特許第6718272号(P6718272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日東電工株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6718272-伸縮性積層体およびそれを含む物品 図000004
  • 特許6718272-伸縮性積層体およびそれを含む物品 図000005
  • 特許6718272-伸縮性積層体およびそれを含む物品 図000006
  • 特許6718272-伸縮性積層体およびそれを含む物品 図000007
  • 特許6718272-伸縮性積層体およびそれを含む物品 図000008
  • 特許6718272-伸縮性積層体およびそれを含む物品 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6718272
(24)【登録日】2020年6月16日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】伸縮性積層体およびそれを含む物品
(51)【国際特許分類】
   B32B 3/26 20060101AFI20200629BHJP
   B32B 25/04 20060101ALI20200629BHJP
   B32B 5/02 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   B32B3/26 Z
   B32B25/04
   B32B5/02 Z
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-58093(P2016-58093)
(22)【出願日】2016年3月23日
(65)【公開番号】特開2016-203618(P2016-203618A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2019年1月22日
(31)【優先権主張番号】特願2015-82963(P2015-82963)
(32)【優先日】2015年4月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100121636
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌靖
(72)【発明者】
【氏名】内田 翔
(72)【発明者】
【氏名】武田 公平
(72)【発明者】
【氏名】中川 宗重
(72)【発明者】
【氏名】生島 伸祐
【審査官】 清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−178428(JP,A)
【文献】 特開2015−020317(JP,A)
【文献】 特開2010−195044(JP,A)
【文献】 特開2012−228347(JP,A)
【文献】 特開2013−106719(JP,A)
【文献】 特開2008−006272(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/114387(WO,A1)
【文献】 特表平06−504700(JP,A)
【文献】 特開2006−320352(JP,A)
【文献】 特開2012−213613(JP,A)
【文献】 特開2008−213284(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/025849(WO,A1)
【文献】 特開2014−180461(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0136497(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
C09J 7/00
123/02
A61F 13/00−13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー層を含む2層以上からなる伸縮性積層体であって、
該エラストマー層とその隣接層とが直接に融着接合されており、
該融着接合が超音波融着接合である、伸縮性積層体であって、
一方の端部に貫通孔を有さない領域Aを、もう一方の端部に貫通孔を有さない領域Bを有し、該領域Aと該領域Bの間に、該伸縮性積層体の全体を貫通する貫通孔を有する領域Cを有する、伸縮性積層体。
【請求項2】
前記エラストマー層がオレフィン系エラストマーを含む、請求項1に記載の伸縮性積層体。
【請求項3】
前記オレフィン系エラストマーがα−オレフィン系エラストマーを含む、請求項2に記載の伸縮性積層体。
【請求項4】
前記α−オレフィン系エラストマーが、エチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマー、1−ブテン系エラストマーから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項3に記載の伸縮性積層体。
【請求項5】
前記隣接層が不織布層である、請求項1からまでのいずれかに記載の伸縮性積層体。
【請求項6】
請求項1からまでのいずれかに記載の伸縮性積層体を含む、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性積層体およびそれを含む物品に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつやマスクなどの衛生用品等の物品の部材として、種々の伸縮性積層体が提案されている(例えば、特許文献1、2など参照)。
【0003】
このような部材として、エラストマー層を含む2層以上からなる伸縮性積層体が提案されている。代表的には、エラストマー層の少なくとも一方の側に不織布層を有する伸縮性積層体が提案されている。このような伸縮性積層体においては、エラストマー層と不織布層は、一般に、接着剤や粘着剤によって互いに貼り合わされている。
【0004】
しかし、従来の、このようなエラストマー層を含む2層以上からなる伸縮性積層体においては、該エラストマー層とその隣接層との間で層間剥離が生じてしまうという問題がある。また、接着剤や粘着剤を使用するため、これら由来の独特の臭いが生じるという問題や、コスト高になるという問題がある。さらに、たとえエラストマー層やその隣接層が通気性を有していても、該エラストマー層と該隣接層とが接着剤や粘着剤によって貼り合わせられると、通気性が阻害されるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−187857号公報
【特許文献2】特許第3830818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、エラストマー層を含む2層以上からなる伸縮性積層体を提供することであって、該エラストマー層とその隣接層との間で層間剥離が生じ難く、また、接着剤や粘着剤由来の独特の臭いの発生が抑制され、また、該エラストマー層とその隣接層との接合による通気性の阻害を防止でき、さらに、従来よりも低コストで製造し得る、伸縮性積層体を提供することにある。また、そのような伸縮性積層体を含む物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の伸縮性積層体は、
エラストマー層を含む2層以上からなる伸縮性積層体であって、
該エラストマー層とその隣接層とが直接に積層されている。
【0008】
好ましい実施形態においては、上記エラストマー層とその隣接層とが同種の材料を含む。
【0009】
好ましい実施形態においては、上記エラストマー層が3層構造である。
【0010】
好ましい実施形態においては、上記3層構造が、中間層として2種以上のエラストマーがブレンドされた層、両表面層として該中間層に含まれるエラストマーと同じ種類のエラストマーの1種を含む層を有する。
【0011】
好ましい実施形態においては、上記エラストマー層の厚みが20μm〜200μmである。
【0012】
好ましい実施形態においては、上記エラストマー層の厚みが30μm〜100μmである。
【0013】
好ましい実施形態においては、上記エラストマー層がオレフィン系エラストマーを含む。
【0014】
好ましい実施形態においては、上記オレフィン系エラストマーがα−オレフィン系エラストマーを含む。
【0015】
好ましい実施形態においては、上記α−オレフィン系エラストマーが、エチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマー、1−ブテン系エラストマーから選ばれる少なくとも1種を含む。
【0016】
好ましい実施形態においては、上記エラストマー層とその隣接層とが直接に融着接合されている。
【0017】
好ましい実施形態においては、上記融着接合が超音波融着接合である。
【0018】
好ましい実施形態においては、上記隣接層が不織布層である。
【0019】
好ましい実施形態においては、上記不織布層がポリオレフィンの繊維を含む。
【0020】
好ましい実施形態においては、上記ポリオレフィンがポリプロピレンである。
【0021】
好ましい実施形態においては、上記不織布層を構成する不織布の坪量が150gsm以下である。
【0022】
好ましい実施形態においては、上記不織布の坪量が50gsm以下である。
【0023】
好ましい実施形態においては、上記不織布の坪量が10gsm〜30gsmである。
【0024】
好ましい実施形態においては、本発明の伸縮性積層体は、貫通孔を有する領域Cを有する。
【0025】
好ましい実施形態においては、本発明の伸縮性積層体は、一方の端部に貫通孔を有さない領域Aを、もう一方の端部に貫通孔を有さない領域Bを有し、該領域Aと該領域Bの間に、貫通孔を有する領域Cを有する。
【0026】
本発明の物品は、本発明の伸縮性積層体を含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、エラストマー層を含む2層以上からなる伸縮性積層体を提供することであって、該エラストマー層とその隣接層との間で層間剥離が生じ難く、また、接着剤や粘着剤由来の独特の臭いの発生が抑制され、また、該エラストマー層とその隣接層との接合による通気性の阻害を防止でき、さらに、従来よりも低コストで製造し得る、伸縮性積層体を提供することができる。また、そのような伸縮性積層体を含む物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の好ましい実施形態による伸縮性積層体の概略断面図である。
図2】本発明の好ましい実施形態による別の伸縮性積層体の概略断面図である。
図3】本発明の好ましい実施形態によるさらに別の伸縮性積層体の概略断面図である。
図4】本発明の好ましい実施形態によるさらに別の伸縮性積層体の概略平面図である。
図5】本発明の好ましい実施形態によるさらに別の伸縮性積層体の概略断面図である。
図6】本発明の好ましい実施形態によるさらに別の伸縮性積層体の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
≪≪伸縮性積層体≫≫
本発明の伸縮性積層体は、エラストマー層を含む2層以上からなる伸縮性積層体である。本発明の伸縮性積層体は、エラストマー層を含む2層以上からなる伸縮性積層体であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、エラストマー層以外の他の任意の適切な層を含んでいても良い。このような他の任意の適切な層は、1層のみでも良いし、2層以上でも良い。
【0030】
本発明の伸縮性積層体は、エラストマー層とその隣接層とが直接に積層されている。すなわち、本発明の伸縮性積層体は、エラストマー層とその隣接層とが、これらの2つの層の間に、例えば、接着剤層や粘着剤層などの他の層を介することなく、直接に積層されていることを意味する。このような構成を採ることにより、本発明の伸縮性積層体は、エラストマー層とその隣接層との間で層間剥離が生じ難く、また、接着剤や粘着剤由来の独特の臭いの発生が抑制され、また、該エラストマー層とその隣接層との接合による通気性の阻害を防止でき、さらに、従来よりも低コストで製造し得る。
【0031】
図1は、本発明の好ましい実施形態による伸縮性積層体の概略断面図である。図1に示す伸縮性積層体100は、エラストマー層10と該エラストマー層10の一方の側のみに設けられた不織布層20とを有する。図1に示す伸縮性積層体100は、エラストマー層10と不織布層20とが直接に積層されている。
【0032】
図2は、本発明の好ましい実施形態による別の伸縮性積層体の概略断面図である。図2に示す伸縮性積層体100は、エラストマー層10と該エラストマー層10の一方の側に設けられた不織布層20aと、該エラストマー層10の該不織布層20aの反対側に設けられた不織布層20bとを有する。図2に示す伸縮性積層体100は、エラストマー層10と不織布層20aとが直接に積層されている。図2に示す伸縮性積層体100は、エラストマー層10と不織布層20bとが直接に積層されている。
【0033】
図3は、本発明の好ましい実施形態によるさらに別の伸縮性積層体の概略断面図である。図3に示す伸縮性積層体100は、エラストマー層10と該エラストマー層10の一方の側に設けられた不織布層20aと、該エラストマー層10の該不織布層20aの反対側に設けられた不織布層20bとを有し、貫通孔30を有する領域Cを有する。図3に示す伸縮性積層体100の概略平面図が図4である。図4に示す伸縮性積層体100は、貫通孔30を有する領域Cを有する。
【0034】
図3図4に示すような伸縮性積層体は、貫通孔を有する領域Cを有する。このような構成を有することにより、本発明の伸縮性積層体は、領域Cに貫通孔を有することにより、領域Cにおいて、より優れた通気性を発現できる。
【0035】
図5は、本発明の好ましい実施形態によるさらに別の伸縮性積層体の概略断面図である。図5に示す伸縮性積層体100は、エラストマー層10と該エラストマー層10の一方の側に設けられた不織布層20aと、該エラストマー層10の該不織布層20aの反対側に設けられた不織布層20bとを有し、一方の端部に貫通孔を有さない領域Aを、もう一方の端部に貫通孔を有さない領域Bを有し、該領域Aと該領域Bの間に、貫通孔30を有する領域Cを有する。図5に示す伸縮性積層体100の概略平面図が図6である。図6に示す伸縮性積層体100は、一方の端部に貫通孔を有さない領域Aを、もう一方の端部に貫通孔を有さない領域Bを有し、該領域Aと該領域Bの間に、貫通孔30を有する領域Cを有する。
【0036】
図5図6に示すような伸縮性積層体は、一方の端部に貫通孔を有さない領域Aを、もう一方の端部に貫通孔を有さない領域Bを有し、該領域Aと該領域Bの間に、貫通孔を有する領域Cを有する。このような構成を有することにより、本発明の伸縮性積層体は、領域Cに貫通孔を有することにより、領域Cにおいて、より優れた通気性を発現できる。また、貫通孔を有さない領域Aと貫通孔を有さない領域Bを端部に有することにより、本発明の伸縮性積層体の端部をより強化できる。
【0037】
本発明の伸縮性積層体の厚みは、エラストマー層の厚みや、不織布層などの他の層の厚みによって左右されるが、好ましくは1.0mm〜0.1mmであり、より好ましくは0.8mm〜0.15mmであり、さらに好ましくは0.6mm〜0.15mmであり、特に好ましくは0.5mm〜0.2mmであり、最も好ましくは0.45mm〜0.2mmである。本発明の伸縮性積層体の厚みがこのような範囲に収まることにより、おむつやマスクなどの衛生用品等の物品に用いる部材として用いやすくなる。
【0038】
本発明の伸縮性積層体は、好ましくは、エラストマー層とその隣接層とが直接に融着接合されており、より好ましくは、その融着接合が超音波融着接合である。
【0039】
超音波融着接合によってエラストマー層とその隣接層とが直接に融着接合されることにより、本発明の伸縮性積層体は、エラストマー層とその隣接層との間で層間剥離がより生じ難く、また、接着剤や粘着剤由来の独特の臭いの発生がより抑制され、また、該エラストマー層とその隣接層との接合による通気性の阻害をより防止でき、さらに、従来よりもより低コストで製造し得る。
【0040】
本発明の伸縮性積層体は、好ましくはエラストマー層とその隣接層とが、同種の材料(例えば、ポリオレフィン系エラストマー層とポリオレフィン系隣接層など)を含んでおり、より好ましくは、同種の材料が主成分である。同種の材料を用いることによりエラストマー層とその隣接層との間で層間剥離がより生じ難い。
【0041】
超音波融着接合としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な超音波融着接合を採用し得る。
【0042】
超音波融着接合においては、接合対象部材(例えば、エラストマー層を含む2層以上の層部材)が、超音波によって振動エネルギーを送り出す一般に「ホーン」と称される部品と一般に「アンビル」と称されるロール状部品との間に配置される。多くの場合、ホーンは、接合対象部材およびアンビルの上方に垂直に配置される。ホーンは、通常20000Hz〜40000Hzで振動して、圧力下、通常摩擦熱の形態でエネルギーを、接合される部材に伝達する。摩擦熱および圧力のために、接合対象部材のうちの少なくとも1つの一部が軟化するかまたは融解し、それにより材料が接合される。
【0043】
1つの好ましい種類の超音波融着接合は、一般に「連続超音波融着接合」として知られている。連続超音波融着接合は、通常、略連続的に接合装置内に供給することができる接合対象部材を封止するために使用される。連続超音波融着接合では、ホーンは通常固定されており、接合対象部材がその真下を移動する。一種の連続超音波融着接合は、固定されたホーンと回転アンビル面とを使用する。連続超音波融着接合中、接合対象部材は、ホーンと回転アンビルとの間に引っ張られる。ホーンは、通常、接合対象部材に向かって長手方向に延在し、振動はホーンに沿って軸方向に材料まで移動する。
【0044】
別の1つの好ましい種類の超音波融着接合は、ホーンは回転タイプであり、円柱状であって長手方向軸を中心に回転する。入力振動は、ホーンの軸方向にあり、出力振動はホーンの放射方向にある。ホーンはアンビルに近接して配置され、通常アンビルもまた、接合対象部材が円柱状面の間を、円柱状面の接線速度に実質的に等しい線速度で通過するように回転することができる。
【0045】
超音波融着接合は、例えば、特開2008−526552号公報、特開2010−195044号公報、特開2013−231249号公報、特開2015−16294号公報、米国特許第5976316号明細書などに記載されており、その開示内容は参照により本明細書に援用される。
【0046】
≪エラストマー層≫
エラストマー層としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なエラストマー層を採用し得る。このようなエラストマー層の主成分となるエラストマー樹脂としては、例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー等が挙げられる。
【0047】
エラストマー層中の、主成分となるエラストマー樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは98重量%〜100重量%である。エラストマー層中の、主成分となるエラストマー樹脂の含有割合が上記範囲内に収まることによって、エラストマー層が十分なエラストマー特性を発現できる。
【0048】
エラストマー層は、1層であっても良いし、2層以上であっても良い。エラストマー層が3層構造である場合には、例えば、中間層に2種以上のエラストマーがブレンドされた層、両表面層に中間層に含まれるエラストマーと同じ種類のエラストマーの1種が使用された3層構造であることが好ましい。
【0049】
本発明においては、エラストマー層中の主成分となるエラストマー樹脂としては、好ましくは、オレフィン系エラストマーである。エラストマー樹脂としてオレフィン系エラストマーを採用することにより、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性が向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化を抑制することが可能となる。また、エラストマー樹脂としてオレフィン系エラストマーを採用することにより、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性が向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動を抑制することが可能となる。
【0050】
本発明において、エラストマー樹脂としてオレフィン系エラストマーを採用すると、エラストマー層の製造における工程が簡素化でき、加工費の抑制が可能となる。これは、例えば、エラストマー樹脂として他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)を採用する場合には、物性値をコントロールするために数種類のスチレン系エラストマーをブレンドする必要があり、このためにマスターバッチを作製する必要がある。エラストマー樹脂としてオレフィン系エラストマーを採用すると、エラストマー層の製造において用いる樹脂の種類を少なくして押出成形することが可能となり、マスターバッチを作製する必要がなくなり得る。
【0051】
本発明において、エラストマー樹脂としてオレフィン系エラストマーを採用する場合、該オレフィン系エラストマーは、1種のみであっても良いし、2種以上のブレンドであっても良い。
【0052】
オレフィン系エラストマーとしては、例えば、オレフィンブロックコポリマー、オレフィンランダムコポリマー、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、エチレンオレフィンブロックコポリマー、プロピレンオレフィンブロックコポリマー、エチレンオレフィンランダムコポリマー、プロピレンオレフィンランダムコポリマー、エチレンプロピレンランダムコポリマー、エチレン(1−ブテン)ランダムコポリマー、エチレン(1−ペンテン)オレフィンブロックコポリマー、エチレン(1−ヘキセン)ランダムコポリマー、エチレン(1−ヘプテン)オレフィンブロックコポリマー、エチレン(1−オクテン)オレフィンブロックコポリマー、エチレン(1−ノネン)オレフィンブロックコポリマー、エチレン(1−デセン)オレフィンブロックコポリマー、プロピレンエチレンオレフィンブロックコポリマー、エチレン(α−オレフィン)コポリマー、エチレン(α−オレフィン)ランダムコポリマー、エチレン(α−オレフィン)ブロックコポリマー、アモルファスポリプロピレン、これらとポリエチレン(LLDPE、LDPE、HDPEなど)の組合せ、これらとポリプロピレンの組合せ、またはこれらの組み合わせ、などが挙げられる。
【0053】
本発明において、エラストマー樹脂として採用し得るオレフィン系エラストマーとしては、その密度が、好ましくは0.890g/cm〜0.830g/cmであり、より好ましくは0.888g/cm〜0.835g/cmであり、さらに好ましくは0.886g/cm〜0.835g/cmであり、特に好ましくは0.885g/cm〜0.840g/cmであり、最も好ましくは0.885g/cm〜0.845g/cmである。密度が上記範囲に収まるオレフィン系エラストマーを採用することにより、より優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となるとともに、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性がより向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化をより抑制することが可能となり、また、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性がより向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動をより抑制することが可能となり、さらに、エラストマー層の製造における工程がより簡素化でき、加工費の一層の抑制が可能となる。
【0054】
本発明において、エラストマー樹脂として採用し得るオレフィン系エラストマーとしては、その230℃、2.16kgfにおけるMFRが、好ましくは1.0g/10分〜25.0g/10分であり、より好ましくは2.0g/10分〜23.0g/10分であり、さらに好ましくは2.0g/10分〜21.0g/10分であり、特に好ましくは2.0g/10分〜20.0g/10分であり、最も好ましくは2.0g/10分〜19.0g/10分である。MFRが上記範囲に収まるオレフィン系エラストマーを採用することにより、より優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となるとともに、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性がより向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化をより抑制することが可能となり、また、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性がより向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動をより抑制することが可能となり、さらに、エラストマー層の製造における工程がより簡素化でき、加工費の一層の抑制が可能となる。
【0055】
本発明において、エラストマー樹脂として採用し得るオレフィン系エラストマーとしては、具体的には、好ましくは、α−オレフィン系エラストマーである。このようなα−オレフィン系エラストマーの中でも、より好ましくは、エチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマー、1−ブテン系エラストマーから選ばれる少なくとも1種である。このようなα−オレフィン系エラストマーをオレフィン系エラストマーとして採用することにより、より優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となるとともに、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性がより向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化をより抑制することが可能となり、また、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性がより向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動をより抑制することが可能となり、さらに、エラストマー層の製造における工程がより簡素化でき、加工費の一層の抑制が可能となる。
【0056】
本発明においては、エラストマー樹脂として採用し得るα−オレフィン系エラストマーの中でも、特に、エチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマーが好ましい。エチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマーをオレフィン系エラストマーとして採用することにより、非常に優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となるとともに、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性がより一層向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化をより一層抑制することが可能となり、また、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性がより一層向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動をより一層抑制することが可能となり、さらに、エラストマー層の製造における工程がより一層簡素化でき、加工費のより一層の抑制が可能となる。
【0057】
α−オレフィン系エラストマーとしては、市販品として入手することも可能である。このような市販品としては、例えば、三井化学株式会社製の「タフマー」(登録商標)シリーズの中のいくつか(例えば、タフマーPN−2070、タフマーPN−3560等)、エクソンモービル社製の「ビスタマックス(Vistamaxx)」(登録商標)シリーズの中のいくつか(例えば、ビスタマックス3000、ビスタマックス6202、ビスタマックス7010等)が挙げられる。
【0058】
本発明において、エラストマー樹脂として採用し得るα−オレフィン系エラストマーは、好ましくは、メタロセン触媒を用いて製造されたものである。メタロセン触媒を用いて製造されたα−オレフィン系エラストマーは、非常に優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となるとともに、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性がより一層向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化をより一層抑制することが可能となり、また、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性がより一層向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動をより一層抑制することが可能となり、さらに、エラストマー層の製造における工程がより一層簡素化でき、加工費のより一層の抑制が可能となる。
【0059】
エラストマー層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含んでよい。このような他の成分としては、例えば、他のポリマー、粘着付与剤、可塑剤、劣化防止剤、顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、発泡剤、熱安定化剤、光安定化剤、無機フィラー、有機フィラーなどが挙げられる。これらは、1種のみであっても、2種以上であっても良い。エラストマー層中の他の成分の含有割合は、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは7重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下であり、特に好ましくは2重量%以下であり、最も好ましくは1重量%以下である。
【0060】
エラストマー層の厚みは、好ましくは20μm〜200μmであり、より好ましくは30μm〜160μmであり、さらに好ましくは30μm〜140μmであり、特に好ましくは30μm〜120μmであり、最も好ましくは30μm〜100μmである。エラストマー層の厚みがこのような範囲に収まることにより、より優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となる。
【0061】
≪不織布層≫
本発明の伸縮性積層体は、エラストマー層を含む2層以上からなり、該エラストマー層以外の層としては、好ましくは、不織布層を含む。より好ましくは、エラストマー層の隣接層が不織布層である。
【0062】
不織布層としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な不織布層を採用し得る。不織布層を構成する不織布は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0063】
不織布層を構成する不織布としては、例えば、スパンボンド不織ウェブ、毛羽立ち不織布(例えば、サーマルボンド法、接着接合法、スパンレース法により得られる不織布)、メルトブロー不織ウェブ、スパンレース不織ウェブ、スパンボンドメルトブロースパンボンド不織ウェブ、スパンボンドメルトブローメルトブロースパンボンド不織ウェブ、非接合不織ウェブ、エレクトロスパン不織ウェブ、フラッシュスパン不織ウェブ(例えば、DuPont社のTYVEKTM)、カーデッド不織布などが挙げられる。
【0064】
不織布層を構成する不織布は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、エラストマー、レーヨン、セルロース、アクリル、それらのコポリマー、またはそれらのブレンド、またはそれらの混合物などのポリオレフィンの繊維を含んでいても良い。これらの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの繊維を含む。
【0065】
不織布層を構成する不織布は、均一な構造体である繊維を含んでもよく、シース/コア、サイド−バイ−サイド、海島構造、および他の二成分構造などの、二成分構造体を含んでもよい。不織布の詳細な説明に関しては、例えば、「Nonwoven Fabric Primer and Reference Sampler」、E.A.Vaughn、Association of the Nonwoven Fabrics Industry、第3版(1992)を参照することができる。
【0066】
不織布層を構成する不織布の坪量は、好ましくは150gsm以下であり、より好ましくは100gsm以下であり、さらに好ましくは50gsm以下であり、特に好ましくは10gsm〜30gsmである。
【0067】
≪≪伸縮性積層体の製造≫≫
本発明の伸縮性積層体を製造する方法としては、エラストマー層とその隣接層とが直接に積層されている伸縮性積層体が製造できる方法であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な製造方法を採用し得る。このような製造方法としては、好ましくは、先に詳細に説明した、エラストマー層とその隣接層とが直接に融着接合される方法であり、より好ましくは、この融着接合が超音波融着接合である。
【0068】
本発明の伸縮性積層体が、図3図4に示すような伸縮性積層体である場合、貫通孔を有する領域Cを有する。このような構成を有する本発明の伸縮性積層体は、好ましくは、領域Cを接合する際に貫通孔を形成させたい箇所により集中的に振動エネルギーが与えられるようにホーンから超音波を送り出すようにする。
【0069】
本発明の伸縮性積層体が、図5図6に示すような伸縮性積層体である場合、一方の端部に貫通孔を有さない領域Aを、もう一方の端部に貫通孔を有さない領域Bを有し、該領域Aと該領域Bの間に、貫通孔を有する領域Cを有する。このような構成を有する本発明の伸縮性積層体は、好ましくは、領域Aおよび領域Bを接合する際には接合面全面に均一に振動エネルギーが与えられるようにホーンから超音波を送り出すようにするとともに、領域Cを接合する際には貫通孔を形成させたい箇所により集中的に振動エネルギーが与えられるようにホーンから超音波を送り出すようにする。
【0070】
本発明の伸縮積層体は、積層後、予備延伸や活性化処理と称する処理を行うことができる。具体的には、伸縮積層体の幅方向に延伸処理を行ったり、例えば、不織布層の一部領域の繊維構造を機械的に破壊する処理を行ったりすることができる。かかる処理を行うことで、伸縮積層体をより小さい力で引き延ばすことができるようになる。
【0071】
≪本発明の伸縮性積層体の用途≫
本発明の伸縮性積層体は、本発明の効果を有効に利用できる任意の適切な物品に用いることができる。すなわち、本発明の物品は、本発明の伸縮性積層体を含む。このような物品としては、代表的には、例えば、衛生用品などが挙げられる。このような衛生用品としては、例えば、おむつ(特に、使い捨ておむつのイヤー部分)、サポーター、マスクなどが挙げられる。
【実施例】
【0072】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。また、特に断りがない限り、部は重量部を意味し、%は重量%を意味する。
【0073】
<デラミネーション試験>
デラミネーション試験は、実施例および比較例にて得られた伸縮性積層体を以下のように行い、評価した。伸縮性積層体をフィルム流れ方向(MD)と垂直方向(CD)が長辺となるよう幅30mm、長さ10cmに切断した。得られた伸縮性積層体をゴム板でチャック間距離50mmになるよう引張試験機(島津製作所製:AG−IS 50kN)にセットし、引張速度300mm/min、移動距離50mm(100%伸長)にて停止した。保持状態にて30分間引張った後、伸縮性積層体を取り出し、不織布の剥がれ(デラミネーション)状況を確認した。
不織布が1cm以上弾性フィルムから剥離したものを×とし、それ以外を○とした。
【0074】
<通気性試験>
通気性は、王研式透気度計(sec/100cc)(旭精工株式会社製、商品名:EG01−7−7MR)を用いて測定した。99999sec/100ccを超えるものについては×と評価し、それ以外は○と評価した。
【0075】
<化学物質臭評価方法>
作製してから1週間室温にて保管した伸縮積層体から発せられる臭気のレベルを以下の評価基準に従って官能評価した。
×:におう
△:弱くにおう
○:無臭
【0076】
<エラストマー層の成形条件>
実施例および比較例において、2種3層(A層/B層/A層)押し出しTダイ成形機を用いてエラストマー層(以下、弾性フィルムとも称す)を押出成形した。その押出温度は以下の条件にて実施した。
A層:200℃
B層:200℃
ダイス温度:200℃
【0077】
<不織布層の積層>
(超音波融着接合)
超音波融着設備(Herrmann社製、装置名:MICROBOND(ULTRABOND48:20))を用い、周波数20kHz(出力強度:1800W)、ライン速度400m/minにて不織布/弾性フィルム/不織布の3層積層状態にて超音波融着ラミネーションを行い、伸縮性積層体を得た。
(ホットメルト粘着剤による接着)
ロール上にて、実施例および比較例に示された弾性フィルムの両面と、実施例および比較例に示されたホットメルト粘着剤をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm、塗布量:8g/m)に塗布した不織布とを貼り合わせ、伸縮性積層体を得た。
【0078】
〔実施例1〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202):90重量部とオレフィン系樹脂(BOREALIS社製、商品名:Borstar(登録商標)FB2230、LLDPE):10重量部を押出機のA層に、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202):65重量部、オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、商品名:タフマーPN−3560):30重量部、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103):5重量部を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルム(1)を押し出した。
次に、得られた弾性フィルム(1)の両面に不織布(PPカーデッドタイプ、坪量=24gsm)が直接に積層するように、かつ、得られる伸縮性積層体のロールをカットしたときに、両端からそれぞれ10mmの領域A、Bにおいては貫通孔を有さないように完全に接合され、該領域Aと領域Bの間の領域Cにおいては、孔径(直径)1.5mmの貫通孔を8mmピッチで有するように接合されるように、超音波融着接合を行い、伸縮性積層体(1)を得た。
結果を表1に示した。
【0079】
〔実施例2〕
A層/B層/A層=6.75μm/31.5μm/6.75μm、計45μmの弾性フィルム(2)とした以外は、実施例1と同様に行い、伸縮性積層体(2)を得た。
結果を表1に示した。
【0080】
〔実施例3〕
不織布(PPカーデッドタイプ、坪量=24gsm)に代えて、不織布(PPスパンレースタイプ、坪量=30gsm)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、伸縮性積層体(3)を得た。
結果を表1に示した。
【0081】
〔実施例4〕
不織布(PPカーデッドタイプ、坪量=24gsm)に代えて、不織布(PPスパンレースタイプ、坪量=30gsm)を用いた以外は、実施例2と同様に行い、伸縮性積層体(4)を得た。
結果を表1に示した。
【0082】
〔実施例5〕
不織布(PPカーデッドタイプ、坪量=24gsm)に代えて、不織布(PPスパンボンドタイプ、坪量=20gsm)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、伸縮性積層体(5)を得た。
結果を表1に示した。
【0083】
〔実施例6〕
不織布(PPカーデッドタイプ、坪量=24gsm)に代えて、不織布(PPスパンボンドタイプ、坪量=20gsm)を用いた以外は、実施例2と同様に行い、伸縮性積層体(6)を得た。
結果を表1に示した。
【0084】
〔実施例7〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス3000):70重量部とオレフィン系樹脂(BOREALIS社製、商品名:Borstar(登録商標)FB2230、LLDPE):30重量部を押出機のA層に、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス3000):25重量部、オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、商品名:タフマーPN−3560):70重量部、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103):5重量部を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=6μm/48μm/6μm、計60μmの弾性フィルム(7)を押し出した。
弾性フィルム(1)に代えて、弾性フィルム(7)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、伸縮性積層体(7)を得た。
結果を表1に示した。
【0085】
〔実施例8〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:PP9513):100重量部を押出機のA層に、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202):65重量部、オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、商品名:タフマーPN−3560):30重量部、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103):5重量部を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=6μm/48μm/6μm、計60μmの弾性フィルム(8)を押し出した。
弾性フィルム(1)に代えて、弾性フィルム(8)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、伸縮性積層体(8)を得た。
結果を表1に示した。
【0086】
〔実施例9〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:PP9513):100重量部を押出機のA層に、SIS系樹脂(日本ゼオン株式会社製、商品名:クインタック3399):95重量部、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103):5重量部を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=6μm/48μm/6μm、計60μmの弾性フィルム(9)を押し出した。
弾性フィルム(1)に代えて、弾性フィルム(9)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、伸縮性積層体(9)を得た。
結果を表1に示した。
【0087】
〔比較例1〕
SIS系樹脂(クレイトンポリマー製、商品名:クレイトン D1165 PT):213重量部、粘着付与剤(KOLON社製、商品名:SUKOREZ SU−100 S):619重量部、流動パラフィン(Petro yag製、商品名:White Oil Pharma Oyster259):84重量部、酸化防止剤(BASF製、商品名:Irganox1010):10重量部を配合して、ホットメルト粘着剤(C1)を得た。
実施例1で得られた弾性フィルム(1)の両面にホットメルト粘着剤(C1)を塗布し、不織布(PPカーデッドタイプ、坪量=24gsm)を弾性フィルム(1)の両面に貼り合わせ、伸縮性積層体(C1)を得た。
結果を表2に示した。
【0088】
〔比較例2〕
SIS系樹脂(日本ゼオン株式会社製、商品名:クインタック3399):100重量部を押出機のA層に、SIS系樹脂(日本ゼオン株式会社製、商品名:クインタック3399):95重量部、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)5重量部を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルム(C2)を押し出した。
次に、得られた弾性フィルム(C2)の両面に、比較例1で調製したホットメルト粘着剤(C1)を塗布し、不織布(PPカーデッドタイプ、坪量=24gsm)を弾性フィルム(2)の両面に貼り合わせ、伸縮性積層体(C2)を得た。
結果を表2に示した。
【0089】
〔比較例3〕
不織布(PPカーデッドタイプ、坪量=24gsm)に代えて、不織布(PPスパンレースタイプ、坪量=30gsm)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、伸縮性積層体(C3)を得た。
結果を表2に示した。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の伸縮性積層体は、本発明の効果を有効に利用できる任意の適切な物品に用いることができる。すなわち、本発明の物品は、本発明の伸縮性積層体を含む。このような物品としては、代表的には、例えば、衛生用品などが挙げられる。このような衛生用品としては、例えば、おむつ(特に、使い捨ておむつのイヤー部分)、サポーター、マスクなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0093】
100 伸縮性積層体
10 エラストマー層
20 不織布層
20a 不織布層
20b 不織布層
30 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6