(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2係合部(110,120)の一方は、前記第1及び第2係合部(110,120)の他方の前記回転軸線(AX)回りの周方向移動を阻止する停止面(165)を有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回転機構。
第1ファスナーテープ(61)、前記第1ファスナーテープ(61)に結合した第1ファスナーエレメント(71)、及び前記第1ファスナーエレメント(71)に隣接して前記第1ファスナーテープ(61)に結合した請求項13又は14に記載の止め具の前記第1止め部材(31)を含む第1ファスナーストリンガー(81)と、
第2ファスナーテープ(62)、前記第2ファスナーテープ(62)に結合した第2ファスナーエレメント(72)、及び前記第2ファスナーエレメント(72)に隣接して前記第2ファスナーテープ(62)に結合した請求項13又は14に記載の止め具の前記第2止め部材(32)を含む第2ファスナーストリンガー(82)と、
前記第1及び第2ファスナーストリンガー(81,82)を開閉するためのスライダー(40)を備える、スライドファスナー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の回転機構の場合、表裏から押圧される時に摺接板9,10間に生じる回転抵抗が大きいため、回転を達成すること自体にある程度の表裏からの押圧力が要求され、若しくは、所望量の回転自体を得難いことが予期される。他方、特許文献1の如く回転機構が組み込まれる止め具は、ある非限定の用途として、身体的弱者向けに提供されるものである。本願発明者は、かかる点を考慮し、より小さな力で所望量の回転が達成可能である止め具用の回転機構を提供することの意義を新たに見出した。なお、特許文献2も同様の課題を内包する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る回転機構は、スライドファスナー(90)用の分離可能な止め具(30)の回転機構(5)であって、
第1本体部(11)、前記第1本体部(11)に設けられた開口部(12)、及び前記開口部(12)内に設けられた1以上の第1係合部(110)を備える第1部材(51)と、
第2本体部(21)、及び前記第2本体部(21)に凸状に設けられた1以上の第2係合部(120)を備える第2部材(52)を備え、
前記第1及び第2係合部(110,120)の一方が、回転軸線(AX)回りに弧状に傾斜する弧状傾斜面(130)を含み、前記第1及び第2係合部(110,120)の他方が前記弧状傾斜面(130)上を摺動する摺動部(140)を含み、
前記摺動部(140)が前記弧状傾斜面(130)上を摺動することが、前記回転軸線(AX)に関する前記第1及び第2本体部(11,21)の少なくとも一方の回転と、前記回転軸線(AX)に関する前記第1及び第2本体部(11,21)間の軸方向間隔の変化を生じさせる。
【0007】
幾つかの実施形態例では、前記第1部材(51)は、2以上の前記第1係合部(110)を備え、
前記第2部材(52)は、2以上の前記第2係合部(120)を備える。
【0008】
幾つかの実施形態例では、前記第1係合部(110)の個数と前記第2係合部(120)の個数が同一である。
【0009】
幾つかの実施形態例では、前記摺動部(140)は、前記第1又は第2係合部(110,120)の縁部(145)である。
【0010】
幾つかの実施形態例では、前記第1及び第2係合部(110,120)の一方は、前記第1及び第2係合部(110,120)の他方の前記回転軸線(AX)回りの周方向移動を阻止する停止面(165)を有する。
【0011】
幾つかの実施形態例では、前記第1係合部(110)は、前記開口部(12)の深さ方向に延びる前記開口部(12)の壁面から突出する。
【0012】
幾つかの実施形態例では、前記第2部材(52)は、前記1以上の第2係合部(120)が径方向外側に結合した軸部(150)を更に備える。
【0013】
幾つかの実施形態例では、前記軸部(150)の先端部は、前記第2本体部(21)に関して前記第2係合部(120)の先端部よりも離間した位置にある。
【0014】
幾つかの実施形態例では、前記1以上の第2係合部(120)は、前記回転軸線(AX)に関して径方向外側に下る案内傾斜面(160)を更に含む。
【0015】
幾つかの実施形態例では、前記第2係合部(120)は、前記開口部(12)を規定する壁面に接触する側面を有する。
【0016】
幾つかの実施形態例では、前記第1本体部(11)は、前記開口部(12)の外周に位置する外周部(13)を有し、
前記第2部材(52)は、前記摺動部(140)が前記弧状傾斜面(130)上を摺動する時に前記外周部(13)の外周に位置する案内突起(170)を有する。
【0017】
幾つかの実施形態例では、前記第1及び第2本体部(11,21)の一方には収容部(180)が設けられ、
前記第1及び第2本体部(11,21)の他方には前記収容部(180)に収容される被収容部(185)が設けられ、
前記被収容部(185)は、前記摺動部(140)が前記弧状傾斜面(130)上を摺動するに応じて前記収容部(180)内に収容されない位置から収容される位置に移動する。
【0018】
幾つかの実施形態例では、前記収容部(180)は、前記第1及び第2本体部(11,21)の一方の間で軸方向間隔を定める内面(181)を有し、
前記被収容部(185)は、傾斜面(186)を有し、
前記被収容部(185)の傾斜面は、前記摺動部(140)が前記弧状傾斜面(130)上を摺動するに応じて前記収容部(180)の内面に対面又は接触する。
【0019】
本開示の一態様に係る止め具は、スライドファスナー(90)用の分離可能な止め具(30)にして、上述のいずれかに記載の回転機構(5)の前記第1部材(51)と、前記第1部材(51)に対して結合した第1及び第2棒部(33,34)の一方を含む第1止め部材(31)と、
上述のいずれかに記載の回転機構(5)の前記第2部材(52)と、前記第2部材(52)に対して結合した前記第1及び第2棒部(33,34)の他方を含む第2止め部材(32)を備え、
前記第1棒部(33)は、前記スライダー(40)の上部フランジ部と下部フランジ部の間から前記スライダー(40)内に挿入され、
前記第2棒部(34)は、スライダー(40)の後口から前記スライダー(40)内に挿入される。
【0020】
幾つかの実施形態例では、前記第2棒部(34)は、少なくとも部分的に前記第1棒部(33)を収容するように構成される。
【0021】
本開示の一態様に係るスライドファスナーは、
第1ファスナーテープ(61)、前記第1ファスナーテープ(61)に結合した第1ファスナーエレメント(71)、及び前記第1ファスナーエレメント(71)に隣接して前記第1ファスナーテープ(61)に結合した前記第1止め部材(31)を含む第1ファスナーストリンガー(81)と、
第2ファスナーテープ(62)と、前記第2ファスナーテープ(62)に結合した第2ファスナーエレメント(72)、及び前記第2ファスナーエレメント(72)に隣接して前記第2ファスナーテープ(62)に結合した前記第2止め部材(32)を含む第2ファスナーストリンガー(82)と、
前記第1及び第2ファスナーストリンガー(81,82)を開閉するためのスライダー(40)を備える。
【発明の効果】
【0022】
本開示の一態様によれば、回転機構における第1及び第2部材間の回転が促進される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の実施形態例に係る非閉鎖状態のスライドファスナーの部分的な斜視図であり、特に、スライドファスナーの端部に設けられた分離可能な止め具を示す。
【
図2】本開示の実施形態例に係る非閉鎖状態のスライドファスナーの部分的な斜視図であり、
図1に開示のものの反対側を示す。
【
図3】本開示の実施形態例に係る止め具に含まれる第1止め部材の概略的な下面図である。
【
図4】本開示の実施形態例に係る止め具に含まれる第1止め部材の概略的な上面図である。
【
図5】本開示の実施形態例に係る止め具に含まれる第1止め部材の概略的な側面図である。
【
図6】本開示の実施形態例に係る止め具に含まれる第1止め部材の概略的な別の側面図である。
【
図7】本開示の実施形態例に係る止め具に含まれる第2止め部材の概略的な上面図である。
【
図8】本開示の実施形態例に係る止め具に含まれる第2止め部材の概略的な下面図である。
【
図9】本開示の実施形態例に係る止め具に含まれる第2止め部材の概略的な側面図である。
【
図10】本開示の実施形態例に係る止め具に含まれる第2止め部材の概略的な別の側面図である。
【
図11】本開示の実施形態例に係る止め具に含まれる第2止め部材の概略的な更に別の側面図である。
【
図12】本開示の実施形態例に係るスライドファスナーの概略的な上面図であり、スライダーが第2止め部材に保持され、第1止め部材の第1係合部と第2止め部材の第2係合部が接触している。第2止め部材の第2係合部に設けられた弧状傾斜面の第1端部が、第1止め部材の第1係合部の摺動部に接触している。
【
図13】本開示の実施形態例に係るスライドファスナーの概略的な上面図であり、第2止め部材に保持されたスライダーが時計回りに回転し、この結果、スライダー内に第1棒部が進入している。弧状傾斜面の第1端部に接触していた摺動部が弧状傾斜面の第2端部に向けて弧状傾斜面上を摺動し、これに応じて、回転軸AX回りの第1止め部材に対する第2止め部材の回転が生じ、また第1止め部材と第2止め部材の軸方向間隔が減少する。
【
図14】本開示の実施形態例に係る止め具の概略的な模式図であり、第1及び第2係合部の接触の態様、端的には、弧状傾斜面と摺動部の接触の態様を模式的に示す。
【
図15】本開示の実施形態例に係る止め具の概略的な模式図であり、第1及び第2係合部と接触の態様、端的には、弧状傾斜面と摺動部の接触の態様を模式的に示す。
図14と
図15の比較から案内突起の周方向変位も模式的に示される。
【
図16】本開示の実施形態例に係る止め具の概略的な断面模式図であり、第1及び第2係合部の係合の態様を模式的に示す。
【
図17】本開示の実施形態例に係る止め具の概略的な断面模式図であり、第1及び第2係合部と係合の態様を模式的に示す。
図16と
図17の比較から案内突起の軸方向変位も模式的に示される。
【
図18】本開示の実施形態例に係る閉鎖状態のスライドファスナーの部分的な上面模式図であり、特に、スライドファスナーの端部に設けられた分離可能な止め具を示す。一点破線内の円において第1係合部が第2係合部の停止面に隣接配置された状態が模式的に示される。
【
図19】本開示の実施形態例に係る閉鎖状態のスライドファスナーの側面模式図であり、第1止め部材の収容部内に第2止め部材の被収容部が収容された状態を模式的に示す。
【
図20】本開示の実施形態例に係る閉鎖状態のスライドファスナーの別の側面模式図である。
【
図21】本開示の第1変形例に係る第1止め部材の概略的な斜視図である。
【
図22】本開示の第1変形例に係る第2止め部材の概略的な斜視図である。
【
図23】本開示の第2変形例に係る第1止め部材の概略的な上面図である。
【
図24】本開示の第2変形例に係る第2止め部材の概略的な斜視図である。
【
図25】本開示の第3変形例に係る第1止め部材の概略的な斜視図である。
【
図26】本開示の第3変形例に係る第1止め部材の概略的な上面図である。
【
図27】本開示の第3変形例に係る第2止め部材の概略的な斜視図である。
【
図28】本開示の第3変形例に係る第2止め部材の概略的な上面図である。
【
図29】本開示の第4変形例に係る第2止め部材の概略的な斜視図である。
【
図30】本開示の第4変形例に係る第2止め部材の概略的な上面図である。
【
図31】本開示の第4変形例に係る第2止め部材の概略的な側面図である。
【
図32】本開示の第4変形例に係る第2止め部材の概略的な別の側面図である。
【
図33】本開示の第5変形例に係る第2止め部材の概略的な斜視図である。
【
図34】本開示の第5変形例に係る第2止め部材の概略的な斜視図であり、
図33の反対側を示す。
【
図35】本開示の第5変形例に係る第1止め部材の概略的な斜視図である。
【
図36】本開示の第5変形例に係る第1止め部材の概略的な斜視図であり、
図35の反対側を示す。
【
図37】本開示の第5変形例に係る第2止め部材の概略的な下面図である。
【
図38】本開示の第5変形例に係る第2止め部材の概略的な側面図である。
【
図39】本開示の第5変形例に係る第2止め部材の概略的な別の側面図である。
【
図40】本開示の第5変形例に係る第1止め部材の概略的な上面図である。
【
図41】本開示の第5変形例に係る第1止め部材の概略的な側面図である。
【
図42】本開示の第5変形例に係る第1止め部材の第1本体部と第2止め部材の第2本体部の結合態様を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、
図1乃至
図42を参照しつつ、本発明の非限定の例示の実施の形態について説明する。開示の1以上の実施形態、1以上の変形例、及び各実施形態及び各変形例に包含される各特徴は、個々に独立したものではない。当業者は、過剰説明を要せず、各形態及び/又は各特徴を組み合わせることができ、また、この組み合わせによる相乗効果も理解可能である。形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明の記述を主たる目的とするものであり、作図の便宜のために簡略化されている場合がある。
【0025】
より正確及び詳細な説明のため、次のように方向が定義される。なお、後述の記述を踏まえ、本段落で述べた方向が別表現で表されることも許容されるものとする。前後方向は、スライドファスナーを開閉するためのスライダーの動きに即して理解される。スライダーの前進によりスライドファスナーが閉じられる。スライダーの後進によりスライドファスナーが開けられる。左右方向は、スライドファスナーに含まれる一対のファスナーテープに即して理解される。左右方向は、前後方向に直交し、ファスナーテープのテープ面に平行である。上下方向は、前後方向及び左右方向に直交する方向である。上下方向は、ファスナーテープのテープ面に直交する。ファスナーテープのテープ面は、薄いファスナーテープの厚みを規定する一対のテープ面の一つである。
【0026】
スライドファスナー90は、第1ファスナーストリンガー81と、第2ファスナーストリンガー82と、第1及び第2ファスナーストリンガー81,82を開閉するためのスライダー40と、スライドファスナー90の端部に設けられた止め具30を有する。止め具30は、第1止め部材31と第2止め部材32に分割された分離可能な止め具である。第1ファスナーストリンガー81は、第1ファスナーテープ61、第1ファスナーテープ61に結合した第1ファスナーエレメント71を含む。第1ファスナーストリンガー81は、更に、第1ファスナーエレメント71に隣接して第1ファスナーテープ61に結合した第1止め部材31を含む。第2ファスナーストリンガー82は、第2ファスナーテープ62、第2ファスナーテープ62に結合した第2ファスナーエレメント72を含む。第2ファスナーストリンガー82は、更に、第2ファスナーエレメント72に隣接して第2ファスナーテープ62に結合した第2止め部材32を含む。
【0027】
スライダー40は、上翼板と、下翼板42と、上翼板と下翼板42を連結する連結柱43と、フランジ部44を有する。フランジ部44は、上翼板の左右の側縁部に下方に突出して設けられた上部フランジ部と、下翼板42の左右の側縁部に上方に突出して設けられた下部フランジ部を含む。スライダー40は、金属スライダー又は樹脂スライダー又はこれ以外の材質のスライダーである。スライダー40は、自動停止機能等の様々な機能を有し得る。
【0028】
第1及び第2ファスナーテープ61,62は、可撓性を有するテープであり、例えば、織物又は編物又はこれらの混合品である。第1及び第2ファスナーエレメント71,72は、例えば、樹脂製エレメント、金属製エレメント、コイル状エレメント、又はこれ以外の種類のエレメントである。止め具30の第1及び第2止め部材31,32は、例えば、樹脂の射出成形により各ファスナーテープ61,62に一体的に結合する。しかしながら、別形態又は別例においては、第1及び第2止め部材31,32の全体又は一部が、金属から構成される。第1及び第2止め部材31,32が金属製の場合、任意の適切な方法でファスナーテープ61,62に対して固定される。
【0029】
止め具30は、上述のように第1及び第2止め部材31,32から構成される。第1止め部材31は、止め具30に含まれる回転機構5の第1部材51と、第1部材51に結合した第1棒部33を含む。図示例の場合、第1棒部33は、第1ファスナーテープ61の側縁部に一体的に設けられる。第1棒部33は、第1部材51と第1ファスナーエレメント71の間に設けられる。第1部材51は、第1ファスナーテープ61に重畳せず、第1ファスナーテープ61から離れた部分を含む。
【0030】
第2止め部材32は、止め具30に含まれる回転機構5の第2部材52と、第2部材52に結合した第2棒部34を含む。図示例の場合、第2棒部34は、第2ファスナーテープ62の側縁部に一体的に設けられる。第2棒部34は、第2部材52と第2ファスナーエレメント72の間に設けられる。第2部材52は、第2ファスナーテープ62に重畳せず、第2ファスナーテープ62から離れた部分を含む。
【0031】
第1棒部33は、スライダー40の上部フランジ部と下部フランジ部44の間からスライダー40内に挿入される。図示例を含む幾つかの場合、第1棒部33は、前後方向に長く延びる。第1棒部33は、左右方向において第1ファスナーテープ61から離間するに応じて先細りに構成され、スライダー40の上下のフランジ部44の間の隙間への円滑な挿入が促進される。
【0032】
第2棒部34は、スライダー40の後口からスライダー40内に挿入される。図示例を含む幾つかの場合、第2棒部34は、前後方向に長く延びる。第2棒部34は、少なくとも部分的に第1棒部33を収容するように構成され、第1及び第2止め部材31,32の上下方向の分離が回避又は抑制される。図示例においては、第2棒部34は、前後方向に直交する断面においてU字状を呈し、右方に向いた開口を有する。第2棒部34の収容空間34mは、前後方向に延びる。第2棒部34の収容空間34mの前端部及び後端部は開放端部である。
【0033】
図示は省略するが、第1棒部33が第2部材52に結合し、第2棒部34が第1部材51に結合する態様も想定される。
【0034】
図12及び
図13を参照するに、第2棒部34がスライダー40の後口からスライダー40内に挿入され、スライダー40が第2止め部材32上に保持される。後述の止め具30の回転機構5のおかげで、第2止め部材32が第1止め部材31に向けて時計回りに回転し、スライダー40の右側の上部フランジ部と下部フランジ部44の間の隙間を介してスライダー40内に第1棒部33が挿入される。後述の係合突起39は、第1及び第2止め部材31,32間の相対的な回転によって、第1棒部33がスライダー40の内部に進入する時、スライダー40の上部及び下部フランジ部の間を乗り越えた後、スライダー40のフランジ部よりもスライダー40の内側に位置し、これにより、スライダー40内に挿入された第1棒部33が反対方向に動いてスライダー40外に出ることが抑制される。止め具30から手を離し、スライダー40の引手を前方に引いてスライダー40を前進させると、第1及び第2ファスナーエレメント71,72が結合し、第1及び第2ファスナーストリンガー81,82が閉じられる。本開示の止め具30の回転機構5によれば、回転機構5の第1及び第2部材51,52間の相対的な回転が促進される。
【0035】
図1乃至
図20を参照し、より詳細に説明する。第1止め部材31は、第1部材51及び第1棒部33に加えて、第1棒部33に隣接して設けられ、第1棒部33よりも厚い第1厚肉部37と、第1棒部33の前端部に結合し、第1ファスナーエレメント71に隣接する中継エレメント38と、スライダー40に進入した第1棒部33がスライダー40内から出ることを抑制するための係合突起39を含む。第1厚肉部37は、第1棒部33と同様に前後方向に延び、第1棒部33よりも厚い。第1ファスナーテープ61に対する第1止め部材31のより十分な固着が促進される。第1厚肉部37は、第1ファスナーテープ61の上面から凸状に突出した上半分と、第1ファスナーテープ61の下面から凸状に突出した下半分を含む。
【0036】
中継エレメント38は、止め具30上から第1及び第2ファスナーエレメント71,72に向かって前進するスライダー40の移動を中継する部分である。
図12から分かるように、後述の回転機構5の作動により第1棒部33がスライダー40内に進入した時、中継エレメント38は、スライダー40の前方に配される。スライダー40が前進すると、中継エレメント38がスライダー40内に進入し、続いて第1ファスナーエレメント71がスライダー40内に進入する。中継エレメント38は、スライダー40が正しく第1ファスナーエレメント71に向けて進行できるように位置付けられ、また形状付けられる。中継エレメント38は、第1ファスナーテープ61の上面から凸状に突出した上半分と、第1ファスナーテープ61の下面から凸状に突出した下半分を含む。
【0037】
係合突起39は、スライダー40の上部及び下部フランジ部の間を通過し、これにより、スライダー40内に進入した第1棒部33がスライダー40から出ることが抑制され、第1止め部材31と第2止め部材32の意図しない解離を抑制することができる。つまり、係合突起39のおかげで止め具30から手を放してもスライダー40内に進入した第1棒部33がスライダー40外に出てしまうことや、第1止め部材31と第2止め部材32が解離してしまうことが抑制される。係合突起39は、中継エレメント38の近傍に設けられるが、別例においては、異なる位置に設けられる。係合突起39は、第1棒部33の上面から凸状に突出する部分と、第1棒部33の下面から凸状に突出する部分を含む。言うまでもなく係合突起39を省略する形態も想定される。
【0038】
第2止め部材32は、第2部材52及び第2棒部34に加えて、第2棒部34との間にスライダー40のフランジ部44が挿入される溝を形成する第2厚肉部35と、スライダー40の停止位置を規定する傾斜壁36を有する。第2厚肉部35は、第2棒部34と同様に前後方向に延び、第2棒部34よりも厚い。第2ファスナーテープ62に対する第2止め部材32のより十分な固着が促進される。第2厚肉部35は、第2ファスナーテープ62の上面から凸状に突出した上半分と、第2ファスナーテープ62の下面から凸状に突出した下半分を含む。
【0039】
第2棒部34と第2厚肉部35の間には前後方向に延びる上下一対の溝35mが形成される。図示例においては、溝35mの左右幅は、前後方向の中央で最小になる。溝35mの左右幅の最小値は、スライダー40のフランジ部44の左右幅に等しい、又は、それよりも僅かに小さい。溝35m内にスライダー40のフランジ部44を挿入すると、スライダー40のフランジ部44が溝35mの左右幅が狭い箇所を通過し、スライダー40の上翼板及び/又は下翼板42の後端部が傾斜壁36に衝突する。
図12から分かるように、スライダー40は、第2棒部34が延びる前後方向に関して傾斜して第2止め部材32上で保持される。つまり、溝35m内に挿入した状態で、スライダー40の後ろ側が傾斜壁36に接触し、かつスライダー40の案内柱43が第2棒部34に接触することで、第2棒部34が延びる前後方向に関して傾斜される。溝35mは、左右幅の最小値の箇所から傾斜壁36に向けて左右幅が増加し、第2肉厚部35に窪み35kを形成し、フランジ部44の後ろ側の一部が窪み35kに入り込むことで、スライダー40が前方向に動くことを規制する。これにより、スライダー40内に第1棒部33や中継エレメント38が進入しやすくなる。
【0040】
止め具30に組み込まれた回転機構5は、第1止め部材31の一部分である第1部材51と、第2止め部材32の一部分である第2部材52を含む。単純に述べれば、回転機構5は、第1及び第2部材51,52を含み、若しくはこれらから構成される。
図1及び
図2等に示すように、第1部材51は、第1本体部11、第1本体部11に設けられた開口部12、及び開口部12内に設けられた1以上の第1係合部110を有する。第2部材52は、第2本体部21、及び第2本体部21の上面に凸状に設けられた1以上の第2係合部120を有する。
【0041】
本願の開示の形態例では、第1及び第2係合部110,120の一方が、回転軸線AX回りに弧状に傾斜する弧状傾斜面130を含む。第1及び第2係合部110,120の他方が弧状傾斜面130上を摺動する摺動部140を含む。摺動部140が弧状傾斜面130上を摺動することが、回転軸線AXに関する第1及び第2本体部11,21の少なくとも一方の回転と、回転軸線AXに関する第1及び第2本体部11,21間の軸方向間隔の変化を生じさせる。これにより、回転機構5の第1及び第2部材51,52間の回転が促進される。例えば、従来よりも低減された力で第1及び第2部材51,52間の所望量の回転が得られる。
【0042】
図1乃至
図20に示す実施形態例においては、第2係合部120が、回転軸線AX回りに弧状に傾斜する弧状傾斜面130を含む。第1係合部110が弧状傾斜面130上を摺動する摺動部140を含む。摺動部140が弧状傾斜面130上を摺動することが、回転軸線AXに関する第1及び第2本体部11,21の少なくとも一方の回転と、回転軸線AXに関する第1及び第2本体部11,21間の軸方向間隔の変化を生じさせる。ここで述べる変化は、第1本体部11と第2本体部21間の軸方向間隔が大きくなること、若しくは、第1本体部11と第2本体部21間の軸方向間隔が小さくなることを包含する。軸方向間隔が大きくなる過程で、第1本体部11及び第2本体部21のいずれか一方が他方から離れる。軸方向間隔が小さくなる過程で、第1本体部11及び第2本体部21のいずれか一方が他方に接近する。
図12及び
図13に示す場合、静止中の第1本体部11に関して回転軸線AX回りに第2本体部21が時計回りに回転し、静止中の第1本体部11に向けて第2本体部21が接近し、第1本体部11と第2本体部21の上下間隔が小さくなる。静止中の第2本体部21に関して第1本体部11が回転する形態も想定される。第1及び第2本体部11,21の両方が回転する形態も想定される。
【0043】
図示例を含む幾つかの場合、第1本体部11は、上面視正円形状の円板部分である。第1本体部11は、第1棒部33及び第1厚肉部37にその円板部分の外周で結合する。第1本体部11の具体的な形状は様々であろう。例えば、第1本体部11は、三角形状や四角形状であり得る。
【0044】
開口部12は、第1本体部11の正円の中心に関して偏心した位置に設けられる。開口部12は、第2部材52の第2係合部120を受容する底有り又は底無しの開口部である。図示例では、開口部12の底部には穴12mが設けられている。開口部12は、第2係合部120を受け入れる第1開口端を有する。第1開口端は、上面視正円状であるが、第1係合部110に応じて変形した開口形状を呈する。
【0045】
第1係合部110は、開口部12内に設けられる。図示例においては、第1係合部110は、開口部12の深さ方向に延びる開口部12の壁面12kから突出し、より詳細には壁面12kから開口部12に関する径方向内側に突出する。第1係合部110は、第1本体部11の主面に面一の面を有するように設けられる。第1係合部110が、開口部12の壁面12k以外の面、例えば、開口部12の底面から突出する態様も想定される。
【0046】
図5及び
図6から良く分かるように開口部12の開口幅又は開口径は、上下方向又は回転軸線AX沿いに変化する。端的には、開口部12の開口幅又は開口径は、第2係合部120を受け入れる開口部12の第1開口端から離間するに応じて減少する。幅広又は大径の開口部12の第1開口端により開口部12への第2係合部120の挿入が簡単になる。
【0047】
図示例を含む幾つかの場合、第1部材51は、2以上の第1係合部110を有する。図示例の場合、第1部材51は、2つの第1係合部110を有する。2つの第1係合部110は、開口部12内で間隔を開けて対面し、開口部12の壁面12kから径方向内側に反対方向に突出する。2つの第1係合部110の径方向間隔は、開口部12の第1開口端から離間するに応じて減少する。後述の変形例から明らかなように、実施形態によって異なる個数の第1係合部110が採用される。
【0048】
第2本体部21は、第1本体部11上に載置可能な部分である。第2本体部21の上面視形状は、第1本体部11の上面視形状とは異なる。図示例では、正円形状の第1本体部11に対して、第2本体部21の上面視形状は楕円形である。実施形態によっては他の異なる第2本体部21の形状が採用される。
【0049】
第2係合部120は、第2本体部21、より端的にはその下面に凸状に設けられる。第2係合部120は、回転軸線AXに沿って延び、端的には、図示の如く下方に延びる。図示例を含む幾つかの場合、第2部材52は、2以上の第2係合部120を有する。図示例の場合、第2部材52は、2つの第2係合部120を有する。2つの第2係合部120は、回転軸線AX回りに間隔を開けて配され、端的には等間隔で配される。つまり、2つの第2係合部120は、180°間隔で設けられる。なお、後述の変形例から明らかなように、実施形態によって異なる個数の第2係合部120が採用される。
【0050】
図示例を含む幾つかの場合、第2部材52は、1以上の第2係合部120が径方向外側に結合した軸部150を追加的に有する。軸部150は、第2本体部21から回転軸線AX沿いに延びる。軸部150の長尺な中心線が回転軸線AXに一致する。軸部150は、第2係合部120と同様、第1部材51の開口部12に収容される。場合によっては、軸部150の先端部は、第2本体部21に関して第2係合部120の先端部よりも離間した位置にある。第2部材52の軸部150が第1部材51の開口部12内に最初に進入することにより第1部材51と第2部材52の初期のアライメントが確保される。図示例では、軸部150の先端部は、円錐形状を呈し、これにより、更なるアライメント容易化が促進される。
【0051】
図示例を含む幾つかの場合、第2係合部120は、回転軸線AXに関して径方向外側に下る案内傾斜面160を有する。第1係合部110の摺動部140は、案内傾斜面160を介して弧状傾斜面130上に上手く進入することができる。回転軸線AX回りの案内傾斜面160の周方向幅は、第2本体部21から離間するに応じて小さくなる。
【0052】
第2係合部120の弧状傾斜面130は、回転軸線AXに関して螺旋を描くように延びる。回転軸線AXの軸線方向における弧状傾斜面130の位置又は高さは、弧状傾斜面130が回転軸線AX回りに延びるに応じて変化する。具体的には、弧状傾斜面130は、第2本体部21から最も離れた第1端部と、第2本体部21に最も近い又は第2本体部21に接続した第2端部を有する。第1係合部110の摺動部140が弧状傾斜面130の第1端部から第2端部に進行するに応じて摺動部140が第2本体部21に接近する。図示例では、最終的に、摺動部140が第2本体部21に接触し、第1本体部11と第2本体部21が重ね合わされる。開口部12内に軸部150及び/又は第2係合部120が進入する時、第1本体部11と第2本体部21が重ね合わされていない。弧状傾斜面130を急勾配とすることも許容され、第1及び第2本体部11,21の上下からの押圧により瞬間的な所望量の回転が得られる。なお、
図11に模式的に示す第2係合部120が設けられる第2本体部21の主面に関して理解される弧状傾斜面130の勾配θは、10°<θ<80°であり、より好ましくは30°<θ<60°であり得る。第2本体部21の主面は、第1本体部11の開口部12が設けられた主面に対向する。各本体部の主面は平坦面であり、回転軸に直交する平面の一つに属する。
【0053】
図示例を含む幾つかの場合、第1及び第2係合部110,120の一方は、第1及び第2係合部110,120の他方の回転軸線AX回りの周方向移動を阻止する停止面165を有する。図示例では、第2係合部120は、第1係合部110の回転軸線AX回りの周方向移動を阻止する停止面165を有する。停止面165は、第2係合部120が設けられた第2本体部21の面に関してほぼ直交するように延びる。図示例では、一方の第2係合部120の停止面165と他方の第2係合部120の弧状傾斜面130の第2端部の周方向間隔は、第1係合部110を両者の間で受容するのに適する間隔に設定され、図示例では、第1係合部110の周方向幅に略等しい。
【0054】
図示例を含む幾つかの場合、摺動部140は、第1又は第2係合部110,120の縁部145である。図示例では、摺動部140は、第1係合部110の縁部145である。具体的には、摺動部140は、開口部12の径方向沿いに延びる第1係合部110の縁部145である。縁部145は、第1係合部110の上面と、開口部12に関する周方向に交差するように設けられた第1係合部110の側面の間に設けられる。
【0055】
図示例を含む幾つかの場合、第1及び第2本体部21,22の一方には収容部180が設けられ、第1及び第2本体部21,22の他方には収容部180に収容される被収容部185が設けられる。図示例では、第1本体部11に収容部180が設けられ、第2本体部21に被収容部185が設けられる。被収容部185は、摺動部140が弧状傾斜面130上を摺動するに応じて収容部180内に収容されない位置から収容される位置に移動する。
図12及び
図13、
図14及び
図15、及び
図16及び
図17の参照から第1本体部11の収容部180に第2本体部21の被収容部185が収容される過程が表される。第1本体部11と第2本体部21の上下方向の分離が回避又は抑制される。
【0056】
図16及び
図17に示すように、収容部180は、第1本体部11の間で軸方向間隔を定める内面181を有し、被収容部185は、傾斜面186を有する。被収容部185の傾斜面186は、摺動部140が弧状傾斜面130上を摺動するに応じて収容部180の内面181に対面又は接触する。被収容部185は、摺動部140が弧状傾斜面130上を摺動するに応じて被収容部185が収容部180に進入しやすい形状を有し、図示例では、傾斜面186を有する。収容部180と被収容部185の結合が強化される。なお、収容部180が第2本体部21に設けられる場合、収容部180は、第2本体部21との間で軸方向間隔を定める内面を有する。
【0057】
図16及び
図17に示すように、被収容部185は、上面視楕円形状の第2本体部21の外周部の一部、特に、楕円の最大幅を持つ部分である。第2本体部21が回転軸線AX回りに回転するに応じて、被収容部185が収容部180に接近し、最終的に収容部180に収容され、つまり、上述の収容部180の内面181と第1本体部11の主面の間に挟まれる。第2本体部21の上面視形状と厚みの変更により好適に被収容部185が構築される。別例においては、別の態様で被収容部185が構築される。
【0058】
図示例においては、第2係合部120が挿入される開口部12の第1開口端が設けられた第1本体部11の主面に凸状の収容部180が設けられる。凸状の収容部180は、第1ファスナーエレメント71の延長線に交差する態様で設けられる。第1本体部11と第2本体部21の間への異物の進入が効果的に抑制される。
【0059】
図示例を含む幾つかの場合、第1本体部11は、開口部12の外周に位置する、及び/又は開口部12を少なくとも部分的に周囲する外周部13を有する。第2部材52は、摺動部140が弧状傾斜面130上を摺動する時に外周部13の外周に位置する案内突起170を有する。案内突起170は、左右方向において第1ファスナーテープ61から離間する方向に向けて回転軸線AXの方向の厚さが減少する案内斜面170mを有する。案内突起170は、第2係合部120が開口部12内に上手く進入しない時、第1本体部11と第2本体部21が非平行になることを低減する。図示例では、第2本体部21からの案内突起170の高さは、第2本体部21からの軸部150の高さに実質的に等しい。換言すれば、案内突起170の先端部と軸部150の先端部は、回転軸線AXに直交する実質的に同一の平面内に存在しており、スライダー40が第2止め部材32上に保持された状態で、スライダーの下翼板よりも突出する。
【0060】
案内突起170が第1部材51の第1棒部33の上に位置した状態で、第1部材51と第2部材52を互いに接近させたとき、まず、案内突起170と第1棒部33が接触し、案内突起170の案内斜面170m上を案内斜面170mの下り方向に第1棒部33が摺動し、これにより、第1棒部33とスライダー40の下翼板42との干渉を上手く回避又は低減することができる。第1棒部33が案内斜面170mを下る過程又はその後、第2係合部120及び/又は軸部150が、開口部12内に上手く進入できる。
【0061】
案内突起170の案内斜面170m上を第1棒部33が摺動するときの第1棒部33の変位の方向と、摺動部140が弧状傾斜面130を摺動するときの第1棒部33の変位の方向は、反対である。回転軸AXを中心として見て、案内突起170の案内斜面170m上を第1棒部33が摺動するときの第1棒部33の変位は、第1方向の回転である。回転軸AXを中心として見て、摺動部140が弧状傾斜面130を摺動するときの第1棒部33の変位は、第1方向とは反対の第2方向の回転である。第1方向及び第2方向の一方が時計回りであり、他方が反時計回りと記述することもできる。第1棒部33が案内斜面170mを下り終えるに続いて、摺動部140が弧状傾斜面130に接触し、弧状傾斜面130上の摺動を開始する。第2部材52に案内突起170を設ける場合、第2係合部120及び/又は軸部150の高さ分の空間を案内突起170のために割り当てることができる。案内突起170の先端部は、第2棒部34上に位置付けられる。
【0062】
図14及び
図15の比較から分かるように、案内突起170は、第1係合部110の摺動部140が第2係合部120の弧状傾斜面130を下る時、回転軸線AX回り、端的には時計回りに周方向に変位する。
図16及び
図17の比較から分かるように、案内突起170は、第1係合部110の摺動部140が第2係合部120の弧状傾斜面130を下る時、回転軸線AXに沿う軸線方向において開口部12の底側に下降する。
【0063】
図13に示す位置からスライダー40を前進させることにより第1止め部材31の中継エレメント38が第2棒部34に接近するように動かされ、また、第1棒部33が第2棒部34により十分に収容されるように動かされ、続いて、第1ファスナーエレメント71と第2ファスナーエレメント72の結合が開始する。
【0064】
図18乃至
図20に示す時、第1係合部110が第2係合部120の弧状傾斜面130を下り終えている。第1係合部110は、周方向で隣接する第2係合部120の間に配される。第1係合部110は、第2本体部21上に載置又は接触する。第1係合部110は、第2係合部120の停止面165の近傍に配され、又は接触する。第1棒部33が第2棒部34に収容され、また、収容部180に被収容部185が収容され、第1止め部材31と第2止め部材32の上下方向の強固な結合が達成されている。第1止め部材31と第2止め部材32の結合を解除することは、スライダー40が第2棒部34上の位置に戻るまでは実際的には困難であることが理解できる。
【0065】
図21及び
図22に示す変形例では、第1部材51に一つの第1係合部110が設けられ、第2部材52に一つの第2係合部120が設けられる。このような場合においても、上述の実施形態例と同一又は同様の効果が得られる。なお、冒頭で述べたように、以降の変形例に関する記述において、原則として、重複説明は省略する。
【0066】
なお、第1部材51に2以上の第1係合部110が設けられ、第2部材52に2以上の第2係合部120が設けられるほうが、第1部材51と第2部材52間の相対的な回転が安定化される。第1係合部110の個数と第2係合部120の個数が同一の場合、第1部材51と第2部材52間の相対的な回転が安定化される。
【0067】
図23及び
図24に示す変形例では、第1部材51に3つの第1係合部110が設けられ、第2部材52に3つの第2係合部120が設けられる。このような場合においても、上述の実施形態例と同一又は同様の効果が得られる。当業者は、4つ以上の第1及び第2係合部110,120を設ける更なる変形例を容易に想起するだろう。
【0068】
図25乃至
図28に示す変形例では、上述の形態又は例とは異なり、第1部材51の第1係合部110に弧状傾斜面130が設けられる。他方、第2部材52の第2係合部120には弧状傾斜面130上を摺動する摺動部140が設けられる。このような場合においても、上述の実施形態例と同一又は同様の効果が得られる。
【0069】
弧状傾斜面130は、第1本体部11の開口部12の底側に向けて延びる。第2係合部120は、案内傾斜面160が設けられた突起である。回転軸線AXに関する周方向に交差する第2係合部120の縁が摺動部140である。
【0070】
図29乃至
図32に示す変形例では、上述の形態及び例とは異なり、軸部150が省略されている。このような場合においても、軸部150から得られる効果を除いて、上述の実施形態例と同一又は同様の効果が得られる。
【0071】
図33乃至
図42に示す変形例では、上述の形態及び例とは異なり、収容部180及び被収容部185が省略されている。このような場合においても、収容部180及び被収容部185から得られる効果を除いて、上述の実施形態例と同一又は同様の効果が得られる。
【0072】
図34に示すように、第2係合部120及び/又は軸部150が設けられた第2部材52の第2本体部21の主面には1以上の爪88が設けられ、図示例では、複数、端的には2つの爪88が設けられる。爪88は、回転軸線AX回りの周方向に沿って配向される。爪88は、第2本体部21に結合した基部881と、基部881から周方向沿いに延びる頭部882を有する。
【0073】
図36に示すように、開口部12が設けられた第1部材51の主面には爪88を収容する穴89が設けられ、図示例では、複数、端的には2つの穴89が設けられる。穴89は、回転軸線AX回りの周方向に沿って延びる。
図42から分かるように、穴89内には穴89の壁面から周方向沿いに突出する係止突起891が設けられる。
【0074】
第1係合部110の摺動部140が第2係合部120には弧状傾斜面130上に下降するに応じ、穴89内に爪88が進入し、最終的に爪88が穴89内の係止突起891に嵌合する。つまり、爪88の頭部882と爪88が設けられた第2本体部21の主面の間に係止突起891が挟まれる。
【0075】
図38に示すように、第2本体部21の外周部が薄肉化されず、その強度が高められる。
図41に示すように、第1本体部11上に収容部180が設けられず、第1本体部11の薄型化が促進される。
【0076】
上述の教示を踏まえると、当業者をすれば、各実施形態に対して様々な変更を加えることができる。請求の範囲に盛り込まれた符号は、参考のためであり、請求の範囲を限定解釈する目的で参照されるべきものではない。