特許第6719019号(P6719019)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6719019
(24)【登録日】2020年6月17日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】熱抑制ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/34 20060101AFI20200629BHJP
【FI】
   F24C15/34 D
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-199767(P2019-199767)
(22)【出願日】2019年11月1日
【審査請求日】2019年11月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】相川 安佐美
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−051111(JP,U)
【文献】 特開2017−009206(JP,A)
【文献】 韓国登録実用新案第20−0417829(KR,Y1)
【文献】 特開2019−002575(JP,A)
【文献】 実開昭57−174909(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C3/00−3/14,15/00−15/36
F24F7/06
A47B77/08
A47J37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理機器と調理人との間且つ当該加熱調理機器の周りに設けられる壁部と、
前記壁部に設けられ、前記調理人の手および/または当該調理人に扱われる調理器具が当該壁部よりも前記加熱調理機器側に入ることを可能にするための開口が形成された開口部と、
前記加熱調理機器および/または当該加熱調理機器上の食材の画像を撮像する撮像手段と、
前記壁部に取り付けられ、前記撮像手段に撮像された画像を表示する表示手段と、
を備える熱抑制ユニット。
【請求項2】
加熱調理機器と調理人との間且つ当該加熱調理機器の周りに設けられる壁部と、
前記壁部に設けられ、前記調理人の手および/または当該調理人に扱われる調理器具が当該壁部よりも前記加熱調理機器側に入ることを可能にするための開口が形成された開口部と、
前記加熱調理機器および/または当該加熱調理機器上の食材の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段に撮像された画像を表示する表示手段と、
を備え
前記壁部は、光の透過性を有する透過部を有し、
前記撮像手段は、前記壁部よりも前記加熱調理機器の外側から、当該壁部の前記透過部を通じて、前記画像を撮像することを特徴とする熱抑制ユニット。
【請求項3】
前記壁部における前記開口の周囲の少なくとも一部に設けられ、当該壁部よりも柔軟性を有する柔軟性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の熱抑制ユニット。
【請求項4】
前記加熱調理機器の上方に向かって送風する送風手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の熱抑制ユニット。
【請求項5】
前記壁部よりも前記加熱調理機器側における特定の対象物の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記対象物に関する注意喚起を行う注意喚起手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の熱抑制ユニット。
【請求項6】
前記壁部は、排気フードまで延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱抑制ユニット。
【請求項7】
前記壁部は、不燃材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の熱抑制ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱抑制ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、テーブルの上面にガスバーナの火口を設けて成るテーブルレンジにおいて、上記火口の前方にテーブル上面より出入り自在の遮熱板を設けると共に、該遮熱板を昇降操作する手段を設け、該遮熱板の突出状態では遮熱板が火口から前方への熱輻射を遮断するようにしたことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−296936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される従来技術は、遮熱板の突出状態では遮熱板が加熱調理機器から前方への輻射熱を遮断することができるという利点はあるが、胸や顔への輻射熱や調理者側に伝わる対流熱を遮断するには限界がある。一方で、輻射熱や対流熱を遮断する領域を大きくすると、調理人による調理が妨げられる場合がある。
【0005】
本発明は、加熱調理機器から発生する熱が調理人に伝わることを抑制した状態での調理を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、加熱調理機器と調理人との間且つ当該加熱調理機器の周りに設けられる壁部と、前記壁部に設けられ、前記調理人の手および/または当該調理人に扱われる調理器具が当該壁部よりも前記加熱調理機器側に入ることを可能にするための開口が形成された開口部と、前記加熱調理機器および/または当該加熱調理機器上の食材の画像を撮像する撮像手段と、前記壁部に取り付けられ、前記撮像手段に撮像された画像を表示する表示手段と、を備える熱抑制ユニットである。
請求項2に記載の発明は、加熱調理機器と調理人との間且つ当該加熱調理機器の周りに設けられる壁部と、前記壁部に設けられ、前記調理人の手および/または当該調理人に扱われる調理器具が当該壁部よりも前記加熱調理機器側に入ることを可能にするための開口が形成された開口部と、前記加熱調理機器および/または当該加熱調理機器上の食材の画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段に撮像された画像を表示する表示手段と、を備え、前記壁部は、光の透過性を有する透過部を有し、前記撮像手段は、前記壁部よりも前記加熱調理機器の外側から、当該壁部の前記透過部を通じて、前記画像を撮像することを特徴とする熱抑制ユニットである。
請求項3に記載の発明は、前記壁部における前記開口の周囲の少なくとも一部に設けられ、当該壁部よりも柔軟性を有する柔軟性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の熱抑制ユニットである。
請求項4に記載の発明は、前記加熱調理機器の上方に向かって送風する送風手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の熱抑制ユニットである。
請求項5に記載の発明は、前記壁部よりも前記加熱調理機器側における特定の対象物の位置を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記対象物に関する注意喚起を行う注意喚起手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の熱抑制ユニットである。
請求項6に記載の発明は、前記壁部は、排気フードまで延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱抑制ユニットである。
請求項7に記載の発明は、前記壁部は、不燃材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の熱抑制ユニットである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、加熱調理機器から発生する熱が調理人に伝わることを抑制した状態での調理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る熱抑制ユニットの全体構成例を示した図である。
図2】熱抑制ユニットを図1の矢印II方向から眺めた場合の図である。
図3】左側板部材の一部の拡大図である。
図4】(a)乃至(c)は、調理人による調理の状況と端末に表示される映像との関係を示した図である。
図5】(a)は、変形例としての検出手段が設けられた熱抑制ユニットを示した図であり、(b)は、調理人による調理の状況と端末に表示される映像との関係を示した図である。
図6】変形例としての板部材が設けられた熱抑制ユニットを示した図である。
図7】変形例2における板部材が設けられた熱抑制ユニットを示した図である。
図8】変形例3における板部材が設けられた熱抑制ユニットを示した図である。
図9】(a)、(b)は、図1に示した板部材の構成の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<熱抑制ユニットの構成>
図1は、本実施形態に係る熱抑制ユニット1の全体構成例を示した図である。なお、以下では、図1に示す熱抑制ユニット1の紙面手前側を「前側」と称し、紙面奥側を「後側」と称し、これらの方向を「前後方向」と称して説明する。また、図1に示す熱抑制ユニット1の紙面左側を「左側」と称し、紙面右側を「右側」と称し、これらの方向を「左右方向」と称して説明する。さらに、図1に示す熱抑制ユニット1の紙面上側を「上側」と称し、紙面下側を「下側」と称し、これらの方向を「上下方向」と称して説明する。
本実施形態に係る熱抑制ユニット1は、加熱調理機器を囲むことにより、調理の際に加熱調理機器から発生する熱が調理人に伝わることを抑制する。加熱調理機器とは、調理の際に加熱される機器である。また、加熱調理機器から発生する熱としては、例えば、輻射熱や対流熱等が挙げられる。また、調理人とは、加熱調理機器を用いて調理を行うユーザである。
【0010】
加熱調理機器としては、例えば、フライパン、グリラー、鍋、オーブン、フライヤー、ゆで器、釜、炊飯器、焼物器、ホットプレート等が挙げられる。ゆで器には、ゆで麺器およびゆで卵器が含まれる。また、調理の際に熱を発生する機器も、広義には、加熱調理機器に含まれる。そのため、レンジ、コンロ、かまど等も、加熱調理機器に含まれる。
【0011】
熱抑制ユニット1は、熱抑制部材10と、端末20と、給気ファン30と、人感センサ40と、機器ずれセンサ50とを備える。
熱抑制部材10には、手前側板部材11と、左側板部材12と、右側板部材13とが設けられている。なお、手前側板部材11、左側板部材12、および右側板部材13をまとめて説明する場合には、単に板部材と称する。
【0012】
壁部の一例としての板部材は、加熱調理機器を囲むように設けられている。図示の例では、板部材は、コンロSとこのコンロSの上に載せられたグリラーGとを囲むように設けられている。また、板部材は、板状に形成されている。また、板部材は、上下方向に延びている。より具体的には、板部材は、排気フードHまで延びている。さらに、板部材は、不燃材料により構成されている。不燃材料としては、例えば、金属材料が挙げられる。金属材料としては、例えば、ステンレスやアルミニウム等が挙げられる。なお、以下では、コンロSおよびグリラーGをまとめて説明する場合にも、単に、加熱調理機器と称することがある。
【0013】
手前側板部材11は、加熱調理機器よりも前側に設けられている。より具体的には、手前側板部材11は、加熱調理機器よりも前側において、加熱調理機器よりも左側から加熱調理機器よりも右側にわたって設けられている。
【0014】
左側板部材12は、加熱調理機器よりも左側に設けられている。より具体的には、左側板部材12は、加熱調理機器よりも左側において、加熱調理機器よりも前側から加熱調理機器よりも後側にわたって設けられている。
また、左側板部材12には、開口部12Aが設けられている。開口部12Aには、四角形状の開口が形成されている。この開口は、図示の例では、左右方向において加熱調理機器に対向している。また、この開口は、加熱調理機器が設けられている作業台Dに接続されている。本実施形態では、調理人は、開口部12Aに形成されたこの開口を通じて、左側板部材12よりも右側へ左手を出し入れする。
【0015】
右側板部材13は、加熱調理機器よりも右側に設けられている。より具体的には、右側板部材13は、加熱調理機器よりも右側において、加熱調理機器よりも前側から加熱調理機器よりも後側にわたって設けられている。
また、右側板部材13には、開口部13Aが設けられている。開口部13Aには、四角形状の開口が形成されている。この開口は、図示の例では、左右方向において加熱調理機器に対向している。また、この開口は、作業台Dに接続されている。本実施形態では、調理人は、開口部13Aに形成されたこの開口を通じて、右側板部材13よりも左側へ右手を出し入れする。
【0016】
本実施形態では、左側板部材12の前側の端部は、手前側板部材11の左側の端部に接続されている。また、手前側板部材11の右側の端部は、右側板部材13の前側の端部に接続されている。さらに、手前側板部材11、左側板部材12、および右側板部材13は、一体として構成されている。ただし、手前側板部材11、左側板部材12、および右側板部材13は、それぞれ別々に構成されてもよい。
【0017】
端末20は、手前側板部材11に取り付けられている。より具体的には、端末20は、手前側板部材11のうちの前側の面に取り付けられている。なお、端末20は、手前側板部材11のうちの後側の面に取り付けられてもよい。この端末20は、加熱調理機器や加熱調理機器上の食材の動画を撮像し、撮像した動画を表示する。端末20には、表示部21と、スピーカ22とが設けられている。
表示手段の一例としての表示部21は、情報を表示する。端末20に撮像された動画は、表示部21に表示される。
スピーカ22は、音を出力する。
【0018】
端末20は、例えば、コンピュータ、タブレット型情報端末、その他の情報処理装置により実現される。端末20は、例えば、スマートフォンであってもよい。すなわち、端末20は、何れの種類の端末であってもよい。
【0019】
図2は、熱抑制ユニット1を図1の矢印II方向から眺めた場合の図である。なお、図2においては、左側板部材12の構成を省略している。
図2に示すように、手前側板部材11は、前後方向において、加熱調理機器よりも前側であって、調理人よりも後側に設けられている。言い換えると、手前側板部材11は、加熱調理機器と調理人との間に設けられている。
【0020】
また、本実施形態の端末20にはカメラ23が設けられている。このカメラ23は、加熱調理機器や加熱調理機器上の食材Fの動画を撮像する。本実施形態では、手前側板部材11のうちのカメラ23の撮像領域に入る部分が、透過性を有する部材により構成されており、カメラ23は、この部分を通じて、加熱調理機器や加熱調理機器上の食材Fの動画を撮像する。透過性を有する部材としては、例えば、耐熱性を有する樹脂等が挙げられる。耐熱性を有する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート(Polycarbonate)やポリ塩化ビニル(Polyvinyl chloride)等が挙げられる。
端末20は、撮像された動画を、表示部21(図1参照)に表示する。
【0021】
また、右側板部材13のうちの左側の面には、給気ファン30と、人感センサ40と、機器ずれセンサ50とが取り付けられている。
送風手段の一例としての給気ファン30は、上下方向において、開口部13Aよりも上側であって、端末20よりも下側に設けられている。給気ファン30は、加熱調理機器の上側に向かって送風する。この送風が行われる領域は、カメラ23の撮像領域に含まれる領域である。
【0022】
検出手段の一例としての人感センサ40は、調理人と加熱調理機器との距離を検出し、検出結果に基づいて、注意喚起を行う。より具体的には、人感センサ40は、調理人の位置および加熱調理機器の位置を検出し、検出結果から、調理人と加熱調理機器との距離を算出する。そして、人感センサ40は、算出した距離が危険距離以下である場合、算出結果を端末20に送信し、注意喚起に関する情報を端末20から出力させる。ここで、危険距離とは、調理人が調理を続けた場合に調理人が加熱調理機器に接触する危険性が高い距離として定められた距離である。危険距離は、何れの値であってもよいが、例えば、1cmである。
人感センサ40としては、例えば、赤外線センサや紫外線センサが用いられる。また、人感センサ40として、温度センサ、距離センサ、超音波センサ等が用いられてもよい。さらに、上述した複数のセンサを組み合わせて人感センサ40として用いられてもよい。
【0023】
なお、例えば、端末20が、予め定められた時間ごとに、人感センサ40から検出結果を取得してもよい。そして、端末20は、取得した検出結果から調理人と加熱調理機器との距離を算出し、算出した距離が危険距離以下である場合に、注意喚起に関する情報を出力してもよい。予め定められた時間は、何れの時間であってもよいが、例えば、1秒である。
【0024】
検出手段の一例としての機器ずれセンサ50は、加熱調理機器の位置を検出し、検出結果に基づいて、注意喚起を行う。
機器ずれセンサ50を用いて行う注意喚起の一例を説明する。機器ずれセンサ50は、グリラーGの位置を検出し、検出結果から、グリラーGが予め定められた初期位置からずれた距離を算出する。初期位置としては、例えば、コンロSの中心部に載せられたグリラーGの位置等が挙げられる。この初期位置は、機器ずれセンサ50にて予め定められる。そして、機器ずれセンサ50は、算出した距離が上限距離よりも長い場合、算出結果を端末20に送信し、注意喚起に関する情報を端末20から出力させる。上限距離は、例えば、加熱調理機器が加熱されるために必要な距離として定められた距離である。上限距離は何れの値であってもよいが、例えば、15cmである。
【0025】
機器ずれセンサ50としては、例えば、赤外線センサや紫外線センサが用いられる。また、機器ずれセンサ50として、温度センサ、距離センサ、超音波センサ等が用いられてもよい。さらに、上述した複数のセンサを組み合わせて機器ずれセンサ50として用いられてもよい。
【0026】
なお、例えば、端末20が、予め定められた時間ごとに、機器ずれセンサ50から検出結果を取得してもよい。そして、端末20は、取得した検出結果からグリラーGが初期位置からずれた距離を算出し、算出した距離が上限距離よりも長い場合に、注意喚起に関する情報を出力してもよい。予め定められた時間は、何れの時間であってもよいが、例えば、1秒である。
【0027】
図3は、左側板部材12の一部の拡大図である。
熱抑制部材10には、図3に示すように、柔軟性部材14が設けられている。この柔軟性部材14は、左側板部材12のうちの、開口部12Aに形成された開口の周囲の部分に取り付けられている。言い換えると、柔軟性部材14は、開口部12Aに形成された開口を覆うように左側板部材12に取り付けられている。柔軟性部材14は、左側板部材12よりも柔軟性を有する部材により構成されている。柔軟性部材14としては、例えば、樹脂が挙げられる。また、樹脂としては、何れのものが用いられてもよいが、例えば、エポキシ樹脂やシリコン樹脂等が挙げられる。
【0028】
なお、図示を省略するが、柔軟性部材14は、左側板部材12に取り付けられているものと同様に、右側板部材13にも取り付けられている。より具体的には、柔軟性部材14は、開口部13A(図2参照)に形成された開口を覆うように右側板部材13に取り付けられている。
【0029】
以上の通り、本実施形態では、板部材が、加熱調理機器と調理人との間且つ加熱調理機器の周りに設けられる。また、開口部12Aや開口部13Aは、板部材に設けられ、調理人の手が板部材よりも加熱調理機器側に入ることを可能にするための開口が形成されている。
この場合、調理人は、例えば、熱抑制部材10(図1参照)よりも加熱調理機器の外側に位置しながら、開口部12Aや開口部13Aに形成された開口から手を入れることで、加熱調理機器を用いた調理を行う。また、加熱調理機器から発生する熱や、加熱調理機器上の食材から発生するにおいは、熱抑制部材10よりも加熱調理機器側に閉じ込められる。そのため、加熱調理機器から発生する熱や加熱調理機器上の食材から発生するにおいが調理人に伝わることが抑制される。
【0030】
また、本実施形態では、柔軟性部材14は、板部材における開口の周囲に設けられ、板部材よりも柔軟性を有する。
この場合、熱抑制部材10のうちの、開口部12Aに形成された開口の周囲の部分や開口部13Aに形成された開口の周囲の部分に調理人が接触した場合に調理人に生じる衝撃が抑制される。
【0031】
また、本実施形態では、板部材は、排気フードHまで延びている。
この場合、加熱調理機器から発生する煙や蒸気は、板部材よりも調理人側へ出ることなく排気フードHに取り込まれやすくなる。
【0032】
また、本実施形態では、板部材は、不燃材料からなる。
この場合、板部材が、加熱調理機器から発生した熱の影響を受けにくくなる。
【0033】
<調理の状況と映像との関係>
次に、調理人による調理の状況と端末20に表示される映像との関係について説明する。
図4(a)乃至図4(c)は、調理人による調理の状況と端末20に表示される映像との関係を示した図である。なお、図4(a)乃至図4(c)に示す構成においては、熱抑制部材10の構成を省略している。
図4(a)に示すように、調理人は、調理の際に、左側板部材12の開口部12A(図1参照)に形成された開口を通じて、グリラーG上の食材Fを扱う。また、このとき、給気ファン30は、グリラーGの上側に向かって送風する。この場合、端末20の表示部21には、調理人の手および腕と、グリラーGと、食材Fとが映った映像が表示される。
【0034】
次に、図4(b)に示すように、調理人の手がグリラーGに近づき、調理人とグリラーGとの距離が危険距離よりも短くなる。このとき、調理人と加熱調理機器との距離の算出結果が人感センサ40から端末20に送信され、端末20の表示部21には、カメラ23に撮像された映像とともに接近情報201が表示される。この接近情報201は、調理人が加熱調理機器に接近していることを注意喚起するための情報である。図示の例では、接近情報201として、「注意!グリラーに近付き過ぎています」というテキストが表示される。また、端末20のスピーカ22からは、「グリラーに近付き過ぎています」という音声が出力される。
【0035】
次に、図4(c)に示すように、コンロSに対するグリラーGの位置のずれが大きくなり、グリラーGが初期位置からずれた距離が上限距離よりも長くなる。このとき、グリラーGが初期位置からずれた距離の算出結果が機器ずれセンサ50から端末20に送信され、端末20の表示部21には、カメラ23に撮像された映像とともに機器ずれ情報202が表示される。この機器ずれ情報202は、加熱調理機器が初期位置からずれていることを注意喚起するための情報である。図示の例では、機器ずれ情報202として、「注意!グリラーの位置がずれています」というテキストが表示される。また、端末20のスピーカ22からは、「グリラーの位置がずれています」という音声が出力される。
【0036】
以上の通り、本実施形態では、カメラ23は、加熱調理機器や加熱調理機器上の食材の動画を撮像する。そして、表示部21は、カメラ23に撮像された動画を表示する。
この場合、調理人は、熱抑制部材10よりも加熱調理機器側を覗かなくても、加熱調理機器を用いた調理を行える。
【0037】
また、本実施形態では、給気ファン30は、加熱調理機器の上方に向かって送風する。
この場合、加熱調理機器から発生した煙や蒸気は加熱調理機器の上方に滞留しにくくなる。そのため、カメラ23に撮像された画像において加熱調理機器や食材が煙や蒸気に隠されることが抑制される。
【0038】
また、本実施形態では、検出手段は、板部材よりも加熱調理機器側における特定の対象物の位置を検出する。そして、注意喚起手段は、検出手段の検出結果に基づいて、対象物に関する注意喚起を行う。ここで、特定の対象物としては、例えば、調理人や加熱調理機器等が挙げられる。また、注意喚起手段としては、人感センサ40および端末20が挙げられる。また、注意喚起手段としては、機器ずれセンサ50および端末20が挙げられる。
この場合、調理人は、特定の対象物に対する不注意を認識する。
【0039】
<検出手段の変形例>
次に、検出手段の変形例について説明する。
図5(a)は、変形例としての検出手段が設けられた熱抑制ユニット1を示した図であり、図5(b)は、調理人による調理の状況と端末20に表示される映像との関係を示した図である。なお、図1に示した構成と同一の構成については、同一の符号を用いる。
【0040】
図5(a)に示すように、熱抑制ユニット1には、傾きセンサ60が設けられている。傾きセンサ60は、右側板部材13のうちの左側の面に取り付けられている。
検出手段の一例としての傾きセンサ60は、加熱調理機器の傾きを検出し、検出結果に基づいて、注意喚起を行う。より具体的には、傾きセンサ60は、加熱調理機器の位置を検出し、検出結果から、水平面に対する加熱調理機器の傾きの角度を算出する。そして、傾きセンサ60は、算出した角度が落下角度以上である場合、算出結果を端末20に送信し、注意喚起に関する情報を端末20から出力させる。ここで、落下角度とは、調理人が調理を続けた場合に加熱調理機器から食材が落下するおそれがある角度として定められた角度である。落下角度は、何れの値であってもよいが、例えば、15°である。
【0041】
傾きセンサ60としては、例えば、赤外線センサや紫外線センサが用いられる。また、傾きセンサ60として、温度センサ、距離センサ、超音波センサ等が用いられてもよい。さらに、上述した複数のセンサを組み合わせて傾きセンサ60として用いられてもよい。
【0042】
なお、例えば、端末20が、予め定められた時間ごとに、傾きセンサ60から検出結果を取得してもよい。そして、端末20は、取得した検出結果から水平面に対する加熱調理機器の傾きの角度を算出し、算出した角度が落下角度以上である場合に、注意喚起に関する情報を出力してもよい。予め定められた時間は、何れの時間であってもよいが、例えば、1秒である。
【0043】
調理人は、調理の際に、左側板部材12の開口部12Aに形成された開口および右側板部材13の開口部13Aに形成された開口を通じて、図5(b)に示すように、鍋Nを持つ。このとき、調理人に持たれた鍋Nの傾きが大きくなり、この鍋Nの水平面に対する傾きの角度αが落下角度以上になる場合がある。この場合、鍋Nの水平面に対する傾きの角度αの算出結果が傾きセンサ60から端末20に送信され、端末20の表示部21には、カメラ23に撮像された映像とともに傾き情報203が表示される。この傾き情報203は、加熱調理機器の傾きが大きいことを注意喚起するための情報である。図示の例では、傾き情報203として、「注意!鍋が傾き過ぎています」というテキストが表示される。また、端末20のスピーカ22からは、「鍋が傾き過ぎています」という音声が出力される。
【0044】
<板部材の変形例>
次に、板部材の変形例について説明する。
図6は、変形例としての板部材が設けられた熱抑制ユニット1を示した図である。なお、図1に示した構成と同一の構成については、同一の符号を用いる。
図6に示す熱抑制部材10には、左側板部材111と、右側板部材112とが設けられている。左側板部材111および右側板部材112は、上下方向において排気フードHまで延びている。
【0045】
左側板部材111は、加熱調理機器よりも前側から、後側に延びるとともに左側に傾斜して設けられている。より具体的には、左側板部材111は、加熱調理機器よりも前側から加熱調理機器よりも後側にわたって設けられるとともに、左右方向において加熱調理機器の中央部から加熱調理機器よりも左側にわたって設けられている。
また、左側板部材111には、開口部111Aが設けられている。この開口部111Aには、四角形状の開口が形成されている。
【0046】
右側板部材112は、加熱調理機器よりも前側から、後側に延びるとともに右側に傾斜して設けられている。より具体的には、右側板部材112は、加熱調理機器よりも前側から加熱調理機器よりも後側にわたって設けられるとともに、左右方向において加熱調理機器の中央部から加熱調理機器よりも右側にわたって設けられている。
また、右側板部材112には、開口部112Aが設けられている。この開口部112Aには、四角形状の開口が設けられている。
なお、上述した例と同様に、柔軟性部材14(図3参照)が左側板部材111の開口部111Aや右側板部材112の開口部112Aに取り付けられてもよい。
【0047】
本実施形態では、左側板部材111の前側の端部は、右側板部材112の前側の端部に接続されている。また、左側板部材111および右側板部材112は、一体として構成されている。ただし、左側板部材111および右側板部材112は別々に構成されてもよい。
変形例においては、この左側板部材111および右側板部材112により、加熱調理機器を囲む構成となっている。この場合に、左側板部材111および右側板部材112は、壁部として捉えられる。
【0048】
また、熱抑制ユニット1には、カメラ70と、ディスプレイ80とが設けられている。
撮像手段の一例としてのカメラ70は、左側板部材111に取り付けられている。このカメラ70は、加熱調理機器や加熱調理機器上の食材の動画を撮像する。カメラ70は、撮影した動画を、ディスプレイ80に送信する。
ディスプレイ80は、熱抑制部材10よりも後側の壁面に取り付けられている。ディスプレイ80は、カメラ70から送信された動画を表示する。また、ディスプレイ80は、人感センサ40や機器ずれセンサ50等の検出手段から取得した検出結果に基づいて、注意喚起に関する情報を出力する。このように、撮像手段と表示手段は、別々に設けられてもよい。また、表示手段は、板部材とは異なる箇所に取り付けられてもよい。
【0049】
調理人は、ディスプレイ80に表示された映像を見ながら、左側板部材111の開口部111Aに形成された開口や右側板部材112の開口部112Aに形成された開口から手を入れて、加熱調理機器を用いた調理を行う。また、このような構成であっても、加熱調理機器から発生する熱や加熱調理機器上の食材から発生するにおいは、左側板部材111および右側板部材112よりも加熱調理機器側に閉じ込められる。そのため、加熱調理機器から発生する熱や加熱調理機器上の食材から発生するにおいが調理人に伝わることが抑制される。
【0050】
<板部材の変形例2>
次に、板部材の他の変形例(変形例2)について説明する。
図7は、変形例2における板部材が設けられた熱抑制ユニット1を示した図である。なお、図6に示した構成と同一の構成については、同一の符号を用いる。
図7に示す熱抑制部材10には、半円状板部材121が設けられている。
【0051】
壁部の一例としての半円状板部材121は、上下方向において排気フードHまで延びるとともに、半円状に形成されている。半円状板部材121は、加熱調理機器を囲むように設けられるとともに、弧の部分が調理人側を向いて設けられている。言い換えると、半円状板部材121は、加熱調理機器よりも左側、加熱調理機器よりも前側、および加熱調理機器よりも右側にわたって設けられている。
【0052】
また、半円状板部材121のうちの左側の側面には、開口部121Aが設けられている。さらに、半円状板部材121のうちの右側の側面には、開口部121Bが設けられている。この開口部121Aおよび開口部121Bには、それぞれ、四角形状の開口が形成されている。なお、上述した例と同様に、柔軟性部材14(図3参照)が開口部121Aや開口部121Bに取り付けられてもよい。
【0053】
調理人は、ディスプレイ80に表示された映像を見ながら、開口部121Aに形成された開口や開口部121Bに形成された開口から手を入れて、加熱調理機器を用いた調理を行う。また、このような構成であっても、加熱調理機器から発生する熱や加熱調理機器上の食材から発生するにおいは、半円状板部材121よりも加熱調理機器側に閉じ込められる。そのため、加熱調理機器から発生する熱や加熱調理機器上の食材から発生するにおいが調理人に伝わることが抑制される。
【0054】
<板部材の変形例3>
次に、板部材の他の変形例(変形例3)について説明する。
図8は、変形例3における板部材が設けられた熱抑制ユニット1を示した図である。なお、図1に示した構成と同一の構成については、同一の符号を用いる。
図8に示す熱抑制ユニット1には、手前側板部材11に、窓部Pが設けられている。
【0055】
窓部Pは、透過性を有する部材により構成されている。透過性を有する部材としては、例えば、耐熱性を有する樹脂等が挙げられる。耐熱性を有する樹脂としては、例えば、ポリカーボネートやポリ塩化ビニル等が挙げられる。
調理人は、この窓部Pから加熱調理機器や加熱調理機器上の食材を見ながら、開口部12Aや開口部13Aに形成された開口から手を入れることで、加熱調理機器を用いた調理を行う。このような構成とすることにより、熱抑制ユニット1に撮像手段や表示手段を設けなくても、調理人は、加熱調理機器を用いた調理を行える。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0057】
本実施形態では、注意喚起手段による注意喚起として、注意に関する情報を表示手段に表示するとともに、注意に関する情報を音により出力しているが、これに限定されない。
注意喚起手段による注意喚起としては、情報の表示および情報の音による出力のうちの何れか一方であってもよい。また、検出手段自体が情報の表示や音の出力を行うことで、注意喚起を行う構成であってもよい。
【0058】
また、本実施形態では、音の出力による注意喚起として、音声を出力しているが、これに限定されない。
音の出力による注意喚起として、例えば、音声を出力することなく、警告音を出力してもよい。
【0059】
また、本実施形態では、板部材に二つの開口部が形成される例を説明したが、これに限定されない。板部材には、三つ以上の開口部が形成されてもよいし、一つの開口部のみが形成されてもよい。また、例えば、手前側板部材11(図1参照)に開口部が形成されてもよい。また、例えば、半円状板部材121(図7参照)のうちの前面に開口部が形成されてもよい。この場合に、何れの開口部に柔軟性部材14(図3参照)が取り付けられてもよい。また、柔軟性部材14は、板部材における開口の周囲の少なくとも一部に設けられる構成であればよい。また、開口部の位置は、上述した例に示した位置には限定されない。
【0060】
また、開口部に形成される開口の形状は、四角形状に限定されず、何れの形状であってもよい。
また、開口部に形成される開口の大きさは、調理人の手が板部材よりも加熱調理機器側に入ることを可能にするための大きさであればよい。また、開口部に形成される開口の大きさは、調理人に扱われる調理器具が板部材よりも加熱調理機器側に入ることを可能にするための大きさであってもよい。調理器具とは、加熱調理機器や加熱調理機器上の食材に接するために調理人に扱われる器具である。調理器具としては、例えば、トング、フォーク、箸、スプーン、ナイフ、おたま、ひしゃく、すくい網、ヘラ等が挙げられる。
【0061】
また、板部材の開口部に形成された開口を通じて調理人の手や調理器具が板部材よりも加熱調理機器側に入るものであれば、板部材は、作業台Dの周り等、加熱調理機器から離れた領域に設けられてもよい。すなわち、壁部が設けられる「加熱調理機器の周り」には、壁部の開口部に形成された開口を通じて調理人の手や調理器具が壁部よりも加熱調理機器側に入る範囲で、加熱調理機器から離れた領域も含まれる。
【0062】
また、本実施形態では、板部材が加熱調理機器を囲むことにより、加熱調理機器から発生する熱が調理人に伝わることを抑制しているが、板部材が囲む機器は、加熱調理機器に限られない。
例えば、調理により粉や塵が舞う領域を板部材により囲むことで、板部材に囲まれた粉や塵が調理人に伝わることを抑制する構成としてもよい。調理により粉や塵が舞う領域としては、例えば、調理において調理人が天ぷら粉を食材に付着させる作業が行われる領域などが挙げられる。また、例えば、油が入った調理機器を板部材で囲むことにより、調理の際にこの調理機器から跳ねた油が調理人に伝わることを抑制する構成としてもよい。
【0063】
また、板部材は、一部が着脱可能に設けられてもよい。
図9は、図1に示した板部材の構成の一例を示した図であって、板部材を上側から眺めた図である。
図9(a)に示すように、左側板部材12には、前側の端部に、突出する凸部12Cが設けられている。この凸部12Cは、右側に突出している。
右側板部材13には、前側の端部に、突出する凸部13Cが設けられている。この凸部13Cは、左側に突出している。
手前側板部材11には、左側の端部と右側の端部とに、窪みを有する凹部11Dが設けられている。
【0064】
左側板部材12の凸部12Cが手前側板部材11の左側の凹部11Dに嵌まり、右側板部材13の凸部13Cが手前側板部材11の右側の凹部11Dに嵌まると、図9(b)に示すように、手前側板部材11、左側板部材12、および右側板部材13が一体になる。また、左側板部材12の凸部12Cを手前側板部材11の凹部11Dから外し、右側板部材13の凸部13Cを手前側板部材11の凹部11Dから外すことにより、図9(a)に示すように、手前側板部材11、左側板部材12、および右側板部材13がそれぞれ別体になる。このようにすることで、板部材の取り扱いが容易になる。また、例えば、手前側板部材11、左側板部材12、および右側板部材13の各々を洗浄しやすくなる。
なお、左側板部材12の凸部12C、右側板部材13の凸部13C、および手前側板部材11の左右方向における両端部の凹部11Dは、上下方向における少なくとも一部に設けられていればよい。すなわち、手前側板部材11の少なくとも一部に左側板部材12が取り付けられる構成であればよく、また、手前側板部材11の少なくとも一部に右側板部材13が取り付けられる構成であればよい。また、図9に示した構成は、板部材の一部が着脱可能な構成の一例であり、他の構成により板部材の一部が着脱可能に設けられてもよい。また、図6に示した左側板部材111および右側板部材112が着脱可能に設けられてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、板部材は、排気フードH(図1参照)まで延びていることを説明したが、これに限定されない。
熱抑制部材10は、上側の先端が、排気フードHよりも下側に設けられてもよい。一例を挙げると、熱抑制部材10は、例えば、上側の先端が、調理人の顔の位置まで設けられる構成であってもよい。
【0066】
また、本実施形態では、加熱調理機器の後側に板部材が設けられていない箇所が存在しているが、これに限定されない。
例えば、加熱調理機器の後側に板部材を設けて、板部材が加熱調理機器の周囲を全て囲むように構成してもよい。また、板部材は、加熱調理機器の周囲における少なくとも一部に設けられればよい。
【0067】
また、本実施形態では、板部材のうちの加熱調理機器が設けられている側とは反対側の面に撮像手段が取り付けられる構成を説明したが、これに限定されない。撮像手段は、例えば、板部材のうちの加熱調理機器が設けられている側の面に取り付けられてもよい。
また、撮像手段としては、加熱調理機器や加熱調理機器上の食材を撮像するものであれば、何れのものが用いられてもよい。例えば、撮像手段として360度カメラを用いて、加熱調理機器や加熱調理機器上の食材を異なる角度から撮像し、撮像された各画像を表示手段に表示してもよい。
【0068】
また、本実施形態では、撮像手段が、加熱調理機器や加熱調理機器上の食材の動画を撮像することを説明したが、これに限定されない。
例えば、撮像手段が加熱調理機器や加熱調理機器上の食材の静止画を撮像し、撮像された静止画を表示手段に表示してもよい。
【0069】
また、本実施形態では、給気ファン30は、上下方向において、撮像手段よりも下側であって、開口部よりも上側に設けられているが、これに限定されない。
給気ファン30は、例えば、撮像手段や表示手段よりも上側に設けられてもよいし、開口部よりも下側に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…熱抑制ユニット、10…熱抑制部材、11…手前側板部材、12…左側板部材、12A…開口部、13…右側板部材、13A…開口部、14…柔軟性部材、20…端末、21…表示部、22…スピーカ、23…カメラ、30…給気ファン、40…人感センサ、50…機器ずれセンサ、60…傾きセンサ
【要約】
【課題】加熱調理機器から発生する熱が調理人に伝わることを抑制した状態での調理を実現する。
【解決手段】加熱調理機器と調理人との間且つ加熱調理機器の周りに設けられる壁部と、壁部に設けられ、調理人の手および/または調理人に扱われる調理器具が壁部よりも加熱調理機器側に入ることを可能にするための開口が形成された開口部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9