特許第6719487号(P6719487)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6719487
(24)【登録日】2020年6月18日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】ロボット外科手術アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20200629BHJP
   A61B 17/29 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   A61B34/35
   A61B17/29
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-565916(P2017-565916)
(86)(22)【出願日】2016年6月20日
(65)【公表番号】特表2018-520762(P2018-520762A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(86)【国際出願番号】US2016038367
(87)【国際公開番号】WO2016209769
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2019年5月9日
(31)【優先権主張番号】62/183,363
(32)【優先日】2015年6月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ロックロール, ブライアン
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−115594(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0080907(US,A1)
【文献】 特開2012−235936(JP,A)
【文献】 特表2012−531943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30−34/37
A61B 17/29−17/295
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具駆動部とともに使用するため及び前記器具駆動部と選択的に接続するための外科手術器具であって、
縦軸を画定するエンドエフェクタと、
筐体アセンブリ、及び前記筐体アセンブリ内に少なくとも部分的に配置された複数の駆動アセンブリを含む器具駆動コネクタであって、前記複数の駆動アセンブリの各駆動アセンブリが、
細長い螺刻された胴体を含み、前記筐体アセンブリ内に回転可能に支持された駆動ネジ、及び
前記駆動ネジの回転が駆動ナットの縦方向移動をもたらすように、前記駆動ネジの前記細長い螺刻された胴体に螺合された前記駆動ナットを含む、器具駆動コネクタと、
前記器具駆動コネクタ及び前記エンドエフェクタと機械的に連動する複数の駆動部材であって、前記複数の駆動部材の各駆動部材が、個々の駆動ナットの縦方向並進が前記駆動部材の縦方向並進をもたらし、前記エンドエフェクタの機能を駆動するように、前記複数の駆動アセンブリのうちの1つの前記個々の駆動ナットに固定された近位端部分を含む、複数の駆動部材と、を備え
前記器具駆動コネクタが、前記筐体アセンブリ内に配置されかつ前記複数の駆動アセンブリと機械的に連動する駆動コネクタフレームを含み、
前記駆動コネクタフレームが、複数の近位ベアリングを含む近位端を含み、前記複数の近位ベアリングの各ベアリングが、前記複数の駆動アセンブリのうちの1つの前記駆動ネジの近位端を保持するような寸法を有し、
前記駆動コネクタフレームが細長い中央シャフトを含み、前記複数の近位ベアリングが前記細長い中央シャフトの周りに半径方向に配置された、外科手術器具。
【請求項2】
前記複数の駆動アセンブリの各駆動ネジが、回転力を受けるように構成された入力駆動連結具を有する近位端を含む、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項3】
前記複数の駆動アセンブリの各駆動ナットが、その外部表面に沿って縦方向に延在する第1のレールを含み、前記第1のレールが、前記筐体アセンブリ内に形成された縦方向に延在するチャネル内に摺動可能に配置された、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項4】
前記細長い中央シャフトが、その外部表面に画定された複数の縦方向に延在する溝を含み、前記複数の縦方向に延在する溝の各溝が、前記複数の駆動部材の個々1つの一部分を摺動可能に受容するように構成された、請求項に記載の外科手術器具。
【請求項5】
前記複数の駆動アセンブリの前記駆動ナットの各々が、その外部表面に沿って縦方向に延在する第2のレールを含み、前記第2のレールが、前記駆動コネクタフレームの前記細長い中央シャフトの前記複数の縦方向に延在する溝のうちの1つの中に摺動可能に配置された、請求項に記載の外科手術器具。
【請求項6】
各駆動部材が軟性遠位端及び剛性近位端を含み、前記近位端が前記複数の駆動アセンブリの前記駆動ナットのうちの1つに固定された、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項7】
器具駆動部とともに使用するため及び前記器具駆動部と選択的に接続するための外科手術器具であって、
縦軸を画定するエンドエフェクタと、
筐体アセンブリ、及び前記筐体アセンブリ内に少なくとも部分的に配置された複数の駆動アセンブリを含む器具駆動コネクタであって、前記複数の駆動アセンブリの各駆動アセンブリが、
細長い螺刻された胴体を含み、前記筐体アセンブリ内に回転可能に支持された駆動ネジ、及び
前記駆動ネジの回転が駆動ナットの縦方向移動をもたらすように、前記駆動ネジの前記細長い螺刻された胴体に螺合された前記駆動ナットを含む、器具駆動コネクタと、
前記器具駆動コネクタ及び前記エンドエフェクタと機械的に連動する複数の駆動部材であって、前記複数の駆動部材の各駆動部材が、個々の駆動ナットの縦方向並進が前記駆動部材の縦方向並進をもたらし、前記エンドエフェクタの機能を駆動するように、前記複数の駆動アセンブリのうちの1つの前記個々の駆動ナットに固定された近位端部分を含む、複数の駆動部材と、を備え、
前記複数の駆動部材が第1の駆動部材及び第2の駆動部材を含み、前記エンドエフェクタが第1及び第2の顎部材ならびに第1及び第2の顎プーリを含み、前記第1及び/または第2の駆動部材の縦方向並進が、前記第1及び第2の顎部材を前記エンドエフェクタの前記縦軸に直交する第1の枢動軸の周りで偏揺れさせ、かつ/または前記第1及び/もしくは第2の顎部材を互いに対して移動させるように、前記第1の駆動部材が前記第1の顎プーリに係合され、前記第2の顎部材が前記第2の顎プーリに係合された、科手術器具。
【請求項8】
前記エンドエフェクタが従動プーリのセットに枢動可能に取り付けられたクレビスを含み、前記第1及び第2の顎プーリが前記クレビスに連結され、前記第1及び/または第2の駆動部材の縦方向並進が前記第1及び第2の顎部材を、前記第1の枢動軸及び前記エンドエフェクタの前記縦軸の両方に直交する第2の枢動軸の周りで縦揺れさせるように、前記第1及び第2の駆動部材が前記従動プーリのセットに係合された、請求項に記載の外科手術器具。
【請求項9】
ある機能を実行するように構成されたエンドエフェクタを有する外科手術器具と、前記エンドエフェクタを作動させるように構成された器具駆動部とを選択的に相互接続するための器具駆動コネクタであって、
ボアを画定する筐体アセンブリと、
前記筐体アセンブリの前記ボア内に少なくとも部分的に配置された複数の駆動アセンブリであって、前記複数の駆動アセンブリの各駆動アセンブリが、
細長い螺刻された胴体を含み、前記筐体アセンブリ内に回転可能に支持された駆動ネジ、及び
前記駆動ネジの回転が動ナットの縦方向移動をもたらすように、前記駆動ネジの前記細長い螺刻された胴体に螺合された前記駆動ナットを含む複数の駆動アセンブリと、
前記器具駆動コネクタ及び前記エンドエフェクタと機械的に連動する複数の駆動部材であって、前記複数の駆動部材の各駆動部材が、個々の駆動ナットの縦方向並進が前記駆動部材の縦方向並進をもたらし、前記エンドエフェクタの機能を駆動するように、前記複数の駆動アセンブリのうちの1つの前記個々の駆動ナットに固定された近位端部分を含む複数の駆動部材と、を備え
前記器具駆動コネクタが、前記筐体アセンブリの前記ボア内に配置されかつ前記複数の駆動アセンブリと機械的に連動する駆動コネクタフレームを含み、
前記駆動コネクタフレームが、複数の近位ベアリングを含む近位端を含み、前記複数の近位ベアリングの各ベアリングが、前記複数の駆動アセンブリのうちの1つの前記駆動ネジの近位端を保持するような寸法を有し、
前記駆動コネクタフレームが細長い中央シャフトを含み、前記複数の近位ベアリングが前記細長い中央シャフトの周りに半径方向に配置された、器具駆動コネクタ。
【請求項10】
前記複数の駆動アセンブリの各駆動ネジが、前記器具駆動部に係合し、回転力を受けるように構成された入力駆動連結具を有する近位端を含む、請求項に記載の器具駆動コネクタ。
【請求項11】
前記複数の駆動アセンブリの各駆動ナットが、その外部表面に沿って縦方向に延在する第1のレールを含み、前記第1のレールが、前記筐体アセンブリの前記ボアに形成された縦方向に延在するチャネル内に摺動可能に配置された、請求項に記載の器具駆動コネクタ。
【請求項12】
前記細長い中央シャフトが、その外部表面に画定された複数の縦方向に延在する溝を含み、前記複数の縦方向に延在する溝の各溝が、前記複数の駆動部材の個々1つの一部分を摺動可能に受容するように構成された、請求項に記載の器具駆動コネクタ。
【請求項13】
前記複数の駆動アセンブリの前記駆動ナットの各々が、その外部表面に沿って縦方向に延在する第2のレールを含み、前記第2のレールが、前記駆動コネクタフレームの前記細長い中央シャフトの前記複数の縦方向に延在する溝のうちの1つの中に摺動可能に配置された、請求項12に記載の器具駆動コネクタ。
【請求項14】
各駆動部材が軟性遠位端及び剛性近位端を含み、前記近位端が前記複数の駆動アセンブリの前記駆動ナットのうちの1つに固定された、請求項に記載の器具駆動コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2015年6月23日に出願された、米国仮特許出願第62/183,363号の利益及びこれに対する優先権を主張し、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ロボット外科手術システムは、最小侵襲性医療手技において使用されている。いくつかのロボット外科手術システムは、ロボットアームを支持するコンソールと、手首アセンブリを介してロボットアームに取り付けられた、鉗子または把持具等の異なるエンドエフェクタを有する外科手術器具とを含んでいた。医療手技中、外科手術器具のエンドエフェクタ及び手首アセンブリは、エンドエフェクタを患者の体の作業部位に位置付けるように、患者の小切開部(カニューレを介して)または自然開口部に挿入された。
【0003】
これらの外科手術器具は、近位端のスプールから細長いシャフト及び手首アセンブリを通ってエンドエフェクタまで縦方向に延在するケーブルを有していた。ケーブルは、外科手術器具がロボットアームに取り付けられた場合、スプールに連結されたモータの手段によって作動された。外科医はロボットシステムの入力装置を操作し、ロボットシステムはモータを作動させ、外科手術器具及びエンドエフェクタは相関して移動した。
【0004】
外科手術器具におけるケーブルは、使用中に延伸する傾向があった。この延伸により、エンドエフェクタ移動が延伸量に基づき入力装置のそれを遅らせ得る。結果として、外科手術器具及びエンドエフェクタは、あまり相関しないで移動すると考えられ得、これはロボットアームの応答性能を制限するだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロボット外科手術器具におけるケーブルの延伸を低減する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの態様において、器具駆動部とともに使用するため及びこれと選択的に接続するための外科手術器具は、縦軸を画定するエンドエフェクタと、筐体アセンブリ及び少なくとも部分的に筐体アセンブリ内に配置された複数の駆動アセンブリを含む器具駆動コネクタと、器具駆動コネクタ及びエンドエフェクタと機械的に連動する複数の駆動アセンブリとを含む。複数の駆動アセンブリの各駆動アセンブリは、細長い螺刻された胴体を含む駆動ネジを含む。駆動ネジは、筐体アセンブリ内に回転可能に支持される。駆動アセンブリは、駆動ネジの回転が駆動ナットの縦方向移動をもたらすように、駆動ネジの細長い螺刻された胴体に螺合された駆動ナットも含む。複数の駆動部材の各駆動部材は、エンドエフェクタの機能を駆動するように、個々の駆動ナットの縦方向並進が駆動部材の縦方向並進をもたらすように、複数の駆動アセンブリの1つの個々の駆動ナットに固定された近位端部分を含む。
【0007】
複数の駆動アセンブリの各駆動ネジは、回転力を受けるように構成された入力駆動連結具を有する近位端を含み得る。
【0008】
複数の駆動アセンブリの各駆動ナットは、その外部表面に沿って縦方向に延在する第1のレールを含み得る。第1のレールは、筐体アセンブリ内に形成された縦方向に延在するチャネル内に摺動可能に配置され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、器具駆動コネクタは、筐体アセンブリ内に配置され、複数の駆動アセンブリと機械的に連動する駆動コネクタフレームを含む。
【0010】
駆動コネクタフレームは、複数の近位ベアリングを含む近位端を含み得る。複数の近位ベアリングの各ベアリングは、複数の駆動アセンブリの1つの駆動ネジの近位端を保持するような寸法を有し得る。
【0011】
駆動コネクタフレームは細長い中央シャフトを含み得、複数の近位ベアリングは細長い中央シャフトの周りに半径方向に配置され得る。
【0012】
細長い中央シャフトは、その外部表面において画定された複数の縦方向に延在する溝を含み得る。複数の縦方向に延在する溝の各溝は、複数の駆動部材の個々1つの一部分を摺動可能に受容するように構成され得る。
【0013】
複数の駆動アセンブリの駆動ナットの各々は、その外部表面に沿って縦方向に延在する第2のレールを含み得る。第2のレールは、駆動コネクタフレームの細長い中央シャフトの複数の縦方向に延在する溝の1つの中に摺動可能に配置され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、各駆動部材は、軟性遠位端及び剛性近位端を含む。近位端は、複数の駆動アセンブリの駆動ナットの1つに固定され得る。
【0015】
複数の駆動部材は、第1の駆動部材及び第2の駆動部材を含み得、エンドエフェクタは、第1及び第2の顎部材ならびに第1及び第2の顎プーリを含み得る。第1及び/または第2の駆動部材の縦方向並進が、第1及び第2の顎部材をエンドエフェクタの縦軸に直交する第1の枢動軸の周りで偏揺れさせる、ならびに/または第1及び/もしくは第2の顎部材を互いに対して移動させるように、第1の駆動部材は第1の顎プーリに係合され得、第2の顎部材は第2の顎プーリに係合され得る。
【0016】
エンドエフェクタは、従動プーリのセットに枢動可能に取り付けられたクレビスを含み得る。第1及び第2の顎プーリは、クレビスに連結され得、第1及び第2の駆動部材は、第1及び/または第2の駆動部材の縦方向並進が、第1及び第2の顎部材を第1の枢動軸及びエンドエフェクタの縦軸の両方に直交する第2の枢動軸の周りで縦揺れさせるように、従動プーリのセットに係合され得る。
【0017】
本開示の別の態様において、機能を実行するように構成されたエンドエフェクタ及びエンドエフェクタを作動させるように構成された器具駆動部を有する外科手術器具と選択的に相互接続するための器具駆動コネクタは、ボアを画定する筐体アセンブリと、少なくとも部分的に筐体アセンブリのボア内に配置された複数の駆動アセンブリと、器具駆動コネクタ及びエンドエフェクタと機械的に連動する複数の駆動部材とを含む。複数の駆動アセンブリの各駆動アセンブリは、細長い螺刻された胴体を含み、筐体アセンブリ内に回転可能に支持された駆動ネジ、及び駆動ネジの回転が駆動ナットの縦方向移動をもたらすように、駆動ネジの細長い螺刻された胴体に螺合された駆動ナットを含む。複数の駆動部材の各駆動部材は、エンドエフェクタの機能を駆動するように、個々の駆動ナットの縦方向並進が駆動部材の縦方向並進をもたらすように、複数の駆動アセンブリの1つの個々の駆動ナットに固定された近位端部分を含む。
【0018】
複数の駆動アセンブリの各駆動ネジは、器具駆動部に係合し、回転力を受けるように構成された入力駆動連結具を有する近位端を含み得る。
【0019】
複数の駆動アセンブリの各駆動ナットは、その外部表面に沿って縦方向に延在する第1のレールを含み得る。第1のレールは、筐体アセンブリのボアに形成された縦方向に延在するチャネル内に摺動可能に配置され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、器具駆動コネクタは、筐体アセンブリのボア内に配置され、複数の駆動アセンブリと機械的に連動する駆動コネクタフレームを含む。
【0021】
駆動コネクタフレームは、複数の近位ベアリングを含む近位端を含み得る。複数の近位ベアリングの各ベアリングは、複数の駆動アセンブリの1つの駆動ネジの近位端を保持するような寸法を有し得る。
【0022】
駆動コネクタフレームは細長い中央シャフトを含み得、複数の近位ベアリングは細長い中央シャフトの周りに半径方向に配置され得る。
【0023】
細長い中央シャフトは、その外部表面において画定された複数の縦方向に延在する溝を含み得る。複数の縦方向に延在する溝の各溝は、複数の駆動部材の個々1つの一部分に摺動可能に係合するように構成され得る。
【0024】
複数の駆動アセンブリの駆動ナットの各々は、その外部表面に沿って縦方向に延在する第2のレールを含み得る。第2のレールは、駆動コネクタフレームの細長い中央シャフトの複数の縦方向に延在する溝の1つの中に摺動可能に配置され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、各駆動部材は、軟性遠位端及び剛性近位端を含む。近位端は、複数の駆動アセンブリの駆動ナットの1つに固定され得る。
【0026】
他の態様、特徴、及び利点が、本明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなるだろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
器具駆動部とともに使用するため及びこれと選択的に接続するための外科手術器具であって、
縦軸を画定するエンドエフェクタと、
筐体アセンブリ、及び前記筐体アセンブリ内に少なくとも部分的に配置された複数の駆動アセンブリを含む器具駆動コネクタであって、前記複数の駆動アセンブリの各駆動アセンブリが、
細長い螺刻された胴体を含み、前記筐体アセンブリ内に回転可能に支持された駆動ネジ、及び
前記駆動ネジの回転が駆動ナットの縦方向移動をもたらすように、前記駆動ネジの前記細長い螺刻された胴体に螺合された前記駆動ナットを含む、器具駆動コネクタと、
前記器具駆動コネクタ及び前記エンドエフェクタと機械的に連動する複数の駆動部材であって、前記複数の駆動部材の各駆動部材が、個々の駆動ナットの縦方向並進が前記駆動部材の縦方向並進をもたらし、前記エンドエフェクタの機能を駆動するように、前記複数の駆動アセンブリのうちの1つの前記個々の駆動ナットに固定された近位端部分を含む、複数の駆動部材と、を備える、外科手術器具。
(項目2)
前記複数の駆動アセンブリの各駆動ネジが、回転力を受けるように構成された入力駆動連結具を有する近位端を含む、項目1に記載の外科手術器具。
(項目3)
前記複数の駆動アセンブリの各駆動ナットが、その外部表面に沿って縦方向に延在する第1のレールを含み、前記第1のレールが、前記筐体アセンブリ内に形成された縦方向に延在するチャネル内に摺動可能に配置された、項目1に記載の外科手術器具。
(項目4)
前記器具駆動コネクタが、前記筐体アセンブリ内に配置され、前記複数の駆動アセンブリと機械的に連動する駆動コネクタフレームを含む、項目1に記載の外科手術器具。
(項目5)
前記駆動コネクタフレームが、複数の近位ベアリングを含む近位端を含み、前記複数の近位ベアリングの各ベアリングが、前記複数の駆動アセンブリのうちの1つの前記駆動ネジの近位端を保持するような寸法を有する、項目4に記載の外科手術器具。
(項目6)
前記駆動コネクタフレームが細長い中央シャフトを含み、前記複数の近位ベアリングが前記細長い中央シャフトの周りに半径方向に配置された、項目5に記載の外科手術器具。
(項目7)
前記細長い中央シャフトが、その外部表面に画定された複数の縦方向に延在する溝を含み、前記複数の縦方向に延在する溝の各溝が、前記複数の駆動部材の個々1つの一部分を摺動可能に受容するように構成された、項目6に記載の外科手術器具。
(項目8)
前記複数の駆動アセンブリの前記駆動ナットの各々が、その外部表面に沿って縦方向に延在する第2のレールを含み、前記第2のレールが、前記駆動コネクタフレームの前記細長い中央シャフトの前記複数の縦方向に延在する溝のうちの1つの中に摺動可能に配置された、項目7に記載の外科手術器具。
(項目9)
各駆動部材が軟性遠位端及び剛性近位端を含み、前記近位端が前記複数の駆動アセンブリの前記駆動ナットのうちの1つに固定された、項目1に記載の外科手術器具。
(項目10)
前記複数の駆動部材が第1の駆動部材及び第2の駆動部材を含み、前記エンドエフェクタが第1及び第2の顎部材ならびに第1及び第2の顎プーリを含み、前記第1及び/または第2の駆動部材の縦方向並進が、前記第1及び第2の顎部材を前記エンドエフェクタの前記縦軸に直交する第1の枢動軸の周りで偏揺れさせ、かつ/または前記第1及び/もしくは第2の顎部材を互いに対して移動させるように、前記第1の駆動部材が前記第1の顎プーリに係合され、前記第2の顎部材が前記第2の顎プーリに係合された、項目1に記載の外科手術器具。
(項目11)
前記エンドエフェクタが従動プーリのセットに枢動可能に取り付けられたクレビスを含み、前記第1及び第2の顎プーリが前記クレビスに連結され、前記第1及び/または第2の駆動部材の縦方向並進が前記第1及び第2の顎部材を、前記第1の枢動軸及び前記エンドエフェクタの前記縦軸の両方に直交する第2の枢動軸の周りで縦揺れさせるように、前記第1及び第2の駆動部材が前記従動プーリのセットに係合された、項目10に記載の外科手術器具。
(項目12)
ある機能を実行するように構成されたエンドエフェクタを有する外科手術器具と、前記エンドエフェクタを作動させるように構成された器具駆動部とを選択的に相互接続するための器具駆動コネクタであって、
ボアを画定する筐体アセンブリと、
前記筐体アセンブリの前記ボア内に少なくとも部分的に配置された複数の駆動アセンブリであって、前記複数の駆動アセンブリの各駆動アセンブリが、
細長い螺刻された胴体を含み、前記筐体アセンブリ内に回転可能に支持された駆動ネジ、及び
前記駆動ネジの回転が前記駆動ナットの縦方向移動をもたらすように、前記駆動ネジの前記細長い螺刻された胴体に螺合された駆動ナットを含む複数の駆動アセンブリと、
前記器具駆動コネクタ及び前記エンドエフェクタと機械的に連動する複数の駆動部材であって、前記複数の駆動部材の各駆動部材が、個々の駆動ナットの縦方向並進が前記駆動部材の縦方向並進をもたらし、前記エンドエフェクタの機能を駆動するように、前記複数の駆動アセンブリのうちの1つの前記個々の駆動ナットに固定された近位端部分を含む複数の駆動部材と、を備える、器具駆動コネクタ。
(項目13)
前記複数の駆動アセンブリの各駆動ネジが、前記器具駆動部に係合し、回転力を受けるように構成された入力駆動連結具を有する近位端を含む、項目12に記載の器具駆動コネクタ。
(項目14)
前記複数の駆動アセンブリの各駆動ナットが、その外部表面に沿って縦方向に延在する第1のレールを含み、前記第1のレールが、前記筐体アセンブリの前記ボアに形成された縦方向に延在するチャネル内に摺動可能に配置された、項目12に記載の器具駆動コネクタ。
(項目15)
前記器具駆動コネクタが、前記筐体アセンブリの前記ボア内に配置され、前記複数の駆動アセンブリと機械的に連動する駆動コネクタフレームを含む、項目12に記載の器具駆動コネクタ。
(項目16)
前記駆動コネクタフレームが、複数の近位ベアリングを含む近位端を含み、前記複数の近位ベアリングの各ベアリングが、前記複数の駆動アセンブリのうちの1つの前記駆動ネジの近位端を保持するような寸法を有する、項目15に記載の器具駆動コネクタ。
(項目17)
前記駆動コネクタフレームが細長い中央シャフトを含み、前記複数の近位ベアリングが前記細長い中央シャフトの周りに半径方向に配置された、項目16に記載の器具駆動コネクタ。
(項目18)
前記細長い中央シャフトが、その外部表面に画定された複数の縦方向に延在する溝を含み、前記複数の縦方向に延在する溝の各溝が、前記複数の駆動部材の個々1つの一部分を摺動可能に受容するように構成された、項目17に記載の器具駆動コネクタ。
(項目19)
前記複数の駆動アセンブリの前記駆動ナットの各々が、その外部表面に沿って縦方向に延在する第2のレールを含み、前記第2のレールが、前記駆動コネクタフレームの前記細長い中央シャフトの前記複数の縦方向に延在する溝のうちの1つの中に摺動可能に配置された、項目18に記載の器具駆動コネクタ。
(項目20)
各駆動部材が軟性遠位端及び剛性近位端を含み、前記近位端が前記複数の駆動アセンブリの前記駆動ナットのうちの1つに固定された、項目1に記載の器具駆動コネクタ。
【0027】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、その中で対応する参照符号がいくつかの図の各々における対応する部分を示す添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、上に与えられている本開示の一般的な説明、及び下に与えられている実施形態の詳細な説明とともに、本開示の原則を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示に従った外科手術アセンブリを含む、ロボット外科手術システムの概略図である。
図2図1のロボット外科手術システムの外科手術アセンブリの斜視図である。
図3図2の外科手術アセンブリの器具駆動部の斜視端面図である。
図4図3の器具駆動部のモータの概略斜視図である。
図5】器具駆動コネクタを含む、図2の外科手術アセンブリの外科手術器具の斜視図である。
図6図5の外科手術器具の拡大斜視図である。
図7図5及び6の外科手術器具の器具駆動コネクタの斜視端面図である。
図8図7の8−8線に沿って切り取られた、図5〜7の外科手術器具の器具駆動コネクタの断面図である。
図9図6の9−9線に沿って切り取られた、図5〜8の外科手術器具の器具駆動コネクタの断面図である。
図10図9の10−10線に沿って切り取られた、図5〜9の外科手術器具の器具駆動コネクタの断面図である。
図11図6の11−11線に沿って切り取られた、図5〜10の外科手術器具の器具駆動コネクタの断面図である。
図12図5〜11の器具駆動コネクタ内に配置された駆動アセンブリの斜視図である。
図13図5に詳細に示された領域の拡大図である。
図14図6に詳細に示された領域の拡大図である。
図15】駆動部材が取り外された、図5、6、13、及び14の外科手術器具のエンドエフェクタの斜視図である。
図16】駆動部材が取り外された、図5、6、及び13〜15の外科手術器具のエンドエフェクタの斜視図である。
図17】本開示に従った、一部が分離された、外科手術アセンブリを含む、ロボット外科手術システムのロボットアームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示において、「遠位」という用語は、臨床家からより遠い構造体の一部分を指し、「近位」という用語は、臨床家により近い同じ構造体の一部分を指す。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト患者または他の動物を指す。「臨床家」という用語は、医師(例えば、外科医)、看護師、または他の医療従事者を指し、補助員を含み得る。
【0030】
図1を最初に参照すると、例えば、医療ワークステーション1、等のロボット外科手術システムは、一般に複数のロボットアーム2及び3と、制御装置4と、制御装置4に連結された操作コンソール5とを含む。操作コンソール5は、当業者に原則として知られているような、3次元画像を特に表示するように設定された表示装置6と、この手段によって臨床家(図示しない)、例えば外科医が第1の操作モード中のロボットアーム2及び3を遠隔操作することができる手動入力装置7及び8とを含む。
【0031】
ロボットアーム2及び3の各々は複数の部材を含み、これは継手を通して接続され、これには、例えば外科手術アセンブリ10が取り付けられ得る。ロボットアーム2及び3は、制御装置4に接続された電動駆動装置(図示しない)により駆動され得る。制御装置4(例えば、コンピュータ)は、ロボットアーム2及び3、取り付けられた外科手術アセンブリ10、ならびによって外科手術器具100(図示しないエンドエフェクタを含む)が、手動入力装置7及び8の手段によって画定された移動に従った所望の移動を実行するように、特にコンピュータプログラムの手段によって、駆動装置を作動するように設定される。制御装置4はまた、ロボットアーム2及び3ならびに/または駆動装置(図示しない)の移動を調節するように設定され得る。制御装置4は、各モータがロボットアーム2及び3の複数の方向の移動を駆動するように構成された、複数のモータ、例えば「モータ1・・・n」を制御し得る。
【0032】
医療ワークステーション1は、外科手術アセンブリ10の外科手術器具100の手段によって最小侵襲性方法で治療するために、手術台「ST」に横たわる患者「P」に対して使用されるように構成される。医療ワークステーション1はまた、2つのロボットアーム2及び3より多くの、同様に制御装置4に接続され、操作コンソール5の手段によって遠隔操作可能である追加のロボットアームを含み得る。外科手術アセンブリ10はまた、追加のロボットアームに取り付けられ得る。医療ワークステーション1は、この中に例えば患者「P」及び/または解剖図表からの術前データが保存される、特に制御装置4に連結されたデータベース9を含み得る。
【0033】
医療ワークステーション1の構成及び操作の詳細な議論については、その全体的な内容が参照により本明細書に組み込まれる、「Medical Workstation」という発明の名称で、2011年11月3日に出願された、米国特許出願公開第2012/0116416号を参照し得る。
【0034】
ここで、図1とともに、図2を参照すると、外科手術アセンブリ10は、ロボットアーム2に連結されてまたは図示されている。外科手術アセンブリ10は単独で議論されているが、当業者であれば、医療ワークステーション1が、ロボットアーム2及び3の各々に連結されたまたは複数の実質的に同一の外科手術アセンブリ10も含み得ることを、容易に理解することができる。外科手術アセンブリ10は、その遠位端に配置されたエンドエフェクタ310を有する外科手術器具100の器具駆動コネクタ200に連結された器具駆動部50を含む。
【0035】
外科手術アセンブリ10の器具駆動部50は、ロボットアーム2のトラックまたはスライド13に移動可能に接続されたスライダ12上に支持またはこれに接続され得る。スライダ12は、ロボットアーム2のトラック13に配置されたモータ(図示しない)または制御装置4のモータ(例えば、「モータ1・・・n」の1つ以上)による選択的作動後、外科手術ロボットアーム2のトラック13により画定された縦軸「Y」に沿って、移動、摺動、または並進する。このように、スライダ12は、器具駆動部50がこれに接続し、ロボットアーム2のトラック13に沿って選択された位置まで移動することができる。
【0036】
ここで図2及び3を参照すると、外科手術アセンブリ10の器具駆動部50は、近位端62及び外科手術器具100の器具駆動コネクタ200に動作可能に連結されるように構成された遠位端64を有する筐体60を含む。器具駆動部50の筐体60は、外科手術器具100のエンドエフェクタ310のさまざまな動作を駆動するように構成された複数のモータ「M1〜M4」を収容する。器具駆動部50の各モータ「M1〜M4」は、図4にモータ「M1」の例示的な説明において示されているように、モータから遠位に延在する回転可能なシャフト72上に支持された出力駆動連結具70を含む。いくつかの実施形態では、出力駆動連結具70は、モータ「M1〜M4」の少なくとも1つの回転可能なシャフト72上に固定または回転不能に支持された冠歯車、等である。使用時、器具駆動部50は、下にさらに詳細に記載されているように、最終的に外科手術器具100のエンドエフェクタ310の部品の移動を駆動するように、そのモータ(例えば、「M1〜M4」)から出力駆動連結具70の回転を介して外科手術器具100の器具駆動コネクタ200まで電力及び作動力を伝達する。
【0037】
制御装置4(図1)は、器具駆動部50のモータ「M1〜M4」を制御し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのモータ「M1〜M4」は、信号を無線で(例えば、制御装置4から)受信する。制御装置4は、外科手術器具100の動作及び/または移動を連携させるように、さまざまなモータ(「モータ1・・・n」)の作動を連携させると考えられる。1つ以上のモータは、器具駆動部50に係合された外科手術器具100の別個の自由度に対応すると想定される。
【0038】
ここで図5〜7を参照すると、外科手術アセンブリ10の器具駆動コネクタ200は筐体アセンブリ210を含み、これは近位筐体212及び遠位筐体214を含む。近位筐体212及び遠位筐体214は、互いに解放可能に連結され、これは器具駆動コネクタ200の組立てを促進し得、少なくとも部分的に内部に収容された部品の接近、修理及び/または置換を促進し得る。筐体アセンブリ210は、器具駆動部50の筐体60の遠位端64からの器具駆動コネクタ200の切断における使用のために構成された片持ちアーム216を含み得る。筐体アセンブリ210の近位筐体212は、器具駆動部50(図2)の補完的嵌合表面(図示しない)との横方向接続/切断のために、その対向する側表面上に配置された傾斜カム表面218を含む。
【0039】
ここで図8〜12を参照すると、筐体アセンブリ210は、駆動アセンブリフレーム270により支持された複数の駆動アセンブリ220を収容するボア211を画定する。各駆動アセンブリ220は、駆動ネジ230、駆動ナット240、及び付勢要素250を含み、駆動部材またはロッド260に動作可能に接続される。駆動アセンブリフレーム270は、内部に駆動ネジ230の近位端232が保持される複数の近位ベアリング274を有する近位端272を含む。各近位ベアリング274は、筐体アセンブリ210に対する駆動ネジ230の回転を許可または促進する。また、近位ベアリング274は、駆動ナット240のための近位止め部として機能するように構成され得る。近位ベアリング274は、細長い中央シャフト276の近位端の周りに半径方向に配置される。複数の縦方向に延在する溝278(図10)は、中央シャフト276の外部表面276aにおいて画定される。各溝278は、駆動部材260の近位端部分262及び駆動ナット240の第2のレール248に摺動可能に係合するように構成される。
【0040】
図12に示されているように、駆動ネジ230は、近位端232、螺合されない遠位端または先端234、ならびに近位及び遠位端232及び234の間に延在する細長い螺刻された胴体236を含み、その半径方向中心を通る縦軸「Z」を画定する。駆動ネジ230の近位端232は、出力駆動連結具70の移動が入力駆動連結具238の対応する移動をもたらすように、器具駆動部50(図3)の個々の出力駆動連結具70に係合するように構成された入力駆動連結具238を含む。入力駆動連結具238は、細長い螺刻された胴体236と一体的に形成され、入力駆動連結具238の回転は、細長い螺刻された胴体236の対応する回転をもたらす。入力駆動連結具238及び細長い螺刻された胴体236は、互いに固定された別個の部品であり得ると理解されるべきである。いくつかの実施形態では、入力駆動連結具238は、冠歯車70の回転が冠歯車238の対応する回転をもたらすように、モータ「M1〜M4」(図3)の個々の冠歯車70に嵌合及び/または噛合するように構成された、冠歯車、等の歯車であり得る。
【0041】
図8及び12に示されているように、駆動ナット240は、その内部表面242aを通って縦方向に延在する螺合開口部244を有する本体242を含み、これは、駆動ネジ230の細長い螺刻された胴体236に機械的に係合するように構成される。駆動ナット240は、駆動ネジ230の回転が駆動ナット240の縦方向移動をもたらすように、駆動ネジ230上に位置付けられるように構成される。実施形態において、駆動ナット240及び駆動ネジ230は互いに螺合される。また、入力駆動連結具238の第1の方向(例えば、時計回り)の回転は、駆動ナット240を駆動ネジ230に対して第1の縦方向に(例えば、近位に)移動させ、入力駆動連結具238の第2の方向(例えば、反時計回り)の回転は、駆動ナット230を駆動ネジ230に対して第2の縦方向に(例えば、遠位に)移動させる。
【0042】
駆動ナット240は、本体242の外部表面242bに沿って縦方向に延在する第1のレール246を含み、これは、筐体アセンブリ210のボア211に形成された縦方向に延在するチャネル213に摺動可能に配置されるように構成される。駆動ナット240の第1のレール246は、駆動ネジ230を回転させるのに従って駆動ナット240が縦軸「Z」の周りで回転するのを阻害または防止するように、筐体アセンブリ210のボア211のチャネル213と連動する。駆動ナット240は、本体242の外部表面242bに沿って縦方向に延在する第2のレール248も含み、これは、駆動アセンブリフレーム270に形成された縦方向に延在する溝278に摺動可能に配置されるように構成される。第2のレール248は、駆動部材260の近位端部分262に機械的に係合するように構成される。
【0043】
駆動ナット240は、本体242の遠位端に配置された保持フランジ241も含む。保持フランジ241は、駆動ナット240の本体242より小さい外径を有し、付勢要素250の一部分に係合するように構成される。追加または代替で、保持フランジ243が駆動ナット240の本体242の近位端に配置され得る。
【0044】
付勢要素250、例えば、圧縮バネは、駆動ネジ230の細長い螺刻された胴体236の一部分を半径方向に囲むように構成される。実施形態において、駆動ネジ230は、付勢要素250により画定され、これを通って縦方向に延在する開口部252を通って延在する。また、図8において見られるように、付勢要素250の近位部分254は、駆動ナット230の保持フランジ241に係合するように構成され、そのような寸法を有し、付勢要素250の遠位部分256は、筐体アセンブリ210のボア211に形成された保持ポケット215内での少なくとも部分的な受容のために構成され、そのような寸法を有する。例示された実施形態は特定のタイプの付勢要素(すなわち、圧縮バネ)を示すが、本開示により他のタイプの付勢要素が検討される。さらにまた、付勢要素との係合のために他の保持構造が利用され得ると考えられる。
【0045】
各駆動部材260(例えば、ケーブル、チェーン、ベルト、ロッド、等、及び/またはこれらの組み合わせ)は、個々の駆動ナット240に固定された近位端部分262を含む。各駆動部材260は、個々の駆動ナット240から、駆動アセンブリフレーム270の個々の溝278を通って、筐体アセンブリ210のボア211まで延在し、エンドエフェクタ310(図9)の一部分に機械的に係合するように構成される。
【0046】
付勢要素250は、個々の駆動ナット240を近位方向に押し、これにより個々の駆動部材260に張力を印加し、駆動部材260が弛むのを防止するように、予め張力がかけられている。その周りに付勢要素250が配置された駆動ネジ230は、よってバックドライバブルであり、器具駆動部50が器具駆動コネクタ200に接続されていない場合、手動操作が可能である。したがって、器具駆動部50が器具駆動コネクタ200に接続されていない場合、臨床家は、外科手術器具100を制御するように、器具駆動コネクタ200の入力駆動連結具238を手動で回転させ得る。例えば、外科手術器具100を、例えばアクセスポートから後退させる場合、及び手首アセンブリ320及び/または顎アセンブリ330が、アクセスポートにより形成された開口部を通過しない構成である場合、駆動ネジ230のバックドライバビリティは、患者からの外科手術器具100の容易な除去のため、手首アセンブリ320及び/または顎アセンブリ330を移動及び/または整理させる。別の例としては、バックドライバビリティは、使用間の外科手術器具100の洗浄中の容易な操作を可能にする。
【0047】
各駆動アセンブリ220は、駆動部材260が筐体アセンブリ210内で中央に位置付けられるように、筐体アセンブリ210内で傾斜され、外科手術器具100の細長いシャフト302を通して、例えばエンドエフェクタ310との係合まで延在する。外科手術器具100は、駆動部材260を駆動アセンブリ220とエンドエフェクタ310との間に導くまたは送るのを助けるように、突起、等を含み得ると想定される。
【0048】
図5及び6を再び参照すると、器具駆動コネクタ200は、エンドエフェクタ310のさまざまな機能をもたらすように、器具制御部50(例えば、図2参照)により供給された回転移動を駆動部材260(例えば、図8参照)の縦方向移動に変換するように構成される。
【0049】
ここで、図5及び6とともに、図13〜15を参照すると、外科手術器具100は、縦軸「X」に沿って延在する細長いシャフト302を含む内視鏡部分300を含む。細長いシャフト302は、器具駆動コネクタ200に動作可能に接続された、またはこれと統合的に形成された近位部分304、及びエンドエフェクタ310を有する遠位部分306を含む。エンドエフェクタ310は、取付部材または手首アセンブリ320、顎アセンブリ330、及び手首アセンブリ320を顎アセンブリ330に接続するクレビス340を含む、手首外科手術装置である。手首アセンブリ320及びクレビス340は、駆動部材260の移動後、縦軸「X」の周りで/これに対して、ならびに/または「A」及び「B」等の枢動軸の周りで/これに対して移動する(例えば、枢動する、連接する、回転する、開口する、及び/または閉鎖する)顎アセンブリ330に接続される。
【0050】
手首アセンブリ320は、第1のアーム324a及び第2のアーム324bを含む一対の離間されたアームまで遠位に延在する取付体322を有する。一対の離間されたアーム324a及び324bは、第1及び第2のアーム324a及び324bの各々を通して横方向に延在する第1のピンチャネル326a及び第2のピンチャネル326bを画定する。手首アセンブリ320は、従動プーリ328aの第1のセットが従動プーリ328bの第2のセットの近位に位置付けられるように、それぞれ、第1及び第2のピンチャネル326a及び326bと整列された従動プーリ328aの第1のセット及び従動プーリ328bの第2のセットを支持する。従動プーリ328a及び328bの第1及び第2のセットは、それぞれ、第1及び第2のプーリピン321a及び321bを介して、手首アセンブリ320に固定される。第2のプーリピン328b及び従動プーリ326bの第2のセットは、その周りで第1及び第2の顎部材332及び334が縦軸「X」に対して縦揺れする、枢動軸「A」を画定する。
【0051】
顎アセンブリ330は、ともに枢動可能に連結された第1の顎部材332及び第2の顎部材334を含む。第1の顎部材332は、第1の顎プーリ336aから遠位に延在する把持部分332aを含む。第2の顎部材334は、第2の顎プーリ336bとしてから遠位に延在する把持部分334aを含む。第1及び第2の顎プーリ336a及び336bは、第1及び第2の顎部材332及び334の、それぞれ、把持部分332a、334aと統合的に形成され得る。把持部分332a及び334aは、組織に係合するように構成された個々の組織係合表面332b、334bを含む。第1及び第2の顎プーリ336a及び336bは、駆動部材260を受容するように構成された個々の第1及び第2の駆動部材チャネル336c及び336dを画定する。
【0052】
クレビス340は、ベース部分342から遠位に延在する一対の離間された指部344a及び344bを有するベース部分342を含む。一対の離間された指部344a及び344bは、内部を通って横方向に延在するピン経路346を画定する。ベース部分342は、顎アセンブリ330をエンドエフェクタ310の縦軸「X」に対して縦揺れ/連接させるように、枢動ピン321bにより従動プーリ326bの第2のセットに枢動可能に取り付けられる。顎アセンブリ300の顎プーリ336a及び336bは、ともに遠結され、顎アセンブリ330を枢動軸「B」の周りで偏揺れ、及び/または顎アセンブリ330を枢動軸「B」の周りで開口/閉鎖させるように、枢動ピン348によりクレビス340の一対の指部344aと344bとの間に取り付けられる。
【0053】
図13及び14に示されているように、各駆動部材260は、従動プーリ328a及び238bならびに顎プーリ336a及び336bのセットの周りを回る/巻く遠位駆動部材部分260a(ケーブル等の形態)を含む。各駆動部材260は、上に記載されているように、近位駆動部材部分260bが個々の駆動ナット240の移動に応じて移動するように、駆動アセンブリ220の個々の駆動ナット240(例えば、図8参照)に個別に固定された近位駆動部材部分260b(ロッドの形態)をさらに含む。複数のフェルール338(1つのみ図示する)は、遠位駆動部材部分260aを顎アセンブリ330の第1の顎部材332または第2の顎部材334に固定するように、駆動部材260の遠位駆動部材部分260aに連結される。
【0054】
例となる使用方法において、器具駆動部50のモータ「M1〜M4」が、器具駆動コネクタ200の入力駆動連結具238を回転(時計回りまたは反時計回り)させるように、互いに連携して作動される場合、入力駆動連結具238の回転は、個々の駆動ネジ230の対応する回転をもたらす。駆動ネジ230の回転は、個々の駆動ナット240の縦方向並進(遠位または近位)をもたらし、各駆動ナット240の縦方向並進の方向は、その個々の出力駆動連結具238、及びよって駆動ネジ230の回転の方向により決定される。駆動ナット240の並進は、駆動ナット240に係合された個々の駆動部材260の対応する並進をもたらす。
【0055】
したがって、駆動部材260の近位駆動部材部分260bの1つ以上は、例えば図15及び16に示されているように、縦揺れ、偏揺れ、把持/解離、開口/閉鎖、及び/またはエンドエフェクタ310のこれらの動作のいずれかの組み合わせをもたらすように、独立して及び/または駆動部材260の他の近位駆動部材部分260bの1つ以上と同時に、同じ及び/または対向する方向に移動させることができる。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリ220は、外科手術器具100のエンドエフェクタ310の動作及び/または移動をもたらすように、駆動部材260の異なる張力を利用する。
【0056】
特定の実施形態が記載されているが、他の実施形態が可能である。
【0057】
例えば、器具駆動部はロボットアームのトラックに移動可能に接続されていると記載されているが、他の構成が追加または代替で可能である。例えば、図17に示されているように、器具駆動部50は、ロボットアーム2の遠位端に配置された継手「J」に直接連結され得る。外科手術器具100の器具駆動コネクタ200は、上に記載されているように、器具駆動部50と接続/切断され得る。
【0058】
別の例として、器具駆動コネクタは4つの駆動アセンブリを含むと記載されているが、器具駆動コネクタは、本開示の範囲から逸脱することなく、より多い(例えば、5つまたは6つの)またはより少ない(例えば、2つまたは3つの)駆動アセンブリを含み得る。
【0059】
また、駆動アセンブリフレームは駆動部材の部品であると記載されているが、駆動アセンブリフレームの全体的な構造、またはその一部は、器具駆動コネクタの筐体アセンブリ内に統合的に形成され得る。
【0060】
また別の例として、エンドエフェクタは顎アセンブリを含むと記載されているが、他のエンドエフェクタの使用が追加または代替で可能である。器具駆動部とともに使用するためのエンドエフェクタの構成及び操作を説明する例についての詳細な議論については、その全体的な内容が参照により本明細書に組み込まれる、「Wrist and Jaw Assemblies for Robotic Surgical Systems」という発明の名称で、2014年10月20日に出願された、国際特許出願第PCT/US14/61329号を参照し得る。
【0061】
さらに別の例として、単一の駆動部材の2つの近位端部分は別個の駆動ナットに連結されて図示されているが、2つ以上の駆動部材の2つ以上の近位端部分または単一の駆動部材の2つの近位端部分は、単一の駆動ナットに連結され得ると考えられる。例えば、駆動部材の2つの近位端部分は、駆動ナットを第1の方向に並進させると、近位端部分の一方が巻かれ、他方の近位端部分が解かれるように、単一の駆動ナットに対向する方向に連結され得る。
【0062】
別の例として、各駆動アセンブリは、各駆動部材が、駆動ナットに接続された単一の近位端部分及びエンドエフェクタの機能をもたらすようにエンドエフェクタに連結された遠位端部分を含むように、駆動ナット及びエンドエフェクタと機械的に連動する駆動部材を含み得る。例えば、特定の駆動部材の遠位並進は、顎部材を互いに対して近づけるように構成され得、近位並進は、少なくとも1つの顎部材を他の顎部材から離して移動させるように構成され得る。さらに、異なる駆動アセンブリの駆動部材の遠位並進は、顎部材を第1の方向に連接するように構成され得、同じ駆動部材の近位並進は、顎部材を第2の方向に連接するように構成され得る。
【0063】
多数の実施形態が記載されている。それにもかかわらず、本明細書で開示されている実施形態に対してさまざまな改変を行い得ることが理解されるだろう。したがって、上の記載は、限定として解釈されるべきではなく、さまざまな実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本開示の範囲及び趣旨内で他の改変を想定するだろう。それに応じて、他の実施形態は添付の特許請求の範囲内である。
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17