特許第6718601号(P6718601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6718601
(24)【登録日】2020年6月17日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/14 20180101AFI20200629BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20200629BHJP
   B60Q 3/74 20170101ALI20200629BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20200629BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20200629BHJP
   F21W 106/00 20180101ALN20200629BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20200629BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20200629BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200629BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20200629BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20200629BHJP
【FI】
   F21S43/14
   F21S43/19
   B60Q3/74
   H01L33/00 L
   H01L33/62
   F21W106:00
   F21W103:20
   F21W103:35
   F21Y115:10 300
   F21Y115:10 500
   F21Y115:15
   F21Y115:30
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-167862(P2016-167862)
(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公開番号】特開2018-37196(P2018-37196A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】松田 陽平
(72)【発明者】
【氏名】土屋 竜二
(72)【発明者】
【氏名】小杉 大資
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−275511(JP,A)
【文献】 特開2003−257232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/14
B60Q 3/74
F21S 43/19
H01L 33/00
H01L 33/62
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 106/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状を呈し、第1の部分と、前記第1の部分の幅寸法よりも短い幅寸法を有し、ソケットに挿入可能な第2の部分と、を備えた基体と;
前記第1の部分および前記第2の部分の表面に設けられた配線パターンと;
前記第1の部分に設けられた配線パターンと電気的に接続された発光素子と;
前記第2の部分の表面に設けられた配線パターンを厚み方向に貫通するとともに、前記第2の部分の内部に設けられた第2の保持部と;
を具備し
前記第2の部分を前記ソケットに挿入した際に、前記第2の保持部は、前記ソケットの端子に設けられた第1の保持部と連結され、前記ソケットの端子は、前記第2の部分の表面に設けられた配線パターンと電気的に接続される車両用照明装置。
【請求項2】
前記第2の保持部は、前記第2の部分を厚み方向に貫通している請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記第2の保持部は、前記第2の部分の側面に開口している請求項1または2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
板状を呈し、第1の部分と、前記第1の部分の幅寸法よりも短い幅寸法を有し、ソケットに挿入可能な第2の部分と、を備えた基体と;
前記第1の部分および前記第2の部分の表面に設けられた配線パターンと;
前記第1の部分に設けられた配線パターンと電気的に接続された発光素子と;
前記第2の部分の表面に設けられた配線パターンの上に設けられた膜部と;
前記膜部を厚み方向に貫通する第2の保持部と;
を具備し、
前記第2の部分をソケットに挿入した際に、前記第2の保持部は、前記ソケットの端子に設けられた第1の保持部と連結され、前記ソケットの端子は、前記膜部を介して、前記第2の部分の表面に設けられた配線パターンと電気的に接続される車両用照明装置。
【請求項5】
前記膜部は、導電性材料を含んでいる請求項4記載の車両用照明装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置に設けられた基体の第2の部分が挿入されるソケットと;
を具備し
前記ソケットは、前記第2の部分に設けられた配線パターンと電気的に接続される端子と;前記端子に設けられた第1の保持部と;を備えている車両用灯具。
【請求項7】
前記第1の保持部は、半球状の凸部である請求項6記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
口金を有さないウェッジベース電球が車両用照明装置として用いられている。ウェッジベース電球は白熱電球である。そのため、省電力化、長寿命化などの観点から、ウェッジベース電球は、発光ダイオードを備えた車両用照明装置と置き換えられるようになってきている。
ウェッジベース電球を発光ダイオードを備えた車両用照明装置と置き換える場合、ウェッジベース電球が装着されていたソケットをそのまま用いることができるようにすることが好ましい。そのため、発光ダイオードを備えた車両用照明装置のリード部は、ウェッジベース電球のリード部と同じ形状と寸法を有している。
【0003】
また、車両用照明装置には車両の走行に伴う振動やエンジンなどからの振動が加わる。そのため、車両用照明装置を保持する力が弱いと、車両用照明装置がソケットから抜け落ちるおそれがある。そのため、凸部を有する端子をソケットに設け、端子に設けられた凸部に適合する凹部を車両用照明装置のリード部に設ける技術が提案されている。
ところが、発光ダイオードを備えた車両用照明装置の外形寸法や形状をウェッジベース電球の外形寸法や形状に合わせると、構成が複雑となり製造コストが増大するという問題が生じる。
そのため、製造コストの低減を図ることができる車両用照明装置および車両用灯具の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−257232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、製造コストの低減を図ることができる車両用照明装置および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る車両用照明装置は、板状を呈し、第1の部分と、前記第1の部分の幅寸法よりも短い幅寸法を有し、ソケットに挿入可能な第2の部分と、を備えた基体と;前記第1の部分および前記第2の部分の表面に設けられた配線パターンと;前記第1の部分に設けられた配線パターンと電気的に接続された発光素子と;前記第2の部分の表面に設けられた配線パターンを厚み方向に貫通するとともに、前記第2の部分の内部に設けられた第2の保持部と;を具備している。前記第2の部分を前記ソケットに挿入した際に、前記第2の保持部は、前記ソケットの端子に設けられた第1の保持部と連結され、前記ソケットの端子は、前記第2の部分の表面に設けられた配線パターンと電気的に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、製造コストの低減を図ることができる車両用照明装置および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置1および車両用灯具100を例示するための模式断面図である。
図2】(a)〜(c)は、車両用照明装置1を例示するための模式図である。
図3】(a)〜(d)は、他の実施形態に係る第2の保持部2cを例示するための模式図である。
図4】他の実施形態に係る第2の保持部2c1を例示するための模式図である。
図5】他の実施形態に係る第2の保持部2c2を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係る車両用照明装置1としては、例えば、自動車や鉄道車両などに設けられるルームランプ、メーターランプ、読書灯、制動灯、方向指示灯、尾灯などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1および車両用灯具100を例示するための模式断面図である。
図1に示すように、車両用灯具100には、ソケット101、配線102、および車両用照明装置1が設けられている。
【0011】
ソケット101は、車両用照明装置1が挿入される空間を内部に有する。ソケット101は、例えば、一方の端部が開口した筒体とすることができる。ただし、ソケット101の形状や大きさは例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用灯具100の用途や大きさなどに応じて適宜変更することができる。
ソケット101は、例えば、絶縁性材料から形成することができる。ソケット101は、例えば、尿素樹脂(ユリア樹脂)などから形成することができる。
【0012】
ソケット101の、車両用照明装置1が挿入される空間には一対の端子101aが設けられている。すなわち、ソケット101には、コの字を呈した端子101aが2つ設けられている。一対の端子101aは、基体2の第2の部分2bの幅方向に並べて設けられている。一方の端子101aは、配線102を介して外部電源のプラス側に接続される。他方の端子101aは、配線102を介して外部電源のマイナス側に接続される。一対の端子101aは、導電性と弾性を有する材料から形成されている。一対の端子101aは、例えば、ベリリウム銅などの銅合金から形成することができる。
【0013】
ソケット101の内部に車両用照明装置1(基体2の第2の部分2b)が挿入されると、基体2の第2の部分2bが一対の端子101aに挟まれる。そのため、車両用照明装置1がソケット101に保持される。また、第2の部分2bに設けられた配線パターン3と端子101aが接触する。そのため、外部電源と発光素子4とを電気的に接続することができる。
【0014】
また、端子101aの、基体2に面する側の面には第1の保持部101bが設けられている。第1の保持部101bは、一対の端子101aのそれぞれに設けることもできるし、一方の端子101aに設けることもできる。また、第1の保持部101bは、端子101aの2つの接触部101a1のそれぞれに設けることもできるし、一方の接触部101a1に設けることもできる。第1の保持部101bの高さは、例えば、0.25mmであるが、これには特に限定されない。
【0015】
ソケット101の内部に車両用照明装置1(第2の部分2b)が挿入されると、ソケット101に設けられた第1の保持部101bと、第2の部分2bに設けられた第2の保持部2cとが連結される。そのため、車両用照明装置1がソケット101に保持される。この様にすれば、車両の走行に伴う振動やエンジンなどからの振動が車両用灯具100に加わったとしても、車両用照明装置1がソケット101から抜け落ちるのを抑制することができる。
【0016】
第1の保持部101bは端子101aと一体に形成することができる。第1の保持部101bは、例えば、端子101aをプレス成形する際に同時に形成することができる。第1の保持部101bの形状には特に限定はないが、車両用照明装置1をソケット101の内部に挿入する際に引っかかり難い形状とすることが好ましい。第1の保持部101bの形状は、例えば、半球状などとすることができる。
【0017】
なお、図1においては、凸状を呈する第1の保持部101bと、第1の保持部101bが挿入される開口を有する第2の保持部2cを例示したが、これに限定されるわけではない。凸状を呈する第2の保持部2cと、第2の保持部2cが挿入される開口を有する第1の保持部101bとしてもよい。すなわち、第1の保持部101bと第2の保持部2cが協働して車両用照明装置1を保持するようになっていればよい。
また、第1の保持部101bの数、大きさ、配置は例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用灯具100の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0018】
配線102の一方の端部は、一対の端子101aと電気的に接続されている。配線102の他方の端部は、外部電源と電気的に接続されている。なお、配線102は必ずしも必要ではない。例えば、一対の端子101aがソケット101の端面や外側面に露出し、車両に設けられた接続端子と一対の端子101aが電気的に接続されるようになっていてもよい。
【0019】
次に、本実施の形態に係る車両用照明装置1について例示をする。
図2(a)〜(c)は、車両用照明装置1を例示するための模式図である。
図2(a)は、車両用照明装置1の側面図である。
図2(b)は、図2(a)において車両用照明装置1をA方向から見た模式平面図である。
図2(c)は、図2(a)において車両用照明装置1をB方向から見た模式平面図である。
図2(a)〜(c)に示すように、車両用照明装置1には、基体2、配線パターン3、発光素子4、抵抗5、およびダイオード6が設けられている。
【0020】
基体2は、平板状を呈している。基体2は、第1の部分2aと第2の部分2bを有する。第2の部分2bの幅寸法Wbは、第1の部分2aの幅寸法Waよりも短い。なお、幅寸法は、車両用照明装置1をソケットに101に挿入する方向に直交する方向の寸法である。
従来のウェッジベース電球等との置き換えを容易にするため、第1の部分2aの幅寸法Waは30mm以下、例えば、7.6mmに設定することができる。また、第2の部分2bの幅寸法Wbは20mm以下、例えば、4.4mmに設定することができる。ただし、第1の部分2aの幅寸法Wa、および、第2の部分2bの幅寸法Wbは、これには特に限定されず適宜変更することができる。また、第1の部分2aと第2の部分2bとの間をテーパ―形状とすることができる。
第1の部分2aに設けられた配線パターン3には発光素子4、抵抗5、およびダイオード6が電気的に接続される。第2の部分2bは、ソケット101に挿入される。第2の部分2bに設けられた配線パターン3には端子101aが接触する。また、第2の部分2bには第2の保持部2cが設けられている。第2の保持部2cは、車両用照明装置1をソケット101の内部に挿入した際に第1の保持部101bと対峙する位置に設けられている。
【0021】
幅寸法が長い第1の部分2aを設ければ、実装面積を大きくすることができる。そのため、発光素子4、抵抗5、およびダイオード6の数、大きさ、配置などの変更が容易となる。また、幅寸法が長い第1の部分2aを設ければ、車両用照明装置1を着脱する際に第1の部分2aに指を掛けることができる。そのため、車両用照明装置1のソケット101への着脱が容易となる。なお、平面形状がT字型の基体2を例示したがこれに限定されるわけではない。例えば、平面形状がL字型の基体2などとしてもよい。
【0022】
基体2は、絶縁性材料から形成することができる。基体2は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基体2は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。基体2の厚みは、1.6mm〜2.0mm、例えば、2.0mmである。ただし、基体2の厚みは、これには限定されず適宜変更することができる。
【0023】
発光素子4の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基体2を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い酸化アルミニウムや炭素(カーボン)などからなるフィラーを混合させたものである。
【0024】
配線パターン3は、第1の部分2aおよび第2の部分2bの表面に設けられている。配線パターン3は、基体2の一方の側の表面に設けることもできるが、基体2の両側の表面に設けることが好ましい。配線パターン3が、基体2の両側の表面に設けられていれば、実装面積を増加させることができる。また、端子101aとの接触面積を大きくすることができるので、電気的な接続に関する信頼性を向上させることができる。
【0025】
基体2の一方の表面に設けられた配線パターン3と、基体2の他方の表面に設けられた配線パターン3とは、基体2の厚み方向を貫通する導電ビア3aにより電気的に接続されている。
この場合、発光素子4、抵抗5、およびダイオード6を配線パターン3と電気的に接続した際に、これらが直列接続されるような配線パターン3の形状と導電ビア3aの配置となっている。
配線パターン3は、銅やアルミニウムなどの低抵抗金属から形成することができる。
【0026】
発光素子4は、第1の部分2aの表面に設けられている。発光素子4は、例えば、第1の部分2aの幅寸法Waの中心軸上に配置することができるが、配置位置には特に限定されない。発光素子4は、第1の部分2aの表面に設けられた配線パターン3と電気的に接続されている。発光素子4は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子4の電流は、例えば、5mA〜50mAである。
【0027】
発光素子4の形式には特に限定はない。
発光素子4は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。なお、図1図2(a)、(c)に例示をした発光素子4は、表面実装型の発光素子である。
発光素子4は、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。 また、発光素子4は、COB(Chip On Board)により実装されるものとすることもできる。COBにより実装される発光素子4とする場合には、チップ状の発光素子4と、発光素子4と配線パターン3を電気的に接続する配線と、発光素子4と配線を囲む枠状の部材と、枠状の部材の内部に設けられ発光素子4と配線を覆う封止部などを第1の部分2aの上に設けることができる。また、封止部には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。なお、蛍光体の種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0028】
発光素子4の光の出射面は、基体2の表面とほぼ平行となっている。発光素子4は、主に、基体2の表面に垂直な方向に向けて光を出射する。基体2の一方の表面に発光素子4を設ければ、偏った配光特性となる。ただし、車両用照明装置1が車室内灯(例えば、ルームランプ、メーターランプ、読書灯など)の場合には、車両用照明装置1の一方の側に光を照射すれば良い。そのため、車両用照明装置1が車室内灯の場合には、この様な配光特性とすることが好ましい。
発光素子4の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。例えば、図1図2(a)、(c)においては、第1の部分2aの一方の側の表面に発光素子4が設けられる場合を例示したが、第1の部分2aの両側の表面に発光素子4を設けることもできる。第1の部分2aの両側の表面に発光素子4を設ければ、広い配光特性を有する車両用照明装置1とすることができる。例えば、車両用照明装置1が車室外灯(例えば、制動灯、方向指示灯、尾灯など)の場合には、この様な配光特性とすることが好ましい。
【0029】
抵抗5は、第1の部分2aの表面に設けることができる。抵抗5は、第1の部分2aの、発光素子4が設けられる側の表面に設けることもできるが、第1の部分2aの、発光素子4が設けられる側とは反対側の表面に設けることが好ましい。抵抗5が、第1の部分2aの、発光素子4が設けられる側とは反対側の表面に設けられていれば、発光素子4から出射した光が抵抗5に吸収されたり、抵抗5により遮られたりするのを抑制することができる。また、実装面積を広くすることができるので、発光素子4、抵抗5、およびダイオード6の数を増やしたり、車両用照明装置1を小さくしたりするのが容易となる。
【0030】
抵抗5は、第1の部分2aの表面に設けられた配線パターン3と電気的に接続されている。抵抗5は、発光素子4に流れる電流を制御する。
抵抗5は、電流制限抵抗とすることができる。
また、抵抗5は、発光素子4の明るさを調整するものとすることもできる。発光素子4の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子と、グランド端子と、の間の印加電圧を一定にすると、発光素子4の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子4の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗5により、発光素子4に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗5の抵抗値を変化させることで、発光素子4に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにすることができる。
【0031】
抵抗5は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、図1図2(a)、(b)に例示をした抵抗5は、表面実装型の抵抗器である。
抵抗5の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子4の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0032】
なお、膜状の抵抗器は、抵抗値の調整が容易である。そのため、抵抗値の調整を行う場合には、膜状の抵抗器とすることが好ましい。この場合、抵抗値の調整は、以下の様にして行うことができる。まず、スクリーン印刷法などを用いて、第1の部分2aの表面に膜状の抵抗器(抵抗5)を形成する。次に、抵抗5にレーザ光を照射して、抵抗5の一部を除去する。そして、除去した部分の大きさなどにより、抵抗5の抵抗値を変化させる。この場合、抵抗5の一部を除去すれば、抵抗値は増加することになる。
【0033】
ダイオード6は、第1の部分2aの表面に設けることができる。ダイオード6は、第1の部分2aの、発光素子4が設けられる側の表面に設けることもできるが、第1の部分2aの、発光素子4が設けられる側とは反対側の表面に設けることが好ましい。ダイオード6が、第1の部分2aの、発光素子4が設けられる側とは反対側の表面に設けられていれば、発光素子4から出射した光がダイオード6に吸収されたり、ダイオード6により遮られたりするのを抑制することができる。また、実装面積を広くすることができるので、発光素子4、抵抗5、およびダイオード6の数を増やしたり、車両用照明装置1を小さくしたりするのが容易となる。
【0034】
ダイオード6は、第1の部分2aの表面に設けられた配線パターン3と電気的に接続されている。ダイオード6は、逆方向電圧が発光素子4に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子4に印加されないようにするために設けられている。
【0035】
その他、必要に応じて、トランジスタ、コンデンサ、集積回路などの電気部品を基体2の表面に設けることができる。
また、配線パターン3や膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、白色のソルダーレジストからなる膜、ガラス材料からなる膜などとすることができる。
【0036】
次に、第1の保持部101bと第2の保持部2cについてさらに説明する。
図1図2(a)〜(c)に示すように、第1の保持部101bは凸状を呈するものとすることができる。また、第2の保持部2cは、第1の保持部101bが挿入される開口を有するものとすることができる。この場合、第2の保持部2cは、第2の部分2bを厚み方向に貫通し、第2の部分2bの側面にも開口するものとすることができる。すなわち、第2の保持部2cは、第2の部分2bに設けられた切り欠きとすることができる。第2の保持部2c(切り欠き)の幅は、例えば、0.5mm〜0.8mmに設定できるが、これには特に限定されない。
【0037】
図3(a)〜(d)は、他の実施形態に係る第2の保持部2cを例示するための模式図である。
図3(a)に示すように、第2の保持部2cは、第2の部分2bを厚み方向に貫通せず、第2の部分2bの一方の表面と側面に開口するものとすることができる。
図3(b)に示すように、第2の保持部2cは、第2の部分2bの両側の表面に設けることができる。
図3(c)に示すように、第2の保持部2cは、第2の部分2bを厚み方向に貫通する孔とすることができる。
図3(d)に示すように、第2の保持部2cは、第2の部分2bを厚み方向に貫通しない凹部とすることができる。
また、第1の保持部101bが端子101aに設けられているため、第2の部分2bの、配線パターン3が設けられる面に開口する第2の保持部2cを例示した。第1の保持部101bが、ソケット101の、第2の部分2bの側面と対峙する部分に設けられている場合には、第2の部分2bの側面に開口する第2の保持部2cとすることができる。
【0038】
第2の部分2bを厚み方向に貫通する第2の保持部2cとすれば、第2の保持部2cの形成が容易となる。そのため、製造コストの低減を図ることができる。
一方、第2の部分2bを厚み方向に貫通しない第2の保持部2cとすれば、基体2(第2の部分2b)の強度が低下するのを抑制することができる。第2の保持部2cの基体2方向の深さは、例えば、0.1mm以上とすることができるが、これには特に限定されない。
【0039】
図4は、他の実施形態に係る第2の保持部2c1を例示するための模式図である。
図4に示すように、第2の保持部2c1は、第2の部分2bに設けられた膜部2dに開口するものとすることができる。膜部2dが配線パターン3の上に設けられる場合には、膜部2dは導電性材料から形成される。膜部2dは、例えば、半田などから形成することができる。第2の保持部2c1(膜部2dの開口)の幅は、例えば、0.5mm〜0.8mmに設定できるが、これには特に限定されない。
この様にすれば、基体2(第2の部分2b)を加工する必要がなくなるので、製造コストの低減を図ることができる。また、基体2(第2の部分2b)の強度が低下するのを抑制することができる。
【0040】
図5は、他の実施形態に係る第2の保持部2c2を例示するための模式図である。
図5に示すように、第2の保持部2c2は、第2の部分2bから突出する凸状体とすることができる。この場合、第1の保持部101bは、端子101aに設けられた孔とすることができる。
第2の保持部2c2は、例えば、丸頭のネジ(例えば、トラスネジ、ナベネジなど)、丸頭のリベットなどとすることができる。
この様にすれば、基体2(第2の部分2b)を加工が容易となるので、製造コストの低減を図ることができる。また、基体2(第2の部分2b)の強度が低下するのを抑制することができる。
以上に説明したように、第2の保持部は、第2の部分2bをソケット101に挿入した際に、ソケット101に設けられた第1の保持部101bと連結されるものであればよい。
【0041】
本実施の形態に係る車両用照明装置1とすれば、構成の簡略化を図ることができる。そのため、製造コストの大幅な低減を図ることができる。
【0042】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 車両用照明装置、2 基体、2a 第1の部分、2b 第2の部分、2c 第2の保持部、2c1 第2の保持部、2c2 第2の保持部、3 配線パターン、4 発光素子、100 車両用灯具、101 ソケット、101a 端子、101a1 接触部、101b 第1の保持部
図1
図2
図3
図4
図5