特許第6720336号(P6720336)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6720336
(24)【登録日】2020年6月19日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】基板作業システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20200629BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20200629BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20200629BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   H05K13/00 Z
   H05K13/04 Z
   H05K13/08 Z
   H05K3/00 Q
【請求項の数】8
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-555344(P2018-555344)
(86)(22)【出願日】2016年12月5日
(86)【国際出願番号】JP2016086090
(87)【国際公開番号】WO2018105014
(87)【国際公開日】20180614
【審査請求日】2019年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】稲吉 聖也
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−112295(JP,A)
【文献】 特開平11−097894(JP,A)
【文献】 特開2003−224397(JP,A)
【文献】 特開2008−300526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 − 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を基板に実装する作業を行なう部品実装装置を少なくとも含む基板作業装置と
前記部品実装装置による前記部品の前記基板への実装状態を検査する外観検査装置とを備え、
前記外観検査装置は、前記外観検査装置の検査結果に基づいて、前記基板作業装置の不良箇所を特定するとともに、特定した前記不良箇所を有する前記基板作業装置を初期状態に戻す校正の要否を判断し、前記不良箇所および前記不良箇所に対して行なう校正内容を含んだ校正情報を特定した前記基板作業装置に通知するように構成され
前記校正情報を受信した前記基板作業装置において、前記校正情報に基づいて前記不良箇所の検査を行なうことにより、前記基板作業装置において校正の要否の再確認行なように構成されている、基板作業システム。
【請求項2】
前記外観検査装置の検査結果に基づいて、前記基板作業装置の機械的な構成要素を初期状態に戻す校正を行なうように構成されている、請求項1に記載の基板作業システム。
【請求項3】
前記外観検査装置の検査結果に基づいて校正を行なう前記基板作業装置を特定するとともに、特定された前記基板作業装置を初期状態に戻す校正を行なう前記校正情報を通知するように構成されている、請求項1または2に記載の基板作業システム。
【請求項4】
前記校正情報は、前記外観検査装置の検査結果により特定された前記基板作業装置の前記不良箇所の情報を含み、
前記基板作業装置は、前記不良箇所の情報に基づいて校正を行なうように構成されている、請求項3に記載の基板作業システム。
【請求項5】
前記基板作業装置は、通知された前記校正情報に基づいて校正を行なう前記不良箇所を検査し、前記不良箇所の検査結果に基づいて校正の要否を判断するとともに、校正が必要と判断した場合に校正を行なうように構成されている、請求項4に記載の基板作業システム。
【請求項6】
前記基板作業装置は、校正後の前記不良箇所を再度検査し、検査に合格した場合に、前記基板に対して作業を実施するように構成されている、請求項5に記載の基板作業システム。
【請求項7】
前記基板作業装置は、通知された前記校正情報に基づいて、前記不良箇所の検査を行なうことなく校正を実施するように構成されている、請求項4に記載の基板作業システム。
【請求項8】
前記外観検査装置は、
第1外観検査装置と
前記第1外観検査装置より下流に配置される第2外観検査装置とを有し、
前記第1外観検査装置と前記第2外観検査装置との間には、リフロー炉が配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の基板作業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板作業システムに関し、特に、部品の基板への実装状態を検査する外観検査装置を備えた基板作業システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外観検査装置を備えた基板作業システムは、たとえば、特開平06−045753号公報が知られている。
【0003】
上記特開平06−045753号公報には、プリント配線基板に挿入部品または表面実装部品を実装する部品実装システム(基板作業システム)が開示されている。部品実装システムは、クリーム半田印刷機と、接着剤塗布機と、異形部品挿入装置と、チップ部品装着装置(以下、各種基板作業装置という)とを備えている。また、部品実装システムは、外観検査装置と、サーキットテスタと、チップチェッカーとを備えている。外観検査装置およびチップチェッカーは、半田付けの半田量の過不足、半田光沢状態、部品実装位置のズレ、チップ部品の浮きまたは立ちなどに関する検査を行なう。また、サーキットテスタは、実装部品と基板の上に配置されている導体パターンとの導通の有無などに関する検査を行なう。
【0004】
上記特開平06−045753号公報に記載の部品実装システムでは、外観検査装置、サーキットテスタおよびチップチェッカーの検査データが、パーソナルコンピューターにより集計・分析される。そして、各種基板作業装置は、フィードバックされた検査データに基づいて、各種基板作業装置のそれぞれの設定条件を自動的に補正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−045753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特開06−045753号公報の部品実装システムでは、各種基板作業装置自身が、フィードバックされた検査データに基づいて、基板作業装置のそれぞれの設定条件を個別に補正する。このとき、基板作業装置のそれぞれの設定条件が、基板作業装置の設置当初の設定条件から大きく変更されてしまう場合がある。この場合、設定条件が設置当初から大きく変更された基板作業装置が稼動すると、設置当初の設定条件から設定条件が大きく変更されていない他の基板作業装置との間で、装置間の設定条件の不整合が大きくなることに起因して不良が発生するという問題点がある。そのため、基板作業装置間における設定条件の不整合の度合いが大きくなることに起因する不良の発生を抑制することが可能な基板作業システムが望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、基板作業装置間における設定条件の不整合の度合いが大きくなることに起因する不良の発生を抑制可能な基板作業システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による基板作業システムは、部品を基板に実装する作業を行なう部品実装装置を少なくとも含む基板作業装置と、部品実装装置による部品の基板への実装状態を検査する外観検査装置とを備え、外観検査装置は、外観検査装置の検査結果に基づいて、基板作業装置の不良箇所を特定するとともに、特定した不良箇所を有する基板作業装置を初期状態に戻す校正の要否を判断し、不良箇所および不良箇所に対して行なう校正内容を含んだ校正情報を特定した基板作業装置に通知するように構成され校正情報を受信した基板作業装置において、校正情報に基づいて不良箇所の検査を行なうことにより、基板作業装置において校正の要否の再確認行なように構成されている。

【0009】
この発明の一の局面による基板作業システムでは、上記のように、外観検査装置の検査結果に基づいて、基板作業装置を初期状態に戻す校正が行われるように構成する。これにより、校正が行なわれた基板作業装置と他の基板作業装置との間における不整合の度合いを小さくすることができる。その結果、基板作業装置間における設定条件の不整合の度合いが大きくなることに起因する不良の発生を抑制することができる。
【0010】
上記一の局面による基板作業システムにおいて、好ましくは、基板作業システムは、外観検査装置の検査結果に基づいて、基板作業装置の機械的な構成要素を初期状態に戻す校正を行なうように構成されている。このように構成すれば、基板作業装置の設置当初の設定条件のうち、特に基板作業装置の機械的な構成要素を初期状態に戻す校正を行なうことができる。その結果、基板作業装置間において、基板作業装置間の物理的に作用しあう機械的な構成要素の不整合による、基板作業装置のさらなる機械的な構成要素の不良の発生を抑制することができる。
【0011】
上記基板作業システムにおいて、好ましくは、基板作業システムは、外観検査装置の検査結果に基づいて校正を行なう基板作業装置を特定するとともに、特定された基板作業装置を初期状態に戻す校正を行なう校正情報を通知するように構成されている。このように構成すれば、作業者は容易に校正を必要としている基板作業装置を認識することができる。
【0012】
上記外観検査装置の検査結果に基づいて校正を行なう基板作業装置を特定するように構成されている基板作業システムにおいて、好ましくは、校正情報は、外観検査装置の検査結果により特定された基板作業装置の不良箇所の情報を含み、基板作業装置は、不良箇所の情報に基づいて校正を行なうように構成されている。このように構成すれば、校正を必要としている基板作業装置の不良箇所を外観検査装置の検査結果に基づいて、自動的に基板作業システムが特定することができるとともに、基板作業装置側において不良箇所の情報に基づいて校正を自動的に行うことができる。その結果、作業者の負担を軽減することができる。
【0013】
上記特定された基板作業装置を初期状態に戻す校正を行なう校正情報を通知するように構成されている基板作業システムにおいて、好ましくは、基板作業装置は、通知された校正情報に基づいて校正を行なう不良箇所を検査し、不良箇所の検査結果に基づいて校正の要否を判断するとともに、校正が必要と判断した場合に校正を行なうように構成されている。このように構成すれば、外観検査装置の検査結果による基板作業装置の校正の要否の結果について、さらに基板作業装置において校正の要否の再確認をすることができる。その結果、校正を必要としていない基板作業装置に対して校正が行なわれることを抑制することができる。
【0014】
上記校正情報に含まれる不良箇所の情報に基づいて校正を行なう基板作業システムにおいて、好ましくは、基板作業装置は、校正後の不良箇所を再度検査し、検査に合格した場合に、基板に対して作業を実施するように構成されている。このように構成すれば、基板作業装置の不良箇所の校正が適切に行なわれたかどうかを確認することができる。その結果、基板作業装置の不良箇所の校正が適切に行なわれないまま、基板作業システムが稼動することを抑制することができる。
【0015】
上記校正情報に含まれる不良箇所の情報に基づいて校正を行なう基板作業システムにおいて、好ましくは、基板作業装置は、通知された校正情報に基づいて、不良箇所の検査を行なうことなく校正を実施するように構成されている。このように構成すれば、基板作業装置による不良箇所の検査の工程がなくなる分、基板作業装置の作業を簡略化することができる。
【0016】
上記一の局面による基板作業システムにおいて、好ましくは、外観検査装置は、第1外観検査装置と、第1外観検査装置より下流に配置される第2外観検査装置とを有し、第1外観検査装置と第2外観検査装置との間には、リフロー炉が配置されている。このように構成すれば、リフロー炉により溶融される基板上のはんだのリフロー工程の前後における変化を検査することができる。その結果、第1外観検査装置および第2外観検査装置を用いてリフロー前後の基板上の変化を検査するため、1つの外観検査装置のみで検査を行なうよりも、より精度良く不良の発生した基板作業装置を特定することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、基板作業装置間における設定条件の不整合の度合いが大きくなることに起因する不良の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態による基板作業システムの全体構成の一例を示したブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態による基板作業システムのローダーの構成の一例を示したブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態によるローダーの第1コンベアの一例を示した概略図である。
図4】本発明の第1実施形態による基板作業システムの基板クリーニング装置の構成の一例を示したブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態による基板作業システムのは印刷機の構成の一例を示したブロック図である。
図6】本発明の第1実施形態による基板作業システムの印刷検査機の構成の一例を示したブロック図である。
図7】本発明の第1実施形態による基板作業システムの部品実装装置の構成の一例を示したブロック図である。
図8】本発明の第1実施形態による基板作業システムのリフロー炉の構成の一例を示したブロック図である。
図9】本発明の第1実施形態による基板作業システムのアンローダーの構成の一例を示したブロック図である。
図10】本発明の第1実施形態による基板作業システムの第1外観検査装置の構成の一例を示したブロック図である。
図11】本発明の第1実施形態による基板作業システムの第2外観検査装置の構成の一例を示したブロック図である。
図12】本発明の第1実施形態による基板作業システムの第1外観検査装置または第2外観検査装置の検査処理のフローチャートである。
図13】本発明の第1実施形態による基板作業システムの基板作業装置の校正処理のフローチャートである。
図14】本発明の第1実施形態による基板作業システムの第1変形例によるディスペンサーの構成の一例を示したブロック図である。
図15】本発明の第1実施形態による基板作業システムの第2変形例によるコンベアの構成の一例を示したブロック図である。
図16】本発明の第2実施形態による基板作業システムの基板作業装置の校正処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1図13を参照して、本発明の第1実施形態による基板作業システム1の構成について説明する。ここでは一例として、第1実施形態の基板作業システム1が、第1外観検査装置8からの校正情報により基板作業装置12において行なう校正処理について説明する。
【0021】
(基板作業システム)
基板作業システム1は、図1に示すように、部品が基板に実装および接合された製品を製造するように構成されている。具体的には、基板作業システム1は、基板作業装置12と、外観検査装置13とを備えている。基板作業装置12は、たとえば基板に部品を実装および接合する装置である。基板作業システム1は、複数の基板作業装置12(7台)を有している。また、外観検査装置13は、基板に実装または接合された部品の実装状態または接合状態を検査する装置である。基板作業システム1は、複数の外観検査装置13(2台)を有している。
【0022】
(基板作業装置)
図1に示す、ローダー2、基板クリーニング装置15、印刷機3、印刷検査機4、部品実装装置5、リフロー炉6およびアンローダー7は、基板作業装置12の一例である。なお、基板作業システム1において、基板作業装置12として部品実装装置5を2台以上備えていてもよい。また、基板作業システム1において、部品実装装置5以外の基板作業装置12も2台以上備えていてもよい。さらに、基板作業システム1において、基板作業装置12として印刷検査機4を備えていなくてもよいし、基板作業装置12として基板クリーニング装置15を備えていなくてもよい。このように、基板作業システム1は、上記した構成を備えたシステムに限定されるものではない。
【0023】
基板作業システム1では、ローダー2が、基板作業システム1内に基板を搬入する。印刷機3が、供給された基板に配線パターンを印刷する。印刷検査機4は、基板に印刷された配線パターンの検査を行なう。部品実装装置5は、部品を基板に実装する。リフロー炉6は、基板に印刷された配線パターンを溶融させ、そして固化させることにより部品を基板に接合する。アンローダー7は、部品を接合した基板を基板作業システム1内から搬出する。ここで、図3に示すように、基板がコンベア14により搬送されていく方向を基板搬送方向とする。
【0024】
<ローダー>
ローダー2は、図2に示すように、第1コンベア21と、第1モーター23と、第1ボールねじ24と、第1固定レール22と、第1エンコーダー23aとを有する。また、ローダー2は、基板供給装置25を有している。なお、ローダー2の構成は上記した構成に限定されるものではなく、ローダー2の構成のあくまで一例である。
【0025】
基板供給装置25は、第1収容部と、第1搬送部とを有している。第1収容部は、基板作業システム1内に供給するための基板を多数収容するラックとなっている。また、第1搬送部は、第1コンベア21に供給位置まで第1収容部に収容されている基板を搬送する。
【0026】
第1コンベア21は、図3に示すように、基板搬送方向に長く延びている。第1コンベア21は、基板の幅に合わせて、水平面内における基板搬送方向に直交する方向の間隔W1が調整可能となっている。第1ボールねじ24は、水平面内における基板搬送方向の直交する方向に長く延びている。第1ボールねじ24は、第1モーター23に取り付けられている。第1ボールねじ24は、基板搬送方向に直交する方向を中心軸線とする。第1ボールねじ24は、基板搬送方向に直交する方向回りに回転する。また、第1固定レール22は、基板搬送方向に直交する方向に延びている。第1コンベア21は、搬送方向に直交する方向に移動可能に第1固定レール22に支持されている。第1モーター23には、回動を検知する第1エンコーダー23aが設けられている。
【0027】
ローダー2では、第1モーター23が駆動し第1ボールねじ24が回転すると、第1コンベア21が第1固定レール22に沿って第1ボールねじ24の長さの範囲P1内を移動する。ここで、ローダー2では、第1コンベア21の速度および基板搬送方向に直交する方向の位置C1を第1エンコーダー23aにより検知することが可能である。
【0028】
<基板クリーニング装置>
基板クリーニング装置15は、図4に示すように、コンベア151と、第1テーブル152と、基板清掃部153とを含んでいる。なお、基板クリーニング装置15の構成は上記した構成に限定されるものではなく、基板クリーニング装置15の構成のあくまで一例である。
【0029】
コンベア151は、第1テーブル152に基板を搬入する第2コンベア151aと、第3テーブル42から基板を搬出する第3コンベア151bとを有している。ここで、コンベア151は、第1コンベア21と同様の構成を有している。第2コンベア151aおよび第3コンベア151bは、基板搬送方向に長く延びている。第1テーブル152は、基板を固定する第1クランプ装置152aを有している。
【0030】
基板清掃部153は、基板上のごみなどの異物の除去、および、基板上の汚れの除去を行なうように構成されている。具体的には、基板清掃部153は、エアーノズルとなっている。なお、基板清掃部153は、エアーノズルではなく、ブラシユニット、ローラー、クリーニングシートなどであってもよく、エアーノズルは基板清掃部153のあくまで一例である。
【0031】
第2コンベア151aは、第1コンベア21により基板クリーニング装置15に搬入される基板を第1テーブル152へと搬送する。第1テーブル152は、第2コンベア151aにより搬送された基板を下方から支持する。第1クランプ装置152aは、第1テーブル152に支持された基板を固定する。基板清掃部153は、エアーノズルから圧縮空気を噴出させ、基板上のごみおよび汚れを除去する。そして、第3コンベア151bは、基板を第1テーブル152から搬出する。
【0032】
<印刷機>
印刷機3は、図5に示すように、コンベア31と、印刷ステージ32と、スキージユニット33と、はんだ供給部34とを含んでいる。なお、印刷機3の構成は上記した構成に限定されるものではなく、印刷機3の構成のあくまで一例である。コンベア31は、印刷ステージ32に基板を搬送する第4コンベア31aと、搬出する第5コンベア31bとを有している。コンベア31は、基板搬送方向に長く延びている。コンベア31は、第1コンベア21と同様の構成を有している。
【0033】
印刷ステージ32は、第2テーブル32aと、第2クランプ装置32bと、第1撮像ユニット32dと、第1照明ユニット32eとを有している。また、印刷ステージ32は、所定パターンの印刷用開口が形成されたマスクシート32cを有している。第1撮像ユニット32dは、たとえばCCDカメラとなっている。第1照明ユニット32eは、たとえばLEDとなっている。ここで、以下に記載される他の撮像ユニットおよび照明ユニットも同様の構成となっている。
【0034】
第4コンベア31aは、第3コンベア151bにより印刷機3に搬入された基板を第2テーブル32aへと搬送する。第2テーブル32aは、第4コンベア31aから搬入された基板を下方から支持する。第2クランプ装置32bは、第2テーブル32aに支持された基板を固定する。はんだ供給部34は、クリームはんだおよび導電ペーストなどのペーストをマスクシート32c上に供給する。スキージユニット33は、マスクシート32c上に供給されたペーストをマスクシート32c上において混練しながら拡張する。
【0035】
第1撮像ユニット32dは、第1照明ユニット32eにより光が照射された基板およびマスクシート32cを撮像する。そして、第5コンベア31bは、基板を第2テーブル32aから搬出する。
【0036】
<印刷検査機>
印刷検査機4は、図6に示すように、コンベア41と、第3テーブル42と、第2撮像ユニット43と、第2照明ユニット44とを含んでいる。なお、印刷検査機4の構成は上記した構成に限定されるものではなく、印刷検査機4の構成のあくまで一例である。コンベア41は、第3テーブル42に基板を搬入する第6コンベア41aと、第3テーブル42から基板を搬出する第7コンベア41bとを有している。ここで、コンベア41は、第1コンベア21と同様の構成を有している。第6コンベア41aおよび第7コンベア41bは、基板搬送方向に長く延びている。第3テーブル42は、基板を固定する第3クランプ装置42aを有している。
【0037】
第6コンベア41aは、第5コンベア31bにより印刷検査機4に搬入される基板を第3テーブル42へと搬送する。第3テーブル42は、第6コンベア41aにより搬送された基板を下方から支持する。第3クランプ装置42aは、第3テーブル42に支持された基板を固定する。第2照明ユニット44は、第3テーブル42上に固定された基板に照明を照射する。第2撮像ユニット43は、基板上の配線パターンの確認のため、第2照明ユニット44による照明が当てられた基板の配線パターンを撮像する。そして、第7コンベア41bは、基板を第3テーブル42から搬出する。
【0038】
<部品実装装置>
部品実装装置5は、図7に示すように、コンベア51と、第4テーブル52と、部品装着ヘッド53とを含んでいる。なお、部品実装装置5の構成は上記した構成に限定されるものではなく、部品実装装置5の構成のあくまで一例である。コンベア51は、第4テーブル52に基板を搬入する第8コンベア51aと、第4テーブル52から基板を搬出する第9コンベア51bと、を有している。ここで、コンベア51は、第1コンベア21と同様の構成を有している。第4テーブル52は、第4クランプ装置52aと、カメラ装置52bと、照明装置52cとを有している。また、部品装着ヘッド53は、部品を吸着および実装するノズル53aと、部品装着ヘッド53を移動させる移動機構53bとを有している。また、部品装着ヘッド53は、第3撮像ユニット53cと、第3照明ユニット53dとを有している。
【0039】
部品実装装置5は、部品供給部54を含んでいる。部品供給部54は、コンベア51の外側に配置されている。また、部品供給部54には、複数のテープフィーダ54aが配置されている。テープフィーダ54aは、複数の部品を所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き付けられたリール54bを保持している。
【0040】
第8コンベア51aは、第7コンベア41bにより部品実装装置5に搬入される基板を第4テーブル52へと搬送する。第4テーブル52は、第8コンベア51aから搬入された基板を下方から支持する。第4クランプ装置52aは、第4テーブル52に支持された基板を固定する。部品装着ヘッド53は、移動機構53bにより部品供給部54と基板との間を移動する。部品装着ヘッド53は、部品供給部54において部品をノズル53aによって吸着する。
【0041】
照明装置52cは、ノズル53aに光を照射する。カメラ装置52bは、ノズル53aおよびノズル53aに吸着された部品を撮像する。カメラ装置52bは、ノズル53aの形状の確認および部品の状態の確認のために、撮像を行なっている。第3照明ユニット53dは、基板に照明を照射する。第3撮像ユニット53cは、第3照明ユニット53dによる照明が当てられた基板を撮像する。第3撮像ユニット53cは、基板上のフィデューシャルマーク(FI(Fiducial Mark)マーク)を撮像し、基板の位置ずれを確認する。ここで、FIマークとは、部品を部品実装装置5が基板上に実装する前に、基板と部品実装装置5との位置あわせを行なうために、基板上に設けられたマークである。部品装着ヘッド53は、基板上において部品を実装する。そして、第9コンベア51bは、部品が実装された基板を第4テーブル52から搬出する。
【0042】
<リフロー炉>
リフロー炉6は、図8に示すように、コンベア61と、第5テーブル62と、ヒーター63と、冷却ファン64とを含んでいる。なお、リフロー炉6の構成は上記した構成に限定されるものではなく、リフロー炉6の構成のあくまで一例である。コンベア61は、第5テーブル62に基板を搬入する第10コンベア61aと、第5テーブル62から基板を搬出する第11コンベア61bとを有している。ここで、コンベア61は、第1コンベア21と同様の構成を有している。第5テーブル62は、第5クランプ装置62aを有している。また、リフロー炉6内には所定の濃度の酸素、窒素、水素および蟻酸が供給されている。
【0043】
第10コンベア61aは、第9コンベア51bによりリフロー炉6に搬入される基板を第5テーブル62へと搬送する。第5テーブル62は、第10コンベア61aから搬送された基板を下方から支持する。第5クランプ装置62aは、第5テーブル62に支持された基板を固定する。ヒーター63は、基板上のはんだを溶融させ、冷却ファン64が溶融されたはんだを冷却し固めることにより、部品と基板とがはんだにより接合される。そして、第11コンベア61bは、部品が接合された基板を第5テーブル62から搬出する。
【0044】
<アンローダー>
アンローダー7は、図9に示すように、第12コンベア71と、第2モーター73と、第2ボールねじ74と、第2固定レール72と、第2エンコーダー73aとを有している。また、アンローダー7は、基板収容装置75を有している。なお、アンローダー7の構成は上記した構成に限定されるものではなく、あくまでアンローダー7の構成の一例である。
【0045】
第12コンベア71は、第1コンベア21と同様の構成を有している。第12コンベア71は、基板搬送方向に長く延びている。第12コンベア71は、基板の幅に合わせて、基板搬送方向に直交する方向の間隔が調整可能となっている。第2ボールねじ74は、基板搬送方向に直交する方向に長く延びている。第2ボールねじ74は、第2モーター73に取り付けられている。第2ボールねじ74は、基板搬送方向に直交する方向を中心軸線とする。第2ボールねじ74は、基板搬送方向に直交する方向回りに回転する。また、第2固定レール72は、基板搬送方向に直交する方向に延びている。第12コンベア71は、搬送方向に直交する方向に移動可能に第2固定レール72に支持されている。第2モーター73には、回動を検知する第2エンコーダー73aが設けられている。
【0046】
基板収容装置75は、第2収容部75aと、第2搬送部75bとを有している。第2搬送部75bは、第12コンベア71から搬送されてきた基板を第2収容部75aへと搬入する。第2収容部75aは、はんだにより部品を接合した基板を多数収容するラックとなっている。
【0047】
アンローダー7では、第2モーター73が駆動し第2ボールねじ74が回転すると、第12コンベア71が第2固定レール72に沿って移動する。ここで、ローダー2では、第12コンベア71の速度および基板搬送方向に直交する方向の位置を第2エンコーダー73aにより検知することが可能である。
【0048】
(外観検査装置)
図1に示すように、基板作業システム1は、第1外観検査装置8と、第2外観検査装置9とを備えている。なお、基板作業システム1において、外観検査装置として第1外観検査装置8または第2外観検査装置9のみであってもよい。また、基板作業システム1において、外観検査装置は3台以上あってもよい。このように、基板作業システム1は、上記した構成を備えたシステムに限定されるものではない。
【0049】
<第1外観検査装置>
第1外観検査装置8は、リフロー炉6よりも上流側に配置されている。第1外観検査装置8は、リフロー炉6への搬入前の基板上の部品、基板上のはんだおよび基板を検査する。第1外観検査装置8は、図9に示すように、コンベア81と、第6テーブル82と、第1検査ヘッド83と、第1計測装置84とを含んでいる。なお、第1外観検査装置8の構成は上記した構成に限定されるものではなく、第1外観検査装置8の構成のあくまで一例である。
【0050】
コンベア81は、第6テーブル82の上流側に配置される第13コンベア81aと、第6テーブル82の下流側に配置される第14コンベア81bとを有している。ここで、コンベア81は、第1コンベア21と同様の構成を有している。第13コンベア81aは、第6テーブル82に基板を搬入する。第14コンベア81bは、第6テーブル82から基板を搬出する。第6テーブル82は、第6クランプ装置82aを有している。
【0051】
また、第1検査ヘッド83は、第4撮像ユニット83aと、第4照明ユニット83bとを有している。第1計測装置84は、第1高さ計測装置84aを有している。ここで、第1高さ計測装置84aとしては、レーザー光を用いるレーザー計測装置、および、プロジェクターから照射されるモアレ光を用いる3D計測装置などといったものがある。なお、第1高さ計測装置84aとして列挙した計測装置はあくまで一例である。
【0052】
第13コンベア81aは、第9コンベア51bにより第1外観検査装置8に搬入される基板を第6テーブル82へと搬送する。第6テーブル82は、第13コンベア81aから搬入された基板を下方から支持する。第6クランプ装置82aは、第6テーブル82に支持された基板を固定する。第1検査ヘッド83において、第4照明ユニット83bは、基板上に照明を照射する。第1検査ヘッド83において、第4撮像ユニット83aは、基板上の部品、基板上のはんだおよび基板を撮像する。第1高さ計測装置84aは、基板と部品との接合部分のはんだのはんだの高さを計測する。たとえば、レーザー計測装置であれば、基板と部品との接合部分のはんだにレーザー光を照射し、また、3D計測装置であれば、基板と部品との接合部分のはんだにモアレ光を照射する。そして、第14コンベア81bは、基板を第6テーブル82から搬出する。
【0053】
このように、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより基板上を撮像することにより、リフロー工程前における、基板の位置ずれ、基板上の異物、部品の配置、部品の欠品およびはんだの位置ずれ、部品の位置ずれ、部品の高さおよび部品のリード高さなどを検査する。また、第1外観検査装置8は、第1高さ計測装置84aにより、リフロー工程前における、基板と部品との接合部分のはんだを計測することにより、はんだの高さ、面積、体積を計測する。さらに、第1外観検査装置8は、第1高さ計測装置84aにより、リフロー工程前における、部品を計測することにより、部品高さや部品のリード高さなどを計測してもよい。
【0054】
<第2外観検査装置>
第2外観検査装置9は、リフロー炉6よりも下流側に配置(図1参照)されている。第2外観検査装置9は、リフロー炉6からの搬出後の基板上の部品、基板上のはんだおよび基板を検査する。第2外観検査装置9は、図10に示すように、コンベア91と、第7テーブル92と、第2検査ヘッド93と、第2計測装置94とを含んでいる。なお、第2外観検査装置9の構成は上記した構成に限定されるものではなく、第2外観検査装置9の構成のあくまで一例である。
【0055】
コンベア91は、第7テーブル92の上流側に配置される第15コンベア91aと、第7テーブル92の下流側に配置される第16コンベア91bとを有している。ここで、コンベア91は、第1コンベア21と同様の構成を有している。第15コンベア91aは、第7テーブル92に基板を搬入する。第16コンベア91bは、第7テーブル92から基板を搬出する。第7テーブル92は、第7クランプ装置92aを有している。
【0056】
また、第2検査ヘッド93は、第5撮像ユニット93aと、第5照明ユニット93bとを有している。第2計測装置94は、第2高さ計測装置94aを有している。
【0057】
第15コンベア91aは、第11コンベア61bにより第2外観検査装置9に搬入される基板を第7テーブル92へと搬送する。第7テーブル92は、第16コンベア91bから搬入された基板を下方から支持する。第7クランプ装置92aは、第7テーブル92に支持された基板を固定する。第2検査ヘッド93において、第5照明ユニット93bは、基板上に照明を照射する。第2検査ヘッド93において、第5撮像ユニット93aは、基板上の部品、基板上のはんだおよび基板を撮像する。第2高さ計測装置94aは、基板と部品との接合部分のはんだのはんだの高さを計測する。たとえば、レーザー計測装置であれば、基板と部品との接合部分のはんだにレーザー光を照射し、また、3D計測装置であれば、基板と部品との接合部分のはんだにモアレ光を照射する。そして、第16コンベア91bは、基板を第7テーブル92から搬出する。
【0058】
このように、第2外観検査装置9は、第5撮像ユニット93aにより基板上を撮像することにより、リフロー工程後における、基板の位置ずれ、基板上の異物、部品の配置、部品の欠品およびはんだの位置ずれ、部品の位置ずれ、部品の高さおよび部品のリード高さなどを検査する。また、第2外観検査装置9は、第2高さ計測装置94aを用いて基板と部品との接合部分を計測することにより、リフロー工程後における、はんだの高さ、面積、体積を計測する。さらに、第2外観検査装置9は、第2高さ計測装置94aにより、リフロー工程後における、部品を計測することにより、部品高さや部品のリード高さなどを計測してもよい。
【0059】
このように、基板作業システム1は、部品を基板に実装する部品実装装置5を少なくとも含む基板作業装置12を備えている。また、基板作業システム1は、部品実装装置5による部品の基板への実装状態を検査する外観検査装置13を備えている。
【0060】
また、外観検査装置13は、第1外観検査装置8と、第1外観検査装置8より下流に配置される第2外観検査装置9とを有している。第1外観検査装置8と第2外観検査装置9との間には、リフロー炉6が配置されている。
【0061】
(検査処理)
本実施形態の基板作業システム1では、基板作業装置12の不良箇所に対して、基板作業装置12を初期状態に戻す校正が行なわれる。ここで、校正とは、基板作業装置12のそれぞれが設置された当初の状態に戻すことを示す。なお、校正とは、前回校正を行なった状態に戻すことも含むものと定義する。ここで、校正処理を行なう前に、基板、基板上の部品および基板上のはんだに関する検査処理が、第1外観検査装置8および第2外観検査装置9において行なわれる。以下、検査処理について説明を行なう。
【0062】
第1外観検査装置8または第2外観検査装置9は、図12に示すような検査処理に基づいて、不良となった基板作業装置12の特定と、不良箇所の特定を行なう。以下、図12に基づいて、ここでは一例として、第1外観検査装置8による不良となった基板作業装置12の特定および不良箇所の特定について説明する。
【0063】
まず、ステップS1において、基板に対して第1外観検査装置8による検査が行なわれる。第1外観検査装置8は、印刷機3により配線パターンが印刷され、かつ、部品実装装置5により部品が実装された基板に対して、検査を行なう。第1外観検査装置8による検査としては、たとえば、基板上の部品の欠品、基板全体のはんだの面積、幅および高さ、基板上の異物の存否、および、FIマークの撮像可否などといった検査がある。ここで、第1外観検査装置8では、たとえば、第4撮像ユニット83aおよび第1高さ計測装置84aなどといった計測装置を適宜用いることにより上記した検査を行なう。その後、ステップS2に進む。
【0064】
ステップS2において、第1外観検査装置8が、ステップS1の検査により不良と診断した検査項目に基づいて、不良箇所の校正処理の要否を判断する。ここで、第1外観検査装置8が、不良と診断した検査項目において、不良と診断した回数が閾値以上のであるか否かを検査する。ここで、第1外観検査装置8が、不良と診断した回数が閾値未満の場合、そのまま検査処理は終了する。第1外観検査装置8は、不良と診断した回数が閾値以上の場合、校正処理を行なうと判断し、ステップS3に進む。また、第1外観検査装置8は、所定時間あたりの不良と診断された回数の増加率を基準にして校正の判断を行なってもよい。すなわち、第1外観検査装置8は、所定時間あたりの不良と診断された回数の増加率が、所定値未満の場合、そのまま検査処理を終了する。第1外観検査装置8は、所定時間あたりの不良と診断した回数の変化率が、所定値以上の場合、校正を行なうと判断し、ステップS3に進む。
【0065】
ステップS3において、第1外観検査装置8は、不良と診断した検査項目に基づいて、検査項目に関連付けられている(たとえば、基板上のはんだ面積と印刷機3など)基板作業装置12を特定する。その後、ステップS4に進む。ステップS4において、第1外観検査装置8は、ステップS3において特定した基板作業装置12に対して、不良箇所および行なうべき校正内容を含んだ校正情報を自動的に通知する。そして、ステップS5に進む。ステップS5において、第1外観検査装置8は、基板を搬出したのち作業を終了する。
【0066】
上記した検査処理は、第2外観検査装置9においても同様に行なわれる。次に、図13に基づいて、ステップS4において、校正情報を通知された基板作業装置12における不良箇所の校正処理について説明する。
【0067】
(校正処理)
まず、ステップS6において、基板作業装置12は、第1外観検査装置8または第2外観検査装置9から校正情報を受信したか否かを判断する。そして、校正情報を受信していた場合はステップS7に進み、校正情報を受信していない場合はステップS13に進む。
【0068】
ステップS7において、基板作業装置12は、校正情報に基づいて、特定された不良箇所の検査を行なう。その後、ステップS8において、基板作業装置12では、ステップS7の検査結果に基づいて、特定された不良箇所が不良であった場合は校正処理を実施するためステップS8に進む。また、基板作業装置12では、特定された不良箇所の実際の状態が良好であった場合は校正処理を実施する必要が無いためステップS13に進む。
【0069】
ステップS9において、基板作業装置12は、第1外観検査装置8から通知された校正情報に含まれる校正内容に基づいて、自動的に校正を行なう。その後、ステップS10において、基板作業装置12が行なった校正により、不良が解消されたか否かを検査する。そして、基板作業装置12では、ステップS11において、ステップS10において行なった検査をクリアできなかった場合、ステップS12に進む。ステップS12において、基板作業装置12は、基板作業システム1の全ての基板作業装置12を停止させ、作業者に第1外観検査装置8により検知された不良が解消されていない旨を報知する。ステップS11において、基板作業装置12では、ステップS10において行なった検査をクリアできた場合、ステップS13に進む。
【0070】
ステップS6からステップS12は校正処理となっており、ステップS13からステップS15は、基板作業装置12の校正処理が終了した後における、基板作業装置12の通常の作業を行なう通常処理となっている。ステップS13において、基板作業装置12は、不良が解消された基板作業装置12に基板を搬入し、基板を所定の作業位置にセットする。そして、ステップS14において、基板作業装置12は、不良が解消された基板作業装置12において、搬入された基板に対して所定の作業動作を実施する。その後、ステップS15において、基板作業装置12は、不良が解消された基板作業装置12から所定の作業動作が実施した基板を搬出する。
【0071】
以下、具体的な基板作業装置12を示して、校正処理の具体的な内容について説明する。具体的な基板作業装置12の例において、図11のステップS1およびステップS2、図12のステップS7〜ステップS11に関する部分がそれぞれの基板作業装置12において異なる。したがって、以下の校正処理の説明では、図11および図12を参照して、異なるステップについてのみ説明し、他のステップについての説明は省略する。
【0072】
<ローダーの校正>
第1外観検査装置8は、ステップS1において第4撮像ユニット83aによる検査の1つとして、FIマークの検査を行なう。第1外観検査装置8は、ステップS2においてFIマークの検査結果に基づいて、ローダー2を校正するか否かを判断する。すなわち、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより撮像された基板の画像において、FIマークが撮像されていないというエラー(以下、第1エラー)が5回以上発生した場合、ローダー2の校正を行なうと判断する。第1エラーの発生要因の1つとしては、基板と第1コンベア21の幅が一致していないときに発生するエラーが考えられる。なお、第1外観検査装置8は、第1エラーの発生要因として、基板と第1コンベア21の幅が一致していない以外の要因を推定することが可能であり、校正も行うことができる。
【0073】
ローダー2は、ステップS7において第1エラーに対するローダー2の検査として、現在の第1コンベア21の位置および幅と、設置当初の第1コンベア21の位置C1(図3参照)および幅W1(図3参照)の検査を行なう。ローダー2は、ステップS8においてステップS7の検査結果に基づいて、ローダー2の校正を行なうかを判断する。ローダー2は、ステップS9において、第1エラーに対するローダー2の校正の内容として、第1モーター23により第1コンベア21の搬送方向に直交する方向の位置を設置当初の初期位置に戻す。さらに、ローダー2は、ステップS9において、第1エラーに対するローダー2の校正の内容として、第1コンベア21の搬送方向に直交する方向の幅を設置当初の初期値に戻す。そして、ローダー2は、ステップS10において第1エラーに対するローダー2の校正の内容の検査として、校正後の第1コンベア21の位置および幅と、設置当初の第1コンベア21の位置および幅とを比較する。これにより、ローダー2は校正の内容の良否を判断する。
【0074】
なお、第1エラーの発生回数の閾値は5回に限定されない。また、第1外観検査装置8がローダー2の校正を行なうと判断する情報としては、たとえば、第1エラーの発生回数だけでなく、第1エラーの発生の推移、第1高さ計測装置84aの計測値などであってもよい。また、第1外観検査装置8のローダー2に対する検査としてFIマークの検査を具体例としてあげたが、第1外観検査装置8のローダー2に対する検査はFIマークの検査だけに限られない。
【0075】
<基板クリーニング装置の校正>
第1外観検査装置8は、ステップS1において第4撮像ユニット83aによる検査の1つとして、基板上の異物または汚れの検査を行なう。第1外観検査装置8は、ステップS2において、基板上の異物または汚れの検査結果に基づいて、基板クリーニング装置15を校正するか否かを判断する。すなわち、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより撮像された基板の画像において、基板上に異物または汚れありというエラー(以下、第2エラー)が発生した場合、基板クリーニング装置15の校正を行なうと判断する。第2エラーの発生要因の1つとしては、基板クリーニング装置15の基板清掃部153のエアーノズルの詰まりに伴い発生するエラーが考えられる。なお、第1外観検査装置8は、第2エラーの発生要因として、エアーノズルの詰まり以外の要因を推定することが可能であり、校正も行うことができる。
【0076】
基板クリーニング装置15は、ステップS7において、第2エラーに対する基板クリーニング装置15の検査として、図示しない撮像ユニットによるエアーノズルの画像と、設置当初のエアーノズルの画像とを比較することにより検査を行なう。基板クリーニング装置15は、ステップS8においてステップS7の検査結果に基づいて、基板クリーニング装置15の検査が行なわれるかを判断する。基板クリーニング装置15は、ステップS9において、第2エラーに対する基板クリーニング装置15の校正の内容として、基板清掃部153のエアーノズルにエアブローを行なうことにより、エアーノズルの詰まりを解消する。このとき、基板クリーニング装置15は、エアーノズルを初期状態に戻す。そして、基板クリーニング装置15は、ステップS10において、第2エラーに対する基板クリーニング装置15の校正の内容の検査として、撮像ユニットによる校正後のエアーノズルの画像と、設置当初のエアーノズルの画像とを比較する。これにより、基板クリーニング装置15は校正の内容の良否を判断する。
【0077】
なお、第1外観検査装置8が基板クリーニング装置15の校正を行なうと判断する情報としては、たとえば、基板上の異物または汚れだけでなく、基板上の部品の浮きなどであってもよい。また、第1外観検査装置8の基板クリーニング装置15に対する検査として、基板上の異物または汚れを具体例としてあげたが、第1外観検査装置8の基板クリーニング装置15に対する検査は、基板上の異物または汚れの検査だけに限られない。第1外観検査装置8の基板クリーニング装置15に対する検査は、基板上の異物または基板上の部品の浮きであってもよい。さらに、第1外観検査装置8では、第1高さ計測装置84aによるはんだの高さ、幅および体積に基づいて、第2エラーの発生を検知してもよい。また、基板クリーニング装置15の校正は、エアブローだけでなく、エアーノズルの清掃、エアーノズルの交換、エアーノズルのエアー圧の調整およびエアーノズルの噴射角度の調整などを行なってもよい。また、基板クリーニング装置15がブラシユニット、ローラーおよびクリーニングシートであった場合、基板クリーニング装置15の校正は、ブラシユニット、ローラーおよびクリーニングシートの清掃および交換を行なってもよい。
【0078】
<印刷機の校正>
第1外観検査装置8は、ステップS1において第4撮像ユニット83aによる検査の1つとして、基板上のはんだ塗布面積の検査を行なう。第1外観検査装置8は、ステップS2においてはんだ塗布面積の検査結果に基づいて、印刷機3を校正するか否かを判断する。すなわち、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより撮像された基板の画像において、はんだ塗布面積が所定面積未満というエラー(以下、第3エラー)が5回以上発生した場合、印刷機3の校正を行なうと判断する。第3エラーの発生要因の1つとしては、マスクシート32cの目詰まりにより発生するエラーが考えられる。なお、第1外観検査装置8は、第3エラーの発生要因として、マスクシート32cの目詰まり以外の要因を推定することが可能であり、校正も行うことができる。
【0079】
印刷機3は、ステップS7において第3エラーに対する印刷機3の検査として、第1撮像ユニット32dにより撮像した現在のマスクシート32cの画像と、設置当初のマスクシート32cの画像とを比較することにより検査を行なう。印刷機3は、ステップS8においてステップS7の検査結果に基づいて、印刷機3の校正を行なうかを判断する。印刷機3は、ステップS9において、第2エラーに対する印刷機3の校正の内容として、マスクシート32cに図示しないエアブロー装置を用いて圧縮空気を吹きつけることにより、マスクシート32cの目詰まりを解消し、マスクシート32cを初期状態に戻す。そして、印刷機3は、ステップS10において、第2エラーに対する印刷機3の校正の内容の検査として、第1撮像ユニット32dにより撮像した校正後のマスクシート32cの画像と、設置当初のマスクシート32cの画像とを比較する。これにより、印刷機3は校正の内容の良否を判断する。
【0080】
なお、第1外観検査装置8では、第1高さ計測装置84aによるはんだの高さ、幅および体積に基づいて、第3エラーの発生を検知してもよい。また、第3エラーに対する印刷機3の校正の内容としては、基板のランドとマスクシート32cのマスク孔との位置合わせを行なってもよい。また、第3エラーに対する印刷機3の校正の内容としては、スキージユニット33の押し込み圧力、押し込み時間の調節、アタック角度および速度の調節を行なってもよい。
【0081】
また、第3エラーの発生回数の閾値は5回に限定されない。第1外観検査装置8が印刷機3の校正を行なうと判断する情報としては、たとえば、はんだの塗布面積だけでなく、はんだの体積、はんだの位置ずれおよびはんだのかすれなどであってもよい。また、第1外観検査装置8の印刷機3に対する検査として、基板上のはんだの塗布面積を具体例としてあげたが、第1外観検査装置8の印刷機3に対する検査は、はんだの体積、はんだの位置ずれおよびはんだのかすれなどが挙げられる。さらに、第1外観検査装置8では、第1高さ計測装置84a(レーザー計測装置、3D計測装置など)によるはんだの高さ、幅および体積に基づいて、第3エラーの発生を検知してもよい。
【0082】
<印刷検査機の校正>
第1外観検査装置8は、ステップS1において第4撮像ユニット83aによる検査の1つとして、基板上のはんだ塗布面積の検査を行なう。第1外観検査装置8は、ステップS2において、はんだ塗布面積の検査結果に基づいて、印刷検査機4を校正するか否かを判断する。すなわち、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより撮像された基板の画像において、はんだ塗布面積が所定面積未満というエラー(以下、第4エラー)が5回以上発生した場合、印刷検査機4の校正を行なうと判断する。第4エラーの発生要因の1つとしては、印刷検査機4の第3照明ユニット53dの光量不足による、第3撮像ユニット53cの画像の品質低下に伴い発生するエラーが考えられる。なお、第1外観検査装置8は、第5エラーの発生要因として、印刷検査機4の第3照明ユニット53dの光量不足以外の要因を推定することが可能であり、校正も行うことができる。
【0083】
印刷検査機4は、ステップS7において第4エラーに対する印刷検査機4の検査として、第4照明ユニット83bの照度検査を行なう。照度検査は、図示しない輝度計を用いて行なわれる。印刷検査機4は、第4照明ユニット83bの照度および設置当初の第4照明ユニット83bの照度のそれぞれの輝度計の計測値を比較することにより検査を行なう。印刷検査機4は、ステップS8においてステップS7の検査結果に基づいて、印刷検査機4の校正を行なうかを判断する。印刷検査機4は、ステップS9において、第4エラーに対する印刷検査機4の校正の内容として、第3照明ユニット53dの照度を調節することにより、第3照明ユニット53dの照度不足を解消する。このとき、印刷検査機4は、第3照明ユニット53dを初期状態に戻す。そして、印刷検査機4は、ステップS10において、第3エラーに対する印刷検査機4の校正の内容の検査として、現状の第4照明ユニット83bの照度と、設置当初の第4照明ユニット83bの照度とを比較する。これにより、印刷検査機4は校正の内容の良否を判断する。
【0084】
また、第4エラーの発生回数の閾値は5回に限定されない。第1外観検査装置8が印刷検査機4の校正を行なうと判断する情報としては、たとえば、はんだの塗布面積だけでなく、はんだの体積、はんだの位置ずれおよびはんだのかすれなどであってもよい。また、第1外観検査装置8の印刷検査機4に対する検査として、基板上のはんだの塗布面積を具体例としてあげたが、第1外観検査装置8の印刷検査機4に対する検査は、はんだの体積、はんだの位置ずれおよびはんだのかすれなどが挙げられる。さらに、第1外観検査装置8では、第1高さ計測装置84a(レーザー計測装置、3D計測装置など)によるはんだの高さ、幅および体積に基づいて、第3エラーの発生を検知してもよい。
【0085】
<部品実装装置の校正>
第1外観検査装置8は、ステップS1において第4撮像ユニット83aによる検査の1つとして、基板上の部品の欠品の検査を行なう。第1外観検査装置8は、ステップS2において基板上の部品の欠品の検査結果に基づいて、部品実装装置5を校正するか否かを判断する。すなわち、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより撮像された基板の画像において、所定位置に配置される部品の欠品(以下、第5エラー)が発生した場合、部品実装装置5の校正を行なうと判断する。第5エラーの発生要因の1つとしては、部品実装装置5のノズル53aが破損したことにより発生するエラーが考えられる。なお、第1外観検査装置8は、第5エラーの発生要因として、部品実装装置5のノズル53aの破損以外の要因を推定することが可能であり、校正も行うことができる。
【0086】
部品実装装置5は、ステップS7において、第4エラーに対する部品実装装置5の検査として、第4撮像ユニット83aによるノズル53aの画像と、設置当初のノズル53aの画像とを比較することにより検査を行なう。部品実装装置5は、ステップS8においてステップS7の検査結果に基づいて、部品実装装置5の検査が行なわれるかを判断する。部品実装装置5は、ステップS9において、第4エラーに対する部品実装装置5の校正の内容として、部品装着ヘッド53のノズル53aを交換することにより、ノズル53aの破損を解消する。このとき、部品実装装置5は、ノズル53aを初期状態に戻す。そして、部品実装装置5は、ステップS10において、第4エラーに対する部品実装装置5の校正の内容の検査として、第4撮像ユニット83aによる校正後のノズル53aの画像と、設置当初のノズル53aの画像とを比較する。これにより、部品実装装置5は校正の内容の良否を判断する。ここで、第1外観検査装置8および第2外観検査装置9による検査で発見されたエラーに対する発生要因は、上記した具体例では1つとなっている。しかし、第1外観検査装置8および第2外観検査装置9による検査で発見されたエラーに対する発生要因は、複数となる場合も起こりうる。この場合でも、本実施形態の基板作業システム1では、第1外観検査装置8および第2外観検査装置9が、検査により発見された基板上の1つのエラーに対して上記した複数の発生要因を推定することができる。さらに、基板作業システム1では、複数の発生要因のそれぞれに対応する基板作業装置12が、複数の発生要因のそれぞれに関連する校正を行うことができる。
【0087】
なお、部品実装装置5は、第4エラーに対する部品実装装置5の校正の内容の検査として、ノズル53aの真空圧の検査を行なってもよい。
【0088】
また、第1外観検査装置8は、ステップS2において第4撮像ユニット83aによる検査の1つとして、基板上の部品の浮き、位置ずれ、部品の表裏反転および部品の極性反転に基づいて、部品実装装置5を校正するか否かを判断してもよい。すなわち、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより撮像された基板の画像において、部品の所定状態からの浮きおよび位置ずれをした状態となった(以下、第6エラー)場合、部品実装装置5の校正を行なうと判断する。第6エラーの発生要因の1つとしては、部品実装装置5のノズル53aが破損したことにより発生するエラーが考えられる。なお、第1外観検査装置8は、第6エラーの発生要因として、部品実装装置5のノズル53aの破損以外の要因を推定することが可能であり、校正も行うことができる。
【0089】
第6エラーに対する部品実装装置5の校正の内容としては、ステップS9において、部品装着ヘッド53のノズル53aを交換することにより、ノズル53aの変形を解消する。このとき。部品実装装置5は、ノズル53aを初期状態に戻す。そして、部品実装装置5は、ステップS10において、第6エラーに対する部品実装装置5の校正の内容の検査として、第4撮像ユニット83aによる校正後のノズル53aの画像と、設置当初のノズル53aの画像とを比較する。これにより、部品実装装置5は校正の内容の良否を判断する。
【0090】
また、第1外観検査装置8は、ステップS2において、基板上の部品に付着した異物の第4撮像ユニット83aによる撮像結果または第1高さ計測装置84aの計測結果に基づいて、部品実装装置5を校正するか否かを判断してもよい。すなわち、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより撮像された基板の画像において、部品に異物が付着した状態となった(以下、第7エラー)場合、部品実装装置5の校正を行なうと判断する。第7エラーの発生要因の1つとしては、部品実装装置5のノズル53aに異物が付着したことにより発生するエラーが考えられる。なお、第1外観検査装置8は、第7エラーの発生要因として、部品実装装置5のノズル53aに異物が付着したこと以外の要因を推定することが可能であり、校正も行うことができる。
【0091】
第7エラーに対する部品実装装置5の校正の内容としては、部品実装装置5は、ステップS9において、部品装着ヘッド53のノズル53aを交換することにより、ノズル53aの汚れを解消する。このとき、部品実装装置5では、ノズル53aが初期状態に戻る。そして、部品実装装置5では、ステップS10において、第7エラーに対する部品実装装置5の校正の内容の検査として、第4撮像ユニット83aによる校正後のノズル53aの画像と、設置当初のノズル53aの画像とを比較する。これにより、部品実装装置5は校正の内容の良否を判断する。
【0092】
また、第1外観検査装置8は、ステップS2において第4撮像ユニット83aによる基板上の部品の表裏反転または前後反転の検査結果に基づいて、部品実装装置5を校正するか否かを判断してもよい。すなわち、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより撮像された基板の画像において、部品が表裏反転または前後反転の状態となった(以下、第8エラー)場合、部品実装装置5の校正を行なうと判断する。第8エラーの発生要因の1つとしては、部品実装装置5のテープフィーダ54aにおける、部品供給位置のずれ、送り時間のずれ、送り速度のずれにより発生するエラーが考えられる。
【0093】
第8エラーに対する部品実装装置5の校正の内容としては、ステップS9において、部品実装装置5が、テープフィーダ54aの部品の送り位置を自動的に調節することにより、部品の表裏反転または前後反転を解消する。このとき、部品実装装置5は、テープフィーダ54aが初期状態に戻る。そして、部品実装装置5は、ステップS10において、部品実装装置5は、第8エラーに対する部品実装装置5の校正の内容の検査として、テープフィーダ54aを動かす校正後のリール54bの電流値と、設置当初のリール54bの電流値とを比較する。これにより、部品実装装置5は校正の内容の良否を判断する。
【0094】
第2外観検査装置9では、第1外観検査装置8と同様の校正処理が行なわれる。まず、ステップS1において、印刷機3により配線パターンが印刷され、かつ、リフロー炉6により部品が基板に接合された基板に対して、第2外観検査装置9による検査が行なわれる。
【0095】
第2外観検査装置9による検査の1つとしては、たとえば、第4撮像ユニット83aにより撮像した基板の画像を用いた検査がある。画像を用いた検査の例としては、基板上の部品の欠品、基板全体のはんだの面積、基板上の異物の存否、フィデューシャルマーク(以下、FIマーク)の撮像可否などといった検査がある。
【0096】
また、たとえば、第2高さ計測装置94a検査がある。第2高さ計測装置94aを用いた検査としては、はんだの幅、高さなどといった検査がある。その後、ステップS2に進む。以下、第1外観検査装置8の校正処理において説明した基板作業装置12以外の基板作業装置12において、第2外観検査装置9による検査に基づいて校正処理が行なわれる基板作業装置12について説明する。
【0097】
<リフロー炉の校正>
第2外観検査装置9は、ステップS1において、第5撮像ユニット93aによる検査の1つとして、基板上に塗布されたはんだ体積の検査を行なう。第2外観検査装置9は、ステップS2において基板上のはんだ体積の検査結果に基づいて、リフロー炉6を校正するか否かを判断する。すなわち、第2外観検査装置9は、今回検査時のはんだ体積が初回検査時の基板上のはんだ体積より約10%以上減少(以下、第9エラー)が発生した場合、リフロー炉6の校正を行なうと判断する。第9エラーの発生要因の1つとしては、リフロー炉6に充填される酸素、窒素、水素および蟻酸の濃度または比率が変化したことにより発生するエラーが考えられる。なお、第2外観検査装置9は、第9エラーの発生要因として、リフロー炉6に充填される酸素、窒素、水素および蟻酸の濃度または比率の変化以外の要因を推定することが可能であり、校正も行うことができる。
【0098】
リフロー炉6は、ステップS7において、図示しない濃度計により、第9エラーに対するリフロー炉6の検査として、現在の酸素、窒素、水素および蟻酸の濃度と、設置当初の酸素、窒素、水素および蟻酸の濃度とを比較する。リフロー炉6は、ステップS8においてステップS7の検査結果に基づいて、リフロー炉6の校正が行なわれるかを判断する。リフロー炉6は、ステップS9において、第9エラーに対するリフロー炉6の校正の内容として、リフロー炉6内に酸素、窒素、水素および蟻酸を供給することにより、はんだ体積の減少を解消する。このとき、リフロー炉6は、リフロー炉6内の酸素、窒素、水素および蟻酸の濃度を初期状態に戻す。そして、リフロー炉6は、ステップS10において、第9エラーに対するリフロー炉6の校正の内容の検査として、校正後の酸素、窒素、水素および蟻酸の濃度と、設置当初の酸素、窒素、水素および蟻酸の濃度とを比較する。これにより、リフロー炉6は、校正の内容の良否を判断する。
【0099】
なお、リフロー炉6では、第9エラーに対するリフロー炉6の校正の内容として、リフロー炉6内の図示しないエアブロー装置によるブローの実施が行なわれてもよい。また、リフロー炉6では、第9エラーに対するリフロー炉6の校正の内容として、リフロー炉6のヒーター63の温度の調節が行なわれてもよい
【0100】
なお、第2外観検査装置9がリフロー炉6の校正を行なうと判断する情報としては、基板上に塗布されたはんだ体積でなくともよい。また、第2外観検査装置9のリフロー炉6に対する検査として、基板上に塗布されたはんだ体積を具体例としてあげたが、第2外観検査装置9のリフロー炉6に対する検査は、基板上に塗布されたはんだ体積の検査だけに限られない。さらに、第2外観検査装置9では、第2高さ計測装置94aによるはんだの高さ、幅および体積に基づいて、第9エラーの発生を検知してもよい。
【0101】
<アンローダーの校正>
第2外観検査装置9では、ステップS1において第5撮像ユニット93aによる検査の1つとして、FIマークの検査が行なわれる。第2外観検査装置9では、ステップS2においてFIマークの検査結果に基づいて、ローダー2と同様の校正をアンローダー7にも行なう。すなわち、第2外観検査装置9は、第5撮像ユニット93aにより撮像された基板の画像において、FIマークが撮像されていないというエラー(以下、第10エラー)が5回以上発生した場合、ローダー2と同様にアンローダー7の校正を行なうと判断する。
【0102】
アンローダー7は、ステップS7において第10エラーに対するアンローダー7の検査として、現在の第12コンベア71の位置および幅と、設置当初の第12コンベア71の位置および幅の検査を行なう。アンローダー7は、ステップS8においてステップS7の検査結果に基づいて、アンローダー7の校正を行なうかを判断する。アンローダー7は、ステップS9において、第10エラーに対するアンローダー7の校正の内容として、第2モーター73により第12コンベア71の搬送方向に直交する方向の位置を設置当初の初期位置に戻す。さらに、アンローダー7は、ステップS9において、第10エラーに対するアンローダー7の校正の内容として、第12コンベア71の搬送方向に直交する方向の幅を設置当初の初期値に戻す。そして、アンローダー7は、ステップS10において第10エラーに対するアンローダー7の校正の内容の検査として、校正後の第12コンベア71の位置および幅と、設置当初の第12コンベア71の位置および幅とを比較する。これにより、アンローダー7は校正の内容の良否を判断する。
【0103】
なお、第10エラーの発生回数の閾値は5回に限定されない。また、第2外観検査装置9がアンローダー7の校正を行なうと判断する情報としては、たとえば、第10エラーの発生回数だけでなく、第10エラーの発生の推移、第2高さ計測装置94aの計測値などであってもよい。また、第2外観検査装置9のアンローダー7に対する検査としてFIマークの検査を具体例としてあげたが、第2外観検査装置9のアンローダー7に対する検査はFIマークの検査だけに限られない。
【0104】
このように、第1実施形態の基板作業システム1は、外観検査装置13の検査結果に基づいて、基板作業装置12を初期状態に戻す校正が行なわれるように構成されている。
【0105】
また、基板作業システム1は、外観検査装置13の検査結果に基づいて、基板作業装置12の機械的な構成要素(たとえば、コンベア31の幅および位置など)を初期状態に戻す校正を行なうように構成されている。
【0106】
また、基板作業システム1は、外観検査装置13の検査結果に基づいて構成を行なう基板作業装置12を特定するように構成されている。さらに、基板作業システム1は、特定された基板作業装置12を初期状態に戻す校正を行なう校正情報を通知するように構成されている。
【0107】
また、校正情報は、外観検査装置13の検査結果により特定された基板作業装置12の不良箇所の情報(たとえば、部品実装装置5のノズル53aの変形)を含む。そして、基板作業装置12は、不良箇所の情報に基づいて校正を行なうように構成されている。
【0108】
また、基板作業装置12は、通知された校正情報に基づいて校正を行なう不良箇所を検査し、不良箇所の検査結果に基づいて校正の要否を判断するように構成されている。基板作業装置12は、校正を必要と判断した場合に構成を行なうように構成されている。
【0109】
また、基板作業装置12は、校正後の不良箇所を再度検査し、検査に合格した場合に、基板に対して作業を実施するように構成されている。
【0110】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、基板作業システム1は、部品実装装置5を少なくとも含む基板作業装置12と、外観検査装置13とを備えている。そして、基板作業システム1では、外観検査装置13の検査結果に基づいて、基板作業装置12を初期状態に戻す校正が行なわれる。これにより、校正が行なわれた基板作業装置12と他の基板作業装置12との間における不整合の度合いを小さくすることができる。この結果、基板作業装置12間における設定条件の不整合の度合いが大きくなることに起因する不良の発生を抑制することができる。
【0111】
第1実施形態では、外観検査装置13の検査結果に基づいて、基板作業装置12の機械的な構成要素を基板作業装置12が初期状態に戻す校正を行なう。これにより、基板作業装置12の設置当初の設定条件のうち、特に基板作業装置12の機械的な構成要素を初期状態に戻す校正を行なうことができる。この結果、基板作業装置12間において、基板作業装置12間の物理的に作用しあう機械的な構成要素の不整合による、基板作業装置12のさらなる機械的な構成要素の不良の発生を抑制することができる。
【0112】
第1実施形態では、第1外観検査装置8および第2外観検査装置9は、それぞれの検査結果に基づいて、不良箇所を有する基板作業装置12を特定する。そして、第1外観検査装置8および第2外観検査装置9は、特定された基板作業装置12を初期状態に戻す校正を行なう校正情報を不良箇所を有する基板作業装置12に通知する。これにより、作業者は容易に校正を必要としている基板作業装置を認識することができる。この結果、基板作業装置12の校正を行なう際における、作業者の作業量を少なくすることができる。
【0113】
第1実施形態では、校正情報は、基板作業装置12の不良箇所の情報を含み、基板作業装置12は、不良箇所の情報に基づいて校正を行なう。これにより、校正を必要としている基板作業装置12の不良箇所を第1外観検査装置8および第2外観検査装置9の検査結果に基づいて、自動的に基板作業システム1が特定することができるとともに、基板作業装置12側において不良箇所の情報に基づいて校正を自動的に行うことができる。この結果、作業者の負担を軽減することができる。
【0114】
第1実施形態では、基板作業装置12は、校正情報に基づいて校正を行なう不良箇所を検査し、不良箇所の検査結果に基づいて校正の要否を判断する。そして、基板作業装置12は、校正が必要と判断した場合に校正を行なう。これにより、第1外観検査装置8および第2外観検査装置9の検査結果による基板作業装置12の校正の要否の結果について、さらに基板作業装置12において校正の要否の再確認をすることができる。その結果、校正を必要としていない基板作業装置12に対して校正が行なわれることを抑制することができる。
【0115】
第1実施形態では、基板作業装置12は、校正後の不良箇所を再度検査し、検査に合格した場合に、基板に対して作業を実施する。これにより、基板作業装置12の不良箇所の校正が適切に行なわれたかどうかを確認することができる。この結果、基板作業装置12の不良箇所の校正が適切に行なわれないまま、基板作業システム1が稼動することを抑制することができる。
【0116】
第1実施形態では、第1外観検査装置8と第2外観検査装置9との間には、リフロー炉6が配置されている。これにより、リフロー炉6により溶融される基板上のはんだのリフロー工程の前後における変化を検査することができる。この結果、リフロー炉6により溶融される基板上のはんだのリフロー工程の前後における変化を検査することができる。その結果、第1外観検査装置8および第2外観検査装置9を用いてリフロー前後の基板上の変化を検査するため、1つの外観検査装置13のみで検査を行なうよりも、より精度良く不良の発生した基板作業装置12を特定することができる。
【0117】
[第1変形例]
次に、図12図14を参照して、本実施形態の第1変形例による基板作業システム1について説明する。ここでは一例として、第1変形例の基板作業システム1が、基板作業装置12としてディスペンサー10を備えていることを特徴とする。
【0118】
基板作業システム1は、ディスペンサー10を含んでいる。ディスペンサー10は、図14に示すように、コンベア101と、第8テーブル102と、ヘッドユニット103とを含んでいる。なお、ディスペンサー10の構成は上記した構成に限定されるものではなく、ディスペンサー10の構成のあくまで一例である。コンベア101は、第8テーブル102に基板を搬入する第17コンベア101aおよび第8テーブル102から基板を搬出する第18コンベア101bを有している。ここで、コンベア101は、第1コンベア21と同様の構成を有している。第17コンベア101aおよび第18コンベア101bは、基板搬送方向に長く延びている。第8テーブル102は、第8クランプ装置102aを有している。ヘッドユニット103は、接着剤などを貯留しておくシリンジ103aと、シリンジ103a内の接着剤などを吐出するノズル103bとを有している。また、ヘッドユニット103は、第6撮像ユニット103cと、第6照明ユニット103dとを有している。
【0119】
第17コンベア101aは、基板を第8テーブル102へと搬送する。第8テーブル102は、第17コンベア101aから搬送された基板を下方から支持する。第8クランプ装置102aは、第8テーブル102に支持された基板を固定する。ヘッドユニット103は、第6照明ユニット103dにより光が照射された基板を第6撮像ユニット103cを用いて撮像する。ヘッドユニット103は、第6撮像ユニット103cにより撮像された画像に基づいて、シリンジ103aからノズル103bに供給される接着剤を基板上の所定位置に所定量塗布する。そして、第18コンベア101bは、基板を第8テーブル102から搬出する。
【0120】
<ディスペンサーの校正>
以下、ディスペンサー10の校正に関しての説明を図12および図13に基づいて説明する。
【0121】
第1外観検査装置8は、ステップS1において第4撮像ユニット83aによる検査の1つとして、基板上の異物の付着の検査が行なわれる。第1外観検査装置8は、ステップS2において基板上の異物の付着の検査結果に基づいて、ディスペンサー10を校正するか否かを判断する。ここで、基板上の異物の付着とは、所定位置に塗布されなかったディスペンサー10から吐出される接着剤となっている。すなわち、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより撮像された基板の画像において、基板上の異物の付着(以下、第11エラー)が発生した場合、ディスペンサー10の校正を行なうと判断する。第11エラーの発生要因の1つとしては、ディスペンサー10のノズル103bが破損したことにより発生するエラーが考えられる。なお、第1外観検査装置8は、第11エラーの発生要因として、ディスペンサー10のノズル103bの破損以外の要因を推定することが可能であり、校正も行うことができる。
【0122】
ディスペンサー10は、ステップS7において、第11エラーに対するディスペンサー10の検査として、第4撮像ユニット83aによるノズル103bの画像と、設置当初のノズル103bの画像とを比較することにより検査を行なう。ディスペンサー10は、ステップS8においてステップS7の検査結果に基づいて、ディスペンサー10の検査を行なうか否かを判断する。ディスペンサー10は、ステップS9において、第11エラーに対するディスペンサー10の校正の内容として、ディスペンサー10のノズル103bを交換することにより、ノズル103bの破損を解消する。このとき、ディスペンサー10は、ノズル103bが初期状態に戻る。そして、ディスペンサー10は、ステップS10において、第11エラーに対するディスペンサー10の校正の内容の検査として、第4撮像ユニット83aによる校正後のノズル103bの画像と、設置当初のノズル103bの画像とを比較する。これにより、ディスペンサー10は、校正の内容の良否を判断する。
【0123】
なお、第1外観検査装置8がディスペンサー10の校正を行なうと判断する情報としては、たとえば、基板上の異物または汚れだけでなく、基板上の部品の浮きなどであってもよい。また、第1外観検査装置8のディスペンサー10に対する検査として、基板上の異物または汚れを具体例としてあげたが、第1外観検査装置8のディスペンサー10に対する検査は、基板上の異物または汚れの検査だけに限られない。さらに、第1外観検査装置8では、第1高さ計測装置84aによるはんだの高さ、幅および体積に基づいて、第11エラーの発生を検知してもよい。また、ディスペンサー10の校正としては、ノズル103bから吐出される接着剤の塗布量または高さを調節してもよい。
【0124】
なお、第1変形例のその他の構成は、第1実施形態と同様である。また、第1変形例の効果は、第1実施形態と同様である。
【0125】
[第2変形例]
次に、図12図13および図15を参照して、本実施形態の第2変形例による基板作業システム1について説明する。特に、第2変形例の基板作業システム1では、基板作業装置12が部品実装装置5の上流にコンベア装置11を備えていることを特徴とする。コンベア装置11は、部品実装装置5に搬入させる基板を対応するレーンに振り分ける機能を有する。
【0126】
基板作業システム1は、コンベア装置11を含んでいる。コンベア装置11は、図15に示すように、第19コンベア111と、第3固定レール112と、第3モーター113と、第3ボールねじ114と、第3エンコーダー113aとを有している。なお、コンベア装置11の構成は上記した構成に限定されるものではなく、コンベア装置11の構成のあくまで一例である。
【0127】
第19コンベア111は、第1コンベア21と同様の構成を有している。第19コンベア111は、基板搬送方向に長く延びている。第19コンベア111は、基板の幅に合わせて、基板搬送方向に直交する方向の間隔が調整可能となっている。第3ボールねじ114は、基板搬送方向に直交する方向に長く延びている。第3ボールねじ114は、第3モーター113に取り付けられている。第3ボールねじ114は、基板搬送方向に直交する方向を中心軸線とする。第3ボールねじ114は、基板搬送方向に直交する方向回りに回転する。また、第3固定レール112は、基板搬送方向に直交する方向に延びている。第5コンベア31bは、搬送方向に直交する方向に移動可能に第3固定レール112に支持されている。第3モーター113には、回動を検知する第3エンコーダー113aが設けられている。
【0128】
コンベア装置11では、第3モーター113が駆動し第3ボールねじ114が回転すると、第19コンベア111が第3固定レール112に沿って移動する。ここで、第19コンベア111では、第19コンベア111の速度および基板搬送方向に直交する方向の位置を第3エンコーダー113aにより検知することが可能である。
【0129】
<コンベア装置の校正>
第1外観検査装置8では、ステップS1において第4撮像ユニット83aによる検査の1つとして、FIマークの検査が行なわれる。第1外観検査装置8は、ステップS2においてFIマークの検査結果に基づいて、コンベア装置11を校正するか否かを判断する。すなわち、第1外観検査装置8は、第4撮像ユニット83aにより撮像された基板の画像において、FIマークが撮像されていないというエラー(以下、第12エラー)が5回以上発生した場合、コンベア装置11の校正を行なうと判断する。第12エラーの発生要因の1つとしてとしては、基板と第19コンベア111の幅が一致していないときに発生するエラーであると考えられる。なお、第1外観検査装置8は、第12エラーの発生要因として、基板と第19コンベア111の幅が一致していない以外の要因を推定することが可能であり、校正も行うことができる。
【0130】
コンベア装置11は、ステップS7において第12エラーに対するコンベア装置11の検査として、現在の第19コンベア111の位置および幅と、設置当初の第19コンベア111の位置および幅との比較検査を行なう。コンベア装置11は、ステップS8においてステップS7の検査結果に基づいて、コンベア装置11の校正を行なうかを判断する。コンベア装置11は、ステップS9において、第12エラーに対するコンベア装置11の校正の内容として、第3モーター113により第19コンベア111の搬送方向に直交する方向の位置を設置当初の初期位置に戻す。さらに、コンベア装置11は、ステップS9において、第12エラーに対するコンベア装置11の校正の内容として、第19コンベア111の搬送方向に直交する方向の幅を設置当初の初期値に戻す。そして、コンベア装置11は、ステップS10において第12エラーに対するコンベア装置11の校正の内容の検査として、校正後の第19コンベア111の位置および幅と、設置当初の第19コンベア111の位置および幅とを比較する。これにより、コンベア装置11は校正の内容の良否を判断する。
【0131】
なお、第12エラーの発生回数の閾値は5回に限定されない。また、第1外観検査装置8がコンベア装置11の校正を行なうと判断する情報としては、たとえば、第12エラーの発生回数だけでなく、第12エラーの発生の推移、第1高さ計測装置84aの計測値などであってもよい。また、第1外観検査装置8のコンベア装置11に対する検査としてFIマークの検査を具体例としてあげたが、第1外観検査装置8のコンベア装置11に対する検査はFIマークの検査だけに限られない。
【0132】
なお、第2変形例のその他の構成は、第1実施形態と同様である。また、第2変形例の効果は、第1実施形態と同様である。
【0133】
[第2実施形態]
図16を参照して、本発明の第2実施形態による基板作業システム1の構成について説明する。特に、第2実施形態の基板作業システム1は、基板作業装置12において、校正の要否の検査が行なわれない校正処理の例について説明する。
【0134】
図16に基づいて、校正情報を通知された基板作業装置12における不良箇所の校正処理について説明する。
【0135】
まず、ステップS16において、基板作業装置12は、第1外観検査装置8および第2外観検査装置9から校正情報を受信したか否かを判断する。そして、校正情報を受信していた場合はステップS17に進み、校正情報を受信していない場合はステップS21に進む。
【0136】
ステップS17において、基板作業装置12は、第1外観検査装置8および第2外観検査装置9から通知された校正情報に含まれる校正内容に基づいて、自動的に校正を行なう。その後、ステップS18において、基板作業装置12は、校正により不良が解消されたか否かを検査する。そして、ステップS19において、ステップS18において行なった検査をクリアできなかった場合、ステップS20に進む。ステップS20において、基板作業システム1は、基板作業システム1の全ての基板作業装置12を停止させ、作業者に第1外観検査装置8により検知された不良が解消されていない旨を報知する。ステップS19において、ステップS18において行なった検査をクリアできた場合、ステップS21に進む。
【0137】
ステップS21において、不良が解消された基板作業装置12は、基板を搬入し、基板を所定の作業位置にセットする。そして、ステップS22において、不良が解消された基板作業装置12は、搬入された基板に対して所定の作業動作が実施される。その後、ステップS23において、不良が解消された基板作業装置12は、所定の作業動作が実施された基板を搬出する。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0138】
このように、第2実施形態の基板作業装置12は、通知された校正情報に基づいて、不良箇所の検査(図13のステップS7およびステップS8の処理)を行なうことなく校正を実施する。
【0139】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、基板作業装置12は、通知された校正情報に基づいて、不良箇所の検査を行なうことなく校正を実施する。これにより、基板作業装置12による不良箇所の検査の工程がなくなる分、基板作業装置12の作業を簡略化することができる。この結果、基板作業装置12の作業をよりスムーズに行わせることができる。
【0140】
なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0141】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0142】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、基板作業装置12は7台であったが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、基板作業装置が7台未満または8台以上であってもよい。
【0143】
また、上記第1および第2実施形態では、外観検査装置13は2台であったが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、外観検査装置が1台または3台以上であってもよい。
【0144】
また、上記第1および第2実施形態では、外観検査装置13が校正処理の要否を判断していたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、外観検査装置の検査結果に基づいて、基板作業装置が校正処理の要否を判断してもよい。また、外観検査装置の検査結果に基づいて、外部に設置された管理コンピューターが校正処理の要否を判断してもよい。
【0145】
また、上記第1および第2実施形態では、外観検査装置13が校正処理の要否を判断し、自動的に基板作業装置12の校正が行なわれていたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、作業者にメッセージにより不良箇所を通知し、作業者による手作業により校正が行なわれてもよい。
【0146】
また、上記第1および第2実施形態では、基板作業装置12の機械的な構成要素の校正が行なわれていたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、ソフトウェア的な構成要素の校正が行なわれてもよい。ソフトウェア的な構成要素とは、たとえば、テープフィーダ54aのリール54bの送り時間、送り位置のずれおよびリールを回転させるモーターの電流値などである。
【0147】
また、上記第1および第2実施形態では、外観検査装置13が校正処理を基板作業装置12の要否を判断し、自動的に基板作業装置12に校正処理の実施を通知していたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、管理コンピューターが基板作業処理装置に校正処理の実施を通知してもよい。
【0148】
また、上記第1および第2実施形態では、外観検査装置13が基板作業装置12の不良箇所を特定していたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、基板作業装置自身により不良箇所を特定してもよい。
【0149】
また、上記第1および第2実施形態では、外観検査装置13は第1外観検査装置8および第2外観検査装置9を有していたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、外観検査装置はリフロー炉の下流にのみ外観検査装置を配置してもよい。
【0150】
また、上記第1および第2実施形態では、第1外観検査装置8は、X線検査装置を備えていないが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、基板と部品との接合部分のはんだを撮影することにより、はんだの内部の状態を検査するためX線検査装置を備えていてもよい。
【0151】
また、上記第1および第2実施形態では、図12において、ステップS14〜ステップS15は、基板作業装置12の通常の作業を行なう通常処理となっているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、ステップS14〜ステップS15が、基板作業装置12の試運転を行なう処理であってもよい。
【0152】
また、上記第1および第2実施形態では、基板作業システム1は、リフロー炉6を備えているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、レーザーヘッドを含んでいるレーザーユニットを備えていてもよい。
【0153】
上記第1および2実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行なうフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0154】
1 基板作業システム
5 部品実装装置(基板作業装置)
6 リフロー炉(基板作業装置)
8 第1外観検査装置(外観検査装置)
9 第2外観検査装置(外観検査装置)
12 基板作業装置
13 外観検査装置
図1
図2
図3
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図5
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図16