(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6720297
(24)【登録日】2020年6月19日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】全画面表示ミラー
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20200629BHJP
B60R 1/04 20060101ALI20200629BHJP
G02F 1/155 20060101ALI20200629BHJP
G02F 1/15 20190101ALI20200629BHJP
【FI】
B60R11/02 C
B60R1/04 D
G02F1/155
G02F1/15 501
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-516732(P2018-516732)
(86)(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公表番号】特表2018-535870(P2018-535870A)
(43)【公表日】2018年12月6日
(86)【国際出願番号】US2016054128
(87)【国際公開番号】WO2017058882
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2018年3月30日
(31)【優先権主張番号】62/235,156
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500115826
【氏名又は名称】ジェンテックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】カメンガ デイヴィッド ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ストレイ ジョエル エイ
【審査官】
宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第03/032069(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0268355(US,A1)
【文献】
特表2001−519041(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00434453(EP,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0170277(US,A1)
【文献】
特表2016−511194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
B60R 1/00−1/04
B60R 1/08−1/12
G02F 1/15
G02F 1/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の表示ミラーアセンブリであって、
全画面表示モジュールと、
当該電気光学素子の周囲において画定される複数の面を含む電気光学素子と、
を備え、
前記電気光学素子は、
その対向面上に配置された第1の表面と第2表面とを有する第1の実質的に透明な基体であって、前記第2の表面は第1の導電層を含む、第1の実質的に透明な基体と、
その対向面上に配置された第3の表面と第4の表面とを有する第2の実質的に透明な基体であって、前記第3の表面は第2の導電層を含む、第2の実質的に透明な基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に配置された1次シールであって、前記シール並びに前記第1及び第2の基体がそれらの間に空洞を画定する、1次シールと、
前記空洞内に配置される電気光学媒体であって、当該電気光学媒体は当該電気光学媒体が概して明るい状態と暗い状態との間で動作可能なように可変透過性である、電気光学媒体と、
前記電気光学素子の同一面上に位置する第1の電気接続部及び第2の電気接続部と、
前記第1の電気接続部を前記第1の導電層に電気的に接続するように構成された第1のコンダクタと、
前記第2の電気接続部を前記第2の導電層に電気的に接続するように構成された第2のコンダクタと、
前記第1の導電層を通って配置され、前記第1の導電層から前記第2のコンダクタを電気的に分離するように構成された、分離線と、
を有している
ことを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
前記電気光学素子は、部分的透過性かつ部分的反射性である
ことを特徴とする請求項1に記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項3】
前記全画面表示モジュールは、前記電気光学素子の車両前方に位置している
ことを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の電気接続部は、第1のコンダクタに電気的に結合されており、
前記第2の電気接続部は、第2のコンダクタに電気的に結合されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項5】
前記第2のコンダクタは、前記第1の電気接続部と対向する前記電気光学素子の面に延びている
ことを特徴とする請求項4に記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のコンダクタと前記第2のコンダクタとは、前記1次シールの外周側に位置している
ことを特徴とする請求項5に記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項7】
車両用の表示ミラーアセンブリであって、
全画面表示モジュールと、
電気光学素子と、
を備え、
前記電気光学素子は、
その対向面上に配置された第1の表面と第2の表面とを有する第1の実質的に透明な基体と、
その対向面上に配置された第3の表面と第4の表面とを有する第2の実質的に透明な基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に配置された1次シールと、
当該電気光学素子の上面に沿って、前記第1の基体と前記第2の基体との間に位置し、第1の電気接続部及び第1の導電層に電気的に結合される、第1のコンダクタと、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に位置する第2のコンダクタと、
前記第1の導電層から前記第2のコンダクタを電気的に分離するように構成された分離線と、
を有しており、
前記第2のコンダクタは、第2の電気接続部及び第2の導電層に電気的に結合されており、
前記第2のコンダクタは、前記第2の導電層とは異なる前記電気光学素子の面上で前記第2の電気接続部に電気的に結合されている
ことを特徴とするアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のコンダクタと前記第2の電気接続部との間に分離ギャップが画定され、前記分離ギャップは約50mm未満の長さを有する
ことを特徴とする請求項7に記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のコンダクタと前記第2の電気接続部との間に分離ギャップが画定され、前記分離ギャップは約30mm未満の長さを有する
ことを特徴とする請求項8に記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部は、前記電気光学素子の上面上に位置する
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項11】
前記第2のコンダクタは、導電バスを介して前記導電層に電気的に結合されている
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のコンダクタは、前記第1の基体上に位置する分光フィルタに電気的に結合されている
ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項13】
前記全画面表示モジュールは、当該表示ミラーアセンブリの表示面の少なくとも70%にわたって延びている
ことを特徴とする請求項7乃至12のいずれかに記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項14】
前記第1及び第2のコンダクタは、前記1次シールの外周側に位置している
ことを特徴とする請求項7乃至13のいずれかに記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項15】
車両用の表示ミラーアセンブリであって、
全画面表示モジュールと、
前記全画面表示モジュールの車両前方に位置する電気光学素子と、
を備え、
前記電気光学子は、
第1の実質的に透明な基体と、
第2の実質的に透明な基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に位置する電気光学媒体と、
前記電気光学素子の同一面上に位置する第1の電気接続部及び第2の電気接続部と、
前記第1の電気接続部に電気的に結合された第1のコンダクタ、及び、前記第2の電気接続部に電気的に結合された第2のコンダクタと、
導電層を通って配置され、前記第1のコンダクタから前記第2のコンダクタを電気的に分離するように構成された、分離線と、
を有し、
前記第1のコンダクタ及び第2のコンダクタは、前記電気光学素子の対向面上で前記電気光学媒体と電気的に結合されている
ことを特徴とするアセンブリ。
【請求項16】
前記電気光学素子は、部分的透過性かつ部分的反射性である
ことを特徴とする請求項15に記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項17】
前記第1及び第2のコンダクタは、1次シールの外周側に位置する
ことを特徴とする請求項15または16に記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項18】
前記第1及び第2の電気接続部は、前記電気光学素子の上面上に位置する
ことを特徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項19】
前記第2のコンダクタは、導電バスを介して前記第2の基体上に位置する導電層に電気的に結合されている
ことを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載の表示ミラーアセンブリ。
【請求項20】
前記第1のコンダクタと前記第2の電気接続部との間に分離ギャップが画定され、前記分離ギャップは約1cm超の長さを有する
ことを特徴とする請求項15乃至19のいずれかに記載の表示ミラーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して車両ミラーシステムに関し、より具体的には、バックミラーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両は通常、車両の運転者が車両の後ろを観察することを可能にするためのバックミラーシステムを含む。表示要素をバックミラーアセンブリ内に組み込むことは、接続およびコンダクタなどの電気構成要素の配置に関する寸法上の制約の問題を呈し得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様によると、全画面表示モジュールと、当該電気光学素子の周囲に画定される複数の面を含む電気光学素子と、を含む、車両用の表示ミラーアセンブリが提示される。電気光学素子は、その対向面上に配置された第1の表面と第2の表面とを有する、第1の実質的に透明な基体を含む。第2の表面は、第1の導電層を含む。第2の実質的に透明な基体が、その対向面上に配置された第3の表面と第4の表面とを有する。第3の表面は、第2の導電層を含む。第1の基体と第2の基体との間に1次シールが配置される。当該シール並びに第1及び第2の基体は、それらの間に空洞を画定する。電気光学媒体が空洞内に配置される。当該電気光学媒体は、当該電気光学媒体が概して明るい状態と暗い状態との間で動作可能なように可変透過性である。第1の電気接続部と第2の電気接続部とが、電気光学素子の同一面上に位置する。
【0004】
本開示の別の態様によると、全画面表示モジュールと、その対向面上に配置された第1の表面と第2の表面を有する第1の実質的に透明な基体およびその対向面上に配置された第3の表面と第4の表面を有する第2の実質的に透明な基体を含む電気光学素子と、を含む、車両用の表示ミラーアセンブリが提示される。第1の基体と第2の基体との間に1次シールが配置される。第1のコンダクタが、電気光学素子の上面に沿って、第1の基体と第2の基体との間に位置し、第1の電気接続部に電気的に結合されている。第2のコンダクタが第1の基体と第2の基体との間に位置し、当該第2のコンダクタは、第2の電気接続部と導電層とに電気的に結合されている。第2のコンダクタは、電気光学素子の導電層とは異なる面上で前記第2の電気接続部に電気的に結合されている。
【0005】
本開示のさらに別の態様によると、全画面表示モジュールと、当該全画面表示モジュールの車両前方に位置する電気光学素子と、を含む、車両用の表示ミラーアセンブリが提示される。電気光学素子は、第1の実質的に透明な基体、第2の実質的に透明な基体、第1の基体と第2の基体との間に位置する電気光学媒体、電気光学素子の同一面上に位置する第1の電気接続部と第2の電気接続部、を含む。第1のコンダクタは第1の電気接続部で電気的に結合され、第2のコンダクタは第2の電気接続部に電気的に結合されている。第1のコンダクタ及び第2のコンダクタは、電気光学素子の対向面上で電気光学媒体と電気的に結合されている。
【0006】
本開示のさらに別の態様によると、設計のフレキシビリティが増大し、構成要素サイズが低減し、ビューアーに対する審美上のアピールが増大し、そして、電気が表示ミラーに結合される場所に関係なく、電気光学媒体が明るい状態と暗い状態との間で均一に遷移することを提供する、表示ミラーが提供される。
【0007】
本発明のこれら及びその他の態様、目的、及び特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を参照することにより、当業者によって理解及び認識される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態による、車両用の表示ミラーアセンブリの上部正面斜視図である。
【0010】
【
図2】
図2は、一実施形態による、
図1の表示ミラーアセンブリの部分的に分解した上部斜視図である。
【0011】
【
図3A】
図3Aは、一実施形態による、表示ミラーの電気光学素子の正面平面図である。
【0012】
【
図3B】
図3Bは、一実施形態による、表示ミラーの電気光学素子の背面平面図である。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書における記述の目的のために、用語「上部の」、「下部の」、「右の」、「左の」、「後方の」、「前方の」、「垂直の」、「水平の」、及びそれについての派生語は、
図1において関連付けられた開示に関するものとする。しかしながら、それとは逆に明確に特定されたもの以外は、発明はさまざまな代わりの配向をとり得る、と理解されるべきである。添付図面に図示され、かつ以下の明細書に記述された特定のデバイス及びプロセスは、添付された特許請求の範囲において定義された発明概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された実施形態に関する特定の寸法及び他の物理的特性は、特許請求の範囲が明示的に別段に述べない限り、限定するものと見なされるべきではない。
【0017】
図1乃至
図4Cを参照すると、参照符号10は、全体として、全画面表示モジュール12と電気光学素子14とを含む、車両用の表示ミラーアセンブリを示す。電気光学素子14は、当該電気光学素子14の周囲において画定される複数の面を含む。電気光学素子14は、その対向面上に配置された第1の表面18と第2の表面22とを有する、第1の実質的に透明な基体16を含む。第2の表面22は、第1の導電層26を含む。第2の実質的に透明な基体30が、その対向面上に配置された第3の表面34と第4の表面38とを含む。第3の表面34は、第2の導電層42を含む。1次シール46が、第1の基体16と第2の基体30との間に配置され、当該シール46並びに第1の基体16及び第2の基体30がそれらの間に空洞50を画定する。電気光学媒体54が空洞50内に配置されている。電気光学媒体54は、当該電気光学媒体14が概して明るい状態と暗い状態との間で動作可能なように、可変透過性である。第1の電気接続部58及び第2の電気接続部62が、電気光学素子14の同一面上に位置している。
【0018】
電気光学素子14は、本明細書に記載および図示されるように、複数の面を含み得る。電気光学素子14の各面は、長手方向に広がり、曲線(曲面)状であるかあるいは実質的に直線(平坦)状であるかのいずれかであって、コーナー部(例えば、約10°よりも大きい急激な方向変化)によって分離されている。例えば、電気光学素子14の矩形形状は(図示するように)4つの面を有するが(つまり、上面、底面、および2つの側面)、楕円形状(例えば、2つの面)、丸みを付けた形状(例えば、1つの面)、または、4つよりも多い面を有する形状(例えば、五角形)、を有する電気光学素子14が考えられる。
【0019】
図1及び
図2を一般に参照すると、表示ミラーアセンブリ10は表示領域80を有し、この表示領域80には電気光学素子14の第1の表面18が含まれる。表示領域80は矩形形状、台形形状、または、審美的な理由で望ましい任意のカスタム輪郭形状、であり得る。表示ミラーアセンブリ10は、当該表示ミラーアセンブリ10から後方に延びる実装部材84を介して車両に実装され得る。
【0020】
図2を参照すると、車両用の表示ミラーアセンブリ10が部分的に分解して図示された構成要素によって示されている。表示ミラーアセンブリ10は、電気光学素子14と、全画面表示モジュール12を閉じ込めたフロントシールド88及びリアシールド92と、後部筐体96と、実装部材84と、を含む。一実施形態において、全画面表示モジュール12は、米国特許出願公開第2014/0268355A1に記載されたのと同様に製造され得る。当該文献の開示内容は、当該参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示の目的においては、「全画面」表示モジュール12とは、表示モジュール12が、表示ミラーアセンブリ10の表示面全体の少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%、であるモジュールである。再び図示の実施形態を参照すると、フロントシールド88と、リアシールド92と、全画面表示モジュール12の構成要素とは、全画面表示モジュール12のいくつかの構成要素とフロントシールド88及びリアシールド92とを動作可能なように互いに接続し且つ全画面表示モジュール12に対する支持を提供するための、様々な保持形体を備える。具体的には、フロントシールド88は、全画面表示モジュール12にフロントシールド88を動作可能なように接続するための保持形体を含んでおり、リアシールド92は、全画面表示モジュール12にリアシールド92を動作可能なように接続するための保持形体を有する。保持形体としては、スナップフィット式接続、タブおよびスロットによる接続、ねじ込み式接続、および他の公知の保持形体が挙げられる。保持形体の一部または全てが、接着剤化合物の追加によって強化されてもよい。
【0021】
図2の実施形態に示されるように、光学素子14は概ね平坦であり、外周部100と外周部100の周りの分光フィルタ104とを有する。分光フィルタ104は、表示ミラーアセンブリ10内の電気光学素子14の内部及び/または後方に位置するフロントシールド88及び他の素子を隠すように、クロム輪または他の同様な仕上げ等の隠蔽層を組み込み得て、限定されるものではないが、エレクトロクロミックユニット上の1次シール46、アップリケ、発泡性接着剤、パッド印刷等が含まれる。分光フィルタ104は、電気光学素子14の外周部100から全画面表示モジュール12の外側縁部108へ延びていてもよい。あるいは、分光フィルタ104は、より狭くてもよく、分光フィルタ104の少なくともいくつかの部分に沿って全画面表示モジュール12の外側縁部108に外周部100から達しなくてもよい。電気光学素子14の第1の基体16の周囲は、丸縁部、傾斜縁部、巻締縁部、レーザ切断縁部、またはその組み合わせを含む。
【0022】
なおも
図2を参照すると、フロントシールド88が機能して、無線周波数(RF)電磁放射から全画面表示モジュール12を保護し、電気光学素子14および全画面表示モジュール12の支持を提供する。フロントシールド88は、RF放射をブロックするのに適した1または複数の材料(限定されるものではないが、例えば鋼材)から形成される。非限定的な例として、フロントシールド88は、型押しされた約0.2mm厚の鋼材から形成され得る。全画面表示モジュール12は、フロントシールド88の後方に配置され、表示画面112はフロントシールド88の開口部を通して見ることができる。表示モジュール12は、LCD、LED、OLED、プラズマ、DLP、または他の表示装置技術であってよい。さらに、表示モジュール12は、1つ以上の光ガイドを組み込んでもよい。
【0023】
次に
図3A、
図3B、
図4A及び
図4Bを参照すると、第2の基体30は第1の基体16よりもわずかに小さく、これにより、第1の基体16と第2の基体30との間のオフセットが相対的に小さくなる。こうした実施形態は、第1の電気接続部58と第2の電気接続部62を隠すとともに、電気光学素子14に明確な縁部を提供する点において、有益であり得る。様々な実施形態において、第1の電気接続部58と第2の電気接続部62は、Jクリップなどの電気クリップであり得て、あるいは、雄雌接続などの複数の電気接続部構成要素を含んでもよい。1次シール46は、第1の基体16及び第2の基体30のほぼ周囲を横断し、第1の基体16及び第2の基体30と協働して第1の基体16及び第2の基体30の間に空洞50を画定するよう構成されている。様々な実施形態において、空洞50は実質的に気密である。様々な実施形態において、1次シール46は、液晶表示(LCD)産業において通常使用される、シルクスクリーンまたは分注などの方法によって第1の基体16または第2の基体30に塗布され得る。分光フィルタ104は、1次シール46からキャビティ50内に、1次シール46をビューアーから概して隠すのに十分な距離まで、内周側に延びる。
【0024】
次に、
図4A乃至
図4Cを参照すると、電気光学媒体54は、空洞50内に配置されている。様々な実施形態において、電気光学素子14は、エレクトロクロミック素子であり得る。このような実施形態において、電気光学媒体54は、少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つのアノード材料、及び少なくとも1つのカソード材料を含むエレクトロクロミック媒体であり得る。典型的には、アノード材料とカソード材料の両方が電気活性であり、それらの少なくとも1つはエレクトロクロミックである。その通常の意味にかかわらず、用語「電気活性」は、本明細書では、特定の電位差に曝されたときにその酸化状態が変化する材料として定義されることが理解される。さらに、「エレクトロクロミック」という用語は、その通常の意味にかかわらず、特定の電位差に曝されたときに1つまたは複数の波長でその消光係数に変化を示す材料として定義されることが理解されよう。本明細書に記載のエレクトロクロミック成分は、電界が当該材料に加えられると色または不透明度が第1相から第2相に変化するように、色または不透明度が電流によって影響を受ける材料を含む。エレクトロクロミック成分は、単層、単相成分、多層成分、または多相成分であり得、「Electrochromic Layer And Devices Comprising Same」と題する米国特許第5,928,572号、「Electrochromic Compounds」と題する米国特許第5,998,617号、「Electrochromic Medium Capable Of Producing A Preselected Color」と題する米国特許第6,020,987号、「Electrochromic Compounds」と題する米国特許第6,037,471号、「Electrochromic Media For Producing A Pre−selected Color」と題する米国特許第6,141,137号、「Electrochromic System」と題する米国特許第6,241,916号、「Near Infrared−Absorbing Electrochromic Compounds And Devices Comprising Same,」と題する米国特許第6,193,912号、「Coupled Electrochromic Compounds With Photostable Dication Oxidation States」と題する米国特許第6,249,369号、そして「Electrochromic Media With Concentration Enhanced Stability, Process For The Preparation Thereof and Use In Electrochromic Devices」と題する米国特許第6,137,620号、「Electrochromic Device」と題する米国特許第6,519,072号、そして「Electrochromic Polymeric Solid Films, Manufacturing Electrochromic Devices Using Such Solid Films, And Processes For Making Such Solid Films And Devices」と題する国際特許出願PCT/US98/05570号、「Electrochromic Polymer System」と題する国際特許出願PCT/EP98/03862号、および「Electrochromic Polymeric Solid Films, Manufacturing Electrochromic Devices Using Such Solid Films, And Processes For Making Such Solid Films And Devices」と題する国際特許出願PCT/US98/05570号、に記載され、それらのすべては、当該参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
さらに
図3A、
図3B、
図4A及び
図4Bを参照すると、第1のコンダクタ120及びh第2のコンダクタ124が、電気光学素子14の周囲の一部の周りに配置されている。第1のコンダクタ120及び第2のコンダクタ124は、1次シール46の外周側に位置し、第1の電気接続部58を第1の導電層26に、そして第2の電気接続部62を第2の導電層42に、電気的に接続するよう機能する。様々な実施形態において、第1の導電層26と第2の導電層42は、酸化インジウムスズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛およびインジウムドープ酸化カドミウム、カーボンナノチューブ、グラフェン、またはその組み合わせ、から形成され得る。様々な実施形態において、第2の導電層42は、金属リフレクタ、または、米国特許第6,700,692号に開示される部分的反射性で部分的透過性のコーティングのいずれかとして構成される1つ以上のコーティング、を含み得る。当該文献の開示内容は、当該参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例示であって限定するものではないが、第1のコンダクタ120及び第2のコンダクタ124は、導電性はんだ、導電性エポキシ(例えば、銀エポキシ)、ワイヤ、金属はんだ、超音波はんだ、導電性インク、導電性フリット及び/または電気伝達可能な他の材料とし得る。一部の実施形態において、第1のコンダクタ120及び第2のコンダクタ124は、異なる材料である。図示の実施形態において、第1のコンダクタ120は、第1の電気接続部58の両面上で、電気光学素子14の上周に沿って延びているが、別の実施形態では、第1の電気接続部58の単一面からのみ延びていてもよい。第1のコンダクタ120は、第1の導電層26に電気的接続を提供する分光フィルタ104に電気的に結合されている。第1のコンダクタ120と第2の電気接続部62との間に位置するのは、分離ギャップ128である。分離ギャップ128では、1次シール46の厚みが拡張して、電気光学素子14を通る電気経路における短絡を防止するよう働く。分離ギャップ128は、約0.1cmよりも大きい、約0.5cmよりも大きい、約1.0cmよりも大きい、約1.5cmよりも大きい、約2.0cmよりも大きい、約2.5cmよりも大きい、約3.0cmよりも大きい、約3.5cmよりも大きい、または約4cmよりも大きい、という長さを有し得る。あるいは、分離ギャップ128の長さは約30mm未満としてもよい。
【0026】
第2のコンダクタ124は、第2の電気接続部62と電気的に連通している。図示の実施形態では、第2のコンダクタ124は、第2の電気接続部62において開始し、電気光学素子14の側面と底部に沿って延びている。第2のコンダクタ124の長さに沿って、分離線132が第1の導電層26と分光フィルタ104とを通って配置されている。分離線132は、第2のコンダクタ124を第1の導電層26から電気的に分離するよう構成されている。分離線132は、1次シール46の上に配置されるものとして図示されているが、第2のコンダクタ124を第1の導電層26から電気的に分離する様々な場所に配置され得る。分離線132は、分光フィルタ104と第1の導電層26とのレーザーアブレーションを介して形成されてもよく、あるいは、分光フィルタ104と第1の導電層26との選択的塗布を介して形成されてもよい。分離線132は、約40μ未満、約30μ未満、約20μ未満、約15μ未満、約14μ未満、約13μ未満、約12μ未満、約11μ未満、約10μ未満、約9μ未満、約8μ未満、約7μ未満、約6μ未満、または約5μ未満、の厚さを有し得る。一部の実施形態では、分離線132は、当該分離線132が人の目に知覚されない程に十分に小さい幅であり得る。別の実施形態では、分離線132は、当該分離線132が電気光学素子14にわたって審美的に満足な反射対称性を有するように電気光学素子14の周りに延びてもよい。
【0027】
第3の表面34上に位置する第2の導電層42及びフィルム148の一部は、電気光学素子14の周囲に沿って連続的に切除(ablate)され得て、そして、電気光学素子14の底面において切除(ablate)され得て、「鋸歯」パターンを形成する。図示の実施形態において、導電層42及びフィルム148は、複数の開口136と多数の接点140とを画定する。電気光学素子14の切除された周囲と複数の開口136とが、1次シール46、第1のコンダクタ120及び/または第2のコンダクタ124について欠陥(例えば、ギャップまたは穴)を見るおよび検査することを許容する。接点140は、第2のコンダクタ124に向かって1次シール46上に延びている。接点140は、第2のコンダクタ124に電気的に結合され、これによって第2のコンダクタ124と第2の導電層42との間の電気的結合を促進している。切除(ablation)および接点140の使用により、電気光学媒体54への電気の広く均一な印加が可能であるが、これは、電気光学素子14のエレクトロクロミック実施形態における電気光学媒体54の明るい状態と暗い状態との間の均一した遷移を促進する。電気光学媒体54への電気の広く均一な印加は、電気光学媒体54の一部が他の部分よりも早く暗くならないことを保証することによって、明るい状態と暗い状態との間の均一した遷移を促進する。
【0028】
次に、
図4A乃至
図4Cを参照すると、電気光学素子14は、第3の表面34上に位置するフィルム148を含み得る。フィルム148は、反射性、透過性、または部分的反射性かつ部分的透過性の組み合わせ、の特性を有し得る。こうした実施形態においては、フィルム148の使用により、表示ミラーアセンブリ10のビューアーは、全画面表示モジュール12が活性状態にある間(例えば、発光している間)は全画面表示モジュール12(
図2)を見ることが可能となるが、全画面表示モジュール12がオフの間(例えば、発光していない間)も、フィルム148の反射特性によって反射ミラーとしてフィルム148を知覚することが可能となる。
【0029】
本開示(例えば、同一面上の第1のコンダクタ120と第2のコンダクタ124、分離線132、および導電バス136)の使用により、様々な利点が実現可能となり得る。例えば、本開示の第1のコンダクタ120及び第2のコンダクタ124の使用により、電気光学素子14の設計者は、電気が電気光学媒体54に入る場所から、電気が電気光学素子14に入る場所を分離することが可能となる。一般的に、従来の電気光学素子では、素子にわたる均一な変化を達成するために、素子の対向面上に電気接続部を置かなければならない。本開示は、電気光学媒体54の明るい状態と暗い状態との間の均一した遷移を促進させる方法で電気光学媒体54に電気をチャネリングしつつ、第1の電気接続部58と第2の電気接続部62の最適な配置のために、電気光学素子14の周りの小さいベゼル、フレームまたは筐体の使用を可能にし得る点において有利である。また、第1のコンダクタ120及び第2のコンダクタ124の使用によって、第1の電気接続部58及び第2の電気接続部62を、可動性が小さい接続部に近接する領域に移動することを許容することによって、表示ミラーアセンブリ10の設計におけるフレキシビリティを許容する。例えば、全画面表示モジュール12は、当該全画面表示モジュール12の上部から突出する表示コネクタを有してもよい。こうした実施例では、第1のコンダクタ120及び第2のコンダクタ124は、全ての電気接続部(例えば、全画面表示モジュール12用の表示コネクタと第1の電気接続部58および第2の電気接続部62)を表示ミラーアセンブリ10の単一面(例えば、上面)上に位置させ、これによって表示ミラーアセンブリ10の周りの他の場所におけるより薄い外形を許容する、というように利用され得る。また、第1のコンダクタ120と第2のコンダクタ124の使用により、無線周波数シールド(例えば、フロントシールド88およびリアシールド92)が可能となり得、及び/または、より少ないか、あるいはより小さい開口が、シールドを通して生成されることを可能にし得る。
【0030】
第1のコンダクタ120及び第2のコンダクタ124の配置について本明細書で説明および図示したが、第1のコンダクタ120と第2のコンダクタ124は、電気光学素子14の周りの様々な位置に配置され得る。例えば、第1の電気接続部58と第2の電気接続部62は、電気光学素子14の一つの面上(例えば、注入口の各面上)に位置付けられ、第1のコンダクタ120と第2のコンダクタ124は、気光学素子14の側面に沿って対向する方向に延びてもよい。
【0031】
本開示は、米国特許第8,925,891号、米国特許第8,814,373号、米国特許第8,201,800号、米国特許第8,210,695号、米国特許出願公開第2014/0063630号、米国特許出願公開第2012/0327234号、米国仮特許出願第61/709,716号、米国仮特許出願第61/707,676号、及び、米国仮特許出願第61/704,869号に記述されているような後方視認アセンブリと共に使用されうる。これら文献の開示内容は、当該参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本開示は、米国特許第8,885,240号、米国特許第8,814,373号、米国特許第8,646,924号、米国特許第8,643,931号、米国特許第8,264,761号、米国仮特許出願第61/707,625号、及び、米国仮特許出願第61/590,259号に記述されているような後方視認パッケージアセンブリと共に使用されうる。これら文献の開示内容は、当該参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本開示は、米国特許第8,827,517号、米国特許第8,210,695号、及び、米国特許第8,201,800号に記述されているようなベゼルを含むことができることが意図されている。これら文献の開示内容は、当該参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
記述された発明及び他の構成要素の構築は、いなかる特定の材料にも限定されないことが、当業者によって理解されるだろう。本明細書に開示された発明の他の例示的な実施形態は、本明細書に別段の記載がある場合を除き、広範な材料から形成され得る。
【0033】
本開示用に、用語「coupled(結合された)」(couple,coupling,coupledなどその形式のすべてにおいて)は、直接的であれ間接的であれ、互いに2つの構成要素(電気的または機械的)が接合することを概して意味する。このような接合は、本質的に静止状態かまたは本質的に可動状態であってもよい。このような接合は、2つの構成要素(電気的または機械的)、ならびに、互いとまたは2つの構成要素と1つの単体として一体成形される付加的中間部材で、達成されてもよい。このような接合は、本質的に永続的であってよいか、または、別段の記載がない限り、本質的に取外し可能つまり遊離可能であってもよい。
【0034】
例示的な実施形態において示されるような本開示の要素の構築および配置は、単に説明的であることに注意することも重要である。本発明の少数の実施形態だけが、本開示において詳細に記述されているが、本開示を検討する当業者は、列挙された主題の新規の教示および利点から逸脱することなく、多くの修正が可能(例えば、さまざまな要素のサイズ、寸法、構造、形および比率、パラメータ値、取り付け方法、材料の使用、色、向きなど)であることを容易に認識するだろう。例えば、一体成形として示される要素は、複数の部品が一体成形されてもよいように示される複数の部品または要素から構成されてもよく、インタフェースの操作が逆にまたは他の態様に変化されてもよく、システムの構造および/または部材またはコネクタまたは他の要素の長さまたは幅が変化されてもよく、要素間に提供された調整位置の性質または個数が変化されてもよい。システムの要素および/またはアセンブリは、任意の広範な色、質感、および組合せにおいて、十分な強度または耐久性を提供する、任意の広範な材料から構成されてもよい。その結果、すべてのこのような修正は、本発明の範囲内に含まれるように意図される。他の代用、修正、変化、および省略は、本発明の精神から逸脱することなく、所望の他の例示的な実施形態のデザイン、操作条件および配置において、なされ得る。
【0035】
いずれの説明されたプロセスまたは説明されたプロセス内のステップも、その他の開示されたプロセスまたはステップと組み合わされ、本開示の範囲内で構造を形成し得ることが理解されるであろう。本明細書に開示された例示的な構造およびプロセスは、説明のためのものであり、制限として解釈してはならない。
【0036】
変形および修正が、本開示の概念から逸脱することなく、前述の構造および方法においてなされ得ることも理解されるべきであり、さらに、このような概念は、特許請求の範囲がそれらの言葉で別段に明確に述べられていない限り、以下の特許請求の範囲に含まれるものとされることが理解されるべきである。