特許第6720002号(P6720002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6720002
(24)【登録日】2020年6月19日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】多次元の対象物の印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20200629BHJP
   B41J 19/20 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   B41J2/01 109
   B41J2/01 305
   B41J19/20 L
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-135714(P2016-135714)
(22)【出願日】2016年7月8日
(65)【公開番号】特開2017-24408(P2017-24408A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年12月11日
(31)【優先権主張番号】10 2015 212 757.5
(32)【優先日】2015年7月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390009232
【氏名又は名称】ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Heidelberger Druckmaschinen AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス メーリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング ニゲマン
【審査官】 加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−274532(JP,A)
【文献】 特開2011−101838(JP,A)
【文献】 特開平08−082356(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3189987(JP,U)
【文献】 特開平10−297035(JP,A)
【文献】 特開2001−071285(JP,A)
【文献】 特開2001−260329(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0148985(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0342592(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 − 2/215
B41J 2/00 − 2/005
B41J 19/00 − 19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多次元の対象物(1000)の印刷装置(100)であって、
印刷すべき対象物(1000)を保持しかつ移動させる対象物支持体(10)と、
位置固定された処理ツール(12,13,14)を保持する工具支持体(11)と、
前記工具支持体(11)が取り付けられたフレーム(16)と、
第1の直角のアーム(8)および第2の直角のアーム(8)と、
を備える装置において、
前記対象物支持体(10)は、位置固定された前記処理ツール(12,13,14)に対して相対的に前記対象物(1000)を並進移動させるために、互いに直交する、それぞれ1本の移動軸線(21,22,23)に沿って方向付けされた第1、第2および第3のガイド軌道(31,32,33)と、
該ガイド軌道(31,32,33)上を移動可能なキャリッジと、を備え、
前記対象物支持体(10)は、前記対象物(1000)を回転させるための第1の回転軸線(41)を有し、該第1の回転軸線(41)は、第1の移動軸線(21)に対して平行に方向付けされ
前記対象物支持体(10)は、前記対象物(1000)を回転させるための第2の回転軸線(42)を有し、該第2の回転軸線(42)は、第2の移動軸線(22)に対して平行に方向付けされ、
前記対象物支持体(10)は、前記対象物(1000)を回転させるための第3の回転軸線(43)を有し、該第3の回転軸線(43)は、第3の移動軸線(23)に対して平行に方向付けされ、
第2ガイド軌道(32)は、第1のガイド軌道(31)に配置されており、
第3ガイド軌道(33)は、前記第2のガイド軌道(32)に配置されており、
前記第1の回転軸線(41)は、前記第3のガイド軌道(33)に配置されており、
前記第2の回転軸線(42)は、前記第1の直角のアーム(8)を介して、前記第1の回転軸線(41)に配置されており、
前記第3の回転軸線(43)は、前記第2の直角のアーム(8)を介して、前記第2の回転軸線(42)に配置されている、
ことを特徴とする、印刷装置。
【請求項2】
前記第1のガイド軌道(31)が、互いに平行に方向付けされた2つのガイドレール(20)を備える、請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記2つのガイドレール(20)は、水平に配置されている、請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
各々のガイドレール(20)が、当該印刷装置(100)の基台または底板(200)に対して高い位置で、それぞれ側壁(17)上に配置されている、請求項2または3記載の印刷装置。
【請求項5】
両方の前記側壁(17)は、互いに結合されていて、U字形材(18)の脚部を形成している、請求項記載の印刷装置。
【請求項6】
前記U字形材(18)は、前記フレーム(16)を越えて延在している、請求項記載の印刷装置。
【請求項7】
前記U字形材(18)は、少なくとも3つの同一構造の構成要素(18)から組み合わされている、請求項6記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第1のガイド軌道(31)は、ガントリー駆動装置(19)を有するガントリーキャリッジとして構成されている、請求項2からまでのいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項9】
前記処理ツール(12,13,14)のうちの1つとして、少なくとも1つの印刷ヘッドが設けられている、請求項1からまでのいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷ヘッドは、インクジェット印刷ヘッドである、請求項9記載の印刷装置。
【請求項11】
前記工具支持体(11)は、高さ変化可能(h)であり、前記フレーム(16)のほぼ鉛直の支持体(9)に沿って摺動可能である、請求項1から10までのいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項12】
前記工具支持体(11)は、前記各処理ツール(12,13,14)のための開口部(15)を有し、該開口部(15)は、各前記処理ツール(12,13,14)が択一的な互いに90°回動させられた2つの姿勢に嵌着可能に構成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の印刷装置に関する。
【0002】
背景技術
対象物に印刷するために、背景技術において、一面では、印刷すべき対象物または印刷ヘッドを、多軸ロボット、いわゆるロボットアームを用いて案内する装置が公知である。そのような装置は、例えば独国特許出願公開第102010004496号明細書に記載されている。この装置の欠点は、一方で、剛性が低く、これにより、静的変形および振動による移動エラーのおそれが生じることにある。別の欠点は、ロボットアームの複数の駆動装置の移動不精度が加算され、ひいては増大されることにある。さらにまた、ロボットアームのヘッドを専ら一定の速度で直線の所定の移動距離だけ動かすためには、ロボットの全ての駆動装置を正確に互いに調和させて駆動制御しかつ移動させなければならない。各々の駆動装置の極めて小さなエラーが重なると、高精度の印刷にとって必要とされる移動精度をもはや満たさない全体エラーが生じてしまう。
【0003】
別の一面では、印刷すべき回転対称的な対象物を対象物支持体により回転させ、印刷ヘッドを対象物に対して相対的に移動させる装置が公知である。そのような装置は、たとえば米国特許第7819055号明細書に記載されている。この装置の欠点は、一方では、印刷ヘッドの移動が、印刷ヘッドの煩雑な支持部およびインク供給部を必要とすることにある。他方では、装置の変更が制限されている。というのも、極めてコンパクトな対象物にしか印刷できないからである。
【0004】
発明の課題
本発明の課題は、背景技術の欠点を少なくとも低減し、様々な対象物の高精度の印刷を可能にする、多次元の対象物の印刷装置を提供することである。
【0005】
この課題は、請求項1の特徴部に記載の構成を有する印刷装置により解決される。
【0006】
本発明に係る装置は、多次元の、つまり3次元の空間的な対象物に印刷するために用いられ、一面では、印刷すべき対象物、たとえば球体、円筒体または直方体を保持しかつ移動させる対象物支持体と、加工プロセス中に位置固定された複数の処理ツールを保持する工具支持体と、さらに工具支持体が取り付けられた、つまり懸架された、特に門型のフレームとを備える。本発明によれば、対象物支持体は、互いに直交する、それぞれ1本の移動軸線に沿って方向付けされた3つのガイド軌道と、ガイド軌道上を移動可能なキャリッジとを備え、この場合、加工プロセス中に位置固定された処理ツールに対して相対的に対象物を並進移動させるために、各ガイド軌道に対応して、それぞれ1つのキャリッジが配置されている。この構造は、たとえば、第2のガイド軌道が第1のキャリッジに配置されていて、第3のガイド軌道が第2のキャリッジに配置されているようになっている。この場合、第3のキャリッジに、印刷すべき対象物を緊締する、挟み付けるまたは吸着する対象物保持体が配置されてよい。ガイド軌道に沿ったキャリッジの駆動装置として、リニアダイレクトドライブまたはスピンドルユニットが設けられてよい。
【0007】
本発明に係る印刷装置の好適な改良形態によれば、第1のガイド軌道が、互いに平行に方向付けされた、特に水平の、1水平面上に位置する2つのガイドレールを備える。この場合、第1のガイド軌道の各々のガイドレールは、印刷装置の基台または底板に対して高い位置で、それぞれ側壁上に配置されてよい。これにより、印刷装置に印刷すべき対象物を簡単かつ人間光学的に装着することが可能である一方、鉛直のガイド軌道に沿って対象物をより低く降下させることも可能である。
【0008】
本発明に係る印刷装置の特に好適で、したがって有利な実施の形態によれば、両方の側壁は、互いに結合されており、両方の側壁は、U字形材の脚部を形成する、またはU字形材の脚部である。これにより、印刷装置の特に頑丈でひいては安定した構造が達成される。U字形材がフレームを越えて延在していると、さらに好適である。この場合、U字形材は、一体的であってよい、または、好適には同一構造の少なくとも3つの構成要素もしくはモジュールから組み合わされてよい。そうすると、特に長い対象物を加工することも可能で、対象物の自動的な供給および導出を実現することができる。
【0009】
好適な変化形態によれば、第1のガイド軌道は、ガントリー駆動装置を有するガントリーキャリッジとして構成されており、この場合、2つの別個のモータが、角度同期された駆動制御により、対象物を第1の移動軸線に沿って移動させ、これにより、この第1の移動軸線に沿った歪みのない移動が可能になる。そのために使用されるモータは、特にリニアサーボモータである。
【0010】
印刷装置の処理ツールとして、少なくとも1つの印刷ヘッド、特にインクジェット印刷ヘッドが設けられており、随意に、別の処理ツールとして、プレコート装置、プラズマ処理装置、レーザ彫刻装置および/または乾燥装置も設けられている。多色印刷のためには、相応に複数の印刷ヘッドが設けられる。少なくとも1つのプレコート装置と少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッドと少なくとも1つの乾燥装置とを備える実施の形態が特に好適である。
【0011】
印刷装置の好適な改良形態によれば、工具支持体が、高さ変化可能であり、フレームのほぼ鉛直の支持体に沿って摺動可能かつロック可能であり、これにより、様々なサイズの対象物への適合が可能になる。好適な改良形態によれば、工具支持体は、各処理ツールのために、処理ツールを保持する開口部を有し、この場合、開口部は、各々の処理ツールが択一的な、互いに90°回動させられた2つの姿勢で嵌着可能に構成されている。第1の姿勢は、好適には第1の移動軸線に対して平行であり、第2の姿勢は、第2の移動軸線に対して平行に方向付けされている。これにより、処理ツールの方向は、印刷すべき対象物と印刷すべき印刷像とに依存して選択することができる。各開口部が、各々の工具を、下側の作業位置でも上側の休止位置でもロックすることができると、さらに好適である。択一的に、作業位置は、作業領域の内側に設けられ、休止位置は、作業領域の外側に設けられてよく、これら両方は、1水平面上に位置する。
【0012】
本発明に係る印刷装置の第1の実施の形態によれば、対象物支持体は、対象物を回転させるための第1の回転軸線を有し、この場合、第1の回転軸線は、第1のガイド軌道および第1の移動軸線に対して平行に方向付けされている。第2の実施の形態によれば、印刷装置の対象物支持体は、追加的に対象物を回転させるための第2の回転軸線を有し、この場合、第2の回転軸線は、第2のガイド軌道および第2の移動軸線に対して平行に方向付けされている。第3の実施の形態によれば、印刷装置の対象物支持体は、追加的に対象物を回転させるために第3の回転軸線を有し、この場合、第3の回転軸線は、第3のガイド軌道および第3の移動軸線に対して平行に方向付けされている。したがって印刷装置は、モジュール構造を有する。3本の並進移動軸線を有するベースモジュールは、冒頭で記述されたように、印刷すべき対象物および印刷すべき印刷像に依存して、1本、2本または3本の回転軸線の分だけ補足することができる。個々の電気式サーボ駆動装置の、目標移動からのずれが重なると、印刷すべき対象物と処理ツールとの間の所望の移動の全体エラーが生じるので、できるだけ少数の回転軸線を設けることにより、ずれのエラーをわずかに保持することができる。1本、2本または3本の回転軸線を有する印刷装置のモジュール構造により、簡単に、必要な移動軸線の数を、印刷すべき対象物に依存して選択することができる。
【0013】
記載された発明および記載された発明の好適な改良形態は、技術的に有意義である限り、互いに組み合わせても、発明の好適な改良形態を成す。
【0014】
さらなる利点に関して、かつ本発明の好適な形態の構造的および機能的な観点に関して、従属請求項および添付の図面に関する実施の形態の説明が参照される。
【0015】
実施の形態
本発明を、添付の図面に基づいてさらに詳しく説明する。相互に対応する構成要素および構成部材には、図面において、同一の符号が設けられている。図面を見やすくするために、縮尺通りの図示はしていない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1a】本発明に係る印刷装置の概略図である。
図1b】印刷すべき対象とともに、図1aによる印刷装置を示す概略図である。
図2】印刷装置の工具支持体の概略図である。
図3】印刷装置の延長された変化形態を示す概略図である。
図4a】印刷装置の様々な変化形態を示す図である。
図4b】印刷装置の様々な変化形態を示す図である。
図4c】印刷装置の様々な変化形態を示す図である。
図4d】印刷装置の様々な変化形態を示す図である。
図4e】印刷装置の様々な変化形態を示す図である。
【0017】
図1aには、モジュール構造の、本発明に係る印刷装置100が示されている。印刷装置100は、工具支持体11を備える。工具支持体11は、フレーム16の鉛直の複数の支持体9に保持されている。工具支持体11は、鉛直の支持体9において、鉛直に摺動可能かつロック可能であるので、高さ位置調節hを行うことができる。工具支持体11の下方に、対象物支持体10が位置する。対象物支持体10は、印刷すべき対象物(ここでは図示されていない)を、工具支持体11およびその工具12,13,14に対して相対的に移動させる。対象物支持体10は、底部、基台または底板200に載置されている、または、これらに取り付けられている。
【0018】
本発明によれば、対象物支持体10は、以下の構造を有する:2つの側壁17を有するU字形材(U字溝型)構成要素18上に、ガントリー駆動装置19を有するガントリーキャリッジが取り付けられている。X軸方向の歪みのない移動を可能にするガントリーキャリッジ19は、X軸方向の第1の移動軸線21を形成する。第1の移動軸線21に対して直角に配置されたY軸方向の第2の移動軸線22、および、第1の移動軸線21ならびに第2の移動軸線22に対して直角に配置されたZ軸方向の第3の移動軸線23は、対象物支持体10の移動軸線を成すので、対象物支持体10により保持された、印刷すべき対象物(図示されてない)は、任意の移動軌道bに沿って、したがって加工中に位置固定された工具支持体11に対して相対的に移動することができる。
【0019】
図1bから明らかなように、第2の移動軸線22は、ガイドキャリッジ32を有する第2のガイド軌道により実現される。ガイドキャリッジ32は、ガイドキャリッジ31を有する第1のガイド軌道としてのガントリー駆動装置19を有するガントリーキャリッジに取り付けられている。第3の移動軸線23は、ガイドキャリッジ33を有する第3のガイド軌道により実現される。ガイドキャリッジ33も同様にガイドキャリッジ32を有する第2のガイド軌道に取り付けられている。図1bに示された、印刷装置100の実施の形態では、印刷装置100の対象物支持体10は、クランプを有する対象物保持体10.1を備える。対象物保持体10.1は、印刷すべき対象物1000、ここでは直方体の箱を保持することができる。対象物保持体10.1は、ガイド軌道およびガイドキャリッジ31,32,33によって移動させられる。印刷すべき対象物1000は、対象物保持体10.1の移動により位置固定された工具支持体11に対して相対的に移動させることができる。図1bの図示において、対象物保持体10.1は、図1aの図示に対して、移動軸線21,22,23に沿って、Y軸方向とは逆向きに、X軸方向にかつZ方向に移動された。ガイドキャリッジ31を有する第1のガイド軌道が、ガントリー駆動装置19を有するガントリーキャリッジとして構成されている一方、ガイドキャリッジ32を有する第2のガイド軌道およびガイドキャリッジ33を有する第3のガイド軌道は、それぞれ、特にリニアダイレクトドライブまたはスピンドルユニットとして構成された電気式サーボ駆動装置を備えることができる。そうして、セルフロック式に構成されたスピンドル駆動装置は、ガイドキャリッジ33を有する第3のガイド軌道に対する好適な実施の形態を成してよい。したがって、ガイドキャリッジ31,32,33は、電気式サーボ駆動のX、Y、Z−リニアシステムを成し、X、Y、Z−リニアシステムにより、対象物保持体10.1は、ほぼ任意の移動軌道b上を移動することができる。
【0020】
図2には、工具支持体11が詳しく示されている:工具支持体11は、印刷すべき対象物1000を前処理する、印刷しかつ乾燥するための、インクジェット印刷プロセスにとって必要な処理ツールを支持する。図2の形態では、プラズマ前処理ユニットとして構成された1つのプレコート装置12、4つのインクジェット印刷ヘッド13および1つの乾燥装置14が設けられている。工具12,13,14は、それぞれ工具支持体11の開口部15により保持される。処理ツール12,13,14は、工具支持体11に対して相対的に、下側の作業位置と上側の休止位置との間で移動させられ、それぞれ固定することができる。図2の図示では、プレコート装置12、第1の印刷ヘッド13および第3の印刷ヘッド13は、休止位置にあり、これに対して第2のインクジェット印刷ヘッド13、第4のインクジェット印刷ヘッド13および乾燥装置14は、降下された作業位置にある。図示の実施の形態に対して択一的に、処理ツール12,13,14は、水平の摺動運動によっても作業位置から休止位置へ移動させて、それぞれ固定することができる。インクジェット印刷ヘッド13を保持するための開口部15は、各々のインクジェット印刷ヘッド13が択一的な、互いに対して90°回動させられた2つの姿勢で嵌着可能に構成されている。換言すると:インクジェット印刷ヘッド13に対して0°の第1の組付け姿勢と、鉛直線を中心に90°回動させられた組付け姿勢とが設けられているので、インクジェット印刷ヘッド13の配向を印刷すべき対象物1000に適合させることができる。
【0021】
印刷装置100が印刷すべき対象物1000の様々な大きさに柔軟に適合できるようにするために、ならびに、対象物支持体10に対する印刷すべき対象物1000の自動化された供給および導出を可能にするために、X軸方向またはX軸方向とは逆向きの、ガイドキャリッジ31を有する第1のガイド軌道の実現可能な移動距離は、工具支持体11の下方にあるU字形材18に別のU字形材構成要素18を継ぎ足すことにより拡張することができ、これは図3に示されている。
【0022】
上述の、図面に基づいて説明される印刷装置100は、印刷すべき対象物1000の構成に依存して、印刷すべき対象物1000を回転させるための回転軸線41,42,43の分だけ拡張することができ、これは図4a、図4bおよび図4cに基づいて説明される。
【0023】
図4aに示された第1の拡張では、印刷装置100の対象物支持体10は、サーボ回転駆動装置51を備え、サーボ回転駆動装置51により、印刷すべき対象物1000を第1の回転軸線41を中心に回転させることができる。この場合、第1の回転軸線41は、第1の移動軸線21に対して平行に方向付けされている。サーボ回転駆動装置51に関して、好適にはサーボダイレクトドライブ、特にトルクモータが使用され、これにより、減速伝動装置が回避され、そうして、たとえば歯車伝動装置における歯の噛み合いによる駆動装置の移動の不均等により生じるであろう伝達エラーが回避される。図4aに従って構成されたこのような印刷装置100は、第3の印刷ヘッドによるリボンまたは帯封状の印刷レーン、および、第2の印刷ヘッド13による印刷すべき対象物1000の長手軸線に沿った印刷レーンの印刷を可能にする。前者の場合、サーボ回転駆動装置51は、回動式の印刷運動を形成し、この場合、様々な画像レーン間の送りは、ガントリーキャリッジ9の移動により実現される。後者の場合、ガントリーキャリッジ9は、印刷運動を形成し、この場合様々な画像レーン間の送りは、サーボ回転駆動装置51の回動運動により実現される。第1の回転軸線41の分だけ拡張されるこのような対象物支持体10により、印刷すべき対象物1000として、特に、円筒体および円錐体のような真っ直ぐな母線を有する回転体に印刷することができる。しかも、1平面上で不均等にカーブしている面に印刷することもできる。
【0024】
図4bに示されているように、印刷装置100の1つの拡張では、対象物支持体10は、第1の回転軸線41に対して追加的に第2の回転軸線42を有し、第2の回転軸線42は、第2の移動軸線22に対して平行に方向付けされている。回転軸線42を中心に印刷すべき対象物1000を回転させるために、第2のサーボ回転駆動装置52が設けられている。このような印刷装置100により、2平面上でカーブしている、印刷すべき対象物1000の表面に印刷ことができる。判りやすくするために、図4bでは、装置100のフレーム16は省略されている。
【0025】
回転軸線41,42および回転駆動装置51,52は、フォークにより支持される。ガイドキャリッジ33を有する第3のガイド軌道に取り付けられた外側のフォークは、第2のサーボ回転駆動装置52を有する終端位置で、内側のフォークを備え、この場合、内側のフォークの中央に第1のサーボ駆動装置51が取り付けられている。この第1のサーボ駆動装置51の駆動シャフトは、やはり、印刷すべき対象物1000を支持する。第2のサーボ回転駆動装置52により、内側のフォークを回転させることができ、第1のサーボ駆動装置51により、印刷すべき対象物1000を回転させることができる。
【0026】
印刷すべき対象物1000は、好適には、印刷すべき対象物1000の存在する対称軸線が回転軸線41,42上に位置するように、対象物支持体10に緊締される。これにより、印刷中に、印刷すべき対象物1000の必要な移動を最小限に減らすことができる。さらに、印刷すべき対象物1000の重心が第1の回転軸線41と第2の回転軸線42との交点上に位置するように、印刷すべき対象物1000が対象物支持体10に緊締されると好適である。この場合、サーボ回転駆動装置51,52から保持モーメントを及ぼす必要はない。
【0027】
対象物支持体10に印刷すべき対象物1000を緊締するためのこの方式は、図4cに示されているように、第3の回転軸線43を有する印刷装置100の拡張にも当てはまる。第1の回転軸線41および第2の回転軸線42に対して追加的に、第3の回転軸線43が設けられており、第3の回転軸線43は、第3の移動軸線23に対して平行に方向付けされている。そのために、ガイドキャリッジ33を有する第3のガイド軌道上に、第3のサーボ回転駆動装置53が位置し、第3のサーボ回転駆動装置53により、外側のフォークが回転可能である。このような印刷装置100により、印刷すべき対象物1000は、自由に位置決めすることができ、3つのサーボ回転駆動装置51,52,53により、任意に配向することができる。これにより、印刷すべき対象物1000の、全体的にカーブした表面上のほぼ任意の印刷軌道を実現することができる。
【0028】
図4dには、円筒形の対象物支持体10.1を備える印刷装置100の択一的な構成が示されている。
【0029】
図4eには、回転軸線41,42,43の択一的な配置が示されている。フォークの代わりに、駆動装置52,53は、L字形のアーム8に取り付けられている。第1の回転軸線41を中心とする回転を及ぼすための第1の回転駆動装置51は、第3のガイド軌道のガイドキャリッジ33に取り付けられている。直角のL字形の1つのアーム8を介して、第2の回転軸線42を中心に回転させるための第2の回転駆動装置52は、第1の回転軸線41に対して直角に、第1の回転軸線41に配置されている。直角のL字形の別の1つのアーム8を介して、第3の回転軸線44を中心に回転させるための第3の回転駆動装置53は、第2の回転軸線42に対して直角に、第2の回転軸線42に配置されている。図4dによる実施例に対するこの実施の形態の主な利点として、印刷ヘッド13または別の処理ツール12,14が正確に印刷対象物1000の緊締箇所10.1に対向しているときでも、全ての3本の回転軸線41,42,43がそれぞれ対を成して互いに垂直に位置することが認められる。
【0030】
図4dに基づいて記述される、鉛直の回動軸線を有する変化形態では、第1の回転軸線および第3の回転軸線が、この姿勢で同軸であり(図4d参照)、これは対象物支持体10の特異点に相当する。この特異点において、印刷装置100は、印刷対象物1000をもはや任意に回動させることができない。
【符号の説明】
【0031】
8 直角でL字形のアーム
9 鉛直の支持体
10 対象物支持体
10.1 対象物保持体(たとえばクランプを有する)
11 工具支持体
12 プレコート装置
13 インクジェット印刷ヘッド
14 乾燥装置
15 開口部
16 フレーム
17 側壁
18 U字形構成要素
19 ガントリー駆動装置を有するガントリーキャリッジ
20 ガイドレール
21 第1の移動軸線
22 第2の移動軸線
23 第3の移動軸線
31 ガイドキャリッジを有する第1のガイド軌道
32 ガイドキャリッジを有する第2のガイド軌道
33 ガイドキャリッジを有する第3のガイド軌道
41 第1の回転軸線
42 第2の回転軸線
43 第3の回転軸線
51 第1のサーボ回転駆動装置
52 第2のサーボ回転駆動装置
53 第3のサーボ回転駆動装置
100 印刷装置
200 底部/基台
1000 印刷すべき対象物
b 移動軌道
h 高さ位置調節
S 重心
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e