(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6720361
(24)【登録日】2020年6月19日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】リニア伝動装置
(51)【国際特許分類】
F16H 25/22 20060101AFI20200629BHJP
【FI】
F16H25/22 D
F16H25/22 L
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-14376(P2019-14376)
(22)【出願日】2019年1月30日
【審査請求日】2019年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】596016557
【氏名又は名称】上銀科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】留偉倫
(72)【発明者】
【氏名】蔡尚樺
【審査官】
岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−114944(JP,A)
【文献】
特開2009−074982(JP,A)
【文献】
実開平06−069502(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニア伝動装置であって、
長軸部材と、移動モジュールと、転動ユニットと、還流アセンブリと、少なくとも1つの検出素子と、データ受信ユニットと、を含み、
前記長軸部材は、軸方向に沿って延伸し、転動溝を有し、
前記移動モジュールは、前記軸方向に沿って往復移動可能に前記長軸部材に嵌合され、前記転動溝に対応して配設された別の転動溝を有し、前記転動溝と前記別の転動溝とで負荷経路を形成し、
前記転動ユニットは、前記負荷経路内に配設され、複数の転動部材と複数のスペーサとを有し、各前記転動部材間には1つの前記スペーサを備え、
前記還流アセンブリは、前記移動モジュールに穿設され、且つ前記負荷経路に連通され、第1還流チューブと、前記第1還流チューブに連通された第2還流チューブと、前記第1還流チューブと前記第2還流チューブとを貫通する還流通路と、を有し、前記還流通路は、前記転動ユニットを循環させて還流するのに供し、
前記検出素子は、前記移動モジュールに配設され、且つ前記第1還流チューブと前記第2還流チューブとの接合部に位置し、前記転動ユニットが前記還流通路で循環して還流するとき、前記少なくとも1つの検出素子は、各前記転動部材間の距離変化を検出すると共に、その検出信号を出力し、
前記データ受信ユニットは、前記少なくとも1つの検出素子に接続され、前記検出素子によって出力された検出信号を受信することを特徴とする、
リニア伝動装置。
【請求項2】
前記リニア伝動装置は、ボールねじであり、前記リニア伝動装置は、固定カバーを含み、前記固定カバーは、前記移動モジュールの外面に配設置され、且つ前記還流アセンブリと前記少なくとも1つの検出素子とを被覆し、前記還流アセンブリと前記少なくとも1つの検出素子を収容するための収容溝を有し、前記収容溝の溝壁面には、少なくとも1つの検出素子を格納するための少なくとも1つの格納溝が凹設されていることを特徴とする請求項1に記載のリニア伝動装置。
【請求項3】
前記第1還流チューブは、第1接続端と第1連通端とを有し、前記第2還流チューブは、第2接続端と第2連通端とを有し、前記還流通路は、前記第1還流チューブの第1接続端と第1連通端と、前記第2還流チューブの第2接続端と第2連通端とを貫通し、前記第1還流チューブの第1接続端は、前記第2還流チューブの第2接続端に対応し、前記第1還流チューブの第1連通端と、前記第2還流チューブの第2連通端は前記負荷経路の両端にそれぞれ接続され、前記少なくとも1つの検出素子は、前記第1還流チューブの第1接続端と前記第2還流チューブの第2接続端の一側に位置することを特徴とする請求項1に記載のリニア伝動装置。
【請求項4】
前記第1還流チューブの第1接続端は、前記第2還流チューブの第2接続端に当接することを特徴とする請求項3に記載のリニア伝動装置。
【請求項5】
前記還流通路は、前記第1接続端と前記第2接続端とを貫通する部分において直線状であることを特徴とする請求項3に記載のリニア伝動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリニア伝動装置に関し、特に転動部材間の距離変化を瞬時に診断することができるリニア伝動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aは、特許文献1に開示されたリニアころ軸受の一例を示すものであり、
このリニアころ軸受はガイドキャリッジ1を備え、前記ガイドキャリッジ1はボール(図示せず)を介して転動可能にガイドレール2に装着されている。前記ガイドキャリッジ1にはボール用の少なくとも1つの転動通路(図示せず)が設けられており、この転動通路はボールを支持するための支持通路(図示せず)と、支持通路を接続する偏向通路(図示せず)とを含み、この偏向通路はガイドキャリッジ1のエンド部材3に配置されており、且つ転動通路内のボールには回転方向の変位抵抗が作用し、前記エンド部材3にはセンサ4がそれぞれ設けられており、前記センサ4はボールの走行時に蓋体との衝突による滑動抵抗力を検出することで異常の有無を判断するようになっている。
しかしながら、前記センサ4の設置は一般にガイドキャリッジ1の長さを増大させ、故にコストを高め、且つ構造の複雑化をもたらし、こうして作動ストロークの問題に影響を与える虞があるという問題がある。
【0003】
図1Bは、特許文献2による検出装置を有するボールねじの一例を示すものであり、ナット5の凹溝に静電容量式又は光学式の検出装置6を設けることにより、ボール7の変位を測定してナット5の受ける力を決定するようになってる。
しかしながら、前記検知装置6の構造はナット5の外形の大きさを変えるので、ナット5の外径の増大をもたらし、ゆえにナット5の作動ストロークに影響を及ぼす虞があるという問題がある。
【0004】
また、特許文献3には、ボールねじの外側循環部材の屈曲部に振動センサを設けてボールの走行状態を検出するという先行技術が開示されている。このうち、振動センサを取り付けるためにナットに特殊な穴開け加工を施す必要があり、加工方法が複雑でコストが高く、また、振動センサを外側循環部材の屈曲部に設定する方法では、ボールが外側循環部材の壁に衝突することによる応力変化を検知するだけでボールの円滑な走行度合いを把握することができる。
しかしながら、例えば、潤滑不良などによって ボールがスムーズに動かず、ボール間の距離の変化を測定することができず、さらにボールが行き詰っているかどうかを知ることができないという問題がある。
【0005】
その他、例えば、特許文献4、5にも上記のような欠点がある。したがって、従来のリニア伝動装置は依然としてさらに改良する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,178,981号明細書
【特許文献2】特開2007−225024号公報
【特許文献3】特許第3936519号公報
【特許文献4】特開2014−159847号公報
【特許文献5】特開2013−200032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、転動部材間の距離変化の相違を即時に診断し、転動部材間のスペーサが倒壊して詰まっているかどうかを知り、さらに当該装置の損壊による設備の運転停止という事態を回避することができるリニア伝動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明のリニア伝動装置は、長軸部材と、移動モジュールと、転動ユニットと、還流アセンブリと、少なくとも1つの検出素子と、データ受信ユニットと、を含み、前記長軸部材は、軸方向に沿って延伸し、しかも転動溝を有し、前記移動モジュールは、前記軸方向に沿って往復移動可能に前記長軸部材に嵌合され、しかも前記転動溝に対応して配設された別の転動溝を有し、前記転動溝と前記別の転動溝とで負荷経路を形成し、前記転動ユニットは、前記負荷経路内に配設され、しかも複数の転動部材と複数のスペーサとを有し、各前記転動部材間には1つの前記スペーサを備え、前記還流アセンブリは、前記移動モジュールに穿設され、且つ前記負荷経路に連通され、しかも第1還流チューブと、前記第1還流チューブに連通された第2還流チューブと、前記第1還流チューブと前記第2還流チューブとを貫通する還流通路と、を有し、前記還流通路は、前記転動ユニットを循環させて還流するのに供し、前記検出素子は、前記移動モジュールに配設され、且つ前記第1還流チューブと前記第2還流チューブとの接合部に位置し、前記転動ユニットが前記還流通路で循環して還流するとき、前記少なくとも1つの検出素子は、各前記転動部材間の距離変化を検出すると共に、その検出信号を出力し、前記データ受信ユニットは、前記少なくとも1つの検出素子に接続され、前記検出素子によって出力された検出信号を受信することを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記リニア伝動装置は、ボールねじであり、前記リニア伝動装置は、固定カバーを含み、前記固定カバーは、前記移動モジュールの外面に配設置され、且つ前記還流アセンブリと前記少なくとも1つの検出素子とを被覆し、しかも前記還流アセンブリと前記少なくとも1つの検出素子を収容するための収容溝を有し、前記収容溝の溝壁面には、少なくとも1つの検出素子を格納するための少なくとも1つの格納溝が凹設されている。
【0010】
好ましくは、前記第1還流チューブは、第1接続端と第1連通端とを有し、前記第2還流チューブは、第2接続端と第2連通端とを有し、前記還流通路は、前記第1還流チューブの第1接続端と第1連通端と、前記第2還流チューブの第2接続端と第2連通端とを貫通し、前記第1還流チューブの第1接続端は、前記第2還流チューブの第2接続端に対応し、前記第1還流チューブの第1連通端と、前記第2還流チューブの第2連通端は前記負荷経路の両端にそれぞれ接続され、前記少なくとも1つの検出素子は、前記第1還流チューブの第1接続端と前記第2還流チューブの第2接続端の一側に位置する。
【0011】
好ましくは、前記第1還流チューブの第1接続端は、前記第2還流チューブの第2接続端に当接する。
【0012】
好ましくは、前記還流通路は、前記第1接続端と前記第2接続端とを貫通する部分において直線状である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のリニア伝動装置は、長軸部材と、移動モジュールと、転動ユニットと、還流アセンブリと、検出素子と、データ受信ユニットとで構成されているため構造が簡単で、還流アセンブリの第1還流チューブと第2還流チューブの接合部に検出素子を設置することで転動部材間の距離変化の相違を即時に診断することができる。
また、転動部材間のスペーサが倒壊するなど異常であるかどうかを知ると共に、検出素子を介して検出信号を出力することにより、ターミナルに運転を即時に停止させてワークと機械の状態を確認し、連続運転によるワークや機械などの構造的損壊を回避することができる。さらに、検出素子は、データ伝送の媒体としても機能することができ、さらに保守を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】特許文献1によるリニアころ軸受を示す全体斜視図である。
【
図1B】特許文献1による検出装置を有するボールねじを示す断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の全体概略図であって、リニア伝動装置がボールねじである場合を示す。
【
図3A】本発明の第1の実施形態の分解斜視図(その1)である。
【
図3B】本発明の第1の実施形態の分解斜視図(その2)である。
【
図4】本発明の第1の実施形態の縦断面図(その1)である。
【
図5】本発明の第1の実施形態の縦断面図(その2)である。
【
図6】本発明の第2の実施形態の全体斜視図であって、検出素子とデータ受信ユニットが無線で通信を行うことを示す。
【
図7】本発明の第3の実施形態の全体斜視図であって、リニア伝動装置がリニアスライドである場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本考案に係るリニア伝動装置について具体的に説明する。
【0016】
本考案に係るリニア伝動装置の好適な実施形態は、
図2乃至
図5に示すように、長軸部材20と、移動モジュール30と、転動ユニット40と、還流アセンブリ50と、検出素子60と、固定カバー70と、データ受信ユニット80と、で構成される。各構成要素については以下に説明する。
【0017】
前記長軸部材20は、軸方向Xに沿って延伸する。本実施形態において、前記長軸部材20はねじ軸であり、しかもねじ軸外周面21を有し、前記ねじ軸外周面21には螺旋状の転動溝22が凹設されている。
【0018】
前記移動モジュール30は、前記軸方向Xに沿って往復移動可能に前記長軸部材20に外嵌めされ、しかも前記長軸部材20に対して直動することができ、前記転動溝22に対応して配設された別の転動溝31を有し、前記転動溝22と前記別の転動溝31とで負荷経路を形成している。本実施形態では、移動モジュール30はナットである。
【0019】
前記転動ユニット40は、前記負荷経路内に配設され、しかも複数の転動部材41と複数のスペーサ42とを有し、各前記転動部材41間には1つの前記スペーサ42を備えている。本実施形態では転動部材41はボールであり、他の実施形態では転動部材41はローラである。スペーサ42は円柱であり、且つスペーサ42の両側には前記転動部材41を収容するための凹溝がそれぞれ凹設されている。
で、
【0020】
前記還流アセンブリ50は、プラスチック材質で製作されており、2つの前記還流アセンブリ50は、前記移動モジュール30の外側に設置され、且つ前記負荷経路に連通される。
本実施形態では、各前記還流アセンブリ50の両端は、前記移動モジュール30に穿設され、しかも第1還流チューブ51と、前記第1還流チューブ51に連通された第2還流チューブ52と、前記第1還流チューブ51と前記第2還流チューブ52とを貫通する還流通路53とを有し、前記還流通路53は、前記転動ユニット40を循環させて還流するのに供する。
【0021】
本実施形態では、前記2つの還流アセンブリ50は実質的に同一の構造であるので、その一方の還流アセンブリ50についてさらに説明する。
前記第1還流チューブ51は、第1接続端512と第1連通端514とを有し、前記第2還流チューブ52は、第2接続端522と第2連通端524とを有し、前記還流通路53は、前記第1還流チューブ51の第1接続端512と第1連通端514と、前記第2還流チューブ52の第2接続端522と第2連通端524とを貫通し、前記還流通路53は、前記第1接続端512と前記第2接続端522とを貫通する部分において直線状である。前記第1還流チューブ51の第1接続端512は、前記第2還流チューブ52の第2接続端522に対応し、前記第1還流チューブ51の第1連通端514と、前記第2還流チューブ52の第2連通端524は前記負荷経路の両端にそれぞれ接続されている。
【0022】
他の実施形態では、前記リニア伝動装置はまた、前記還流アセンブリ50を1つだけ有してもよい。
【0023】
なお、長軸部材(ねじ軸)、移動モジュール(ナット)、2つの還流アセンブリ、および転動ユニットは、従来の公知方法で組み立てられる。作動方法は従来の公知方法と同じであり、本発明の特徴的な構成要件ではない。そして、長軸部材、移動モジュール、2つの還流アセンブリ、及び転動ユニットの詳細な構造、組み立て方法および作動方法の詳細については省略する。
【0024】
4つの前記検出素子60は、そのうち、2つの前記検出素子60は各前記還流アセンブリ50の両側の外面にそれぞれ対応して配設され、且つ前記第1還流チューブ51と前記第2還流チューブ52との接合部に位置する。さらに、前記2つの検出素子60は、前記第1還流チューブ51の第1接続端512と前記第2還流チューブ52の第2接続端522の両側にそれぞれ位置する。勿論、これに限定されるものではない。
【0025】
図3Bを参照されたい。もう一つの好適な実施形態では、あるいは、前記第1還流チューブ51の第1接続端512と前記第2還流チューブ52の第2接続端522の一側に一つの前記検知素子60を配設しても同様の効果を得ることができる。これにより、前記転動ユニット40が前記還流通路で循環して還流するとき、各前記検出素子60は、各前記転動部材41間の距離変化を検出すると共に、その検出信号を出力し、隣接する2つの転動部材41間の隙間の相違が識別されることで各前記転動部材41間の各スペーサ42が損傷しているのか又は、倒壊しているのかを判断するようになる。
また、前記還流通路53は、前記第1接続端512と前記第2接続端522とを貫通する部分において直線状となっており、各転動部材41と各スペーサ42は、前記第1接続端512と前記第2接続端522を貫通する還流通路53の部分を実質的に直線状に通過しているので、検出素子60によって測定された検出信号は比較的正確である。
【0026】
本実施形態では、検出素子60として誘導感知型が例示されているが、これに限定されず、または光学感知型でもよい。誘導感知型は、コイルの自律インダクタンスまたは相互インダクタンスの変化を利用して測定を実現する装置であり、構造が簡単でコストが安く、外形寸法をカスタマイズでき、出力効率が大きく、干渉防止性能が高く、作業環境に対する要求が高くなく、しかも分解性能が比較的高く、安定性も良いなどの利点がある。他方、光学感知型は、光の様々な性質を利用するものであり、物体の存在の有無または表面状態の変化を検出し、検出距離が比較的長く、物体の検出に対する制限条件が比較的少なく、非接触で検出が可能で、かつ解像度が高いなどの利点がある。
2つの前記転動部材41間の前記スペーサ42の傾倒が発生し、さらに2つの前記転動部材41間の距離が安全値(本実施形態では2mmであり、他の実施形態では、これに限定されるものではなく、異なる設計目的に応じて変化する)を超えるとき、前記還流通路53と前記負荷経路内の転動ユニット40が動かなくなり、設備や機器の損傷や運転停止を引き起こす可能性が極めて高い。このような場合、検出素子60の設計により、リニア伝達装置の異常を瞬時に診断し、ターミナルに運転を即時に停止させてワークや工作台の状態を確認することができ、連続運転による工作台やワークなどの構造的損傷を回避することができる。
【0027】
本実施形態では、前記第1還流チューブ管51の第1接続端512は、前記第2還流チューブ52の第2接続端522に当接している。
他の好適な実施形態では、前記第1還流チューブ51の第1接続端512は、前記第2還流チューブ52の第2接続端522から0.1mm〜0.2mm離れているので、前記検知素子60は、第1接続端512と第2接続端522との間の隙間を介して前記転動部材要素41間の距離の変化を測定して、検出の精度と効果を向上させる。
【0028】
前記リニア伝動装置は、固定カバー70を含み、前記固定カバー70は、前記移動モジュール30の外面に配設置され、且つ2つの前記還流アセンブリ40と4つの前記検出素子60とを被覆し、しかも前記還流アセンブリ50を収容するための収容溝71を有し、前記収容溝71の溝壁面に、4つの前記検出素子60を格納するための4つの格納溝72が凹設されている。
具体的には、従来のモニタリング方法の多くは、ボールねじの動作状態を監視するために加速度計を使用しているが、検出素子が配設される位置と信号強度との関係が十分であるかどうかという問題に直面することが多い。本発明では、前述の欠点を改善するために、前記収容溝71の溝壁面には、4つの検出素子60に対応する4つの格納溝72を凹設している。4つの前記検出素子60の位置を固定することに加えて、前記検出素子60を前記2つの還流アセンブリ50により近く配設させることで信号干渉を効果的に低減して安定した信号を維持するという目的を達成することができる。これにより、本発明は前記固定カバー70の元々のスペースを十分に利用して4つの検出素子60を取り付けるので、前記長軸部材20の元の外形寸法を変える必要がないのみならず、元の機械の設計に影響を与えることなく、前記転動部材体41間の距離変化の相違をリアルタイムで診断することにより、設備が停止することを回避することができる。
【0029】
前記データ受信ユニット80は、4つの前記検出素子60に信号的に接続され、4つの前記検出素子60によって出力された検出信号を受信する。本実施形態では、有線伝送を例に挙げているが、これに限定されるものではない。
図6に示すように、4つの前記検出素子60と前記データ受信ユニットは、Wi−Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、RF、ZigBee(登録商標)、LoRa(登録商標)、WiGig(登録商標)、4G、または5G無線でデータ受信ユニット80に対して信号伝送を行う。これにより、煩雑な配線作業や配線スペースを省くことができ、配線の取付けを考慮する必要がない。
【0030】
また、上記実施形態では、ボールねじを用いて説明したが、
図2と
図7に示すように、本実施形態のリニア伝動装置はリニアスライドにも適用することができる。
前記長軸部材20はスライドレールであり、前記移動モジュール30はスライダであり、前記2つの還流アセンブリ50は前記移動モジュール30内に配設されている。チェーン保持器90が破断した場合、破断箇所の転動部材91間の隙間が大きくなり、前記検出素子60を介してチェーン保持器90の破断した異常を検出することができ、上記と同様の効果を得ることが可能となる。
【0031】
以上は本発明の実施形態に係るリニア伝動装置の各主要構成要件についての説明である。本発明の作用と効果について、以下に説明する。
【0032】
本発明のリニア伝動装置は、構造が簡単であり、前記還流アセンブリ50の第1還流チューブ51と第2還流チューブ52の接合部に前記検出素子60を設置することにより、転動部材41間の距離変化の相違を即時に診断することができる。また、転動部材間のスペーサ42の異常発生の有無を知ると共に、検出素子60を介して検出信号を出力することにより、ターミナルに運転を即時に停止させてワークと機械の状態を確認し、連続運転によるワークや機械などの構造的損壊を回避することができる。さらに、前記検出素子60は、データ伝送の媒体としても機能することができ、さらに保守を容易にする。
【符号の説明】
【0033】
X 軸方向
20 長軸部材
21 ねじ軸外周面
22 転動溝
30 移動モジュール
31 転動溝
40 転動ユニット
41 転動部材
42 スぺ―サ
50 還流アセンブリ
51 第1還流チューブ
512 第1接続端
514 第1連通端
52 第2還流チューブ
522 第2接続端
524 第2連通端
53 還流通路
60 検出素子
70 固定カバー
71 収容溝
72 格納溝
80 データ受信ユニット
90 チェーン保持器
91 転動部材
【要約】
【課題】転動部材間の距離の変化を即時に診断し、スペーサの異常発生の有無を知ると共に、この異常による設備の運転停止を回避することができるリニア伝動装置を提供する。
【解決手段】本発明は長軸部材20と移動モジュール30と転動ユニット40と還流アセンブリ50と検出素子60とデータ受信ユニット80とで構成されており、構造が簡単で、還流アセンブリ51の第1還流チューブ51と第2還流チューブ52の接合部に検出素子60を設置することで転動ユニット40のスペーサ42の異常状況が発生する前に各転動部材41間の距離変化の相違を即時に診断でき、検出素子60を介して検出信号を出力することにより、ターミナルに運転を即時に停止させてワークと機械の状態を確認し、連続運転によるワークや機械の構造的損壊を回避することができ、さらに検出素子60はデータ伝送の媒体としても機能することができ、保守を容易にする。
【選択図】
図2