(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
同一位置間隔を有する前記すべての2つのスペクトル周波数パラメータは、すべての2つの隣接スペクトル周波数パラメータ、または、スペクトル周波数パラメータの同一数量により離間されたすべての2つのスペクトル周波数パラメータである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
高帯域励起信号を予測するための装置であって、受信された低帯域ビットストリームに基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを取得するように構成された第1取得ユニットであって、前記スペクトル周波数パラメータは、低帯域線スペクトル周波数(LSF)パラメータまたは低帯域イミタンススペクトル周波数(ISF)パラメータを含む、第1取得ユニットと、
前記スペクトル周波数パラメータの一部またはすべてにおいて同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差を計算するように構成された計算ユニットと、
前記計算ユニットによって計算された前記スペクトル周波数パラメータ差に基づいて、最小スペクトル周波数パラメータ差を取得するように構成された第2取得ユニットと、
前記第2取得ユニットによって取得された前記最小スペクトル周波数パラメータ差に対応する周波数ビンに基づいて、低帯域励起信号から高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定するように構成された開始周波数ビン決定ユニットと、
前記開始周波数ビン決定ユニットによって決定された前記開始周波数ビンに基づいて、前記低帯域励起信号から前記高帯域励起信号を予測するように構成された高帯域励起予測ユニットと
を備える装置。
同一位置間隔を有する前記すべての2つのスペクトル周波数パラメータは、すべての2つの隣接スペクトル周波数パラメータ、または、スペクトル周波数パラメータの同一数量により離間されたすべての2つのスペクトル周波数パラメータである、請求項9〜13のいずれか一項に記載の装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、
高帯域励起信号をより確実に予測することができる
高帯域励起信号を予測するための方法および装置を開示し、それによって
高帯域励起信号の性能を改善する。
【0006】
本発明の実施形態の第1態様は、
高帯域励起信号を予測するための方法を開示しており、
受信された
低帯域ビットストリームに基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを取得するステップであって、スペクトル周波数パラメータは、
低帯域線スペクトル周波数(Line
Spectral Frequency, LSF)パラメータまたは
低帯域イミタンススペクトル周波数(Immittance Spectral Frequencies, ISF)パラメータを含む、ステップと、
スペクトル周波数パラメータのセットに対して、スペクトル周波数パラメータの一部またはすべてにおいて同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差を計算するステップと、
計算されたスペクトル周波数パラメータ差から、最小スペクトル周波数パラメータ差を取得するステップと、
最小スペクトル周波数パラメータ差に対応する周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定するステップと、
開始周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するステップと
含む。
【0007】
本発明の実施形態の第1態様の第1の可能な実施方式において、受信された
低帯域ビットストリームに基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを取得するステップは、
周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化するステップ、または
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化するステップ、および、
低帯域信号に基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを計算するステップ
を含む。
【0008】
本発明の実施形態の第1態様の第1の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第1態様の第2の可能な実施方式において、もし周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットが、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号化
することによって得られる場合、方法は、
低帯域励起信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化するステップをさらに含み、かつ
開始周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するステップは、
低帯域励起信号から、開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択するステップを含む。
【0009】
本発明の実施形態の第1態様の第2の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第1態様の第3の可能な実施方式において、方法は、
復号化によって得られたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域LPC係数に変換するステップと、
低帯域LPC係数および
低帯域励起信号を使用して
低帯域信号を合成するステップと、
低帯域LPC係数に基づいて、
高帯域または広帯域LPC係数を予測するステップと、
高帯域励起信号および
高帯域または広帯域LPC係数を使用して
高帯域信号を合成するステップと、
広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合するステップと
をさらに含む。
【0010】
本発明の実施形態の第1態様の第2の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第1態様の第4の可能な実施方式において、方法は、
復号化によって得られたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域LPC係数に変換するステップと、
低帯域LPC係数および
低帯域励起信号を使用して
低帯域信号を合成するステップと、
低帯域信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測するステップと、
高帯域励起信号および
高帯域エンベロープを使用して
高帯域信号を合成するステップと、
広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合するステップと
をさらに含む。
【0011】
本発明の実施形態の第1態様の第1の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第1態様の第5の可能な実施方式において、もし
低帯域信号が、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号化
することによって得られ、かつ周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットが
低帯域信号に基づいて計算される場合、開始周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するステップは、
低帯域励起信号を得るために、LPC分析フィルタを使用して低周波信号を処理するステップと、
低帯域励起信号から、開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択するステップと
を含む。
【0012】
本発明の実施形態の第1態様の第5の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第1態様の第6の可能な実施方式において、方法は、
計算されたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域LPC係数に変換するステップと、
低帯域LPC係数に基づいて、
高帯域または広帯域LPC係数を予測するステップと、
高帯域励起信号および
高帯域または広帯域LPC係数を使用して
高帯域信号を合成するステップと、
広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合するステップと
をさらに含む。
【0013】
本発明の実施形態の第1態様の第5の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第1態様の第7の可能な実施方式において、方法は、
低帯域信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測するステップと、
高帯域励起信号および
高帯域エンベロープを使用して
高帯域信号を合成するステップと、
広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合するステップと
をさらに含む。
【0014】
本発明の実施形態の第1態様または本発明の実施形態の第1態様の第1から第7の可能な実施方式のいずれ1つを参照して、本発明の実施形態の第1態様の第8の可能な実施方式において、同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータは、すべての2つの隣接スペクトル周波数パラメータ、または、スペクトル周波数パラメータの同一数量により離間されたすべての2つのスペクトル周波数パラメータを含む。
【0015】
本発明の実施形態の第2態様は、
高帯域励起信号を予測するための装置を開示しており、装置は、
受信された
低帯域ビットストリームに基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを取得するように構成された第1取得ユニットであって、スペクトル周波数パラメータは、
低帯域線スペクトル周波数
(LSF
)パラメータまたは
低帯域イミタンススペクトル周波数ISFパラメータを含む、第1取得ユニットと、
第1取得ユニットによって取得されたスペクトル周波数パラメータのセットに対して、スペクトル周波数パラメータの一部またはすべてにおいて同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差を計算するように構成された計算ユニットと、
計算ユニットによって計算されたスペクトル周波数パラメータ差から、最小スペクトル周波数パラメータ差を取得するように構成された第2取得ユニットと、
第2取得ユニットによって取得された最小スペクトル周波数パラメータ差に対応する周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定するように構成された開始周波数ビン決定ユニットと、
開始周波数ビン決定ユニットによって決定された開始周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するように構成された
高帯域励起予測ユニットと
を備える。
【0016】
本発明の実施形態の第2態様の第1の可能な実施方式において、第1取得ユニットは、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化するように特に構成され、または、
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化し、かつ
低帯域信号に基づいて周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを計算するように特に構成される。
【0017】
本発明の実施形態の第2態様の第1の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第2態様の第2の可能な実施方式において、もし第1取得ユニットが、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化するように特に構成される場合、装置は、
低帯域励起信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化するように構成される復号化ユニットをさらに備え、かつ
高帯域励起予測ユニットは、復号化ユニッ
トによって得られた
低帯域励起信号から、開始周波数ビン決定ユニットによって決定された開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択するように特に構成される。
【0018】
本発明の実施形態の第2態様の第2の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第2態様の第3の可能な実施方式において、装置は、
第1取得ユニッ
トによって得られたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域線形予測係数(LPC
)係数に変換するように構成された第1変換ユニットと、
第1変換ユニットによる変換によって得られた
低帯域LPC係数と、復号化ユニッ
トによって得られた
低帯域励起信号とを
低帯域信号に合成するように構成された第1
低帯域信号合成ユニットと、
第1変換ユニットによる変換によって得られた
低帯域LPC係数に基づいて、
高帯域または広帯域LPC係数を予測するように構成された第1LPC係数予測ユニットと、
高帯域励起予測ユニットにより選択された
高帯域励起信号と、第1LPC係数予測ユニットにより予測された
高帯域または広帯域LPC係数とを使用して、
高帯域信号を合成するように構成された第1
高帯域信号合成ユニットと、
広帯域信号を得るために、第1
低帯域信号合成ユニットにより合成された
低帯域信号を、第1
高帯域信号合成ユニットにより合成された
高帯域信号と結合するように構成された第1広帯域信号合成ユニット
をさらに備える。
【0019】
本発明の実施形態の第2態様の第2の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第2態様の第4の可能な実施方式において、装置は、
第1取得ユニットによって得られたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域線形予測係数(LPC
)係数に変換するように構成された第2変換ユニットと、
第2変換ユニットによる変換によって得られた
低帯域LPC係数と、復号化ユニッ
トによって得られた
低帯域励起信号とを、
低帯域信号に合成するように構成された第2
低帯域信号合成ユニットと、
第2
低帯域信号合成ユニットにより合成された
低帯域信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測するように構成された第1
高帯域エンベロープ予測ユニットと、
高帯域励起予測ユニットにより選択された
高帯域励起信号と、第1
高帯域エンベロープ予測ユニットにより予測された
高帯域エンベロープとを使用して、
高帯域信号を合成するように構成された第2
高帯域信号合成ユニットと、
広帯域信号を得るために、第2
低帯域信号合成ユニットにより合成された
低帯域信号を、第2
高帯域信号合成ユニットにより合成された
高帯域信号と結合するように構成された第2広帯域信号合成ユニットと
をさらに備える。
【0020】
本発明の実施形態の第2態様の第1の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第2態様の第5の可能な実施方式において、もし第1取得ユニットが、
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化し、かつ、
低帯域信号に基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを計算するように特に構成される場合、
高帯域励起予測ユニットは、
低帯域励起信号を得るために、LPC分析フィルタを使用して低周波信号を処理し、かつ
低帯域励起信号から、開始周波数ビン決定ユニットによって決定された開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択するように特に構成される。
【0021】
本発明の実施形態の第2態様の第5の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第2態様の第6の可能な実施方式において、装置は、
第1取得ユニットにより得られた計算されたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域線形予測係数(LPC
)係数に変換するように構成された第3変換ユニットと、
第3変換ユニットによる変換によって得られた
低帯域LPC係数に基づいて、
高帯域または広帯域LPC係数を予測するように構成された第2LPC係数予測ユニットと、
高帯域励起予測ユニットにより選択された
高帯域励起信号と、第2LPC係数予測ユニットにより予測された
高帯域または広帯域LPC係数とを使用して、
高帯域信号を合成するように構成された第3
高帯域信号合成ユニットと、
広帯域信号を得るために、第1取得ユニッ
トによって得られた
低帯域信号を、第3
高帯域信号合成ユニットにより合成された
高帯域信号と結合するように構成された第3広帯域信号合成ユニットと
をさらに備える。
【0022】
本発明の実施形態の第2態様の第5の可能な実施方式を参照して、本発明の実施形態の第2態様の第7の可能な実施方式において、装置は、
第1取得ユニッ
トによって得られた
低帯域信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測するように構成された第3
高帯域エンベロープ予測ユニットと、
高帯域励起予測ユニットにより選択された
高帯域励起信号と、第3
高帯域エンベロープ予測ユニットにより予測された
高帯域エンベロープとを使用して、
高帯域信号を合成するように構成された第4
高帯域信号合成ユニットと、
広帯域信号を得るために、第1取得ユニッ
トによって得られた
低帯域信号を、第4
高帯域信号合成ユニットにより合成された
高帯域信号と結合するように構成された第4広帯域信号合成ユニットと
をさらに備える。
【0023】
本発明の実施形態の第2態様または本発明の実施形態の第2態様の第1から第7の可能な実施方式のいずれか1つを参照して、本発明の実施形態の第2態様の第8の可能な実施方式において、同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータは、すべての2つの隣接スペクトル周波数パラメータ、または、スペクトル周波数パラメータの同一数量により離間されたすべての2つのスペクトル周波数パラメータを含む。
【0024】
本発明の実施形態において、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットが、受信された
低帯域ビットストリームに基づいて取得された後、スペクトル周波数パラメータのこのセットにおいて同一位置間隔を有する任意の2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差が計算されてもよく、かつさらに、最小スペクトル周波数パラメータ差が、計算されたスペクトル周波数パラメータ差から取得され、スペクトル周波数パラメータは、
低帯域線スペクトル周波数LSFパラメータまたは
低帯域イミタンススペクトル周波数ISFパラメータを含み、かつ従って、最小スペクトル周波数パラメータ差は、最小LSFパラメータ差または最小ISFパラメータ差である。信号エネルギーと、LSFパラメータ差またはISFパラメータ差に対応する周波数ビンとの間のマッピング関係に基づいて、より小さいLSFパラメータ差またはISFパラメータ差がより大きい信号エネルギーを示すことが学習されてもよく、かつ従って、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンは、最小スペクトル周波数パラメータ差に対応する周波数ビン(すなわち、最小LSFパラメータ差または最小ISFパラメータ差)に基づいて決定され、かつ
高帯域励起信号は、開始周波数ビンに基づいて
低帯域から予測され
、比較的良好な符号化品質を有する
高帯域励起信号の予測を実施することができ、その結果、
高帯域励起信号はより確実に予測されることができ、それによって、
高帯域励起信号の性能を効果的に改善する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態の添付図面を参照して、本発明の実施形態における技術的解決策を以下に明
確に説明する。当然ながら、説明される実施形態は、本発明の実施形態のすべてではなく単なる一部に過ぎない。創造的努力なしに本発明の実施形態に基づいて当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲内であるものとする。
【0028】
本発明の実施形態は、
高帯域励起信号をより確実に予測することができる
高帯域励起信号を予測するための方法および装置を開示しており、それによって、
高帯域励起信号の性能を改善する。詳細な説明は別途以下になされる。
【0029】
図1を参照すると、
図1は、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測するための方法の概略的なフローチャートである。
図1に示されるように、
高帯域励起信号を予測するための方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0030】
101:受信された
低帯域ビットストリームに基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを取得し、スペクトル周波数パラメータは、
低帯域LSFパラメータまたは
低帯域ISFパラメータを含む。
【0031】
本発明のこの実施形態において、スペクトル周波数パラメータは、
低帯域LSFパラメータまたは
低帯域ISFパラメータを含み、
低帯域LSFパラメータまたは
低帯域ISFパラメータのそれぞれは周波数にさらに対応し、かつ
低帯域ビットストリームでは、
低帯域LSFパラメータまたは
低帯域ISFパラメータに対応する周波数は、通常昇順に配列されるので、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットは、スペクトル周波数パラメータに対応する周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットである。
【0032】
本発明のこの実施形態において、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットは、受信された
低帯域ビットストリームに基づいてデコーダによって取得されてもよい。デコーダは、AMR-WB音声コーデックにおけるデコーダであってもよく、または音声デコーダ、
低帯域ビットストリームデコーダ、若しくは別のタイプのそのようなものであってもよく、本発明のこの実施形態においては限定されない。本発明のこの実施形態におけるデコーダは、少なくとも1つのプロセッサを備えてもよく、かつデコーダは、少なくとも1つのプロセッサの制御の下で動いてもよい。
【0033】
実施形態において、デコーダがエンコーダによって送信された
低帯域ビットストリームを受信した後、デコーダははじめに、線スペクトル対(Linear Spectral Pairs, LSP)パラメータを得るために、エンコーダによって送信された
低帯域ビットストリームを直接復号化し、かつ次いで、LSPパラメータを
低帯域LSFパラメータに変換してもよく、または、デコーダははじめに、イミタンススペクトル対(Immittance Spectral Pairs, ISP)パラメータを得るために、エンコーダによって送信された
低帯域ビットストリームを直接復号化し、かつ次いで、ISPパラメータを、
低帯域ISFパラメータに変換してもよい。
【0034】
デコーダがLSPパラメータを
低帯域LSFパラメータに変換し、かつデコーダがISPパラメータを
低帯域ISFパラメータに変換する具体的な変換プロセスは、当業者にとって周知であり、かつ本発明のこの実施形態において、ここで詳細には説明されない。
【0035】
本発明のこの実施形態において、スペクトル周波数パラメータはまた、例えばLSPパラメータまたはLSFパラメータのようなLPC係数の任意の周波数領域表示パラメータであってもよく、本発明のこの実施形態においては限定されない。
【0036】
別の実施形態において、エンコーダによって送信された
低帯域ビットストリームを受信した後、デコーダは、
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化し、かつ
低帯域信号に基づいて周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを計算してもよい。
【0037】
具体的には、デコーダは、
低帯域信号に基づいて、LPC係数を計算し、かつ次いで、LPC係数をLSFパラメータまたはISFパラメータに変換してもよく、LPC係数がLSFパラメータまたはISFパラメータに変換される具体的な計算プロセスは、当業者にとって周知でもあり、かつ本発明のこの実施形態において、ここで詳細には説明されもしない。
【0038】
102:取得されたスペクトル周波数パラメータのセットに対して、スペクトル周波数パラメータの一部またはすべてにおいて同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差を計算する。
【0039】
本発明のこの実施形態において、デコーダは、取得されたスペクトル周波数パラメータのセットから、一部のスペクトル周波数パラメータを選択し、かつ選択されたスペクトル周波数パラメータにおいて同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差を計算してもよい。当然ながら、本発明のこの実施形態において、デコーダは、取得されたスペクトル周波数パラメータのセットからすべてのスペクトル周波数パラメータを選択し、かつすべての選択されたスペクトル周波数パラメータにおいて同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差を計算してもよい。すなわち、スペクトル周波数パラメータの一部またはすべてのいずれも、取得されたスペクトル周波数パラメータのセットにおけるスペクトル周波数パラメータである。
【0040】
本発明のこの実施形態において、デコーダが周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセット(すなわち、
低帯域LSFパラメータまたは
低帯域ISFパラメータ)を取得した後、デコーダは、この取得されたスペクトル周波数パラメータのセットに対して、周波数パラメータのこのセット(の一部またはすべて)において、同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差を計算してもよい。
【0041】
実施形態において、同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータは、その位置が隣接するすべての2つのスペクトル周波数パラメータを含み、例えば、周波数の昇順に配列された
低帯域LSFパラメータのセットにおいて位置が隣接する(すなわち、位置間隔が0のLSFパラメータ)すべての2つの
低帯域LSFパラメータであってもよく、または、周波数の昇順に配列された
低帯域ISFパラメータのセットにおいて位置が隣接する(すなわち、位置間隔が0のISFパラメータ)すべての2つの
低帯域ISFパラメータであってもよい。
【0042】
別の実施形態において、同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータは、位置がスペクトル周波数パラメータの同一数量(例えば1つまたは2つのような)により離間されたすべての2つのスペクトル周波数パラメータを含み、例えば、周波数の昇順に配列された
低帯域LSFパラメータのセットにおけるLSF[1]およびLSF[3]、LSF[2]およびLSF[4]、またはLSF[3]およびLSF[5]等であってもよく、LSF[1]およびLSF[3]、LSF[2]およびLSF[4]、並びにLSF[3]およびLSF[5]の位置間隔は、すべて1つのLSFパラメータ、すなわち、LSF[2]、LSF[3]、およびLSF[4]である。
【0043】
103:計算されたスペクトル周波数パラメータ差から、最小スペクトル周波数パラメータ差を取得する。
【0044】
本発明のこの実施形態において、スペクトル周波数パラメータ差を計算した後、デコーダは、計算されたスペクトル周波数パラメータ差から、最小スペクトル周波数パラメータ差を取得してもよい。
【0045】
104:最小スペクトル周波数パラメータ差に対応する周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定する。
【0046】
本発明のこの実施形態において、最小スペクトル周波数パラメータ差は2つの周波数ビンに対応するので、デコーダは、2つの周波数ビンに基づいて
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定してもよい。例えば、デコーダは、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンとして、2つの周波数ビンの中で小さい方の周波数ビンを使用してもよく、または、デコーダは、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンとして、2つの周波数ビンの中で大きい方の周波数ビンを使用してもよく、または、デコーダは、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンとして、2つの周波数ビン間に位置する周波数ビンを使用してもよく、すなわち、選択された開始周波数ビンは、2つの周波数ビンの中で小さい方の周波数ビンよりも大きくまたはこれに等しく、かつ、2つの周波数ビンの中で大きい方の周波数ビンよりも小さくまたはこれに等しく、かつ開始周波数ビンの具体的な選択は、本発明のこの実施形態においては限定されない。
【0047】
例えば、もしLSF[2]およびLSF[4]間の差が最小LSF差である場合、デコーダは、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンとして、LSF[2]に対応する最小周波数ビンを使用してもよく、または、デコーダは、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンとして、LSF[4]に対応する最大周波数ビンを使用してもよく、または、デコーダは、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンとして、LSF[2]に対応する最小周波数ビンと、LSF[4]に対応する最大周波数ビンとの間の周波数ビン範囲内の周波数ビンを使用してもよく、本発明のこの実施形態においては限定されない。
【0048】
105:開始周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測する。
【0049】
本発明のこの実施形態において、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定した後、デコーダは、
低帯域から
高帯域励起信号を予測してもよい。例えば、デコーダは、
低帯域ビットストリームに対応する
低帯域励起信号から、開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択する。
【0050】
図1に説明される方法においては、受信された
低帯域ビットストリームに基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを取得した後、デコーダは、スペクトル周波数パラメータのこのセットにおいて、同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差を計算してもよく、かつ計算されたスペクトル周波数パラメータ差から最小スペクトル周波数パラメータ差をさらに取得し、スペクトル周波数パラメータは、
低帯域線スペクトル周波数
(LSF
)パラメータまたは
低帯域イミタンススペクトル周波数ISFパラメータを含み、かつ従って、最小スペクトル周波数パラメータ差は、最小LSFパラメータ差または最小ISFパラメータ差である。信号エネルギーと、LSFパラメータ差またはISFパラメータ差に対応する周波数ビンとの間のマッピング関係に基づいて、より小さいLSFパラメータ差またはISFパラメータ差がより大きい信号エネルギーを示すことが学習されてもよく、かつ従って、デコーダは、最小スペクトル周波数パラメータ差(すなわち、最小LSFパラメータ差または最小ISFパラメータ差)に対応する周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定し、かつ
高帯域励起信号の開始周波数ビンに基づいて
低帯域から
高帯域励起信号を予測し、それは良好な符号化品質を有する
高帯域励起信号の予測を実施することができ、その結果、
高帯域励起信号がより確実に予測されることができ、それによって、
高帯域励起信号の性能を効果的に改善する。
【0051】
図2を参照すると、
図2は、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測するプロセスの概略図である。
図2に示されるように、
高帯域励起信号を予測するプロセスは、以下である。
【0052】
1.デコーダは、周波数の順に配列された
低帯域LSFパラメータのセットを得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化する。
【0053】
2.デコーダは、取得された
低帯域LSFパラメータのセットに対して、
低帯域LSFパラメータのこのセット(の一部またはすべて)において、隣接する位置を有するすべての2つの
低帯域LSFパラメータ間の差LSF_DIFFを計算し、かつ、LSF_DIFF[i]=LSF[i+1]-LSF[i]であるものとし、ここでi≦Mであり、iはi番目のLSFを示し、かつMは
低帯域LSFパラメータの数量を示す。
【0054】
3.デコーダは、計算された差LSF_DIFFから最小
の差MIN_LSF_DIFFを取得する。
【0055】
任意選択の実施方式として、デコーダは、
低帯域ビットストリームのレートに基づいて最小MIN_LSF_DIFFを検索する範囲、すなわちLSF_DIFFに対応する最も高い周波数の位置を決定してもよく、ここでより高いレートはより広い検索範囲を示し、かつより低いレートはより狭い検索範囲を示す。例えば、AMR-WBにおいて、レートが8.85kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-8であり、または、レートが12.65kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-6であり、または、レートが15.85kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-4である。
【0056】
任意選択の実施方式として、最小MIN_LSF_DIFFが検索されるとき、補正係数αはまず、LSF_DIFFを補正するために使用されてもよく、αは周波数の増加に伴って減少し、すなわち、
α*LSF_DIFF[i]≦MIN_LSF_DIFFであり、ここでi≦M、かつ0<α<1である。
【0057】
4.デコーダは、最小MIN_LSF_DIFFに対応する周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定する。
【0058】
5.デコーダは、
低帯域励起信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化する。
【0059】
6.デコーダは、
低帯域励起信号から、開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択する。
【0060】
またさらに、
図2に示された
高帯域励起信号を予測するプロセスは、さらに以下を含んでもよい。
【0061】
7.デコーダは、復号化によって得られた
低帯域LSFパラメータを、
低帯域LPC係数に変換する。
【0062】
8.デコーダは、
低帯域LPC係数および
低帯域励起信号を使用して、
低帯域信号を合成する。
【0063】
9.デコーダは、
低帯域LPC係数に基づいて、
高帯域または広帯域LPC係数を予測する。
【0064】
10.デコーダは、
高帯域励起信号および
高帯域または広帯域LPC係数を使用して
高帯域信号を合成する。
【0065】
11.デコーダは、広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合する。
【0066】
任意選択の実施方式として、
低帯域ビットストリームレートのレートが所定の閾値よりも大きいとき、復号化によって得られた
低帯域励起信号の中で、周波数帯域が
高帯域信号のものに隣接する信号が
高帯域励起信号として固定的に選択されてもよく、例えば、AMR-WBにおいて、レートが23.05kbpsよりも大きいまたはこれに等しいとき、4から6kHzの周波数帯域の信号が6から8kHzの
周波数帯域の高帯域励起信号として固定的に選択されてもよい。
【0067】
任意選択の実施方式として、
図2に説明される方法において、LSFパラメータはまた、ISFパラメータによって置き換えられてもよく、本発明の実施形態に影響を与えない。
【0068】
図2に説明されるプロセスにおいて、デコーダは、
高帯域励起信号の開始周波数ビンに基づいて
低帯域励起信号から
高帯域励起信号を予測し、それは良好な符号化品質を有する
高帯域励起信号の予測を実施することができ、その結果、
高帯域励起信号はより確実に予測されることができ、それによって、
高帯域励起信号の性能を効果的に改善する。さらに、デコーダが
低帯域信号を
高帯域信号と結合した後、広帯域信号の性能は、さらに改善されることができる。
【0069】
図3を参照すると、
図3は、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測する別のプロセスの概略図である。
図3に示されるように、
高帯域励起信号を予測するプロセスは以下である。
【0070】
1.デコーダは、周波数の順に配列された
低帯域LSFパラメータのセットを得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化する。
【0071】
2.デコーダは、取得された
低帯域LSFパラメータのセットに対して、
低帯域LSFパラメータのこのセット(の一部またはすべて)において、2つの
低帯域LSFパラメータの位置間隔を有するすべての2つの
低帯域LSFパラメータ間の差LSF_DIFFを計算し、かつ、LSF_DIFF[i]=LSF[i+2]-LSF[i]であるものとし、ここでi≦Mであり、iはi番目のLSFを示し、かつMは
低帯域LSFパラメータの数量を示す。
【0072】
3.デコーダは、計算された差LSF_DIFFから最小MIN_LSF_DIFFを取得する。
【0073】
任意選択の実施方式として、デコーダは、
低帯域ビットストリームのレートに基づいて最小MIN_LSF_DIFFを検索する範囲、すなわちLSF_DIFFに対応する最も高い周波数の位置を決定してもよく、ここでより高いレートはより広い検索範囲を示し、かつより低いレートはより狭い検索範囲を示す。例えば、AMR-WBにおいて、レートが8.85kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-8であり、または、レートが12.65kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-6であり、または、レートが15.85kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-4である。
【0074】
任意選択の実施方式として、最小MIN_LSF_DIFFが検索されるとき、補正係数αはMIN_LSF_DIFFを補正ために使用されてもよく、αは周波数の増加に伴って減少し、すなわち、
LSF_DIFF[i]≦α*MIN_LSF_DIFFであり、ここでi≦M、かつα>1である。
【0075】
4.デコーダは、最小MIN_LSF_DIFFに対応する周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定する。
【0076】
5.デコーダは、
低帯域励起信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化する。
【0077】
6.デコーダは、
低帯域励起信号から、開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択する。
【0078】
またさらに、
図3に示される
高帯域励起信号を予測するプロセスは、さらに以下を含んでもよい。
【0079】
7.デコーダは、復号化によって得られた
低帯域LSFパラメータを、
低帯域LPC係数に変換する。
【0080】
8.デコーダは、
低帯域LPC係数および
低帯域励起信号を使用して、
低帯域信号を合成する。
【0081】
9.デコーダは、合成された
低帯域信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測する。
【0082】
10.デコーダは、
高帯域励起信号および
高帯域エンベロープを使用して
高帯域信号を合成する。
【0083】
11.デコーダは、広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合する。
【0084】
任意選択の実施方式として、
低帯域ビットストリームレートのレートが所定の閾値よりも大きいとき、復号化によって得られた
低帯域励起信号の中で、周波数帯域が
高帯域信号のものに隣接する信号が
高帯域励起信号として固定的に選択されてもよく、例えば、AMR-WBにおいて、レートが23.05kbpsよりも大きいまたはこれに等しいとき、4から6kHzの周波数帯域の信号が6から8kHzの
高帯域励起信号として固定的に選択されてもよい。
【0085】
任意選択の実施方式として、
図3に説明される方法において、LSFパラメータはまた、ISFパラメータによって置き換えられてもよく、本発明の実施形態に影響を与えない。
【0086】
図3に説明されるプロセスにおいて、デコーダは、
高帯域励起信号の開始周波数ビンに基づいて
低帯域励起信号から
高帯域励起信号を予測し、それは良好な符号化品質を有する
高帯域励起信号の予測を実施することができ、その結果、
高帯域励起信号はより確実に予測されることができ、それによって、
高帯域励起信号の性能を効果的に改善する。さらに、デコーダが
低帯域信号を
高帯域信号と結合した後、広帯域信号の性能はさらに改善されることができる。
【0087】
図4を参照すると、
図4は、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測する別のプロセスの概略図である。
図4に示されるように、
高帯域励起信号を予測するプロセスは以下である。
【0088】
1.デコーダは、
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化する。
【0089】
2.デコーダは、
低帯域信号に基づいて、周波数の順に配列された
低帯域LSFパラメータのセットを計算する。
【0090】
3.デコーダは、計算された
低帯域LSFパラメータ計算のセットに対して、
低帯域LSFパラメータのこのセット(の一部またはすべて)において、隣接する位置を有するすべての2つの
低帯域LSFパラメータ間の差LSF_DIFFを計算し、かつ、LSF_DIFF[i]=LSF[i+1]-LSF[i]であるものとし、ここでi≦Mであり、iはi番目のLSFを示し、かつMは
低帯域LSFパラメータの数量を示す。
【0091】
4.デコーダは、計算された差LSF_DIFFから最小MIN_LSF_DIFFを取得する。
【0092】
任意選択の実施方式として、デコーダは、
低帯域ビットストリームのレートに基づいて最小MIN_LSF_DIFFを検索する範囲、すなわちLSF_DIFFに対応する最も高い周波数の位置を決定してもよく、ここでより高いレートはより広い検索範囲を示し、かつより低いレートはより狭い検索範囲を示す。例えば、AMR-WBにおいて、レートが8.85kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-8であり、または、レートが12.65kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-6であり、または、レートが15.85kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-4である。
【0093】
任意選択の実施方式として、最小MIN_LSF_DIFFが検索されるとき、補正係数αはLSF_DIFFを補正するために使用されてもよく、αは周波数の増加に伴って減少し、すなわち、
α*LSF_DIFF[i]≦MIN_LSF_DIFFであり、ここでi≦M、かつ0<α<1である。
【0094】
5.デコーダは、最小MIN_LSF_DIFFに対応する周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定する。
【0095】
6.デコーダは、
低帯域励起信号を得るために、LPC分析フィルタを使用して低周波信号を処理する。
【0096】
7.デコーダは、
低帯域励起信号から、開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択する。
【0097】
またさらに、
図4に示される
高帯域励起信号を予測するプロセスは、以下をさらに含んでもよい。
【0098】
8.デコーダは、計算された
低帯域LSFパラメータを、
低帯域LPC係数に変換する。
【0099】
9.デコーダは、
低帯域LPC係数に基づいて、
高帯域または広帯域LPC係数を予測する。
【0100】
10.デコーダは、
高帯域励起信号および
高帯域または広帯域LPC係数を使用して
高帯域信号を合成する。
【0101】
11.デコーダは、広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合する。
【0102】
任意選択の実施方式として、
低帯域ビットストリームレートのレートが所定の閾値よりも大きいとき、復号化によって得られた
低帯域信号の中で、周波数帯域が
高帯域信号のものに隣接する信号が
高帯域励起信号として固定的に選択されてもよく、例えば、AMR-WBにおいて、レートが23.05kbpsよりも大きいまたはこれに等しいとき、4から6kHzの周波数帯域の信号が6から8kHzの
高帯域励起信号として固定的に選択されてもよい。
【0103】
任意選択の実施方式として、
図4に説明される方法において、LSFパラメータはさらにISFパラメータによって置き換えられてもよく、本発明の実施形態に影響しない。
【0104】
図4に説明されるプロセスにおいて、デコーダは、
高帯域励起信号の開始周波数ビンに基づいて
低帯域信号から
高帯域励起信号を予測し、それは良好な符号化品質を有する
高帯域励起信号の予測を実施することができ、その結果、
高帯域励起信号はより確実に予測されることができ、それによって、
高帯域励起信号の性能を効果的に改善する。さらに、デコーダが
低帯域信号を
高帯域信号と結合した後、広帯域信号の性能はさらに改善されることができる。
【0105】
図5を参照すると、
図5は、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測する別のプロセスの概略図である。
図5に示されるように、
高帯域励起信号を予測するプロセスは以下を含む。
【0106】
1.デコーダは、
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化する。
【0107】
2.デコーダは、
低帯域信号に基づいて、周波数の順に配列された
低帯域LSFパラメータのセットを計算する。
【0108】
3.デコーダは、計算された
低帯域LSFパラメータのセットに対して、
低帯域LSFパラメータのこのセット(の一部またはすべて)において、2つの
低帯域LSFパラメータの位置間隔を有するすべての2つの
低帯域LSFパラメータ間の差LSF_DIFFを計算し、かつ、LSF_DIFF[i]=LSF[i+2]-LSF[i]であるものとし、ここでi≦Mであり、iはi番目の差を示し、かつMは
低帯域LSFパラメータの数量を示す。
【0109】
4.デコーダは、計算された差LSF_DIFFから最小MIN_LSF_DIFFを取得する。
【0110】
任意選択の実施方式として、デコーダは、
低帯域ビットストリームのレートに基づいて最小MIN_LSF_DIFFを検索する範囲、すなわちLSF_DIFFに対応する最も高い周波数の位置を決定してもよく、ここでより高いレートはより広い検索範囲を示し、かつより低いレートはより狭い検索範囲を示す。例えば、AMR-WBにおいて、レートが8.85kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-8であり、または、レートが12.65kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-6であり、または、レートが15.85kbpsよりも小さいまたはこれに等しいとき、iの最大値はM-4である。
【0111】
任意選択の実施方式として、最小MIN_LSF_DIFFが検索されるとき、補正係数αはMIN_LSF_DIFFを補正するために使用されてもよく、αは周波数の増加に伴って減少し、すなわち、
LSF_DIFF[i]≦α*MIN_LSF_DIFFであり、ここでi≦M、かつα>1である。
【0112】
5:デコーダは、最小MIN_LSF_DIFFに対応する周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定する。
【0113】
6.デコーダは、
低帯域励起信号を得るために、LPC分析フィルタを使用して低周波信号を処理する。
【0114】
7.デコーダは、
低帯域励起信号から、開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択する。
【0115】
またさらに、
図5に示される
高帯域励起信号を予測するプロセスは以下を含んでもよい。
【0116】
8.デコーダは、
低帯域信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測する。
【0117】
実施形態において、デコーダは、
低帯域LPC係数および
低帯域励起信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測してもよい。
【0118】
9.デコーダは、
高帯域励起信号および
高帯域エンベロープを使用して
高帯域信号を合成する。
【0119】
10.デコーダは、広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合する。
【0120】
任意選択の実施方式として、
低帯域ビットストリームレートのレートが所定の閾値よりも大きいとき、復号化によって得られた
低帯域信号の中で、周波数帯域が
高帯域信号のものに隣接する信号が
高帯域励起信号として固定的に選択されてもよく、例えば、AMR-WBにおいて、レートが23.05kbpsよりも大きいまたはこれに等しいとき、4から6kHzの周波数帯域の信号が6から8kHzの
高帯域励起信号として固定的に選択されてもよい。
【0121】
任意選択の実施方式として、
図5に説明される方法において、LSFパラメータはさらにISFパラメータによって置き換えられてもよく、本発明の実施形態に影響を与えない。
【0122】
図5に説明されるプロセスにおいて、デコーダは、
高帯域励起信号の開始周波数ビンに基づいて
低帯域信号から
高帯域励起信号を予測し、それは良好な符号化品質を有する
高帯域励起信号の予測を実施することができ、その結果、
高帯域励起信号はより確実に予測されることができ、それによって、
高帯域励起信号の性能を効果的に改善する。さらに、デコーダが
低帯域信号を
高帯域信号と結合した後、広帯域信号の性能はさらに改善されることができる。
【0123】
図6を参照すると、図
6は、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測するための装置の概略構造図である。
図6に示される
高帯域励起信号を予測するための装置は、物理的に独立したデバイスとして実施されてもよく、またはデコーダの新たに追加される部分として使用されてもよく、本発明のこの実施形態においては限定されない。
図6に示されるように、
高帯域励起信号を予測するための装置は、
受信された
低帯域ビットストリームに基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを取得するように構成された第1取得ユニット601であって、スペクトル周波数パラメータは、
低帯域LSFパラメータまたは
低帯域ISFパラメータを含む、第1取得ユニット601と、
第1取得ユニット601によって取得されたスペクトル周波数パラメータのセットに対して、スペクトル周波数パラメータの一部またはすべてにおいて同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差を計算するように構成された計算ユニット602と、
計算ユニット602によって計算されたスペクトル周波数パラメータ差から最小スペクトル周波数パラメータ差を取得するように構成された第2取得ユニット603と、
第2取得ユニット603によって取得された最小スペクトル周波数パラメータ差に対応する周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定するように構成された開始周波数ビン決定ユニット604と、
開始周波数ビン決定ユニット604によって決定された開始周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するように構成された
高帯域励起予測ユニット605と
を備えてもよい。
【0124】
任意選択の実施方式として、第1取得ユニット601は、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化するように特に構成されてもよく、または、
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化し、かつ
低帯域信号に基づいて周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを計算するように特に構成される。
【0125】
実施形態において、同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータは、すべての2つの隣接スペクトル周波数パラメータ、または、スペクトル周波数パラメータの同一数量により離間されたすべての2つのスペクトル周波数パラメータを含む。
【0126】
図6に説明される
高帯域励起信号を予測するための装置は、
高帯域励起信号の開始周波数ビンに基づいて
低帯域励起信号から
高帯域励起信号を予測してもよく、それは良好な符号化品質を有する
高帯域励起信号の予測を実施することができ、その結果、
高帯域励起信号はより確実に予測されることができ、それによって
高帯域励起信号の性能を効果的に改善する。
【0127】
さらに、
図7を参照すると、
図7は、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測するための別の装置の概略構造図である。
図7に示された
高帯域励起信号を予測するための装置は、
図6に示される
高帯域励起信号を予測するための装置を最適化することによって得られる。
図7に示された
高帯域励起信号を予測するための装置において、もし第1取得ユニット601が、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化するように特に構成される場合、
図6に示される
高帯域励起信号を予測するための装置のすべてのユニットに加えて、
図7に示された
高帯域励起信号を予測するための装置は、
低帯域励起信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリームを復号化するように構成された復号化ユニット606をさらに備えてもよく、かつ
それに対応して、
高帯域励起予測ユニット605は、復号化ユニット60
6によって得られた
低帯域励起信号から、開始周波数ビン決定ユニット604によって決定された開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択するように特に構成される。
【0128】
任意選択の実施方式として、
図7に示された
高帯域励起信号を予測するための装置は、
第1取得ユニット60
1によって得られたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域LPC係数に変換するように構成された第1変換ユニット607と、
第1変換ユニット607による変換によって得られた
低帯域LPC係数と、復号化ユニット60
6によって得られた
低帯域励起信号とを使用して、
低帯域信号を合成するように構成された第1
低帯域信号合成ユニット608と、
第1変換ユニット607による変換によって得られた
低帯域LPC係数に基づいて、
高帯域または広帯域LPC係数を予測するように構成された第1LPC係数予測ユニット609と、
高帯域励起予測ユニット605により選択された
高帯域励起信号と、第1LPC係数予測ユニット
609により予測された
高帯域または広帯域LPC係数とを使用して、
高帯域信号を合成するように構成された第1
高帯域信号合成ユニット610と、
広帯域信号を得るために、第1
低帯域信号合成ユニット
608により合成された
低帯域信号を、第1
高帯域信号合成ユニット
610により合成された
高帯域信号と結合するように構成された第1広帯域信号合成ユニット611と
をさらに備えてもよい。
【0129】
さらに
図8を参照すると、
図8は、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測するための別の装置の概略構造図である。
図8に示される
高帯域励起信号を予測するための装置は、
図6に示される
高帯域励起信号を予測するための装置を最適化することによって得られる。
図8に示される
高帯域励起信号を予測するための装置において、もし第1取得ユニット601が、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化するように特に構成される場合、
図6に示される
高帯域励起信号を予測するための装置のすべてのユニットに加えて、
図8に示される
高帯域励起信号を予測するための装置はまた、
低帯域励起信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリームを復号化するように構成された復号化ユニット606をさらに備え、かつそれに対応して、
高帯域励起予測ユニット605は、復号化ユニット60
6によって得られた
低帯域励起信号から、開始周波数ビン決定ユニット604によって決定された開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択するようにさらに構成される。
【0130】
任意選択の実施方式として、
図8に示される
高帯域励起信号を予測するための装置は、
第1取得ユニット60
1によって得られたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域LPC係数に変換するように構成された第2変換ユニット612と、
第2変換ユニット612による変換によって得られた
低帯域LPC係数と、復号化ユニット60
6によって得られた
低帯域励起信号とを
低帯域信号に合成するように構成された第2
低帯域信号合成ユニット613と、
第2
低帯域信号合成ユニット
613により合成された
低帯域信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測するように構成された第1
高帯域エンベロープ予測ユニット614と、
高帯域励起予測ユニット605により選択された
高帯域励起信号と、第1
高帯域エンベロープ予測ユニット614により予測された
高帯域エンベロープとを使用して、
高帯域信号を合成するように構成された第2
高帯域信号合成ユニット615と、
広帯域信号を得るために、第2
低帯域信号合成ユニット
613により合成された
低帯域信号を、第2
高帯域信号合成ユニット
615により合成された
高帯域信号と結合するように構成された第2広帯域信号合成ユニット616と
をさらに備えてもよい。
【0131】
図9を参照すると、
図9は、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測するための別の装置の概略構造図である。
図9に示される
高帯域励起信号を予測するための装置は、
図6に示される
高帯域励起信号を予測するための装置を最適化することによって得られる。
図9に示される
高帯域励起信号を予測するための装置において、もし第1取得ユニット601が、
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化し、かつ、
低帯域信号に基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを計算するように特に構成される場合、
高帯域励起予測ユニット605は、
低帯域励起信号を得るために、LPC分析フィルタ(
高帯域励起予測ユニット605に含まれてもよい)を使用して低周波信号を処理し、かつ、
低帯域励起信号から、開始周波数ビン決定ユニット604によって決定された開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択するように特に構成される。
【0132】
任意選択の実施方式として、
図9に示される
高帯域励起信号を予測するための装置は、
第1取得ユニット601により得られた計算されたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域LPC係数に変換するように構成された第3変換ユニット617と、
第3変換ユニット617による変換によって得られた
低帯域LPC係数に基づいて、
高帯域または広帯域LPC係数を予測するように構成された第2LPC係数予測ユニット618と、
高帯域励起予測ユニット605により選択された
高帯域励起信号と、第2LPC係数予測ユニット618により予測された
高帯域または広帯域LPC係数とを使用して、
高帯域信号を合成するように構成された第3
高帯域信号合成ユニット619と、
広帯域信号を得るために、第1取得ユニット60
1によって得られた
低帯域信号を、第3
高帯域信号合成ユニット619により合成された
高帯域信号と結合するように構成された第3広帯域信号合成ユニット620と
をさらに備えてもよい。
【0133】
さらに
図10を参照すると、
図10は、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測するための別の装置の概略構造図である。
図10に示される
高帯域励起信号を予測するための装置は、
図6に示される
高帯域励起信号を予測するための装置を最適化することによって得られる。
図10に示される
高帯域励起信号を予測するための装置において、第1取得ユニット601は、
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化し、かつ、
低帯域信号に基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを計算するようにさらに構成され、かつ、
高帯域励起予測ユニット605は、
低帯域励起信号を得るために、LPC分析フィルタ(
高帯域励起予測ユニット605に含まれてもよい)を使用して低周波信号を処理し、かつ
低帯域励起信号から、開始周波数ビン決定ユニット604によって決定された開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択するようにさらに構成されてもよい。
【0134】
任意選択の実施方式として、
図10に示される
高帯域励起信号を予測するための装置は、
第1取得ユニット60
1によって得られた
低帯域信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測するように構成された第3
高帯域エンベロープ予測ユニット621と、
高帯域励起予測ユニット605により選択された
高帯域励起信号と、第3
高帯域エンベロープ予測ユニット621により予測された
高帯域エンベロープとを使用して、
高帯域信号を合成するように構成された第4
高帯域信号合成ユニット622と、
広帯域信号を得るために、第1取得ユニット60
1によって得られた
低帯域信号を、第4
高帯域信号合成ユニット
622により合成された
高帯域信号と結合するように構成された第4広帯域信号合成ユニット623と
をさらに備えてもよい。
【0135】
図7から
図10に説明される
高帯域励起信号を予測するための装置は、
高帯域励起信号の開始周波数ビンに基づいて
低帯域励起信号または
低帯域信号から
高帯域励起信号を予測してもよく、それは良好な符号化品質を有する
高帯域励起信号の予測を実施することができ、その結果、
高帯域励起信号はより確実に予測されることができ、それによって、
高帯域励起信号の性能を効果的に改善する。さらに、
図7〜
図10に説明される
高帯域励起信号を予測するための装置が
低帯域信号を
高帯域信号と結合した後、広帯域信号の性能はさらに改善されることができる。
【0136】
図11を参照すると、
図11は、本発明の実施形態によって開示されるデコーダの概略構造図であり、本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測するための方法を実行するように構成される。図
11に示されるように、デコーダ1100は、例えばCPUのような少なくとも1つのプロセッサ1101と、少なくとも1つのネットワークインタフェース1104と、ユーザインタフェース1103と、メモリ1105と、少なくとも1つの通信バス1102とを備える。通信バス1102は、これらのコンポーネント間の接続および通信を実施するように構成される。任意選択で、ユーザインタフェース1103は、USBインタフェース、または別の標準インタフェース若しくは有線インタフェースを備えてもよい。任意選択で、ネットワークインタフェース1104は、Wi-Fiインタフェース、または別の無線インタフェースを備えてもよい。メモリ1105は、高速RAMメモリを備えてもよく、または例えば少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置のような不揮発性メモ
リをさらに備えてもよい。任意選択で、メモリ1105は、前述のプロセッサ1101から遠く離れたところに位置する少なくとも1つの記憶装置を備えてもよい。
【0137】
図11に示されたデコーダにおいて、ネットワークインタフェース1104は、エンコーダによって送信された
低帯域ビットストリームを受信してもよく、ユーザインタフェース1103は、周辺デバイスに接続され、かつ信号を出力するように構成されてもよく、メモリ1105は、プログラムを記憶するように構成されてもよく、かつプロセッサ1101は、メモリ1105内に記憶されたプログラムを呼び出し、かつ以下の動作、すなわち、
ネットワークインタフェース1104によって受信された
低帯域ビットストリームに基づいて、周波数の順に配列された、
低帯域LSFパラメータまたは
低帯域ISFパラメータを含むスペクトル周波数パラメータのセットを取得し、
取得されたスペクトル周波数パラメータのセットに対して、スペクトル周波数パラメータの一部またはすべてにおいて同一位置間隔を有するすべての2つのスペクトル周波数パラメータ間のスペクトル周波数パラメータ差を計算し、
計算されたスペクトル周波数パラメータ差から、最小スペクトル周波数パラメータ差を取得し、
最小スペクトル周波数パラメータ差に対応する周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測するための開始周波数ビンを決定し、かつ
開始周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測する
動作を実行するように構成されてもよい。
【0138】
任意選択の実施方式として、受信された
低帯域ビットストリームに基づいてプロセッサ1101によって、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを取得することは、
周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化すること、または
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化すること、および、
低帯域信号に基づいて、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを計算すること
を含んでもよい。
【0139】
任意選択の実施方式として、もしプロセッサ1101が、周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを得るために、受信された低周波ビットストリーム
を復号
化する場合、プロセッサ11101は、以下の動作、すなわち、
低帯域励起信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化する動作をさらに実行してもよい。
【0140】
それに対応して、プロセッサ1101によって、開始周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測することは、
低帯域励起信号から、開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択すること
を含んでもよい。
【0141】
任意選択の実施方式として、プロセッサ1101は、以下の動作、すなわち、
復号化によって得られたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域LPC係数に変換し、
低帯域LPC係数および
低帯域励起信号を使用して
低帯域信号を合成し、
低帯域LPC係数に基づいて、
高帯域または広帯域LPC係数を予測し、
高帯域励起信号および
高帯域または広帯域LPC係数を使用して
高帯域信号を合成し、かつ
広帯域信号を得るために、
低帯域信号を、
高帯域信号と結合する
動作をさらに実行してもよい。
【0142】
別の任意選択の実施方式として、プロセッサ1101は、以下の動作、すなわち、
復号化によって得られたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域LPC係数に変換し、
低帯域LPC係数および
低帯域励起信号を使用して
低帯域信号を合成し、
低帯域信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測し、
高帯域励起信号および
高帯域エンベロープを使用して
高帯域信号を合成し、かつ
広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合する
動作をさらに実行してもよい。
【0143】
任意選択の実施方式として、もしプロセッサ11101が、
低帯域信号を得るために、受信された
低帯域ビットストリーム
を復号
化し、かつ
低帯域信号に基づいて周波数の順に配列されたスペクトル周波数パラメータのセットを計算する場合、プロセッサ1101によって、開始周波数ビンに基づいて、
低帯域から
高帯域励起信号を予測することは、
低帯域励起信号を得るために、LPC分析フィルタを使用して低周波信号を処理し、かつ
低帯域励起信号から、開始周波数ビンに基づいて
高帯域励起信号として予め設定された帯域幅を有する周波数帯域を選択すること
を含む。
【0144】
任意選択の実施方式として、プロセッサ1101は、以下の動作、すなわち、
計算されたスペクトル周波数パラメータを、
低帯域LPC係数に変換し、
低帯域LPC係数に基づいて、
高帯域または広帯域LPC係数を予測し、
高帯域励起信号および
高帯域または広帯域LPC係数を使用して
高帯域信号を合成し、
広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合する
動作をさらに実行してもよい。
【0145】
別の任意選択の実施方式として、プロセッサ1101は、以下の動作、すなわち、
低帯域信号に基づいて、
高帯域エンベロープを予測し、
高帯域励起信号および
高帯域エンベロープを使用して
高帯域信号を合成し、
広帯域信号を得るために、
低帯域信号を
高帯域信号と結合する
動作をさらに実行してもよい。
【0146】
図11に説明されるデコーダは、
高帯域励起信号の開始周波数ビンに基づいて
低帯域励起信号または
低帯域信号から
高帯域励起信号を予測してもよく、それは良好な符号化品質を有する
高帯域励起信号の予測を実施することができ、その結果、
高帯域励起信号はより確実に予測されることができ、それによって、
高帯域励起信号の性能を効果的に改善する。さらに、
図11に説明されるデコーダが
低帯域信号を
高帯域信号と結合した後、広帯域信号の性能はさらに改善されることができる。
【0147】
当業者は、実施形態における方法のステップのすべてまたは一部が、関連ハードウェアに命令するプログラムによって実施されてもよいということを理解できる。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。記憶媒体は、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory, RAM)、磁気ディスク、および光ディスクを含んでもよい。
【0148】
本発明の実施形態によって開示される
高帯域励起信号を予測するための方法および装置は、詳細に上記に説明されている。本明細書では、具体的な実施例が、本発明の原理および実施方式を詳述するために適用され、かつ前述の実施形態の説明は、本発明の方法および核となる考え方を理解することを助けるために使用されるのみである。さらに、当業者は、本発明の考え方に基づいて、具体的な実施方式および適用範囲に関して修正をすることができる。要するに、本明細書の内容は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。