特許第6720290号(P6720290)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6720290
(24)【登録日】2020年6月19日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】信号復号のための符号の識別
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/709 20110101AFI20200629BHJP
   H04J 13/18 20110101ALI20200629BHJP
【FI】
   H04B1/709
   H04J13/18
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-504725(P2018-504725)
(86)(22)【出願日】2015年12月17日
(65)【公表番号】特表2018-528663(P2018-528663A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(86)【国際出願番号】CA2015000603
(87)【国際公開番号】WO2017035623
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2018年1月29日
(31)【優先権主張番号】14/843,167
(32)【優先日】2015年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】318010214
【氏名又は名称】コグニティヴ システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】デヴィソン スティーブン エイ
(72)【発明者】
【氏名】オマー モハマド
【審査官】 吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−357980(JP,A)
【文献】 特開2005−333677(JP,A)
【文献】 特表2007−525888(JP,A)
【文献】 特開2006−074244(JP,A)
【文献】 特開平09−055716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/709
H04J 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を復号する方法であって、
複数の部分集合を含む直交2進符号の集合に基づいて、それぞれが前記部分集合のうちの1つに対応して該対応する部分集合内に前記2進符号の組み合わせを含む重畳符号を計算するステップであって、
部分集合に対応する前記重畳符号を計算するステップは、
前記部分集合内の各2進符号に異なる位相を適用することによって段階的符号を生成するステップと、
前記段階的符号を合計するステップと、
を含む、重畳符号を計算するステップと、
前記複数の部分集合のうちの第1の部分集合を、無線信号と前記第1の部分集合に対応する第1の重畳符号との間の相関に基づいて選択するステップと、
前記無線信号と第1の2進符号との間の相関に基づいて、前記第1の部分集合から前記第1の2進符号を選択するステップと、
データプロセッサの動作により、前記第1の2進符号に基づいて前記無線信号を復号するステップと、
を含み、
前記段階的符号は、前記部分集合内の各2進符号に異なる位相及び異なる振幅を適用することによって生成される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記無線信号と前記重畳符号との間の、前記無線信号と前記第1の重畳符号との間の前記相関を含む重畳符号相関を計算するステップと、
前記無線信号と前記第1の重畳符号との間の前記相関のピークに基づいて、前記第1の部分集合を選択するステップと、
前記無線信号と前記第1の部分集合内の前記2進符号のうちの少なくとも2つとの間の、前記無線信号と前記第1の2進符号との間の前記相関を含む個々の符号相関を計算するステップと、
前記無線信号と前記第1の2進符号との間の前記相関のピークに基づいて、前記第1の2進符号を選択するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の部分集合を選択した後に、反復二分探索を実行するステップを含み、前記反復二分探索の各反復は、
現在の反復について、前記2進符号の現在の部分集合を識別するステップと、
前記現在の反復について、前記現在の部分集合を2つの検査部分集合に分割するステップと、
前記現在の反復について、前記2つの検査部分集合に基づいて重畳符号を識別するステップと、
前記2つの検査部分集合の前記無線信号と前記重畳符号との間の相関に基づいて、前記2つの検査部分集合の一方を次の反復のための現在の部分集合として選択するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
無線インターフェイスの動作によって前記無線信号を無線で受信するステップを含む、
請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記無線信号は、モバイル装置からのWCDMA送信を含み、前記第1の2進符号を選択するステップは、前記第1の2進符号を前記モバイル装置に関連するスクランブルコードとして識別するステップを含む、
請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
無線信号処理システムであって、
無線信号を検出するように構成された無線システムと、
データ処理システムと、
を備え、前記データ処理システムは、
前記無線システムから前記無線信号を受信するステップと、
複数の部分集合を含む直交2進符号の集合に基づいて、それぞれが前記部分集合のうちの1つに対応して該対応する部分集合内に前記2進符号の組み合わせを含む重畳符号を計算するステップであって、
部分集合に対応する前記重畳符号を計算するステップは、
前記部分集合内の各2進符号に異なる位相を適用することによって段階的符号を生成するステップと、
前記段階的符号を合計するステップと、
を含む、重畳符号を計算するステップと、
前記複数の部分集合からの第1の部分集合を、前記無線信号と前記第1の部分集合に対応する第1の重畳符号との間の相関に基づいて選択するステップと、
前記無線信号と第1の2進符号との間の相関に基づいて、前記第1の部分集合から前記第1の2進符号を選択するステップと、
データプロセッサの動作により、前記第1の2進符号に基づいて前記無線信号を復号するステップと、
含む動作を実行するように構成され、
前記段階的符号は、前記部分集合内の各2進符号に異なる位相及び異なる振幅を適用することによって生成される、
ことを特徴とする無線信号処理システム。
【請求項7】
前記動作は、
前記無線信号と前記重畳符号との間の、前記無線信号と前記第1の重畳符号との間の前記相関を含む重畳符号相関を計算するステップと、
前記無線信号と前記第1の重畳符号との間の前記相関のピークに基づいて、前記第1の部分集合を選択するステップと、
前記無線信号と前記第1の部分集合内の前記2進符号のうちの少なくとも2つとの間の、前記無線信号と第1の2進符号との間の前記相関を含む個々の符号相関を計算するステップと、
前記無線信号と前記第1の2進符号との間の前記相関のピークに基づいて、前記第1の2進符号を選択するステップと、
を含む、請求項に記載の無線信号処理システム。
【請求項8】
前記動作は、前記第1の部分集合を選択した後に、反復二分探索を実行するステップを含み、前記反復二分探索の各反復は、
現在の反復について、前記2進符号の現在の部分集合を識別するステップと、
前記現在の反復について、前記現在の部分集合を2つの検査部分集合に分割するステップと、
前記現在の反復について、前記2つの検査部分集合に基づいて重畳符号を識別するステップと、
前記2つの検査部分集合の前記無線信号と前記重畳符号との間の相関に基づいて、前記2つの検査部分集合の一方を次の反復のための現在の部分集合として選択するステップと、
を含む、請求項に記載の無線信号処理システム。
【請求項9】
前記無線信号は、モバイル装置からのWCDMA送信を含み、前記第1の2進符号を選択するステップは、前記第1の2進符号を前記モバイル装置に関連するスクランブルコードとして識別するステップを含む、
請求項からのいずれかに記載の無線信号処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔優先権の主張〕
本出願は、2015年9月2日に出願された「信号復号のための符号の識別(Identifying a Code for Signal Decoding)」という名称の米国特許出願第14/843,167号に対する優先権を主張するものであり、この文献は引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本明細書は、信号復号のための符号を識別することに関する。
【背景技術】
【0003】
通信ネットワークにおける送信中には、大規模な符号集合を用いて通信信号の暗号化、直交化、ランダム化又は別様の操作を行うことができる。例えば、スクランブルコードを用いて、通信ネットワークにおける通信信号の異なる送信機を区別することができる。WCDMA(登録商標)のアップリンク送信の場合には、非常に大規模な集合から得られた直交スクランブルコードがユーザに割り当てられる。集合は、数多くの符号(例えば、224=16,777,216個)を有することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般的態様では、無線信号を復号するための符号を識別する。
【0005】
いくつかの態様では、無線信号を復号する方法が、直交2進符号の集合に基づいて複数の重畳符号(superposition codes)を識別するステップを含む。集合は、数多くの部分集合を含み、各重畳符号は、部分集合のうちの1つに対応し、対応する部分集合内に2進符号の組み合わせを含む。無線信号と第1の重畳符号との間の相関に基づいて、数多くの部分集合のうちの第1の部分集合を選択する。第1の重畳符号は、第1の部分集合に対応する。無線信号と第1の2進符号との間の相関に基づいて、第1の部分集合から第1の2進符号を選択する。第1の2進符号に基づいて、無線信号を復号する。
【0006】
いくつかの態様では、無線信号処理システムが、無線信号を検出するように構成された無線システムと、データ処理システムとを含む。データ処理システムは、無線信号及び重畳符号を取得するように構成される。重畳符号は、直交2進符号の集合に基づき、集合は、数多くの部分集合を含む。各重畳符号は、部分集合のうちの1つに対応し、対応する部分集合内に2進符号の組み合わせを含む。無線信号と第1の重畳符号との間の相関に基づいて、第1の部分集合を選択する。第1の重畳符号は、第1の部分集合に対応する。無線信号と第1の2進符号との間の相関に基づいて、第1の部分集合から第1の2進符号を選択する。第1の2進符号に基づいて、無線信号を復号する。
【0007】
添付図面及び以下の説明には、1又は2以上の実装の詳細を示す。これらの説明及び図面、並びに特許請求の範囲からは、その他の特徴、目的及び利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】無線ネットワーク例を示すブロック図である。
図2】無線信号復号のための符号を識別する処理例を示すフローチャートである。
図3】無線信号復号のための符号を識別する処理例の態様を示すブロック図である。
図4】無線信号復号のための符号を識別する処理例の態様を示す二分木例を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
様々な図面の同じ参照記号は同じ要素を示す。
【0010】
本明細書で説明する内容のいくつかの態様では、信号復号のための符号を識別する。通信信号(例えば、無線周波数(RF)スペクトルを介して送信される無線信号、或いは銅線、光ファイバ又はその他の媒体を介して送信される有線信号)は、送信前に符号を用いて多重化し、暗号化し、又は別様に操作することができる。符号は、大規模な符号集合から選択することができる。受信した通信信号を復号するために、通信信号が使用している特定の符号を識別する。いくつかの実装では、本明細書で説明する技術例のうちの1つ又は2つ以上が、符号を識別するための探索空間を縮小し、従って探索の効率及び精度を高めることができる。
【0011】
いくつかの実装では、1回の探索で数多くの符号にわたる結果が得られるように符号の集合を組み合わせることができる。一例としてアップリンクWCDMAのシナリオを使用すると、場合によっては1回の探索内で2000個の符号を融合することができる。従って、全体的な探索空間を、例えば1600万(224=16,777,216)から8,000に縮小することができる。符号は、用途に応じて様々な方法で融合することができる。例えば、組み合わせの前に所与の符号又は符号集合に異なる位相及び振幅を適用し、意図する性能測定基準に応じて異なる結果を生じることができる。
【0012】
いくつかの実装では、複数の直交符号の組み合わせを重畳と呼ぶことができ、結果として得られる符号集合の組み合わせを重畳符号又はスーパーコードと呼ぶことができる。特定の重畳符号の存在が確認されると、反復探索法を実行して(次第に小さくなる)連続する重畳符号を用いて、いくつかの例では現在の重畳符号の重畳深度をnとする最大log(n)回のステップで個々の符号を発見することができる。本明細書における重畳深度nは、スーパーコードの辞書内に1つの符号を作成するために組み合わせられる、通信システムの許容符号空間からの符号の数を表す。
【0013】
重畳深度nは、一般に1〜Nの範囲に及び、Nは、通信システムの許容符号空間内の符号の総数を表す。n=Nの場合には、スーパーコードの辞書内に1つのスーパーコードしか存在せず、全ての信号が相関して、スーパーコードの辞書に識別能力はない。n=1の場合には、スーパーコードの辞書が通信システムの許容符号空間と同等であり、高速化は得られない。これらの2つの極値(すなわち、1よりも大きくNよりも小さな値)間の重畳深度は、符号及び符号集合を区別する能力を有するトレードオフ探索空間をもたらすことができる。場合によっては、特定の信号をスーパーコードにリンクするためにlog(N/n)回のステップが必要になり、1つの特定の符号を識別するためにlog(N/n)+log(n)回のステップが必要になる。
【0014】
例えば、反復二分探索を行って現在の直交符号集合を取り出し、これを(それぞれが総直交符号数の半分を有する)二等分に分割して、両集合を通信信号と相関させることができる。相関値が高い方の集合を勝利集合(winning set)として選択することができる。この勝利集合をさらに二等分に分割して上記の手順をツリーの形で繰り返し、最終的には通信信号を暗号化するために使用された符号に至ることができる。
【0015】
いくつかの実装では、選択された個々の符号がユーザに対して高いノイズ解像度を示し、従ってユーザによる正確な信号対雑音比(SNR)数の抽出を可能にすることができる。いくつかの実装では、符号検出のための探索時間を大幅に短縮することができる。例えば、WCDMAアップリンク品質のモニタリングでは、本明細書で説明する技術例のうちの1つ又は2つ以上が、ネットワークに対するユーザの入退出についての「リアルタイム」に近いビューを提供するのに役立つだけでなく、ネットワーク全体に対するこれらのユーザの特定の影響を検出するのにも役立つことができる。この検出は、所与のシステムにおける特定のユーザに起因する可能性がある電力制御応答、スペクトル成分及び他の多くの測定基準の評価を含むことができる。
【0016】
いくつかの実装では、例えば相関結果におけるピークを識別することにより、複数のユーザの到達時間差(TDOA)をセンサノードから抽出することができる。このような測距情報を用いて、特定の地理的位置内のユーザをクラスタ化することができる。この測距情報を、三角測量を使用する複数のセンサノードが使用して、より正確なユーザ位置を識別することもできる。いくつかの実装では、相関結果の大きさを用いて検知端末からのユーザの距離を識別することができる。このような情報を基地局位置の知識と組み合わせて、正確なユーザ位置の検出に役立てることができる。
【0017】
WCDMAを応用例として説明しているが、本明細書で説明する技術は、大規模な符号集合を使用する他のシステムに応用することもできる。いくつかの例では、本明細書で説明する技術例のうちの1つ又は2つ以上を、ユーザ又は基地局との接続に依存せずに使用することができる。いくつかの例では、本明細書で説明する技術例のうちの1つ又は2つ以上が、ハンドシェイク機構を必要としない複雑度の低い探索空間を提供することができる。
【0018】
図1は、無線ネットワーク例100を示すブロック図である。無線ネットワーク例100は、複数のユーザ装置(UE、「モバイル装置」又は「モバイルノード」とも呼ばれる)105と、複数の無線センサ装置(「RFセンサ」、「センサ」又は「スペクトル検査(SI)ボックス」とも呼ばれる)110と、基地局120とを含む。無線ネットワーク100は、さらなる又は異なる構成要素を含むこともできる。例えば、無線ネットワーク100は、複数の基地局を含むことができ、UEは、1つの基地局がカバーするセルから別の基地局がカバーする別のセルに移動することができる。いくつかの実装では、無線ネットワークを、図1に示すように又は別の方法で配置することができる。
【0019】
通常、基地局120は、例えばセルラーネットワーク(例えば、セルラーボイスネットワーク、セルラーデータネットワークなど)のセル全体にわたる広い領域内の複数のユーザ装置(例えば、スマートフォン、タブレット、モノのインターネット装置、及びその他のセルラー接続装置など)に無線サービスを提供する。基地局120は、UE105に対してダウンリンク方向に無線で通信信号を送信することができ、複数のUE105は、基地局120に対してアップリンク方向に通信信号を送信することができる。通信信号は、グローバルシステムフォーモバイル(GSM(登録商標))及びGSM進化型高速データレート(EDGE)又はEGPRSなどの2G規格、符号分割多元接続(CDMA)、ユニバーサル移動体電気通信システム(UMTS)、及び時分割同期符号分割多元接続(TD−SCDMA)などの3G規格、ロングタームエボリューション(LTE)及びLTE−Advanced(LTE−A)などの4G規格、IEEE 802.11、Bluetooth(登録商標)、近距離通信(NFC)、ミリ波通信などの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)又はWiFi規格、或いは複数のこれらの又はその他のタイプの無線通信規格などの特定の通信規格又はプロトコルに従ってフォーマットすることができる。いくつかの実装では、他のタイプの通信(例えば、非標準的な信号及び通信プロトコル)が使用される。
【0020】
いくつかの実装では、同じ基地局120のサービスを受ける複数のUE105を区別するために、各UEが送信するアップリンク通信信号をスクランブルコードでスクランブル化することができる。スクランブルコードは、大規模な直交2進符号の集合から選択することができる。基地局120は、スクランブル化された無線信号を受信すると、この受信信号を復号するために、スクランブルコードの集合全体を探索してUE105が使用した特定のスクランブルコードを識別することによって、受信信号のスクランブルを解除することができる。いくつかの例では、図2図3及び図4に示すタイプのスクランブル解除処理が、一致するスクランブルコードを識別する精度及び効率を改善することができる。
【0021】
いくつかの実装では、UE105が、複数の基地局120から送信された無線信号を受信することができる。同様に、各基地局120が送信する信号も、複数の基地局を区別するために特定のスクランブルコードでスクランブル化することができる。UEは、受信した基地局からのダウンリンク信号を復号するために、技術例を実行してそれぞれの基地局が使用した特定のスクランブルコードを識別することができる。
【0022】
図1には、ある地理的地域にわたってそれぞれの空間座標(xi,yi,zi)の物理的位置に分散した複数の無線センサ装置110も示す。無線センサ装置110は、互いに同一又は同様のものとすることも、或いは様々な異なる無線センサ装置110が無線ネットワーク100と相互作用することもできる。無線センサ装置110の位置は、固定位置とすることも、或いは動的位置又は別様に移動可能な位置とすることもできる。
【0023】
無線センサ装置例110は、それぞれの位置のRFスペクトルをモニタして分析し、UE105によって送信されたRF信号を検出し、関連する地理的位置において利用できる無線通信サービスの分析を実行することができる。例えば、無線センサ装置110は、無線信号を検出して、例えば上述した通信規格のうちのいずれかなどの無線通信規格に従ってフォーマットされた無線信号を復号することができる。無線センサ装置例110は、データパケット及びデータフレームを識別して、検出された無線信号の制御情報及びトラフィックデータを抽出することができる。例えば、無線センサ装置110は、同期情報、セル識別子及びサービス識別子、並びにRFチャネルの品質測定結果(例えば、チャネル品質インジケータ(CQI))を抽出し、無線センサ装置110によって検出された無線信号のこれらの及びその他の制御情報及びトラフィックデータに基づいて、スペクトル使用パラメータ及びその他の情報を導出することができる。
【0024】
いくつかの実装では、無線センサ装置110が、UE105又は基地局が送信した検出された無線信号を復号して分析するために復号処理を実行して、特定のUE105又は基地局120が使用した特定のスクランブルコードを識別することができる。例えば、無線センサ装置110は、図2図3及び図4に示す動作のうちの1つ又は2つ以上を実行するように構成されたプロセッサ又はその他のコンピュータハードウェアを含むことができる。いくつかの実装では、無線ネットワーク例100の他の構成要素が同一又は同様の処理を使用して、例えば数多くの2進符号の中の1つの2進符号を探索又は別様に識別することができる。
【0025】
図2は、無線信号復号のための符号を識別する処理例200を示すフローチャートである。処理例200は、UE、基地局、無線センサ装置又は通信システム(例えば、無線ネットワーク例100)の他の構成要素のコンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ命令を実行するデータプロセッサ又は他のコンピュータハードウェアによって実行することができる。処理例200、処理200の個々の又は一群の動作は、連続又は(例えば、複数のスレッドを用いて)並行して反復又は実行することができる。いくつかの例では、処理例200が、図示の順序又は異なる順序で実行されるさらなる動作、これよりも少ない動作又は異なる動作を含むことができる。
【0026】
210において、例えばUE、基地局、無線センサ装置又は通信システムの他の構成要素の無線インターフェイスの動作によって無線信号を無線で受信する。この無線信号は、2進符号を用いて暗号化、直交化又は別様に操作された信号とすることができる。この2進符号は、送信前に無線信号に適用された個々の符号(例えば、スクランブルコード、拡散符号、又は直交符号の集合から選択された他のタイプの符号)とすることができる。2進符号は、例えば無線通信システムの許容符号空間などの、2進符号の集合又はプールから選択することができる。2進符号は、一連の2進値とすることができ、これらの連続における各値は、(例えば、集合(0,1)、集合(−1,1)、又は別の2進集合から選択された)2つの可能な値の一方である。図2に示す例では、受信した無線信号を復号するために、無線信号に適用された(標的2進符号と呼ぶことができる)2進符号を、全ての2進符号の集合から反復的に識別する。
【0027】
220において、現在の反復について現在の2進符号の集合を識別する。例えば、最初の反復では、現在の2進符号集合を、標的2進符号の選択元である全ての又は完全な2進符号の集合(例えば、無線通信システムの許容符号空間)とすることができる。いくつかの実装では、現在の集合に含まれる2進符号の数が、各反復時に減少することができる。
【0028】
230において、現在の反復について現在の集合を2進符号の複数の(例えば、N個の)検査部分集合(又はグループ)に分割する。各検査部分集合内の2進符号の数は、同じであっても又は異なっていてもよい。いくつかの実装では、検査部分集合の数(すなわち、Nの値)が、反復毎に異なることも、又は同じままであることもできる。例えば、検査部分集合の数は、最初の数回の反復では多くなり、後の反復では少なくなることができる。一例として、最初の反復では、(例えば、上述したWCDMAの例と同様に)全集合をN=8000の部分集合に均等に分割することができる。残りの反復では、Nを2に維持し、各後続の集合を、各部分集合が前回の部分集合の半分の数の2進符号を有するように2つの検査部分集合に均等に分割することができる。
【0029】
240において、N個の検査部分集合の各々に対応する重畳符号を計算することができる。いくつかの実装では、重畳符号の計算が、部分集合内の各2進符号の位相、振幅、又は位相と振幅の両方の操作を含むことができる。例えば、部分集合に対応する重畳符号の計算は、部分集合内の各2進符号に異なる位相を適用することによって段階的符号(phased code)を生成し、これらの段階的符号を合計することを含むことができる。段階的符号は、部分集合内の各2進符号に異なる位相及び異なる振幅を適用することによって生成することができる。重畳符号を計算する処理例については、図3に関して後述する。
【0030】
図3は、無線信号復号のための符号を識別する態様例を示すブロック図300である。図3に示すように、完全な符号集合310は、n個のグループ(検査部分集合)320a、320b、...、320nに分割される。各グループは、それぞれの数の2進符号、Code0、Code1、Code、...、Code m(それぞれグループ毎にまとめて330a、330b、...、330nと呼ぶ)を含む。図3には、2進符号Code0、Code1、Code、...、Code mの各々に位相関数及び振幅関数を適用できる振幅処理及び位相処理の例を示す。例えば、グループ1(320a)内の各2進符号に異なる位相及び異なる振幅を適用することができる。具体例として、Code0については、342示すように以下の通りである。
I’=A(I*cos(a)−Q*sin(a)) (1)
Q’=B(I*cos(a)+Q*sin(a)) (2)
方程式(1)及び(2)に示す例では、I’及びQ’は、段階的Code0の同相成分及び直交成分をそれぞれ表し、I及びQは、Code0(非段階的(unphased))の同相成分及び直交成分をそれぞれ表す。方程式(1)及び(2)に示すように、段階的Code0は、Code0の位相をaだけをシフトさせ、Code0の同相成分の振幅をAだけスケーリングし、Code0の直交成分の振幅をBだけスケーリングすることによって取得される。同様に、Code1については、344に示すように以下の通りである。
I’=C(I*cos(b)−Q*sin(b)) (3)
Q’=D(I*cos(b)+Q*sin(b)) (4)
方程式(3)及び(4)では、I’及びQ’は、段階的Code1の同相成分及び直交成分をそれぞれ表し、I及びQは、Code1(非段階的)の同相成分及び直交成分をそれぞれ表す。方程式(3)及び(4)に示すように、段階的Code1は、Code1の位相をbだけシフトさせ、Code1の同相成分の振幅をCだけスケーリングし、Code1の直交成分の振幅をDだけスケーリングすることによって取得される。
【0031】
同様に、Code2には346において、Code mには348において、他も同様に振幅及び位相操作が適用される。位相及び振幅操作後には、360aにおいて複数の個々の2進符号を合計してグループ1(320a)の重畳符号370aを得る。他のグループ内の符号には、同様の又は異なる振幅及び位相操作を適用することができる。
【0032】
いくつかの実装では、位相シフト(例えば、a、b、...、r)及び振幅変化(例えば、A、B、C、D、...、X、及びY)の値をランダムに、又は様々な異なる方法で選択することができる。例えば、振幅をランダム値とする一方で、位相を0〜2πの等間隔とすることもできる。いくつかの実装では、このような振幅及び位相操作によって、無線信号を制限し得る、存在する可能性がある相関を低減又は排除することができる。検査部分集合内の各2進符号の位相及び振幅には、さらなる又は異なる関数を適用することもできる。
【0033】
250において、無線信号と重畳符号との間の重畳符号相関を計算する。重畳符号相関は、無線信号と検査部分集合のそれぞれの重畳符号との間のそれぞれの相関を含むことができる。この相関は、例えば受信信号と重畳符号との間のドット積又は内積に基づいて取得することができる。いくつかの実装では、この相関を、(例えば、受信信号及び重畳符号の大きさによって正規化された)正規化ドット積とすることができる。いくつかの実装では、重畳符号相関を、受信信号と重畳符号との間の共分散、相関係数、或いは依存度又はその他の統計的関係の他の指標に基づいて計算することができる。
【0034】
例えば、図3に示すように、グループ1では、相関器380aにおいて受信信号305を重畳符号370aと相関させて重畳符号相関390aを得る。重畳符号相関390aは、例えば受信信号305及び重畳符号370aの大きさによって正規化された、受信信号305と重畳符号370aとの間のドット積又は内積に基づいて取得することができる。同様に、グループ2(320b)では、相関器380bにおいて受信信号305を重畳符号370bと相関させることによって重畳符号相関390bを取得することができ、グループn(320n)では、相関器380nにおいて受信信号305を重畳符号370nと相関させることによって重畳符号相関390nを取得することができる。従って、現在の反復では、N個の検査部分集合についてN個の重畳符号相関を取得することができる。
【0035】
260において、無線信号と第1の部分集合の第1の重畳符号との間の相関のピークに基づいて、第1の部分集合を選択することができる。いくつかの実装では、N個の重畳符号相関の中で1つの相関のみが相関値のピークを有する。例えば、図3に示すように、グループ1の重畳符号相関390aのみがピーク値を有するのに対し、残りの重畳符号相関390b、...、390nは、比較的一定の低い相関値を有する。従って、グループ1を、無線信号に適用された標的2進符号を含む第1の部分集合又は勝利部分集合として選択することができる。いくつかの実装では、例えば所定の又は構成可能な閾値を設定して閾値を超える値を含む相関を識別することにより、既存のピーク検出アルゴリズムに基づいて第1の部分集合を選択することができる。いくつかの実装では、複数の重畳符号相関がピーク値を含むこともある。この結果、対応する検査部分集合を、標的2進符号を識別するための候補部分集合として選択することができる。第1の部分集合は、候補部分集合のうちの1つとすることができる。
【0036】
270において、第1の部分集合から第1の2進符号を標的2進符号として選択するかどうかを判断することができる。例えば、現在の反復における第1の部分集合が、個々の2進符号を1つしか含んでいないこともあり、従って第1の部分集合内の唯一の2進符号を標的2進符号として識別することができる。別の例として、現在の反復における第1の部分集合が、(例えば、10個未満、100個未満などの)少数の個々の2進符号を含んでいることもある。第1の部分集合からの第1の2進符号の選択は、無線信号と第1の部分集合内の各2進符号との間の個々の符号相関を計算することと、無線信号と第1の2進符号との間の相関のピークに基づいて第1の2進符号を選択することとを含むことができる。次に、処理例200は280に進むことができる。
【0037】
いくつかの実装では、現在の反復における第1の部分集合が、(例えば、10個よりも多く、100個よりも多くなどの)数多くの個々の2進符号を含んでいることもある。例えば、第1の部分集合内の数多くの符号から個々の2進符号を選択すると計算コストが掛かることがある。このような場合、処理例200は220に戻ることができる。そして、第1の部分集合(又は別の部分集合)を次の反復のための現在の集合として識別することができる。その後、処理例200は230に進み、標的2進符号が識別されるまで反復処理を繰り返すことができる。
【0038】
280において、データプロセッサの動作により、第1の2進符号に基づいて無線信号を復号する。例えば、第1の2進符号に基づいて無線信号をスクランブル解除又は復号し、無線信号の送信機を識別することができる。いくつかの実装では、第1の2進符号を適用した後に無線信号に対してチャネル復号及びソース復号などのさらなる又は異なる動作を実行して、例えば無線信号に含まれているデータ情報を回復することができる。
【0039】
図4は、無線信号復号のための符号を識別する処理例400の態様を示す二分木例を含む。図4に示すように、全ての2進符号の集合を最初の反復でG個のグループ(又は検査部分集合)に分割する。グループ1は、2進符号C1、C2、...、CN1を含み、グループ2は、2進符号CN1+1、CN2、...、CN2を含み、グループGは、2進符号CNn+1、CNn+2、...、CNfを含む。G個のグループ内の2進符号の数は、同じであっても又は異なっていてもよい。
【0040】
G個のグループの各々について、例えば処理例200の240及び250に関して説明した動作例に従って又は別の方法で、重畳符号及び重畳相関Ti(i=1、2、...、G)を計算することができる。重畳相関がピーク値を含む(図4に「pos」として示す)場合には、対応するグループを候補グループとして選択することができる。例えば、図4に示すように、グループ1及びグループGは、いずれもピーク値を有する重畳相関T1及びTGを戻す。従って、グループ1及びグループGを候補グループとして選択して、グループ内で標的2進符号を探索し続けることができる。一方で、例えばグループ2の重畳相関T2がピーク値を含まない(図4に「neg」として示す)場合には、グループ2を標的2進符号の探索の検討から除外する。
【0041】
図4には、候補グループであるグループ1及びグループGの各々の内部における二分探索木を示す。例えば、グループ1内の探索は、2進符号C1、C2、...、CN1を含むルートノード410を有する二分探索木を含む。これらの符号は、2つのベクトル(又は検査部分集合)420a及び420bに分割することができる。ベクトル420a及び420bの各々について、それぞれの重畳符号及び重畳相関Tを計算することができる。重畳相関のピーク検出を実行することにより、ベクトル420aを検討から外し、ベクトル420bを選択して標的2進符号の探索を継続することができる。図示のように、ベクトル420bは、2つのベクトル430a及び430bにさらに分割される。この反復探索処理は、1又は2以上のピーク相関値を含む相関を戻す個々の2進符号が見つかるまで繰り返すことができる。場合によっては、最後の検査部分集合又はベクトル内にピーク相関値を有している個々の2進符号が存在しないことが分かる。後者の例は、グループ1に標的2進符号が含まれていないことを意味する。
【0042】
グループGに対しても、2進符号CNn+1、CNn+2、、...、CNfを含むルートノード450から二分探索木を開始する同様の動作を実行することができる。この二分探索木は、460aと460b、及び470aと470bなどの異なるレベルの検査部分集合又はベクトルを含むことができる。二分探索木は、例えば最後のレベルの検査部分集合が2進符号を1つだけ含む時に終了することができる。
【0043】
いくつかの実装では、G個のグループの中の1つの2進符号のみが、ピーク相関値を含む相関を有するものとして識別される。この場合、この1つの2進符号を標的2進符号(又は処理例200の270における第1の2進符号)として識別することができる。いくつかの実装では、G個のグループの中の複数の2進符号を、ピーク相関値を含む相関を有するものとして識別することができる。この場合、これらの2進符号の相関を計算することができる。いくつかの実装では、最大の相関値を有する2進符号を標的2進符号(又は処理例200の270における第1の2進符号)として識別することができる。いくつかの実装では、他の基準に基づいてこれらの2進符号から標的2進符号を選択することもできる。
【0044】
本明細書で説明した動作の一部は、例えば1又は2以上のコンピュータ可読記憶装置に記憶された、又は他のソースから受け取られたデータに作用する1又は2以上のデータ処理装置を含むコンピュータシステムなどのコンピュータシステムによって実行される動作として実装することができる。「データ処理装置」という用語は、データを処理する全ての種類の装置、機器及び機械を含み、一例としてプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、又は複数のシステムオンチップ、又はこれらの組み合わせを含む。この装置は、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路を含むこともできる。この装置は、ハードウェアに加えて、例えばプロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、又はこれらのうちの1つ又は2つ以上の組み合わせを構成するコードなどの、対象とするコンピュータプログラムの実行環境を形成するコードを含むこともできる。この装置及び実行環境は、ウェブサービス、分散コンピューティングインフラ及びグリッドコンピューティングインフラなどの様々な異なるコンピュータモデルインフラを実現することができる。
【0045】
(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト又はコードとしても知られている)コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語、宣言型言語又は手続き型言語を含むあらゆる形のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラム、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、又はコンピューティング環境で使用するのに適した他のユニットとしての形を含むあらゆる形で展開することができる。コンピュータプログラムは、必須ではないが、ファイルシステム内のファイルに対応することができる。プログラムは、対象とするプログラム専用の単一のファイル内の、又は複数の連動するファイル(例えば、1又は2以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を記憶するファイル)内の、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語リソースに記憶された1又は2以上のスクリプト)を保持するファイルの一部に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ装置上で実行されるように展開することも、或いは1つのサイトに位置する、又は複数のサイトに分散して通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することもできる。
【0046】
本明細書で説明した処理及びロジックフローの一部は、1又は2以上のコンピュータプログラムを実行する1又は2以上のプログラマブルプロセッサによって、入力データに作用して出力を生成することによって動作を行うように実行することができる。処理及びロジックフローは、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路によって実行することもでき、装置をこのような専用論理回路として実装することもできる。
【0047】
コンピュータプログラムを実行するのに適したプロセッサとしては、一例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びにあらゆる種類のデジタルコンピュータのいずれか1つ又は2つ以上のプロセッサが挙げられる。一般に、プロセッサは、リードオンリメモリ又はランダムアクセスメモリ、或いはこれらの両方から命令及びデータを受け取る。通常、コンピュータ装置は、命令に従って動作を実行するプロセッサと、命令及びデータを記憶する1又は2以上の記憶装置とを含む。一般に、コンピュータ装置は、データを記憶する1又は2以上の記憶装置も含み、或いはこのような記憶装置との間でデータの受け取り及びデータの転送、又はこれらの両方を行うように動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータ装置は、このような装置を有していなくてもよい。さらに、コンピュータは、いくつかの例を挙げると、例えば携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオプレーヤ又はビデオプレーヤ、ゲーム機、全地球測位システム(GPS)受信機、又はポータブル記憶装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)などの別の装置に組み込むこともできる。コンピュータプログラム命令及びデータの記憶に適した装置としては、一例として、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内部ハードディスク又はリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、磁気光学ディスク、並びにCD ROM及びDVD−ROMディスクを含む全ての形の不揮発性メモリ、媒体及びメモリデバイスが挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完することも、又は専用論理回路に組み込むこともできる。
【0048】
本明細書で説明した主題は、ユーザとの相互作用をもたらすために、ユーザに情報を表示するLCD(液晶ディスプレイ)画面などの表示装置と、タッチ画面、スタイラス、マウスなどの、ユーザがコンピュータに入力を提供できるようにするキーボード及びポインティングデバイスとを有するコンピュータ上に実装することができる。他の種類の装置を使用してユーザとの相互作用をもたらすこともでき、例えばユーザに提供されるフィードバックは、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック又は触覚的フィードバックなどのあらゆる形の感覚的フィードバックとすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚入力を含むあらゆる形で受け取ることができる。また、コンピュータ装置は、例えばウェブブラウザから受け取られた要求に応答してユーザのクライアント装置上のウェブブラウザにウェブページを送信することなどの、ユーザが使用する装置との間で文書を送受信することによってユーザと相互作用することもできる。
【0049】
本明細書で説明した主題の一部は、例えばデータサーバとしてのバックエンドコンポーネントを含む、又は例えばアプリケーションサーバとしてのミドルウェアコンポーネントを含む、又は例えば本明細書で説明した主題の実施形態とユーザが相互作用できるようにするグラフィカルユーザインターフェイス又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ装置などのフロントエンドコンポーネントを含む、或いは1又は2以上のこのようなバックエンド、ミドルウェア又はフロントエンドコンポーネントのいずれかの組み合わせを含むコンピュータシステムに実装することができる。システムのコンポーネントは、例えばデータネットワークなどのいずれかの形のデジタルデータ通信又はその媒体によって相互接続することができる。
【0050】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。一般に、クライアントとサーバは互いに離れており、通常は通信ネットワークを介して相互作用する。このクライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行される、互いにクライアント−サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。いくつかの実装では、サーバがクライアント装置にデータを送信する。サーバでは、クライアント装置において生成されたデータをクライアント装置から受け取ることができる。
【0051】
本明細書は多くの詳細を含むが、これらの詳細は、特許請求できるものの範囲を限定するものとして解釈すべきではなく、むしろ特定の例に固有の特徴の説明として解釈すべきである。本明細書において別個の実装の文脈で説明したいくつかの特徴は組み合わせることもできる。これとは逆に、単一の実装の文脈で説明した様々な特徴は、複数の実施形態において別個に、又はいずれかの好適な部分的組み合わせの形で実装することもできる。
【0052】
複数の例について説明した。それでもなお、様々な修正を行うことができると理解されたい。従って、以下の特許請求の範囲には他の実施形態も含まれる。
【符号の説明】
【0053】
300 ブロック図
305 探索すべき信号
310a 完全な符号集合
320a グループ1
320b グループ2
320n グループn
330a〜n コード0〜N
340a〜n 振幅処理
350a〜n 位相処理
360a〜n 合計
370a〜n 重畳符号
380a〜n 相関器
390a〜n 重畳符号相関
図1
図2
図3
図4