特許第6720295号(P6720295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6720295
(24)【登録日】2020年6月19日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20200629BHJP
【FI】
   G01R15/20 C
【請求項の数】17
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-514178(P2018-514178)
(86)(22)【出願日】2017年3月9日
(86)【国際出願番号】JP2017009525
(87)【国際公開番号】WO2017187809
(87)【国際公開日】20171102
【審査請求日】2018年9月18日
(31)【優先権主張番号】特願2016-89259(P2016-89259)
(32)【優先日】2016年4月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】蛇口 広行
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/128993(WO,A1)
【文献】 特開2014−174025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電流路部分及び当該第1電流路部分に対して曲げられた第2電流路部分を備える被測定電流路を流れる電流によって生じる磁気を利用する電流センサであって、
前記第1電流路部分を囲むように配置された複数の第1磁電変換素子と、
前記第1電流路部分を挟むように2列に配置された複数の第2磁電変換素子と、を有し、
前記第1電流路部分は、第1電流方向に電流が流れ、
前記第2電流路部分は、第2電流方向に電流が流れ、
複数の前記第1磁電変換素子は、前記第1電流路部分の中心が配置される仮想点を対称点として点対称の位置に配置され、
複数の前記第2磁電変換素子は、前記仮想点を対称点として点対称の位置に配置され、
前記第2磁電変換素子は、前記第2電流方向を前記第1電流方向に垂直な面に投影した方向の磁界を検知し、
前記第1磁電変換素子は、前記第1電流方向と直角であって、前記第2電流方向を前記第1電流方向に垂直な面に投影した方向と直角な方向の磁界を検知し、
前記第2電流方向において、前記第1磁電変換素子は、前記第2磁電変換素子より外側に位置し、
前記第2電流路部分に近い位置の前記第1磁電変換素子は、前記第2磁電変換素子に対して、前記第1電流方向と平行な方向において、前記第2電流路部分側に位置している
ことを特徴とする電流センサ。
【請求項2】
前記第1磁電変換素子は、前記第1電流方向と直角であって、前記第2電流方向と直角な方向に対して、45°未満の方向に感度軸が向いており、
前記第2磁電変換素子は、前記第2電流方向と平行な方向に対して45°未満の方向に感度軸が向いていることを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
【請求項3】
複数の前記第2磁電変換素子が形成する前記列が直線であり、前記列の方向と、前記第2電流方向を前記第1電流方向に垂直な面に投影した方向が平行であることを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
【請求項4】
前記第1磁電変換素子の感度軸の向きは、前記第1電流方向と直角であって、前記第2電流方向を前記第1電流方向に垂直な面に投影した方向と直角な方向であり、
前記第2磁電変換素子の感度軸の向きは、前記第2電流方向を前記第1電流方向に垂直な面に投影した方向であることを特徴とする請求項3に記載の電流センサ。
【請求項5】
複数の前記第2磁電変換素子が形成する前記列が曲線であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電流センサ。
【請求項6】
前記第1磁電変換素子及び前記第2磁電変換素子の感度軸の向きは、前記第1電流路部分を流れる電流から発生する誘導磁界の向きであることを特徴とする請求項5に記載の電流センサ。
【請求項7】
前記第1磁電変換素子が、前記列の端に位置していることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の電流センサ。
【請求項8】
前記第1磁電変換素子及び前記第2磁電変換素子が設けられた基板をさらに有し、
前記第2電流路部分に近い位置の前記第1磁電変換素子は、前記基板の前記第2電流路部分側の第1面に設けられており、
前記第2磁電変換素子は、前記基板の前記第2電流路部分側と反対側の第2面に設けられている
請求項1〜7のいずれかに記載の電流センサ。
【請求項9】
前記第1電流路部分と前記第2電流路部分とは直角である
請求項1〜8のいずれかに記載の電流センサ。
【請求項10】
第1電流路部分及び当該第1電流路部分に対して曲げられた第2電流路部分を備える被測定電流路を流れる電流によって生じる磁気を利用する電流センサであって、
基板と、
前記基板に設けられた複数の第1磁電変換素子と、
前記基板に設けられた複数の第2磁電変換素子とを備え、
前記第1電流路部分は、第1電流方向に電流が流れ、
前記第2電流路部分は、第2電流方向に電流が流れ、
前記基板は、2つの平行な腕部と、前記2つの腕部を繋ぐ根元部と有し、
全ての前記第2磁電変換素子が、前記腕部の伸びる方向に並んで2列に配置され、
全ての前記第1磁電変換素子は、複数の前記第2磁電変換素子の前記列の端に位置し、
前記第1磁電変換素子は、前記腕部の伸びる方向と直交する方向の磁界を検知し、
前記第2磁電変換素子は、前記腕部の伸びる方向の磁界を検知し、
前記第1磁電変換素子の内、前記腕部の最も先端側に設けられた2つの前記第1磁電変換素子は、前記基板の第1面に設けられており、
全ての前記第2磁電変換素子は、前記第1面と反対側の第2面に設けられている
ことを特徴とする電流センサ。
【請求項11】
前記第1磁電変換素子の感度軸の方向は、前記第1電流方向と直角であって、前記第2電流方向と直角な方向であり、
前記第2磁電変換素子の感度軸の方向は、前記第2電流方向と平行な方向であることを特徴とする請求項10に記載の電流センサ。
【請求項12】
前記第1磁電変換素子及び前記第2磁電変換素子の感度軸の向きは、前記第1電流路部分を流れる電流から発生する誘導磁界の向きであることを特徴とする請求項9に記載の電流センサ。
【請求項13】
前記第1磁電変換素子及び前記第2磁電変換素子が設けられた基板を有し、
全ての前記第1磁電変換素子は、前記基板の第1面に設けられ、
全ての前記第2磁電変換素子は、前記基板の前記第1面と反対側の第2面に形成されている
請求項7、9〜11のいずれかに記載の電流センサ。
【請求項14】
4個の前記第1磁電変換素子と、
6個以上の前記第2磁電変換素子と
を有する
請求項1〜12のいずれかに記載の電流センサ。
【請求項15】
前記第1磁電変換素子と前記第2磁電変換素子の内、最も端に位置する前記第2磁電変換素子とは、基板を挟んで反対側の面の対向する位置に設けられている
請求項1〜12のいずれかに記載の電流センサ。
【請求項16】
4個の前記第1磁電変換素子と、
4個の前記第2磁電変換素子と
を有する
請求項1〜12、14のいずれかに記載の電流センサ。
【請求項17】
前記第1磁電変換素子は、前記被測定電流路が位置する仮想の長方形の4つの頂点に設けられており、
前記第2磁電変換素子は、前記長方形の重心を通り前記長方形の長辺と平行な仮想線に対して線対称且つ前記重心に点対称となるように前記長方形の長辺上に設けられており
前記第1磁電変換素子は前記長方形の短辺と平行な磁界を検知し、
前記第2磁電変換素子は前記長辺と平行な磁界を検知し、
前記重心を中心に点対称位置にある前記第1磁電変換素子同士の検知可能な磁界の向きは同一あるいは逆であり、
前記重心を中心に点対称位置にある前記第2磁電変換素子同士の検知可能な磁界の向きは同一あるいは逆である
請求項1、3、4、7、8、9、10、11、13、14のいずれかに記載の電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定電流路に流れる電流を検知する電流センサに関し、特に、磁電変換素子を用いて被測定電流路に流れる電流を検知する電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器の制御や監視のために、被測定電流路に取り付けて被測定電流路に流れる電流を検知する電流センサが良く知られている。この種の電流センサとしては、ホール素子や磁気抵抗素子等の磁電変換素子を用いた電流センサが知られており、磁電変換素子の感度向上や外部磁場からの影響低減等のため、複数の磁電変換素子を用いられることがある。
このように複数の磁電変換素子を用いた電流センサでは、被測定電流路の周囲に発生する磁界の向きに合わせて、被測定電流路の周囲に複数の磁電変換素子を配設していた。
【0003】
電流センサでは、各部品の位置関係が測定精度に大きな影響を与えることがある。
特に、電線に後付けする場合、各部品の位置精度を高めるために、各部品を固定すると、電線に取り付ける際に電線が通過する箇所を空間にする必要がある。特に電線同士の間隔が狭い場合、磁電変換素子を取り付ける位置が限られる。
電線に後付けできる電流センサにおいて、各部品が相対的に動かないように固定した上で、外部磁場の影響を受けにくくする構造として、磁電変換素子を2列に配置し、四隅の磁電変換素子の感度が横向きになるように配置し、他の磁電変換素子の感度が縦向きになるように配置することで、前記2列の間隔を広げても、測定精度の悪化を抑制するものがある。当該電流センサでは、2列に配置された磁電変換素子郡の間に、被測定電流路が位置させるように構成されている。
このような電流センサでは、被測定電流路が直線であることを前提に、磁電変換素子は基板の片面にのみ配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2015/122064号公報
【特許文献2】国際公開WO2013/128993号公報
【特許文献3】特開2012−247250公報
【特許文献4】特開2015−38464号公報
【特許文献5】特開2014−174025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電流センサには、直線の被測定電流路のみならず、屈曲した被測定電流路についても電流の測定を行う場合がある。
しかしながら、従来の電流センサでは、被測定電流路が直線であることを前提に磁電変換素子が配置されており、屈曲した被測定電流路の電流を測定した場合に、測定精度が低いという問題がある。すなわち、被測定電流路が屈曲する位置によって、測定感度が変化するという問題がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被測定電流路が屈曲している場合でも、測定感度の変化を小さくできる電流センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明の電流センサは、第1電流路部分及び当該第1電流路部分に対して曲げられた第2電流路部分を備える被測定電流路を流れる電流によって生じる磁気を利用する電流センサであって、前記第1電流路部分を囲むように配置された複数の第1磁電変換素子と、前記第1電流路部分を挟むように2列に配置された複数の第2磁電変換素子と、を有し、前記第1電流路部分は、第1電流方向に電流が流れ、前記第2電流路部分は、第2電流方向に電流が流れ、複数の前記第1磁電変換素子は、前記第1電流路部分の中心が配置される仮想点を対称点として点対称の位置に配置され、複数の前記第2磁電変換素子は、前記仮想点を対称点として点対称の位置に配置され、前記第2磁電変換素子は、前記第2電流方向を前記第1電流方向に垂直な面に投影した方向の磁界を検知し、前記第1磁電変換素子は、前記第1電流方向と直角であって、前記第2電流方向を前記第1電流方向に垂直な面に投影した方向と直角な方向の磁界を検知し、前記第2電流方向において、前記第1磁電変換素子は、前記第2磁電変換素子より外側に位置し、前記第2電流路部分に近い位置の前記第1磁電変換素子は、前記第2磁電変換素子に対して、前記第1電流方向と平行な方向において、前記第2電流路部分側に位置している。
【0008】
この構成によれば、上述したように前記複数の第1磁電変換素子と第2磁電変換素子との配置、並びに磁界を検知する方向を規定したため、前記複数の第1磁電変換素子及び第2磁電変換素子の出力を基に累積等の演算を行うことで、隣接する電流路の磁界に応じた成分をキャンセルした測定(検知)ができる。
この構成によれば、前記被測定電流路が前記第1電流路部分に対して曲げられた前記第2電流路部分を備えているため、前記第2電流路部分が前記第1電流路部分と一直線である場合に比べて、前記電流によって生じる磁気の前記列方向に平行な成分は小さくなる。また、前記第1電流路部分の近傍では、前記第2電流路部分との間の距離が長くなるに従って前記第1電流路部分を流れる電流によって生じる磁気の前記複数の磁電変換素子が配置された列方向の成分は大きくなる。
一方、前記第2電流路部分の周囲では当該第2電流路部分に近づくに従って前記第2電流路部分を流れる電流によって生じる磁気の前記列方向に直角する方向の成分は大きくなる。
【0009】
本発明では、前記第2電流路部分に近い位置の前記第1磁電変換素子は、前記第2磁電変換素子に対して、前記第1電流方向と平行な方向において、前記第2電流路部分側に位置している。すなわち、当該第1磁電変換素子を前記第2電流路部分に近い位置に配設する。そのため、当該第1磁電変換素子の位置における前記第2電流路部分を流れる電流によって生じる磁気の前記列方向に直角する方向の成分を大きくできる。また、前記第2磁電変換素子は、前記第1磁電変換素子に対して前記第2電流路部分と反対側に位置させる。すなわち、当該第2磁電変換素子を前記第2電流路部分から遠い位置に配設する。そのため、当該第2磁電変換素子の位置における前記第1電流路部分を流れる電流によって生じる磁気の前記列方向の成分を大きくできる。
【0010】
第2電流路部分が、前記第1磁電変換素子に近づくと、第1磁電変換素子の感度が高まる。一方、第2電流路部分が、前記第1磁電変換素子に近づくと、第2磁電変換素子近傍の第1電流路部分が短くなるため、第2磁電変換素子の感度が低くなる。よって、第1磁電変換素子の感度変化と、第2磁電変換素子の感度変化とが相殺するため、測定感度の変化を抑えられる。逆に、第2電流路部分が、前記第1磁電変換素子から遠ざかると、第1磁電変換素子の感度が低くなる。一方、第2電流路部分が、前記第1磁電変換素子から遠ざかると、第2磁電変換素子近傍の第1電流路部分が長くなるため、第2磁電変換素子の感度が高くなる。よって、第1磁電変換素子の感度変化と、第2磁電変換素子の感度変化とが相殺するため、測定感度の変化を抑えられる。この結果、第2電流路部分の位置が、第1電流方向にずれても、測定感度の変化を抑えられる。
【0011】
好適には、前記第1磁電変換素子は、前記第1電流方向と直角であって、前記第2電流方向と直角な方向に対して、45°未満の方向に感度軸が向いており、前記第2磁電変換素子は、前記第2電流方向と平行な方向に対して45°未満の方向に感度軸が向いている。
好適には、複数の前記第2磁電変換素子が形成する前記列が直線であり、前記列の方向と、前記第2電流方向を前記第1電流方向に垂直な面に投影した方向が平行である。
好適には、前記第1磁電変換素子の感度軸の向きは、前記第1電流方向と直角であって、前記第2電流方向を前記第1電流方向に垂直な面に投影した方向と直角な方向であり、前記第2磁電変換素子の感度軸の向きは、前記第2電流方向を前記第1電流方向に垂直な面に投影した方向である。
好適には、複数の前記第2磁電変換素子が形成する前記列が曲線である。
好適には、前記第1磁電変換素子及び前記第2磁電変換素子の感度軸の向きは、前記第1電流路部分を流れる電流から発生する誘導磁界の向きである。
好適には、前記第1磁電変換素子が、前記列の端に位置している。
【0012】
好適には本発明の電流センサは、前記第1磁電変換素子及び前記第2磁電変換素子が設けられた基板をさらに有し、前記第2電流路部分に近い位置の前記第1磁電変換素子は、前記基板の前記第2電流路部分側の第1面に設けられ、前記第2磁電変換素子は、前記基板の前記第2電流路部分側と反対側の第2面に設けられている。
【0013】
この構成によれば、特別な部品を設けること無く、前記第1磁電変換素子と前記第2電流路部分との間の距離を短くし、前記第2磁電変換素子と前記第2電流路部分との間の距離を長くでき、測定精度を高めることができる。
【0014】
好適には本発明の電流センサは、前記第1電流路部分と前記第2電流路部分とは直角である。
【0015】
この構成によれば、前記第1電流路部分と前記第2電流路部分とを直角に形成したことで、前記被測定電流路の前記第1電流路部分を流れる電流によって生じる磁界の前記列方向の成分の前記第2磁電変換素子の位置の大きさ、並びに前記第2電流路部分を流れる電流によって生じる磁界の前記列方向と直交する成分の前記第1磁電変換素子の位置の大きさを大きくでき、測定感度を高めることができる。
【0016】
本発明の電流センサは、第1電流路部分及び当該第1電流路部分に対して曲げられた第2電流路部分を備える被測定電流路を流れる電流によって生じる磁気を利用する電流センサであって、基板と、前記基板に設けられた複数の第1磁電変換素子と、前記基板に設けられた複数の第2磁電変換素子とを備え、前記第1電流路部分は、第1電流方向に電流が流れ、前記第2電流路部分は、第2電流方向に電流が流れ、前記基板は、2つの平行な腕部と、前記2つの腕部を繋ぐ根元部と有し、全ての前記第2磁電変換素子が、前記腕部の伸びる方向に並んで2列に配置され、全ての前記第1磁電変換素子は、複数の前記第2磁電変換素子の前記列の端に位置し、前記第1磁電変換素子は、前記腕部の伸びる方向と直交する方向の磁界を検知し、前記第2磁電変換素子は、前記腕部の伸びる方向の磁界を検知し、前記第1磁電変換素子のうち、前記腕部の最も先端側に設けられた2つの前記第1磁電変換素子は、前記基板の第1面に設けられ、全ての前記第2磁電変換素子は、前記第1面と反対側の第2面に設けられていることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、前記被測定電流路が前記第1電流路部分に対して曲げられた前記第2電流路部分を備えているため、前記第2電流路部分が前記第1電流路部分と一直線である場合に比べて、前記電流によって生じる磁気の前記第2感度軸に平行な成分は小さくなる。また、前記第1電流路部分の近傍では、前記第2電流路部分との間の距離が長くなるに従って前記第1電流路部分を流れる電流によって生じる磁気の前記複数の磁電変換素子が配置された列方向の成分は大きくなる。
一方、前記第2電流路部分の周囲では当該第2電流路部分に近づくに従って前記第2電流路部分を流れる電流によって生じる磁気の前記列方向に直交する成分は大きくなる。
【0018】
本発明では、第2電流路部分が、前記第1磁電変換素子に近づくと、第1磁電変換素子の感度が高まる。一方、第2電流路部分が、前記第1磁電変換素子に近づくと、第2磁電変換素子近傍の第1電流路部分が短くなるため、第2磁電変換素子の感度が低くなる。よって、第1磁電変換素子の感度変化と、第2磁電変換素子の感度変化とが相殺するため、測定感度の変化を抑えられる。逆に、第2電流路部分が、前記第1磁電変換素子から遠ざかると、第1磁電変換素子の感度が低くなる。一方、第2電流路部分が、前記第1磁電変換素子から遠ざかると、第2磁電変換素子近傍の第1電流路部分が長くなるため、第2磁電変換素子の感度が高くなる。よって、第1磁電変換素子の感度変化と、第2磁電変換素子の感度変化とが相殺するため、測定感度の変化を抑えられる。この為、第2電流路部分の位置が、第1電流方向にずれても、測定感度の変化を抑えられる。
【0019】
好適には、前記第1磁電変換素子の感度軸の方向は、前記第1電流方向と直角であって、前記第2電流方向と直角な方向であり、前記第2磁電変換素子の感度軸の方向は、前記第2電流方向と平行な方向である。
好適には、前記第1磁電変換素子及び前記第2磁電変換素子の感度軸の向きは、前記第1電流路部分を流れる電流から発生する誘導磁界の向きである。
【0020】
本発明では、前記第1磁電変換素子の内、前記腕部の最も先端側に設けられた2つの前記第1の磁電変換素子は、前記基板の第1面に設けられている。また、全ての前記第2磁電変換素子は、前記第1面と反対側の第2面に設けられている。そのため、特別な部品を設けること無く、電流路から、第1磁電変換素子及び第2磁電変換素子までの距離を調整できる。
【0021】
好適には本発明の電流センサの全ての前記第1磁電変換素子は、前記基板の前記第1面に設けられ、全ての前記第2磁電変換素子は、前記基板の前記第1面と反対側の前記第2面に形成されている。
【0022】
この構成によれば、前記第1磁電変換素子と前記第2磁電変換素子とを基板の異なる面に設けることで、構成を簡単にできると共に、磁電変換素子の位置決めが容易且つ高精度になるため、製造コスト削減及び測定高精度化を図れる。
【0023】
好適には本発明の電流センサは、4個の前記第1磁電変換素子と、6個以上の前記第2磁電変換素子とを有する。
【0024】
この構成によれば、隣接する電流路の位置がずれても、測定精度の悪化を抑制できる。
【0025】
好適には本発明の電流センサは、前記第1磁電変換素子と前記第2磁電変換素子の内、最も端に位置する前記第2磁電変換素子とは、基板を挟んで反対側の面の対向する位置に設けられている。
【0026】
この構成によれば、最も端に位置する前記第2磁電変換素子と前記第1磁電変換素子とを対向する位置に設けるので、全体構成を小さくできる。そのため、当該電流センサの後付が容易になる。
【0027】
好適には本発明の電流センサは、4個の前記第1磁電変換素子と、4個の前記第2磁電変換素子とを有する。
【0028】
この構成によれば、全体構成を小さくできる。また、ペアとなる磁電変換素子の温度が等しくなるので、磁電変換素子に温度特性があっても、測定精度の悪化を防げる。
【0029】
好適には本発明の電流センサの前記第1磁電変換素子は、前記被測定電流路が位置する仮想の長方形の4つの頂点に設けられ、前記第2磁電変換素子は、前記長方形の重心を通り前記長方形の長辺と平行な仮想線に対して線対称且つ前記重心に点対称となるように前記長方形の長辺上に設けられ、前記第1磁電変換素子は前記長方形の短辺と平行な磁界を検知し、前記第2磁電変換素子は前記長辺と平行な磁界を検知し、前記重心を中心に点対称位置にある前記第1磁電変換素子同士の検知可能な磁界の向きは同一あるいは逆であり、前記重心を中心に点対称位置にある前記第2磁電変換素子同士の検知可能な磁界の向きは同一あるいは逆である。
【0030】
この構成によれば、上述したように第1及び第2磁電変換素子を配設することで、前記長方形の短辺に平行な方向において、第1及び第2磁電変換素子を配設する領域を小さくでき、被測定電流路と隣接する電流路(近隣電流路)との距離を狭くできる。これにより、基板の小型化、つまり電流センサの小型化が可能である。
また、近隣電流路からの外来磁場の影響を相対的に低減することができる。従って、外来磁場による第1及び第2磁電変換素子への影響が低減されるので、第1及び第2磁電変換素子からの検知値を安定して得ることができる。
また、上述したように、仮想の長方形の長辺と短辺に平行に第1及び第2磁電変換素子の感度軸の方向を規定したことで、第1及び第2磁電変換素子が円周上に等間隔で配設されている場合と比較して、第1及び第2磁電変換素子を基板に実装する際に、容易に実装することができると共に、基板と磁電変換素子との位置関係を容易に設計することができる。従って、被測定電流路の取付け角度や取付け位置等の精度を高めることができるので、測定精度を向上させることができる。
また、上記構成によれば、第1及び第2磁電変換素子は、仮想の長方形の長辺及び短辺方向で位置調整をすればよく、測定精度を高める設計が容易になる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、被測定電流路が屈曲している場合において、屈曲する位置による測定感度の変化を小さくできる電流センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る電流センサを示す外観図である。
図2図2は、図1に示す電流センサの分解斜視図である。
図3図3は、図2に示す基板と第1磁電変換素子及び第2磁電変換素子のみを表した斜視図である。
図4図4は、基板、磁電変換素子及び被測定電流路の位置関係を説明するための図である。
図5図5は、図2に示す基板上での磁電変換素子の配置を説明するための図1に示すZ2からZ1側に見た図である。
図6図6は、図5に示す磁電変換素子の感度軸を説明するための図である。
図7図7は、図1に示す第1実施形態の電流センサの変形例を説明するための図である。
図8図8は、図1に示す電流センサ等と第2電流路部分との間の距離と、磁界検知感度との関係を示す図である。
図9図9は、本発明の第1実施形態に係る電流センサの他の変形例である。
図10図10は、本発明の第1実施形態に係る電流センサの更に他の変形例である。
図11図11は、本発明の第2実施形態における基板上での第1磁電変換素子と、第2磁電変換素子との配置を説明するための外観斜視図である。
図12図12は、図11に示す電流センサの基板上での磁電変換素子の配置を説明するための図である。
図13図13は、図11に示す電流センサ等と第2電流路部分との間の距離と、磁界検知感度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電流センサ101を示す外観図である。図2図1に示す電流センサ101の分解斜視図である。図3は、図2に示す基板16と第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iのみを表した斜視図である。図4は基板16、磁電変換素子15及び被測定電流路CBの位置関係を説明するための図である。図5は、図2に示す基板16上での第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iの配置を説明するための図1に示すZ2からZ1側に見た図である。図6図5に示す第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iの感度軸(磁気を感知する方向)を説明するための図である。
【0034】
図2図6に示すように、本発明の第1実施形態に係る電流センサ101は、被測定電流路CBに電流が流れたときに発生する磁気(磁界)を検知する第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iと、当該磁電変換素子が配置された基板16とを備えて構成されている。また、電流センサ101は、基板16を収納する収納部11sを有する筐体11と、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iからの電気信号を取り出すための取出し端子13tを有したコネクタ13と、被測定電流路CBを固定し保持するための保持部材14とを備えている。
【0035】
被測定電流路CBは、図1に示すように、折れ曲がった形状をしており、第1電流路部分CB1と当該第1電流路部分CB1に対して傾斜した第2電流路部分CB2とを有する。本実施形態では、第1電流路部分CB1と第2電流路部分CB2とは直交しており、第1電流路部分CB1はZ1−Z2方向に延びており、第2電流路部分CB2はY1−Y2方向に延びている。第1電流路部分CB1を第1電流方向(Z2からZ1に向かう方向)に流れる電流Iによって、X−Y平面に沿った磁界が第1電流路部分CB1の周囲に発生する。また、第2電流路部分CB2を第2電流方向(X1からX2に向かう方向)流れる電流Iによって、X−Z平面に沿った磁界が第2電流路部分CB2の周囲に発生する。尚、被測定電流路CBが屈曲する部分の曲率(R)は、図示したものと大幅に異なっていても良い。例えば、筐体11と対向する範囲全体で、被測定電流路CBが大きな曲率で曲がっていても良い。
【0036】
電流センサ101では、磁電変換素子が基板16に両面実装されている。すなわち、第1電流路部分CB1に対しての第2電流路部分CB2の傾斜方向であるY1−Y2方向に直交する感度軸を持つ第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jを、第2電流路部分CB2側(第2電流路部分CB2に近い側)の第1面16aに設けている。
また、第1電流路部分CB1の方向に直交する感度軸を持つ第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iを、第2電流路部分CB2と反対側(第2電流路部分CB2から遠い側)の第2面16bに設けている。
これにより、後述するように、被測定電流路CBが直線の場合と屈曲している場合との測定誤差を小さくできる。
ここで、感度軸とは、磁電変換素子が磁気を感知する方向である。 本実施形態では、図2等に示すように、基板16は、切欠17を挟んでY1−Y2方向に延びる2本の腕部161,162を有する。
第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iは、腕部161,162にY1−Y2方向に沿って2列に配置されている。また、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jは、当該2列の端にそれぞれ設けられている。
第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iは、上記列方向(Y1−Y2方向、腕部161,162が延びる方向)の磁界を検知する。
第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jは、上記列と直交するX1−X2方向の磁界を検知する。
【0037】
以下、各構成要素について詳細に説明する。
筐体11は、合成樹脂材料で形成されている。この筐体11は、上方が開口した箱状のケース31と、ケース31の開口部を塞ぐような板状のカバー41と、から構成され、ケース31内部に、基板16を収納する収納部11sが形成されている。なお、筐体11の材質に合成樹脂材料を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、強磁性体でなければ、金属材料を用いた構成にしても良い。
【0038】
ケース31には、その一辺側からケース31の中心側に向かって切り欠かれた凹部(凹溝)32が形成され、この凹部32内に被測定電流路CBが導入されて保持されるように構成されている。凹部32の奥壁32aは、被測定電流路CBの外周面と相補形状に形成されている。本実施の形態では、凹部32の奥壁32aは、円筒形状の被測定電流路CBの外周面に対応するように円弧状に湾曲して形成されている。また、奥壁32aに連なるケース31の対向する内側壁32bには、クリップバネ14Kの自由端部側を係止する切欠32cが、それぞれ対峙する位置に形成されている。切欠32cは、内側壁32bの上端部側から下方に向かって切り欠かれ、入り口側の端面が、外方に向かって傾斜するように形成されている。被測定電流路CBは、その外周面の奥側を凹部32の奥壁32aに当接させた状態で、手前側を切欠32cから凹部32内に突出するクリップバネ14Kによって挟持されることで、筐体11に対して保持される。この凹部32の奥壁32aとクリップバネ14Kとで挟持される位置が、筐体11に対する被測定電流路CBの配置位置PPとなる。本実施形態では、配置位置PPが、後述する仮想の長方形Lの重心PPとなる。
【0039】
カバー41は、一方の辺部に、ケース31の凹部32と対応するように同一形状の開口部42が形成され、この開口部42の形成された辺部と反対側の辺部に、コネクタ13の上端部を筐体11外部に露出させるための開口部43が形成されている。
【0040】
保持部材14は、被測定電流路CBを固定し保持するための部材であり、被測定電流路CBの外縁を挟み込んで保持するクリップバネ14Kと、被測定電流路CBが図5に示す配置位置PPに配置された後にクリップバネ14Kを押さえる押し部材14Hとを備えている。
【0041】
基板16は、ケース31の収納部11sに収納可能な大きさで形成されており、その一辺部に、被測定電流路CBを側方から入れる為の切欠17が形成されている。基板16は、収納部11sの底面部と相似形状に形成されており、ケース31の凹部32と相補形状の切欠部17が形成されている。
【0042】
図2図6に示すように、基板16の切欠17の近傍には、複数の第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iが配置さる。第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jと、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iを合わせた数は、10個である。切欠17が形成される辺部と対向する辺部近傍にはコネクタ13が配設されている。
なお、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iの詳細な配置位置については後述する。
【0043】
コネクタ13は、相手側コネクタ(図示省略)と電気的に接続する複数の端子を備えており、これら複数の端子の中に、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iからの電気信号を取り出すため取出し端子13tを有している。また、コネクタ13は、相手側コネクタ(図示省略)と嵌合するための絶縁基体13Kを備えている。コネクタ13に限らず、例えば、フレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Circuits)等を用いても良い。
【0044】
第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iは、被測定電流路CBに電流が流れたときに発生する磁気を検知する電流センサ素子であって、例えば、巨大磁気抵抗効果を用いた磁気検知素子(GMR(Giant Magneto Resistive)素子という)を用いることが可能である。
この磁電変換素子15は、GMR素子をシリコン基板上に作製した後、切り出されたチップを熱硬化性の合成樹脂でパッケージングし、信号の取り出しのためのリード端子がGMR素子と電気的に接続されて構成されている。そして、このリード端子により、基板16にはんだ付けがされている。本実施形態では、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iとして同一特性のものを用いる。
【0045】
図2図6に示すように、基板16の切欠17の近傍には、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iが配置されている。
図6において、矢印で示されるように、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jの感度軸はX1−X2方向に平行であり、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iの感度軸はY1−Y2方向に平行である。つまり、第1電流路部分CB1を電流Iが流れる「第1電流方向」(Z2からZ1に向かう方向)にも、第2電流路部分CB2を電流が流れる「第2電流方向」(Y1からY2に向かう方向)にも直交するX1−X2方向と、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jの感度軸の向きが平行である。また、第2電流路部分CB2を電流が流れる「第2電流方向」と、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iの感度軸の向きが平行である。
【0046】
図5に示すように、電流センサ101では、重心PPの仮想的な長方形L上に第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iが配設されている。重心PPは、被測定電流路CBの横断面(X,Y断面)の中心となる。切欠17は、被測定電流路CBに対して電流センサ101を位置決めした際に、仮想の長方形Lの重心に被測定電流路CBの中心を位置させることが可能な形状を有している。
【0047】
図5に示すように、Y1方向から見て切欠17の左側(X2方向側)の基板16には、第1磁電変換素子25a,25e及び第2磁電変換素子25b,25c,25dが配置されている。
また、Y1方向から見て切欠17の右側(X1方向側)の基板16には、第1磁電変換素子25f,25j及び第2磁電変換素子25g,25h,25iが配置されている。
【0048】
電流センサ101では、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jは基板16の第1面16a(Z1側の面)に配設されており、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iは基板16の第2面16b(Z2側の面)に配設されている。ここで、基板16の第1面16aは、第2面16bに対し被測定電流路CBの第2電流路部分CB2側に位置している。
また、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jは仮想的な長方形Lの4個の頂点に配設されている。
【0049】
また、第2磁電変換素子25b,25c,25dは長方形Lの長辺L1上に配設され、第2磁電変換素子25g,25h,25iは長方形Lの長辺L2上に配設されている。
第2磁電変換素子25c,25hは、長辺L1と直交し重心PPを通る長辺L2上に配設されている。
第1磁電変換素子25a,25eは、長辺L1,L2と平行で重心PPを通る第1仮想線IL1に対して、第1磁電変換素子25f,25jとそれぞれ線対称に配置されている。
また、第2磁電変換素子25b,25c,25dは、第1仮想線IL1に対して、第2磁電変換素子25g,25h,25iとそれぞれ線対称に配置されている。
【0050】
第1磁電変換素子25a,25eは、長方形Lの重心PPに対して、それぞれ磁電変換素子25f,25jとそれぞれ点対称に配設されている。
第2磁電変換素子25b,25c,25dは、長方形Lの重心PPに対して、それぞれ磁電変換素子25g,25h,25iとそれぞれ点対称に配設されている。
【0051】
このように第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iを配置することで、磁電変換素子が円周上に等間隔で配設されている場合(一般的な電流センサ)と比較して、被測定電流路CBを側方から入れることが可能な磁電変換素子の配置でありながら、磁電変換素子の配置スペースを小さくできる。
【0052】
つまり、本実施形態では、第1磁電変換素子25a,第2磁電変換素子25b,25c,25d及び第1磁電変換素子25eが長方形Lの長辺L1上に配設されている。また、第1磁電変換素子25f,第2磁電変換素子25g,25h,25i及び第1磁電変換素子25jが長方形Lの長辺L2上に配設されている。
そのため、短辺L3方向(X方向)の距離を短くできる。すなわち、被測定電流路CBと隣接する電流路との距離を狭くできる。
その結果、一般的な磁電変換素子の配置領域と比べて、特に切欠17の形成方向と直交する方向(第2仮想線IL2の延在方向)における第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iの配置領域を狭くすることができ、基板16の小型化、つまり電流センサ201の小型化が可能である。特に、切欠17の左右の腕部161,162の幅が狭くできる。
【0053】
第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jの感度軸(磁気を感知する方向)の向きは、長方形Lの短辺L2と平行であり、且つ長方形Lに沿って一方向である。
第1磁電変換素子25a,25fの感度軸は、X1方向を向いており、第1磁電変換素子25e,25jの感度軸は、X2方向を向いている。
【0054】
第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iの感度軸の向きは、長方形Lの長辺L1と平行であり、且つ長方形Lに沿って一方向である。
第2磁電変換素子25b,25c,25dの感度軸は、Y1方向を向いており、第2磁電変換素子25g,25h,25iの感度軸は、Y2方向を向いている。
すなわち、第1磁電変換素子25a、第2磁電変換素子25b,25c,25d及び第1磁電変換素子25eは、重心PPを中心に点対称位置にある第1磁電変換素子25f,第2磁電変換素子25g,25h,25i及び第1磁電変換素子25jと感度軸の向きが点対称(逆向き)になる。
後段の演算回路では、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25j及び第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iの出力を加算することで、被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路の磁界に応じた成分をキャンセルする。
【0055】
電流センサ101では、図2図6に示すように、磁電変換素子が基板16に両面実装されている。すなわち、第1電流路部分CB1に対しての第2電流路部分CB2内の電流が流れる方向であるY1−Y2方向に直交する感度軸を持つ第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jを、第2電流路部分CB2側(第2電流路部分CB2に近い側)の第1面16aに設けている。
また、第1電流路部分CB1の方向に直交する感度軸を持つ第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iを、第2電流路部分CB2と反対側(第2電流路部分CB2から遠い側)の第2面16bに設けている。すなわち、磁電変換素子が両面実装されている。
本発明は、国際公開WO2015/122064号公報や、国際公開WO2013/128993公報記載の電流センサと、同一の原理に基づく電流センサである。端に位置する第1磁電変換素子の感度軸の向きと、端以外に位置する第2磁電変換素子の感度軸の向きとが、直交している。電流路を屈曲させた場合、第1磁電変換素子の内、屈曲部分に近い第1磁電変換素子の測定感度が高まる一方で、他の磁電変換素子の測定感度が低下する。つまり、2つの磁電変換素子の感度が高まる一方で、他の磁電変換素子の感度が低下する。この為、本発明では、電流路の屈曲によって、2つの磁電変換素子の感度を大きく高めることで、他の多数の磁電変換素子の感度低下を相殺させている。
これにより、被測定電流路CBが屈曲する位置の違いによる測定感度の変化を小さくできる。
【0056】
すなわち、電流センサ101では、被測定電流路CBが第1電流路部分CB1に対して直角に屈曲した第2電流路部分CB2を備えているため、第2電流路部分CB2が第1電流路部分CB1と一直線である場合に比べて、被測定電流路CBを流れる電流によって生じる磁気の第2感度軸(Y1−Y2方向)に平行な成分は小さくなる。また、第1電流路部分CB1の近傍では、第2電流路部分CB2との間の距離が長くなるに従って第1電流路部分CB1を流れる電流によって生じる磁気の第2感度軸に平行な成分は大きくなる。 一方、第2電流路部分CB2の周囲では第2電流路部分CB2に近づくに従って第2電流路部分CB2を流れる電流によって生じる磁気の第1磁電変換素子の感度軸(X1−X2方向)に平行な成分は大きくなる。
【0057】
ここで、第1磁電変換素子25a,25jは、基板16の第1面16aの2つ腕部161,162の先端(開放端)16c,16d側に設けられている。そのため第1磁電変換素子25a,25jの位置における第2電流路部分CB2を流れる電流によって生じる磁気の第1感度軸に平行な成分は大きくなる。
【0058】
また、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iは、基板16の第2電流路部分CB2と反対側の面16bに設けられている。そのため、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iの位置における第1電流路部分CB1を流れる電流によって生じる磁気の第2磁電変換素子の感度軸に平行な成分は大きくなる。
これにより、被測定電流路CBの屈曲する位置が変化しても、測定感度の変化を抑制できる。
【0059】
また、第1電流路部分CB1に対しての第2電流路部分CB2を直角にしたことで、第1電流路部分CB1を流れる電流によって生じる磁界の感度軸に平行な成分の第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iの位置における大きさ、並びに第2電流路部分CB2を流れる電流によって生じる磁界の感度軸に平行な成分の第1磁電変換素子25a,25jの位置における大きさを大きくでき、測定感度を高めることができる。
【0060】
電流センサ101では、図1に示す被測定電流路CBを流れる電流を測定する場合に、第1磁電変換素子25a,25jは感度増となり、第1磁電変換素子25e,25fは感度減となる。また、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iは全て感度減となるが、全体としては測定感度の変化が相殺されるように、各磁電変換素子を配置する。
【0061】
また、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jと第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iとを同一の基板16の異なる面に設けることで、第1磁電変換素子と第2磁電変換素子とを相互に第2電流路部分CB2から異なる距離に高精度に且つ容易に位置決めでき、測定精度の向上と製造コストの低下を同時に実現できる。
【0062】
また、図2図6に示すように、4つの第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jと、6つの第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iとを配置したことで、隣接する電流路の位置がずれても、測定精度の悪化を抑制できる。
【0063】
なお、図6の例において、第1磁電変換素子25fの感度軸の向きを第1磁電変換素子25aとは逆のX2方向とし、第1磁電変換素子25jの感度軸の向きを第1磁電変換素子25eとは逆のX1方向とし、第2磁電変換素子25g,25h,25iの感度軸の向きを磁電変換素子25b,25c,25dと同じY1方向としてもよい。
この場合は、後段の演算回路では、第1磁電変換素子25a,25e及び第2磁電変換素子25b,25c,25dの出力から、第1磁電変換素子25f,25j及び第2磁電変換素子25g,25h,25iの出力を減算することで、被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路の磁界に応じた成分をキャンセルする。
【0064】
以上説明したように、電流センサ101によれば、Y1−Y2方向に直交する感度軸を持つ第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jを、第2電流路部分CB2側(第2電流路部分CB2に近い側)の第1面16aに設け、感度軸を持つ第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iを、第2電流路部分CB2と反対側(第2電流路部分CB2から遠い側)の第2面16bに設けた。その結果、被測定電流路CBを流れる電流によって磁気に対しての全体として感度を高めて測定精度を高めることができる。
これにより、被測定電流路が直線の場合と、被測定電流路CBのように屈曲している場合とでの測定感度の変化を抑制できる。
【0065】
<第1実施形態の変形例>
図7は、上述した電流センサ101の変形例であり、第1磁電変換素子25a,25jを第1面16aに配設し、第1磁電変換素子25e,25f及び全ての第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iを第2面16bに配設した電流センサ201である。
【0066】
図8は、電流センサ101,202等と第2電流路部分CB2との間の距離Hと、磁界検知感度との関係を示す図である。図8の横軸が距離Hを示し、縦軸が被測定電流路CBが直線の場合の磁界検知感度を100%とした場合の感度を示している。
図8に示すように、磁界検知感度は、図7に示す電流センサ201が最も変化が小さく(G1)、図2図6に示す電流センサ101が2番目に変化が小さい(G2)。また、図8に示すように、磁界検知感度は、全ての磁電変換素子を第2面16bに配設した場合が3番目であり(G3)、全ての磁電変換素子を第1面16aに配設した場合が最も感度の変化が大きい(G4)。
【0067】
また、図2図6に示すように第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jと第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iを配置したことで、磁電変換素子25a〜25lの配置エリアのX方向の幅を最小限にでき、被測定電流路CBと隣接する電流路との距離を狭くできる。これにより、基板16の小型化、つまり電流センサ101の小型化が可能である。特に、切欠17の左右の腕部161,162の幅が狭くできる。
【0068】
また、電流センサ101によれば、図2図6に示すように第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jと第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iを配置したことで、隣り合う位置に配設された近隣電流路からの外来磁場の影響を相対的に低減することができる。従って、外来磁場による磁電変換素子への影響が低減されるので、磁電変換素子からの検知値を安定して得ることができる。このように隣接電線の影響を除けることを、シミュレーションで確認した。
【0069】
<第1実施形態の他の変形例>
また、他の変形例において、電流センサ101は、図9に示すように、第2の磁電変換素子25b〜25dを第1電流路部分CB1の重心PPを中心とする円周上に配置する。同様に第2の磁電変換素子25g〜25iを同じ円周上に配置する。また、第1の磁電変換素子25a,25e、25f、25jも同じ円周上に配置する。この場合、第2の磁電変換素子25b〜25dは、円周に沿って、電流路CBを囲むように2列に配置され、第1の磁電変換素子25a,25e、25f、25jは、列の端に位置する。つまり、磁電変換素子25a〜25jが配置される列は、直線に限らず、曲線でも良い。
【0070】
また、第2の磁電変換素子25b〜25d、25g〜iの感度軸の向きは、円周の接線方向であると共に、第2の磁電変換素子25b〜25d、25g〜iの感度軸の向きは、第2電流方向に対して45°未満となるように配置する。第2の磁電変換素子25b〜25d、25g〜25iの感度軸が、第2電流方向に対して45°未満であれば、第2磁電変換素子25b〜25d、25g〜25iは、第2電流方向(Y1からY2に向かう方向)と平行な方向の磁界を検知できる。第1の磁電変換素子の感度軸の向きは、円周の接線方向であると共に、X1−X2方向に対して45°未満となるように配置する。第1の磁電変換素子25a、25e、25f、25jの感度軸が、X1−X2方向に対して45°未満であれば、第1電変換素子25a、25e、25f、25jは、X1−X2方向と平行な方向の磁界を検知できる。尚、X1−X2方向は、前述したとおり、第1電流方向と直角かつ、第2電流方向と直角な方向である。
【0071】
図9のように各磁電変換素子25a〜25jを配置すると、電流センサは、大型化するが、測定精度を高くできる。また、第2電流路部分CB2を、第1電流路部分CB1に対して、折り曲げていない場合と、折り曲げた場合とを比較すると、次の通りとなる。第2電流路CB2を折り曲げた方が、第1磁電変換素子25a,25jは感度増となり、第1磁電変換素子25e,25fは感度減となる。また、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iは全て感度減となることは、先に説明した第1実施形態と同じである。この為、各磁電変換素子25a〜25jの配置位置を調整することで、全体としては、被測定電流CBの屈曲率に関わらず、測定感度を一定に保つことができる。
【0072】
<第1実施形態の更に他の変形例>
電流路CBが、扁平な形状の場合、電流路CBを流れる電流が発生する誘導磁界は、楕円形となる。この場合、電流センサ101は、図10に示すように、第2の磁電変換素子25b〜25dを誘導磁界に沿った楕円上に配置する。同様に第2の磁電変換素子25g〜25iを同じ楕円上に配置する。第1の磁電変換素子25a,25e、25f、25jは、第2電流方向において、第2磁電変換素子より外側であれば、楕円上以外の場所でも構わない。但し、第1磁電変換素子25aと25jは、第1仮想線IL1と線対称である。同様に、第1磁電変換素子25eと25fは、第1仮想線IL1と線対称である。更に、第1磁電変換素子25aと25eは、第2仮想線IL2と線対称である。同様に第1磁電変換素子25fと25jは、第2仮想線IL2と線対称である。
【0073】
また、第2の磁電変換素子の感度軸の向きは、楕円の接線方向であると共に、第2の磁電変換素子の感度軸の向きは、第2電流方向に対して45°未満となるように配置する。第2の磁電変換素子25b〜25d、25g〜25iの感度軸が、第2電流方向に対して45°未満であれば、第2磁電変換素子25b〜25d、25g〜25iは、第2電流方向(Y1からY2に向かう方向)と平行な方向の磁界を検知できる。また、第1の磁電変換素子の感度軸25a,25e,25f,25jの向きは、X1−X2方向に対して45°未満となるように配置する。第1の磁電変換素子25a、25e、25f、25jの感度軸が、X1−X2方向に対して45°未満であれば、第1電変換素子25a、25e、25f、25jは、X1−X2方向と平行な方向の磁界を検知できる。X1−X2方向は、前述したとおり、第1電流方向と直角かつ、第2電流方向と直角な方向である。第1の磁電変換素子25a,25e,25f,25jの感度軸の向きは、誘導磁界の方向である。この為、第1の磁電変換素子25a、25fの感度軸の向きは、電流路CBの重心PPに対して、互いに点対称である。同様に、第1の磁電変換素子25e、25jの感度軸の向きは、電流路CBの重心PPに対して、互いに点対称である。
【0074】
図10のように各磁電変換素子25a〜25jを配置すると、電流路CBが、扁平な形状でも、電流センサの測定精度を高くできる。また、第2電流路部分CB2を、第1電流路部分CB1に対して、折り曲げていない場合と、折り曲げた場合とを比較すると、次の通りとなる。第1磁電変換素子25a,25jは感度増となり、第1磁電変換素子25e,25fは感度減となる。また、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iは全て感度減となることは、先に説明した第1実施形態と同じである。この為、各磁電変換素子25a〜25jの配置位置と感度軸の向きを調整することで、全体としては、被測定電流CBの屈曲率に関わらず、測定感度を一定に保つことができる。
【0075】
<第2実施形態>
上述した実施形態では、4つの第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jと6つの第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g、25h、25iを用いた場合を例示したが、本実施形態では、4つの第1磁電変換素子と4つの第2磁電変換素子とを用いる場合を例示する。
【0076】
図11は、本発明の第2実施形態における基板116上での第1磁電変換素子125a,125b,125c,125dと、第2磁電変換素子125e,125f,125g,125hとの配置を説明するための外観斜視図である。図12は、図11に示す電流センサ301の基板116上での磁電変換素子の配置を説明するための図である。
【0077】
図11及び図12に示すように、電流センサ201では、第1磁電変換素子125a,125b,125c,125dは、第2電流路部分CB2に近い基板116の第1面116aに設けられている。また、第2磁電変換素子125e,125f,125g,125hは、第2電流路部分CB2から遠い基板116の第2面116bに設けられている。
【0078】
また、第1磁電変換素子125a,125b,125c,125dと、第2磁電変換素子125e,125f,125g,125hとは、被測定電流路CBの第1電流路部分CB1の断面の重心PPの仮想的な長方形LL上の頂点に配設されている。
【0079】
第1磁電変換素子125a,125dはX2方向の第1感度軸を持ち、第1磁電変換素子125b,125cはX1方向の第1感度軸を持つ。
第2磁電変換素子125e,125fはY1方向の第2感度軸を持ち、第1磁電変換素子125g,125hはY2方向の第2感度軸を持つ。
【0080】
第1実施形態と同様に、電流センサ301では、被測定電流路CBが第1電流路部分CB1に対して直角に傾斜した第2電流路部分CB2を備えているため、第2電流路部分CB2が第1電流路部分CB1と一直線である場合に比べて、被測定電流路CBを流れる電流によって生じる磁気の第2磁電変換素子の感度軸(Y1−Y2方向)に平行な成分は小さくなる。また、第1電流路部分CB1の近傍では、第2電流路部分CB2との間の距離が長くなるに従って第1電流路部分CB1を流れる電流によって生じる磁気の第2磁電変換素子の感度軸に平行な成分は大きくなる。
一方、第2電流路部分CB2の周囲では第2電流路部分CB2に近づくに従って第2電流路部分CB2を流れる電流によって生じる磁気の第1磁電変換素子の感度軸(X1−X2方向)に平行な成分は大きくなる。
【0081】
電流センサ301では、第1磁電変換素子125a,125dは、基板116の第1面116aの2つ腕部1161,1162の開放端116c,116d側に設けられている。そのため第1磁電変換素子125a,125dの位置における第2電流路部分CB2を流れる電流によって生じる磁気の第1磁電変換素子の感度軸に平行(X1−X2方向)な成分は大きくなる。
【0082】
また、第2磁電変換素子125e,125f,125g,125hは、基板116の第2電流路部分CB2と反対側の第2面116bに設けられている。そのため、第2磁電変換素子125e,125f,125g,125hの位置における第1電流路部分CB1を流れる電流によって生じる磁気の第2磁電変換素子の感度軸に平行(Y1−Y2方向)な成分は大きくなる。
その結果、被測定電流路CBを流れる電流によって磁気に対しての全体として感度を高めて測定精度を高めることができる。
これにより、被測定電流路が直線の場合と、被測定電流路CBのように屈曲している場合とでの測定感度の変化を抑制できる。
【0083】
電流センサ301では、図1に示す被測定電流路CBを流れる電流を測定する場合に、第1磁電変換素子125a,125dは感度増となり、第1磁電変換素子125b,125cは感度減となる。また、第2磁電変換素子125e,125f,125g,125hは全て感度減となるが、全体としては測定感度の変化を抑制できる。
一方、電流センサ201では、被測定電流路CBが直線状の場合には、第1磁電変換素子125a,125b,125c,125dと第2磁電変換素子125e,125f,125g,125hとの感度は略同じになる。
【0084】
上述したように、電流センサ301によっても、第1実施形態の電流センサ201と同様の効果が得られる。
図13は、電流センサ301等と第2電流路部分CB2との間の距離Hと、磁界検知感度との関係を示す図である。図13の横軸は距離Hを示す。縦軸は、被測定電流路CBが直線の場合の磁界検知感度を100%とした場合の感度を示している。
図13に示すように、磁界検知感度は、図11及び図12に示す電流センサ301が最も変化が小さく(G11)、全ての磁電変換素子を第2面116aに配設した場合が最も変化が大きく(G13)、全ての磁電変換素子を第2面116bに配設した場合がそれらの間の変化量である(G12)。
【0085】
また、電流センサ301によれば、全体構成を小さくできる。また、ペアとなる磁電変換素子の温度が等しくなるので、磁電変換素子に温度特性があっても、測定精度の悪化を防げる。
【0086】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
上述した実施形態において、磁電変換素子の数は、10個以上であれば、特に限定されない。
【0087】
上述した実施形態では、被測定電流路CBの第1電流路部分CB1と第2電流路部分CB2との角度が直角の場合を例示したが、直角でなくても効果は生じる。被測定電流路CBの第1電流路部分CB1と第2電流路部分CB2との角度が直角でない場合、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jは、第1電流方向(Z軸方向)と直角であって、第2電流を第1電流方向と垂直な面(XY平面)に投影した方向(Y方向)と直角な方向(X方向)の磁界を検知するように配置する。即ち、第1磁電変換素子25a,25e,25f,25jは、その感度軸を、X方向から45度未満の方向に向けて配置する。また、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iは、第2電流方向を第1電流方向と垂直な面(XY平面)に投影した方向(Y方向)の磁界を検知するように配置する。即ち、第2磁電変換素子25b,25c,25d,25g,25h,25iは、その感度軸を、Y方向から45度未満の方向に向けて配置する。
【0088】
また、上述した実施形態と異なる位置及び向きに磁電変換素子を配置しても良い。但し、各磁電変換素子は、第1仮想線IL1に対して、線対称な位置に別の磁電変換素子が配置される。また、各磁電変換素子は、第2仮想線IL2に対して、線対称な位置に別の磁電変換素子が配置される。(但し、第2仮想線IL2上に配置される磁電変換素子は、除く。)また、被測定電流CBの重心PPに対して、点対称(つまり2回回転対称位置)の磁電変換素子の同士の感度軸は、平行である。この条件から大きく外れると、測定誤差が大きくなる。
【0089】
なお、第1磁電変換素子及び第2磁電変換素子の数は偶数個であれば任意である。また、磁電変換素子間の距離についても特に限定されない。
また、上述した実施形態では、同一特性の磁電変換素子を用いる場合を例示したが、後段の演算回路において被測定電流路CBの磁界に応じた成分を累積して有効化し、隣接する電流路の磁界に応じた成分をキャンセルすることが可能な範囲において、2個以上の特性の磁電変換素子を用いてもよい。
【0090】
また、上述した実施形態では、磁電変換素子としてGMR素子を好適に用いたが、磁気の方向を検知できる磁気検知素子であれば良く、MR(Magneto Resistive)素子、AMR(Anisotropic Magneto Resistive)素子、TMR(Tunnel Magneto Resistive)
素子、ホール素子等であっても良い。但し、ホール素子等の場合は、GMR素子やMR素子の感度軸と異なるので、使用するホール素子の感度軸に合わせて、実装に工夫が必要である。
【符号の説明】
【0091】
101,201,301…電流センサ
11…筐体
13…コネクタ
16,116…基板
16a,116a…第1面
16b,116b…第2面
16c,16d,116c,116d…先端
161,162,1161,1162…腕部
25a〜25j,125a〜125h
31…ケース
L,LL…長方形
IL1…第1仮想線
IL2…第2仮想線
L1,L2,…長辺
L3…短辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13