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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6719579
(24)【登録日】2020年6月18日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】ムラ現象の補償方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20200629BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20200629BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20200629BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 642A
   G09G3/20 691G
   G09G3/20 670Q
   G09G3/20 642P
   G09G3/20 641P
   G09G3/20 650M
   G02F1/133 505
   H04N5/66 102B
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-547404(P2018-547404)
(86)(22)【出願日】2016年4月8日
(65)【公表番号】特表2019-514041(P2019-514041A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(86)【国際出願番号】CN2016078883
(87)【国際公開番号】WO2017152457
(87)【国際公開日】20170914
【審査請求日】2018年10月19日
(31)【優先権主張番号】201610132929.9
(32)【優先日】2016年3月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516010618
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張 華
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−212422(JP,A)
【文献】 特開2012−060332(JP,A)
【文献】 特開2010−286656(JP,A)
【文献】 特開2009−237088(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0157115(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101470276(CN,A)
【文献】 特表2014−515574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G09G 3/20
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムラ現象の補償方法であって、ステップ1〜ステップ6を含み、
ステップ1では、LCD表示パネル及びカメラを提供し、LCD表示パネルの中心点の直上方に前記カメラで一定のグレイスケール画面を表示するLCD表示パネルを撮像し、収集された画像を用いて前記LCD表示パネルの輝度データを取得し、
ステップ2では、LCD表示パネルの中心点を座標原点として直交座標系を確立し、前記LCD表示パネルの長さ及び幅方向をそれぞれX軸及びY軸とし、前記LCD表示パネルに垂直な方向をZ軸とし、直交座標系を組み合わせて輝度補正係数式を取得し、
ステップ3では、この輝度補正係数式をLCD表示パネル上の各位置の直交座標系における座標値と組み合わせて用いて、LCD表示パネル上の各位置の輝度補正係数を計算し、
ステップ4では、計算された輝度補正係数に基づいて、輝度データを補正して、補正された輝度データを取得し、
ステップ5では、補正された輝度データに基づいてムラ補償データを取得し、
ステップ6では、ステップ5で取得されたムラ補償データを用いて、前記LCD表示パネルに対してムラ補償を行い、
前記ステップ2で取得された輝度補正係数式は、

であり、
Zは輝度補正係数であり、xは直交座標系における前記LCD表示パネル上のある位置のX軸座標値であり、yは直交座標系における前記LCD表示パネル上のある位置のY軸座標値であり、bは、前記カメラの撮像時に前記LCD表示パネルに表示される画面のグレイスケールに関連する係数であり、
前記直交座標系において、X軸とY軸の両方は、前記LCD表示パネルの長さの半分を1単位とし、xの値の範囲は[−1、1]であり、yの値の範囲は[−a、a]であり、aはLCD表示パネルの幅と長さとの比であり、bの値の範囲は

であり、
前記ステップ4では、輝度データを補正するために使用される式は、C1=C2×Zであり、C2は、ステップ1で収集されたLCD表示パネル上の特定位置の輝度値であり、Zは、この特定位置の輝度補正係数であり、C1は補正された特定位置の輝度値である、ことを特徴とするムラ現象の補償方法。
【請求項2】
前記ステップ1では、前記カメラは前記LCD表示パネルを3回撮像し、3回の撮像時に、前記LCD表示パネルの表示画面のグレイスケールは異なり、それぞれ第1、第2及び第3グレイスケールであり、それにより、取得された輝度データは3部であり、それぞれ第1、第2及び第3輝度データであり、前記第1、第2及び第3グレイスケールの表示画面にそれぞれ対応する、ことを特徴とする請求項に記載のムラ現象の補償方法。
【請求項3】
前記ステップ2〜ステップ5では、第1、第2及び第3輝度データをそれぞれ補正して、第1、第2及び第3の補正された輝度データをそれぞれ取得し、且つ第1、第2及び第3ムラ補償データをそれぞれ取得し、第1、第2及び第3輝度データをそれぞれ補正するために別々に行われる3回の計算において、式中のbの値は正数及び負数を含む、ことを特徴とする請求項に記載のムラ現象の補償方法。
【請求項4】
前記ステップ6では、第1、第2、第3ムラ補償データを用いて、前記LCD表示パネルに対して第1、第2、第3グレイスケールでのムラ補償を行う、ことを特徴とする請求項に記載のムラ現象の補償方法。
【請求項5】
前記ステップ5では、ムラ補償データを計算するための式は、M=(C1−d)/eであり、
Mは、その特定位置のムラ補償データであり、dは、前記LCD表示パネルの正常な輝度であり、eは、LCD表示パネルの輝度とグレイスケールとの間の換算係数である、ことを特徴とする請求項に記載のムラ現象の補償方法。
【請求項6】
前記LCD表示パネルの正常な輝度は、ステップ1で収集されたLCD表示パネルの中心点の輝度である、ことを特徴とする請求項に記載のムラ現象の補償方法。
【請求項7】
前記ステップ1では、前記カメラは前記LCD表示パネルを3回以上撮像し、毎回の撮像時に、前記LCD表示パネルの表示画面のグレイスケールは異なり、それにより、取得された輝度データは3部以上となる、ことを特徴とする請求項1に記載のムラ現象の補償方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術の分野に関し、特にムラ現象の補償方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)は、より軽く、より薄く、より大きくなる方向に向かって発展するとともに、実際の製造プロセスでは制御できない要因があるため、LCD表示パネルの各箇所での物理的特性が異なることにより、1つの画素点より大きな範囲内において、業界でムラ現象と称されている純粋なグレイスケール画面を表示するときに輝度が不均一になる現象が生じる。
【0003】
ムラ現象は、LCDの開発を制限するボトルネックになっている。プロセスのレベルを上げたり、原材料の純度を向上させたりすることで、ムラ現象の発生確率を低減させることができる。完成したLCD表示パネルは、その物理的特性が既に確定されている。LCDの製造プロセス中の欠点に起因するムラ現象を補うために、グレイスケール補償法で画素点の輝度を補正してムラ現象を改善することができる。
【0004】
グレイスケール補償は、画素のグレイスケール値を変更することによって輝度の均一性を改善することである。即ち、カメラでグレイスケール画面のムラ状況を撮像した後、グレイスケール画面中の正常領域とムラ領域を決定し、最終的に、正常領域のグレイスケール値に基づいてムラ領域のグレイスケール値を逆補償しており、純粋なグレイスケール画面を表示する場合、表示輝度が高い画素に対して低いグレイスケール値を適用し、表示輝度が低い画素に対して高いグレイスケール値を適用することによって、グレイスケールを補償した後の各画素の輝度がほぼ均一になり、ムラ現象が改善される。
【0005】
図1〜2に示されるように、カメラがLCD表示パネル(panel)の中心位置に正対して撮像するため、カメラはパネルの周辺領域と視野角を形成する。パネルは、液晶分子が光の透過を偏向させる原理により製造されるので、異なる視野角でパネルの周辺領域の輝度が異なる。低グレイスケールでは、側面視角度での輝度は、正面視角度での輝度より高い。それにより、カメラの撮像時に得られるパネルの周辺輝度は、正面視角度での輝度より高い。この場合、ムラ補償アルゴリズムによってムラ補償を行った後、図3に示されるように、パネルの周辺領域の正面視角度での輝度が低くなる。高グレイスケールでは、図4に示されるように、状況は逆である。それにより、LCD表示パネルの製品の質に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、カメラの撮像視野角によるムラ補償効果への不良影響を修正し、LCD表示パネルの製品の質を向上させるムラ現象の補償方法を提供することである。
【0007】
前述の目的を実現するために、本発明が提供するムラ現象の補償方法は、ステップ1〜ステップ6を含む。
ステップ1では、LCD表示パネル及びカメラを提供し、LCD表示パネルの中心点の直上方に前記カメラで一定のグレイスケール画面を表示するLCD表示パネルを撮像し、収集された画像を用いて前記LCD表示パネルの輝度データを取得する。
ステップ2では、LCD表示パネルの中心点を座標原点として直交座標系を確立し、前記LCD表示パネルの長さ及び幅方向をそれぞれX軸及びY軸とし、前記LCD表示パネルに垂直な方向をZ軸とし、直交座標系を組み合わせて輝度補正係数式を取得する。
ステップ3では、この輝度補正係数式をLCD表示パネル上の各位置の直交座標系における座標値と組み合わせて用いて、LCD表示パネル上の各位置の輝度補正係数を計算する。
ステップ4では、計算された輝度補正係数に基づいて、輝度データを補正して、補正された輝度データを取得する。
ステップ5では、補正された輝度データに基づいてムラ補償データを取得する。
ステップ6では、ステップ5で取得されたムラ補償データを用いて、前記LCD表示パネルに対してムラ補償を行う。
前記ステップ2で取得された輝度補正係数式は、(1)である。
ここで、Zは輝度補正係数であり、xは直交座標系における前記LCD表示パネル上のある位置のX軸座標値であり、yは直交座標系における前記LCD表示パネル上のある位置のY軸座標値であり、bは、前記カメラの撮像時に前記LCD表示パネルに表示される画面のグレイスケールに関連する係数である。
前記直交座標系において、X軸とY軸の両方は、前記LCD表示パネルの長さの半分を1単位とし、xの値の範囲は[−1、1]であり、yの値の範囲は[−a、a]であり、aはLCD表示パネルの幅と長さとの比であり、bの値の範囲は
である。
【0008】
前記ステップ4では、輝度データを補正するために使用される式は、C1=C2×Zである。C2は、ステップ1で収集されたLCD表示パネル上の特定位置の輝度値であり、Zは、この特定位置の輝度補正係数であり、C1は補正された特定位置の輝度値である。
【0009】
前記ステップ1では、前記カメラは前記LCD表示パネルを3回撮像し、3回の撮像時に、前記LCD表示パネルの表示画面のグレイスケールは異なり、それぞれ第1、第2及び第3グレイスケールであり、それにより、取得された輝度データは3部であり、それぞれ第1、第2及び第3輝度データであり、前記第1、第2及び第3グレイスケールの表示画面にそれぞれ対応する。
【0010】
前記ステップ2〜ステップ5では、第1、第2及び第3輝度データをそれぞれ補正して、第1、第2及び第3の補正された輝度データをそれぞれ取得し、且つ第1、第2及び第3ムラ補償データをそれぞれ取得し、第1、第2及び第3輝度データをそれぞれ補正するために別々に行われる3回の計算において、式(1)中のbの値は正数及び負数を含む。
【0011】
前記ステップ6では、第1、第2、第3ムラ補償データを用いて、前記LCD表示パネルに対して第1、第2、第3グレイスケールでのムラ補償を行う。
【0012】
前記ステップ1では、前記カメラは前記LCD表示パネルを3回以上撮像し、毎回の撮像時に、前記LCD表示パネルの表示画面のグレイスケールは異なり、それにより、取得された輝度データは3部以上となる。
【0013】
前記ステップ5では、ムラ補償データを計算するための式は、M=(C1−d)/eである。
【0014】
Mは、その特定位置のムラ補償データであり、dは、前記LCD表示パネルの正常な輝度であり、eは、LCD表示パネルの輝度とグレイスケールとの間の換算係数である。
【0015】
前記LCD表示パネルの正常な輝度は、ステップ1で収集されたLCD表示パネルの中心点の輝度である。
【0016】
本発明は、以下のステップ1〜ステップ6を含むムラ現象の補償方法を更に提供する。
ステップ1では、LCD表示パネル及びカメラを提供し、LCD表示パネルの中心点の直上方に前記カメラで一定のグレイスケール画面を表示するLCD表示パネルを撮像し、収集された画像を用いて前記LCD表示パネルの輝度データを取得する。
ステップ2では、LCD表示パネルの中心点を座標原点として直交座標系を確立し、前記LCD表示パネルの長さ及び幅方向をそれぞれX軸及びY軸とし、前記LCD表示パネルに垂直な方向をZ軸とし、直交座標系を組み合わせて輝度補正係数式を取得する。
ステップ3では、この輝度補正係数式をLCD表示パネル上の各位置の直交座標系における座標値と組み合わせて用いて、LCD表示パネル上の各位置の輝度補正係数を計算する。
ステップ4では、計算された輝度補正係数に基づいて、輝度データを補正して、補正された輝度データを取得する。
ステップ5では、補正された輝度データに基づいてムラ補償データを取得する。
ステップ6では、ステップ5で取得されたムラ補償データを用いて、前記LCD表示パネルに対してムラ補償を行う。
前記ステップ2で取得された輝度補正係数式は、
であり、
Zは輝度補正係数であり、xは直交座標系における前記LCD表示パネル上のある位置のX軸座標値であり、yは直交座標系における前記LCD表示パネル上のある位置のY軸座標値であり、bは、前記カメラの撮像時に前記LCD表示パネルに表示される画面のグレイスケールに関連する係数である。
前記直交座標系において、X軸とY軸の両方は、前記LCD表示パネルの長さの半分を1単位とし、xの値の範囲は[−1、1]であり、yの値の範囲は[−a、a]であり、aはLCD表示パネルの幅と長さとの比であり、bの値の範囲は
である。
前記ステップ4では、輝度データを補正するために使用される式は、C1=C2×Zである。C2は、ステップ1で収集されたLCD表示パネル上の特定位置の輝度値であり、Zは、この特定位置の輝度補正係数であり、C1は補正された特定位置の輝度値である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。本発明は、ムラ現象の補償方法を提供し、輝度補正係数式を用いてLCD表示パネル上の各位置の輝度補正係数を計算することにより、計算された輝度補正係数に基づいて、カメラで撮像されたLCD表示パネルの異なるグレイスケールでの輝度データを補正して、補正された輝度データを取得し、そして補正された輝度データに基づいてムラ補償データを取得し、最後に、ムラ補償データを用いて前記LCD表示パネルに対してムラ補償を行う。それにより、カメラの撮像視野角によるムラ補償効果への不良影響が修正され、LCD表示パネルの製品の質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を詳細に説明することによって、本発明の技術案及び他の有益な効果が明らかになる。
図面において、
図1】カメラが異なる位置でLCD表示パネルを撮像する模式図である。
図2】異なる視野角でのLCD表示パネルの輝度とグレイスケールとの関係を示す模式図である。
図3】従来技術のLCD表示パネルの低グレイスケールでカメラによって撮像された輝度、及びムラ補償前後の輝度の比較図である。
図4】従来技術のLCD表示パネルの高グレイスケールでカメラによって撮像された輝度、及びムラ補償前後の輝度の比較図である。
図5】本発明のムラ現象の補償方法のフローチャートである。
図6】本発明のムラ現象の補償方法のステップ2で得られた輝度補正係数式の曲線を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の技術的手段及び効果をより明確にするために、以下の詳細な説明は、本発明の好ましい実施形態及び添付の図面に関連してなされる。
【0020】
図5を参照すると、本発明が提供するムラ現象の補償方法は、ステップ1〜ステップ6を含む。
ステップ1では、LCD表示パネル及びカメラを提供し、LCD表示パネルの中心点の直上方に前記カメラで一定のグレイスケール画面を表示するLCD表示パネルを撮像し、収集された画像を用いて前記LCD表示パネルの輝度データを取得する。
【0021】
具体的には、この時に収集されるLCD表示パネルの輝度データは、LCD表示パネル上の各位置に対するカメラの撮像視野角の違いにより、LCD表示パネルの実際の表示輝度と比較して偏差がある。また、異なる表示グレイスケールについては、LCD表示パネル上の同じ位置での偏差も異なる。通常、グレイスケールが低い画素によって収集されるLCD表示パネルの輝度データは、LCD表示パネルの実際の表示輝度より大きい。グレイスケールが増加し続けて、一定の臨界値に達すると、収集されるLCD表示パネルの輝度データは、LCD表示パネルの実際の表示輝度より小さくなる。
【0022】
図6を参照すると、ステップ2では、LCD表示パネルの中心点を座標原点として直交座標系を確立し、前記LCD表示パネルの長さ及び幅方向をそれぞれX軸及びY軸とし、前記LCD表示パネルに垂直な方向をZ軸とし、直交座標系を組み合わせて輝度補正係数式を取得する。
【0023】
具体的には、前記ステップ2で取得された輝度補正係数式は、(1)である。
ここで、Zは輝度補正係数であり、xは直交座標系における前記LCD表示パネル上のある位置のX軸座標値であり、yは直交座標系における前記LCD表示パネル上のある位置のY軸座標値であり、bは、前記カメラの撮像時に前記LCD表示パネルに表示される画面のグレイスケールに関連する係数である。
前記直交座標系において、X軸とY軸の両方は、前記LCD表示パネルの長さの半分を1単位とし、xの値の範囲は[−1、1]であり、yの値の範囲は[−a、a]であり、aはLCD表示パネルの幅と長さとの比であり、bの値の範囲は
である。
【0024】
ステップ3では、この輝度補正係数式を用いて、LCD表示パネル上の各位置の輝度補正係数を計算する。
【0025】
ステップ4では、計算された輝度補正係数に基づいて、輝度データを補正して、補正された輝度データを取得する。
【0026】
具体的には、前記ステップ4では、輝度データを補正するために使用される式は、C1=C2×Zである。C2は、ステップ1で収集されたLCD表示パネル上の特定位置の輝度値であり、Zは、この特定位置の輝度補正係数であり、C1は補正された特定位置の輝度値である。
【0027】
ステップ5では、補正された輝度データに基づいてムラ補償データを取得する。
【0028】
具体的には、前記ステップ5では、ムラ補償データを計算するための式は、M=(C1−d)/eである。
Mは、その特定位置のムラ補償データであり、dは、前記LCD表示パネルの正常な輝度であり、eは、LCD表示パネルの輝度とグレイスケールとの間の換算係数である。
【0029】
前記LCD表示パネルの正常な輝度は、ステップ1で収集されたLCD表示パネルの中心点の輝度である。
【0030】
具体的には、計算プロセスにおいて、LCD表示パネルの各グレイスケールでの視野角特性に基づいて、適切な係数bを選択することができる。例えば、LCD表示パネルに表示される画面のグレイスケールが低く、この低グレイスケールで、LCD表示パネルの側面視野角での輝度は正面視野角での輝度より高い(即ち、側面視野角で収集されたLCD表示パネルの輝度データは、LCD表示パネルの実際の表示輝度より大きい)。この場合、図6に示されるように、係数bの値の範囲は
であり、bが0以上であるため、式(1)により得られる輝度補正係数Zはいずれも1未満である。例えば、bを0.2として選択した場合、輝度係数補償式でbを0.2とすると、得られたLCD表示パネルの左右両端点(x=±1、y=0)の補償係数は0.8となる。そして、収集されたLCD表示パネルの左右両端点の輝度C2の値cに補償係数0.8を乗じると、LCD表示パネルの左右両端点の補正後の輝度C1の値は0.8cとなる。次に、前記LCD表示パネルの輝度とグレイスケールとの間の換算係数eと前記LCD表示パネルの正常輝度dとを組み合わせて、得られたLCD表示パネルの左右両端点のムラ補償値は(0.8*c−d)/eとなる。このムラ補償値は、補正後の輝度C1に基づいて得られたものであるため、補正後の輝度の値0.8cは、補正前の輝度の値cより0.2c減少する。それにより、従来のムラ補償データアルゴリズムは、周辺領域のグレイスケール値が過度に低くなり、LCD表示パネルの周辺領域のグレイスケールが低いという問題を解決する。
【0031】
同様に、LCD表示パネルに表示される画面のグレイスケールが高く、この高グレイスケールで、LCD表示パネルの側面視野角での輝度は正面視野角での輝度より低い(即ち、側面視野角で収集されたLCD表示パネルの輝度データは、LCD表示パネルの実際の表示輝度より小さい)場合、上記輝度係数式(1)も適用可能である。このとき、係数bの値の範囲は
であり、得られた輝度補償係数は1より大きい。それにより、従来のムラ補償データアルゴリズムは周辺領域のグレイスケール値を過度に増加させて、LCD表示パネルの周辺領域の輝度が高いという問題を解決する。
【0032】
ステップ6では、ステップ5で取得されたムラ補償データを用いて、前記LCD表示パネルに対してムラ補償を行う。
【0033】
具体的には、前記ステップ1では、前記カメラは前記LCD表示パネルを3回撮像することができ、3回の撮像時に、前記LCD表示パネルの表示画面のグレイスケールは異なり、それぞれ第1、第2及び第3グレイスケールであり、それにより、取得された輝度データは3部であり、それぞれ第1、第2及び第3輝度データであり、前記第1、第2及び第3グレイスケールの表示画面にそれぞれ対応する。前記ステップ2〜ステップ5では、第1、第2及び第3輝度データをそれぞれ補正して、第1、第2及び第3の補正された輝度データをそれぞれ取得し、且つ第1、第2及び第3ムラ補償データをそれぞれ取得する。前記ステップ3では、第1、第2及び第3ムラ補償データを用いて、前記LCD表示パネルに対して第1、第2及び第3グレイスケールでのムラ補償を行う。第1、第2及び第3グレイスケールの選択については、第1、第2及び第3輝度データをそれぞれ補正するために別々に行われる3回の計算において、式(1)中のbの値は正数及び負数を含むことが好ましい。即ち、第1、第2及び第3グレイスケールには、高グレイスケール及び低グレイスケールが含まれる。
【0034】
具体的には、前記ステップ1では、前記カメラは前記LCD表示パネルを3回以上撮像することもでき、毎回の撮像時に、前記LCD表示パネルの表示画面のグレイスケールは異なり、それにより、取得された輝度データは3部以上となる。
【0035】
以上により、本発明のムラ現象の補償方法は、輝度補正係数式を用いてLCD表示パネル上の各位置の輝度補正係数を計算することにより、計算された輝度補正係数に基づいて、カメラで撮像されたLCD表示パネルの異なるグレイスケールでの輝度データを補正して、補正された輝度データを取得し、そして補正された輝度データに基づいてムラ補償データを取得し、最後に、ムラ補償データを用いて前記LCD表示パネルに対してムラ補償を行う。それにより、カメラの撮像視野角によるムラ補償効果への影響が修正され、LCD表示パネルの製品の質が向上する。
【0036】
当業者であれば、本発明の技術的解決手段及び技術的思想を基づいて、他の様々な対応する変更や変形を行うことができるが、そのような全ての変更や変形は、本発明の保護範囲内に属するべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6