(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記演出を実行している途中の各時点における前記拡散板では、当該拡散板の前記長手方向における輝度分布が、前記長手方向の一端から他端に向かうにつれて、屈曲点を持たずに連続的に直線状に増加または減少するように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明装置。
前記演出を実行している途中の各時点における前記拡散板では、当該拡散板の全体の輝度分布が、前記長手方向の中間位置で最大となり、前記中間位置から離れるにつれて減少するように設定されていることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態にかかる照明装置1を説明する図であり、(A)は、照明装置1を光の出射面側から見た平面図であり、(B)は、(A)におけるA−A断面図であり、(C)は、(A)におけるB−B断面の拡大図である。
以下の説明では、複数の光源20の各々を区別する必要がある場合には、光源20(1)、・・・20(n)というように、符号の後に、区別用の序数を付けた括弧を付記して説明をする。出射領域Wについても同様とする。
【0009】
[照明装置1]
図1に示すように、照明装置1は、複数の光源20(1)〜光源20(n)と、複数の光源20(1)〜光源20(n)の各々に一対一で対応する複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)を有する帯状の拡散板41と、光源20(1)〜光源20(n)の各々の点灯/消灯、および発光強度を制御する制御部30と、有している。
【0010】
拡散板41は、平面視において矩形形状を成す遮光板40の中央部に設けられており、この拡散板41の下方では、基板2上に設置された複数の光源20(1)〜光源20(n)が、拡散板41の長手方向(
図1における左右方向)に沿って、所定間隔で並んでいる。
【0011】
基板2上には、拡散板41の長手方向で隣接する光源20の間に、遮光板21が設けられており、遮光板21の上方には、各光源20から出射された光が入射する導光部材11が設けられている。
平面視において導光部材11は、拡散板41と同じ帯状を成している。
【0012】
この導光部材11の基板2側の下面11aは、各光源20から出射された光の入射面となっており、この導光部材11の断面形状は、導光部材11の長手方向と幅方向とで異なっている。
具体的には、導光部材11の長手方向における断面形状は、導光部材11に入射した光の進行方向を長手方向に規定する凹レンズ形状(
図1の(B)参照)となっており、導光部材11の幅方向における断面形状は、導光部材11に入射した光の進行方向を幅方向に規定する凸レンズ形状(
図1の(C)参照)となっている。
【0013】
実施の形態では、導光部材11の下面11aに入射した各光源20(1)〜光源20(n)の光が上面11bから出射される際に、拡散板41に設定された出射領域W(1)〜出射領域W(n)のうち、光源20(1)〜光源20(n)に対応する出射領域に向けて出射されるように設定されている。
【0014】
拡散板41は、導光部材11側から入射した光を、拡散させつつ透過させる機能を有している。
拡散板41では、光源20(1)〜光源20(n)に一対一で対応する出射領域W(1)〜出射領域W(n)が、帯状の拡散板41の長手方向に連なって設定されており、出射領域W(1)〜出射領域W(n)の各々は、平面視において矩形形状を成す所定面積の領域となっている。
【0015】
出射領域W(1)〜出射領域W(n)は、拡散板41の長手方向の一端410と他端411に位置する出射領域W(1)、出射領域W(n)を除き、拡散板41の長手方向に、それぞれ同じ長さLを有しており、出射領域W(1)、出射領域W(n)は、他の出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)の半分の長さL/2を有している。
【0016】
出射領域W(1)と出射領域W(n)の間に位置する出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)は、拡散板41の長手方向で隣接する他の出射領域に対して、長手方向の両側部の所定範囲が重なるように設けられている。
【0017】
実施の形態では、所定範囲が、出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)の全長Lの半分の長さL/2となるように設定されている。
そのため、各出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)の長手方向における一方側は、一方側で隣接する他の出射領域と、L/2の長さ範囲が重なっており、他方側は、他方側で隣接する他の出射領域と、L/2の長さ範囲が重なっている。
【0018】
ここで、
図2を参照して、拡散板41における各光源に対応する出射領域W(1)〜出射領域W(n)の位置と、各出射領域W(1)〜出射領域W(n)から出射される光の輝度分布と、拡散板41の全光源による全体の輝度分布とを説明する。
【0019】
図2は、拡散板41における出射領域W(1)〜出射領域W(n)を説明する図であり、(A)は、拡散板41における出射領域W(1)〜出射領域W(n)が設けられた範囲を説明する図であり、(B)は、拡散板41の各出射領域W(1)〜出射領域W(n)での輝度分布を説明する図であり、(C)は、総ての光源20(1)〜光源20(n)を最大の発光強度で点灯させた際の拡散板41の全体の輝度分布を説明する図である。
【0020】
拡散板41の長手方向の一端410には出射領域W(1)が設定されており、長手方向の他端411には出射領域W(n)が設定されている。
そして、拡散板41の各光源20(2)〜光源20(n−1)に対応する出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)の配置は、長手方向における一端410側から他端411側に所定長さL/2ずつオフセットしている。
そのため、拡散板41では、各出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)の中心位置P2〜中心位置Pn−1が、拡散板41の長手方向に所定長さL/2ずつオフセットしている。
【0021】
前記したように拡散板41では、この拡散板41の一端410にある出射領域W(1)と、他端411にある出射領域W(n)は、拡散板41の長手方向の長さが、他の出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)の長さLの半分の長さL/2となっている。
そして、拡散板41の出射領域W(1)と、出射領域W(n)では、出射される光の輝度Yが、それぞれ一端410、他端411から離れるにつれて低くなっている(
図2の(A)、(B)参照)。
【0022】
また、拡散板41の出射領域W(1)と出射領域W(n)との間に位置する各出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)では、長手方向の中心位置P2〜中心位置Pn−1で輝度が最大となり、中心位置P2〜中心位置Pn−1から離れるにつれて、輝度が低くなっている。
【0023】
そのため、光源20(1)を最大の発光強度で単独で点灯させた場合、拡散板41の出射領域W(1)における長手方向(
図2における左右方向)の輝度分布は、最大となる位置P1から位置P2に向けて減少したのち、位置P2で最小値となっている。
【0024】
また、光源20(2)を最大の発光強度で単独で点灯させた場合、拡散板41の出射領域W(2)における長手方向(
図2における左右方向)の輝度分布は、最小値となる位置P1から位置P2に向けて増加して位置P2で最大になったのち、位置P3に向けて減少して、位置P3で最小となっている。
【0025】
光源20(n)を最大の発光強度で単独で点灯させた場合、対応する拡散板41の出射領域W(n)では、長手方向(
図2における左右方向)の輝度分布が、最小値となる位置Pn−1から位置Pnに向けて増加したのち、位置Pnで最大値となっている。
【0026】
なお、光源20(3)〜光源20(n−1)を単独で最大輝度で点灯させた場合には、前記した光源20(2)を単独で点灯させた場合と同じ長手方向の輝度変化となる。
【0027】
これら光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯態様、および点灯させる光源20の発光強度は、前記した制御部30(
図1参照)が制御するようになっており、この制御部30による光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯される光源20の発光強度の制御により、拡散板41の全光源による全体の輝度分布を、任意の輝度分布に制御できるようになっている。
【0028】
ちなみに、光源20(1)〜光源20(n)の総てを、同じ発光強度(例えば、最大の発光強度)で点灯させた場合には、拡散板41の全光源による全体の輝度分布が、位置P1から位置Pnまでの間で均一となる(
図2の(C)参照)。
そのため、実施の形態にかかる照明装置1では、光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20の発光強度を制御することで、拡散板41における任意の位置(領域)を、他の位置(領域)よりも、明るくしたり、暗くしたりすることができると共に、明るい位置や暗い位置を、拡散板41の長手方向に変位させて、光による演出を実施できるようになっている。
【0029】
[照明演出]
図3は、拡散板41における照明演出を説明する図であり、(A)は、光が伸びる照明演出を行う場合の拡散板41の明るい領域と暗い領域の変位を説明する図であり、(B)は、光が縮む照明演出を行う場合の拡散板41の明るい領域と暗い領域の変位を説明する図であり、(C)は、光が流れる照明演出を行う場合の拡散板41の明るい領域と暗い領域の変位を説明する図である。
なお、(A)から(C)では、拡散板41における明るい領域と暗い領域の変化が、時系列順に並んでおり、図中上側に演出の開始時刻t0における拡散板41の状態を示しており、図中下側に向かうにつれて、演出の開始から所定時間(t1〜t4、t1〜t8)が経過した時点での拡散板41の状態を示している。
【0030】
[光が伸びる照明演出]
図3の(A)に示すように、光が伸びる照明演出の場合、演出の開始時刻t0では、総ての光源20(1)〜光源20(n)が消灯しており、拡散板41は全面に亘って暗くなっている。
演出の開始直後の時刻t1では、拡散板41の長手方向の一端410側(図中、左側)が最も明るくなり、他端411側(図中、右側)に向かうにつれて徐々に暗くなるように、各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20の発光強度が制御される。
【0031】
この状態では、位置P1の出射領域に対応する光源20(1)が、最も高い発光強度で発光される。
そして、この光源20(1)に隣接する他の光源20(2)、20(3)、・・・が、光源20(1)よりも徐々に低い発光強度となると共に、例えば、長手方向の中央位置Pcの出射領域に対応する光源20(c)よりも図中右側の光源が、消灯状態となるように制御される。
【0032】
続く時刻t2、t3では、明るい領域が、長手方向の中央位置Pcの出射領域よりも他端411側に及ぶように、点灯される光源20の数が増やされると共に、点灯された光源20のうち、消灯状態の光源側の光源20の発光強度が、徐々に低くなるように制御される。
そして、最終的に時刻t4において、総ての光源20(1)〜光源20(n)が点灯されて、拡散板41の一端410側から他端411側までの総ての領域が明るい状態になる。
【0033】
[光が縮む照明演出]
図3の(B)に示すように、光が縮む照明演出の場合、演出の開始時刻t0では、総ての光源20(1)〜光源20(n)が点灯しており、拡散板41は全面に亘って明るくなっている。
演出の開始直後の時刻t1では、拡散板41の長手方向の他端411側(図中、右側)が最も暗くなり、一端410側(図中、左側)に向かうにつれて徐々に明るくなるように、各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20の発光強度が制御される。
【0034】
この状態では、位置Pnの出射領域に対応する光源20(n)が、消灯される。
そして、この光源20(n)に隣接する他の光源20(n−1)、20(n−2)、・・・が、光源20(n)よりも徐々に高い発光強度となると共に、例えば、長手方向の中央位置Pcの出射領域に対応する光源20(c)よりも図中左側の光源が、総て点灯状態となるように制御される。
【0035】
続く時刻t2、t3では、暗い領域が、長手方向の中央位置Pcの出射領域よりも一端410側に及ぶように、点灯される光源20の数が減らされると共に、点灯されている光源20のうち、他端411側の光源の発光強度が、徐々に低くなるように制御される。
そして、最終的に時刻t4において、総ての光源20(1)〜光源20(n)が消灯されて、拡散板41の一端410側から他端411側までの総ての領域が暗い状態になる。
【0036】
[光が流れる照明演出]
図3の(C)に示すように、光が流れる照明演出の場合、演出の開始時刻t0では、総ての光源20(1)〜光源20(n)が消灯しており、拡散板41は全面に亘って暗くなっている。
演出の開始直後の時刻t1では、拡散板41の長手方向の一端410側(図中、左側)が最も明るくなり、他端411側(図中、右側)に向かうにつれて徐々に暗くなるように、各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯している光源20の発光強度が制御される。
【0037】
この状態では、位置P1の出射領域に対応する光源20(1)が、最も高い発光強度で発光される。
そして、この光源20(1)に隣接する他の光源20(2)、20(3)、・・・が、光源20(1)よりも徐々に低い発光強度となると共に、例えば、長手方向の中央位置Pcの出射領域に対応する光源20(c)よりも図中右側の光源20が、総て消灯状態のままで保持されるように制御される。
【0038】
続く時刻t2、t3では、明るい領域が、長手方向の中央位置Pcの出射領域よりも他端411側に及ぶように、点灯される光源20の数が増やされると共に、点灯された各光源20の発光強度が、他端411に向かうにつれて低くなって、徐々に暗くなるように制御される。
そして、最終的に時刻t4において、総ての光源20(1)〜光源20(n)が点灯されて、拡散板41の一端410側から他端411側までの総ての領域が明るい状態になる。
【0039】
続く時刻t5では、拡散板41の長手方向の一端410側(図中、左側)の出射領域に対応する光源20(1)が消灯されると共に、この光源20(1)に隣接する他の光源20(2)、20(3)、・・・が、光源20(1)よりも徐々に高い発光強度となると共に制御される。
【0040】
続く時刻t6、t7では、暗い領域が、長手方向の中央位置Pcの出射領域よりも他端411側に及ぶように、消灯される光源20の数が増やされると共に、点灯状態で維持されている光源20のうち、一端410側に位置する光源20ほど、他端411側に位置する光源20よりも暗くなるように制御される。
そして、最終的に時刻t8において、総ての光源20(1)〜光源20(n)が消灯されて、拡散板41の一端410側から他端411側までの総ての領域が暗い状態になる。
【0041】
[スケジュールSC]
実施の形態では、このような照明演出を実行する際には、記憶部35に記憶されたスケジュールSCに基づいて、制御部30が、各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様と、および点灯する光源20の発光強度を制御している。
【0042】
ここで、スケジュールSCの内容を、光源の数が合計3つである場合(光源20(1)、20(2)、20(3)である場合)を例に挙げて、拡散板41の全体の輝度分布を説明する。
【0043】
図4は、光源の数が3つの場合の拡散板41での出射領域W(1)〜出射領域W(3)の位置と、輝度分布を説明する図であり、(A)は、拡散板41における各光源20(1)〜光源(3)に対応する出射領域W(1)〜出射領域W(3)の位置を説明する図であり、(B)は、各光源20(1)〜光源(3)を最大輝度で点灯した際の拡散板41の各出射領域W(1)〜出射領域W(3)での輝度分布を説明する図であり、(C)は、各光源20(1)〜光源20(3)を最大輝度で点灯した際の拡散板41全体での輝度分布を説明する図である。
【0044】
[光源の数が3つの場合の拡散板41の輝度分布]
拡散板41の長手方向の一端410に、出射領域W(1)が設定されていると共に、他端411に、出射領域W(3)が設定されており、これら出射領域W(1)と出射領域W(3)の間に出射領域W(2)が設定されている。
【0045】
拡散板41の出射領域W(1)と、拡散板41の出射領域W(3)では、出射光の輝度Yの分布(輝度分布)が、それぞれ最大輝度Y1、Y3となる一端410、他端411から離れるにつれて小さくなっており(
図4の(B)参照)、最終的に、位置P1と位置P3の中間の位置P2で、輝度が0(ゼロ)になっている。
また、拡散板41の出射領域W(2)では、出射光の輝度Yの分布(輝度分布)が、出射領域W(2)の長手方向の中心位置P2で最大輝度Y2となっており、中心位置P2から離れるにつれて、輝度が小さくなって、最終的に、位置P1と位置P3で、輝度が0(ゼロ)になっている。
【0046】
そのため、光源20(1)〜光源20(3)をそれぞれ最大輝度で点灯させた場合には、拡散板41の長手方向における輝度分布は、
図4の(B)における拡散板41の出射領域W(1)〜出射領域W(3)の輝度分布を合算した輝度分布(f13(x))になる。
この合算した輝度分布を示す
図4の(C)では、輝度Yが、位置P1から位置P3まで最大輝度Ymaxとなっている。そのため、この場合における拡散板41の長手方向における輝度分布は、一端410から他端411までの全長に亘って、均一の輝度分布となる。
【0047】
ここで、拡散板41の平均輝度(明るさ)Y3_avgは、拡散板41の長さL1を「1」とし、光源20(1)による輝度ピーク(最大輝度)をY1、光源20(2)による輝度ピークをY2、光源20(3)による輝度ピークをY3とすると、下記式(1)で表現できる。
【0048】
【数1】
【0049】
ここで、Y2を2倍しているのは、
図4(B)で各輝度分布のハッチング部の面積は各全光量に比例し、光源20(2)による全光量が、光源20(1)、光源20(3)による全光量に比べ2倍になるからである。
【0050】
図5の(A)に示すように、拡散板41の長手方向(P1からP3)の各位置における輝度を縦軸に表したグラフでは、各光源20(1)〜光源20(3)を最大の発光強度Ymaxで発光した場合、拡散板41の平均輝度Y3_avgと出射領域W(1)〜出射領域W(3)の各輝度Y1〜Y3は、Ymaxと等しくなる。
【0051】
ここで、実施の形態では、各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度が変更可能となっている。そのため、各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度を変更した場合、拡散板41の平均輝度Y3_avgは(
図5の(A)において斜線で示す範囲内で)変化することになる。
よって、各光源20(1)〜光源20(3)の出射領域W(1)〜出射領域W(3)における位置P1〜3の輝度Y1、Y2、Y3が、Y2>Y1>Y3である場合には、拡散板41の平均輝度Y3_avgは、例えば
図5の(B)に示すようなY13(x)の波形の平均値となる。
また、各光源20(1)〜光源20(3)の出射領域W(1)〜出射領域W(3)における位置P1〜3の輝度Y1、Y2、Y3が、Y2>Y3>Y1である場合には、拡散板41の平均輝度Y3_avgは、例えば
図5の(C)に示すようなY13(x)の波形の平均値となる。
【0052】
実施の形態では、この拡散板41の発光により演出を実行するにあたり、演出の開始から終了まで(演出の途中)の各時点における拡散板41の平均輝度Y3_avgを事前に決定する。
そして、演出の途中の各時点では、各時点に対して決定された平均輝度Y3_avgを実現するように、各光源20(1)〜光源20(3)の点灯/消灯の態様、および点灯する光源20の発光強度を制御している。
【0053】
よって、拡散板41の発光により演出を実行する際に参照されるスケジュールSCでは、演出の途中の各時点における拡散板41の平均輝度Y3_avgと、各時点での平均輝度Y3_avgを実現するための各光源20(1)〜光源20(3)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20(1)〜光源20(3)の出射領域W(1)〜出射領域W(3)における位置P1〜3の輝度Y1、Y2、Y3が規定されている。
【0054】
従って、前記した合計n個の光源から構成される場合、拡散板41の発光演出を実行する際に参照されるスケジュールSCは、合計3個の光源20(1)、光源20(2)、光源20(3)から構成される拡散板41での演出と同じ考え方で設定されている。
【0055】
よって、
図6に示すように、演出の開始(時刻t0)から終了(時刻tn)までの各時点における、拡散板41の平均輝度Yn_avgと、平均輝度Yn_avgを実現するための各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20(1)〜光源20(n)の発光強度とが、スケジュールSCにおいて規定されている。
【0056】
合計n個の光源を有する照明装置1の場合、制御部30が、記憶部35に記憶されたスケジュールSCに基づいて、演出の途中の各時点で、スケジュールSCに規定された発光強度で各光源20(1)〜光源20(n)を点灯させることで、演出の途中の各時点で拡散板41を指定された輝度で発光させつつ、経時的に輝度を変化させて、予定された演出を実施している。
【0057】
ここで、実施の形態では、演出途中の各時点における拡散板41の平均輝度Yn_avgが、屈曲点を持たずに連続的に変化するように、各時点における平均輝度Yn_avgを設定している(
図6参照)。
これにより、拡散板41の輝度の変化が、屈曲点を持たずに規則性をもって連続的に変化し、演出途中での輝度の大きな変動が無くなるので、発光演出における光の移動がより見やすくなる。
【0058】
ここで、演出を実行している途中の各時点における平均輝度Yn_avgの変化を、前記した光源の数が3つの場合の平均輝度Y3_avgを例に挙げて説明する。
図7は、合計3つの光源による拡散板41の全体の輝度分布における、平均輝度Y3_avgの変化と、拡散板41の輝度分布に対応する光源20(1)〜光源20(3)との関係を説明する図であり、(A)は、実施の形態に係るスケジュールSCにおける拡散板41の平均輝度Y3_avgの変化を示す図であり、(B)は(A)の場合における各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度の変化を示す図であり、(C)は、演出を実行している途中での平均輝度Y3_avgを予め考慮してない従来例にかかる方法で各光源20(1)〜光源20(3)の点灯を制御した場合の平均輝度Y3_avgの変化を示す図であり、(D)は、従来例に係る方法にて、光源20(1)〜光源20(3)の点灯を制御した場合の各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度の変化を示す図である。
図8は、合計3つの光源による拡散板41の全体の輝度分布における、平均輝度Y3_avgの変化と、拡散板41の輝度分布に対応する光源20(1)〜光源20(3)との関係を説明する図であり、(A)は、演出を実行している途中での平均輝度Y3_avgを予め考慮してない従来例にかかる方法で各光源20(1)〜光源20(3)の点灯/消灯を制御した場合の平均輝度Y3_avgの変化を示す図であり、(B)は、従来例に係る方法にて、光源20(1)〜光源20(3)の点灯/消灯を制御した場合の各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度の変化を示す図である。
【0059】
図7の(D)に示すように、演出を実行している途中での平均輝度Y3_avgを、予め考慮してない場合には、各光源20(1)〜光源20(3)は、順番に点灯される。
この場合には、
図7の(C)に示すように、拡散板41から出射される光の平均輝度Y3_avgは、屈曲点を持って連続的に変化しており、この場合における光の移動は、スムーズさを伴わない移動となる。
【0060】
また、
図8の(A)に示すように、演出を実行している途中での平均輝度Y3_avgを予め考慮してない場合に、各光源20(1)〜光源20(3)を、順番に点灯/消灯すると、
図8の(A)に示すように、拡散板41から出射される光の平均輝度Y3_avgは、屈曲点を持って連続的に変化することになる。そのため、この場合おける光の移動もまた、スムーズさを伴わない移動となる。
【0061】
これに対して、実施の形態にかかるスケジュールSCでは、演出を実行している途中の各時点における平均輝度Y3_avgが、屈曲点を持たずに連続的に曲線状に変化するように先に設定されている(
図7の(A)、
図6)。
そのため、演出途中の各時点における各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度は、この平均輝度Y3_avgの変化を実現するための
図7の(B)に示すような経時的な変化になる。
ここで、拡散板41の平均輝度Y3_avgの経時的な変化は、演出を実行している途中における拡散板41の出射面全体の明るさの経時的な変化を示しており、光源20(1)〜光源20(3)の点灯を順番に行う従来例の場合に比べて、明るさが違和感なくスムーズに変化する。
よって、光の移動演出における光の移動は、移動にスムーズさを伴う移動となる。
【0062】
なお、演出途中の各時点における平均輝度Y3_avgの経時変化を、屈曲点を持たずに連続的に曲線状に変化させるのではなく、連続する直線状に変化させるようにしても良い。
例えば、
図9の(A)に示すように、光が流れる照明演出を行う場合の平均輝度Y3_avgの変化を、連続して直線状に増加したのち、連続して直線状に減少するようにしても良い。
また、
図9の(C)に示すように、光が流れる照明演出を行う場合の平均輝度Y3_avgの変化を、屈曲点を持たずに連続的に曲線状に増加させたのち、屈曲点を持たずに連続的に曲線状に減少するようにしても良い。
【0063】
このように構成した場合にも、各光源20(1)〜光源20(3)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源の発光強度が、演出を実行している途中の各時点における平均輝度Y3_avgを実現するように制御されることになる。これにより、各光源20(1)〜光源20(3)の点灯/消灯の態様、および点灯する際の発光強度が、
図9の(B)、(D)に示すような形で変化するように制御されることになる。
従って、平均輝度Y3_avgの変化を、屈曲点を持たずに連続的に直線状に増加/減少させる場合には、等速感のある光の動きを演出できる。
また、屈曲点を持たずに連続的に曲線状に増加/減少させる場合には、加速/減速感のある光の動きを演出できることになる。
【0064】
さらに、実施の形態では、スケジュールSCに従って拡散板41の平均輝度Yn_avgを、屈曲点を持たずに連続的に曲線状または直線状に変化させる際に、拡散板41の長手方向における輝度分布が、長手方向の一端410から他端411側に向かうにつれて、直線的に増加または減少するようにしている。
【0065】
具体的には、演出を実行している途中における各時点において、拡散板41の長手方向の一端410側(
図10の(A)参照)の輝度Y1を、他端411側の輝度Ynよりも大きくする場合(Y1>Yn)には、長手方向の一端410側の領域W(1)の輝度Y1と、他端411側の領域W(n)の輝度Ynを設定したのち、これら領域W(1)、領域W(n)の間の領域W(2)〜領域W(n−1)の輝度Y2〜輝度Yn−1が、連続的に直線状に小さくなるようにすることが好ましい(
図10の(B)参照)。
【0066】
また、長手方向の一端410側(
図10の(A)参照)の輝度Y1を、他端411側の輝度Ynよりも小さくする場合(Y1<Yn)には、長手方向の一端410側の領域W(1)の輝度Y1と、他端411側の領域W(n)の輝度Ynを設定したのち、これら領域W(1)、領域W(n)の間の領域W(2)〜領域W(n−1)の領域の輝度Y2〜輝度Yn−1が、連続的に直線状に大きくなるようにすることが好ましい(
図10の(C)参照)。
【0067】
このように構成すると、拡散板41では長手方向の一端410から他端411に向かうにつれて、輝度が連続的に所定の割合で大きく(小さく)なる。
そうすると、長手方向の一端410側の領域W(1)の輝度Y1と、他端411側の領域W(n)の輝度Ynを設定するだけで、領域W(1)と領域W(n)の間の領域W(2)〜領域W(n−1)の輝度Y2〜輝度Yn−1を、一括して算出できることになる。
よって、スケジュールSCの設定が容易になり、スケジュールSCの設定に要する作業コストの低減が可能になり、開発コストの低減が期待できる。
【0068】
以上の通り、実施の形態では、
(1)複数の光源20(1)〜光源20(n)と、
複数の光源20(1)〜光源20(n)の各々に一対一で対応する複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)を有する帯状の拡散板41と、
記憶部35に記憶されたスケジュールSCであって、拡散板41で光が移動する演出を実行する際のスケジュールSCに基づいて、光源20(1)〜光源20(n)の各々の点灯/消灯、および発光強度を制御する制御部30(制御手段)と、を備え、
複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)のうち、出射領域W(2)から出射領域W(n−1)の各々は、拡散板41の長手方向に所定長さLを有すると共に、出射領域W(1)、出射領域W(n)は、所定長さL/2を有すると共に、拡散板41において複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)が、長手方向に連なって設けられた照明装置1において、
拡散板41では、
長手方向の一端410に位置する出射領域W(1)と他端411に位置する出射領域W(n)との間の各出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)が、長手方向で隣接する他の出射領域と長手方向の両側部の所定範囲(L/2の長さが範囲)が重なるように配置されていると共に、
スケジュールSCでは、
複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)の各々から出射される光の輝度を合算した拡散板41全体での輝度分布の平均輝度Yn_avgに基づいて、複数の光源20(1)〜光源(n)の各々の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20(1)〜光源(n)の発光強度が設定されていると共に、予め設定された平均輝度の経時変化Yn_avg(t)を実現するように、演出を実行している途中の各時点における複数の光源20(1)〜光源20(n)の各々の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20(1)〜光源20(n)の発光強度が設定されている構成とした。
【0069】
このように構成すると、照明装置1では、拡散板41で光が移動する演出を実行している途中の各時点における各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源の発光強度が、拡散板41全体での輝度分布の平均輝度Yn_avg(拡散板41の平均輝度Yn_avg)の経時変化を実現するように制御される。
これにより、拡散板41で光が移動する演出を実行するために、各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源の発光強度を設定する際に、拡散板41全体での平均輝度Yn_avgというひとつの基準を追加し、この追加した基準に時間的に秩序を持たせるように、各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源の発光強度を設定したスケジュールSCとすることで、拡散板41で光が移動する演出を実行する際に、光が滑らかに移動するように視認させることができる。
これにより、拡散板41で光が移動する演出をより適切に行うことができると共に、光の演出効果をいっそう高めることができる。
【0070】
(2)拡散板41の平均輝度の経時変化は、演出を実行している途中の各時点において、拡散板41の平均輝度Yn_avgが、屈曲点を持たずに連続的に曲線状または直線状に増加または減少するように設定されている構成とした(
図6、
図7の(A)、
図9の(A)、(C)参照)。
【0071】
このように構成すると、拡散板41で光が移動する演出を実行する際に、演出を実行している途中の各時点の拡散板41の平均輝度Yn_avgが、屈曲点を持たずに連続して増加または減少することになる。
拡散板41の平均輝度の経時変化Yn_avg(t)は、演出を実行している途中の各時点における拡散板41の出射面(発光面)全体の明るさの変化を示しており、平均輝度Yn_avgを、屈曲点を持たずに連続して増加または減少させると、光の移動演出における光の移動がスムーズに移動するように視認されることになる。
これにより、平均輝度Yn_avgを、屈曲点を持たずに連続的に直線状に増加/減少させる場合には、等速感のある光の動きを演出できる。
また、屈曲点を持たずに連続的に曲線状に増加/減少させる場合には、加速/減速感のある光の動きを演出できることになる。
【0072】
(3)演出を実行している途中の各時点における拡散板41では、当該拡散板41の長手方向における輝度Yの分布が、当該拡散板41の長手方向における一端410から他端411に向かうにつれて、屈曲点を持たずに連続的に直線状に増加または減少するように、各光源20(1)〜光源20(n)の発光強度が設定されている構成とした(
図10の(B)、(C)参照)。
【0073】
このように構成すると、演出を実行している途中の各時点における拡散板41では、当該拡散板41の長手方向における輝度Yの分布が直線的に連続して増加または減少するように各光源20(1)〜光源20(n)の発光強度が設定される。この際に、長手方向の一端410側の出射領域W(1)に対応する光源20(1)と、他端411側の出射領域W(n)に対応する光源20(n)の発光強度を決定するだけで、残りの光源20(2)〜光源20(n−1)の発光強度が、一意的に決まることになる。
これにより、スケジュールSCにおける演出途中の各時点の平均輝度の設定から、各時点の全体強度を実現するための各光源20(1)〜光源20(n)の発光強度の決定までに要する時間を短縮できる。
【0074】
[第2の実施形態]
以下、スケジュールSCに規定されている各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20の発光強度の他の制御態様を説明する。
図11は、演出を実行している途中のある時点における拡散板41の全体の輝度分布と、この輝度分布を、拡散板41の長手方向をx、輝度方向をyとして示したハッチング部の形状に対する重心(以下、輝度分布形状の重心Gという)を説明する図である。
【0075】
前記した実施の形態では、演出を実行している途中の各時点の拡散板41の全体の輝度分布の平均輝度Yn_avgを経時的に変化させる場合を例示した。
第2の実施形態では、演出を実行している途中の各時点の拡散板41の全体の輝度分布を経時的に変化させるに当たり、各時点の輝度分布形状の重心Gの位置を基準として変化させるように構成している。
【0076】
ここで、輝度分布形状の重心Gとは、拡散板41の各出射領域W(1)〜出射領域W(n)から出射される光の輝度分布を合算した全体の輝度分布のY13において、拡散板41の長手方向をx、輝度方向をyとした時のハッチング部の形状に対する重心G(長手方向の重心Gx、輝度方向の重心Gy)である。
【0077】
ここで、合計3つの光源20(1)〜光源20(3)による拡散板41の全体の輝度分布の場合を例に挙げて、輝度分布形状の重心G3を説明する。
前記したように、拡散板41の輝度分布の平均輝度Y3_avgは、拡散板41の長さL1を「1」とし、光源20(1)による輝度ピーク(最大輝度)をY1、光源20(2)による輝度ピークをY2、光源20(3)による輝度ピークをY3とすると、下記式(1)で表現できる。
【0078】
【数2】
【0079】
そして、各光源20(1)〜光源20(3)による各輝度分布Y1(x)、Y2(x)、Y3(x)の合計Y13(x)からなる輝度分布形状の重心G3も、拡散板41の長手方向の重心G3xと、輝度方向の重心G3yとして、算出可能である。
【0080】
ここで、重心G3の拡散板41の長手方向の成分G3xは、
(a)光源20(1)のみを点灯した場合の輝度分布の長手方向における重心(G3x1)、
(b)光源20(2)のみを点灯した場合の輝度分布の長手方向における重心(G3x2)、
(c)光源20(3)のみを点灯した場合の輝度分布の長手方向における重心(G3x3)、
(d)光源20(1)による輝度ピークY1、
(e)光源20(2)による輝度ピークY2、
(f)光源20(3)による輝度ピークY3、用いて、下記式(2)から算出可能である。
【0081】
【数3】
【0082】
同様に、重心G3の拡散板41の輝度方向の重心G3yも、下記式(3)から算出可能である。
【0083】
【数4】
【0084】
なお、G3x1、G3x2、G3x3は、それぞれ下記の固定値となる。
【数5】
【0085】
ここで、演出を実行している途中の各時点における全体の輝度分布形状の重心Gの変化を、前記した合計3つの光源20(1)〜光源20(3)による拡散板41の全体の輝度分布の場合を例に挙げて説明する。
図12は、合計3つの光源20(1)〜光源20(3)による拡散板41における、全体の輝度分布形状の長手方向の重心G3x変化と、光源20(1)〜光源20(3)の発光強度との関係を説明する図であり、(A)は、実施の形態に係るスケジュールSCにおける全体の輝度分布形状の長手方向の重心G3x変化を示す図であり、(B)は(A)の場合における各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度の変化を示す図であり、(C)は、輝度分布形状の重心Gxの変化を用いない従来例にかかる方法で各光源20(1)〜光源20(3)の点灯/消灯を制御した場合の全体の輝度分布形状の重心G3x変化を示す図であり、(D)は、従来例に係る方法にて、光源20(1)〜光源20(3)の点灯/消灯を制御した場合の各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度の変化を示す図である。
【0086】
演出を実行している途中での全体の輝度分布形状の重心G3xを、屈曲点を持たずに連続的に変化させない場合には、
図12の(D)に示すように、各光源20(1)から20(3)は、順番に点灯と消灯が実行される。
この場合には、演出を実行している途中の各時点における拡散板41の全体の輝度分布の経時的な変化に伴って、各時点における全体の輝度分布形状の重心G3xが、
図12(C)に示すように屈曲点を持って連続的に変化することになる。
そして、この場合における光の移動は、移動のスムーズさを伴わない移動となる。
【0087】
これに対して、実施の形態に係るスケジュールSCでは、演出を実行している途中の各時点における全体の輝度分布形状の重心G3xを、屈曲点を持たずに連続的に曲線状に増加させている(
図12の(A)参照)。
そのため、演出を実行している途中の各時点における各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度は、この全体の輝度分布形状の重心G3xの変化を実現するための
図12の(B)に示すような経時的な変化になる。
ここで、拡散板41の輝度分布の経時的な変化を、全体の輝度分布形状の重心G3xを基準にして設定すると、演出中の各時点における全体の輝度分布が、常に明るさの重み付けの大きい点を基準として設定されるので、光の移動演出における光の移動がスムーズに移動するように視認されることになる。
【0088】
なお、演出を実行している途中の各時点における全体の輝度分布形状の重心G3xの変化を、屈曲点を持たずに連続的に曲線状に変化させるのではなく、屈曲点を持たずに連続的に直線状に変化させるようにしても良い。
例えば、
図13の(A)に示すように、光が流れる照明演出を行う場合の全体の輝度分布形状の重心G3xの変化を、屈曲点を持たずに連続的に直線状に変化するようにしても良い。
このように構成した場合にも、全体の輝度分布形状の重心G3xの変化を、連続して直線状に増加/減少させる場合には、等速感のある光の動きを演出できる。
また、連続して曲線状に増加/減少させる場合には、加速/減速感のある光の動きを演出できることになる。
【0089】
ここで、前記した全体の輝度分布形状の重心G3xの設定範囲は、拡散板41の一端410の出射領域W(1)における長手方向の重心Gx1の位置から、拡散板41の他端411の出射領域W(n)における長手方向の重心Gx2の位置までであることが好ましい(
図14参照)。
【0090】
全体の輝度分布形状の重心G3xの位置に基づいて光源20の発光強度を設定すると、長手方向の一端410と他端411に位置する出射領域W(1)、W(n)に対応する光源20(1)、20(n)の発光強度がマイナスになる場合がある。
そのため、マイナスになる可能性のある領域を、重心を算出する際に、除外することができる。そうすると、全体の輝度分布形状の重心G3xに基づいて設定される光源20(1)、20(n)の発光強度が、不適切な発光強度になることを好適に防止できる。
【0091】
ここで、実施の形態では、スケジュールSCにおいて規定されている複数の光源20(1)〜光源20(n)の各々の発光強度は、輝度分布形状f1n(x)の重心Gxが決定された際に、決定された重心Gxに基づいて算出した発光強度である。
なお、光源の数が3つである場合を例に挙げて説明すると、
図15に示すように、スケジュールSCにおける複数の光源20(1)〜光源20(n)の各々の発光強度を設定する際に、輝度分布形状の重心G3xに基づいて算出した発光強度が負となる光源がある場合がある(
図15の(A)における光源20(1)の時刻tb以降、および光源20(3)の時刻ta以前)。
この場合には、発光強度Iが負となる光源20(1)、光源20(3)を除いた他の光源20(2)に対応する出射領域W(2)の輝度分布から表現した輝度分布形状の重心に基づいて、前記他の光源20(1)、20(3)の発光強度を設定し、算出した発光強度が負となった光源20(1)、20(3)の発光強度をゼロに設定することが好ましい。
【0092】
この場合には、実現できない発光強度の光源を除外した上で、残りの光源について、輝度分布形状f1n(x)の重心Gxを実現可能な発光強度を設定することができる。
【0093】
以上の通り、第2の実施形態では、
(4)複数の光源20(1)〜光源20(n)と、
複数の光源20(1)〜光源20(n)の各々に一対一で対応する複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)を有する帯状の拡散板41と、
記憶部35に記憶されたスケジュールSCであって、拡散板41で光が移動する演出を実行する際のスケジュールSCに基づいて、光源20(1)〜光源20(n)の各々の点灯/消灯、および発光強度を制御する制御部30(制御手段)と、を備え、
複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)のうち、出射領域W(2)からW(n−1)の各々は、拡散板41の長手方向に所定長さLを有すると共に、出射領域W(1)、W(n)は、所定長さL/2を有しており、拡散板41において複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)が、長手方向に連なって設けられた照明装置1において、
拡散板41では、
長手方向の一端410に位置する出射領域W(1)と他端411に位置する出射領域W(n)との間の各出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)が、長手方向で隣接する他の出射領域と長手方向の両側部の所定範囲(L/2の長さが範囲)が重なるように配置されていると共に、
スケジュールSCでは、
拡散板41の出射領域W(1)〜出射領域W(n)の各々から出射される光の輝度を合算した拡散板41全体での輝度分布を、拡散板41の長手方向の位置をx方向、長手方向の各位置における輝度の大きさをy方向として輝度分布形状で表現したときの輝度分布形状の重心Gに基づいて、複数の光源20(1)〜(n)の各々の点灯/消灯の態様、および点灯させる複数の光源20(1)〜(n)の発光強度が設定されていると共に、
予め設定された輝度分布形状の重心Gの拡散板41の長手方向の経時変化を実現するように、演出を実行している途中の各時点における複数の光源20(1)〜(n)の各々の点灯/消灯の態様、および点灯させる複数の光源20(1)〜(n)の発光強度が設定されている構成とした。
【0094】
このように構成すると、拡散板41で光が移動する演出を実行する際には、演出を実行している途中の各時点における各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯する光源の発光強度が、拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gxの経時変化を実現するように制御される。
これにより、拡散板41で光が移動する演出を実行するために、各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源の発光強度を設定する際に拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gxというひとつの基準を追加し、この追加した基準に時間的に秩序をもたせように、各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源の発光強度を設定したスケジュールSCとすることで、拡散板41で光が移動する演出を実行する際に、光が滑らかに移動するように視認させることができる。
これにより、拡散板41で光が移動する演出をより適切に行うことができると共に、光の演出効果をいっそう高めることができる。
【0095】
(5)輝度分布形状の重心Gの拡散板41の長手方向の経時変化は、演出を実行している途中の各時点において、輝度分布形状の重心Gが、屈曲点を持たずに連続的に曲線状または直線的に増加または減少するように設定されている構成とした。
【0096】
このように構成すると、拡散板41で光が移動する演出を実行する際に、演出の途中の各時点の拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gxが、屈曲点を持たずに連続して増加または減少することになる。
拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gxの経時的な変化は、演出途中における拡散板41の出射面全体の明るさの重み付けの中心位置の変化を示しており、全体の輝度分布形状の重心Gxを、連続して増加または減少させると、光の移動演出における光の移動がスムーズに移動するように視認されることになる。
これにより、全体の輝度分布の変化を、連続して直線状に増加/減少させる場合には、等速感のある光の動きを演出できる。
また、連続して曲線状に増加/減少させる場合には、加速/減速感のある光の動きを演出できることになる。
【0097】
ここで、
(6)スケジュールSCにおいて規定されている複数の光源20(1)〜光源20(n)の各々の発光強度は、輝度分布形状f1n(x)の重心Gxに基づいて算出した発光強度であり、
スケジュールSCにおける複数の光源20(1)〜光源20(n)の各々の発光強度を設定する際に、輝度分布形状の重心に基づいて算出した発光強度が負となる光源がある場合には、
発光強度が負となる光源を除いた他の光源に対応する出射領域の輝度分布から表現した輝度分布形状の重心に基づいて、他の光源の発光強度を設定し、算出した発光強度が負となった光源の発光強度をゼロに設定する構成とした。
【0098】
このように、拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gxに基づいて光源20(1)〜光源20(n)の発光強度を設定する場合において、設定された光源20(1)〜光源20(n)の発光強度がマイナスになる場合は、マイナスとなる各光源20(m)に対応する拡散板41の各出射領域W(m)の輝度分布に対する重心Gnxmと輝度ピークYnmを、拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gnxmを算出する式から除外する構成とした。
これにより、実現できない発光強度となる光源を除外したうえで、残りの光源に対して、輝度分布形状f1n(x)の重心Gxを実現可能な発光強度を設定できる。
【0099】
上記のように構成したことで、光源20(1)〜光源20(n)の発光強度がマイナスになる原因となる可能性のある領域を、拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gxを算出する際に除外したうえで、光源20(1)〜光源20(n)の発光強度を設定することができ、発光強度が実現できないマイナス値となることを好適に防止できる。
これにより、演出を実行している途中の各時点における輝度分布形状の重心Gxの位置を、予定されていた軌跡に沿って変化させることができるので、光を移動させる演出での光の移動をスムーズに行うことができる。
【0100】
[第3の実施形態]
前記した第2の実施形態では、演出を実行している途中の各時点の拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gxの位置を拡散板41の長手方向に経時的に変化させるように、演出を実行している途中の各時点における複数の光源20(1)〜20(n)の各々の点灯/消灯の態様、および点灯させる複数の光源20(1)〜20(n)の発光強度が設定されている場合を例示した。
ここで、演出を実行している途中の各時点における複数の光源20(1)〜光源20(n)の各々の点灯/消灯の態様、および点灯させる複数の光源20(1)〜光源20(n)の発光強度を設定する際に、拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gyの輝度方向の変化を、基準として追加しても良い。
【0101】
ここで、演出を実行している途中の各時点における輝度分布形状の重心Gyの輝度方向の変化を、前記した合計3つの光源20(1)〜光源20(3)による拡散板41全体での輝度分布形状の場合を例に挙げて説明する。
【0102】
図16、
図17は、拡散板41全体での輝度分布形状の重心の変化(重心Gxの拡散板41の長手方向の変化、重心Gyの輝度方向の変化)と、光源20(1)〜光源20(3)の発光強度との関係を説明する図である。
図16および
図17において、(A)は、スケジュールSCにおける各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度の経時変化を示している。(B)は、演出を実行している途中の各時点における拡散板41全体の輝度分布形状の重心Gxの変化であって、拡散板41の長手方向の変化を示している。(C)は、演出を実行している途中の各時点における拡散板41全体の輝度分布形状の重心Gyの変化であって、拡散板41の輝度方向の変化を示している。
【0103】
拡散板41において光が流れる演出を実行する場合の、各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度が、それぞれ
図16の(A)、
図17の(A)のように変化する場合、全体の輝度分布形状の重心Gxの変化であって、拡散板41の長手方向の変化は、それぞれ同じように変化している(
図16の(B)、
図17の(B)参照)。
【0104】
一方、拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gyの変化であって、拡散板41の輝度方向の変化は、
図16の(C)では、単調に増加したのち減少しているのに対し、
図17の(C)では、発光強度が最大輝度に向けて増加している途中に、増加が一時的に減少に転じる領域Aがあり、発光強度が最大輝度から減少している途中に、減少が一時的に増加に転じる領域Bがある。
図16の場合と、
図17の場合において、照明演出を観察したところ、
図16の場合には、光の流れ方がスムーズであるのに対し、
図17の場合には、光の流れ方にチラツキ感があり、見栄えが良くなかった。
【0105】
そこで、
図18に示すように、演出を実行している途中の各時点における拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gxの変化であって、拡散板41の長手方向の変化が、一定の割合で直線状に増加し(
図18の(B)参照)、演出を実行している途中の各時点における拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gyの変化であって、拡散板41の輝度方向の変化が、屈曲点を持たずに、連続して曲線的に変化する(
図18の(C)参照)ようにスケジュールSCにおいて規定することで、光が流れる演出の際の光のチラツキ感を解消している。
【0106】
さらに、
図19に示すように、演出を実行している途中の各時点における拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gxの変化であって、拡散板41の長手方向の変化が、屈曲点を持たずに、連続して曲線的に変化しつつ増加し(
図19の(B)参照)、演出途中における拡散板41の全体の輝度分布形状の重心Gyの変化であって、拡散板41の輝度方向の変化が、屈曲点を持たずに、連続して曲線的に変化する(
図19の(C)参照)ようにスケジュールSCにおいて規定することで、光が流れる演出の際の光のチラツキ感を解消している。
【0107】
なお、
図20に示すように、拡散板41の輝度方向の重心Gyの位置を、途中に屈曲点のない連続的に変化する曲線に沿って経時的に変化させる場合には、曲線状の輝度の変化が少ない領域に、最も輝度が高くなるピークPkが位置するように設定することが好ましい。
ピークPkが、
図20において破線で示したような変化が大きい領域に位置して、ピークPkの前後での輝度の変化が大きくなると、チラツキ感が生じる虞があるからである。
【0108】
このように、
(7)スケジュールSCでは、
演出を実行している途中の各時点における拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gxの拡散板41の長手方向の経時変化と、
演出を実行している途中の各時点における拡散板41全体での輝度分布形状の重心Gyの輝度の大きさ方向の経時変化と、に基づいて、複数の光源20(1)〜光源20(3)の各々の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20(1)〜光源20(3)の発光強度が設定されていると共に、
予め設定された輝度分布形状の重心Gxの拡散板41の長手方向の経時変化と、予め設定された輝度分布形状の重心Gyの輝度の大きさ方向の経時変化の両方を実現するように、演出を実行している途中の各時点における複数の光源20(1)〜光源20(3)の各々の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20(1)〜光源20(3)の発光強度が設定されている構成とした。
【0109】
このようにすることによっても、演出を実行する際の光の移動がスムーズになるので、光が移動する演出の効果を向上できる
【0110】
さらに、
(8)輝度分布形状の重心Gxの拡散板41の長手方向の経時変化と、輝度分布形状の重心Gyの輝度の大きさ方向の経時変化とが、演出を実行している途中の各時点において、屈曲点を持たずに連続的に曲線状または直線状に増加または減少するように設定されている構成とした。
【0111】
このように構成すると、光が流れる演出の際の光のチラツキ感を解消でき、光が移動する演出の効果をいっそう向上できる。
【0112】
<変形例>
さらに、演出を実行している途中の各時点における拡散板41では拡散板41の長手方向における各位置の輝度が、長手方向の中央位置Pcで最大となり、中央位置Pc位置P1側と、位置Pn側に向かうにつれて、輝度が減少するように、各光源20(1)〜光源20(n)の発光強度を設定する(
図21参照)とすることが好ましい。
【0113】
このように、
(9)演出を実行している途中の各時点における拡散板41の全体の輝度が、長手方向の中間位置で最大となり、中間位置から離れるにつれて減少するように設定されている構成とした(
図21参照)。
【0114】
このように構成すると、拡散板41の出射面における長手方向で輝度が大きく振れることが無いので、光の移動がよりスムーズなものとなる。
【0115】
[第4の実施形態]
【0116】
図22は、3つの光源を備える拡散板41において、光が伸びる演出と、光が縮む演出を行う際における各光源20(1)、20(2)、20(3)の点灯/消灯のタイムチャートである。
図22の(A)は、実施の形態にかかる方法にて、演出を実行する場合のタイムチャートであり、(B)は、(A)に示したタイムチャートに沿って演出を実行している途中における拡散板41の全体の平均輝度(Yn_avg)の変化を示している。(C)は、一般的な従来例にかかる制御により、演出を実行する場合のタイムチャートであり、(D)は、(C)に示したタイムチャートに沿って演出を実行している途中における拡散板41の全体の平均輝度(Yn_avg)の変化を示している。
【0117】
図22の(C)に示すように、従来の演出では、拡散板41において、光が伸びる演出と、光が縮む演出を行う場合、光源20(1)、20(2)、20(3)の点灯と消灯のタイミングを、発光強度の増減期間ΔtAを考慮せずに所定時間Δtだけずらして行っていた。
この場合、各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度が、
図22の(C)に示すように変化する結果、演出を実行している間の拡散板41の平均輝度(Yn_avg)は、
図22の(D)のように屈曲点を持つ直線状に変化するため、光の動きがスムーズとならなかった。
【0118】
この点に関して、本願出願人は、
図22の(A)に示すように、各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度の増減期間ΔtAを考慮して、各光源20(1)〜光源20(3)の発光強度の変化を制御することで、光の動きがスムーズとなることを見いだした。
【0119】
具体的には、光源20(1)、20(2)、20(3)の点灯と消灯のタイミングを、所定時間ΔtBずつずらすと共に、各光源20(1)、20(2)、20(3)の発光強度が所定時間ΔtAをかけて、指定された強度に到達するようにした。
そして、点灯と消灯のタイミングをずらす時間ΔtBが、所定時間ΔtA以下であり、かつ所定時間ΔtAの半分の時間以上となるようにすることで、光の動きがスムーズになることを見いだした。
【0120】
この
図22の(A)に示すタイムチャートに従って、各光源20(1)、20(2)、20(3)の点灯/消灯の態様と、点灯/消灯する際の発光強度の変化を制御することで、演出を実行している間の拡散板41の平均輝度(Yn_avg)が、
図22の(B)に示すように、発光強度を変化させている途中の屈曲点が
図22の(D)と比較して軽微になるよう構成した。
これにより、演出を実行している間の拡散板41の平均輝度(Yn_avg)の変化がスムーズになる結果、光の動きがスムーズとなることを見いだした。
【0121】
このように、
(10)複数の光源20(1)〜光源20(n)と、
複数の光源20(1)〜光源20(n)の各々に一対一で対応する複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)を有する帯状の拡散板41と、
記憶部35に記憶されたスケジュールSCであって、拡散板41で光が移動する演出を実行する際のスケジュールSCに基づいて、光源20(1)〜光源20(n)の各々の点灯/消灯、および発光強度を制御する制御部30(制御手段)と、を備え、
複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)のうち、出射領域W(2)からW(n−1)の各々は、拡散板41の長手方向に所定長さLを有すると共に、出射領域W(1)、W(n)は、所定長さL/2を有しており、
拡散板41において複数の出射領域W(1)〜出射領域W(n)が、長手方向に連なって設けられていると共に、長手方向の一端410に位置する出射領域W(1)と他端411に位置する出射領域W(n)との間の各出射領域W(2)〜出射領域W(n−1)が、長手方向で隣接する他の出射領域と長手方向の両側部の所定範囲(L/2の長さが範囲)が重なるように設定された照明装置1において、
スケジュールSCでは、
演出を実行している途中で各光源20(1)〜光源20(n)の点灯/消灯する際には、点灯/消灯する光源20の発光強度を、設定された発光強度まで変化させる移行制御が実行されるように設定されており、
点灯/消灯させた光源の次に点灯/消灯される光源では、移行制御に要する時間ΔtA以下であり、かつ移行制御に要する時間の半分の時間(ΔtA/2)以上である遅延時間ΔtBを経た後に、移行制御が実行されるように設定されている構成とした。
【0122】
このように構成すると、演出を実行している間の拡散板41の平均輝度(Yn_avg)の変化がスムーズになり、光が滑らかに動くように視認させることが可能になる。
【0123】
[第5の実施形態]
図23は、第5の実施形態にかかる照明装置1Aを説明する図であって、合計7個の光源20を有する照明装置1Aの場合を説明する図である。
図23の(A)は、照明装置1Aを光の出射面側から見た平面図であり、
図23の(B)は、(A)に示す照明装置1Aから、拡散板41を有する遮光板40を取り外した状態の平面図であり、遮光板40の輪郭を破線で示した図である。
図23の(C)は、(A)におけるA−A断面図であり、
図23の(D)は、(A)におけるB−B断面の拡大図であり、
図23の(E)は、出射領域W(2)の形状を説明する図である。
【0124】
ここで、第5の実施形態にかかる照明装置1Aは、導光部材11を複数備えているという点において、前記した第1の実施形態にかかる照明装置1と相違する。
そこで、以下の説明においては、前記した照明装置1と相違する点について主に説明し、共通する点については必要に応じて説明する。
また、複数の光源20の各々を区別する必要がある場合には、光源20(1)、・・・20(7)というように、符号の後に、区別用の序数を付けた括弧を付記して説明をする。出射領域W、導光部材11についても同様とする。
【0125】
[照明装置1A]
図23に示すように、照明装置1Aは、複数の光源20(1)〜光源20(7)と、複数の光源20(1)〜光源20(7)の各々に一対一で対応する複数の導光部材11(1)〜導光部材11(7)と、複数の導光部材11(1)〜導光部材11(7)の各々に一対一で対応する複数の出射領域W(1)〜出射領域W(7)を有する帯状の拡散板41と、を有している。
なお、この
図23では、光源20(1)〜光源20(7)の各々の点灯/消灯、および発光強度を制御する制御部の図示を省略している。
【0126】
平面視において矩形形状を成す遮光板40では、幅方向(
図23における上下方向)における一側寄りの位置に、帯状の拡散板41が設けられている。
この拡散板41では、各光源20(1)〜光源20(7)から出射された光の出射領域W(1)〜出射領域W(7)が、長手方向に複数連なって設定されており、遮光板40の下方には、各光源20(1)〜光源20(7)から出射された光を、対応する出射領域W(1)〜出射領域W(7)に誘導する導光部材11(1)〜導光部材11(7)が設けられている。
【0127】
平面視において導光部材11(1)〜導光部材11(7)は、それぞれ矩形形状の断面を有する線状の部材である(
図23の(C)、(D)参照)。
図23の(B)に示すように、導光部材11(1)〜導光部材11(7)は、拡散板41の長手方向に沿う中心線Lmに対して所定角度θ傾斜して設けられていると共に、中心線Lmの径方向に並べて配置されている。
【0128】
導光部材11(1)〜導光部材11(7)の長手方向の一端110は、平坦面となっており、平面視において導光部材11(1)〜導光部材11(7)は、各々の一端110の位置を、対応する光源20(1)〜光源20(7)から離間した所定位置に揃えて設けられている。
【0129】
これら光源20(1)〜光源20(7)は、遮光板40の下方に配置された基板2において所定間隔で並んでいる。
そのため、各導光部材11(1)〜導光部材11(7)の一端110は、それぞれ対応する光源20(1)〜光源20(7)から出射された光の入射面となっている。
【0130】
導光部材11(1)〜導光部材11(7)は、空気よりも屈折率の大きい樹脂材料で形成されており、長手方向の一端110から導光部材11(1)〜導光部材11(7)に入射した光は、内部で反射しながら他端111側に誘導されるようになっている。
【0131】
平面視において導光部材11(1)〜導光部材11(7)は、拡散板41を中心線Lmの一方側から他方側に横切って設けられており、他端111を、拡散板41の他方側の側部41aよりも外側に位置させている。
【0132】
導光部材11(1)〜導光部材11(7)では、平面視において導光部材11(1)〜導光部材11(7)と拡散板41とが重なる領域が、導光部材11(1)〜導光部材11(7)の内部を他端111側に向けて誘導された光の出射面となっており、この重なる領域の拡散板41とは反対側の面112には、この面112で反射した光の進行方向を出射面に向かう方向に変更するための凹凸(図示せず)が設けられている。
そして、拡散板41における導光部材11(1)〜導光部材11(7)の各出射面から出射した光が通過する所定面積の領域が、導光部材11(1)〜導光部材11(7)に一対一で対応する出射領域W(1)〜出射領域W(7)となっている。
【0133】
実施の形態では、拡散板41の長手方向の一端410と他端411に位置する出射領域W(1)、出射領域W(7)が、平面視において三角形形状を有しており、これら一端410と他端411に位置する出射領域W(1)、出射領域W(7)の間に位置する出射領域W(2)〜出射領域W(6)が、平面視においてひし形形状を有している。
そして、これら複数の出射領域W(1)〜出射領域W(7)を連ねて帯状の領域を形成すると、この形成された領域が、拡散板41とほぼ整合する面積で形成されるようになっている。
【0134】
出射領域W(1)〜出射領域W(7)は、拡散板41の長手方向の一端410と他端411に位置する出射領域W(1)、出射領域W(7)を除き、拡散板41の長手方向に、それぞれ同じ長さLを有しており、出射領域W(1)、出射領域W(7)は、他の出射領域W(2)〜出射領域W(6)の半分の長さL/2を有している。
そのため、拡散板41において出射領域W(1)〜出射領域W(7)は、拡散板41の長手方向における一端410側から他端411側に所定長さL/2ずつオフセットして設定されている。
【0135】
ここで、出射領域W(2)〜出射領域W(6)の形状を、出射領域W(2)を例に挙げて具体的に説明する。
図23の(E)に示すように、拡散板41において出射領域W(2)は、当該拡散板41の長手方向の中心位置P2を境にした一方側(図中左側)の領域Raと他方側(図中右側)の領域Rbが、それぞれ一方側で隣接する他の出射領域W(1)と、他方側で隣接する他の出射領域W(3)に及ぶ長さL/2で形成されている。
【0136】
出射領域W(2)は、長手方向における中心位置P2で幅Wxが最大となり、中心位置P2から離れて、出射領域W(1)、出射領域W(3)側に向かうにつれて幅Wxが狭くなって、出射領域W(1)の位置P1と、出射領域W(3)の中心位置P2に達した時点で、幅Wxが0(ゼロ)になるように縮幅している。
【0137】
平面視において出射領域W(1)は、拡散板41の一端410に重なる位置P1で幅Wxが最大となり、出射領域W(2)の中心位置P2で幅Wxが0(ゼロ)になる三角形形状を有している。出射領域W(1)は、出射領域W(2)の一方側の領域Raと重ならない形状であって、出射領域W(2)の他方側の領域Rbと整合する形状を有している。
ちなみに、出射領域W(7)は、
図23の(B)において出射領域W(1)を中心線Lm挟んで上下逆向きにした形状を有している。
【0138】
そのため、拡散板41の出射領域W(1)と、出射領域W(7)では、出射される光の輝度Yが、それぞれ一端410、他端411から離れるにつれて低くなり、各出射領域W(2)〜出射領域W(6)では、長手方向の中心位置P2〜中心位置P6で輝度が最大となり、中心位置P2〜中心位置P6から離れるにつれて、輝度が低くなるようになっている。
【0139】
よって、実施の形態にかかる照明装置1Aにおいても、光源20(1)〜光源20(7)の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源20の発光強度を制御することで、拡散板41における任意の位置(領域)を、他の位置(領域)よりも、明るくしたり、暗くしたりすることができると共に、明るい位置や暗い位置を、拡散板41の長手方向に変位させて、光による演出を実施できるようになっている。
【0140】
このように、
(12)拡散板41では、
長手方向の一端410に位置する出射領域W(1)と他端411に位置する出射領域W(7)との間の各出射領域W(2)〜出射領域W(6)が、長手方向の中心位置(出射領域W(2)の場合は、中心位置P2)で幅Wxが最大となり、長手方向における中心位置の一方側の領域Raと他方側の領域Rbの幅が、中心位置から離れるにつれて縮幅した形状で形成されており、
長手方向の一端410に位置する出射領域W(1)と他端411に位置する出射領域W(7)との間の各出射領域W(2)〜W(6)は、一方側の領域Raと他方側の領域Rbを、それぞれ長手方向で隣接する他の出射領域の他方側の領域Rbと一方側の領域Raとに対して、拡散板41の幅方向に並べて配置されている構成とした。
【0141】
このように構成すると、各出射領域W(2)〜出射領域W(6)では、中心位置の一方側の領域Raと他方側の領域Rbが、それぞれ長手方向で隣接する他の出射領域の他方側の領域Rbと一方側の領域Raとに対して、拡散板41の幅方向に並べて配置されているので、光が流れる演出のために、光を出射する出射領域を長手方向で順番に切り替える際に、拡散板41での光の移動を、よりスムーズに視認させることが可能になる。
【0142】
なお、照明装置1Aにおいても、前記した照明装置1の場合と同様に、拡散板41で光が移動する演出を実行する際のスケジュールにおいて、(i)複数の出射領域W(1)〜W(7)の各々から出射される光の輝度を合算した拡散板41全体での輝度分布の平均輝度Yn_avgが、予め設定された平均輝度の経時変化を実現するために、演出を実行している途中の各時点における光源20(1)〜20(7)の各々の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源の発光強度が設定されている、および/または拡散板41全体での輝度分布を、拡散板41の長手方向の位置をx方向、長手方向の各位置における輝度の大きさをy方向として輝度分布形状で表現したときの輝度分布形状の重心Gが、予め設定された輝度分布形状の重心の経時変化を実現するために、演出を実行している途中の各時点における光源20(1)〜20(7)の各々の点灯/消灯の態様、および点灯させる光源の発光強度が設定されている構成とすることが好ましい。
【0143】
このようにすることによっても、光が滑らかに移動するように視認させることができる。
そして、照明装置1Aの場合にも、スケジュールにおいて、拡散板41の平均輝度Yn_avgや、輝度分布形状の重心Gが、屈曲点を持たずに連続的に曲線状または直線的に増加または減少するように設定さていることで、光がより滑らかに移動するように視認させることができる。