特許第6720239号(P6720239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6720239
(24)【登録日】2020年6月19日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】自動車充電プラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 31/06 20060101AFI20200629BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20200629BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   H01R31/06 P
   H01R31/06 A
   B60L53/16
   H02J7/00 301B
   H02J7/00 P
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-49392(P2018-49392)
(22)【出願日】2018年3月16日
(65)【公開番号】特開2018-163876(P2018-163876A)
(43)【公開日】2018年10月18日
【審査請求日】2018年3月16日
(31)【優先権主張番号】10 2017 105 835.4
(32)【優先日】2017年3月17日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】10 2017 108 174.7
(32)【優先日】2017年4月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517323669
【氏名又は名称】ハルティング オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HARTING Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ブルーラント
(72)【発明者】
【氏名】カーステン バイムディーク
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−082340(JP,A)
【文献】 特開2012−105513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 31/06
B60L 53/16
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの信号接点エレメントと少なくとも2つの出力接点エレメント(5)とを備えた、電気自動車用の自動車充電プラグコネクタ(1)であって、
前記自動車充電プラグコネクタ(1)は、プラグコネクタボディ(2)と接点担体(3)とを有しており、該接点担体(3)は、差込み側において前記プラグコネクタボディ(2)に配置されており、
前記接点担体(3)は、着脱自在に前記プラグコネクタボディ(2)に固定されている、自動車充電プラグコネクタ(1)において、
前記信号接点エレメントは、前記プラグコネクタボディ(2)内において固定されているケーブル接続部分と、前記接点担体(3)内において固定された接点部分とを有し、
前記出力接点エレメント(5)は、前記プラグコネクタボディ(2)内において固定されていて、前記出力接点エレメント(5)の少なくとも1つの部分は、それぞれ軸方向において前記接点担体(3)内に進入しており、
前記出力接点エレメント(5)は、前記接点担体(3)内に固定されずに配置され、かつケーブル接続部分と接点部分とから成っていて、前記ケーブル接続部分は、ねじ結合部を介して前記接点部分に着脱自在に結合されている
ことを特徴とする自動車充電プラグコネクタ(1)。
【請求項2】
前記自動車充電プラグコネクタ(1)は、少なくとも2つの信号接点エレメントを有している、請求項1記載の自動車充電プラグコネクタ(1)。
【請求項3】
前記自動車充電プラグコネクタ(1)は、ケーブル接続部分(10.1)と接点部分(10.2)とから成る、2部分から形成されたPE接点エレメント(10)を有しており、かつ前記ケーブル接続部分(10.1)は、前記プラグコネクタボディ(2)内に配置され、かつ固定されており、前記接点部分(10.2)は、前記接点担体(3)内に配置され、かつ固定されている、請求項1または2記載の自動車充電プラグコネクタ(1)。
【請求項4】
前記ケーブル接続部分(10.1)は、差込み側においてソケットとして形成されていて、前記接点部分(10.2)は、接続側において接点ピンとして形成されている、請求項記載の自動車充電プラグコネクタ(1)。
【請求項5】
前記接点担体(3)は、ねじ結合部を介して着脱自在に前記プラグコネクタボディ(2)に固定されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の自動車充電プラグコネクタ(1)。
【請求項6】
前記プラグコネクタボディ(2)に保持グリップ(6)が一体成形されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の自動車充電プラグコネクタ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立した請求項1の前段部に記載された自動車充電プラグコネクタから出発する。
【0002】
このような自動車充電プラグコネクタは、電気自動車の充電過程時に高電流を伝達する。
【0003】
従来の技術
このような自動車充電プラグコネクタは、特開平06−290358号公報に基づいて、特に自動車用の充電プラグとして公知である。電気自動車が益々増えてくるに連れて、電気自動車のバッテリを再び充電するために、容易に取扱い可能な可能性を提供することが必要とされている。そのために充電ステーションが開発されており、これらの充電ステーションにおいて、自動車にガソリンもしくはディーゼル燃料が給油される汎用の給油箇所におけると同様に、電気自動車に電流を「補充」することができる。
【0004】
米国特許出願公開第2014/0084678号明細書には、少なくとも2つの接点エレメントを備えた、電気自動車用の自動車充電プラグコネクタが開示されており、このとき自動車充電プラグコネクタは、プラグコネクタボディと接点担体とを有しており、この接点担体は、差込み側においてプラグコネクタボディに配置されており、このとき接点担体は、可逆式にプラグコネクタボディに固定されている。
【0005】
独国特許出願公開第102013007330号明細書、仏国特許出願公開第2979490号明細書および米国特許出願公開第2016/0288658号明細書には、それぞれアダプタを備えた自動車充電プラグコネクタが開示されており、これによって自動車充電プラグコネクタを種々異なった国のシステムにおいて使用することができる。
【0006】
独国特許出願公開第102011106335号明細書には、種々異なった国固有の充電電流に自動車充電プラグコネクタを適合させることができる方法が開示されている。
【0007】
電気自動車は、バッテリを充電するために充電ケーブルを介して充電ステーションに接続される。充電ケーブルは、通常、充電ステーションに固定されており、かつ端部に自動車充電プラグコネクタを備えていて、この自動車充電プラグコネクタは、電気自動車の、そのために設けられた充電ソケット内に差込み可能である。電気自動車は、日々の使用において極めてしばしば充電されるので、自動車充電プラグコネクタは、多くの差込みサイクルを克服する必要がある。極めて高価な自動車充電プラグコネクタは、安全性の理由から、所定数の差込みサイクル経過後に交換する必要がある。
【0008】
自動車充電プラグコネクタは、特に誰にとっても簡単に差込み可能であり、かつ再び取外し可能であることが望まれている。このことは特に、このようなプラグをそれに取り付けられた電気ケーブルと共に同様に簡単かつ確実に取り扱うことが必要な、小柄で、非力かつ華奢な人に対しても言える。
【0009】
課題の設定
本発明の課題は、簡単に取扱い可能でかつ安価に用いることができる、電気自動車用の自動車充電プラグコネクタを提供することである。
【0010】
この課題は、独立した請求項1の対象によって解決される。
【0011】
本発明の好適な構成は、従属請求項に記載されている。
【0012】
本発明に係る自動車充電プラグコネクタは、電気自動車を充電するために設けられている。自動車充電プラグコネクタは、少なくとも1つの、好ましくはしかしながら少なくとも2つの信号接点エレメントと、少なくとも2つの出力接点エレメントとを有している。信号接点エレメントを介して、充電過程は開始され、チャージすべきバッテリおよび外的条件に応じて、運転時に電気的に調整される。出力接点エレメントを介して、充電過程を迅速に実施できるようにするために、しばしば高い充電電流が伝達される。自動車充電プラグコネクタは、プラグコネクタボディと接点担体とを有している。接点担体は、差込み側においてプラグコネクタボディに配置されている。接点担体は、可逆式にプラグコネクタボディに固定されている。
【0013】
好ましくは、信号接点エレメントは、ケーブル接続部分と接点部分とから成っている。これによって信号接点エレメントは、2部分から形成されている。このとき好ましくは、ケーブル接続部分は、差込み側においてソケットとして形成されていて、接点部分は、接続側において相応に接点ピンとして形成されている。このソケット/ピン結合部を介して、信号接点エレメントは、可逆式に差し合わせることができ、かつ導電接続させることができる。
【0014】
好ましくは、信号接点エレメントのケーブル接続部分は、プラグコネクタボディ内に配置されていて、かつそこにおいて固定されている。信号接点エレメントの接点部分は、接点担体内に配置されていて、そこにおいてまた固定されている。この固定は例えば係止部を介して実現することができる。
【0015】
好適な実施形態において、自動車充電プラグコネクタは、ケーブル接続部分と接点部分とから成る、2部分から形成されたPE接点エレメントを有している。PK接点エレメントは、信号接点エレメントと同等に構成されており、かつ同様にソケット/ピン原理によって互いに結合されている。ケーブル接続部分は、プラグコネクタボディ内に配置されていて、かつそこにおいてまた固定されており、接点部分は、接点担体内に配置されていて、そこで固定されている。
【0016】
信号接点もしくはPE接点の接続部分には、充電ケーブルの導体が、好ましくは、圧着技術を用いて接続されている。接点部分には、充電ソケットの対応接点エレメントへの電気的な接点が形成される。
【0017】
本発明の特に好適な実施形態では、出力接点エレメントは、プラグコネクタボディ内において固定されており、かつ出力接点エレメントの少なくとも1つの部分は、軸方向において接点担体内に進入している。出力接点エレメントは、プラグコネクタボディ内において固定されているが、しかしながら接点担体内においては必ずしも固定されていない。出力接点は、上に述べた発明によれば、2部分から構成されており、このとき接点担体は、摩耗時に交換することができる。
【0018】
接点担体は、可逆式にプラグコネクタボディに固定されている。プラグコネクタボディからの接点担体の取外し時に、2部分から形成された信号接点エレメントと、2部分から形成されたPE接点エレメントとは分離される。それぞれの接続部分は、プラグコネクタボディ内に留まり、それぞれの接点部分は、接点担体内に留まっている。しかしながら出力接点エレメントは、プラグコネクタボディ内においてしか固定されておらず、接点担体の取外し時に、差込み側においてプラグコネクタボディから進出している。純粋に理論的には、自動車充電プラグコネクタは、接点担体なしでも、電気自動車の充電ソケット内に差し込むことが可能である。しかしながら接点担体内には信号接点エレメントの接点部分が存在しないので、充電ステーションからは充電電流が伝達されず、充電過程は開始されない。
【0019】
接点担体は、摩耗後または相応の数の差込みサイクル経過後に、信号接点エレメントおよびPE接点エレメントの接点部分と一緒に、予防的に交換することもできる。しかしながらまた簡単な形式で、接点担体内における接点だけを交換することも可能である。しかしながら接続された充電ケーブルと一緒にプラグコネクタボディを、引き続き使用することが可能である。
【0020】
好ましくは、出力接点エレメントは、ケーブル接続部分と接点部分とから成っている。このケーブル接続部分は、ねじ結合部を介して接点部分に可逆式に結合されている。このような結合形態は、機械的に特に安定的であり、かつ出力接点エレメントの電流耐性において利点を有している。接点担体が取り外されている場合には、充電ケーブルの相応の芯線への新たな接続を必要とすることなしに、出力接点エレメントの接点部分を交換することができる。これによって提案された自動車充電プラグコネクタは、特に保守がし易い。
【0021】
好ましくは、接点担体は、ねじ結合部を介して可逆式にプラグコネクタボディに固定されている。これによって接点担体の交換は、簡単かつ迅速に行うことができる。接点担体の交換可能性によって、自動車充電プラグコネクタは、極めて安価に扱うことができる。それというのは、プラグコネクタボディ内に収容されている高価なコンポーネントの大部分を引き続き使用することができるからである。
【0022】
実施形態
次に、図面を参照しながら本発明の1実施形態を詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る自動車充電プラグコネクタを示す斜視図である。
図2】本発明に係る自動車充電プラグコネクタを、取り外された接点担体と共に示す図である。
図3】接点担体および充電ソケットなしに、本発明に係る自動車充電プラグコネクタを示す斜視図である。
図4】プラグコネクタボディと接点担体との接点領域を示す概略図である。
【0024】
図面には、部分的に簡単化された概略図が示されている。部分的に、等しい、しかしながら場合によっては同一ではないエレメントに対して、同一符号が使用される。等しいエレメントの異なった図面は、異なったスケールで示されていてもよい。
【0025】
図1には、本発明に係る自動車充電プラグコネクタ1が斜視図で示されている。この自動車充電プラグコネクタ1は、主として、プラグコネクタボディ2と差込み側においてプラグコネクタボディ2にねじ結合された接点担体3とから成っている。自動車充電プラグコネクタ1には、充電ケーブル4が接続されている。充電ケーブル4内には、自動車充電プラグコネクタの相応の接点エレメントに電気的に接触接続されている個々の導体(図示せず)が設けられている。充電ケーブル4は、冷却水管路(図示せず)をも有しており、この冷却水管路は、出力接点エレメント5に直接接続されている。これによって特に高い電流を伝達することができ、かつ迅速な充電過程を実現することができる。出力接点エレメント5は、差込み側においてソケットコンタクトとして形成されている。プラグコネクタボディ2には、グリップ6が一体成形されている。グリップ領域には、充電電流を伝達する導体は延びていないので、グリップ領域が過熱することはあり得ない。これによって自動車充電プラグコネクタ1の操作快適性は、高められる。
【0026】
図3において見ることができる充電ソケット7は、例えば電気自動車(図示せず)において見ることができる。充電ソケット7は、8字形の横断面を有している。下側領域には、充電電流を伝達するための2つの接点エレメント8が配置されている。接点エレメント8は、接点側において接点ピンとして形成されている。充電ソケット7の上側領域には、別の接点エレメント9が配置されており、これらの接点エレメント9は、PE接点としてもしくは充電過程のための信号接点エレメントとして機能する。理論的には、プラグコネクタボディ2は、図3に示されているように、プラグコネクタ2に取り付けられた接点担体3なしに、充電ソケット7内に差し込むことができる。出力接点エレメント5は、この場合充電ソケット7の所属の接点エレメント8とも接触接続するが、しかしながら電流は流れない。それというのは、プラグコネクタボディ2の信号接点エレメントは、充電ソケットの相応の接点エレメント9への電気的な接点を有しないからである。
【0027】
図4には、信号接点エレメントと、PE接点エレメント10の例におけるPE接点エレメントとの2部分から成る構成が示されている。信号接点エレメントは、PE接点エレメント10と同じに形成されている。図面を見易くする理由から、出力接点エレメント5は図4には示されていない。PE接点エレメント10は、ケーブル接続部分10.1と接点部分10.2とから成っている。ケーブル接続部分10.1には、充電ケーブル4のPE導体11が接続されている。そのためには、圧着結合が選択される。差込み側においてケーブル接続部分10.1はソケットとして形成されている。接点部分は、接続側において相応に接点ピンとして形成され、かつ差込み側においてソケットとして形成されている。ケーブル接続部分10.1は、プラグコネクタボディ内において固定されている。接点部分10.2に接点担体3内において係止されているか、または択一的に市販のスナップリングを用いて固定されている。接点部分10.2の溝内に配置されたシール部材12は、自動車充電プラグコネクタ1を侵入する湿気に対して保護する。
【0028】
プラグコネクタボディ2と接点担体3とを結合する場合、PE接点エレメント10のケーブル接続部分10.1と接点部分10.2とが結合されて、互いに差し合わされ、そして互いに電気的に接続される。同じことは、信号接点エレメントによっても行われる。出力接点エレメント5は、単にプラグコネクタボディ2において固定されている。出力接点エレメント5の、ソケットとして形成された前側の部分は、接点担体3を軸方向において貫通するが、しかしながらここでは係止されていないか、または何か他の方法で固定されている。
【符号の説明】
【0029】
1 自動車充電プラグコネクタ
2 プラグコネクタボディ
3 接点担体
4 充電ケーブル
5 出力接点エレメント
6 グリップ
7 充電ソケット
8 接点エレメント
9 接点エレメント
10 PE接点エレメント
11 PE導体
12 シール部材
図1
図2
図3
図4