特許第6719574号(P6719574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6719574神経変性疾患の、予防または治療のための組成物
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  • 特許6719574-神経変性疾患の、予防または治療のための組成物 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6719574
(24)【登録日】2020年6月18日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】神経変性疾患の、予防または治療のための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/01 20060101AFI20200629BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20200629BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20200629BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20200629BHJP
   A61K 38/05 20060101ALI20200629BHJP
   A61K 38/06 20060101ALI20200629BHJP
   A61K 31/202 20060101ALI20200629BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200629BHJP
   A61K 31/047 20060101ALI20200629BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20200629BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20200629BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20200629BHJP
   A23L 33/18 20160101ALI20200629BHJP
   A23L 33/12 20160101ALI20200629BHJP
【FI】
   A61K38/01
   A61P25/28
   A61P25/14
   A61P25/16
   A61K38/05
   A61K38/06
   A61K31/202
   A61P43/00 121
   A61K31/047
   A61P21/00
   A61P25/02
   A23L33/10
   A23L33/18
   A23L33/12
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-544344(P2018-544344)
(86)(22)【出願日】2017年2月21日
(65)【公表番号】特表2019-506424(P2019-506424A)
(43)【公表日】2019年3月7日
(86)【国際出願番号】EP2017053891
(87)【国際公開番号】WO2017144443
(87)【国際公開日】20170831
【審査請求日】2018年10月24日
(31)【優先権主張番号】16156649.2
(32)【優先日】2016年2月22日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510168597
【氏名又は名称】ニュートリシャス ベー.フェー.
【氏名又は名称原語表記】Newtricious B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】ヨンカー,パウル レオポルト
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル マデ,サンネ マリア
(72)【発明者】
【氏名】ステルクマン,ルーカス ヘラルデュス ウィリブロルデュス
【審査官】 平林 由利子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−540110(JP,A)
【文献】 特開2008−001623(JP,A)
【文献】 特開平06−199690(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0329722(US,A1)
【文献】 特表2008−507270(JP,A)
【文献】 Food & Function, 2016.01, Vol.7, No.1, pp.565-573
【文献】 Chemical Communications, 2013, Vol.49, No.58, pp.6507-6509
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00−38/58
A61K 31/00−33/44
A23L 31/00−33/29
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ゼアキサンチンおよびルテインと
b.ジペプチドおよびトリペプチドを含むタンパク質加水分解物と
c.オメガ3脂肪酸と、
d.卵黄と、
を含む、神経変性疾患の、治療、予防または改善における使用のための水性組成物であって、
前記神経変性疾患は、認知症、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症および筋委縮性側索硬化症からなる群から選択され、
前記タンパク質は、リゾチームであり、
前記ゼアキサンチンおよびルテインは、バターミルクまたはバターミルク画分に含まれることを特徴とする水性組成物。
【請求項2】
前記加水分解物は、酵素分解産物であることを特徴とする請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項3】
酵素は、エンドペプチダーゼであることを特徴とする請求項2に記載の使用のための組成物。
【請求項4】
酵素は、セリンプロテアーゼ、サブチラーゼ、サブチリジンおよびアルカラーゼ(Alcalase(商標))からなる酵素の群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の使用のための組成物。
【請求項5】
前記ジペプチドおよびトリペプチドは、前記組成物の総タンパク質含有量の少なくとも10%を占めることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記ジペプチドおよびトリペプチドは、0.5kD未満の分子量を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【請求項7】
前記卵黄と前記バターミルクまたはバターミルク画分とは、1:2〜1:7の重量比、好ましくは1:2〜1:3の重量比で存在することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【請求項8】
前記水性組成物は、脱水されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【請求項9】
前記水性組成物は、食品に含まれることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経変性疾患、特に認知症、たとえば、血管性認知症、およびアルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症および筋委縮性側索硬化症の、予防、改善および治療の分野に属する。本発明は、そのような疾患の、改良された、予防、改善および治療を可能にする新規組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
神経変性疾患は、ヒトの脳内のニューロンに主に影響を与える様々な重複する症状についての用語である。これらの症状は、現在のところ不治であり、ニューロンの構造および/または機能の進行性の欠損、たとえば神経細胞死をもたらす。これらは、ニューロン−ニューロン、ニューロン−グリアおよびグリア−グリアの接触によって形成される脳の統合性の不全をもたらす。ニューロンは、神経系、たとえば脳および脊髄などの構成要素である。ニューロンは、それら自身を再生または置換することはできないので、それらが損傷するか、または死ぬと、それらを体に入れ替えることはできない。神経変性疾患(ND)は、運動の問題(運動失調)、または精神機能の問題(認知症)を生じる。神経変性疾患の例は、筋委縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン病および認知症であり、認知症は、アルツハイマー病(AD)として最も一般的に知られている。認知症は、症例の約60〜70%を代表するアルツハイマー病が最大の負担の原因となる。一般的に、神経変性疾患の発症リスクは、加齢とともに増加する。
【0003】
WHOは、世界中に約3500万人のAD患者がいると推定した。これらの数は、2030年までに2倍になり、2050年までに3倍になると予測されており(1)、これによってADは最も一般的な神経変性疾患になる。また、神経変性疾患、たとえばADの、健康上、クオリティオブライフおよび医療費への影響は、NDの進行を遅らせる予防介入の所見の重要性を示す。AD症例において認知機能低下の予防が可能であれば、我々は、将来の疾患および老後の随伴性二次損傷のリスクを低下させることができる。
【0004】
神経変性疾患の進行は、いくつかの態様を有し、これらはよく知られていない。これらの態様の例は、遺伝子変異、タンパク質ミスフォールディング、タンパク質分解およびミトコンドリア機能不全である。神経変性疾患の理解は、この10年間で顕著に進んだが、十分に確立された治療および予防処置は得られていない。
【0005】
WO2014/187942は、メントール、リナロールおよび/またはイシリンを用いる神経変性疾患の治療または予防を記載している。現在、数種類の薬剤がNDの治療用に市販されている。これらの薬剤は、症状の悪化を遅延するか、または防止することを促進するが、限られた期間でしかない。また、それらは、いくつかの行動的症状の制御を促進することができる。しかしながら、これらの薬剤は、様々な副反応、たとえば、吐気、嘔吐、下痢、筋痙攣、疲労、体重減少、眩暈、食欲不振、便秘および頭痛を引き起こす。このことは、神経変性疾患発症の複数の機序を妨げる治療の必要性を明らかに示している。
【0006】
神経変性疾患の機序および病因を調べることが可能な多くの動物モデルが存在する。これらの動物モデルは、神経変性疾患の治療および予防のための薬剤の有効性を調べるために広く使用されている。最も良く知られたモデルの1つは、穴掘り試験である。穴掘り試験では、脳の損傷または機能不全、ならびに神経変性疾患の進行を評価するためにマウスの行動が観察される。この試験は、機能不全の起こる初期の徴候を検出し、疾患の進行を観察するために特に有用であると考えられている[30]。このモデルは、海馬の損傷、および神経変性疾患の進行への感受性を示した(2)。少なくとも1種類のアルツハイマー病モデルにおいて、特に海馬領域に見出される神経病理学的変化が穴掘り行動の顕著な減少に関連した(3)。
【発明の概要】
【0007】
神経変性疾患のマウスモデルを採用することによって、我々は、キサントフィルと、ジペプチドおよびトリペプチドを含むタンパク質加水分解物とを含む組成物、好ましくは水溶性組成物が、神経変性疾患を治療、予防または改善するために有利に使用することができることを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施例の結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載された結果は、キサントフィルと、ジペプチドおよびトリペプチドを含むタンパク質加水分解物とを含む組成物が、試験動物に投与されると、穴掘り行動に治療効果をもたらすことを示す。
【0010】
本明細書において使用されるように、「キサントフィル」との用語は、1種類以上のキサントフィルを含み、「少なくとも1種類のキサントフィル」と同等である。適切なキサントフィルの例は、ルテインおよびゼアキサンチンである。
【0011】
本明細書に使用されるように、「してもよい(may)」との用語は、「できる(can)」との語を含み、「であってもよい(may be)」との用語は、「である(is or are)」との語を含む。さらに、「してもよい(may)」との用語は、限定されないが、開示内容を実行または実施するための選択枝を説明することを意味する。
【0012】
本明細書に使用されるように、「ジペプチドおよびトリペプチドを含むタンパク質加水分解物」との用語は、タンパク質加水分解物であって、加水分解の結果としてタンパク質に由来する特定量のジペプチドおよびトリペプチドを含む加水分解物を表す。
【0013】
本明細書に使用されるように、「加水分解」との用語は、水分子が物質に加えられる工程を表す。そのような反応は、好ましくは、酵素の存在下で実施される。
【0014】
組成物は、LDLr−/−Leidenマウスの2時間の穴掘り行動を顕著に増加させ、組成物の効果は、相乗効果、つまりキサントフィルと加水分解物との別々の効果の合計以上であることが見出された。
【0015】
キサントフィルは、脳(4)、皮膚(5)、眼(6)、および肝臓(7,8)における炎症の進行に有益な効果を有するとの十分な証拠が存在する。キサントフィルは、そのような治療が必要な対象者に好適に投与されてもよい。
【0016】
好ましい実施形態において、キサントフィルは、卵黄に含まれる。ニワトリがキサントフィルに富んだ飼料を与えられると、卵黄は、増加した量のこれらの天然物質を含み、これらはミセル中に見出される。しかしながら、安全に投与可能なキサントフィルの量は、卵黄に含まれるキサントフィルの量によって、別の見方をすれば対象者に安全に投与可能な卵黄の最大量によって制限される。血流に効果的に送達可能なキサントフィルの量を最大化するために、腸内におけるキサントフィルの吸収を最大化するための方策が開発された。
【0017】
腸内における吸収は、キサントフィル含有卵黄と極性脂質とを混合することによって大幅に向上される(21)。たとえば、乳製品は、好適な極性脂質またはリン脂質の良好な供給源である。
【0018】
卵黄は、水性分散液、たとえば乳分散液として調合されてもよい。キサントフィル、たとえばルテインおよびゼアキサンチンの腸内の吸収は、この調合によって非常に向上される(9,10)。理論に拘束されないが、この向上した吸収は、混合物中に存在するミセルの形成が原因であると考えられる(11)。
【0019】
乳製品、たとえばバターミルクと、ルテインおよびゼアキサンチンを含む卵黄とを含む水性分散液は、加齢黄斑変性の初期徴候を有する個体を治療するために使用され、視力に良好な効果を示した(21)。
【0020】
同様に、ジペプチドおよびトリペプチドを含むタンパク質加水分解物は、疾患を治療するために使用された。サケタンパク質加水分解物は、apoE−/−マウスの大動脈弓において、ICAM−1,VCAM−1およびMCP−1の発現の減少を示した(12)。In vitroの研究は、マクロファージにおけるIL−6,IL−1βおよびTNF−αのレベルを調節するアーモンドタンパク質加水分解物の能力を示した(13)。
【0021】
EP1685764A1は、オボムチン、リゾチームおよびオボトランスフェリンから選択されるタンパク質加水分解物を含む食品の、高血圧症を治療するための使用を記載している。
【0022】
Zucker糖尿病肥満ラットにおいて、1日あたり1〜3gの卵白に由来するリゾチームの加水分解物の投与量は、炎症性マーカに効果を及ぼすことを示した(14)。また、卵白に由来するリゾチームの加水分解物は、腎性インターロイキン(Il)−1b/Il−13mRNA発現、腎性腫瘍壊死因子(TNF−α)、mRNA、およびP22phoxタンパク質発現、ならびに糸球体硬化症を減少させることが示された。また、同組成物は、タンパク尿を減少させ、大動脈内皮依存性弛緩(EDR)を回復した。オーガンバス(organ bath)に添加されたインドメタシンは、直ちに大動脈EDRを向上させた。このことは、ZDFラットにおける弛緩とは反対の、シクロオキシゲナーゼ(COX)由来収縮性プロスタノイドの機能を示している。このインドメタシンの効果は、卵白に由来するリゾチームの加水分解によって減少し、腎性COX−1/2タンパク質発現の減少と一致する。したがって、ジペプチドおよびトリペプチドを含むタンパク質加水分解物は、抗炎症性効果を有することが示された。神経変性疾患への効果は、これまでに示されていない。
【0023】
本発明者らは、キサントフィルと、ジペプチドおよびトリペプチドを含むタンパク質の加水分解物とを含む組成物が、神経変性疾患の治療、改善または予防に有利に使用することができることを新たに見出した。
【0024】
ジペプチドおよびトリペプチドを含む加水分解物は、好ましくは、加水分解酵素を用いてタンパク質を分解することによって得られる。タンパク質は、好ましくは、リゾチーム,オボムチンおよびオボトランスフェリンからなる群から選択される。加水分解酵素は、好ましくはエンドペプチダーゼ、たとえばセリンプロテアーゼである。特に有利な実施形態において、セリンプロテアーゼは、サブチラーゼ、好ましくはサブチリシン、さらに好ましくはアルカラーゼ(Alcalase(商標))である。
【0025】
本発明に係る組成物は、追加の薬理学的に活性な、または栄養学的に有益な化合物、たとえば、オメガ3脂肪酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ウリジン、ビタミンD、葉酸、ビタミンE、キサントフィル、ヨウ素、セレニウムおよび亜鉛からなる群から選択された化合物をさらに含んでもよい。一実施形態において、本発明に係る組成物は、水溶性組成物である。
【0026】
ジペプチドおよびトリペプチドの含有量は、本発明に係る組成物の総タンパク質含有量の5%を超えることが好ましい。好ましい実施形態において、ジペプチドおよびトリペプチドは、組成物の総タンパク質含有量の少なくとも10%を占めてもよい。
【0027】
組成物、たとえば水性組成物中のペプチドの、少なくとも30%、たとえば40%または45%、たとえば、少なくとも50%,60%,70%,75%、80%,85%,90%,95%,または少なくとも98%が、500Da以下の分子量を有することがさらに好ましい。この画分は、ジペプチドおよびトリペプチドを含む。
【0028】
食品中の総タンパク質含有量を測定するために利用可能な多数の方法が存在する。当業者は、これらの方法の利点と欠点とをよく知っており、食品の選択に応じて適切な方法を選択することができる。例として、周知のケルダール法は、基準としてオボアルブミンを用いて使用されてもよい。
【0029】
本発明に係る組成物は、希釈によって得られた、または作製された一日量からの保存溶液として使用する準備ができた溶液であってもよく、流体を加えることによって一日量が得られる乾燥組成物であってもよい。また、組成物は、乾燥物質として使用され、食料品と混合されてもよい。当業者は、前記組成物を必要とする対象者に組成物を投与するこれらの方法、およびその他の方法をよく知っている。
【0030】
また、ジペプチドおよびトリペプチド含有量は、組成物の総タンパク質含有量の割合として表わされてもよい。本発明に係る組成物は、したがって、ジペプチドおよびトリペプチドを含む加水分解物中のペプチドの少なくとも30%が、0.5kD未満の分子量を有するという特徴によっても特徴付けられる。
【0031】
好ましい実施形態において、組成物は、1kgの組成物あたり、少なくとも10グラム、たとえば少なくとも20,40,60,80または100グラムのジペプチドおよびトリペプチドを含む。さらに好ましい実施形態において、組成物は、1kgの組成物あたり、少なくとも、200,400,800または1000グラム以下のジペプチドおよびトリペプチドを含む。
【0032】
組成物のヒトへの好ましい一日量は、5〜250グラム、好ましくは10〜200グラム、たとえば20〜100グラム、たとえば、25グラムまたは50グラムである。当業者は、他の対象、たとえば非ヒト動物にとって好ましい推奨一日量をよく知っている。
【0033】
ある一日量は、好ましくは、少なくとも約500mg、たとえば1000mg、2000mgまたは5000mgのジペプチドおよびトリペプチドを含むべきである(表1)。
【表1】
【0034】
キサントフィルは、水溶液もしくは非水溶液に含まれてもよく、または乾燥形態で含まれてもよい。しかしながら、キサントフィルは、水性分散液中に含まれるのが好ましい。そのような分散液は、「水性組成物」との用語に含まれ、スキムミルク、セミスキムミルク、バターミルク、バターミルク画分、発酵乳、ヨーグルト、豆乳飲料、豆乳、発酵豆乳、果物ジュース、果物ピューレ、シロップ、野菜ジュースおよび野菜ピューレからなる群から選択されてもよい。好ましくは、水溶性分散液は、バターミルクまたはバターミルク画分である。
【0035】
好ましい実施形態において、本発明に係る組成物は、1kgの組成物あたり少なくとも20mg、たとえば、少なくとも40,60,80または100mg/kgの乳製品極性脂質を含む。好ましい実施形態において、組成物は、1kgの組成物あたり少なくとも200mg,たとえば,300,400,500,600,700,800または900mgの乳製品極性脂質を含む。組成物の乳製品極性脂質含有量の上限を定めることは困難であるが、実用目的では、乳製品極性脂質含有量は、1kgの組成物あたり10.000mg以下に保たれてもよい。
【0036】
組成物1kgあたり少なくとも2mgのキサントフィル含有量が好ましく、好ましくは、組成物は、1kgあたり、少なくとも3,4,5,6,8,10,20,30mgまたは少なくとも50mgを含む。好ましいキサントフィルは、ルテインおよびゼアキサンチンである。さらに好ましい実施形態において、組成物は、1kgの組成物あたり少なくとも10mg、たとえば、1kgあたり12,14,16,18mg、または少なくとも20mg、たとえば、25,30,35または少なくとも40mgのルテインを含む。
【0037】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、1kgの組成物あたり、少なくとも1000mg、たとえば、少なくとも2000,3000,4000,5000,6000,7000,8000,9000または10000mgのオメガ3脂肪酸、たとえばDHAを含む組成物に関する。組成物のDHA含有量に最大値は存在しないが、実用目的には、組成物は、1kgの組成物あたり50000mg以上のDHAを含んではならない。
【0038】
オメガ3脂肪酸の好ましい一日量は、約50mg、たとえば100mg、たとえば、150mg,200,400または500mgである。
【0039】
本明細書において使用される「バターミルク」との用語は、乳製品、たとえばホールミルクの発酵において得られる乳製品を表す。「合成バターミルク」と称され得るもの、たとえば、酸性低脂肪乳または無脂肪乳の使用は好ましくないが、多くの場合、乳製品製造業者によってバターミルクとして分類される。発酵工程は、所望の極性脂質でバターミルクを補強するが、該極性脂質は、合成バターミルク製品には低いレベルでしか存在しないか、または全く存在しない。一般的に、1リットルあたり80mgの極性脂質を含む乳製品、たとえばバターミルクは、本発明の組成物の製造における使用に適している。より高い乳製品極性脂質含有量、たとえば1リットルあたり少なくとも100mg、たとえば、120,140,180,220,260,300,340,380または1リットルあたり少なくとも420mgを有する乳製品の使用が好ましい。
【0040】
キサントフィルは、好ましくは、ゼアキサンチン、ルテインおよびメソゼアキサンチンからなる群から選択され、卵黄を含んでもよい。よって、本発明に係る組成物は、卵黄または卵黄のキサントフィル成分を含む卵黄画分を含んでもよい。
【0041】
卵黄と水性分散液とは、1:2〜1:7の重量比、特に好ましくは1:2〜1:3の割合で存在することが特に好ましい。
【0042】
本明細書に記載されたような組成物は、本明細書に記載されたように、水性組成物を脱水することによって取得可能な、濃縮形態、脱水形態または乾燥形態であってもよい。
【0043】
本発明に係る組成物は、食品として、補助食品として、または疾患の治療用の医薬品として有利に使用されてもよい。より具体的には、本発明に係る組成物は、神経変性疾患、たとえば、認知症、たとえば、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症および筋委縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患の、治療、予防または改善に使用されてもよい。
【0044】
[実施例]
実施例1:キサントフィルを含む組成物の作製
キサントフィルを含む組成物は、ルテインおよびゼアキサンチンをニワトリに与え、これらのニワトリが産んだ卵から卵黄を集めることによって得られた卵から作製された。これらの卵は、本明細書においてエンリッチ卵と称される。
【0045】
エンリッチ卵を産ませるための飼料を、動物飼料の法的要件内で製造した。ルテインおよびゼアキサンチンの使用は、EU規則1831/2003に基づいて規制された。飼料中のルテインおよびゼアキサンチンの用量は、動物飼料中の法的許容量の80ppmを超えなかった。
【0046】
ルテインおよびゼアキサンチンを与えられた家禽が産んだエンリッチ卵は、卵黄1kgあたり45〜80mgのルテインと、1kgの卵黄あたり10〜30mgのゼアキサンチンとを含んでいた。
【0047】
動物は、オメガ3脂肪酸に富んだ飼料を与えられ、卵は、10mgの標準偏差で卵黄1kgあたり約200mgのオメガ3脂肪酸を含んでいた。
【0048】
実施例2:キサントフィルを含む水性分散液の作製
キサントフィルおよびDHAに富んだ卵は、実施例1に記載されたように、ISO22000/HACCP認証品質制度に基づいて作製された。卵は、ISO22000:2005認証工場で卵黄および卵白に分離された。165,000個のエンリッチ卵の卵黄が、1リットルあたり80mgの極性脂質を含む5,500リットルのバターミルクと、170kgの砂糖と混合された(15分間、4℃)。この液体は、65℃で3分間低温殺菌され、4℃に冷却された。この組成物は、本明細書において、NWT−02またはNWT−02液体製剤と称される。
【0049】
簡潔には、組成物は、4(±1)%の水分含有量を有する粉末まで乾燥され、フリーフロー剤(SiO2、Sipernat22S)と混合された。
【0050】
実施例3:ジペプチドおよびトリペプチドを含むタンパク質加水分解物の作製
5%(w/v)リゾチーム水溶液(100%タンパク質含有量、Belovo SA社、バストーニュ、ベルギー)が作製され、3M KOHを用いてpH7.5〜8.5に調整された。加水分解は、タンパク質に基づいて4%の最終濃度までアルカラーゼ(商標)(Novozymes社)を添加することによって開始された。溶液は、連続して撹拌して、60℃で合計5〜6時間にわたって培養された。アルカラーゼは、続いて15分間にわたって90℃まで温度を高めることによって不活化された。溶液は、続いて2℃まで冷却され、連続して撹拌しながら一晩保存された。
【0051】
得られた加水分解溶液は、10μmのフィルタを通って、続いて1μmのフィルタを通って濾過された。その後、濾液は、135℃で15秒間にわたって熱処理され、90℃で3300L/hの流速でNIROエバポレータによって57°Brixの乾燥物質(約45%の乾燥物質)まで濃縮された。蒸発後、製品は、目視観察から明らかなように、非常に良好な流れ特性を有する粉末を得るために噴霧乾燥された。
【0052】
最終製品は、白色粉末、良好な溶解性、21%の加水分解度(15)、および10kDa未満の最大分子量の特性を有した。ペプチドサイズ分布は、46% <500Da,23% 500〜1000Da,32% >1000Daであった。この製品は、本明細書においてさらにNWT−03と称される。
【0053】
実施例4:別のタンパク質加水分解物の作製
オボムチン、オボトランスフェリン、オボアルブミンおよびカゼインは、4つの異なる市販のプロテアーゼ混合物(プロテアーゼ混合物、ニューラーゼF(Newlase F)、Promod278P、アルカラーゼおよびウマミザイム(Umamizyme))によって個別に加水分解された。
【0054】
タンパク質は、製造業者の指示書に従って、水に溶かされ、酵素混合物とともに培養された。酵素は、続いて15分間にわたって90℃まで温度を上昇させることによって失活された。この溶液は、続いて2℃まで冷却され、連続して撹拌しながら一晩保存された。
【0055】
加水分解物溶液は、10μmのフィルタを通って、続いて1μmのフィルタを通って濾過された。その後、濾液は、135℃で15秒間にわたって加熱処理され、90℃において3300L/hの流速でNIROエバポレータによって57°Brixの乾燥物質まで濃縮された。蒸発後、製品は、目視観察から明らかなように、非常に良好な流動特性を有する粉末を得るために噴霧乾燥された。
【0056】
最終製品は、白色粉末、良好な溶解性、24%の加水分解度および10kD未満の最大分子量の特性を有した。ペプチドサイズ分布は、98% <500Da、1% 500〜1000Da、1% >1000Daであった。
【0057】
実施例5:マウス飼料用のNWT−02の作製
NWT−02は、24%(w/w)のラード脂肪を含む高脂肪飼料(Research Diet社、D12541、米国)1kgあたり59gのNWT02を含む高脂肪飼料によって混合物としてマウスに与えられた。これは、0.16gのNWT−02/マウス/1日の摂取量になり、7〜9マイクログラム ルテイン/マウス/1日の摂取量に等しい。
【0058】
実施例6:マウス飼料用のNWT−03の作製
NWT−03は、24%(w/w)のラード脂肪を含む高脂肪飼料(Research Diet社、D12541、米国)1kgあたり35.7gのNWT03を含む高脂肪飼料によって混合物としてマウスに与えられた。これは、0.1gのNWT03/マウス/1日の摂取量になる。
【0059】
実施例7:マウス飼料におけるNWT−02およびNWT−03の作製
NWT−02およびNWT−03は、24%(w/w)のラード脂肪を含む高脂肪飼料(Research Diet社、D12541、米国)1kgあたり、59gのNWT02と、35.7gのNWT03とを含む高脂肪飼料によって混合物としてマウスに与えられた。これは、0.16gのNWT−02および0.1gのNWT−03/マウス/1日の摂取量になる。
【0060】
実施例8:In vivo動物実験
この実験は、約12週齢のLDLr−/−Leiden雄マウス48匹を用いて実施された。マウスは、上述のように場合によってNWT−02および/またはNWT−03調製物を加えて、以前に記載され使用された(16)ように24%のラードを含む高脂肪飼料(HFD)を与えられた。全てのマウスは、t=0からt=9週までHFDを与えられた。マウスは、体重と血漿グルコースレベルとに基づいて、t=9週で12匹の4つの群に組み合わせられた。これらの群は、
1)HFDコントロール(n=12)
2)HFD + NWT−02(n=12)
3)HFD + NWT−03(n=12)
4)HFD + NWT−02 + NWT−03(n=12)
【0061】
実施例9:機能性試験
t=9およびt=21週において、マウスは、以下のような穴掘り試験において試験された(Deacon, J Vis Exp. 2012 Jan 5; (59):e2607に従った)。
【0062】
マウスは、ホームケージに穴掘り用チューブを設置することによって、試験の1週間前に手順に慣らされた。2つのベースライン測定(一晩、48時間置いて)の後、穴掘り試験が実施された。マウスは、200gの飼料ペレットを含む穴掘り用チューブとともにケージに置かれた。チューブは、2時間後に計量された。
【0063】
処置の開始(t=9週)と終了(t=21週)との間の穴掘り行動の差異が測定された。高脂肪飼料を与えられたマウス(群1)と、NWT−02と組み合わせた高脂肪飼料を与えられたマウスとは、試験の開始と終了とにおいて実質的に同じ量の材料(それぞれ−2.1グラム、および−2.5グラム)を掘り出した(図1)。
【0064】
NWT−03を含む高脂肪飼料を与えられたマウスは平均12.7グラム穴を掘ったが、NWT−02およびNWT−03を含む高脂肪飼料を与えられたマウスは平均で25.2グラム穴を掘った。
【0065】
NWT−03は、認知に良好な効果を有し、神経変性疾患の治療に使用することができると結論付けられる。この効果は、NWT−02の添加によって相乗的に向上された。
【0066】
実施例10:同等のNWT03調製物の試験
実施例9に記載されたような機能性試験は、実施例4に記載されたような、オボムチン、オボトランスフェリン、オボアルブミンおよびカゼインの酵素消化によって得られた、ジペプチドおよびトリペプチドの代替的供給源を用いて繰り返された。穴掘り行動において観察された相違は、わずかであった。試験された全ての調製物は、タンパク質加水分解物が認知に良好な効果を有すること、したがって神経変性疾患の治療に使用されてもよいことを示した。この効果は、NWT−02の添加によって相乗的に向上された。
【0067】
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図1