(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アール座金の突起の少なくとも一部がおさまる前記ヘッドランプブラケットの開口部は、前記ヘッドランプブラケットの前記ボルトが通る位置とは異なる位置に配置されている、請求項2に記載の自転車。
前記アール座金の突起の少なくとも一部がおさまる前記ヘッドランプブラケットのくぼみは、前記ヘッドランプブラケットの前記ボルトが通る位置とは異なる位置に配置されている、請求項4に記載の自転車。
前記ヘッドランプブラケットの突起の少なくとも一部がおさまる前記アール座金の開口部は、前記アール座金の前記ボルトが通る位置とは異なる位置に配置されている、請求項6に記載の自転車。
前記ヘッドランプブラケットの突起の少なくとも一部がおさまる前記アール座金のくぼみは、前記アール座金の前記ボルトが通る位置とは異なる位置に配置されている、請求項8に記載の自転車。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自転車の乗員の視認性および自転車に対する周囲の人間からの視認性をさらに向上させるために、左右に広く光を出射するヘッドランプを用いることが考えられる。しかし、ヘッドランプが前輪の右側方または左側方に配置されている場合は、左右に広がる光の一部が前輪に遮られ、光が周囲に十分に照射されないという課題がある。
【0005】
そこで、前輪の上方にヘッドランプを配置することが考えられる。前輪の上方にヘッドランプを配置することで、ヘッドランプから出射して左右に広がる光が前輪に遮られないようにすることができる。
【0006】
前輪の上方にヘッドランプを配置する方法として、フロントブレーキをフロントフォークに取付けるボルトをヘッドランプブラケットにも通し、フロントブレーキと共にヘッドランプブラケットをフロントフォークに取り付ける方法が考えられる。しかし、この方法では、走行中の振動等により、ボルトを軸とする回転方向に沿ったヘッドランプブラケットの位置ずれが発生すると、ヘッドランプの向きが変わってしまうという課題がある。
【0007】
本発明は、ヘッドランプブラケットの回転方向に沿った位置ずれを規制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る自転車は、前輪と、前記前輪を支持し、クラウンに曲面を有するフロントフォークと、前記前輪の上部と接触して制動するフロントブレーキと、前記フロントブレーキを前記フロントフォークのクラウンに取り付けるボルトと、前記フロントブレーキと前記フロントフォークとの間に配置され、前記フロントフォークのクラウンの曲面と接触する曲面を有するアール座金と、前記前輪の上方に配置されたヘッドランプと、前記ヘッドランプを支持するヘッドランプブラケットとを備え、前記ヘッドランプブラケットの一部は、前記フロントブレーキと前記アール座金との間に配置され、前記ボルトは、前記ヘッドランプブラケットおよび前記アール座金を通り、前記ヘッドランプブラケットおよび前記アール座金の少なくとも一方は、前記ボルトを軸とした前記ヘッドランプブラケットと前記アール座金との相対的な回転を規制する規制構造を有する。
【0009】
ヘッドランプブラケットおよびアール座金の少なくとも一方は、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制する規制構造を有する。アール座金の曲面はフロントフォークのクラウンの曲面と接触していることにより、アール座金とフロントフォークとの相対的な回転は規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとフロントフォークとの相対的な回転が規制され、ヘッドランプの向きが変わることを防止できる。
【0010】
ある実施形態によれば、前記アール座金は突起を有し、前記ヘッドランプブラケットには前記アール座金の前記突起の少なくとも一部がおさまる開口部があってもよい。アール座金の突起の少なくとも一部がヘッドランプブラケットの開口部におさまることにより、アール座金の突起に対するヘッドランプブラケットの開口部の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制できる。
【0011】
ある実施形態によれば、前記アール座金の突起の少なくとも一部がおさまる前記ヘッドランプブラケットの開口部は、前記ヘッドランプブラケットの前記ボルトが通る位置とは異なる位置に配置されていてもよい。ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転の軸となるボルトとは異なる位置で、アール座金の突起に対するヘッドランプブラケットの開口部の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制できる。
【0012】
ある実施形態によれば、前記アール座金は突起を有し、前記ヘッドランプブラケットは、前記アール座金の前記突起の少なくとも一部がおさまるくぼみを有してもよい。アール座金の突起の少なくとも一部がヘッドランプブラケットのくぼみにおさまることにより、アール座金の突起に対するヘッドランプブラケットのくぼみの移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制できる。
【0013】
ある実施形態によれば、前記アール座金の突起の少なくとも一部がおさまる前記ヘッドランプブラケットのくぼみは、前記ヘッドランプブラケットの前記ボルトが通る位置とは異なる位置に配置されていてもよい。ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転の軸となるボルトとは異なる位置で、アール座金の突起に対するヘッドランプブラケットのくぼみの移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制できる。
【0014】
ある実施形態によれば、前記ヘッドランプブラケットは突起を有し、前記アール座金には前記ヘッドランプブラケットの前記突起の少なくとも一部がおさまる開口部があってもよい。ヘッドランプブラケットの突起の少なくとも一部がアール座金の開口部におさまることにより、アール座金の開口部に対するヘッドランプブラケットの突起の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制できる。
【0015】
ある実施形態によれば、前記ヘッドランプブラケットの突起の少なくとも一部がおさまる前記アール座金の開口部は、前記アール座金の前記ボルトが通る位置とは異なる位置に配置されていてもよい。ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転の軸となるボルトとは異なる位置で、アール座金の開口部に対するヘッドランプブラケットの突起の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制できる。
【0016】
ある実施形態によれば、前記ヘッドランプブラケットは突起を有し、前記アール座金は、前記ヘッドランプブラケットの前記突起の少なくとも一部がおさまるくぼみを有してもよい。ヘッドランプブラケットの突起の少なくとも一部がアール座金のくぼみにおさまることにより、アール座金のくぼみに対するヘッドランプブラケットの突起の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制できる。
【0017】
ある実施形態によれば、前記ヘッドランプブラケットの突起の少なくとも一部がおさまる前記アール座金のくぼみは、前記アール座金の前記ボルトが通る位置とは異なる位置に配置されていてもよい。ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転の軸となるボルトとは異なる位置で、アール座金のくぼみに対するヘッドランプブラケットの突起の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制できる。
【0018】
ある実施形態によれば、前記アール座金は、直線部を有する突起を有し、前記ヘッドランプブラケットは、前記アール座金の前記突起の直線部と接触する直線部を有してもよい。ヘッドランプブラケットの直線部とアール座金の直線部とが接触することにより、アール座金の直線部に対するヘッドランプブラケットの直線部の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のある実施形態によれば、ヘッドランプブラケットおよびアール座金の少なくとも一方は、ヘッドランプブラケットとアール座金との相対的な回転を規制する規制構造を有する。アール座金の曲面はフロントフォークのクラウンの曲面と接触していることにより、アール座金とフロントフォークとの相対的な回転は規制される。これにより、ヘッドランプブラケットとフロントフォークとの相対的な回転が規制され、ヘッドランプの向きが変わることを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る自転車を説明する。実施形態の説明においては、同様の構成要素には同様の参照符号を付し、重複する場合にはその説明を省略する。本発明の実施形態における前後、左右、上下とは、自転車のサドル(シート)に乗員がハンドルに向かって着座した状態を基準とした前後、左右、上下を意味する。また、自転車の各部材の前後、左右、上下とは、それら部材が自転車に取り付けられた状態における前後、左右、上下を意味する。なお、以下の実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る自転車1を示す側面図である。
図1は、自転車1の一例として、二輪の電動補助自転車を示している。
【0023】
自転車1は、前後方向に延びる車体フレーム11を有する。車体フレーム11は、ヘッドパイプ12、ダウンチューブ5、ブラケット6、チェーンステイ7、シートチューブ16、シートステイ19を含む。ヘッドパイプ12は車体フレーム11の前端に配置される。ハンドルステム13は、ヘッドパイプ12に回転可能に挿入される。ハンドル14は、ハンドルステム13の上部に固定される。ハンドルステム13の下部にはフロントフォーク15が固定される。フロントフォーク15の下端部には、操舵輪である前輪25が回転可能に支持される。フロントフォーク15には、前輪25を制動するフロントブレーキ8が設けられる。フロントブレーキ8は、前輪25の上部において前輪25のリム23と接触して制動する。フロントフォーク15は、前輪25の上部を覆うフェンダー18を支持する。ハンドル14には、ハンドル14と一緒に回動可能なようにチャイルドシート21が設けられる。ハンドル操作時に乗員がハンドル14を回動させると、チャイルドシート21はハンドル14と一緒に回動する。
【0024】
前輪25の上方にはヘッドランプ2が配置される。ヘッドランプ2は、ヘッドランプブラケット4を介してフロントフォーク15に取り付けられる。
【0025】
ダウンチューブ5は、ヘッドパイプ12から後方斜め下方に向かって延びている。シートチューブ16は、ダウンチューブ5の後端部から上方に向かって延びている。チェーンステイ7は、シートチューブ16の下端部から後方に向かって延びている。ブラケット6は、ダウンチューブ5の後端部、シートチューブ16の下端部、チェーンステイ7の前端部を接続する。
【0026】
シートチューブ16にはシートポスト17が挿入され、シートポスト17の上端部には乗員が座るサドル27が設けられる。チェーンステイ7の後方部は、駆動輪である後輪26を回転可能に支持する。チェーンステイ7の後方部には、後輪26を制動するリアブレーキ9が設けられる。また、チェーンステイ7の後方部には、駐輪時に車両を立てたまま保持するスタンド29が設けられる。シートステイ19は、シートチューブ16の上部から後方斜め下方に向かって延びている。シートステイ19の下端部は、チェーンステイ7の後方部に接続される。シートステイ19は、サドル27の後方に設けられた荷台24を支持する。
【0027】
車体フレーム11の車両中央部付近に配置されたブラケット6には駆動ユニット31が設けられる。駆動ユニット31は、コントローラ32、電動モータ33、クランクアーム34、ペダル35、クランク軸37を含む。ブラケット6には、電動モータ33等に電力を供給するバッテリ36が搭載される。バッテリ36はシートチューブ16に支持されてもよい。
【0028】
クランク軸37は駆動ユニット31に左右方向に貫通して支持されている。クランク軸37の両端部にはクランクアーム34が設けられる。クランクアーム34の先端には、ペダル35が回転可能に設けられる。
【0029】
コントローラ32は、電動補助自転車である自転車1の各種動作を制御する。乗員がペダル35を足で踏んで回転させたときに発生するクランク軸37の回転出力は、チェーン28を介して、後輪26に伝達される。コントローラ32は、クランク軸37の回転出力に応じた駆動補助出力を発生するように電動モータ33を制御する。電動モータ33から出力された駆動補助出力は、チェーン28を介して、後輪26に伝達される。チェーン28の代わりにベルト、シャフト等が用いられてもよい。電動補助自転車である自転車1では、電動モータ33により人力を補助することにより、例えば坂道の走行時や荷物を積んでいるときの乗員の負担を減らすことができる。
【0030】
次に、ヘッドランプ2を支持するヘッドランプブラケット4をフロントフォーク15に取り付ける機構を説明する。
図2は、ヘッドランプブラケット4をフロントフォーク15に取り付ける機構を示す斜視図である。
【0031】
本実施形態では、フロントブレーキ8は、ボルト81を用いてフロントフォーク15に取り付ける。フロントブレーキ8は、例えばキャリパーブレーキである。フロントブレーキ8は、前輪25(
図1)の上方右側に配置される右アーム82Rと、前輪25の上方左側に配置される左アーム82Lとを備える。右アーム82Rの下部には右パッド84Rが設けられたシュー83Rが取り付けられる。左アーム82Lの下部には左パッド84Lが設けられた左シュー83Lが取り付けられる。
【0032】
右アーム82Rおよび左アーム82Lのそれぞれの上部にはボルト81が通り、右アーム82Rおよび左アーム82Lのそれぞれはボルト81を軸として回転可能である。右アーム82Rおよび左アーム82Lは前輪25の上方を左右から挟む。乗員が前輪25のブレーキ操作を行っていないとき、右パッド84Rおよび左パッド84Lは、前輪25のリム23(
図1)と隙間を空けた位置にある。乗員がブレーキ操作を行うと、右パッド84Rおよび左パッド84Lはリム23と接触し、前輪25を制動する。
【0033】
フロントフォーク15は、ステアリングコラム92、クラウン94、右レッグ98R、左レッグ98Lを備える。ステアリングコラム92は、ヘッドパイプ12(
図1)に回転可能に挿入されたハンドルステム13の下部に固定される。ステアリングコラム92の上部は、ヘッドパイプ12内に位置し得る。ステアリングコラム92の下部には、クラウン94が設けられる。図示する例では、クラウン94は、ステアリングコラム92と同軸の略円柱形状を有する。クラウン94は右レッグ98R、左レッグ98Lを支持する。右レッグ98Rは、前輪25(
図1)の右側方に位置するように、クラウン94から下方に向かって延びている。左レッグ98Lは、前輪25の左側方に位置するように、クラウン94から下方に向かって延びている。右レッグ98Rおよび左レッグ98Lの下端部は、前輪25を回転可能に支持する。
【0034】
クラウン94には、前後方向に貫通する穴96がある。ボルト81がこの穴96を通ることで、フロントブレーキ8はフロントフォーク15のクラウン94に取り付けられる。フロントブレーキ8とクラウン94との間には、アール座金60が配置される。アール座金60には穴63があり、ボルト81はこの穴63を通る。アール座金60の構造の詳細は後述する。
【0035】
フロントブレーキ8とアール座金60との間には、ヘッドランプブラケット4の一部が配置される。本実施形態では、ヘッドランプブラケット4にボルト81を通し、フロントブレーキ8と共にヘッドランプブラケット4をクラウン94に取り付ける。ヘッドランプブラケット4には穴43があり、ボルト81はこの穴43を通る。ヘッドランプブラケット4の構造の詳細は後述する。
【0036】
フロントブレーキ8を通るボルト81は、ヘッドランプブラケット4の穴43、アール座金60の穴63を通り、クラウン94の前方から穴96に挿入されて貫通し、クラウン94の後方に延びる。クラウン94の後方に延びるボルト81は、アール座金76、L字型金具77、座金78を通り、ボルト81の後部にナット79が締め付けられる。L字型金具77はフェンダー18に取り付けられており、ボルト81がL字型金具77を通ることでフェンダー18はクラウン94に支持される。
【0037】
図3は、フロントフォーク15のクラウン94に取り付けられたフロントブレーキ8およびヘッドランプブラケット4を示す斜視図である。ボルト81にナット79を締め付けることで、クラウン94にフロントブレーキ8およびヘッドランプブラケット4が取り付けられる。
【0038】
ヘッドランプブラケット4の前部には、ヘッドランプ2の取り付けに用いる穴48がある。
図4は、ヘッドランプ2およびヘッドランプブラケット4を示す側面図である。この例では、ヘッドランプブラケット4の穴48(
図3)を通るネジ22を用いてヘッドランプ2をヘッドランプブラケット4に取り付ける。
【0039】
ヘッドランプ2が取り付けられたヘッドランプブラケット4を
図5に示す。ヘッドランプが光を出射することで、自転車1の前方の進路を照らすことができる。本実施形態では、前輪25(
図1)の上方にヘッドランプ2が配置される。ヘッドランプ2から出射して左右に広がる光は前輪25に遮られないため、光は周囲に十分に照射される。
【0040】
次に、ヘッドランプブラケット4およびアール座金60をより詳細に説明する。上述したように、フロントブレーキ8と共にヘッドランプブラケット4をフロントフォーク15に取り付けた構造では、走行中の振動等により、ボルト81を軸とする回転方向に沿ったヘッドランプブラケット4の位置ずれが発生する場合がある。ヘッドランプブラケット4が回転する位置ずれが発生すると、ヘッドランプ2の向きが変わってしまうという課題がある。本実施形態のヘッドランプブラケット4およびアール座金60の少なくとも一方は、ボルト81を軸としたヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転を規制する規制構造を有する。この規制構造により、ヘッドランプブラケット4の位置ずれを規制する。以下、この規制構造を詳細に説明する。
【0041】
図6は、ヘッドランプブラケット4およびアール座金60を示す斜視図である。ヘッドランプブラケット4は、前後上下方向に延びるブラケット本体41と、ブラケット本体41の後端から左右上下方向に延びる後壁42と、ブラケット本体41の上端から前後左右方向に延びる上壁46とを備える。ブラケット本体41の前部には、ヘッドランプ2の取り付けに用いる穴48がある。上壁46はブラケット本体41の強度と剛性を向上させる。後壁42には、ボルト81が通る穴43がある。
【0042】
アール座金60は、前方へ突出する突起64を有する。この突起64は、アール座金60のボルト81が通る穴63とは異なる位置に設けられる。
図6に示す例では、アール座金60は、左右方向よりも上下方向に長い形状を有している。突起64は、アール座金60の上下方向において、穴63とは異なる位置に設けられる。例えば、突起64は、穴63よりも上方に設けられる。
【0043】
ヘッドランプブラケット4は、アール座金60の前方に配置される。ヘッドランプブラケット4の後壁42には、アール座金60の突起64の少なくとも一部がおさまる開口部44がある。開口部44は後壁42を前後方向に貫通している。開口部44は、ボルト81が通る穴43の位置とは異なる位置に配置される。
図6に示す例では、アール座金60の突起64は穴63よりも上方に位置するため、ヘッドランプブラケット4の開口部44は、穴43よりも上方に位置する。ヘッドランプブラケット4をクラウン94に取り付けた状態では、ヘッドランプブラケット4の開口部44にアール座金60の突起64が嵌る。
図3は、ヘッドランプブラケット4の開口部44にアール座金60の突起64が嵌っている状態を示している。
【0044】
アール座金60の突起64の少なくとも一部がヘッドランプブラケット4の開口部44におさまることにより、アール座金60の突起64に対するヘッドランプブラケット4の開口部44の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転が規制される。
【0045】
また、突起64および開口部44のそれぞれは、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転の軸となるボルト81とは異なる位置にある。回転軸から離れた位置で、突起64に対する開口部44の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転をより効果的に規制することができる。
【0046】
なお、アール座金60の突起64は穴63よりも下方に位置してもよい。この場合は、ヘッドランプブラケット4の開口部44は、穴43よりも下方に位置する。
【0047】
図7は、フロントフォーク15のクラウン94とアール座金60との関係を説明する図である。
図7(a)は、右斜め前方から見たクラウン94を示す斜視図であり、
図7(b)は、右斜め後方から見たアール座金60を示す斜視図である。
【0048】
例えば、
図7(a)に示すように、クラウン94の前方部は曲面91を有する。アール座金60の後方部は曲面61を有する。例えば、アール座金60の曲面61は、クラウン94の前方部の曲面91に沿うように湾曲している。曲面61および曲面91は、互いに同じまたは近い値の曲率を有する。フロントブレーキ8およびヘッドランプブラケット4をクラウン94に取り付けた状態では、アール座金60の曲面61とクラウン94の曲面91とは接触する。曲面61と曲面91とが接触することにより、アール座金60とクラウン94との相対的な回転は規制される。
【0049】
図6を用いて説明したように、アール座金60の突起64がヘッドランプブラケット4の開口部44におさまることにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転は規制される。また、アール座金60の曲面61とクラウン94の曲面91とが接触することにより、アール座金60とクラウン94との相対的な回転は規制される。すなわち、ヘッドランプブラケット4とクラウン94との相対的な回転が規制される。これにより、ボルト81を軸とする回転方向に沿ったヘッドランプブラケット4の位置ずれが規制され、ヘッドランプ2の向きが変わることを防止できる。
【0050】
穴43および開口部44のそれぞれは、左右方向よりも上下方向に長い形状を有する長穴である。これにより、クラウン94にヘッドランプブラケット4を取り付けた後に、ヘッドランプブラケット4の位置を上下方向に調整することができる。例えば、各部品の寸法誤差の累積等により、ヘッドランプブラケット4がワイヤ等の他の部品と干渉しそうになる場合がある。このような場合は、ヘッドランプブラケット4の位置を上下方向に移動させて調整することにより、そのような干渉を避けることができる。
【0051】
(変形例)
上述した例では、ヘッドランプブラケット4の開口部44は穴であったが、開口部44は切欠きであってもよい。
図8は、右斜め後方から見たヘッドランプブラケット4の後壁42を示す斜視図である。
図8に示す例では、開口部44は、後壁42の上端部から下方へ向かって後壁42の一部を切り取った形状を有する。このような切欠き形状の開口部44に、アール座金60の突起64がおさまることにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転を規制できる。
【0052】
図8に示す開口部44は、左右方向よりも上下方向に長い形状を有している。これにより、ヘッドランプブラケット4の位置を上下方向に調整することができ、ヘッドランプブラケット4と他の部品との干渉を避けることができる。
【0053】
ヘッドランプブラケット4の後壁42は、開口部44の代わりにくぼみを有していてもよい。
図9は、右斜め後方から見たヘッドランプブラケット4の後壁42を示す斜視図である。
図9に示す例では、後壁42は、開口部44の代わりにくぼみ47を有している。くぼみ47は、後壁42の後方から前方へ向かって凹んだ形状を有する。くぼみ47は、後壁42の前後方向に貫通していない。
【0054】
くぼみ47は、後壁42におけるボルト81が通る穴43とは異なる位置にある。
図9に示す例では、くぼみ47は、穴43よりも上方に位置する。ヘッドランプブラケット4をクラウン94に取り付けた状態では、くぼみ47にアール座金60の突起64が嵌る。突起64の少なくとも一部がくぼみ47におさまることにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転を規制できる。
【0055】
図9に示すくぼみ47は、開口部44と同様に、左右方向よりも上下方向に長い形状を有している。これにより、ヘッドランプブラケット4の位置を上下方向に調整することができ、ヘッドランプブラケット4と他の部品との干渉を避けることができる。
【0056】
上述した例では、アール座金60の突起64は、アール座金60の上下方向において穴63とは異なる位置に設けられたが、左右方向において穴63とは異なる位置に設けられてもよい。また、ヘッドランプブラケット4の開口部44は、後壁42の上下方向において穴43とは異なる位置に配置されたが、左右方向において穴43とは異なる位置に配置されてもよい。
【0057】
図10は、ヘッドランプブラケット4およびアール座金60を示す斜視図である。
図10に示す例では、アール座金60は、上下方向よりも左右方向に長い形状を有している。突起64は、アール座金60の左右方向において、穴63とは異なる位置に設けられる。例えば、突起64は、穴63よりも右側に設けられる。
図10に示す例では、アール座金60の突起64は穴63よりも右側に位置するため、ヘッドランプブラケット4の開口部44は、後壁42において穴43よりも右側に位置する。ヘッドランプブラケット4をクラウン94に取り付けた状態では、ヘッドランプブラケット4の開口部44にアール座金60の突起64が嵌る。これにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転を規制できる。
【0058】
図10に示す例と同様に、ヘッドランプブラケット4のくぼみ47(
図9)が、後壁42の左右方向において穴43とは異なる位置に配置されてもよい。
【0059】
(第2実施形態)
上述した例では、アール座金60の突起64がヘッドランプブラケット4の開口部44におさまっていた。第2実施形態では、ヘッドランプブラケット4が有する突起がアール座金60の開口部におさまる。
【0060】
図11は、右斜め前方から見たヘッドランプブラケット4およびアール座金60を示す斜視図である。
図12は、右斜め後方から見たヘッドランプブラケット4の後壁42を示す斜視図である。
【0061】
図11および
図12に示す例では、ヘッドランプブラケット4の後壁42は、後方へ突出する突起45を有する。この突起45は、ヘッドランプブラケット4のボルト81が通る穴43とは異なる位置に設けられる。突起45は、ヘッドランプブラケット4の上下方向において、穴43とは異なる位置に設けられる。例えば、突起45は、穴43よりも上方に設けられる。
【0062】
アール座金60には、ヘッドランプブラケット4の突起45の少なくとも一部がおさまる開口部65がある。開口部65は、ボルト81が通る穴63の位置とは異なる位置に配置される。
図11に示す例では、ヘッドランプブラケット4の突起45は穴43よりも上方に位置するため、アール座金60の開口部65は、穴63よりも上方に位置する。ヘッドランプブラケット4をクラウン94に取り付けた状態では、アール座金60の開口部65にヘッドランプブラケット4の突起45が嵌る。
【0063】
ヘッドランプブラケット4の突起45の少なくとも一部がアール座金60の開口部65におさまることにより、アール座金60の開口部65に対するヘッドランプブラケット4の突起45の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転が規制される。
【0064】
また、突起45および開口部65のそれぞれは、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転の軸となるボルト81とは異なる位置にある。回転軸から離れた位置で、開口部65に対する突起45の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転をより効果的に規制することができる。
【0065】
なお、ヘッドランプブラケット4の突起45は穴43よりも下方に位置してもよい。この場合は、アール座金60の開口部65は、穴63よりも下方に位置する。
【0066】
図7を用いて説明したように、アール座金60の曲面61とクラウン94の曲面91とが接触することにより、アール座金60とクラウン94との相対的な回転は規制される。ヘッドランプブラケット4の突起45がアール座金60の開口部65におさまることにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転は規制される。すなわち、ヘッドランプブラケット4とクラウン94との相対的な回転が規制される。これにより、ボルト81を軸とする回転方向に沿ったヘッドランプブラケット4の位置ずれが規制され、ヘッドランプ2の向きが変わることを防止できる。
【0067】
穴43および開口部65のそれぞれは、左右方向よりも上下方向に長い形状を有する長穴である。これにより、ヘッドランプブラケット4の位置を上下方向に調整することができ、ヘッドランプブラケット4と他の部品との干渉を避けることができる。
【0068】
(変形例)
上述した例では、アール座金60の開口部65は穴であったが、開口部65は切欠きであってもよい。
図13は、アール座金60を示す斜視図である。
図13に示す例では、開口部65は、アール座金60の上端部から下方へ向かってアール座金60の一部を切り取った形状を有する。このような切欠き形状の開口部65に、ヘッドランプブラケット4の突起45がおさまることにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転を規制できる。
【0069】
図13に示す開口部65は、左右方向よりも上下方向に長い形状を有している。これにより、ヘッドランプブラケット4の位置を上下方向に調整することができ、ヘッドランプブラケット4と他の部品との干渉を避けることができる。
【0070】
アール座金60は、開口部65の代わりにくぼみを有していてもよい。
図14は、アール座金60を示す斜視図である。
図14に示す例では、アール座金60は、開口部65の代わりにくぼみ67を有している。くぼみ67は、アール座金60の前方から後方へ向かって凹んだ形状を有する。くぼみ67は、アール座金60の前後方向に貫通していない。
【0071】
くぼみ67は、アール座金60におけるボルト81が通る穴63とは異なる位置にある。
図14に示す例では、くぼみ67は、穴63よりも上方に位置する。ヘッドランプブラケット4をクラウン94に取り付けた状態では、くぼみ67にヘッドランプブラケット4の突起45が嵌る。突起45の少なくとも一部がくぼみ67におさまることにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転を規制できる。
【0072】
図14に示すくぼみ67は、開口部65と同様に、左右方向よりも上下方向に長い形状を有している。これにより、ヘッドランプブラケット4の位置を上下方向に調整することができ、ヘッドランプブラケット4と他の部品との干渉を避けることができる。
【0073】
上述した例では、ヘッドランプブラケット4の突起45は、後壁42の上下方向において穴43とは異なる位置に設けられたが、左右方向において穴43とは異なる位置に設けられてもよい。また、アール座金60の開口部65は、アール座金60の上下方向において穴63とは異なる位置に配置されたが、左右方向において穴63とは異なる位置に配置されてもよい。
【0074】
図15は、右斜め前方から見たヘッドランプブラケット4およびアール座金60を示す斜視図である。
図16は、右斜め後方から見たヘッドランプブラケット4の後壁42を示す斜視図である。
図15に示す例では、アール座金60は、上下方向よりも左右方向に長い形状を有している。突起45は、ヘッドランプブラケット4の後壁42の左右方向において、穴43とは異なる位置に設けられる。例えば、突起45は、穴43よりも右側に設けられる。
図15に示す例では、後壁42の突起45は穴43よりも右側に位置するため、アール座金60の開口部65は、アール座金60において穴63よりも右側に位置する。ヘッドランプブラケット4をクラウン94に取り付けた状態では、アール座金60の開口部65にヘッドランプブラケット4の突起45が嵌る。これにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転を規制できる。
【0075】
図15に示す例と同様に、アール座金60のくぼみ67(
図14)が、アール座金60の左右方向において穴63とは異なる位置に配置されてもよい。
【0076】
(第3実施形態)
第3実施形態では、ヘッドランプブラケット4およびアール座金60のそれぞれが直線状に延びる部分を有し、それら直線状に延びる部分同士が接触することにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転を規制する。
【0077】
図17は、ヘッドランプブラケット4およびアール座金60を示す斜視図である。
図18は、ヘッドランプブラケット4およびアール座金60の一部を拡大して示す斜視図である。
図17に示す例では、アール座金60は、前方へ突出する突起66を有する。このアール座金60の突起66は、
図17中に斜線で示す直線部69を有する。直線部69は、上下方向に直線状に延びる形状を有している。この直線部69は、アール座金60のボルト81が通る穴63とは異なる位置に設けられる。例えば、直線部69は、穴63よりも右側の位置および穴63よりも左側の位置のそれぞれに設けられる。
【0078】
ヘッドランプブラケット4の穴43は、左右方向よりも上下方向に長い形状を有する長穴である。
図17に示す例では、ヘッドランプブラケット4は、ボルト81が通る穴43の外周に
図17中に斜線で示す直線部49を有する。直線部49は、上下方向に直線状に延びる形状を有している。直線部49は、例えば、穴43の外周の右側および左側のそれぞれに設けられる。
【0079】
ヘッドランプブラケット4をクラウン94に取り付けた状態では、
図18に示すように、ヘッドランプブラケット4の穴43にアール座金60の突起66が嵌る。このとき、ヘッドランプブラケット4の直線部49とアール座金60の直線部69とが接触する。直線部49と直線部69とが接触することにより、直線部69に対する直線部49の移動が規制される。これにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転を規制できる。
【0080】
図17および
図18に示す例では、アール座金60が直線部69を有する突起66を有していたが、ヘッドランプブラケット4が直線部を有する突起を有していてもよい。この場合、アール座金60は、ヘッドランプブラケット4のその突起の少なくとも一部がおさまる溝を有してもよい。そのアール座金60の溝は、ヘッドランプブラケット4の直線部と接触する直線部を有する。ヘッドランプブラケット4の直線部とアール座金60の直線部とが接触することにより、ヘッドランプブラケット4とアール座金60との相対的な回転を規制できる。
【0081】
上記の説明では、電動補助自転車を例示したが、本発明はこれに限定されず、駆動ユニットを有さない自転車にも適用できる。
【0082】
また、上記の自転車はチャイルドシートを有していたが、本発明はこれに限定されず、チャイルドシートを有しない自転車にも適用できる。
【0083】
また、上記の説明では、二輪の自転車を例示したが、本発明はこれに限定されず、三輪以上の自転車にも適用できる。
【0084】
以上、本発明の実施形態を説明した。上述の実施形態の説明は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではない。また、上述の実施形態で説明した各構成要素を適宜組み合わせた実施形態も可能である。本発明は、特許請求の範囲またはその均等の範囲において、改変、置き換え、付加および省略などが可能である。