(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記現在のピクセル出力値を決定することは、前記現在のパターンインデックスが前記閾値を上回る場合、前記第1の出力値を決定し、そうでなければ、前記第2の出力値を決定することを含む、請求項3に記載の画像処理のための方法。
前記現在のパターンインデックスを記憶することは、前記現在のパターンインデックスをパターンインデックスバッファ内に記憶することを含む、請求項1に記載の画像処理のための方法。
前記ディザリングマスクアレイは、前記現在のピクセルの場所mod k,lによってアドレスされ、kおよびlは、前記ディザリングマスクアレイの大きさである、請求項1に記載の画像処理のための方法。
前記現在のパターンインデックスを比較することは、前記現在のパターンインデックスが第1の閾値と第2の閾値との間にあるかどうかを決定することを含む、請求項1に記載の画像処理のための方法。
ディスプレイ制御ユニットをさらに備え、前記ディスプレイ制御ユニットは、前記画像内の各ピクセルのための前記現在のピクセル出力値を示す前記結果を提供するように前記装置を制御するように構成されている、請求項11に記載の画像処理のための装置。
前記ディスプレイ制御ユニットは、複数の画像のために前記現在のピクセル出力値を示す前記結果を提供するように前記装置を制御するように構成されている、請求項12に記載の画像処理のための装置。
前記コンパレータ回路は、前記現在のパターンインデックスが前記閾値を上回る場合、前記第1の出力値を提供し、そうでなければ、前記第2の出力値を提供するように構成されている、請求項14に記載の画像処理のための装置。
前記ディザリングマスクアレイは、前記現在のピクセルの場所mod k、lによってアドレスされ、kおよびlは、前記ディザリングマスクアレイの大きさである、請求項11に記載の画像処理のための装置。
前記コンパレータ回路は、前記現在のパターンインデックスが第1の閾値と第2の閾値との間にあるかどうかを決定するように構成されている、請求項11に記載の画像処理のための装置。
前記コンパレータ回路は、電気泳動ディスプレイの前記現在のピクセル出力値を示す前記結果を提供するように構成されている、請求項11に記載の画像処理のための装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
用語「電気光学」は、材料またはディスプレイに適用されるように、画像化技術分野におけるその従来的な意味で使用され、少なくとも1つの光学特性が異なる第1および第2の表示状態を有する材料を指すために本明細書で使用され、材料は、材料への電場の印加によって、その第1からその第2の表示状態に変化させられる。光学特性は、典型的には、ヒトの眼に知覚可能な色であるが、それは、光学透過率、反射率、ルミネッセンス、または、機械読み取りのために意図されるディスプレイの場合、可視範囲外の電磁波長の反射の変化の意味における擬似色等の別の光学特性であり得る。
【0015】
用語「グレー状態」は、画像化技術分野におけるその従来的な意味で使用され、2つの極端なピクセルの光学的状態の中間の状態を指し、必ずしも黒色と白色とのこれらの2つの極端な状態の間の遷移を意味するわけではない。例えば、以下に参照されるE Ink特許および公開出願のうちのいくつかは、極端な状態は、白色と濃青色とであり、中間の「グレー状態」が実際には薄青であろう電気泳動ディスプレイを説明している。実際、すでに述べたように、光学的状態の変化は、色の変化では全くないこともある。用語「黒色」および「白色」は、ディスプレイの2つの極端な光学的状態を指すように以下で使用され得、それらは、例えば、前述の白色および濃青色状態等の厳密には黒色および白色ではない極端な光学的状態を通常含むものとして理解されるべきである。用語「単色画法(monochrome)」は、以降、介在グレー状態を伴わず、ピクセルをその2つの極端な光学状態のみに駆動する駆動スキームを指すために使用され得る。
【0016】
Massachusetts Institute of Technology(MIT)およびE Ink Corporationに譲渡された、またはそれらの名義の多数の特許および出願は、カプセル化された電気泳動および他の電気光学媒体に使用される種々の技術を説明している。そのようなカプセル化された媒体は、多数の小型カプセルを含み、それらの各々自体が、電気泳動により移動可能な粒子を流体媒体中に含む内相と、内相を包囲するカプセル壁とを含む。典型的には、カプセルは、それ自体がポリマー結合剤中に保持され、2つの電極間に位置付けられる密着した層を形成する。これらの特許および出願に説明される技術として、以下が挙げられる。
(a) 電気泳動粒子、流体、および流体添加物(例えば、米国特許第7,002,728号および第7,679,814号参照)
(b) カプセル、結合剤、およびカプセル化プロセス(例えば、米国特許第6,922,276号および第7,411,719号参照)
(c) 電気光学材料を含むフィルムおよびサブアセンブリ(例えば、米国特許第6,982,178号および第7,839,564号参照)
(d) ブラックプレーン、接着剤層、および他の補助層、ならびにディスプレイにおいて使用される方法(例えば、米国特許第7,116,318号および第7,535,624号参照)
(e) 色形成および色調節(例えば、米国特許第7,075,502号および第7,839,564号参照)
(f) ディスプレイを駆動する方法(例えば、米国特許第5,930,026号、第6,445,489号、第6,504,524号、第6,512,354号、第6,531,997号、第6,753,999号、第6,825,970号、第6,900,851号、第6,995,550号、第7,012,600号、第7,023,420号、第7,034,783号、第7,116,466号、第7,119,772号、第7,193,625号、第7,202,847号、第7,259,744号、第7,304,787号、第7,312,794号、第7,327,511号、第7,453,445号、第7,492,339号、第7,528,822号、第7,545,358号、第7,583,251号、第7,602,374号、第7,612,760号、第7,679,599号、第7,688,297号、第7,729,039号、第7,733,311号、第7,733,335号、第7,787,169号、第7,952,557号、第7,956,841号、第7,999,787号、第8,077,141号、第8,125,501号、第8,139,050号、第8,174,490号、第8,289,250号、第8,300,006号、第8,305,341号、第8,314,784号、第8,384,658号、第8,558,783号、および第8,558,785号、ならびに米国特許出願公開第2003/0102858号、第2005/0122284号、第2005/0253777号、第2007/0091418号、第2007/0103427号、第2008/0024429号、第2008/0024482号、第2008/0136774号、第2008/0291129号、第2009/0174651号、第2009/0179923号、第2009/0195568号、第2009/0322721号、第2010/0220121号、第2010/0265561号、第2011/0193840号、第2011/0193841号、第2011/0199671号、第2011/0285754号、および第2013/0194250号参照)
(g) ディスプレイの用途(例えば、米国特許第7,312,784号および第8,009,348号参照)
(h) 非電気泳動ディスプレイ(米国特許第6,241,921号、第6,950,220号、第7,420,549号、第8,994,705号、および第8,319,759号、ならびに米国特許出願公開第2012/0293858号参照)。
【0017】
以下の議論の多くは、初期グレーレベルから最終グレーレベル(初期グレーレベルと異なることも、異ならないこともある)への遷移を通して電気光学ディスプレイの1つ以上のピクセルを駆動する方法に焦点を当てるであろう。用語「波形」は、ある特定の初期グレーレベルから特定の最終グレーレベルへの遷移をもたらすために使用される時間に対する電圧の曲線全体を指すために使用されるであろう。典型的には、そのような波形は、複数の波形要素を備えているであろう。これらの要素が、本質的に、方形である場合(すなわち、所与の要素が、ある期間の間、一定電圧の印加を含む場合)、要素は、「パルス」または「駆動パルス」と呼ばれ得る。用語「駆動スキーム」は、特定のディスプレイのためのグレーレベル間のあらゆる可能な遷移をもたらすために十分な波形の組を示す。ディスプレイは、2つ以上の駆動スキームを利用し得る。例えば、前述の米国特許第7,012,600号は、駆動スキームが、ディスプレイの温度、またはその寿命の間に動作している時間等のパラメータに応じて修正される必要があり得、したがって、ディスプレイが、異なる温度等で使用される複数の異なる駆動スキームを提供され得ることを教示する。このように使用される駆動スキームの組は、「関連駆動スキームの組」と称され得る。前述のMEDEOD出願のうちのいくつかに説明されるように、2つ以上の駆動スキームを同時に同一ディスプレイの異なるエリアにおいて使用することも可能であり、このように使用される駆動スキームの組は、「同時駆動スキームの組」と称され得る。
【0018】
本発明者は、差異ブルーミング(differential blooming)が補償されるように、ディザリングパターンが、前の画像レベルを表示するために使用されたディザリングパターンに基づいて、現在の画像レベルを表示するために使用されることができることを認識している。固定パターンマスクの場合、これは、前の画像ピクセルレベルを表示するために使用される再マッピングの関数としての現在の画像ピクセルレベルの再マッピングと見なされ得る。差異ブルーミングによって生じるゴースト発生は、実質的に低減させられ、または排除される。
【0019】
したがって、開示される技術の側面は、差異ブルーミングが補償される画像処理のための方法および装置を含む。方法は、現在のピクセル入力値および前のパターンインデックスに基づいて、現在のピクセルのための現在のパターンインデックスにアクセスすることを含む。前のパターンインデックスは、前の画像の同一ピクセルのために使用されるパターンインデックスである。前のパターンインデックスは、パターンインデックスバッファ内に記憶され、現在のパターンインデックスを含むルックアップテーブルにアクセスするために使用され得る。加えて、方法は、現在のピクセルの場所に基づいて、現在のピクセルのための閾値にアクセスすることを含む。閾値は、異なるピクセル場所に対応する閾値を含むディザリングマスクアレイ内に含まれ得る。
【0020】
現在のパターンインデックスは、閾値と比較され、結果は、現在のピクセルの起動のための現在のピクセル出力値を決定するために使用される。例えば、現在のピクセル出力値は、現在のパターンインデックスが閾値を上回る場合、白色であり得、そうでなければ、黒色であり得る。現在のパターンインデックスは、現在のピクセルに対応する場所においてパターンインデックスバッファ内に記憶され得、現在のパターンインデックスは、次の画像のための前のパターンインデックスとしての役割を果たす。方法は、画像内の各ピクセルに対して繰り返され、そして、2つ以上の画像のために繰り返される。現在のピクセル出力値を前のパターンインデックスに部分的に基づかせることによって、差異ブルーミングによって生じるゴースト発生は、実質的に低減させられ、または排除される。
【0021】
本開示の実施形態および側面を組み込むために好適なディスプレイシステム10の実施例が、
図1に示される。ディスプレイシステム10は、画像源12と、ディスプレイ制御ユニット16と、ディスプレイデバイス26とを含み得る。画像源12は、例えば、そのメモリ内に記憶される画像データを有するコンピュータ、カメラ、または遠隔画像源からのデータラインであり得る。画像源12は、画像を表す画像データをディスプレイ制御ユニット16に供給し得る。ディスプレイ制御ユニット16は、第1の出力信号の組を第1のデータバス18上に発生させ、第2の信号の組を第2のデータバス20上に発生させ得る。第1のデータバス18は、ディスプレイデバイス26の行ドライバ22に接続され得、第2のデータバス20は、ディスプレイデバイス26の列ドライバ24に接続され得る。行および列ドライバは、ディスプレイデバイス26の動作を制御する。一実施例では、ディスプレイデバイス26は、電気泳動ディスプレイデバイスである。例えば、ディスプレイデバイス26は、正面および背面電極を有するディスプレイと、ディスプレイ層内の複数のカプセルとを含み得、カプセルは、白色および黒色の電気泳動顔料粒子を含む。正面電極は、ディスプレイの視認側を表し得、その場合、正面電極は、インジウムスズ酸化物(ITO)等の透明導体であり得る(ある場合には、テレフタル酸ポリエチレン(PET)等の透明基板上に堆積され得る)。さらに、ディスプレイ層は、正面電極と背面電極との間の粒子ベースのディスプレイ媒体であることができ、粒子ベースのディスプレイ媒体は、複数のカプセルを含む。各カプセル内には、液体媒体と、白色顔料粒子および黒色顔料粒子を含む、1つ以上のタイプの着色顔料粒子とがあり得る。顔料粒子は、電場(例えば、正面および背面電極によって生成される)を用いて制御され(変位させられ)、したがって、アドレスされると、ディスプレイを電気泳動ディスプレイとして動作させ得る。いくつかの使用例では、黒色および白色顔料は両方とも、電場内で変位させられるように構成され得る。顔料のうちの一方(例えば、黒色または白色)は、正に帯電され得、他方の顔料は、負に帯電され得、例えば、カプセルを横断して印加される電場は、顔料粒子をカプセルの対向側に分離させ得る。電場の方向を調節することによって、ディスプレイの視認側上に位置する顔料が、選択され、それによって、ディスプレイのユーザに視認されるような白色または黒色状態のいずれかを生成し得る。いくつかの使用例では、顔料の一方または両方は、磁場内を移動するか、または別様にそれに応答し得る。例えば、一方または両方タイプの顔料粒子は、磁場線に沿って整列し得、および/または粒子の連鎖を形成し得る。そのような場合、顔料の一方および両方のいずれも、電気的に帯電されないであろう。さらに、ディスプレイ制御ユニット16は、以下に説明されるように、ディザリング装置を含み得る。
【0022】
本開示の実施形態による、画像処理装置200のブロック図が、
図2Aおよび2Bに示される。ディザリング装置200として実装される、画像処理装置は、前の画像レベルを表示するために使用されたディザリングパターンに基づいて、ディザリングパターンを適用して、現在の画像レベルを表示し、それによって、差異ブルーミングは、適用されたパターン密度によって補償される。固定パターンマスクの場合、これは、前の画像ピクセルレベルの関数としての現在の画像ピクセルレベルの再マッピングと見なされ得る。このアプローチを使用して、差異ブルーミングによって生じるゴースト発生は、実質的に低減させられ、または排除される。
【0023】
図2Aに示されるように、ディザリング装置200は、ルックアップテーブル(LUT)を記憶するメモリデバイス210と、ディザリングマスクアレイ220と、コンパレータ230と、パターンインデックスバッファ240とを含む。
図2のディザリング装置200は、1ビットディザリングを実装する。ルックアップテーブル210は、そのピクセルにおける前のパターンインデックスと、現在のピクセル入力値とに基づいて、現在のピクセルのための現在のパターンインデックスMを提供するために使用される。現在のパターンインデックスMは、ピクセルが黒色であるか、または白色であるかを決定するために、ディザリングマスクアレイ220によって提供される閾値Tと比較される。現在の画像nのための現在のパターンインデックスは、パターンインデックスバッファ240内に記憶され、次の画像n+1のための前のパターンインデックスとしての役割を果たす。
【0024】
図2Aを参照すると、ルックアップテーブル210は、画像nの場所i,jの現在のピクセルのための現在のピクセル入力値によってアドレスされ、部分的に入力される。場所i,jにおけるピクセルは、画像の行i、列jにおけるピクセルであり、時には、本明細書では、「ピクセルi,j」と称される。
図2の実施例では、現在のピクセル入力値は、16のグレートーン値のうちの1つを有し得る。ルックアップテーブル210は、場所i,jにおけるピクセルの前のパターンインデックスによってもアドレスされる。示されるように、前のパターンインデックスは、パターンインデックスバッファ240によって提供される。
【0025】
画像nの場所i,jにおけるピクセルのための現在のパターンインデックスMは、ルックアップテーブル210によって、コンパレータ230の1つの入力に供給される。コンパレータ230の第2の入力は、ディザリングマスクアレイ220によって提供される。ディザリングマスクアレイ220は、k×lの大きさを有し得、ディザリングマスクアレイ220は、ピクセルの場所i,j mod k,lによってアドレスされ、kは、ディザリングマスクアレイ220の行であり、lは、列である。mod関数は、ディザリングマスクアレイを画像のエリアにわたってタイル表示する役割を果たす。ディザリングマスクアレイ220は、典型的には、画像より少ない数のピクセルを有し、以下に説明される実施例では、16×16ピクセルの大きさを有し得る。
【0026】
ディザリングマスクアレイ220は、閾値Tをコンパレータ230の第2の入力に提供する。コンパレータ230は、ルックアップテーブル210からの現在のパターンインデックスMをディザリングマスクアレイ220からの閾値Tと比較する。ピクセルi,jの現在のパターンインデックスMがディザリングマスクアレイ220からの閾値Tを上回る場合、現在のピクセルのための出力値は、白色であり、そうでなければ、出力値は、黒色である。白色および黒色値の割り当ては、恣意的であり、逆転されることができることを理解されたい。出力値は、ディスプレイデバイス26(
図1)またはディスプレイ制御ユニット16内の追加の処理回路に提供される。
【0027】
パターンインデックスバッファ240は、画像内の各ピクセルのために1つのパターンインデックスを記憶し得る。パターンインデックスバッファ240は、処理されているピクセルの場所によってアドレスされる。したがって、パターンインデックスバッファ240は、ピクセル場所i,jを受信する。動作時、画像nのピクセルi,jのための現在のパターンインデックスは、場所i,jにおけるパターンインデックスバッファ240内に記憶される。各ピクセルのために記憶される現在のパターンインデックスは、前のパターンインデックスとなり、次の画像を処理するとき、パターンインデックスバッファ240から読み出される。したがって、現在のパターンインデックスは、場所i,jにおけるピクセルのための前のパターンインデックスに部分的に依存する。
【0028】
ルックアップテーブル210内の値は、ディザリングパターン対の組の平均反射率を測定することによって得られ得る。 ディザリングパターンアレイは、周期的に固定位置において適用されるので、パターン対は、常時、対での隣の遷移の同じ組を含み、したがって、ブルーミングの影響が、この測定において考慮される。
【0029】
テーブルを埋めるために、最初に、ディスプレイ上で再現されるべき各グレーレベルに対して、所望の反射率を決定する。黒色と白色とのための所望のグレーレベルは、それぞれ、再現され得る最良の可能な状態より暗くまたはより白くあるべきではない。他のグレートーンは全て、典型的には、L*等のあるメトリックによって等しく間隔を置かれるように選定される。ここで、前のパターンインデックスと入力グレートーンとを選定する。最も単純なアプローチでは、ディスプレイをこの一定の前のパターンのインデックスのパターンに設定し、次いで、ディスプレイを現在のパターンインデックスのための全ての利用可能なパターンの画像または複数の画像に更新する。これらの各々の反射率を測定し、選定されたグレートーンのための標的反射率にぴったり一致する現在のパターンインデックスを決定する。このパターンインデックスは、前のパターンインデックスおよび選定されたグレートーンに関連付けられた位置において、テーブルに入れられる。このプロセスは、全ての前のパターンインデックスおよびグレートーンに対して繰り返される必要がある。
【0030】
明らかに、このテーブルを埋めるために要求される測定の回数は、種々のアルゴリズムによって低減させられることができる。例えば、分割統治アプローチ等の検索方法が、現在のパターンインデックスの可能性を通して適用されることができる。さらに、テーブルエントリは、ある連続関係を有することが予期されるので、隣りのエントリの値が、検索のための開始場所として使用されることができる。さらに、より高度な方法は、測定によって決定される必要があるであろう制限された数のモデルパラメータのみに基づいて前および現在のパターン対の反射率を予測するために、近隣相互作用のモデルを構築し得る。
【0031】
図2Bは、各レベルのための全体的パターンが、LUT250内に記憶され、計算を行うことなくアクセスされる、
図2Aに示されるディザリングプロセスの代替実装を示す。この実装は、固定入力グレートーンのために生成される固定空間出力が存在するように、依然として、ディザリングプロセスを使用する。
【0032】
ルックアップテーブル210の例は、
図3に示される。
図3におけるルックアップテーブル210の例は、テーブルの上部を横断して水平に列挙された異なるピクセル入力値と、テーブルの左側に沿って垂直に列挙された異なる前のパターンインデックス値とを伴うテーブルとして編成される。
図3の例では、ピクセルは、白色から黒色に及ぶ異なるグレートーン値に対応する16の入力値のうちの1つを有し得る。前のパターンインデックスは、以下に議論されるように、異なるディザリングパターンに対応する1から256に及ぶ値を有し得る。ピクセルは、より多いまたはより少ない入力値を有し得、前のパターンインデックスは、
図3の例より多いまたはより少ない値を有し得ることを理解されたい。例証の便宜上、
図3は、ルックアップテーブル210内のエントリのうちのいくつかのみを図示する。
図3の例による、完全ルックアップテーブル210は、16×256のエントリを有する。
【0033】
ルックアップテーブル210内の値は、ディザリングパターン対の組の平均反射率を測定することによって得られ得る。ディザリングパターンアレイは、固定位置において周期的に適用されるので、パターン対は、常時、対毎の遷移の同一組を含み、したがって、エッジ挙動は、この測定によって、ある一定グレーレベルから第2の一定グレーレベルに切り替わる領域内において考慮されることができる。特に、一定パターンインデックスの対にされた画像が、交互に表示され、反射率が、明度の良好な予測が(前、現在の)パターン対のために行われることができるまで測定される。このデータの補間は、画像対内に存在する近隣タイプのモデルに基づくことができる。ブルーミングアーチファクトが局所的であるので、55の可能な(対称性次第)2×2の前および現在の近隣構成の明度への影響をモデル化することで十分である。補間は、現在のパターンインデックスに関して逆にされ、入力ピクセル値および前のパターンインデックスに基づいて、所望の明度を提供するために要求される現在のパターンを得る。
【0034】
実施例が、ここで、
図3のルックアップテーブル210を参照して説明されるであろう。第1の実施例では、画像nの場所5,9におけるピクセル(画像nの行5、列9におけるピクセル)は、4のピクセル入力値を有する。21の値を有する前のパターンインデックスが、パターンインデックスバッファ240によって供給される。4のピクセル入力値および21の前のパターンインデックスは、
図3のルックアップテーブル210をアドレスするために使用される。ルックアップテーブル210は、4のピクセル入力値および21の前のパターンインデックスにおいて、49の現在のパターンインデックスを含む。49の現在のパターンインデックスは、閾値との比較のために、コンパレータ230(
図2A)に提供される。さらに、現在のパターンインデックス49は、ピクセル場所5,9において、パターンインデックスバッファ240内に記憶され、次の画像のための前のパターンインデックスとしての役割を果たす。
【0035】
次の画像n+1では、場所5,9におけるピクセルは、6のピクセル入力値を有する。パターンインデックスバッファ240は、ピクセル場所5,9において、49の前のパターンインデックスを提供する。6のピクセル入力値および49の前のパターンインデックスは、
図3のルックアップテーブル210にアクセスし、83の現在のパターンインデックスを提供するために使用される。
【0036】
さらなる実施例では、次の画像n+1のための場所5,9におけるピクセルは、2のピクセル入力値を有すると仮定する。前の実施例におけるように、前のパターンインデックスは、49の値を有する。
図3のルックアップテーブル210は、2のピクセル入力値および49の前のパターンインデックス値のために、19の現在のパターンインデックス値を提供する。現在のピクセルの現在の状態を決定するために使用される現在のパターンインデックスは、現在のピクセル入力値だけではなく、前のパターンインデックス値にも依存することが観察され得る。
【0037】
ディザリングマスクアレイ220の実施例が、
図4に示される。ディザリングマスクアレイ220は、テーブルの上部を横断してピクセル列lと、テーブルの左側に沿ってピクセル行kとを伴うテーブルとして編成される。
図4の実施例では、ディザリングマスクアレイ220は、16×16の大きさを有し、テーブル内の各場所は、現在のパターンインデックス値と比較されるべき閾値を含む。前述のように、画像内のピクセル場所i,jは、ディザリングマスクアレイ220のmod k,lに適用され、したがって、ディザリングマスクアレイ220を画像のエリアにわたってタイル表示する。
【0038】
ディザリングマスクアレイ220は、各グレースケールレベルのための固定空間パターンを生成する順序付けられたディザリングの実装である。以下に議論される空間パターンは、各異なるグレースケールレベルのために規定されることができる。オリジナルグレースケール画像のハーフトーン処理画像への変換は、そのピクセルの特定のグレーレベルのためのグレースケールパターンにおけるそのピクセルの位置をルックアップすることに基づいて、各ピクセルに黒色または白色レベルを割り当てることに相当する。したがって、ピクセル入力値は、所定の黒色および白色パターンを選択する、パターンインデックスと見なされ得、ピクセルの位置は、出力が黒色であるべきか、または白色であるべきかを決定するためのディザリングマスクアレイをインデックスするために使用される。
【0039】
前述の実施例を参照すると、画像nのための場所5,9におけるピクセルは、49の現在のパターンインデックス値を有する。ピクセル場所5,9を使用して、ディザリングマスクアレイ220をアドレスすることは(k=5およびl=9)、14の閾値を提供する。14の閾値は、コンパレータ230によって、49の現在のパターンインデックス値と比較される。現在のパターンインデックスは、閾値を上回るので、場所5,9におけるピクセルの出力値は、白色である。
【0040】
24個の黒色ピクセルを有する16×16ディザリングパターン510の実施例が、
図5に示される。ディザリングパターン510は、24のパターンインデックスを有し得る。
【0041】
128個の黒色ピクセルを有する16×16ディザリングパターン610の実施例が、
図6に示される。ディザリングパターン610は、128のパターンインデックスを有し得る。
【0042】
155個の黒色ピクセルを有する16×16ディザリングパターン710の実施例が、
図7に示される。ディザリングパターン710は、155のパターンインデックスを有し得る。
【0043】
ディザリングパターン510、610、710の各々は、ピクセルの16×16のアレイを表し、選択されるピクセルは、黒色であり、残りのピクセルは、白色である。ディザリングパターン内の黒色ピクセルの数は、視認者の眼によって平均されると、特定のグレートーンレベルを表す。したがって、
図5のディザリングパターン510は、
図7のディザリングパターン710より明るいグレートーンである。各ディザリングパターン内の黒色ピクセルは、程度の差はあるが、最良結果のために、ディザリングパターンのエリアにわたって均一に分散され得る。
【0044】
本開示の実施形態による、画像処理のための方法のフローチャートが、
図8に示される。
図8の画像処理方法は、
図2に示され、前述された画像処理装置、または他の好適な処理装置によって行われ得る。
【0045】
図8を参照すると、画像nの現在のピクセル入力値が、アクト810において受信される。現在のパターンインデックスMが、アクト812において、現在のピクセル入力値および前のパターンインデックスに基づいてアクセスされる。前述のように、現在のパターンインデックスMは、ルックアップテーブル210においてアクセスされ得る。閾値Tが、アクト814において、現在のピクセルの場所に基づいて、アクセスされる。前述のように、閾値Tは、現在のピクセル場所に基づいて、ディザリングマスクアレイ220においてアクセスされ得る。
【0046】
現在のパターンインデックスMは、アクト816において、閾値Tと比較される。比較は、
図2に示され、前述されたコンパレータ230によって行われ得る。現在のピクセル出力値は、アクト818において、アクト816の比較の結果に基づいて決定される。例えば、現在のパターンインデックスMが、閾値Tを上回る場合、現在のピクセル出力値は、白色であり、そうでなければ、現在のピクセル出力値は、黒色である。アクト820では、画像nの現在のパターンインデックスが、画像n+1の前のパターンインデックスとして記憶される。前のパターンインデックスは、
図2に示され、前述されたパターンインデックスバッファ240内に記憶され得る。
【0047】
アクト830では、現在のピクセルが画像n内の最後のピクセルであるかどうの決定が行われる。現在のピクセルが、アクト830において、画像n内の最後のピクセルではないと決定される場合、プロセスは、アクト832に進み、画像nの次のピクセルにインクリメントする。プロセスは、次いで、画像nの別のピクセル値を受信するために、アクト810に戻る。現在のピクセルが、アクト830において、画像n内の最後のピクセルであると決定される場合、プロセスは、アクト834に進み、次の画像n+1にインクリメントする。プロセスは、次いで、アクト810に戻り、次の画像n+1のピクセル入力値を受信する。
【0048】
図2Aのディザリング装置200および
図2Bのディザリング装置205ならびに
図8の画像処理のための方法は、一度に1つのピクセルを処理する観点から説明されている。いくつかの実装では、いくつかのピクセルが、並行して処理され得る。例えば、ディスプレイデバイスの行内の複数のピクセルが、並行して処理され得る。
【0049】
前述の画像処理方法および装置は、各ピクセルに対して黒色または白色出力値を生成する。本明細書に説明される画像処理方法および装置は、各ピクセルのために複数のグレートーンレベルを生成することが可能なディスプレイデバイスの場合にも適用されることもできる。入力が一定画像である場合、固定出力パターンがハーフトーン処理プロセスによって生成されることも、マルチレベルディザリングプロセスに当てはまる。現在および次のパターンにおける近隣間に固定関係が存在するので、ブルーミングの平均的影響も同様に、予測されることができる。
【0050】
一実装では、ディザリングマスクアレイが、N−レベルディスプレイデバイスの隣接する出力レベル間でディザリングするために使用される。例えば、ディスプレイデバイスが、ピクセル値[1、100、200、256]を受信し得ると仮定する。現在のパターンインデックスMが、100〜200の範囲内にある場合、現在のパターンインデックスは、スケーリングされ、閾値と比較され、出力レベル200または出力レベル100を選定する。
【0051】
前述の実施形態は、多数の方法のうちのいずれかにおいて実装されることができる。プロセスまたは方法の実施に関わる本開示の1つ以上の側面および実施形態は、デバイス(例えば、コンピュータ、プロセッサ、または他のデバイス)によって実行可能なプログラム命令を利用して、プロセスもしくは方法を行うか、またはその実施を制御し得る。種々の概念および特徴は、1つ以上のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されると、前述の種々の実施形態のうちの1つ以上のものを実装する方法を行う1つ以上のプログラムでエンコードされたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体または複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のコンパクトディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは他の半導体デバイス内の回路構成、または他の有形コンピュータ記憶媒体)として具現化され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体または媒体は、トランスポート可能であることができ、非一過性媒体であり得る。
【0052】
実施形態がソフトウェア内で実装されると、ソフトウェアコードが、任意の好適なプロセッサまたはプロセッサの集合上で実行されることができる。コンピュータは、非限定的実施例として、ラック搭載コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータ等のいくつかの形態のうちのいずれかにおいて具現化され得る。加えて、コンピュータは、概して、コンピュータとして見なされないが、携帯情報端末、スマートフォン、または任意の他の好適なポータブルもしくは固定電子デバイスを含む、好適な処理能力を伴う、デバイス内に内蔵され得る。
【0053】
上に述べたように、本開示の少なくとも1つの例証的実施形態が説明されたが、種々の改変、修正、および改良が、当業者に容易に想起されるであろう。そのような改変、修正、および改良は、本開示の一部であるものとして意図され、本開示の精神および範囲内であることが意図される。故に、前述の説明は、一例にすぎず、限定として意図されない。本発明の種々の側面は、以下の請求項およびその均等物において定義されるようにのみ限定される。