(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。各図において、同一の符号を付した部位等については、同一の又はこれに相当する部位を表すものであって、これは明細書の全文において共通している。また、明細書全文に表れている構成要素の形態は、あくまで例示であって、本発明は明細書内の記載のみに限定されるものではない。特に構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100が組み込まれているキッチン1の斜視図である。加熱調理器100は、キッチン1の上側に天板10を露出させ、キッチン1の手前側にカバー30及びカバー40を露出させた状態で組み込まれている。加熱調理器100は、調理器具20等を天板10の上に載置し、加熱調理を行うものである。以下の説明において、天板10が配置されている面を加熱調理器100の「上面」とし、カバー30及びカバー40が配置されている面を「前面」とする。左右方向は、加熱調理器100の前面側から見た時の左右方向を意味する。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の構成を説明する斜視図である。加熱調理器100は、キッチン1の内部に納められる筐体50を備える。筐体50の上面には天板10が配置されている。天板10は、後述する
図3に示される加熱源51、52が配置されている領域を示す加熱源目印11、12が設けられている。天板10の手前側の領域には、左側に加熱源目印11が設けられ、右側に加熱源目印12が設けられている。
【0014】
筐体50の前面には、カバー30及びカバー40が配置されている。カバー30は、指掛け部35が設けられており、キッチン1の手前側に引き出し可能に構成されている。カバー30により塞がれる筐体50の内部の空間は、調理器具20が納められる調理器具収納部54になっている。調理器具収納部54の内部の側壁37には、レールガイド36が設けられている。レールガイド36は、カバー30の調理器具収納部54を向いた側の面に取り付けられているレール32を案内するものであり、レール32は、レールガイド36に沿ってキッチン1の前後方向に水平に移動する。これにより、カバー30はキッチン1の前後方向に移動可能になっている。レール32は、調理器具収納部54の幅に合わせてカバー30に取り付けられている。レール32の上には、調理器具20を載置するトレイ33が載せられている。使用者は、指掛け部35を掴んでキッチン1の手前側にカバー30を引き出すことにより、調理器具収納部54の内部にあるトレイ33を露出させ、トレイ33の上に載置されている調理器具20を取り出すことができる。なお、トレイ33の底部38にはシート34が置かれており、調理器具20は、その上に載置される。
【0015】
カバー30の側方にはカバー40が設けられている。カバー40は、筐体50の前面に固定されており、キッチン1の手前側の面の意匠を構成している。
【0016】
図2において、天板10の上には調理器具20が載置されている。調理器具20は、加熱源目印12の上に載置されている。
【0017】
図3は、
図1のキッチン1のA−Aの断面を示す説明図である。
図4は、
図1に示されている加熱調理器100の天面から見た図である。
図5は、
図1に示されている加熱調理器100と調理器具20との関係を説明する説明図である。
図3においては、調理器具20が調理器具収納部54の内部に収納されている場合について示す。筐体50は、キッチン1の内部に納められている。加熱調理器100の上部に設けられている筐体上部フランジ55及びフレーム14は、キッチン1の天面3に載置されている。筐体上部フランジ55及びフレーム14は、キッチン1の天面3に開けられた天面開口部2を閉塞している。カバー30は、キッチン1の前面4に開けられた前面開口部5から露出し、前面開口部5を塞いでいる。カバー40も同様に前面開口部5から露出し、前面開口部5を塞いでいる。
【0018】
図3に示されるように、調理器具20は、調理器具収納部54の内部において、トレイ33の底部38に設置されたシート34の上に載置されている。シート34は、中央部に調理器具載置部34aを有する。調理器具載置部34aは、周囲に突起部34bが設けられている。調理器具20の容器部21の底部22は、突起部34bの間の領域内に置かれる。突起部34bの間の領域は、調理器具20の容器部21の外郭形状に合わせて作られている。これにより、カバー30を前後に移動させたときに調理器具20がずれないようにしている。調理器具20が適正な位置に載置されていない場合、調理器具20の容器部21は、突起部34bに乗り上げる。容器部21が突起部34bに乗り上げると、調理器具20の蓋23が調理器具収納部54の開口部56に引っ掛かる等して、カバー30をキッチン1の手前側に引き出した状態から、
図3に示されるような調理器具20を収納した状態にすることができない。このように構成されることにより、調理器具20は調理器具収納部54の内部に適正な状態で収納され、調理器具収納部54の内部でずれることもない。よって、調理器具20を取り出す際、つまりカバー30を手前に引き出す際に、調理器具収納部54の内部で引っ掛かったりすることがなく、調理器具20の破損等を抑制することができる。
【0019】
調理器具載置部34aは、例えば、キッチン1の手前側から奥側に向かう方向が長手方向になっており、幅a1に設定されている。調理器具20は、調理器具載置部34aに載置可能なように構成されており、例えば容器部21の底部の長手方向の外郭が幅aに設定されている。つまり、幅aは幅a1よりも小さくなっている。なお、実施の形態1において、調理器具載置部34aはキッチン1の手前側から奥側に向かう方向を長手方向としているが、キッチン1の左右方向を長手方向としても良い。また、調理器具載置部34a及び調理器具20は、縦横同寸法であっても良い。
【0020】
図3に示されるように、調理器具収納部54の長手方向の寸法はb1に設定されている。調理器具収納部54は、調理器具20が収納可能な寸法に構成されており、例えば調理器具20の把手部24aの外縁から把手部25bの外縁までの寸法を寸法bとすると、b<b1の関係に設定されている。このように構成されることで、調理器具20は、調理器具収納部54に安全に収納することができる。なお、実施の形態1において、
図3において寸法b1は、キッチン1の手前側から奥側に向かう方向を長手方向としているが、キッチン1の左右方向を長手方向としても良い。また、トレイ33の長手方向の幅は寸法b2に設定されている。寸法bと寸法b2との関係をb<b2に設定しても良い。
図3においては、トレイ33は、側壁33bの高さが調理器具20の高さよりも低くされているが、側壁33bを高くし、調理器具20が側壁33bの内側に収納されるように構成されても良い。
【0021】
天板10は、平板形状であり、例えばガラスなどの耐熱性のある材質で構成されている。平板形状の天板10の外縁部15は、フレーム14により上側から覆われており、フレーム14に固定されている。フレーム14は、筐体50の筐体上部フランジ55に固定される。以上の構成により、天板10は、筐体50の上面に支持される。
【0022】
天板10の下部には、加熱源51が配置されている。加熱源51は、加熱源目印11の下部に配置され、加熱源52は、加熱源目印12の下部に配置される。加熱調理器100の天面から見ると、加熱源51の中心及び加熱源目印11の中心、加熱源52の中心及び加熱源目印12の中心は、合わせて配置されている。なお、加熱源51及び加熱源52は、例えば誘導加熱コイルである。誘導加熱コイルにより構成された加熱源51及び加熱源52は、巻線が環状に巻き回されて構成され、天板10に載置された調理器具20等を誘導加熱により加熱する。また、
図4において加熱源51及び加熱源52は、円形に示されているがこれに限定されず、適宜形状は設定することができる。
【0023】
加熱源目印11、12の最外形の寸法は、調理器具載置部34aの幅a1よりも小さく設定され、調理器具20の容器部21の外郭の幅a以下になるように設定されている。このように構成されることにより、調理器具20は、加熱源目印11、12に対し多少ずれて載置されても、加熱源51、52の上に調理器具20の底面が載るため、加熱ムラが生じにくい。
【0024】
図4に示されているように、天板10には左右の2箇所に加熱源目印11、12が配置されている。そして、天板10を囲むようにフレーム14が設置されている。加熱源51は、加熱源目印11の内側に配置されている。また、加熱源52は、加熱源目印12の内側に配置されている。加熱源51の中心から左側のフレーム14までを距離Zとする。加熱源51の中心から手前側のフレーム14までを距離Yとする。また、加熱源51の外径を外径Xとする。なお、加熱源51及び加熱源52の中心から奥側のフレーム14までは、距離Y以上に設定してあれば良い。
【0025】
前述の調理器具収納部54内の調理器具載置部34aの長手方向寸法a1は、距離Zの2倍よりも小さい。そして、調理器具20の容器部21の長手方向の幅aは、距離Zの2倍以下である。また、調理器具載置部34aの長手方向の幅a1は、距離Yの2倍よりも小さい。そして調理器具20の容器部21の長手方向寸法aは、距離Yの2倍以下である。すなわち、加熱源目印11、12上に調理器具収納部54に収納される調理器具20を載置したとき、調理器具20の容器部21は、中心を加熱源目印11、12の中心に合わせればフレーム14に干渉することがない。
【0026】
図3に示されるように、キッチン1の手前側、つまり加熱調理器の前側のフレーム14には、加熱調理器100の操作部16が設置されている。操作部16の表面は、操作部シート17により覆われている。フレーム14には、孔14aが開けられている。孔14aからは、操作スイッチ18が突出されており、操作部シート17を介して操作スイッチ18を押すことができる。
【0027】
図4及び
図5に示されるように、操作部16には、中央に電源スイッチ74、その左右に操作スイッチ75、76が配置されている。電源スイッチ74及び操作スイッチ75、76の配置は一例であり、
図4及び
図5に示された位置に限定されず、適宜配置することができる。ただし、調理器具20の把手部の一方の外縁から他方の外縁までを寸法bとすると、
図5に示されるように、電源スイッチ74は、加熱源目印11、12の中心11c、12cを中心とする外径が寸法b1である円の外側に配置される。寸法bと寸法b1の大きさの関係はb<b1となっている。このように構成することにより、調理器具20を加熱源目印11、12の上に配置し加熱するときに、電源スイッチ74の操作を阻害することがない。なお、電源スイッチ74は、加熱源目印11、12の中心11c、12cを中心とする外径が寸法b2である円の外側に配置されていても良い。寸法bと寸法b2の大きさの関係はb<b2となっている。寸法b2は寸法b1よりも小さいが、調理器具20がトレイ33の側壁33bの内側に収納されるように構成される場合は、調理器具20を加熱源目印11、12の上に配置し加熱するときに、電源スイッチ74の操作を阻害することがない。このように設定することにより電源スイッチ74の配置可能な範囲を広くすることができる。
【0028】
また、
図4に示されるように、フレーム14には、加熱源中心目印60、61、62、63が設けられている。加熱源中心目印60、61は、加熱調理器100の前面側のフレーム14の上面に設けられている。加熱源中心目印60は、加熱源目印11の中心を通り加熱調理器100の前後方向に延ばした仮想線上に位置する。加熱源中心目印61は、加熱源目印12の中心を通り加熱調理器100の前後方向に延ばした仮想線上に位置する。
【0029】
また、加熱源中心目印62、63は、加熱調理器100の左右の側面側のフレーム14の上面に設けられている。加熱源中心目印62、63は、加熱源目印11の中心を通り加熱調理器100の左右方向に延ばした仮想線上に位置する。加熱源中心目印62は、加熱源目印11に近い側のフレーム14に配置され、加熱源中心目印63は、加熱源目印11に近い側のフレーム14に配置される。
【0030】
また、キッチン1の奥側、つまり加熱調理器100の後側のフレーム14には、排気口72が開口され、排気口72を、排気カバー70及び排気カバー71が覆っている。
【0031】
図6は、
図1の調理器具20の蓋23を開けた状態を示す斜視図である。
図7は、
図6の調理器具20の容器部21の上面、側面及び断面を示す説明図である。調理器具20は、容器部21と蓋23との2つの部分から構成される。容器部21は、有底筒形状であり、有底筒形状の開口部が略矩形に形成されている。容器部21の底部は、中央を含む領域に突出部27を有している。突出部27の周囲は、溝部28に囲まれている。つまり、溝部28は、突出部27の側面と有底筒形状の容器部21の側壁21aとから形成されている。
【0032】
容器部21の側壁21aの上端部25は、平面が形成されている。上端部25の外周部には、縁部26が立設されている。縁部26は、蓋23の下端面23aの外周よりも大きく形成されている。縁部26の内周側に蓋23が嵌り、容器部21は蓋23に覆われる。
【0033】
容器部21は、長手方向の両端の縁部26に把手部24a、24bが設けられている。把手部24a、24bは、容器部21の開口側に設置されており、実施の形態1においては、容器部21の縁部26の上端面と把手部24a、24bの上面が同一面を形成している。
【0034】
また、容器部21は、有底筒形状の開口側から見ると長方形の角を丸めた、略矩形状になっている。なお、容器部21の有底筒形状の開口側から見た形状は、上記の略矩形に限定されず、正方形の角を丸めた形状、円、長円、又は楕円等の形状であっても良い。
【0035】
蓋23は、上部に蓋把手23cが取り付けられている。使用者は、蓋把手23cを掴み、容器部21に蓋23を被せたり取り外したりする。蓋23の上面には蒸気孔23bが形成されている。蒸気孔23bは、蓋23をしめた状態の調理器具20を加熱したときに、調理器具20内部の気体が通過出来るようになっている。また、蒸気孔23bは、蓋23をしめた状態の調理器具20を加熱が終了した後において、内部の空気が冷えることにより内部の気圧が下がり、蓋23が容器部21に密着して取り外せなくなる状態を回避するための通気口としても機能する。
【0036】
図7に示されているように、容器部21に設けられている突出部27の上面には、凹凸形状が形成されている。突出部27の上面には、凸部27aが所定の間隔を空けて複数配置されている。それぞれの凸部27aは、表面が円弧状に形成されており、頂点が同じ高さになっている。調理器具20により調理される食材は、凸部27aの上に載置される。そして、それぞれの凸部27aの間に凹部27bが形成される。凹部27bの底面は、突出部27の中心から端に向かって傾斜している。このように形成されることにより、突出部27の上に載置されている食材から落ちる油等が凹部27bの底面の傾斜に従って溝部28へと流れ落ちる。そのため、調理器具20は、食材から余計な油を落としながら加熱調理をすることができる。
【0037】
図7(a)の上面図に示されているように、容器部21には、目印64、65が設けられている。目印64、65は、容器部21の長手方向の両端であり、把手部24a、24bの上面に配置されており、容器部21の短い方向の幅の中心に配置されている。つまり、目印64、65は、容器部21を開口側から見た時に、容器部21の短い方向の幅の中心線68上に配置されている。
【0038】
図7(a)の正面図に示されているように、容器部21の正面側には、目印66が設けられている。目印66は、容器部21の長手方向の中央に配置されている。また、実施の形態1においては、目印66は、容器部21の側面側から視認できるように配置されている。つまり、目印66は、容器部21の縁部26の側面に配置されているが、縁部26の上端側に設けても良い。また、
図7には表示されていないが、容器部21は、目印66に対し中心線68について対称な位置にも目印が設けられている。また、目印66は容器部21を開口側から見た時に、容器部21の長い方向の幅の中心線69上に配置されている。
【0039】
図8は、
図1の調理器具20の底面図である。調理器具20の容器部21の底部には、磁性体部29が設けられている。磁性体部29が設けられていることにより、調理器具20は、加熱調理器100の天板10の上に載置され誘導加熱調理が可能となる。磁性体部29は、円形に配置されており、直径cに設定されている。直径cは、加熱源51、52の外径Xよりも大きい。磁性体部29の中心は、容器部21の中心と合わせて設けられている。磁性体部29は、例えば、表面が鉄溶射により仕上げられている。つまり、磁性体部29は、表面に鉄の被膜が形成されている。磁性体部29が鉄溶射により製造されることにより、容器部21全体を磁性体で構成するよりも重量を軽くすることができ、製造コストを低減できる。また、容器部21を鉄溶射した後に外観塗装することにより、容器部21の側面と底面にある磁性体部29を同じ色にできるため、デザイン性が向上する。
【0040】
実施の形態1において、目印64、65、66は、容器部21の表面の色を変えることにより視認可能に設けられている。目印64、65、66は、例えば、容器部21の表面に印刷されている。しかし、目印64、65、66は使用者に視認可能であればこの形態に限定されず、例えば、凹形状又は凸形状により形成されてもよい。
【0041】
目印64、65は、それぞれ容器部21の短い方向の幅の中心、目印66は、長手方向の幅の中心を示している。よって、
図4に示されているフレーム14上に設けられている加熱源中心目印60に目印66を合わせ、加熱源中心目印62に目印64、65を合わせると、調理器具20の中心を加熱源51の中心に合わせて置くことができる。つまり、磁性体部29の中心も加熱源51の中心に合わせることができる。また、
図4に示されているフレーム14上に設けられている加熱源中心目印61に目印66を合わせ、加熱源中心目印63に目印64、65を合わせると、調理器具20の中心を加熱源52の中心に合わせて置くことができる。つまり、磁性体部29の中心も加熱源52の中心に合わせることができる。
【0042】
<実施の形態1の効果>
(1)実施の形態1に係る加熱調理器100は、筐体50と、筐体50の上面に配置される天板10と、筐体50の内部かつ天板10の下方に配置され、調理器具20を加熱する複数の加熱源51、52と、筐体50の内部に設けられ、筐体50の前面に開口を有する調理器具収納部54と、天板10の外縁の少なくとも一部が固定されるフレーム14と、を備える。天板10は、平板形状であり、複数の加熱源51、52が配置されている範囲を示す加熱源目印11を備える。調理器具収納部54は、調理器具収納部54の底部に、収納される調理器具20を載置する調理器具載置部34aを備える。加熱源目印11、12の中心からフレーム14までの距離Zは、調理器具載置部34aの幅a1の半分よりも大きい寸法に設定される。
このように構成されることにより、加熱調理器100は、調理器具収納部54に収納される調理器具20を天板10に載置して調理する際に、調理器具20の容器部21の外郭とフレーム14とが干渉することなく、調理器具20を加熱源51又は加熱源52の上に適正に載置することができる。
【0043】
(2)実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、加熱源目印11、12の中心に対し筐体50の前面が位置する側のフレーム14までの距離Yは、調理器具載置部34aの幅a1の半分よりも大きい。
このように構成されることにより、加熱調理器100は、調理器具20を天板10に載置して調理する際に、調理器具20の長手方向を加熱調理器100の前後方向に向けて置いても調理器具20の容器部21の外郭とフレーム14とが干渉することなく、調理器具20を加熱源51又は加熱源52の上に適正に載置することができる。
【0044】
(3)実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、加熱源目印11、12の大きさは、調理器具載置部34aの幅a1より小さい。
このように構成されることにより、調理器具収納部54に収納される調理器具20の把手部24a、24bは、加熱調理器100の加熱源51、52から離された状態で加熱が行われる。よって、把手部24a、24bが直接加熱されることがなく、調理器具20の利便性が高まる。
【0045】
(4)実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、筐体50は、上面に電源スイッチ74が配置され、加熱源目印11、12の中心から電源スイッチ74までの距離は、調理器具収納部の長手方向の幅b1の半分よりも大きい。
このように構成されることにより、加熱調理器100の天板10に調理器具収納部54に収納される調理器具20を載せて加熱を行う際に、調理器具20の把手部24a、24bが電源スイッチ74の操作を妨げることがないため、加熱調理器100の使い勝手が良い。
【0046】
(5)実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、フレーム14は、上面から見て、加熱源目印11、12の中心から筐体50の左右方向に延ばした仮想線上に加熱源中心目印62、63を備える。
(6)実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、フレーム14は、上面から見て、加熱源目印11又は加熱源目印12の中心から筐体50の前後方向に延ばした仮想線上に加熱源中心目印60、61を備える。
このように構成されることにより、加熱調理器100の加熱源51、52の中心位置を容易に割り出すことができる。また、調理器具20を加熱源51又は加熱源52の上に載置した状態のまま、使用者は加熱源51、52の中心位置を判別することができる。
【0047】
(7)実施の形態1に係る調理器具20によれば、有底筒形状の容器部21を備え、容器部21は、開口されている方向から見て略矩形に形成された開口部を有し、前記開口部の縦横の各辺の中央部に目印64、65、66を備える。
このように構成されることにより、調理器具20の中心が容易に判別することができる。さらに、加熱調理器100に加熱源中心目印60、61、62、63が設けられている場合は、目印64、65、66を加熱源中心目印60、61、62、63に合わせることにより、調理器具20を加熱源目印11又は加熱源目印12の上に載置した状態のままでも、加熱源51又は加熱源52の中心と調理器具20の中心を容易に合わせることができる。
【0048】
(8)実施の形態1に係る調理器具20によれば、容器部21の底部に磁性体部29を備える。
このように構成されることにより、調理器具20は、全体を磁性体で構成しなくても誘導加熱調理が可能であり、重量を軽く構成することができる。
【0049】
(9)実施の形態1に係る調理器具20によれば、磁性体部29は、材質がステンレスである。
このように構成されることにより、調理器具20は、容器部21の底部に磁性体であるステンレスを貼り付けるなどして構成されることにより、誘導加熱が可能となり、容器部21の全体を磁性体で構成するよりも重量を軽くすることができ、コストも低減できる。
【0050】
(10)実施の形態1に係る調理器具20によれば、磁性体部29は、表面に鉄の被膜が形成されている。
このように構成されることにより、磁性体部29が鉄溶射により製造されることにより、容器部21全体を磁性体で構成するよりも重量を軽くすることができ、製造コストを低減できる。また、容器部21を鉄溶射した後に外観塗装することにより、容器部21の側面と底面にある磁性体部29を同じ色にできるため、デザイン性が向上する。
【0051】
(11)実施の形態1に係る調理器具20によれば、容器部21は、底部に凹凸が形成されている。
このように構成されることにより、調理器具20は、突出部27の上に載置した調理物から出る油が再付着することを抑制することができる。
【0052】
(12)実施の形態1に係る調理器具20は、加熱調理器100の調理器具収納部54に収納される。
このように構成されることにより、加熱調理器100における調理において使いやすい加熱調理器100に収納可能な調理器具20を得ることができる。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態2においては、実施の形態1に係る加熱調理器100に対し、加熱源目印11、12を変更した加熱調理器200について説明する。実施の形態2に係る加熱調理器200の各部については、各図面において同一の機能を有するものは実施の形態1の説明で使用した図面と同一の符号を付して表示するものとする。
【0054】
図9は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器200の上面から見た図である。加熱源目印211a〜211dは、加熱源51の四方を囲み、矩形に配置されている。換言すると、正方形の四辺の角部を接続していないような形に配置されている。加熱源目印211a〜211dは、加熱源51の外径よりも外に配置されている。また、加熱源目印212a〜212dも同様に加熱源52の四方を囲み矩形に配置されている。
【0055】
<実施の形態2の効果>
(13)実施の形態2に係る加熱調理器200によれば、加熱源目印211a〜211d、212a〜212dは、加熱源51、52の四方向に周囲を囲んで矩形に配置されている。
このように構成されることにより、加熱調理器200は、加熱源51、52の上に調理器具20を置いても、加熱源目印211a〜211d、212a〜212dのどれかが視認できるため、調理器具20等を加熱源目印211a〜211d、212a〜212dに合わせやすい。つまり、調理器具20等を加熱源目印211a〜211d又は加熱源目印212a〜212dの内側に入るように置けばよく、使い勝手が良い加熱調理器200が得られる。
【0056】
実施の形態3.
実施の形態3においては、実施の形態1に係る加熱調理器100に収納される、調理器具20に対し、目印64、65、66を変更した調理器具320について説明する。実施の形態3に係る加熱調理器100及び調理器具320の各部については、各図面において同一の機能を有するものは実施の形態1の説明で使用した図面と同一の符号を付して表示するものとする。
【0057】
図10は、本発明の実施の形態3に係る調理器具320の断面を示した説明図である。なお、
図10は、調理器具320の短い方向の幅の中央の断面を示したものである。実施の形態3における調理器具320は、容器部21の側壁の上端部25に凹みが形成されている。そして、凹みは容器部21と連通する溝になっている。つまり、溝は、全周が壁で囲まれた凹みではなく、容器部21側以外の壁がある凹みであり、容器部21側に開口した溝になっている。その凹みを目印364、365として用いる。目印364、365は、上端部25に対し凹んでいるため、容器部21に蓋23を被せたとしても蓋23の下端面23aと凹みの底面364a及び底面365aとの間に隙間ができる。また、蓋23が容器部21の縁部26の内周面と隙間を有するため、蓋23と容器部21との合わせ目には、必ず調理器具320内部と連通する隙間がある。
【0058】
なお、上記においては、調理器具320の短い方向の幅の中央の断面において説明したが、調理器具320の長手方向の幅の中央の断面においても同様に凹みを設け、目印として設けても良い。以上のように構成することにより、目印364、365及び図示しない調理器具320の長手方向中央の目印は、実施の形態1における調理器具20の目印64、65、66と同様に目印として機能し、調理器具320の内部と外部とを連通する蒸気孔として機能する。
【0059】
(14)実施の形態3に係る調理器具320によれば、容器部21の開口部の外周に立設される縁部26と、縁部26の内周に嵌る蓋23と、を更に備える。容器部21の開口部の上端部25は、蓋23が載置され、目印364、365は、上端部25に形成され、容器部21と水平方向に連通している溝である。
このように構成されることにより、蓋23に蒸気孔を設けなくとも、目印364、365が蒸気孔として機能させることができる。蓋23は蒸気孔を設ける加工が必要ないため、コストを低減させることができる。