特許第6720093号(P6720093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6720093
(24)【登録日】2020年6月19日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】ユーザ端末装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20200629BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20200629BHJP
   G16H 20/10 20180101ALI20200629BHJP
【FI】
   A61B5/00 102C
   A61B5/00 D
   A61B5/02 E
   G16H20/10
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-246(P2017-246)
(22)【出願日】2017年1月4日
(65)【公開番号】特開2018-108282(P2018-108282A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2019年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】堀口 奈都子
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 宏
(72)【発明者】
【氏名】茎田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】和田 洋貴
(72)【発明者】
【氏名】上田 民生
【審査官】 門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−130688(JP,A)
【文献】 特開2005−334394(JP,A)
【文献】 特開昭60−232168(JP,A)
【文献】 特開平6−197890(JP,A)
【文献】 特表2012−502671(JP,A)
【文献】 特表2016−522005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 − 5/22
G16H 10/00 −80/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが特定の状態になったか否かを検出する検出部と、
前記ユーザの心拍数を測定する、あるいは、前記ユーザの血圧波形を測定し、前記測定した血圧波形の周期から心拍数を算出するセンサと、
前記ユーザが前記特定の状態になったことが検出された場合に、前記心拍数が閾値未満であるか否かを判定する判定部と、
前記心拍数が閾値未満であると判定された場合に、薬の服用または投与を促す通知を行う通知部と、
を具備するユーザ端末装置。
【請求項2】
前記センサは、前記測定した血圧波形に基づいて1拍ごとの血圧値を測定する血圧センサである、請求項1に記載のユーザ端末装置。
【請求項3】
前記ユーザが前記特定の状態になったことを示すユーザ入力を受け取る入力部をさらに具備し、
前記検出部は、前記ユーザ入力に基づいて検出を行う、請求項1または2に記載のユーザ端末装置。
【請求項4】
前記センサによって得られるセンサデータに基づいて前記ユーザが前記特定の状態になったことを識別するための学習を行う学習部をさらに具備し、
前記検出部は、前記センサによって得られるセンサデータに基づいて前記ユーザが前記特定の状態になったか否かを検出する、請求項1または2に記載のユーザ端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの生体情報を測定するユーザ端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの生体情報の測定結果がユーザの健康管理などの様々なシーンで利用されている。例えば、特許文献1には、ユーザの心拍数を測定し、測定された心拍数が正常値でない場合に報知を行う技術が開示されている。
【0003】
近年、センサ技術の発展に伴い、例えばユーザの手首に装着するだけでユーザの生体情報を測定することができるユーザ端末装置が実現されている。このユーザ端末装置によれば、ユーザに大きな負担を掛けることなく生体情報を測定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−128748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、空腹時などの所定のタイミングで服用または投与することでより高い効果を得ることができる薬がある。ユーザがこのような薬を適切なタイミングで服用することは困難である。また、ユーザは薬を服用することを忘れることがある。上述したようなユーザ端末装置においては、ユーザの生体情報の測定結果に基づいて薬の服用や投与などの行動を促す通知を行うことができることが求められている。
【0006】
本発明は、上記の事情に着目してなされたものであり、その目的は、ユーザの生体情報の測定結果に基づいて行動を促す通知を行うことができるユーザ端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、ユーザが特定の状態になったか否かを検出する検出部と、前記ユーザの心拍数を測定する、あるいは、前記ユーザの血圧波形を測定し、前記測定した血圧波形の周期から心拍数を算出するセンサと、前記ユーザが前記特定の状態になったことが検出された場合に、前記心拍数が閾値未満であるか否かを判定する判定部と、前記心拍数が閾値未満であると判定された場合に、行動を促す通知を行う通知部と、を備えるユーザ端末装置である。
第1の態様によれば、ユーザの心拍数が測定され、測定された心拍数に基づいて所定の行動を行うのに望ましいタイミングが検出され、行動を促す通知が行われる。これにより、ユーザが行動を適切なタイミングで行う、あるいは、他者がユーザに対する行動を適切なタイミングで行うことが可能になる。
【0008】
本発明の第2の態様では、前記行動は薬の服用または投与である。
第2の態様によれば、ユーザが適切なタイミングで薬を服用することが可能になる、あるいは、医師などの他者が適切なタイミングでユーザに薬を投与することが可能になる。
【0009】
本発明の第3の態様では、前記センサは、前記測定した血圧波形から1拍ごとの血圧値を測定する血圧センサである。
第3の態様によれば、血圧センサを利用して心拍数を測定することができる。
【0010】
本発明の第4の態様は、ユーザ端末装置が、前記ユーザが前記特定の状態になったことを示すユーザ入力を受け取る入力部をさらに備え、前記検出部が、前記ユーザ入力に基づいて検出を行うようにしたものである。
第4の態様によれば、ユーザが特定の状態になったことを指示するので、ユーザが特定の状態になったことを容易に検出することができる。
【0011】
本発明の第5の態様は、ユーザ端末装置が、前記センサによって得られるセンサデータに基づいて前記ユーザが前記特定の状態になったことを識別するための学習を行う学習部をさらに備え、前記検出部が、前記センサによって得られるセンサデータに基づいて前記ユーザが前記特定の状態になったか否かを検出するようにしたものである。
第5の態様によれば、前記ユーザが前記特定の状態になったことを自動で検出することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの生体情報の測定結果に基づいて行動を促す通知を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るユーザ端末装置を示すブロック図。
図2図1に示したユーザ端末装置の外観の一例を示す斜視図。
図3図1に示したユーザ端末装置を含む生体情報管理システムの構成例を示す図。
図4】心拍数と服薬タイミングとの関係を示す図。
図5図1に示したユーザ端末装置が服用タイミングを通知する手順例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末装置100を概略的に示している。図1に示すユーザ端末装置100は、ウェアラブルデバイス、例えば、図2に示すような腕時計型のウェアラブルデバイスであり得る。ユーザ端末装置100は、当該ユーザ端末装置100を装着したユーザの収縮期血圧(SBP:systolic blood pressure)、拡張期血圧(DBP:diastolic blood pressure)および心拍数などの生体情報を測定することができる。心拍数は、単位時間(例えば1分間)あたりに心臓が拍動する回数を示す。ユーザ端末装置100は、日付および時刻などの一般的な時計に表示される情報とともに、測定結果を表示することができる。
【0016】
ユーザ端末装置100は、図3に示すように、スマートデバイス200に接続されてもよい。典型的には、スマートデバイス200は、スマートフォンやタブレットなどの携帯機器であり得る。スマートデバイス200は、ユーザ端末装置100によって送信された生体データをグラフ化して表示したり、当該生体データをネットワークNW経由でサーバ300に送信したりすることができる。スマートデバイス200には、生体データを管理するためのアプリケーションがインストールされていてもよい。なお、ユーザ端末装置100は、スマートデバイス200を介さずに、ネットワークNW経由でサーバ300に接続されてもよい。
【0017】
サーバ300は、ユーザ端末装置100またはスマートデバイス200から送信された生体データを蓄積する。サーバ300は、例えばユーザの健康指導または診断に供するために、医療機関に設置されたPC(personal computer)などからのアクセスに応じて当該生体データを送信してもよい。
【0018】
ユーザ端末装置100は、ユーザまたはユーザに関与する人に行動を促す通知を行う。一例として、ユーザが食後に空腹になったときに服用すべき薬を処方されている場合を想定する。この場合、ユーザ端末装置100は、ユーザが食後に空腹になったか否かを判定し、空腹になったとの判定に応じてユーザに薬の服用を促す通知を行う。この処理について図4を参照してより詳細に説明する。
【0019】
図4は、食後の心拍数の変動を示している。図4において、HRは心拍数に関する閾値を示し、tは食事の終了時刻を示し、は心拍数が閾値HRになるときの時刻を示す。心拍数は空腹時よりも満腹時のほうが高くなることが知られている。図4に示すように、ユーザが食事を取ると、心拍数は、一時的に高くなり、時間が経過するにつれて下降する。例えば、ユーザ端末装置100は、心拍数が閾値HR未満になった場合に、ユーザが空腹であると判定することができる。この場合、閾値HRは、ユーザが空腹になったと見なすことができる値に設定される。閾値HRはユーザに応じて設定することができる。
【0020】
ユーザ端末装置100は、後述する生体センサを用いてユーザの心拍数を測定し、食後に心拍数が閾値HR未満になった場合に、ユーザに薬の服用を促す通知を行う。これにより、ユーザが薬を適切なタイミングで服用することができる。さらに、ユーザが薬を飲み忘れることを防止することができる。ユーザが食事を取ったことは、生体センサから出力されたセンサデータに基づいて検出することができる。例えば、検出は、心電データ、心拍データ、脈波データ、脈拍データ、体温データの少なくとも1つに基づいていることができる。あるいは、検出は、ユーザ入力に基づいていてもよい。なお、医師がユーザに薬を投与する場合などにおいて、ユーザ端末装置100は、ユーザへの投薬を促す通知を外部機器に送信してもよい。
【0021】
図1を参照すると、ユーザ端末装置100は、生体センサ110、加速度センサ121、環境センサ122、時計部123、ユーザ入力部124、センサデータ記憶部131、検出部132、判定部133、通知部134、通信部150、出力制御部160、表示部161、スピーカ162、およびバイブレータ163を備える。
【0022】
生体センサ110は、ユーザの生体情報を測定することで生体データを得て、生体データをセンサデータ記憶部131および出力制御部160に送る。一例として、生体センサ110は、ユーザの血圧を測定して血圧データを得る血圧センサ111を含む。この例では、生体データは血圧データを含む。このほか、生体データは、心電データ、心拍データ、脈波データ、脈拍データ、体温データなどを含むことができる。各生体データは、時計部123から受け取った時刻情報に基づいて設定された測定時刻に紐づけられ得る。
【0023】
血圧センサ111は、連続測定型血圧センサを含む。連続測定型血圧センサは、1拍ごとの血圧(例えば収縮期血圧および拡張期血圧)を連続測定することができる血圧センサである。連続測定型血圧センサは、脈波伝播時間(PTT;pulse transmit time)を測定し、測定した脈波伝播時間から血圧を推定する技法、トノメトリ法または他の技法に基づいていることができる。連測測定型血圧センサにより得られる血圧データは、例えば、1拍ごとの血圧値(例えば収縮期血圧値および拡張期血圧値)を含み得るが、これに限定されない。連続測定型血圧センサは、ユーザの血圧波形を測定することができ、測定した血圧波形に基づいて血圧値を得ることができ、測定した血圧波形の周期に基づいて心拍数を算出することができる。心拍データは、例えば、心拍数を含み得るが、これに限定されない。心拍数は、連続測定型血圧センサによって測定されるのに限らず、心拍センサによって測定されてもよい。
【0024】
血圧センサ111は、非連続測定型血圧センサをさらに含んでもよい。非連続測定型血圧センサの例には、カフを圧力センサとして用いて血圧を測定するオシロメトリック法に基づいた血圧センサが含まれる。非連続測定型血圧センサ(特に、オシロメトリック方式の血圧センサ)は、連続測定型血圧センサに比べて、測定精度が高い傾向にある。故に、血圧センサ111は、例えば、何らかの条件が満足する(例えば、連続測定型血圧センサによって測定されたユーザの血圧データが所定の高リスク状態を示唆した)ことをトリガとして、連続測定型血圧センサに代えて非連続測定型血圧センサを作動させることにより、血圧データをより高い精度で測定することができる。
【0025】
加速度センサ121は、当該加速度センサ121の受ける加速度を検出することで3軸の加速度データを得る。この加速度データは、ユーザ端末装置100を装着しているユーザの活動状態(姿勢および/または動作)を推定するために用いることができる。加速度センサ121は、加速度データをセンサデータ記憶部131および出力制御部160に送る。加速度データは、時計部123から受け取った時刻情報に基づいて設定された測定時刻に紐づけられ得る。
【0026】
環境センサ122は、ユーザ端末装置100の周囲の環境情報を測定することで環境データを得て、環境データをセンサデータ記憶部131および出力制御部160に送る。環境データは、温度データ、湿度データ、気圧データなどを含むことができる。各環境データは、時計部123から受け取った時刻情報に基づいて設定された測定時刻に紐づけられ得る。
【0027】
時計部123は、現在時刻を表す時刻情報を所定周期で発生し、生体センサ110、加速度センサ121、環境センサ122および出力制御部160に送る。時刻情報は、生体センサ110による生体データの測定時刻、加速度センサ121による加速度データの測定時刻、環境センサ122による環境データの測定時刻などとして用いることができる。時計部123は、カレンダー機能を備えていてもよい。すなわち、時計部123は、今日の日付を表す日付情報を発生し、出力制御部160に送ってもよい。
【0028】
ユーザ入力部124は、例えば、ユーザ入力を受け付けるためのボタン、ダイヤルなどを含む。あるいは、ユーザ入力部124および後述される表示部161の組み合わせがタッチスクリーンを用いて実装されてもよい。ユーザ入力は、例えば、食事の摂取または起床などのユーザ状態を入力する操作、表示部161の表示画面を制御する操作などである。食事の摂取に対応するユーザ入力は、食事開始時、食事終了時、または食事中のいずれに行われてもよい。
【0029】
センサデータ記憶部131は、生体センサ110から出力される生体データ、加速度センサ121から出力される加速度データ、および環境センサ122から出力される環境データを記憶する。
【0030】
検出部132は、ユーザが特定の状態になったか否かを検出する。検出部132は、ユーザ入力部124からのユーザ入力に基づいて、ユーザが特定の状態になったことを検出することができる。例えば、ユーザがユーザ入力部124に対して食事を取ったことを示す操作を行うと、検出部132は、ユーザが食事を取ったことを検出する。あるいは、検出部132は、センサデータ記憶部131からのセンサデータに基づいてユーザが特定の状態になったか否かを検出してもよい。また、検出部132は、通信部150を通じて得られる外部機器からの情報に基づいて、ユーザが特定の状態になったことを検出してもよい。検出部132は、ユーザが特定の状態になったことを検出すると、検出信号を判定部133に送る。
【0031】
判定部133は、検出部132から検出信号を受け取ったことに応答して、センサデータ記憶部131からのセンサデータに基づいて所定の条件が満たされたか否かを判定する。図4に関して上述した例を再び参照すると、判定部133は、センサデータ記憶部131から心拍データを受け取り、心拍数と閾値HRとを比較し、心拍数が閾値HR未満になった場合に条件が満たされたと判定する。判定部133は、所定の条件が満たされたことを示す情報を通知部134に送る。
【0032】
なお、食事の摂取により血圧値が上昇することも知られている。他の実施形態では、判定部133は、血圧値(例えば収縮期血圧値)が他の閾値未満になった場合に、条件が満たされたと判定してもよい。さらなる実施形態では、判定部133は、心拍数がHR未満になり、かつ、血圧値が他の閾値未満になった場合に、条件が満たされたと判定してもよい。心拍数と血圧値の両方を扱うことにより、より正確に判定を行うことができる。
【0033】
通知部134は、判定部133から情報を受け取ると、行動を促す通知を行う。通知部134は、通知を出力制御部160に送ることができる。あるいは、通知部134は、判定部133から情報を受け取ると、行動を促す通知を通信部150に送ってもよい。
【0034】
通信部150は、図2に示したスマートデバイス200またはサーバ300などの外部機器とデータをやり取りする。通信部150は、無線通信および有線通信の一方または両方を行う。一例として、通信部150は、スマートデバイス200との間でBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を行う。通信部150は、通知部134から通知を受け取ると、通知を含むデータを外部機器に送信することができる。さらに、通信部150は、センサデータ記憶部131からセンサデータを受け取り、センサデータを含むデータを送信することができる。また、通信部150は、外部機器からデータを受信することができる。例えば、外部機器から受信されたデータは、出力制御部160に送られ、ユーザに対して出力される。
【0035】
出力制御部160は、出力インタフェースを制御する。本実施形態では、出力インタフェースは、表示部161、スピーカ162、およびバイブレータ163を含む。出力制御部160は、画面データを生成して表示部161に送ることができる。例えば、出力制御部160は、生体センサ110からの生体データ、加速度センサ121からの加速度データ、環境センサ122からの環境データ、時計部123からの時刻情報および日付情報、通知部134からの通知、または通信部150からのデータに基づいて画面データを生成する。例えば、出力制御部160は、通知部134から通知を受け取ると、「薬を服用してください」などの行動を促すメッセージを含む画面データを生成する。出力制御部160は、音響信号を生成してスピーカ162に送ることができる。例えば、出力制御部160は、通知部134からの通知に基づいて音響信号を生成する。出力制御部160は、バイブレータ163を振動させるための電圧信号を生成し、電圧信号をバイブレータ163に印加する。例えば、出力制御部160は、通知部134からの通知に基づいて電圧信号を生成する。
【0036】
表示部161は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electroluminescence)ディスプレイなどである。表示部161は、出力制御部160からの画面データを表示することで、ユーザに様々な情報を知らせることができる。具体的には、表示部161は、通知部134からの通知に基づいた情報、生体情報(例えば、血圧、心電図、心拍数、脈波、脈拍数、体温など)、加速度データ、活動量情報(例えば、加速度データに基づいて計数された歩数、消費カロリーなど)、睡眠情報(例えば、睡眠時間など)、環境情報(例えば、気温、湿度、気圧など)、現在時刻、カレンダー、外部機器からの情報などを表示してもよい。スピーカ162は、出力制御部160からの音響信号を音波に変換する。バイブレータ163は、出力制御部160からの電圧信号に従って振動する。
【0037】
ユーザ端末装置100は、学習部140をさらに備えてもよい。学習部140は、センサデータに基づいてユーザが特定の状態になったことを識別するための教師あり学習を行うことができる。例えば、学習部140は、食事の摂取を示すユーザ入力を受け取った時点またはその前の時間帯に得られたセンサデータを正解データとして用いる。食事の摂取は、循環系に影響を及ぼすことが知られている。このため、例えば、ユーザが特定の状態になったか否かを検出するために用いるセンサデータとして、心拍データ、血圧データ、またはその組み合わせを用いることができる。検出部132は、学習部140による学習の結果を受け取る。それにより、検出部132は、センサデータ記憶部131から取得されるセンサデータを用いてユーザが特定の状態になったか否かを検出することが可能になる。また、学習部140は、センサデータ記憶部131から取得されるセンサデータとユーザ入力とに基づいて、判定部133に設定される閾値(例えば閾値HR)を決定してもよい。
【0038】
ユーザ端末装置100は、ハードウェアとして、例えば、CPU(central processing unit)およびメモリを備える。メモリは、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、および二次記憶装置を含む。ユーザ端末装置100の各種機能は、CPUがROMまたは二次記憶装置からプログラムをRAM上に読み出して実行することで実現することができる。二次記憶装置として、例えば、半導体メモリ、ハードディスクドライブ(HDD)を用いることができる。二次記憶装置は、センサデータ記憶部131を備える。なお、ユーザ端末装置100の機能の一部または全部は、IC(integrated circuit)チップなどのハードウェアにより実現されてもよい。
【0039】
次に、ユーザ端末装置100の動作について説明する。
図5は、ユーザ端末装置100の動作例を示している。図5のステップS501において、検出部132は、ユーザが特定の状態になったことを検出する。続いて、ステップS502において、判定部133は、血圧センサ111を用いて測定されたユーザの心拍数のデータを取得する。ステップS503において、判定部133は、心拍数が閾値未満になったか否かを判定する。心拍数が閾値以上である場合、ステップS502に戻る。心拍数が閾値未満である場合、ステップS504に進み、ステップS504において、通知部134は、ユーザに行動を促す通知を行う。
【0040】
以上のように、本実施形態に係るユーザ端末装置は、血圧センサを利用してユーザの心拍数を測定し、測定された心拍数に基づいてユーザが所定の行動を行うタイミングを判定する。これにより、ユーザに行動を促す通知を行うことができる。
【0041】
他の実施形態では、検出部132は、ユーザが特定の状態になったか否かを検出する。特定の状態は、例えば、起床であり得る。検出は、ユーザ入力、センサデータ、または外部機器からの情報に基づいていてもよい。判定部133は、センサデータ記憶部131から心拍データを受け取り、ユーザが起床してからの心拍回数(心臓が拍動した回数)をカウントし、心拍回数が閾値を超えたか否かを判定する。閾値は、ユーザに応じて設定されることができる。閾値は、例えば、学習部140によってセンサデータおよびユーザ入力に基づいて決定されることができる。心拍回数が閾値を超えたと判定部133が判定した場合、通知部134は、行動を促す通知を行う。例えば、起床からの心拍回数が特定の範囲内にあるときに一日で最も頭が働くとされており、現在が仕事または勉強することが好ましい時間帯であることを通知することができる。心拍回数は、血圧値と心拍回数との相関関係に基づいて補正されてもよい。また、心拍回数は、血圧値と心拍回数との相関関係および血圧値と運動量との相関関係に基づいて補正されてもよい。
【0042】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0043】
上記各実施形態の一部または全部は、特許請求の範囲のほか以下の付記に示すように記載することも可能であるが、これらに限られない。
【0044】
(付記1)
ハードウェアプロセッサと、
前記ハードウェアプロセッサに接続されたメモリと、
を具備し、
前記ハードウェアプロセッサは、
ユーザが特定の状態になったか否かを検出し、
センサを用いて測定された前記ユーザの心拍数を取得し、
前記ユーザが前記特定の状態になったことが検出された場合に、前記測定された心拍数が閾値未満であるか否かを判定し、
前記測定された心拍数が閾値未満であると判定された場合に、行動を促す通知を行う
ように構成されたユーザ端末装置。
【符号の説明】
【0045】
100…ユーザ端末装置、110…生体センサ、111…血圧センサ、121…加速度センサ、122…環境センサ、123…時計部、124…ユーザ入力部、131…センサデータ記憶部、132…検出部、133…判定部、134…通知部、140…学習部、150…通信部、160…出力制御部、161…表示部、162…スピーカ、163…バイブレータ、200…スマートデバイス、300…サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5