(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0014】
1.遊技機の構成
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6や各種の制御基板が遊技機の内部において設けられている本体7と、遊技領域4を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、遊技機の前面において遊技領域4を取り囲むように形成された前枠10(扉体)を備えている。そして前枠10は、遊技領域4を遊技者が視認可能となるように遊技領域4に対応する範囲の開口である前枠開口11を形成しつつ、前枠開口11を塞ぐようにして背面側からガラスユニット8が取り付けられることにより、ガラスユニット8とともに遊技機の前面を形成している。
【0015】
そして前枠10の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の下部には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14が設けられている。
【0016】
また前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側面の奥側の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0017】
そして上皿16の内側面の奥側の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0018】
また上皿16の縁部手前側には、銃の形状を模した演出入力装置26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出入力装置26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0019】
図2は、
図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。
図2に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0020】
また遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ31(演出画像表示手段)と、液晶ディスプレイ31の表示領域を囲むように形成された装飾部32を備える演出ユニット33が設けられている。ここで装飾部32は、光が透過する半透明の素材により構成された部分を有しており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の装飾部ランプ34が設けられている。
【0021】
そして本実施形態では、演出ユニット33の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、演出ユニット33の左側の遊技領域4か演出ユニット33の右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0022】
また装飾部32の左部には、演出ユニット33の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口である通過開口40が形成されており、この通過開口40を通過した遊技球は装飾部32の内部に設けられている通路42を通過して、装飾部32の下部に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0023】
そしてステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動入賞口46が設けられている。この第1始動入賞口46は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(検出手段)を内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第1始動入賞口46に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0024】
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。この通過ゲート48は、遊技球が通過したことを検出するセンサを内蔵し、通過ゲート48を遊技球が通過するたびに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
【0025】
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、通過ゲート48の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(遊技媒体検出手段)を内蔵するとともに、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52(補助手段)が設けられている。そして普通役物52は、補助部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通抽選で普通当たりが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。そして第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
【0026】
なお、第1始動入賞口46に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数と、第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数は、同一の個数であっても異なる個数であってもよい。
【0027】
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される大入賞口54が設けられている。この大入賞口54は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するとともに、大入賞口54を塞ぐ板状部材を備える特別役物56が設けられており、特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)と遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)との間で動作可能に構成されている。そして特別役物56は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。そして大入賞口54に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(例えば15個)の遊技球が払い出される。
【0028】
また遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。
【0029】
そして遊技球の発射装置は、
図1で示したグリップユニット20の回転量を調節することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には演出ユニット33の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には演出ユニット33の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0030】
従って遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調節し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは通過開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口54に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0031】
なお本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4を落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動入賞口50や大入賞口54に遊技球が入賞することがなく、また遊技球が右側の遊技領域4を落下する場合には、第1始動入賞口46に遊技球が入賞することがないようになっている。
【0032】
また遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、普通抽選の結果、特別抽選の結果、遊技状態など、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示装置70が設けられている。
【0034】
図1に示すように本実施形態では、前枠10の左辺および外枠2の左辺に沿った前枠軸80を中心として、前枠10が本体7および外枠2に対して回転可能に取り付けられている。そしてグリップユニット20の上方に設けられた図示しないシリンダー錠に鍵を差し込んで一方向に回転させると施錠が解除され、前枠軸80を中心として前枠10を本体7および外枠2に対して開くことができるようになっている。
【0035】
従って本実施形態では、前枠10の左部を形成する前枠左部82は、前枠10を本体7および外枠2に対して開いた際に左隣の遊技機や左隣の遊技機との間に設置される現金受付機などに干渉しないようにするため、前枠軸80から前方に突出しないように形成されているが、前枠10の右部を形成する前枠右部84は、前方に大きく突出するように形成されている。
【0036】
そして前枠右部84の内側には、前枠開口11に隣接するように、半円形の第1演出物100、第2演出物102および第3演出物104を備える可動演出部105(演出装置)が設けられている。そして第1演出物100、第2演出物102および第3演出物104のそれぞれには、前面に半円形の半透明レンズが設けられており、内部に設けられたランプから出力された光を外部に透過させるようになっている。また前枠右部84の内側には、第1演出物100、第2演出物102および第3演出物104のそれぞれに対応する位置の内部に、前枠ランプ12が設けられている。
【0037】
ここで第1演出物100は、前枠10に対して固定的に設けられているが、第2演出物102および第3演出物104のそれぞれは、前枠10に対して上下に往復移動(動作)可能に取り付けられている。そして第1演出物100、第2演出物102および第3演出物104は、第1演出物100、第2演出物102および第3演出物104を遊技者が視認可能かつ接触不可能にする透明なアクリル製のカバー106で覆われている。
【0038】
詳細には本実施形態の可動演出部105では、
図1に示すように、第1演出物100の背後の上方に第2演出物102が出現する位置が、第2演出物102の上限位置となっており、上限位置にある第2演出物102の背後の上方に第3演出物104が出現する位置が、第3演出物104の上限位置となっている。そして
図3(A)に示すように、第2演出物102が上限位置から下方に移動して第1演出物100の背後に隠れるように重なる位置が、第2演出物102の下限位置となっており、第3演出物104が上限位置から下方に移動して下限位置にある第2演出物102の背後に隠れるように重なる位置が、第3演出物104の下限位置となっている。
【0039】
そして本実施形態の可動演出部105では、第3演出物104の上限位置と下限位置との間の長さに対応する長さの図示しない歯付きベルトが、第3演出物104の奥側において縦方向に設けられており、歯付きベルトに第3演出物104が取り付けられている。そして歯付きベルトは、可動演出部105の内部に設けられた図示しない駆動モーターの駆動ギアと噛み合っており、駆動モーターを正転あるいは逆転させると、第3演出物104が上方あるいは下方に移動する。
【0040】
また第2演出物102は、第2演出物102の奥側に設けられた図示しないバネにより上方に向かって付勢されており、
図3(A)に示すように、第3演出物104が下限位置にある場合には、第3演出物104に設けられた図示しない制限部材が第2演出物102と接触して第2演出物102の上方への移動を制限しているため、第3演出物104の自重と駆動モーターの静止時のトルクによって、第2演出物102も下限位置に維持されるが、第3演出物104が駆動モーターにより上方に移動するにつれて、第2演出物102も上方に移動する。すなわち本実施形態では、第3演出物104が下限位置から上方に移動すると、
図3(B)に示すように、第2演出物102が上限位置に移動するまでは、第2演出物102の背後に第3演出物104が隠れるように重なった状態で、第2演出物102および第3演出物104が同時に上方に移動する。
【0041】
そして
図3(B)に示すように、第2演出物102が上限位置となる中間位置まで第3演出物104が移動してから、更に駆動モーターにより第3演出物104が上方に移動すると、
図1に示すように、第3演出物104が第2演出物102の背後の上方に出現して上限位置まで移動する。
【0042】
一方、第3演出物104が上限位置から下方に移動して中間位置に達すると、
図3(B)に示すように、上限位置にある第2演出物102の背後に第3演出物104が隠れるように重なり、第3演出物104の制限部材が上限位置にある第2演出物102と接触し、更に駆動モーターにより第3演出物104が下方に移動すると、第3演出物104が下方に移動するにつれて、第2演出物102も下方に移動する。すなわち本実施形態では、第2演出物102が下限位置に移動するまでは、第2演出物102の背後に第3演出物104が隠れるように重なった状態で、第2演出物102および第3演出物104が同時に下方に移動する。
【0043】
このように本実施形態の可動演出部105では、
図3(A)に示すように、第3演出物104が下限位置にある場合には、第2演出物102も下限位置に維持され、
図3(B)に示すように、第3演出物104を下限位置から中間位置まで上方に移動させると、第2演出物102が上限位置まで移動し、第3演出物104を中間位置から更に上方に移動させると、第2演出物102は上限位置に維持されたまま、
図1に示すように、第3演出物104が上限位置まで移動する。また、第3演出物104を上限位置から中間位置まで下方に移動させると、
図3(B)に示すように、第2演出物102の背後に第3演出物104が隠れるように重なり、第3演出物104を中間位置から更に下方に移動させると、
図3(A)に示すように、第2演出物102および第3演出物104が下限位置まで移動する。
【0044】
また
図1に示すように、前枠10の上部を形成する前枠上部110は、前枠左部82と前枠右部84の関係と同様に、前枠10を本体7および外枠2に対して開いた際に左隣の遊技機や左隣の遊技機との間に設置される現金受付機などに干渉しないようにするため、前枠軸80に近い部分では前方への突出量が小さいが、前枠軸80から離れるにつれ、前方への突出量が大きくなるように形成されている。そして前枠上部110の前面には、本実施形態の遊技機のロゴタイプが表示される上表示領域112が形成されているが、前枠上部110は、上表示領域112の向きが遊技盤6の向きである正面方向よりも左方を向くように形成されている。そして上表示領域112の内部には、前枠ランプ12が設けられている。
【0045】
図4は、本実施形態の前枠10の平面図である。
図4に示すように、本実施形態の遊技機では、前枠左部82は、前枠軸80から前方に突出しないように形成されているが、前枠右部84は、前方に大きく突出するように形成されており、前枠上部110は、前枠上部110の前面が、前枠左部82の前端と前枠右部84の前端を通る面に沿った面となるように形成されている。具体的には本実施形態では、上表示領域112の向きが正面方向から前枠軸80に近い左方に15度傾くように、前枠上部110が形成されている。
【0046】
これにより本実施形態の遊技機では、遊技機の前方からだけでなく左方からでも、前枠上部110に設けられた上表示領域112の表示内容や、前枠右部84の内側に設けられた第1演出物100、第2演出物102あるいは第3演出物104や、第1演出物100、第2演出物102および第3演出物104のそれぞれに対応する位置の内部に設けられた前枠ランプ12による演出を視認しやすくすることができる。
【0047】
従って本実施形態の遊技機では、前枠上部110に設けられた上表示領域112や、前枠右部84の内側に設けられた第1演出物100、第2演出物102あるいは第3演出物104や、第1演出物100、第2演出物102および第3演出物104のそれぞれに対応する位置の内部に設けられた前枠ランプ12により、本実施形態の遊技機で遊技を行っている遊技者に対して遊技の演出を行うのみならず、本実施形態の遊技機の左方に対して遊技機の存在をアピールすることができる。
【0048】
図5は、本実施形態の遊技機の右側面図である。
図5に示すように、本実施形態の遊技機では、前枠右部84の外側には、前枠左部82が前方に突出していない一方で前枠右部84が前方に大きく突出していることを利用して、遊技機の右方に対して表示を行うための右表示領域114が設けられている。詳細には右表示領域114は、前枠右部84の外側に形成された開口である右表示開口116を内部から透明なアクリル板で塞ぐようにして形成されており、アクリル板の内側に遊技機のロゴタイプなどの表示内容が印刷された表示シートを配置することができる配置空間118を備えている。そして右表示領域114の周辺には、表示シートの裏側あるいは側方から表示シートを照らすランプが設けられている。
【0049】
これにより本実施形態の遊技機では、遊技機の前方ないし左方および右方に対して遊技の演出を行ったり、遊技機の存在をアピールしたりすることができる。特に本実施形態の遊技機では、
図6に示すように、遊技場において本実施形態の複数の遊技機を横並びに設置し、更に通路を隔てて向かい合わせに本実施形態の複数の遊技機を横並びに設置すると、通路を通る遊技者に対して、一方側に横並びに設置された複数の遊技機のそれぞれの上表示領域112と、第1演出物100、第2演出物102あるいは第3演出物104と、第1演出物100、第2演出物102および第3演出物104のそれぞれに対応する位置の内部に設けられた前枠ランプ12を視認させることができるとともに、他方側に横並びに設置された複数の遊技機のそれぞれの右表示領域114を視認させることができる。
【0050】
従って本実施形態の遊技機では、
図6に示すように、遊技場において通路の両側に本実施形態の複数の遊技機を横並びに設置した場合には、両側の複数の遊技機のそれぞれによって、通路を通る遊技者に対して遊技機の存在をアピールすることができる。
【0051】
図7は、前枠軸80を中心として前枠10が本体7および外枠2に対して開いている状態を示す後方斜視図である。
図7に示すように、本体7には、外枠2の内側に納まるように、遊技機を制御するための各種の制御基板や、遊技球を払い出すための払出装置などが設けられている。そして本体7の中央部には、
図2で示した遊技盤6が取り付けられている。一方、前枠10の背面には、前枠開口11を塞ぐようにしてガラスユニット8が取り付けられている。
【0052】
そして本実施形態の遊技機では、前枠右部84の外側に右表示領域114が設けられているが、前枠右部84のうち、右表示領域114を取り囲む右表示周縁部120と、右表示周縁部120の上方に隣接し前枠右部84の上端部を形成する右上端部122(可動部)が別体として形成されており、
図7に示すように、右上端部122と右表示周縁部120が密着する基準状態と、
図8に示すように、右上端部122と右表示周縁部120との間に空間が発生する上昇状態(動作状態)との間で、右上端部122が右表示周縁部120に対して上下に往復移動(動作)可能に取り付けられている。
【0053】
そして本実施形態では、右上端部122が上昇状態となっている場合には、表示シートの配置空間118の上端が外部に露出して、表示シートの横幅よりも広い開口である配置開口124を形成するようになっており、遊技機の管理者などが配置開口124から配置空間118に表示シートを挿入したり、抜き出したりすることができるようになっている。
【0054】
図9は、右上端部122の背面を示す後方斜視図である。
図9に示すように、右上端部122では、前枠右部84の上端の外側面を形成する右上外側面126と、前枠右部84の上面を形成する右上面128と、前枠右部84の上端の前面を形成する右上前面130が、基準状態でも外部に露出する面となっており、右上端部122の右上外側面126と向かい合う面、背面および底面が、基準状態では遊技機の内部となる面となっている。そして右上端部122の背面のうち右上外側面126に近い部分には、上下に長く直線状に形成された第1被誘導部132が、右上外側面126に向かって突出するように設けられており、右上端部122の背面のうち右上外側面126から遠い部分には、第1被誘導部132と平行に上下に長く直線状に形成された第2被誘導部134が、右上外側面126とは逆方向に向かって突出するように設けられている。
【0055】
そして右上端部122の背面の上部には、右上端部122を基準状態で固定するための固定部136が、第1被誘導部132と第2被誘導部134の間において図中左右に往復移動可能に設けられている。詳細には第2被誘導部134には、第2被誘導部134の上部の一部が途切れることにより固定部136が貫通できる貫通部138が設けられており、固定部136は、
図9に示すように、固定部136の先端が貫通部138を貫通して第2被誘導部134の外側に突出する突出状態(固定状態)と、固定部136の先端が貫通部138を貫通せず第2被誘導部134の外側に突出しない非突出状態(非固定状態)の間で往復移動可能に設けられている。そして固定部136は、固定部136の移動方向に沿って設けられたコイルバネ140により、突出状態に維持されるように付勢されている。
【0056】
図10(A)は、前枠10のうち右上端部122が取り付けられる部分である取付部142の前面を示す前方斜視図であり、
図10(B)は、取付部142の背面を示す後方斜視図である。
図10(A)に示すように、取付部142の前面には、右上端部122を基準状態と上昇状態との間で上下に往復移動させるために上下に長く直線状に形成された第1誘導部144と第2誘導部146が平行に設けられており、第1誘導部144は第1被誘導部132の前面、外側面および背面と接触して第1被誘導部132を上下方向に誘導し、第2誘導部146は第2被誘導部134の前面、外側面および背面と接触して第2被誘導部134を上下方向に誘導する。従って本実施形態では、第1誘導部144および第2誘導部146が、第1被誘導部132および第2被誘導部134の前後左右への移動を規制しつつ上下への移動を許容することにより、右上端部122が取付部142に対して上下に往復移動可能に取り付けられるようになっている。
【0057】
そして
図10(A)および
図10(B)に示すように、取付部142の上部の左側には、右上端部122が取付部142に取り付けられて基準状態となっている場合における固定部136に対応する位置に、取付部142の背面すなわち前枠10の背面から遊技機の管理者などが固定部136を操作するための開口である操作開口148が設けられている。そして第2誘導部146の上部には、操作開口148に対応する位置に、すなわち右上端部122が取付部142に取り付けられて基準状態となっている場合における固定部136に対応する位置に、第2誘導部146の一部が途切れることにより固定部136の先端を受け入れて、固定部136が突出状態となることを許容する固定受入部150が設けられている。そして固定受入部150は、突出状態となっている固定部136の上面と接触して固定部136の上方への移動を規制することにより、右上端部122を基準状態で固定する。一方、固定部136が非突出状態となる場合には、固定部136の先端が固定受入部150から抜け出て第2誘導部146の内側に引っ込むため、固定部136の上方への移動が規制されず、右上端部122が基準状態から上方に移動可能となる。
【0058】
図11は、右上端部122が取付部142に取り付けられて基準状態となっている様子を示す後方斜視図である。
図11に示すように、右上端部122が基準状態となっている場合には、固定部136の先端が固定受入部150に受け入れられて突出状態となっていることにより、右上端部122が基準状態で固定されている。そして、遊技機の管理者などが操作開口148から指などで固定部136を図中左方向にずらすことにより、コイルバネ140の付勢力に抗して固定部136を非突出状態に移動させる操作を行うと、固定部136の先端が固定受入部150から抜け出て固定が解除され、右上端部122が基準状態から上方に移動可能となる。そして、遊技機の管理者などが固定部136を非突出状態にずらす操作を行ったまま、もう一方の手で右上端部122を上方に引き上げれば、右上端部122を上昇状態に向けて上方に移動させることができる。
【0059】
そして本実施形態では、固定部136から指などを放すとコイルバネ140により固定部136が基準状態に戻ろうとするものの、
図10(A)で示したように、固定受入部150の上方には第2誘導部146の上部の内側面が隣接しているため、右上端部122を基準状態から少しでも上方に移動させれば、固定部136の先端が固定受入部150に受け入れられずに第2誘導部146の上部の内側面を押すように第2誘導部146と接触する。そして本実施形態では、固定部136の先端が第2誘導部146の上部の内側面を押すように第2誘導部146と接触している状態であっても、右上端部122を上方に移動させることができるようになっており、固定部136の先端が第2誘導部146の上端よりも上方に達するまで右上端部122を上方に移動させると、
図12に示すように、固定部136が取付部142と接触しなくなり、固定部136が突出状態となる。
【0060】
従って本実施形態では、遊技機の管理者などが固定部136を非突出状態にずらす操作を行いながら、もう一方の手で右上端部122を基準状態から少しでも上方に移動させれば、その後は固定部136から指などを放した状態で、右上端部122を上昇状態まで移動させることができる。
【0061】
ここで本実施形態では、
図12で示したように、右上端部122が上昇状態となる場合には、固定部136が取付部142と接触しなくなるため、固定部136によっては右上端部122を上昇状態で固定することができない。そこで本実施形態では、
図10(A)に示すように、取付部142の前面に前方に突起する突起部152を設けるとともに、
図9に示すように、右上端部122の下端に突起部152を受け入れる突起受入部154を設けている。そして、右上端部122が取付部142に取り付けられて基準状態となっている場合には、突起受入部154は突起部152の下方に位置しているが、右上端部122が基準状態から上方に移動するにつれ突起受入部154が突起部152に近づいて行き、右上端部122が上昇状態となる場合には、突起受入部154に突起部152が受け入れられることにより、右上端部122が上昇状態で仮固定されるようになっている。
【0062】
図13(A)は、右上端部122が上昇状態となる直前の右上端部122と取付部142の関係を示す左側面図であり、
図13(B)は、右上端部122が上昇状態となっている場合の右上端部122と取付部142の関係を示す左側面図である。
図13(A)に示すように、右上端部122が上昇状態となる直前では、
図13(A)の破線で囲んだ部分の拡大図に示すように、突起受入部154の上部と突起部152の下部が接触しているが、突起受入部154の上部が突起部152を乗り越えて突起部152を受け入れられるように、突起受入部154の上部と突起部152の下部に、右上端部122の移動方向に対して45度傾いた斜面が形成されており、右上端部122が上昇状態となる直前では、突起受入部154の上部の斜面と突起部152の下部の斜面が接触するようになっている。
【0063】
ここで
図10(A)に示すように、取付部142の前面には、取付部142の前面の中央付近から前方に伸び出てから図中左右に分岐する形状を有するレバー部156(仮固定部)が取り付けられており、レバー部156の先端に突起部152が設けられている。詳細にはレバー部156は、可撓性がある樹脂素材により形成され、中央部の固定端158において取付部142の前面に固定的に取り付けられており、固定端158から前方に伸び出てから図中左方に分岐する部分は、取付部142に固定されない自由端160となっており、自由端160に突起部152が設けられている。
【0064】
従って、
図13(A)に示すように、突起受入部154の上部と突起部152の下部が接触した状態で更に右上端部122が上方に引き上げられると、レバー部156の自由端160が後方に撓むことにより突起部152が後方に後退し、
図13(B)の破線で囲んだ部分の拡大図に示すように、突起受入部154の上部が突起部152を乗り越えて突起受入部154に受け入れられる。
【0065】
こうして本実施形態では、右上端部122を上昇状態まで引き上げると、突起受入部154に突起部152が受け入れられることにより、右上端部122の上下方向への移動が規制されて右上端部122が上昇状態で仮固定される。これにより本実施形態では、遊技機の管理者などが右上端部122から手を放した状態で、表示シートの交換作業などを行うことができる。
【0066】
また
図10(A)に示すように、レバー部156では、固定端158から前方に伸び出てから図中右方に分岐する部分が、右方に伸び出てから更に取付部142に向かって後方に伸び、取付部142の中央やや右側に設けられた開口であるレバー開口162を貫通して、
図10(B)に示すように、取付部142の背面に到達する操作端164となっている。そして、取付部142の背面すなわち前枠10の背面から遊技機の管理者などがレバー部156の操作端164を指などで押し込む操作(仮固定状態から非仮固定状態に動作させる操作)を行うと、レバー部156が固定端158を中心として撓むことにより自由端160すなわち突起部152が後方に後退し(仮固定状態から非仮固定状態に動作し)、突起部152が突起受入部154から抜け出て仮固定が解除され、右上端部122が上下に往復移動可能となる。
【0067】
従って本実施形態では、右上端部122が上昇状態となっている場合には、遊技機の管理者などがレバー部156の操作端164を指などで押し込む操作を行ったまま、もう一方の手で右上端部122を下方に押し込めば、右上端部122を基準状態に向けて下方に移動させることができる。そして本実施形態では、右上端部122を上昇状態から少しでも下方に移動させれば、突起部152が突起受入部154に受け入れられなくなるため、レバー部156の操作端164から指などを放しても、右上端部122を下方に移動させることができる。
【0068】
図14は、右上端部122が上昇状態と基準状態の間の中間状態となっている様子を示す前方斜視図である。上述したように本実施形態では、右上端部122が上昇状態となる場合には、固定部136の先端が第2誘導部146の上端よりも上方に達することにより固定部136が突出状態となるため、右上端部122を上昇状態から下方に移動させると、
図14に示すように、固定部136の先端の下部が第2誘導部146の上端に接触する。そこで本実施形態では、右上端部122を上昇状態から下方に移動させる場合に、固定部136の先端が第2誘導部146の上部を乗り越えて固定受入部150に受け入れられるように、固定部136の先端の下部と第2誘導部146の上端に、右上端部122の移動方向に対して45度傾いた斜面が形成されており、右上端部122を上昇状態から下方に移動させると、固定部136の先端の下部の斜面と第2誘導部146の上端の斜面が接触するようになっている。
【0069】
従って、
図14に示すように、固定部136の先端の下部と第2誘導部146の上端が接触した状態で更に右上端部122を下方に移動させると、コイルバネ140の付勢力に抗して固定部136が非突出状態に移動し、固定部136の先端が第2誘導部146の上端を乗り越えて固定受入部150に受け入れられる。これにより本実施形態では、右上端部122を上昇状態から基準状態に移動させる場合には、遊技機の管理者などがレバー部156の操作端164を指などで押し込む操作を行って、もう一方の手で右上端部122を下方に押し込めば、固定部136を非突出状態にずらす操作を行わずに、右上端部122を基準状態まで移動させることができる。
【0070】
こうして本実施形態では、前枠10が本体7および外枠2に対して開いている状態で、遊技機の管理者などが固定部136を非突出状態にずらす操作を行うことにより、右上端部122を基準状態から上昇状態に引き上げることができる。そして上昇状態では右上端部122が突起部152により仮固定されるため、右上端部122から手を放した状態で表示シートの交換作業などを行うことができる。そして表示シートの交換作業などが終了すると、レバー部156の操作端164を指などで押し込む操作を行うことにより、右上端部122を上昇状態から基準状態に押し込むことができる。そして基準状態では右上端部122が固定部136により固定されるため、前枠10を本体7および外枠2に対して閉じて施錠すれば、部外者が固定部136を操作することができなくなり、右上端部122を移動させることができなくなる。
【0071】
3.機能ブロック
図15は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、メイン基板500およびサブ基板600を含む制御基板によって制御される。メイン基板500は、通過ゲートセンサ502、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ505、大入賞口センサ506、払出センサ508等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、普通役物駆動装置520、特別役物駆動装置522、払出装置106等の出力手段の動作制御を行う。
【0072】
またサブ基板600は、メイン基板500から送られてくる信号や、演出入力装置スイッチ602からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出表示装置620、音響装置622、可動物駆動装置624等の演出装置626の動作制御を行う。またメイン基板500やサブ基板600等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0073】
そしてメイン基板500は、乱数発生手段540、普通抽選手段542、普通駆動制御手段544、特別抽選手段546、遊技状態移行制御手段548、特別駆動制御手段550、払出制御手段552、通信制御手段554、メインメモリ570を含んで構成されている。
【0074】
乱数発生手段540は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0075】
普通抽選手段542は、1個の遊技球が通過ゲート40を通過するごとに作動する通過ゲートセンサ502からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について普通当たりの当否を決定する普通抽選を行う。
【0076】
普通駆動制御手段544は、普通抽選で普通当たりが当選すると、普通役物44が所定条件下で拡大状態となるように普通役物駆動装置520を制御する。
【0077】
特別抽選手段546は、1個の遊技球が第1始動入賞口46に進入するごとに作動する第1始動入賞口センサ504からの検出信号に基づいて、あるいは1個の遊技球が第2始動入賞口50に進入するごとに作動する第2始動入賞口センサ505からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について大当たりの当否を決定するとともに、大当たりが当選した場合には、複数種類の大当たり図柄のうちいずれの図柄が当選したかを判定する特別抽選を行う。
【0078】
遊技状態移行制御手段548は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
【0079】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。
【0080】
特別遊技状態は、通常状態、確変状態あるいは時短状態における特別抽選において大当たりが当選したことに基づいて開始され、大当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の特別遊技が実行されると終了する。そして大当たり図柄が確変図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると確変状態に移行され、大当たり図柄が通常図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると時短状態に移行される。
【0081】
確変状態は、通常状態よりも大当たりが当選する確率が高くなるように、あるいは大当たりが当選した場合に確変図柄が当選する確率が高くなるように、特別抽選が行われるとともに、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また確変状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして確変状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。ただし確変状態では、特別抽選における大当たりの当選確率が約1/39に設定されるため、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
【0082】
時短状態は、大当たりが当選する確率が通常状態と同一となるように特別抽選が行われるが、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また時短状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして時短状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、時短状態において特別抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。
【0083】
特別駆動制御手段550は、特別遊技状態における各特別遊技において、大当たり図柄の種類に応じて予め定められた態様で特別役物56が開状態となるように特別役物駆動装置522の駆動制御を行う。
【0084】
払出制御手段552は、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ505あるいは大入賞口センサ506からの検出信号に基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する払出数の遊技球を払出装置106に払い出させる制御を行う。
【0085】
通信制御手段554は、サブ基板600に信号を送信する制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板500とサブ基板600との間では、メイン基板500からサブ基板600への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板600からはメイン基板500へ信号を送信することができないように通信接続されている。
【0086】
続いて、サブ基板600について説明する。サブ基板600は、演出制御手段640と、サブメモリ670とを含んで構成されている。
【0087】
演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号や、演出入力装置スイッチ602からの入力信号や、サブメモリ670に記憶されている演出データに基づいて、演出表示装置620を制御して前枠ランプ12や装飾部ランプ34を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ31に演出画像を表示させたり、音響装置622を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、可動物駆動装置624を駆動して可動物を動作させたりするなど、演出装置626を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を実行させる。
【0088】
例えば、第1始動入賞口46や第2始動入賞口50への遊技球の入賞、演出入力装置26に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて、特別抽選演出処理、状態演出処理などを行う。
【0089】
特別抽選演出処理では、演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号に基づいて、特別抽選を演出する特別変動演出を演出装置626に実行させる。本実施形態では演出制御手段640は、液晶ディスプレイ31において特別図柄画像を変動表示させた後に、特別抽選の結果に応じた態様で特別図柄画像を停止表示させるとともに、液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたりする変動演出画像を表示させることにより、特別変動演出を液晶ディスプレイ31において実行する。また演出制御手段640は、特別変動演出として、特別図柄画像や変動演出画像の進行に合わせて可動物駆動装置624を制御して可動物を動作させる。
【0090】
詳細には本実施形態では、可動物駆動装置624として、第3演出物104を上下に往復移動させる駆動モーターが設けられており、演出制御手段640(制御手段)は、特別図柄画像や変動演出画像の進行に合わせて駆動モーターを制御して、第3演出物104を下限位置、中間位置、上限位置の間で上下に移動させることにともなって、第2演出物102を下限位置と上限位置の間で上下に移動させる。
【0091】
ここで本実施形態では、特別変動演出の実行種別としてプレミアムリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2、ノーマルリーチ、リーチ無しが用意されており、演出制御手段640は、特別抽選の結果に基づいて、特別変動演出の実行種別を複数の実行種別のいずれにするかを決定する。そして各実行種別の特別変動演出は、特別図柄画像や変動演出画像の表示パターンや、第2演出物102および第3演出物104の動作パターンが異なるとともに、特別抽選の結果に応じて選択される確率や、開始から終了までにかかる実行時間が異なっている。これにより各実行種別の特別変動演出は、各実行種別の特別変動演出が実行された場合における大当たりの当選に対する期待度や、確変図柄あるいは通常図柄の当選に対する期待度が異なるようになっている。
【0092】
状態演出処理では、演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号に基づいて、現在の遊技状態に応じて液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたり、可動物を動作させたりすることにより、現在の遊技状態を遊技者に示唆する状態演出を実行する。
【0093】
例えば、現在の遊技状態が通常状態である場合には、演出制御手段640は、特別抽選が行われるごとに演出状態移行抽選を行い、演出状態を複数種類の演出状態のうちいずれの演出状態に設定するかを決定する。そして演出制御手段640は、設定されている演出状態に応じた通常状態画像を液晶ディスプレイ31に表示させる。また演出制御手段640は、現在の遊技状態が確変状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が確変状態であることを示唆する確変状態画像を表示させ、現在の遊技状態が時短状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が時短状態であることを示唆するとともに、特別抽選が行われた回数が100回に達するまでの残り回数を示す時短状態画像を表示させ、現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示すとともに、消化したラウンド数や残りラウンド数を示す特別遊技状態画像を表示させる。
【0094】
4.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0095】
まず上記実施形態では、前枠10において右上端部122が右表示周縁部120に対して上下に往復移動可能に設けられている例を挙げて説明したが、右上端部122が右表示周縁部120に対して左右あるいは斜め方向に往復移動可能に設けられているようにしてもよいし、右上端部122が右表示周縁部120に対して回転(動作)可能に設けられているようにしてもよい。
【0096】
また上記実施形態では、右上端部122に固定部136が設けられ、取付部142に固定受入部150が設けられ、右上端部122に突起受入部154が設けられ、取付部142にレバー部156が設けられている例を挙げて説明したが、右上端部122に固定受入部150が設けられ、取付部142に固定部136が設けられ、右上端部122にレバー部156が設けられ、取付部142に突起受入部154が設けられているようにしてもよい。
【0097】
また上記実施形態では、第2演出物102および第3演出物104がベース部110に対して上下に往復移動可能に設けられている例を挙げて説明したが、第2演出物102あるいは第3演出物104がベース部110に対して左右あるいは斜め方向に往復移動可能に設けられているようにしてもよいし、第2演出物102あるいは第3演出物104がベース部110に対して回転(動作)可能に設けられているようにしてもよい。
【0098】
また上記実施形態では、遊技球が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射するぱちんこ遊技機に本発明を適用した例を説明したが、外周面に図柄が配列されている複数のリールを備え、遊技者の操作に応じて複数のリールを回転させ、抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させるスロットマシンに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0099】
2 外枠、4 遊技領域、6 遊技盤、8 ガラスユニット、10 前枠、
11 前枠開口、12 前枠ランプ、14 スピーカー、16 上皿、18 払出口、
20 グリップユニット、22 供給口、26 演出入力装置、28 外レール、
30 内レール、31 液晶ディスプレイ、32 装飾部、33 演出ユニット、
34 装飾部ランプ、40 通過開口、42 通路、44 ステージ、
46 第1始動入賞口、48 通過ゲート、50 第2始動入賞口、52 普通役物、
54 大入賞口、56 特別役物、62 アウト口、70 状態表示装置、
80 前枠軸、82 前枠左部、84 前枠右部、100 第1演出物、
102 第2演出物、104 第3演出物、105 可動演出部、106 カバー、
110 前枠上部、112 上表示領域、114 右表示領域、116 右表示開口、
118 配置空間、120 右表示周縁部、122 右上端部、124 配置開口、
126 右上外側面、128 右上面、130 右上前面、132 第1被誘導部、
134 第2被誘導部、136 固定部、138 貫通部、140 コイルバネ、
142 取付部、144 第1誘導部、146 第2誘導部、148 操作開口、
150 固定受入部、152 突起部、154 突起受入部、156 レバー部、
158 固定端、160 自由端、162 レバー開口、164 操作端、
500 メイン基板、600 サブ基板、
502 通過ゲートセンサ、504 第1始動入賞口センサ、
505 第2始動入賞口センサ、506 大入賞口センサ、
508 払出センサ、520 普通役物駆動装置、522 特別役物駆動装置、
524 払出装置、602 演出入力装置スイッチ、620 演出表示装置、
622 音響装置、624 可動物駆動装置、626 演出装置、
540 乱数発生手段、542 普通抽選手段、544 普通駆動制御手段、
546 特別抽選手段、548 遊技状態移行制御手段、550 特別駆動制御手段、
552 払出制御手段、554 通信制御手段、570 メインメモリ、
640 演出制御手段、670 サブメモリ