(54)【発明の名称】コードされている治療用タンパク質の発現を増加させるための、ヒストンステムループとポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルとを含むか又はコードしている核酸
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0033】
これに関連して、本発明の第1の態様に係る本発明の核酸は、好ましくは本明細書に記載する通りDNA又はRNAの合成によって少なくとも部分的に作製されるか、又は単離核酸であることが特に好ましい。
【0034】
本発明は、ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと少なくとも1つのヒストンステムループとの組み合わせが、個々のエレメントのいずれかでみられたレベルの何倍もタンパク質発現を増加させることから、自然界では別の機序を表すにもかかわらず、相乗的に作用するという本発明者らの驚くべき知見に基づいている。ポリ(A)と少なくとも1つのヒストンステムループとの組み合わせの相乗効果は、ポリ(A)及びヒストンステムループの順序、並びにポリ(A)配列の長さにかかわらずみられる。
【0035】
したがって、本発明の核酸配列は、a)治療用タンパク質又はその断片、変異体又は誘導体を含む少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、(好ましくはコードされている前記ペプチド又はタンパク質の発現レベルを増加させるために)b)少なくとも1つのヒストンステムループと、c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化配列とを含むか又はコードし、コードされている前記タンパク質が、好ましくは、ヒストンタンパク質、特にH4、H3、H2A、及び/又はH2Bヒストンファミリーのヒストンタンパク質、或いはヒストン(様)機能、即ちヌクレオソームを形成する機能を保持しているその断片、誘導体、又は変異体ではないことが特に好ましい。また、コードされている前記タンパク質は、典型的に、H1ヒストンファミリーのヒストンリンカータンパク質には相当しない。本発明の核酸分子は、典型的に、(マウスヒストン遺伝子、特にマウスヒストン遺伝子H2A、更に最も好ましくはマウスヒストン遺伝子H2A614の5’及び/又は特に3’に)任意の調節シグナルを含有しない。特に、本発明の核酸分子は、マウスヒストン遺伝子、特にマウスヒストン遺伝子H2A、最も好ましくはマウスヒストン遺伝子H2A614由来のヒストンステムループ及び/又はヒストンステムループプロセシングシグナルを含有しない。
【0036】
また、本発明の核酸は、典型的に、その要素(a)において、レポータータンパク質(例えば、ルシフェラーゼ、GFP、EGFP、β−ガラクトシダーゼ、特にEGFP)、ガラクトキナーゼ(galK)及び/又はマーカー若しくは選択タンパク質(例えば、アルファグロビン、ガラクトキナーゼ、及びキサンチン:グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(GPT))、或いは細菌のレポータータンパク質(例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT))、或いは他の細菌の抗生物質耐性タンパク質(例えば、細菌neo遺伝子由来の抗生物質耐性タンパク質)を提供しない。
【0037】
レポーター、マーカー、又は選択タンパク質は、典型的に、本発明に係る治療用タンパク質ではないと理解される。レポーター、マーカー、若しくは選択タンパク質、又はその基本となる遺伝子は、細菌、細胞培養物、動物、又は植物における研究用ツールとして一般的に用いられている。これらは、(好ましくは、異種性に)それを発現する生物に対して、測定することができるか又は選択を可能にする容易に同定可能な性質を付与する。具体的には、マーカー又は選択タンパク質は、選択可能な機能を示す。典型的には、かかる選択、マーカー、又はレポータータンパク質は、自然界ではヒト又は他の哺乳類には存在せず、他の生物、特に細菌又は植物に由来する。したがって、哺乳類以外、特にヒト以外の種に由来する選択、マーカー、又はレポーター機能を有するタンパク質は、好ましくは、本発明に係る「治療用タンパク質」であると理解されるものから除外される。具体的には、選択、マーカー又はレポータータンパク質は、例えば、蛍光又は他の分光学的技術、及び抗生物質に対する耐性に基づくインビトロアッセイによって形質転換細胞を同定することを可能にする。したがって、かかる性質を形質転換細胞に付与する選択、レポーター、又はマーカー遺伝子は、典型的に、本発明に係る治療用タンパク質であるとは理解されない。
【0038】
いずれの場合も、レポーター、マーカー、又は選択タンパク質は、通常、治療効果を全く発揮しない。任意の単一のレポーター、マーカー、又は選択タンパク質が、(そのレポーター、選択、又はマーカー機能に加えて)治療効果を発揮する場合であっても、かかるレポーター、マーカー又は選択タンパク質は、好ましくは、本発明の意味の範囲内で「治療用タンパク質」であるとは理解されない。
【0039】
対照的に、本発明に係る治療用タンパク質(その断片、変異体、及び誘導体を含む)、特に、H1、H2A、H2B、H3、及びH4ファミリーのヒストン遺伝子を除く病原体抗原は、典型的に、選択、マーカー、又はレポーター機能を示さない。任意の単一の「治療用タンパク質」が(その治療機能に加えて)選択、マーカー、又はレポーター機能を示す場合であっても、かかる治療用タンパク質は、好ましくは、本発明の意味の範囲内で「選択、マーカー、又はレポータータンパク質」であるとは理解されない。
【0040】
最も好ましくは、本発明に係る治療用タンパク質は、哺乳類、特にヒトに由来し、マーカー又はレポータータンパク質として適切ではないと理解される。
【0041】
したがって、(a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域は、少なくとも、(b)少なくとも1つのヒストンステムループ、又はより広くは、任意の適切なステムループと異種であることが好ましい。言い換えれば、本発明において「異種」とは、少なくとも1つのステムループ配列が、本発明の核酸の要素(a)の(治療用)タンパク質又はペプチドをコードしている特定の遺伝子の(例えば、3’UTRにおける)(調節)配列として自然界で存在することはないことを意味する。したがって、本発明の核酸の(ヒストン)ステムループは、本発明の核酸の要素(a)のコード領域を含む遺伝子以外の遺伝子の3’UTRに由来することが好ましい。例えば、要素(a)のコード領域は、本発明の核酸が異種である場合、ヒストンタンパク質、又は(ヒストンタンパク質の機能を保持している)その断片、変異体、若しくは誘導体をコードするのではなく、生物学的機能、好ましくはヒストン(様)機能以外の治療機能を発揮する(同じ種又は別の種の)任意の他のペプチド又は配列をコードし、例えば、(例えば、内分泌疾患において、欠陥のある内因性の哺乳類、特にヒトのタンパク質を置き換える治療機能を発揮する)治療用タンパク質をコードする。
【0042】
これに関連して、本発明の核酸は、5’から3’方向に、
a)治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含む少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)任意でヒストンステムループの3’にヒストン下流要素(HDE)を有しない、少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードすることが特に好ましい。
【0043】
用語「ヒストン下流要素(HDE)」は、ヒストンプレmRNAの成熟ヒストンmRNAへのプロセシングに関与するU7snRNAの結合部位を表す、自然界に存在するヒストンステムループの3’における約15個〜約20個のヌクレオチドのプリンリッチポリヌクレオチド伸長を指す。例えばウニでは、HDEは、CAAGAAAGAである(Dominski,Z.and W.F.Marzluff(2007),Gene 396(2):373−90)。
【0044】
更に、本発明の第1の態様に係る本発明の核酸は、イントロンを含まないことが好ましい。
【0045】
別の特に好ましい実施形態では、本発明の第1の態様に係る本発明の核酸配列は、5’から3’に向かって
a)好ましくは、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含む少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
c)ポリ(A)配列と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと
を含むか又はコードする。
【0046】
本発明の第1の実施形態に係る本発明の核酸配列は、例えば、任意の(一本鎖又は二本鎖)DNA(好ましくは、ゲノムDNA、プラスミドDNA、一本鎖DNA分子、二本鎖DNA分子等であるがこれらに限定されない)から選択されるか、例えば、任意のPNA(ペプチド核酸)から選択してよいか、又は例えば、任意の(一本鎖又は二本鎖)RNA(好ましくはメッセンジャーRNA(mRNA))から選択してよい任意の好適な核酸を含む。また、本発明の核酸配列は、ウイルスRNA(vRNA)を含んでいてもよい。しかし、本発明の核酸配列は、ウイルスRNAではなくてもよく、ウイルスRNAを含有していなくてもよい。より具体的には、本発明の核酸配列は、ウイルス配列エレメント、例えば、ウイルスエンハンサー又はウイルスプロモーター(例えば、不活化ウイルスプロモーター又は配列エレメントを含有しない、より具体的には、置換ストラテジによって不活化されない)、或いは、他のウイルス配列エレメント又はウイルス若しくはレトロウイルスの核酸配列を含有していなくてもよい。より具体的には、本発明の核酸配列は、レトロウイルス若しくはウイルスのベクター、又は改変されているレトロウイルス若しくはウイルスのベクターでなくてよい。
【0047】
いずれの場合も、本発明の核酸配列は、エンハンサー及び/又はプロモーター配列を含有していてもよく、含有していなくてもよく、前記エンハンサー及び/若しくはプロモーター配列は、改変されていてもよく、改変されていなくてもよい、又は活性化されていてもよく、活性化されていなくてもよい。前記エンハンサー又はプロモーター配列は、植物で発現可能であってもよく発現可能でなくてもよく、及び/又は真核生物で発現可能であってもよく発現可能でなくてもよく、及び/又は原核生物で発現可能であってもよく発現可能でなくてもよい。本発明の核酸配列は、(自己スプライシング)リボザイムをコードしている配列を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
【0048】
具体的な実施形態では、本発明の核酸配列は、自己スプライシングRNA(レプリコン)を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
【0049】
好ましくは、本発明の核酸配列は、プラスミドDNA、又はRNA、特にmRNAである。
【0050】
本発明の第1の態様の特定の実施形態では、本発明の核酸は、特に適切なインビトロ転写ベクターにおいて、インビトロ転写に好適な核酸に含まれる核酸である(例えば、T3、T7、又はSp6プロモーター等、インビトロ転写のための特定のプロモーターを含むプラスミド又は直鎖状核酸配列)。
【0051】
本発明の第1の態様の更なる特に好ましい実施形態では、本発明の核酸は、(例えば、発現ベクター又はプラスミドにおける)発現系、特に原核生物(例えば、大腸菌等の細菌)又は真核生物(例えば、CHO細胞等の哺乳類細胞、酵母細胞、若しくは昆虫細胞、又は植物若しくは動物等の生物全体)の発現系における転写及び/又は翻訳に好適な核酸に含まれる。
【0052】
用語「発現系」は、ペプチド、タンパク質、又はRNA、特にmRNAの生成(組み換え発現)に好適な系(細胞培養物又は生物全体)を意味する。
【0053】
本発明の第1の態様に係る本発明の核酸配列は、少なくとも1つのヒストンステムループを含むか又はコードする。一般的に、ヒストンステムループであるかどうかにかかわらず、ステムループは、一本鎖DNA、又はより一般的にはRNAにおいて形成され得る。また、その構造は、ヘアピン又はヘアピンループとして知られており、通常、連続配列内のステム及び(末端)ループからなり、前記ステムは、ステムループ構造のループを構成する一種のスペーサーとしての短い配列によって分断されている2つの隣接する全体的に又は部分的に逆相補的な配列によって形成される。前記2つの隣接する全体的に又は部分的に逆相補的な配列は、例えば、ステムループエレメント、ステム1及びステム2として定義することができる。ステムループは、これら2つの隣接する全体的に又は部分的に逆相補的な配列(例えば、ステムループエレメント、ステム1及びステム2)が互いに塩基対を形成するときに形成されて、連続配列におけるステムループエレメント、ステム1とステム2との間に位置する短い配列によって形成される不対ループを末端に含む二本鎖核酸配列伸長をもたらす。したがって、不対ループは、典型的に、これらステムループ要素のいずれとも塩基対合することができない核酸の領域を表す。得られるロリポップ形構造は、多くのRNA二次構造の重要な構成要素である。したがって、ステムループ構造の形成は、得られるステム及びループ領域の安定性に依存し、第1の必要条件は、典型的に、折り重ねられて対合二本鎖を形成することができる配列の存在である。対合ステムループエレメントの安定性は、対合領域の長さ、含まれているミスマッチ又はバルジの数(特に、より長い二本鎖伸長では、少数のミスマッチは、典型的に許容可能である)、及び塩基組成によって決定される。本発明では、3塩基〜15塩基のループ長が考えられるが、より好ましいループ長は、3塩基〜10塩基、より好ましくは3塩基〜8塩基、3塩基〜7塩基、3塩基〜6塩基、又は更により好ましくは4塩基〜5塩基、最も好ましくは4塩基である。二本鎖構造を形成するステム配列は、典型的に、5塩基長〜10塩基長、より好ましくは5塩基長〜8塩基長を有する。
【0054】
本発明では、ヒストンステムループは、典型的に、ヒストン遺伝子(例えば、ヒストンファミリーH1、H2A、H2B、H3、H4に由来する遺伝子)に由来し、2つの隣接する全体的に又は部分的に逆相補的な配列が分子内塩基対合してステムループを形成したものを含む。典型的に、ヒストン3’UTRステムループは、ヒストンmRNAの核細胞質輸送、並びに細胞質における安定性及び輸送効率の調節に関与するRNAエレメントである。後生動物のヒストン遺伝子のmRNAは、ポリアデニル化及びポリ(A)テールを含まず、その代わりに、高度に保存されているステムループと約20ヌクレオチド下流のプリンリッチ領域(ヒストン下流要素、又はHDE)との間の部位において3’プロセシングが行われる。ヒストンステムループは、31kDaのステムループ結合タンパク質(SLBP、ヒストンヘアピン結合タンパク質又はHBPとも呼ばれる)によって結合する。かかるヒストンステムループ構造は、好ましくは、他の配列エレメント及び構造と組み合わせて本発明で使用されるが、前記他の配列エレメント及び構造は、自然界(これは、形質転換されていない生存生物/細胞を意味する)でヒストン遺伝子中に存在するのではなく、人工の異種核酸を提供するために本発明に従って組み合わせられる。したがって、本発明は、具体的には、ヒストン遺伝子又は後生動物のヒストン遺伝子には存在せず、且つヒストン以外のタンパク質をコードしている遺伝子の操作可能及び/又は調節性の配列領域(転写及び/又は翻訳に影響を及ぼす)から単離される他の異種配列エレメントとヒストンステムループ構造との人工的な(非ネイティブな)組み合わせが、有利な効果をもたらすという知見に基づいている。したがって、本発明の1つの態様は、後生動物のヒストン遺伝子には存在しない、ヒストンステムループ構造とポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルを表す配列(コード領域の3’末端)との組み合わせを提供する。
【0055】
本発明の別の好ましい態様によれば、ヒストンステムループ構造と好ましくは後生動物のヒストン遺伝子には存在しない治療用タンパク質をコードしているコード領域との組み合わせをこれと共に提供する(コード領域とヒストンステムループ配列とは異種である)。かかる治療用タンパク質は、自然界では哺乳類、好ましくはヒトに存在することが好ましい。更に好ましい実施形態では、本発明の核酸の全ての要素(a)、(b)、及び(c)は、互いに異種であり、3つの異なる起源から人工的に組み合わせられる(例えば、(a)治療用タンパク質コード領域は、ヒト遺伝子に由来し、(b)ヒストンステムループは、後生動物、例えば、哺乳類、非ヒト又はヒトのヒストン遺伝子の非翻訳領域に由来し、(c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルは、例えば、ヒストン遺伝子以外の遺伝子及び本発明の核酸の要素(a)に係る治療用タンパク質をコードしている遺伝子以外の遺伝子の非翻訳領域に由来する)。
【0056】
したがって、ヒストンステムループは、本明細書に記載するステムループ構造であり、これは、機能的に定義されることが好ましい場合、その自然界における結合パートナーであるステムループ結合タンパク質(SLBP、ヒストンヘアピン結合タンパク質又はHBPとも呼ばれる)に対して結合する性質を示す/保持している。
【0057】
本発明によれば、請求項1に記載の成分(b)に係るヒストンステムループ配列は、マウスヒストンタンパク質に由来していなくてもよい。より具体的には、前記ヒストンステムループ配列は、マウスヒストン遺伝子H2A614に由来していなくてもよい。また、本発明の核酸は、マウスヒストンステムループ配列もマウスヒストン遺伝子H2A614も含有していなくてよい。更に、本発明の核酸配列が少なくとも1つの哺乳類ヒストン遺伝子を含有していてよい場合でさえも、本発明の核酸配列は、ステムループプロセシングシグナル、より具体的には、マウスヒストンプロセシングシグナル、最も具体的には、マウスステムループプロセシングシグナルH2kA614を含有していなくてよい。しかし、前記少なくとも1つの哺乳類ヒストン遺伝子は、国際公開第01/12824号パンフレットに記載の配列番号7でなくてもよい。
【0058】
本発明の第1の態様の1つの好ましい実施形態によれば、本発明の核酸配列は、少なくとも1つのヒストンステムループ配列、好ましくは、以下の式(I)又は(II)のうちの少なくとも1つに係るヒストンステムループ配列を含むか又はコードする:
式(I)(ステム境界エレメントを含まないステムループ配列):
【化1】
式(II)(ステム境界エレメントを含むステムループ配列):
【化2】
(式中、
ステム1又はステム2の境界エレメントN
1−6は、1個〜6個、好ましくは2個〜6個、より好ましくは2個〜5個、更により好ましくは3個〜5個、最も好ましくは4個〜5個、又は5個のNの連続配列であり、各Nは、互いに独立して、A、U、T、G、及びCから選択されるヌクレオチド、又はこれらのヌクレオチドアナログから選択され、
ステム1[N
0−2GN
3−5]は、エレメントステム2に対して逆相補的であるか又は部分的に逆相補的であり、5個〜7個のヌクレオチドの連続配列であり、N
0−2は、0個〜2個、好ましくは0個〜1個、より好ましくは1個のNの連続配列であり、各Nは、互いに独立して、A、U、T、G、及びCから選択されるヌクレオチド、又はこれらのヌクレオチドアナログから選択され、N
3−5は、3個〜5個、好ましくは4個〜5個、より好ましくは4個のNの連続配列であり、各Nは、互いに独立して、A、U、T、G、及びCから選択されるヌクレオチド、又はこれらのヌクレオチドアナログから選択され、Gは、グアノシン又はそのアナログであり、任意でシチジン又はそのアナログによって置換されてもよいが、但し、その場合、ステム2におけるその相補的ヌクレオチドであるシチジンも、グアノシンによって置換され、
ループ配列[N
0−4(U/T)N
0−4]は、エレメントステム1とステム2との間に位置し、3個〜5個のヌクレオチド、より好ましくは4個のヌクレオチドの連続配列であり、各N
0−4は、互いに独立して、0個〜4個、好ましくは1個〜3個、より好ましくは1個〜2個のNの連続配列であり、各Nは、互いに独立して、A、U、T、G、及びCから選択されるヌクレオチド、又はこれらのヌクレオチドアナログから選択され、U/Tは、ウリジン又は任意でチミジンを表し、
ステム2[N
3−5CN
0−2]は、エレメントステム1に対して逆相補的であるか又は部分的に逆相補的であり、5個〜7個のヌクレオチドの連続配列であり、N
3−5は、3個〜5個、好ましくは4個〜5個、より好ましくは4個のNの連続配列であり、各Nは、互いに独立して、A、U、T、G、及びCから選択されるヌクレオチド、又はこれらのヌクレオチドアナログから選択され、N
0−2は、0個〜2個、好ましくは0個〜1個、より好ましくは1個のNの連続配列であり、各Nは、互いに独立して、A、U、T、G、及びCから選択されるヌクレオチド、又はこれらのヌクレオチドアナログから選択され、Cは、シチジン又はそのアナログであり、任意でグアノシン又はそのアナログによって置換されてもよいが、但し、その場合、ステム1におけるその相補的ヌクレオチドであるグアノシンも、シチジンによって置換され、
ステム1及びステム2は、互いに塩基対合して逆相補的配列を形成することができ、前記塩基対合は、例えば、ヌクレオチドAとU/T又はGとCとのワトソン−クリック塩基対合、又は非ワトソン−クリック塩基対合(例えば、ゆらぎ塩基対合、逆ワトソン−クリック塩基対合、フーグスティーン塩基対合、逆フーグスティーン塩基対合)によってステム1とステム2との間で生じ得るか、或いは、互いに塩基対合して部分的に逆相補的な配列を形成することができ、この場合、1つのステムにおける1以上の塩基が、他のステムの逆相補的な配列に相補的塩基を有しないことに基づいて、ステム1とステム2との間で不完全な塩基対合が生じ得る)。
【0059】
上記に関連して、ゆらぎ塩基対合は、典型的に、2つのヌクレオチド間の非ワトソン−クリック塩基対合である。(用いることができる)本状況における4つの主なゆらぎ塩基対は、グアノシン−ウリジン、イオシン−ウリジン、イオシン−アデノシン、イオシン−シチジン(G−U/T、I−U/T、I−A、及びI−C)、及びアデノシン−シチジン(A−C)である。
【0060】
したがって、本発明では、ゆらぎ塩基は、上記の通り別の塩基とゆらぎ塩基対を形成する塩基である。したがって、非ワトソン−クリック塩基対合、例えば、ゆらぎ塩基対合は、本発明に係るヒストンステムループ構造のステムにおいて生じ得る。
【0061】
上記に関連して、部分的に逆相補的な配列は、ステム1及びステム2の塩基対合によって形成されるステムループ配列のステム構造においてミスマッチを最大2個、好ましくは1個のみ含む。言い換えれば、ステム1及びステム2は、好ましくは、ステム1及びステム2の全配列に亘って互いに(完全な)塩基対合(100%可能な正確なワトソン−クリック塩基対合又は非ワトソン−クリック塩基対合)を形成して逆相補的な配列を形成することができ、ここで、各塩基は、相補的結合パートナーとして正確なワトソン−クリック塩基ペンダント又は非ワトソン−クリック塩基ペンダントを有する。或いは、ステム1及びステム2は、好ましくは、ステム1及びステム2の全配列に亘って互いに部分的に塩基対合することができ、この場合、100%可能な正確なワトソン−クリック塩基対合又は非ワトソン−クリック塩基対合のうちの少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、又は約95%が、前記正確なワトソン−クリック塩基対合又は非ワトソン−クリック塩基対合で占められ、最大約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、又は約5%の残りの塩基は、不対である。
【0062】
本発明の第1の態様の好ましい実施形態によれば、本明細書に定義する本発明の核酸配列の少なくとも1つのヒストンステムループ配列(ステム境界エレメントを含む)は、約15ヌクレオチド長〜約45ヌクレオチド長、好ましくは約15ヌクレオチド長〜約40ヌクレオチド長、好ましくは約15ヌクレオチド長〜約35ヌクレオチド長、好ましくは約15ヌクレオチド長〜約30ヌクレオチド長、更により好ましくは約20ヌクレオチド長〜約30ヌクレオチド長、最も好ましくは約24ヌクレオチド長〜約28ヌクレオチド長を有する。
【0063】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、本明細書に定義する本発明の核酸配列の少なくとも1つのヒストンステムループ配列(ステム境界エレメントを含まない)は、約10ヌクレオチド長〜約30ヌクレオチド長、好ましくは約10ヌクレオチド長〜約20ヌクレオチド長、好ましくは約12ヌクレオチド長〜約20ヌクレオチド長、好ましくは約14ヌクレオチド長〜約20ヌクレオチド長、更により好ましくは約16ヌクレオチド長〜約17ヌクレオチド長、最も好ましくは約16ヌクレオチド長を有する。
【0064】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、本発明の第1の態様に係る本発明の核酸配列は、以下の特定の式(Ia)又は(IIa)のうちの少なくとも1つに係る少なくとも1つのヒストンステムループ配列を含むか又はコードしていてよい:
式(Ia)(ステム境界エレメントを含まないステムループ配列):
【化3】
式(IIa)(ステム境界エレメントを含むステムループ配列):
【化4】
(式中、N、C、G、T、及びUは、上に定義した通りである)。
【0065】
第1の態様の更により好ましい実施形態によれば、本発明の核酸配列は、以下の特定の式(Ib)又は(IIb)のうちの少なくとも1つに係る少なくとも1つのヒストンステムループ配列を含むか又はコードしていてよい:
式(IIb)(ステム境界エレメントを含まないステムループ配列):
【化5】
式(IIb)(ステム境界エレメントを含むステムループ配列):
【化6】
(式中、N、C、G、T、及びUは、上に定義した通りである)。
【0066】
本発明の第1の態様の更により好ましい実施形態によれば、本発明の第1の態様に係る本発明の核酸配列は、ステムループ構造で及び実施例1に従って作製したヒストンステムループ配列を表す直鎖配列として示される以下の特定の式(Ic)〜(Ih)又は(IIc)〜(IIh)のうちの少なくとも1つに係る少なくとも1つのヒストンステムループ配列を含むか又はコードしていてよい:
式(Ic)(ステム境界エレメントを含まない後生動物及び原生動物のヒストンステムループコンセンサス配列):
【化7】
式(IIc)(ステム境界エレメントを含む後生動物及び原生動物のヒストンステムループコンセンサス配列):
【化8】
式(Id)(ステム境界エレメントを含まない):
【化9】
式(IId)(ステム境界エレメントを含む):
【化10】
式(Ie)(ステム境界エレメントを含まない原生動物のヒストンステムループコンセンサス配列):
【化11】
式(IIe)(ステム境界エレメントを含む原生動物のヒストンステムループコンセンサス配列):
【化12】
式(If)(ステム境界エレメントを含まない後生動物のヒストンステムループコンセンサス配列):
【化13】
式(IIf)(ステム境界エレメントを含む後生動物のヒストンステムループコンセンサス配列):
【化14】
式(Ig)(ステム境界エレメントを含まない脊椎動物のヒストンステムループコンセンサス配列):
【化15】
式(IIg)(ステム境界エレメントを含む脊椎動物のヒストンステムループコンセンサス配列):
【化16】
式(Ih)(ステム境界エレメントを含まないヒト(Homo sapiens)のヒストンステムループコンセンサス配列):
【化17】
式(IIh)(ステム境界エレメントを含むヒトのヒストンステムループコンセンサス配列):
【化18】
上記式(Ic)〜(Ih)又は(IIc)〜(IIh)のそれぞれにおいて、N、C、G、A、T、及びUは、上に定義した通りであり、各Uは、Tで置換されてもよく、ステムエレメント1及び2におけるそれぞれの(高度に)保存されているG又はCは、その相補的ヌクレオチド塩基であるC又はGで置換されてもよいが、但し、その場合、対応するステムにおける相補的ヌクレオチドが、並行してその相補的ヌクレオチドによって置換され、及び/又はG、A、T、U、C、R、Y、M、K、S、W、H、B、V、D、及びNは、以下の表に定義するヌクレオチド塩基である:
【表1】
【0067】
これに関連して、本発明の式(I)又は(Ia)〜(Ih)又は(II)又は(IIa)〜(IIh)のうちの少なくとも1つに係るヒストンステムループ配列は、特に好ましくは自然界に存在するヒストンステムループ配列から、より特に好ましくは原生動物又は後生動物のヒストンステムループ配列から、更により特に好ましくは脊椎動物のヒストンステムループ配列から、最も好ましくは哺乳類のヒストンステムループ配列から、特にヒトのヒストンステムループ配列から選択される。
【0068】
第1の態様の特に好ましい実施形態によれば、本発明の式(I)又は(Ia)〜(Ih)又は(II)又は(IIa)〜(IIh)のうちの少なくとも1つに係るヒストンステムループ配列は、
図1〜5に示す後生動物及び原生動物(
図1)、原生動物(
図2)、後生動物(
図3)、脊椎動物(
図4)、及びヒト(
図5)における自然界に存在するヒストンステムループ配列のうちの最も頻繁に生じるヌクレオチド、又は最も頻繁に若しくは2番目に頻繁に生じるヌクレオチドを各ヌクレオチド位置に含むヒストンステムループ配列である。これに関連して、全てのヌクレオチドのうちの少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、又は最も好ましくは少なくとも90%が、自然界に存在するヒストンステムループ配列のうちの最も頻繁に生じるヌクレオチドに対応することが特に好ましい。
【0069】
第1の態様の更に具体的な実施形態では、本発明の特定の式(I)又は(Ia)〜(Ih)のうちの少なくとも1つに係るヒストンステムループ配列は、実施例1に従って作製されるヒストンステムループ配列を表す以下のヒストンステムループ配列(ステム境界エレメントを含まない)から選択される:
VGYYYYHHTHRVVRCB(式(Ic)に係る配列番号13)
SGYYYTTYTMARRRCS(式(Ic)に係る配列番号14)
SGYYCTTTTMAGRRCS(式(Ic)に係る配列番号15)
DGNNNBNNTHVNNNCH(式(Ie)に係る配列番号16)
RGNNNYHBTHRDNNCY(式(Ie)に係る配列番号17)
RGNDBYHYTHRDHNCY(式(Ie)に係る配列番号18)
VGYYYTYHTHRVRRCB(式(If)に係る配列番号19)
SGYYCTTYTMAGRRCS(式(If)に係る配列番号20)
SGYYCTTTTMAGRRCS(式(If)に係る配列番号21)
GGYYCTTYTHAGRRCC(式(Ig)に係る配列番号22)
GGCYCTTYTMAGRGCC(式(Ig)に係る配列番号23)
GGCTCTTTTMAGRGCC(式(Ig)に係る配列番号24)
DGHYCTDYTHASRRCC(式(Ih)に係る配列番号25)
GGCYCTTTTHAGRGCC(式(Ih)に係る配列番号26)
GGCYCTTTTMAGRGCC(式(Ih)に係る配列番号27)
【0070】
更に、これに関連して、特定の式(II)又は(IIa)〜(IIh)のうちの1つに係る実施例1に従って作製される以下のヒストンステムループ配列(ステム境界エレメントを含む)が特に好ましい:
H
*H
*HHVVGYYYYHHTHRVVRCBVHH
*N
*N
*(式(IIc)に係る配列番号28)
M
*H
*MHMSGYYYTTYTMARRRCSMCH
*H
*H
*(式(IIc)に係る配列番号29)
M
*M
*MMMSGYYCTTTTMAGRRCSACH
*M
*H
*(式(IIc)に係る配列番号30)
N
*N
*NNNDGNNNBNNTHVNNNCHNHN
*N
*N
*(式(IIe)に係る配列番号31)
N
*N
*HHNRGNNNYHBTHRDNNCYDHH
*N
*N
*(式(IIe)に係る配列番号32)
N
*H
*HHVRGNDBYHYTHRDHNCYRHH
*H
*H
*(式(IIe)に係る配列番号33)
H
*H
*MHMVGYYYTYHTHRVRRCBVMH
*H
*N
*(式(IIf)に係る配列番号34)
M
*M
*MMMSGYYCTTYTMAGRRCSMCH
*H
*H
*(式(IIf)に係る配列番号35)
M
*M
*MMMSGYYCTTTTMAGRRCSACH
*M
*H
*(式(IIf)に係る配列番号36)
H
*H
*MAMGGYYCTTYTHAGRRCCVHN
*N
*M
*(式(IIg)に係る配列番号37)
H
*H
*AAMGGCYCTTYTMAGRGCCVCH
*H
*M
*(式(IIg)に係る配列番号38)
M
*M
*AAMGGCTCTTTTMAGRGCCMCY
*M
*M
*(式(IIg)に係る配列番号39)
N
*H
*AAHDGHYCTDYTHASRRCCVHB
*N
*H
*(式(IIh)に係る配列番号40)
H
*H
*AAMGGCYCTTTTHAGRGCCVMY
*N
*M
*(式(IIh)に係る配列番号41)
H
*M
*AAAGGCYCTTTTMAGRGCCRMY
*H
*M
*(式(IIh)に係る配列番号42)
【0071】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、本発明の核酸配列は、特定の式(I)又は(Ia)〜(Ih)又は(II)又は(IIa)〜(IIh)のうちの少なくとも1つに係るヒストンステムループ配列における(100%ではないが)保存されているヌクレオチド又は自然界に存在するヒストンステムループ配列と、少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、又は更により好ましくは少なくとも約95%の配列同一性を示す少なくとも1つのヒストンステムループ配列を含むか又はコードする。
【0072】
好ましい実施形態では、ヒストンステムループ配列は、ループ配列5’−UUUC−3’を含有しない。より具体的には、ヒストンステムループは、それぞれ、ステム1配列5’−GGCUCU−3’及び/又はステム2配列5’−AGAGCC−3’を含有しない。別の好ましい実施形態では、ステムループ配列は、ループ配列5’−CCUGCCC−3’又はループ配列5’−UGAAU−3’を含有しない。より具体的には、ステムループは、それぞれ、ステム1配列5’−CCUGAGC−3’を含有しないか若しくはステム1配列5’−ACCUUUCUCCA−3’を含有しない、及び/又はステム2配列5’−GCUCAGG−3’若しくは5’−UGGAGAAAGGU−3’を含有しない。また、本発明がヒストンステムループ配列に明確に限定されない限り、ステムループ配列は、好ましくは、哺乳類インスリン受容体の3’−非翻訳領域に由来するものではない。また、好ましくは、本発明の核酸は、ヒストンステムループプロセシングシグナルを含有していなくてよく、具体的には、マウスヒストン遺伝子H2A614遺伝子(H2kA614)に由来するものでなくてない。
【0073】
本発明の第1の態様に係る本発明の核酸配列は、任意で、ポリ(A)配列を含むか又はコードしていてよい。前記ポリ(A)配列を含むか又はコードしている場合、かかるポリ(A)配列は、約25個〜約400個のアデノシンヌクレオチドの配列、好ましくは約30個又はより好ましくは約50個〜約400個のアデノシンヌクレオチドの配列、より好ましくは約50個〜約300個のアデノシンヌクレオチドの配列、更により好ましくは約50個〜約250個のアデノシンヌクレオチドの配列、最も好ましくは約60個〜約250個のアデノシンヌクレオチドの配列を含む。これに関連して、用語「約」は、それが付される値の±10%の偏差を指す。したがって、前記ポリ(A)配列は、少なくとも25個又は25個超、より好ましくは少なくとも30個、より好ましくは少なくとも50個のアデノシンヌクレオチドを含有する。したがって、かかるポリ(A)配列は、典型的に、20個未満のアデノシンヌクレオチドを含有しない。より具体的には、10個及び/又は10個未満のアデノシンヌクレオチドを含有しない。
【0074】
好ましくは、本発明に係る核酸は、以下からなる群の構成要素のうちの1つ又は2つ又は少なくとも1つ又は1つを除く全て又は全てを含有しない:リボザイム(好ましくは自己スプライシングリボザイム)をコードしている配列、ウイルス核酸配列、ヒストンステムループプロセシングシグナル(特にマウスヒストンH2A614遺伝子に由来するヒストンステムループプロセシング配列)、Neo遺伝子、不活化プロモーター配列、及び不活化エンハンサー配列。更により好ましくは、本発明に係る核酸は、リボザイム(好ましくは自己スプライシングリボザイム)と、以下からなる群のうちの1つとを含有しない:Neo遺伝子、不活化プロモーター配列、不活化エンハンサー配列、ヒストンステムループプロセシングシグナル(特にマウスヒストンH2A614遺伝子に由来するヒストンステムループプロセシング配列)。したがって、前記核酸は、好ましい態様では、リボザイム(好ましくは自己スプライシングリボザイム)もNeo遺伝子も含有しなくてよく、或いは、リボザイム(好ましくは自己スプライシングリボザイム)も任意の耐性遺伝子(例えば、通常、選択のために適用される)も含有しなくてよい。別の好ましい態様では、本発明の核酸は、リボザイム(好ましくは自己スプライシングリボザイム)もヒストンステムループプロセシングシグナル(特に、マウスヒストンH2A614遺伝子に由来するヒストンステムループプロセシング配列)も含有しなくてよい。
【0075】
或いは、本発明の第1の態様によれば、本発明の核酸は、任意で、特定のタンパク質因子(例えば、切断及びポリアデニル化特異性因子(CPSF)、切断刺激因子(CstF)、切断因子I及びII(CF I及びCF II)、ポリ(A)ポリメラーゼ(PAP))によって(転写された)mRNAをポリアデニル化するシグナルとして、本明細書に定義されているポリアデニル化シグナルを含む。これに関連して、NN(U/T)ANAコンセンサス配列を含むコンセンサスポリアデニル化シグナルが好ましい。特に好ましい態様では、ポリアデニル化シグナルは、以下の配列:AA(U/T)AAA又はA(U/T)(U/T)AAA(式中、ウリジンは、通常、RNAに存在し、チミジンは、通常、DNAに存在する)のうちの1つを含む。幾つかの実施形態では、本発明の核酸において用いられるポリアデニル化シグナルは、U3 snRNA、U5、ヒト遺伝子G−CSFに由来するポリアデニル化プロセシングシグナル、又はSV40ポリアデニル化シグナル配列には相当しない。具体的には、上記ポリアデニル化シグナルは、本発明の核酸の要素(a)に係るコード領域の遺伝子として、任意の抗生物質耐性遺伝子(又は任意の他のレポーター、マーカー若しくは選択遺伝子)、特に、耐性neo遺伝子(ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ)とは組み合わせられない。また、上記ポリアデニル化シグナル(典型的に、本発明の核酸中には存在しない)のうちのいずれかは、好ましくは、本発明の核酸において、マウスヒストン遺伝子H2A614に由来するヒストンステムループ又はヒストンステムループプロセシングシグナルとは組み合わせられない。
【0076】
本発明の第1の態様に係る本発明の核酸配列は、更に、治療用タンパク質又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含むタンパク質又はペプチドをコードしている。
【0077】
本明細書に定義する治療用タンパク質は、任意の遺伝性疾患若しくは後天性疾患の治療に有益であるか、又は個体の症状を改善するペプチド又はタンパク質である。特に、治療用タンパク質は、数ある機能の中でも、遺伝子エラーを修正及び修復し、癌細胞又は病原体感染細胞を破壊し、免疫系疾患を治療し、代謝性疾患又は内分泌疾患を治療することができる治療剤の作製において大きな役割を果たす。例えば、タンパク質ホルモンであるエリスロポイエチン(EPO)は、腎臓合併症の一般的な原因である赤血球欠乏の患者において利用することができる。更に、アジュバントタンパク質、治療用抗体も治療用タンパク質に含まれ、また、例えば閉経期の女性の治療において用いられるホルモン補充療法も含まれる。より最近のアプローチでは、患者の体細胞を用いて、前記体細胞の多能性幹細胞へのリプログラムが行われている。これは、論争になっている幹細胞療法に取って代わるものである。また、体細胞のリプログラム又は幹細胞の分化に用いられるこれらタンパク質も、本明細書では治療用タンパク質として定義される。更に、治療用タンパク質は、例えば、創傷治癒、組織再生、血管形成等の他の目的のために用いることもできる。
【0078】
したがって、治療用タンパク質は、遺伝性疾患であるか後天性疾患であるかにかかわらず、例えば、感染性疾患、新生物(例えば、癌又は腫瘍疾患)、血液及び造血器官の疾患、内分泌疾患、栄養疾患、代謝性疾患、神経系の疾患、循環系の疾患、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患、皮膚及び皮下組織の疾患、筋骨格系及び結合組織の疾患、並びに尿生殖器系の疾患等の様々な疾患の治療を含む様々な目的のために使用することができる。
【0079】
これに関連して、特に代謝性疾患又は内分泌疾患の治療において用いることができる特に好ましい治療用タンパク質は、以下から選択される:酸性スフィンゴミエリナーゼ(ニーマン−ピック病)、アジポタイド(肥満)、アガルシダーゼベータ(ヒトガラクトシダーゼA)(ファブリー病;腎臓及び心血管系合併症を引き起こす可能性のある脂質の蓄積を防ぐ)、アルグルコシダーゼ(ポンペ病(II型糖原病))、アルファ−ガラクトシダーゼA(アルファ−GAL A、アガルシダーゼアルファ)(ファブリー病)、アルファ−グルコシダーゼ(糖原病(GSD)、ポンぺ病)、アルファ−L−イズロニダーゼ(ムコ多糖症(MPS)、ハーラー症候群、シャイエ症候群)、アルファ−N−アセチルグルコサミニダーゼ(サンフィリポ症候群)、アンフィレグリン(癌、代謝性疾患)、アンジオポエチン((Ang1、Ang2、Ang3、Ang4、ANGPTL2、ANGPTL3、ANGPTL4、ANGPTL5、ANGPTL6、ANGPTL7)(血管新生、脈管を安定化させる)、ベータセルリン(代謝性疾患)、ベータ−グルクロニダーゼ(スライ症候群)、骨形成タンパク質BMPs(BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP10、BMP15)(再生効果、骨関連症状、慢性腎疾患(CKD))、CLN6タンパク質(CLN6疾患−不定型遅発性小児型、遅発性異型、早発性若年型、神経セロイドリポフスチン症(NCL))、上皮成長因子(EGF)(創傷治癒、細胞の成長、増殖、及び分化の制御)、エピゲン(代謝性疾患)、エピレギュリン(代謝性疾患)、線維芽細胞成長因子(FGF、FGF−1、FGF−2、FGF−3、FGF−4、FGF−5、FGF−6、FGF−7、FGF−8、FGF−9、FGF−10、FGF−11、FGF−12、FGF−13、FGF−14、FGF−16、FGF−17、FGF−17、FGF−18、FGF−19、FGF−20、FGF−21、FGF−22、FGF−23)(創傷治癒、血管新生、内分泌疾患、組織再生)、ガルスルファーゼ(ムコ多糖症VI)、グレリン(過敏性腸症候群(IBS)、肥満、プラダー−ウィリー症候群、II型糖尿病)、グルコセレブロシダーゼ(ゴーシェ病)、GM−CSF(再生効果、白血球の産生、癌)、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)(創傷治癒、心臓肥大並びに心臓の発生及び機能)、肝細胞成長因子HGF(再生効果、創傷治癒)、ヘプシジン(鉄代謝障害、ベータ−サラセミア)、ヒトアルブミン(アルブミン産生の減少(低タンパク血症)、アルブミン喪失の増加(ネフローゼ症候群)、血液量減少、高ビリルビン血症)、イズルスルファーゼ(イズロン酸−2−スルファターゼ)(ムコ多糖症II(ハンター症候群))、インテグリンαVβ3、αVβ5、及びα5β1(マトリクス高分子及びプロテイナーゼに結合、血管新生)、イズロン酸スルファターゼ(ハンター症候群)、ラロニダーゼ(ハーラー型及びハーラー−シャイエ型のムコ多糖症I)、N−アセチルガラクトサミン−4−スルファターゼ(rhASB;ガルスルファーゼ、アリールスルファターゼA(ARSA)、アリールスルファターゼB(ARSB))(アリールスルファターゼB欠乏症、マロトー−ラミー症候群、ムコ多糖症VI)、N−アセチルグルコサミン−6−スルファターゼ(サンフィリポ症候群)、神経成長因子(NGF、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、及びニューロトロフィン4/5(NT−4/5)(再生効果、心血管疾患、冠状動脈アテローム性硬化症、肥満、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、急性冠状動脈症候群、痴呆、鬱病、統合失調症、自閉症、レット症候群、神経性食欲不振症、神経性過食症、創傷治癒、皮膚潰瘍、角膜潰瘍、アルツハイマー病)、ニューレグリン(NRG1、NRG2、NRG3、NRG4)(代謝性疾患、統合失調症)、ニューロピリン(NRP−1、NRP−2)(血管新生、軸索ガイダンス、細胞生存、遊走)、オベスタチン(過敏性腸症候群(IBS)、肥満、プラダー−ウィリー症候群、II型糖尿病)、血小板由来成長因子(PDGF(PDFF−A、PDGF−B、PDGF−C、PDGF−D)(再生効果、創傷治癒、血管新生の障害、動脈硬化症、線維症、癌)、TGFベータ受容体(エンドグリン、TGF−ベータ1受容体、TGF−ベータ2受容体、TGF−ベータ3受容体)(腎線維症、腎疾患、糖尿病、最後には末期腎疾患(ESRD)、血管新生)、トロンボポイエチン(THPO)(巨核球増殖発達因子(MGDF))(血小板疾患、輸血用血小板、骨髄抑制療法後の血小板数の回復)、トランスフォーミング成長因子(TGF(TGF−a、TGF−ベータ(TGFベータ1、TGFベータ2、及びTGFベータ3)))(再生効果、創傷治癒、免疫、癌、心疾患、糖尿病、マルファン症候群、ロイス−ディーズ症候群)、VEGF(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、VEGF−E、VEGF−F、及びPIGF)(再生効果、血管新生、創傷治癒、癌、透過性)、ネシリチド(急性非代償性鬱血性心不全)、トリプシン(褥創、静脈瘤性潰瘍、焼痂デブリードマン、裂創、日焼け、胎便性イレウス)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)(”アディソン病、小細胞癌、副腎白質ジストロフィー、先天性副腎過形成、クッシング症候群、ネルソン症候群、点頭てんかん)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)(内分泌疾患)、コレシストキニン(多様)、ガストリン(高ガストリン血症)、レプチン(糖尿病、高トリグリセリド血症、肥満)、オキシトシン(母乳栄養を刺激、分娩の非進行)、ソマトスタチン(カルチノイド症候群の対症療法、急性静脈瘤出血、及び先端巨大症、肝臓及び腎臓の多嚢胞性疾患、先端巨大症、及び神経内分泌腫瘍によって引き起こされる症状)、バソプレシン(抗利尿ホルモン)(尿崩症)、カルシトニン(閉経後骨粗鬆症、高カルシウム血症、パジェット病、骨転移、幻肢痛、脊椎管狭窄症)、エクセナチド(メトホルミン及びスルホニルウレアによる治療に対して抵抗性である2型糖尿病)、成長ホルモン(GH)、ソマトトロピン(GH欠乏又は慢性腎不全による成長不全、プラダー−ウィリー症候群、ターナー症候群、抗ウイルス療法によるAIDS消耗又は悪液質)、インスリン(糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシス、高カリウム血症)、インスリン様成長因子1 IGF−1(GH遺伝子欠損又は重症原発性IGF1欠乏の小児における成長不全、神経変性疾患、心血管疾患、心不全)、メカセルミンリンファベート、IGF−1アナログ(GH遺伝子欠損又は重症原発性IGF1欠乏の小児における成長不全、神経変性疾患、心血管疾患、心不全)、メカセルミン、IGF−1アナログ(GH遺伝子欠損又は重症原発性IGF1欠乏の小児における成長不全、神経変性疾患、心血管疾患、心不全)、ペグビソマント(先端巨大症)、プラムリンタイド(糖尿病、インスリンと組み合わせる)、テリパラチド(ヒト副甲状腺ホルモン残基1−34)(重症骨粗鬆症)、ベカプレルミン(糖尿病性潰瘍のデブリードマン補助)、ジボテルミン−アルファ(骨形成タンパク質2)(脊椎固定術、骨損傷修復)、酢酸ヒストレリン(性腺刺激ホルモン放出ホルモン;GnRH)(早発思春期)、オクトレオチド(先端巨大症、VIP分泌線腫及び転移カルチノイド腫瘍の症状緩和)、及びパリフェルミン(ケラチノサイト成長因子;KGF)(化学療法を受けている患者における重症口腔粘膜炎、創傷治癒)。
(括弧内は、治療用タンパク質が治療で用いられる具体的な疾患である)。これら及び他のタンパク質は、内因的に産生される欠陥のある機能的タンパク質を十分な量置き換えることによって被験体を治療するので、治療用であると理解される。したがって、かかる治療用タンパク質は、典型的に、哺乳類、特にヒトのタンパク質である。
【0080】
血液疾患、循環系の疾患、呼吸器系の疾患、癌又は腫瘍疾患、感染性疾患、又は免疫不全の治療のために、以下の治療用タンパク質を用いてよい:アルテプラーゼ(組織プラスミノーゲン活性化因子;tPA)(肺塞栓症、心筋梗塞、急性虚血発作、中心静脈アクセス装置の閉塞)、アニストレプラーゼ(血栓溶解)、抗トロンビンIII(AT−III)(遺伝性AT−III欠乏、血栓塞栓症)、ビバリルジン(冠状動脈形成術における血液凝固リスクの低減及びヘパリン誘発性血小板減少症)、ダルベポエチン−アルファ(慢性腎機能不全及び慢性腎不全の患者(+/−透析)における貧血の治療)、ドロトレコギン−アルファ(活性化プロテインC)(死亡のリスクが高い重症敗血症)、エリスロポイエチン、エポエチン−アルファ、エリスロポエチン、エリスロポイエチン(慢性疾患の貧血、脊髄形成異常症、腎不全又は化学療法による貧血、術前調製)、第IX因子(血友病B)、第VIIa因子(血友病A又はBの患者における出血、及び第VIII因子又は第IX因子の阻害剤)、第VIII因子(血友病A)、レピルジン(ヘパリン誘発性血小板減少症)、プロテインC濃縮物(静脈血栓、電撃性紫斑病)、レテプラーゼ(tPAの欠損変異体)(急性心筋梗塞の管理、心室機能の改善)、ストレプトキナーゼ(急性貫壁性心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓、動脈血栓又は塞栓症、動静脈カニューレの閉塞)、テネクテプラーゼ(急性心筋梗塞)、ウロキナーゼ(肺塞栓症)、アンギオスタチン(癌)、抗CD22免疫毒素(再発性CD33+急性骨髄性白血病)、デニロイキンジフチトクス(皮膚T細胞リンパ腫(CTCL))、イムノシアニン(膀胱及び前立腺癌)、MPS(メタロパンスチムリン)(癌)、アフリバーセプト(非小細胞肺癌(NSCLC)、転移性結直腸癌(mCRC)、ホルモン抵抗性転移性前立腺癌、滲出型黄斑変性症)、エンドスタチン(癌、関節リウマチ等の炎症性疾患に加えてクローン病、糖尿病性網膜症、乾癬、及び子宮内膜症)、コラゲナーゼ(慢性皮膚潰瘍及び重篤な焼損領域のデブリードマン、デュピュイトラン拘縮、ペイロニー病)、ヒトデオキシリボヌクレアーゼI、ドルナーゼ(嚢胞性線維症;FVCが40%超と予測される選択された患者における気道感染症の減少)、ヒアルロニダーゼ(注入された薬物、特に眼科手術における麻酔薬及び特定のイメージング剤の吸収及び分散を増加させる補助剤として使用される)、パパイン(壊死組織のデブリードマン、又は褥瘡、静脈瘤性潰瘍及び糖尿病性潰瘍、火傷、術後創、毛巣嚢胞創傷、癰、及び他の創傷等の急性及び慢性病変における瘡蓋の液化)、L−アスパラギナーゼ(急性リンパ性白血病、増殖に内因性アスパラギンを必要とする)、Peg−アスパラギナーゼ(急性リンパ性白血病、増殖に内因性アスパラギンを必要とする)、ラスブリカーゼ(腫瘍崩壊症候群を引き起こす可能性のある抗癌療法を受けている白血病、リンパ腫、及び固形腫瘍の小児患者)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)(生殖補助)、ヒト卵胞刺激ホルモン(FSH)(生殖補助)、ルトロピン−アルファ(黄体形成ホルモン欠乏による不妊)、プロラクチン(低プロラクチン血症、血清プロラクチン欠乏、女性の卵巣機能不全、不安症、動脈性勃起不全、精液早漏、乏精子症、精子無力症、精嚢の機能低下、男性の低アンドロゲン症)、アルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤(先天性抗トリプシン欠乏症)、ラクターゼ(ラクトースを消化できないことによるガス、膨満感、痙攣、及び下痢)、膵臓酵素(リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ)(嚢胞性線維症、慢性膵炎、膵不全、ビルロートII法胃バイパス手術後、膵管閉塞、脂肪便、消化不良、ガス、膨満感)、アデノシンデアミナーゼ(ウシペガデマーゼ、PEG−ADA)(アデノシンデアミナーゼ欠乏による重症複合免疫不全症)、アバタセプト(関節リウマチ(特に、TNFα阻害に対して不応である場合))、アレファセプト(尋常性乾癬)、アナキンラ(関節リウマチ)、エタネルセプト(関節リウマチ、多関節型若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、尋常性乾癬、強直性脊椎炎)、インターロイキン−1(IL−1)受容体アンタゴニスト、アナキンラ(関節リウマチに関連する炎症及び軟骨分解)、チムリン(神経変性疾患、リウマチ、神経性食欲不振症)、TNF−アルファアンタゴニスト(関節リウマチ、強直性脊椎炎、クローン病、乾癬、化膿性汗腺炎、難治性喘息等の自己免疫疾患)、エンフビルチド(HIV−1感染症)、及びチモシンα1(B型肝炎及びC型肝炎)。
(括弧内は、治療用タンパク質が治療で用いられる具体的な疾患である)。
【0081】
更に、アジュバント又は免疫刺激タンパク質も治療用タンパク質という用語に含まれる。これに関連して、アジュバント又は免疫刺激タンパク質は、個体の免疫応答を誘導、変化、又は改善して特定の疾患を治療するため又は個体の症状を寛解させるために使用することができる。
【0082】
これに関連して、アジュバントタンパク質は、哺乳類、特にヒトのアジュバントタンパク質から選択してよく、典型的には、例えばTLRに対する内因性TLRリガンドの結合の反応として、(哺乳類における)自然免疫応答を誘発することができる任意のヒトタンパク質又はペプチドを含む。より好ましくは、ヒトアジュバントタンパク質は、TLR、NLR及びRLH(TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11を含む)を含むパターン認識受容体;NOD1、NOD2、NOD3、NOD4、NOD5、NALP1、NALP2、NALP3、NALP4、NALP5、NALP6、NALP6、NALP7、NALP7、NALP8、NALP9、NALP10、NALP11、NALP12、NALP13、NALP14、l IPAF、NAIP、CIITA、RIG−I、MDA5及びLGP2、例えば、Trif及びCardifを含むアダプタータンパク質を含むTLRシグナル伝達のシグナルトランスデューサー;小GTPaseシグナル伝達の構成要素(RhoA、Ras、Rac1、Cdc42、Rab等)、PIPシグナル伝達の構成要素(PI3K、Src−キナーゼ等)、MyD88依存性シグナル伝達の構成要素(MyD88、IRAK1、IRAK2、IRAK4、TIRAP、TRAF6等)、MyD88非依存性シグナル伝達の構成要素(TICAM1、TICAM2、TRAF6、TBK1、IRF3、TAK1、IRAK1等);例えば、Akt、MEKK1、MKK1、MKK3、MKK4、MKK6、MKK7、ERK1、ERK2、GSK3、PKCキナーゼ、PKDキナーゼ、GSK3キナーゼ、JNK、p38MAPK、TAK1、IKK、及びTAK1を含む活性化キナーゼ;例えば、NF−κB、c−Fos、c−Jun、c−Myc、CREB、AP−1、Elk−1、ATF2、IRF−3、IRF−7を含む活性化転写因子のシグナル伝達ネットワークの構成要素及びリガンドであるタンパク質からなる群より選択される。
【0083】
哺乳類、特にヒトのアジュバントタンパク質は、更に、以下からなる群より選択してよい:熱ショックタンパク質(例えば、HSP10、HSP60、HSP65、HSP70、HSP75及びHSP90)、gp96、フィブリノーゲン、フィブロネクチンのTypIII反復外部ドメインA;或いはC1q、MBL、C1r、C1s、C2b、Bb、D、MASP−1、MASP−2、C4b、C3b、C5a、C3a、C4a、C5b、C6、C7、C8、C9、CR1、CR2、CR3、CR4、C1qR、C1INH、C4bp、MCP、DAF、H、I、P及びCD59を含む補体系の構成要素、又は例えば、ベータ−デフェンシン、細胞表面タンパク質を含む誘導標的遺伝子;或いはtrif、flt−3リガンド、Gp96又はフィブロネクチン等を含むヒトアジュバントタンパク質、或いは上記ヒトアジュバントタンパク質のいずれかの任意の種のホモログ。
【0084】
哺乳類、特にヒトのアジュバントタンパク質は、更に、IL−1アルファ、IL1ベータ、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−13、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、IL−23、TNFアルファ、IFNアルファ、IFNベータ、IFNガンマ、GM−CSF、G−CSF、M−CSFを含む自然免疫応答を誘導又は強化するサイトカイン;IL−8、IP−10、MCP−1、MIP−1アルファ、RANTES、エオタキシン、CCL21を含むケモカイン;IL−1、IL−6、IL−8、IL−12及びTNF−アルファを含むマクロファージから放出されるサイトカイン;並びにIL−1R1及びIL−1アルファを含んでいてよい。
【0085】
血液疾患、循環系の疾患、呼吸器系の疾患、癌又は腫瘍疾患、感染性疾患又は免疫不全を治療するための治療用タンパク質、或いはアジュバントタンパク質は、典型的に、治療を受けることになっている動物に応じて、哺乳類起源のタンパク質であり、好ましくはヒト起源のタンパク質である。ヒトは、例えば、好ましくはヒト起源の治療用タンパク質によって治療される。
【0086】
病原体アジュバントタンパク質は、典型的に、(哺乳類における)自然免疫応答を誘発することができる任意の病原体アジュバントタンパク質を含み、より好ましくは、細菌、原生動物、ウイルス、又は真菌等に由来する病原体アジュバントタンパク質から選択される(例えば、細菌(アジュバント)タンパク質、原生動物(アジュバント)タンパク質(例えば、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)のプロフィリン様タンパク質)、ウイルス(アジュバント)タンパク質、又は真菌(アジュバント)タンパク質等)。
【0087】
特に、細菌(アジュバント)タンパク質は、以下からなる群より選択してよい:
細菌熱ショックタンパク質又はシャペロン(Hsp60、Hsp70、Hsp90、Hsp100を含む);グラム陰性菌由来のOmpA(外膜タンパク質);OmpFを含む細菌ポリン;百日咳菌(Bordetella pertussis)由来の百日咳毒素(PT)、百日咳菌由来の百日咳アデニル酸シクラーゼ毒素CyaA及びCyaC、百日咳毒素由来のPT−9K/129G突然変異体、百日咳菌由来の百日咳アデニル酸シクラーゼ毒素CyaA及びCyaC、破傷風毒素、コレラ毒素(CT)、コレラ毒素B−サブユニット、コレラ毒素由来のCTK63突然変異体、CT由来のCTE112K突然変異体、大腸菌(Escherichia coli)易熱性エンテロトキシン(LT)、易熱性エンテロトキシン由来のBサブユニット(LTB)、毒性の低下している大腸菌易熱性エンテロトキシン突然変異体(LTK63、LTR72を含む)を含む細菌毒素;フェノール可溶性モジュリン;ピロリ菌(Helicobacter pylori)由来の好中球活性化タンパク質(HP−NAP);界面活性タンパク質D;ライム病ボレリア(Borrelia burgdorferi)由来の外表面タンパク質Aリポタンパク質、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来のAg38(38kDa抗原);細菌線毛由来のタンパク質;コレラ菌(Vibrio cholerae)のエンテロトキシンCT、グラム陰性菌の線毛由来のピリン、及び界面活性タンパク質A;等、或いは上記細菌(アジュバント)タンパク質のいずれかの任意の種のホモログ。
【0088】
また、細菌(アジュバント)タンパク質は、細菌フラジェリンを含んでいてもよい。本発明において、細菌フラジェリンは、以下を含む生物由来のフラジェリンから選択してよいが、これらに限定されない:アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、アクウィフェクス科(Aquifex)、アゾスピリルム属(Azospirillum)、バチルス属(Bacillus)、バルトネラ属(Bartonella)、ボルデテラ属(Bordetella)、ボレリア属(Borrelia)、バークホルデリア属(Burkholderia)、カンピロバクター属(Campylobacter)、カウロバクター属(Caulobacte)、クロストリジウム属(Clostridium)、エシェリキア属(Escherichia)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、ラクノスピラ科(Lachnospiraceae)、レジオネラ属(Legionella)、リステリア属(Listeria)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、根粒菌属(Rhizobium)、ロドバクター属(Rhodobacter)、ロゼブリア属(Roseburia)、サルモネラ属(Salmonella)、セルプリナ属(Serpulina)、セラチア属(Serratia)、赤痢菌属(Shigella)、トレポネーマ属(Treponema)、ビブリオ属(Vibrio)、ウォリネラ属(Wolinella)、エルシニア属(Yersinia)。より好ましくは、以下を含む種由来のフラジェリンから選択してよいが、これらに限定されない:アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、アクウィフェクス・ピロフィルス(Aquifex pyrophilus)、アゾスピリルム・ブラシレンセ(Azospirillum brasilense)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バルトネラ・バシリホルミス(Bartonella bacilliformis)、気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)、ライム病ボレリア、セパシア菌(Burkholderia cepacia)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カウロバクター・クレセンタス(Caulobacter crescentus)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)株ベネットクローン1、大腸菌、ピロリ菌、ラクノスピラ科の細菌、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、緑膿菌(Pseudomonas aeroguinosa)、シリンゲ菌(Pseudomonas syringae)、リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)、ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)、ロゼブリア・セシコーラ(Roseburia cecicola)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburis hominis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・ボンゴール(Salmonella bongori)、腸チフス菌(Salmonella typhi)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、セルプリナ・ヒオディセンテリア(Serpulina hyodysenteriae)、霊菌(Serratia marcescens)、ボイド赤痢菌(Shigella boydii)、トレポネーマ・ファゲデニス(Treponema phagedenis)、ビブリオ・アルギノリチカス(Vibrio alginolyticus)、コレラ菌、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、ウォリネラ・サクシノゲネス(Wolinella succinogenes)及び腸炎エルシニア(Yersinia enterocolitica)。
【0089】
原生動物(アジュバント)タンパク質は、病原体アジュバントタンパク質の更なる例である。原生動物(アジュバント)タンパク質は、これに関連して、アジュバントの特徴を示す任意の原生動物タンパク質から選択してよく、より好ましくは、以下からなる群より選択してよいが、これらに限定されない:トリパノソーマ・クルージ(Trypanosoma cruzi)由来のTc52、トリパノソーマ・ゴンヂ(Trypanosoma gondii)由来のPFTG、原生動物熱ショックタンパク質、リーシュマニア属(Leishmania)の種由来のLeIF、トキソプラズマ原虫由来のプロファイリング様タンパク質等。
【0090】
ウイルス(アジュバント)タンパク質は、病原体アジュバントタンパク質の別の例である。これに関連して、ウイルス(アジュバント)タンパク質は、アジュバントの特徴を示す任意のウイルスタンパク質から選択してよく、より好ましくは、以下からなる群より選択してよいが、これらに限定されない:RSウイルス融合糖タンパク質(F−タンパク質)、MMTウイルス由来のエンベロープタンパク質、マウス白血病ウイルスタンパク質、野生型麻疹ウイルスの赤血球凝集素タンパク質等。
【0091】
真菌(アジュバント)タンパク質は、病原体アジュバントタンパク質の更なる例である。本発明では、真菌(アジュバント)タンパク質は、アジュバントの特徴を示す任意の真菌タンパク質から選択してよく、より好ましくは、真菌免疫調節タンパク質(FIP;LZ−8)等からなる群より選択してよい。
【0092】
最後に、アジュバントタンパク質は、更に、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、OspA等からなる群より選択してよい。
【0093】
更なる実施形態では、治療用タンパク質は、ホルモン補充療法、特に閉経期の女性の治療に用いてよい。これら治療用タンパク質は、好ましくは、エストロゲン、プロゲステロン又はプロゲスチン、及び時にテストステロンから選択される。
【0094】
更に、治療用タンパク質は、体細胞の多能性幹細胞又は全能性幹細胞へのリプログラムのために用いてよい。この目的のために、幾つかの因子が報告されており、具体的には、Oct−3/4、Sox遺伝子ファミリー(Sox1、Sox2、Sox3、及びSox15)、Klfファミリー(Klf1、Klf2、Klf4、及びKlf5)、Mycファミリー(c−myc、L−myc、及びN−myc)、Nanog、及びLIN28である。
【0095】
上述の通り、治療用抗体も本明細書では治療用タンパク質として定義される。これら治療用タンパク質は、好ましくは、以下から選択される:
特に、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体、例えば、131I−トシツモマブ(濾胞性リンパ腫、B細胞リンパ腫、白血病)、3F8(神経芽細胞腫)、8H9、アバゴボマブ(卵巣癌)、アデカツムマブ(前立腺及び乳癌)、アフツズマブ(リンパ腫)、アラシズマブ・ペゴール、アレムツズマブ(B細胞性慢性リンパ性白血病、T細胞リンパ腫)、アマツキシマブ、AME−133v(濾胞性リンパ腫、癌)、AMG102(進行性腎細胞癌)、アナツモマブ・マフェナトクス(非小細胞肺癌)、アポリズマブ(固形腫瘍、白血病、非ホジキンリンパ腫、リンパ腫)、バビツキシマブ(癌、ウイルス感染症)、ベクツモマブ(非ホジキンリンパ腫)、ベリムマブ(非ホジキンリンパ腫)、ベバシズマブ(結腸癌、乳癌、脳及び中枢神経系腫瘍、肺癌、肝細胞癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌、膀胱癌、肉腫、黒色腫、食道癌;胃癌、転移性腎細胞癌;腎臓癌、神経膠芽細胞腫、肝臓癌、増殖性糖尿病性網膜症、黄斑変性)、ビバツズマブ・メルタンシン(扁平上皮癌)、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ・ベドチン(血液癌)、カンツズマブ(結腸癌、胃癌、膵臓癌、NSCLC)、カンツズマブ・メルタンシン(結直腸癌)、カンツズマブ・ラブタンシン(癌)、カプロマブ・ペンデチド(前立腺癌)、カルルマブ、カツマキソマブ(卵巣癌、卵管新生物、腹膜新生物)、セツキシマブ(転移性結直腸癌及び頭頚部癌)、シタツズマブ・ボガトクス(卵巣癌及び他の固形腫瘍)、シクスツムマブ(固形腫瘍)、クリバツズマブ・テトラキセタン(膵臓癌)、CNTO328(B細胞非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、カストルマン病、卵巣癌)、CNTO95(黒色腫)、コナツムマブ、ダセツズマブ(血液癌)、ダロツズマブ、デノスマブ(骨髄腫、骨巨細胞腫、乳癌、前立腺癌、骨粗鬆症)、デツモマブ(リンパ腫)、ドロジツマブ、エクロメキシマブ(悪性黒色腫)、エドレコロマブ(結腸直腸癌)、エロツズマブ(多発性骨髄腫)、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンシツキシマブ、エプラツズマブ(自己免疫疾患、全身性エリテマトーデス、非ホジキンリンパ腫、白血病)、エルツマキソマブ(乳癌)、エルツマキソマブ(乳癌)、エタラシズマブ(黒色腫、前立腺癌、卵巣癌)、ファルレツズマブ(卵巣癌)、FBTA05(慢性リンパ性白血病)、フィクラツズマブ(癌)、フィギツムマブ(副腎皮質癌、非小細胞肺癌)、フランボツマブ(黒色腫)、ガリキシマブ(B細胞リンパ腫)、ガリキシマブ(非ホジキンリンパ腫)、ガニツマブ、GC1008(進行性腎細胞癌;悪性黒色腫、肺線維症)、ゲムツズマブ(白血病)、ゲムツズマブ・オゾガマイシン(急性骨髄性白血病)、ギレンツキシマブ(明調細胞腎細胞癌)、グレムバツムマブ・ベドチン(黒色腫、乳癌)、GS6624(特発性肺線維症及び固形腫瘍)、HuC242−DM4(結腸癌、胃癌、膵臓癌)、HuHMFG1(乳癌)、HuN901−DM1(骨髄腫)、イブリツモマブ(再発性又は難治性低悪性度、濾胞性、又は形質転換B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL))、イクルクマブ、ID09C3(非ホジキンリンパ腫)、インダツキシマブ・ラブタンシン、イノツズマブ・オゾガマイシン、インテツムマブ(固形腫瘍(前立腺癌、黒色腫))、イピリムマブ(肉腫、黒色腫、肺癌、卵巣癌、白血病、リンパ腫、脳及び中枢神経系腫瘍、精巣腫瘍、前立腺癌、膵臓癌、乳癌)、イラツムマブ(ホジキンリンパ腫)、ラベツズマブ(結直腸癌)、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ・メルタンシン、ルカツムマブ(多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫)、ルミリキシマブ(慢性リンパ性白血病)、マパツムマブ(結腸癌、骨髄腫)、マツズマブ(肺癌、子宮頚部癌、食道癌)、MDX−060(ホジキンリンパ腫、リンパ腫)、MEDI522(固形腫瘍、白血病、リンパ腫、小腸癌、黒色腫)、ミツモマブ(小細胞肺癌)、モガムリズマブ、MORab−003(卵巣癌、卵管癌、腹膜癌)、MORab−009(膵臓癌、中皮腫、卵巣癌、非小細胞肺癌、卵管癌、腹腔癌)、モキセツモマブ・パスドトクス、MT103(非ホジキンリンパ腫)、ナコロマブ・タフェナトクス(結直腸癌)、ナプツモマブ・エスタフェナトクス(非小細胞肺癌、腎細胞癌)、ナルナツマブ、ネシツムマブ(非小細胞肺癌)、ニモツズマブ(扁平上皮癌、頭頚部癌、鼻咽頭癌、神経膠腫)、ニモツズマブ(扁平上皮癌、神経膠腫、固形腫瘍、肺癌)、オララツマブ、オナルツズマブ(癌)、オポルツズマブ・モナトクス、オレゴボマブ(卵巣癌)、オレゴボマブ(卵巣癌、卵管癌、腹腔癌)、PAM4(膵臓癌)、パニツムマブ(結腸癌、肺癌、乳癌;膀胱癌;卵巣癌)、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペルツズマブ(乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌)、プリツムマブ(脳癌)、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ(固形腫瘍)、リロツムマブ(固形腫瘍)、リツキシマブ(蕁麻疹、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、慢性巣状脳炎、非ホジキンリンパ腫、リンパ腫、慢性リンパ性白血病)、ロバツムマブ、サマリズマブ、SGN−30(ホジキンリンパ腫、リンパ腫)、SGN−40(非ホジキンリンパ腫、骨髄腫、白血病、慢性リンパ性白血病)、シブロツズマブ、シルツキシマブ、タバルマブ(B細胞癌)、タカツズマブ・テトラキセタン、タプリツモマブ・パプトクス、テナツモマブ、テプロツムマブ(血液腫瘍)、TGN1412(慢性リンパ性白血病、関節リウマチ)、チシリムマブ(=トレメリムマブ)、ティガツズマブ、TNX−650(ホジキンリンパ腫)、トシツモマブ(濾胞性リンパ腫、B細胞リンパ腫、白血病、骨髄腫)、トラスツズマブ(乳癌、子宮内膜癌、固形腫瘍)、TRBS07(黒色腫)、トレメリムマブ、TRU−016(慢性リンパ性白血病)、TRU−016(非ホジキンリンパ腫)、ツコツズマブ・セルモロイキン、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ベルツズマブ(非ホジキンリンパ腫)、ベルツズマブ(IMMU−106)(非ホジキンリンパ腫)、ボロシキシマブ(腎細胞癌、膵臓癌、黒色腫)、ボツムマブ(直腸結腸腫瘍)、WX−G250(腎細胞癌)、ザルツムマブ(頭頚部癌、扁平上皮癌)、及びザノリムマブ(T細胞リンパ腫);
特に、免疫疾患の治療のために用いられる抗体、例えば、エファリズマブ(乾癬)、エプラツズマブ(自己免疫疾患、全身性エリテマトーデス、非ホジキンリンパ腫、白血病)、エトロリズマブ(炎症性腸疾患)、フォントリズマブ(クローン病)、イクセキズマブ(自己免疫疾患)、メポリズマブ(好酸球増加症候群、喘息、好酸球性胃腸炎、チャーグ−ストラウス症候群、好酸球性食道炎)、ミラツズマブ(多発性骨髄腫及び他の血液悪性腫瘍)、プール免疫グロブリン(原発性免疫不全症)、プリリキシマブ(クローン病、多発性硬化症)、リツキシマブ(蕁麻疹、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、慢性巣状脳炎、非ホジキンリンパ腫、リンパ腫、慢性リンパ性白血病)、ロンタリズマブ(全身性エリテマトーデス)、ルプリズマブ(リウマチ性疾患)、サリルマブ(関節リウマチ、強直性脊椎炎)、ベドリズマブ(クローン病、潰瘍性大腸炎)、ビジリズマブ(クローン病、潰瘍性大腸炎)、レスリズマブ(気道、皮膚、及び消化管の炎症)、アダリムマブ(関節リウマチ、クローン病、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎)、アセリズマブ(重傷患者)、アチヌマブ(神経系の治療)、アトリズマブ(関節リウマチ、全身発症若年性特発性関節炎)、ベルチリムマブ(重症アレルギー疾患)、ベシレソマブ(炎症性病変及び転移)、BMS−945429、ALD518(癌及び関節リウマチ)、ブリアキヌマブ(乾癬、関節リウマチ、炎症性腸疾患、多発性硬化症)、ブロダルマブ(炎症性疾患)、カナキヌマブ(関節リウマチ)、カナキヌマブ(クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患)、セルトリズマブ・ペゴール(クローン病)、エルリズマブ(心臓発作、卒中、外傷性ショック)、フェザキヌマブ(関節リウマチ、乾癬)、ゴリムマブ(関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎)、ゴミリキシマブ(アレルギー性喘息)、インフリキシマブ(関節リウマチ、クローン病、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、尋常性乾癬、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎)、マブリリムマブ(関節リウマチ)、ナタリズマブ(多発性硬化症)、オクレリズマブ(多発性硬化症、関節リウマチ、紅斑性狼瘡、血液癌)、オヅリモマブ(臓器移植拒絶反応の予防、免疫疾患)、オファツムマブ(慢性リンパ性白血病、濾胞性非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、関節リウマチ、再発寛解型多発性硬化症、リンパ腫、B細胞性慢性リンパ性白血病)、オゾラリズマブ(炎症)、パキセリズマブ(心臓手術の副作用の低減)、ロベリズマブ(出血性ショック)、SBI−087(関節リウマチ)、SBI−087(全身性エリテマトーデス)、セクキヌマブ(ブドウ膜炎、関節リウマチ、乾癬)、シルクマブ(関節リウマチ)、タリズマブ(アレルギー反応)、トシリズマブ(関節リウマチ、全身発症若年性特発性関節炎、カストルマン病)、トラリズマブ(関節リウマチ、ループス腎炎)、TRU−015(関節リウマチ)、TRU−016(自己免疫疾患及び炎症)、ウステキヌマブ(多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎)、ウステキヌマブ(IL−12/IL−23ブロッカー)(尋常性乾癬、乾癬性関節炎、多発性硬化症、サルコイドーシス、後者は比較する(the latter versus))、ベパリモマブ(炎症)、ゾリモマブ・アリトクス(全身性エリテマトーデス、移植片対宿主病)、シファリムマブ(SLE、皮膚筋炎、多発性筋炎)、ルミリキシマブ(アレルギー)、及びRh免疫グロブリン(Rh血液型不適合);或いは、感染性疾患の治療のために用いられる抗体、例えば、アフェリモマブ(敗血症)、CR6261(感染性疾患/インフルエンザA)、エドバコマブ(グラム陰性菌によって引き起こされる敗血症)、エフングマブ(侵襲性カンジダ感染症)、エクスビビルマブ(B型肝炎)、フェルビズマブ(RSウイルス感染症)、フォラビルマブ(狂犬病(予防))、イバリズマブ(HIV感染症)、リビビルマブ(B型肝炎)、モタビズマブ(RSウイルス(予防))、ネバクマブ(敗血症)、ツビルマブ(慢性B型肝炎)、ウルトキサズマブ(大腸菌によって引き起こされる下痢)、バビツキシマブ(多様なウイルス感染症)、パギバキシマブ(敗血症(例えば、ブドウ球菌属(Staphylococcus))、パリビズマブ(高リスク小児患者におけるRSウイルス感染症の予防)、パノバクマブ(緑膿菌感染症)、PRO140(HIV感染症)、ラフィビルマブ(狂犬病(予防))、ラキシバクマブ(炭疽(予防及び治療))、レガビルマブ(サイトメガロウイルス感染症)、セビルマブ(サイトメガロウイルス感染症)、スビズマブ(ウイルス感染症)、及びテフィバズマブ(黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)感染症);
特に、血液疾患の治療のために用いられる抗体、例えば、アブシキシマブ(経皮的冠動脈形成)、アトロリムマブ(新生児の溶血性疾患)、エクリズマブ(発作性夜間血色素尿症)、メポリズマブ(好酸球増加症候群、喘息、好酸球性胃腸炎、チャーグ−ストラウス症候群、好酸球性食道炎)、及びミラツズマブ(多発性骨髄腫及び他の血液悪性腫瘍);
特に、免疫制御のために用いられる抗体、例えば、抗胸腺細胞グロブリン(急性腎移植拒絶反応、再生不良性貧血)、バシリキシマブ(シクロスポリン及びコルチコステロイドを含む免疫抑制レジメンを受けている腎臓移植患者における同種移植片拒絶の予防)、セデリズマブ(臓器移植拒絶反応の予防、自己免疫疾患の治療)、ダクリズマブ(腎臓移植を受けた患者における急性同種移植片拒絶反応の予防、多発性硬化症)、ガビリモマブ(移植片対宿主病)、イノリモマブ(移植片対宿主病)、ムロモナブ−CD3(臓器移植拒絶反応の予防)、ムロモナブ−CD3(急性腎臓同種移植片拒絶反応又はステロイド抵抗性の心臓若しくは肝臓の同種移植片拒絶反応)、オヅリモマブ(臓器移植拒絶反応の予防、免疫疾患)、及びシプリズマブ(乾癬、移植片対宿主病(予防));
糖尿病の治療のために用いられる抗体、例えば、ゲボキズマブ(糖尿病)、オテリキシズマブ(1型糖尿病)、及びテプリズマブ(1型糖尿病);
アルツハイマー病の治療のために用いられる抗体、例えば、バピニューズマブ、クレネズマブ、ガンテネルマブ、ポネズマブ、R1450、及びソラネズマブ;
喘息の治療のために用いられる抗体、例えば、ベンラリズマブ、エノキズマブ、ケリキシマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、オキセルマブ、パスコリズマブ、及びトラロキヌマブ;並びに
多様な疾患の治療のために用いられる抗体、例えば、ブロソズマブ(骨粗鬆症)、CaroRx(齲蝕)、フレソリムマブ(特発性肺線維症、巣状分節性糸球体硬化症、癌)、フルラヌマブ(疼痛)、ロモソズマブ(骨粗鬆症)、スタムルマブ(筋ジストロフィー)、タネズマブ(疼痛)、及びラニビズマブ(新生血管型加齢性黄斑変性)。
【0096】
本発明の第1の態様に係る本発明の核酸のコード配列は、モノ−、ジ−、又は更にはマルチシストロン性核酸、即ち、1、2、又はそれ以上のタンパク質又はペプチドのコード配列を有する核酸として存在してよい。ジ−又は更にはマルチシストロン性核酸におけるかかるコード配列は、例えば、本明細書に記載する少なくとも1つの内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって、又は幾つかのタンパク質又はペプチドを含む得られるポリペプチドの切断を誘導するシグナルペプチドによって分断されていてもよい。
【0097】
本発明の第1の態様によれば、本発明の核酸配列は、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含むペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域を含む。好ましくは、コードされている治療用タンパク質は、ヒストンタンパク質ではない。本発明では、かかるヒストンタンパク質は、典型的に、真核生物細胞の核にみられる強アルカリ性タンパク質であり、DNAに指令を出し、ヌクレオソームと呼ばれる構造ユニットにパッケージングする。ヒストンタンパク質は、クロマチンの主なタンパク質成分であり、その周囲にDNAが巻きつく糸巻きとして作用し、遺伝子調節において役割を果たす。ヒストンがないと、巻きがほどけた染色体中のDNAは、非常に長くなる(ヒトDNAでは、長さ対幅比が1,000万超対1)。例えば、各ヒト細胞は、約1.8メートルのDNAを有するが、ヒストンに巻きついて、約90ミリメートルのクロマチンを形成する。クロマチンは、有糸分裂中に複製及び凝縮するときに約120マイクロメートルの染色体となる。より好ましくは、本発明では、かかるヒストンタンパク質は、典型的に、以下のヒストンの5つの主なクラス:H1/H5、H2A、H2B、H3、及びH4”のうちの1つから選択され、好ましくは哺乳類ヒストンから選択され、より好ましくはヒトヒストン又はヒストンタンパク質から選択される、高度に保存されているタンパク質として定義される。かかるヒストン又はヒストンタンパク質は、典型的に、ヒストンH2A、H2B、H3、及びH4”を含むコアヒストン並びにヒストンH1及びH5を含むリンカーヒストンとして定義される2つのスーパークラスに体系付けられる。
【0098】
これに関連して、好ましくは係属中の発明の保護範囲から除外されるリンカーヒストン、好ましくは哺乳類リンカーヒストン、より好ましくはヒトリンカーヒストンは、典型的に、H1Fを含むH1(具体的には、H1F0、H1FNT、H1FOO、H1FXを含む)、及びH1H1(具体的には、HIST1H1A、HIST1H1B、HIST1H1C、HIST1H1D、HIST1H1E、HIST1H1Tを含む)から選択される。
【0099】
更に、好ましくは係属中の発明の保護範囲から除外されるコアヒストン、好ましくは哺乳類コアヒストン、より好ましくはヒトコアヒストンは、典型的に、H2AF(具体的には、H2AFB1、H2AFB2、H2AFB3、H2AFJ、H2AFV、H2AFX、H2AFY、H2AFY2、H2AFZを含む)、及びH2A1(具体的には、HIST1H2AA、HIST1H2AB、HIST1H2AC、HIST1H2AD、HIST1H2AE、HIST1H2AG、HIST1H2AI、HIST1H2AJ、HIST1H2AK、HIST1H2AL、HIST1H2AMを含む)、及びH2A2(具体的には、HIST2H2AA3、HIST2H2ACを含む)を含むH2A;H2BF(具体的には、H2BFM、H2BFO、H2BFS、H2BFWT)、H2B1(具体的には、HIST1H2BA、HIST1H2BB、HIST1H2BC、HIST1H2BD、HIST1H2BE、HIST1H2BF、HIST1H2BG、HIST1H2BH、HIST1H2BI、HIST1H2BJ、HIST1H2BK、HIST1H2BL、HIST1H2BM、HIST1H2BN、HIST1H2BOを含む)、及びH2B2(具体的には、HIST2H2BEを含む)を含むH2B;H3A1(具体的には、HIST1H3A、HIST1H3B、HIST1H3C、HIST1H3D、HIST1H3E、HIST1H3F、HIST1H3G、HIST1H3H、HIST1H3I、HIST1H3Jを含む)、及びH3A2(具体的には、HIST2H3Cを含む)、及びH3A3(具体的には、HIST3H3を含む)を含むH3;H41(具体的には、HIST1H4A、HIST1H4B、HIST1H4C、HIST1H4D、HIST1H4E、HIST1H4F、HIST1H4G、HIST1H4H、HIST1H4I、HIST1H4J、HIST1H4K、HIST1H4Lを含む)及びH44(具体的には、HIST4H4を含む)を含むH4;並びにH5から選択される。
【0100】
本発明の第1の態様によれば、本発明の核酸配列は、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含むペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域を含む。好ましくは、コードされている治療用タンパク質は、レポータータンパク質(例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、β−ガラクトシダーゼ)ではなく、且つマーカー又は選択タンパク質(例えば、アルファグロビン、ガラクトキナーゼ、及びキサンチン:グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(GPT))ではない。好ましくは、本発明の核酸配列は、(細菌の)抗生物質耐性遺伝子、特にneo遺伝子配列(ネオマイシン耐性遺伝子)もCAT遺伝子配列(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ;クロラムフェニコール耐性遺伝子)も含有しない。
【0101】
上に定義した通り本発明の核酸は、a)治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含むペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、(好ましくは、コードされている前記ペプチド又はタンパク質の発現を増加させるために)b)少なくとも1つのヒストンステムループと、c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルとを含むか又はコードし、コードされている前記ペプチド又はタンパク質は、好ましくは、上に定義した通り、ヒストンタンパク質、レポータータンパク質、及び/又はマーカー若しくは選択タンパク質ではない。本発明の核酸の要素b)〜c)は、任意の順序で本発明の核酸中に存在してよく、即ち、要素a)、b)、及びc)は、本発明の核酸配列の5’から3’方向にa)、b)、及びc)又はa)、c)、及びb)の順序で存在してよく、5’−CAP構造、ポリ(C)配列、安定化配列、IRES配列等の本明細書に定義する更なる要素を含有していてもよい。本発明の核酸の各要素a)〜c)、特に、ジ−若しくはマルチシストロン性コンストラクトにおけるa)並びに/又は各要素b)及びc)、より好ましくは要素b)は、本発明の核酸において少なくとも1回、好ましくは2回以上反復していてもよい。一例として、本発明の核酸は、配列エレメントa)、b)、及び任意でc)を、例えば以下の順序で含んでよい:
5’−コード領域−ヒストンステムループ−ポリ(A)配列−3’;又は
5’−コード領域−ヒストンステムループ−ポリアデニル化シグナル−3’;又は
5’−コード領域−ポリ(A)配列−ヒストンステムループ−3’;又は
5’−コード領域−ポリアデニル化シグナル−ヒストンステムループ−3’;又は
5’−コード領域−コード領域−ヒストンステムループ−ポリアデニル化シグナル−3’;又は
5’−コード領域−ヒストンステムループ−ヒストンステムループ−ポリ(A)配列−3’;又は
5’−コード領域−ヒストンステムループ−ヒストンステムループ−ポリアデニル化シグナル−3’等。
【0102】
これに関連して、本発明の核酸配列は、a)治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含むペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、(好ましくは、コードされている前記ペプチド又はタンパク質の発現レベルを増加させるために)b)少なくとも1つのヒストンステムループと、c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化配列とを含むか又はコードし、コードされている前記タンパク質は、好ましくは、ヒストンタンパク質、レポータータンパク質(例えば、ルシフェラーゼ、GFP、EGFP、β−ガラクトシダーゼ、特にEGFP)、及び/又はマーカー若しくは選択タンパク質(例えば、アルファグロビン、ガラクトキナーゼ、及びキサンチン:グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(GPT))ではない。
【0103】
第1の態様の更に好ましい実施形態では、本明細書に定義する本発明の核酸配列は、改変核酸の形態で存在してもよい。
【0104】
これに関連して、本明細書に定義する本発明の核酸配列は、「安定化核酸」、好ましくは安定化RNA、より好ましくは(例えば、エキソヌクレアーゼ又はエンドヌクレアーゼによる)インビボにおける分解に対して本質的に耐性であるRNAを提供するために修飾してよい。安定化核酸は、例えば、本発明の核酸配列のコード領域のG/C含量を変化させることによって、ヌクレオチドアナログ(例えば、骨格修飾、糖修飾、又は塩基修飾を有するヌクレオチド)を導入することによって、或いは本発明の核酸配列の3’及び/又は5’非翻訳領域に安定化配列を導入することによって得ることができる。
【0105】
上述の通り、本明細書に定義する本発明の核酸配列は、ヌクレオチドアナログ/修飾、例えば、骨格修飾、糖修飾、又は塩基修飾等を含有していてよい。本発明に関連する骨格修飾は、本明細書に定義する本発明の核酸配列に含まれるヌクレオチドの骨格のリン酸が化学的に修飾される修飾である。本発明に関連する糖修飾は、本明細書に定義する本発明の核酸配列のヌクレオチドの糖の化学修飾である。更に、本発明に関連する塩基修飾は、本発明の核酸配列の核酸分子のヌクレオチドの塩基部分の化学修飾である。これに関連して、ヌクレオチドアナログ又は修飾は、好ましくは、転写及び/又は翻訳に適用可能なヌクレオチドアナログから選択される。
【0106】
本発明の第1の態様の特に好ましい実施形態では、本明細書に定義するヌクレオチドアナログ/修飾は、コードされているタンパク質の発現を更に増加させ且つ好ましくは以下から選択される塩基修飾から選択される:2−アミノ−6−クロロプリンリボシド−5’−トリホスフェート、2−アミノアデノシン−5’−トリホスフェート、2−チオシチジン−5’−トリホスフェート、2−チオウリジン−5’−トリホスフェート、4−チオウリジン−5’−トリホスフェート、5−アミノアリルシチジン−5’−トリホスフェート、5−アミノアリルウリジン−5’−トリホスフェート、5−ブロモシチジン−5’−トリホスフェート、5−ブロモウリジン−5’−トリホスフェート、5−ヨードシチジン−5’−トリホスフェート、5−ヨードウリジン−5’−トリホスフェート、5−メチルシチジン−5’−トリホスフェート、5−メチルウリジン−5’−トリホスフェート、6−アザシチジン−5’−トリホスフェート、6−アザウリジン−5’−トリホスフェート、6−クロロプリンリボシド−5’−トリホスフェート、7−デアザアデノシン−5’−トリホスフェート、7−デアザグアノシン−5’−トリホスフェート、8−アザアデノシン−5’−トリホスフェート、8−アジドアデノシン−5’−トリホスフェート、ベンズイミダゾール−リボシド−5’−トリホスフェート、N1−メチルアデノシン−5’−トリホスフェート、N1−メチルグアノシン−5’−トリホスフェート、N6−メチルアデノシン−5’−トリホスフェート、O6−メチルグアノシン−5’−トリホスフェート、プソイドウリジン−5’−トリホスフェート、又はピューロマイシン−5’−トリホスフェート、キサントシン−5’−トリホスフェート。5−メチルシチジン−5’−トリホスフェート、7−デアザグアノシン−5’−トリホスフェート、5−ブロモシチジン−5’−トリホスフェート、及びプソイドウリジン−5’−トリホスフェートからなる塩基修飾ヌクレオチドの群から選択される塩基修飾のためのヌクレオチドが特に好ましい。
【0107】
更なる実施形態によれば、本明細書に定義する本発明の核酸配列は、脂質修飾を含有していてよい。かかる脂質修飾核酸は、典型的に、本明細書に定義する核酸を含む。本明細書に定義する本発明の核酸配列のかかる脂質修飾核酸分子は、典型的に、前記核酸分子と共有結合している少なくとも1つのリンカーと、それぞれの前記リンカーと共有結合している少なくとも1つの脂質とを更に含む。或いは、前記脂質修飾核酸分子は、本明細書に定義する少なくとも1つの核酸分子と、前記核酸分子と(リンカーなしで)共有結合している少なくとも1つの(二官能性)脂質とを含む。第3の選択肢によれば、前記脂質修飾核酸分子は、本明細書に定義する核酸分子と、前記核酸分子と共有結合している少なくとも1つのリンカーと、それぞれの前記リンカーと共有結合している少なくとも1つの脂質と、前記核酸分子と(リンカーなしで)共有結合している少なくとも1つの(二官能性)脂質とを含む。これに関連して、脂質修飾は、直鎖状の本発明の核酸配列の末端に存在することが特に好ましい。
【0108】
本発明の第1の態様の別の好ましい実施形態によれば、本明細書に定義する本発明の核酸配列は、特に(m)RNAとして提供される場合、所謂「5’CAP」構造の付加によってRNase分解に対して安定化させることができる。
【0109】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態によれば、本明細書に定義する本発明の核酸配列は、少なくとも10個のシチジン、好ましくは少なくとも20個のシチジン、より好ましくは少なくとも30個のシチジンの配列(所謂、「ポリ(C)配列」によって修飾してよい。好ましくは、本発明の核酸配列は、典型的に約10個〜約200個のシチジンヌクレオチド、好ましくは約10個〜約100個のシチジンヌクレオチド、より好ましくは約10個〜約70個のシチジンヌクレオチド、又は更により好ましくは約20個〜約50個、又は更には20個〜30個のシチジンヌクレオチドのポリ(C)配列を含有していてもよく、コードしていてもよい。前記ポリ(C)配列は、好ましくは、本発明の第1の態様に係る本発明の核酸に含まれるコード領域の3’に位置する。
【0110】
本発明の特に好ましい実施形態では、本明細書に定義する本発明の核酸配列の、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含む少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域のG/C含量を、その特定の野生型コード領域、即ち、非修飾コード領域のG/C含量に比べて変化させる、好ましくは増加させる。コード領域にコードされているアミノ酸配列は、好ましくは、特定の野生型コード領域にコードされているアミノ酸配列に比べて変化しない。
【0111】
本明細書に定義する本発明の核酸配列のコード領域のG/C含量の変更は、翻訳される任意のmRNA領域の配列が、そのmRNAの効率的な翻訳にとって重要であるという事実に基づいている。したがって、様々なヌクレオチドの組成及び配列が重要である。具体的には、G(グアノシン)/C(シトシン)含量の多いmRNA配列は、A(アデノシン)/U(ウラシル)含量の多いmRNA配列よりも安定である。本発明によれば、含まれるG/Cヌクレオチドの量が増加するように、翻訳されるアミノ酸配列を保持しながら、その野生型コード領域に対してコード領域のコドンを変化させる。幾つかのコドンが1つの同じアミノ酸をコードしている(所謂、遺伝コードの縮重)という事実に関連して、安定性のために最も好ましいコドンを決定することができる(所謂、代替コドンの利用)。
【0112】
本明細書に定義する本発明の核酸配列のコード領域によってコードされているアミノ酸によっては、その野生型コード領域に対して、核酸配列、例えばコード領域を様々に改変できる可能性がある。G又はCヌクレオチドのみを含有するコドンによってコードされているアミノ酸の場合、コドンを改変する必要はない。したがって、Pro(CCC又はCCG)、Arg(CGC又はCGG)、Ala(GCC又はGCG)、及びGly(GGC又はGGG)のコドンは、AもUも存在しないので、改変する必要がない。
【0113】
対照的に、A及び/又はUヌクレオチドを含有するコドンは、同じアミノ酸をコードしているがA及び/又はUを含有していない他のコドンで置換することによって改変してよい。その例は、以下の通りである:
Proのコドンは、CCU又はCCAからCCC又はCCGに改変してよい;
Argのコドンは、CGU又はCGA又はAGA又はAGGからCGC又はCGGに改変してよい;
Alaのコドンは、GCU又はGCAからGCC又はGCGに改変してよい;
Glyのコドンは、GGU又はGGAからGGC又はGGGに改変してよい。
【0114】
他の場合、A又はUヌクレオチドをコドンからなくすことはできないが、A及び/又はUヌクレオチドの含量が低いコドンを使用することによってA及びU含量を減少させることができる。その例は、以下の通りである:
Pheのコドンは、UUUからUUCに改変してよい;
Leuのコドンは、UUA、UUG、CUU又はCUAからCUC又はCUGに改変してよい;
Serのコドンは、UCU又はUCA又はAGUからUCC、UCG又はAGCに改変してよい;
Tyrのコドンは、UAUからUACに改変してよい;
Cysのコドンは、UGUからUGCに改変してよい;
Hisのコドンは、CAUからCACに改変してよい;
Glnのコドンは、CAAからCAGに改変してよい;
Ileのコドンは、AUU又はAUAからAUCに改変してよい;
Thrのコドンは、ACU又はACAからACC又はACGに改変してよい;
Asnのコドンは、AAUからAACに改変してよい;
Lysのコドンは、AAAからAAGに改変してよい;
Valのコドンは、GUU又はGUAからGUC又はGUGに改変してよい;
Aspのコドンは、GAUからGACに改変してよい;
Gluのコドンは、GAAからGAGに改変してよい;
終止コドンUAAは、UAG又はUGAに改変してよい。
【0115】
他方、Met(AUG)及びTrp(UGG)のコドンの場合、配列を改変することはできない。
【0116】
上記置換は、その特定の野生型コード領域(即ち、オリジナル配列)に比べて、本明細書に定義する本発明の核酸配列のコード領域のG/C含量を増加させるために個々に又は全ての可能な組み合わせで用いることができる。したがって、例えば、野生型配列に存在するThrの全てのコドンをACC(又はACG)に改変してもよい。
【0117】
上記では、mRNA中に存在しているコドンを示す。したがって、mRNA中に存在するウリジンは、特定のmRNAをコードしているそれぞれのDNAにおいてチミジンとして存在し得る。
【0118】
本明細書に定義する本発明の核酸配列のコード領域のG/C含量は、野生型コード領域のG/C含量に比べて、好ましくは少なくとも7%、より好ましくは少なくとも15%、特に好ましくは少なくとも20%増加させる。特定の実施形態によれば、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含む少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域における置換可能なコドンのうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%、95%、又は更には100%を置換して、前記コード領域のG/C含量を増加させる。
【0119】
これに関連して、本明細書に定義する本発明の核酸配列のコード領域のG/C含量を、野生型コード領域に比べて最大まで(即ち、置換可能なコドンの100%)増加させることが特に好ましい。
【0120】
本発明によれば、本明細書に定義する本発明の核酸配列の、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含む少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域の更に好ましい改変は、細胞内のtRNAの異なる発生頻度によっても翻訳効率が決定されるという知見に基づく。したがって、本明細書に定義する本発明の核酸配列のコード領域に所謂「レアコドン」が存在している場合、前記レアコドンに対応する改変核酸配列は、比較的「高頻度の」tRNAをコードしているコドンが存在する場合よりも、翻訳される程度が著しく低くなる確率が高い。
【0121】
これに関連して、本発明の核酸配列のコード領域は、好ましくは、細胞内で比較的レアなtRNAをコードしている野生型配列のうちの少なくとも1つのコドンが、細胞内で比較的高頻度で存在するtRNAをコードしており且つ前記比較的レアなtRNAと同じアミノ酸を運搬するコドンと交換されるように、対応する野生型コード領域に対して改変される。この改変により、本明細書に定義する本発明の核酸配列のコード領域は、高頻度で存在するtRNAを利用可能なコドンが挿入されるように改変される。言い換えれば、本発明によれば、この改変により、細胞内で比較的レアなtRNAをコードしている野生型コード領域の全てのコドンを、細胞内で比較的高頻度で存在し且つそれぞれの場合において前記比較的レアなtRNAと同じアミノ酸を運搬するコドンと交換してよい。
【0122】
どのtRNAが細胞内で比較的高頻度で存在するか、及び対照的にどのtRNAが比較的低頻度で存在するかは、当業者に公知である。例えば、Akashi,Curr.Opin.Genet.Dev.2001,11(6):660−666を参照されたい。特定のアミノ酸について最も高頻度で存在するtRNAを用いるコドン、例えば、(ヒト)細胞内で最も高頻度で存在するtRNAを用いるGlyコドンが特に好ましい。
【0123】
本発明によれば、核酸配列のコード領域によってコードされているペプチド又はタンパク質のアミノ酸配列を改変することなしに、本明細書に定義する本発明の核酸配列のコード領域において配列のG/C含量を(特に、最大限)増加させることと、「高頻度の」コドンとを組み合わせることが特に好ましい。この好ましい実施形態により、特に効率的に翻訳され且つ安定化(改変)されている本明細書に定義する本発明の核酸配列を提供することができる。
【0124】
本発明の第1の態様の別の好ましい実施形態によれば、本明細書に定義する本発明の核酸配列は、好ましくは、少なくとも1つの5’及び/又は3’安定化配列を更に有する。5’及び/又は3’非翻訳領域におけるこれら安定化配列は、核酸、特にサイトゾルにおけるmRNAの半減期を延長する効果を有する。これら安定化配列は、ウイルス、細菌、及び原核生物に存在する天然配列と100%の配列同一性を有していてもよいが、部分的に又は完全に合成してもよい。例えば、安定化核酸のために本発明で用いることができる安定化配列の例として、ヒト又はアフリカツメガエル由来の(アルファ)グロビン遺伝子の非翻訳配列(UTR)を挙げることができる。安定化配列の別の例は、一般式(C/U)CCAN
xCCC(U/A)Py
xUC(C/U)CC(配列番号55)を有する配列であり、これは、(アルファ)グロビン、(I)型コラーゲン、15−リポキシゲナーゼ、又はチロシンヒドロキシラーゼをコードしている非常に安定なRNAの3’−UTRに含まれている(Holcik et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1997,94:2410−2414を参照)。かかる安定化配列は、無論、個々に又は互いに組み合わせて用いてよく、また、当業者に公知の他の安定化配列と組み合わせて用いてもよい。これに関連して、アルファグロビン遺伝子の3’UTR配列は、本発明の第1の態様に係る本発明の核酸配列に含まれる治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含む少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域の3’に位置することが特に好ましい。
【0125】
塩基の置換、付加、又は除去は、好ましくは、周知の部位特異的突然変異誘発の技術によって核酸配列を調製するためのDNAマトリクスを用いて又はオリゴヌクレオチドライゲーションストラテジを用いて、本明細書に定義する本発明の核酸配列を用いて行われる(例えば、Maniatis et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,3rd ed.,Cold Spring Harbor,NY,2001を参照)。
【0126】
上記改変はいずれも、本発明において用いるとき、本明細書に定義する本発明の核酸配列、更には任意の核酸に適用することができ、好ましい又は必要な場合、これら改変の組み合わせがそれぞれの核酸において互いに干渉しない限り、任意の組み合わせで互いに組み合わせてよい。当業者は、適宜選択を行うことができる。
【0127】
本明細書に定義する本発明に従って用いられる核酸配列は、例えば、固相合成等の合成方法に加えて、インビトロ転写反応等のインビトロ方法、又は細菌におけるDNAプラスミドのインビボ増殖等のインビボ反応を含む当技術分野において公知の任意の方法を用いて調製することができる。
【0128】
本明細書に定義する本発明の核酸配列を調製するためのかかるプロセスでは、特に核酸がmRNAの形態である場合、対応するDNA分子をインビトロで転写させてよい。このDNAマトリクスは、好ましくは、インビトロ転写用に例えばT7又はSP6プロモーター等の好適なプロモーターを含み、この後に、調製される核酸分子(例えば、mRNA)の所望のヌクレオチド配列、及びインビトロ転写のための終止シグナルが続く。少なくとも1つの対象RNAのマトリクスを形成するDNA分子は、発酵増殖させ、次いで細菌内で複製され得るプラスミドの一部として単離することによって調製することができる。本発明にとって好適であり得るプラスミドは、例えば、プラスミドpT7T(Genbankアクセッション番号U26404;Lai et al.,Development 1995,121:2349−2360)、pGEM(登録商標)シリーズ、例えば、pGEM(登録商標)−1(Genbankアクセッション番号X65300;Promega製)、及びpSP64(Genbankアクセッション番号X65327)である。Griffin and Griffin(ed.),PCR Technology:Current Innovation,CRC Press,Boca Raton,FL,2001のMezei and Storts,Purification of PCR Productsも参照。
【0129】
本明細書に定義する本発明の核酸配列に加えて、この核酸配列によってコードされているタンパク質又はペプチドは、これら配列の断片又は変異体を含んでいてよい。かかる断片又は変異体は、典型的に、核酸レベル又はアミノ酸レベルで、全野生型配列に対して、上記核酸のうちの1つ、或いは本発明の核酸配列によってコードされている場合、タンパク質又はペプチド又は配列のうちの1つと、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、更により好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、又は更には97%、98%若しくは99%の配列同一性を有する配列を含んでいてよい。
【0130】
(例えば、本明細書に定義する本発明の核酸配列によってコードされているとき)本発明におけるタンパク質又はペプチドの「断片」は、本明細書に定義するタンパク質又はペプチドの配列を含んでいてよく、前記配列は、そのアミノ酸配列に関して(又はコードしている核酸分子に関して)、オリジナル(ネイティブ)タンパク質のアミノ酸配列(又はコードしている核酸分子)に比べてN末端、C末端、及び/又は配列内が切断/短縮されている。したがって、かかる切断は、アミノ酸レベルで、又は対応する核酸レベルで生じ得る。したがって、本明細書に定義する前記断片に関する配列同一性は、好ましくは、本明細書に定義する全タンパク質又はペプチド、或いはかかるタンパク質又はペプチドの全(コード)核酸分子を参照してよい。同様に、本発明における核酸の「断片」は、本明細書に定義する核酸の配列を含んでいてよく、前記配列は、その核酸分子に関して、オリジナル(ネイティブ)核酸分子の核酸分子に比べて5’、3’、及び/又は配列内が切断/短縮されている。したがって、本明細書に定義する断片に関する配列同一性は、好ましくは、本明細書に定義する全核酸を参照してよく、好ましい配列同一性レベルは、典型的に、本明細書に指定する通りである。断片は、完全長ネイティブ野生型ペプチド又はタンパク質に比べて、同じ生物機能又は特異的活性(例えば、特異的抗原性又は治療性)を有するか、或いは天然完全長タンパク質の活性の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも90%(例えば、治療用タンパク質の断片の酵素活性又はその結合活性をアッセイするアッセイ等の適切な機能アッセイで測定)を少なくとも保持している。したがって、好ましい実施形態では、「断片」は、本明細書に指定する治療性を発揮する、(自然界に存在する)完全長野生型治療用タンパク質の一部である。
【0131】
更に、細胞外ドメイン、細胞内ドメイン、又は膜貫通ドメイン等のタンパク質のドメイン、及びタンパク質の短縮型又は切頭型も、タンパク質の断片を含む/タンパク質の断片に相当すると理解してよい。
【0132】
本発明において定義されるタンパク質又はペプチドの「変異体」は、本明細書に定義する本発明の核酸配列によってコードされ得る。それによって、1以上のアミノ酸の置換、挿入、及び/又は欠失等、1以上(2、3、4、5、6、7、又はそれ以上)の突然変異によってオリジナル配列とは異なるアミノ酸配列を有するタンパク質又はペプチドが生成され得る。完全長天然野生型タンパク質配列における「変異体」の好ましい配列同一性レベルは、典型的に、本明細書で指定する通りである。好ましくは、変異体は、完全長ネイティブペプチド又はタンパク質に比べて、同じ生物機能又は特異的活性(例えば、その特異的治療性)を有するか、或いは天然完全長タンパク質の活性の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも90%(治療用タンパク質の変異体の酵素活性又はその結合活性をアッセイするアッセイ等の適切な機能アッセイで測定)を少なくとも保持している。したがって、好ましい実施形態では、「変異体」は、本明細書に指定する程度に治療性を発揮する治療用タンパク質の変異体である。
【0133】
(例えば、本明細書に定義する核酸によってコードされているとき)本発明において定義されるタンパク質又はペプチドの「変異体」は、ネイティブな、即ち、突然変異していない生理学的な配列に比べて、保存的アミノ酸置換を含んでいてよい。特に、これらアミノ酸配列に加えて、それをコードしているヌクレオチド配列も、本明細書に定義する変異体という用語に含まれる。同じ分類に由来するアミノ酸が交換されている置換を保存的置換と呼ぶ。具体的には、脂肪族側鎖、正又は負に帯電している側鎖、側鎖又はアミノ酸における芳香族基、水素結合し得る側鎖、例えば、ヒドロキシル官能基を有する側鎖を有するアミノ酸がある。前記保存的置換とは、例えば、極性側鎖を有するアミノ酸が同様に極性側鎖を有する別のアミノ酸によって置換されたり、例えば、疎水性側鎖を特徴とするアミノ酸が同様に疎水性側鎖を有する別のアミノ酸によって置換されたりする(例えば、セリン(スレオニン)がスレオニン(セリン)によって、又はロイシン(イソロイシン)がイソロイシン(ロイシン)によって置換される)ことを意味する。特に、三次元構造を変化させない又は結合領域に影響を及ぼさない配列位置においては、挿入及び置換が可能である。挿入又は欠失による三次元構造の変化は、例えば、CDスペクトル(円二色性スペクトル)を用いて容易に決定することができる(Modern Physical Methods in Biochemistry,Neuberger et al.(ed.),Elsevier,AmsterdamにおけるUrry,1985,Absorption,Circular Dichroism and ORD of Polypeptides)。
【0134】
更に、本明細書に定義する本発明の核酸配列によってコードされ得る本明細書に定義するタンパク質又はペプチドの変異体は、核酸のヌクレオチドが、前記タンパク質又はペプチドのそれぞれのアミノ酸配列を変化させることなしに遺伝コードの縮重に従って交換されている配列を含んでいてもよく、即ち、前記アミノ酸配列又はその少なくとも一部は、上記意味においては、1以上の突然変異を含んでいてもオリジナル配列とは異なっていない場合もある。
【0135】
2つの配列、例えば、本明細書に定義する核酸配列又はアミノ酸配列、好ましくは本明細書に定義する本発明の核酸配列によってコードされているアミノ酸配列又はアミノ酸配列自体が同一である割合を求めるために、後で互いに比較するために配列をアラインメントしてよい。これによって、例えば、第1の配列のある位置を第2の配列の対応する位置と比較することができる。第1の配列のある位置が第2の配列の対応する位置と同じ成分によって占有されている場合、2つの配列は、その位置において同一である。これが当てはまらない場合、前記配列は、その位置において異なっている。第1の配列と比べて第2の配列に挿入が行われている場合、第1の配列にギャップを挿入して更にアラインメントしてよい。第1の配列に比べて第2の配列が欠失している場合、第2の配列にギャップを挿入して更にアラインメントしてよい。次いで、2つの配列が同一である割合は、同一である位置の数を1つの配列においてのみ占有されている位置を含む位置の合計数で除した数の関数である。2つの配列が同一である割合は、数学的アルゴリズムを用いて求めることができる。用いることができる数学的アルゴリズムの好ましいが非限定的な例は、Karlin et al.(1993),PNAS USA,90:5873−5877又はAltschul et al.(1997),Nucleic Acids Res.,25:3389−3402のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムは、BLASTプログラムに統合されている。ある程度本発明の核酸と同一である配列を、このプログラムによって同定することができる。
【0136】
本明細書に定義する本発明の核酸配列は、ペプチド又はタンパク質の誘導体をコードし得る。ペプチド又はタンパク質のかかる誘導体は、前記ペプチド又はタンパク質等の別の分子に由来する分子である。「誘導体」は、典型的に、天然の野生型ペプチド又はタンパク質の完全長配列と、例えばN末端又はC末端に更なる配列特徴とを含有し、前記配列特徴は、天然の野生型完全長ペプチド/タンパク質に対して更なる機能を発揮し得る。また、かかる誘導体は、完全長ネイティブペプチド又はタンパク質と同じ生物機能又は特異的活性(例えば、特異的治療性)を有するか、或いは天然の野生型完全長タンパク質の活性の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも90%(適切な機能アッセイ(上記を参照)、例えば、結合又は酵素活性アッセイで測定)を少なくとも保持している。したがって、ペプチド又はタンパク質の「誘導体」は、例えば、本発明で用いられるペプチド又はタンパク質を含む(キメラ)融合ペプチド/タンパク質、或いは2以上の生物機能を前記融合ペプチド/タンパク質に付与する別のペプチド/タンパク質と融合している天然の完全長タンパク質(又はその変異体/断片)も含む。例えば、融合は、標識、例えば、FLAGエピトープ又はV5エピトープ又はHAエピトープ等のエピトープを含んでいてよい。例えば、エピトープは、FLAGエピトープである。かかるタグは、例えば、融合タンパク質の精製に有用である。
【0137】
これに関連して、タンパク質又はペプチドの「変異体」は、前記タンパク質又はペプチドの10個、20個、30個、50個、75個、又は100個のアミノ酸伸長に亘って少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%のアミノ酸同一性を有し得る。同様に、核酸配列の「変異体」、又は特に「断片」は、前記核酸配列の10個、20個、30個、50個、75個、又は100個のヌクレオチド伸長に亘って少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%のヌクレオチド同一性を有し得るが、典型的には、自然界に存在する完全長配列を参照する。「断片」の場合、典型的に、最高レベルの配列同一性を示す(断片と同じ長さを表す)完全長タンパク質の部分における(断片の)長さに亘って、断片についての配列同一性が決定される。
【0138】
本発明の第1の態様の更に好ましい実施形態では、本発明の核酸配列のトランスフェクション効率及び/又は免疫刺激性を上昇させるために、本発明の核酸配列をビヒクル、トランスフェクション剤、又は複合体化剤と結合させる。これに関連してトランスフェクション効率を上昇させるのに好適な特に好ましい剤は、カチオン性又はポリカチオン性の化合物であり、例えば、プロタミン、ヌクレオリン、スペルミン若しくはスペルミジン、又は他のカチオン性のペプチド又はタンパク質(例えば、ポリ−L−リシン(PLL)、ポリアルギニン、塩基性ポリペプチド、細胞透過性ペプチド(CPP)(HIV結合ペプチド、HIV−1 Tat(HIV)、Tat由来ペプチド、ペネトラチン、VP22由来ペプチド又はアナログペプチドを含む)、HSV VP22(単純ヘルペス)、MAP、KALA、又はタンパク質形質導入ドメイン(PTD)、PpT620、プロリンリッチペプチド、アルギニンリッチペプチド、リシンリッチペプチド、MPG−ペプチド、Pep−1、L−オリゴマー、カルシトニンペプチド、アンテナペディア由来ペプチド(特にショウジョウバエのアンテナペディア由来)、pAntp、pIsl、FGF、ラクトフェリン、トランスポータン、ブフォリン−2、Bac715−24、SynB、SynB(1)、pVEC、hCT由来ペプチド、SAP、又はヒストン)が挙げられる。更に、好ましいカチオン性又はポリカチオン性のタンパク質又はペプチドは、以下の式を有するタンパク質又はペプチドから選択してよい:(Arg)
l;(Lys)
m;(His)
n;(Orn)
o;(Xaa)
x(式中、l+m+n+o+x=8〜15であり、l、m、n、又はoは、互いに独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15から選択される任意の数であってよいが、但しArg、Lys、His及びOrnの総含量は、オリゴペプチドの全アミノ酸の少なくとも50%であり;Xaaは、Arg、Lys、His又はOrnを除くネイティブ(=自然界に存在する)又は非ネイティブなアミノ酸から選択される任意のアミノ酸であってよく;xは、0、1、2、3又は4から選択される任意の数であってよいが、但し、Xaaの総含量は、オリゴペプチドの全アミノ酸の50%を超えない)。これに関連して、特に好ましいカチオン性ペプチドは、例えば、Arg
7、Arg
8、Arg
9、H
3R
9、R
9H
3、H
3R
9H
3、YSSR
9SSY、(RKH)
4、Y(RKH)
2R等である。トランスフェクション剤として用いることができる更に好ましいカチオン性又はポリカチオン性の化合物は、カチオン性多糖類(例えば、キトサン)、ポリブレン、カチオン性ポリマー(例えば、ポリエチレンイミン(PEI))、カチオン性脂質(例えば、DOTMA:[1−(2,3−シオレイルオキシ)プロピル)]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、DMRIE、ジ−C14−アミジン、DOTIM、SAINT、DC−Chol、BGTC、CTAP、DOPC、DODAP、DOPE:ジオレイルホスファチジルエタノールアミン、DOSPA、DODAB、DOIC、DMEPC、DOGS:ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン、DIMRI:ジミリスト−オキシプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロミド、DOTAP:ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン、DC−6−14:O,O−ジテトラデカノイル−N−(α−トリメチルアンモニオアセチル)ジエタノールアミンクロリド、CLIP1:rac−[(2,3−ジオクタデシルオキシプロピル)(2−ヒドロキシエチル)]−ジメチルアンモニウムクロリド、CLIP6:rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピル−オキシメチルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、CLIP9:rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピル−オキシスクシニルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウム、オリゴフェクタミン)、又はカチオン性若しくはポリカチオン性のポリマー(例えば、β−アミノ酸ポリマー又は逆ポリアミド等の修飾ポリアミノ酸;PVP(ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド))等の修飾ポリエチレン;pDMAEMA(ポリ(ジメチルアミノエチルメチルメタクリレート))等の修飾アクリレート;pAMAM(ポリ(アミドアミン))等の修飾アミドアミン;ジアミン末端修飾1,4ブタンジオールジアクリレート−co−5−アミノ−1−ペンタノールポリマー等の修飾ポリベータアミノエステル(PBAE);ポリプロピルアミンデンドリマー又はpAMAM系デンドリマー等のデンドリマー;PEI:ポリ(エチレンイミン)、ポリ(プロピレンイミン)等のポリイミン;ポリアリルアミン;シクロデキストリン系ポリマー、デキストラン系ポリマー、キトサン等の糖骨格系ポリマー;PMOXA−PDMSコポリマー等のシラン骨格系ポリマー)、1以上のカチオン性ブロック(例えば、上述のカチオン性ポリマーから選択される)と1以上の親水性又は疎水性のブロックとの組み合わせからなるブロックポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)等を含んでいてよい。
【0139】
これに関連して、本発明の核酸は、カチオン性又はポリカチオン性の化合物、好ましくはカチオン性のタンパク質又はペプチドと少なくとも部分的に複合体化することが特に好ましい。部分的にとは、本発明の核酸配列の一部のみがカチオン性又はポリカチオン性の化合物と複合体化し、本発明の核酸配列の残りは、複合体化していない(「遊離」)形態であることを意味する。好ましくは、複合体化核酸の遊離核酸に対する比は、約5:1(w/w)〜約1:10(w/w)、より好ましくは約4:1(w/w)〜約1:8(w/w)、更により好ましくは約3:1(w/w)〜約1:5(w/w)又は1:3(w/w)の範囲から選択され、最も好ましくは、複合体化核酸の遊離核酸に対する比は、約1:1(w/w)の比から選択される。
【0140】
本発明の核酸配列は、ネイキッド形態で提供されるか、或いは例えばあらゆる化学構造のポリカチオン性化合物によって、好ましくは、ポリカチオン性(ポリ)ペプチド又は合成ポリカチオン性化合物によって複合体化している形態で提供されることが好ましい。好ましくは、前記核酸配列は、パッケージング細胞と一緒には提供されない。
【0141】
更なる態様では、本発明は、複数の、即ち1超、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜5、最も好ましくは2〜4の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む組成物又はキット又はキットのパーツを提供する。本発明の組成物は、好ましくは様々な治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含む様々なペプチド又はタンパク質をコードしていることが好ましい1超の本発明の核酸配列を含む。
【0142】
更なる態様によれば、本発明は、例えば、a)本明細書に定義する本発明の核酸配列又は複数の(これは、典型的に1個超、2個超、3個超、4個超、5個超、6個超、又は10個超の核酸、例えば、2個〜10個、好ましくは2個〜5個の核酸を意味する)本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物を提供する工程と、b)本明細書に定義する本発明の核酸配列又は複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物を、発現系、例えば、無細胞発現系、細胞(例えば、発現ホスト細胞又は体細胞)、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法を提供する。前記方法は、実験、研究、診断、ペプチド若しくはタンパク質の市販製品、及び/又は治療目的のために応用することができる。これに関連して、典型的に、本明細書に定義する本発明の核酸配列又は複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物は、調製された後、典型的には、例えば、ネイキッド形態又は複合体化形態で、或いは本明細書に記載する医薬組成物として、好ましくはトランスフェクションを介して、又は本明細書に記載する投与方法のいずれかを用いることによって、無細胞発現系、細胞(例えば、発現ホスト細胞又は体細胞)、組織、又は生物に適用又は投与される。前記方法は、インビトロ、インビボ、又はエキソビボで実施してよい。前記方法は、更に、好ましくは本明細書に定義する通り、特定の疾患の治療に使用してよい。
【0143】
これに関連して、インビトロとは、生物外の培養物において、本明細書に定義する本発明の核酸配列又は複数の(これは、典型的に1個超、2個超、3個超、4個超、5個超、6個超、又は10個超の核酸、例えば、2個〜10個、好ましくは2個〜5個の核酸を意味する)本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物を細胞にトランスフェクション又はトランスダクションすることと本明細書では定義される。インビボとは、生物又は個体全体に対して本発明の核酸又は本発明の組成物を適用することにより、本発明の核酸配列又は複数の本発明の核酸配列を含む本発明の組成物を細胞にトランスフェクション又はトランスダクションすることと本明細書では定義される。エキソビボとは、生物又は個体外において、本発明の核酸配列又は複数の本発明の核酸配列を含む本発明の組成物を細胞にトランスフェクション又はトランスダクションし、次いで、トランスフェクションされた細胞を前記生物又は個体に適用することと本明細書では定義される。
【0144】
同様に、別の態様によれば、本発明は、また、例えば、本明細書に定義する本発明の核酸配列又は複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物を、例えば、無細胞発現系、細胞(例えば、発現ホスト細胞又は体細胞)、組織、又は生物に適用又は投与することによる、好ましくは、診断目的又は治療目的のため、特に遺伝子治療においてコードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させるための、本明細書に定義する本発明の核酸配列又は複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物の使用を提供する。前記使用は、実験、研究、診断、ペプチド若しくはタンパク質の市販製品、及び/又は治療目的のため、好ましくは遺伝子治療のために応用することができる。これに関連して、典型的に、本明細書に定義する本発明の核酸配列又は複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物は、調製された後、典型的には、例えば、ネイキッド形態又は複合体化形態で、或いは本明細書に記載する医薬組成物として、好ましくはトランスフェクションを介して、又は本明細書に記載する投与方法のいずれかを用いることによって、無細胞発現系、細胞(例えば、発現ホスト細胞又は体細胞)、組織、又は生物に適用又は投与される。前記使用は、インビトロ、インビボ、又はエキソビボで実施してよい。前記使用は、更に、好ましくは本明細書に定義する通り、特定の疾患の治療に使用してよい。
【0145】
更に別の態様では、本発明は、また、本発明の第1の態様に係る本発明の核酸配列、又は発現ベクター、又はプラスミドを含む本発明の発現系に関する。これに関連して、前記発現系は、ペプチド又はタンパク質(例えば、植物又はウシ等の動物)の発現に用いられる無細胞発現系(例えば、インビトロ転写/翻訳系)、細胞発現系(例えば、CHO細胞等の哺乳類細胞、昆虫細胞、酵母細胞、大腸菌等の細菌細胞)、又は生物であってよい。
【0146】
更に、別の態様によれば、本発明は、また、好ましくはネイキッド形態又は複合体化形態で、或いは本明細書に記載する医薬組成物として、より好ましくは本明細書に記載する投与方法のいずれかを用いて、本明細書に定義する本発明の核酸配列又は複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物を細胞(例えば、発現ホスト細胞又は体細胞)、組織、又は生物に適用又は投与することによる、好ましくは本明細書に定義する通り、特に遺伝子治療において使用するため、例えば、疾患を治療するために、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる医薬組成物を調製するための、本明細書に定義する本発明の核酸配列又は複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物の使用に関する。
【0147】
したがって、特に好ましい態様では、本発明は、また、本明細書に定義する本発明の核酸又は複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物と、任意で薬学的に許容できる担体及び/又はビヒクルとを含む医薬組成物を提供する。
【0148】
第1の成分として、本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの本明細書に定義する本発明の核酸を含む。
【0149】
第2の成分として、本発明の医薬組成物は、任意で、少なくとも1つの更なる医薬活性成分を含んでよい。これに関連して医薬活性成分とは、本明細書で言及する特定の適応症又は疾患を治癒させる、寛解させる、又は予防する治療効果を有する化合物である。前記化合物としては、限定するものではないが、(好ましくは本明細書に定義する)ペプチド又はタンパク質、(好ましくは本明細書に定義する)核酸、(治療的に活性のある)低分子量の有機化合物又は無機化合物(分子量:5,000未満、好ましくは1,000未満)、糖類、(好ましくは本明細書に定義する)抗原又は抗体、関連技術において既に知られている治療剤、抗原細胞、抗原細胞断片、細胞画分、細胞壁成分(例えば、多糖類)、(例えば、化学的に又は放射線照射により)改変、弱毒化、又は不活化された病原体(ウイルス、細菌等)、(好ましくは本明細書に定義する)アジュバント等が挙げられる。
【0150】
更に、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容できる担体及び/又はビヒクルを含んでいてよい。本発明では、前記薬学的に許容できる担体は、典型的に、本発明の医薬組成物の液体又は非液体の基剤を含む。本発明の医薬組成物が液体形態で提供される場合、前記担体は、典型的に、パイロジェンフリー水;等張生理食塩水又は緩衝(水)溶液、例えば、リン酸、クエン酸等の緩衝溶液である。注射用バッファは、特定のレファレンス媒体に対して高張、等張、又は低張であってよい。即ち、前記バッファは、特定のレファレンス媒体に対してより高い、同一の、又はより低い塩含量を有してよく、ここで、好ましくは、浸透圧又は他の濃度効果により細胞を損傷させない濃度の前述の塩を用いてよい。前記レファレンス媒体は、例えば、血液、リンパ液、サイトゾル液、又は他の体液等の「インビボ」法で用いられる液体、或いは一般的なバッファ若しくは液体等の「インビトロ」法でレファレンス媒体として用いることができる液体である。かかる一般的なバッファ又は液体は、当業者に公知である。乳酸リンゲル液が、液体基剤として特に好ましい。
【0151】
しかし、本発明の医薬組成物のために、治療を受ける患者に投与するのに適している1以上の相溶性の固体又は液体の充填剤又は希釈剤、或いは封入化合物を同様に用いてもよい。用語「相溶性」とは、本明細書で使用するとき、典型的な使用条件下で本発明の医薬組成物の薬学的有効性を実質的に低減させる相互作用が生じないように、本発明医薬組成物のこれら成分と本明細書に定義する本発明の核酸とを混合できることを意味する。
【0152】
特定の実施形態によれば、本発明の医薬組成物は、アジュバントを含んでいてよい。これに関連して、アジュバントとは、自然免疫系の免疫応答、即ち、非特異的免疫応答を開始又は増加させるのに好適な任意の化合物として理解され得る。言い換えれば、投与されたとき、本発明の医薬組成物は、任意で含有されているアジュバントにより自然免疫応答を誘発することが好ましい。好ましくは、かかるアジュバントは、当業者に公知であり且つ本件に好適である、即ち、哺乳類における自然免疫応答の誘導を支持するアジュバント、例えば、上に定義したアジュバントタンパク質又は以下に定義するアジュバントから選択してよい。
【0153】
デポー剤及び送達に好適なアジュバントとして特に好ましいのは、ビヒクル、トランスフェクション剤、又は複合体化剤として本発明の核酸配列について上に定義したカチオン性又はポリカチオン性の化合物である。
【0154】
本発明の医薬組成物に含まれ得る更なる添加剤は、例えば、Tween(登録商標)等の乳化剤;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等の湿潤剤;着色剤;風味付与剤;医薬担体;打錠剤;安定剤;酸化防止剤;保存剤である。
【0155】
また、本発明の医薬組成物は、ヒトToll様受容体TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10に対する(リガンドとしての)結合親和性に起因して、又はマウスToll様受容体TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11、TLR12若しくはTLR13に対する(リガンドとしての)結合親和性に起因して免疫刺激性であることが知られている任意の更なる化合物を更に含有していてもよい。
【0156】
本発明の医薬組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーによって、局所的に、直腸内に、経鼻的に、口腔内に、膣内に、又は埋め込まれたレザーバを介して投与してよい。本明細書で使用するとき、非経口という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、基質内、鞘内、肝臓内、病変内、頭蓋内、経皮、皮内、肺内、腹腔内、手根内、動脈内、及び舌下への注射又は注入技術を含む。
【0157】
好ましくは、本発明の医薬組成物は、非経口注射によって投与してよく、より好ましくは、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、基質内、鞘内、肝臓内、病変内、頭蓋内、経皮、皮内、肺内、腹腔内、手根内、動脈内、及び舌下への注射又は注入技術を介して投与してよい。皮内及び筋肉内への注射が特に好ましい。本発明の医薬組成物の滅菌注射用形態は、水性又は油性の懸濁液であってよい。これら懸濁液は、好適な分散剤又は湿潤剤と懸濁化剤とを用いて当業者に公知の技術に従って製剤され得る。
【0158】
また、本明細書に定義する本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤、又は液剤が挙げられるがこれらに限定されない任意の経口的に許容できる剤形で経口投与してよい。
【0159】
また、本発明の医薬組成物は、例えば、皮膚又は任意の他のアクセス可能な上皮組織の疾患を含む、局所塗布によって容易にアクセス可能な領域又は臓器が治療標的に含まれる場合は特に、局所投与してもよい。これら領域又は臓器のそれぞれについて、好適な局所製剤は容易に調製される。局所塗布については、本発明の医薬組成物を、1以上の担体に懸濁又は溶解している本明細書に定義する本発明の核酸を含有する好適な軟膏に製剤してよい。
【0160】
本発明の医薬組成物は、典型的に、「安全且つ有効な量」の本発明の医薬組成物の成分、特に、本明細書に定義する本発明の核酸を含む。本明細書で使用するとき、「安全且つ有効な量」とは、本明細書に定義する疾患又は疾病の好ましい変化を著しく誘導するのに十分である本明細書に定義する本発明の核酸配列の量を意味する。しかし、同時に、「安全且つ有効な量」は、重篤な副作用を避け、且つ利益とリスクとの間の道理に適った関係を可能にするのに十分な程度少ない量である。これらの限度は、典型的に、道理に適った医学的判断の範囲内で決定される。
【0161】
本発明は、更に、本明細書に定義する本発明の核酸配列の、複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物の、本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の医薬組成物の、又はこれらを含むキットの幾つかの用途及び使用を提供する。
【0162】
1つの特定の態様によれば、本発明は、本明細書に定義する本発明の核酸配列の、複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物の、(好ましくは本明細書に定義する疾患の治療のための)医薬としての、特に遺伝子治療における医薬としての第一医薬用途に関する。
【0163】
別の態様によれば、本発明は、本明細書に定義する疾患の治療のための、本明細書に定義する本発明の核酸配列の、又は複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物の第二医薬用途、好ましくは、本明細書に定義する疾患を予防、治療、及び/又は寛解する医薬を調製するための、本明細書に定義する本発明の核酸配列の、複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物の、これらを含む医薬組成物の、又はこれらを含むキットの使用に関する。好ましくは、前記医薬組成物は、この目的のためにそれを必要としている患者に用いられるか又は投与される。
【0164】
好ましくは、本明細書で言及する疾患は、好ましくは、感染性疾患、新生物(例えば、癌又は腫瘍疾患)、血液及び造血器官の疾患、内分泌疾患、栄養疾患、代謝性疾患、神経系の疾患、循環系の疾患、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患、皮膚及び皮下組織の疾患、筋骨格系及び結合組織の疾患、並びに尿生殖器系の疾患から選択される。
【0165】
これに関連して、特に好ましいのは、以下から選択される遺伝性疾患である:1p36欠失症候群;18p欠失症候群;21−ヒドロキシラーゼ欠損症;45,X(ターナー症候群);47,XX,+21(ダウン症候群);47,XXX(トリプルX症候群);47,XXY(クラインフェルター症候群);47,XY,+21(ダウン症候群);47,XYY症候群;5−ALAデヒドラターゼ欠損ポルフィリン症(ALAデヒドラターゼ欠損症);5−アミノレブリン酸デヒドラターゼ欠損ポルフィリン症(ALAデヒドラターゼ欠損症);5p欠失症候群(ネコなき症候群)5p−症候群(ネコなき症候群);A−T(血管拡張性失調症);AAT(アルファ−1抗トリプシン欠損症);精管欠損症(精管の先天性両側欠損);精管欠損症(精管の先天性両側欠損);無セルロプラスミン血症;ACG2(II型軟骨無発生症);ACH(軟骨発育不全症);II型軟骨無発生症;軟骨発育不全症;酸ベータ−グルコシダーゼ欠損症(1型ゴーシェ病);尖頭合指症(アペール)(アペール症候群);V型尖頭合指症(プファイファー症候群);尖頭症(アペール症候群);急性大脳ゴーシェ病(2型ゴーシェ病);急性間欠性ポルフィリン症;ACY2欠損症(カナバン病);AD(アルツハイマー病);アデレイド型頭蓋骨早期癒合症(ミュンケ症候群);大腸腺腫症(家族性腺腫性ポリポーシス);大腸腺腫症(家族性腺腫性ポリポーシス);ADP(ALAデヒドラターゼ欠損症);アデニロコハク酸リアーゼ欠損症;副腎疾患(21−ヒドロキシラーゼ欠損症);副腎生殖器症候群(21−ヒドロキシラーゼ欠損症);副腎白質ジストロフィー;AIP(急性間欠性ポルフィリン症);AIS(アンドロゲン不感性症候群);AKU(アルカプトン尿症);ALAデヒドラターゼポルフィリン症(ALAデヒドラターゼ欠損症);ALA−Dポルフィリン症(ALAデヒドラターゼ欠損症);ALAデヒドラターゼ欠損症;アルカプトン尿症(アルカプトン尿症);アレキサンダー病;アルカプトン尿症;アルカプトン尿性オクロノーシス(アルカプトン尿症);アルファ−1抗トリプシン欠損症;アルファ−1プロテイナーゼ阻害剤(アルファ−1抗トリプシン欠損症);アルファ−1関連気腫(アルファ−1抗トリプシン欠損症);アルファ−ガラクトシダーゼA欠損症(ファブリー病);ALS(筋萎縮性側索硬化症);アルストレーム症候群;ALX(アレキサンダー病);アルツハイマー病;エナメル質形成不全症;アミノレブリン酸デヒドラターゼ欠損症(ALAデヒドラターゼ欠損症);アミノアシラーゼ2欠損症(カナバン病);筋萎縮性側索硬化症;アンダーソン−ファブリー病(ファブリー病);アンドロゲン不感性症候群;貧血症;遺伝性担鉄赤芽球性貧血症(X連鎖性担鉄赤芽球性貧血症);性染色体連鎖性低色素担鉄赤芽球性貧血症(X連鎖性担鉄赤芽球性貧血症);家族性脾臓貧血症(ゴーシェ病);アンジェルマン症候群;びまん性体部被角血管腫(ファブリー病);びまん性角化血管腫(ファブリー病);網膜血管腫(フォンヒッペル−リンダウ病);ANH1(X連鎖性担鉄赤芽球性貧血症);ライデン型APC抵抗性(第V因子ライデン栓友病);アペール症候群;AR欠損症(アンドロゲン不感性症候群);AR−CMT2ee(2型シャルコー−マリー−トゥース病);クモ指症(マルファン症候群);ARNSHL(非症候性難聴#常染色体劣性);遺伝性進行性関節眼疾患(スティックラー症候群#COL2A1);先天性多発性関節弛緩症(エーラース−ダンロス症候群#関節弛緩型);AS(アンジェルマン症候群);Asp欠損症(カナバン病);Aspa欠損症(カナバン病);アスパルトアシラーゼ欠損症(カナバン病);血管拡張性失調症;意図的な手の使用ができない自閉症−痴呆−運動失調症候群(レット症候群);常染色体優性若年性ALS(4型筋萎縮性側索硬化症);常染色体優性オピッツG/BBB症候群(22q11.2欠失症候群);若年性3型ALSの常染色体劣性型(筋萎縮性側索硬化症#2型);常染色体劣性非症候性難聴(非症候性難聴#常染色体劣性);常染色体劣性感音難聴及び甲状腺腫(ペンドレッド症候群);AxD(アレキサンダー病);アイエルザ症候群(原発性肺高血圧症);ヘキソサミニダーゼGM2ガングリオシド蓄積症のB異型(サンドホフ病);BANF(神経線維腫症2);ベーレ−スティーブンソン脳回状頭皮症候群;良性発作性腹膜炎(家族性地中海熱);ベンジャミン症候群;ベータサラセミア;BH4欠乏症(テトラヒドロビオプテリン欠乏症);両側性聴神経線維腫症(神経線維腫症2);ビオチニダーゼ欠損症;膀胱癌;出血障害(第V因子ライデン栓友病);ブロッホ−サルズバーガー症候群(色素失調症);ブルーム症候群;骨疾患;骨髄疾患(X連鎖性担鉄赤芽球性貧血症);ボンビー−ウルリッヒ症候群(ターナー症候群);ブルタヴィーユ病(結節性硬化症);ブルタヴィーユ母斑症(結節性硬化症);脳疾患(プリオン病);乳癌;バート−ホッグ−デューベ症候群;骨粗鬆症(骨形成不全症);広母指−母趾症候群(ルビンシュタイン−テイビ症候群);青銅糖尿病(ヘモクロマトーシス);青銅硬変症(ヘモクロマトーシス);X連鎖性延髄脊髄性筋萎縮症(ケネディ病);ビュルガー−グリュッツ症候群(家族性リポタンパク質リパーゼ欠損症);CADASIL;CGD慢性肉芽腫性疾患;弯曲肢異形成症;カナバン病;癌;癌家系症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸癌);乳癌(乳癌);膀胱癌(膀胱癌);多発性遅発性カルボキシラーゼ欠損症(ビオチニダーゼ欠損症);心筋症(ヌーナン症候群);ネコ鳴き症候群(ネコなき症候群);CAVD(精管の先天性両側欠損);ケイラー心臓顔面症候群(22q11.2欠失症候群);CBAVD(精管の先天性両側欠損);セリアック病;CEP(先天性赤血球産生性ポルフィリン症);セラミドトリヘキソシダーゼ欠損症(ファブリー病);家族性小脳網膜血管腫症(フォンヒッペル−リンダウ病);皮質下梗塞及び白質脳症を伴う脳動脈症(CADASIL);皮質下梗塞及び白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASIL);脳硬化症(結節性硬化症);脳萎縮性高アンモニア血症(レット症候群);セレブロシドリピドーシス症候群(ゴーシェ病);CF(嚢胞性線維症);CH(先天性甲状腺機能低下症);シャルコー病(筋萎縮性側索硬化症);シャルコー−マリー−トゥース病;軟骨形成異常症(軟骨発育不全症);軟骨異栄養症症候群(軟骨発育不全症);感音性難聴を伴う軟骨異栄養症(耳脊椎巨大骨端異形成);軟骨形成不全症(II型軟骨無形成症);舞踏病アテトーシス自傷高尿酸血症症候群(レッシュ−ナイハン症候群);古典的ガラクトース血症(ガラクトース血症);古典的エーラース−ダンロス症候群(エーラース−ダンロス症候群#古典型);古典的フェニールケトン尿症(フェニールケトン尿症);口唇口蓋裂(スティックラー症候群);致死性小人症を伴うクローバ形頭蓋(致死性骨異形成症#2型);CLS(コフィン−ローリー症候群);CMT(シャルコー−マリー−トゥース病);コケーン症候群;コフィン−ローリー症候群;II型及びXI型コラゲノパチー;家族性非ポリポーシス結腸癌(遺伝性非ポリポーシス大腸癌);家族性結腸癌(家族性腺腫性ポリポーシス);大腸癌;完全HPRT欠損症(レッシュ−ナイハン症候群);完全ピポキサンチン―グアニン―ホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症(レッシュ−ナイハン症候群);圧迫性ニューロパシー(遺伝性圧脆弱性ニューロパチー);先天性副腎過形成(21−ヒドロキシラーゼ欠損症);先天性両側精管欠損症(精管の先天性欠損);先天性赤血球産生性ポルフィリン症;先天性心疾患;先天性ミエリン形成不全(シャルコー−マリー−トゥース病#1型/シャルコー−マリー−トゥース病#4型);先天性甲状腺機能低下症;先天性メトヘモグロビン血症(メトヘモグロビン血症#先天性メトヘモグロビン血症);先天性骨硬化症(軟骨発育不全症);先天性担鉄赤芽球性貧血(X連鎖性担鉄赤芽球性貧血症);結合組織病;円錐動脈幹奇形顔面症候群(22q11.2欠失症候群);クーリー貧血症(ベータサラセミア);銅蓄積症(ウィルソン病);銅輸送症(メンケス病);遺伝性コプロポルフィリン症(遺伝性コプロポルフィリン症);コプロポルフィリノーゲンオキシダーゼ欠損症(遺伝性コプロポルフィリン症);カウデン病;CPO欠損症(遺伝性コプロポルフィリン症);CPRO欠損症(遺伝性コプロポルフィリン症);CPX欠損症(遺伝性コプロポルフィリン症);頭蓋顔面関節異常(クルーゾン症候群);頭蓋顔面骨形成不全(クルーゾン症候群);クレチン病(先天性甲状腺機能低下症);クロイツフェルト−ヤコブ病(プリオン病);ネコなき症候群(クローン病、線維化);クルーゾン症候群;黒色表皮腫を伴うクルーゾン症候群(クルーゾン外骨格症候群);クルーゾン外骨格症候群;CS(コケーン症候群)(カウデン病);クルシュマン−バッテン−シュタイナート症候群(筋強直性ジストロフィー);ビーア−スティーブンソンの脳回状頭皮症候群(ベーレ−スティーブンソン脳回状頭皮症候群);無秩序突然変異染色体;D−グリセレートデヒドロゲナーゼ欠損症(原発性高シュウ酸尿症);まだら骨幹端症候群(シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨端骨幹端異形成);DAT−アルツハイマー型痴呆(アルツハイマー病);遺伝性高カルシウム尿症(デント病);DBMD(筋ジスト
ロフィー、デュシェンヌ及びベッカー型);甲状腺腫を伴う難聴(ペンドレッド症候群);難聴−網膜色素変性症候群(アッシャー症候群);フェニルアラニンヒドロキシラーゼ欠乏性疾患(フェニールケトン尿症);神経変性疾患;デ グルーシー症候群1(デ グルーシ症候群);デジェリン−ソッタス症候群(シャルコー−マリー−トゥース病);デルタアミノレブリン酸デヒドラターゼ欠損ポルフィリン症(ALAデヒドラターゼ欠損症);痴呆(CADASIL);脱髄性ロイコジストロフィー(アレキサンダー病);エーラース−ダンロス症候群のデルマトスパラキシス型(エーラース−ダンロス症候群#デルマトスパラキシス型);デルマトスパラキシス(エーラース−ダンロス症候群#デルマトスパラキシス型);発達障害;dHMN(筋萎縮性側索硬化症#4型);DHMN−V(V型遠位型脊髄性筋萎縮症);DHTR欠損症(アンドロゲン不感性症候群);びまん性グロボイド硬化症(クラッベ病);ディジョージ症候群;ジヒドロテストステロン受容体欠損症(アンドロゲン不感性症候群);V型遠位型脊髄性筋萎縮症;DM1(筋強直性ジストロフィー#1型);DM2(筋強直性ジストロフィー#2型);ダウン症候群;DSMAV(V型遠位型脊髄性筋萎縮症);DSN(シャルコー−マリー−トゥース病#4型);DSS(シャルコー−マリー−トゥース病、4型);デュシェンヌ/ベッカー筋ジストロフィー(筋ジストロフィー、デュシェンヌ及びベッカー型);軟骨発育不全小人症(軟骨発育不全症);致死性小人症(致死性骨異形成症);小人症;小人症−網膜萎縮−難聴症候群(コケーン症候群);脱髄性ロイコジストロフィー(アレキサンダー病);筋緊張性ジストロフィー(筋強直性ジストロフィー);異栄養性網膜色素変性骨異形成症候群(アッシャー症候群);早発性家族性アルツハイマー病(EOFAD)(アルツハイマー病);EDS(エーラース−ダンロス症候群);エーラース−ダンロス症候群;エークマン−ロブスタイン病(骨形成不全症);絞扼性ニューロパシー(遺伝性圧脆弱性ニューロパチー);エピロイア(結節性硬化症);EPP(骨髄性プロトポルフィリン症);赤芽球性貧血症(ベータサラセミア);肝骨髄性プロトポルフィリン症(骨髄性プロトポルフィリン症);赤血球5−アミノレブリン酸シンテターゼ欠損症(X連鎖性担鉄赤芽球性貧血症);赤血球形成性ポルフィリン症(先天性赤血球産生性ポルフィリン症);骨髄性プロトポルフィリン症;赤血球形成性ウロポルフィリン症(先天性赤血球産生性ポルフィリン症);眼癌(網膜芽細胞腫 FA−フリードライヒ運動失調症);ファブリー病;顔面外傷及び障害;第V因子ライデン栓友病;FALS(筋萎縮性側索硬化症);家族性聴神経腫(神経線維腫症II型);家族性腺腫性ポリポーシス;家族性アルツハイマー病(FAD)(アルツハイマー病);家族性筋萎縮性側索硬化症(筋萎縮性側索硬化症);家族性自律神経失調;家族性脂質誘導性高トリグリセリド血症(家族性リポタンパク質リパーゼ欠損症);家族性ヘモクロマトーシス(ヘモクロマトーシス);家族性LPL欠損症(家族性リポタンパク質リパーゼ欠損症);家族性非ポリポーシス結腸癌(遺伝性非ポリポーシス大腸癌);家族性発作性多漿膜炎(家族性地中海熱);家族性PCT(晩発性皮膚ポルフィリン症);家族性圧受容性ニューロパシー(遺伝性圧脆弱性ニューロパチー);家族性原発性肺高血圧症(FPPH)(原発性肺高血圧症);家族性ターナー症候群(ヌーナン症候群);家族性血管性白質脳症(CADASIL);FAP(家族性腺腫性ポリポーシス);FD(家族性自律神経失調);女性偽ターナー症候群(ヌーナン症候群);フェロケラターゼ欠損症(骨髄性プロトポルフィリン症);フェロポーチン病(血色素症#4型);発熱(家族性地中海熱);FG症候群;FGFR3関連冠状骨癒合症(ミュンケ症候群);星状細胞のフィブリノイド変性(アレキサンダー病);膵臓の線維嚢胞性疾患(嚢胞性線維症);FMF(家族性地中海熱);フォリング病(フェニールケトン尿症);fra(X)症候群(脆弱X症候群);脆弱X症候群;骨脆弱症(骨形成不全症);FRAXA症候群(脆弱X症候群);FRDA(フリードライヒ運動失調症);フリードライヒ運動失調症(フリードライヒ運動失調症);フリードライヒ運動失調症;FXS(脆弱X症候群);G6PD欠損症;ガラクトキナーゼ欠乏性疾患(ガラクトース血症);ガラクトース−1−リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠乏性疾患(ガラクトース血症);ガラクトース血症;ガラクトシルセラミダーゼ欠乏性疾患(クラッベ病);ガラクトシルセラミドリピドーシス(クラッベ病);ガラクトシルセレブロシダーゼ欠損症(クラッベ病);ガラクトシルスフィンゴシンリピドーシス(クラッベ病);GALC欠損症(クラッベ病);GALT欠損症(ガラクトース血症);ゴーシェ病;ゴーシェ様病(偽ゴーシェ病);GBA欠損症(1型ゴーシェ病);GD(ゴーシェ病);遺伝性脳疾患;遺伝性気腫(アルファ−1抗トリプシン欠損症);遺伝性ヘモクロマトーシス(ヘモクロマトーシス);新生児巨細胞性肝炎(新生児ヘモクロマトーシス);GLA欠損症(ファブリー病);網膜芽細胞腫(網膜芽細胞腫);網膜神経膠腫(網膜芽細胞腫);グロボイド細胞ロイコジストロフィー(GCL、GLD)(クラッベ病);グロボイド細胞白質脳症(クラッベ病);グルコセレブロシダーゼ欠損症(ゴーシェ病);グルコセレブロシドリピドーシス(ゴーシェ病);グルコシルセレブロシドリピドーシス(ゴーシェ病);グルコシルセラミダーゼ欠損症(ゴーシェ病);グルコシルセラミドベータ−グルコシダーゼ欠損症(ゴーシェ病);グルコシルセラミドリピドーシス(ゴーシェ病);グリセリン酸性尿(原発性高シュウ酸尿症);グリシン脳症(非ケトーシス型高グリシン血症);グリコール酸性尿(原発性高シュウ酸尿症);1型GM2ガングリオシド蓄積症(テイ−サックス病);甲状腺腫−難聴症候群(ペンドレッド症候群);グレーフェ−アッシャー症候群(アッシャー症候群);グレンブラッド−ストランドバーグ症候群(弾力線維性仮性黄色腫);グンサーポルフィリン症(先天性赤血球産生性ポルフィリン症);ギュンター病(先天性赤血球産生性ポルフィリン症);血色素症(ヘモクロマトーシス);ハルグレン症候群(アッシャー症候群);ハーレークイン魚鱗癬;Hb S病(鎌状赤血球貧血症);HCH(軟骨低形成症);HCP(遺伝性コプロポルフィリン症);頭部及び脳形成異常;聴覚障害及び難聴;小児における聴覚異常;HEF2A(ヘモクロマトーシス#2型);HEF2B(ヘモクロマトーシス#2型);ヘマトポルフィリン症(ポルフィリン症);ヘム合成酵素欠損症(骨髄性プロトポルフィリン症);ヘモクロマトーシス(ヘモクロマトーシス);ヘモクロマトーシス;ヘモグロビンM症(メトヘモグロビン血症#ベータ−グロビン型);ヘモグロビンS症(鎌状赤血球貧血症);血友病;HEP(肝骨髄性ポルフィリン症);肝AGT欠損症(原発性高シュウ酸尿症);肝骨髄性ポルフィリン症;肝レンズ核変性症症候群(ウィルソン病);遺伝性関節眼疾患(スティックラー症候群);遺伝性コプロポルフィリン症;遺伝性異所性リピドーシス(ファブリー病);遺伝性ヘモクロマトーシス(HHC)(ヘモクロマトーシス);遺伝性封入体ミオパチー(骨格筋再生);遺伝性鉄負荷性貧血症(X連鎖性担鉄赤芽球性貧血症);遺伝性運動感覚性ニューロパチー(シャルコー−マリー−トゥース病);遺伝性運動性ニューロパチー(脊髄性筋萎縮症);V型遺伝性運動性ニューロパチー(V型遠位型脊髄性筋萎縮症);遺伝性多発性外骨腫;遺伝性非ポリポーシス大腸癌;遺伝性周期熱症候群(家族性地中海熱);遺伝性大腸ポリポーシス(家族性腺腫性ポリポーシス);遺伝性肺気腫(アルファ−1抗トリプシン欠損症);遺伝性活性化プロテインC抵抗性(第V因子ライデン栓友病);III型遺伝性感覚自律性ニューロパシー(家族性自律神経失調);遺伝性痙性対麻痺(乳児発症上行性遺伝性痙性麻痺);遺伝性脊髄性運動失調(フリードライヒ運動失調症);遺伝性脊髄硬化症(フリードライヒ運動失調症);ヘリック貧血症(鎌状赤血球貧血症);ヘテロ接合性OSMED(ヴァイセンバッヒャー−ツヴァイミュラー症候群);ヘテロ接合性耳脊椎巨大骨端異形成(ヴァイセンバッヒャー−ツヴァイミュラー症候群);HexA欠損症(テイ−サックス病);ヘキソサミニダーゼA欠損症(テイ−サックス病);ヘキソサミニダーゼアルファ−サブユニット欠損症(B異型)(テイ−サックス病);HFE関連ヘモクロマトーシス(ヘモクロマトーシス);HGPS(プロゲリア);ヒッペル−リンダウ病(フォンヒッペル−リンダウ病);HLAH(ヘモクロマトーシス);HMN V(V型遠位型脊髄性筋萎縮症);HMSN(シャルコー−マリー−トゥース病);HNPCC(遺伝性非ポリポーシス大腸癌);HNPP(遺伝性圧脆弱性ニューロパチー);ホモシスチン尿症;ホモゲンチジン酸オキシダーゼ欠損症(アルカプトン尿症);ホモゲンチジン酸尿症(アルカプトン尿症);ホモ接合性晩発性皮膚ポルフィリン症(肝骨髄性ポルフィリン症);HP1(原発性高シュウ酸尿症);HP2(原発性高シュウ酸尿症);HPA(高フェニルアラニン血症);HPRT−ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症(レッシュ−ナイハン症候群);III型HSAN(家
族性自律神経失調);HSAN3(家族性自律神経失調);HSN−III(家族性自律神経失調);ヒトデルマトスパラキシス(エーラース−ダンロス症候群#デルマトスパラキシス型);ハンチントン舞踏病;ハッチンソン−ギルフォード−プロゲリア症候群症候群(プロゲリア);21−ヒドロキシラーゼ欠損症による非古典型高アンドロゲン症(21−ヒドロキシラーゼ欠損症);家族性高カイロミクロン血症(家族性リポタンパク質リパーゼ欠損症);ケトアシドーシス及び白血球減少を伴う高グリシン血症(プロピオン酸血症);I型高リポタンパク血症(家族性リポタンパク質リパーゼ欠損症);原発性高シュウ酸尿症;高フェニルアラニン血症(高フェニルアラニン血症);高フェニルアラニン血症;軟骨異形性(軟骨低形成症);低軟骨形成;軟骨低形成症;低色素貧血症(X連鎖性担鉄赤芽球性貧血症);先天性低銅血症;メンケス症候群);ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)欠損症(レッシュ−ナイハン症候群);IAHSP(乳児発症上行性遺伝性痙性麻痺);特発性ヘモクロマトーシス(3型ヘモクロマトーシス);特発性新生児ヘモクロマトーシス(新生児ヘモクロマトーシス);特発性肺高血圧症(原発性肺高血圧症);免疫系障害(X連鎖性重症複合免疫不全);色素失調症;乳児型大脳ゴーシェ病(2型ゴーシェ病);乳児型ゴーシェ病(2型ゴーシェ病);乳児発症上行性遺伝性痙性麻痺;不妊;遺伝性気腫(アルファ−1抗トリプシン欠損症);遺伝性ヒト伝達性海綿状脳症(プリオン病);圧迫性麻痺の遺伝性傾向(遺伝性圧脆弱性ニューロパチー);インスレー−アストリー症候群(耳脊椎巨大骨端異形成);間欠性急性ポルフィリン症症候群(急性間欠性ポルフィリン症);腸ポリポーシス−皮膚色素沈着症候群(ポイツ−ジェガース症候群);IP(色素失調症);鉄蓄積症(ヘモクロマトーシス);Isodicentric15(idic15);孤立性難聴(非症候性難聴);ジャクソン−ワイス症候群;JH(血色素症#2型);ジュベール症候群;JPLS(若年性原発性側索硬化症);若年性筋萎縮性側索硬化症(筋萎縮性側索硬化症#2型);若年性痛風、舞踏病アテトーゼ、精神遅滞症候群(レッシュ−ナイハン症候群);若年性高尿酸血症症候群(レッシュ−ナイハン症候群);JWS(ジャクソン−ワイス症候群);KD(X連鎖性球脊髄性筋萎縮症);ケネディ病(X連鎖性球脊髄性筋萎縮症);ケネディ球脊髄性筋萎縮症(X連鎖性球脊髄性筋萎縮症);ケラシン組織球増殖症(ゴーシェ病);ケラシンリポイドーシス(ゴーシェ病);ケラシン蓄積症(ゴーシェ病);ケトン性グリシン血症(プロピオン酸血症);ケトーシス型高グリシン血症(プロピオン酸血症);腎疾患(原発性高シュウ酸尿症);クラインフェルター症候群;クラインフェルター症候群;クナイスト異形成;クラッベ病;ラクナ痴呆(CADASIL);ランガー−サルディノ軟骨無形成症(II型軟骨無形成症);ランガー−サルディノ異形成(II型軟骨無形成症);遅発性アルツハイマー病(アルツハイマー病#2型);遅発性家族性アルツハイマー病(AD2)(アルツハイマー病#2型);遅発性クラッベ病(LOKD)(クラッベ病);学習障害(学習困難);口周囲黒子症(ポイツ−ジェガース症候群);レッシュ−ナイハン症候群;白質萎縮症;ローゼンタール線維を伴うロイコジストロフィー(アレキサンダー病);海綿状ロイコジストロフィー(カナバン病);LFS(リ−フラウメニ症候群);リ−フラウメニ症候群;リパーゼD欠損症(家族性リポタンパク質リパーゼ欠損症);LIPD欠損症(家族性リポタンパク質リパーゼ欠損症);セレブロシドリピドーシス(ゴーシェ病);小児型ガングリオシドリピドーシス(テイ−サックス病);リポイド組織球増殖症(ケラシン型)(ゴーシェ病);家族性リポタンパク質リパーゼ欠損症;肝臓疾患(ガラクトース血症);ルー−ゲーリック病(筋萎縮性側索硬化症);ルイス−バー症候群(血管拡張性失調症);リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸癌);リジル−ヒドロキシラーゼ欠損症(エーラース−ダンロス症候群#脊柱後側弯症型);マシャド−ジョセフ病(脊髄小脳性失調#3型);男性乳癌(乳癌);男性生殖器疾患;男性ターナー症候群(ヌーナン症候群);乳房の悪性新生物(乳癌);乳房の悪性腫瘍(乳癌);膀胱悪性腫瘍(膀胱癌);乳癌(乳癌);マルファン症候群15;マーカーX症候群(脆弱X症候群);マーティン−ベル症候群(脆弱X症候群);マックーン−オルブライト症候群;マクロード症候群;MEDNIK;地中海性貧血症(ベータサラセミア);家族性地中海熱;巨大骨端小人症(耳脊椎巨大骨端異形成);メンケ症候群(メンケス症候群);メンケス症候群;骨軟骨異常を伴う精神遅滞(コフィン−ローリー症候群);代謝性疾患;II型変容性小人症(クナイスト異形成);変容性異形成II型(クナイスト異形成);メトヘモグロビン血症#ベータ−グロビン型;メチルマロン酸血症;MFS(マルファン症候群);MHAM(カウデン病);MK(メンケス症候群);マイクロ症候群;小頭症;MMA(メチルマロン酸血症);MNK(メンケス症候群);モノソミー1p36症候群(1p36欠失症候群);モノソミーX(ターナー症候群);運動ニューロン病、筋萎縮性側索硬化症(筋萎縮性側索硬化症);運動障害;モワット−ウィルソン症候群;ムコ多糖症(MPS I);嚢胞性線維症(嚢胞性線維症);ミュンケ症候群;多発梗塞性痴呆(CADASIL);遅発性複合カルボキシラーゼ欠損症(ビオチニダーゼ欠損症);多発性過誤腫症候群(カウデン病);多発性神経線維腫症(神経線維腫症);筋ジストロフィー;デュシェンヌ及びベッカー型筋ジストロフィー;萎縮性ミオトニー(筋強直性ジストロフィー);筋強直性ジストロフィー(筋強直性ジストロフィー);筋強直性ジストロフィー;先天性粘液水腫(先天性甲状腺機能低下症);ナンス−インスレー症候群(耳脊椎巨大骨端異形成);ナンシー−スウィーニー症候群(耳脊椎巨大骨端異形成);NBIA1(パントテン酸キナーゼ関連神経変性症);ニール−ディングウォール症候群(コケーン症候群);網膜芽細胞腫(網膜芽細胞腫);脳への鉄蓄積を伴う神経変性1型(パントテン酸キナーゼ関連神経変性症);I型神経線維腫症;II型神経線維腫症;神経疾患;神経筋障害;V型遠位型遺伝性運動ニューロパチー(遠位型脊髄性筋萎縮症#V型);錐体路症状を伴う遠位型遺伝性運動ニューロパチー(筋萎縮性側索硬化症#4型);NF(神経線維腫症);ニーマン−ピック(ニーマン−ピック病);ノアック症候群(プファイファー症候群);非ケトーシス型高グリシン血症(グリシン脳症);非神経障害性ゴーシェ病(1型ゴーシェ病);非フェニルケトン尿性高フェニルアラニン血症(テトラヒドロビオプテリン欠損症);非症候性難聴;ヌーナン症候群;ノールボッテン−ゴーシェ病(3型ゴーシェ病);組織褐変症(アルカプトン尿症);アルカプトン尿性関節炎(アルカプトン尿症);OI(骨形成不全症);OSMED(耳脊椎巨大骨端異形成);骨形成不全症;骨脆弱症(骨形成不全症);先天性骨硬化症(軟骨発育不全症);耳脊椎巨大骨端異形成(耳脊椎巨大骨端異形成);耳脊椎巨大骨端異形成;シュウ酸症(原発性高シュウ酸尿症);原発性シュウ酸尿症(原発性高シュウ酸尿症);パントテン酸キナーゼ関連神経変性症;パトー症候群(トリソミー13);PBGD欠損症(急性間欠性ポルフィリン症);PCC欠損症(プロピオン酸血症);PCT(晩発性皮膚ポルフィリン症);PDM(筋強直性ジストロフィー#2型);ペンドレッド症候群;周期性疾患(家族性地中海熱);周期性腹膜炎(家族性地中海熱);口周囲多発性黒子症症候群(ポイツ−ジェガース症候群);末梢神経障害(家族性自律神経失調);末梢神経線維腫症(神経線維腫症1);腓骨筋萎縮症(シャルコー−マリー−トゥース病);ペルオキシソームアラニン:グリオキシレートアミノトランスフェラーゼ欠損症(原発性高シュウ酸尿症);ポイツ−ジェガース症候群;プファイファー症候群;フェニルアラニンヒドロキシラーゼ欠乏性疾患(フェニールケトン尿症);フェニールケトン尿症;クロム親和性細胞腫(フォンヒッペル−リンダウ病);胎児性軟骨異形成を伴うピエール−ロビン症候群(ヴァイセンバッヒャー−ツヴァイミュラー症候群);色素沈着性硬変(ヘモクロマトーシス);PJS(ポイツ−ジェガース症候群);PKAN(パントテン酸キナーゼ関連神経変性症);PKU(フェニールケトン尿症);鉛ポルフィリン症(ALA欠損ポルフィリン症);PMA(シャルコー−マリー−トゥース病);多骨性線維性骨異形成症(マックーン−オルブライト症候群);大腸ポリポーシス(家族性腺腫性ポリポーシス);過誤腫性腸ポリポーシス(ポイツ−ジェガース症候群);II型腸ポリポーシス(ポイツ−ジェガース症候群);ポリープ及び色素斑症候群(ポイツ−ジェガース症候群);ポルホビリノーゲンシンテターゼ欠損症(ALA欠損ポルフィリン症);ポルフィリン症;ポルフィリン障害(ポルフィリン症);PPH(原発性肺高血圧症);PPOX欠損症(異型ポルフィリン症);プラーダ−ラブハート−ウィリー症候群(プラダー−ウィリー症候群);プラダー−ウィリー症候群;初老性及び老人性痴呆症(アルツハイマー病);原発性ヘモクロマトーシス(ヘモクロマトーシス);原発性高尿酸血症候群(レッシュ−ナイハン症候
群);原発性肺高血圧症;原発性老年性変性痴呆(アルツハイマー病);プリオン病;プロコラーゲンEDS VII型、突然変異体(エーラース−ダンロス症候群#関節弛緩型);プロゲリア(ハッチンソン−ギルフォード−プロゲリア症候群);プロゲリア様症候群(コケーン症候群);早老性小人症(コケーン症候群);慢性遺伝性進行性舞踏病(ハンチントン)(ハンチントン舞踏病);進行性筋萎縮症(脊髄性筋萎縮症);正常強膜を伴う進行性変形性骨形成不全症(骨形成不全症#III型);PROMM(筋強直性ジストロフィー#2型);プロピオン酸血症;プロピオニル−CoAカルボキシラーゼ欠損症(プロピオン酸血症);プロテインC欠乏症;プロテインS欠乏症;プロトポルフィリン症(骨髄性プロトポルフィリン症);プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ欠損症(異型ポルフィリン症);近位型筋強直性ジストロフィー(筋強直性ジストロフィー#2型);近位型筋強直性ミオパチー(筋強直性ジストロフィー#2型);偽ゴーシェ病;偽ウルリッヒ−ターナー症候群(ヌーナン症候群);弾力線維性仮性黄色腫;サイコシンリピドーシス(クラッベ病);肺動脈性高血圧症(原発性肺高血圧症);肺高血圧症(原発性肺高血圧症);PWS(プラダー−ウィリー症候群);PXE−弾力線維性仮性黄色腫(弾力線維性仮性黄色腫);Rb(網膜芽細胞腫);レックリングハウゼン病、神経(神経線維腫症1);再発性多発性漿膜炎(家族性地中海熱);網膜障害;色素性網膜炎−難聴症候群(アッシャー症候群);網膜芽細胞腫;レット症候群;RFALS3型(筋萎縮性側索硬化症#2型);リッカー症候群(筋強直性ジストロフィー#2型);ライリー−デイ症候群(家族性自律神経失調);ルシー−レヴィ症候群(シャルコー−マリー−トゥース病);RSTS(ルビンシュタイン−テイビ症候群);RTS(レット症候群)(ルビンシュタイン−テイビ症候群);RTT(レット症候群);ルビンシュタイン−テイビ症候群;ザック−バラバス症候群(エーラース−ダンロス症候群、脈管型);SADDAN;リ−フラウメニの家族性肉腫症候群(リ−フラウメニ症候群);肉腫、乳癌、白血病、副腎癌(SBLA)症候群(リ−フラウメニ症候群);SBLA症候群(リ−フラウメニ症候群);SBMA(X連鎖性球脊髄性筋萎縮症);SCD(鎌状赤血球貧血症);両側性聴神経シュワン腫(神経線維腫症2);SCIDX1(X連鎖性重症複合免疫不全);結節性硬化症(結節性硬化症);SDAT(アルツハイマー病);先天性SED(先天性脊椎骨端異形成);SEDシュトゥラドゥヴィク(シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨端骨幹端異形成);SEDc(先天性脊椎骨端異形成);シュトゥラドゥヴィク型SEMD(シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨端骨幹端異形成);老人性痴呆症(アルツハイマー病#2型);発達遅延及び黒色表皮腫を伴う重症軟骨発育不全症(SADDAN);シュプリンツェン症候群(22q11.2欠失症候群);鎌状赤血球貧血症;骨格−皮膚−脳症候群(SADDAN);皮膚色素沈着障害;SMA(脊髄性筋萎縮症);シュトゥラドゥヴィク型SMED(シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨端骨幹端異形成);I型SMED(シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨端骨幹端異形成);スミス−レムリ−オピッツ症候群;南アフリカ遺伝性ポルフィリン症(異型ポルフィリン症);乳児発症上行性痙性麻痺(乳児発症上行性遺伝性痙性麻痺);言語障害;スフィンゴリピドーシス;黒内障性家族性痴呆症(テイ−サックス病);球脊髄性筋萎縮症;脊髄性筋萎縮症;脊髄性筋萎縮症、遠位型V型(遠位型脊髄性筋萎縮症#V型);上肢優位遠位型脊髄性筋萎縮症(遠位型脊髄性筋萎縮症#V型);脊髄小脳性失調;シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨端骨幹端異形成;先天性脊椎骨端異形成;脊椎骨端異形成(II型及びXI型コラゲノパチー);シュトゥラドゥヴィク型先天性脊椎骨幹端異形成(シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨端骨幹端異形成);脊椎骨幹端異形成(SMD)(シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨端骨幹端異形成);シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨幹端異形成(シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨端骨幹端異形成);中枢神経系海綿状変性症候群(カナバン病);脳海綿状変性症候群(カナバン病);小児型白質海綿状変性症候群(カナバン病);散発性原発性肺高血圧症(原発性肺高血圧症);SSB症候群(SADDAN);剛毛症候群症候群(メンケス症候群);シュタイナート病(筋強直性ジストロフィー);シュタイナート型筋強直性ジストロフィー症候群(筋強直性ジストロフィー);スティックラー症候群;卒中(CADASIL);シュトゥラドゥヴィク症候群(シュトゥラドゥヴィク型脊椎骨端骨幹端異形成);亜急性神経障害性ゴーシェ病(3型ゴーシェ病);スウェーデン型遺伝性ポルフィリン症(急性間欠性ポルフィリン症);スウェーデン型ポルフィリン症(急性間欠性ポルフィリン症);スイスチーズ様軟骨異形成(クナイスト異形成);テイ−サックス病;TD−致死性小人症(致死性骨異形成症);真っ直ぐな大腿骨及びクローバ形頭蓋を伴うTD(致死性骨異形成症#2型);小脳眼皮膚毛細管拡張症(血管拡張性失調症);精巣性女性化症候群(アンドロゲン不応症候群);テトラヒドロビオプテリン欠損症;TFM−精巣性女性化症候群(アンドロゲン不応症候群);中間型サラセミア(ベータサラセミア);大サラセミア(ベータサラセミア);致死性骨異形成症;糖尿病及び感音性難聴を伴うチアミン反応性巨赤芽球性貧血症;活性化プロテインCの補因子の欠損によるライデン型栓友病(第V因子ライデン栓友病);甲状腺疾患;ソーセージ様ニューロパチー(遺伝性圧脆弱性ニューロパチー);全HPRT欠損症(レッシュ−ナイハン症候群);全ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症(レッシュ−ナイハン症候群);トゥーレット症状群;伝達性痴呆(プリオン病);伝達性海綿状脳症(プリオン病);トリーチャ−コリンズ症候群;三徴候骨脆弱症(骨形成不全症#I型);トリプルX症候群;トリプロX症候群(トリプルX症候群);トリソミー21(ダウン症候群);トリソミーX(トリプルX症候群);トロアジェ−アノー−ショファール症候群(ヘモクロマトーシス);TS(ターナー症候群);TSD(テイ−サックス病);TSEs(プリオン病);結節性硬化症(結節性硬化症);結節性硬化症;ターナー症候群;X染色体を有する女性におけるターナー症候群(ヌーナン症候群);ターナー表現型、正常核型(ヌーナン症候群);ターナー症候群(ターナー症候群);ターナー様症候群(ヌーナン症候群);2型ゴーシェ病(ゴーシェ病2型);3型ゴーシェ病(ゴーシェ病3型);UDP−ガラクトース−4−エピメラーゼ欠乏性疾患(ガラクトース血症);UDPグルコース−4−エピメラーゼ欠乏性疾患(ガラクトース血症);UDPグルコース−1−リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損症(ガラクトース血症);ウルリッヒ−ヌーナン症候群(ヌーナン症候群);ウルリッヒ−ターナー症候群(ターナー症候群);未分化型難聴(非症候性難聴);UPS欠損症(急性間欠性ポルフィリン症);膀胱癌(膀胱癌);UROD欠損症(晩発性皮膚ポルフィリン症);ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ欠損症(晩発性皮膚ポルフィリン症);ウロポルフィリノーゲンシンターゼ欠損症(急性間欠性ポルフィリン症);UROS欠損症(先天性赤血球産生性ポルフィリン症);アッシャー症候群;UTPヘキソース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ欠損症(ガラクトース血症);ファン−ボガエール−ベルトラン症候群(カナバン病);ファン−デル−ヘーヴェ症候群(骨形成不全症#I型);異型ポルフィリン症;口蓋帆心顔症候群(22q11.2欠失症候群);VHL症候群(フォンヒッペル−リンダウ病);視力障害及び盲目(アルストレーム症候群);フォンボゲル−ベルトラン病(カナバン病);フォンヒッペル−リンダウ病;フォンレックリングハウゼン−アップルバウム病(ヘモクロマトーシス);フォンレックリングハウゼン病(神経線維腫症1);VP(異型ポルフィリン症);フロリク病(骨形成不全症);ワーデンブルグ症候群;Warburg Sjo Fledelius症候群(マイクロ症候群);WD(ウィルソン病);ヴァイセンバッヒャー−ツヴァイミュラー症候群;ウィルソン病;ウイルソン病(ウィルソン病);ウォルフ−ヒルシュホーン症候群;ウォルフ周期性疾患(家族性地中海熱);WZS(ヴァイセンバッヒャー−ツヴァイミュラー症候群);色素性乾皮症;X連鎖性精神遅滞及び巨精巣症(脆弱X症候群);X連鎖性原発性高尿酸血症(レッシュ−ナイハン症候群);X連鎖性重症複合免疫不全;X連鎖性担鉄赤芽球性貧血症;X連鎖性球脊髄性筋萎縮症(ケネディ病);X連鎖性尿酸尿酵素欠損(レッシュ−ナイハン症候群);X−SCID(X連鎖性重症複合免疫不全);XLSA(X連鎖性担鉄赤芽球性貧血症);XSCID(X連鎖性重症複合免疫不全);XXX症候群(トリプルX症候群);XXXX症候群(48,XXXX);XXXXX症候群(49,XXXXX);XXY症候群(クラインフェルター症候群);XXYトリソミー(クラインフェルター症候群);XYY核型(47,XYY症候群);XYY症候群(47,XYY症候群);並びにYY症候群(47,XYY症候群)。
【0166】
更なる好ましい態様では、本明細書に定義する本発明の核酸配列、又は複数の本明細書に定義する本発明の核酸配列を含む本発明の組成物は、医薬組成物を調製するため、特に本明細書に定義する目的のため、好ましくは本明細書に定義する疾患の治療において遺伝子治療で用いるために用いてよい。
【0167】
本発明の医薬組成物は、更に、好ましくは本明細書に定義する疾患又は疾病の治療において遺伝子治療で用いてよい。
【0168】
また、最後の態様によれば、本発明は、キット、特にキットのパーツを提供する。かかるキット、特にキットのパーツは、典型的に、単独で又は本明細書に定義する更なる構成要素と組み合わせて、少なくとも1つの本明細書に定義する本発明の核酸配列、本発明の核酸配列を含む本発明の医薬組成物又はワクチンを構成要素として含む。少なくとも1つの本明細書に定義する本発明の核酸配列は、任意で本明細書に定義する更なる構成要素と組み合わせられ、前記少なくとも1つの本発明の核酸は、1以上の他の構成要素を含むキットの少なくとも1つの他のパーツとは別々に(キットの第1のパーツ)提供される。本発明の医薬組成物は、例えば、キットの1つのパーツ、又は異なるパーツに存在してよい。一例として、例えば、キットの少なくとも1つのパーツは、少なくとも1つの本明細書に定義する本発明の核酸配列と、キットの少なくとも1つの更なるパーツ(本明細書に定義する少なくとも1つの他の構成要素)とを含んでよい。例えば、キットの少なくとも1つの他のパーツは、少なくとも1つの医薬組成物、又はこれらの一部を含んでいてよい。例えば、キットの少なくとも1つのパーツは、本明細書に定義する本発明の核酸配列と、キットの少なくとも1つの更なるパーツ(本明細書に定義する少なくとも1つの他の構成要素)と、キットの少なくとも1つの更なるパーツ(本発明の医薬組成物の少なくとも1つの構成要素、又は全体としての本発明の医薬組成物)と、キットの少なくとも1つの更なるパーツ(例えば、少なくとも1つの医薬担体又はビヒクル)とを含んでいてよい。キット又はキットのパーツが複数の本発明の核酸配列を含む場合、キットの1つの構成要素は、キットに含まれる本発明の核酸配列を1つだけ、幾つか、又は全て含んでいてよい。別の実施形態では、各構成要素がキットのパーツを形成するように、キットの異なる/別々の構成要素に全ての/各本発明の核酸配列が含まれていてよい。また、キットのパーツとして1超の核酸が第1の構成要素に含まれていてよく、一方、(キットの1以上の他のパーツを提供する)1以上の他の(第2の、第3の等)構成要素が、1つ又は1超の本発明の核酸を含有していてもよく、前記核酸は、第1の構成要素と同一であっても、部分的に同一であっても、異なっていてもよい。キット又はキットのパーツは、本発明の核酸配列、本発明の医薬組成物の、或いはキットがキットのパーツとして調製される場合はその構成要素又はパーツのいずれかの投与及び投与量に関する情報が記載された技術指示書を更に含んでいてよい。
【0169】
まとめると、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、好ましくは、代謝性疾患又は内分泌疾患の治療において用いるための治療用タンパク質、血液疾患、循環系の疾患、呼吸器系の疾患、癌又は腫瘍疾患、感染性疾患又は免疫不全の治療において用いるための治療用タンパク質、ホルモン補充療法において用いるための治療用タンパク質、体細胞のリプログラムにおいて用いるための治療用タンパク質、
或いは、アジュバント又は免疫刺激タンパク質、ヒトアジュバントタンパク質、細菌(アジュバント)タンパク質、原生動物(アジュバント)タンパク質、ウイルス(アジュバント)タンパク質、真菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質、
或いは、抗体、好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体、免疫疾患の治療のために用いられる抗体、感染性疾患の治療のために用いられる抗体、感染性疾患の治療のために用いられる抗体、血液疾患の治療のために用いられる抗体、免疫制御のために用いられる抗体、糖尿病の治療のために用いられる抗体、アルツハイマー病の治療のために用いられる抗体、喘息の治療のために用いられる抗体、又は多様な疾患の治療のために用いられる抗体から選択される抗体であってよい核酸配列を提供する。
【0170】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0171】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、前記ペプチド又はタンパク質が、代謝性疾患又は内分泌疾患の治療において用いるための治療用タンパク質、血液疾患、循環系の疾患、呼吸器系の疾患、癌又は腫瘍疾患、感染性疾患又は免疫不全の治療において用いるための治療用タンパク質、ホルモン補充療法において用いるための治療用タンパク質、或いは体細胞のリプログラムにおいて用いるための治療用タンパク質であってよい核酸配列を提供する。
【0172】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0173】
更に好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、アジュバント又は免疫刺激タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、より好ましくは、ヒトアジュバントタンパク質、細菌(アジュバント)タンパク質、原生動物(アジュバント)タンパク質、ウイルス(アジュバント)タンパク質、真菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0174】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0175】
更に好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、治療用抗体である治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、より好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体、免疫疾患の治療のために用いられる抗体、感染性疾患の治療のために用いられる抗体、感染性疾患の治療のために用いられる抗体、血液疾患の治療のために用いられる抗体、免疫制御のために用いられる抗体、糖尿病の治療のために用いられる抗体、アルツハイマー病の治療のために用いられる抗体、喘息の治療のために用いられる抗体、又は多様な疾患の治療のために用いられる抗体から選択される抗体を含む核酸配列を提供する。
【0176】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0177】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、代謝性疾患又は内分泌疾患の治療において用いるための治療用タンパク質を含み、
より好ましくは、酸性スフィンゴミエリナーゼ、アジポタイド、アガルシダーゼベータ、アルグルコシダーゼ、アルファ−ガラクトシダーゼA、アルファ−グルコシダーゼ、アルファ−L−イズロニダーゼ、アルファ−N−アセチルグルコサミニダーゼ、アンフィレグリン、アンジオポエチン(Ang1、Ang2、Ang3、Ang4、ANGPTL2、ANGPTL3、ANGPTL4、ANGPTL5、ANGPTL6、ANGPTL7)、ベータセルリン、ベータ−グルクロニダーゼ、骨形成タンパク質BMPs(BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP10、BMP15)、CLN6タンパク質、上皮成長因子(EGF)、エピゲン、エピレギュリン、線維芽細胞成長因子(FGF、FGF−1、FGF−2、FGF−3、FGF−4、FGF−5、FGF−6、FGF−7、FGF−8、FGF−9、FGF−10、FGF−11、FGF−12、FGF−13、FGF−14、FGF−16、FGF−17、FGF−17、FGF−18、FGF−19、FGF−20、FGF−21、FGF−22、FGF−23)、ガルスルファーゼ、グレリン、グルコセレブロシダーゼ、GM−CSF、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)、肝細胞成長因子HGF、ヘプシジン、ヒトアルブミン、アルブミン喪失の増加、イズルスルファーゼ(イズロン酸−2−スルファターゼ)、インテグリンαVβ3、αVβ5、及びα5β1、イズロン酸スルファターゼ、ラロニダーゼ、N−アセチルガラクトサミン−4−スルファターゼ(rhASB;ガルスルファーゼ、アリールスルファターゼA(ARSA)、アリールスルファターゼB(ARSB))、N−アセチルグルコサミン−6−スルファターゼ、神経成長因子(NGF、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、及びニューロトロフィン 4/5(NT−4/5)、ニューレグリン(NRG1、NRG2、NRG3、NRG4)、ニューロピリン(NRP−1、NRP−2)、オベスタチン、血小板由来成長因子(PDGF(PDFF−A、PDGF−B、PDGF−C、PDGF−D)、TGFベータ受容体(エンドグリン、TGF−ベータ1受容体、TGF−ベータ2受容体、TGF−ベータ3受容体)、トロンボポイエチン(THPO)(巨核球増殖発達因子(MGDF))、トランスフォーミング成長因子(TGF(TGF−a、TGF−ベータ(TGFベータ1、TGFベータ2、及びTGFベータ3)))、VEGF(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、VEGF−E、VEGF−F、及びPIGF)、ネシリチド、トリプシン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、コレシストキニン、ガストリン、レプチン、オキシトシン、ソマトスタチン、バソプレシン(抗利尿ホルモン)、カルシトニン、エクセナチド、成長ホルモン(GH)、ソマトトロピン、インスリン、インスリン様成長因子1 IGF−1、メカセルミンリンファベート、IGF−1アナログ、メカセルミン、IGF−1アナログ、ペグビソマント、プラムリンタイド、テリパラチド(ヒト副甲状腺ホルモン残基1−34)、ベカプレルミン、ジボテルミン−アルファ(骨形成タンパク質2)、酢酸ヒストレリン(性腺刺激ホルモン放出ホルモン;GnRH)、オクトレオチド、及びパリフェルミン(ケラチノサイト成長因子;KGF)から選択されるペプチド又はタンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0178】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0179】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、血液疾患、循環系の疾患、呼吸器系の疾患、癌若しくは腫瘍疾患、感染性疾患、又は免疫不全の治療において用いるための治療用タンパク質を含み、より好ましくは、アルテプラーゼ(組織プラスミノーゲン活性化因子;tPA)、アニストレプラーゼ、抗トロンビンIII(AT−III)、ビバリルジン、ダルベポエチン−アルファ、ドロトレコギン−アルファ(活性化プロテインC)、エリスロポイエチン、エポエチン−アルファ、エリスロポエチン、エリスロポイエチン、第IX因子、第VIIa因子、第VIII因子、レピルジン、プロテインC濃縮物、レテプラーゼ(tPAの欠損変異体)、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、ウロキナーゼ、アンギオスタチン、抗CD22免疫毒素、デニロイキンジフチトクス、イムノシアニン、MPS(メタロパンスチムリン)、アフリバーセプト、エンドスタチン、コラゲナーゼ、ヒトデオキシリボヌクレアーゼI、ドルナーゼ、ヒアルロニダーゼ、パパイン、L−アスパラギナーゼ、Peg−アスパラギナーゼ、ラスブリカーゼ、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、ヒト卵胞刺激ホルモン(FSH)、ルトロピン−アルファ、プロラクチン、アルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤、ラクターゼ、膵臓酵素(リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ)、アデノシンデアミナーゼ(ウシペガデマーゼ、PEG−ADA)、アバタセプト、アレファセプト、アナキンラ、エタネルセプト、インターロイキン−1(IL−1)受容体アンタゴニスト、アナキンラ、チムリン、TNF−アルファアンタゴニスト、エンフビルチド、及びチモシンα1から選択されるペプチド又はタンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0180】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0181】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、ホルモン補充療法のために用いられる治療用タンパク質を含み、より好ましくは、エストロゲン、プロゲステロン、又はプロゲスチン、及びテストステロンから選択されるペプチド又はタンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0182】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0183】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、体細胞の多能性幹細胞又は全能性幹細胞へのリプログラムのために用いられる治療用タンパク質を含み、より好ましくは、Oct−3/4、Sox遺伝子ファミリー(Sox1、Sox2、Sox3、及びSox15)、Klfファミリー(Klf1、Klf2、Klf4、及びKlf5)、Mycファミリー(c−myc、L−myc、及びN−myc)、Nanog、及びLIN28から選択されるペプチド又はタンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0184】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0185】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、アジュバント又は免疫刺激タンパク質、ヒトアジュバントタンパク質、細菌(アジュバント)タンパク質、原生動物(アジュバント)タンパク質、ウイルス(アジュバント)タンパク質、真菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0186】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0187】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、アジュバント又は免疫刺激タンパク質、ヒトアジュバントタンパク質、細菌(アジュバント)タンパク質、原生動物(アジュバント)タンパク質、ウイルス(アジュバント)タンパク質、真菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、より好ましくは、ヒトアジュバントタンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、最も好ましくは、パターン認識受容体TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11;NOD1、NOD2、NOD3、NOD4、NOD5、NALP1、NALP2、NALP3、NALP4、NALP5、NALP6、NALP6、NALP7、NALP7、NALP8、NALP9、NALP10、NALP11、NALP12、NALP13、NALP14、l IPAF、NAIP、CIITA、RIG−I、MDA5及びLGP2;例えば、Trif及びCardifを含むアダプタータンパク質を含むTLRシグナル伝達のシグナルトランスデューサー;小GTPaseシグナル伝達の構成要素(RhoA、Ras、Rac1、Cdc42、Rab等)、PIPシグナル伝達の構成要素(PI3K、Src−キナーゼ等)、MyD88依存性シグナル伝達の構成要素(MyD88、IRAK1、IRAK2、IRAK4、TIRAP、TRAF6等)、MyD88非依存性シグナル伝達の構成要素(TICAM1、TICAM2、TRAF6、TBK1、IRF3、TAK1、IRAK1等);例えば、Akt、MEKK1、MKK1、MKK3、MKK4、MKK6、MKK7、ERK1、ERK2、GSK3、PKCキナーゼ、PKDキナーゼ、GSK3キナーゼ、JNK、p38MAPK、TAK1、IKK、及びTAK1を含む活性化キナーゼ;例えば、NF−κB、c−Fos、c−Jun、c−Myc、CREB、AP−1、Elk−1、ATF2、IRF−3、IRF−7を含む活性化転写因子;熱ショックタンパク質(例えば、HSP10、HSP60、HSP65、HSP70、HSP75及びHSP90)、gp96、フィブリノーゲン、フィブロネクチンのTypIII反復外部ドメインA;又はC1q、MBL、C1r、C1s、C2b、Bb、D、MASP−1、MASP−2、C4b、C3b、C5a、C3a、C4a、C5b、C6、C7、C8、C9、CR1、CR2、CR3、CR4、C1qR、C1INH、C4bp、MCP、DAF、H、I、P及びCD59を含む補体系の構成要素、又は例えば、ベータ−デフェンシン、細胞表面タンパク質を含む誘導標的遺伝子;又はtrif、flt−3リガンド、Gp96又はフィブロネクチン等を含むヒトアジュバントタンパク質;IL−1アルファ、IL1ベータ、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−13、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、IL−23、TNFアルファ、IFNアルファ、IFNベータ、IFNガンマ、GM−CSF、G−CSF、M−CSFを含む自然免疫応答を誘導又は強化するサイトカイン;IL−8、IP−10、MCP−1、MIP−1アルファ、RANTES、エオタキシン、CCL21を含むケモカイン;IL−1、IL−6、IL−8、IL−12及びTNF−アルファを含むマクロファージから放出されるサイトカイン;並びにIL−1R1及びIL−1アルファから選択される治療用タンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0188】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0189】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、アジュバント又は免疫刺激タンパク質、ヒトアジュバントタンパク質、細菌(アジュバント)タンパク質、原生動物(アジュバント)タンパク質、ウイルス(アジュバント)タンパク質、真菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、より好ましくは、細菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、最も好ましくは、細菌熱ショックタンパク質又はシャペロン(Hsp60、Hsp70、Hsp90、Hsp100を含む);グラム陰性菌由来のOmpA(外膜タンパク質);OmpFを含む細菌ポリン;百日咳菌由来の百日咳毒素(PT)、百日咳菌由来の百日咳アデニル酸シクラーゼ毒素CyaA及びCyaC、百日咳毒素由来のPT−9K/129G突然変異体、百日咳菌由来の百日咳アデニル酸シクラーゼ毒素CyaA及びCyaC、破傷風毒素、コレラ毒素(CT)、コレラ毒素B−サブユニット、コレラ毒素由来のCTK63突然変異体、CT由来のCTE112K突然変異体、大腸菌易熱性エンテロトキシン(LT)、易熱性エンテロトキシン由来のBサブユニット(LTB)、毒性の低下している大腸菌易熱性エンテロトキシン突然変異体(LTK63、LTR72を含む)を含む細菌毒素;フェノール可溶性モジュリン;ピロリ菌由来の好中球活性化タンパク質(HP−NAP);界面活性タンパク質D;ライム病ボレリア由来の外表面タンパク質Aリポタンパク質、結核菌由来のAg38(38kDa抗原);細菌線毛由来のタンパク質;コレラ菌のエンテロトキシンCT、グラム陰性菌の線毛由来のピリン、及び界面活性タンパク質A、及び細菌フラジェリンから選択される治療用タンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0190】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0191】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、アジュバント又は免疫刺激タンパク質、ヒトアジュバントタンパク質、細菌(アジュバント)タンパク質、原生動物(アジュバント)タンパク質、ウイルス(アジュバント)タンパク質、真菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、より好ましくは、原生動物(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、最も好ましくは、トリパノソーマ・クルージ由来のTc52、トリパノソーマ・ゴンヂ由来のPFTG、原生動物熱ショックタンパク質、リーシュマニア属の種由来のLeIF、トキソプラズマ原虫由来のプロファイリング様タンパク質から選択される治療用タンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0192】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0193】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、アジュバント又は免疫刺激タンパク質、ヒトアジュバントタンパク質、細菌(アジュバント)タンパク質、原生動物(アジュバント)タンパク質、ウイルス(アジュバント)タンパク質、真菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、より好ましくは、ウイルス(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、最も好ましくは、RSウイルス融合糖タンパク質(F−タンパク質)、MMTウイルス由来のエンベロープタンパク質、マウス白血病ウイルスタンパク質、野生型麻疹ウイルスの赤血球凝集素タンパク質から選択される治療用タンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0194】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0195】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、アジュバント又は免疫刺激タンパク質、ヒトアジュバントタンパク質、細菌(アジュバント)タンパク質、原生動物(アジュバント)タンパク質、ウイルス(アジュバント)タンパク質、真菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、より好ましくは、真菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、最も好ましくは、真菌免疫調節タンパク質(FIP;LZ−8);及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、OspAから選択される治療用タンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0196】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0197】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体から選択される治療用抗体を含み、好ましくは、131I−トシツモマブ、3F8、8H9、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アフツズマブ、アラシズマブ・ペゴール、アレムツズマブ、アマツキシマブ、AME−133v、AMG102、アナツモマブ・マフェナトクス、アポリズマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブ・メルタンシン、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ・ベドチン、カンツズマブ、カンツズマブ・メルタンシン、カンツズマブ・ラブタンシン、カプロマブ・ペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、シタツズマブ・ボガトクス、シクスツムマブ、クリバツズマブ・テトラキセタン、CNTO328、CNTO95、コナツムマブ、ダセツズマブ、ダロツズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドロジツマブ、エクロメキシマブ、エドレコロマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンシツキシマブ、エプラツズマブ、エルツマキソマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、ファルレツズマブ、FBTA05、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、ガリキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、GC1008、ゲムツズマブ、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブ・ベドチン、GS6624、HuC242−DM4、HuHMFG1、HuN901−DM1、イブリツモマブ、イクルクマブ、ID09C3、インダツキシマブ・ラブタンシン、イノツズマブ・オゾガマイシン、インテツムマブ、イピリムマブ、イラツムマブ、ラベツズマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ・メルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツムマブ、マツズマブ、MDX−060、MEDI522、ミツモマブ、モガムリズマブ、MORab−003、MORab−009、モキセツモマブ・パスドトックス、MT103、ナコロマブ・タフェナトックス、ナプツモマブ・エスタフェナトクス、ナルナツマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、ニモツズマブ、オララツマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブ・モナトックス、オレゴボマブ、オレゴボマブ、PAM4、パニツムマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペルツズマブ、プリツムマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、サマリズマブ、SGN−30、SGN−40、シブロツズマブ、シルツキシマブ、タバルマブ、タカツズマブ・テトラキセタン、タプリツモマブ・パプトックス、テナツモマブ、テプロツムマブ、TGN1412、チシリムマブ(=トレメリムマブ)、ティガツズマブ、TNX−650、トシツモマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレメリムマブ、TRU−016、TRU−016、ツコツズマブ・セルモロイキン、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ベルツズマブ、ベルツズマブ(IMMU−106)、ボロシキシマブ、ボツムマブ、WX−G250、ザルツムマブ、及びザノリムマブから選択される治療用抗体を含む核酸配列を提供する。
【0198】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0199】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、免疫疾患の治療のために用いられる抗体から選択される治療用タンパク質を含み、好ましくは、エファリズマブ、エプラツズマブ、エトロリズマブ、フォントリズマブ、イクセキズマブ、メポリズマブ、ミラツズマブ、プール免疫グロブリン、プリリキシマブ、リツキシマブ、ロンタリズマブ、ルプリズマブ、サリルマブ、ベドリズマブ、ビジリズマブ、レスリズマブ、アダリムマブ、アセリズマブ、アチヌマブ、アトリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、BMS−945429、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブ・ペゴール、エルリズマブ、フェザキヌマブ、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、インフリキシマブ、マブリリムマブ、ナタリズマブ、オクレリズマブ、オヅリモマブ、オファツムマブ、オゾラリズマブ、パキセリズマブ、ロベリズマブ、SBI−087、SBI−087、セクキヌマブ、シルクマブ、タリズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、TRU−015、TRU−016、ウステキヌマブ、ウステキヌマブ、ベパリモマブ、ゾリモマブ・アリトックス、シファリムマブ、ルミリキシマブ、及びRh免疫グロブリンから選択される治療用抗体を含む核酸配列を提供する。
【0200】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0201】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体から選択される治療用抗体を含み、好ましくは、感染性疾患の治療のために用いられる抗体、特に、アフェリモマブ、CR6261、エドバコマブ、エフングマブ、エクスビビルマブ、フェルビズマブ、フォラビルマブ、イバリズマブ、リビビルマブ、モタビズマブ、ネバクマブ、ツビルマブ、ウルトキサズマブ、バビツキシマブ、パギバキシマブ、パリビズマブ、パノバクマブ、PRO140、ラフィビルマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、セビルマブ、スビズマブ、及びテフィバズマブから選択される治療用抗体を含む核酸配列を提供する。
【0202】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0203】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体から選択される治療用抗体を含み、好ましくは、血液疾患の治療のために用いられる抗体、特に、アブシキシマブ、アトロリムマブ、エクリズマブ、メポリズマブ、及びミラツズマブから選択される治療用抗体を含む核酸配列を提供する。
【0204】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0205】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体から選択される治療用抗体を含み、好ましくは、免疫制御のために用いられる抗体、特に、抗胸腺細胞グロブリン、バシリキシマブ、セデリズマブ、ダクリズマブ、ガビリモマブ、イノリモマブ、ムロモナブ−CD3、ムロモナブ−CD3、オヅリモマブ、及びシプリズマブから選択される治療用抗体を含む核酸配列を提供する。
【0206】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0207】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体から選択される治療用抗体を含み、好ましくは、糖尿病の治療のために用いられる抗体、特に、ゲボキズマブ、オテリキシズマブ、及びテプリズマブから選択される治療用抗体を含む核酸配列を提供する。
【0208】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0209】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体から選択される治療用抗体を含み、好ましくは、アルツハイマー病の治療のために用いられる抗体、特に、バピニューズマブ、クレネズマブ、ガンテネルマブ、ポネズマブ、R1450、及びソラネズマブから選択される治療用抗体を含む核酸配列を提供する。
【0210】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0211】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体から選択される治療用抗体を含み、好ましくは、喘息の治療のために用いられる抗体、特に、ベンラリズマブ、エノキズマブ、ケリキシマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、オキセルマブ、パスコリズマブ、及びトラロキヌマブから選択される治療用抗体を含む核酸配列を提供する。
【0212】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0213】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体から選択される治療用抗体を含み、好ましくは、多様な疾患の治療のために用いられる抗体、特に、ブロソズマブ、CaroRx、フレソリムマブ、フルラヌマブ、ロモソズマブ、スタムルマブ、タネズマブ、及びラニビズマブから選択される治療用抗体を含む核酸配列を提供する。
【0214】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0215】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、前記ペプチド又はタンパク質が、代謝性疾患又は内分泌疾患の治療において用いるための治療用タンパク質、血液疾患、循環系の疾患、呼吸器系の疾患、癌又は腫瘍疾患、感染性疾患、又は免疫不全の治療において用いるための治療用タンパク質、ホルモン補充療法において用いるための治療用タンパク質、或いは体細胞のリプログラムにおいて用いるための治療用タンパク質であってよく、より好ましくは、酸性スフィンゴミエリナーゼ、アジポタイド、アガルシダーゼベータ、アルグルコシダーゼ、アルファ−ガラクトシダーゼA、アルファ−グルコシダーゼ、アルファ−L−イズロニダーゼ、アルファ−N−アセチルグルコサミニダーゼ、アンフィレグリン、アンジオポエチン(Ang1、Ang2、Ang3、Ang4、ANGPTL2、ANGPTL3、ANGPTL4、ANGPTL5、ANGPTL6、ANGPTL7)、ベータセルリン、ベータ−グルクロニダーゼ、骨形成タンパク質BMPs(BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP10、BMP15)、CLN6タンパク質、上皮成長因子(EGF)、エピゲン、エピレギュリン、線維芽細胞成長因子(FGF、FGF−1、FGF−2、FGF−3、FGF−4、FGF−5、FGF−6、FGF−7、FGF−8、FGF−9、FGF−10、FGF−11、FGF−12、FGF−13、FGF−14、FGF−16、FGF−17、FGF−17、FGF−18、FGF−19、FGF−20、FGF−21、FGF−22、FGF−23)、ガルスルファーゼ、グレリン、グルコセレブロシダーゼ、GM−CSF、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)、肝細胞成長因子HGF、ヘプシジン、ヒトアルブミン、アルブミン喪失の増加、イズルスルファーゼ(イズロン酸−2−スルファターゼ)、インテグリンαVβ3、αVβ5、及びα5β1、イズロン酸スルファターゼ、ラロニダーゼ、N−アセチルガラクトサミン−4−スルファターゼ(rhASB;ガルスルファーゼ、アリールスルファターゼA(ARSA)、アリールスルファターゼB(ARSB))、N−アセチルグルコサミン−6−スルファターゼ、神経成長因子(NGF、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、及びニューロトロフィン4/5(NT−4/5)、ニューレグリン(NRG1、NRG2、NRG3、NRG4)、ニューロピリン(NRP−1、NRP−2)、オベスタチン、血小板由来成長因子(PDGF(PDFF−A、PDGF−B、PDGF−C、PDGF−D)、TGFベータ受容体(エンドグリン、TGF−ベータ1受容体、TGF−ベータ2受容体、TGF−ベータ3受容体)、トロンボポイエチン(THPO)(巨核球増殖発達因子(MGDF))、トランスフォーミング成長因子(TGF(TGF−a、TGF−ベータ(TGFベータ1、TGFベータ2、及びTGFベータ3)))、VEGF(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、VEGF−E、VEGF−F、及びPIGF)、ネシリチド、トリプシン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、コレシストキニン、ガストリン、レプチン、オキシトシン、ソマトスタチン、バソプレシン(抗利尿ホルモン)、カルシトニン、エクセナチド、成長ホルモン(GH)、ソマトトロピン、インスリン、インスリン様成長因子1 IGF−1、メカセルミンリンファベート、IGF−1アナログ、メカセルミン、IGF−1アナログ、ペグビソマント、プラムリンタイド、テリパラチド(ヒト副甲状腺ホルモン残基1−34)、ベカプレルミン、ジボテルミン−アルファ(骨形成タンパク質2)、酢酸ヒストレリン(性腺刺激ホルモン放出ホルモン;GnRH)、オクトレオチド、及びパリフェルミン(ケラチノサイト成長因子;KGF)、アルテプラーゼ(組織プラスミノーゲン活性化因子;tPA)、アニストレプラーゼ、抗トロンビンIII(AT−III)、ビバリルジン、ダルベポエチン−アルファ、ドロトレコギン−アルファ(活性化プロテインC)、エリスロポイエチン、エポエチン−アルファ、エリスロポエチン、エリスロポイエチン、第IX因子、第VIIa因子、第VIII因子、レピルジン、プロテインC濃縮物、レテプラーゼ(tPAの欠損変異体)、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、ウロキナーゼ、アンギオスタチン、抗CD22免疫毒素、デニロイキンジフチトクス、イムノシアニン、MPS(メタロパンスチムリン)、アフリバーセプト、エンドスタチン、コラゲナーゼ、ヒトデオキシリボヌクレアーゼI、ドルナーゼ、ヒアルロニダーゼ、パパイン、L−アスパラギナーゼ、Peg−アスパラギナーゼ、ラスブリカーゼ、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、ヒト卵胞刺激ホルモン(FSH)、ルトロピン−アルファ、プロラクチン、アルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤、ラクターゼ、膵臓酵素(リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ)、アデノシンデアミナーゼ(ウシペガデマーゼ、PEG−ADA)、アバタセプト、アレファセプト、アナキンラ、エタネルセプト、インターロイキン−1(IL−1)受容体アンタゴニスト、アナキンラ、チムリン、TNF−アルファアンタゴニスト、エンフビルチド、チモシンα1、エストロゲン、プロゲステロン、又はプロゲスチン、テストステロン、Oct−3/4、Sox遺伝子ファミリー(Sox1、Sox2、Sox3、及びSox15)、Klfファミリー(Klf1、Klf2、Klf4、及びKlf5)、Mycファミリー(c−myc、L−myc、及びN−myc)、Nanog、及びLIN28から選択される治療用タンパク質であってよい核酸配列を提供する。
【0216】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0217】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、アジュバント又は免疫刺激タンパク質、ヒトアジュバントタンパク質、細菌(アジュバント)タンパク質、原生動物(アジュバント)タンパク質、ウイルス(アジュバント)タンパク質、真菌(アジュバント)タンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、より好ましくは、ヒトアジュバントタンパク質から選択される治療用タンパク質を含み、最も好ましくは、パターン認識受容体TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11;NOD1、NOD2、NOD3、NOD4、NOD5、NALP1、NALP2、NALP3、NALP4、NALP5、NALP6、NALP6、NALP7、NALP7、NALP8、NALP9、NALP10、NALP11、NALP12、NALP13、NALP14、l IPAF、NAIP、CIITA、RIG−I、MDA5及びLGP2;例えば、Trif及びCardifを含むアダプタータンパク質を含むTLRシグナル伝達のシグナルトランスデューサー;小GTPaseシグナル伝達の構成要素(RhoA、Ras、Rac1、Cdc42、Rab等)、PIPシグナル伝達の構成要素(PI3K、Src−キナーゼ等)、MyD88依存性シグナル伝達の構成要素(MyD88、IRAK1、IRAK2、IRAK4、TIRAP、TRAF6等)、MyD88非依存性シグナル伝達の構成要素(TICAM1、TICAM2、TRAF6、TBK1、IRF3、TAK1、IRAK1等);例えば、Akt、MEKK1、MKK1、MKK3、MKK4、MKK6、MKK7、ERK1、ERK2、GSK3、PKCキナーゼ、PKDキナーゼ、GSK3キナーゼ、JNK、p38MAPK、TAK1、IKK、及びTAK1を含む活性化キナーゼ;例えば、NF−κB、c−Fos、c−Jun、c−Myc、CREB、AP−1、Elk−1、ATF2、IRF−3、IRF−7を含む活性化転写因子;熱ショックタンパク質(例えば、HSP10、HSP60、HSP65、HSP70、HSP75及びHSP90)、gp96、フィブリノーゲン、フィブロネクチンのTypIII反復外部ドメインA;又はC1q、MBL、C1r、C1s、C2b、Bb、D、MASP−1、MASP−2、C4b、C3b、C5a、C3a、C4a、C5b、C6、C7、C8、C9、CR1、CR2、CR3、CR4、C1qR、C1INH、C4bp、MCP、DAF、H、I、P及びCD59を含む補体系の構成要素、又は例えば、ベータ−デフェンシン、細胞表面タンパク質を含む誘導標的遺伝子;又はtrif、flt−3リガンド、Gp96又はフィブロネクチン等を含むヒトアジュバントタンパク質;IL−1アルファ、IL1ベータ、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−12、IL−13、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、IL−23、TNFアルファ、IFNアルファ、IFNベータ、IFNガンマ、GM−CSF、G−CSF、M−CSFを含む自然免疫応答を誘導又は強化するサイトカイン;IL−8、IP−10、MCP−1、MIP−1アルファ、RANTES、エオタキシン、CCL21を含むケモカイン;IL−1、IL−6、IL−8、IL−12及びTNF−アルファを含むマクロファージから放出されるサイトカイン;並びにIL−1R1及びIL−1アルファ、細菌熱ショックタンパク質又はシャペロン(Hsp60、Hsp70、Hsp90、Hsp100を含む);グラム陰性菌由来のOmpA(外膜タンパク質);OmpFを含む細菌ポリン;百日咳菌由来の百日咳毒素(PT)、百日咳菌由来の百日咳アデニル酸シクラーゼ毒素CyaA及びCyaC、百日咳毒素由来のPT−9K/129G突然変異体、百日咳菌由来の百日咳アデニル酸シクラーゼ毒素CyaA及びCyaC、破傷風毒素、コレラ毒素(CT)、コレラ毒素B−サブユニット、コレラ毒素由来のCTK63突然変異体、CT由来のCTE112K突然変異体、大腸菌易熱性エンテロトキシン(LT)、易熱性エンテロトキシン由来のBサブユニット(LTB)、毒性の低下している大腸菌易熱性エンテロトキシン突然変異体(LTK63、LTR72を含む)を含む細菌毒素;フェノール可溶性モジュリン;ピロリ菌由来の好中球活性化タンパク質(HP−NAP);界面活性タンパク質D;ライム病ボレリア由来の外表面タンパク質Aリポタンパク質、結核菌由来のAg38(38kDa抗原);細菌線毛由来のタンパク質;コレラ菌のエンテロトキシンCT、グラム陰性菌の線毛由来のピリン、及び界面活性タンパク質A、及び細菌フラジェリン、トリパノソーマ・クルージ由来のTc52、トリパノソーマ・ゴンヂ由来のPFTG、原生動物熱ショックタンパク質、リーシュマニア属の種由来のLeIF、トキソプラズマ原虫由来のプロファイリング様タンパク質、RSウイルス融合糖タンパク質(F−タンパク質)、MMTウイルス由来のエンベロープタンパク質、マウス白血病ウイルスタンパク質、野生型麻疹ウイルスの赤血球凝集素タンパク質、真菌免疫調節タンパク質(FIP;LZ−8);及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、OspAから選択される治療用タンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0218】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、癌又は腫瘍疾患の治療のために用いられる抗体から選択される治療用抗体を含み、好ましくは131I−トシツモマブ、3F8、8H9、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アフツズマブ、アラシズマブ・ペゴール、アレムツズマブ、アマツキシマブ、AME−133v、AMG102、アナツモマブ・マフェナトクス、アポリズマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブ・メルタンシン、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ・ベドチン、カンツズマブ、カンツズマブ・メルタンシン、カンツズマブ・ラブタンシン、カプロマブ・ペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、シタツズマブ・ボガトクス、シクスツムマブ、クリバツズマブ・テトラキセタン、CNTO328、CNTO95、コナツムマブ、ダセツズマブ、ダロツズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドロジツマブ、エクロメキシマブ、エドレコロマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンシツキシマブ、エプラツズマブ、エルツマキソマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、ファルレツズマブ、FBTA05、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、ガリキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、GC1008、ゲムツズマブ、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブ・ベドチン、GS6624、HuC242−DM4、HuHMFG1、HuN901−DM1、イブリツモマブ、イクルクマブ、ID09C3、インダツキシマブ・ラブタンシン、イノツズマブ・オゾガマイシン、インテツムマブ、イピリムマブ、イラツムマブ、ラベツズマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ・メルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツムマブ、マツズマブ、MDX−060、MEDI522、ミツモマブ、モガムリズマブ、MORab−003、MORab−009、モキセツモマブ・パスドトックス、MT103、ナコロマブ・タフェナトックス、ナプツモマブ・エスタフェナトクス、ナルナツマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、ニモツズマブ、オララツマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブ・モナトックス、オレゴボマブ、オレゴボマブ、PAM4、パニツムマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペルツズマブ、プリツムマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、サマリズマブ、SGN−30、SGN−40、シブロツズマブ、シルツキシマブ、タバルマブ、タカツズマブ・テトラキセタン、タプリツモマブ・パプトックス、テナツモマブ、テプロツムマブ、TGN1412、チシリムマブ(=トレメリムマブ)、ティガツズマブ、TNX−650、トシツモマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレメリムマブ、TRU−016、TRU−016、ツコツズマブ・セルモロイキン、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ベルツズマブ、ベルツズマブ(IMMU−106)、ボロシキシマブ、ボツムマブ、WX−G250、ザルツムマブ、ザノリムマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エトロリズマブ、フォントリズマブ、イクセキズマブ、メポリズマブ、ミラツズマブ、プール免疫グロブリン、プリリキシマブ、リツキシマブ、ロンタリズマブ、ルプリズマブ、サリルマブ、ベドリズマブ、ビジリズマブ、レスリズマブ、アダリムマブ、アセリズマブ、アチヌマブ、アトリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、BMS−945429、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブ・ペゴール、エルリズマブ、フェザキヌマブ、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、インフリキシマブ、マブリリムマブ、ナタリズマブ、オクレリズマブ、オヅリモマブ、オファツムマブ、オゾラリズマブ、パキセリズマブ、ロベリズマブ、SBI−087、SBI−087、セクキヌマブ、シルクマブ、タリズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、TRU−015、TRU−016、ウステキヌマブ、ウステキヌマブ、ベパリモマブ、ゾリモマブ・アリトックス、シファリムマブ、ルミリキシマブ、及びRh免疫グロブリン、アフェリモマブ、CR6261、エドバコマブ、エフングマブ、エクスビビルマブ、フェルビズマブ、フォラビルマブ、イバリズマブ、リビビルマブ、モタビズマブ、ネバクマブ、ツビルマブ、ウルトキサズマブ、バビツキシマブ、パギバキシマブ、パリビズマブ、パノバクマブ、PRO140、ラフィビルマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、セビルマブ、スビズマブ、テフィバズマブ、アブシキシマブ、アトロリムマブ、エクリズマブ、メポリズマブ、ミラツズマブ、抗胸腺細胞グロブリン、バシリキシマブ、セデリズマブ、ダクリズマブ、ガビリモマブ、イノリモマブ、ムロモナブ−CD3、ムロモナブ−CD3、オヅリモマブ、シプリズマブ、ゲボキズマブ、オテリキシズマブ、テプリズマブ、バピニューズマブ、クレネズマブ、ガンテネルマブ、ポネズマブ、R1450、ソラネズマブ、ベンラリズマブ、エノキズマブ、ケリキシマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、オキセルマブ、パスコリズマブ、トラロキヌマブ、ブロソズマブ、CaroRx、フレソリムマブ、フルラヌマブ、ロモソズマブ、スタムルマブ、タネズマブ、及びラニビズマブから選択される治療用抗体を含む核酸配列を提供する。
【0219】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0220】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
を含むか又はコードしている核酸配列であって、
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、タンパク質ホルモンである治療用タンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0221】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0222】
好ましくは、本発明は、
a)少なくとも1つのペプチド又はタンパク質をコードしているコード領域と、
b)少なくとも1つのヒストンステムループと、
c)ポリ(A)配列又はポリアデニル化シグナルと
前記ペプチド又はタンパク質が、治療用タンパク質、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含み、好ましくは、タンパク質ホルモンである治療用タンパク質を含む核酸配列を提供する。
【0223】
本発明は、更に、本明細書に定義する遺伝子治療における前記核酸配列の使用を提供する。本発明は、更に、前記核酸配列を含むキット又はキットのパーツを提供する。更に、本発明は、前記核酸配列を含む医薬組成物を提供する。更に、本発明は、コードされているペプチド又はタンパク質の発現を増加させる方法であって、前記核酸配列又は前記核酸配列を含有する組成物を提供する工程と、前記核酸配列又は前記組成物を無細胞発現系、細胞、組織、又は生物に適用又は投与する工程とを含む方法を提供する。
【0224】
本発明では、特に指示しない場合、異なる特徴の代替物及び実施形態を互いに組み合わせてもよい。更に、用語「含む」は、特に明記しない場合、「からなる」を意味すると解釈しないものとする。しかし、本発明では、用語「含む」は、該当する場合、用語「からなる」で置換してもよい。
【実施例】
【0225】
以下の実施例は、本発明を更に例示することを意図し、本発明がそれに限定されると解釈するものではない。
【0226】
1. ヒストンステムループコンセンサス配列の作製
実験前に、後生動物及び原生動物のヒストンステムループ配列に基づいてヒストンステムループコンセンサス配列を決定した。ゲノム配列及び発現配列タグを探索することによって多数の天然ヒストンステムループ配列を同定したLopezら(Davila Lopez,M.,&Samuelsson,T.(2008),RNA(New York,N.Y.),14(1),1−10.doi:10.1261/rna.782308)によって提供された補遺から配列を取り出した。先ず、後生動物及び原生動物由来の全配列(4,001配列)又は原生動物由来の全配列(131配列)、又は後生動物由来の全配列(3,870配列)、又は脊椎動物由来の全配列(1,333配列)、又はヒト由来の全配列(84配列)をグループ分けし、アラインメントした。次いで、全ての位置について、存在するヌクレオチドの数を決定した。このようにして得られた表に基づいて、解析した全配列中に存在するヌクレオチドを表す、5つの異なるグループの配列についてのコンセンサス配列を作製した。更に、保存されているヌクレオチドを段階的に強調するために、より限定的なコンセンサス配列を得た。
【0227】
2. DNAテンプレートの調製
T7プロモーターに続いて、キタアメリカホタルルシフェラーゼ(ppLuc(GC))をコードしているGCリッチ配列、アルファグロビンの3’非翻訳領域(UTR)の中心部分(ag)、及びポリ(A)配列を含むインビトロ転写用ベクターを構築した。A64ポリ(A)配列で終端するmRNAを得るために、インビトロ転写前にベクターを直鎖状にするために用いられる制限酵素部位をポリ(A)配列の直後に配置した。したがって、インビトロ転写によってこのベクターから得られたmRNAを「ppLuc(GC)−ag−A64」と命名した。
【0228】
インビトロ転写前に別の制限酵素部位においてこのベクターを直鎖状にすることによって、A64の3’が更なるヌクレオチドによって伸長しているmRNA又はA64の欠損しているmRNAを得ることができた。更に、別の配列を含むようにオリジナルベクターを改変した。要約すると、インビトロ転写によってこれらベクターから以下のmRNAを得た(mRNA配列は、
図6〜17に示す)。
ppLuc(GC)−ag (配列番号43)
ppLuc(GC)−ag−A64 (配列番号44)
ppLuc(GC)−ag−ヒストンSL (配列番号45)
ppLuc(GC)−ag−A64−ヒストンSL (配列番号46)
ppLuc(GC)−ag−A120 (配列番号47)
ppLuc(GC)−ag−A64−ag (配列番号48)
ppLuc(GC)−ag−A64−aCPSL (配列番号49)
ppLuc(GC)−ag−A64−ポリオCL (配列番号50)
ppLuc(GC)−ag−A64−G30 (配列番号51)
ppLuc(GC)−ag−A64−U30 (配列番号52)
ppLuc(GC)−ag−A64−SL (配列番号53)
ppLuc(GC)−ag−A64−N32 (配列番号54)
【0229】
更に、治療用タンパク質EPOをコードしているDNAプラスミド配列を上記の通り調製した。要約すると、インビトロ転写によってこれらベクターから以下のmRNAを得た(mRNA配列は、
図18〜19に示す)。
MmEPO(GC)−ag−A64−C30 (配列番号55)
MmEPO(GC)−ag−A64−C30−ヒストンSL (配列番号56)
【0230】
更に、抗体トラスツズマブをコードしているDNAプラスミド配列は、上記の通り調製することができる。
【0231】
要約すると、インビトロ転写によってこれらベクターから以下のmRNAを得る(mRNA配列は、
図24及び
図25に示す)。
トラスツズマブ(GC)−ag−A64−C30 (配列番号57)
トラスツズマブ(GC)−ag−A64−C30−ヒストンSL
(配列番号58)
【0232】
3. インビトロ転写
実施例2に係るDNAテンプレートを直鎖状にし、T7−ポリメラーゼを用いてインビトロで転写させた。次いで、DNAテンプレートをDNase処理によって分解した。過剰のN7−メチル−グアノシン−5’−トリホスフェートー5’−グアノシンを転写反応物に添加することによって、5’−CAP構造を含む全mRNA転写産物を得た。このようにして得られたmRNAを精製し、水に再懸濁させた。
【0233】
4. mRNAの酵素的アデニル化
2つのmRNAを酵素でアデニル化した:
ppLuc(GC)−ag−A64及びppLuc(GC)−ag−ヒストンSL。
このために、製造業者の指示書に従って、大腸菌ポリ(A)−ポリメラーゼ及びATP(ポリ(A)ポリメラーゼテーリングキット、Epicentre,Madison,USA)と共にRNAをインキュベートした。伸長したポリ(A)配列を含むmRNAを精製し、水に再懸濁させた。アガロースゲル電気泳動を介してポリ(A)配列の長さを決定した。出発mRNAを約250アデニレート伸長させ、得られたmRNAを、それぞれ、ppLuc(GC)−ag−A300及びppLuc(GC)−ag−ヒストンSL−A250と命名した。
【0234】
5. mRNAエレクトロポレーションによるルシフェラーゼ発現
HeLa細胞をトリプシン処理し、opti−MEMで洗浄した。opti−MEM200μL中1×10
5個の細胞に、それぞれ、ppLucをコードしているmRNA0.5μgをエレクトロポレーションした。コントロールとして、ppLucをコードしていないmRNAを別個にエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションされた細胞を24ウェルプレート中のRPMI1640培地1mLに播種した。トランスフェクションの6時間後、24時間後、又は48時間後に、培地を吸引し、リシスバッファ200μL(25mM Tris、pH7.5(HCl)、2mM EDTA、10% グリセロール、1% Triton X−100、2mM DTT、1mM PMSF)に細胞を溶解させた。ppLuc活性を測定するまで溶解物を−20℃で保存した。
【0235】
6. mRNAリポフェクションによるルシフェラーゼ発現
1ウェル当たり2×10
4個の細胞という密度になるようにHeLa細胞を96ウェルプレートに播種した。次の日、細胞をopti−MEMで洗浄し、次いで、opti−MEM150μL中リポフェクチン複合体化ppLucコードmRNA0.25μgをトランスフェクトした。コントロールとして、ppLucをコードしていないmRNAを別個にリポフェクトした。幾つかのウェルにおいて、トランスフェクション開始の6時間後に、opti−MEMを吸引し、リシスバッファ200μLに細胞を溶解させた。残りのウェルでは、そのとき、opti−MEMをPTMI1640培地に交換した。これらウェルでは、トランスフェクション開始の24時間後又は48時間後に、培地を吸引し、リシスバッファ200μLに細胞を溶解させた。ppLuc活性を測定するまで溶解物を−20℃で保存した。
【0236】
7. ルシフェラーゼ測定
溶解物50μL及びルシフェリンバッファ200μL(25mM グリシルグリシン、pH7.8(NaOH)、15mM MgSO
4、2mM ATP、75μM ルシフェリン)を用いて、5秒間の測定時間でBioTek SynergyHTプレートリーダーによって相対光単位(RLU)としてppLuc活性を測定した。合計RLUからコントロールRNAのRLUを減じることによって、比RLUを計算した。
【0237】
8. 経皮mRNA注射によるルシフェラーゼ発現(インビボにおけるルシフェラーゼ発現)
RompunとKetavetとの混合物を用いてマウスに麻酔をかけた。ppLucをコードしているmRNAをそれぞれ経皮注射した(注射1回当たり50μL中mRNA0.5μg)。コントロールとして、ppLucをコードしていないmRNAを別個に注射した。注射の16時間後、マウスを屠殺し、組織を回収した。組織サンプルを液体窒素で急速冷凍し、リシスバッファ800μL(25mM Tris、pH7.5(HCl)、2mM EDTA、10%グリセロール、1% Triton X−100、2mM DTT、1mM PMSF)中の組織溶解液(Qiagen)に溶解させた。次いで、4℃で10分間13,500rpmにてサンプルを遠心分離した。ppLuc活性を測定するまで溶解物を−80℃で保存した(7.ルシフェラーゼ発現を参照)。
【0238】
9. HeLa細胞におけるMmEPO発現
HeLa細胞をトリプシン処理し、opti−MEMで洗浄した。opti−MEM200μL中1×10
5個の細胞に、それぞれ、MmEPOをコードしているmRNA0.5μgをエレクトロポレーションした。コントロールとして、無関係なmRNAを別個にエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションされた細胞を24ウェルプレート中のRPMI1640培地1mLに播種した。トランスフェクションの6時間後、24時間後、又は48時間後に、上清を取り、細胞から回収する。製造業者の指示書に従って、マウス/ラットエリスロポイエチンQuantikine ELISAキット(R&D Systems)を用いて前記上清中のEPO含量を測定する。
【0239】
10. 結果
10.1 ヒストンステムループ配列:
ヒストンステムループ配列の特性評価を行うために、後生動物及び原生動物由来の配列(4,001配列)、又は原生動物由来の配列(131配列)、又は後生動物由来の配列(3,870配列)、又は脊椎動物由来の配列(1,333配列)、又はヒト由来の配列(84配列)をグループ分けし、アラインメントした。次いで、全ての位置について、存在するヌクレオチドの数を決定した。このようにして得られた表に基づいて、解析した全配列中に存在するヌクレオチドを表す、5つの異なるグループの配列についてのコンセンサス配列を作製した。後生動物と原生動物とを合わせたコンセンサス配列では、ループにおけるT/U、並びにステムにおけるG及びC(これらは、塩基対を形成する)の3個のヌクレオチドが保存されていた。構造的には、典型的に、6塩基対のステム及び4ヌクレオチドのループが形成される。しかし、異なる構造も一般的である:84個のヒトヒストンステムループのうち、2個は、4塩基対及び1個の不一致を含む5ヌクレオチドのみのステムを含有する。別のヒトヒストンステムループは、5塩基対のみのステムを含有する。4個の更なるヒトヒストンステムループは、6ヌクレオチド長のステムを含有するが、それぞれ、3箇所の異なる位置において1個の不一致を含む。更に、4個のヒトヒストンステムループは、それぞれ、2箇所の異なる位置において1個のゆらぎ塩基対を含有する。ループについては、細胞性粘菌(D.discoideum)で同定されている5ヌクレオチドのループのように、厳密に4ヌクレオチド長である必要はないと考えられる。
【0240】
解析した全配列中に存在するヌクレオチドを表すコンセンサス配列に加えて、保存されているヌクレオチドを段階的に強調するためにより限定的なコンセンサス配列も得た。要約すると、以下の配列が得られた:
(Cons):存在する全てのヌクレオチドを表す
(99%):存在する全てのヌクレオチドのうちの少なくとも99%を表す
(95%):存在する全てのヌクレオチドのうちの少なくとも95%を表す
(90%):存在する全てのヌクレオチドのうちの少なくとも90%を表す
【0241】
ヒストンステムループ配列の解析結果を以下の表1〜5に要約する(
図1〜5も参照):
【0242】
【表2】
【0243】
【表3】
【0244】
【表4】
【0245】
【表5】
【0246】
【表6】
【0247】
ここで用いた略記は、以下の通り定義した:
【表7】
【0248】
10.2 ポリ(A)とヒストンSLの組み合わせがmRNAからのタンパク質発現を相乗的に増加させる
mRNAからのタンパク質発現に対するポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせの効果について調べるために、アルファグロビン3’−UTRの3’に様々な配列を含むmRNAを合成した:丁度3’−UTRの3’で終端し、ポリ(A)配列もヒストンSLも欠損しているmRNA、又はA64ポリ(A)配列若しくはヒストンSLのいずれかを含むmRNA、又は3’−UTRの3’にA64ポリ(A)配列及びヒストンSLの両方を含むmRNA。ルシフェラーゼをコードしているmRNA又はコントロールmRNAをHeLa細胞にエレクトロポレーションした。トランスフェクションの6時間後、24時間後、及び48時間後にルシフェラーゼレベルを測定した(以下の表6及び
図20を参照)。
【0249】
【表8】
【0250】
ポリ(A)配列もヒストンSLも有しないmRNAからは、ルシフェラーゼが殆ど発現しなかった。ポリ(A)配列又はヒストンSLは、両方とも、ルシフェラーゼレベルを同様の程度増加させた。これらmRNAからは、ポリ(A)及びヒストンSLの両方が欠損しているmRNAよりも遥かに高いルシフェラーゼレベルが得られた。しかし、驚くべきことに、ポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせは、個々のエレメントのいずれかでみられたレベルの何倍もルシフェラーゼレベルを更に強く増加させた。同じmRNAにおいてポリ(A)とヒストンSLとを組み合わせることによるルシフェラーゼレベルの増加の大きさは、これらが相乗的に作用することを証明する。
【0251】
ポリ(A)−ヒストンSL mRNA(+/+)から得られたシグナルをヒストンSL mRNA(−/+)から得られたシグナルとポリ(A)mRNA(+/−)から得られたシグナルとの合計で除すことによって、ポリ(A)とヒストンSLとの相乗効果を定量した(以下の表7を参照)。
【0252】
【表9】
【0253】
このようにして計算された係数は、ポリ(A)及びヒストンSLの効果が純粋に相加的である場合に予測されるよりも、ポリ(A)とヒストンSLとを組み合わせたmRNAから得られるルシフェラーゼレベルの方がどれだけ高いかを示す。ポリ(A)とヒストンSLとを組み合わせたmRNAから得られるルシフェラーゼレベルは、これらの効果が純粋に相加的である場合の最大16.6倍高かった。この結果は、ポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせが、タンパク質発現における著しい相乗的増加に影響を及ぼすことを確認するものである。
【0254】
10.3 ポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせは、その順序に関係なくmRNAからのタンパク質発現を増加させる
ポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせの効果は、ポリ(A)配列の長さ及びポリ(A)とヒストンSLとの順序に依存している可能性があった。したがって、ポリ(A)配列を伸長したmRNA、及びポリ(A)とヒストンSLの順序を逆にしたmRNAを合成した。2つのmRNAは、3’−UTRの3’にA120ポリ(A)配列又はA300ポリ(A)配列を含有していた。1つの更なるmRNAは、3’−UTRの3’に先ずヒストンSL、続いてA250ポリ(A)配列を含有していた。ルシフェラーゼをコードしているmRNA又はコントロールmRNAをHeLa細胞にリポフェクトした。トランスフェクション開始の6時間後、24時間後、及び48時間後にルシフェラーゼレベルを測定した(以下の表8及び
図21を参照)。
【0255】
【表10】
【0256】
A64ポリ(A)配列及びヒストンSLからは、同等のルシフェラーゼレベルが得られた。前述の実験と一致して、A64とヒストンSLとの組み合わせは、個々のエレメントのいずれかでみられたレベルの何倍もルシフェラーゼレベルを強く増加させた。同じmRNAにおいてポリ(A)とヒストンSLとを組み合わせることによるルシフェラーゼレベルの増加の大きさは、これらが相乗的に作用することを証明する。前述の通り、A64−ヒストンSL mRNA、A64mRNA、及びヒストンSL mRNAのルシフェラーゼレベルに基づいて、A64とヒストンSLとの相乗効果を定量した(以下の表9を参照)。A64とヒストンSLとを組み合わせたmRNAから得られるルシフェラーゼレベルは、ポリ(A)及びヒストンSLの効果が純粋に相加的である場合の最大61.7倍高かった。
【0257】
【表11】
【0258】
対照的に、A64からA120、又はA300へとポリ(A)配列の長さを伸長しても、ルシフェラーゼレベルはほんの僅かしか増加しなかった(表8及び
図19を参照)。また、最も長いポリ(A)配列(A300)を有するmRNAを、同様の長さのポリ(A)配列をヒストンSLと組み合わせたmRNA(ヒストンSL−A250)と比較した。A64−ヒストンSL mRNAと比べてこのmRNAでは、長いポリ(A)配列を有することに加えて、ヒストンSLとポリ(A)の順序が逆になっている。A250とヒストンSLとの組み合わせは、ヒストンSL又はA300でみられるレベルの何倍もルシフェラーゼレベルを強く増加させた。また、前述の通り、ヒストンSL−A250mRNAから得られたRLUとA300mRNAから得られたRLU+ヒストンSL mRNAから得られたRLUとを比較することにより、A250とヒストンSLとの相乗効果を定量した(表10を参照)。A250とヒストンSLとを組み合わせたmRNAから得られるルシフェラーゼレベルは、ポリ(A)及びヒストンSLの効果が純粋に相加的である場合の最大17.0倍高かった。
【0259】
【表12】
【0260】
要約すると、実質的に異なる長さのポリ(A)について、ポリ(A)とヒストンSLの順序には関係なく、mRNAからのタンパク質発現に対してヒストンSLとポリ(A)との組み合わせが高い相乗効果を示すことが証明された。
【0261】
10.4 ポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせによるタンパク質発現の増加は特異的である
mRNAからのタンパク質発現に対するポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせの効果が特異的であるかどうかを調べるために、ポリ(A)と別の配列との組み合わせを含むmRNAを合成した:これらmRNAは、それぞれ、A64の3’に7つの異なる配列のうちの1つを含有していた。ルシフェラーゼをコードしているmRNA又はコントロールmRNAをHeLa細胞にエレクトロポレーションした。トランスフェクションの6時間後、24時間後、及び48時間後にルシフェラーゼレベルを測定した(以下の表11及び
図22を参照)。
【0262】
【表13】
【0263】
ポリ(A)配列及びヒストンSLからは、同等のルシフェラーゼレベルが得られた。また、ポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせは、個々のエレメントのいずれかでみられたレベルの何倍もルシフェラーゼレベルを強く増加させた。したがって、相乗的に作用した。対照的に、ポリ(A)と別の配列のいずれかとの組み合わせは、ポリ(A)配列のみを含有するmRNAに比べてルシフェラーゼレベルに対する効果はなかった。したがって、ポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせは、相乗的にmRNAからのタンパク質発現を増加させる、この効果は特異的である。
【0264】
10.5 ポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせは、インビボにおいてmRNAからのタンパク質発現を相乗的に増加させる
インビボにおけるmRNAからのタンパク質発現に対するポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせの効果を調べるために、アルファグロビン3’−UTRの3’に様々な配列を含むルシフェラーゼをコードしているmRNA又はコントロールmRNAをマウスに経皮注射した:前記mRNAは、3’−UTRの3’にA64ポリ(A)配列、ヒストンSL、又はA64ポリ(A)配列とヒストンSLの両方を含んでいた。注射の16時間後にルシフェラーゼレベルを測定した(以下の表12及び
図23を参照)。
【0265】
【表14】
【0266】
ヒストンSL又はポリ(A)配列を有するmRNAからルシフェラーゼが発現した。しかし、ポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせは、個々のエレメントのいずれかでみられたレベルの何倍もルシフェラーゼレベルを更に強く増加させた。同じmRNAにおいてポリ(A)とヒストンSLとを組み合わせることによるルシフェラーゼレベルの増加の大きさは、これらが相乗的に作用することを証明する。
【0267】
ポリ(A)−ヒストンSL mRNA(+/+)から得られたシグナルをヒストンSL mRNA(−/+)から得られたシグナルとポリ(A)mRNA(+/−)から得られたシグナルとの合計で除すことによって、ポリ(A)とヒストンSLとの相乗効果を定量した(以下の表13を参照)。
【0268】
【表15】
【0269】
このようにして計算された係数は、ポリ(A)及びヒストンSLの効果が純粋に相加的である場合に予測されるよりも、ポリ(A)とヒストンSLとを組み合わせたmRNAから得られるルシフェラーゼレベルの方がどれだけ高いかを示す。ポリ(A)とヒストンSLとを組み合わせたmRNAから得られるルシフェラーゼレベルは、これらの効果が純粋に相加的である場合の8倍高かった。この結果は、ポリ(A)とヒストンSLとの組み合わせが、インビボにおけるタンパク質発現における著しい相乗的増加に影響を及ぼすことを確認するものである。
【0270】
11. 抗体の発現及び特性評価
細胞株
CHO−K1又はBHK−21(シリアンハムスターの腎臓、HER2陰性)細胞において、ヒト化抗体をRNAに基づいて発現させる。腫瘍細胞株BT−474は、HER2を強く発現するので、FACS分析によって抗体のレベルを記録するために用いる。CHOを除く全ての細胞株を、供与者の情報に従ってFCS及びグルタミンを添加したRPMI培地で維持する。CHO細胞は、10%FCSを添加したHam’s F12培地で成長させる。全ての細胞株は、German collection of cell cultures(DSMZ,Braunschweig,Germany)から入手することができる。
【0271】
抗体発現
ヒト化抗体ハーセプチン(トラスツズマブ)をコードしている様々な量のmRNA(
図24及び25によって定義されている通りG/Cリッチ)を、エレクトロポレーション(CHOについては、300V、450μF、BHKについては、300V、150μF)によってCHO細胞又はBHK細胞にトランスフェクトする。トランスフェクション後、1ウェル当たり200.000細胞〜400.000細胞の密度で24ウェル細胞培養プレートに前記細胞を播種する。分泌されたタンパク質を回収するために、前記細胞がプラスチック表面に付着した後、培地を250μLの新鮮培地に交換する。分泌されたタンパク質を24時間〜96時間かけて回収し、4℃で保存する。更に、0.5%BSAを含有しているリン酸緩衝生理食塩水(1×PBSバッファ)50μLに前記細胞を収集し、3回の凍結融解サイクルによって破壊する。細胞溶解物を遠心分離によって清澄にし、−80℃で保存する。
【0272】
ウエスタンブロット解析
トランスフェクトしたRNAの翻訳を検出するために、細胞培養上清又は細胞溶解物から得られたタンパク質を12%SDS−PAGEによって分離し、ニトロセルロース膜にブロッティングする。ヒト化抗体ハーセプチン(Roche)をコントロールとして用いてよい。ブロッティングが完了した後、ビオチン化ヤギ抗ヒトIgG抗体(Dianova)、ストレプトアビジン結合セイヨウワサビペルオキシダーゼ(BD)、及び化学発光基質(SuperSignal West Pico,Pierce)と共に前記膜を連続的にインキュベートする。Fuji LAS−1000化学発光カメラを用いて染色を検出する。
【0273】
FACS分析
機能性抗体の形成は、抗原発現標的細胞のFACS染色によって立証することができる。機能性抗体の産生について調べるために、RNAをトランスフェクトした細胞の細胞培養上清を、48時間〜96時間後に回収する。約200.000個のHER2を発現している標的BT−474細胞を、コントロール抗体(ハーセプチン、Roche)又は細胞培養上清と共にインキュベートする。結合抗体を検出するために、ビオチン化ヤギ抗ヒトIgG(Dianova)及びPE標識ストレプトアビジン(Invitrogen)で細胞を染色する。FACS CantoII(BD)で細胞を解析する。