特許第6719892号(P6719892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6719892
(24)【登録日】2020年6月19日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20200629BHJP
   G06T 11/60 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   G06F21/62 309
   G06T11/60 100A
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-235360(P2015-235360)
(22)【出願日】2015年12月2日
(65)【公開番号】特開2017-102699(P2017-102699A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2018年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】596119179
【氏名又は名称】株式会社コア
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】大内 幸史
(72)【発明者】
【氏名】古郡 誠士
【審査官】 宮司 卓佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−133664(JP,A)
【文献】 特開2007−280181(JP,A)
【文献】 特開2013−114475(JP,A)
【文献】 特開2004−213072(JP,A)
【文献】 特開2004−94542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
G06T 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって操作される入力端末と電気通信回線を通じて通信可能な情報処理装置であって、
書面データを記憶する記憶部と、
前記書面データに対応付けた複数の項目を有するフォーマットからなる所定のレイアウト画像を前記入力端末の表示画面に表示させる表示制御部と、
前記複数の項目毎にアクセスできるアクセス権限の属性情報を前記ユーザに応じて設定すると共に、時系列に応じてアクセス権限の設定を変える設定部と、
前記入力端末の表示画面に前記レイアウト画像を表示させるに際し、前記ユーザに応じて設定したアクセス権限の属性情報に基づいて、前記複数の項目に対する表示及び前記複数の項目に対する入力の少なくともいずれか一方を制御すると共に、前記時系列に応じてレイアウト画像を閲覧することができるユーザを変更するユーザ制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記ユーザに対するアクセス権限の属性情報としてグループ分けしたユーザレベルである職責情報をテーブル方式で記憶し、
前記ユーザ制御部は、
前記ユーザに対するアクセス権限の属性情報としてのユーザレベルに応じて前記複数の項目に対する表示及び前記複数の項目に対する入力の少なくともいずれか一方を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記ユーザに対するアクセス権限の属性情報としてグループ分けしたユーザが所属する組織情報をテーブル方式で記憶し、
前記ユーザ制御部は、
前記ユーザに対するアクセス権限の属性情報としての所属組織に応じて前記複数の項目に対する表示及び前記複数の項目に対する入力の少なくともいずれか一方を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定部は、
前記ユーザに対するアクセス権限の属性情報を所定のグループ単位で一括して設定する、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザによって操作される入力端末と電気通信回線を通じて通信可能な情報処理装置のコンピュータに、
書面データを記憶する記憶機能と、
前記書面データに対応付けた複数の項目を有するフォーマットからなる所定のレイアウト画像を前記入力端末の表示画面に表示させる表示制御機能と、
前記複数の項目毎にアクセスできるアクセス権限の属性情報を前記ユーザに応じて設定すると共に、時系列に応じてアクセス権限の設定を変える設定機能と、
前記入力端末の表示画面に前記レイアウト画像を表示させるに際し、前記ユーザに応じて設定したアクセス権限の属性情報に基づいて、前記複数の項目に対する表示及び前記複数の項目に対する入力の少なくともいずれか一方を制御すると共に、前記時系列に応じてレイアウト画像を閲覧することができるユーザを変更するユーザ制御機能と、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関し、特に、ユーザによって操作される入力端末と電気通信回線を通じて通信可能な情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザによって操作される入力端末と電気通信回線を通じて通信可能な情報処理装置には、ユーザによって操作された入力端末からの要求に応じて書面データに基づく複数の項目を有するフォーマットからなる所定のレイアウト画像を表示画面に表示可能とした情報処理装置が知られている。
【0003】
また、このような情報処理装置には、例えば、異なるデータベース上の書面データを共有可能としたものが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。この際、書面データには、1つのファイルとして、開けるか否かや文字入力等の編集できるか否かのアクセス権限を付与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−175070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような情報処理装置では、ユーザに応じて共有する書面データのアクセス権限を1つのファイルとして設定することはできるものの、書面データに基づく複数の項目に対してアクセス権限を設定するものではなかった。
【0006】
例えば、ユーザとしての「申請者」は、ワークフローにおいて書面データに基づいて見積書用の複数の項目を有するフォーマットをレイアウト画像として入力端末の表示画面に表示させる。これにより「申請者」は、フォーマット中の所定項目に文字入力等の編集を行って見積書を作成する。さらに「申請者」は、作成後の見積書に基づく新たな書面データをワークフローに戻す。
【0007】
一方、作成後の見積書は、ワークフローにおいて他のユーザとしての部長等の「一次承認者」による承認又は拒否、或は、社長等の「二次承認者」による承認又は拒否がなされる。このような複数の他のユーザの承認手続きが必要な場合、「申請者」「一次承認者」「二次承認者」は、職責という立場の異なる状況下にある。この際、「申請者」が作成した見積書に対して、「一次承認者」が承認・拒否の結果と理由とを見積書の所定項目欄に追記した場合、「申請者」には結果のみの閲覧を可能とし、「二次承認者」には結果と理由とを閲覧可能としたい、という状況が想定される。
【0008】
しかしながら、書面データを1つのファイルとしてアクセス権限の設定をしたのでは、ユーザと他のユーザとが共通の書面データを利用することはできるものの、ユーザと他のユーザとで表示可能な項目や入力可能な項目を別々に設定することはできないという問題が生じていた。これにより、「一次承認者」や「二次承認者」の入力操作によっては、「申請者」の予期していない入力操作がなされてしまい、内容の削除・改変がなされてしまう可能性を有していた。
【0009】
本発明は、上述のような課題を解決するために、ユーザに応じてアクセス権限の属性情報を設定することにより、項目単位でレイアウト画像を制御することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の情報処理装置は、ユーザによって操作される入力端末と電気通信回線を通じて通信可能な情報処理装置であって、書面データを記憶する記憶部と、書面データに対応付けた複数の項目を有するフォーマットからなる所定のレイアウト画像を入力端末の表示画面に表示させる表示制御部と、複数の項目毎にアクセスできるアクセス権限の属性情報をユーザに応じて設定する設定部と、入力端末の表示画面にレイアウト画像を表示させるに際し、ユーザに応じて設定したアクセス権限の属性情報に基づいて、複数の項目に対する表示及び複数の項目に対する入力の少なくともいずれか一方を制御するユーザ制御部と、を備えるものである。
【0011】
記憶部は、ユーザに対するアクセス権限の属性情報としてグループ分けしたユーザレベルである職責情報をテーブル方式で記憶し、ユーザ制御部は、ユーザに対するアクセス権限の属性情報としてのユーザレベルに応じて複数の項目に対する表示及び複数の項目に対する入力の少なくともいずれか一方を制御する、ものである。
【0012】
記憶部は、ユーザに対するアクセス権限の属性情報としてグループ分けしたユーザが所属する組織情報をテーブル方式で記憶し、ユーザ制御部は、ユーザに対するアクセス権限の属性情報としての所属組織に応じて複数の項目に対する表示及び複数の項目に対する入力の少なくともいずれか一方を制御する、ものである。
【0013】
設定部は、ユーザに対するアクセス権限の属性情報を所定のグループ単位で一括して設定する、ものである。
【0014】
また、本発明の情報処理プログラムは、ユーザによって操作される入力端末と電気通信回線を通じて通信可能な情報処理装置のコンピュータに、書面データを記憶する記憶機能と、書面データに対応付けた複数の項目を有するフォーマットからなる所定のレイアウト画像を入力端末の表示画面に表示させる表示制御機能と、複数の項目毎にアクセスできるアクセス権限の属性情報をユーザに応じて設定する設定機能と、入力端末の表示画面にレイアウト画像を表示させるに際し、ユーザに応じて設定したアクセス権限の属性情報に基づいて、複数の項目に対する表示及び複数の項目に対する入力の少なくともいずれか一方を制御するユーザ制御機能と、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の情報処理装置及び情報処理プログラムは、ユーザに応じてアクセス権限の属性情報を設定することにより、項目単位でレイアウト画像を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を適用した情報処理システムの説明図である。
図2】本発明の一実施形態に係る一般ユーザ用レイアウト画像における表示例の説明図である。
図3】本発明の一実施形態に係る特定ユーザ用レイアウト画像における表示例の説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の記憶媒体に記憶するデータの記憶例の説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における書面データに対するアクセス権限の属性情報を設定する画面の切り替え手順の説明図である。
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における帳票フィールド情報入力画面の一例の説明図である。
図7】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における帳票定義一覧画面の説明図である。
図8】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における帳票フィールド情報設定画面の説明図である。
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における確認ダイアログ表示画面の説明図である。
図10】本発明の一実施形態に係る情報処理装置におけるアクセス権限の属性情報の関連性をモデル化した説明図である。
図11】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における帳票定義テーブルの一覧を示す図表である。
図12】本発明の一実施形態に係る情報処理装置におけるマスタ公開部門管理テーブルの一覧を示す図表である。
図13】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における構成・公開部門−部門階層テーブルの一覧を示す図表である。
図14】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における構成・公開職責−職責マスタテーブルの一覧を示す図表である。
図15】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における職責マスタテーブルの一覧を示す図表である。
図16】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における部門階層マスタテーブルの一覧を示す図表である。
図17】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における帳票定義テーブルの親レコードIDの一覧を示す図表である。
図18】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における書面データとしての交通費用請求報告書に対するアクセス権限の属性情報に関する制御フラグ例の一連を示す図表である。
図19】本発明の一実施形態に係る情報処理装置(のCPU)による項目ごとの表示及び入力に関する制御ルーチンの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の一実施形態に係る情報処理装置について、書面データをワークフロー上で共有する場合に適用し、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の情報処理装置における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組み合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0018】
図1において、情報処理装置1は、ユーザによって操作される入力端末2と電気通信回線NTを通じて通信可能となっている。情報処理装置1は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータであり、内部にハードディスクや各種メモリ等の記憶媒体と、この記憶媒体にインストールした本実施の形態に係るワークフロー用の情報処理プログラムを実行するCPUと、を実装している。なお、記憶媒体は特許請求の範囲の記憶部に対応する。情報処理装置1は、本実施の形態に係るワークフロー用の管理サーバとしての専用機でもよいし、他のプログラムを実行する兼用機でもよい。なお、図1において、情報処理装置1は、パーソナルコンピュータ本体のみを図示しているが、モニタやキーボード・マウス等の周辺機器を接続し、本実施の形態に係るワークフローを操作することも可能である。
【0019】
電気通信回線NTは、社内専用のイントラネット回線の他、インターネット回線としてもよいし、各回線を併用してもよい。
【0020】
入力端末2は、汎用のノート型やデスクトップ型のパーソナルコンピュータの他、タブレット端末やスマートフォン等、本実施の形態に係るワークフロー用のプログラムに対応したアプリケーションをインストールした操作端末であれば、特に限定されない。ユーザは、入力端末2を用いて電気通信回線NTを通じて情報処理装置1にアクセスする際、ワークフローを立ち上げて、図示を略す初期画面表示により予め設定したユーザ名やパスワード等を入力する。これにより、情報処理装置1は、入力端末2を操作するユーザを認証する。
【0021】
図2又は図3に示すように、情報処理装置1は、認証後のユーザによる入力端末2の所定の操作により、表示画面2aに物品購入依頼書といった書面データに基づく複数の項目を有する所定フォーマットのレイアウト画像3を表示させる。また、情報処理装置1は、認証したユーザに応じて、表示画面2aに、ユーザ名表示欄4、タスク表示欄5、操作ボタン表示欄6、申請・承認結果欄7、等を表示させる。また、これらユーザ名表示欄4、タスク表示欄5、操作ボタン表示欄6、申請・承認結果欄7、を表示する表示データは、レイアウト画像3ではないため、書面データには含まれない。
【0022】
なお、以下の説明において、レイアウト画像3には、入力の無いフォーマット状態の場合と入力がある場合とがあるが、いずれの場合を含むものとする。また、レイアウト画像3と、ユーザに応じた各欄4,5,6,7の画像とを含む表示画面2aの表示状態を「ワークフロー画面」と称する。
【0023】
書面データは、複数の項目を有する所定フォーマットのレイアウト画像3を表示画面2aに表示させる際、複数の項目に対応して文字等の入力を可能とした入力欄3aを同時に表示させる。この入力欄3aは、文字等の入力と入力結果の表示とを可能としている。したがって、入力欄3aに文字等を入力した場合には、入力した文字等に対応する入力データに書面データを重畳した文書データとしてワークフロー上に流すことができる。なお、書面データと入力データとを独立させ、表示画面2aにレイアウト画像3を表示する際に入力データに基づく文字等を合成して表示させることも可能である。これにより、同一の書面データを異なる文書データの一部として記憶媒体に記憶する必要がなくなり、書面データのファイル数を少なくすることができ、記憶媒体に対する記憶領域を確保することができる。
【0024】
本実施の形態の情報処理装置1は、入力端末2を操作するユーザに応じて表示画面2aに表示させるレイアウト画像3における入力欄3aの表示制御及び入力欄3aへの入力制御を実行する。
【0025】
図2に示すように、情報処理装置1は、入力端末2を操作するユーザが一般ユーザである場合、レイアウト画像として所定の複数項目を表示画面2aに表示させるとともに、一部の特定項目(例えば、「査閲者コメント」項目の入力欄3a)にマスクを掛けて閲覧不可状態とする表示制御を実行する。この際、情報処理装置1は、マスクを掛けた特定項目内への文字入力も不可とする入力制御を実行する。
【0026】
図3に示すように、情報処理装置1は、入力端末2を操作するユーザが特定ユーザである場合、レイアウト画像として所定の複数項目を表示画面2aに表示させるとともに、一部の特定項目(例えば、「査閲者コメント」項目の入力欄3a)のマスクを解除して閲覧可能状態とする表示制御を実行する。この際、情報処理装置1は、マスクを解除した特定項目内への文字入力も可能とする入力制御を実行する。
【0027】
ここで、情報処理装置1は、書面データに基づいて表示画面2aにレイアウト画像3を表示させる際、レイアウト定義情報、項目定義情報、アクセス権限属性情報、の3つに分類した情報を組み合せたドキュメント制御データとして管理を行う。
【0028】
この際、情報処理装置1は、すべてのパターンをドキュメント制御データとして定義することができる。例えば、情報処理装置1のCPUは、レイアウト定義情報、項目定義情報、アクセス権限属性情報、が有する定義情報の数に応じた組み合わせについて、それぞれ1つのドキュメント制御データとすることができる。
【0029】
具体的には、一つの項目に対して、レイアウト定義情報としてはマスク表示の有無(2通り)、項目定義情報としては入力の可・不可(2通り)、アクセス権限属性情報としてはユーザレベル(例えば、「申請者」「一次承認者」「二次承認者」の3通り)、の定義情報の組み合わせ(12通り)によるドキュメント制御データとすることができる。
【0030】
例えば、図2に示した一般ユーザである「申請者」に対する表示画面2aの表示において、申請・承認結果欄7をレイアウト画像3の一部とした場合、項目「承認1」の電子スタンプはマスク無しとして閲覧可能かつ入力不可能の制御を行い、項目「査閲者コメント」の入力欄3aはマスク有りとして閲覧不可かつ入力不可の制御を行う。
【0031】
これに対し、図3に示した特定ユーザである「一次承認者」に対する表示画面2aの表示において、電子スタンプにより申請・承認結果欄7をレイアウト画像3の一部とした場合、項目「承認1」の電子スタンプはマスク無しとして閲覧可能かつ入力可能の制御を行い、項目「査閲者コメント」の入力欄3aはマスク無しとして閲覧可能かつ入力可能の制御を行う。
【0032】
したがって、情報処理装置1の記憶媒体は、図4に示すように、ドキュメント制御データ、レイアウト画像3を表示画面2aに表示させる書面データ、「申請者」に対応するユーザ情報並びに「申請者」が入力した入力データを含む「申請者」データ、特定ユーザである「一次承認者」に対応するユーザ情報並びに「一次承認者」が入力した入力データを含む「一次承認者」データ、を独立して記憶する。そして、情報処理装置1は、ワークフローにおいて、これらドキュメント制御データ、書面データ、「申請者」データ、「一次承認者」データ、を対応付けしてユーザに応じた「物品購入依頼書」として入力端末2の表示画面2aに表示させる。なお、この際の情報処理装置1の書面データに対する表示制御が特許請求の範囲における表示制御部として機能する。
【0033】
このように、情報処理装置1は、書面データと入力データとを独立させた場合、書面データに対して、一般ユーザ用のレイアウト画像3の表示及び入力に関する制御と特定ユーザ用のレイアウト画像3の表示及び入力に関する制御とを実行する。
【0034】
したがって、一般ユーザの場合と特定ユーザの場合とでレイアウト画像3の表示状態はマスクの有無で異なるものの、複数の項目を有する所定フォーマットのレイアウト画像3を表示画面2aに表示させる書面データはあくまでも1つのファイルで足りる。
【0035】
また、一般ユーザが入力した入力データと特定ユーザが入力した入力データとを関連付けして独立させることができる。これにより、1つのファイル中に書面データと入力データとを含む文書データは作成せず、しかも書面データは入力データと独立していることと相まって、複数のユーザで1つの書面データを共有しても、後から入力した特定ユーザの入力データの上書きで予期せぬ変更が発生するといった不具合も解消することができる。また、複数のユーザが同時に書面データを容易に使用することができる。なお、入力データは、一般ユーザと特定ユーザとで共有してもよい。
【0036】
このように、本実施形態に係る情報処理装置1は、1件の書面データを複数のユーザで共有した際に、各ユーザに応じて設定上で複数の項目に対する表示及び入力のアクセス権限を制御した状態でレイアウト画像3を表示画面2aに表示することができる。
【0037】
この際、時系列によってアクセス権限の設定を変えてもよい。例えば、書面データの承認が済んだ場合、書面データの作成者及び承認者以外のすべての関係者に対してレイアウト画像3の閲覧を可能とすることもできる。
【0038】
また、入力欄3aの表示枠を超える長さの文字入力等があると、表示枠を越えて入力内容が表示されて隣接する項目の項目表示枠や入力欄3aに重なってしまうなど、レイアウト画像3の視認性に欠けてしまう。
【0039】
そこで、各項目の定義に対して、「帳票閲覧時の上限表示行数と上限表示文字数(1行あたり)」の設定を可能とし、帳票閲覧時に規程文字数を超える入力内容に対しては、文字列をカットして表示すれば視認性を向上することができる。
【0040】
次に、書面データに対するアクセス権限の属性情報の設定について説明する。図5は、書面データ(以下、「帳票」とも称する)に対するアクセス権限の属性情報を設定する画面の切り替え手順を示す。
【0041】
図5に示すように、アクセス権限の属性情報は、帳票フィールド情報入力画面、帳票定義一覧画面、帳票フィールド情報設定画面、帳票フィールド情報設定画面更新確認ダイアログ、の4つの各画面により設定することができる。なお、各画面は、所定のボタン操作によって遷移する。
【0042】
図6に示すように、帳票フィールド情報入力画面には、画面左側にフィールド一覧が表示され、例えば、物品1ファイルに対するフィールド情報を設定する状態を示している。このフィールド情報では、この画面では、従来のファイルとしての書面データそのものに対するアクセス権限を設定することができる。例えば、ファイルのアクセスとして閲覧ができるか否か、入力ができるか否かといった従来のアクセス権限をここで設定することができる。各帳票に対するアクセス権限の種類としては、閲覧権限(職責)、帳票の閲覧権限(組織)、入力権限(職責)、入力権限(組織)、を設定することができる。
【0043】
図7に示すように、帳票定義一覧画面では、既に設定した定義の一覧が表示され、編集ボタンや改版ボタンにより編集・改変をすることができる。この帳票定義一覧画面において、「定義を新規作成する」ボタンを押下すると、帳票フィールド情報入力画面が表示され、帳票に対するアクセス権限を設定したうえで、帳票定義一覧画面の「フィールド設定」ボタンを押下することで帳票フィールド情報設定画面に遷移する。また、帳票定義一覧画面では、既に設定した定義の場合には、識別コードや帳票定義名、定義の開始・終了年月日、定義作成・更新者等が表示される。したがって、新たな帳票定義のこれらの項目はこの画面で入力する。
【0044】
図8に示すように、帳票フィールド情報設定画面では、一括設定画面と詳細設定画面とが表示される。帳票フィールド情報設定画面では、帳票の各項目毎に、閲覧権限(職責)、閲覧権限(組織)、入力権限(職責)、入力権限(組織)のアクセス権限の属性情報に対する権限種類を設定することができる。また、各項目にチェックマークを施すことにより、チェックした項目全体を一括して設定することができる。これにより、帳票の各項目に対してアクセス権限の属性情報を設定することができる。なお、情報処理装置1による帳票フィールド情報設定画面の表示制御が特許請求の範囲における設定部として機能する。また、閲覧権限(職責)、閲覧権限(組織)、入力権限(職責)、入力権限(組織)は、例えば、組織に関係なく課長以上のグループ単位、システム情報部等の組織員全体のグループ単位、のようにグループ分けして一括して設定することも可能である。
【0045】
図9に示すように、帳票フィールド情報設定画面で帳票の各項目に対してアクセス権限の属性情報の設定が終了すると、更新してよいか(又は設定完了か)の確認ダイアログが表示される。
【0046】
設定したアクセス権限及びアクセス権限の属性情報は、情報処理装置1の記憶媒体(記憶部)に記憶される。ここで、閲覧権限(職責)、帳票の閲覧権限(組織)、入力権限(職責)、入力権限(組織)は、テーブル方式で記憶される。
【0047】
図10は、アクセス権限の属性情報の関連性をモデル化した説明図である。図10に示すように、帳票定義テーブルは、帳票の入力画面を構成している項目の定義情報を登録するテーブルである。職責マスタテーブルは、職責の名称やレベルを管理するテーブルである。マスタ公開部門管理テーブルは、公開対象のマスタに追加するカラムに設定する公開コードを管理するテーブルである。構成・公開職責−職責マスタテーブルは、マスタ公開部門管理テーブルの公開職責レコードと公開する職責をリレーションするテーブルである。構成・公開部門−部門階層テーブルは、マスタ公開部門管理テーブルの公開部門レコードと公開する部門をリレーションするテーブルである。部門階層情報マスタテーブルは、部門コードや名称、部門の階層を管理するテーブルである。このように、アクセス権限の属性情報は、帳票定義としての閲覧権限(職責)、帳票の閲覧権限(組織)、入力権限(職責)、入力権限(組織)は、カスタムIDを参照し、職責マスタと部門階層とによって職責レベルと部門コードとに振り分けられる。
【0048】
図11は、図10に示した帳票定義テーブルの閲覧権限(職責)、閲覧権限(組織)、入力権限(職責)、入力権限(組織)に対応して追加するカラムの一例を示す一覧である。
【0049】
ここで、情報処理装置1は、帳票定義データの閲覧権限(職責)の設定値がNULLの場合は全職責が閲覧解放となり、閲覧権限(職責)のフラグ設定状態を「1:閲覧可能」にする。情報処理装置1は、帳票定義データの閲覧権限(組織)の設定値がNULLの場合は全組織が閲覧解放となり閲覧権限(組織)のフラグ設定状態を「1:閲覧可能」にする。情報処理装置1は、帳票定義データの入力権限(職責)の設定値がNULLの場合は全職責が入力解放となり入力権限(職責)のフラグ設定状態を「1:入力可能」にする。情報処理装置1は、帳票定義データの入力権限(組織)の設定値がNULLの場合は全組織が入力解放となり入力権限(組織)のフラグ設定状態を「1:入力可能」にする。
【0050】
また、情報処理装置1は、帳票定義データの閲覧権限(職責)に設定がある場合は、設定されている職責群が、帳票利用者の職責パスに含まれている場合に閲覧可能となり閲覧権限(職責)のフラグ設定状態を「1:閲覧可能」にする。情報処理装置1は、帳票定義データの閲覧権限(職責)に設定がない場合は閲覧不可となり閲覧権限(職責)のフラグ設定状態を「0:閲覧不可」にする。
【0051】
情報処理装置1は、帳票定義データの閲覧権限(組織)が設定されている場合は、設定されている組織が、帳票利用者の所属組織パスに含まれている場合は閲覧解放となり閲覧権限(組織)の設定状態を「1:閲覧可能」にする。情報処理装置1は、帳票定義データの閲覧権限(組織)が設定されている場合は、設定されている組織が、帳票利用者の所属組織パスに含まれていない場合は閲覧不可となり閲覧権限(組織)の設定状態を「0:閲覧不可」にする。
【0052】
情報処理装置1は、帳票定義データの入力権限(職責)に設定がある場合は、設定されている職責群が、帳票利用者の職責パスに含まれている場合に入力可能となり入力権限(職責)の設定状態を「1:入力可能」にする。情報処理装置1は、帳票定義データの入力権限(職責)に設定がある場合は、設定されている職責群が、帳票利用者の職責パスに含まれていない場合は入力不可となり入力権限(職責)の設定状態を「0:入力不可」にする。
【0053】
情報処理装置1は、帳票定義データの入力権限(組織)が設定されている場合は、設定されている組織が、帳票利用者の所属組織パスに含まれている場合は入力可能となり入力権限(組織)の設定状態を「1:入力可能」にする。情報処理装置1は、帳票定義データの入力権限(組織)が設定されている場合は、設定されている組織が、帳票利用者の所属組織パスに含まれていない場合は入力不可となり入力権限(組織)の設定状態を「0:入力不可」にする。
【0054】
図12は、図10に示したマスタ公開部門管理テーブルにおけるカスタムIDと、公開タイプ及び判定タイプのフラグとの関係の一例を示す一覧である。
【0055】
図13は、図10に示した構成・公開部門−部門階層テーブルにおけるカスタムIDと職責コードとの関係の一例を示す一覧である。
【0056】
図14は、図10に示した構成・公開職責−職責マスタテーブルにおけるカスタムIDと部門コードとの関係の一例を示す一覧である。
【0057】
図15は、図10に示した職責マスタテーブルにおける職責コードと職責レベルとの関係の一例を示す一覧である。
【0058】
図16は、図10に示した部門階層マスタテーブルにおける部門コードと部門コードパスとの関係の一例を示す一覧である。
【0059】
図17は、図10に示した帳票定義テーブルの親レコードIDに対する、閲覧権限(職責)、閲覧権限(組織)、入力権限(職責)、入力権限(組織)、のカスタムIDとの対応関係の一例を示す一覧である。なお、この図17では、書面データとして交通費用請求書を例示している。
【0060】
このように、情報処理装置1(のCPU)は、利用者(ユーザ)の設定されている職責レベルパスに帳票定義テーブルに設定されている「閲覧権限(職責)」の「職責レベル※1」が含まれているか、利用者(ユーザ)の所属する部門の部門階層コードパスに帳票定義テーブルに設定されている「閲覧権限(組織)」の「部門コード※2」が含まれているか、利用者(ユーザ)の設定されている職責レベルパスに帳票定義テーブルに設定されている「入力権限(職責)」の「職責レベル※1」が含まれているか、利用者(ユーザ)の所属する部門の部門階層コードパスに帳票定義テーブルに設定されている「入力権限(組織)」の「部門コード※2」が含まれているか、の判定結果に応じて表示・入力を制御する。
【0061】
具体的には、図18に示すように、書面データとしての交通費用請求報告書において、ユーザ1の場合、職責レベルは35となっている。この場合、閲覧に関してはすべての項目に対して閲覧が許可されているが、入力に関して職責レベルによりいくつかの項目に入力不可に制御されている。
【0062】
図19は、情報処理装置1(のCPU)による、書面データに対応付けた複数の項目を有するフォーマットからなる所定のレイアウト画像3を入力端末2の表示画面2aに表示させる際の項目ごとの表示及び入力に関する制御ルーチンの一例を示すフロー図である。
【0063】
ステップS1において、情報処理装置1は、職責レベルパスに、帳票定義テーブル中「閲覧権限(職責)」に「職責レベル」が含まれているか否かを判定する。情報処理装置1は、「職責レベル」が含まれていると判定した場合(Yes)にはステップS2へと移行する。情報処理装置1は、「職責レベル」が含まれていると判定しなかった(No)場合にはステップS3へと移行する。
【0064】
ステップS2において、情報処理装置1は、「閲覧権限(職責)」に対してフラグ「1」をたててステップS3へと移行する。
【0065】
ステップS3において、情報処理装置1は、部門階層コードパスに、帳票定義テーブル中「閲覧権限(組織)」に「部門コード」が含まれているか否かを判定する。情報処理装置1は、「部門コード」が含まれていると判定した場合(Yes)にはステップS4へと移行する。情報処理装置1は、「部門コード」が含まれていると判定しなかった(No)場合にはステップS5へと移行する。
【0066】
ステップS4において、情報処理装置1は、「閲覧権限(組織)」に対してフラグ「1」をたててステップS3へと移行する。
【0067】
ステップS5において、情報処理装置1は、職責レベルパスに、帳票定義テーブル中「入力権限(職責)」に「職責レベル」が含まれているか否かを判定する。情報処理装置1は、「職責レベル」が含まれていると判定した場合(Yes)にはステップS6へと移行する。情報処理装置1は、「職責レベル」が含まれていると判定しなかった(No)場合にはステップS7へと移行する。
【0068】
ステップS6において、情報処理装置1は、「入力権限(職責)」に対してフラグ「1」をたててステップS3へと移行する。
【0069】
ステップS7において、情報処理装置1は、部門階層コードパスに、帳票定義テーブル中「入力権限(組織)」に「部門コード」が含まれているか否かを判定する。情報処理装置1は、「部門コード」が含まれていると判定した場合(Yes)にはステップS2へと移行する。情報処理装置1は、「部門コード」が含まれていると判定しなかった(No)場合にはステップS9へと移行する。
【0070】
ステップS8において、情報処理装置1は、「入力権限(組織)」に対してフラグ「1」をたててステップS9へと移行する。
【0071】
ステップS9において、情報処理装置1は、フラグに応じて項目ごとに表示及び入力の制御を実行し、このルーチンを終了する。なお、ステップS9に示した情報処理装置1によるルーチンが特許請求の範囲におけるユーザ制御部として機能する。
【0072】
このように、本発明の情報処理装置1は、書面データを記憶する記憶部と、書面データに対応付けた複数の項目を有するフォーマットからなる所定のレイアウト画像3を入力端末2の表示画面2aに表示させる表示制御部と、複数の項目毎にアクセスできるアクセス権限の属性情報をユーザに応じて設定する設定部と、入力端末2の表示画面2aにレイアウト画像3を表示させるに際し、ユーザに応じて設定したアクセス権限の属性情報に基づいて、複数の項目に対する表示及び複数の項目に対する入力の少なくともいずれか一方を制御するユーザ制御部と、を備えることにより、項目単位でレイアウト画像を制御することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 情報処理装置
2 入力端末
3 レイアウト画像
NT 電気通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14
図15
図16
図17
図18
図19