【課題を解決するための手段】
【0012】
[技術的解決方法]
前記目的を達成するために本発明は、配列番号1のアミノ酸配列を有する、インターロイキン-4(IL-4)受容体を特異的に標的するペプチド及びアポトーシス誘導ペプチドが結合された融合ペプチドを有効成分として含む抗癌及び癌転移抑制用薬学的組成物を提供する。
【0013】
本発明の他の目的を達成するために、本発明は配列番号1のアミノ酸配列を有する、インターロイキン-4(IL-4)受容体を特異的に標的するペプチド及びアポトーシス誘導ペプチドが結合された融合ペプチドを、必要とする個体に有効量で投与して癌を治療するか又は、癌転移を抑制する方法を提供する。
【0014】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は抗がん及び癌転移抑制用薬剤製造の用途のための、配列番号1のアミノ酸配列を有する、インターロイキン-4(IL-4)受容体を特異的に標的するペプチド及びアポトーシス誘導ペプチドが結合された融合ペプチドを提供する。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明は、配列番号1のアミノ酸配列を有する、インターロイキン-4(IL-4)受容体を特異的に標的するペプチド及びアポトーシス誘導ペプチドが結合された融合ペプチドを有効成分として含む抗癌及び癌転移抑制用薬学的組成物を提供する。
【0017】
本発明で前記配列番号1のアミノ酸配列(CRKRLDRNC)を有するペプチド(IL4RPep-1)は、IL-4受容体(IL4R)に特異的に結合するペプチドである。本発明の一実施例によれば、マウス由来の4T1細胞、ヒトの腫瘍細胞であるA549細胞株、MDA-MB231細胞株、M1型Raw 264.7マクロファージ、M2型Raw 246.7マクロファージ、マウス脾臓由来のM1型マクロファージ及びM2型マクロファージに抗-IL4R抗体を利用して免疫染色をした結果、MDA-MB231細胞株、M2型Raw 246.7マクロファージ及びマウス脾臓由来のM2型マクロファージIL-4受容体が多く発現していることを確認した。その後、本発明のIL4RPep-1が実際にIL-4受容体に特異的に結合するか否かを確認した結果、前記細胞からIL-4受容体が発現された傾向と同じ傾向で本発明のIL4RPep-1が細胞に結合することを確認して、IL4RPep-1がIL-4受容体に特異的に結合することが分かった(実施例1)。
【0018】
本発明の他の一実施例によると、本発明のIL4RPep-1がM1型マクロファージに比べてM2型マクロファージに対してはるかに強い結合親和性を示すことを確認して、IL4RPep-1がIL-4受容体に特異的に結合してM2型マクロファージに対する標的指向的薬剤送達担体として使用可能であることが分かった(実施例1)。
【0019】
本発明のインターロイキン-4受容体を特異的に標的するペプチドは、アミノ酸鎖が連結されたペプチドに対して機能的アナログでもあって、好ましくは配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドと機能的アナログを含む。前記機能的アナログとは、アミノ酸の付加、置換又は欠失の結果、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは70%、より好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上の配列相同性を有するものであって、本発明の配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドと実質的に同質の活性を示すペプチドを意味する。ここで実質的に同質の活性とは、IL-4受容体に対する結合能を意味する。前記機能的アナログには、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドのアミノ酸のうち、一部が置換された、又は、欠失又は付加されたアミノ酸配列変異体が含まれる。アミノ酸の置換は好ましくは保存的置換である。天然に存在するアミノ酸の保存的置換の例としては、脂肪族アミノ酸群(Gly、Ala、Pro)、疎水性アミノ酸群(Ile、Leu、Val)、芳香族アミノ酸群(Phe、Tyr、Trp)、酸性アミノ酸群(Asp、Glu)、塩基性アミノ酸群(His、Lys、Arg、Gln、Asn)、硫黄含有アミノ酸群の、各アミノ酸群内部の同じアミノ酸の置換が挙げられる。アミノ酸の欠失は好ましくは配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドの活性に直接関与していない部分にあるアミノ酸の欠失を意味する。アミノ酸の付加は、遺伝子操作過程で必要な制限酵素部位又はペプチド精製などのためのヒスチジンタグなどを含む、ペプチドの活性に影響を与えない範囲でアミノ酸が付加されることを意味する。
【0020】
本発明で前記アポトーシス誘導ペプチド(pro-apoptotic peptide)はアポトーシス(apoptosis)を誘導するペプチドを意味する。ほとんど全ての細胞がアポトーシス伝達に関与する機構を含む。従って、本発明は当該効果を標的細胞内部に伝達し、アポトーシス機構を通じて細胞を死滅させる、アポトーシス伝達物質である特異的アポトーシス誘導ペプチドの標的伝達に関するものである。本発明が当該技術分野に公知の方法より優れた長所としては、アポトーシス誘導ペプチドはタンパク質として伝達されて、目的とするポリペプチドを生産するように翻訳される核酸分子として伝達されるものではないことである。追加の長所としては、ヒトの配列が本発明の融合ペプチドに使用され、外来のポリペプチドによる目的としていなかった任意の免疫反応を克服することができ、標的指向的に本発明のアポトーシス誘導ペプチドを癌細胞に伝達できるので、不要な副作用を軽減できる長所がある。
【0021】
本発明で前記アポトーシス誘導ペプチドの非限定的な例としては、KLAKLAKKLAKLAK、KGGGQVGRQLAIIGDDINR(BakBH3ペプチド)、LQHRAEVQIARKLQCIADQFHRLHT(BmfBH3ペプチド)及びYGRELRRMSDEFVDS(Bad BH3ペプチド)からなる群より選ばれ得るが、これに限定されるものではなく、当業者にとって、本明細書に具体的に提示されていないものを含めて、アポトーシス誘導ペプチドは周知である。
【0022】
好ましくは、本発明のアポトーシス誘導ペプチドは、配列番号2のアミノ酸 配列(KLAKLAKKLAKLAK)を有するペプチドでもある。
【0023】
本発明で前記配列番号2のアミノ酸配列を有するアポトーシス誘導ペプチドは、体内安定性を考慮してL-型又はD-型のアミノ酸で構成することができる。
【0024】
本発明は、前記配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチド及びアポトーシス誘導ペプチドが結合された融合ペプチドを提供し、本発明のペプチドは、当該分野の熟練者が公知の方法により製造することができる。これらのペプチドは、一般的により大きいポリペプチドの一部として本発明のペプチド配列をコードするポリヌクレオチドを発現させて、原核又は真核細胞によって生産できる。
【0025】
他の方法としては、このようなペプチドは、化学的方法によって合成できる。組換え宿主内の異種タンパク質の発現、ポリペプチドの化学的合成及びin vitro転写のための方法は、当該分野において公知であり、文献(参照文献:Maniatis et.al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1989)、2nd Ed.、Cold Spring Harbor、NY; Berger and Kimmel、Methods in Enzymology、Volume 152、Guide to Molecular Cloning Techniques(1987)、Academic Press、Inc.、San Diego、Calif.; Merrifield、J.(1969)J. Am. Chem. Soc. 91:501; Chaiken IM(1981)CRC Crit.Rev.Biochem.11:255;Kaiser et al.(1989)Ann. Rev. Biochem. 57:957;and Offord、RE(1980)Semisynthetic Proteins、Wiley Publishing)にも記載されている。
【0026】
本発明で前記融合ペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドとアポトーシス誘導ペプチドがリンカーを介して連結された融合ペプチドでもある。前記リンカーは、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドのC-末端とアポトーシス誘導ペプチドのN-末端の間に存在することができる。
【0027】
前記リンカーは、本発明の融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド製造過程で挿入されるものであって、その大きさや配列の種類は特に制限されない。
【0028】
前記リンカーは、二つのペプチドの潜在的干渉を最小化して融合ペプチドの活性を増加できる。リンカーは1乃至100個のアミノ酸を有することが好ましいものの、これに制限されず、二つのペプチドを連結し、分離できる、どのようなペプチドでも可能である。前記リンカーを構成するアミノ酸配列には特別な制限はないが、好ましくはアラニン、グリシン及びこれらの組合わせからなる群より選ばれる一つ以上のアミノ酸からなるペプチドリンカーでもある。つまり、アラニンからなるリンカー、グリシンからなるリンカー又はアラニン及びグリシンからなるリンカーでもある。前記のようなアミノ酸は官能基がないため、非特異的結合が起こらず、フォールディングにおいて問題のないものを選択できる。
【0029】
また、本発明のリンカーは、IL-4受容体に結合する配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドの活性及びアポトーシスを誘導するペプチドそれぞれの活性を邪魔せず、適切な配向性を維持できるようにする柔軟性を与え得る個数までのアミノ酸からなることができる。
【0030】
本発明の一実施例で、前記リンカーは、グリシン三つが連続的に組み合わせられたリンカーを使用した。
【0031】
本発明の一実施例では、IL-4受容体に結合する配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチド、リンカー及びアポトーシス誘導ペプチドが順に結合された融合ペプチドを作成してその活性を評価し、前記融合ペプチドは、配列番号3(CRKRLDRNCGGGKLAKLAKKLAKLAK)のアミノ酸配列を有している。
【0032】
本発明による薬学的組成物は、前記融合ペプチドを単独で含有するか、又は薬学的に許容される担体と共に、適切な形態で製剤化することができ、賦形剤又は希釈剤を追加して含有できる。前記で“薬学的に許容される”とは生理学的に許容されて、ヒトに投与されるとき、通常的に胃腸障害、目眩などのようなアレルギー反応又はこれと類似した反応を起こさない非毒性の組成物を意味する。
【0033】
薬学的に許容される担体には、例えば、経口投与用担体又は非経口投与用担体をさらに含め得る。経口投与用担体は、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などを含む。ペプチド製剤に対する経口投与用に使用される多様な薬剤伝達物質も含む。また、非経口投与用担体は、水、適切なオイル、生理食塩水、水性グルコース及びグリコールなどを含むことができ、安定化剤及び保存剤をさらに含むことができる。適切な安定化剤には、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸のような抗酸化剤がある。適切な保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、メチル又はプロピルパラベン及びクロロブタノールがある。本発明の薬学的組成物は、前記成分以外に潤滑剤、湿潤剤、甘味料、香味剤、乳化剤、懸濁剤などを追加して含み得る。その他の薬学的に許容される担体及び製剤は、次の文献に記載されていることを参考にできる(Remington's Pharmaceutical Sciences、19thed.、Mack Publishing Company、Easton、PA、1995)。
【0034】
本発明の組成物は、ヒトを含めた哺乳動物にどのような方法でも投与することができる。例えば、経口又は非経口的に投与することができる。非経口的な投与方法には、これに限定はされないが、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、境膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下又は直腸内投与でもある。
【0035】
本発明の薬学的組成物は、上述した投与経路により、経口投与用又は非経口投与用製剤として製剤化することができる。
【0036】
経口投与用製剤の場合に、本発明の組成物は、粉末、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液などで、当業界に公知の方法を利用して剤形化できる。例えば、経口用製剤は、活性成分を固体賦形剤と配合してこれを粉砕して適切な補助剤を添加した後、顆粒混合物に加工することにより、錠剤又は糖衣錠剤が得られる。適切な賦形剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール及びマルチトールなどを含む糖類とトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉及びジャガイモ澱粉などを含む澱粉類、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを含むセルロース類、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどのような充填剤が含まれる。また、場合により、架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はアルギン酸ナトリウムなどを崩壊剤として添加することができる。さらに、本発明の薬学的組成物は、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤及び防腐剤などをさらに含むことができる。
【0037】
非経口投与用製剤の場合には、注射剤、クリーム剤、ローション剤、外用軟膏剤、オイル剤、保湿剤、ゲル剤、エアロゾル及び鼻腔吸込み剤の形態で、当業界に公知の方法で剤形化することができる。これらの剤形は、すべて製薬化学に一般的に公知された処方書である文献(Remington's Pharmaceutical Science、19thed.,Mack Publishing Company、Easton、PA、1995)に記載されている。
【0038】
本発明の組成物の総有効量は、単一投与量で患者に投与することができ、多重投与量で長期間投与される分割治療方法により投与することもできる。本発明の薬学的組成物は、疾患の程度により有効成分の含量を異にすることができる。好ましく本発明の薬学的組成物の望ましい全体容量は1日当たり患者体重1kg当り約0.01μg乃至10,000mg、最も好ましくは0.1mg乃至500mgでもある。しかし前記薬学的組成物の容量は、製剤化方法、投与経路及び治療回数だけなく患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食餌及び排泄率など様々な要因等を考慮して患者に対する有効投与量が決定されるので、このような点を考慮するして、当分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の組成物の適切な有効投与量を決定できる。本発明による薬学的組成物は、本発明の効果を示す限りその剤形、投与経路及び投与方法に特に制限はされない。
【0039】
本発明の前記融合ペプチドを有効成分として含む組成物は、優れた抗癌効果及び癌転移抑制効果を示す。具体的に本発明の一実施例では、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチド及びアポトーシス誘導ペプチドが結合された融合ペプチドをマウス4T1腫瘍細胞及び前記細胞が移植されたマウス腫瘍モデルにそれぞれ処理した結果、in vitro及びin vivoで極めて優れたアポトーシス及び癌成長抑制効果を示して、抗癌効能が極めて優れていることを確認した(実施例5)。
【0040】
さらに、in vivoマウス腫瘍モデルから、IL4RPep-1-KLAペプチドの投与が終了した後、動物の肺と肝臓を切除して腫瘍の転移の可否を観察した結果、PBS投与対照群では、肺と肝臓から腫瘍の転移がかなりの程度で観察されたのに対し、IL4RPep-1-KLAペプチドが投与されたマウス群では、腫瘍の転移が全く観察されず、本発明の融合ペプチドが癌転移抑制効果も極めて優れていることが分かった(実施例5)。
【0041】
本発明の融合ペプチドが優れた抗癌及び癌転移抑制効果を示すのは、癌細胞の表面及び腫瘍関連マクロファージ(tumor associate macrophage)の表面に過剰発現されているIL-4受容体を標的としてアポトーシス誘導ペプチドを伝達できるからである。つまり、腫瘍細胞だけをターゲットにして腫瘍細胞の死滅を誘導していた従来の抗がん標的治療剤とは異なり、本発明の融合ペプチドは、腫瘍の成長、分化及び転移において極めて重要な役割を担う腫瘍関連マクロファージ(tumor associate macrophage)までも標的して死滅できる効果を示すため(実施例5)、優れた抗癌効果だけでなく、癌転移抑制効果もまた、極めて優れていることが示された。
【0042】
このように、腫瘍細胞及び腫瘍関連マクロファージを同時に標的として、優れた抗癌効果及び癌転移抑制効果を示す薬学的組成物は、従来報告された例の無い、新たな標的治療剤と言える。
【0043】
本発明の一実施例では、本発明の融合ペプチドにおいて薬剤の標的伝達体としての役割を担う、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドが、in vitro及びin vivoの全てにおいて、IL-4受容体に極めて特異的に高い結合親和性を示すことを確認した(実施例1及び2)
【0044】
従って、本発明は、前記癌はIL-4受容体が過剰発現される癌であることを特徴とする薬学的組成物を提供する。
【0045】
より具体的には、前記IL-4受容体が過剰発現されている癌は、肺癌、脳腫瘍、乳癌、肝臓癌、皮膚癌、食道癌、睾丸癌、腎臓癌、大腸癌、直腸癌、胃癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌、胆管癌、胆嚢癌、子宮癌、子宮頸癌、前立腺癌、頭頸部癌、膵臓癌及び扁平上皮癌などからなる群より選ばれるものの、これに限定されるものではない。
【0046】
本発明はさらに、前記組成物は抗癌薬剤と併用して投与されることを特徴とする薬学的組成物を提供する。
【0047】
より具体的には、前記抗癌薬剤は、ドキソルビシン、パクリタキセル、ビンクリスチン、ダウノールビシン(daunorubicin)、ビンブラスチン(vinblastine)、アクチノマイシン-D(actinomycin-D)、ドセタキセル、エトポーサイド(etoposide)、テニポーサイド(teniposide)、ビサントレン(bisantrene)、ホモハリングトニン(homoharringtonine)、(グリーベック;Gleevec;STI-571)、シスプラチン、5-フルオロウラシル、アドリアマイシン、メトトレキサート、ブシルファン(busulfan)、クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、メルファラン(melphalan)、ニトロゲンムスタッド(nitrogen mustard)及びニトロソウレア(nitrosourea)からなる群より選ばれるが、これに限定されるものではない。
【0048】
本発明の一実施例では、抗癌剤として広く使用されているパクリタキセル(paclitaxel)を、その単独投与によっては治療効果が十分に示されない容量であっても、IL4RPep-1-KLA融合ペプチドと併用処理した結果、抗癌効果が著しく優れることを確認し、これらの結果を通じて、IL4RPep-1-KLA融合ペプチドを従来の抗がん薬剤と共に投与してその治療効果を最大化できる併用薬剤として選択できることが分かった(実施例5)。
【0049】
“併用”して投与するとは、2種以上の薬剤が実際にこれらを何時又は如何に投与するかに関係なく、同じ時間に患者の血流から発見されることを意味する。前記併用投与は本発明の融合ペプチドと抗癌薬剤を共に投与し、又は順序に関係無く順次的に投与して実施できる。また、前記併用投与は本発明の融合ペプチドの薬学的有効量と抗癌薬剤の薬学的有効量を混合した混合剤を投与することにより実行できる。他の具体例では、前記併用投与は本発明の融合ペプチドの薬学的有効量を投与する第1段階及び抗癌薬剤の薬学的有効量を投与する第2段階を同時に又は順次実行するものでもある。順次投与する場合、その順序は互いに変えても問題はない。他の具体例では、融合ペプチドと抗癌薬剤は経口投与、静脈投与などのように同じ経路を通じて投与するか、一つは経口投与、他の一つは静脈投与するように異なる経路を通じて投与できる。
【0050】
本発明は、配列番号1のアミノ酸配列を有する、インターロイキン-4(IL-4)受容体を特異的に標的するペプチド及びアポトーシス誘導ペプチドが結合された融合ペプチドを、必要とする個体に有効量で投与して癌を治療し、又は癌転移を抑制する方法を提供する。
【0051】
本発明は、抗癌及び癌転移抑制用薬剤製造の用途のための配列番号1のアミノ酸配列を有する、インターロイキン-4(IL-4)受容体を特異的に標的するペプチド及びアポトーシス誘導ペプチドが結合された融合ペプチドを提供する。
【0052】
本発明の前記“有効量”とは患者に投与したとき、癌の治療及び予防効果又は癌転移抑制効果を示す量を意味し、前記“個体”とは動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトを含む動物でもあって、動物から由来した細胞、組織、器官等でもある。前記個体は治療が必要な患者でもある。