延在している。ここで、半導体基板の主面に沿う方向であって、x方向に対して直交するy方向におけるフィンFIの厚さは、例えば20nmであり、x方向におけるフィンFIの幅に比べて非常に小さい。
【0023】
上記複数の溝内には、それらの溝の底面からフィンFIの側壁の途中の高さまでを埋め込む素子分離領域EIが形成されている。素子分離領域EIは、例えば酸化シリコン膜からなり、フィンFIの側壁のうち、下方の一部を覆っている。つまり、フィンFIの上面を含むフィンFIの一部は、素子分離領域EI上において、素子分離領域EIから露出している。言い換えれば、フィンFIの一部であるフィンFIの上部は、素子分離領域EIの上面よりも上方に突出している。素子分離領域EIの上面とフィンFIの上面との高さの差は、例えばフィンFIのy方向における上記厚さの2倍程度である。例えば、素子分離領域EIの上面とフィンFIの上面との高さの差は40nmである。
【0024】
素子分離領域EI上およびフィンFI上には、ゲート絶縁膜GFを介して制御ゲート電極CGが形成されている。制御ゲート電極CGは、y方向に延在する導体膜からなり、ゲート絶縁膜GFを介して、素子分離領域EIの上面並びにフィンFIの側壁および上面を覆っている。また、制御ゲート電極CGのx方向における一方の側壁には、ONO膜ONを介してメモリゲート電極MGが形成されている。すなわち、素子分離領域EI上およびフィンFI上には、ONO膜ONを介してメモリゲート電極MGが形成されている。メモリゲート電極MGは、y方向に延在する導体膜からなり、ONO膜ONを介して、素子分離領域EIの上面並びにフィンFIの側壁および上面を覆っている。つまり、メモリゲート電極MGは、y方向においてフィンFIを挟んでいる。
【0025】
制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの上面は平坦化されている。ONO膜ONは、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの間の領域から、メモリゲート電極MGおよびフィンFIの間の領域に亘って、連続的に形成されている。よって、
図3に示すように、ONO膜ONはL字型の断面形状を有している。
【0026】
制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、例えばポリシリコン膜からなる。また、ゲート絶縁膜GFは例えば酸化シリコン膜からなる。ONO膜ONは、半導体基板の主面(フィンFIの上面)側、フィンFIの側壁側、制御ゲート電極CGの側壁側および素子分離領域EIの上面側から順に積層された酸化シリコン膜(ボトム酸化膜)OX1、窒化シリコン膜(電荷蓄積膜)NTおよび酸化シリコン膜(トップ酸化膜)OX2を含む積層膜である。x方向において制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGはONO膜ONを介して隣接して並んでいる。制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGからなるパターンは素子分離領域EIの上面上のフィンFIの一部に跨がっており、フィンFIの他の一部は、当該パターンのx方向における横の領域に露出している。
【0027】
図2では図示を省略しているが、
図3に示すように、x方向における上記パターンの横のフィンFIの上面には、ソース・ドレイン領域が形成されている。すなわち、上記パターンの横の領域であって、メモリゲート電極MG側のフィンFIの上面には、ソース領域SRが形成されている。また、上記パターンの横の領域であって、制御ゲート電極CG側のフィンFIの上面には、ドレイン領域DRが形成されている。また、
図2では図示を省略しているが、
図3に示すように、フィンFIの上面には、ソース領域SRおよびドレイン領域DRよりも形成深さが深いウェルWLが形成されている。
【0028】
当該ウェルWLはp型の半導体領域であり、ソース領域SRおよびドレイン領域DRは、n型の半導体領域である。ソース領域SRおよびドレイン領域DRのそれぞれは、n型不純物の濃度が小さいエクステンション領域と、n型不純物の濃度がエクステンション領域よりも高い拡散領域とを有しているが、ここではそれらの領域を図において区別せず、1つの半導体領域として示す。なお、エクステンション領域は形成されていなくてもよい。p型のウェルWLに導入されているp型不純物は例えばB(ホウ素)であり、ソース領域SRおよびドレイン領域DRのそれぞれに導入されているn型不純物は例えばP(リン)またはAs(ヒ素)である。
【0029】
ここで、ソース領域SR、ドレイン領域DRおよび制御ゲート電極CGは、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)構造を有する制御トランジスタを構成している。また、ソース領域SR、ドレイン領域DRおよびメモリゲート電極MGは、MISFET構造を有するメモリトランジスタを構成している。すなわち、フィンFIの上面のうち、ソース領域SRおよびドレイン領域DRに挟まれた領域は、制御トランジスタおよびメモリトランジスタが動作する際にチャネルが形成されるチャネル領域である。また、制御トランジスタおよびメモリトランジスタは、ソース領域SRおよびドレイン領域DRを共有している。制御トランジスタおよびメモリトランジスタは、フィンFI上に形成されたフィン型の電界効果トランジスタ(FINFET)である。
【0030】
制御トランジスタおよびメモリトランジスタにより、スプリットゲート型のMONOSメモリのメモリセルMCが構成されている。メモリセルMCは、ソース領域SR、ドレイン領域DR、ONO膜ON、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGを有している。
図1に示すメモリセルMC1〜MC16は、
図2および
図3に示すメモリセルMCと同様の構造を有する。すなわち、
図1に示すメモリセルMC1〜MC16のそれぞれは、制御トランジスタCGTおよびメモリトランジスタMGTを備えている。
【0031】
図1および
図3に示すように、制御ゲート電極CGには、制御ゲート線CGL0、CGL1、CGL2またはCGL3が接続されている。メモリゲート電極MGには、メモリゲート線MGL0、MGL1、MGL2またはMGL3が接続されている。ドレイン領域DRには、ビット線(ドレイン線)BL0、BL1、BL2またはBL3が接続されている。ソース領域SRには、ソース線SL0またはSL1が接続されている。また、
図3に示すウェルWLにも電位が供給される。
【0032】
<メモリセルの書込み動作について>
本実施の形態のメモリセルは、MISFET構造を有し、当該MISFETのゲート絶縁膜内の電荷蓄積膜(トラップ性絶縁膜)での電荷蓄積状態を記憶情報とし、それをトランジスタのしきい値として読出すものである。トラップ性絶縁膜とは、電荷の蓄積可能な絶縁膜をいい、一例として、窒化シリコン膜などが挙げられる。このような電荷蓄積領域への電荷の注入・放出によってMISFETのしきい値をシフトさせ記憶素子として動作させる。トラップ性絶縁膜を用いた不揮発性半導体記憶装置としては、本実施の形態のメモリセルのように、スプリットゲート型のMONOSメモリがある。本願では、メモリトランジスタのONO膜ON中の電荷蓄積部である窒化シリコン膜NTへの電子の注入を「書込み」、ホール(hole:正孔)の注入を「消去」と定義する。
【0033】
以下に、
図4を用いて、本実施の形態のメモリセルの書込み動作について説明する。
図4は、
図3と同じ位置におけるメモリセルの断面図である。ここでいう選択メモリセルとは、「書込み」、「消去」または「読出し」を行う対象として選択されたメモリセルをいう。
【0034】
書込み方式は、いわゆるSSI(Source Side Injection:ソースサイド注入)方式と呼ばれる、ソースサイド注入によるホットエレクトロン注入で書込みを行う書込み方式(ホットエレクトロン注入書込み方式)と、いわゆるFN方式と呼ばれるFN(Fowler Nordheim)トンネリングにより書込みを行う書込み方式(トンネリング書込み方式)とがある。本願では、SSI方式による書込みを行う場合について説明するが、書込み方式はFN方式を用いてもよい。
【0035】
ここでは、制御ゲート線CGL0、CGL1、CGL2またはCGL3(
図1参照)を通じて制御ゲート電極CGに印加される電圧をVcgとする。また、メモリゲート線MGL0、MGL1、MGL2またはMGL3(
図1参照)を通じてメモリゲート電極MGに印加される電圧をVmgとする。また、ビット線BL0、BL1、BL2またはBL3(
図1参照)を通じてドレイン領域DRに印加される電圧をVdとする。また、ソース線SL0またはSL1(
図1参照)を通じてソース領域SRに印加される電圧をVsとする。また、ウェルWL(半導体基板SB)に印加される電圧をVbとする。
【0036】
SSI方式の書込み動作において、情報(データ)の書込みを行う選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、例えば
図4に示すように、Vmg=9V、Vs=4.5V、Vcg=1V、Vd=0.2V、Vb=0Vとする。これにより、メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGの間の下のチャネル領域でホットエレクトロンが発生し、メモリゲート電極MGの下のONO膜ON中の電荷蓄積部である窒化シリコン膜NTにホットエレクトロンが注入される。注入されたホットエレクトロン(電子)は、ONO膜ONを構成する窒化シリコン膜NT中のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が上昇する。すなわち、メモリトランジスタは書込み状態となる。
【0037】
これに対し、情報(データ)の書込みを行わない非選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、例えば、Vmg=9V、Vs=4.5V、Vcg=0V、Vd=1.3V、Vb=0Vとする。つまり、書込みを行うために選択されたトランジスタとは、制御ゲート電極CGおよびドレイン領域DRに印加する電圧が異なる。当該書込み動作では、電圧Vcgが1Vであって、かつ、電圧Vdが0.2VのメモリセルMCでのみ書込みが行われ、電圧Vcgが0Vであるか、または電圧Vdが1.3VであるメモリセルMCでは書込みが行われない。
【0038】
このとき、電圧Vcgを供給する制御ゲート線CGL0〜CGL3と、電圧Vdを供給するビット線BL0〜BL3とは、互いに交差するため、メモリセルアレイのうちの特定のメモリセルを選択して書込みを行うことができる。つまり、ビット単位での書込みが可能である。
【0039】
<メモリセルの消去動作について>
次に、
図5〜
図9を用いて、本実施の形態のメモリセルの消去動作について説明する。消去方法は、いわゆるBTBT方式と呼ばれるBTBT(Band-To-Band Tunneling:バンド間トンネル現象)によるホットホール注入により消去を行う消去方式(ホットホール注入消去方式)と、いわゆるFN方式と呼ばれるFN(Fowler Nordheim)トンネリングにより消去を行う消去方式(トンネリング消去方式)とがある。本実施の形態ではBTBT方式を用いず、FN方式により消去を行う。
【0040】
なお、消去動作において選択メモリセルの各部位に印加する電圧は1通りのパターンしかないが、非選択メモリセルの各部位に印加する電圧のパターンは3通りある。すなわち、非選択メモリセルの電圧印加パターンは、消去を行う選択メモリセルと同じ行に配置された非選択メモリセルと、選択メモリセルと同じ列に配置された非選択メモリセルと、選択メモリセルと異なる行に配置され、かつ、選択メモリセルと異なる列に配置された非選択メモリセルとで異なる。
【0041】
図5は、半導体装置である不揮発性メモリを構成するメモリアレイを示す等価回路図である。
図5に示す等価回路図の構成は
図1に示すものと同一であり、
図5では、消去動作時に各信号線に印加される電圧の例を示している。なお、図に示すOpenとは、素子の所定の部位(端子)にいずれの電位も印加されておらず、開放(フローティング)状態にあることを意味する。例えば、ビット線などの信号線と、当該信号線に電圧を供給する装置との間にトランジスタが直列に接続されている場合に、当該トランジスタがオフ状態であれば、当該信号線は電圧が印加されていない開放状態となる。
【0042】
図7は、
図6のメモリゲート電極MGを含み、y方向およびz方向に沿う断面であって、フィンFIと、フィンFIを囲むメモリゲート電極MGとを主に含む断面を示す図である。
図9は、
図8のメモリゲート電極MGを含み、y方向およびz方向に沿う断面であって、フィンFIと、フィンFIを囲むメモリゲート電極MGとを主に含む断面を示す図である。
【0043】
図6および
図8の斜視図では、y方向のフィンFIの厚さの中心部分におけるフィンFIの断面を示している。
図6および
図8ではソース・ドレイン領域の図示を省略し、一部の素子分離領域EIの図示を省略している。
図6および
図9では、ウェルの図示を省略している。
図6および
図7では、当該断面において、ドレイン領域DRに印加された電位の拡がりを電圧印加領域VAとして示し、
図8および
図9では、当該断面において、誘起により生じた電位の拡がりを誘起電圧領域IVとして示す。
【0044】
図6では、選択メモリセルであるメモリセルMC1を示し、
図8では、非選択メモリセルであるメモリセルMC2を示す。なお、
図8に示すメモリセルMC2は、選択されたメモリセルMC1と同じ制御ゲート線CGL0、メモリゲート線MGL0およびソース線SL0に接続された非選択メモリセルである。つまり、
図8に示すメモリセルMC2は、選択されたメモリセルMC1と同じ行において並ぶ非選択メモリセルである。なお、選択メモリセルとは異なる行に位置する非選択メモリセル、つまり、選択メモリセルと異なる制御ゲート線およびメモリゲート線に接続された非選択メモリセルの斜視図および断面図およびは示さない。
【0045】
情報(データ)の消去を行う選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、例えば
図5、
図6および
図7に示すように、Vmg=14V、Vs=Open、Vcg=1.2V、Vd=0V、Vb=0Vとする。つまり、メモリゲート電極MGに例えば10〜16V程度の電圧(ここでは例えば14Vとする)を印加し、ドレイン領域DRには0Vを印加し、ソース領域SRは電圧を印加しない開放状態とする。
【0046】
この場合、ドレイン領域DRに0Vが印加されることで、フィンFI中のドレイン領域DR(
図7に図示しない)の近傍には、0Vの電圧印加領域VAが拡がる。つまり電圧印加領域VAは電位が0Vの領域である。電圧印加領域VAは、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれに印加された正電圧に引き込まれ、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの直下まで延伸する。つまり、メモリゲート電極MGの直下のチャネル領域の電位は0Vである。また、
図7に示すように、フィンFIの上面のみならず、メモリゲート電極MGにより覆われたフィンFIの側壁にも電圧印加領域VAが拡がり、フィンFIの側壁の電位は0Vとなる。
【0047】
これにより、メモリゲート電極MGとフィンFIの表面(チャネル領域)との間の電位差は10〜16V(例えば14V)という大きな値となる。この電位差により、選択メモリセルにおいて、メモリゲート電極MG中からホールをトンネリングさせ、ONO膜ON中の窒化シリコン膜NTに当該ホールを注入し、これにより消去を行う。この際、ホールはメモリゲート電極MGからFNトンネリング(FNトンネル効果)により酸化シリコン膜OX2をトンネリングしてONO膜ON中に注入され、ONO膜ONを構成する窒化シリコン膜NT中のトラップ準位に捕獲される。その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が低下する。すなわち、メモリトランジスタは消去状態となる。
【0048】
また、情報(データ)の消去を行わない非選択メモリセルであって、上記選択メモリセルと同じ制御ゲート線、メモリゲート線およびソース線に接続された非選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、
図5、
図8および
図9に示すように、例えば、Vmg=14V、Vs=Open、Vcg=1.2V、Vd=Open、Vb=0Vとする。つまり、選択メモリセルとの違いは、ドレイン領域DRに0Vを印加せず、電圧を印加しない開放状態とする点のみにある。
【0049】
当該非選択メモリセルは、ドレイン領域DRに電圧が印加されないため、フィンFIのドレイン領域側に電圧印加領域VA(
図6参照)は形成されない。したがって、0Vの電圧印加領域VAが制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの電位に引き込まれてメモリゲート電極MGの直下のフィンFI内に拡がることはない。このため、
図8および
図9に示すように、ONO膜ONを介してフィンFIと隣接するメモリゲート電極MGの電圧により、フィンFI中に電圧が誘起され、誘起電圧領域IVが形成される。つまり、メモリゲート電極MGとのカップリングにより誘起電圧領域IVが生じ、フィンFI中において、誘起電圧領域IVではチャネルポテンシャルが浮いた状態となる。
【0050】
誘起電圧領域IVは、メモリゲート電極MGにONO膜ONを介して近接するフィンFI中に形成され、その電位はメモリゲート電極MGに印加された電圧の半分程度となる。つまり、誘起電圧領域IVの電位は例えば5〜8V程度であり、ここでは、誘起電圧領域IVの電位は例えば7Vである。
図9に示すように、メモリゲート電極MGはフィンFIの上面のみならずy方向における両側の側壁も覆っているため、当該上面のみならず、当該側壁にも誘起電圧領域IVが形成される。
【0051】
このような誘起電圧領域IVが生じる理由は、y方向における幅が小さいフィンFIをメモリゲート電極MGが囲み、メモリゲート電極MGの高電圧に誘起されてフィンFI中の上部の領域に電圧が誘起されること、および、そのような領域にはウェルWLに印加された電圧Vb(0V)は誘起電圧領域IVに届きにくいことにある。
【0052】
このとき、フィンFIとメモリゲート電極MGとの間の電位差は7V程度であり、
図6および
図7を用いて説明した選択メモリセルにおけるフィンFIとメモリゲート電極MGとの間の電位差(例えば14V)に比べ、半分程度の大きさしかない。この場合、メモリゲート電極MGに印加される電圧(例えば14V)と、チャネル領域の電圧(例えば7V)との間の電位差が小さいため、トラップ絶縁膜である窒化シリコン膜NTには十分な電界がかからず、メモリゲート電極MG中のホールはONO膜ON中に注入されない。つまり、当該非選択メモリセルでは消去は行われず、ONO膜ON中にトラップされた電荷(データ)は維持される。
【0053】
また、選択メモリセルとは異なる行に位置し、選択メモリセルと同じ列に位置する非選択メモリセル、つまり、選択メモリセルと異なる制御ゲート線およびメモリゲート線に接続され、選択メモリセルと同じビット線に接続された非選択メモリセル(例えば
図5に示すメモリセルMC5、MC9およびMC13)の各部位に対して印加する電圧は、次の通りである。つまり、当該非選択メモリセルの各部位に印加する電圧は、例えば、Vmg=0V、Vs=Open、Vcg=0V、Vd=0V、Vb=0Vとする。
【0054】
この場合、メモリゲート電極に印加される電圧(Vmg=0V)と、チャネル領域の電圧(例えば0V)との間の電位差は殆どないため、メモリゲート電極中のホールはONO膜中に注入されない。つまり、当該非選択メモリセルでは消去は行われず、ONO膜中にトラップされた電荷(情報)は維持される。
【0055】
また、選択メモリセルとは異なる行に位置し、選択メモリセルと異なる列に位置する非選択メモリセル、つまり、選択メモリセルと異なる制御ゲート線、メモリゲート線およびビット線に接続された非選択メモリセル(例えば、
図5に示すメモリセルMC6〜MC8、MC10〜MC12およびMC14〜MC16)の各部位に対して印加する電圧は、次の通りである。つまり、当該非選択メモリセルの各部位に印加する電圧は、例えば、Vmg=0V、Vs=Open、Vcg=0V、Vd=Open、Vb=0Vとする。
【0056】
この場合、メモリゲート電極に印加される電圧(Vmg=0V)と、チャネル領域の電圧(例えば0V)との間の電位差は殆どないため、メモリゲート電極中のホールはONO膜中に注入されない。つまり、当該非選択メモリセルでは消去は行われず、ONO膜中にトラップされた電荷(情報)は維持される。
【0057】
<メモリセルの読出し動作について>
読出し時において、読出しを行う選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、例えば、Vmg=0V、Vs=0V、Vcg=1.5V、Vd=1.5V、Vb=0Vとする。読出し時のメモリゲート電極MGに印加する電圧Vmgを、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と消去状態におけるしきい値電圧との間の値にすることで、書込み状態と消去状態とを判別することができる。
【0058】
以上に説明した書込み動作、消去動作および読出し動作では、選択メモリセルおよび非選択メモリセルのそれぞれのウェルWLに同じ電圧(Vb=0V)を印加しており、メモリセル毎に異なる電圧をウェルWLに印加する必要はない。
【0059】
<半導体装置の効果について>
以下に、本実施の形態の半導体装置の効果について、比較例の半導体装置を示す
図12〜
図14を用いて説明する。
図12〜
図14は、比較例の半導体装置を示す断面図であって、バルクシリコン基板上に形成されたメモリセルを含む断面図である。なお、ここでいうバルクシリコン基板とは、上述したフィンを有する基板ではなく、かつ、後述するSOI構造を有する基板でもない、平坦なシリコン基板を指す。バルクシリコン基板上のMISFETは、平坦な基板主面にソース・ドレイン領域およびチャネル領域を有し、当該チャネル領域上に絶縁膜を介してゲート電極を有する素子である。また、
図12および
図13では、メモリゲート電極を制御ゲート電極の側壁に隣接するサイドウォール状に形成した場合の構造を示す。
【0060】
スプリットゲート型のMONOSメモリを用いた不揮発性メモリでは、アレイ状に並べたメモリセルの1つ1つにおいて個別に書込み、消去動作を行うことができれば、データの最小単位(ビット)の記憶処理に必要な素子面積を低減することができる。つまり、メモリの記憶容量の増大および半導体チップの微細化を実現することができる。
【0061】
ここで、比較例として、バルクシリコン基板上に形成されたスプリットゲート型のMONOSメモリにおいて、BTBT方式を用いて消去動作を行う場合について、
図12を用いて説明する。
図12に示すように、バルクシリコン基板である半導体基板SBの主面上に形成されたメモリセルMCB1は、
図12に示す断面において、フィン上に形成されていない点を除き、
図3に示すメモリセルMCと同様の構造を有している。また、当該メモリセルMCB1を複数有するメモリアレイは、
図1に示すアレイと同様の回路構成を有している。
【0062】
BTBT方式の消去では、BTBTにより発生したホール(正孔)を電荷蓄積部(ONO膜ON中の窒化シリコン膜NT)に注入することにより消去を行う。BTBT方式により消去を行う選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、次の通りである。つまり、当該選択メモリセルの各部位に印加する電圧は、例えば、Vmg=−7V、Vs=7V、Vcg=0V、Vd=1.5V、Vb=0Vとする。このような電圧の印加を行うことで、BTBT現象によりホールを発生させ、ホールを電界加速することで、選択メモリセルのONO膜ONを構成する窒化シリコン膜NT中にホールを注入する。これにより、メモリトランジスタのしきい値電圧を低下させる。すなわち、メモリトランジスタは消去状態となる。
【0063】
ここで、BTBT方式により消去を行う際に所定のメモリセルを消去の対象として選択するか否かは、ソース領域SRに接続されたソース線に印加する電圧により決まる。なお、ソース線に電圧Vs=7Vを印加したとしても、メモリゲート電極MGに接続されたメモリゲート線に印加する電圧Vmgが例えば−7Vではなく例えば0Vであれば、当該メモリゲート線に接続されたメモリセルは選択されない。しかし、メモリゲート線およびソースゲート線は、互いに並行に配置された信号線であるため、消去動作を行う場合、所定のメモリゲート線およびソース線に接続された、1行に並ぶ複数のメモリセルの全てを選択しなければならない。
【0064】
つまり、例えば
図1のメモリセルMC1に記憶されたデータを消去しようとする際は、メモリセルMC1と、メモリセルMC1と同じくメモリゲート線MGL0およびソース線SL0に接続されたメモリセルMC2〜MC4とが選択され、それらの選択メモリセルのデータが消去される。したがって、メモリセル毎にデータを消去することはできない。
【0065】
続いて、比較例として、バルクシリコン基板上に形成されたスプリットゲート型のMONOSメモリにおいて、FN方式を用いて消去動作を行う場合について、
図13を用いて説明する。
図13に示すように、バルクシリコン基板である半導体基板SBの主面上に形成されたメモリセルMCB2は、
図13に示す断面において、フィン上に形成されていない点を除き、
図3に示すメモリセルMCと同様の構造を有している。また、当該メモリセルMCB2を複数有するメモリアレイは、
図1に示すアレイと同様の回路構成を有している。
【0066】
FN方式により消去を行う選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、次の通りである。つまり、当該選択メモリセルの各部位に印加する電圧は、例えば、Vmg=14V、Vs=Open、Vcg=1.2V、Vd=Open、Vb=0Vとする。このような電圧の印加を行った場合、ビット線およびソース線からは電圧が印加されないが、ウェルWLの電位(Vb=0V)がチャネル領域まで拡がるため、メモリゲート電極MGとチャネル領域との電位差は14V程度になる。したがって、このような大きい電位差により、メモリゲート電極MG中のホールは窒化シリコン膜NT中に注入される。これにより、メモリトランジスタのしきい値電圧を低下させる。すなわち、メモリトランジスタは消去状態となる。また、上記選択メモリセルの各部位に印加する電圧は、例えば、Vmg=14V、Vs=Open、Vcg=0V、Vd=Open、Vb=0Vであってもよい。
【0067】
なお、
図13に示す比較例の選択メモリセルにおける電圧の印加条件では、制御ゲート電極CGに0Vを印加しているのに対し、
図6を用いて説明した本実施の形態の消去動作では、選択メモリセルの制御ゲート電極CGに1.2Vを印加している点で異なる。しかし、制御ゲート電極CGに印加する電圧が0Vであるか1.2Vであるかはメモリセルが選択されるか否かに影響を与えるものではなく、
図6および
図13に示す選択メモリセルにおいて、制御ゲート電極CGに印加する電圧は0Vでも1.2Vでもどちらでもよい。
【0068】
したがって、
図13に示す比較例の選択メモリセルにおける電圧の印加条件は、
図6に示す比較例の選択メモリセルにおける電圧の印加条件とほぼ同様である。ここで、比較例において、FN方式により消去を行う際に所定のメモリセルを消去の対象として選択するか否かは、メモリゲート電極MGに接続されたメモリゲート線に印加する電圧により決まる。
【0069】
すなわち、メモリゲート線の信号と、メモリゲート線に交差する信号線の信号との組み合わせにより、消去を行うメモリセルを個別に選択することはできない。したがって、消去動作を行う場合、所定のメモリゲート線に接続された、1行に並ぶ複数のメモリセルの全てを選択しなければならない。
【0070】
つまり、例えば
図1のメモリセルMC1に記憶されたデータを消去しようとする際は、メモリセルMC1と、メモリセルMC1と同じくメモリゲート線MGL0に接続されたメモリセルMC2〜MC4とが選択され、それらの選択メモリセルのデータが消去される。したがって、メモリセル毎にデータを消去することはできない。
【0071】
なお、
図13に示す比較例では、選択メモリセルと同じメモリゲート線に接続された他のメモリセルを非選択とすることを目的として、当該他のメモリセルにおいて、ドレイン領域DRに高電圧を印加し、これによりメモリゲート電極MGとチャネル領域との間の電界を小さくすることが考えられる。しかし、この方法では制御ゲート電極CGとドレイン領域DRとの間の耐圧を高める必要があり、当該方法の実現は困難である。
【0072】
上記のように、バルクシリコン基板上のメモリセルにおいてBTBT方式またはFN方式で消去動作を行う場合、メモリセル単位でデータを消去することができず、例えば特定のソース線に沿って1行に並ぶ複数のメモリセルをデータの最小単位(ビット)として使用しなければならない。または、メモリアレイ内において、行方向に延在するソース線またはメモリゲート線などを複数の箇所で区切ることも考えられる。つまり、ソース線などの信号線を行方向において複数並べて配置し、それらのソース線を別々に制御することも可能である。すなわち、メモリアレイ内に設けられたブロックまたはセクターのそれぞれに含まれる複数のメモリセルの全てに対し一括で消去を行うことが考えられる。
【0073】
しかし、その場合にも、1行に並ぶメモリセルまたは行列状に並ぶ複数のメモリセルをデータの最小単位(ビット)として使用する必要がある。このため、EEPROMのメモリセルとして利用するためには、アレイを分割することで、1行に並ぶメモリセルの数を少なくするしかない。その場合、信号線が増大し、回路が複雑化するため、半導体装置の面積が増大する。したがって、上記比較例では、EEPROMのメモリアレイ(メモリセルアレイ)構造を構成するための半導体装置の面積当たりの記憶容量の増大および半導体チップの微細化が困難であるという問題がある。
【0074】
続いて、比較例として、バルクシリコン基板上に形成されたEEPROMのメモリセルにおいて消去動作を行う場合について、
図14を用いて説明する。
図14に示すように、バルクシリコン基板である半導体基板SBの主面上に形成されたメモリセルMCB3は、半導体基板SB上にONO膜ONを介して形成されたメモリゲート電極MGと、メモリゲート電極MGの横の半導体基板SBの主面に形成されたソース領域SRおよびドレイン領域DRとを有している。また、当該メモリセルMCB3を複数有するメモリアレイは、制御ゲート線および制御トランジスタを有しない点と、ビット線と同じく列方向に延在する信号線であって、各メモリセルのウェル電位の制御用信号線が配置されている点とを除いて、
図1に示すアレイと同様の回路構成を有している。なお、以下では
図14に示すメモリゲート電極MGに印加する電圧をVmgとして説明する。
【0075】
EEPROMのメモリセルMCB3において消去を行う際、選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、Vmg=0V、Vs=Open、Vd=16V、Vb=16Vとする。このような電圧の印加を行った場合、ウェルWLの電位(Vb=16V)がチャネル領域まで拡がるため、メモリゲート電極MGとチャネル領域との電位差は16V程度になる。したがって、チャネル領域側からホールがONO膜ON中の窒化シリコン膜NTに注入され、これにより消去動作が行われる。
【0076】
対して、消去動作を行わないEEPROMの非選択メモリセルに印加する電圧は、以下のように3通りある。
【0077】
第1に、選択メモリセルと同じメモリゲート線に接続された非選択メモリセル、つまり、選択メモリセルと同じ行に位置する非選択メモリセルに印加される電圧は、Vmg=0V、Vs=Open、Vd=16V、Vb=0Vである。この場合、メモリゲート電極MGと、ウェルWLの電圧の影響を受けるチャネル領域の電圧とは共に0Vとなるため、メモリゲート電極MGおよびチャネル領域の相互間の電位差はない。したがって、ホールの注入は行われず、ONO膜ON中の電荷は保持されるため、データの消去は行われない。
【0078】
第2に、選択メモリセルと同じウェル電位の制御用信号線に接続された非選択メモリセル、つまり、選択メモリセルと同じ列に位置する非選択メモリセルに印加される電圧は、Vmg=16V、Vs=Open、Vd=16V、Vb=16Vである。この場合、メモリゲート電極MGと、ウェルWLの電圧の影響を受けるチャネル領域の電圧とは共に16Vとなるため、メモリゲート電極MGおよびチャネル領域の相互間の電位差はない。したがって、ホールの注入は行われず、ONO膜ON中の電荷は保持されるため、データの消去は行われない。
【0079】
第3に、選択メモリセルに接続されたメモリゲート線およびウェル電位の制御用信号線のいずれにも接続されていない非選択メモリセル、つまり、選択メモリセルと同じ行にも同じ列にも位置しない非選択メモリセルに印加される電圧は、Vmg=16V、Vs=Open、Vd=16V、Vb=0Vである。この場合、ドレイン領域DRに印加された電圧(Vmg=16V)は、メモリゲート電極MGの正電圧に引き込まれるため、メモリゲート電極MGの直下のチャネル領域の電位は16Vとなる。これにより、メモリゲート電極MGと、ウェルWLの電圧の影響を受けるチャネル領域の電圧とは共に16Vとなるため、メモリゲート電極MGおよびチャネル領域の相互間の電位差はない。したがって、ホールの注入は行われず、ONO膜ON中の電荷は保持されるため、データの消去は行われない。
【0080】
上記のように、EEPROMでは、行方向に延在するメモリゲート線と、列方向に延在するウェル電位の制御用信号線とのそれぞれに印加する電圧の組み合わせにより、消去を行うメモリセルを選択することができる。このため、メモリアレイ内のメモリセルを個々に選択して消去を行うことができる。しかし、上記の電圧印加方法で消去動作を行うEEPROMは、隣り合う列の別々のメモリセルのウェルの電位を別々に制御する必要がある。この場合、行方向に隣り合うメモリセル動作のウェルの電位を分離するため、メモリセル同士の間の素子分離領域を広い幅で形成する必要がある。したがって、メモリアレイの面積が増大し、半導体チップの微細化および容量の増加が困難となる問題がある。
【0081】
なお、ここではONO膜ONに電荷を蓄積するEEPROMのメモリセルについて説明したが、当該メモリセルの電荷蓄積膜は窒化シリコン膜に限らず、ポリシリコン膜からなるフローティングゲートであってもよい。
【0082】
続いて、比較例として、図示は省略するが、バルクシリコン基板上に形成されたフラッシュメモリのメモリセルにおいて消去動作を行う場合について説明する。フラッシュメモリのメモリセルは、例えば、
図14に示すEEPROMと同様の構造を有している。ただし、フラッシュメモリのメモリセルは、隣り合うメモリセルの相互のウェル電位を別々に制御するものではなく、この点で
図14を用いて説明したEEPROMと構造が異なる。
【0083】
フラッシュメモリのメモリセルにおいて消去を行う際、選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、Vmg=−16V、Vs=Open、Vd=0V、Vb=0Vとする。このような電圧の印加を行った場合、ウェルの電位(Vb=0V)がチャネル領域まで拡がるため、メモリゲート電極とチャネル領域との電位差は16V程度になる。したがって、チャネル領域側からホールがONO膜中の窒化シリコン膜に注入され、これにより消去動作が行われる。
【0084】
フラッシュメモリのメモリセルでは、消去を行う際に所定のメモリセルを消去の対象として選択するか否かは、メモリゲート電極に接続されたメモリゲート線に印加する電圧によってのみ決まる。すなわち、メモリセルアレイ内においてメモリゲート線に接続された1行のメモリセルが全て選択され、データが消去される。したがって、EEPROMのメモリセルとして利用するためには、アレイを分割することで、1行に並ぶメモリセルを少なくする必要があるため、半導体装置の面積当たりの記憶容量の増大および半導体チップの微細化が困難であるという問題がある。
【0085】
そこで、本実施の形態の半導体装置では、バルクシリコン基板ではなく、フィンを有する基板を準備し、当該フィン上にスプリットゲート型のMONOSメモリを設け、FN方式による消去動作を行うことで、消去を行うメモリセルを個別に選択することを可能としている。
【0086】
本実施の形態の半導体装置のMONOSメモリの構成および印加電圧は、
図13を用いて説明したFN方式により消去を行う比較例と似ている。しかし、
図13を用いて説明したバルクシリコン基板上のメモリセルMCB2におけるFN方式での消去では、
図8を用いて説明したように、ドレイン領域DRに電圧を印加せず、ビット線を開放状態とした場合であっても、チャネル領域がメモリゲート電極MGにより覆われていないため、チャネル領域には誘起電圧が生じない。よって、メモリゲート電極MGの直下のチャネル領域の電位は、ウェルWLに印加された電圧に影響を受けて0Vとなる。
【0087】
これに対し、本実施の形態の消去動作において、選択メモリセルでは、
図6および
図7を用いて説明したように、チャネル領域に延伸する電圧印加領域VAとメモリゲート電極MGとの間に大きい電位差が生じることにより消去が行われる。その一方で、
図8および
図9を用いて説明したように、選択メモリセルと同じメモリゲート線に接続された他のメモリセルMCでは、ウェルWLに印加された電圧Vbが0Vであっても、フィンFIの上面および側壁が高耐圧のメモリゲート電極MGに囲まれていることにより、メモリゲート電極MGと隣接するフィンFI中に誘起電圧領域IVが生じる。よって、誘起電圧領域IVを有するチャネル領域とメモリゲート電極MGとの相互間の電位差が小さいため、非選択の当該メモリセルMCにおいて消去は行われない。
【0088】
つまり、当該メモリセルMCは消去動作の対象として選択されず、複数並ぶ1行のメモリセルMCのうち、特定のメモリセルMCのみを選択してそのデータを消去することができる。また、選択メモリセルと異なる行のメモリセルMCについては、メモリゲート電極MGに印加する電圧を小さくすることで、非選択とすることができる。すなわち、本実施の形態では、ビット線に所定の電圧を印加し、当該ビット線に対して直交する方向に延在するメモリゲート線に所定の電圧を印加することで、当該ビット線および当該メモリゲート線のクロスポイントに位置するメモリセルに対し、選択的に消去を行うことができる。この場合、
図1に示すメモリゲート線MGL0〜MGL3はワード線として働く。
【0089】
したがって、行列状に並ぶ複数のメモリセルを備えたメモリセルアレイ内において、メモリセル毎に書込み動作、消去動作および読出し動作を行うことができる。このため、データの最小単位(ビット)の記憶処理に必要な素子面積を低減することができる。また、
図14を用いて説明したEEPROMと異なり、本実施の形態の半導体装置において書込み動作、消去動作および読出し動作を行う際、メモリアレイ内の全てのメモリセルMCのウェルWLに対し同じ電位を供給するため、メモリセルMC同士の間の素子分離領域の幅を大きく確保する必要がない。したがって、メモリの記憶容量の増大および半導体チップの微細化を実現することができる。よって、半導体装置の性能を向上させることができる。
【0090】
(実施の形態2)
以下では、SOI基板上に設けられたスプリットゲート型のMONOSメモリの消去動作時において、前記実施の形態1と同様に、チャネル領域に誘起電圧領域を形成することでメモリセルを非選択とし、これによりメモリセル毎に消去を行うことについて説明する。
【0091】
<半導体装置の構造について>
ここでは、
図10および
図11を用いて本実施の形態の半導体装置について説明する。
図10および
図11は、本実施の形態の半導体装置を構成するメモリセルを示す断面図である。
【0092】
本実施の形態の半導体装置は、SOI基板を有し、フィンを備えておらず、これらの点で前記実施の形態1の半導体装置とは異なる。
図10および
図11に示す断面において、メモリセルMCの構造は
図3に示す前記実施の形態1と同様である。すなわち、
図10および
図11に示すように、本実施の形態の半導体装置は、半導体基板SBと、半導体基板SB上に形成された埋込み酸化膜BXと、埋込み酸化膜BX上に形成された半導体層(シリコン層、SOI層)SLとの積層構造を有するSOI基板を備えており、SOI基板上には、スプリットゲート型のMONOSメモリのメモリセルMCが形成されている。
【0093】
メモリセルMCは、
図3を用いて説明したメモリセルMCと同様に、ソース領域SR、ドレイン領域DR、ゲート絶縁膜GF上の制御ゲート電極CG、ONO膜ONおよびメモリゲート電極MGを有している。ただし、ウェル(図示しない)、ソース領域SRおよびドレイン領域DRは半導体層SL中に形成されており、半導体基板SB中には形成されていない。つまり、メモリセルMCのチャネル(チャネル領域)は、半導体層SL中において、ソース領域SRおよびドレイン領域DRの間に形成される。
【0094】
MISFETでは、特にオフ状態のときに、ソース領域およびドレイン領域との間に空乏層が生じる。ここで、SOI基板上のMISFETである制御トランジスタおよびメモリトランジスタにおいて、半導体層SL中に空乏層が生じた際、当該空乏層は制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの直下において、半導体層SLの上面から下面に亘って形成される。つまり、ソース領域SRおよびドレイン領域DRの間の領域は完全空乏化する。これは、半導体層SLの膜厚が小さく、かつ、半導体基板に印加された電圧が半導体層SLに拡がらないためである。
【0095】
このように、SOI基板上に形成された素子では、チャネル領域に不純物を導入することなく短チャネル特性の抑制が可能である。その結果、チャネル領域での電子の移動度を向上し、また、不純物ゆらぎによる素子ばらつきを改善することが可能になる。このため、SOI基板を用いて半導体装置を製造することで、半導体装置の集積密度および動作速度の向上、並びに、ばらつき低減による動作マージンの向上が期待できる。
【0096】
本実施の形態の、SOI基板上に設けられたMONOSメモリのメモリセルMCを複数配置したメモリアレイの構成は、前記実施の形態1において
図1および
図5を用いて説明した構成と同じである。
【0097】
<メモリセルの書込み、消去、読出しの各動作について>
ここで、本実施の形態のメモリセルの動作について説明する。書込み、消去、読出しの各動作における各部位への電圧の印加条件は、例えば、前記実施の形態1と同じである。つまり、書込み動作はSSI方式により行い、消去動作はFN方式で行う。ただし、以下に記載する電圧Vbは、半導体基板SBに印加する電圧であり、半導体層SLに印加する電圧ではない。
【0098】
すなわち、SSI方式の書込み動作において、情報(データ)の書込みを行う選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、Vmg=9V、Vs=4.5V、Vcg=1V、Vd=0.2V、Vb=0Vとする。また、情報(データ)の書込みを行わない非選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、例えば、Vmg=9V、Vs=4.5V、Vcg=0V、Vd=1.3V、Vb=0Vとする。これにより、書込み動作では、メモリセル毎に書込みを行うことができる。
【0099】
また、情報(データ)の消去を行う選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、例えば
図10に示すように、Vmg=14V、Vs=Open、Vcg=1.2V、Vd=0V、Vb=0Vとする。つまり、メモリゲート電極MGに例えば10〜16V程度の電圧(ここでは例えば14Vとする)を印加し、ドレイン領域DRには0Vを印加し、ソース領域SRは電圧を印加しない開放状態とする。ここでは、半導体基板SBと半導体層SLとは埋込み酸化膜BXにより絶縁されているため、半導体基板SBに印加した電圧(Vb=0V)は、半導体層SLには印加されない。
【0100】
この場合、ドレイン領域DRに0Vが印加されることで、半導体層SL中のドレイン領域DRの近傍には、0Vの電圧印加領域VAが拡がる。電圧印加領域VAは、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれに印加された正電圧に引き込まれ、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの直下まで延伸する。つまり、メモリゲート電極MGの直下の半導体層SL中のチャネル領域の電位は0Vである。
【0101】
これにより、メモリゲート電極MGと半導体層SLの表面(チャネル領域)との間の電位差は10〜16V(例えば14V)という大きな値となる。この電位差により、選択メモリセルにおいて、メモリゲート電極MG中からホールをトンネリングさせ、ONO膜ON中の窒化シリコン膜NTに当該ホールを注入し、これにより消去を行う。この際、ホールはメモリゲート電極MGからFNトンネリング(FNトンネル効果)により酸化シリコン膜OX2をトンネリングしてONO膜ON中に注入され、ONO膜ONを構成する窒化シリコン膜NT中のトラップ準位に捕獲される。その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が低下するため、メモリトランジスタは消去状態となる。
【0102】
また、情報(データ)の消去を行わない非選択メモリセルであって、上記選択メモリセルと同じ制御ゲート線、メモリゲート線およびソース線に接続された非選択メモリセルの各部位に対して印加する電圧は、
図11に示すように、例えば、Vmg=14V、Vs=Open、Vcg=1.2V、Vd=Open、Vb=0Vとする。つまり、選択メモリセルとの違いは、ドレイン領域DRに0Vを印加せず、電圧を印加しない開放状態とする点のみにある。
【0103】
当該非選択メモリセルは、ドレイン領域DRに電圧が印加されないため、半導体層SL中のドレイン領域DR側に電圧印加領域VA(
図10参照)は形成されない。したがって、0Vの電圧印加領域VAが制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの電位に引き込まれてメモリゲート電極MGの直下の半導体層SL内に拡がることはない。また、半導体基板SBに印加された電圧Vb(0V)は、埋込み酸化膜BXに遮られるため、半導体層SLに届かない。
【0104】
このため、ドレイン領域DRが開放状態である当該非選択メモリセルでは、チャネル領域を含む半導体層SLが完全に空乏化する。よって、ONO膜ONを介して半導体層SLと隣接するメモリゲート電極MGの電圧により、半導体層SL中に電圧が誘起され、誘起電圧領域IVが形成される。つまり、半導体層SL中において、誘起電圧領域IVではチャネルポテンシャルが浮いた状態となる。
【0105】
誘起電圧領域IVは、メモリゲート電極MGにONO膜ONを介して近接する半導体層SL中に形成され、その電位はメモリゲート電極MGに印加された電圧の半分程度となる。つまり、誘起電圧領域IVの電位は例えば5〜8V程度であり、ここでは、誘起電圧領域IVの電位は、例えば7Vである。
【0106】
このとき、半導体層SLとメモリゲート電極MGとの間の電位差は7V程度であり、
図10を用いて説明した選択メモリセルにおける半導体層SLとメモリゲート電極MGとの間の電位差(例えば14V)に比べ、半分程度の大きさしかない。この場合、メモリゲート電極MGに印加される電圧(例えば14V)と、チャネル領域の電圧(例えば7V)との間の電位差が小さいため、トラップ絶縁膜である窒化シリコン膜NTには十分な電界がかからず、メモリゲート電極MG中のホールはONO膜ON中に注入されない。つまり、当該非選択メモリセルでは消去は行われず、ONO膜ON中にトラップされた電荷(データ)は維持される。
【0107】
また、選択メモリセルとは異なる行に位置し、選択メモリセルと同じ列に位置する非選択メモリセル、つまり、選択メモリセルと異なる制御ゲート線およびメモリゲート線に接続され、選択メモリセルと同じビット線に接続された非選択メモリセル(例えば
図5に示すメモリセルMC5、MC9およびMC13)の各部位に対して印加する電圧は、次の通りである。つまり、当該非選択メモリセルの各部位に印加する電圧は、例えば、Vmg=0V、Vs=Open、Vcg=0V、Vd=0V、Vb=0Vとする。
【0108】
この場合、メモリゲート電極に印加される電圧(Vmg=0V)と、チャネル領域の電圧(例えば0V)との間の電位差は殆どないため、メモリゲート電極中のホールはONO膜中に注入されない。つまり、当該非選択メモリセルでは消去は行われず、ONO膜中にトラップされた電荷(情報)は維持される。
【0109】
また、選択メモリセルとは異なる行に位置し、選択メモリセルと異なる列に位置する非選択メモリセル、つまり、選択メモリセルと異なる制御ゲート線、メモリゲート線およびビット線に接続された非選択メモリセル(例えば、
図5に示すメモリセルMC6〜MC8、MC10〜MC12およびMC14〜MC16)の各部位に対して印加する電圧は、次の通りである。つまり、当該非選択メモリセルの各部位に印加する電圧は、例えば、Vmg=0V、Vs=Open、Vcg=0V、Vd=Open、Vb=0Vとする。
【0110】
この場合、メモリゲート電極に印加される電圧(Vmg=0V)と、チャネル領域の電圧(例えば0V)との間の電位差は殆どないため、メモリゲート電極中のホールはONO膜中に注入されない。つまり、当該非選択メモリセルでは消去は行われず、ONO膜中にトラップされた電荷(情報)は維持される。
【0111】
なお、読出し動作は、前記実施の形態1と同様に行うことができる。
【0112】
<半導体装置の効果について>
以下に、本実施の形態の半導体装置の効果について、説明する。
【0113】
本実施の形態の半導体装置では、バルクシリコン基板ではなく、SOI基板上にスプリットゲート型のMONOSメモリを設け、FN方式による消去動作を行うことで、消去を行うメモリセルを個別に選択することを可能としている。
【0114】
本実施の形態の消去動作において、選択メモリセルでは、
図10を用いて説明したように、チャネル領域に延伸する電圧印加領域VAとメモリゲート電極MGとの間に大きい電位差が生じることにより消去が行われる。その一方で、
図11を用いて説明したように、選択メモリセルと同じメモリゲート線に接続された他のメモリセルMCでは、半導体基板SBに印加された電圧Vbが0Vであっても、半導体層SLが半導体基板SBに対して絶縁されていることにより、メモリゲート電極MGと隣接する半導体層SL中に誘起電圧領域IVが生じる。よって、誘起電圧領域IVを有するチャネル領域とメモリゲート電極MGとの相互間の電位差が小さいため、非選択の当該メモリセルMCにおいて消去は行われない。
【0115】
すなわち、メモリゲート電極MGの直下の半導体領域が完全空乏化する素子では、メモリゲート電極MGに正の電圧を印加することで、誘起電圧領域IVが生じるため、前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0116】
つまり、当該メモリセルMCは消去動作の対象として選択されず、複数並ぶ1行のメモリセルMCのうち、特定のメモリセルMCのみを選択してそのデータを消去することができる。また、選択メモリセルと異なる行のメモリセルMCについては、メモリゲート電極MGに印加する電圧を小さくすることで、非選択とすることができる。よって、本実施の形態では、ビット線に所定の電圧を印加し、当該ビット線に対して直交する方向に延在するメモリゲート線に所定の電圧を印加することで、当該ビット線および当該メモリゲート線のクロスポイントに位置するメモリセルに対し、選択的に消去を行うことができる。
【0117】
したがって、行列状に並ぶ複数のメモリセルを備えたメモリセルアレイ内において、メモリセル毎に書込み動作、消去動作および読出し動作を行うことができる。このため、データの最小単位(ビット)の記憶処理に必要な素子面積を低減することができる。また、
図14を用いて説明したEEPROMのように、半導体装置において書込み動作、消去動作および読出し動作を行う際、メモリアレイ内の隣り合うメモリセルのそれぞれのウェルに対し異なる電位を供給する必要がないため、メモリセルMC同士の間の素子分離領域の幅を大きく確保する必要がない。したがって、メモリの記憶容量の増大および半導体チップの微細化を実現することができるため、半導体装置の性能を向上させることができる。
【0118】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。