(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6720303
(24)【登録日】2020年6月19日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】圧縮空気処理装置および圧縮空気処理装置の駆動方法
(51)【国際特許分類】
B60T 17/00 20060101AFI20200629BHJP
【FI】
B60T17/00 B
B60T17/00 E
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-522675(P2018-522675)
(86)(22)【出願日】2016年10月27日
(65)【公表番号】特表2018-532641(P2018-532641A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】EP2016075889
(87)【国際公開番号】WO2017076728
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2018年6月22日
(31)【優先権主張番号】102015118744.2
(32)【優先日】2015年11月2日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503159597
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンゲリカ リーディ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ゲーアケ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ウラ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス メアケル
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02829744(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気処理装置(10)であって、
空気圧縮器(14)に接続可能な圧縮空気入口(12)と、
圧縮空気管路(16)を介して前記圧縮空気入口(12)に接続された圧縮空気出口(18)と、
前記圧縮空気管路(16)に配置された空気乾燥装置(22)と
を備え、
前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記空気乾燥装置(22)の上流の前記圧縮空気管路(16)を排気するように構成された制御装置(40)が設けられている、圧縮空気処理装置であって、
前記圧縮空気処理装置(10)は、前記空気乾燥装置(22)の上流であって、前置フィルタ装置(32)および前記空気乾燥装置(22)の間の前記前置フィルタ装置(32)の下流の前記圧縮空気管路(16)に、前記圧縮空気処理装置(10)に接続された圧縮空気システムからの圧縮空気の逆流を防止する、逆止弁(38)を有する、ことを特徴とする圧縮空気処理装置。
【請求項2】
排気管路(27)を介して前記空気乾燥装置(22)の上流の前記圧縮空気管路(16)に接続された、前記空気乾燥装置(22)の回生モードのための排気出口(30)が設けられており、
前記制御装置(40)は、前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記排気出口(30)を介して前記圧縮空気管路(16)を排気するように構成されている、
請求項1記載の圧縮空気処理装置。
【請求項3】
前記排気管路(27)に出口弁装置(28)が設けられており、
前記制御装置(40)は、前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記出口弁装置(28)を開放駆動するように構成されている、
請求項2記載の圧縮空気処理装置。
【請求項4】
前記空気乾燥装置(22)の上流の前記圧縮空気管路(16)に入口弁装置(26)が設けられており、
前記制御装置(40)は、前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記入口弁装置(26)を開放駆動するように構成されている、
請求項2または3記載の圧縮空気処理装置。
【請求項5】
前記空気乾燥装置(22)の上流の前記圧縮空気管路(16)に前置フィルタ装置(32)が設けられており、該前置フィルタ装置(32)は、排出管路(33)を介して排出口(36)に接続されており、
前記制御装置(40)は、前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記排出口(36)を介して前記圧縮空気管路(16)を排気するように構成されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の圧縮空気処理装置。
【請求項6】
前記前置フィルタ装置(32)の前記排出管路(33)に排出弁装置(34)が設けられており、
前記制御装置(40)は、前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記排出弁装置(34)を開放駆動するように構成されている、
請求項5記載の圧縮空気処理装置。
【請求項7】
前記圧縮空気処理装置はさらに、前記空気乾燥装置(22)の下流の前記圧縮空気管路(16)に逆止弁(24)を備えている、かつ/または前置フィルタ装置(32)および前記空気乾燥装置(22)の間の前記前置フィルタ装置(32)の下流の前記圧縮空気管路(16)に逆止弁(38)を備えている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の圧縮空気処理装置。
【請求項8】
圧縮空気供給装置であって、
請求項1から7までのいずれか1項記載の圧縮空気処理装置(10)と、
前記圧縮空気処理装置(10)の圧縮空気入口(12)に接続されているかまたは接続可能な空気圧縮器(14)と
を備えた、圧縮空気供給装置。
【請求項9】
圧縮空気処理装置の駆動方法であって、
前記圧縮空気処理装置(10)は、空気圧縮器(14)に接続可能な圧縮空気入口(12)と、圧縮空気管路(16)を介して前記圧縮空気入口(12)に接続された圧縮空気出口(18)と、前記圧縮空気管路(16)に配置された空気乾燥装置(22)とを備え、
前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記空気乾燥装置(22)の上流の前記圧縮空気管路(16)を排気する、方法であって、
前記空気乾燥装置(22)の上流であって、前置フィルタ装置(32)および前記空気乾燥装置(22)の間の前記前置フィルタ装置(32)の下流の前記圧縮空気管路(16)の逆止弁(38)は、前記圧縮空気処理装置(10)に接続された圧縮空気システムからの圧縮空気の逆流を防止する
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記空気圧縮器(14)が再びスイッチオンされた際、まず前記空気乾燥装置(22)の上流の前記圧縮空気管路(16)をさらに排気する、
請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記圧縮空気処理装置(10)は、排気管路(27)を介して前記空気乾燥装置(22)の上流の前記圧縮空気管路(16)に接続された、前記空気乾燥装置(22)の回生モードのための排気出口(30)を有し、
前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記排気出口(30)を介して前記圧縮空気管路(16)を排気する、
請求項9または10記載の方法。
【請求項12】
前記圧縮空気処理装置(10)は、前記排気管路(27)に出口弁装置(28)を備えており、
前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記出口弁装置(28)を開放する、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記圧縮空気処理装置(10)はさらに、前記空気乾燥装置(22)の上流の前記圧縮空気管路(16)に入口弁装置(26)を備えており、
前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記入口弁装置(26)を開放する、
請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮空気処理装置(10)は、前記空気乾燥装置(22)の上流の前記圧縮空気管路(16)に前置フィルタ装置(32)を備えており、該前置フィルタ装置(32)は、排出管路(33)を介して排出口(36)に接続されており、
前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記排出口(36)を介して前記圧縮空気管路(16)を排気する、
請求項9から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記圧縮空気処理装置(10)はさらに、前記前置フィルタ装置(32)の前記排出管路(33)に排出弁装置(34)を備えており、
前記空気圧縮器(14)が遮断された際、前記排出弁装置(34)を開放する、
請求項14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気処理装置、特に鉄道車両用または商用車用の圧縮空気処理装置および圧縮空気処理装置の駆動方法に関する。
【0002】
圧縮空気供給装置は、鉄道車両および商用車において多くの役割を担っている。これには特に、乾燥した清浄化された圧縮空気を用いたブレーキ装置および別の圧縮空気消費器が属する。圧縮空気消費器によって利用される圧縮空気は一次的にはコンプレッサから供給され、通常は圧縮空気処理装置において処理される。当該処理の際、圧縮空気は圧縮空気消費器への供給前に乾燥され、油粒子および汚染粒子がこの圧縮空気から除去される。
【0003】
コンプレッサを圧力に対して始動する際には、高いモーメントを克服しなければならない。これにより大きな機械負荷が生じうるので、特にコンプレッサの駆動部は相応の大きさに設計できる。設計が不充分な場合、特に低温時に、コンプレッサを圧力に対して始動できないという問題が生じることがある。潤滑油を利用するコンプレッサではさらに、負荷のかかった状態で始動されると潤滑が充分でなくなるという問題も生じうる。負荷のかかった状態での始動を回避するには、再始動時に逆圧なしでまたはわずかな逆圧のみでコンプレッサを始動できる程度まで静止状態へ向かってコンプレッサの出口圧力を低下させることが求められる。
【0004】
これに関連して、例えば独国特許出願公開第102006043863号明細書(DE102006043863A1)および西独国特許出願公開第3042069号明細書(DE3042069A1)にはそれぞれ、できるだけ逆圧なしに始動が可能となるよう、排気装置を組み込んだコンプレッサが開示されている。
【0005】
さらに、例えば西独国実用新案公開第8109217号明細書(DE8109217U1)および独国特許出願公開第102010054712号明細書(DE102010054712A1)にはそれぞれ、コンプレッサをできるだけ逆圧なしで始動できるよう、コンプレッサと空気乾燥器との間の圧縮空気管路を、付加的に設けられた排気弁装置を含む付加的に設けられた排気管路によって排気可能とした、圧縮空気供給装置が示されている。
【0006】
本発明の課題は、付加的な弁装置なしに圧縮空気管路を排気でき、入口側に接続された空気圧縮器をできるだけ逆圧なく始動できる、改善された圧縮空気処理装置および圧縮空気処理装置の駆動方法を提供することである。
【0007】
この課題は、各独立請求項の教説によって解決される。本発明の有利な各構成は、各従属請求項の対象となっている。
【0008】
本発明の圧縮空気処理装置は、空気圧縮器に接続可能な圧縮空気入口と、圧縮空気管路を介して圧縮空気入口に接続された圧縮空気出口と、圧縮空気管路に配置された空気乾燥装置とを備えている。本発明によればさらに、空気圧縮器が遮断された際、空気乾燥装置の上流の圧縮空気管路を排気するように構成された制御装置が設けられている。
【0009】
本発明の、空気圧縮器に接続可能な圧縮空気入口と、圧縮空気管路を介して圧縮空気入口に接続された圧縮空気出口と、圧縮空気管路に配置された空気乾燥装置とを備えた圧縮空気処理装置の駆動方法では、空気圧縮器が遮断された際に、空気乾燥装置の上流の圧縮空気管路が排気される。
【0010】
本発明によれば、空気圧縮器が遮断された際、圧縮空気処理装置の制御装置により、圧縮空気処理装置の空気乾燥装置の上流の圧縮空気管路を、もともと設けられている出口および弁を介して排気することが提案される。本発明の圧縮空気処理装置は、排気のための付加的な要素を必要としない。また、圧縮空気管路の迅速かつ包括的な排気が可能である。その結果、圧縮空気処理装置に結合されている空気圧縮器のほぼ逆圧のない始動を達成可能である。ここでは、空気圧縮器が遮断された際、特に空気圧縮器が静止状態に到るとただちに、本発明にしたがって圧縮空気管路の排気が行われる。
【0011】
これに関連して、「上流」および「下流」なる概念はそれぞれ、空気乾燥装置の乾燥モードにおける圧縮空気の流れ方向に関連する。なお空気乾燥装置またはその一部の回生モード中は、当該流れ方向は、圧縮空気処理装置の少なくとも一部において逆転する。
【0012】
好ましくは、空気圧縮器の再スイッチオン時に、まず空気乾燥装置の上流の圧縮空気管路をさらに排気するかまたは排気状態に留めることができる。このようにすれば、空気圧縮器の始動および加速動作を、大きな逆圧なく、つまり流出損失によって生じる逆圧のみに対して行うことができる。排気は、好ましくは、空気圧縮器の始動後、予め定められた期間にわたって、または空気圧縮器が予め定められた回転数に達するまで、またはこれに類似の状態となるまで、行うことができる。
【0013】
本発明の有利な構成では、圧縮空気処理装置は、排気管路を介して空気乾燥装置の上流の圧縮空気管路に接続された、空気乾燥装置の回生モードのための排気出口を有する。好ましくはさらに、排気管路に出口弁装置が設けられる。
【0014】
当該構成では、圧縮空気管路は、好ましくは、空気圧縮器が遮断された際、排気出口を介して排気される。
【0015】
当該構成では、好ましくは、空気圧縮器が遮断された際、出口弁装置が開放される。出口弁装置が複数の出口弁を備えている場合、排気のためにこれらの出口弁のうち少なくとも1つの出口弁が開放される。
【0016】
当該構成においてさらに、入口弁装置が空気乾燥装置の上流の圧縮空気管路に設けられる場合、好ましくは、空気圧縮器が遮断された際、この入口弁装置が開放される。入口弁装置は、好ましくは通常モードまたは乾燥モードと空気乾燥装置の回生モードとの切り換えに用いられる。入口弁装置が複数の入口弁を備えている場合、排気のためにこれらの入口弁のうち少なくとも1つの入口弁が開放される。
【0017】
本発明の別の有利な構成では、圧縮空気処理装置はさらに、空気乾燥装置の上流の圧縮空気管路に前置フィルタ装置を有し、この前置フィルタ装置は、排出管路を介して排出口に接続される。好ましくはさらに、前置フィルタ装置の当該排出管路に排出弁装置が設けられる。
【0018】
当該構成では、圧縮空気管路は、好ましくは、空気圧縮器が遮断された際、排出口を介して排気される。
【0019】
当該構成では、好ましくは、空気圧縮器が遮断された際、排出弁装置が開放される。排出弁装置が複数の排出弁を備えている場合、排気のためにこれらの排出弁のうち少なくとも1つの排出弁が開放される。
【0020】
圧縮空気管路の排気は、選択的に、空気乾燥装置の回生モードのための排気出口を介して、または前置フィルタ装置の排出口を介して、または排気出口および排出口の双方を介して、行うことができる。
【0021】
本発明の別の有利な構成では、圧縮空気処理装置は、空気乾燥装置の下流の圧縮空気管路の逆止弁と前置フィルタ装置の下流の圧縮空気管路の逆止弁とから選択される少なくとも1つの逆止弁を備えている。こうした逆止弁は、圧縮空気処理装置に接続された圧縮空気システムからの圧縮空気の逆流を防止するものである。
【0022】
本発明はまた、上述した本発明の圧縮空気処理装置とこれに接続されたまたは接続可能な空気圧縮器とを備えた圧縮空気供給装置も対象としている。
【0023】
本発明の上述したおよびさらなる利点、特徴および適用可能性は、添付図に即した実施形態の以下の説明から良好に理解される。ここで、唯一の
図1には、本発明の一実施形態による圧縮空気供給装置の構造が大部分概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態による圧縮空気供給装置の構造を示す概略図である。
【0025】
図1を参照しながら、一実施形態による圧縮空気供給装置の構造および動作方式を詳細に説明する。この場合、
図1では、簡単化のため、こうした圧縮空気供給装置に典型的に設けられているものの本発明の理解にとっては必須ではないと思われる幾つかの別の部品、例えばフィルタ、弁、チョーク、センサなどは省略してある。
【0026】
圧縮空気供給装置は、圧縮空気処理装置10と、これに接続された、例えばコンプレッサの形態の空気圧縮器14とを備えている。圧縮空気処理装置10は、空気圧縮器14に結合可能であって、圧縮空気管路16を介して圧縮空気出口18に接続された、圧縮空気入口12を有する。当該圧縮空気出口18には、1つもしくは複数の圧縮空気消費器を接続可能である。
【0027】
圧縮空気入口12から圧縮空気管路16を介して圧送された圧縮空気は、空気乾燥器で乾燥され、また、空気中に既に含まれていたかまたは圧縮プロセスにおいて空気圧縮器14に混入した特に油粒子、煤粒子および汚染粒子が好ましくは洗浄される。空気乾燥器は、このために、空気乾燥装置22と複数の入口弁装置26および出口弁装置28とを有する。
図1の実施形態では、空気乾燥装置22は、流体技術的に相互に並列に配置された第1の乾燥容器22aと第2の乾燥容器22bとを備えている。乾燥容器22a,22bの下流には、逆止弁および回生ノズルまたは回生チョーク29a,29bから成る並列回路がそれぞれ1つずつ設けられている。
【0028】
空気乾燥装置22の下流の圧縮空気管路16には、逆止弁24が配置されている。当該逆止弁24は、圧縮空気出口18に接続された圧縮空気システムから圧縮空気処理装置10への圧縮空気の逆流を防止するものである。
【0029】
空気乾燥装置22の上流の圧縮空気管路16には、入口弁装置26が配置されている。当該入口弁装置26は、この実施形態では、空気乾燥装置22の2つの乾燥容器22a,22bに対応して、第1の乾燥容器22aの上流に第1の入口弁26aを、第2の乾燥容器22bの上流に第2の入口弁26bを備えている。
【0030】
別の実施形態として、空気乾燥装置22が唯一の乾燥容器のみを備えていてもよいし、または3つ以上の乾燥容器を備えていてもよい。
【0031】
入口弁装置26と空気乾燥装置22との間で、圧縮空気管路16から、排気管路27が分岐している。
図1の実施形態では、排気管路27は、空気乾燥装置22の第1の乾燥容器22aに結合された第1の排気分岐管路27aと、第2の乾燥容器22bに結合された第2の排気分岐管路27bとを有する。排気管路27は、圧縮空気処理装置10の排気出口30に接続されている。
【0032】
また、排気管路27には、出口弁装置28が配置されている。
図1の実施形態では、当該出口弁装置28は、第1の排気分岐管路27aに配置された第1の出口弁28aと、第2の排気分岐管路27bに配置された第2の出口弁28bとを備えている。
【0033】
入口弁装置26および出口弁装置28は、圧縮空気処理装置10内に組み込まれているかまたはこれに接続されている制御装置40によって駆動される。
【0034】
空気圧縮器14の動作時、圧縮空気管路16は圧縮空気を供給し、これを圧縮空気出口18へ圧送する。制御装置40は、入口弁装置26の入口弁26a,26bが好ましくは相互に対抗動作するように制御を行い、これにより、空気乾燥装置22の2つの乾燥容器22a,22bに反平行に圧縮空気が通流する。よって、一方の乾燥容器(
図1の動作状態では第1の乾燥容器22a)は通常モードで圧縮空気の乾燥のために駆動され、他方の乾燥容器(
図1の動作状態では第2の乾燥容器22b)は回生モードで駆動される。出口弁装置28の2つの出口弁28a,28bは、制御装置40によって同様に、好ましくは相互に対抗動作するように駆動され、ここでは第1の入口弁26aが開放されると第1の出口弁28aが閉鎖され、逆も同様であり、第2の入口弁26bが閉鎖されると第2の出口弁28bが開放され、逆も同様である。
【0035】
図1に示されている動作状態では、入口弁装置26の第1の入口弁26aが開放されており、これにより空気圧縮器14が形成した圧縮空気が空気乾燥装置22の第1の乾燥容器22aを通って流れ、その後、圧縮空気出口18へ供給される。第1の乾燥容器22aで洗浄および乾燥された圧縮空気の一部は分岐され、第2の乾燥容器22bの乾燥剤を回生させるために、第2の回生ノズル29bを介し、空気乾燥装置22の第2の乾燥容器22bを通るように戻し供給される。当該圧縮空気は、ついで、第2の排気分岐管路27bを介し、開放された第2の出口弁28bを通って排気出口30へ送出される。続いて、入口弁装置26および出口弁装置28の切換状態が制御装置40によって変更され、これにより圧縮空気は空気乾燥装置22の第2の乾燥容器22bにおいて洗浄および乾燥され、その一方で第1の乾燥容器22aの乾燥剤が回生される。
【0036】
始動時または再始動時に空気圧縮器14を圧縮空気管路16内の高圧に対して動作させなければならなくなることを防止するため、空気圧縮器14が遮断された際、好ましくは空気圧縮器14が静止状態に到るとただちに、圧縮空気供給装置の圧縮空気管路16ができるだけ迅速にかつできるだけ完全に排気される。当該措置に対して付加的な要素は必要ない。むしろ、制御装置40は、圧縮空気処理装置10にもともと設けられている入口弁装置26および出口弁装置28を特別な排気モードで駆動する。当該排気モードでは、例えば入口弁装置26の全ての入口弁26a,26bおよび出口弁装置28の全ての出口弁28a,28bが開放されるかまたは第1の入口弁26aおよび第1の出口弁28aが開放されるかまたは第2の入口弁26bおよび第2の出口弁28bが開放され、これにより圧縮空気管路16内の圧縮空気を、排気管路27を介して排気出口30へ放出できる。
【0037】
空気圧縮器14の再始動時には、入口弁26および出口弁28が好ましくはまず排気動作状態に留められるかまたは一時的に再び排気動作状態へ移行される。よって、空気圧縮器14の始動は、圧縮空気管路16内に形成されている圧縮空気によって生じる逆圧に対してではなく、流出損失によって生じる逆圧のみに対して行われる。排気動作状態は、例えば、空気圧縮器14の始動から予め定められた期間が経過するまで、または空気圧縮器14が予め定められた回転数に達するまで、駆動される。
【0038】
空気圧縮器14の動作状態に関する情報は、圧縮空気処理装置10の制御装置40によって、例えば直接に空気圧縮器14もしくはその駆動部または車両制御部から受け取られる。
【0039】
図1の実施形態では、空気乾燥装置22および入口弁装置26の上流すなわち空気乾燥器の上流の圧縮空気管路16に、さらに、圧縮空気を予め濾過する前置フィルタ装置32が配置されている。前置フィルタ装置32は、圧縮空気が空気乾燥器へ流入する前に、例えば湿分および蒸気を分離するものである。
【0040】
前置フィルタ装置32は、自身の内部で分離させた流体(例えば油、水など)を規則的に排出するため、排出管路33を介して排出口36に接続されている。このために、排出管路33にはさらに、制御装置40によって同様に駆動される排出弁装置34が配置されている。
【0041】
また、
図1に示されているように、前置フィルタ装置32と空気乾燥器との間の圧縮空気管路16にはさらなる逆止弁38も設けられている。
【0042】
上述した圧縮空気管路16の排気過程に代えてもしくはこれに加えて、付加的な要素を使用せずに、前置フィルタ装置32を介して圧縮空気管路16の排気を行うこともできる。排気が前置フィルタ装置32のみを介して行われる場合、制御装置40は、入口弁装置26の2つの入口弁26a,26bを閉鎖し、排出弁装置34を開放する。圧縮空気管路16の排気が排気出口30および排出口36を介して行われる場合には、制御装置40は、入口弁装置26の2つの入口弁26a,26bおよび出口弁装置28の2つの出口弁28a,28bおよび排出弁装置34を開放する。
【0043】
さらに、動作温度が低い場合の凍結を防止するため、空気圧縮器14が静止した後に前置フィルタ装置32を排水すると有利である。
【0044】
さらに、圧縮空気管路16内の圧力低下の時間特性は、排気管路27または排出管路33の(図示されていない)チョークまたはノズルを介して任意に変更または制御することができる。
【0045】
本発明は
図1の上述した実施形態に限定されない。むしろ当業者は本発明の範囲内での多くの修正を認識している。
【0046】
例えば、前置フィルタ装置32は、空気乾燥器の上流において、圧縮空気管路16に圧縮空気の流れ方向で相前後して配置された複数の(例えば2つの)前置フィルタを有することもできる。これに対応して、排出管路33は、第1の前置フィルタに接続された第1の排出分岐管路と第2の前置フィルタに接続された第2の排出分岐管路とを有する。また、この実施形態では、排出弁装置34は、第1の排出分岐管路の第1の排出弁と、第2の排出分岐管路の第2の排出弁とを備える。
【0047】
圧縮空気管路16の排気は、排出弁装置34を制御装置40によって相応に駆動することにより、選択的に、設けられている全ての排出分岐管路のうち2つの排出分岐管路の一方ずつを介して、行うことができる。
【0048】
空気乾燥装置22が唯一の乾燥容器しか備えていない場合、これに対応して、唯一の排気管路27およびこの排気管路27に唯一の出口弁を備えた出口弁装置28が設けられる。この場合、空気乾燥装置22に対して並列に、好ましくは回生管路が設けられる。入口弁装置26は、この変化形態では、1つもしくは複数の入口弁を備えていてよい。
【0049】
さらに、本発明の範囲においては、相応の排出弁装置34および相応の排出口36を有する前置フィルタ装置32を省略できる実施形態も可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 圧縮空気処理装置
12 圧縮空気入口
14 空気圧縮器、例えばコンプレッサ
16 圧縮空気管路
18 圧縮空気出口
22 空気乾燥装置
22a 第1の乾燥容器
22b 第2の乾燥容器
24,38 逆止弁
26 入口弁装置
26a 第1の入口弁
26b 第2の入口弁
27 排気管路
27a 第1の排気分岐管路
27b 第2の排気分岐管路
28 出口弁装置
28a 第1の出口弁
28b 第2の出口弁
29a 第1の回生ノズル
29b 第2の回生ノズル
30 排気出口
32 前置フィルタ装置
33 排出管路
34 排出弁装置
36 排出口
40 制御装置