【文献】
Angew. Chem. Int. Ed.,2011年,Vol.50,pp.2597-2600
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリ(ビニルアルコール)の加水分解度が、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%である、請求項3に記載の医薬組成物。
トリブロックコポリマーのポリ(エチレンオキシド)のブロックが、トリブロックコポリマーの少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、または少なくとも約60重量%、かつ/またはトリブロックコポリマーの約80重量%以下を構成する、請求項1、2、又は9に記載の医薬組成物。
トリブロックコポリマーのポリ(プロピレンオキシド)のブロックが、少なくとも約4kDa、または少なくとも約6kDa、かつ/または約20kDa以下、約10kDa以下、または約8kDa以下の分子量を有する、請求項1、2、9、又は10に記載の医薬組成物。
ポリ(エチレンオキシド)のブロックが、少なくとも約2kDa、少なくとも約3kDa、または少なくとも約4kDaの分子量を有する、請求項1、2、9、10、又は11に記載の医薬組成物。
ポリ(プロピレンオキシド)のブロックが、少なくとも約4kDa、または少なくとも約5kDaの分子量を有する、請求項1、2、9、10、11、又は12に記載の医薬組成物。
表面改変剤が、少なくとも約2kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約100kDa、または少なくとも約120kDaの分子量を有する、請求項1から15までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
エタボン酸ロテプレドノールが、芯粒子の少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%を構成する、請求項1、9、又は17に記載の医薬組成物。
被覆された粒子が、芯粒子の外表面上に、1平方ナノメートルにつき、少なくとも約0.02分子、少なくとも約0.05分子、少なくとも約0.1分子、少なくとも約0.2分子、少なくとも約0.5分子、少なくとも約1分子、少なくとも約2分子、少なくとも約5分子、少なくとも約10分子、または少なくとも約20分子の平均密度で、表面改変剤を有する、請求項1から21までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
被覆された粒子が、粘液中で0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1.0を超える相対速度を有する、請求項1から25までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
芯粒子上のコーティングが、投与された場合に対象の目の組織中のエタボン酸ロテプレドノール又は医薬分子濃度を、コーティングのない芯粒子として投与された場合の組織中の当該濃度に比較して少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%増加させるのに十分な量で組成物中に存在する、請求項1から30までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
医薬組成物が、エタボン酸ロテプレドノール又は医薬分子の1種または複数の分解物を含み、かつ分解物のそれぞれまたは少なくとも1種の濃度が、エタボン酸ロテプレドノール又は医薬分子の重量に対して約2重量%以下、約1重量%以下、約0.8重量%以下、約0.6重量%以下、約0.4重量%以下、約0.2重量%以下、約0.15重量%以下、または約0.1重量%以下である、請求項1から34までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
医薬組成物は、対象の眼に2回以上投与され、連続する投与間の期間が、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約36時間、または少なくとも約48時間であり、
眼組織に送達されるエタボン酸ロテプレドノールの量が、対象における眼の炎症を治療するのに有効である、
請求項38に記載の医薬組成物。
芯粒子上のコーティングが、眼に投与された場合に、投与の30分後に角膜または眼房水からなる群から選択される眼前部の構成要素中のエタボン酸ロテプレドノールの濃度を、コーティングのない芯粒子として投与された場合の組織中の当該濃度と比較して、少なくとも50%増加させるのに十分な量で存在する、請求項38に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0020】
粘液中での粒子輸送を助ける粒子、組成物および方法が提供される。粒子、組成物、および方法は、一部の例で、眼および/またはその他への適用のために使用することができる。一部の実施形態において、組成物および方法は、低水溶性を有する医薬品粒子などの粒子の表面コーティングを改変することを含むことができる。このような組成物および方法を使用して、薬物送達、造影および診断での適用を含む広範な範囲の適用のために、身体中の粘液バリア中での医薬品粒子の効率的な輸送を達成することができる。特定の実施形態において、このような粒子を含む医薬組成物は、眼に適用するのに適しており、かつ医薬品を眼の前部、中間部および/または後部に送達するために使用することができる。
粘液バリア中で効率的に輸送される粒子は、本明細書中で粘液浸透性粒子(MPP)と呼ばれることがある。このような粒子は、従来の粒子または非MPP、すなわちこのような表面改変剤を含まない粒子に比較して、粘液への粒子の粘着を低減するか、さもなければ粘液バリア中での粒子の輸送を増大させる1種または複数の表面改変剤で改変された表面を含むことができる。
【0021】
一部の実施形態において、粒子は、眼の疾患または状態を治療するために、エタボン酸ロテプレドノールなどのコルチコステロイドを含む。コルチコステロイドは、例えば、粒子の芯中に存在することができる。粒子は、粘液への粒子の粘着を低減し、かつ/または生理学的粘液中への粒子の浸透を容易にするように粒子の表面を改変する表面改変剤を含む。このような粒子を含む組成物は、また、眼に局所で投与できる組成物を含めて提供される。本明細書に記載の組成物は眼組織の粘液層により容易に浸透して、粘液への粘着および/または粘液による急速排除を回避または最小化できるので、このような組成物は、Lotemax(登録商標)またはAlrex(登録商標)などの市販製剤に比較して有利である。したがって、組成物を、標的組織により効果的に送達し、かつ組織中により長く保持することができる。結果として、本明細書に記載の組成物を、市販の製剤に比べてより低用量および/またはより低頻度で投与して、類似のまたはより優れた暴露を達成することができる。さらに、組成物の比較的低用量および/または低頻度での投与は、より少ないまたは重症度のより低い副作用、より望ましい毒性プロフィール、および/または患者の応諾性の改善をもたらす可能性がある。その他の利点は後記で示す。
【0022】
一部の実施形態において、粒子は、眼の疾患または状態を治療するために、ソラフェニブ、リニファニブ、MGCD−265、パゾパニブ、セジラニブ、アキシチニブ、またはこれらの組合せなどの1種または複数の受容体チロシンキナーゼ阻害薬(RTKi)を含む。1種または複数のRTKiは、例えば、粒子の芯中に存在することができる。このような粒子を含む組成物は、また、眼に局所で投与できる組成物を含めて提供される。本明細書に記載の理由のため、このような組成物は、特定の従来の製剤(例えば、各RTKiの水性懸濁液)に優る利点を有する可能性がある。
一部の実施形態において、粒子は、眼の疾患または状態を治療するために、ブロムフェナクの二価金属塩(例えば、ブロムフェナクカルシウムなどのブロムフェナクの二価金属塩)、ジクロフェナク(例えば、ジクロフェナク遊離酸またはその二価もしくは三価金属塩、例えば、ジクロフェナクのアルカリ土類金属塩)、またはケトロラク(例えば、ケトロラク遊離酸またはその二価もしくは三価金属塩、例えばケトロラクのアルカリ土類金属塩)などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含む。NSAIDは、例えば、粒子の芯中に存在することができる。このような粒子を含む組成物は、また、眼に局所で投与できる組成物を含めて提供される。本明細書に記載の理由のため、このような組成物は、特定の従来の製剤(例えば、ブロムフェナクナトリウムの水溶液)に優る利点を有する可能性がある。
【0023】
後記でより詳細に説明するように、一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物および/または製剤は、網膜、黄斑、脈絡膜、強膜、および/もしくはぶどう膜などの後眼部の疾患もしくは状態、ならびに/または角膜、結膜(眼瞼および眼球結膜を含む)、虹彩および毛様体などの前眼部および/もしくは中間眼部での疾患もしくは状態を診断、予防、治療または管理するのに使用することができる。一部の実施形態において、粒子、組成物、および/または製剤は、眼に局所で投与されるように設計される。他の実施形態において、粒子、組成物、および/または製剤は、眼中への直接注射によって投与されるように設計される。
【0024】
角膜および強膜(点眼薬に暴露される組織)の限られた浸透性および眼の自然な排除機構のため、眼へ薬物を局所で送達することは難題であり;従来の点眼溶液中などの薬物溶液は、排液および流涙によって極めて急速に眼の表面から洗い流され;従来の点眼懸濁液中などの薬物粒子は、急速に排除される眼の粘液層によって典型的には捕捉され、そのため急速に排除される。したがって、前眼部の状態を治療するのに現在使用される従来の点眼溶液および懸濁液は、効力を達成および維持するために、高投与量かつ高頻度で典型的には投与される。このような頻繁で高い投与量は、患者の応諾性を著しく低下させ、かつ局所有害作用のリスクを増大させる。薬物を後眼部に局所で送達することは、局所点眼薬への直接暴露の欠如のため、および眼のこの部分に付随する解剖学的および生理学的バリアのため、さらにより難題である。したがって、従来の局所点眼溶液または懸濁液として投与した場合、後眼部に達する薬物はあったとしてもわずかである。したがって、現在、後眼部の状態に対して、硝子体内または眼周囲注射などの侵襲性送達技法が使用される。
【0025】
一部の例で、粘液浸透性である本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、前眼部(例えば、投与頻度)および後眼部(例えば、十分な送達)への送達に伴うこれらの問題に対処することができる。なぜなら、粒子は、粘液層への粘着を回避することができ、かつ/または眼表面の全域により均等に拡がり、それによって眼の自然な排除機構を回避し、かつ眼表面でのそれら粒子の滞留を延長することができる。一部の実施形態において、粒子は、後でより詳細に説明するように、生理学的粘液中へ効果的に浸透して、下にある組織への直接的な持続性薬物放出を容易にすることができる。
【0026】
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、芯−殻型の配置を有する。芯は、比較的水溶性の低い固形医薬品またはその塩、ポリマー性担体、脂質、および/またはタンパク質などの任意の適切な材料を含むことができる。芯は、また、一部の実施形態において、ゲルまたは液体を含むことができる。芯を、粘液中での粒子の移動を容易にする表面改変剤を含むコーティングまたは殻で被覆することができる。後でより詳細に説明するように、一部の実施形態において、表面改変剤は、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有するポリマー(例えば、合成または天然ポリマー)を含むことができる。ポリマーの分子量および/または加水分解度は、粒子に特定の輸送特性、例えば粘液中での輸送の増加を付与するように選択することができる。特定の実施形態において、表面改変剤は、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含有するトリブロックコポリマーを含むことができる。各ブロックの分子量は、粒子に特定の輸送特性、例えば粘液中での輸送の増加を付与するように選択することができる。
【0027】
これより、粒子の非限定的例を提供する。
図1の例示的実施形態に示すように、粒子(10)は、芯(16)(粒子の形態でよく、本明細書中で芯粒子と呼ばれる)およびその芯を取り囲むコーティング(20)を含む。一組の実施形態において、芯の実質的部分は、特定の有益かつ/または治療上の効果をもたらすことのできる1種または複数の固形医薬品(例えば、薬物、治療用薬剤、診断用薬剤、造影用薬剤)から構成される。芯は、例えば、医薬品のナノ結晶(すなわち、ナノ結晶性粒子)でよい。他の実施形態において、芯は、任意選択で、封入された、そうでなければ芯と会合した1種または複数の医薬品と共に、ポリマー性担体を含むことができる。さらに他の事例において、芯は、脂質、タンパク質、ゲル、液体、および/または対象に送達するのに適した別の材料を含むことができる。芯は、1種または複数の表面改変剤を付着させることのできる表面(24)を含む。例えば、一部の事例で、芯(16)は、内側表面(28)および外側表面(32)を含有するコーティング(20)で取り囲まれる。コーティングは、芯の表面(24)と結び付くことのできるポリマー(例えば、ブロックコポリマーおよび/またはペンダントヒドロキシル基を有するポリマー)などの1種または複数の表面改変剤(34)から少なくとも部分的には形成することができる。表面改変剤(34)は、例えば、芯粒子に共有結合で結合されること、芯粒子に非共有結合で結合されること、芯に吸着されること、またはイオン相互作用、疎水性および/または親水性相互作用、静電相互作用、ファンデルヴァールス相互作用、またはこれらの組合せを介して芯に結合されることによって、芯粒子と会合することができる。一組の実施形態において、表面改変剤またはその一部は、粘液バリア(例えば、粘液または粘膜)中での粒子の輸送を容易にするように選択される。本明細書に記載の特定の実施形態において、1種または複数の表面改変剤(34)は、粒子のコーティング中に特定の配置で配向される。例えば、表面改変剤が、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を有するトリブロックコポリマーなどのトリブロックコポリマーである一部の実施形態では、疎水性ブロックを、芯の表面に向かって配向し、親水性ブロックを、芯の表面から離して(例えば、粒子の外に向かって)配向することができる。親水性ブロックは、後でより詳細に説明するように、粘膜バリア中での粒子の輸送を容易にする特性を有することができる。
【0028】
粒子(10)は、粒子に特異性を任意選択で付与することのできる標的指向部分、タンパク質、核酸、および生物活性剤などの1種または複数の成分(40)を任意選択で含むことができる。例えば、標的指向性の薬剤または分子(例えば、タンパク質、核酸、核酸類似体、炭水化物、または小分子)は、存在するなら、粒子を対象の身体中の特定位置に案内するのを助けることができる。位置は、例えば、組織、特定の細胞型、または細胞内区画であり得る。1種または複数の成分(40)は、存在するなら、芯、コーティング、またはその双方と会合することができ、例えば、それらの成分は、芯の表面(24)、コーティングの内側表面(28)、コーティングの外側表面(32)と会合し、かつ/またはコーティング中に包埋されることができる。1種または複数の成分(40)は、共有結合、吸収を介して会合すること、あるいはイオン相互作用、疎水性および/または親水性相互作用、静電相互作用、ファンデルヴァールス相互作用、またはそれらの組合せを介して付着することができる。一部の実施形態において、成分は、当業者に公知の方法を使用して、被覆された粒子の1種または複数の表面改変剤に付着(例えば、共有結合で)できる。
図1に示したまたは本明細書に記載したもの以外の成分および配置が、特定の粒子および組成物に適している可能性があること、および
図1に示した成分のすべてが、一部の実施形態において必ず存在するわけではないことを理解されたい。
【0029】
一組の実施形態において、粒子(10)は、対象中に導入されると、対象中の1種または複数の構成要素、例えば、粘液、細胞、組織、臓器、粒子、体液(例えば、血液)、これらの部分、およびこれらの組合せと相互に作用することができる。一部のこのような実施形態において、粒子(10)のコーティングを、対象からの1種または複数の材料との好ましい相互作用(例えば、輸送、結合、吸着)を可能にする特性を含有する表面改変剤またはその他の成分を含むように設計することができる。例えば、コーティングは、対象中での特定の相互作用を促進または低下させるために、特定の親水性、疎水性、表面電荷、官能基、結合特異性、および/または密度を有する表面改変剤またはその他の成分を含むことができる。1つの特定の例は、粘液中での粒子の移動を高めるために、粒子と対象の粘液との間の物理的および/または化学的相互作用を低下させるように1種または複数の表面改変剤の特定の親水性、疎水性、表面電荷、官能基、結合特異性、および/または密度を選択することを含む。その他の例を、後でより詳細に説明する。
一部の実施形態において、粒子が、対象中の粘膜バリア(例えば、粘液または粘膜)を横切って成功裡に輸送されると、対象中での粒子間のさらなる相互作用が起こる可能性がある。相互作用は、一部の事例で、コーティングおよび/または芯を介して起こることがあり、例えば、対象の1種または複数の構成要素から粒子(10)への、かつ/または粒子(10)から対象の1種または複数の構成要素への材料(例えば、医薬品、治療薬、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、核酸、栄養素など)の交換を含むことができる。例えば、芯が、医薬品から形成されるか、医薬品を含む一部の実施形態において、粒子からの医薬品の崩壊、放出および/または輸送は、対象における特定の有益な効果および/または治療効果につながることがある。かくして、本明細書に記載の粒子を、特定の疾患または身体状態の診断、予防、治療または管理のために使用することができる。
【0030】
本明細書に記載の粒子の使用に関する具体例を、後に、対象中の粘膜バリア(例えば、粘液または粘膜)に投与するのに適していることの文脈中で提供する。本明細書中の多くの実施形態は、この文脈中、および材料の粘膜バリアを横切る輸送を必要とする疾患および状態に対して利益を提供することの文脈中で説明されるが、本発明は、このように限定されるものではなく、本明細書に記載の粒子、組成物、キット、および方法を使用して、その他の疾患または身体状態を予防、治療、または管理することができることを認識されたい。
【0031】
粘液は、眼、鼻、肺、消化管、および女性生殖器系をはじめとする身体中への種々の侵入箇所で、病原体、毒素、および壊死組織片から保護する粘着性の粘弾性ゲルである。多くの合成ナノ粒子は、粘液に対して強粘液粘着性であり、急速に排除される末梢粘液層中に効果的に捕捉され、粘膜全体へのそれら粒子の分布および下にある組織に向かう浸透を大きく制約する。捕捉されたこれらの粒子の滞留時間は、器官に応じて、数秒から数時間の範囲に及ぶ末梢粘液層の入れ代わり速度によって制約される。医薬品(例えば、治療、診断および/または造影用薬剤)を含む粒子の粘液膜を介する有効な送達を確実にするため、このような粒子は、粘液バリア中で容易に拡散し、粘液への付着を回避できなければならない。後でより詳細に説明するように、眼粘液中での粒子の送達は、とりわけ難題である。
ポリマー性ナノ粒子の表面を粘液浸透性コーティングで修飾することによって、粘液への粘着を最小化し、それによって粘液バリアを横切る急速な粒子浸透を可能にすることができる。これらの改善にもかかわらず、少数の表面コーティングのみが、粒子の粘液浸透を容易にすることが示された。したがって、医薬品を送達するための粘液浸透性粒子を含む組成物および方法の改善は有益であろう。
【0032】
一部の実施形態において、本明細書に記載の組成物および方法は、いかなるポリマー性担体も含まないか、または最小限のポリマー性担体の使用を含む粘液浸透性粒子を含む。ポリマーをベースにした粘液浸透性粒子は、一部の実施形態において、1種または複数の固有の制約を有する可能性がある。とりわけ、薬物送達への応用を考慮すると、これらの制約は、次のものの1つまたは複数を含む可能性がある:A)低い薬物封入効率および少ない薬物装填量:製造中に粒子中に封入されるのは、使用された薬物の全量の一般には10%未満であるので、ポリマー性粒子中への薬物封入は、しばしば効率が悪い。さらに、50%を超える薬物装填は、めったに達成されない。B)使用の簡便性:一般に、薬物を装填したポリマー性粒子をベースにした製剤は、早すぎる薬物放出を回避するために乾燥粉末として貯蔵することを典型的には必要とし、したがって、使用時点での再構成または複雑な投与デバイスのいずれかを必要とする。C)生体適合性:反復投与に続いて徐々に分解するポリマー性担体の蓄積および長期にわたるそれらの毒性は、ポリマー性薬物担体に対して重大な懸念を呈示する。D)化学的および物理的安定性:ポリマーの分解は、封入された薬物の安定性を危うくする可能性がある。多くの封入工程において、薬物は、溶液相から固体相への移行を経験し、この移行は、出現する固体相の物理的形態(例えば、非晶性/結晶性/結晶性多形)に関して十分に制御されない。このことは、物理的および化学的安定性、ならびに放出速度論をはじめとする多様な態様の製剤性能にとっての懸念である。E)製造の複雑さ:薬物を装填されたポリマー性MPPの製造、特に大規模に実現できる可能性は、多数のステップおよび相当の量の毒性有機溶媒を含むことのあるかなり複雑な工程である。
【0033】
本明細書に記載の一部の実施形態において、組成物、および粒子の調製方法、たとえば、特定の組成物、および粘膜バリア中での輸送が増強された粒子を調製するための方法は、前記の懸念の1つまたは複数、あるいは全部に対処する。具体的には、一部の実施形態において、組成物および方法は、ポリマー性担体中への封入を必要としないか、必要としても最小限である。有利には、医薬品(例えば、薬物、造影または診断用薬剤)をポリマー性担体中へ封入する必要性を回避または最小化することによって、薬物装填、使用の簡便性、生体適合性、安定性、および/または製造の複雑性に関するポリマー性MPPの特定の制約に対処することができる。本明細書に記載の方法および組成物は、粘液浸透性粒子技術の臨床的開発を促進する可能性がある。
しかし、他の実施形態において、医薬品を、封入またはその他の方法によってポリマー性担体と会合させることができることを認識されたい。したがって、本明細書中で呈示される説明は、この点に限定されるものではない。例えば、ポリマー性担体を含む特定の粘液浸透性粒子の上述の欠点にもかかわらず、特定の実施形態では、このような粒子が好ましいこともある。例えば、放出を制御する目的で、および/または粒子に製剤化するのが困難である特定の医薬品を封入するために、ポリマー性担体を使用するのが好ましいこともある。かくして、本明細書に記載の一部の実施形態では、ポリマー性担体を含む粒子について説明される。
【0034】
後でより詳細に説明するように、一部の実施形態において、組成物および方法は、粘液中での粒子輸送を助けるPVAの使用を含む。組成物および方法は、例えば、特定のPVAの存在下での乳化処理によって、粘液浸透性粒子(MPP)を調製することを含みうる。特定の実施形態において、組成物および方法は、前以て作り上げられた粒子から、特定のPVAでの非共有結合性コーティングによってMPPを調製することを含む。他の実施形態において、組成物および方法は、ポリマー性担体を全く用いないか、または最小限のポリマー性担体を用い、特定のPVAの存在下でMPPを調製することを含む。しかし、他の実施形態では、ポリマー性担体を使用できることを認識されたい。
PVAは、水溶性の非イオン性合成ポリマーである。その界面活性特性のため、PVAは、食品および薬品工業において、乳液用安定剤として、とりわけ、乳化技術による広範な種類の化合物の封入を可能にするため広く使用される。PVAは、「一般に安全と認識された」または食品医薬品庁(FDA)の「GRAS」資格を有し、耳、筋内、眼内、硝子体内、イオン泳動、眼、経口、局所、および経皮用の薬品および/または薬物送達システムで使用されている。
【0035】
特定の以前の研究において、多くの研究が、PVAを粘液粘着性ポリマーと記述しており、粒子の製剤化工程中にPVAを組み込むことは、強く粘液粘着性である粒子をもたらすことを示唆または報告している。驚くべきことに、およびPVAは粘液粘着性ポリマーであるとの確立された見解に反して、本発明者らは、本発明の文脈内で、特定グレードのPVAを利用する組成物および方法が、粘液中での粒子輸送を助け、本明細書に記載の特定の応用において粘液粘着性でないことを発見した。具体的にはPVAの加水分解度および/または分子量を目的に合わせて調製することによって、以前には知られていなかった粘液浸透性粒子を調製することができる。この発見は、MPPを製造するのに応用できる技術および材料の集積を相当に拡大する。
【0036】
本明細書に記載の一部の実施形態において、組成物、および粒子の調製方法、例えば、特定の組成物、および粘膜バリア中での輸送が増強された粒子の調製方法は、前記の懸念の1つまたは複数、あるいは全部に対処する。
本明細書中のいくつかの説明は、コーティング中でのPVAの使用に関するが、他の実施形態で、PVAは使用されないか、他のポリマーと一緒に使用されることを認識されたい。例えば、一部の実施形態で、PEG、Pluronic(登録商標)、および/またはその他の界面活性剤(例えば、ポリソルベート、例えば、Tween80(登録商標))を、本明細書に記載の組成物および方法中に(PVAに代えてまたは付加して)含めることができる。他の実施形態では、本明細書中でより詳細に説明されるようなその他のポリマーを、本明細書に記載のコーティング中で使用することができる。
後でより詳細に説明するように、一部の実施形態において、組成物および方法は、粘液中での粒子輸送を助けるポロキサマーの使用を含む。ポロキサマーは、中央が疎水性ブロック(例えば、ポリ(プロピレンオキシド)ブロック)であり、その両側に2つの親水性ブロック(例えば、ポリ(エチレンオキシド)ブロック)が配置されている典型的な非イオン性トリブロックコポリマーである。ポロキサマーは、Pluronic(登録商標)の商品名を有し、その例は後で呈示される。
後でより詳細に説明するように、特定の実施形態において、組成物および方法は、粘液中での粒子輸送を助けるポリソルベートの使用を含む。ポリソルベートは、脂肪酸でエステル化されたPEG化ソルビタン(ソルビトールの誘導体)から典型的には誘導される。ポリソルベートの一般的な商標名としては、Tween(登録商標)、Alkest(登録商標)、Canarcel(登録商標)が挙げられる。ポリソルベートの例には、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween80(登録商標))、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween60(登録商標))、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween40(登録商標))、およびモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween20(登録商標))が含まれる。
【0037】
芯粒子
図1に関して前に説明したように、粒子(10)は芯(16)を含みうる。芯は、有機材料、無機材料、ポリマー、脂質、タンパク質、またはこれらの組合せなどの任意の適切な材料から形成することができる。一組の実施形態において、芯は固体を含む。固体は、例えば、結晶性もしくは非晶性の固体、例えば、結晶性もしくは非晶性の固形医薬品(例えば、治療用薬剤、診断用薬剤、および/または造影用薬剤)またはその塩でよい。他の実施形態において、芯は、ゲルまたは液体(例えば、水中油型または油中水型乳液)を含むことができる。一部の実施形態において、芯中には1種を超える医薬品が存在できる。医薬品の具体例は、後でより詳細に呈示される。
【0038】
医薬品は、芯中に任意の適切な量で、例えば、芯の少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%の量で存在することができる。一実施形態において、芯は、100重量%の医薬品から形成される。一部の事例で、医薬品は、芯中に、約100重量%以下、約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約2重量%以下、または約1重量%以下で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約80重量%で約100重量%以下の量で存在する)も可能である。その他の範囲も可能である。
芯粒子が比較的多量(例えば、芯粒子の少なくとも約50重量%)の医薬品を含む実施形態において、芯粒子は、薬剤をポリマー性担体中に封入することによって形成される粒子に比較して、増大した医薬品装填量を一般には有する。薬物装填量がより多いことは、ポリマー性担体を含む粒子の使用に比較して、所望の効果を達成するのに必要とされる粒子の数がより少ないことを意味するので、このことは、薬物送達への応用にとって好都合である。
本明細書に記載のように、比較的多量のポリマーまたはその他の材料が芯を形成する他の実施形態では、芯中に存在できる医薬品の量がより少ない。
【0039】
芯は、種々の水溶性(すなわち、場合によっては1種または複数の緩衝液を含む水への溶解性)、および/または固体材料を表面改変剤で被覆する際の溶液への種々の溶解性を有する固体材料から形成することができる。例えば、固体材料は、25℃で、約5mg/mL以下、約2mg/mL以下、約1mg/mL以下、約0.5mg/mL以下、約0.1mg/mL以下、約0.05mg/mL以下、約0.01mg/mL以下、約1μg/mL以下、約0.1μg/mL以下、約0.01μg/mL以下、約1ng/mL以下、約0.1ng/mL以下、、または約0.01ng/mL以下の水溶性(または被覆用溶液への溶解性)を有することができる。一部の実施形態において、固体材料は、少なくとも約1pg/mL、少なくとも約10pg/mL、少なくとも約0.1ng/mL、少なくとも約1ng/mL、少なくとも約10ng/mL、少なくとも約0.1μg/mL、少なくとも約1μg/mL、少なくとも約5μg/mL、少なくとも約0.01mg/mL、少なくとも約0.05mg/mL、少なくとも約0.1mg/mL、少なくとも約0.5mg/mL、少なくとも約1.0mg/mL、少なくとも約2mg/mLの水溶性(または被覆用溶液への溶解性)を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約10pg/mLかつ約1mg/mL以下の水溶性または被覆用溶液への溶解性)も可能である。その他の範囲も可能である。固体材料は、pH範囲(pH1からpH14まで)の間の任意の箇所で、これらのまたはその他の範囲の水溶性を有することができる。
【0040】
一部の実施形態において、芯は、米国薬局方の慣行によって分類される溶解性の範囲:例えば、極めて溶けやすい:>1,000mg/mL、溶けやすい:100〜1,000mg/mL、やや溶けやすい:33〜100mg/mL、やや溶けにくい:10〜33mg/mL、溶けにくい:1〜10mg/mL、極めて溶けにくい:0.1〜1mg/mL、およびほとんど溶けない:<0.1mg/mLの1つに包含される材料から形成することができる。
芯は、疎水性または親水性でよいが、本明細書に記載の多くの実施形態において、芯は、実質上疎水性である。「疎水性」および「親水性」には、当業者によって理解されるような当技術分野で通常的な意味が付与され、本明細書中の多くの例で、相対的な用語である。材料の相対的な疎水性および親水性は、測定すべき物質からなる平面上での水滴の接触角を、例えば接触角測定器などの装置および押し固めた芯材料の粉末を使用して測定することによって求めることができる。
【0041】
一部の実施形態において、材料(例えば、粒子の芯を形成する材料)は、少なくとも約20°、少なくとも約30°、少なくとも約40°、少なくとも約50°、少なくとも約60°、少なくとも約70°、少なくとも約80°、少なくとも約90°、少なくとも約100°、少なくとも約110°、少なくとも約120°、または少なくとも約130°の接触角を有する。一部の実施形態において、材料は、約160°以下、約150°以下、約140°以下、約130°以下、約120°以下、約110°以下、約100°以下、約90°以下、約80°以下、または約70°以下の接触角を有する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約30°かつ約120°以下の接触角)も可能である。その他の範囲を可能である。
【0042】
接触角の測定は、種々の技法を使用して行うことができ、ここでは、芯を形成するのに使用される出発材料のペレットと水の玉との間の静止接触角の測定について言及する。芯を形成するのに使用される材料は、微細粉末として受け入れるか、さもなければ乳鉢および乳棒を使用して微細粉末に粉砕した。その上で測定を行うための表面を形成するため、International Crystal Labsからの7mmペレット金型セットを使用して、粉末を押し固めた。金型に材料を詰め、ペレットプレスまたは高圧を使用せず、手で圧力を印加して粉末を押し固めてペレットとした。次いで、ペレットを、試験のため、ペレットの頂面および底面(それぞれ、水が添えられる表面および平行な反対側の表面として定義される)がどんな表面とも接触しないように浮かした。これは、金型セットのカラーからペレットを完全には取り出さないことによって行われた。したがって、ペレットは、側面でカラーに接触し、頂面および底面で接触しない。接触角を測定する場合、水は、ペレットの表面に30秒以上安定な接触角を有する水の球が得られるまで加えられた。水は、水の玉中に、水の玉に追加するのに使用されるピペットまたはシリンジの先端を水の玉に挿入するか接触させることによって追加された。一旦、安定な水の玉が得られたら、画像を撮影し、標準的な手段を使用して接触角を測定した。
【0043】
芯が無機材料(例えば、造影用薬剤として使用するための)を含む実施形態において、無機材料としては、例えば、金属(例えば、Ag、Au、Pt、Fe、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、およびその他の遷移金属)、半導体(例えば、ケイ素、ケイ素化合物および合金、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、ヒ化インジウム、およびリン化インジウム)、または絶縁材(例えば、酸化ケイ素などのセラミック)を挙げることができる。無機材料は、芯中に、任意の適切な量で、例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約90重量%、または少なくとも約99重量%の量で存在することができる。一実施形態において、芯は、100重量%の無機材料から形成される。一部の事例で、無機材料は、芯中に、約100重量%以下、約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約2重量%以下、または約1重量%以下の量で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約1重量%かつ約20重量%以下で存在)も可能である。その他の範囲も可能である。
芯は、一部の事例で、量子ドット、炭素ナノチューブ、炭素ナノワイヤ、または炭素ナノロッドの形態でありうる。一部の事例で、芯は、生物学的起源でない材料を含むか、材料から形成される。
【0044】
一部の実施形態において、芯は、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーなどの1種または複数の有機材料を含む。合成ポリマーの例には、ポリメタクリレートなどの非分解性ポリマー、およびポリ乳酸、ポリグリコール酸およびこれらのコポリマーなどの分解性ポリマーが含まれる。天然ポリマーの例には、ヒアルロン酸、キトサン、およびコラーゲンが含まれる。芯の部分に適している可能性のあるポリマーのその他の例には、粒子上のコーティングを形成するのに適した後記のようなものが含まれる。一部の事例では、芯中に存在する1種または複数のポリマーを利用して、1種または複数の医薬品を封入または吸着することができる。
特定の実施形態において、芯は、脂質および/またはタンパク質を含む医薬品を含むことができる。その他の材料も可能である。
【0045】
芯中にポリマーが存在するなら、ポリマーは、芯中に、任意の適切な量で、例えば、約100重量%以下、約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約2重量%以下、または約1重量%以下の量で存在することができる。一部の事例で、ポリマーは、芯の少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約90重量%、または少なくとも約99重量%の量で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約1重量%かつ約20重量%以下の量で存在)も可能である。その他の範囲も可能である。一組の実施形態において、芯は、ポリマー成分から形成されるか、ポリマー成分を実質上含まない。
【0046】
本明細書に記載の粒子の芯は、1種を超えるポリマーの混合物を含むことができる。一部の実施形態において、芯、または芯の少なくとも一部は、第1ポリマーと第2ポリマーとの混合物を含む。特定の実施形態において、第1ポリマーは、本明細書に記載のポリマーである。特定の実施形態において、第1ポリマーは、比較的疎水性のポリマーである(例えば、第2ポリマーに比べてより大きな疎水性を有するポリマー)。特定の実施形態において、第1ポリマーは、ポリアルキルエーテルではない。特定の実施形態において、第1ポリマーは、ポリラクチド(PLA)、例えば、100DL7A MW108Kである。特定の実施形態において、第1ポリマーは、ポリラクチド−co−グリコリド(PLGA)、例えば、PLGA1A MW4Kである。しかし、他の実施形態において、第1ポリマーは、比較的親水性のポリマー(例えば、第2ポリマーに比べてより大きな親水性を有するポリマー)でもよい。
【0047】
特定の実施形態において、第2ポリマーは、本明細書に記載のブロックコポリマー(例えば、ジブロックコポリマーまたはトリブロックコポリマー)である。特定の実施形態において、第2ポリマーは、比較的親水性のブロック(たとえば、ポリアルキルエーテルブロック)および比較的疎水性のブロック(例えば、非(ポリアルキルエーテル)ブロック)を含むジブロックコポリマーである。特定の実施形態において、第2ポリマーのポリアルキルエーテルブロックは、PEG(例えば、PEG2KまたはPEG5K)である。特定の実施形態において、第2ポリマーの非(ポリアルキルエーテル)ブロックは、PLA(例えば、100DL9K、100DL30、または100DL95)である。特定の実施形態において、第2ポリマーの非(ポリアルキルエーテル)ブロックは、PLGA(例えば、8515PLGA54K、7525PLGA15K、または5050PLGA18K)である。特定の実施形態において、第2ポリマーは、100DL9K−co−PEG2Kである。特定の実施形態において、第2ポリマーは、8515PLGA54K−co−PEG2Kである。
【0048】
「第1」および「第2」ポリマーと記載されるとはいえ、一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子または芯は、たった1種のこのようなポリマーを含むことができることを認識されたい。さらに、第1および第2ポリマーの具体例を呈示しているが、本明細書中に挙げたポリマーなどのその他のポリマーを、第1または第2ポリマーとして使用できることを認識されたい。
第1ポリマー、および第2ポリマーの比較的疎水性のブロックは、同一であるか、または異なるポリマーでよい。一部の事例で、第2ポリマーの比較的疎水性のブロックは、第1および第2ポリマーを含む芯にまたは芯の表面上に主として存在する。例えば、第2ポリマーの比較的親水性のブロックは、本明細書に記載のような表面改変剤として作用することができる。一部の事例で、第2ポリマーおよび第1ポリマーの比較的疎水性のブロックは、第1および第2ポリマーを含む芯の表面の内側に主として存在する。さらなる詳細は、例19で呈示される。
【0049】
第2ポリマーの比較的親水性のブロックは(例えば、PEGブロックなどのポリアルキルエーテルブロック)は、任意の適切な分子量を有することができる。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的親水性のブロックの分子量は、少なくとも約0.1kDa、少なくとも約0.2kDa、少なくとも約0.5kDa、少なくとも約1kDa、少なくとも約1.5kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約2.5kDa、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約6kDa、少なくとも約8kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約100kDa、または少なくとも約300kDaである。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的親水性のブロックの分子量は、約300kDa以下、約100kDa以下、約50kDa以下、約20kDa以下、約10kDa以下、約8kDa以下、約6kDa以下、少なくとも約5kDa、約4kDa以下、約3kDa以下、約2.5kDa以下、約2kDa以下、約1.5kDa以下、約1kDa以下、約0.5kDa以下、約0.2kDa以下、または約0.1kDa以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.5kDaかつ約10kDa以下)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的親水性のブロックの分子量は、約2kDaである。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的親水性のブロックの分子量は、約5kDaである。
【0050】
第2ポリマーの比較的疎水性のブロック(例えば、PLGAまたはPLAブロックなどの非(ポリアルキルエーテル)ブロック)は、任意の適切な分子量を有することができる。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的疎水性のブロックは、長さが比較的短くかつ/または分子量が小さい。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的疎水性のブロックの分子量は、約300kDa以下、約100kDa以下、約80kDa以下、約60kDa以下、約54kDa以下、約50kDa以下、約40kDa以下、約30kDa以下、約20kDa以下、約15kDa以下、約10kDa以下、約5kDa以下、約2kDa以下、または約1kDa以下である。特定の実施形態において、第2ポリマーのPLGAまたはPLAブロックの分子量は、少なくとも約0.1kDa、少なくとも約0.3kDa、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約4kDa、少なくとも約6kDa、少なくとも約7kDa、少なくとも約8kDa、少なくとも約9kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約30kDa、少なくとも約50kDa、または少なくとも約100kDaである。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約20kDa以下かつ少なくとも1kDa)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的疎水性のブロックの分子量は、約9kDaである。
【0051】
第2ポリマーの比較的親水性のブロック(例えば、PEGブロックなどのポリアルキルエーテルブロック)は、本明細書に記載の芯にまたはその表面上に任意の適切な量または密度で存在することができる。特定の実施形態において、第2ポリマーのPEGブロックは、芯にまたは芯の表面上に、芯の表面積(nm
2)当たりのPEG鎖として、少なくとも約0.001、少なくとも約0.003、少なくとも約0.03、少なくとも約0.1、少なくとも約0.15、少なくとも約0.18、少なくとも約0.2、少なくとも約0.3、少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約3、少なくとも約30、または少なくとも約100本で存在する。特定の実施形態において、第2ポリマーのPEブロックは、芯にまたは芯の表面上に、芯の表面積(nm
2)当たりのPEGとして、約100本以下、約30本以下、約10本以下、約3本以下、約1本以下、約0.5本以下、約0.3本以下、約0.2本以下、約0.18本以下、約0.15本以下、約0.1本以下、約0.03本以下、約0.01本以下、約0.003本以下、または約0.001本以下で存在する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、芯の表面積(nm
2)当たりのPEG鎖として少なくとも約0.03本かつ約1本以下)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、第2ポリマーのPEGブロックは、芯にまたは芯の表面上に、芯の表面積(nm
2)当たりのPEG鎖として、少なくとも約0.18本で存在する。
【0052】
第2ポリマーの比較的親水性のブロック(例えば、PEGブロックなどのポリアルキルエーテルブロック)は、本明細書に記載の粒子または芯中に任意の適切な量で存在することができる。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的親水性のブロックは、芯中に、粒子または芯の約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.2重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.02重量%以下、または約0.01重量%以下で存在する。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的親水性のブロックは、芯中に、粒子または芯の少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.02重量%、少なくとも約0.05重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、または少なくとも約90重量%で存在する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、粒子または芯の約10重量%以下かつ少なくとも約0.5重量%)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的親水性のブロックは、粒子または芯の約3重量%以下で存在する。
【0053】
第2ポリマーの比較的親水性のブロック(例えば、PEGブロックなどのポリアルキルエーテルブロック)および比較的疎水性のブロック(例えば、PLGAまたはPLAブロックなどの非(ポリアルキルエーテル)ブロック)は、芯中に任意の適切な比率で存在することができる。特定の実施形態において、第2ポリマーの比較的親水性のブロックの比較的疎水性のブロックに対する比率は、重量:重量で、少なくとも約1:99、少なくとも約10:90、少なくとも約20:80、少なくとも約30:70、少なくとも約40:60、少なくとも約50:50、少なくとも約60:40、少なくとも約70:30、少なくとも約80:20、少なくとも約90:10、または少なくとも約99:1である。特定の実施形態において、比較的親水性のブロックの比較的疎水性のブロックに対する比率は、重量:重量で、約99:1以下、約90:10以下、約80:20以下、約70:30以下、約60:40以下、約50:50以下、約40:60以下、約30:70以下、約20:80以下、約10:90以下、または約1:99以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、重量:重量で約70:30を超え、かつ約90:10以下)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、比較的親水性のブロックの比較的疎水性のブロックに対する比率は、重量:重量で約20:80である。
【0054】
第1ポリマー(例えば、PLAまたはPLGA)および第2ポリマー(例えば、PLA−co−PEG、またはPLGA−co−PEG)は、粒子または芯中に任意の適切な比率で存在することができる。特定の実施形態において、粒子または芯中の第1ポリマーの第2ポリマーに対する比率は、重量:重量で、少なくとも約1:99、少なくとも約10:90、少なくとも約20:80、少なくとも約30:70、少なくとも約40:60、少なくとも約50:50、少なくとも約60:40、少なくとも約65:35、少なくとも約70:30、少なくとも約75:25、少なくとも約80:20、少なくとも約85:15、少なくとも約90:10、少なくとも約95:5、または少なくとも約99:1である。特定の実施形態において、粒子または芯中の第1ポリマーの第2ポリマーに対する比率は、重量:重量で、約99:1以下、約95:5以下、約90:10以下、約85:15以下、約80:20以下、約75:25以下、約70:30以下、約65:35以下、約60:40以下、約50:50以下、約40:60以下、約30:70以下、約20:80以下、約10:90以下、または約1:99以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、重量:重量で約70:30を超え、かつ約90:10以下)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、粒子または芯中の第1ポリマーの第2ポリマーに対する比率は、重量:重量で約70:30である。特定の実施形態において、粒子または芯中の第1ポリマーの第2ポリマーに対する比率は、重量:重量で約80:20である。
【0055】
本明細書に記載の第1ポリマーと第2ポリマーとの混合物を含む粒子または芯は、さらに、本明細書に記載のコーティングを含むことができる。コーティングは、粒子にまたは粒子の表面(例えば、第1ポリマーおよび/または第2ポリマーの表面)上に存在することができる。一部の実施形態において、コーティングは、親水性材料を含む。コーティングは、1種または複数の本明細書に記載の表面改変剤、例えば、ポリマー、安定剤、および/または界面活性剤(例えば、PVA、ポロキサマー、ポリソルベート(例えば、Tween80(登録商標)))を含むことができる。
【0056】
芯は、任意の適切な形状および/または大きさを有することができる。例えば、芯は、実質的には球状、非球状、卵状、棒形状、ピラミッド状、立方体状、円板形状、ワイヤ状、または不規則形状でよい。芯は、例えば、約10μm以下、約5μm以下、約1μm以下、約800nm以下、約700nm以下、約500nm以下、400nm以下、300nm以下、約200nm以下、約100nm以下、約75nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約35nm以下、約30nm以下、約25nm以下、約20nm以下、約15nm以下、または約5nm以下の最大または最少断面寸法を有することができる。一部の事例で、芯は、例えば、少なくとも約5nm、少なくとも約20nm、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm、少なくとも約200nm、少なくとも約300nm、少なくとも約400nm、少なくとも約500nm、少なくとも約1μm、または少なくとも約5μmの最大または最少断面寸法を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約50nmかつ約500nm以下の最大または最少断面寸法)も可能である。その他の範囲も可能である。一部の実施形態において、本明細書に記載の方法で形成される芯の大きさは、ガウス型分布を有する。特記しない限り、本明細書の粒子/芯の大きさの測定値は、最小断面寸法を指す。
当業者は、粒子の大きさ(例えば、最小または最大断面寸法)を測定するための技法に精通している。適切な技法の例には、(DLS)、透過電子顕微鏡法、走査電子顕微鏡法、電気抵抗計数、およびレーザー回折が含まれる、その他の適切な技法も当業者にとって公知である。粒子の大きさを測定するための多くの方法が知られているが、本明細書に記載の大きさ(例えば、平均粒径、厚さ)は、動的光散乱によって測定された大きさである。
【0057】
芯粒子および被覆された粒子の形成方法
本明細書に記載の芯粒子は、任意の適切な方法で形成することができる。適切な方法としては、例えば、いわゆるトップ−ダウン技法、すなわち、比較的大きな粒子からより小さな粒子への大きさの縮小に基づく技法(例えば、粉砕または均一化)、またはいわゆるボトム−アップ技法、すなわち、より小さな粒子または個々の分子からの粒子の成長に基づく技法(例えば、液体中への沈降または噴霧凍結)を挙げることができる。
一部の実施形態において、芯粒子を、コーティングで被覆することができる。例えば、第1ステップで芯粒子を準備または形成し、第2ステップで粒子を被覆して被覆された粒子を形成することができる。他の実施形態では、芯粒子を、実質上同時的に(例えば、単一ステップで)形成し被覆することができる。これらのおよびその他の方法の例を後で呈示する。
【0058】
一部の実施形態において、本明細書に記載の被覆された粒子は、製剤化工程、粉砕工程、および/または希釈工程を利用することを含む方法によって形成される。特定の実施形態において、粒子を形成する方法は、粉砕工程を含み、製剤化工程および/または希釈工程を伴ってもよい。製剤化工程を利用して、芯材料、1種または複数の表面改変剤、およびその他の成分、例えば、そのそれぞれが本明細書中に記載のような、溶媒、等張化剤、キレート化剤、塩類、抗微生物剤、および/または緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸緩衝剤)を含む懸濁液または溶液を形成することができる。製剤化工程は、製剤化用容器を使用して実施することができる。芯材料およびその他の成分は、製剤化用容器中に同時にまたは異なる時点で添加することができる。芯材料および/または1種または複数のその他の成分の混合物を、容器中で撹拌および/または振盪、さもなければかき混ぜて、成分を懸濁および/または溶解することを促進することができる。芯材料、その他の成分、および/または混合物を含む流体の温度および/または圧力を、個別的に高めるか低下させて、懸濁および/または溶解の過程を促進することができる。一部の実施形態において、芯材料およびその他の成分は、製剤化用容器中で不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)下に、および/または光から保護して、本明細書に記載のように処理される。製剤化用容器から得られる懸濁液または溶液を、次いで粉砕工程にかけることができ、それに続いて希釈工程にかけることもできる。
【0059】
固体材料を含む芯に関連する一部の実施形態では、粉砕工程を利用して固体材料の大きさを縮小して、大きさの範囲がマイクロメートルからナノメートルの粒子を形成することができる。粉砕工程は、粉砕機またはその他の適切な装置を使用して実施することができる。ジェット粉砕、凍結粉砕、ボール粉砕、媒体粉砕、超音波処理、および均質化などの乾式および湿式粉砕法は、公知であり、本明細書に記載の方法で使用することができる。一般に、湿式粉砕法では、芯として使用される予定の材料の懸濁液を、賦形剤と一緒に、または賦形剤なしでかき混ぜて、粒径を小さくする。乾式粉砕は、芯として使用される予定の材料を、粉砕媒体と共に、賦形剤と一緒に、または賦形剤なしで混合して、粒径を小さくする方法である。凍結粉砕法では、芯として使用される予定の材料の懸濁液を、粉砕媒体と共に、賦形剤と一緒にまたは賦形剤なしで冷却された温度下で混合する。
【0060】
芯材料の大きさを小さくするための粉砕またはその他の適切な工程の後に、懸濁液から被覆された粒子を形成および/または修飾するのに、希釈工程を利用することができる。被覆された粒子は、芯材料、1種または複数の表面改変剤、およびその他の成分、例えば、溶媒、等張化剤、キレート化剤、塩類、抗微生物剤、および緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸緩衝剤)を含むことができる。希釈工程を利用して、粉砕ステップの際にさらなる表面改変剤および/またはその他の成分で被覆された、または被覆されなかった粒子の溶液または懸濁液を希釈することによって、目標の投与濃度を達成することができる。特定の実施形態において、希釈工程を利用して、本明細書に記載のような粒子の表面から、第1表面改変剤を第2表面改変剤で交換することができる。
【0061】
希釈工程は、製品容器または任意のその他の適切な装置を使用して実施することができる。特定の実施形態において、懸濁液は、製品容器中で希釈剤を用いて希釈される、すなわち希釈剤と混合されるか、さもなければ希釈剤で処理される。希釈剤は、本明細書に記載のような溶媒、表面改変剤、等張化剤、キレート化剤、塩類、または抗微生物剤、またはこれらの組合せを含むことができる。懸濁液および希釈剤を、製品容器中に同時にまたは異なる時点で添加することができる。特定の実施形態において、懸濁液が、粉砕媒体を必要とする粉砕工程から得られる場合、粉砕媒体を懸濁液から分離した後に、懸濁液を製品容器中に加えることができる。懸濁液、希釈剤、または懸濁液と希釈剤との混合物を、撹拌および/または振盪、さもなければかき混ぜて、本明細書に記載の被覆された粒子を形成することができる。懸濁液、希釈剤、または混合物の温度および/または圧力を、個別的に上昇または降下させて、被覆された粒子を形成することもできる。一部の実施形態において、懸濁液および希釈剤は、製品容器中で不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)下に、かつ/または光から保護して処理される。
一部の実施形態において、本明細書に記載の芯粒子は、固体材料(例えば、医薬品)を1種または複数の表面改変剤の存在下で粉砕することによって製造することができる。粒子の懸濁液を液体中で凝集または集成なしに安定させるために、固体材料の小さな粒子は、一部の実施形態において安定剤として機能できる1種または複数の表面改変剤の存在を必要とすることがある。一部のこのような実施形態において、安定剤は、粒子上にコーティングを形成する表面改変剤として作用することができる。
【0062】
本明細書に記載のように、一部の実施形態において、芯粒子を形成する方法は、粉砕および粒子上へコーティングを形成することの双方に適した表面改変剤を選択すること、および粒子を粘液浸透性にすることを含む。例えば、後でより詳細に説明するように、特定のPluronics(登録商標)ポリマーの存在下でピレンを粉砕することによって製造されたモデル化合物ピレンの200〜500nmのナノ粒子は、生理学的粘液サンプルに十分に確立されたPEG化ポリマー性MPPと同一速度で浸透できる粒子をもたらすことが立証された。興味あることに、後でより詳細に説明するように、試験されたPluronics(登録商標)ポリマーの部分集合のみが、粉砕および粒子上へ粒子を粘液浸透性にするコーティングを形成することの双方に適することの判定基準に適合することが観察された。
【0063】
湿式粉砕法において、粉砕は、1種または複数の表面改変剤、粉砕媒体、粉砕される予定の固体(例えば、固形医薬品)、および溶媒を含む分散液(例えば、水性分散液)中で実施することができる。任意の適切な量の表面改変剤を、溶媒中に含めることができる。一部の実施形態において、表面改変剤は、溶媒中に、重量%または重量対容積%(重量:容積)で、溶媒の少なくとも約0.001%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約12%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、または少なくとも約80%の量で存在することができる。一部の事例において、表面改変剤は、溶媒中に約100%の量で存在することができる(例えば、表面改変剤が溶媒である事例で)。他の実施形態において、表面改変剤は、溶媒中に、溶媒の約100%以下、約80%以下、約60%以下、約40%以下、約20%以下、約15%以下、約12%以下、約10%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、または約1%以下で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、溶媒の約5%以下かつ少なくとも約1%)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、表面改変剤は、溶媒中に溶媒の約0.01〜2%の量で存在する。特定の実施形態において、表面改変剤は、溶媒中に溶媒の約0.2〜20%の量で存在する。特定の実施形態において、表面改変剤は、溶媒中に溶媒の約0.1%の量で存在する。特定の実施形態において、表面改変剤は、溶媒中に溶媒の約0.4%の量で存在する。特定の実施形態において、表面改変剤は、溶媒中に溶媒の約1%の量で存在する。特定の実施形態において、表面改変剤は、溶媒中に溶媒の約2%の量で存在する。特定の実施形態において、表面改変剤は、溶媒中に溶媒の約5%の量で存在する。特定の実施形態において、表面改変剤は、溶媒中に溶媒の約10%の量で存在する。
【0064】
選択された特定の範囲は、粒子が粘液に浸透する能力に影響を及ぼす可能性のある因子、例えば、粒子表面上の表面改変剤からなるコーティングの安定性、粒子上の表面改変剤からなるコーティングの平均厚さ、粒子上の表面改変剤の配向、粒子上の表面改変剤の密度、表面改変剤:薬物の比率、薬物濃度、形成される粒子の大きさ、分散性および多分散性、ならびに形成される粒子の形態に影響を及ぼす可能性がある。
【0065】
医薬品(またはその塩)は、溶媒中に任意の適切な量で存在することができる。一部の実施形態において、医薬品(またはその塩)は、重量%または重量対容積%(重量:容積)で、溶媒の少なくとも約0.001%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約12%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、または少なくとも約80%の量で存在する。一部の事例で、医薬品(またはその塩)は、溶媒中に溶媒の約100%以下、約90%以下、約80%以下、約60%以下、約40%以下、約20%以下、約15%以下、約12%以下、約10%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、または約1%以下の量で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、溶媒の約20%以下かつ少なくとも約1%)も可能である。一部の実施形態において、医薬品は、上記範囲(但し、重量:容積)で存在する。
【0066】
溶媒中での表面改変剤の医薬品(またはその塩)に対する比率は、変更することもできる。一部の実施形態において、表面改変剤の医薬品(またはその塩)に対する比率は、重量比、モル比、または重量:容積比で、少なくとも0.001:1、少なくとも0.01:1、少なくとも0.01:1、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも25:1、少なくとも50:1、少なくとも100:1、または少なくとも500:1でよい。一部の事例で、表面改変剤の医薬品(またはその塩)に対する比率は、重量比またはモル比で、1000:1以下、500:1以下、100:1以下、75:1以下、50:1以下、25:1以下、10:1以下、5:1以下、3:1以下、2:1以下、1:1以下、または0.1:1以下でよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも5:1かつ50:1以下の比率)も可能である。その他の範囲も可能である。
表面改変剤の例は、後で呈示され、例えば、ポリマー、安定剤、および界面活性剤を挙げることができる。本明細書に記載のように、一部の実施形態において、表面改変剤は、粒子形成の際に、安定剤、界面活性剤、および/または乳化剤として作用することができる。一部の実施形態において、表面改変剤は、粘液中での粒子輸送を助けることができる。
【0067】
一部の実施形態において、粉砕のために使用される安定剤は、粒子表面上に粒子を粘液浸透性にするコーティングを形成するが、他の実施形態では、安定剤を、粒子が形成された後に、1種または複数の他の表面改変剤で取り代えることができる。例えば、一組の方法において、粉砕工程中で第1安定剤/表面改変剤を使用して、芯粒子の表面を被覆することができ、次いで、第1安定剤/表面改変剤の全部または一部を、第2安定剤/表面改変剤で取り代えて、芯粒子の表面の全部または一部を被覆することができる。一部の事例で、第2安定剤/表面改変剤は、第1安定剤/表面改変剤に比べて、粒子をより粘液浸透性にすることができる。一部の実施形態において、多様な表面改変剤を含むコーティングを有する芯粒子を形成することができる。
粉砕には、任意の適切な粉砕媒体を使用することができる。一部の実施形態において、セラミックおよび/またはポリマー性材料および/または金属を使用することができる。適切な材料の例には、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ケイ酸ジルコニウム、酸化イットリウム、ガラス、アルミナ、α−アルミナ、酸化アルミニウム、ポリスチレン、ポリ(メタクリル酸メチル)、チタン、鋼鉄が含まれる。粉砕媒体は、任意の適切な大きさを有することができる。例えば、粉砕媒体は、少なくとも約0.1mm、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.8mm、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、または少なくとも約5mmの平均直径を有することができる。一部の事例で、粉砕媒体は、約5mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約0.8mm以下、約0.5mm以下、または約0.2mm以下の平均直径を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.5mmかつ約1mm以下の平均直径)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0068】
粉砕には任意の適切な溶媒を使用することができる。溶媒の選択は、数ある因子の中でも、粉砕される固体材料(例えば、医薬品)、使用される安定剤/表面改変剤の個々の種類(例えば、粒子を粘液浸透性にすることのできるもの)、使用される粉砕材料などの因子に依存する可能性がある。適切な溶媒は、固体材料または粉砕材料を実質上溶解しないが、安定剤/表面改変剤を適切な程度まで溶解するものでよい。溶媒の非限定的例としては、医薬用賦形剤、ポリマー、医薬品、塩類、保存剤、粘度調整剤、等張性調整剤、風味マスキング剤、酸化防止剤、pH調整剤、およびその他の医薬用賦形剤などのその他の成分を任意選択で含んでいてもよい、水、緩衝溶液、その他の水性溶液、アルコール(例えば、エタノール、メタノール、ブタノール)、およびこれらの混合物を挙げることができる。他の実施形態では、有機溶媒を使用することができる。医薬品は、これらのまたはその他の溶媒に対して任意の適切な溶解度を、例えば、水溶性に関して、または被覆用溶液に対する溶解性に関して前記の1種または複数の範囲の溶解度を有することができる。
表面改変剤の存在下で、水に対して相対的に不溶性である固体材料(例えば、薬物)の粉砕を利用して粒子(例えば、ナノ粒子)を製造することができる。特定の表面改変剤は、粉砕中に粒径縮小を助けることに加えて、本明細書中でより詳細に説明するように、粒子の粘液成分との相互作用を最小化し、かつ粘液粘着を防止および/または低減し、それによって粒子を粘液浸透性にする方式で、生じる粒子の表面を改変することができる。
【0069】
他の実施形態において、芯粒子は、乳化技法(乳化)によって形成することができる。一般に、乳化技法は、芯として使用される予定の材料を溶媒中に溶解または分散させることを含むことができ;次いで、この溶液または分散液を第2の非混和性溶媒中で乳化し、それによって材料を含む複数の粒子を形成する。適切な乳化技法は、例えば蒸発または抽出による後に続く溶媒除去を伴うか、または伴わない、水中油型乳液、油中水型乳液、水−油−水型乳液、油−水−油型乳液、水中油中固体型乳液、および油中水中固体型乳液などの形成を含むことができる。乳化技法は、汎用性があり、比較的低い水溶性を有する医薬品および比較的高い水溶性を有する医薬品を含む芯粒子を調製するのに有用である可能性がある。
【0070】
一部の実施形態において、本明細書に記載の芯粒子は、1種または複数の表面改変剤の存在下での乳化によって製造することができる。一部のこのような実施形態において、安定剤は、粒子上にコーティングを形成する表面改変剤として作用することができる(すなわち、乳化および被覆ステップを、実質上同時に実施することができる)。
一部の実施形態において、乳化によって芯粒子を形成する方法は、乳化および粒子上へコーティングを形成することの双方に適し、かつ粒子を粘液浸透性にする安定剤を選択することを含む。例えば、後でより詳細に説明するように、特定のPVAポリマーの存在下で乳化によって製造されたモデルポリマーPLAの200〜500nmのナノ粒子は、確立されたPEG化されたポリマー性MPPと同様の速度で、生理学的粘液サンプルに浸透できる粒子をもたらすことが立証された。興味あることに、後でより詳細に説明するように、試験されたPVAポリマーの部分集合のみが、乳化、および粒子上に粒子を粘液浸透性にするコーティングを形成することの双方に適することの判定基準に適合することが観察された。
他の実施形態において、粒子は、まず乳化技法を使用して形成され、続いて表面改変剤で被覆される。
【0071】
乳化には、任意の適切な溶媒および溶媒の組合せを使用することができる。油相として役立つことのできる溶媒の一部の例が、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、エチルエーテル、石油エーテル(ヘキサン、ヘプタン)などの有機溶媒、およびピーナツ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、ダイズ油、シリコーン油などのオイルである。水相として役立つことのできる溶媒の一部の例が、水および緩衝水溶液である。その他の溶媒も可能である。
【0072】
他の実施形態において、芯粒子は、沈降技法により形成することができる。沈降技法(例えば、ミクロ沈降技法、ナノ沈降技法、結晶化技法、制御結晶化技法)は、芯として使用される、溶媒に実質上可溶性である材料(例えば、医薬品)および溶媒を含む第1溶液を形成することを含むことができる。この溶液を、材料が実質上不溶性である別の溶媒(すなわち、反溶媒)を含む第2溶液に添加し、それによって材料を含む複数の粒子を形成することができる。一部の事例で、1種または複数の表面改変剤、界面活性剤、材料、および/または生物活性薬剤は、第1および/または第2溶液中に存在することができる。コーティングは、芯を沈降させる工程中で形成することができる(例えば、沈降および被覆ステップは実質上同時に実施することができる)。他の実施形態では、粒子を、まず沈降技法を使用して形成し、続いて粒子を表面改変剤で被覆する。
【0073】
一部の実施形態では、沈降技法を利用して、医薬品を含むか、または含まないポリマー性芯粒子を形成することができる。一般に、沈降技法は、芯として使用される予定のポリマーを溶媒(存在させる医薬品を含むか、または含まない)に溶解することを含み、次いで、この溶液を混和性反溶媒(存在させる賦形剤を含むか、または含まない)に添加して、芯粒子を形成する。一部の実施形態において、この技法は、例えば、水性溶液に溶けにくい(1〜10mg/L)、極めて溶けにくい(0.1〜1mg/mL)、またはほとんど溶けない(<0.1mg/mL)医薬品(例えば、比較的低い水溶性を有する医薬品)を含むポリマー性芯を調製するのに有用である可能性がある。
沈降には、任意の適切な溶媒を使用することができる。一部の実施形態において、沈降に適した溶媒としては、例えば、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、テトラヒドロフランを挙げることができる。その他の有機溶媒および非有機溶媒も使用できる。
沈降には、粉砕に使用することのできる本明細書に記載の溶媒をはじめとする任意の適切な反溶媒を使用することができる。一組の実施形態では、医薬用賦形剤、ポリマー、および医薬品などのその他の成分を任意選択で含んでいてもよい水性溶液(例えば、水、緩衝液、その他の水性溶液)、アルコール(例えば、エタノール、メタノール、ブタノール)、およびこれらの混合物が使用される。
【0074】
乳化および沈降のための表面改変剤は、ポリマー、安定剤、または界面活性剤でよく、粉砕に使用できる本明細書に記載の表面改変剤を包含する。
乳化または沈降によって芯の全部または一部を形成するのに適した適切なポリマーの非限定的例としては、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーバメート、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン(polyethyeneimines)、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアリレート、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、および多糖を挙げることができる。具体的なポリマーの非限定的例には、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレン酢酸ビニルポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L−乳酸−co−グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PEO−co−D,L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PPO−co−D,L−ラクチド)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリウレタン、ポリ−L−リシン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリアンヒドリド、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリアルキレン(ポリエチレンおよびポリプロピレンなど)、ポリアルキレングリコール(ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリアルキレンオキシド(PEO)など)、ポリアルキレンテレフタレート(ポリ(エチレンテレフタレート)など)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル(ポリ(酢酸ビニル)など)、ポリビニルハライド(ポリ(塩化ビニル)(PVC)など)、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、誘導体化されたセルロース(アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、アクリル酸のポリマー(ポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリル(メタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)など)(本明細書中では、一緒にして「ポリアクリル酸」と呼ばれる)、およびこれらのコポリマーおよび混合物、ポリジオキサノンおよびそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカン酸エステル、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、およびトリメチレンカーボネート、ポリビニルピロリドン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、コラーゲン、DNA、RNA、カルボキシメチルセルロース、キトサン、デキストランを挙げることができる。
【0075】
芯および/または表面改変剤の全部または一部を形成するのに適したポリマーとしては、また、ポリ(エチレングリコール)−ビタミンEコンジュゲート(以後、「PEG−VitEコンジュゲート」)を挙げることができる。PEG−VitEコンジュゲートを含む粒子、組成物、および/または製剤、ならびに粒子、組成物、および/または製剤を調製および使用する方法は、すべての目的で参照によりその全体で本明細書に組み込まれるPCT国際出願公開WO2012/061703号中により詳細に呈示されている。一部の事例で、PEG−VitEコンジュゲートのPEG部分の分子量は、約2kDaを超える。PEG−VitEコンジュゲートのPEG部分の分子量は、本明細書に記載のような粒子の形成および/または粘膜バリアを横切る粒子輸送を助けるように選択することができる。一部の実施形態において、約2kDaを超える分子量を有するPEG部分を含むPEG−VitEコンジュゲートの使用は、約2kDa未満の分子量を有するPEG部分を含むPEG−VitEコンジュゲートの使用に比較して、粘膜バリア中での粒子のより大きな浸透を可能にすることができる。さらに、特定の実施形態において、より大きな分子量のPEG部分は、薬物封入を容易にする可能性がある。界面活性剤として作用する能力および粘液粘着を低減する能力が組み合わされると、薬物封入のために一般的に使用されるその他の界面活性剤に比較して、重要な利点が提供される。一部の事例で、PEG−VitEコンジュゲートのPEG部分の分子量は、約2kDa〜約8kDa、約3kDa〜約7kDa、約4kDa〜約6kDa、または約4.5kDa〜約6.5kDa、あるいは約5kDaである。
【0076】
一部の実施形態では、沈降技法を使用して、主として医薬品からなる粒子(例えば、ナノ結晶)を形成することができる。一般に、このような沈降技法は、芯として使用される予定の医薬品を溶媒に溶解し、次いで、この溶液を、賦形剤を含むか、または含まない混和性反溶媒に添加して、芯粒子を形成することを含む。一部の実施形態において、この技法は、例えば、水性溶液に溶けにくい(1〜10mg/L)、極めて溶けにくい(0.1〜1mg/mL)、またはほとんど溶けない(<0.1mg/mL)医薬品(例えば、比較的低い水溶性を有する医薬品)の粒子を調製するのに有用である可能性がある。
【0077】
一部の実施形態において、塩(または錯体)の形成による沈降を利用して、医薬品の塩からなる粒子(例えば、ナノ結晶)を形成することができる。一般に、塩形成による沈降は、芯として使用される予定の材料を賦形剤を含むか、または含まない溶媒に溶解し、続いて医薬品との不溶性塩または錯体を形成する対イオンまたは錯化剤を添加して、芯粒子を形成することを含む。この技法は、水性溶液に溶ける医薬品(例えば、比較的高い水溶性を有する医薬品)の粒子を調製するのに有用である可能性がある。一部の実施形態において、1つまたは複数の帯電したまたはイオン化可能な基を有する医薬品は、対イオン(例えば、カチオンまたはアニオン)と相互に作用して、塩錯体を形成することができる。
種々の対イオンを使用して、金属(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属)を含む塩錯体を形成することができる。カチオン性対イオンの非限定的例には、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、バリウム、およびマグネシウムが含まれる。アニオン性対イオンの非限定的例には、リン酸イオン、炭酸イオン、および脂肪酸が含まれる。対イオンは、例えば、一価、二価、または三価でよい。その他の対イオンも当技術分野で公知であり、本明細書に記載の実施形態で使用することができる。その他のイオン性および非イオン性錯化剤も可能である。
【0078】
沈降法では、種々の様々な酸を使用することができる。一部の実施形態において、適切な酸としては、デカン酸(deconic acid)、ヘキサン酸、粘液酸、オクタン酸を挙げることができる。他の実施形態において、適切な酸としては、酢酸、アジピン酸、L−アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、カプリン酸(デカン酸)、炭酸、クエン酸、フマル酸、ガラクタル酸、D−グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、塩酸、DL−乳酸、ラウリン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、パルミチン酸、リン酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、(+)−L−酒石酸、またはチオシアン酸を挙げることができる。他の実施形態において、適切な酸としては、アルギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、(+)−樟脳酸、カプリル酸(オクタン酸)、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ゲンチシン酸、2−オキソグルタル酸、イソ酪酸、ラクトビオン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パモン酸(エンボン酸)、プロピオン酸、(−)−L−ピログルタミン酸、またはp−トルエンスルホン酸を挙げることができる。さらに他の実施形態において、適切な酸としては、2,2−ジクロロ酢酸、4−アセトアミド−安息香酸、(+)−カンファ−10−スルホン酸、カプロン酸(ヘキサン酸)、桂皮酸、ギ酸、臭化水素酸、DL−マンデル酸、硝酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、またはウンデシル酸(ウンデカ−10−エン酸)を挙げることができる。1種または複数のこのような酸の混合物も使用することができる。
【0079】
沈降法では、種々の様々な塩基を使用することができる。一部の実施形態において、適切な塩基としては、アンモニア、L−アルギニン、水酸化カルシウム、コリン、N−メチル−グルカミン、リシン、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムが挙げられる。別の実施形態において、適切な塩基としては、ベネタミン、ベンザチン、ベタイン、デアノール、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、ヒドラバビン、モルホリン、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、またはトロメタミンを挙げることができる。他の実施形態において、適切な塩基としては、ジエタノールアミン(2,2’−イミノビス(エタノール))、エタノールアミン(2−アミノエタノール)、エチレンジアミン、1H−イミダゾール、ピペラジン、トリエタノールアミン(2,2’,2’’−ニトリロトリス(エタノール))、または水酸化亜鉛を挙げることができる。1種または複数のこのような塩基の混合物も使用することができる。
【0080】
塩の形成による沈降には、粉砕に使用できる本明細書に記載の溶媒をはじめとする任意の適切な溶媒を使用することができる。一組の実施形態では、医薬用賦形剤、ポリマー、および医薬品などのその他の成分を任意選択で含んでいてもよい水性溶液(例えば、水、緩衝液、その他の水性溶液)、アルコール(例えば、エタノール、メタノール、ブタノール)、およびこれらの混合物が使用される。
沈降法において、塩は、非塩形態の医薬品に比べて、より低い水溶性(または、塩を含む溶媒への溶解性)を有することができる。塩の水溶性(または溶媒への溶解性)は、25℃で、例えば、約5mg/mL以下、約2mg/mL以下、約1mg/mL以下、約0.5mg/mL以下、約0.1mg/mL以下、約0.05mg/mL以下、または約0.01mg/mL以下、約1μg/mL以下、約0.1μg/mL以下、約0.01μg/mL以下、約1ng/mL以下、約0.1ng/mL以下、または約0.01ng/mL以下でよい。一部の実施形態において、塩は、少なくとも約1pg/mL、少なくとも約10pg/mL、少なくとも約0.1ng/mL、少なくとも約1ng/mL、少なくとも約10ng/mL、少なくとも約0.1μg/mL、少なくとも約1μg/mL、少なくとも約5μg/mL、少なくとも約0.01mg/mL、少なくとも約0.05mg/mL、少なくとも約0.1mg/mL、少なくとも約0.5mg/mL、少なくとも約1.0mg/mL、少なくとも約2mg/mLの水溶性(または溶媒への溶解性)を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.001mg/mLかつ約1mg/mL以下の水溶性(または溶媒への溶解性))も可能である。その他の範囲も可能である。塩は、pH範囲(例えば、pH1〜pH14)の任意の箇所でこれらのまたはその他の範囲の水溶性を有することができる。
【0081】
一部の実施形態において、沈降のために使用される溶媒は、本明細書に記載の1種または複数の表面改変剤を含み、粒子が溶液から沈降するにつれて、1種または複数の表面改変剤からなるコーティングを粒子の周りに形成することができる。表面改変剤は、溶媒中に任意の適切な濃度で、例えば、水性溶液中に、重量/容積%で、少なくとも約0.001%、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、または少なくとも約5%の濃度で存在することができる。一部の事例で、表面改変剤は、溶媒中に、重量/容積%で、約5%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.005%以下の濃度で存在する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.01(重量/容積)%かつ約1(重量/容積)%以下の濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。
芯粒子の別の典型的な形成方法は、凍結乾燥技法を含む。この技法では、医薬品またはその塩を、表面改変剤を含んでいてもよい水性溶液に溶解することができる。この溶液に対イオンを添加し、溶液を直ちに急速凍結し、凍結乾燥することができる。乾燥粉末を、適切な溶媒(例えば、水などの水性溶液)中で所望の濃度で再構成することができる。
【0082】
対イオンを、凍結乾燥用溶媒に任意の適切な範囲で添加することができる。一部の事例で、対イオンの医薬品(例えば、塩)に対する比率は、重量比またはモル比で、少なくとも0.1:1、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも25:1、少なくとも50:1、または少なくとも100:1でよい。一部の事例で、対イオンの医薬品(例えば、塩)に対する比率は、重量比またはモル比で、100:1以下、75:1以下、50:1以下、25:1以下、10:1以下、5:1以下、3:1以下、2:1以下、1:1以下、または0.1:1以下でよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも5:1かつ50:1以下の比率)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0083】
表面改変剤が凍結乾燥前の溶媒中に存在するなら、表面改変剤は、任意の適切な濃度で、例えば、水性溶液中に重量/容積%で、少なくとも約0.001%、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、または少なくとも約5%の濃度で存在することができる。一部の例で、表面改変剤は、溶媒中に、重量/容積%で、約5%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、または約0.005%以下の濃度で存在する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.01(重量/容積)%かつ約1(重量/容積)%以下の濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。
溶媒中に存在する表面改変剤の濃度は、表面改変剤の臨界ミセル濃度(CMC)を超えても超えなくてもよく、使用される個々の表面改変剤に依存する。他の実施形態において、安定な粒子は、医薬品を含む溶液に過剰な対イオンを添加することによって形成することができる。次いで、沈降物を、遠心などの種々の方法で洗浄することができる。生じたスラリーを超音波で処理することができる。1種または複数の表面改変剤を添加して、生じる粒子を安定化することができる。
【0084】
芯粒子を形成するその他の方法もあり得る。芯粒子を形成するための技法としては、例えば、コアセルベーション−相分離、溶融分散、界面沈積、インサイチュでの重合、マクロ分子の自己集合(例えば、高分子電解質複合体または高分子電解質−界面活性剤複合体の形成)、噴霧乾燥および噴霧凝結、エレクトロスプレー、空気懸濁コーティング、パンおよび噴霧コーティング、凍結乾燥、通風乾燥、真空乾燥、流動床乾燥、沈降(例えば、ナノ沈降、ミクロ沈降)、臨界流体抽出、ならびにリソグラフィー法(例えば、軟質リソグラフィー、ステップおよび急速インプリントリソグラフィー、干渉リソグラフィー、フォトリソグラフィー)を挙げることができる。
本明細書に記載の方法とその他の方法との組合せもあり得る。例えば、一部の実施形態で、まず、医薬品からなる芯を沈降によってまず形成し、次いで、芯の大きさを、粉砕工程でさらに縮小する。
【0085】
医薬品からなる粒子の形成に続いて、粒子を、粒子と結びつく、かつ/または粒子を被覆することのできる(第2)表面改変剤を含む溶液に任意選択で暴露することができる。医薬品が第1表面改変剤からなるコーティングを既に含む実施形態では、第2表面改変剤の全部または一部を第2安定剤/表面改変剤で取り代えて、粒子表面の全部または一部を被覆することができる。一部の事例で、第2表面改変剤は、第1表面改変剤に比べて、粒子をより粘液浸透性にすることができる。他の実施形態では、多様な表面改変剤を含むコーティング(例えば、単層または複層の状態で)を有する粒子を形成することができる。他の実施形態では、多様なコーティング(例えば、各コーティングは、異なる表面改変剤を任意選択で含む)を有する粒子を形成することができる。一部の事例で、コーティングは、表面改変剤からなる単層の形態で存在する。その他の配置も可能である。
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、粒子を、溶液中で表面改変剤と共に少なくとも約1分間、少なくとも約2分間、少なくとも約5分間、少なくとも約10分間、少なくとも約15分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約60分間、またはそれ以上インキュベートすることによって、粒子を被覆することができる。一部の事例で、インキュベーションは、約10時間以下、約5時間以下、または約60分以下で行うことができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、60分以下かつ少なくとも2分のインキュベーション時間)も可能である。
【0086】
粒子のコーティング
図1に図示した実施形態で示すように、芯(16)を、1種または複数の表面改変剤を含むコーティング(20)で取り囲むことができる。一部の実施形態において、コーティングは、芯の表面上に配置される1種または複数の表面改変剤、またはその他の分子で形成される。コーティングおよび表面改変剤の個々の化学的構成および/または成分は、粒子に特定の機能性、例えば、粘膜バリア中での増強された輸送を付与するように選択することができる。
芯を取り囲むコーティングは、芯を完全に取り囲むような実施形態もあり得るが、必ずしも完全に取り囲む必要はないことを理解されたい。例えば、コーティングは、芯の表面積の少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約99%を取り囲むことができる。一部の事例で、コーティングは、芯を実質的に取り囲む。他の事例で、コーティングは、芯を完全に取り囲む。他の実施形態において、コーティングは、芯の表面積の約100%以下、約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、または約50%以下を取り囲む。上で言及した範囲の組合せ(例えば、芯の表面積の80%を超えかつ100%未満を取り囲む)も可能である。
【0087】
コーティングの成分を、一部の事例では、芯の表面の全域に均一に、他の事例では非均一に分布させることができる。例えば、コーティングは、一部の事例において、材料を全く含まない部分(例えば、孔)を含むことができる。所望なら、コーティング中へのまたはコーティングからの特定の分子および成分の浸透および/または輸送を可能にするが、コーティング中へのまたはコーティングからのその他の分子または成分の浸透および/または輸送を防止するように、コーティングを設計することができる。特定の分子がコーティング中におよび/またはコーティングを横切って浸透および/または輸送される能力は、例えば、コーティングを形成する表面改変剤の充填密度、およびコーティングを形成する成分の化学的および物理的特性に依存する可能性がある。本明細書に記載のように、コーティングは、1つの材料層(例えば、単層)を、または一部の実施形態では複数の材料層を含むことができる。単一種の表面改変剤、または複数種の表面改変剤が存在できる。
【0088】
粒子のコーティングは、任意の適切な厚さを有することができる。例えば、コーティングは、少なくとも約1nm、少なくとも約5nm、少なくとも約10nm、少なくとも約30nm、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm、少なくとも約200nm、少なくとも約500nm、少なくとも約1μm、または少なくとも約5μmの平均厚さを有することができる。一部の事例で、コーティングの平均厚さは、約5μm以下、約1μm以下、約500nm以下、約200nm以下、約100nm以下、約50nm以下、約30nm以下、約10nm以下、または約5nm以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約1nmかつ約100nm以下の平均厚さ)も可能である。その他の範囲も可能である。複数のコーティングを有する粒子の場合、各コーティング層は、上記の厚さの1つを有することができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の組成物および方法は、芯表面に対する表面改変部分の共有結合での連結を必要としないで、芯粒子を親水性表面改変部分で被覆することを可能にすることができる。一部のこのような実施形態では、疎水性表面を有する芯を、本明細書に記載のポリマーで被覆し、それによって、芯自体の特性を実質上改変することなしに、芯表面上に複数の表面改変部分を存在させることができる。例えば、表面改変剤を、芯粒子の外側表面に吸着させることができる。しかし、他の実施形態において、表面改変剤は、芯粒子に共有結合で連結される。
【0089】
表面改変剤が芯の表面上に吸着される特定の実施形態において、表面改変剤は、溶液中の表面改変剤の他の分子と、任意選択でその他の成分(例えば、組成物/製剤中の)と共に平衡状態で存在することができる。一部の事例で、吸着された表面改変剤は、芯の表面上に本明細書に記載の密度で存在することができる。表面改変剤は溶液中の他の成分と平衡状態で存在するので、密度は、平均密度でよい。
【0090】
コーティング中で使用するのに適した表面改変剤としては、例えば、ポリマー、安定剤、および界面活性剤を挙げることができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の表面改変剤は、ポリマーである。コーティング中で表面改変剤として使用するのに適したポリマーの非限定的例には、後で詳細に説明するように、ポリ(ビニルアルコール)(PVA、例えば、PVA2K75、PVA13K87、PVA31K87、PVA31K98、PVA85K87、PVA85K99、PVA95K95、およびPVA130K87(ここで、「K」の前後の数字は、それぞれPVAの分子量(kDa)および加水分解度(%)を示す));ポリビニルピロリドン(ポビドン、例えば、Kollidon(登録商標)17PF、Kollidon(登録商標)30、およびKollidon(登録商標)12PF);アルキルアリールポリエーテルアルコール(例えば、Tyloxapol);ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、Brij(登録商標)35、Brij(登録商標)98、およびBrij(登録商標)S100);ポリソルベート(例えば、Tween20およびTween80);およびポロキサマー(Pluronics(登録商標)など(例えば、Pluronic(登録商標)L31、Pluronic(登録商標)L35、Pluronic(登録商標)L44、Pluronic(登録商標)L81、Pluronic(登録商標)L101、Pluronic(登録商標)L121、Pluronic(登録商標)P65、Pluronic(登録商標)P103、Pluronic(登録商標)P105、Pluronic(登録商標)P123、Pluronic(登録商標)F38、Pluronic(登録商標)F68、Pluronic(登録商標)F87、Pluronic(登録商標)F108、Pluronic(登録商標)F127))など)が含まれる。上記ポリマーの誘導体もあり得る。上記ポリマーと本明細書に記載のその他のものとの組合せも、本発明の粒子中の表面改変剤として使用することができる。
【0091】
本明細書に記載の粒子のコーティングおよび/または表面改変剤は、例えば、疎水性材料、親水性材料、および/または両親媒性材料を含むか、それらから形成されることができる。一部の実施形態において、コーティングは、ポリマー、例えば、合成ポリマー(すなわち、天然では産生されないポリマー)を含む。他の実施形態において、ポリマーは天然ポリマー(例えば、タンパク質、多糖、ゴム)である。特定の実施形態において、ポリマーは表面活性を有するポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは非イオン性ポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは直鎖状の合成非イオン性ポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは非イオン性ブロックコポリマーである。一部の実施形態において、ポリマーはコポリマーでよく、例えば、ここで、1つの反復単位は比較的疎水性であり、もう1つの反復単位は比較的親水性である。コポリマーは、例えば、ジブロック、トリブロック、交互、またはランダムコポリマーでよい。ポリマーは、帯電性、または非帯電性でよい。
【0092】
一部の実施形態において、コーティングは、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含む。例えば、特定の実施形態において、ポリマーとしては、ポリ(ビニルアルコール)、部分加水分解ポリ(酢酸ビニル)、またはビニルアルコールと酢酸ビニルとのコポリマーを挙げることができる。特定の実施形態において、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーとしては、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(酢酸ビニル)−ポリ(ビニルアルコール)コポリマー、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ビニルアルコール)コポリマー、ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(ビニルアルコール)コポリマー、およびポリ(ビニルアルコール)−ポリ(アクリルアミド)コポリマーを挙げることができる。理論に拘泥するものではないが、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含むコーティングを含有する粒子は、粒子表面上へ複数のヒドロキシル基を少なくとも部分的には露呈しているので、対照粒子に比較して低減された粘液粘着性を有する可能性がある。低減された粘液粘着性についての1つの考え得る機構は、ヒドロキシル基が、例えば、粒子/粘液環境中で水およびその他の分子を配列することによって粒子の微視的環境を改変することである。付加的または代わりの考え得る機構は、ヒドロキシル基が、ムチン繊維の粘着性領域を遮蔽し、それによって粒子の粘着性を低減し、かつ粒子輸送を加速することである。
【0093】
さらに、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーで被覆された粒子が粘液浸透性である能力は、また、ポリマーの加水分解度に少なくとも部分的には依存する可能性がある。一部の実施形態において、ポリマーの疎水性部分(例えば、加水分解されていないポリマー部分)は、ポリマーが芯の表面に粘着することを可能にし(例えば、芯表面が疎水性である事例で)、かくして、芯とポリマーの間での強力な会合を可能にする可能性がある。驚くべきことに、表面改変剤を含む一部の実施形態において、あまりにも高い加水分解度のPVAは、PVAと芯との間での十分な粘着を可能にせず(例えば、芯が疎水性である事例で)、かくして、このようなポリマーで被覆された粒子は、一般に、十分な粘液粘着の低減を示さないことが見出された。一部の実施形態において、あまりにも低い加水分解度は、おそらくは粒子の微視的環境を改変するのに、および/またはムチン繊維の粘着性領域を遮蔽するのに利用できるヒドロキシル基の量がより少ないため、粘液中での粒子輸送を増進しない。
【0094】
ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーは、任意の適切な加水分解度(および、結果的には様々な量のヒドロキシル基)を有することができる。適切な加水分解レベルは、ポリマーの分子量、芯の組成、芯の疎水性などのさらなる因子に依存する可能性がある。一部の実施形態において、合成ポリマー(例えば、PVA、部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)、またはビニルアルコールと酢酸ビニルとのコポリマー)は、その少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%が加水分解されていてもよい。一部の実施形態において、合成ポリマーは、その約100%以下、約99%以下、約98%以下、約97%以下、約96%以下、約95%以下、約94%以下、約93%以下、約92%以下、約91%以下、約90%以下、約87%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、または約60%以下が加水分解されていてもよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、その少なくとも約80%かつ約95%以下が加水分解されたポリマー)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0095】
本明細書に記載の合成ポリマー(例えば、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有するもの)の分子量は、芯の粘液粘着性を低減するように、かつポリマーと芯との十分な会合を確実にするように選択することができる。特定の実施形態において、合成ポリマーの分子量は、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約8kDa、少なくとも約9kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約25kDa、少なくとも約30kDa、少なくとも約40kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約60kDa、少なくとも約70kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約90kDa、少なくとも約100kDa、少なくとも約110kDa、少なくとも約120kDa、少なくとも約130kDa、少なくとも約140kDa、少なくとも約150kDa、少なくとも約200kDa、少なくとも約500kDa、または少なくとも約1000kDaである。一部の実施形態において、合成ポリマーの分子量は、約1000kDa以下、約500kDa以下、約200kDa以下、約180kDa以下、約150kDa以下、約130kDa以下、約120kDa以下、約100kDa以下、約85kDa以下、約70kDa以下、約65kDa以下、約60kDa以下、約50kDa以下、または約40kDa以下、約30kDa以下、約20kDa以下、約15kDa以下、または約10kDa以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約10kDaかつ約30kDa以下の分子量)も可能である。上で言及した分子量範囲を上で言及した加水分解範囲と組み合わせて、適切なポリマーを形成することもできる。
【0096】
一部の実施形態において、本明細書に記載の合成ポリマーは、PVAであるか、PVAを含む。PVAは、界面活性特性を含有する非イオン性ポリマーである。それは、ポリ(酢酸ビニル)の加水分解によって典型的には製造される。部分的に加水分解されたPVAは、2種の反復単位:すなわち、ビニルアルコール単位および残留酢酸ビニル単位から構成される。ビニルアルコール単位は、比較的親水性であり、酢酸ビニル単位は、比較的疎水性である。一部の事例で、ビニルアルコール単位および酢酸ビニル単位の配列分布は、ブロック状である。例えば、一連のビニルアルコール単位には、一連の酢酸ビニル単位、さらにビニルアルコール単位が続き、ブロック状方式で分布された単位を含有する混合ブロックコポリマー型配列を有するポリマーを形成する。特定の実施形態において、反復単位は、コポリマー、例えば、ジブロック、トリブロック、交互、またはランダムコポリマーを形成する。PVA以外のポリマーは、親水性単位および疎水性単位からなるこれらの配置を有することもできる。
【0097】
特定の実施形態において、表面改変剤は、その約98%以下が加水分解され、かつ約75kDa以下の分子量を有するPVA、またはその約95%未満が加水分解されたPVAである。一部の実施形態において、表面改変剤は、95%を超える加水分解度および31kDaを超える分子量の双方の特性を有さないPVAである。特定の実施形態において、このような表面改変剤を使用して、コルチコステロイド(例えば、LE)などの特定に医薬品および/または本明細書に記載のその他の化合物を被覆することができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の合成ポリマーの親水性単位は、実質上、粒子の外側表面に存在することができる。例えば、親水性単位は、コーティングの外側表面の大部分を形成することができ、粒子を含む水性溶液中で粒子を安定化するのを助けることができる。疎水性単位は、実質上、コーティングの内部および/または芯粒子の表面に存在して、例えば、コーティングが芯へ付着するのを容易にすることができる。
【0098】
合成ポリマーの比較的親水性の単位の比較的疎水性の単位に対するモル分率は、芯の粘液粘着性を低減するように、かつポリマーと芯との十分な会合を確実にするようにそれぞれ選択することができる。本明細書に記載のように、ポリマーの疎水性単位のモル分率は、ポリマーと芯との十分な会合が起こり、それによってポリマーが芯に粘着したままである確率を高めるように選択することができる。合成ポリマーの比較的親水性の単位の比較的疎水性の単位に対するモル分率は、例えば、少なくとも0.5:1、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも5:1、少なくとも7:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、少なくとも20:1、少なくとも25:1、少なくとも30:1、少なくとも40:1、少なくとも50:1、少なくとも75:1、または少なくとも100:1でよい。一部の実施形態において、合成ポリマーの比較的親水性の単位の比較的疎水性の単位に対するモル分率は、例えば、100:1以下、75:1以下、50:1以下、40:1以下、30:1以下、25:1以下、20:1以下、15:1以下、10:1以下、7:1以下、5:1以下、3:1以下、2:1以下、または1:1以下でよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも1:1かつ50:1以下の比率)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0099】
PVAポリマーの分子量は、また、粒子を粘液浸透性にするポリマーの有効性を増大させるように仕立てることができる。種々の分子量および加水分解度を有するPVAポリマーの例を、表1に示す。
【0100】
特定の実施形態において、合成ポリマーは、式:
【化1】
で表され、式中、nは0〜22730(両端を含む)の整数であり、mは0〜11630(両端を含む)の整数である。特定の実施形態において、nは25〜20600(両端を含む)の整数である。一部の実施形態において、mは5〜1100(両端を含む)の整数である。特定の実施形態において、mは、0〜400(両端を含む)または1〜400(両端を含む)の整数である。nおよびmは、ブロックの長さではなく、それぞれ、ポリマー中のビニルアルコールおよび酢酸ビニル反復単位の全含有量を表す。
【0101】
nの値は可変である。特定の実施形態において、nは、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも500、少なくとも800、少なくとも1000、少なくとも1200、少なくとも1500、少なくとも1800、少なくとも2000、少なくとも2200、少なくとも2400、少なくとも2600、少なくとも3000、少なくとも5000、少なくとも10000、少なくとも15000、少なくとも20000、または少なくとも25000である。一部の事例で、nは、30000以下、25000以下、20000以下、25000以下、20000以下、15000以下、10000以下、5000以下、3000以下、2800以下、2400以下、2000以下、1800以下、1500以下、1200以下、1000以下、800以下、500以下、300以下、200以下、100以下、または50以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、nは、少なくとも50かつ2000以下である)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0102】
同様に、mの値は可変である。例えば、特定の実施形態において、mは、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも70、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも800、少なくとも1000、少なくとも1200、少なくとも1500、少なくとも1800、少なくとも2000、少なくとも2200、少なくとも2400、少なくとも2600、少なくとも3000、少なくとも5000、少なくとも10000、または少なくとも15000である。一部の事例で、mは、15000以下、10000以下、5000以下、3000以下、2800以下、2400以下、2000以下、1800以下、1500以下、1200以下、1000以下、800以下、500以下、400以下、350以下、300以下、250以下、200以下、150以下、100以下、70以下、50以下、30以下、20以下、または10以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、mは、少なくとも5かつ200以下である)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0103】
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、比較的親水性のブロックおよび比較的疎水性のブロックを有するブロックコポリマーを含むコーティングを含有する。一部の事例で、親水性ブロックは、実質上、粒子の外側表面に存在することができる。例えば、親水性ブロックは、コーティングの外側表面の大部分を形成することができ、粒子を含む水性溶液中で粒子を安定化するのを助けることができる。実質上、コーティングの内部および/または芯粒子の表面に存在して、例えば、コーティングが芯へ付着するのを容易にすることができる。一部の事例で、コーティングは、トリブロックコポリマーを含む表面改変剤を含み、ここで、トリブロックコポリマーは、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含む。親水性ブロック−疎水性ブロックの配置を有するジブロックコポリマーもあり得る。ブロックコポリマーとコーティングとして使用するのに適したその他のポリマーとの組合せもあり得る。櫛状、ブラシ状、または星状コポリマーなどの非直鎖状ブロック配置もあり得る。一部の実施形態において、比較的親水性のブロックは、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(例えば、PVA)を含む。
ブロックコポリマーの親水性ブロックおよび疎水性ブロックの分子量は、芯の粘液粘着性を低減し、かつブロックコポリマーと芯との十分な会合を確実にするようにそれぞれ選択することができる。ブロックコポリマーの疎水性ブロックの分子量は、ブロックコポリマーと芯との十分な会合が起こり、それによってブロックコポリマーが芯に粘着したままである確率を高めるように選択することができる。
【0104】
特定の実施形態において、ブロックコポリマーの(1種または複数の)比較的疎水性のブロックまたは反復単位の分子量は、合わせて、少なくとも約0.5kDa、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約6kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、または少なくとも約50kDa、少なくとも約60kDa、少なくとも約70kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約90kDa、少なくとも約100kDa、少なくとも約110kDa、少なくとも約120kDa、少なくとも約130kDa、少なくとも約140kDa、少なくとも約150kDa、少なくとも約200kDa、少なくとも約500kDa、または少なくとも約1000kDaである。一部の実施形態において、(1種または複数の)比較的疎水性のブロックまたは反復単位の分子量は、合わせて、約1000kDa以下、約500kDa以下、約200kDa以下、約150kDa以下、約140kDa以下、約130kDa以下、約120kDa以下、約110kDa以下、約100kDa以下、約90kDa以下、約80kDa以下、約50kDa以下、約20kDa以下、約15kDa以下、約13kDa以下、約12kDa以下、約10kDa以下、約8kDa以下、または約6kDa以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約3kDaかつ約15kDa以下)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0105】
一部の実施形態において、ブロックコポリマーの(1種または複数の)比較的親水性のブロックまたは反復単位は、合わせて、ブロックコポリマーの少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、または少なくとも約70重量%を構成する。一部の実施形態において、ブロックコポリマーの(1種または複数の)比較的親水性のブロックまたは反復単位は、合わせて、ブロックコポリマーの約90重量%以下、約80重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下、または約40重量%以下を構成する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約30重量%かつ約80重量%以下)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0106】
一部の実施形態において、ブロックコポリマーの(1種または複数の)比較的親水性のブロックまたは反復単位の分子量は、合わせて、少なくとも約0.5kDa、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約6kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、または少なくとも約50kDa、少なくとも約60kDa、少なくとも約70kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約90kDa、少なくとも約100kDa、少なくとも約110kDa、少なくとも約120kDa、少なくとも約130kDa、少なくとも約140kDa、少なくとも約150kDa、少なくとも約200kDa、少なくとも約500kDa、または少なくとも約1000kDaである。特定の実施形態において、(1種または複数の)比較的親水性のブロックまたは反復単位の分子量は、合わせて、約1000kDa以下、約500kDa以下、約200kDa以下、約150kDa以下、約140kDa以下、約130kDa以下、約120kDa以下、約110kDa以下、約100kDa以下、約90kDa以下、約80kDa以下、約50kDa以下、約20kDa以下、約15kDa以下、約13kDa以下、約12kDa以下、約10kDa以下、約8kDa以下、約6kDa以下、約5kDa以下、約3kDa以下、約2kDa以下、または約1kDa以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.5kDaかつ約3kDa以下)も可能である。その他の範囲も可能である。2つの親水性ブロックが疎水性ブロックの両側に位置する実施形態において、2つの親水性ブロックの分子量は、実質上同一であるか、異なってもよい。
【0107】
特定の実施形態において、表面改変剤のポリマーはポリエーテル部分を含む。特定の実施形態において、ポリマーはポリアルキルエーテル部分を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコールである尾部を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリプロピレングリコールである中心部分を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、中心部分としてポリブチレングリコールを含む。特定の実施形態において、ポリマーは、中心部分としてポリペンチレングリコールを含む。特定の実施形態において、ポリマーは、中心部分としてポリヘキシレングリコールを含む。特定の実施形態において、ポリマーは、本明細書に記載のポリマーの1種からなるジブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、本明細書に記載のポリマーの1種からなるトリブロックコポリマーである。本明細書中で開示されるように、PEGのいかなる列挙も、ポリエチレンオキシド(PEO)で置き換えることができ、PEOのいかなる列挙もPEGで置き換えることができる。一部の実施形態において、ジブロックまたはトリブロックコポリマーは、1種または複数のブロックとして、ポリマー(例えば、PVA)の主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(本明細書に記載のような種々の加水分解度および種々の分子量を有する)を含む。合成ポリマーのブロックは、ブロックコポリマーの中心部分または末端部分を形成することができる。
【0108】
特定の実施形態において、ポリマーは、ポリアルキルエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール)および別のポリマー(例えば、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(例えば、PVA))からなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリアルキルエーテルおよび別のポリアルキルエーテルからなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコールおよび別のポリアルキルエーテルからなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリプロピレングリコールおよび別のポリアルキルエーテルからなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリアルキルエーテルの少なくとも1種の単位を含むトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、2種の異なるポリアルキルエーテルからなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコール単位を含むトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、ポリプロピレングリコール単位を含むトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、両側に2つのより親水性の単位が位置するより疎水性の単位からなるトリブロックコポリマーである。特定の実施形態において、親水性単位は、同一種のポリマーである。一部の実施形態において、親水性単位としては、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(例えば、PVA)が挙げられる。特定の実施形態において、ポリマーは、両側に2つのより親水性の単位が位置するポリプロピレングリコール単位を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、より疎水性の単位が両側に位置する2つのポリエチレングリコール単位を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、2つのポリエチレングリコール単位が両側に位置するポリプロピレングリコール単位を有するトリブロックコポリマーである。中心ブロックの両側に位置する2つのブロックの分子量は、実質上同一であるか、異なりうる。
【0109】
特定の実施形態において、ポリマーは、式:
【化2】
を有し、式中、nは、2〜1140(両端を含む)の整数であり、mは、2〜1730(両端を含む)の整数である。特定の実施形態において、nは、10〜170(両端を含む)の整数である。特定の実施形態において、mは、5〜70(両端を含む)の整数である。特定の実施形態において、nは、少なくともmの2倍、mの3倍、またはmの4倍である。
【0110】
特定の実施形態において、コーティングは、コーティング中に単独で、またはポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(例えば、PVA)などの別のポリマーと組み合わせて存在する、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレングリコール)のトリブロックコポリマー(以後、「PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマー」)を含む表面改変剤を含む。本明細書に記載のように、一部の実施形態では、PEGブロックをPEOブロックで相互に交換することができる。PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマーのPEG(またはPEO)およびPPO部分の分子量は、本明細書に記載のように、粒子の粘液粘着を低減するように選択することができる。理論に拘泥するものではないが、PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマーを含むコーティングを有する粒子は、少なくとも部分的には粒子表面上に複数のPEG(またはPEO)部分が露呈されているので、対照粒子に比較して粘液粘着を低減することができる。PPO部分は、芯表面に粘着することができ(例えば、芯表面が疎水性である場合)、そのため芯とトリブロックコポリマーとの間の強力な会合を可能にする。一部の事例で、PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマーは、非共有結合性相互作用を介して芯と会合する。比較が目的の場合、対照粒子は、例えば、被覆された粒子と類似の大きさのカルボキシレート修飾ポリスチレン粒子でよい。
【0111】
特定の実施形態において、表面改変剤としては、商品名Pluronic(登録商標)を有するポロキサマーを含むポリマーが挙げられる。本明細書に記載の実施形態で有用である可能性のあるPluronic(登録商標)ポリマーとしては、限定はされないが、F127、F38、F108、F68、F77、F87、F88、F98、L101、L121、L31、L35、L43、L44、L61、L62、L64、L81、L92、N3、P103、P104、P105、P123、P65、P84およびP85が挙げられる。
【0112】
特定のPluronic(登録商標)分子の分子量の例を表2に示す。
【0113】
その他の範囲も、可能であり、本明細書に記載の特定の実施形態において有用である可能性があるが、一部の実施形態において、PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマーの疎水性ブロックは、前記分子量の1つ(例えば、少なくとも約3kDaかつ約15kDa以下)を有し、親水性ブロックは、合わせて、ポリマーに対して前記範囲の1つの重量パーセント(例えば、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%少なくとも約25重量%、または少なくとも約30重量%、かつ約80重量%以下)を有する。これらの基準内に包含される特定のPluronic(登録商標)ポリマーとしては、例えば、F127、F108、P105およびP103が挙げられる。驚くべきことに、例中でより詳細に説明するように、これらの特定のPluronic(登録商標)ポリマーは、この基準内に包含されないその他の被試験Pluronic(登録商標)ポリマーを超えて、特定の粒子を粘液浸透性にすることが見出された。さらに、粒子(一部の特定の粒子芯について)を粘液浸透性にしなかったその他の薬剤としては、ポリビニルピロリドン(PVP/Kollidon)ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールのグラフトコポリマー(Kollicoat IR)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel)などの特定のポリマー;ソルトールHS15、Triton X100、チロキサポール、クレモホールRH40;Span20、Span80、オクチルグルコシド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などの小分子が挙げられる。
【0114】
表面改変剤が粒子または芯を粘液浸透性にする能力は、表面改変剤が芯に付着する能力および/または芯/粒子表面上の表面改変剤の密度を含む、個々の芯/表面改変剤の組合せに少なくとも部分的には依存することを認識されたい。かくして、一部の実施形態において、個々の表面改変剤は、1種の粒子または芯の移動度を増強することができるが、別の種類の粒子または芯の移動度を増強しない可能性がある。
本明細書中の説明の多くは、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置(例えば、PEG−PPO−PEGトリブロックコポリマー)を含むコーティング、またはペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーを含むコーティングに関係する可能性があるが、コーティングは、これらの配置および材料に限定されるものではないこと、およびその他の配置および材料もあり得ることを認識されたい。
さらに、本明細書に記載の実施形態の多くは、単一のコーティングに関係するが、他の実施形態において、粒子は単一のコーティングを含むが、他の実施形態において、粒子は、1つを超えるコーティング(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のコーティング)を含むことができ、各コーティングは、必ずしも、粘液浸透性材料から形成される、または粘液浸透性材料を含む必要はない。一部の事例で、中間コーティング(すなわち、芯表面と外側コーティングとの間のコーティング)は、芯表面への外側コーティングの付着を容易にするポリマーを含むことができる。多くの実施形態において、粒子の外側コーティングは、粘液中での粒子の輸送を容易にする材料を含むポリマーを含む。
【0115】
かくして、コーティング(例えば、内側コーティング、中間コーティング、および/または外側コーティング)は、任意の適切なポリマーを含むことができる。一部の事例で、ポリマーは、生体適合性および/または生分解性でよい。一部の事例で、ポリマー性材料は、1種を超えるポリマー(例えば、少なくとも2、3、4、5種またはそれ以上のポリマー)を含むことができる。一部の事例で、ポリマーは、ランダムコポリマーまたは本明細書に記載のようなブロックコポリマー(例えば、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー)でよい。
適切なポリマーの非限定的例としては、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーバメート、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、およびポリアリレートを挙げることができる。具体的なポリマーの非限定的例には、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレン酢酸ビニルポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L−乳酸−co−グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PEO−co−D,L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PPO−co−D,L−ラクチド)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリウレタン、ポリ−L−リシン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリアンヒドリド、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリアルキレン(ポリエチレンおよびポリプロピレンなど)、ポリアルキレングリコール(ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリアルキレンオキシド(PEO)など)、ポリアルキレンテレフタレート(ポリ(エチレンテレフタレート)など)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル(ポリ(酢酸ビニル)など)、ポリビニルハライド(ポリ(塩化ビニル)(PVC)など)、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、誘導体化されたセルロース(アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、アクリル酸のポリマー(ポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリル(メタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)など)(本明細書中では、一緒にして「ポリアクリル酸」と呼ばれる)、およびこれらのコポリマーおよび混合物、ポリジオキサノンおよびそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカン酸エステル、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、およびトリメチレンカーボネート、ポリビニルピロリドンを挙げることができる。
【0116】
ポリマーの分子量は、様々でよい。一部の実施形態において、分子量は、少なくとも約0.5kDa、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約6kDa、少なくとも約8kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約30kDa、少なくとも約40kDa、または少なくとも約50kDaでよい。一部の実施形態において、分子量は、約50kDa以下、約40kDa以下、約30kDa以下、約20kDa以下、約12kDa以下、約10kDa以下、約8kDa以下、約6kDa以下、約5kDa以下、または約4kDa以下でよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約2kDaかつ約15kDa以下の分子量)も可能である。その他の範囲も可能である。分子量は、光散乱、ゲル浸透クロマトグラフィーなどの任意の公知の技法を使用して測定することができる。その他の方法も当技術分野で公知である。
【0117】
特定の実施形態において、ポリマーは生体適合性である、すなわち、ポリマーは、生存対象中に挿入または注入された場合に、有害な応答を典型的には誘導せず;例えば、それは、重大な炎症、および/または免疫系による、例えば、T細胞介在性応答を介する、ポリマーの急性拒絶を含まない。もちろん、「生体適合性」は、相対的な用語であり、生体組織と高度に適合性であるポリマーについてさえ、若干程度の免疫応答が予想されることが認識されるであろう。しかし、本明細書中で使用する場合、「生体適合性」は、免疫系の少なくとも一部による材料の急性拒絶に関連し、すなわち、対象中に埋め込まれた非生体適合性材料は、免疫系による材料の拒絶を十分に制御できないほど重症で、かつしばしば材料を対象から除去しなければならないほどの程度である対象における免疫応答を誘導する。生体適合性を測定するための1つの簡単な試験は、ポリマーをインビトロで細胞に暴露することであり:生体適合性ポリマーは、中度の濃度、例えば約50μg/10
6細胞の濃度で有意な細胞死を典型的にはもたらさないポリマーである。例えば、生体適合性ポリマーは、繊維芽細胞または上皮細胞などの細胞に暴露された場合に、このような細胞によって貪食、さもなければ取り込まれた場合でさえ、細胞死を引き起こす可能性は約20%未満である。一部の実施形態において、物質は、それをインビトロで細胞に添加することによってもたらされる細胞死が20%以下であり、かつそれらをインビボで投与することが、望ましくない炎症またはその他のこのような有害作用を誘導しないなら、「生体適合性」である。
【0118】
特定の実施形態において、生体適合性ポリマーは、生分解性でよく、すなわち、ポリマーは、体内でまたは細胞に導入された場合などの生理学的環境内で、化学的および/または生物学的に(例えば、細胞機構によってまたは加水分解によって)分解することができる。例えば、ポリマーは、水(例えば、対象内の)への暴露で自発的に加水分解するものでよく、かつ/またはポリマーは、熱(例えば約37℃の温度)への暴露で分解することができる。ポリマーの分解は、使用されるポリマーまたはコポリマーに応じて、様々な速度で起こり得る。例えば、ポリマーの半減期(ポリマーの50%がモノマーおよび/またはその他の非ポリマー性部分に分解される時間)は、ポリマーに応じて、数日、数週間、数か月、または数年の桁でよい。ポリマーは、例えば、酵素活性または細胞機構によって、一部の事例では、例えばリソチーム(例えば、比較的低いpHを有する)への暴露を介して、生物学的に分解される可能性がある。一部の事例で、ポリマーは、モノマー、および/または細胞が細胞に対する重大な毒性効果なしに再使用または処理できる(すなわち、成分を細胞にインビトロで添加した場合に、死滅する細胞は約20%未満である)その他の非ポリマー性部分に分解される可能性がある。例えば、ポリラクチドは加水分解されて乳酸を形成し、ポリグリコリドは加水分解されてグリコール酸を形成する可能性がある、等々。
生分解性ポリマーの例には、限定はされないが、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレングリコール)トリブロックコポリマー、ポリ(ラクチド)(またはポリ(乳酸))、ポリ(グリコリド)、(またはポリ(グリコール酸))、ポリ(オルトエステル)、ポリ(カプロラクトン)、ポリリシン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ウレタン)、ポリ(アンヒドリド)、ポリ(エステル)、ポリ(炭酸トリメチレン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ウレタン)、ポリ(β−アミノエステル)など、およびこれらのおよび/またはその他のポリマーのコポリマーまたは誘導体、例えば、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)が含まれる。
【0119】
特定の実施形態において、ポリマーは、所望の適用で許容される期間内で生分解性であればよい。インビボ療法などの特定の実施形態において、このような分解は、通常、温度が25〜37℃でpHが6〜8の生理学的溶液への暴露で、約5年、1年、6か月、3か月、1か月、15日、5日、3日、またはさらには1日未満(例えば、1〜4時間、4〜8時間、4〜24時間、1〜24時間)の期間で起こる。他の実施形態において、ポリマーは、所望の適用に応じて、約1時間〜数週間の期間で分解する。
【0120】
本明細書に記載のコーティングおよび粒子は、ポリマーを含むことができるが、一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、ポリマーでなく(例えば、非ポリマー)かつ医薬品でない疎水性材料を含む。例えば、一部の実施形態において、粒子の全部または一部を、不動態化層で被覆することができる。非ポリマー性材料の非限定的例としては、特定の金属、ワックス、および有機材料(例えば、有機シラン、過フッ化またはフッ化有機材料)を挙げることができる。
【0121】
特定の実施形態において、本明細書に記載の表面改変剤は、界面活性剤である。界面活性剤は、比較的疎水性の相と比較的親水性の相との間の界面に吸着され、ミセルを形成することができる。コーティング中で表面改変剤として使用するのに適した界面活性剤の非限定的例には、リン脂質(例えば、L−α−ホスファチジルコリン(PC)、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC))、DSPC、DMPC、PEGに関して本明細書に記載の分子量ような種々の分子量を有するPEG化リン脂質(例えば、DSPE−PEG(2000)アミン)、オレイン酸、トリオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween(登録商標))/モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween80(登録商標))、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween60(登録商標))、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween40(登録商標))、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween20(登録商標))などのポリソルベート、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Span(登録商標)(例えば、Span(登録商標)20およびSpan(登録商標)85)、オクチルフェノールエトキシレート界面活性剤(例えば、Triton(登録商標)X−100)、イオン性界面活性剤(例えば、SDS)、ヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレン15(例えば、Solutol(登録商標)HS15)、コハク酸ポリエチレングリコール(例えば、コハク酸トコフェリルポリエチレングリコール(TPGS、例えば、ビタミンE TPGS))、天然レシチン、オレイルポリオキシエチレンエーテル、ステアリルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシレンアルキルエーテル、オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロックコポリマー、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンヒマシ油およびそれらの誘導体(例えば、Cremophor(登録商標)ELおよびCremophor(登録商標)RH40)、ビタミン−PEGおよびそれらの誘導体、合成レシチン、ジオレイン酸ジエチレングリコール、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、セチルピリジニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、オリーブ油、モノラウリン酸グリセリル、コーン油、綿実油、およびヒマワリ種子油が含まれる。上で言及した化合物の誘導体もあり得る。上で言及した化合物と本明細書に記載のその他のものとの組合せも、本発明の粒子中で表面改変剤として使用することができる。
【0122】
界面活性剤などの表面改変剤は、親水性−親油性バランス指数(HLB)によって特徴付けることができる。HLB値は、Griffin法(Griffin WC: "Classification of Surface-Active Agents by 'HLB,'" Journal of the Society of Cosmetic Chemists 1(1949):311;Griffin WC: "Calculation of HLB Values of Non-Ionic Surfactants," Journal of the Society of Cosmetic Chemists 5(1954):249)を使用し、等式2に示すように計算することができる。
【数1】
【0123】
特定の実施形態において、本明細書に記載の界面活性剤のHLB値は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約5、約7以下、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、または少なくとも約20である。特定の実施形態において、本明細書に記載の界面活性剤のHLB値は、約20以下、約19以下、約18以下、約17以下、約16以下、約15以下、約14以下、約13以下、約12以下、約11以下、約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、約5以下、約3以下、約2以下、または約1以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約8かつ約19以下のHLB値)も可能である。その他の範囲も可能である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の表面改変剤は安定剤(すなわち、安定化剤)である。安定剤は、典型的にはポリマーであり、明瞭な疎水性−親水性領域を有さなくてもよい。安定剤は、表面および界面上に非共有結合で吸着することができる。例えば、PVAは、水溶性非イオン性合成ポリマーであり、食品および薬品産業で安定剤として広く使用されている。PVAの親水性の度合は、その加水分解度を変えることによって改変することができ、PVAの化学構造および合成経路による。コーティング中で表面改変剤として使用するのに適した安定剤のその他の非限定的例には、ポリビニルピロリドン(本明細書に記載のような)が含まれる。上で言及した安定剤の誘導体もあり得る。上で言及した安定剤と本明細書に記載のその他のものとの組合せも、本発明の粒子中で表面改変剤として使用することができる。上で言及したポリマー、界面活性剤と本明細書に記載の安定剤との組合せも、表面改変剤として使用することができる。
【0124】
粘膜粘着性が低減された粒子
本明細書に記載のように、一部の実施形態において、方法は、その粘膜粘着性を低減することが望まれる粒子などの材料を突き止めることを含む。粘液中での拡散性の増加を必要とする材料は、例えば、疎水性であり、多くの水素結合の供与体または受容体を有し、かつ/または高度に帯電性である可能性がある。一部の事例では、材料として、結晶性または非晶性の固体材料を挙げることができる。芯として役立つ可能性のある材料は、本明細書に記載の適切なポリマーで被覆されていてもよく、それによって表面上に複数の表面改変部分を伴う粒子を形成し、粘液粘着性の低減をもたらすことができる。低減された粘液粘着性を有すると記載される本明細書中の粒子は、別法として、粘液中での輸送を増加させること、粘液中で移動性があるか、または粘液浸透性(すなわち、粘液浸透性粒子)であることとして特徴付けられ、粒子は、(陰性)対照粒子に比べて、より速く粘液中で輸送されることを意味する。(陰性)対照粒子は、粘液粘着性であることが知られている粒子、例えば、本明細書に記載のコーティングで被覆されていない非修飾粒子または芯、例えば200nmのカルボキシル化ポリスチレン粒子でよい。
【0125】
特定の実施形態において、本発明の方法は、修飾された物質からなる医薬組成物または製剤を、例えば、対象の粘液または粘膜表面に送達(例えば、局所送達)するために構成された製剤の状態で調製することを含む。表面改変部分を有する医薬組成物は、例えば、粘液粘着性が低減されているため、対象の粘膜表面に送達することができ、対象中の粘膜バリアを通過することができ、かつ/または粘膜表面での粒子の滞留を延長し、かつ/または均一な分布を増加させることができる。当業者にとって公知であるように、粘液は、ほとんどの外来粒子を捕捉する粘弾性のある粘着性物質である。捕捉された粒子は、下にある上皮に到達することができず、かつ/または粘液排除機構によって急速に排除される。粒子が下にある上皮に到達するため、および/または粒子が粘膜組織中に長く滞留するためには、粒子は、粘液分泌液に急速に浸透し、かつ/または粘液排除機構を回避しなければならない。粒子が粘液に実質的に粘着しないなら、粒子は、ムチン繊維間の間隙流体中に拡散し、下にある上皮に到達することができ、かつ/または粘液排除機構によって排除されない。したがって、粘液粘着性材料(例えば、疎水性である医薬品)を粒子の粘液粘着性を低減するための材料で修飾することは、下にある上皮への粒子の効率的な送達および/または粘膜表面での粒子の長い滞留を可能にすることができる。
【0126】
さらに、一部の実施形態において、粘液粘着性が低減された本明細書に記載の粒子は、より粘液粘着性である粒子に比較して、組織表面での粒子のより良好な分布を促進し、かつ/または組織表面での存在を延長する。例えば、一部の事例で、胃腸管などの管腔空間は、粘液で被覆された表面で取り囲まれている。このような空間に送達された粘液粘着性粒子は、身体の自然な排除機構によって、管腔空間および粘液で被覆された表面から典型的には除去される。粘液粘着性が低減された本明細書に記載の粒子は、粘液粘着性粒子に比較して、管腔空間に比較的より長期間留まることができる。この長い存在が、粒子の排除を防止または低減することができ、かつ/または組織表面上への粒子のより良好な分布を可能にすることができる。長い存在は、また、管腔空間中での粒子輸送に影響を及ぼすことができ、例えば、粒子は、粘液層中に分布することができ、かつ下にある上皮に到達することができる。
【0127】
特定の実施形態において、本明細書に記載のポリマーで被覆された材料(例えば、芯)は、対象中の粘液または粘膜バリアを通過し、かつ/または粘膜表面で粒子の長い滞留を呈示し、かつ/または粒子の均一な分布を増大させることができ、例えば、このような物質は、(陰性)対照粒子に比較して、対象の身体からより徐々に(少なくとも2倍、5倍、10倍、さらには少なくとも20倍より徐々に)排除される。(陰性)対照粒子は、粘液粘着性であることが知られている粒子、例えば、本明細書に記載のコーティングで被覆されていない非修飾粒子または芯、例えば、200nmのカルボキシル化ポリスチレン粒子でよい。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、次の通り定義される特定の相対速度<V
mean>
relを有する:
【数2】
式中、<V
mean>は、全平均軌跡平均速度であり、V
meanは、その軌跡にわたって平均化された個々の粒子の速度であり、サンプルは、注目の粒子であり、陰性対照は、200nmのカルボキシル化ポリスチレン粒子であり、陽性対照は、2kDa〜5kDaのPEGで密にPEG化された200nmのポリスチレン粒子である。
【0128】
相対速度は、試験サンプルの速度を陽性対照および陰性対照の双方の速度と比較するのに使用することができる。したがって、それは、速度データを、異なる供与者からの粘液サンプルにおける通常的な変動性に関して正規化し、粘液中の粒子の移動性を定義するための厳密な方式であると考えられる。相対速度は、多様な粒子追跡技法によって測定することができる。例えば、CCDカメラを具備した蛍光顕微鏡を使用して、各サンプル内のいくつかの領域から100Xの倍率下に、粒子、すなわちサンプル、陰性対照、および陽性対照のそれぞれの種類について、66.7msの時間分解能で15の動画(15コマ/秒)を記録することができる。サンプル、陰性および陽性対照は、軌跡を観察するための蛍光性粒子でよい。別法として、非蛍光性粒子を、蛍光性分子、蛍光性タグを付けた表面薬剤、または蛍光性タグを付けたポリマーで被覆することができる。最新の画像処理ソフトウェア(例えば、Image ProまたはMetaMorph)を使用して、多様な粒子の少なくとも3.335秒の時間尺度にわたる個々の軌跡(50コマ)を測定することができる。
【0129】
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、粘液中で、約0.3以上、約0.4以上、約0.5以上、約0.6以上、約0.7以上、約0.8以上、約0.9以上、約1.0以上、約1.1以上、約1.2以上、約1.3以上、約1.4以上、約1.5以上、約1.6以上、約1.7以上、約1.8以上、約1.9以上または約2.0以上の相対速度を有する。一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、粘液中で、約10.0以下、約8.0以下、約6.0以下、約4.0以下、約3.0以下、約2.0以下、約1.9以下、約1.8以下、約1.7以下、約1.6以下、約1.5以下、約1.4以下、約1.3以下、約1.2以下、約1.1以下、約1.0以下、約0.9以下、約0.8以下、または約1.7以下の相対速度を有する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約0.5以上かつ約6.0以下の相対速度)も可能である。その他の範囲も可能である。粘液は、例えば、ヒト頸膣粘液でよい。
【0130】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、粘液または粘膜バリア中で、対照粒子または対応粒子(例えば、非修飾であるおよび/または本明細書に記載のコーティングで被覆されていない対応粒子)に比べて、より大きな速度または拡散率で拡散することができる。一部の事例で、本明細書に記載の粒子は、粘液または粘膜バリアを、対照粒子または対応粒子に比べて、少なくとも約10倍、20倍、30倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、5000倍、10000倍、またはそれ以上である速度または拡散率で通過することができる。一部の事例で、本明細書に記載の粒子は、粘液または粘膜バリアを、対照粒子または対応粒子に比べて、約10000倍以下、約5000倍以下、約2000倍以下、約1000倍以下、約500倍以下、約200倍以下、約100倍以下、約50倍以下、約30倍以下、約20倍以下、または約10倍以下である速度または拡散率で通過することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、対照粒子または対応粒子に比べて少なくとも約10倍かつ約1000倍以下)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0131】
本明細書に記載の比較の目的に関して、対応粒子は、試験粒子とほぼ同一の大きさ、形状、および/または密度であるが、試験粒子を粘液中で移動性にするコーティングを欠いている。一部の事例で、測定は、約1秒、約0.5秒、約2秒、約5秒、または約10秒の時間尺度をベースにする。当業者は、二乗幾何平均変位および速度または拡散率を測定する方法を承知であろう。
さらに、本明細書に記載の粒子は、対応粒子または対照粒子に比べて、少なくとも約10倍、20倍、30倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、5000倍、10000倍、またはそれ以上である二乗幾何平均変位で、粘液または粘膜バリアを通過できる。一部の事例で、本明細書に記載の粒子は、対照粒子または対応粒子に比べて、約10000倍以下、約5000倍以下、約2000倍以下、約1000倍以下、約500倍以下、約200倍以下、約100倍以下、約50倍以下、約30倍以下、約20倍以下、または約10倍以下である二乗幾何平均変位で粘液または粘膜バリアを通過することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、対照粒子または対応粒子に比べて、少なくとも約10倍かつ約1000倍以下)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0132】
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、前記粒子が水中を拡散できる速度または拡散率にほぼ等しい速度で粘膜バリア中を拡散する。一部の事例で、本明細書に記載の粒子は、粒子が同一条件下で水中を拡散する拡散率の約1/100以下、約1/200以下、約1/300以下、約1/400以下、約1/500以下、約1/600以下、約1/700以下、約1/800以下、約1/900以下、約1/1000以下、約1/2000以下、約1/5000以下、約1/10,000以下である速度または拡散率で、粘膜バリアを通過することができる。一部の事例で、本明細書に記載の粒子は、粒子が同一条件下で水中を拡散する拡散率の約1/10,000以上、約1/5000以上、約1/2000以上、約1/1000以上、約1/900以上、約1/800以上、約1/700以上、約1/600以上、約1/500以上、約1/400以上、約1/300以上、約1/200以上、または約1/100以上である速度または拡散率で、粘膜バリアを通過することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、粒子が同一条件下で水中を拡散する拡散率の約1/5000以上かつ1/500未満)も可能である。その他の範囲も可能である。測定は、約1秒、約0.5秒、約2秒、約5秒、または約10秒の時間尺度をベースにすることができる。
【0133】
個々の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、粒子が水中を拡散する拡散率の約1/500未満である拡散率で、ヒト頸膣粘液中を拡散することができる。一部の事例で、測定は、約1秒、約0.5秒、約2秒、約5秒、または約10秒の時間尺度をベースにすることができる。
特定の実施形態において、本発明は、ヒト頸膣粘液などの粘液中を、特定の絶対拡散率で移動する粒子を提供する。例えば、本明細書に記載の粒子は、少なくとも約1×10
-4μm/秒、2×10
-4μm/秒、5×10
-4μm/秒、1×10
-3μm/秒、2×10
-3μm/秒、5×10
-3μm/秒、1×10
-2μm/秒、2×10
-2μm/秒、4×10
-2μm/秒、5×10
-2μm/秒、6×10
-2μm/秒、8×10
-2μm/秒、1×10
-1μm/秒、2×10
-1μm/秒、5×10
-1μm/秒、1μm/秒、または2μm/秒の拡散率で移動できる。一部の事例で、粒子は、約2μm/秒以下、約1μm/秒以下、約5×10
-1μm/秒以下、約2×10
-1μm/秒以下、約1×10
-1μm/秒以下、約8×10
-2μm/秒以下、約6×10
-2μm/秒以下、約5×10
-2μm/秒以下、約4×10
-2μm/秒以下、約2×10
-2μm/秒以下、約1×10
-2μm/秒以下、約5×10
-3μm/秒以下、約2×10
-3μm/秒以下、約1×10
-3μm/秒以下、約5×10
-4μm/秒以下、約2×10
-4μm/秒以下、または約1×10
-4μm/秒以下の拡散率で移動できる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約2×10
-4μm/秒以上かつ約1×10
-1μm/秒以下)も可能である。その他の範囲も可能である。一部の事例で、測定は、約1秒、約0.5秒、約2秒、約5秒、または約10秒の時間尺度をベースにしている。
【0134】
本明細書に記載の移動度(例えば、相対速度、拡散率)の多くは、ヒト頸膣粘液中で測定できるが、それらの移動度は、その他の種類の粘液中でも同様に測定できることを理解されたい。
【0135】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、表面改変部分を所定の密度で含む。表面改変部分は、例えば、粒子を含む溶媒に暴露される表面改変剤の一部でよい。例として、PVAの加水分解された単位/ブロックは、表面改変剤PVAの表面改変部分であり得る。別の例で、PEG部分は、表面改変剤PEG−PPO−PEGの表面改変部分であり得る。一部の事例で、表面改変部分および/または表面改変剤は、nm
2当たりの単位または分子数で、少なくとも約0.001、少なくとも約0.002、少なくとも約0.005、少なくとも約0.01、少なくとも約0.02、少なくとも約0.05、少なくとも約0.1、少なくとも約0.2、少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約50、少なくとも約100個、またはそれ以上の密度で存在する。一部の事例で、表面改変部分および/または表面改変剤は、nm
2当たりの単位または分子数で、約100以下、約50以下、約20以下、約10以下、約5以下、約2以下、約1以下、約0.5以下、約0.2以下、約0.1以下、約0.05以下、約0.02以下、または約0.01以下の密度で存在する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、nm
2当たりの単位または分子数で少なくとも約0.01かつ約1以下)も可能である。その他の範囲も可能である。一部の実施形態において、上記の密度値は、表面改変剤が溶液中で他の成分と平衡状態で存在する場合の平均密度でよい。
【0136】
当業者は、表面改変部分の平均密度を推定する方法を承知しているであろう(例えば、そのそれぞれが、参照により本明細書に組み込まれる、S.J. Budijono et al., Colloids and Surfaces A: Physicochem. Eng. Aspects 360(2020)105-110、およびJoshi, et al., Anal. Chim. Acta 104 (1979)153-160を参照されたい)。例えば、本明細書に記載のように、表面改変部分の平均密度は、HPLC定量およびDLS分析を使用して測定することができる。表面密度の測定が課題となる粒子の懸濁液を、まずDLSを使用して大きさで分類する:少量を適切な濃度(例えば、約100μg/mL)まで希釈し、z平均直径を粒径の代表測定値と見なす。次いで、残りの懸濁液を2つのアリコートに分割する。HPLCを使用して、第1アリコートを、芯材量の全濃度について、および表面改変部分の全濃度についてアッセイする。再度HPLCを使用して、第2アリコートを、遊離または非拘束の表面改変部分の濃度についてアッセイする。第2アリコートから遊離または非拘束の表面改変部分のみを得るため、粒子、それゆえ任意の拘束された表面改変部分を、超遠心によって除去する。表面改変部分の全濃度から非拘束の表面改変部分の濃度を差し引くことによって、拘束された表面改変部分の濃度を求めることができる。芯材料の全濃度も、第1アリコートから求めたので、芯材料と表面改変部分との間の質量比率を求めることができる。表面改変部分の分子量を利用して、芯材料の質量に対する表面改変部分の数を計算することができる。この数を表面密度の測定に転用するために、芯材料の質量当たりの表面積を計算する必要がある。粒子の体積は、芯材料の質量当たりの表面積の計算を可能にするDLSから得られる直径を有する球のそれとして近似される。この方式で、表面積当たりの表面改変部分の数を求めることができる。
【0137】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子は、粒子のゼータ電位に影響を及ぼす表面改変部分および/または表面改変剤を含む。被覆された粒子のゼータ電位は、例えば、少なくとも約−100mV、少なくとも約−75mV、少なくとも約−50mV、少なくとも約−40mV、少なくとも約−30mV、少なくとも約−20mV、少なくとも約−10mV、少なくとも約−5mV、少なくとも約5mV、少なくとも約10mV、少なくとも約20mV、少なくとも約30mV、少なくとも約40mV、少なくとも約50mV、少なくとも約75mV、または少なくとも約100mVでよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約−50mVかつ約50mV以下のゼータ電位)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0138】
本明細書に記載の被覆された粒子は、任意の適切な形状および/または大きさを有することができる。一部の実施形態において、被覆された粒子は、芯の形状に実質上類似した形状を有する。一部の事例で、本明細書に記載の被覆された粒子は、ナノ粒子でよい、すなわち、粒子は、約1μm未満の特徴的な寸法を有し、粒子の特徴的な寸法は、粒子と同一の体積を有する完全球の直径である。他の実施形態において、より大きな大きさもあり得る(例えば、約1〜10μm)。複数の粒子は、一部の実施形態において、平均サイズで特徴づけることもできる(例えば、複数の粒子についての平均最大断面寸法、または平均最小断面寸法)。複数の粒子は、例えば、約10μm以下、約5μm以下、約1μm以下、約800nm以下、約700nm以下、約500nm以下、400nm以下、300nm以下、約200nm以下、約100nm以下、約75nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約35nm以下、約30nm以下、約25nm以下、約20nm以下、約15nm以下、または約5nm以下の平均サイズを有することができる。一部の事例で、複数の粒子は、例えば、少なくとも約5nm、少なくとも約20nm、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm、少なくとも約200nm、少なくとも約300nm、少なくとも約400nm、少なくとも約500nm、少なくとも約1μm、または少なくとも約5μmの平均サイズを有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約50nmかつ約500n以下の平均サイズ)も可能である。その他の範囲も可能である。一部の実施形態において、本明細書に記載の方法で形成される芯の大きさは、ガウス型分布を有する。
【0139】
医薬品
一部の実施形態において、被覆された粒子は、少なくとも1種の医薬品を含む。医薬品は、粒子の芯中に、および/または粒子のコーティング中に存在することができる(例えば、芯および/またはコーティングの全体に分散されて)。一部の事例で、医薬品は、粒子の表面上に(例えば、コーティングの外側表面上、コーティングの内側表面、芯の表面上に)配置することができる。医薬品は、一般に公知である技法(例えば、コーティング、吸着、共有結合、封入、またはその他の方法)を使用して、粒子内に含められ、かつ/または粒子の一部に配置されることができる。一部の事例で、医薬品は、粒子を被覆する前または間に、粒子の芯中に存在することができる。一部の事例で、医薬品は、本明細書に記載のように、粒子の芯を形成する際に存在する。
医薬品の非限定的例には、造影用薬剤、診断用薬剤、治療用薬剤、検出可能な標識を有する薬剤、核酸、核酸類似体、小分子、ペプチド模倣体、タンパク質、ペプチド、脂質、ワクチン、ウイルスベクター、ウイルス、および界面活性剤が含まれる。
【0140】
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に含められる医薬品は、標的とされる予定の粘膜組織中で治療、診断、または造影効果を有する。粘膜組織の非限定的例には、口腔(例えば、口内および食道膜および扁桃表面を含む)、眼、消化管(例えば、胃、小腸、大腸、結腸、直腸を含む)、鼻、呼吸器(例えば、鼻、咽頭、気管および気管支の膜)、および生殖器(例えば、膣、頸管および尿道の膜)の組織が含まれる。
任意の適切な数の医薬品が、本明細書に記載の粒子中に存在することができる。例えば、少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、またはそれ以上であるが、一般には10種未満の医薬品が、本明細書に記載の粒子中に存在することができる。
【0141】
粘液粘着性である多くの薬物が、当技術分野で公知であり、本明細書に記載の粒子中で医薬品として使用することができる(例えば、Khanvilkar K, Donovan MD, Flanagen DR, Drug transfer through mucus, Advanced Drug Delivery Reviews 48 (2001) 173-193;Bhat PG, Flanagan DR, Donovan MD. Drug diffusion through cystic fibrotic mucus: steady-state permeation, rheologic properties, and glycoprotein morphology, J Pharm Sci, 1996 Jun;85(6):624-30を参照されたい)。医薬品のさらなる非限定的例には、造影および診断用薬剤(放射線不透過剤、標識化抗体、標識化核酸プローブ、着色または蛍光色素などの色素、等々)、ならびに補助薬(放射線増感剤、トランスフェクション増強剤、走化性薬剤および走化性誘引剤、細胞粘着および/または細胞移動性を調節するペプチド、細胞浸透化剤、ワクチン増強剤、多剤耐性抑制剤および/または流出ポンプ阻害剤、等々)が含まれる。
【0142】
医薬品のさらなる非限定的例には、パゾパニブ、ソラフェニブ、ラパチニブ、フルオシノロンアセトニド、セマキサニブ、アキシチニブ、チボザニブ、セジラニブ、リニファニブ、レゴラフェニブ、テラチニブ、バタラニブ、MGCD−265、OSI−930、KRN−633、ビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト、アロキシプリン、アウラノフィン、アザプロパゾン、ベノリレート、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェンカルシウム(calcim)、フルルビプロフェン、フロセミド、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、エタボン酸ロテプレドノール、ブロムフェナクベリリウム、ブロムフェナクマグネシウム、ブロムフェナクカルシウム、ブロムフェナクストロンチウム、ブロムフェナクバリウム、ブロムフェナク亜鉛、ブロムフェナク銅(II)、ジクロフェナク遊離酸、ジクロフェナクベリリウム、ジクロフェナクマグネシウム、ジクロフェナクカルシウム、ジクロフェナクストロンチウム、ジクロフェナクバリウム、ジクロフェナク亜鉛、ジクロフェナク銅(II)、ケトロラク遊離酸、ケトロラクベリリウム、ケトロラクマグネシウム、ケトロラクカルシウム、ケトロラクストロンチウム、ケトロラクバリウム、ケトロラク亜鉛、ケトロラク銅(II)、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、アルベンダゾール、ヒドロキシナフトエ酸ベフェニウム、カンベンダゾール、ジクロロフェン、イベルメクチン、メベンダゾール、オキサムニキン、オクスフェンダゾール、エンボン酸オキサンテル、プラジカンテル、エンボン酸ピランテル、チアベンダゾール、アミオダロンHCl、ジソピラミド、酢酸フレカイニド、硫酸キニジンが含まれる。抗菌剤:ベネタミンペニシリン、シノキサシン、シプロフロキサシンHCl、クラリスロマイシン、クロファジミン、クロキサシリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、エチオナミド、イミペネム、ナリジクス酸、ニトロフラントイン、リファンピシン、スピラマイシン、スルファベンズアミド、スルファドキシン、スルファメラジン、スルフアセトアミド、スルファジアジン、スルファフラゾール、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、テトラサイクリン、トリメトプリム、ジクマロール、ジピリダモール、ニクマロン、フェニンジオン、アモキサピン、マプロチリンHCl、ミアンセリンHCl、ノルトリプチリンHCl、トラゾドンHCl、マレイン酸トリミプラミン、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド、トラザミド、トルブタミド、ベクラミド、カルバマゼピン、クロナゼパム、エトトイン、メトイン、メススキシミド、メチルフェノバルビトン、オクスカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェノバルビトン、フェニトイン、フェンスキシミド、プリミドン、スルチアム、バルプロ酸、アンホテリシン、硝酸ブトコナゾール、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナタマイシン、ナイスタチン、硝酸スルコナゾール、テルビナフィンHCl、テルコナゾール、チオコナゾール、ウンデセン酸、アロプリノール、プロベネシド、スルフィン−ピラゾン、アムロジピン、ベニジピン、ダロジピン、ジリタゼムHCl、ジアゾキシド、フェロジピン、酢酸グアナベンズ、イスラジピン、ミノキシジル、ニカルジピンHCl、ニフェジピン、ニモジピン、フェノキシベンズアミンHCl、プラゾシンHCl、レセルピン、テラゾシンHCl、アモジアキン、クロロキン、クロルプログアニルHCl、ハロファントリンHCl、メフロキンHCl、ログアニルHCl、プリメタミン、硫酸キニン、メシル酸ジヒドロエルゴタミン、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸メチセルギド、マレイン酸ピゾチフェン、コハク酸スマトリプタン、アトロピン、ベンズヘキソールHCl、ビペリデン、エトプロパジンHCl、ヒオスシアミン、メペンゾレートブロミド、オキシフェンシルシミンHCl、トロピカミド、アミノグルテチミド、アムサクリン、アザチオプリン、ブスルファン、クロランブシル、シクロスポリン、ダカルバジン、エストラムスチン、エトポシド、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトザントロン、プロカルバジンHCl、クエン酸タモキシフェン、テストラクトン、ベンズニダゾール、クリオキノール、デコキネート、ジヨードヒドロキシキノリン、フロ酸ジロキサニド、ジニトルミド、フルゾリドン、メトロニダゾール、ニモラゾール、ニトロフラゾン、オルニダゾール、チニダゾール、カルビマゾール、プロピルチオウラシル、アルプラゾラム、アミロバルビトン、バルビトン、ベンタゼパム、ブロマゼパム、ブロムペリドール、ブロチゾラム、ブトバルビトン、カルブロマール、クロルジアゼポキシド、クロルメチアゾール、クロルプロマジン、クロバザム、クロチアゼパム、クロザピン、ジアゼパム、ドロペリドール、エチナメート、フルナニゾン、フルニトラゼパム、フルオプロマジン、デカン酸フルペンチキソル、デカン酸フルフェナジン、フルラゼパム、ハロペリドール、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、メプロバメート、メタカロン、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、ペントバルビトン、ペルフェナジンピモジド、プロクロルペラジン、スルピリド、テマゼパム、チオリダジン、トリアゾラム、ゾピクロン、アセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ピンドロール、プロプラノロール、アムリノン、ジギトキシン、ジゴキシン、エノキシモン、ラナトシドC、メジゴキシン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、酢酸コルチゾン、デゾキシメタゾン、デキサメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、フルニソリド、フルコルトロン、プロピオン酸フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、アセタゾラミド、アミロリド、ベンドロフルアジド、ブメタニド、クロロチアジド、クロルサリドン、エタクリン酸、フルセミド、メトラゾン、スピロノラクトン、トリアムテレン、メシル酸ブロモクリプチン、マレイン酸リスリド、ビサコジル、シメチジン、シサプリド、ジフェノキシレートHCl、ドンペリドン、ファモチジン、ロペラミド、メサラジン、ニザチジン、オメプラゾール、オンダンセルトンHCl、ラニチジンHCl、スルファサラジン、アクリバスチン、アステミゾール、シンナリジン、シクリジン、シプロヘプタジエン(cyproheptadie)HCl、ジメンヒドリネート、フルナリジンHCl、ロラタジン、メクロジンHCl、オキサトミド、テルフェナジン、ベザフィブレート、クロフィブレート、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、プロブコール、硝酸アミル、三硝酸グリセリル、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、β−カロテン、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、コデイン、デキストロプロピオキシフェン、ジアモルフィン、ジヒドロコデイン、メプタジノール、メタドン、モルフィン、ナルブフィン、ペンタゾシン、クエン酸クロミフェン、ダナゾール、エチニルエストラジオール、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノール、メチルテストステロン、ノルエチステロン、ノルゲストレル、エストラジオール、結合型エストロゲン(oestrogens)、プロゲステロン、スタノゾロール、スチルベストロール(stibestrol)、テストステロン、チボロン、アンフェンタミン、デクスアンフェタミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、およびマジンドールが含まれる。
【0143】
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬、血管新生阻害薬、グルココルチコイド受容体作動薬、プロスタグランジン類似体、β−遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)阻害薬、カルシニューリン阻害薬、Rhoキナーゼ阻害薬、ビタミン、ミネラル、抗ヒスタミン薬、肥満細胞安定剤、免疫抑制薬、免疫調節薬、α−遮断薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬、コリン作動薬、抗コリンエステラーゼ薬、ムスカリン拮抗薬、交感神経興奮薬、およびこれらの組合せでよい。
【0144】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、コルチコステロイドである。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するコルチコステロイドは、エタボン酸ロテプレドノール、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、チクソコルトール、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニド、フルオシノロン、ハルシノニド、ベタメタゾン、デキサメタゾン、フルオコルトロン、ヒドロコルチゾン、アクロメタゾン、プレドニカルベート、クロベタゾン、クロベタゾール、フルプレドニデン、グルココルチコイド、ミネラロコルチコイド、アルドステロン、デオキシコルチコステロン、フルドロコルチゾン、ハロベタゾール、ジフロラゾン、デソキシメタゾン、フルチカゾン、フルランドレノリド、アルクロメタゾン、ジフルコルトロン、フルニソリド、ベクロメタゾン、ジフルプレドネート、酢酸プレドニゾロン、リメキソロン、デキサメタゾン、フルオロメトロン、またはこれらの組合せから選択される。
【0145】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、NSAIDである。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するNSAIDは、ブロムフェナク、ジクロフェナク、ケトロラク、フルルビプロフェン、ネパフェナク、スプロフェン、これらの塩(例えば、これらのアルカリ土類金属塩)、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するRTK阻害薬は、ソラフェニブ、リニファニブ、MGCD−265、パゾパニブ、セジラニブ、アキシチニブ、TAK−285(武田)、TAK−593(武田)、AGN−199659(Allergan)、レスタウルチニブ、チバンチニブ、ラパチニブ、パニツムマブ、イマチニブ、ニロチニブ、アファチニブ、ベバシズマブ、レゴラフェニブ、バンデタニブ、スニチニブ、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するCOX阻害薬は、ブロムフェナク、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、フィロコキシブ、スプロフェン、およびこれらの組合せから選択される。
【0146】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、血管新生阻害薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する血管新生阻害薬は、ソラフェニブ、リニファニブ、MGCD−265(MethylGene)、パゾパニブ、セジラニブ、アキシチニブ、スクアラミン、乳酸スクアラミン、チボザニブ、セマキサニブ、ラパチニブ、レゴラフェニブ、テラチニブ、バタラニブ、OSI−930(Astellas)、KRN−633(キリンビール)、NRP−1、アンジオポイエチン2、TSP−1、TSP−2、アンジオスタチン、エンドスタチン、バソスタチン、カルレチクリン、血小板因子−4、TIMP、CDAI、Meth−1、Meth−2、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、CXCL10、IL−4、IL−12、IL−18、プロトロンビン、アンチトロンビンIIIフラグメント、プロラクチン、VEGI、SPARC、オステオポンチン、マスピン、カンスタチン、プロリフェリン関連タンパク質、レスチン、TAK−285(武田)、TAK−593(武田)、AGN−199659(Allergan)、iSONEP(Lpath)、MC−1101(MacuCLEAR)、ESBA1008(Alcon)、X−82およびラニビズマブ、ベバシズマブ、バンデタニブ、ラニビズマブ、アフリベルセプト、ペガプタニブ、セツキシマブ、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、グルココルチコイド受容体作動薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するグルココルチコイド受容体作動薬は、マプラコラト、リメキソロン、プレドニゾン、デキサメタゾン、フルオロメトロン、メドリゾン、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、プロスタグランジン類似体である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するプロスタグランジン類似体は、ラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、ビマトプロスト、およびこれらの組合せから選択される。
【0147】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、β−遮断薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するβ−遮断薬は、アルプレノロール、ブシンドロール、カルテオロール、カルベジロール、ラベタロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロール、チモロール、マレイン酸チモロール、杜仲樹皮、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、セリプロロール、エスモロール、メトプロロール、ネビボロール、ブタキサミン、ICI−118,551(Imperial Chemical Industries)、SR59230A(Sanofi Recherche)、レボブノロール、メチプラノロール、カルテオロール、ベタキソロール、およびこれらの組合せから選択される。
【0148】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、炭酸脱水酵素阻害薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する炭酸脱水酵素阻害薬は、アセタゾラミド、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、ドルゾラミド+チモロール、メタゾラミド、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)阻害薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するmTOR阻害薬は、タクロリムス、シロリムス、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、カルシニューリン阻害薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するカウシニューリン阻害薬は、ボクロスポリン、シクロスポリン、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、Rhoキナーゼ阻害薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するRhoキナーゼ阻害薬は、SNJ−1656(千寿製薬)、AR−12286(Aerie Pharmaceuticals)、AR−13324(Aerie Pharmaceuticals)、およびこれらの組合せから選択される。
【0149】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、ビタミンである。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するビタミンは、ビタミンA、ビタミンB
1、ビタミンB
2(リボフラビン)、ビタミンB
6、ビタミンB
12、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、ビタミンK、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、ミネラルである。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するミネラルは、亜鉛である。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、抗ヒスタミン薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する抗ヒスタミン薬は、二フマル酸エメダスチン、塩酸レボカバスチン、クロモリンナトリウム、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、肥満細胞安定剤である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する肥満細胞安定剤は、ロドキサミドトロメタミン、ペミロラスト、ネドクロミル、塩酸オロパタジン、フマル酸ケトチフェン、アゼラスチン、エピナスチン、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、免疫抑制薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する免疫抑制薬は、フルオロウラシル、マイトマイシン、およびこれらの組合せから選択される。
【0150】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、免疫調節薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する免疫調節薬は、シクロスポリンである。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、α−遮断薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するα−遮断薬は、ダピプラゾールである。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、抗菌薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する抗菌薬は、バシトラシン亜鉛、クロラムフェニコール、塩酸シプロフロキサシン、エリスロマイシン、ガチフロキサシン、硫酸ゲンタマイシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、スルファセタミドナトリウム、ポリミキシンB合剤、硫酸トブラマイシン、およびこれらの組合せから選択される。
【0151】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、抗ウイルス薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する抗ウイルス薬は、トリフルリジン、ビダラビン、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、フォスカルネット、ガンシクロビル、フォルミビルセン、シドフォビル、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、抗真菌薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する抗真菌薬は、アンホテリシンB、ナタマイシン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、コリン作動薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するコリン作動薬は、アセチルコリン、カルバコール、ピロカルピン、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、抗コリンエステラーゼ薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する抗コリンエステラーゼ薬は、フィソスチグミン、エコチオフェート、およびこれらの組合せから選択される。
【0152】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、ムスカリン拮抗薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在するムスカリン拮抗薬は、アトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、シクロペントレート、トロピカミド、およびこれらの組合せから選択される。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、交感神経興奮薬である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する交感神経興奮薬は、ジピベフリン、エピネフリン、フェニレフリン、アプラクロニジン、ブリモニジン、コカイン、ヒドロキシアンフェタミン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、およびこれらの組合せから選択される。
本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、また、本明細書に記載の、または当技術分野で公知のその他の化合物を含むことができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子中に存在する医薬品は、ミクロプラスミンまたはCLG561(Alcon)である。
【0153】
用途および医薬組成物
本明細書に記載の粒子は、任意の適切な適用分野で採用することができる。一部の事例で、粒子は、医薬組成物(例えば、本明細書に記載のような)、例えば、医薬品(例えば、薬物、治療用薬剤、診断用薬剤、造影用薬剤)を粘液または粘膜表面を通って、またはそれらに送達するのに使用される医薬組成物の一部である。医薬組成物は、少なくとも1種の本明細書に記載の粒子、および1種または複数の薬学上許容される賦形剤または担体を含むことができる。組成物は、対象の状態を治療、予防、および/または診断する際に使用することができ、方法は、対象に医薬組成物を投与することを含む。本明細書に記載の物品および方法によって治療される予定の対象または患者は、霊長類、哺乳動物、および脊椎動物など、ヒトまたは非ヒト動物を意味することができる。
【0154】
対象を治療することに関連する方法は、疾患、障害および/または状態にかかりやすい可能性はあるが、それらを有するとは診断されなかった対象における疾患、障害または状態の発症を予防すること;疾患、障害または状態を抑制すること、例えば、その進行を遅らせること;ならびに疾患、障害または状態を軽減すること、例えば、疾患、障害および/または状態の退縮をもたらすことを含むことができる。疾患または状態を治療することは、たとえ根底にある病態生理学に影響を及ぼさなくても、個々の疾患または状態の少なくとも1種の症状を改善すること(例えば、このような薬剤が疼痛の原因を治療することはないにしても鎮痛薬を投与することによって対象の疼痛を治療するような)を含む。
一部の実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物は、例えば低減された粘液粘着性のため、対象中の粘膜表面に送達され、対象中の粘膜バリア(例えば、粘液)を通過することができ、かつ/または粘膜表面で粒子の長い滞留および/または均一分布の増加を呈示することができる。粘膜組織の非限定的例には、口腔(例えば、頬側および食道の膜、ならびに扁桃表面を含む)、眼、消化管(例えば、胃、小腸、大腸、結腸、直腸を含む)、鼻腔、呼吸器(例えば、鼻腔、咽頭、気管および気管支の膜を含む)、生殖器(例えば、膣、頸管および尿道の膜を含む)が含まれる。
【0155】
本明細書に記載され、かつ本明細書に記載の物品および方法により使用するための医薬組成物は、薬学上許容される賦形剤または担体を含むことができる。薬学上許容される賦形剤または薬学上許容される担体としては、任意の適切な種類の非毒性で不活性な固体、半固体または液体状充填剤、希釈剤、封入用材料または製剤用補助剤を挙げることができる。薬学上許容される担体として役立つことのできる材料の若干の例が、糖(ラクトース、グルコースおよびスクロースなど)、デンプン(コーンスターチおよび馬鈴薯デンプンなど)、セルロースおよびその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなど)、粉末トラガカントゴム、麦芽、ゼラチン、タルク、カカオバターおよび坐薬用ワックスなどの賦形剤、油(ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびダイズ油など)、グリコール(プロピレングリコールなど)、エステル(オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなど)、寒天、界面活性剤(Tween80など)、緩衝剤(水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなど)、アルギン酸、パイロジェン不含水、等張生理食塩水、Ringer溶液、エチルアルコール、リン酸緩衝溶液であり、その他の非毒性で適合性のある滑沢剤(ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなど)、着色剤、放出剤、被覆剤、甘味剤、風味剤および芳香剤、保存剤および酸化防止剤も、製剤業者の判断により組成物中に存在することができる。当業者に認識されているように、賦形剤は、後で説明するような投与経路、送達される医薬品、薬剤送達のタイムコース、等々に基づいて選択することがでる。
【0156】
本明細書に記載の粒子を含む医薬組成物は、当技術分野で公知の任意の経路を経て対象に投与することができる。これらの経路としては、限定はされないが、経口、舌下、経鼻、皮内、皮下、筋内、経直腸、経膣、静脈内、動脈内、槽内、腹腔内、硝子体内、眼周囲、局所(散剤、クリーム剤、軟膏剤、または点滴剤として)、頬側、および吸入投与が挙げられる。一部の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、注射剤(静脈内、筋内または皮下)、点滴輸液調合物、または坐剤のように非経口で投与することができる。当業者に認識されているように、所望の生物学的効果を達成するための投与経路および有効投与量は、投与される薬剤、標的器官、投与される調合物、投与のタイムコース、治療される疾患、意図した用途、等々によって決めることができる。
例として、粒子を、経鼻スプレーとして製剤化される予定の医薬組成物中に、医薬組成物が鼻腔粘液層を横切って送達されるように含めることができる。別の例として、粒子を、吸入剤として製剤化される予定の医薬組成物中に、医薬組成物が肺粘液層を横切って送達されるように含めることができる。別の例として、組成物を経口で投与する予定なら、組成物を、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、またはシロップ剤として製剤化することができる。同様に、粒子を、眼、消化管、鼻腔、呼吸器、直腸、尿道および/または膣組織を経て送達する予定の医薬組成物中に含めることができる。
【0157】
眼粘液膜経路によって適用するため、対象組成物を、点眼薬または眼用軟膏として製剤化することができる。これらの製剤は、従来の手段で調製することができ、所望なら、対象組成物を、緩衝またはpH調整剤、張性調節剤、粘度調整剤、懸濁安定化剤、保存剤、およびその他の医薬用賦形剤などの、任意の従来の添加物と混合することができる。さらに、特定の実施形態において、本明細書に記載の対象組成物を、凍結乾燥するか、または噴霧乾燥などの別の適切な乾燥技法にかけることができる。
一部の実施形態において、吸入薬またはエアロゾル製剤の状態で投与できる本明細書に記載の粒子は、吸入療法で有用な補助薬、診断用薬剤、造影用薬剤、または治療用薬剤などの1種または複数の医薬品を含む。粒子状薬剤の粒径は、エアロゾル製剤の投与により、実質上すべての薬剤の肺中への吸入を可能にするようでなければならず、例えば、約20μm未満、例えば、約1〜約10μm、例えば、約1〜約5μmでよいが、その他の範囲もあり得る。薬剤の粒径は、従来の手段で、例えば粉砕またはミクロ化によって縮小することができる。別法として、粒子状薬剤を、懸濁液の霧化により肺へ投与することができる。最終的なエアロゾル製剤は、製剤の総重量に対して重量/重量%で、例えば、0.005〜90%、0.005〜50%、0.005〜10%、約0.005〜5%、または0.01〜1.0%の薬剤を含むことができる。その他の範囲も可能である。
【0158】
本明細書に記載の製剤は、成層圏のオゾンの分解を誘発する可能性のある成分を含まないことが望ましいが、必須ではない。とりわけ、一部の実施形態において、CCl
3F、CCl
2F
2、およびCF
3CCl
3などのクロロフルオロカーボンを含まないか、本質的にそれらから構成されることはない噴射剤が、選択される。
【0159】
エアロゾルは、噴射剤を含むことができる。噴射剤は、噴射剤よりもより高い極性および/またはより高い沸点を有する補助薬を含んでいてもよい。使用できる極性補助薬としては、(例えば、C
2-6)脂肪族アルコールおよびポリオール、例えば、エタノール、イソプロパノールおよびプロピレングリコール、好ましくはエタノールが挙げられる。一般に、ほんの少量(例えば、0.05〜3.0重量/重量%)極性補助薬が、分散液の安定性を改善するに必要とされる可能性があり、5重量/重量%の過剰量で使用すると、薬剤を溶解してしまう傾向があり得る。本明細書に記載の実施形態による製剤は、約1重量/重量%未満、例えば、約0.1重量/重量%の極性補助薬を含むことができる。しかし、本明細書に記載の製剤は、極性補助薬、特にエタノールを実質上含まなくてもよい。適切な揮発性補助薬としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタンおよびイソペンタンなどの飽和炭化水素、ならびにジメチルエーテルなどのアルキルエーテルが挙げられる。一般に、噴射剤の50重量/重量%までの揮発性補助薬、例えば、30重量/重量%までの揮発性飽和C
1−C
6炭化水素を含むことができる。任意選択で、本発明によるエアロゾル製剤は、さらに、1種または複数の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、吸入による投与に生理学上許容されることがある。この範疇に含まれる界面活性剤としては、例えば、L−α−ホスファチジルコリン(PC)、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、オレイン酸、トリオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、天然レシチン、オレイルポリオキシエチレンエーテル、ステアリルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロックコポリマー、合成レシチン、ジオレイン酸ジエチレングリコール、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール400、セチルピリジニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、オリーブ油、モノラウリン酸グリセリル、コーン油、綿実油、およびヒマワリ種子油が含まれる。
【0160】
本明細書に記載の製剤は、適切な容器中の選択された噴射剤および/または噴射助剤中に、例えば、超音波処理の助けを借りて、粒子を分散させることによって調製することができる。粒子を、噴射助剤中に懸濁し、適切な容器中に充填することができる。次いで、容器のバルブを所定の位置に取り付け、噴射剤を加圧し、バルブを通して従来の方式で充填することにより導入する。かくして、粒子を、液化された噴射剤中に懸濁または溶解し、定量バルブを備え作動装置に適合した容器中に密閉する。このような定用量吸入器は、当技術分野で周知である。計量バルブは、10〜500μL、好ましくは25〜150μLを計量して供給することができる。特定の実施形態において、分散は、粒子(乾燥粉末として留まる)のための乾燥粉末吸入器(例えば、回転吸入器)を使用して達成することができる。他の実施形態では、ナノ球を水性流体中に懸濁させ、肺中でエアロゾル化される予定の微細小滴に霧化することができる。
粒子の分解をもたらす可能性のある剪断に薬剤を暴露することを最小化するので、音波式ネブライザーを使用することもできる。通常、水性エアロゾルは、粒子の水性溶液または懸濁液を薬学上許容される従来の担体および安定剤と一緒にして製剤化することによって調製される。担体および安定剤は、個々の組成物の要件により相違するが、典型的には、非イオン性界面活性剤(Tween、Pluronic(登録商標)、またはポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害なタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝剤、塩類、糖、または糖アルコールが挙げられる。エアロゾルは、一般に、等張溶液から調製される。
【0161】
経口投与用の液状剤形としては、薬学上許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。活性成分(すなわち、ミクロ粒子、ナノ粒子、リポソーム、ミセル、ポリヌクレオチド/脂質複合体)に加えて、液状剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水またはその他の溶媒;可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(とりわけ、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ソルビタンのポリエチレングリコールと脂肪酸とのエステル、およびこれらの組合せを含むことができる。不活性希釈剤の他にも、経口組成物は、湿潤化剤、乳化および懸濁剤、甘味剤、風味剤、ならびに芳香剤などの補助薬を含むこともできる。
【0162】
注射可能な調合物、例えば、注射可能な滅菌水性または油性懸濁液は、適切な分散または湿潤化剤および懸濁剤を使用し、公知の技術により製剤化することができる。注射可能な滅菌調合物は、また、非経口で許容される非毒性の希釈剤または溶媒中の溶液注射可能な溶液、懸濁液、または乳液、例えば1,3−ブタンジオール中溶液でよい。採用できる許容される媒体および溶媒としては、数ある中でも、水、リンガー溶液、米国薬局方溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌した不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として通常的に採用される。この目的の場合、合成のモノまたはジグリセリドをはじめとする任意の刺激の強くない不揮発性油を採用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射可能物質の調合物中で使用される。特定の実施形態において、粒子は、1(重量/容積)%のカルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.1(容積/容積)%のTween80を含む担体流体中に懸濁される。
【0163】
注射可能な製剤を、例えば、細菌保持性フィルターを通す濾過によって、あるいは使用前に滅菌水またはその他の注射可能な滅菌媒体中に溶解または分散させることのできる滅菌固体組成物の形態中に滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
経直腸または経膣投与のための組成物は、外界温度で固体であるが、体温で液体であり、それゆえ直腸腔または膣腔中で融解し粒子を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコール、または坐剤用ワックスなどの適切な非刺激性賦形剤または担体と粒子を混合することによって調製できる坐剤でよい。
経口投与用の固形剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固形剤形において、粒子は、少なくとも1種の不活性で薬学上許容される賦形剤または担体、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カリウムと、および/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアラビアゴムなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯またはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなど野嶋溶解遅延剤、f)第四級アンモニウム化合物などの吸収加速剤、g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤化剤、h)カオリンおよびベントナイトクレーなどの吸収剤、およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの滑沢剤と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含むこともできる。
【0164】
類似タイプの固形組成物を、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールのような賦形剤を使用する軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として採用することもできる。
固形剤形の錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤は、医薬製剤の技術分野で周知の腸溶性コーティングおよびその他のコーティングなどのコーティングおよび殻を備えて調製することができる。それらは、任意選択で不透明化剤を含むことができ、かつ腸管の特定部分で活性成分のみを、またはそれらを優先的に遅延方式で放出する組成を有することもできる。使用できる包埋用組成物の例が、ポリマー性物質およびワックスである。
類似タイプの固形組成物を、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールのような賦形剤を使用する軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として採用することもできる。
本発明の医薬組成物の局所または経皮投与のための剤形としては、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液剤、噴霧剤、吸入剤、または貼付剤が挙げられる。粒子は、滅菌条件下で、薬学上許容される担体、および必要なら任意の必要とされる保存剤または緩衝剤と混合される。眼用製剤、点耳剤、および点眼剤も、本発明の範囲内で考えられる。
【0165】
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、およびゲル剤は、本明細書に記載の粒子に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカントゴム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはこれらの混合物などの賦形剤を含むことができる。
散剤および噴霧剤は、本明細書に記載の粒子に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含むことができる。噴霧剤は、さらに、クロロフルオロ炭化水素などの通例的噴射剤を含むことができる。
経皮貼付剤は、身体への化合物の制御送達を提供する付加的利点を有する。このような剤形は、適当な媒体中にミクロ粒子またはナノ粒子を溶解または分散させることによって調製することができる。吸収増強剤を使用して、皮膚を横切る化合物の流れを増大させることができる。速度は、速度調製膜を準備することによって、あるいは粒子をポリマーマトリックスまたはゲル中に分散させることによって調節することができる。
【0166】
医薬品を含む本明細書に記載の粒子を、送達すべき対象に、診断、予防または治療処置の一部として、治療有効量の組み込まれた医薬品を対象に送達するのに十分な量で、投与することができる。一般に、医薬品または成分の有効量は、所望の生物学的応答を誘発するのに必要な量を指す。粒子中の医薬品の所望濃度は、限定はされないが、薬物の吸収、不活化、および排泄速度、ならびに対象組成物からの化合物の送達速度、所望の生物学的最終目標、送達されるべき薬剤、標的組織などをはじめとする多くの因子に依存する。投与値は、また、軽減されるべき状態の重症度によって変わることに留意されたい。さらに、任意の特定の対象に対して、個体の必要性および組成物の投与を管理または監督する者の専門的判断により、具体的な投与レジメンを長期にわたって調節すべきであることを理解されたい。典型的には、投与は、当業者に公知の技法を使用して決定される。
対象に投与すべき医薬品の濃度および/または量は、いずれも、当業者が容易に決めることができる。また、既知の方法を、局所組織中での濃度、粒子からの拡散速度、ならびに治療用製剤の投与の前および後の局所血流をアッセイするために利用可能である。
【0167】
本明細書に記載の組成物および/または製剤は、任意の適切な容量オスマル濃度を有することができる。一部の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤は、少なくとも約0mOsm/L、少なくと約5mOsm/L、少なくとも約25mOsm/L、少なくとも約50mOsm/L、少なくとも約75mOsm/L、少なくとも約100mOsm/L、少なくとも約150mOsm/L、少なくとも約200mOsm/L、少なくとも約250mOsm/L、または少なくとも約310mOsm/Lの容量オスマル濃度を有することができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤は、約310mOsm/L以下、約250mOsm/L以下、約200mOsm/L以下、約150mOsm/L以下、約100mOsm/L以下、約75mOsm/L以下、約50mOsm/L以下、約25mOsm/L以下、または約5mOsm/L以下の容量オスマル濃度を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0mOsm/Lかつ約50mOsm/L以下の容量オスマル濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。組成物および/または製剤の容量オスマル濃度は、例えば、組成物および/または製剤の溶媒中に存在する塩の濃度を変更することによって変えることができる。
【0168】
一組の実施形態において、組成物および/または製剤は、芯材料を含み、エタボン酸ロテプレドノール、ソラフェニブ、リニファニブ、MGCD−265、パゾパニブ、セジラニブ、アキシチニブ、ブロムフェナクカルシウム、ジクロフェナク(例えば、ジクロフェナク遊離酸またはその二価もしくは三価の金属塩)、ケトロラク(例えば、ケトロラク遊離酸またはその二価もしくは三価の金属塩)などの薬物、あるいは本明細書に記載のその他の適切な薬物を含む。一部の実施形態において、組成物および/または製剤中に存在する薬物の重量の1種または複数の表面改変剤(例えば、Pluronic(登録商標)F127)に対する重量比率は、約1:100以上、約1:30以上、約1:10以上、約1:3以上、約1:1以上、約3:1以上、約10:1以上、約30:1以上、または約100:1以上である。一部の実施形態において、組成物および/または製剤中に存在する薬物の重量の1種または複数の表面改変剤に対する重量比率は、約100:1以下、約30:1以下、約10:1以下、約3:1以下、約1:1以下、約1:3以下、約1:10以下、約1:30以下、または約1:100以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約1:1以上かつ約10:1以下の比率)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、比率は約1:1である。特定の実施形態において、比率は約2:1である。特定の実施形態において、比率は約10:1である。
【0169】
一部の実施形態において、組成物および/または製剤は、本明細書に記載の形成工程および/または希釈工程中の薬物の重量の1種または複数の表面改変剤の重量に対する比率に関して、上で言及した範囲を含むことができる。特定の実施形態において、組成物および/または製剤は、最終製品中の薬物の重量の1種または複数の表面改変剤の重量に対する比率に関して、上で言及した範囲を含むことができる。
医薬品は、組成物および/または製剤中に、任意の適切な量で、例えば、組成物および/または製剤の少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%の量で存在することができる。一部の事例で、医薬品は、組成物および/または製剤中に、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約2重量%以下、または約1重量%以下で存在することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.1重量%かつ約10重量%以下の量で存在)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約0.1〜2重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約2〜20重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約0.2重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約0.4重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約1重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約2重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約5重量%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、組成物および/または製剤の約10重量%で存在する。
【0170】
一組の実施形態において、組成物および/または製剤は、1種または複数のキレート化剤を含む。本発明で使用されるキレート化剤は、金属イオンと反応して1つまたは複数の結合を介して錯体を形成する能力を有する化学化合物を指す。1つまたは複数の結合は、典型的には、イオン結合または配位結合である。キレート化剤は、無機または有機化合物でよい。特定の化学反応(例えば、酸化反応)を触媒する能力のある金属イオンは、その金属イオンがキレート化剤に結合されて錯体を形成すると、その触媒活性を喪失することがある。したがって、キレート化剤は、それが金属イオンに結合されると、保存性を示す可能性がある。ホスホン酸、アミノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、およびポリマー性キレート化剤などの、保存性を有する任意の適切なキレート化剤を使用することができる。キレート化剤の具体例には、限定はされないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、テトラホウ酸塩、トリエチルアミンジアミン、ならびにこれらの塩および誘導体が含まれる。特定の実施形態において、キレート化剤はEDTAである。特定の実施形態において、キレート化剤はEDTAの塩である。特定の実施形態において、キレート化剤はEDTA二ナトリウムである。
【0171】
キレート化剤は、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤中に、適切な濃度で存在することができる。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は、約0.0003重量%以上、約0.001重量%以上、約0.003重量%以上、約0.01重量%以上、約0.03重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.3重量%以上、約1重量%以上、または約3重量%以上である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は、約3重量%以下、約1重量%以下、約0.3重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.03重量%以下、約0.01重量%以下、約0.003重量%以下、約0.001重量%以下、または約0.0003重量%以下である。上で言及された範囲の組合せ(例えば、約0.01重量%以上かつ約0.3重量%以下の濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は約0.001〜0.1重量%である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は約0.005重量%である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は約0.01重量%である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は約0.05重量%である。特定の実施形態において、キレート化剤の濃度は約0.1重量%である。
【0172】
一部の実施形態において、キレート化剤は、本明細書に記載の形成工程および/または希釈工程中に、組成物および/または製剤中に、1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。特定の実施形態において、キレート化剤は、最終製品において、組成物および/または製剤中に、1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤中に、抗微生物薬を含めることができる。本発明で使用される抗微生物薬は、細菌、微生物、真菌、ウイルス、胞子、酵母、カビ、および感染症に一般的に付随するその他の微生物などの微生物から阻害、予防、または保護するのに有効な生物活性薬剤を指す。抗微生物薬の例には、セファロスポリン、クリンダマイシン、クロラムフェニコール(chlorampheanicol)、カルバペネム、ミノサイクリン、リファンピン、ペニシリン、モンバクタム、キノロン、テトラサイクリン、マクロライド、スルファ抗生物質、トリメトプリム、フシジン酸、アミノグリコシド、アンホテリシンB、アゾール、フルシトシン、シロフンギン、殺菌性ニトロフラン化合物、金属銀または約2.5重量%の銅を含む銀合金のナノ粒子、クエン酸銀、酢酸銀、安息香酸銀、ビスマスピリチオン、亜鉛ピリチオン、過炭酸亜鉛、過ホウ酸亜鉛、ビスマス塩、パラベン(例えば、安息香酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルおよびオクチルエステル)、クエン酸、塩化ベンザルコニウム(BAC)、リファマイシン、および過炭酸ナトリウムが含まれる。
【0173】
抗微生物薬は、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤中に、適切な濃度で存在することができる。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は、約0.0003重量%以上、約0.001重量%以上、約0.003重量%以上、約0.01重量%以上、約0.03重量%以上、約0.1重量%以上、約0.3重量%以上、約1重量%以上、または約3重量%以上でよい。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は、約3重量%以下、約1重量%以下、約0.3重量%以下、約0.1重量%以下、約0.03重量%以下、約0.01重量%以下、約0.003重量%以下、約0.001重量%以下、または約0.0003重量%以下でよい。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約0.001重量%以上かつ約0.1重量%以下の濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.001〜0.05重量%である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.002重量%である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.005重量%である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.01重量%である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.02重量%である。特定の実施形態において、抗微生物薬の濃度は約0.05重量%である。
【0174】
一部の実施形態において、抗微生物薬は、本明細書に記載の形成工程および/または希釈工程中に、組成物および/または製剤中に、1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。特定の実施形態において、抗微生物薬は、最終製品中において、組成物および/または製剤中に、1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。
【0175】
一部の実施形態において、等張化剤を、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤中に含めることができる。本発明で使用される等張化剤は、製剤の組成を所望の容量オスマル濃度範囲に調節するのに使用できる化合物または物質を指す。特定の実施形態において、所望の容量オスマル濃度範囲は、血液と適合性のある等張範囲である。特定の実施形態において、所望の容量オスマル濃度範囲は低張性である。特定の実施形態において、所望の容量オスマル濃度範囲は高張性である。等張化剤の例には、グリセリン、ラクトース、マンニトール、デキストロース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ソルビトール、生理食塩水−クエン酸ナトリウム(SSC)などが含まれる。特定の実施形態において、1種または複数の等張化剤の組合せを使用することができる。特定の実施形態において、等張化剤はグリセリンである。特定の実施形態において、等張化剤は塩化ナトリウムである。
【0176】
等張化剤(本明細書に記載のような)は、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤中に適切な濃度で存在することができる。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は、約0.003重量%以上、約0.01重量%以上、約0.03重量%以上、約0.1重量%以上、約0.3重量%以上、約1重量%以上、約3重量%以上、約10重量%以上、約20重量%以上、または約30重量%以上である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は、約30重量%以下、約10重量%以下、約3重量%以下、約1重量%以下、約0.3重量%以下、約0.1重量%以下、約0.03重量%以下、約0.01重量%以下、または約0.003重量%以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約0.1重量%以上かつ約10重量%以下の濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約0.1〜1%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約0.5〜3%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約0.25重量%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約0.45重量%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約0.9重量%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約1.2重量%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約2.4重量%である。特定の実施形態において、等張化剤の濃度は約5重量%である。
【0177】
一部の実施形態において、等張化剤は、本明細書に記載の形成工程および/または希釈工程中に、組成物および/または製剤中に1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。特定の実施形態において、等張化剤は、最終製品において、組成物および/または製剤中に1つまたは複数の上で言及した範囲で存在することができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤は、少なくとも約0mOsm/L、少なくとも約5mOsm/L、少なくとも約25mOsm/L、少なくとも約50mOsm/L、少なくとも約75mOsm/L、少なくとも約100mOsm/L、少なくとも約150mOsm/L、少なくとも約200mOsm/L、少なくとも約250mOsm/L、少なくとも約310mOsm/L、または少なくとも約450mOsm/Lの容量オスマル濃度を有することができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤は、約450mOsm/L以下、約310mOsm/L以下、約250mOsm/L以下、約200mOsm/L以下、約150mOsm/L以下、約100mOsm/L以下、約75mOsm/L以下、約50mOsm/L以下、約25mOsm/L以下、または約5mOsm/L以下の容量オスマル濃度を有することができる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0mOs/Lかつ約50mOsm/L以下の容量オスマル濃度)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0178】
粒子を含む製剤のイオン強度が、粒子の多分散性に影響を及ぼす可能性があることが、当技術分野で認識されている。多分散性は、製剤中の粒子の大きさの不均一性に関する尺度である。粒径の不均一性は、製剤中での個々の粒径の相違および/または凝集の存在のためである可能性がある。粒子を含む製剤は、粒子が本質的に同一の大きさ、形状、および/または質量を有するなら、実質上均一または「単分散性」と考えられる。種々の大きさ、形状、および/または質量の粒子を含む製剤は、不均一または「多分散性」と考えられる。
粒子を含む製剤のイオン強度は、また、粒子コロイドの安定性に影響を及ぼす可能性がある。例えば、製剤の相対的に高いイオン強度は、製剤の粒子に凝集をもたらし、それゆえ製剤を不安定にする可能性がある。一部の実施形態において、粒子を含む製剤は、粒子間反発力によって安定化される。例えば、粒子は、電気的または静電的に帯電されることがある。帯電した2つの粒子は、互いに反発し、衝突および凝集を防止することができる。粒子間反発力が弱まるか引力になると、粒子は凝集し始める可能性がある。例えば、製剤のイオン強度が特定のレベルまで増加すると、粒子の電荷(例えば、負電荷)は、製剤中に存在する反対に帯電したイオン(例えば、溶液中のNa
+イオン)によって中和されることができる。結果として、粒子は、衝突し、互いに結合して、より大きなサイズの凝集体(例えばクラスターまたはフロック)を形成する可能性がある。形成された粒子凝集体も、大きさを異にする可能性があり、したがって、製剤の多分散性も増大する可能性がある。例えば、大きさが同一の粒子を含む製剤は、製剤のイオン強度を特定のレベルを超えて高めると、(例えば、凝集により)種々の大きさを有する粒子を含む製剤になる可能性がある。凝集の過程で、凝集体は、大きさが成長し、最終的には容器の底部に沈降し、製剤は、コロイドとして不安定であると考えられる。いったん製剤中の粒子が凝集体を形成すると、凝集体を個々の粒子に崩壊させるのは困難であるのが通常である。
【0179】
本明細書に記載の特定の製剤は、数ある中でも、製剤中への特定濃度の1種または複数のイオン性等張化剤(例えば、NaClなどの塩)の存在が、製剤中に存在する粒子の凝集度を実際に低減または維持し、かつ/または凝集を有意に増加させないという、予想外の特性を示す。例えば、例14を参照されたい。特定の実施形態において、製剤の多分散性は、1種または複数のイオン性等張化剤を製剤中に添加すると、減少するか、相対的に一定であるか、あるいは感知できる量で変化することはない。
例えば、一部の実施形態において、組成物および/または製剤の多分散性は、付加されたイオン強度の存在下で、および/または組成物および/または製剤の付加されたイオン強度が比較的一定に保持されるか、増加する(例えば、形成工程および/または希釈工程中で)場合に、比較的一定である。特定の実施形態において、イオン強度が少なくとも50%まで増加すると、多分散性は、約200%以下、約150%以下、約100%以下、約75%以下、約50%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約3%以下、または約1%以下まで増加する。特定の実施形態において、イオン強度を少なくとも50%まで増加させると、多分散性は、約1%以上、約3%以上、約10%以上、約30%以上、または約100%以上まで増加する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、50%以下かつ1%以上の多分散性の増加)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0180】
本明細書に記載の製剤のイオン強度は、製剤に1種または複数のイオン性等張化剤(例えば、NaClなどの塩)を添加することなどの種々の手段を介して調節することができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤のイオン強度は、約0.0005M以上、約0.001M以上、約0.003M以上、約0.01M以上、約0.03M以上、約0.1M以上、約0.3M以上、約1M以上、約3M以上、または約10M以上である。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤のイオン強度は、約10M以下、約3M以下、約1M以下、約0.3M以下、約0.1M以下、約0.03M以下、約0.01M以下、約0.003M以下、約0.001M以下、または約0.0005M以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約0.01M以上かつ約1M以下のイオン強度)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤のイオン強度は約0.1Mである。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤のイオン強度は約0.15Mである。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤のイオン強度は約0.3Mである。
【0181】
特定の実施形態において、製剤の多分散性は、製剤中に1種または複数のイオン性等張化剤を添加しても変化しない。特定の実施形態において、多分散性は、製剤中に1種または複数のイオン性等張化剤を添加しても有意に増加しない。特定の実施形態において、多分散性は、製剤中に1種または複数のイオン性等張化剤を添加すると本明細書に記載のレベルまで増加する。
【0182】
本明細書に記載の製剤の多分散性は、多分散性指数(PDI)により測定することができる。PDIは、粒径分布の幅を記述するのに使用され、強度自動補正機能を用いて測定された動的光散乱(DLS)のキュムラント(cumulant)解析から計算されることが多い。これらのパラメーターに関する計算は、規格ISO13321:1996EおよびISO22412:2008中で規定されている。PDIは、無次元であり、DLSで測定する場合、0.05より小さい値は高度に単分散性のサンプルを示し、0.7を超える値は極めて広範な粒径分布を示すように目盛られている。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤および/または組成物のPDIは、約1以下、約0.9以下、約0.8以下、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、約0.3以下、約0.2以下、約0.15以下、約0.1以下、約0.05以下、約0.01以下、または約0.005以下である。特定の実施形態において、本明細書に記載の製剤および/または組成物のPDIは、約0.005以上、約0.01以上、約0.05以上、約0.1以上、約0.15以上、約0.2以上、約0.3以上、約0.4以上、約0.5以上、約0.6以上、約0.7以上、約0.8以上、約0.9以上、または約1以上である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約0.1以上かつ約0.5以下のPDI)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、製剤のPDIは約0.1である。特定の実施形態において、製剤のPDIは約0.15である。特定の実施形態において、製剤のPDIは約0.2である。
【0183】
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤は、高度に分散性であることができ、凝集体を形成する傾向がない。粒子が凝集体を形成する場合でさえも、組成物および/または製剤を激しくかき混ぜることなしに、凝集体を容易に個々の粒子に解体することができる。
一般に、製剤は、対象へ投与する前または投与する際に、無菌であることが望ましい。無菌製剤は、細菌、微生物、真菌、ウイルス、胞子、酵母、カビ、および感染症に一般的に付随するその他のものなどの病原性微生物を本質的には含まない。一部の実施形態では、本明細書に記載の被覆された粒子を含む組成物および/または製剤を、無菌化処理および/またはその他の滅菌処理に付すことができる。無菌化処理は、製剤の成分、最終製剤、および/または薬品容器の蓋を、加熱、γ線照射、エチレンオキシド、または濾過などの工程を介して滅菌すること、次いで無菌環境中で合わせることを典型的には含む。一部の事例で、無菌化処理が好ましい。他の実施形態において、最終滅菌が好ましい。
【0184】
その他の滅菌方法の例には、放射線滅菌(例えば、γ線、電子線、またはX線照射)、加熱滅菌、滅菌濾過、およびエチレンオキシド滅菌が含まれる。用語「放射線」および「照射」は、本明細書中で、互換的に使用される。他の滅菌法と異なり、放射線滅菌は、高度の透過能力および即時的効果という利点を有し、一部の例では、温度、圧力、真空度、または湿度を調整する必要がない。特定の実施形態において、本明細書に記載の被覆された粒子を滅菌するのに使用される放射線は、γ線である。γ線は、被覆された粒子の中または上の、ほとんどまたは実質上すべての微生物を死滅させるのに十分な線量で印加されうる。本明細書に記載の被覆された粒子の温度および放射線量は、全γ線照射期間中、比較的一定でよい。γ線照射は、任意の適切な温度(例えば、外界温度、約40℃、約30〜約50℃)で実施できる。特記しない限り、本明細書に記載のγ線照射の測定値は、約40℃で実施されたものを指す。
【0185】
滅菌処理を利用する実施形態において、処理は、(1)本明細書に記載の被覆された粒子の粒径を有意に変化させないこと、(2)本明細書に記載の被覆された粒子の活性成分(薬物など)の完全性を有意に変化させないこと、および(3)処理中または処理の後に許容されない濃度の不純物を生じさせないことが望まれる可能性がある。特定の実施形態において、処理中または処理の後に生じる不純物は、本明細書に記載の被覆された粒子の活性成分の分解物である。例えば、活性成分がエタボン酸ロテプレドノール(LE)である場合、LEの分解物としては、
図22に示すような、11β,17α−ジヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボン酸(PJ−90)、17α−[(エトキシカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸(PJ−91)、17α−[(エトキシカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−4−エン−17−カルボン酸クロロメチルエステル(テトラデカ)、および/または17α−[(エトキシカルボニル)オキシ]−3,11−ジオキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボン酸クロロメチルエステル(11−ケト)を挙げることができる。
【0186】
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤を滅菌するのに使用される方法は、製剤中に、未分解薬物の重量に対比して、約10重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下、約1重量%以下、約0.9重量%以下、約0.8重量%以下、約0.7重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.3重量%以下、約0.2重量%以下、約0.15重量%以下、約0.1重量%以下、約0.03重量%以下、約0.01重量%以下、約0.003重量%以下、または約0.001重量%以下の1種または複数の分解物の存在をもたらす。一部の実施形態において、方法は、製剤中に、約0.001重量%以上、約0.003重量%以上、約0.01重量%以上、約0.03重量%以上、約0.1重量%以上、約0.3重量%以上、約1重量%以上、約3重量%以上、または約10重量%以上の分解物をもたらす。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約1重量%以下かつ約0.01重量%以上)も可能である。その他の範囲も可能である。
【0187】
一部の実施形態において、γ線照射にさらされた組成物および/または製剤は、上で言及した1つまたは複数の範囲の濃度で分解物を含む。一組の実施形態において、薬物はエタボン酸ロテプレドノールであり、分解物は、PJ−90、PJ−91、テトラデカ、および/または11−ケトである。特定の実施形態において、分解物の1種または複数、あるいはそれぞれは、組成物および/または製剤中に上で言及した1つまたは複数の範囲(例えば、約1重量%以下、約0.9重量%以下、約0.8重量%以下、約0.7重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.3重量%以下、約0.2重量%以下、または約0.1重量%以下)で存在する。その他の範囲も可能である。
【0188】
一部の実施形態では、組成物および/または製剤中に1種または複数の添加物を含めて、1種または複数の分解物の量を比較的少なく抑えるのを助ける。例えば、例13で説明するように、エタボン酸ロテプレドノール製剤中にグリセリンを存在させると、製剤をγ線照射で滅菌した後に生じる分解物テトラデカの量は、グリセリンを含めなかったエタボン酸ロテプレドノール製剤に比較して相対的に少ない。
滅菌処理でγ線照射を利用する場合、γ線の累積線量は可変である。特定の実施形態において、γ線の累積線量は、約0.1kGy以上、約0.3kGy以上、約1kGy以上、約3kGy以上、約10kGy以上、約30kGy以上、約100kGy以上、または約300kGy以上である。特定の実施形態において、γ線の累積線量は、約0.1kGy以下、約0.3kGy以下、約1kGy以下、約3kGy以下、約10kGy以下、約30kGy以下、約100kGy以下、または約300kGy以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約1kGy以上かつ約30kGy以下)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、所望の累積放射線量を達成するために、放射線の多回照射が利用される。
【0189】
本明細書に記載の組成物および/または製剤は、任意の適切なpH値を有することができる。用語「pH」は、特記しない限り、外界温度(例えば、約20℃、約23℃、または約25℃)で測定されたpHを指す。組成物および/または製剤は、例えば、酸性のpH、中性のpH、または塩基性のpHを有し、例えば、組成物および/または製剤が送達される予定である、身体中の場所に依存する可能性がある。特定の実施形態において、組成物および/または製剤は、生理学的pHを有する。特定の実施形態において、組成物および/または製剤のpH値は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約6.2、少なくとも約6.4、少なくとも約6.6、少なくとも約6.8、少なくとも約7、少なくとも約7.2、少なくとも約7.4、少なくとも約7.6、少なくとも約7.8、少なくとも約8、少なくとも約8.2、少なくとも約8.4、少なくとも約8.6、少なくとも約8.8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、または少なくとも約12である。特定の実施形態において、組成物および/または製剤のpH値は、約12以下、約11以下、約10以下、約9以下、約8.8以下、約8.6以下、約8.4以下、約8.2以下、約8以下、約7.8以下、約7.6以下、約7.4以下、約7.2以下、約7以下、約6.8以下、約6.6以下、約6.4以下、約6.2以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、または約1以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約5かつ約8.2以下のpH値)も可能である。その他の範囲も可能である。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤のpH値は、少なくとも約5で、かつ約8以下である。
【0190】
眼の状態を治療するための方法、組成物および製剤
哺乳類の眼は、強膜(眼の外側の強靭な白色部分)および角膜(瞳孔および虹彩を覆う澄明な外側部分)を含む外被を含有する複雑な器官である。眼の典型的な概略図を
図15Aに示す。
図15Aに前方から後方までを中間断面で図示するように、眼(100)は、限定なしに、角膜(105)、虹彩(110)(周囲の光に応答して開閉できる幕状造作物)、結膜(115)(強膜を覆い、眼瞼の内側を裏打ちしている薄い重層円柱上皮からなる)、涙膜(120)(油層、水層および粘液層を含むことができ、ここで、粘液層は涙膜のための留め具として役立つこと、および涙膜が眼に付着するのを助けることなどのいくつかの機能を有する)、角膜上皮(125)(角膜の前方を覆い、角膜を保護し、涙による分泌液の自由流動を阻止し、細菌浸入を防止するためのバリアとして作用するいくつかの細胞層)、前眼房(130)(眼房水(135)と呼ばれる水様の澄明流体で満たされ、前方の角膜と虹彩とによって閉じ込められた中空造作物)、水晶体(140)(角膜と一緒になって光を屈折させて網膜上に焦点を合わせるのを助ける透明の両凸構造体)、毛様体(145)(毛様体筋および毛様体突起から構成される周辺組織)、毛様体小帯(146)(毛様体を水晶体と連結する繊維ストランドの環)後眼房(148)(前方の虹彩、毛様体小帯および後方の毛様体によって閉じ込められ、やはり眼房水を含む狭い空間)、網膜(150)、黄斑(155)、強膜(160)、視神経(165)(脳神経としても知られ、視覚情報を網膜から脳に伝達する)、脈絡膜(170)、および硝子体眼房(175)(硝子体液(180)と呼ばれる粘性流体で満たされた)をはじめとする造作物を含む。硝子体眼房は、眼の内部容積のほぼ2/3を構成し、前眼房および後眼房は、眼の内部容積の約1/3を構成する。
【0191】
図15Bに図示するように、眼には、いくつかの粘液層があり、眼球結膜(116)(強膜上で眼球を覆い、下にある強膜に堅く結合され、眼球運動に伴って動く)、眼瞼結膜(117)(眼瞼を裏打ちしている)、結膜円蓋(118)(眼球結膜と眼瞼結膜との間の接合を形成し、まぶたと眼球の自由運動を可能にするゆるく柔軟性のある組織)、および角膜に存在する。これらの粘液層は、局所で投与された薬剤が接触する完全表面を形成する。したがって、局所で投与された薬剤は、下にある種々の眼組織に到達するためには、典型的に、これらの粘液層を通って浸透する必要がある。
図15Aに図示するように、括弧(190)で示された前眼部、または前方眼もしくは前方眼部分は、水晶体包(144)(弾性があり、水晶体を一定の伸長状態に保持する澄明な膜様構造体)の後方壁(142)に対してその前方に位置する組織または流体を一般には含む。前眼部は、例えば、結膜、角膜、虹彩、涙膜、前眼房、後眼房、水晶体、および水晶体包、ならびに前方眼領域または部位に血液を送り、維持し、賦活する血管、リンパ管および神経を含む。
図15Aに図示するように、括弧(195)で示される後眼部または後方眼もしくは後方眼部分は、水晶体包の後方壁または毛様体筋に対してその後方に位置する組織または流体を一般には含む。後眼部は、例えば、脈絡膜、強膜(水晶体包の後方壁を通る平面に対して後方の位置の)、硝子体液、硝子体眼房、網膜、黄斑、視神経、ならびに後方眼領域または部位に血液を送るか、賦活する血管および神経を含む。
【0192】
後でより詳細に説明するように、一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物および/または製剤は、網膜、黄斑、脈絡膜、強膜および/またはぶどう膜などの後眼部の疾患または状態を診断、予防、治療または管理するのに使用することができる。
網膜は、10層をなす眼の繊細な神経組織膜であり、外部物体の像を受け取り、視神経を経由して脳に視覚刺激を伝達する視神経と連続している。網膜は、軟質で半透明であり、ロドプシンを含む。網膜は、外側の色素層、および9層をなす本来の網膜からなる。これらの9層は、最も内側から始まり、内境界膜、視神経層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、ならびに桿体および錐体の層である。網膜の外側表面は脈絡膜と接し、内側表面は硝子体と接する。網膜は、前方でより薄く、ほぼ毛様体まで伸び、焦点が最良である後方表面の正中心の薄い箇所を除けば後方でより厚い。光受容体は、毛様体の鋸歯状鋸状縁の前方で終わるが、網膜の膜は、毛様体突起および虹彩の後部を覆って伸びる。網膜は、直射日光に暴露されると、濁って不透明になる。
【0193】
黄斑または黄斑部(macula lutea)は、ヒトの眼の網膜中心近くの卵型形状の高度に着色した黄色斑点である、それは、およそ5mmの直径を有し、組織学的には、神経節細胞の2つ以上の層を有することと規定されることが多い。その中心近傍には、錐体細胞が眼の中で最も多く集中し、高解像度の中心視力の原因である小さな窪みである中心窩が存在する。黄斑は、また、傍中心窩および周囲中心窩を含む。黄斑は黄色なので、それは眼に入ってくる過剰な青色および紫外光を吸収し、この区域の網膜のための天然の日光遮蔽体(サングラスに似た)として作用する。黄色の色彩は、食物に由来する黄色キサントフィルカロテノイドであるルテインおよびゼアキサンチンのその含有量に由来する。ゼアキサンチンは黄斑で圧倒的に多く、ルテインは網膜の他の場所で多い。これらのカロテノイドが、いくつかの種類の黄斑変性から色素領域を保護するという若干の証拠が存在する。黄斑の構造は、高度に鋭敏な視力のために特殊化されている。黄斑内に、高密度で錐体を含む中心窩および小窩(高い鋭敏性を有する光受容体)が存在する。
【0194】
脈絡膜(choroidea)または脈絡膜外被としても知られる脈絡膜は、結合組織を含み、かつ網膜と強膜との間に位置する、眼の血管層である。ヒトの脈絡膜は、眼の最後部で最も厚く(0.2mm)、中心から離れた領域で0.1mmまで薄くなる。脈絡膜は、網膜の外側層に酸素および栄養物を供給する。毛様体および虹彩と一緒になって、脈絡膜はぶどう膜系を形成する。
【0195】
強膜は、眼球の後方5/6を覆う強靭で弾性のない不透明な膜を指す。それは、眼球の大きさおよび形状を維持し、眼球を動かす筋肉に結びついている。後方で、それは、視神経によって貫通され、透明な角膜と一緒になって、眼球を覆う3層の中の最外層を構成する。
ぶどう膜は、眼の虹彩、毛様体および脈絡膜を含む、強膜の下の繊維層を指す。
眼の治療は、点眼薬などの組成物を眼の外表面に局所で投与することによって実施することができる。点眼薬の投与は、その簡便性、非侵襲性、局所的作用、および相対的な患者の満足度のため、眼に対する断然に最も望ましい薬物送達経路である。しかし、溶液(例えば、眼用溶液)として眼に局所で投与された薬物は、排液および流涙によって眼表面から急速に排除される可能性がある。粒子として眼に局所で投与された薬物(例えば、眼用懸濁液)は、典型的には、眼中の粘液層または涙膜によって捕捉される。眼の自然な排除機構は、このような層中に捕捉された種を除去し、それゆえ、この層に捕捉された薬物も、急速に排除される。結果として、眼中において、特に眼の後方部分において、例えば、後方強膜、ぶどう膜系(眼の血管中央層中に位置し、虹彩、毛様体および脈絡膜を構成する)、硝子体、脈絡膜、網膜、および視神経頭(ONH)、さらには角膜の内部部分において、局所投与経路で所望の薬物レベルを達成することは、困難であることが多い。
【0196】
例えば、角膜および結膜は、本来的に、3〜40μmの粘液層で覆われている。
図15Cに図示するように、外側層は、分泌されたムチン(310)(ムチンの入れ代りおよび瞬きによって迅速に排除される)から構成され、ムチンの主な役割は、眼の水性層(305)からアレルゲン、病原体、および壊死組織片(薬物粒子を含む)を捕捉し排除することである。内側層(500nmまでの厚さ)は、上皮(315)(細胞外被)に繋ぎ止められたムチンによって形成され、ムチンは、下にある組織を、研磨ストレスから保護し、それほ迅速ではなく排除される。理論に拘泥するものではないが、従来の粒子(CP;すなわち、非MPP)は外側粘液層中に捕捉され、眼表面から容易に排除される。したがって、従来の粒子は、粒子中に含めた薬物を眼の他の部分に(例えば、拡散またはその他の機構で)輸送できる前に、排除される可能性がある。対照的に、本明細書に記載の粒子(例えば、MPP)は、分泌されたムチンへの粘着を回避することができ、かくして、外側粘液層に浸透し、徐々に排除される細胞外被に到達し、それによって、粒子の滞留を延長し、薬物放出を維持することができる(
図15C)。このことは、本明細書に記載の粒子が、外側粘液中に捕捉されたCPに比べて、薬物を下にある組織(角膜、結膜など)により一層効率的に送達できることを示唆している。さらに、本明細書に記載の製剤は、粒子および/または医薬品の眼の全表面上への一様な被度を作り出すことができ、ここで、本明細書に記載のコーティングを有さない従来の製剤は、粘液中でのそれらの不動化のため、一様に拡がらない可能性がある。したがって、本明細書に記載の製剤は、より均一な被度によって、効力を高めることができる。このことは、次には、より高い濃度と一緒になって、粘液中への浸透を増強する可能性がある。
【0197】
さらに、本明細書に記載の粒子を局所投与に使用すると、眼への他の送達方式、例えば、注射法および局所用ゲルまたは挿入物の使用に付随する難題のいくつかに対処することができる。注射法は、後方眼の部分に薬物を送達するのに効果的である可能性があるが、このような方法は、侵襲性であり、望ましくないことがある。薬物を眼に送達するのを助けることのできるその他の送達方法、例えば、局所用ゲルおよび/または種々の挿入物は、患者の満足の視点からあまり望ましくない。
眼への局所投与に付随するその他の難題が存在する。医薬品の眼中への吸収は、眼の適切な機能を確保するいくつかの保護機構によって;およびその他の随伴因子、例えば、点滴された溶液の排液、流涙および涙の入れ代り、代謝、涙の蒸発、非生産的吸収/吸着、制約された角膜面積および乏しい角膜浸透性、および涙腺タンパク質による拘束によって、厳しく制約される。したがって、眼表面での医薬品の高い濃度を達成し、長期にわたって維持することのできる点眼薬が望ましい。
例えば、投与された投与物の鼻涙系を介する鼻咽腔および消化管中への排液は、眼中の流体容積が7〜10μLの正常涙液容積を超える場合に起こる。したがって、点滴された投与物(1〜2滴、50〜100μLに相当)の眼瞼裂からの溢れこぼれにより排除されない部分も、急速に排出される可能性があり、投与物の吸収性表面(角膜および強膜)との接触時間は、例えば、最長で2分までに短縮される可能性がある。
【0198】
流涙および涙の生理学的な入れ代り(例えば、正常状態のヒトで1分につき16%)は、温和な刺激性溶液の点滴によってさえ刺激され、増加することがある。最終的な結果は、適用された薬剤の希釈、および医薬品損失の加速である。
局所で投与される薬物装填ミクロおよびナノ粒子は、ゲル剤、軟膏剤および挿入物などのその他の持続放出性製剤に付随する不快感を引き起こすことなしに、眼への滞留を延長し、薬物の局所での生物学的利用能を増大する可能性を有する。しかし、このような粒子に対する主なバリアは、眼表面の粘液層(例えば、眼瞼結膜、眼球結膜、および角膜の;
図15B)である。壊死組織片およびアレルゲンを排除することがその本来の目的であるこの粘液は、薬物装填ナノ粒子をはじめとする実質上すべての外来粒子を効果的に捕捉し、眼表面から急速に除去する。眼表面での薬物滞留を延長し、かつ薬物を下に横たわる組織のより近くに送達するには、薬物担体/粒子は、急速に排除される粘液への粘着を回避することを必要とする可能性がある。したがって、粘液への粘着を回避または低減することのできる薬物担体/粒子が望ましいであろう。
眼中に送達される予定の医薬品の有効量に関して、高用量および/または頻繁な投与を採用することができる。しかし、高用量の医薬品は、局所および全身性の副作用のリスクを増大させる。さらに、頻繁な投与は、患者にもたらされるその不都合のため、望ましくなく、不十分な遵守をもたらすことが多い。したがって、本明細書に記載のような適切な製剤を使用することによって医薬品の粘液浸透を改善することは、高用量および/または高頻度での投与を利用することを必要としないで眼中での医薬品の有効濃度を達成できるので、好都合になる。
【0199】
さらに、理論に拘泥するものではないが、局所で投与された医薬品は、3つの主要経路:1)角膜を通過し硝子体を通過する拡散、それに続く硝子体中への侵入、およびそれに続く眼組織への分布(
図16、経路205)、2)ぶどう膜−強膜経路、すなわち、角膜を通る拡散、前眼房通過、および眼房水によるぶどう膜−強膜組織への後方組織に向かう排液(
図15、経路210)、ならびに3)眼周囲経路、すなわち、テノンの眼周囲流体に接近するための結膜を通る浸透、強膜周囲での拡散、それに続く強膜、脈絡膜および網膜を横切る拡散(
図16、経路215)の1つまたは複数を通って後眼部へ輸送されることができると思われる(Uday B.Kompella and Henry F.Edelhauser, Drug Product Development for the Back of the Eye, 1
st Ed.; Springer; 2011)。解剖学的膜バリア(すなわち、角膜、結膜および強膜)および涙腺排液のため、局所的薬物投与の後に後方眼部分中で治療的薬物濃度を得ることはかなり難題であることがある。後方眼部分に到達することは、眼のこの部分に付随する解剖学的および生理学的バリアのため、さらにより難しい課題である。それらのバリアを、非侵襲的方法で改変することはできないので、眼での生物学的利用能を増加し、眼への局所投与に関するその他の難題に対処する眼用組成物および製剤の改善は、有益であろう。
【0200】
このような製剤を開発すことに対する緊急性は、視力障害および失明の主な原因が、後方眼の部分に関連した状態であるという事実から推論することができる。これらの状態としては、限定はされないが、加齢性黄斑変性(AMD)などの加齢性眼変性疾患、増殖性硝子体網膜症(PVR)、網膜の眼状態、網膜損傷、黄斑浮腫(例えば、嚢胞様黄斑浮腫(CME)または(糖尿病性黄斑浮腫(DME))、および眼内炎を挙げることができる。眼房水の流れ(従って、眼内圧(IOP))に影響を及ぼす前眼房の状態と考えられることの多い緑内障は、後方部分の要素も有する。実際、特定形態の緑内障は、高いIOPを特徴とせず、主として網膜変性のみを特徴とする。
【0201】
特定の実施形態では、これらのおよびその他の状態を、本明細書に記載の粘液浸透性の粒子、組成物および製剤を使用して治療、診断、予防、または管理することができる。例えば、粘液浸透性粒子を含む点眼薬の局所投与を使用して、抗AMD薬を後眼部に効果的に送達し、患者を硝子体内注射などの侵襲性処置にさらすことなしに、AMDを治療することができる。あるいは、例えば、抗炎症薬(例えば、コルチコステロイドまたはNSIAD)を装薬した粘液浸透性粒子を含む点眼薬の局所投与を、眼炎症の治療に低減された投与頻度で使用することができる。
【0202】
本明細書に記載の粒子、組成物、および方法は、粒子の粘液浸透特性により、前方眼部および/または後方眼部への医薬品の送達に付随する本明細書に記載の難題に少なくとも一部対処することができる。理論に拘泥するものではないが、粘液浸特性を有する本明細書に記載の粒子は、眼を覆う粘液への粘着を回避し、粘液中に効果的に浸透することができる。粒子は、眼組織(眼瞼結膜、眼球結膜、角膜、または涙膜)の粘液層中に浸透するので、それらの粒子は、身体の自然な排除機構による急速な排除を回避し、前眼部での長い滞留を達成する。次いで、粒子は、溶解され、かつ/または粒子として医薬品を放出することができ、かつ/または医薬品は、例えば、
図16で説明した機構の1つにより後眼部に向かって輸送される。対照的に、粘液浸透性でない粒子または薬物は、粘液に粘着する可能性があり、身体の自然な排除機構によって急速に排除され、その結果、投与の少し後の前眼部には不十分な量の粒子または薬物が残る。したがって、後眼部に(例えば、拡散またはその他の機構によって)輸送するのに利用できる粒子または薬物の量は比較的少ない。例えば、例3および8でより詳細に説明するように、医薬品エタボン酸ロテプレドノール(LE)の粘液に効果的に浸透しない粒子を含む市販の眼用懸濁剤Lotemax(登録商標)を、Pluronic(登録商標)F127のコーティングを有するLE粒子と比較した。この薬物は、前眼部の組織の炎症を治療するのに典型的に使用される。驚くべきことに、医薬品LEの粒子を、粒子を粘液浸透性にするPluronic(登録商標)F127、Tween80(登録商標)、または特定のPVAのコーティングで被覆した場合、例3および34で説明するように前眼部(例えば、角膜、虹彩/毛様体、眼房水)の眼表面への送達が著しく増加したのみならず、例8で説明するように眼の中間部および後部(例えば、網膜、脈絡膜、および強膜)への送達も増加した。LEは、点眼薬として局所で投与された場合に後眼部に浸透することはこれまで示されていないので、これらの結果はとりわけ予想外であった。さらに、多くの文献が、ナノサイズの薬物粒子は、それらが含められる溶液に高溶解性であり、それゆえ持続的に放出することのできない従来の溶液剤により類似して挙動すると予想されることを以前に報告しているので、従来の知識は、Pluronic(登録商標)F127で被覆されたLE粒子は、流涙によって眼表面から急速に洗い流されることを示唆している。本明細書中の説明の多くは、後方眼部分または後眼部の組織を治療、診断、予防、または管理することに関するが、本明細書に記載の方法、組成物、および製剤は、そのように限定されるものではないこと、および眼の他の部分も、本明細書に記載の方法、組成物、および製剤から利益を得ることができることを認識されたい。
【0203】
さらに、例21および29〜33には、後眼部でのRTK阻害薬の暴露増加を示す、RTK阻害薬(例えば、ソラフェニブ、リニファニブ、MGCD−265、パゾパニブ、セジラニブ、およびアキシチニブ)を含む粒子および組成物が記載されている。
本明細書に記載の方法、組成物および製剤によって標的とされるか、または治療されうる眼部分を、ここでより詳細に説明する。
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、対象の結膜を標的とし、かつ/または治療するのに使用することができる。結膜は、眼瞼の内側表面および強膜の前方部分を裏打ちする粘液膜を指す。眼瞼結膜は、眼瞼の内側表面を裏打ちし、厚く不透明で、高度に血管に富む。眼球結膜は、ゆるく連結され、薄く、透明であり、強膜または眼の前方3分の1を覆う。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、対象の角膜の全部または一部を標的とし、かつ/または治療するのに使用することができる。角膜は、凸状の透明な前方眼部分であり、眼球の最外層の6分の1を構成する。角膜は、光が角膜を通過して水晶体に至ることを可能にする。角膜は、5層:結膜の上皮と続いた前方角膜上皮、外境界層(ボーマン膜)、実質膜、内境界層(デスメ膜)、および前眼房上皮(角皮)を含有する繊維性構造体である。それは、密で、厚さが均一で、血管がなく、かつ眼の最外層の残りの6分の5を形成する強膜を超えて天蓋のように突き出ている。角膜の湾曲度は、それぞれの個体により、かつ同一人でも年齢により異なり、湾曲は、高齢者に比べて若年者でより著しい。
【0204】
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、網膜、脈絡膜、および/または強膜など、対象の眼の後方眼部分または後眼部を標的にし、かつ/または治療するのに使用することができる。後眼部の3つの主な層は、眼の内側から出発し後部に向かって、神経を含む網膜、血液供給を含む脈絡膜、および眼の白色部である強膜である。
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、眼の状態、すなわち、眼もしくは眼の1つまたは複数の部分もしくは領域に影響を及ぼすまたはそれらに関連する疾患、不快感または状態を治療、診断、予防または管理するのに使用することができる。概して、眼は、眼球、眼球を構成する組織および流体、眼周囲筋(斜紋筋および直筋など)、ならびに眼球の内部または近傍にある視神経の一部を含む。
【0205】
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、対象の前眼部の眼状態を治療、診断、予防、または管理するのに使用することができる。一般に、前眼部(または前方または前方部分)の眼状態は、本明細書に記載のような前眼部の組織または流体に影響を及ぼすまたはそれらに関連する疾患、不快感または状態である。前眼部の眼状態としては、例えば、術後炎症、ぶどう膜炎、感染症、無水晶体眼、偽水晶体眼、乱視、眼痙攣、白内障、結膜疾患、結膜炎、角膜疾患、角膜潰瘍、ドライアイ症候群、眼瞼疾患、涙器疾患、涙道閉塞症、近視、老眼、瞳孔障害、角膜血管新生、屈折障害、および斜視などの疾患、不快感、または、状態が挙げられる。緑内障は、緑内障の臨床的目標を、眼の前眼房中の房水の高い圧力を低下させる(すなわち、眼内圧を低下させる)こととすることができるので、一部の実施形態において前眼部の眼状態であると考えることができる。
【0206】
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、対象の後眼部の眼状態を治療、診断、予防、または管理するのに使用することができる。一般に、後眼部または後方眼の状態は、本明細書に記載されているように、主に後眼部の組織または流体に影響を及ぼすまたはそれらに関連する疾患、不快感または状態である。後方眼の状態としては、例えば、眼内メラノーマ、急性黄斑神経網膜障害、ベーチェット病、脈絡膜血管新生、ぶどう膜炎、糖尿病性ぶどう膜炎、ヒストプラズマ症、感染症(真菌またはウイルスに起因する感染症など)、黄斑変性(急性黄斑変性、非滲出性加齢性黄斑変性、および滲出性加齢性黄斑変性など)、浮腫(黄斑浮腫、例えば、嚢胞様黄斑浮腫(CME)および糖尿病性黄斑浮腫(DME)など)、多病巣性脈絡膜炎、後方眼の部位または場所に影響を及ぼす眼外傷、眼腫瘍、網膜障害(中心網膜静脈閉塞、増殖性糖尿病性網膜症を含む糖尿病性網膜症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、網脈動脈閉塞性疾患、網膜剥離、ぶどう膜網膜疾患など)、交感性眼炎、フォークト・小柳・原田(VKH)症候群、ぶどう膜拡散、レーザー眼治療に起因または影響された後方眼状態、光線力学療法、光凝固に起因または影響された後方眼状態、放射線網膜症、網膜前膜障害、枝網膜静脈閉塞、前方虚血性視神経症、非網膜症性糖尿病性網膜機能不全、網膜色素変性症、網膜芽細胞腫、および緑内障などの疾患、不快感または状態を挙げることができる。緑内障は、治療目標が、網膜細胞または視神経細胞への傷害またはそれらの喪失による視力喪失を予防、または視力喪失の発生を低減すること(すなわち、神経保護)にあるので、一部の実施形態において、後方眼の状態と考えることができる。
【0207】
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、対象のドライアイを治療、診断、予防、または管理するのに使用することができる。ドライアイは、眼を潤滑し、眼に栄養を与える涙が十分に存在しない状態である。涙は、眼の前部表面の健康を維持するため、かつ明瞭な視力を提供するために必須である。ドライアイの人は、十分な涙を産生しないか、あるいは涙の量が乏しい。ドライアイは、とりわけ老人において、一般的でしばしば慢性的な問題である。眼瞼を瞬きする毎に、涙は、角膜として知られる眼の前部表面の全域に広げられる。涙は、潤滑を提供し、眼感染症のリスクを低減し、眼中の外来物を洗い流し、眼表面を円滑かつ澄明に保持する。眼中の過剰な涙は、眼瞼の内部隅の小さな排液導管中に流れ込み、鼻の後部に流れ出る。涙は、眼瞼中のまたはその周りのいくつかの腺(例えば、涙腺)によって産生される。涙の産生は、年齢と共に、種々の医学的状態と共に、または特定薬剤の副作用として減少する傾向がある。風および乾燥気候などの環境条件も、涙の蒸発を増すことによって涙の量に影響を及ぼすことがある。正常量の涙産生が減少するか、または涙が眼からあまりにも急速に蒸発すると、ドライアイの症状が現れることがある。
【0208】
ドライアイの最も通常的な形態は、涙の水層の量が不十分なためである。乾性角結膜炎(KCS)と呼ばれるこの状態は、ドライアイ症候群とも呼ばれる。
ドライアイの治療は、眼中で正常量の涙を取り戻すか、または維持して、乾燥および関連した不快感を最小にし、かつ眼の健康を維持することを目指す。これらの目標は、涙腺での涙産生を高めること、結膜のムチン産生を調節すること、および眼組織の炎症を抑制することなどの様々な経路を介して達成することができる。例えば、Restasis(登録商標)(0.05%シクロスポリン)は、結膜および涙腺中でのT細胞の活性を低下させる免疫抑制剤である。ドライアイの新規な治療を開発する際の難題としては、根底にある疾患および原因を確認すること、結果が判明するまでの時間が長いこと(3〜6ヶ月)、および治療はドライアイの集団のわずか10〜15%で効力がありうるという事実である。薬物送達も難題である可能性がある。ドライアイの治療で標的とされる眼組織は眼前部に存在するが、局所で投与された医薬品の一部は、やはり結膜、涙膜、および角膜中の粘液によって不動化される可能性がある。一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、製剤、および組成物は、医薬品の適切な組織への有効送達を容易にすること、粒子の眼表面の全域にわたるより一様かつ/または広く拡がる被度を促進すること、および/または粒子/医薬品の排除を回避または最少にすることによってこれらの問題に対処することができる。
【0209】
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、対象の眼における炎症を治療、診断、予防、または管理するのに使用することができる。炎症は、種々の眼障害に付随する。炎症は、また、白内障手術をはじめとする多くの眼の外科的処置に由来する可能性がある。コルチコステロイドが、眼の抗炎症薬としてしばしば使用されるが、それらは、典型的には頻繁な投与を必要とする。
【0210】
術後炎症を予防するために、ステロイドまたはNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)を予防的に付与することができる。術後炎症の最近の治療としては、ステロイド(例えば、Lotemax(登録商標)(0.5%エタボン酸ロテプレドノール)、Durezol(登録商標)(0.05%ジフルプレドネート)、Pred Mild(登録商標)(0.12%酢酸プレドニゾロン)、およびOmnipred(登録商標)(1%酢酸プレドニゾロン)およびNSAID(例えば、Bromday(登録商標)(0.09%ブロムフェナク)、Nevnac(登録商標)(0.1%ネパフェナク)、Acular LS(登録商標)(0.4%ケトロラクトロメタミン)、Acuvail(登録商標)(0.45%ケトロラクトロメタミン)、Toradol(登録商標)(ケトロラクトロメタミン)、Sprix(登録商標)(ケトロラクトロメタミン)、Voltaren(登録商標)(0.1%ジクロフェナク)、Aclonac(登録商標)(ジクロフェナク)、およびCataflam(登録商標)(ジクロフェナク)が挙げられる。眼表面からの点眼薬の急速な排除のため、現在市販されているほとんどのステロイドまたはNSAID点眼薬は、治療効果を達成し維持するには1日に多数回投与しなければならないので、術後炎症の治療に関する最大の難題の1つは、応諾性である。一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、1種または複数のこれらのステロイド系医薬品を含むことができる。例えば、例中でより詳細に説明するように、Lotemax(登録商標)の成分であるエタボン酸ロテプレドノールの本明細書に記載の特定のポリマー性コーティングを含む粒子は、ニュージーランド白色ウサギにおいて、適切なポリマー性コーティングを含まない等価投与量の市販製剤に比較して、種々の眼組織中で著しくより高い薬物レベルをもたらした。このデータは、被覆された粒子を、市販製剤に比較して1日当たりより少ない回数で投与して、治療効果を達成し、維持することができることを示唆している。
【0211】
いくつかの局所用NSAID製剤(例えば、Bromday(登録商標)(0.09%ブロムフェナク))が市販されている。表17に、これらの製剤のリスト、それらのそれぞれの商品名、有効医薬成分(API)、投与濃度、投与頻度を示す。これらの製剤の大多数(すなわち、Bromday(登録商標)、Flurbiprofen(登録商標)、Acular(登録商標)、およびVoltaren(登録商標))は、有効成分が完全に溶解された溶液剤として供給される。
ブロムフェナクは、溶液中でのラクタム形成によって、特に中性未満のpHで分解しやすい(表18)。表18のデータは、ブロモフェナクナトリウムを含む水性溶液のpHを低下させると(例えば、7.8から5.8へ)、ブロムフェナクのより多くの分解物が観察されたことを示している。
眼の中央および後部の状態における安全性を向上させるか、または治療力を高めるために順次より低用量に変えることのできる、ブロモフェナクの局所送達を高めるために、ブロムフェナクを、ブロムフェナクの芯を含むMPPの懸濁液として製剤することが望ましい可能性がある。さらに、ブロムフェナクをMPPの懸濁液として製剤することは、分解物の濃度を(例えば、ブロムフェナクの水性溶液と比較して)実質上増加させることなく、製剤中のブロムフェナク濃度の増加を可能にすることができる。しかし、その比較的大きな水溶性のため、ブロムフェナクナトリウムを固体または結晶性粒子として製剤することは困難である。ブロムフェナク遊離酸(ブロムフェナクFA)も、水性Pluronic(登録商標)F127の存在下でかなり分解するので、一部の実施形態において、貯蔵安定性のあるMPP懸濁液製剤を開発することは困難である可能性がある(表19)。
【0215】
本明細書に記載のように、NSAID(例えば、ブロムフェナク、ジクロフェナク、ケトロラク、またはこれらの塩)を含み、眼への局所投与に適したpHで安定である組成物を開発することが望ましい。一部の実施形態において、このような組成物は、ブロムフェナク、ジクロフェナク、ケトロラク、またはこれらの塩の、粘液に効果的に浸透できる固形または結晶性の粒子を含む。粒子は、粒子の粘液粘着性を低減することのできる本明細書に記載の1種または複数の表面改変剤(例えば、ポロキサマー、ポリソルベート(例えば、Tween80(登録商標))、PVA)を含むことができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、ブロムフェナクの二価金属塩、例えばブロムフェナクの二価金属塩を含む。例えば、ブロムフェナクの二価金属塩は、比較的非水溶性である可能性があり、例えば、ブロムフェナクベリリウム、ブロムフェナクマグネシウム、ブロムフェナクカルシウム、ブロムフェナクストロンチウム、ブロムフェナクバリウム、ブロムフェナク亜鉛、またはブロムフェナク銅(II)を挙げることができる。一部の実施形態において、ブロムフェナクの二価金属塩を含む粒子は、本明細書に記載の範囲(例えば、少なくとも約0.001mg/mLかつ約1mg/mL以下)の水溶性を有する可能性がある。
【0216】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、ジクロフェナクFAを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、ジクロフェナクの金属塩、例えば、ジクロフェナクのアルカリ土類金属塩を含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、ケトロラクFAを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、ケトロラクの金属塩、例えば、ケトロラクのアルカリ土類金属塩を含む。このような化合物の三価金属塩もあり得る。
【0217】
本明細書に記載のブロムフェナクの二価金属塩(例えば、ブロムフェナクカルシウム)は、ブロムフェナクナトリウムおよび/またはブロムフェナクのその他の一価塩に比べて、より水溶性が低く、かつより疎水性である。例えば、ブロムフェナクカルシウムの25℃での水に対する溶解度は、約0.15mg/mLである。より水溶性かつ親水性のブロムフェナクナトリウムに比較して、ブロムフェナクの二価金属塩は、本明細書に記載の方法(例えば、粉砕および/または沈降)を利用してMPPに加工処理するのにより適している可能性がある。ブロムフェナクの二価金属塩は、MPP中に大部分は固形(例えば、結晶性)形態で存在し、それゆえ、分解する傾向がより少なく、化学的により安定である。さらに、ブロムフェナク二価金属塩のMPPを含む組成物および/または製剤中のブロムフェナク二価金属塩の比較的高い濃度は、ブロムフェナク二価金属塩の分解物の水溶性および/または形成によって制約されない。したがって、ブロムフェナクの二価金属塩を含む本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、溶液中に溶解される遊離酸に比較して、組成物または製剤中でのブロムフェナクのより高い濃度を可能にすることができる。一部の実施形態において、このような粒子、組成物、および/または製剤は、眼に投与した後に、眼組織中でのより高いブロムフェナク濃度を可能にする。
【0218】
ブロムフェナクカルシウムおよびブロムフェナクの遊離酸形態に関して本明細書中で考察したと同様の理由により、水溶性および親水性がより小さいジクロフェナクFAおよびその金属塩(例えば、二価または三価の金属塩)は、ジクロフェナクナトリウムおよび/またはジクロフェナクのその他の一価塩に比較して、粘液浸透性である粒子、組成物、および/または製剤に加工処理されるのにより適している可能性がある。同様に、ケトロラクトロメタミンおよび/またはケトロラクのその他の一価塩に比べて、水溶性および親水性がより小さいケトロラクFAおよびその金属塩(例えば、二価または三価金属塩)を、粘液浸透性の粒子、組成物、およびまたは製剤に形成することができる。さらに、ジクロフェナクFAまたはケトロラクFA、あるいはこれらの二価または三価金属塩は、それらの水溶性によって制約されない可能性があり、これらの化合物は、ジクロフェナクナトリウムまたはケトロラクトロメタミンの水性製剤にそれぞれ比較して、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤中により高い濃度で存在することができる。
【0219】
特定の実施形態において、本明細書に記載の医薬品(例えば、ブロムフェナクの二価金属塩(例えば、ブロムフェナクカルシウム)、ジクロフェナクFA、ジクロフェナクの金属塩(例えば、二価または三価金属塩)、ケトロラクFA、またはケトロラクの金属塩(例えば二価または三価金属塩)などのNSAID;ソラフェニブ、リニファニブ、MGCD−265、パゾパニブ、セジラニブ、およびアキシチニブなどの受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬;またはLEなどのコルチコステロイド)は、本明細書に記載の組成物および/または製剤中に、重量/容積%で、少なくとも約0.001%、少なくとも約0.003%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.02%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1%、少なくとも約1.5%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%で存在する。特定の実施形態において、医薬品は、本明細書に記載の組成物および/または製剤中に、重量/容積%で、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約8%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1.5%以下、約1%以下、約0.8%以下、約0.6%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、約0.3%以下、約0.2%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.02%以下、約0.01%以下、約0.003%以下、または約0.001%以下で存在する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約0.5重量/容積%かつ約5重量/容積%以下)もあり得る。その他の範囲もあり得る。
特定の実施形態において、ブロムフェナクの二価金属塩(例えば、ブロムフェナクカルシウム)は、本明細書に記載の組成物および/または製剤中に、約0.09重量/容積%以上で存在する。特定の実施形態において、ブロムフェナクの二価金属塩(例えば、ブロムフェナクカルシウム)は、本明細書に記載の組成物および/または製剤中に、約0.5重量/容積%以上で存在する。特定の実施形態において、ジクロフェナクのFAまたはケトロラクFA、あるいはそれらの金属塩(例えば、二価または三価金属塩)は、本明細書に記載の組成物および/または製剤中に、約0.5重量/容積%以上で存在する。
【0220】
一部の実施形態において、ブロムフェナクの二価金属塩または本明細書に記載のその他の医薬品のMPPを含む組成物および/または製剤は、少し塩基性のpH(例えばpH8)などの眼を刺激しないpH、生理学的pH(すなわち、約pH7.4)、実質上中性のpH(例えばpH7)、少し酸性のpH(例えば、約pH5〜6)、またはこれらの範囲(例えば、約pH5〜7または6〜7)を有することができる。これらのpHで、MPP、組成物、および/または製剤は、化学的およびコロイド的に安定であることができ、特定の市販製剤に比較して、眼組織中でより長い期間治療上および/または予防上有効な薬物レベルを達成することができる。本明細書に記載の利点は、さらに、特定の市販製剤に比較して、この治療の安全性を向上させるためのより少ない所要投与量、および/または眼の中央部および後部での状態を治療するための高められた局所送達につながる可能性がある。
【0221】
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、対象における緑内障を治療、診断、予防、または管理するのに使用することができる。緑内障は、視神経が特徴的なパターンで損傷される眼疾患である。これは、冒された眼の視力を永続的に損傷し、治療しないで放置すると失明に至ることがある。それは、通常的には、眼中の流体(房水)圧の増加を伴う。用語「高眼圧症」は、一貫して上昇したIOPを有するが、付随性のなんらかの視神経損傷を有さない者に対して使用される。逆に、用語「正常圧または低圧緑内障」は、視神経損傷および付随する視野欠損を有するが、正常または低IOPである者に対して使用される。
神経損傷は、網膜神経節細胞の特徴的パターンの欠損を含む。多くの様々な亜種の緑内障が存在するが、それらは、すべて、一種の視神経症であると考えることができる。眼内圧の上昇(例えば、21mmHgまたは2.8kPaを超える)は、緑内障の最も重要かつ唯一の修正可能な危険因子である。しかし、一部は、何年も高い眼圧を有しながら全く損傷を起こさないことがあり、他方では、比較的低い眼圧で神経損傷を起こすこともある。非治療の緑内障は、視神経の永久的損傷および結果としての視野欠損に至ることがあり、やがては失明まで進行することがある。
【0222】
緑内障の最新治療は、眼房水流出量を増加させるプロスタグランジン類似体(例えば、Xalatan(登録商標)(0.005%ラタノプロスト)、Lumigan(登録商標)(0.03%および0.01%ビマトプロスト、およびTravatan Z(登録商標)(0.004%トラボプロスト));眼房水の産生を低下させるβ−遮断薬(例えば、Timoptic(登録商標)(0.5%および0.25%チモロール));眼房水の産生を低下させかつ流出量を増加させるα−作動薬(例えば、Alphagan(登録商標)(0.1%および015%酒石酸ブリモニジン));眼房水の産生を低下させる炭酸脱水酵素阻害薬(例えば、Trusopt(登録商標)(2%ドルゾラミド));および通常の流出量を増加させるコリン作動薬(縮瞳薬))例えば、Isopto(登録商標)(1%、2%および4%ピロカルピン))の使用を含むことができる。一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、製剤、および組成物は、医薬品の適切な組織への有効な送達を容易にすること、および医薬品の排除を回避または最小にすることによって、上記の問題に対処することができる。例えば、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、これらのまたはその他のプロスタグランジン類似体、β−遮断薬、α−作動薬、炭酸脱水酵素阻害薬、およびコリン作動薬の1種または複数を含むことができ、かつ粘膜中への粒子の浸透を容易にし、かつ医薬品の効果的な送達を可能にする本明細書に記載のコーティングを含むことができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、対象のぶどう膜炎を治療、診断、予防、または管理するのに使用することができる。ぶどう膜炎は、ぶどう膜、網膜と眼の白色部(強膜)との間に挟まれた眼の血管層の炎症である。ぶどう膜は、前眼部に向かって拡がり、虹彩、脈絡膜層および毛様体からなる。最も一般的な種類のぶどう膜炎は、虹彩炎と呼ばれる虹彩の炎症(前ぶどう膜炎)である。ぶどう膜炎は、また、眼の後方部分(例えば、脈絡膜)で起こることもある。ぶどう膜の炎症は、再帰性であることがあり、治療しないで放置すると、失明などの深刻な問題を引き起こすことがある(世界的にみて、失明原因の10%を占める)。ぶどう膜炎の合併症を予防するには、早期の診断および治療が重要である。
【0223】
ぶどう膜炎の最新治療は、点眼薬(例えば、TobraDex(登録商標)(0.1%デキサメタゾン/0.3%トブラマイシン)およびZylet(登録商標)(0.5%エタボン酸ロテプレドノール/0.3%トブラマイシン));ヒアルロン酸ナトリウム中の「ゲル状懸濁液」の硝子体内注射(例えば、Trivaris(登録商標)(8%トリアムシノロンアセトニド));カルボキシメチルセルロースおよびTween80中の「水性懸濁液」の硝子体内注射(例えば、Triesence(登録商標)(4%トリアムシノロンアセトニド));および挿入物(例えば、Retisert(登録商標)(0.59mgフルオシノロンアセトニド)およびOzurdex(登録商標)(0.7mgデキサメタゾン))を含む。経口のステロイドおよびNSAIDも採用される。ぶどう膜炎の新規治療を開発する上での難題は、前ぶどう膜炎のための非侵襲性送達、ぶどう膜の高い血管形成による排除、長期のステロイド使用によるIOP増加および白内障などの副作用である。一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、対象に局所で投与できるこれらの薬物の1種または複数を含むことができる。
【0224】
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、対象における加齢性黄斑変性(AMD)を治療、診断、予防、または管理するのに使用することができる。AMDは、高齢成人に通常的に影響を及ぼし、網膜への損傷のため、視野の中心(黄斑)の視力喪失をもたらす医学的状態である。それは、「乾性」および「湿性」の形態で発現する。それは、高齢成人(>50歳)における失明および視覚障害の主要原因である。黄斑変性は、顔を判断または認識することを困難または不可能にするが、周辺視力は、十分に残存し、日常生活のその他の活動を可能にする。黄斑は、最も詳細な中心視力を提供する網膜中心領域に存在する。乾性(非滲出性)形態において、ドルーゼと呼ばれる壊死細胞片は、網膜と脈絡膜との間に蓄積し、網膜剥離を生じることがある。より深刻である湿性(滲出性)形態において、血管は、網膜背後の脈絡膜から成長し、やはり網膜剥離を生じることがある。それは、レーザー凝固で、および血管の成長を停止し、時には元に戻す薬剤で治療することができる。若齢個体を襲う一部の黄斑ジストロフィーは、時に、黄斑変性と呼ばれるが、用語は、一般に、加齢性黄斑変性(AMDまたはARMD)を指す。
【0225】
加齢性黄斑変性は、黄斑中の網膜色素上皮と下にある脈絡膜との間の特徴的な黄色堆積物(ドルーゼ)で始まる。これらの早期変化(加齢性黄斑症と呼ばれる)を有するほとんどの者は、良好な視力を有する。ドルーゼを有する者は、進行したAMDに進行することがある。リスクは、ドルーゼが大きくかつ多数であり、かつ黄斑下の色素細胞層中に障害を伴う場合に、かなりより高い。最近の研究は、大きく軟らかいドルーゼは、コレステロール堆積の上昇に関連付けられ、コレステロール低下薬に応答する可能性がある。
【0226】
AMDの可能な治療としては、ベルテポルフィン(例えば、Chlorin(登録商標)、Visudyne(登録商標))、サリドマイド(例えば、Ambiodry(登録商標)、Synovir(登録商標)、Thalomid(登録商標))、テラポルフィンナトリウム(例えば、Aptocine(登録商標)、Laserphyrin(登録商標)、Litx(登録商標))、ラニビズマブ(例えば、Lucentis(登録商標))、ペガプタニブ八ナトリウム(例えば、Macugen(登録商標)、Macuverse(登録商標))、イソプロピルウノプロストン(例えば、Ocuseva(登録商標)、Rescula(登録商標))、インターフェロンβ(例えば、Feron(登録商標))、フルオシノロンアセトニド(例えば、Envision TD(登録商標)、Retisert(登録商標))、エベロリムス(例えば、Afinitor(登録商標)、Certican(登録商標)、Votubia(登録商標)、Zortress(登録商標))、エクリズマブ(例えば、Solaris(登録商標)、Soliris(登録商標))、デキサメタゾン(例えば、Osurdex(登録商標)、Ozurdex(登録商標)、Posurdex(登録商標)、Surodex(登録商標))、カナキヌマブ(例えば、Ilaris(登録商標))、ブロムフェナク(Bromday(登録商標))、眼用薬(例えば、Bronac(登録商標)、Bronuck(登録商標)、Xibrom(登録商標)、Yellox(登録商標))、ブリモニジン(例えば、ALphagan(登録商標)、Bromoxidine(登録商標)、Enidin(登録商標))、酢酸アネコルタブ(例えば、Retaane(登録商標)、Edex(登録商標)、Prostavasin(登録商標)、Rigidur(登録商標)、Vasoprost(登録商標)、Viridal(登録商標))、アフリベルセプト眼用溶液(例えば、Eyelea(登録商標)、Eylea(登録商標)、VEGF−Trap−Eye(登録商標))、オクリプラスミン(例えば、Iluvien(登録商標)、Medidur(登録商標)、Medidur FA(登録商標))、シロリムス(例えば、Perceiva(登録商標))、NT−501、KH−902、フォスブレタブリントロメタミン(例えば、Zybrestat(登録商標))、AL−8309、アガニルセン(例えば、Norvess(登録商標))、ボロシキマブ(例えば、Ophthotec(登録商標))、トリアムシノロン(例えば、Icon Bioscience)、TRC−105、Burixafor(例えば、TG−0054)、TB−403(例えば、R−7334)、スクアラミン(例えば、Evizon(登録商標))、SB−623、S−646240、RTP−801i−14(例えば、PF−4523655)、RG−7417(例えば、FCFD−4514S)、AL−78898A(例えば、POT−4)、PG−11047(例えば、CGC−11047)、塩酸パゾパニブ、ソネプシズマブ(例えば、Asonep(登録商標)、Sphingomab(登録商標))、パデリポルフィン(例えば、Stakel(登録商標))、OT−551、オンテシズマブ、NOX−A12、hCNS−SC、Neu−2000、NAFB001、MA09−hRPE、LFG−316、iCo−007(例えば、ISIS−13650)、hI−con1、GSK−933776A、GS−6624(例えば、AB−0024)、ESBA−1008、エピタロン、E−10030(例えば、ARC−127)、ダランテルセプト、MP−0112、CNTO−2476、CERE−120、AAV−NTN、CCX−168、Brimonidine−DDS、ベバシラニブナトリウム(例えば、Cand5)、ベルチリムマブ、AVA−101、ALG−1001、AL−39324、AGN−150998、ACU−4429、A6(例えば、Paralit(登録商標))、TT−30、sFLT−01遺伝子療法、RetinoStat(登録商標)、PRS−050(例えば、Angiocal(登録商標))、PF−4382923、Palomid−529、MC−1101、GW−824575、Dz13(例えば、TRC−093)、D93、CDX−1135(例えば、TP10)、ATL−1103、ARC−1905、XV−615、湿りAMD抗体(例えば、pSivida)、VEGF/rGel、VAR−10200、VAL−566−620−MULTI、TKI、TK−001、STP−601、乾燥AMD幹細胞療法(例えば、EyeCyte)、OpRegen、SMT−D004、SAR−397769、RTU−007、RST−001、RGNX−004、RFE−007−CAI、網膜変性プログラム(例えば、Оrphagen)、網膜細胞(例えば、ISCO)、ReN003、PRM−167、ProDex、光スイッチ(例えば、Photoswitch Biosciences)、パーキンソン療法、OMS−721、OC−10X、NV.AT.08、NT−503、NAFB002、NADPHオキシダーゼ阻害薬(例えば、Alimera Sciences)、MC−2002、リシウム抗血管新生プロテオグリカン、IXSVEGF、インテグリン阻害薬、GW−771806、GBS−007、Eos−013、EC−400、乾燥AMD療法(例えば、Neuron Systems)、CGEN−25017、CERE−140、AP−202、AMD療法(例えば、Valens Therapeutics)、AMD療法(例えば、Amarna Therapeutics)、AMD RNAi療法(例えば、RXi)、ALK−001、AMD療法(例えば、Aciont)、AC−301、4−IPP、亜鉛−モノシステイン複合体(例えば、Adeona)、バタラニブ、TG−100−344、プリリノマスタット、PMX−53、Neovastat、メカミラミン、JSM−6427、JPE−1375、CereCRIB、BA−285、ATX−S10、AG−13958、ベルテポルフィン/alphavβコンジュゲート、VEGF/rGel、VEGF−サポリン。VEGF−R2拮抗薬(例えば、Allostera)、VEGF阻害薬(例えば、Santen)、VEGF拮抗薬(例えば、Ark)、Vangiolux(登録商標)、トリフェニルメタン(例えば、Alimera)、TG−100−801、TG−100−572、TA−106、T2−TrpRS、SU−0879、幹細胞療法(例えば、PfizerおよびUCL)、SOD模擬薬(例えば,Inotek)、SHEF−1、ロスタポルフィン(例えば、Photrex(登録商標)、Purlytin(登録商標)、SnET2)、RNA干渉薬(例えば、IderaおよびMerck)、rhCFHp(例えば、Optherion)、網膜−NPY、網膜色素変性症療法(例えば、Mimetogen)、AMD遺伝子療法(例えば、Novartis)、網膜遺伝子療法(例えば、Genzyme)、AMD遺伝子療法(例えば、Copernicus)、網膜ジストロフィー療法(例えば、FoveaおよびGenzyme)、RamotプロジェクトNo.K−734B、PRS−055、ポルシンRPE細胞(例えば、GenVec)、PMI−002、PLG−101(例えば、BiCentis(登録商標))、PJ−34、PI3Kコンジュゲート(例えば、Semafore)、PhotoPoint、Pharmaprojects No.6526、ペガプタニブナトリウム(例えば、SurModics(登録商標))、PEDF ZFP TF、PEDF遺伝子療法(例えば、GenVec)、PDS−1.0、PAN−90806、Opt−21、OPK−HVB−010、OPK−HVB−004、眼科薬(例えば、Cell NetwoRx)、眼用化合物(例えば、AstraZencaおよびAlcon)、OcuXan、NTC−200、NT−502、NOVA−21012、Neurosolve(登録商標)、神経保護薬(例えば、BDSI)、MEDI−548、MCT−355、McEye(登録商標)、LentiVue(登録商標)、LYN−002、LX−213、ルテチウムタキサフィリン(例えば、Antrin(登録商標))、LG−339阻害薬(例えば、Lexicon)、KDRキナーゼ阻害薬(例えば、Merck)、ISV−616、INDUS−815C、ICAM−1アプタマー(例えば、Eyetech)、ハリネスミ拮抗薬(例えば、Opthalmo)、GTx−822、GS−102、Granzyme B/VEGF(登録商標)、遺伝子療法(例えば、EyeGate)、GCS−100類似体プログラム、FOV−RD−27、繊維芽細胞増殖因子(例えば、Ramot)、フェンレチニド、F−200(例えば、Eos−200−F)、Panzem SR(登録商標)、ETX−6991、ETX−6201、EG−3306、Dz−13、ジスルフィラム(例えば、ORA−102)、ジクロフェナク(例えば、Ophthalmopharma)、ACU−02、CLT−010、CLT−009、CLT−008、CLT−007、CLT−006、CLT−005、CLT−004、CLT−003(例えば、Chirovis(登録商標))、CLT−001、Cethrin(登録商標)(例えば、BA−210)、セレコキシブ、CD91拮抗薬(例えば、Ophthalmophar)、CB−42、BNC−4、ベストロフィン、バチマスタット、BA−1049、AVT−2、AVT−1、atu012、Apelプログラム(例えば、ApeX−2)、抗VEGF(例えば、Gryphon)、AMD ZFP(例えばToolGen)、AMD療法(例えば、Optherion)、AMD療法(例えば、ItherX)、乾燥AMD療法(例えば、Opko)、AMD療法(例えば、CSL)、AMD療法(例えば、PharmacopeiaおよびAllergan)、AMD治療用タンパク質(例えば、ItheX)、AMD RNAi療法(例えば、BioMolecular Therapeutics)、AM−1101、ALN−VEG01、AK−1003、AGN−211745、ACU−XSP−001(例えば、Excellair(登録商標))、ACU−HTR−028、ACU−HHY−011、ACT−MD(例えば、NewNeutral)、ABCA4モジュレーター(例えば、Active Pass)、A36(例えば、Angstrom)、267268(例えば、SB−267268)、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))、アフリベルセプト(例えば、Eylea(登録商標))、131−I−TM−601、バンデタニブ(例えば、Caprelsa(登録商標)、Zactima(登録商標)、Zictifa(登録商標))、マレイン酸スニチニブ(例えば、Sutene(登録商標)、Sutent(登録商標))、ソラフェニブ(例えば、Nexavar(登録商標))、パゾパニブ(例えば、Armala(登録商標)、Patorma(登録商標)、Votrient(登録商標))、アキシチニブ(例えば、Inlyta(登録商標))、チボザニブ、XL−647、RAF−265、ペグジネタニブ(例えば、Angiocept(登録商標))、パゾパニブ、MGCD−265、イクルクマブ、フォレチニブ、ENMD−2076、BMS−690514、レゴラフェニブ、ラムシルマブ、プリチデプシン(例えば、Aplidin(登録商標))、オランチニブ、ニンテダニブ(例えば、Vargatef(登録商標))、モテサニブ、ミドスタウリン、リニファニブ、テラチニブ、レンバチニブ、エルパモチド、ドビチニブ、セジラニブ(例えば、Recentin(登録商標))、JI−101、カボザンチニブ、ブリバニブ、アパチニブ、Angiozyme(登録商標)、X−82、SSR−106462、レバス
チニブ、PF−337210、IMC−3C5、CYC116、AL−3818、VEGFR2阻害薬(例えば、AB Science)、VEGF/rGel(例えば、Clayton Biotechnologies)、TLK−60596、TLK−60404、R84抗体(例えば、Peregrine)、MG−516、FLT4キナーゼ阻害薬(例えば、Sareum)、flt−4キナーゼ阻害薬、Sareum、DCC−2618、CH−330331、XL−999、XL−820、バタラニブ、SU−14813、セマキサニブ、KRN−633、CEP−7055、CEP−5214、ZK−CDK、ZK−261991、YM−359445、YM−231146、VEGFR2キナーゼ阻害薬(例えば、武田薬品)、VEGFR−2キナーゼ阻害薬(例えば、Hanmi)、VEGFR−2拮抗薬(例えば、Affymax)、VEGF/rGel(例えば、Targa)、VEGF−TK阻害薬(例えば、AstraZeneca)、チロシンキナーゼ阻害薬(例えば、Abbott)、チロシンキナーゼ阻害薬(例えば、Abbott)、Tie−2キナーゼ阻害薬(例えば、GSK)、SU−0879、SP−5.2、ソラフェニブビーズ(例えば、Nexavar(登録商標)ビーズ)、SAR−131675、Ro−4383596、R−1530、Pharmaproject No.6059、OSI−930、OSI−817、OSI−632、MED−A300、L−000021649、KM−2550、キナーゼ阻害薬(例えば、MethylGene)、キナーゼ阻害薬(例えば、Amgen)、Ki−8751、KDRキナーゼ阻害薬(例えば、Celltech)、KDRキナーゼ阻害薬(例えば、Merck)、KDRキナーゼ阻害薬(例えば、Amgen)、KDR阻害薬(例えば、Abbott)、KDR阻害薬(例えば、LGLS)、JNJ−17029259、IMC−1C11、Flt3/4抗がん薬(例えば、Sentinel)、EG−3306、DP−2514、DCC−2157、CDP−791、CB−173、c−キット阻害薬(例えば、Deciphera)、BIW−8556、抗がん薬(例えば、BraccoおよびDyax)、抗Flt−1M抗体(例えば、ImClone)、AGN−211745、AEE−788、およびAB−434などの医薬品の使用を含む。
【0227】
レーザー療法も、湿性AMDに利用できる、小分子抗VEGF療法は、研究されているが、現在承認されていない。AMDの新規な治療を開発する際の難題として、硝子体内注射での治療、黄斑への送達、副作用、および患者の応諾性を確認することが挙げられる。
【0228】
本明細書に記載のその他の身体状態に加えて、一部の実施形態において、本明細書に記載の方法、粒子、組成物、および/または製剤は、対象における黄斑浮腫(例えば、嚢胞様黄斑浮腫(CME)または糖尿病性黄斑浮腫(DME))を治療、診断、予防、または管理するのに使用することができる。CMEは、眼の中心網膜または黄斑を襲う障害である。この状態が存在すると、流体の多数の嚢胞のような(嚢胞様)領域が、黄斑中に現れ、網膜の腫脹または浮腫を引き起こす。CMEは、網膜静脈閉塞、ぶどう膜炎、および/または糖尿病などの各種疾患を伴うことがある。CMEは、白内障手術の後に、一般的に現われる。
【0229】
現在、CMEの治療は、NSAID(ブロムフェナク(例えば、Bromday(登録商標)など))の投与を含む。NSAIDは、局所または硝子体内で、コルチコステロイドと共投与することができる。CMEの重症で持続性のある症例は、通常、侵襲性で費用のかさむ処置である、コルチコステロイドの硝子体内注射によって治療される。
DMEは、糖尿病を患う患者の網膜中の血管が、精密な中心視力に責任を負う眼の部分である黄斑中に漏れ出し始める場合に現われる。これらの漏洩は、黄斑の肥厚および腫脹を引き起こし、鋭敏な視力を進行的に歪ませる。腫脹は、必ずしも失明には至らないが、効果は、中心視力の重篤な欠損を引き起こすことがある。
現在、DMEの治療は、不便かつ侵襲性であるLucentis(登録商標)(ラニビズマブ)注射を含む。DMEのもう1つの治療は、レーザー光凝固である。レーザー光凝固は、レーザーを使用して漏洩しやすい血管を焼灼するか、浮腫を軽減するための焼き模様を付ける網膜処置である。この処置は、周縁および夜間視力の部分的喪失を含む望ましくない副作用を有する。
上記の欠点のため、黄斑浮腫(例えば、CMEまたはDME)を治療および/または予防するための改善された製剤に対する必要性が存在する。NSAID(例えば、ブロムフェナクカルシウム)を含む本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、眼への局所投与に適したpHで安定であり、黄斑浮腫のための現在の治療方法に関する上記の問題に対処することができる(例えば、例27〜28参照)。
【0230】
本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、限定はされないが、種々の経路によって、例えば、任意の許容される形態(例えば、錠剤、液剤、カプセル剤、散剤など)による経口によって、任意の許容される形態(例えば、貼付剤、点眼薬、クリーム剤、ゲル剤、霧化、涙点プラグ、薬物溶出性コンタクト、イオン導入、および軟膏剤)による局所によって、任意の許容される形態(例えば、静脈内、腹腔内、筋内、皮下、非経口、および硬膜外)による注射によって、ならびに貯蔵器(例えば、皮下ポンプ、髄腔内ポンプ、坐剤、生分解性送達システム、非生分解性送達システム、およびその他の埋め込み型の長期または徐放出デバイスまたは製剤の埋め込みまたは使用によって、眼中に送達することができる。
部分的には、注射による粒子、組成物、および/または製剤の眼への投与は、侵襲性(患者に対して不快感をもたらし、治療される疾患よりもさらにより深刻である合併症に至ることもある)であり、経口投与は、眼中への粒子、組成物、および/または製剤の少ない分布につながることが多いので、一部の実施形態では、局所送達が、望ましいことがある。局所送達の鍵となる利点としては、非侵襲性、全身暴露の低減を伴う局所化された作用、患者の相対的満足感、および投与の容易さが挙げられる。
応諾性(compliance)は、広範な種類の因子に由来する、点滴することを憶えておく、点滴を物理的に投与する上で煩わされる、不快な副作用に関する患者の困難に由来する問題である。その他の問題としては、薬物の急速な排除および全身性暴露が挙げられる。
【0231】
本明細書に記載のように、一部の実施形態において、粒子、組成物、および/または製剤は、対象の眼に局所で投与することができ、医薬品は、眼の後方部分(例えば、網膜、脈絡膜、硝子体、および視神経)に送達することができる。粒子、組成物、および/または製剤は、加齢性黄斑変性、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、網膜動脈閉塞、黄斑浮腫、術後炎症、ぶどう膜炎網膜炎、増殖性硝子体網膜症、および緑内障を治療、診断、予防、または管理するのに使用することができる。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法は、眼の造影で有用である。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法は、眼の状態の診断で有用である。
【0232】
一部の実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物の眼への送達は、眼表面への、涙腺または涙排液系への、眼瞼への、眼の前方部分への、眼の後方部分への、および/または眼周囲空間への送達を含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物は、角膜、虹彩/毛様体、房水、硝子体液、網膜、脈絡膜、および/または強膜へ送達することができる。本明細書に記載の医薬組成物を送達することの治療効果は、本明細書中で粘液浸透性とは認められない粒子を送達することの効果と比較して、改善される可能性がある。
【0233】
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または方法によって眼中に送達される医薬品は、コルチコステロイドでよい。特定の実施形態において、医薬品は、エタボン酸ロテプレドノールである。特定の実施形態において、医薬品は、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、チクソコルトール、プレドニゾロン、メチルプドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニド、フルオシノロン、ハルシノニド、ベタメタゾン、デキサメタゾン、フルオコルトロン、ヒドロコルチゾン、アクロメタゾン、プレドニカルバート、クロベタゾン、クロベタゾール、フルプレドニデン、グルココルチコイド、ミネラロコルチコイド、アルドステロン、デオキシコルチコステロン、フルドロコルチゾン、ハロベタゾール、ジフロラゾン、デゾキシメタゾン、フルチカゾン、フルランドレノリド、アルクロメタゾン、ジフルコルトロン、フルニソリド、およびベクロメタゾンの1種または複数を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法は、眼の炎症を治療するために、上記の1種などのコルチコステロイドを眼中に送達する上で有用である。特定の実施形態において、粒子、組成物、および方法は、黄斑変性、黄斑浮腫、その他の網膜障害、または本明細書に記載のその他の状態を治療するために、コルチコステロイドを眼中に送達する上で有用である。
【0234】
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法によって眼中に送達される医薬品は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)でよい。特定の実施形態において、医薬品は、ブロムフェナクの二価金属塩(例えば、ブロムフェナクカルシウム)である。特定の実施形態において、医薬品は、ジクロフェナク(例えば、ジクロフェナク遊離酸、あるいはその二価または三価金属塩)である。特定の実施形態において、医薬品は、ケトロラク(例えば、ケトロラク遊離酸、あるいはその二価または三価金属塩)である。特定の実施形態において、医薬品は、サリチル酸塩(例えば、アスピリン(アセチルサリチル酸)、ジフニサール、またはサルサラート)である。特定の実施形態において、医薬品は、プロピオン酸誘導体(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、デクスケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、およびイオキソプロフェン)である。特定の実施形態において、医薬品は、酢酸誘導体(例えば、インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ケトロラク、ジクロフェナク、およびナブメトン)である。特定の実施形態において、医薬品は、エノール酸(オキシカム)誘導体(例えば、ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、およびイソキシカム)である。特定の実施形態において、医薬品は、フェナム酸誘導体(フェナマート)(例えば、マフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、およびトルフェナム酸)である。特定の実施形態において、医薬品は、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬、例えば、cox−1またはcox−2阻害薬(例えば、ブロムフェナクカルシウム)である。特定の実施形態において、医薬品は、選択的cox−2阻害薬(コキシブ)(例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルダコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、およびフィロコキシブ)である。特定の実施形態において、医薬品は、スルホンアニリド(例えば、ニメスリド)である。特定の実施形態において、医薬品は、リコフェロンである。
【0235】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法は、眼の炎症または本明細書に記載のその他の状態を治療するために、上記の1種などのNSAIDを眼中に送達する上で有用である。一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法によって眼中に送達される医薬品は、血管新生阻害薬でよい。特定の実施形態において、医薬品は、内因性血管新生阻害薬(例えば、VEGFR−1(例えば、パゾパニブ(Votrient(登録商標))、セジラニブ(Recentin(登録商標))、チボザニブ(AV−951)、アキシチニブ(Inlyta(登録商標))、セマキサニブ)、HER2(ラパチニブ(Tykerb(登録商標)、Tyverb(登録商標))、リニファニブ(ABT−869)、MGCD−265、およびKRN−633)、VEGFR−2(例えば、レゴラフェニブ(BAY73−4506)、テラチニブ(BAY57−9352)、バタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、MGCD−265、OSI−930、およびKRN−633)、NRP−1、アンジオポイエチン2、TSP−1、TSP−2、アンジオスタチン、エンドスタチン、バソスタチン、カルレチクリン、血小板因子−4、TIMP、CDAI、Meth−1、Meth−2、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、CXCL10、IL−4、IL−12、IL−18、プロトロンビン(クリングルドメイン−2)、抗トロンビンIIIフラグメント、プロラクチン、VEGI、SPARC、オステオポンチン、マスピン、カンスタチン、プロリフェリン関連タンパク質、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、およびレスチン)である。特定の実施形態において、医薬品は、内因性血管新生阻害薬(例えば、ベバシズマブ、イタコナゾール、カルボキシアミドトリアゾール、TNP−470、CM101、IFN−α、IL−12、血小板因子−4、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、VEGFR拮抗薬、止血性ステロイド+ヘパリン、軟骨由来血管新生阻害因子、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害薬、アンジオスタチン、エンドスタチン、2−メトキシエストラジオール、テコガラン、テトラチオモリブデート、サリドマイド、トロンボスポンジン、プロラクチン、α
vβ
3阻害薬、リノミド、およびタスキニモド)である。
【0236】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法は、黄斑変性、その他の網膜障害、または本明細書に記載のその他の状態を治療するために、上記のような血管新生阻害薬を眼中に送達する上で有用である。一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法によって眼中に送達される医薬品は、プロスタグランジン類似体でよい。特定の実施形態において、医薬品は、ラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、またはビマトプロストである。
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤中の医薬品は、RTK阻害薬である。特定の実施形態において、医薬品はソラフェニブである。例えば、例21、25および29中でより詳細に説明するように、本明細書に記載の特定の表面改変剤を含むソラフェニブの粒子を投与すると、ウサギにおいて、適切な表面改変剤を含まない等価量のソラフェニブ粒子に比較して、種々の眼組織(例えば、後眼部の組織)中で著しくより高いソラフェニブレベルがもたらされた。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤中の医薬品は、リニファニブである。例えば、例29中でより詳細に説明するように、リニファニブを含むMPPを投与すると、ウサギの後眼部でリニファニブへの暴露が高まった。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤中の医薬品は、MGCD−265である。例えば、例30でより詳細に説明するように、MGCD−265を含むMPPを投与すると、ウサギの後眼部でMGCD−265の治療上意味のあるレベルがもたらされた。
【0237】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤中の医薬品は、パゾパニブである。例えば、例30でより詳細に説明するように、パゾパニブを含むMPPを投与すると、ウサギの後眼部でパゾパニブの治療上意味のあるレベルが生じた。
【0238】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤中の医薬品は、セジラニブである。例えば、例31でより詳細に説明するように、セジラニブ−MPPを局所で単回投与すると、ウサギの後眼部でセジラニブの治療上意味のあるレベルが24時間生じた。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤中の医薬品は、アキシチニブである。例えば、例32および33でより詳細に説明するように、アキシチニブ−MPPを局所で単回投与すると、ウサギの後眼部でアキシチニブの治療上意味のあるレベルが24時間もたらされ、アキシチニブ−MPPは、ウサギのVEGF(血管内皮増殖因子受容体)−負荷モデルにおいて血管漏洩を低減した。
【0239】
上記の結果は、眼中に注射すべきであるものなどの特定の市販製剤に比較して、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤を局所投与して、AMD、その他の網膜障害、または本明細書に記載のその他の状態を治療する上での治療効果を達成し、維持することができることを示唆している。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法は、緑内障または本明細書に記載のその他の状態を治療するために、上記の1種などのプロスタグランジン類似体を眼中に送達する上で有用である。
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法によって眼中に送達される医薬品は、β−遮断薬でよい。特定の実施形態において、医薬品は、非選択的β−遮断薬(例えば、アルプレノロール、ブシンドロール、カルテオロール、カルベジロール、ラベタロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロパノロール、ソタロール、チモロール、および杜仲樹皮)である。特定の実施形態において、医薬品は、β
1−選択的遮断薬(例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、セリプロロール、エスモロール、メトプロロール、およびネビボロール)である。特定の実施形態において、医薬品は、β
2−選択的遮断薬(例えば、ブタキサミンおよびICI−118,551)である。特定の実施形態において、医薬品は、β
3−選択的遮断薬(例えば、SR59230A)である。
特定の実施形態において、緑内障または本明細書に記載のその他の状態を治療するために、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法は、上記の1種などのβ−遮断薬を眼中に送達する上で有用である。
特定の実施形態において、本発明の粒子、組成物、および方法によって眼中に送達される医薬品は、炭酸脱水酵素阻害薬でよい。特定の実施形態において、医薬品は、アセタゾラミド、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、およびチモロール、またはメタゾラミドである。
【0240】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および方法は、緑内障または本明細書に記載のその他の状態を治療するために、上記のような炭酸脱水酵素阻害薬を眼中に送達する上で有用である。本明細書に記載のように、一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、注目の眼組織中の薬物濃度の、対象の眼に局所で投与される医薬品の投与後時間に対する曲線下面積(AUC)として定義される眼での生物学的利用能を、特定の現存する粒子、組成物、および/または製剤に比べて改善または増加することができる。一部の実施形態において、医薬品の眼での生物学的利用能は、医薬品を含む芯粒子上の粒子を粘液浸透性にするコーティングのため、問題の被覆された粒子と類似した大きさであるが、コーティングを含まない医薬品の粒子と比較して、少なくとも一部は増加する。
一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、医薬品の眼での生物学的利用能を少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍、または少なくとも約1000倍まで増加させる。本明細書に記載の特定の粒子、組成物、および/または製剤は、医薬品の眼での生物学的利用能を約1000倍以下、約500倍以下、約100倍以下、約50倍以下、約20倍以下、約10倍以下、約5倍以下、約200%以下、約150%以下、約100%以下、約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、または約10%以下まで増加させる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約10%かつ約10倍以下の増加)もあり得る。その他の範囲もあり得る。一部の例において、医薬品のAUCは、前眼部の組織および/または体液で増加する。他の例で、医薬品のAUCは、後眼部の組織および/または体液で増加する。
【0241】
一般に、眼での生物学的利用能の増加は、注目の眼組織中(例えば、房水中)で測定された、試験組成物と対照組成物との間のAUCの差異を取ること、および差異を対照組成物の生物学的利用能で除算することによって計算することができる。試験組成物は、医薬品を含む粒子を含むことができ、粒子は、粘液浸透性(約0.5を超える粘液中相対速度、または本明細書に記載のもう1つのその他の相対速度を有する)であると特徴付けることができる。対照組成物は、試験組成物中に存在するものと同一の医薬品を含む粒子を含み、粒子は、試験組成物と実質上同様の大きさを有するが、粘液浸透性でない(例えば、約0.5以下の粘液中相対速度、または本明細書に記載のもう1つの他の相対速度を有する)。
医薬品の眼での生物学的利用能は、適切な動物モデル(例えば、ニュージーランド白色ウサギモデル)で測定することができる。該当する眼組織または体液中の医薬品および該当するならその代謝産物の濃度は、投与後の時間の関数として測定される。
医薬品の眼での生物学的利用能のその他の測定方法もあり得る。
【0242】
本明細書に記載のように、一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤を使用して医薬品を送達(例えば、眼への局所投与を介して)すると、眼組織および/または体液中の医薬品濃度は、同一の医薬品を含む特定の既存の粒子、組成物、および/または製剤を使用して医薬品を送達する場合に比較して(あるいは、コーティングを含まないこと以外は、被覆された当該粒子と同一(例えば同一の大きさ)の医薬品の送達と比較して)増加する可能性がある。特定の実施形態において、粒子、組成物、および/または製剤の投与量を投与し、続いて眼の組織および/または体液中の医薬品濃度を測定する。比較の目的で、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤の投与量中に含まれる医薬品の量は、既存の粒子、組成物、および/または製剤の投与量中に含まれる医薬品の量に類似または実質上等しくてよい。特定の実施形態において、眼の組織および/または体液中の医薬品濃度は、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤の、または既存の粒子、組成物、および/または製剤の投与量の投与に続く特定の時点(投与後時間)で測定される。特定の実施形態において、濃度を測定する時間は、投与後、約1分、約10分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約18時間、約24時間、約36時間、または約48時間である。
【0243】
一部の実施形態において、組織および/または体液中の医薬品濃度は、医薬品を含む芯粒子上に粒子を粘液浸透性にするコーティングのため、コーティングを含まないこと以外は被覆された当該粒子と同一医薬品(例えば、類似の大きさの)の粒子と比較して、少なくとも幾分かは増加する可能性がある。一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、組織および/または体液中の医薬品濃度を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも500%、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約10
4倍、少なくとも約10
5倍、または少なくとも約10
6倍増加させる。一部の事例において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、組織および/または体液中の医薬品濃度を、約10
6倍以下、約10
5倍以下、約10
4倍以下、1000倍、約100倍以下、約10倍以下、約500%以下、約400%以下、約300%以下、約200%以下、約100%以下、約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、または約10%以下増加させる。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくと約10%以上かつ約90%以下の増加)もあり得る。その他の範囲もあり得る。一部の例で、医薬品濃度は、前眼部の組織および/または体液で増加する。他の例で、医薬品濃度は、後眼部の組織および/または体液で増加する。
【0244】
該当する眼体液または組織における医薬品および該当するならその代謝産物の眼内濃度は、適切な動物モデルを使用してインビボで、時間の関数として測定することができる。医薬品の眼内濃度を測定する1つの方法は、注目の組織を分離するために眼を解剖すること(例えば、対象に類似した動物モデルで)である。次いで、注目組織中の医薬品濃度をHPLCまたはLC/MS分析で測定する。
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子の投与と濃度またはAUC測定用サンプルを取得することとの間の時間は、約1時間未満、約2時間以下、約3時間以下、約4時間以下、約6時間以下、約12時間以下、約36時間以下、または約48時間以下である。特定の実施形態において、時間は、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約36時間、または少なくとも約48時間である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約3時間以上かつ約12時間以下の連続する投与の間の時間)もあり得る。その他の範囲もあり得る。
【0245】
対照または動物モデルの眼中の医薬品濃度を測定するその他の方法もあり得る。一部の実施形態において、医薬品の濃度は、対象の眼中で直接または間接的に(例えば、対象の眼から硝子体液などの体液のサンプルを採取すること)測定することができる。
一般に、眼の部位での医薬品濃度の増加は、試験組成物と対照組成物との間で測定される濃度の差異を把握すること、およびこの差異を対照組成物の濃度で除算することによって計算することができる。試験化合物は、医薬品を含む粒子を含み、粒子は、粘液浸透性(例えば、約0.5を超える相対速度、または本明細書に記載の別のその他の相対速度を有する)であるとして特徴づけることができる。対照組成物は、試験組成物中に存在するのと同一の医薬品を含む粒子を含み、粒子は、粘液浸透性でない(例えば、約0.5未満の相対速度、または本明細書に記載の別のその他の相対速度を有する)ことを除いて、試験組成物のそれと実質上類似した大きさを有する。
【0246】
本明細書に記載のように、一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤、あるいはそれらの構成要素は、眼組織中での医薬品の生物学的利用能および/または濃度を、本明細書に記載の粒子、組成物、および製剤、またはこれらの構成要素の不在下での医薬品の生物学的利用能および/または濃度を高めるのに十分な量で存在する。
眼組織は、前方眼組織(例えば、眼瞼結膜、眼球結膜、または角膜)などの、本明細書に記載の眼組織でよい。医薬品は、コルチコステロイド(例えば、エタボン酸ロテプレドノール)、RTK阻害薬(例えば、ソラフィニブ、リニファニブ、MGCD−265,パゾパニブ、セジラニブ、およびアキシチニブ)、NSAID(例えば、ブロムフェナクカルシウム)、またはcox阻害薬(例えば、ブロムフェナクカルシウム)などの、本明細書に記載の任意の適切な薬剤でよい。特定の実施形態において、医薬品を含む製剤の芯粒子は、眼組織中の医薬品の生物学的利用能および/または濃度を増加させるのに十分な量で存在する。特定の実施形態において、製剤の医薬品を含む芯粒子上のコーティングは、眼組織中の医薬品の生物学的利用能および/または濃度を増加させるのに十分な量で存在する。特定の実施形態において、製剤の医薬品を含む芯粒子上のコーティングは、眼組織への製剤投与の少なくとも10分後、少なくとも20分後、少なくとも30分後、少なくとも1時間後、少なくとも2時間後、少なくとも3時間後、少なくとも4時間後、少なくとも6時間後、少なくとも9時間後、少なくとも12時間後、少なくとも18時間後、または少なくとも24時間後に、眼組織中の医薬品濃度を増加させるのに十分な量で存在する。特定の実施形態において、製剤の医薬品を含む芯粒子上のコーティングは、眼組織へ製剤を投与後の24時間以下、18時間以下、12時間以下、9時間以下、6時間以下、4時間以下、3時間以下、2時間以下、1時間以下、30分以下、20分以下、または10分以下で眼組織中の医薬品濃度を増加させるのに十分な量で存在する。上で言及した範囲の組合せ(例えば、医薬品濃度は、少なくとも10分かつ2時間以下後に増加する)もあり得る。その他の範囲もあり得る。特定の実施形態において、製剤の医薬品を含む芯粒子上のコーティングは、眼組織に製剤を投与して約30分後に眼組織中の医薬品濃度を増加させるのに十分な量で存在する。
【0247】
本明細書に記載のように、一部の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、対象の眼に種々の用量形態で局所投与することができる。例えば、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、単回の単位用量で投与するか、複数の単回単位用量で反復投与することができる。単位用量は、所定量の医薬品を含む本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤の個別量である。一部の実施形態において、粘液浸透性のコーティングを有する本明細書に記載の粒子を使用すると、そのようなコーティングを有さない粒子と比較して、必要とされる投与回数はより少ない(例えば、1/2、1/3、または1/4の投与回数)。
【0248】
治療または予防上の有効量を達成するのに必要とされる本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤の正確な量は、例えば、対象の種、年齢および一般的状態、副作用または障害の重篤度、個々の化合物の個性、投与方式などに応じて、対象毎に相違する。本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、連続する投与間に時間が存在する反復投与を利用して送達することができる。反復投与は、眼が、治療、予防、または管理される予定の眼の状態に対して十分に長い時間の間治療または予防上有効な量の医薬品に暴露されることを可能にするので有利である可能性がある。特定の実施形態において、連続する投与間の期間は、約1時間以下、約2時間以下、約3時間以下、約4時間以下、約6時間以下、約12時間以下、約36時間以下、または約48時間以下である。特定の実施形態において、連続する投与間の期間は、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約36時間、または少なくとも約48時間である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、約3時間以上かつ約12時間以下の連続する投与間の期間)もあり得る。その他の範囲もあり得る。
【0249】
本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤の眼組織への送達は、眼組織における眼科的に有効な薬物レベルを投与後(例えば、局所投与または直接注射による投与)の長い時間にわたりもたらすことができる。眼科的に有効な薬物レベルは、眼組織の所望の生物学的応答を誘発する、すなわち眼疾患を治療するのに十分な量を指す。当業者が認識するように、眼科的に有効な薬物レベルは、所望される生物学的目標、薬物動態、治療されている眼疾患、投与方式、ならびに対象の年齢および健康状態などの因子に応じて相違する。特定の実施形態において、眼科的に有効な薬物レベルは、眼状態の治療において治療的利益を提供する、単独または他の療法と組み合わせた状態での薬物量である。眼科的に有効な薬物レベルは、総合的治療を改善し、眼状態の症状または原因を低減または回避し、あるいは他の治療剤の治療効果を増強するレベルを包含することができる。
【0250】
一部の実施形態において、眼科的に有効な薬物レベルは、投与後の眼組織中での最大医薬品濃度(C
max)によって少なくともいくらかは判断することができる。一部の事例で、本明細書に記載のような医薬品を含む粒子、組成物、および/または製剤の眼組織への送達は、同じような投与量の市販の粒子、組成物、および製剤と比較して、投与後の眼組織中で医薬品のより大きなC
maxをもたらすことができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤の投与で得られるC
maxは、市販の粒子、組成物、および/または製剤の投与で得られるC
maxに比べて、少なくとも約3%、少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、少なくとも約1000%、または少なくとも約3000%より大きい。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤の投与で得られるC
maxは、市販の粒子、組成物、および/または製剤の投与で得られるC
maxに比べて、約3000%以下、約1000%以下、約500%以下、約400%以下、約300%以下、約200%以下、約100%以下、約30%以下、約10%以下、または約3%以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも約30%かつ約500%以下のC
maxの増加)もあり得る。その他の範囲もあり得る。
一部の実施形態において、眼科的に有効な薬物レベルは、当技術分野で公知であるように、薬物の最少有効濃度、例えば、IC
50またはIC
90によって、少なくともいくらかは判断される。
【0251】
眼科的に有効な薬物レベルが、投与後長い時間にわたって眼組織中に存在する特定の実施形態において、投与後の長い時間とは、数時間から数日に及ぶことがある。特定の実施形態において、投与後の長い時間とは、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも9時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、または少なくとも1週間である。特定の実施形態において、投与後の長い時間とは、1週間以下、6日間以下、5日間以下、4日間以下、3日間以下、2日間以下、1日間以下、12時間以下、9時間以下、6時間以下、4時間以下、2時間以下、1時間以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、少なくとも4時間かつ約1週間以下の長い時間)もあり得る。その他の範囲もあり得る。
【0252】
特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、所望の治療または予防効果を得るために、対象の眼に有効量の医薬品を送達するのに十分な投与量レベルで存在することができる。特定の実施形態において、適切な眼組織に送達される医薬品の有効量は、組織重量につき、少なくとも約10
-3ng/g、少なくとも約10
-2ng/g、少なくとも約10
-1ng/g、少なくとも約1ng/g、少なくとも約10
1ng/g、少なくとも約10
2ng/g、少なくとも約10
3ng/g、少なくとも約10
4ng/g、少なくとも約10
5ng/g、または少なくとも約10
6ng/gである。特定の実施形態において、眼に送達される医薬品の有効量は、組織重量につき、約10
6ng/g以下、約10
5ng/g以下、約10
4ng/g以下、約10
3ng/g以下、約10
2ng/g以下、約10
1ng/g以下、約1ng/g以下、約10
-1ng/g以下、約10
-2ng/g以下、または約10
-3ng/g以下である。上で言及した範囲の組合せ(例えば、組織重量につき、少なくとも約10
-2ng/gかつ約10
3ng/g以下の医薬品の有効量)もあり得る。その他の範囲もあり得る。特定の実施形態において、本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、所望の治療または予防効果を得るために、対象の後眼部に有効量の医薬品を送達するのに十分な投与量レベルで存在することができる。
【0253】
本明細書に記載の投与量範囲は、提供される粒子、組成物、および/または製剤を成人に投与するための指針を提供する。例えば、児童、青年への投与量については、医師または当業者が判断することができ、成人に投与される量よりも減らすか同一とすることができる。
本明細書に記載の粒子、組成物、および/または製剤は、例えば、点眼剤、散剤、軟膏剤、またはクリーム剤のような任意の方法により局所で投与することができる。局所投与のその他の方法または形態もあり得る。
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物および/または製剤は、貯蔵安定性のある即用性懸濁剤として包装される。点眼製剤は、点滴瓶(基準点滴容積の液体を施与する)中に、または1単位として使用する点滴瓶(典型的には、保存剤不含点滴に使用され、1回使用され、捨てられる)中に包装できる、伝統的な液状製剤(溶液または懸濁剤)である。これらの製剤は、即用性であり、自己投与ができる。一部の事例では、使用前に瓶を振盪して、製剤の均一性を確実にすべきであるが、その他の準備は必要でない。これは、最も簡便な眼送達法である可能性がある。本明細書に記載の組成物および/または製剤は、伝統的な点眼用製剤と同一の方法で包装することができる。それらは、懸濁状態で貯蔵することができ、かつ粒子が粘液に粘着するのを回避することを可能にする特徴を維持することができる。
【0254】
医薬品は、本明細書に記載のそれら医薬品の1種でよい。特定の実施形態において、医薬品は、NSAID、RTK阻害薬、cox阻害薬、コルチコステロイド、血管新生阻害薬、プロスタグランジン類似体、β−遮断薬、または炭酸脱水酵素阻害薬である。特定の実施形態において、医薬品はエタボン酸ロテプレドノールである。特定の実施形態において、医薬品はソラフェニブである。特定の実施形態において、医薬品はリニファニブである。特定の実施形態において、医薬品はMGCD−265である。特定の実施形態において、医薬品はパゾパニブである。特定の実施形態において、医薬品はセジラニブである。特定の実施形態において、医薬品はアキシチニブである。特定の実施形態において、医薬品はブロムフェナクの二価金属塩(例えば、ブロムフェナクカルシウム)である。特定の実施形態において、医薬品は、ブロムフェナクベリリウム、ブロムフェナクマグネシウム、ブロムフェナクストロンチウム、ブロムフェナクバリウム、ブロムフェナク亜鉛、またはブロムフェナク銅(II)である。その他の医薬品もあり得る。
【0255】
一組の実施形態において、眼への投与に適した医薬組成物が提供される。医薬組成物は、医薬品またはその塩(A)を含むまたはそれらから形成される芯粒子であって、医薬品またはその塩が芯粒子の少なくとも80重量%を構成する芯粒子、芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤(B)を含むまたはそれから形成されるコーティングを含有する複数の被覆された粒子を含む。1種または複数の表面改変剤は、芯粒子の外表面上に少なくとも0.01分子/nm
2の密度(C)で存在する。1種または複数の表面改変剤は、医薬組成物中に約0.001重量%〜約5重量%の量で存在する。複数の被覆された粒子は、約1μm未満の平均最小断面寸法を有する。医薬組成物は、また、1種または複数の眼科的に許容される担体、添加物、および/または希釈剤を含む。このような医薬組成物の眼への使用および投与方法も提供される。
一部の実施形態において、医薬品またはその塩(A)は、コルチコステロイド(A1)、グルココルチコイド受容体作動薬(SEGRA)(A2)、RTK阻害薬(A3)、NSAID(A4)、mTOR阻害薬(A5)、カルシニューリン阻害薬(A6)、プロスタノイド(A7)、rhoキナーゼ阻害薬(A8)、リボフラビン(A9)、Cox−2阻害薬(A10)、血管新生阻害薬(A11)、プロスタグランジン類似体(A12)、β−遮断薬(A13)、炭酸脱水酵素阻害薬(A14)、抗ヒスタミン薬(A15)、肥満細胞安定剤(A16)、免疫抑制薬(A17)、α−遮断薬(A18)、抗生物質(A19)、およびこれらの組合せから選択することができる。
【0256】
一部の実施形態において、表面改変剤(B)は、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマー(B1)であって、疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し、親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成するトリブロックコポリマー(例えば、特定のポリキサマー)、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマー(B2)であって、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、ポリマーの少なくとも約30%かつ約95%未満が加水分解されており、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、部分加水分解ポリ(酢酸ビニル)またはビニルアルコールと酢酸ビニルとのコポリマーであるポリマー、ポリソルベート(B3)、エトキシル化オクチルフェノール界面活性剤(B4)、ヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレン(B5)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(B6)、アルキルアリールポリエーテルアルコール(B7)、コハク酸ポリエチレングリコール(B8)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B9)、およびこれらの組合せから選択することができる。
【0257】
特定の実施形態において、コルチコステロイド(A1)は、エタボン酸ロテプレドノール(A1a)、デキサメタゾン(A1b)、トリアムシノロン(A1c)、フルシノリド(A1d)、プレドニゾロン(A1e)、フルオルメタゾン(A1f)、ジフルプレドネート(A1g)、フルチカゾン(A1h)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、グルココルチコイド受容体作動薬(A2)は、マプラコラト(A2a)、リメキソロン(A2b)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、RTK阻害薬(A3)は、ソラフェニブ(A3a)、リニファニブ(A3b)、MGCD−265(MethylGene)(A3c)、パゾパニブ(A3d)、セジラニブ(A3e)、アキシチニブ(A3f)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、NSAID(A4)は、ネパファナク(A4a)、ブロムフェナク(A4b)(例えば、ブロムフェナクカルシウム)、ジクロフェナク(A4c)(例えば、ジクロフェナク遊離酸)、ケトロラク(A4d)(例えば、ケトロラク遊離酸)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、mTOR阻害薬(A5)は、タクロリムス(A5a)、シロリムス(A5b)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、カルシニューリン阻害薬(A6)は、シクロスポリン(A6a)、ボクロスポリン(A6b)、およびこれらの組合せから選択することができる。
【0258】
特定の実施形態において、プロスタノイド(A7)は、ラタノプロスト(A7a)、ビマトプロスト(A7b)、トラボプロスト(A7c)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、rhoキナーゼ阻害薬(A8)は、SNJ−1656(A8a)、AR−1286(A8b)、AR−13324(A8c)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、Cox−2阻害薬(A10)は、セレコキシブ(A10a)、バルデコキシブ(A10b)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマー(B1)であって、疎水性ブロックが少なくとも2kDaの分子量を有し、親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成するトリブロックコポリマーは、ポロキサマー(B1a)、Pluronic F127(B1b)、Pluronic P123(B1c)、Pluronic P103(B1d)、Pluronic P105(B1e)、Pluronic F108(B1f)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、ポリマーの少なくとも30%かつ約95%未満が加水分解されているポリマー(B2)は、ポリビニルアルコール(B2a)、PVA13K87(B2b)、PVA31K98(B2c)、PVA31K87(B2d)、PVA9K80(B2e)、PVA2K75(B2f)、PVA57K87(B2g)、PVA85K87(B2h)、PVA105K80(B2i)、PVA130K87(B2j)、およびこれらの組合せから選択することができる。
【0259】
特定の実施形態において、ポリソルベート(B3)は、Tween20(B3a)、Tween80(B3b)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、エトキシル化オクチルフェノール界面活性剤(B4)は、Triton X100(B4a)でよい。
特定の実施形態において、ヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレン(B5)は、Solutol HS15(B5a)でよい。
特定の実施形態において、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(B6)は、Cremophor EL(B6a)、Cremophor RH40(B6b)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、アルキルアリールポリエーテルアルコール(B7)は、Tyloxapol(B7a)でよい。
特定の実施形態において、コハク酸ポリオキシエチレングリコール(B8)は、ビタミンE−TPGS(B8a)でよい。
特定の実施形態において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B9)は、Brij35(B9a)、Brij98(B9b)、Brij S100(B9c)、およびこれらの組合せから選択することができる。
特定の実施形態において、芯粒子の外表面上に存在する1種または複数の表面改変剤の密度(C)は、少なくとも0.01分子/nm
2の密度(C1)、少なくとも0.05分子/nm
2の密度(C2)、少なくとも0.1分子/nm
2の密度(C3)、少なくとも0.15分子/nm
2の密度(C4)、または少なくとも0.2分子/nm
2の密度(C5)から選択することができる。
【0260】
本明細書に記載の組成物および/または製剤中には、本明細書中で開示された医薬品またはその塩(A)(例えば、A1〜A19および本明細書中で確認されたその種)、表面改変剤(B)(例えば、B1〜B9および本明細書中で確認されたその種)、および/または芯粒子の外表面上に存在する1種または複数の表面改変剤の密度(C)(例えば、C1〜C5)の任意の組合せが存在できることを認識されたい。さらに、このような組合せは、表面改変剤の重量%、被覆された粒子の平均サイズまたは最小断面寸法、pH、被覆厚さ、PDI、担体および希釈剤の種類などの個々の範囲または値などの、本明細書に記載のパラメーターと一緒になって存在することができる。
【0261】
一部の実施形態において、医薬組成物中での医薬品またはその塩(A)と表面改変剤(B)との組合せは、A1、B1(すなわち、A1とB1);A1、B2;A1、B3;A1、B4;A1、B5;A1、B6;A1、B7;A1、B8;A1、B9;A2、B1;A2、B2;A2、B3;A2、B4;A2、B5;A2、B6;A2、B7;A2、B8;A2、B9;A3、B1;A3、B2;A3、B3;A3、B4;A3、B5;A3、B6;A3、B7;A3、B8;A3、B9;A4、B1;A4、B2;A4、B3;A4、B4;A4、B5;A4、B6;A4、B7;A4、B8;A4、B9;A5、B1;A5、B2;A5、B3;A5、B4;A5、B5;A5、B6;A5、B7;A5、B8;A5、B9;A6、B1;A6、B2;A6、B3;A6、B4;A6、B5;A6、B6;A6、B7;A6、B8;A6、B9;A7、B1;A7、B2;A7、B3;A7、B4;A7、B5;A7、B6;A7、B7;A7、B8;A7、B9;A8、B1;A8、B2;A8、B3;A8、B4;A8、B5;A8、B6;A8、B7;A8、B8;A8、B9;A9、B1;A9、B2;A9、B3;A9、B4;A9、B5;A9、B6;A9、B7;A9、B8;A9、B9;A10、B1;A10、B2;A10、B3;
【0262】
A10、B4;A10、B5;A10、B6;A10、B7;A10、B8;A10、B9;A11、B1;A11、B2;A11、B3;A11、B4;A11、B5;A11、B6;A11、B7;A11、B8;A11、B9;A12、B1;A12、B2;A12、B3;A12、B4;A12、B5;A12、B6;A12、B7;A12、B8;A12、B9;A13、B1;A13、B2;A13、B3;A13、B4;A13、B5;A13、B6;A13、B7;A13、B8;A13、B9;A14、B1;A14、B2;A14、B3;A14、B4;A14、B5;A14、B6;A14、B7;A14、B8;A14、B9;A15、B1;A15、B2;A15、B3;A15、B4;A15、B5;A15、B6;A15、B7;A15、B8;A15、B9;A16、B1;A16、B2;A16、B3;A16、B4;A16、B5;A16、B6;A16、B7;A16、B8;A16、B9;A17、B1;A17、B2;A17、B3;A17、B4;A17、B5;A17、B6;A17、B7;A17、B8;A17、B9;A18、B1;A18、B2;A18、B3;A18、B4;A18、B5;A18、B6;A18、B7;A18、B8;A18、B9;A19、B1;A19、B2;A19、B3;A19、B4;A19、B5;A19、B6;A19、B7;A19、B8;A19、B9;およびこれらの組合せから選択することができる。
【0263】
一部の実施形態において、医薬組成物中での医薬品またはその塩(A)と表面改変剤(B)との組合せは、A1、B1a;A1、B1b;A1、B1c;A1、B1d;A1、B1e;A1、B1f;A1、B2a;A1、B2b;A1、B2c;A1、B2d;A1、B2e;A1、B2f;A1、B2g;A1、B2h;A1、B2i;A1、B2j;A1、B3a;A1、B3b;A1、B4a;A1、B5a;A1、B6a;A1、B6b;A1、B7a;A1、B8a;A1、B9a;A1、B9b;A1、B9c;A2、B1a;A2、B1b;A2、B1c;A2、B1d;A2、B1e;A2、B1f;A2、B2a;A2、B2b;A2、B2c;A2、B2d;A2、B2e;A2、B2f;A2、B2g;A2、B2h;A2、B2i;A2、B2j;A2、B3a;A2、B3b;A2、B4a;A2、B5a;A2、B6a;A2、B6b;A2、B7a;A2、B8a;A2、B9a;A2、B9b;A2、B9c;A3、B1a;A3、B1b;A3、B1c;A3、B1d;A3、B1e;A3、B1f;A3、B2a;A3、B2b;A3、B2c;A3、B2d;A3、B2e;A3、B2f;A3、B2g;A3、B2h;A3、B2i;A3、B2j;A3、B3a;A3、B3b;A3、B4a;A3、B5a;A3、B6a;A3、B6b;A3、B7a;A3、B8a;A3、B9a;A3、B9b;A3、B9c;A4、B1a;A4、B1b;A4、B1c;A4、B1d;
【0264】
A4、B1e;A4、B1f;A4、B2a;A4、B2b;A4、B2c;A4、B2d;A4、B2e;A4、B2f;A4、B2g;A4、B2h;A4、B2i;A4、B2j;A4、B3a;A4、B3b;A4、B4a;A4、B5a;A4、B6a;A4、B6b;A4、B7a;A4、B8a;A4、B9a;A4、B9b;A4、B9c;A5、B1a;A5、B1b;A5、B1c;A5、B1d;A5、B1e;A5、B1f;A5、B2a;A5、B2b;A5、B2c;A5、B2d;A5、B2e;A5、B2f;A5、B2g;A5、B2h;A5、B2i;A5、B2j;A5、B3a;A5、B3b;A5、B4a;A5、B5a;A5、B6a;A5、B6b;A5、B7a;A5、B8a;A5、B9a;A5、B9b;A5、B9c;A6、B1a;A6、B1b;A6、B1c;A6、B1d;A6、B1e;A6、B1f;A6、B2a;A6、B2b;A6、B2c;A6、B2d;A6、B2e;A6、B2f;A6、B2g;A6、B2h;A6、B2i;A6、B2j;A6、B3a;A6、B3b;A6、B4a;A6、B5a;A6、B6a;A6、B6b;A6、B7a;A6、B8a;A6、B9a;A6、B9b;A6、B9c;A7、B1a;A7、B1b;A7、B1c;A7、B1d;A7、B1e;A7、B1f;A7、B2a;A7、B2b;A7、B2c;A7、B2d;A7、B2e;A7、B2f;A7、B2g;A7、B2h;A7、B2i;A7、B2j;A7、B3a;A7、B3b;
【0265】
A7、B4a;A7、B5a;A7、B6a;A7、B6b;A7、B7a;A7、B8a;A7、B9a;A7、B9b;A7、B9c;A8、B1a;A8、B1b;A8、B1c;A8、B1d;A8、B1e;A8、B1f;A8、B2a;A8、B2b;A8、B2c;A8、B2d;A8、B2e;A8、B2f;A8、B2g;A8、B2h;A8、B2i;A8、B2j;A8、B3a;A8、B3b;A8、B4a;A8、B5a;A8、B6a;A8、B6b;A8、B7a;A8、B8a;A8、B9a;A8、B9b;A8、B9c;A9、B1a;A9、B1b;A9、B1c;A9、B1d;A9、B1e;A9、B1f;A9、B2a;A9、B2b;A9、B2c;A9、B2d;A9、B2e;A9、B2f;A9、B2g;A9、B2h;A9、B2i;A9、B2j;A9、B3a;A9、B3b;A9、B4a;A9、B5a;A9、B6a;A9、B6b;A9、B7a;A9、B8a;A9、B9a;A9、B9b;A9、B9c;A10、B1a;A10、B1b;A10、B1c;
【0266】
A10、B1d;A10、B1e;A10、B1f;A10、B2a;A10、B2b;A10、B2c;A10、B2d;A10、B2e;A10、B2f;A10、B2g;A10、B2h;A10、B2i;A10、B2j;A10、B3a;A10、B3b;A10、B4a;A10、B5a;A10、B6a;A10、B6b;A10、B7a;A10、B8a;A10、B9a;A10、B9b;A10、B9c;A11、B1a;A11、B1b;A11、B1c;A11、B1d;A11、B1e;A11、B1f;A11、B2a;A11、B2b;A11、B2c;A11、B2d;A11、B2e;A11、B2f;A11、B2g;A11、B2h;A11、B2i;A11、B2j;A11、B3a;A11、B3b;A11、B4a;A11、B5a;A11、B6a;A11、B6b;A11、B7a;A11、B8a;A11、B9a;A11、B9b;A11、B9c;A12、B1a;A12、B1b;A12、B1c;A12、B1d;A12、B1e;A12、B1f;A12、B2a;A12、B2b;A12、B2c;A12、B2d;A12、B2e;A12、B2f;A12、B2g;A12、B2h;A12、B2i;A12、B2j;A12、B3a;
【0267】
A12、B3b;A12、B4a;A12、B5a;A12、B6a;A12、B6b;A12、B7a;A12、B8a;A12、B9a;A12、B9b;A12、B9c;A13、B1a;A13、B1b;A13、B1c;A13、B1d;A13、B1e;A13、B1f;A13、B2a;A13、B2b;A13、B2c;A13、B2d;A13、B2e;A13、B2f;A13、B2g;A13、B2h;A13、B2i;A13、B2j;A13、B3a;A13、B3b;A13、B4a;A13、B5a;A13、B6a;A13、B6b;A13、B7a;A13、B8a;A13、B9a;A13、B9b;A13、B9c;A14、B1a;A14、B1b;A14、B1c;A14、B1d;A14、B1e;A14、B1f;A14、B2a;A14、B2b;A14、B2c;A14、B2d;A14、B2e;A14、B2f;A14、B2g;A14、B2h;A14、B2i;A14、B2j;A14、B3a;A14、B3b;A14、B4a;A14、B5a;A14、B6a;A14、B6b;A14、B7a;A14、B8a;A14、B9a;A14、B9b;A14、B9c;A15、B1a;A15、B1b;A15、B1c;A15、B1d;A15、B1e;A15、B1f;A15、B2a;A15、B2b;A15、B2c;A15、B2d;A15、B2e;A15、B2f;A15、B2g;A15、B2h;A15、B2i;A15、B2j;A15、B3a;A15、B3b;A15、B4a;A15、B5a;A15、B6a;
【0268】
A15、B6b;A15、B7a;A15、B8a;A15、B9a;A15、B9b;A15、B9c;A16、B1a;A16、B1b;A16、B1c;A16、B1d;A16、B1e;A16、B1f;A16、B2a;A16、B2b;A16、B2c;A16、B2d;A16、B2e;A16、B2f;A16、B2g;A16、B2h;A16、B2i;A16、B2j;A16、B3a;A16、B3b;A16、B4a;A16、B5a;A16、B6a;A16、B6b;A16、B7a;A16、B8a;A16、B9a;A16、B9b;A16、B9c;A17、B1a;A17、B1b;A17、B1c;A17、B1d;A17、B1e;A17、B1f;A17、B2a;A17、B2b;A17、B2c;A17、B2d;A17、B2e;A17、B2f;A17、B2g;A17、B2h;A17、B2i;A17、B2j;A17、B3a;A17、B3b;A17、B4a;A17、B5a;A17、B6a;A17、B6b;A17、B7a;A17、B8a;A17、B9a;A17、B9b;A17、B9c;A18、B1a;A18、B1b;A18、B1c;A18、B1d;A18、B1e;A18、B1f;A18、B2a;A18、B2b;
【0269】
A18、B2c;A18、B2d;A18、B2e;A18、B2f;A18、B2g;A18、B2h;A18、B2i;A18、B2j;A18、B3a;A18、B3b;A18、B4a;A18、B5a;A18、B6a;A18、B6b;A18、B7a;A18、B8a;A18、B9a;A18、B9b;A18、B9c;A19、B1a;A19、B1b;A19、B1c;A19、B1d;A19、B1e;A19、B1f;A19、B2a;A19、B2b;A19、B2c;A19、B2d;A19、B2e;A19、B2f;A19、B2g;A19、B2h;A19、B2i;A19、B2j;A19、B3a;A19、B3b;A19、B4a;A19、B5a;A19、B6a;A19、B6b;A19、B7a;A19、B8a;A19、B9a;A19、B9b;A19、B9c;およびこれらの組合せから選択することができる。
【0270】
一部の実施形態において、医薬組成物中での医薬品またはその塩(A)と表面改変剤(B)との組合せは、A1a、B1;A1b、B1;A1c、B1;A1d、B1;A1e、B1;A1f、B1、A1g、B1;A1h、B1;A2a、B1;A2b、B1;A3a、B1;A3b、B1;A3c、B1;A3d、B1;A3e、B1、A3f、B1;A4a、B1;A4b、B1;A4c、B1;A4d、B1;A5a、B1;A5b、B1;A6a、B1;A6b、B1;A7a、B1;A7b、B1;A7c、B1;A8a、B1;A8b、B1;A8c、B1;A10a、B1;A10b、B1;A1a、B2;A1b、B2;A1c、B2;A1d、B2;A1e、B2;A1f、B2、A1g、B2;A1h、B2;A2a、B2;A2b、B2;A3a、B2;A3b、B2;A3c、B2;A3d、B2;A3e、B2、A3f、B2;A4a、B2;A4b、B2;A4c、B2;A4d、B2;A5a、B2;A5b、B2;A6a、B2;A6b、B2;A7a、B2;A7b、B2;A7c、B2;A8a、B2;A8b、B2;A8c、B2;A10a、B2;A10b、B2;A1a、B3;A1b、B3;A1c、B3;A1d、B3;A1e、B3;A1f、B3、A1g、B3;A1h、B3;A2a、B3;A2b、B3;A3a、B3;A3b、B3;A3c、B3;A3d、B3;A3e、B3、A3f、B3;A4a、B3;A4b、B3;A4c、B3;A4d、B3;A5a、B3;A5b、B3;A6a、B3;A6b、B3;A7a、B3;A7b、B3;A7c、B3;A8a、B3;A8b、B3;A8c、B3;A10a、B3;A10b、B3;A1a、B4;A1b、B4;A1c、B4;A1d、B4;A1e、B4;A1f、B4、A1g、B4;A1h、B4;A2a、B4;A2b、B4;A3a、B4;A3b、B4;A3c、B4;A3d、B4;A3e、B4、A3f、B4;A4a、B4;A4b、B4;A4c、B4;A4d、B4;A5a、B4;A5b、B4;A6a、B4;A6b、B4;A7a、B4;A7b、B4;
【0271】
A7c、B4;A8a、B4;A8b、B4;A8c、B4;A10a、B4;A10b、B4;A1a、B5;A1b、B5;A1c、B5;A1d、B5;A1e、B5;A1f、B5、A1g、B5;A1h、B5;A2a、B5;A2b、B5;A3a、B5;A3b、B5;A3c、B5;A3d、B5;A3e、B5、A3f、B5;A4a、B5;A4b、B5;A4c、B5;A4d、B5;A5a、B5;A5b、B5;A6a、B5;A6b、B5;A7a、B5;A7b、B5;A7c、B5;A8a、B5;A8b、B5;A8c、B5;A10a、B5;A10b、B5;A1a、B6;A1b、B6;A1c、B6;A1d、B6;A1e、B6;A1f、B6、A1g、B6;A1h、B6;A2a、B6;A2b、B6;A3a、B6;A3b、B6;A3c、B6;A3d、B6;A3e、B6、A3f、B6;A4a、B6;A4b、B6;A4c、B6;A4d、B6;A5a、B6;A5b、B6;A6a、B6;A6b、B6;A7a、B6;A7b、B6;A7c、B6;A8a、B6;A8b、B6;A8c、B6;A10a、B6;A10b、B6;A1a、B7;A1b、B7;A1c、B7;A1d、B7;A1e、B7;A1f、B7、A1g、B7;A1h、B7;A2a、B7;A2b、B7;A3a、B7;A3b、B7;A3c、B7;A3d、B7;A3e、B7、A3f、B7;A4a、B7;A4b、B7;A4c、B7;A4d、B7;A5a、B7;A5b、B7;A6a、B7;A6b、B7;
【0272】
A7a、B7;A7b、B7;A7c、B7;A8a、B7;A8b、B7;A8c、B7;A10a、B7;A10b、B7;A1a、B8;A1b、B8;A1c、B8;A1d、B8;A1e、B8;A1f、B8、A1g、B8;A1h、B8;A2a、B8;A2b、B8;A3a、B8;A3b、B8;A3c、B8;A3d、B8;A3e、B8、A3f、B8;A4a、B8;A4b、B8;A4c、B8;A4d、B8;A5a、B8;A5b、B8;A6a、B8;A6b、B8;A7a、B8;A7b、B8;A7c、B8;A8a、B8;A8b、B8;A8c、B8;A10a、B8;A10b、B8;A1a、B9;A1b、B9;A1c、B9;A1d、B9;A1e、B9;A1f、B9、A1g、B9;A1h、B9;A2a、B9;A2b、B9;A3a、B9;A3b、B9;A3c、B9;A3d、B9;A3e、B9、A3f、B9;A4a、B9;A4b、B9;A4c、B9;A4d、B9;A5a、B9;A5b、B9;A6a、B9;A6b、B9;A7a、B9;A7b、B9;A7c、B9;A8a、B9;A8b、B9;A8c、B9;A10a、B9;A10b、B9;およびこれらの組合せから選択することができる。
【0273】
一部の実施形態において、医薬組成物中での医薬品またはその塩(A)と表面改変剤(B)との組合せは、A1a、B1a;A1a、B1b;A1a、B1c;A1a、B1d;A1a、B1e;A1a、B1f;A1a、B2a;A1a、B2b;A1a、B2c;A1a、B2d;A1a、B2e;A1a、B2f;A1a、B2g;A1a、B2h;A1a、B2i;A1a、B2j;A1a、B3a;A1a、B3b;A1a、B4a;A1a、B5a;A1a、B6a;A1a、B6b;A1a、B7a;A1a、B8a;A1a、B9a;A1a、B9b;A1a、B9c;A1b、B1a;A1b、B1b;A1b、B1c;A1b、B1d;A1b、B1e;A1b、B1f;A1b、B2a;A1b、B2b;A1b、B2c;A1b、B2d;A1b、B2e;A1b、B2f;A1b、B2g;A1b、B2h;A1b、B2i;
【0274】
A1b、B2j;A1b、B3a;A1b、B3b;A1b、B4a;A1b、B5a;A1b、B6a;A1b、B6b;A1b、B7a;A1b、B8a;A1b、B9a;A1b、B9b;A1b、B9c;A1c、B1a;A1c、B1b;A1c、B1c;A1c、B1d;A1c、B1e;A1c、B1f;A1c、B2a;A1c、B2b;A1c、B2c;A1c、B2d;A1c、B2e;A1c、B2f;A1c、B2g;A1c、B2h;A1c、B2i;A1c、B2j;A1c、B3a;A1c、B3b;A1c、B4a;A1c、B5a;A1c、B6a;A1c、B6b;A1c、B7a;A1c、B8a;A1c、B9a;A1c、B9b;A1c、B9c;A1d、B1a;A1d、B1b;A1d、B1c;A1d、B1d;A1d、B1e;A1d、B1f;A1d、B2a;A1d、B2b;A1d、B2c;A1d、B2d;A1d、B2e;A1d、B2f;A1d、B2g;A1d、B2h;A1d、B2i;A1d、B2j;A1d、B3a;A1d、B3b;A1d、B4a;A1d、B5a;A1d、B6a;A1d、B6b;A1d、B7a;A1d、B8a;A1d、B9a;A1d、B9b;A1d、B9c;A1e、B1a;A1e、B1b;A1e、B1c;A1e、B1d;A1e、B1e;A1e、B1f;A1e、B2a;A1e、B2b;A1e、B2c;A1e、B2d;A1e、B2e;A1e、B2f;A1e、B2g;A1e、B2h;A1e、B2i;A1e、B2j;A1e、B3a;A1e、B3b;A1e、B4a;
【0275】
A1e、B5a;A1e、B6a;A1e、B6b;A1e、B7a;A1e、B8a;A1e、B9a;A1e、B9b;A1e、B9c;A1f、B1a;A1f、B1b;A1f、B1c;A1f、B1d;A1f、B1e;A1f、B1f;A1f、B2a;A1f、B2b;A1f、B2c;A1f、B2d;A1f、B2e;A1f、B2f;A1f、B2g;A1f、B2h;A1f、B2i;A1f、B2j;A1f、B3a;A1f、B3b;A1f、B4a;A1f、B5a;A1f、B6a;A1f、B6b;A1f、B7a;A1f、B8a;A1f、B9a;A1f、B9b;A1f、B9c;A1g、B1a;A1g、B1b;A1g、B1c;A1g、B1d;A1g、B1e;A1g、B1f;A1g、B2a;A1g、B2b;A1g、B2c;A1g、B2d;A1g、B2e;A1g、B2f;A1g、B2g;A1g、B2h;A1g、B2i;A1g、B2j;A1g、B3a;A1g、B3b;A1g、B4a;A1g、B5a;A1g、B6a;A1g、B6b;A1g、B7a;A1g、B8a;A1g、B9a;A1g、B9b;A1g、B9c;A1h、B1a;A1h、B1b;A1h、B1c;A1h、B1d;A1h、B1e;A1h、B1f;A1h、B2a;A1h、B2b;A1h、B2c;A1h、B2d;A1h、B2e;A1h、B2f;A1h、B2g;A1h、B2h;A1h、B2i;A1h、B2j;A1h、B3a;A1h、B3b;A1h、B4a;A1h、B5a;A1h、B6a;A1h、B6b;A1h、B7a;A1h、B8a;A1h、B9a;A1h、B9b;A1h、B9c;A2a、B1a;A2a、B1b;A2a、B1c;A2a、B1d;A2a、B1e;A2a、B1f;A2a、B2a;A2a、B2b;A2a、B2c;A2a、B2d;A2a、B2e;A2a、B2f;A2a、B2g;A2a、B2h;
【0276】
A2a、B2i;A2a、B2j;A2a、B3a;A2a、B3b;A2a、B4a;A2a、B5a;A2a、B6a;A2a、B6b;A2a、B7a;A2a、B8a;A2a、B9a;A2a、B9b;A2a、B9c;A2b、B1a;A2b、B1b;A2b、B1c;A2b、B1d;A2b、B1e;A2b、B1f;A2b、B2a;A2b、B2b;A2b、B2c;A2b、B2d;A2b、B2e;A2b、B2f;A2b、B2g;A2b、B2h;A2b、B2i;A2b、B2j;A2b、B3a;A2b、B3b;A2b、B4a;A2b、B5a;A2b、B6a;A2b、B6b;A2b、B7a;A2b、B8a;A2b、B9a;A2b、B9b;A2b、B9c;A3a、B1a;A3a、B1b;A3a、B1c;A3a、B1d;A3a、B1e;A3a、B1f;A3a、B2a;A3a、B2b;A3a、B2c;A3a、B2d;A3a、B2e;A3a、B2f;A3a、B2g;A3a、B2h;A3a、B2i;A3a、B2j;A3a、B3a;A3a、B3b;A3a、B4a;A3a、B5a;A3a、B6a;A3a、B6b;A3a、B7a;A3a、B8a;A3a、B9a;A3a、B9b;A3a、B9c;A3b、B1a;
【0277】
A3b、B1b;A3b、B1c;A3b、B1d;A3b、B1e;A3b、B1f;A3b、B2a;A3b、B2b;A3b、B2c;A3b、B2d;A3b、B2e;A3b、B2f;A3b、B2g;A3b、B2h;A3b、B2i;A3b、B2j;A3b、B3a;A3b、B3b;A3b、B4a;A3b、B5a;A3b、B6a;A3b、B6b;A3b、B7a;A3b、B8a;A3b、B9a;A3b、B9b;A3b、B9c;A3c、B1a;A3c、B1b;A3c、B1c;A3c、B1d;A3c、B1e;A3c、B1f;A3c、B2a;A3c、B2b;A3c、B2c;A3c、B2d;A3c、B2e;A3c、B2f;A3c、B2g;A3c、B2h;A3c、B2i;A3c、B2j;A3c、B3a;A3c、B3b;A3c、B4a;A3c、B5a;A3c、B6a;A3c、B6b;A3c、B7a;A3c、B8a;A3c、B9a;A3c、B9b;A3c、B9c;A3d、B1a;A3d、B1b;A3d、B1c;A3d、B1d;A3d、B1e;A3d、B1f;A3d、B2a;A3d、B2b;A3d、B2c;A3d、B2d;A3d、B2e;A3d、B2f;A3d、B2g;A3d、B2h;A3d、B2i;
【0278】
A3d、B2j;A3d、B3a;A3d、B3b;A3d、B4a;A3d、B5a;A3d、B6a;A3d、B6b;A3d、B7a;A3d、B8a;A3d、B9a;A3d、B9b;A3d、B9c;A3e、B1a;A3e、B1b;A3e、B1c;A3e、B1d;A3e、B1e;A3e、B1f;A3e、B2a;A3e、B2b;A3e、B2c;A3e、B2d;A3e、B2e;A3e、B2f;A3e、B2g;A3e、B2h;A3e、B2i;A3e、B2j;A3e、B3a;A3e、B3b;A3e、B4a;A3e、B5a;A3e、B6a;A3e、B6b;A3e、B7a;A3e、B8a;A3e、B9a;A3e、B9b;A3e、B9c;A3f、B1a;A3f、B1b;A3f、B1c;A3f、B1d;A3f、B1e;A3f、B1f;A3f、B2a;A3f、B2b;A3f、B2c;A3f、B2d;A3f、B2e;A3f、B2f;A3f、B2g;A3f、B2h;A3f、B2i;A3f、B2j;A3f、B3a;A3f、B3b;A3f、B4a;A3f、B5a;A3f、B6a;A3f、B6b;A3f、B7a;A3f、B8a;A3f、B9a;A3f、B9b;A3f、B9c;A4a、B1a;A4a、B1b;A4a、B1c;
【0279】
A4a、B1d;A4a、B1e;A4a、B1f;A4a、B2a;A4a、B2b;A4a、B2c;A4a、B2d;A4a、B2e;A4a、B2f;A4a、B2g;A4a、B2h;A4a、B2i;A4a、B2j;A4a、B3a;A4a、B3b;A4a、B4a;A4a、B5a;A4a、B6a;A4a、B6b;A4a、B7a;A4a、B8a;A4a、B9a;A4a、B9b;A4a、B9c;A4b、B1a;A4b、B1b;A4b、B1c;A4b、B1d;A4b、B1e;A4b、B1f;A4b、B2a;A4b、B2b;A4b、B2c;A4b、B2d;A4b、B2e;A4b、B2f;A4b、B2g;A4b、B2h;A4b、B2i;A4b、B2j;A4b、B3a;A4b、B3b;A4b、B4a;A4b、B5a;A4b、B6a;A4b、B6b;A4b、B7a;A4b、B8a;A4b、B9a;A4b、B9b;A4b、B9c;A4c、B1a;A4c、B1b;A4c、B1c;A4c、B1d;A4c、B1e;A4c、B1f;A4c、B2a;A4c、B2b;A4c、B2c;A4c、B2d;A4c、B2e;A4c、B2f;A4c、B2g;A4c、B2h;A4c、B2i;A4c、B2j;A4c、B3a;A4c、B3b;A4c、B4a;A4c、B5a;A4c、B6a;A4c、B6b;A4c、B7a;A4c、B8a;A4c、B9a;A4c、B9b;A4c、B9c;A4d、B1a;A4d、B1b;A4d、B1c;A4d、B1d;A4d、B1e;A4d、B1f;A4d、B2a;
【0280】
A4d、B2b;A4d、B2c;A4d、B2d;A4d、B2e;A4d、B2f;A4d、B2g;A4d、B2h;A4d、B2i;A4d、B2j;A4d、B3a;A4d、B3b;A4d、B4a;A4d、B5a;A4d、B6a;A4d、B6b;A4d、B7a;A4d、B8a;A4d、B9a;A4d、B9b;A4d、B9c;A5a、B1a;A5a、B1b;A5a、B1c;A5a、B1d;A5a、B1e;A5a、B1f;A5a、B2a;A5a、B2b;A5a、B2c;A5a、B2d;A5a、B2e;A5a、B2f;A5a、B2g;A5a、B2h;A5a、B2i;A5a、B2j;A5a、B3a;A5a、B3b;A5a、B4a;A5a、B5a;A5a、B6a;A5a、B6b;A5a、B7a;A5a、B8a;A5a、B9a;A5a、B9b;A5a、B9c;A5b、B1a;A5b、B1b;A5b、B1c;A5b、B1d;A5b、B1e;A5b、B1f;A5b、B2a;A5b、B2b;A5b、B2c;A5b、B2d;A5b、B2e;A5b、B2f;A5b、B2g;A5b、B2h;A5b、B2i;A5b、B2j;A5b、B3a;A5b、B3b;A5b、B4a;A5b、B5a;A5b、B6a;A5b、B6b;A5b、B7a;A5b、B8a;A5b、B9a;A5b、B9b;A5b、B9c;A6a、B1a;A6a、B1b;A6a、B1c;A6a、B1d;A6a、B1e;A6a、B1f;A6a、B2a;A6a、B2b;A6a、B2c;A6a、B2d;A6a、B2e;
【0281】
A6a、B2f;A6a、B2g;A6a、B2h;A6a、B2i;A6a、B2j;A6a、B3a;A6a、B3b;A6a、B4a;A6a、B5a;A6a、B6a;A6a、B6b;A6a、B7a;A6a、B8a;A6a、B9a;A6a、B9b;A6a、B9c;A6b、B1a;A6b、B1b;A6b、B1c;A6b、B1d;A6b、B1e;A6b、B1f;A6b、B2a;A6b、B2b;A6b、B2c;A6b、B2d;A6b、B2e;A6b、B2f;A6b、B2g;A6b、B2h;A6b、B2i;A6b、B2j;A6b、B3a;A6b、B3b;A6b、B4a;A6b、B5a;A6b、B6a;A6b、B6b;A6b、B7a;A6b、B8a;A6b、B9a;A6b、B9b;A6b、B9c;A7a、B1a;A7a、B1b;A7a、B1c;A7a、B1d;A7a、B1e;A7a、B1f;A7a、B2a;A7a、B2b;A7a、B2c;A7a、B2d;A7a、B2e;A7a、B2f;A7a、B2g;A7a、B2h;A7a、B2i;A7a、B2j;A7a、B3a;A7a、B3b;A7a、B4a;A7a、B5a;A7a、B6a;A7a、B6b;A7a、B7a;A7a、B8a;A7a、B9a;A7a、B9b;A7a、B9c;A7b、B1a;A7b、B1b;A7b、B1c;A7b、B1d;A7b、B1e;A7b、B1f;A7b、B2a;A7b、B2b;A7b、B2c;A7b、B2d;A7b、B2e;A7b、B2f;A7b、B2g;A7b、B2h;A7b、B2i;
【0282】
A7b、B2j;A7b、B3a;A7b、B3b;A7b、B4a;A7b、B5a;A7b、B6a;A7b、B6b;A7b、B7a;A7b、B8a;A7b、B9a;A7b、B9b;A7b、B9c;A7c、B1a;A7c、B1b;A7c、B1c;A7c、B1d;A7c、B1e;A7c、B1f;A7c、B2a;A7c、B2b;A7c、B2c;A7c、B2d;A7c、B2e;A7c、B2f;A7c、B2g;A7c、B2h;A7c、B2i;A7c、B2j;A7c、B3a;A7c、B3b;A7c、B4a;A7c、B5a;A7c、B6a;A7c、B6b;A7c、B7a;A7c、B8a;A7c、B9a;A7c、B9b;A7c、B9c;A8a、B1a;A8a、B1b;A8a、B1c;A8a、B1d;A8a、B1e;A8a、B1f;A8a、B2a;A8a、B2b;A8a、B2c;A8a、B2d;A8a、B2e;A8a、B2f;A8a、B2g;A8a、B2h;A8a、B2i;A8a、B2j;A8a、B3a;A8a、B3b;A8a、B4a;A8a、B5a;A8a、B6a;A8a、B6b;A8a、B7a;A8a、B8a;A8a、B9a;A8a、B9b;A8a、B9c;A8b、B1a;A8b、B1b;
【0283】
A8b、B1c;A8b、B1d;A8b、B1e;A8b、B1f;A8b、B2a;A8b、B2b;A8b、B2c;A8b、B2d;A8b、B2e;A8b、B2f;A8b、B2g;A8b、B2h;A8b、B2i;A8b、B2j;A8b、B3a;A8b、B3b;A8b、B4a;A8b、B5a;A8b、B6a;A8b、B6b;A8b、B7a;A8b、B8a;A8b、B9a;A8b、B9b;A8b、B9c;A8c、B1a;A8c、B1b;A8c、B1c;A8c、B1d;A8c、B1e;A8c、B1f;A8c、B2a;A8c、B2b;A8c、B2c;A8c、B2d;A8c、B2e;A8c、B2f;A8c、B2g;A8c、B2h;A8c、B2i;A8c、B2j;A8c、B3a;A8c、B3b;A8c、B4a;A8c、B5a;A8c、B6a;A8c、B6b;A8c、B7a;A8c、B8a;A8c、B9a;A8c、B9b;A8c、B9c;A10a、B1a;A10a、B1b;A10a、B1c;A10a、B1d;A10a、B1e;A10a、B1f;A10a、B2a;A10a、B2b;A10a、B2c;A10a、B2d;A10a、B2e;A10a、B2f;A10a、B2g;A10a、B2h;
【0284】
A10a、B2i;A10a、B2j;A10a、B3a;A10a、B3b;A10a、B4a;A10a、B5a;A10a、B6a;A10a、B6b;A10a、B7a;A10a、B8a;A10a、B9a;A10a、B9b;A10a、B9c;A10b、B1a;A10b、B1b;A10b、B1c;A10b、B1d;A10b、B1e;A10b、B1f;A10b、B2a;A10b、B2b;A10b、B2c;A10b、B2d;A10b、B2e;A10b、B2f;A10b、B2g;A10b、B2h;A10b、B2i;A10b、B2j;A10b、B3a;A10b、B3b;A10b、B4a;A10b、B5a;A10b、B6a;A10b、B6b;A10b、B7a;A10b、B8a;A10b、B9a;A10b、B9b;A10b、B9c;およびこれらの組合せから選択することができる。
【0285】
一部の実施形態において、医薬組成物中での医薬品またはその塩(A)と、表面改変剤(B)と、芯粒子の外表面上に存在する1種または複数の表面改変剤の密度(C)との組合せは、A1、B1、C1;A1、B1、C2;A1、B1、C3;A1、B1、C4;A1、B1、C5;A1、B2、C1;A1、B2、C2;A1、B2、C3;A1、B2、C4;A1、B2、C5;A1、B3、C1;A1、B3、C2;A1、B3、C3;A1、B3、C4;A1、B3、C5;A1、B4、C1;A1、B4、C2;A1、B4、C3;A1、B4、C4;A1、B4、C5;A1、B5、C1;A1、B5、C2;A1、B5、C3;A1、B5、C4;A1、B5、C5;A1、B6、C1;A1、B6、C2;A1、B6、C3;A1、B6、C4;A1、B6、C5;A1、B7、C1;A1、B7、C2;A1、B7、C3;A1、B7、C4;A1、B7、C5;A1、B8、C1;A1、B8、C2;A1、B8、C3;A1、B8、C4;A1、B8、C5;A1、B9、C1;A1、B9、C2;A1、B9、C3;A1、B9、C4;A1、B9、C5;A2、B1、C1;A2、B1、C2;A2、B1、C3;A2、B1、C4;A2、B1、C5;A2、B2、C1;A2、B2、C2;A2、B2、C3;A2、B2、C4;A2、B2、C5;A2、B3、C1;A2、B3、C2;A2、B3、C3;A2、B3、C4;A2、B3、C5;A2、B4、C1;A2、B4、C2;A2、B4、C3;A2、B4、C4;A2、B4、C5;A2、B5、C1;A2、B5、C2;A2、B5、C3;A2、B5、C4;A2、B5、C5;A2、B6、C1;A2、B6、C2;A2、B6、C3;A2、B6、C4;A2、B6、C5;A2、B7、C1;A2、B7、C2;A2、B7、C3;A2、B7、C4;A2、B7、C5;A2、B8、C1;A2、B8、C2;A2、B8、C3;A2、B8、C4;A2、B8、C5;A2、B9、C1;A2、B9、C2;A2、B9、C3;A2、B9、C4;A2、B9、C5;A3、B1、C1;A3、B1、C2;A3、B1、C3;A3、B1、C4;
【0286】
A3、B1、C5;A3、B2、C1;A3、B2、C2;A3、B2、C3;A3、B2、C4;A3、B2、C5;A3、B3、C1;A3、B3、C2;A3、B3、C3;A3、B3、C4;A3、B3、C5;A3、B4、C1;A3、B4、C2;A3、B4、C3;A3、B4、C4;A3、B4、C5;A3、B5、C1;A3、B5、C2;A3、B5、C3;A3、B5、C4;A3、B5、C5;A3、B6、C1;A3、B6、C2;A3、B6、C3;A3、B6、C4;A3、B6、C5;A3、B7、C1;A3、B7、C2;A3、B7、C3;A3、B7、C4;A3、B7、C5;A3、B8、C1;A3、B8、C2;A3、B8、C3;A3、B8、C4;A3、B8、C5;A3、B9、C1;A3、B9、C2;A3、B9、C3;A3、B9、C4;A3、B9、C5;A4、B1、C1;A4、B1、C2;A4、B1、C3;A4、B1、C4;A4、B1、C5;A4、B2、C1;A4、B2、C2;A4、B2、C3;A4、B2、C4;A4、B2、C5;A4、B3、C1;A4、B3、C2;A4、B3、C3;A4、B3、C4;A4、B3、C5;A4、B4、C1;A4、B4、C2;A4、B4、C3;A4、B4、C4;A4、B4、C5;A4、B5、C1;A4、B5、C2;A4、B5、C3;A4、B5、C4;A4、B5、C5;A4、B6、C1;A4、B6、C2;A4、B6、C3;A4、B6、C4;A4、B6、C5;A4、B7、C1;A4、B7、C2;A4、B7、C3;A4、B7、C4;A4、B7、C5;A4、B8、C1;A4、B8、C2;A4、B8、C3;A4、B8、C4;A4、B8、C5;A4、B9、C1;A4、B9、C2;A4、B9、C3;A4、B9、C4;A4、B9、C5;A5、B1、C1;A5、B1、C2;
【0287】
A5、B1、C3;A5、B1、C4;A5、B1、C5;A5、B2、C1;A5、B2、C2;A5、B2、C3;A5、B2、C4;A5、B2、C5;A5、B3、C1;A5、B3、C2;A5、B3、C3;A5、B3、C4;A5、B3、C5;A5、B4、C1;A5、B4、C2;A5、B4、C3;A5、B4、C4;A5、B4、C5;A5、B5、C1;A5、B5、C2;A5、B5、C3;A5、B5、C4;A5、B5、C5;A5、B6、C1;A5、B6、C2;A5、B6、C3;A5、B6、C4;A5、B6、C5;A5、B7、C1;A5、B7、C2;A5、B7、C3;A5、B7、C4;A5、B7、C5;A5、B8、C1;A5、B8、C2;A5、B8、C3;A5、B8、C4;A5、B8、C5;A5、B9、C1;A5、B9、C2;A5、B9、C3;A5、B9、C4;A5、B9、C5;A6、B1、C1;A6、B1、C2;A6、B1、C3;A6、B1、C4;A6、B1、C5;A6、B2、C1;A6、B2、C2;A6、B2、C3;A6、B2、C4;A6、B2、C5;A6、B3、C1;A6、B3、C2;A6、B3、C3;A6、B3、C4;A6、B3、C5;A6、B4、C1;A6、B4、C2;A6、B4、C3;A6、B4、C4;A6、B4、C5;A6、B5、C1;A6、B5、C2;A6、B5、C3;
【0288】
A6、B5、C4;A6、B5、C5;A6、B6、C1;A6、B6、C2;A6、B6、C3;A6、B6、C4;A6、B6、C5;A6、B7、C1;A6、B7、C2;A6、B7、C3;A6、B7、C4;A6、B7、C5;A6、B8、C1;A6、B8、C2;A6、B8、C3;A6、B8、C4;A6、B8、C5;A6、B9、C1;A6、B9、C2;A6、B9、C3;A6、B9、C4;A6、B9、C5;A7、B1、C1;A7、B1、C2;A7、B1、C3;A7、B1、C4;A7、B1、C5;A7、B2、C1;A7、B2、C2;A7、B2、C3;A7、B2、C4;A7、B2、C5;A7、B3、C1;A7、B3、C2;A7、B3、C3;A7、B3、C4;A7、B3、C5;A7、B4、C1;A7、B4、C2;A7、B4、C3;A7、B4、C4;A7、B4、C5;A7、B5、C1;A7、B5、C2;A7、B5、C3;A7、B5、C4;A7、B5、C5;A7、B6、C1;A7、B6、C2;A7、B6、C3;A7、B6、C4;A7、B6、C5;A7、B7、C1;A7、B7、C2;A7、B7、C3;A7、B7、C4;A7、B7、C5;A7、B8、C1;A7、B8、C2;A7、B8、C3;A7、B8、C4;A7、B8、C5;A7、B9、C1;A7、B9、C2;A7、B9、C3;A7、B9、C4;
【0289】
A7、B9、C5;A8、B1、C1;A8、B1、C2;A8、B1、C3;A8、B1、C4;A8、B1、C5;A8、B2、C1;A8、B2、C2;A8、B2、C3;A8、B2、C4;A8、B2、C5;A8、B3、C1;A8、B3、C2;A8、B3、C3;A8、B3、C4;A8、B3、C5;A8、B4、C1;A8、B4、C2;A8、B4、C3;A8、B4、C4;A8、B4、C5;A8、B5、C1;A8、B5、C2;A8、B5、C3;A8、B5、C4;A8、B5、C5;A8、B6、C1;A8、B6、C2;A8、B6、C3;A8、B6、C4;A8、B6、C5;A8、B7、C1;A8、B7、C2;A8、B7、C3;A8、B7、C4;A8、B7、C5;A8、B8、C1;A8、B8、C2;A8、B8、C3;A8、B8、C4;A8、B8、C5;A8、B9、C1;A8、B9、C2;A8、B9、C3;A8、B9、C4;A8、B9、C5;A9、B1、C1;A9、B1、C2;A9、B1、C3;A9、B1、C4;A9、B1、C5;A9、B2、C1;A9、B2、C2;A9、B2、C3;A9、B2、C4;A9、B2、C5;A9、B3、C1;A9、B3、C2;A9、B3、C3;A9、B3、C4;A9、B3、C5;A9、B4、C1;A9、B4、C2;A9、B4、C3;A9、B4、C4;A9、B4、C5;
【0290】
A9、B5、C1;A9、B5、C2;A9、B5、C3;A9、B5、C4;A9、B5、C5;A9、B6、C1;A9、B6、C2;A9、B6、C3;A9、B6、C4;A9、B6、C5;A9、B7、C1;A9、B7、C2;A9、B7、C3;A9、B7、C4;A9、B7、C5;A9、B8、C1;A9、B8、C2;A9、B8、C3;A9、B8、C4;A9、B8、C5;A9、B9、C1;A9、B9、C2;A9、B9、C3;A9、B9、C4;A9、B9、C5;A10、B1、C1;A10、B1、C2;A10、B1、C3;A10、B1、C4;A10、B1、C5;A10、B2、C1;A10、B2、C2;A10、B2、C3;A10、B2、C4;A10、B2、C5;A10、B3、C1;A10、B3、C2;A10、B3、C3;A10、B3、C4;A10、B3、C5;A10、B4、C1;A10、B4、C2;A10、B4、C3;A10、B4、C4;A10、B4、C5;A10、B5、C1;A10、B5、C2;A10、B5、C3;A10、B5、C4;A10、B5、C5;A10、B6、C1;A10、B6、C2;A10、B6、C3;A10、B6、C4;A10、B6、C5;A10、B7、C1;A10、B7、C2;A10、B7、C3;A10、B7、C4;A10、B7、C5;A10、B8、C1;A10、B8、C2;A10、B8、C3;A10、B8、C4;A10、B8、C5;A10、B9、C1;A10、B9、C2;A10、B9、C3;A10、B9、C4;
【0291】
A10、B9、C5;A11、B1、C1;A11、B1、C2;A11、B1、C3;A11、B1、C4;A11、B1、C5;A11、B2、C1;A11、B2、C2;A11、B2、C3;A11、B2、C4;A11、B2、C5;A11、B3、C1;A11、B3、C2;A11、B3、C3;A11、B3、C4;A11、B3、C5;A11、B4、C1;A11、B4、C2;A11、B4、C3;A11、B4、C4;A11、B4、C5;A11、B5、C1;A11、B5、C2;A11、B5、C3;A11、B5、C4;A11、B5、C5;A11、B6、C1;A11、B6、C2;A11、B6、C3;A11、B6、C4;A11、B6、C5;A11、B7、C1;A11、B7、C2;A11、B7、C3;A11、B7、C4;A11、B7、C5;A11、B8、C1;A11、B8、C2;A11、B8、C3;A11、B8、C4;A11、B8、C5;A11、B9、C1;A11、B9、C2;A11、B9、C3;A11、B9、C4;A11、B9、C5;A12、B1、C1;A12、B1、C2;A12、B1、C3;A12、B1、C4;A12、B1、C5;A12、B2、C1;A12、B2、C2;A12、B2、C3;A12、B2、C4;A12、B2、C5;A12、B3、C1;A12、B3、C2;A12、B3、C3;A12、B3、C4;
【0292】
A12、B3、C5;A12、B4、C1;A12、B4、C2;A12、B4、C3;A12、B4、C4;A12、B4、C5;A12、B5、C1;A12、B5、C2;A12、B5、C3;A12、B5、C4;A12、B5、C5;A12、B6、C1;A12、B6、C2;A12、B6、C3;A12、B6、C4;A12、B6、C5;A12、B7、C1;A12、B7、C2;A12、B7、C3;A12、B7、C4;A12、B7、C5;A12、B8、C1;A12、B8、C2;A12、B8、C3;A12、B8、C4;A12、B8、C5;A12、B9、C1;A12、B9、C2;A12、B9、C3;A12、B9、C4;A12、B9、C5;A13、B1、C1;A13、B1、C2;A13、B1、C3;A13、B1、C4;A13、B1、C5;A13、B2、C1;A13、B2、C2;A13、B2、C3;A13、B2、C4;A13、B2、C5;A13、B3、C1;A13、B3、C2;A13、B3、C3;A13、B3、C4;A13、B3、C5;A13、B4、C1;A13、B4、C2;A13、B4、C3;A13、B4、C4;A13、B4、C5;A13、B5、C1;A13、B5、C2;A13、B5、C3;A13、B5、C4;A13、B5、C5;A13、B6、C1;A13、B6、C2;A13、B6、C3;A13、B6、C4;
【0293】
A13、B6、C5;A13、B7、C1;A13、B7、C2;A13、B7、C3;A13、B7、C4;A13、B7、C5;A13、B8、C1;A13、B8、C2;A13、B8、C3;A13、B8、C4;A13、B8、C5;A13、B9、C1;A13、B9、C2;A13、B9、C3;A13、B9、C4;A13、B9、C5;A14、B1、C1;A14、B1、C2;A14、B1、C3;A14、B1、C4;A14、B1、C5;A14、B2、C1;A14、B2、C2;A14、B2、C3;A14、B2、C4;A14、B2、C5;A14、B3、C1;A14、B3、C2;A14、B3、C3;A14、B3、C4;A14、B3、C5;A14、B4、C1;A14、B4、C2;A14、B4、C3;A14、B4、C4;A14、B4、C5;A14、B5、C1;A14、B5、C2;A14、B5、C3;A14、B5、C4;A14、B5、C5;A14、B6、C1;A14、B6、C2;A14、B6、C3;A14、B6、C4;A14、B6、C5;A14、B7、C1;A14、B7、C2;A14、B7、C3;A14、B7、C4;A14、B7、C5;A14、B8、C1;A14、B8、C2;A14、B8、C3;A14、B8、C4;A14、B8、C5;A14、B9、C1;A14、B9、C2;A14、B9、C3;A14、B9、C4;
【0294】
A14、B9、C5;A15、B1、C1;A15、B1、C2;A15、B1、C3;A15、B1、C4;A15、B1、C5;A15、B2、C1;A15、B2、C2;A15、B2、C3;A15、B2、C4;A15、B2、C5;A15、B3、C1;A15、B3、C2;A15、B3、C3;A15、B3、C4;A15、B3、C5;A15、B4、C1;A15、B4、C2;A15、B4、C3;A15、B4、C4;A15、B4、C5;A15、B5、C1;A15、B5、C2;A15、B5、C3;A15、B5、C4;A15、B5、C5;A15、B6、C1;A15、B6、C2;A15、B6、C3;A15、B6、C4;A15、B6、C5;A15、B7、C1;A15、B7、C2;A15、B7、C3;A15、B7、C4;A15、B7、C5;A15、B8、C1;A15、B8、C2;A15、B8、C3;A15、B8、C4;A15、B8、C5;A15、B9、C1;A15、B9、C2;A15、B9、C3;A15、B9、C4;A15、B9、C5;A16、B1、C1;A16、B1、C2;A16、B1、C3;A16、B1、C4;A16、B1、C5;A16、B2、C1;A16、B2、C2;A16、B2、C3;A16、B2、C4;A16、B2、C5;A16、B3、C1;A16、B3、C2;A16、B3、C3;A16、B3、C4;
【0295】
A16、B3、C5;A16、B4、C1;A16、B4、C2;A16、B4、C3;A16、B4、C4;A16、B4、C5;A16、B5、C1;A16、B5、C2;A16、B5、C3;A16、B5、C4;A16、B5、C5;A16、B6、C1;A16、B6、C2;A16、B6、C3;A16、B6、C4;A16、B6、C5;A16、B7、C1;A16、B7、C2;A16、B7、C3;A16、B7、C4;A16、B7、C5;A16、B8、C1;A16、B8、C2;A16、B8、C3;A16、B8、C4;A16、B8、C5;A16、B9、C1;A16、B9、C2;A16、B9、C3;A16、B9、C4;A16、B9、C5;A17、B1、C1;A17、B1、C2;A17、B1、C3;A17、B1、C4;A17、B1、C5;A17、B2、C1;A17、B2、C2;A17、B2、C3;A17、B2、C4;A17、B2、C5;A17、B3、C1;A17、B3、C2;A17、B3、C3;A17、B3、C4;A17、B3、C5;A17、B4、C1;A17、B4、C2;A17、B4、C3;A17、B4、C4;A17、B4、C5;A17、B5、C1;A17、B5、C2;A17、B5、C3;A17、B5、C4;A17、B5、C5;A17、B6、C1;A17、B6、C2;A17、B6、C3;A17、B6、C4;
【0296】
A17、B6、C5;A17、B7、C1;A17、B7、C2;A17、B7、C3;A17、B7、C4;A17、B7、C5;A17、B8、C1;A17、B8、C2;A17、B8、C3;A17、B8、C4;A17、B8、C5;A17、B9、C1;A17、B9、C2;A17、B9、C3;A17、B9、C4;A17、B9、C5;A18、B1、C1;A18、B1、C2;A18、B1、C3;A18、B1、C4;A18、B1、C5;A18、B2、C1;A18、B2、C2;A18、B2、C3;A18、B2、C4;A18、B2、C5;A18、B3、C1;A18、B3、C2;A18、B3、C3;A18、B3、C4;A18、B3、C5;A18、B4、C1;A18、B4、C2;A18、B4、C3;A18、B4、C4;A18、B4、C5;A18、B5、C1;A18、B5、C2;A18、B5、C3;A18、B5、C4;A18、B5、C5;A18、B6、C1;A18、B6、C2;A18、B6、C3;A18、B6、C4;A18、B6、C5;A18、B7、C1;A18、B7、C2;A18、B7、C3;A18、B7、C4;A18、B7、C5;A18、B8、C1;A18、B8、C2;A18、B8、C3;A18、B8、C4;A18、B8、C5;A18、B9、C1;A18、B9、C2;A18、B9、C3;A18、B9、C4;
【0297】
A18、B9、C5;A19、B1、C1;A19、B1、C2;A19、B1、C3;A19、B1、C4;A19、B1、C5;A19、B2、C1;A19、B2、C2;A19、B2、C3;A19、B2、C4;A19、B2、C5;A19、B3、C1;A19、B3、C2;A19、B3、C3;A19、B3、C4;A19、B3、C5;A19、B4、C1;A19、B4、C2;A19、B4、C3;A19、B4、C4;A19、B4、C5;A19、B5、C1;A19、B5、C2;A19、B5、C3;A19、B5、C4;A19、B5、C5;A19、B6、C1;A19、B6、C2;A19、B6、C3;A19、B6、C4;A19、B6、C5;A19、B7、C1;A19、B7、C2;A19、B7、C3;A19、B7、C4;A19、B7、C5;A19、B8、C1;A19、B8、C2;A19、B8、C3;A19、B8、C4;A19、B8、C5;A19、B9、C1;A19、B9、C2;A19、B9、C3;A19、B9、C4;A19、B9、C5;およびこれらの組合せから選択することができる。
【0298】
特徴(A)(例えば、A1〜A19およびそれらと同一と見なされる種)、(B)(例えば、B1〜B9およびそれらと同一と見なされる種)、および(C)(例えば、C1〜C5)の適切な組合せを有する複数の被覆された粒子を含む上記の医薬組成物では、一部の実施形態において、被覆された粒子は、固形医薬品またはその塩を含むか、それらから形成された芯粒子を含み、医薬品またはその塩は、pH範囲中の任意の点において25℃で約1mg/mL以下(例えば、25℃で約0.1mg/mL以下)の水溶性を有し、芯粒子の少なくとも約80重量%(例えば、少なくとも90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約99重量%)を構成する。表面改変剤は、芯粒子の表面に吸着される可能性がある。被覆された粒子は、粘液中で0.5を超える相対速度を有することができる。被覆された粒子は、少なくとも約20nmかつ約1μm以下(例えば、約500nm以下)の平均的な大きさを有することができる。コーティングの厚さは、例えば、約50nm以下(例えば、約30nm以下、10nm以下)でよい。医薬組成物は、1種または複数の薬学上許容される担体、添加物、および/または希釈剤を含むことができる。任意選択で、1種または複数の眼科的に許容される担体、添加物、および/または希釈剤はグリセリンを含む。一部の実施形態において、複数の被覆された粒子は、組成物中で、溶液(例えば、水性溶液)中に1種または複数の遊離表面改変剤(例えば、粒子に付着していない表面改変剤)と共に存在する。溶液中の遊離表面改変剤および粒子の表面上の表面改変剤(B)は、同一の表面改変剤でよく、組成物中で互いに平衡状態で存在することができる。組成物中に存在する表面改変剤の総量は、例えば、重量で、約0.001%〜約5%、(例えば、重量で、約0.01%〜約5%、または約0.1%〜約5%)でよい。一部の実施形態において、組成物のPDIは、約0.5以下(例えば、約0.3以下、または約0.2以下)かつ任意選択で約0.1以上である。一部の実施形態において、医薬組成物は、医薬品の1種または複数の分解物を含み、組成物中での各分解物の濃度は、医薬品の重量に対して約1重量%以下である。このような組成物の患者または対象への使用および/または送達方法(例えば、眼、粘液、または粘液膜への)も提供される。
【0299】
上記の医薬組成物を含む1つの特定の組の実施形態において、表面改変剤(B)は、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであるか、それを含み、疎水性ブロックは少なくとも約3kDaの分子量を有し、親水性ブロックはトリブロックの少なくとも約30重量%を構成し、親水性ブロックは、少なくとも約2kDaの分子量を有するポリ(エチレンオキシド)であるか、それを含み、疎水性ブロックは、芯粒子の表面と会合し(例えば、吸着によって)、親水性ブロックは、被覆された粒子の表面に存在し、被覆された粒子を親水性にする。
表面改変剤(B)がポロキサマーである上記の特定の実施形態において、ポロキサマーは、Pluronic(登録商標)P123、Pluronic(登録商標)P103、Pluronic(登録商標)P105、Pluronic(登録商標)F127、およびこれらの組合せから選択される。一部の実施形態において、ポロキサマーは、Pluronic(登録商標)F68またはPluronic(登録商標)F108ではない。
【0300】
前記医薬組成物を含む別の特定の組の実施形態において、表面改変剤(B)は、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであるか、それを含む。ポリマーは、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下(例えば、約200kDa以下)の分子量を有し、ポリマーの少なくとも約30%(例えば、少なくとも約70%)かつ約98%以下(例えば、約95%未満)は加水分解されている。合成ポリマーは、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)、またはビニルアルコールと酢酸ビニルとのコポリマーでよい。特定の実施形態において、ポリマーは、その約98%以下が加水分解されており、かつ約75kDa以下の分子量を有するPVA、またはその約95%未満が加水分解されているPVAである。表面改変剤は、芯粒子の表面に吸着されることができる。
表面改変剤(B)がPVAである前記の特定の実施形態において、PVAは、PVA13K87、PVA31K98、PVA31K87、PVA9K80、PVA2K75、PVA57K87、PVA85K87、PVA105K80、PVA130K87、およびこれらの組合せから選択される。
本明細書に記載のように、前記のような医薬組成物は、任意の適切な医薬品(A)、および表面改変剤の密度(C)を含むことができる。
本発明のこれらのその他の態様は、本発明の特定の個々の実施形態を例示することを意図するが、特許請求の範囲で規定されるようなその範囲を限定することを意図しない以下の例を考慮して、さらに認識されるであろう。
【実施例】
【0301】
(例1)
以下に非重合体固体粒子を粘液侵入性粒子に形成する方法の非限定的な例を述べる。疎水性天然蛍光化合物であるピレンを芯粒子として用い、種々の表面改変剤の存在下で粉砕法により調製した。表面改変剤は、芯粒子の周囲のコーティングを形成した。粘液に侵入する被覆粒子の有効性を判定するために種々の表面改変剤を評価した。
ピレンを水性分散液中で種々の表面改変剤の存在下で粉砕して、特定の表面改変剤が1)数百ナノメートルへの粒径の減少を促進し、2)粘液成分と粒子との相互作用を最小限にし、粘液付着を妨げるような粘液不活性コーティングにより得られたナノ粒子の表面を物理的に(非共有結合により)被覆することができるかどうかを判定した。これらの実験においては、表面改変剤は、芯粒子の周囲のコーティングとしての役割を果たし、得られた粒子を粘液中のそれらの可動性について試験したが、他の実施形態においては、表面改変剤は、粘液中の粒子の可動性を増加させ得る他の表面改変剤と交換することができる。試験した表面改変剤は、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)ブロックコポリマー(Pluronics(登録商標))、ポリビニルピロリドン(Kollidon)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel)などの薬学的に適切な賦形剤を含む、表2に示す様々なポリマー、オリゴマーおよび小分子を含んでいた。
【0302】
【0303】
ピレンおよび上述の表面改変剤のうちの1種を含む水性分散液を粉砕媒体とともに粒径が500nm未満に減少するまで粉砕した。表3に様々な表面改変剤の存在下での粉砕により得られたピレン粒子の粒径特性を示す。粒径を動的光散乱法によって測定した。Pluronics(登録商標)L101、L81、L44、L31、Span20、Span80またはオクチルグルコシドを表面改変剤として用いた場合、安定なナノ懸濁液を得ることができなかった。したがって、粒径の減少を効果的に促進できなかったため、これらの表面改変剤をさらなる検討から除外した。
【0304】
【0305】
ヒト子宮頸膣粘液(CVM)中の生成したナノ懸濁液由来のピレンナノ粒子の可動性および分布を蛍光顕微鏡および多粒子追跡ソフトウエアを用いて明らかにした。一般的な実験では、≦0.5uLのナノ懸濁液(必要な場合、界面活性剤濃度の約1%に希釈)を20μLの新鮮なCVMに対照とともに加えた。通常のナノ粒子(Invitrogen製の200nm黄緑色蛍光カルボン酸修飾ポリスチレンマイクロスフェア)を、CVM試料のバリア特性を確認するための陰性対照として用いた。PEG5kDaを共有結合により被覆した赤色蛍光ポリスチレンナノ粒子を、安定したMPP挙動を有する陽性対照として用いた。CCDカメラを装着した蛍光顕微鏡を用いて、各種類の粒子の各試料、すなわち、試料(ピレン)、陰性対照および陽性対照内の数箇所のエリアについて100倍の倍率のもとに66.7m秒の時間分解能で15秒の動画(15コマ/秒)を記録した(ピレンの天然青色蛍光がピレンナノ粒子を対照と別個に観察することを可能にした)。次に、高度な画像処理ソフトウエアを用いて、複数の粒子の個々の軌跡を少なくとも3.335秒(50コマ)の時間スケールにわたって測定した。得られる輸送データは、軌跡平均速度V
mean、すなわち、その軌跡にわたって平均した個々の粒子の速度、および集合体平均速度<V
mean>、すなわち、粒子の集合体にわたって平均したV
meanの形でここに示す。異なる試料間の容易な比較を可能にし、CVM試料の貫通性の自然変動に関して速度データを標準化するために、式1に示す式により相対試料速度<V
mean>
relを求めた。
【0306】
生成したピレンナノ粒子の可動性を定量化する前に、粘液試料中のそれらの空間分布を低倍率(10x、40x)での顕微鏡検査により評価した。ピレン/Methocelナノ懸濁液は、CVM中で均一な分布を達成せず、粘液メッシュサイズよりはるかに大きい領域に著しく凝集した(データは示さず)ことが認められた。そのような凝集は、粘液付着挙動を示唆するものであり、粘液侵入を効果的に妨げる。したがって、粒子の可動性のさらなる定量的解析は、不必要であると考えられた。陽性対照と同様に、すべての他の供試ピレン/安定剤系は、CVM中でかなり均一な分布を達成した。複数の粒子の追跡により、すべての供試試料中で陰性対照は、高度に束縛されたが、陽性対照の<V
mean>が陰性対照のものより有意に大きかったことによって実証された(表4)ように、陽性対照は、高度に可動性であったことが確認された。
【0307】
【0308】
特定(ただし、重要なことに、すべてとは限らない)の表面改変剤の存在下で得られたナノ粒子が陽性対照と同じ速度またはほぼ同じ速度でCVM中を移動したことが発見された。具体的には、Pluronics(登録商標)F127、F108、P123、P105およびP103で安定化したピレンナノ粒子は、表4および
図2Aに示すように、陰性対照のものを約1桁超え、陽性対照のものと実験誤差範囲内で区別できなかった<V
mean>を示した。これらの試料について、<V
mean>
rel値は、
図2Bに示すように、0.5を超えていた。
他方で、他の表面改変剤を用いて得られたピレンナノ粒子は、0.4以下、ほとんどの表面改変剤について0.1以下のそれぞれの<V
mean>
rel値(表4および
図2B)によって実証されたように大部分はまたは完全に固定化していた。さらに、
図3A〜3Dは、粒子の集合体内のV
meanの分布を示すヒストグラムである。これらのヒストグラムは、Pluronic(登録商標)87およびKollidon25で安定化した試料(粘液付着性試料の代表として選択)の粘液付着挙動と対照的にPluronic(登録商標)F127およびPluronic(登録商標)F108で安定化した試料の粘液拡散挙動を示している(同様なヒストグラムがPluronic(登録商標)P123、P105およびP103で安定化した試料で得られたが、ここに示さない)。
【0309】
ピレンナノ結晶を粘液侵入性にするPluronics(登録商標)の特性を確認するために、ピレン/Pluronics(登録商標)ナノ結晶の<V
mean>
relを、用いたPluronics(登録商標)のPPOブロックの分子量およびPEO重量含有率(%)に対してマッピングした(
図4)。少なくとも3kDaのPPOブロックおよび少なくとも約30重量%のPEO含有率を有する少なくともそれらのPluronics(登録商標)がナノ結晶を粘液侵入性にしたと結論された。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、PPOブロックの分子量が十分である(例えば、いくつかの実施形態において少なくとも約3kDa)場合に疎水性PPOブロックが芯粒子の表面との有効な結合をもたらすことができ、さらにPluronics(登録商標)のPEO含有率が十分である(例えば、いくつかの実施形態において少なくとも30重量%)場合に親水性PEOブロックが被覆粒子の表面に存在し、ムチン線維との付着相互作用から被覆粒子を遮蔽することができると考えられる。本明細書で述べたように、いくつかの実施形態において表面改変剤のPEO含有率は、10重量%のPEOポーションが粒子を粘液付着性にすることから、約10重量%以上(例えば、少なくとも約15重量%または少なくとも約20重量%)となるように選択することができる。
【0310】
(例2)
この例では、種々の非重合体固体粒子を用いた粘液侵入性粒子の形成について述べる。
該アプローチの汎用性を示すために、例1で述べた技術を他の非重合体固体粒子に適用した。F127を、芯粒子として用いた種々の活性医薬品を被覆するための表面改変剤として用いた。各薬物を同じ化合物の同様なサイズとしたナノ粒子と比較するようにドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を陰性対照として選択した。医薬品およびPluronics(登録商標)F127またはSDSを含む水性分散液を粉砕媒体とともに粒径が300nm未満に減少するまで粉砕した。表5にこの方法を用いて粉砕した代表的選択薬の粒径を示す。
【0311】
【0312】
粘液に侵入する薬物ナノ粒子の能力を測定するために、粘液試料中へのナノ粒子の物質移動を測定する新たなアッセイを開発した。ほとんどの薬物は、自然に蛍光を発せず、したがって、粒子追跡顕微鏡法により測定することが困難である。新たに開発したバルク輸送アッセイは、解析される粒子が蛍光を発するものであることまたは色素で標識することを必要としない。この方法において、20μLのCVMを毛細管に収集し、一端を粘土で密封する。次いで、毛細管の開放端を0.5重量/容量%の薬物である粒子の20μLの水性懸濁液中に浸す。所望の時間、一般的に18時間後に、毛細管を懸濁液から除去し、外側を拭き取る。粘液試料を含む毛細管を超遠心管に入れる。抽出媒を管に加え、混合しながら1時間インキュベートし、これにより、毛細管から粘液を除去し、粘液から薬物を抽出する。次いで、試料を遠心分離して、ムチンおよび他の不溶性成分を除去する。抽出試料中の薬物の量をHPLCを用いて定量することができる。これらの実験の結果は、顕微鏡法の結果とよく一致しており、粘液侵入性粒子と通常の粒子との間の輸送の明らかな差別化を示している。代表的選択薬の輸送結果を
図5に示す。これらの結果は、ピレンに関する顕微鏡検査/粒子追跡所見を裏付けており、一般的な活性医薬化合物への拡張を実証し、F127による非重合体固体ナノ粒子の被覆は、粘液侵入を増大させる。
【0313】
例1〜2、4〜6および10において、子宮頸膣粘液(CVM)試料を18歳以上の健常女性志願者から得た。CVMは、Softcup(登録商標)月経収集カップを製品文献により記載されているように膣管に30秒〜2分間挿入することにより収集した。除去後、50mL遠心管中で約30xG〜約120xGでの緩やかな遠心分離によりCVMをSoftcup(登録商標)から収集した。例1では、CVMを未希釈で、新鮮な状態(冷蔵条件下で7日間以下保存)で用いた。例1で用いたすべてのCVM試料のバリアおよび輸送は、陰性(200nmカルボキシル化ポリスチレン粒子)および陽性(PEG5Kで修飾した200nmポリスチレン粒子)対照を用いて確認した。例2では、CVMを凍結乾燥し、再構成した。例2では、粘液を−50℃で凍結し、次いで、凍結乾燥した。次いで、試料を−50℃で保存した。使用前に、乳鉢と乳棒を用いて固体を微粉末に粉砕し、その後、最初の容量と等しい最終容量から最初の容量の2倍の最終容量まで水を加えることにより粘液を再構成した。次いで、再構成粘液を4℃で12時間インキュベートし、例2で述べたように用いた。例2で用いたすべてのCVM試料のバリアおよび輸送は、陰性(200nmカルボキシル化ポリスチレン粒子)および陽性(F127被覆200nmポリスチレン粒子)対照を用いて確認した。
【0314】
(例3)
この例では、薬物エタボン酸ロテプレドノール(LE)を含むコアを用いた粘液侵入性粒子の形成を述べる。
非重合体固体粒子の送達における粘液侵入の促進の有用性を実証するために、エタボン酸ロテプレドノールのMPP製剤(LE MPP;例2で述べた方法により作製したPluronic(登録商標)F127で被覆されたLE粒子)を現在市販されている製剤であるLotemax(登録商標)と比較した。Lotemax(登録商標)は、眼表面炎症の治療について承認されたステロイド点眼薬である。Lotemax(登録商標)における粒子のような従来の粒子は、眼における末梢急速除去粘液層(peripheral rapidly-cleared mucus layer)に広範に捕捉され、したがって、急速に除去もされる。LE MPPは、粘液に付着することを回避し、粘液中に効果的に侵入して、下にある組織への直接の持続的な薬物放出を促進することができる。標識部位における薬物暴露の向上により、総投与量を減少させ、患者コンプライアンスおよび安全性を高くすることが可能となり得る。in vivoでは、ニュージーランドホワイトウサギへのLE MPPの単回局所点眼によって、Lotemax(登録商標)の等価用量と比較して眼瞼結膜、眼球結膜および角膜における有意に高い薬物レベルがもたらされた(
図6A〜6C)。2時間目においてMPPからのLEのレベルは、Lotemax(登録商標)からの値より6、3および8倍高い(それぞれ眼瞼、眼球および角膜)。特に、MPPからのLEのレベルは、30分目におけるLotemax(登録商標)からのレベルより2時間目において約2倍高い。これらの結果は、MPP技術により市販の製剤と比べて暴露の向上が達成できることを実証するものである。
【0315】
(例4)
以下に特定のポリ(ビニルアルコール)ポリマー(PVA)の物理的吸着により既製の重合体粒子から粘液侵入性粒子を形成する方法の非限定的な例を述べる。カルボキシル化ポリスチレンナノ粒子(PSCOO)を、安定した著しい粘液付着挙動を有する既製粒子/芯粒子として用いた。PVAは、芯粒子の周囲のコーティングを形成する表面改変剤としての役割を果たした。粘液に侵入する被覆粒子の有効性を判定するために種々の分子量(MW)および加水分解度のPVAを評価した。
PSCOO粒子を種々のPVAポリマーの存在下で水溶液中でインキュベートして、特定のPVAが粒子と粘液成分との相互作用を最小限にし、粘液中への速やかな粒子の侵入をもたらし得る粘液不活性コーティングにより芯粒子を物理的に(非共有結合により)被覆することができるかどうかを判定した。他の実施形態において、PVAは、粘液中の粒子の可動性を増加させることができる他の表面改変剤と交換することができるが、これらの実験では、PVAは、芯粒子の周囲のコーティングとしての役割を果たしており、得られた粒子を粘液中のそれらの可動性について試験した。試験したPVAは、平均分子量が2kDa〜130kDa、平均加水分解度が75%〜99+%の範囲にあった。試験したPVAを上で示した表1に示す。
【0316】
粒子修飾法は、次の通りであった。200nmカルボキシル化修飾赤色蛍光ポリスチレンナノ粒子(PSCOO)をInvitrogenから購入した。PSCOO粒子(0.4〜0.5重量%)をPVA水溶液(0.4〜0.5重量%)中で室温で少なくとも1時間インキュベートした。
【0317】
ヒト子宮頸膣粘液(CVM)中の修飾ナノ粒子の可動性および分布を蛍光顕微鏡および多粒子追跡ソフトウエアを用いて明らかにした。一般的な実験では、≦0.5μLのインキュベート済みのナノ懸濁液(対応するPVAの0.5重量%水溶液で約10倍に希釈)を20μLの新鮮なCVMに対照とともに加えた。通常のナノ粒子(Invitrogen製の200nm青色蛍光カルボン酸修飾ポリスチレンマイクロスフェア)を、CVM試料のバリア特性を確認するための陰性対照として用いた。PEG2kDaを共有結合により被覆した黄緑色蛍光ポリスチレンナノ粒子を、安定したMPP挙動を有する陽性対照として用いた。CCDカメラを装着した蛍光顕微鏡を用いて、各種類の粒子の各試料、すなわち、試料(テキサスレッドフィルターセットを通して観察)、陰性対照(DAPIフィルターセットを通して観察)および陽性対照(FITCフィルターセットを通して観察)内の数箇所のエリアについて100倍の倍率のもとに66.7m秒の時間分解能で15秒の動画(15コマ/秒)を記録した。次に、高度な画像処理ソフトウエアを用いて、複数の粒子の個々の軌跡を少なくとも3.335秒(50コマ)の時間スケールにわたって測定した。得られる輸送データは、軌跡平均速度V
mean、すなわち、その軌跡にわたって平均した個々の粒子の速度、および集合体平均速度<V
mean>、すなわち、粒子の集合体にわたって平均したV
meanの形でここに示す。異なる試料間の容易な比較を可能にし、CVM試料の貫通性の自然変動に関して速度データを標準化するために、集合体平均(絶対)速度を式1に示す式により相対試料速度<V
mean>
relに変換した。複数の粒子の追跡により、陽性および陰性対照の<V
mean>の差によって実証されたようにすべての供試CVM試料中で陰性対照は、束縛されたが、陽性対照は、可動性であったことが確認された(表6)。
【0318】
【0319】
特定(ただし、興味深いことに、すべてとは限らない)のPVAの存在下でインキュベートしたナノ粒子が陽性対照と同じ速度またはほぼ同じ速度でCVM中を輸送されたことが発見された。具体的には、PVA2K75、PVA9K80、PVA13K87、PVA31K87、PVA57K86、PVA85K87、PVA105K80およびPVA130K87で安定化した粒子は、陰性対照のものを有意に超え、実験誤差の範囲内で、陽性対照のものと区別できなかった<V
mean>を示した。結果を表6および
図7Aに示す。これらの試料について、<V
mean>
rel値は、
図7Bに示すように0.5を超えていた。
【0320】
他方で、PVA95K95、PVA13K98、PVA31K98およびPVA85K99とともにインキュベートしたナノ粒子は、0.1以下のそれぞれの<V
mean>
rel値(表6および
図7B)によって実証されたように大部分はまたは完全に固定化していた。
粒子を粘液侵入性にするPVAの特性を確認するために、種々のPVAとのインキュベーションにより調製したナノ粒子の<V
mean>
relを、用いたPVAのMWおよび加水分解度に対してマッピングした(
図8)。95%未満の加水分解度を有する少なくともそれらのPVAがナノ結晶を粘液侵入性にしたと結論された。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、PVAにおける非加水分解セグメントの含有率が十分である(例えば、いくつかの実施形態において5%を超える)場合に、PVAの非加水分解(酢酸ビニル)単位が芯粒子の表面との有効な疎水性結合をもたらすことができ、さらに被覆粒子の表面に存在するPVAの親水性(ビニルアルコール)単位がそれらを親水性にし、粘液との付着相互作用から被覆粒子を遮蔽することができると考えられる。
【0321】
粘液付着性粒子を物理的吸着により粘液侵入性粒子に転換する特定のPVAグレードの能力をさらに確認するために、種々のPVAとともにインキュベートしたPSCOOナノ粒子をバルク輸送アッセイを用いて試験した。この方法において、20μLのCVMを毛細管に収集し、一端を粘土で密封する。次いで、毛細管の開放端を0.5重量/容量%の薬物である粒子の20μLの水性懸濁液中に浸す。所望の時間、一般的に18時間後に、毛細管を懸濁液から除去し、外側を拭き取る。粘液試料を含む毛細管を超遠心管に入れる。抽出媒を管に加え、混合しながら1時間インキュベートし、これにより、毛細管から粘液を除去し、粘液から薬物を抽出する。次いで、試料を遠心分離して、ムチンおよび他の不溶性成分を除去する。抽出試料中の薬物の量をHPLCを用いて定量することができる。これらの実験の結果は、顕微鏡法の結果とよく一致しており、陽性(粘液侵入性粒子)と陰性対照(通常の粒子)との間の輸送の明らかな差別化を示している。種々のPVAとともにインキュベートしたPSCOOナノ粒子のバルク輸送結果を
図9に示す。これらの結果は、種々のPVAとともにインキュベートしたPSCOOナノ粒子に関する顕微鏡検査/粒子追跡所見を裏付けており、ナノ粒子を部分的に加水分解されたPVAとともにインキュベートすることが粘液侵入を向上させることを実証している。
【0322】
(例5)
以下に特定のポリ(ビニルアルコール)ポリマー(PVA)の存在下で乳化法により粘液侵入性粒子を形成する方法の非限定的な例を述べる。薬学的に適切な生分解性ポリマーである、ポリラクチド(PLA)を水中油型乳化法により芯粒子を形成するための材料として用いた。PVAは、乳剤表面改変剤としての役割を果たし、表面改変剤は、生成した芯粒子の周囲のコーティングを形成する。粘液に侵入する形成粒子の有効性を判定するために種々の分子量(MW)および加水分解度のPVAを評価した。
ジクロロメタン中PLA溶液を種々のPVAの存在下の水溶液中で乳化して、特定のPVAが粘液中への速やかな粒子の侵入をもたらし得るコーティングで得られたナノ粒子の表面を物理的に(非共有結合により)被覆することができるかどうかを判定した。これらの実験では、PVAは、固化により芯粒子を形成する乳化有機相の液滴の周囲の安定化コーティングを形成する界面活性剤としての役割を果たした。他の実施形態において、PVAは、粘液中の粒子の可動性を増加させることができる他の表面改変剤と交換することができるが、得られた粒子を粘液中のそれらの可動性について試験した。試験したPVAは、平均分子量が2kDa〜130kDa、平均加水分解度が75%〜99+%の範囲にあった。試験したPVAを上で示した表1に示す。
【0323】
乳化溶媒蒸発法は、次の通りであった。ジクロロメタン中PLA(グレード100DL7Aポリラクチド、Surmodicsから購入)の約0.5mLの20〜40mg/ml溶液を約4mLのPVA水溶液(0.5〜2重量%)中で音波処理により乳化して、<500nmの目標数平均粒径を有する安定乳剤を得た。得られた乳剤を即時に室温で減圧下での徹底的な回転蒸発にかけて、有機溶剤を除去した。得られた懸濁液を1μmガラス繊維フィルターによりろ過して、すべての凝集体を除去した。表7に種々のPVAを用いてこの乳化手順によって得られたナノ懸濁液の粒径特性を示す。すべての場合に、蛍光有機色素ナイルレッドを乳化有機相に加えて、得られた粒子を蛍光標識した。
【0324】
【0325】
ヒト子宮頸膣粘液(CVM)中の生成したナノ粒子の可動性および分布を蛍光顕微鏡および多粒子追跡ソフトウエアを用いて明らかにした。一般的な実験では、≦0.5uLのナノ懸濁液(必要な場合、PVA濃度の約0.5%に希釈)を20μLの新鮮なCVMに対照とともに加えた。通常のナノ粒子(Invitrogen製の200nm青色蛍光カルボン酸修飾ポリスチレンマイクロスフェア)を、CVM試料のバリア特性を確認するための陰性対照として用いた。PEG2kDaを共有結合により被覆した黄緑色蛍光ポリスチレンナノ粒子を、安定したMPP挙動を有する陽性対照として用いた。CCDカメラを装着した蛍光顕微鏡を用いて、各種類の粒子の各試料、すなわち、試料(テキサスレッドフィルターセットを通して観察、封入ナイルレッドによるもの)、陰性対照(DAPIフィルターセットを通して観察)および陽性対照(FITCフィルターセットを通して観察)内の数箇所のエリアについて100倍の倍率のもとに66.7m秒の時間分解能で15秒の動画(15コマ/秒)を記録した。次に、高度な画像処理ソフトウエアを用いて、複数の粒子の個々の軌跡を少なくとも3.335秒(50コマ)の時間スケールにわたって測定した。得られる輸送データは、軌跡平均速度V
mean、すなわち、その軌跡にわたって平均した個々の粒子の速度、および集合体平均速度<V
mean>、すなわち、粒子の集合体にわたって平均したV
meanの形でここに示す。異なる試料間の容易な比較を可能にし、CVM試料の貫通性の自然変動に関して速度データを標準化するために、集合体平均(絶対)速度を式1に示す式により相対試料速度<V
mean>
relに変換した。複数の粒子の追跡により、すべての供試CVM試料中で陰性対照は、束縛されたが、陽性および陰性対照の<V
mean>の差によって実証されたように、陽性対照は、可動性であったことが確認された(表8)。
【0326】
【0327】
特定(ただし、興味深いことに、すべてとは限らない)のPVAの存在下で調製したナノ粒子が陽性対照と同じ速度またはほぼ同じ速度でCVM中を輸送されたことが発見された。具体的には、PVA2K75、PVA9K80、PVA13K87、PVA31K87、PVA85K87、PVA105K80およびPVA130K87で安定化した粒子は、表8および
図10Aに示すように、陰性対照のものを有意に超え、陽性対照のものと実験誤差範囲内で区別できなかった<V
mean>を示した。これらの試料について、<V
mean>
rel値は、
図10Bに示すように、0.5を超えていた。
他方で、PVA95K95、PVA13K98、PVA31K98およびPVA85K99を用いて得られたピレンナノ粒子は、0.4以下のそれぞれの<V
mean>
rel値(表8および
図10B)によって実証されたように大部分はまたは完全に固定化していた。粒子を粘液侵入性にするPVAの特性を確認するために、種々のPVAを用いて調製したナノ粒子の<V
mean>
relを、用いたPVAのMWおよび加水分解度に対してマッピングした(表6および
図7B)。95%未満の加水分解度を有する少なくともそれらのPVAがナノ結晶を粘液侵入性にしたと結論された。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、PVAにおける非加水分解セグメントの含有率が十分である(例えば、いくつかの実施形態において5%を超える)場合にPVAの非加水分解(酢酸ビニル)単位が芯粒子の表面との有効な疎水性結合をもたらすことができ、さらに被覆粒子の表面に存在するPVAの親水性(ビニルアルコール)単位がそれらを親水性にし、粘液との付着相互作用から被覆粒子を遮蔽することができると考えられる。
【0328】
(例6)
以下に特定のポリ(ビニルアルコール)ポリマー(PVA)の存在下で粉砕により粘液侵入性非重合体固体粒子を形成する方法の非限定的な例を述べる。モデル疎水性化合物であるピレンを粉砕により処理される芯粒子として用いた。PVAは、芯粒子の粒径の減少を促進する粉砕助剤および芯粒子の周囲のコーティングを形成する表面改変剤としての役割を果たした。粘液に侵入する粉砕粒子の有効性を判定するために種々の分子量(MW)および加水分解度のPVAを評価した。
ピレンを種々のPVAの存在下で水性分散液中で粉砕して、特定のMWおよび加水分解度のPVAが1)数百ナノメートルへの粒径の減少を促進し、2)粘液成分と粒子との相互作用を最小限にし、粘液付着を妨げるような粘液不活性コーティングにより得られたナノ粒子の表面を物理的に(非共有結合により)被覆することができるかどうかを判定した。これらの実験では、PVAは、芯粒子の周囲のコーティングとしての役割を果たしており、得られた粒子を粘液中のそれらの可動性について試験した。試験したPVAは、平均分子量が2kDa〜130kDa、平均加水分解度が75%〜99+%の範囲にあった。試験したPVAを上で示した表1に示す。ポリビニルピロリドン(Kollidon)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel)、Tween、Spanなどの薬学的に適切な賦形剤を含む、表9(Table)に示す様々な他のポリマー、オリゴマーおよび小分子を同様に試験した。
【0329】
【0330】
ピレンおよび上述の表面改変剤のうちの1種を含む水性分散液を、粒径が500nm未満に減少するまで(動的光散乱法により測定)粉砕媒体とともに撹拌した。表10に様々な表面改変剤の存在下で粉砕することにより得られたピレン粒子の粒径特性を示す。Span20、Span80またはオクチルグルコシドを表面改変剤として用いた場合、安定なナノ懸濁液を得ることができなかった。したがって、これらの表面改変剤は、粒径の減少を効果的に促進することができないため、さらなる検討から除外した。
【0331】
【0332】
ヒト子宮頸膣粘液(CVM)中の生成したピレンナノ粒子の可動性および分布を蛍光顕微鏡および多粒子追跡ソフトウエアを用いて明らかにした。一般的な実験では、≦0.5uLのナノ懸濁液(必要な場合、界面活性剤濃度の約1%に希釈)を20μLの新鮮なCVMに対照とともに加えた。通常のナノ粒子(Invitrogen製の200nm黄緑色蛍光カルボン酸修飾ポリスチレンマイクロスフェア)を、CVM試料のバリア特性を確認するための陰性対照として用いた。PEG5kDaを共有結合により被覆した赤色蛍光ポリスチレンナノ粒子を、安定したMPP挙動を有する陽性対照として用いた。CCDカメラを装着した蛍光顕微鏡を用いて、各種類の粒子の各試料、すなわち、試料(ピレン)、陰性対照および陽性対照内の数箇所のエリアについて100倍の倍率のもとに66.7m秒の時間分解能で15秒の動画(15コマ/秒)を記録した(ピレンの天然青色蛍光がピレンナノ粒子を対照と別個に観察することを可能にした)。次に、高度な画像処理ソフトウエアを用いて、複数の粒子の個々の軌跡を少なくとも3.335秒(50コマ)の時間スケールにわたって測定した。得られる輸送データは、軌跡平均速度V
mean、すなわち、その軌跡にわたって平均した個々の粒子の速度、および集合体平均速度<V
mean>、すなわち、粒子の集合体にわたって平均したV
meanの形でここに示す。異なる試料間の容易な比較を可能にし、CVM試料の貫通性の自然変動に関して速度データを標準化するために、集合体平均(絶対)速度を式1に示す式により相対試料速度<V
mean>
relに変換した。
【0333】
ピレン粒子の可動性を定量化する前に、粘液試料中のそれらの空間分布を視覚的に評価した。ピレン/Methocelナノ懸濁液は、CVM中で均一な分布を達成せず、粘液メッシュサイズよりはるかに大きい領域に著しく凝集した(データは示さず)ことが認められた。そのような凝集は、粘液付着挙動を示唆するものであり、粘液侵入を効果的に妨げる。したがって、粒子の可動性のさらなる定量的解析は、不必要であると考えられた。陽性対照と同様に、すべての他の供試ピレン/安定剤系は、CVM中でかなり均一な分布を達成した。複数の粒子の追跡により、すべての供試CVM試料中で陰性対照は、束縛されたが、陽性および陰性対照の<V
mean>の差によって実証された(表)ように、陽性対照は、可動性であったことが確認された。
【0334】
【0335】
特定(ただし、興味深いことに、すべてとは限らない)のPVAの存在下で得られたナノ粒子が陽性対照と同じ速度またはほぼ同じ速度でCVM中を輸送されたことが発見された。具体的には、PVA2K75、PVA9K80、PVA13K87、PVA31K87、PVA85K87およびPVA130K87で安定化したピレンナノ粒子は、表11および
図12Aに示すように、陰性対照のものを有意に超え、陽性対照のものと実験誤差範囲内で区別できなった<V
mean>を示した。これらの試料について、<V
mean>
rel値は、
図12Bに示すように、0.5を超えていた。
【0336】
他方で、PVA95K95、PVA13K98、PVA31K98およびPVA85K99を含む他の表面改変剤を用いて得られたピレンナノ粒子は、0.5以下、ほとんどの表面改変剤について0.4以下のそれぞれの<V
mean>
rel値(表11および
図12B)によって実証されたように大部分はまたは完全に固定化していた。さらに、
図13A〜13Fは、粒子の集合体内のV
meanの分布を示すヒストグラムである。これらのヒストグラムは、PVA31K98、PVA85K99、Kollidon25およびKollicoat IRで安定化した試料(代表的な粘液付着性試料として選択)の粘液付着挙動と対照的に、PVA2K75およびPVA9K80で安定化した試料の粘液拡散挙動を示している(PVA13K87、PVA31K87、PVA85K87およびPVA130K87で安定化した試料について同様なヒストグラムが得られたが、ここでは示さない)。
ピレンナノ結晶を粘液侵入性にするPVAの特性を確認するために、種々のPVAで安定化したピレンナノ結晶の<V
mean>
relを、用いたPVAのMWおよび加水分解度に対してマッピングした(
図14)。95%未満の加水分解度を有する少なくともそれらのPVAがナノ結晶を粘液侵入性にしたと結論された。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、PVAにおける非加水分解セグメントの含有率が十分である(例えば、いくつかの実施形態において5%を超える)場合にPVAの非加水分解(酢酸ビニル)セグメントが芯粒子の表面との有効な疎水性結合をもたらすことができ、さらに被覆粒子の表面に存在するPVAの親水性(ビニルアルコール)セグメントがそれらを親水性にし、粘液との付着相互作用から被覆粒子を遮蔽することができると考えられる。
【0337】
(例7)
本例は、医薬品を封入しているポリマー芯で構成される粘液浸透粒子、およびいかなるポリマー性担体も有さない薬物芯で構成される粘液浸透粒子からの医薬品の眼への改善された送達を示す。
眼への医薬品の送達における粘液浸透値の向上を実証するために、ニュージーランド白ウサギの角膜中のエタボン酸ロテプレドノールの濃度を、Lotemax(登録商標)(現在市販されているエタボン酸ロテプレドノール(LE)の眼用懸濁液であり、LEは眼の炎症の処置に適応されるソフトステロイドである)、MPP1(LEを封入しているポリマー芯で構成される粘液浸透粒子)、およびMPP2(LE芯で構成される粘液浸透粒子)の単回相当用量の投与後に測定した。MPP1粒子は、ポリ(ラクチド)(Surmodics製100DL2A)を有するエタボン酸ロテプレドノールの、アセトン中溶液から水溶液へのナノ沈殿により作製した。MPP2粒子は、例2に記載されている方法により作製した。MPP1およびMPP2粒子の両方とも、Pluronic(登録商標)F127でコーティングした。
図17Aおよび
図17Bに示されているように、MPP1およびMPP2配合物は、MPP配合物の濃度と同じ粒子濃度を有する市販のドロップ剤と比較して、角膜中により高い薬物レベルをもたらした。いかなる理論にも拘束されることを望むことなく、従来の粒子、例えば、Lotemax(登録商標)中の粒子などは、眼の中の急速に排除される周辺の粘液層により大規模にトラップされ、したがって、急速に排除される;その一方で、MPP粒子は粘液への接着性を回避することができ、したがって、眼の表面での長期滞留を達成し、根底にある組織へ直接的に持続性薬物放出を促進すると考えられている。
【0338】
(例8)
本例は、Pluronic(登録商標)F127でコーティングした粘液浸透粒子から、網膜、脈絡膜および強膜を含めた眼の後方への医薬品の送達の改善を示すが、これは、従来の粒子では起こらない。角膜および虹彩への送達もまた、従来の粒子と比較して、Pluronic(登録商標)F127でコーティングした粒子に対して改善された。
【0339】
非ポリマー固体粒子の送達において向上した粘液浸透の値を実証するために、エタボン酸ロテプレドノールのMPP配合物(LE MPP;例2で記載された方法で作製されたPluronic(登録商標)F127でコーティングしたLE粒子)を、現在市販されている配合物、Lotemax(登録商標)と比較した。Lotemax(登録商標)は、眼の炎症の処置に対して認可されたステロイド点眼剤である。従来の粒子、例えば、Lotemax(登録商標)中の粒子などは、眼の中の急速に排除される周辺の粘液層により大規模にトラップされ、したがって、急速に排除される。LE MPPは、接着性を回避することができ、粘液を介して効果的に浸透することによって、根底にある組織へ直接的に持続性薬物放出を促進する。例3に記載されているように眼の表面への送達が向上するばかりでなく、眼の中央および後方への送達も向上する。インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへのLE MPPの単回の点眼は、相当する用量のLotemax(登録商標)と比較して、角膜、虹彩/毛様体の本体、房水、網膜、脈絡膜、および強膜の中で有意により高い薬物レベルをもたらした(
図18)。現在の市販の点眼剤は眼の前方の障害の処置に使用されるが、薬物が眼の後方に到達しないので、後方の障害の処置には効果的ではない。ここでは、8mm穿孔機を使用して、ヒト網膜黄斑が位置することになる網膜、脈絡膜および強膜をサンプリングした。眼の後方において、LEレベルは、Lotemax(登録商標)に対して検出限界未満であるのに対して、LE MPPは、検出可能なレベルのLEを網膜、脈絡膜、および強膜に送達している。これらの結果は、従来の手法よりも非ポリマー固体MPP手法が有用であることを実証している。
【0340】
(例9)
本例は、医薬品のナノ結晶芯を含む粒子表面上のPluronic(登録商標)F127の密度の測定について記載する。
医薬品およびPluronic(登録商標)F127を含有する水性分散液は、微粉砕媒体で微粉砕し、粒径が300nm未満に減少するまでこれを続けた。微粉砕した懸濁液から取った少量の懸濁液を適当な濃度(例えば、約100μg/mL)に希釈し、粒径の代表的測定としてz−平均直径を測った。次いで、残存する懸濁液を2アリコートに分割した。HPLCを使用して、第1のアリコートを、薬物の総濃度(ここでは、エタボン酸ロテプレドノール(eltabonate)またはプロピオン酸フルチカゾン)および表面改変部分の総濃度(ここでは、Pluronic(登録商標)F127)についてアッセイした。再びHPLCを使用して、第2のアリコートを、遊離のまたは未結合の表面改変部分の濃度についてアッセイした。遊離のまたは未結合の表面改変部分のみを第2のアリコートから得るために、粒子、したがってあらゆる結合した表面改変部分を超遠心分離により除去した。未結合の表面改変部分の濃度を、表面改変部分の総濃度から差し引くことによって、結合した表面改変部分の濃度を求めた。薬物の総濃度もまた第1のアリコートから求めたので、コア材と表面改変部分との間の質量比を求めることができる。表面改変部分の分子量を使用して、コア材の質量に対する表面改変部分の数を計算することができる。この数字を表面密度測定値に変えるため、コア材1質量当たりの表面積を計算する必要がある。粒子の量は、コア材1質量当たりの表面積の計算を可能にするDLSから直径を得て、球の量として概算する。このようにして、表面積当たりの表面改変部分の数を求める。
図19は、エタボン酸ロテプレドノールおよびプロピオン酸フルチカゾンに対する表面部分密度の測定の結果を示している。
【0341】
(例10)
以下は、様々なPluronic(登録商標)表面改変剤の存在下、微粉砕により薬物のエタボン酸ロテプレドノール(LE)を含む芯を使用して、粘液浸透粒子を形成する方法の非限定的例を記載している。
微粉砕媒体と共に水性懸濁剤として、および安定剤の存在下でLEを微粉砕した。様々な等級のPluronics(表12に列挙)を表面改変剤として試験することによって、あるPluronic等級が、1)LEの粒径のサブミクロン範囲への減少を支援することができるかどうか、および2)粘液構成成分との粒子の相互作用を最小限に抑え、粘液接着性を防止する粘液不活性コーティングを用いて、生成されたLEナノ粒子の表面を物理的に(非共有結合的に)コーティングすることができるかどうか判定した。これらの実験において、Pluronicsは、芯粒子の周りのコーティングとして作用し、生成した粒子を粘液中のこれらの移動性について試験した。ただし、他の実施形態では、表面改変剤を、粘液中の粒子の移動性を増加させることができる他の表面改変剤と交換してもよい。
【0342】
微粉砕工程は、LE粒子が小さくなり、多分散性が低くなるまで(すなわち、動的光散乱で測定した場合、z−平均粒径が500nm未満となり、多分散指数が<0.20となるまで)行った。表12は、様々なPluronics(登録商標)の存在下で、微粉砕により得たLE粒子の粒径特徴を列挙している。粒径は動的光散乱で測定した。Pluronic(登録商標)L31、L35、L44またはL81の存在下でのLEの微粉砕は、安定したナノ懸濁液を生成できなかった。したがって、これらのPluronicsは、これらが粒径の減少を効果的に支援することができないことから、さらなる調査から除外した。
新鮮な希釈していないヒト頸膣部粘液(CVM)中の、生成されたナノ懸濁液由来のLEナノ粒子の移動性を、蛍光性および非蛍光性のナノサイズの対象の可視化を可能にするCyto Viva(登録商標)高分解能照明システムを有する暗視野顕微鏡を使用することによって特徴付けた。典型的な実験では、0.5μLのナノ懸濁液を、顕微鏡スライド上の20μLのウェル上に予め堆積させた、20μLの希釈していないCVMに加えた。CCDカメラを使用した、15秒の動画を、それぞれの試料内のいくつかのランダムに選択した領域から、100×倍率で、66.7ms(15フレーム/秒)の一時的な解像度で記録した。単独のオブザーバーによる単純盲検実験において、動画の中の粒子の移動性を、移動性の大きいものから0〜3のスケールでスコアした。採点法判定基準は以下の通りである:0〜0.5:移動性がない;0.51〜1.5:わずかに移動性;1.51〜2.5:適度に移動性;および2.51〜3.0:極めて移動性。
【0343】
図20において、各LE/Pluronic試料に対する平均移動性スコアを、PPO成分の分子量(MW PPO)およびPluronic(登録商標)ポリマーのPEO成分の重量パーセンテージ(%PEO)の関数としてプロットした。Pluronic(登録商標)F87、F108、およびF127の存在下で微粉砕したLEは、CVMにおいて極めて移動性がある(移動性スコア>2.51)粒子をもたらしたことが発見された。これは、MW PPO≧2.3kDaおよび%PEO≧70%の物理的特性を有するPluronic(登録商標)ポリマーに相当する。Pluronic(登録商標)P103、P105、およびP123中で微粉砕したLEナノ結晶は、適度に移動性がある(移動性スコア1.51.〜2.50)。このPluronic(登録商標)クラスの対応する物理的特性は、MWPPO≧3.3kDaおよび30%≦%PEO≦70%である。Pluronic(登録商標)L121、P65、F38、およびF68は、移動性のない(移動性スコア<0.50)LEナノ結晶を生成した。このPluronic(登録商標)ポリマーのグループは、MWPPO≦1.9kDaおよび%PEO≦10%を有するものを構成する。これらの物理的特性も前述のMW PPOおよび%PEOカテゴリーに入る、Pluronic(登録商標)L31、L35、L44、またはL81は、小さなおよび単分散の粒子を生成することができず、分析において、移動性がない(移動性スコア<0.50)と考えられる。
【0344】
いかなる理論にも拘束されることを望むことなく、疎水性PPOブロックは、そのブロックの分子量が十分な場合(例えば、一部の実施形態では少なくとも約2.3kDa)、芯LE粒子の表面との効果的な連結を提供することができるが;その一方で、親水性PEOブロックは、コーティングしたLE粒子の表面に存在し、Pluronic(登録商標)のPEO含有量が十分な場合(例えば、一部の実施形態では、少なくとも30重量%)、ムチン線維との接着性相互作用から、コーティングしたLE粒子を遮蔽することができると考えられている。本明細書に記載されているように、一部の実施形態では、表面改変剤のPEO含有量は、10重量%のPEO部分が粒子に粘膜付着性を付与したことから、約10重量%以上(例えば、少なくとも約15重量%または少なくとも約20重量%)であるように選択することができる。
【0345】
興味深いことに、LEが芯として使用された場合、高い移動性(移動性スコア>2.51)を得るために必要とされるPPOブロックの分子量は、ピレンが芯として使用された場合の3kDaと比較して、少なくとも約2.3kDaであった。このデータは、表面改変剤(例えば、PPOブロックの分子量)は、コーティングの対象となる芯に応じて、粒子の移動性を調整するために変化させることができることを示唆している。
【0346】
(例11)
以下は、他の成分、例えば、Pluronic(登録商標)、グリセリン、塩化ナトリウム(NaCl)、ジナトリウムエチレンジアミン四酢酸(Na
2EDTA)、および塩化ベンズアルコニウム(BAC)などの存在下で、薬物のエタボン酸ロテプレドノール(LE)を含む芯を使用して、粘液浸透粒子(MPP)を形成する方法の非限定的例について記載している。
【0347】
エタボン酸ロテプレドノール粘液浸透粒子(LE MPP)を形成する方法は、2つの連続したステップ:微粉砕および希釈を含んだ。微粉砕ステップでは、約2〜20%エタボン酸ロテプレドノール(粗いまたは微粉化した結晶)、約0.2〜20%のPluronic(登録商標)F127、約0.5〜3%のグリセリン、約0.1〜1%の塩化ナトリウム、および約0.001〜0.1%のEDTAを含有する粗い水性懸濁剤を、微粉砕媒体の存在下で微粉砕することによって、200〜300nmの範囲内のサイズのエタボン酸ロテプレドノール粒子のナノ懸濁液を生成した。
それに続く希釈ステップにおいて、微粉砕媒体から分離して得たナノ結晶の懸濁液を、微粉砕後希釈剤を用いて、約0.5〜3%のグリセリン、約0.1〜1%の塩化ナトリウム、約0.001〜0.1%のEDTA、および約0.001〜0.05%のBACを含有する生成物容器内で混合した。本方法により、約0.1〜2%のエタボン酸ロテプレドノール、約0.01〜2%のPluronic(登録商標)F127、約0.5〜3%のグリセリン、約0.1〜1%の塩化ナトリウム、約0.001〜0.1%のEDTA、および約0.001〜0.05%のBACを含む組成物を生成した。
【0348】
(例12)
以下は、配合物の粘液浸透特性に対するPluronic(登録商標)F127の効果の非限定的例について記載する。
例10に記載されている方法と同様の方法を使用して配合物を形成した。
図21は、以下の配合物の粘液への輸送質量のデータを示す:エタボン酸ロテプレドノールとPluronic(登録商標)F127(LEF127)とを含む粒子、エタボン酸ロテプレドノールとドデシル硫酸ナトリウムとを含むが、Pluronic(登録商標)F127(LESDS)を含まない粒子、および市販されている配合物Lotemax(登録商標)。エタボン酸ロテプレドノールとPluronic(登録商標)F127との比は、1:1重量%であり、エタボン酸ロテプレドノールとSDSとの比は50:1重量%である。例2に記載されている手順に従い輸送質量を測定した。
図21に示されている結果は、LE F127の粘液浸透特性は、LE SDSと比較して約20倍大きく、Lotemax(登録商標)と比較して約40倍大きかったことを示している。エタボン酸ロテプレドノール芯と、F127のコーティングとを含む薬物の眼用製剤は、薬物への眼の曝露を向上することができると考えられる。
【0349】
(例13)
本非限定的例は、LE MPPの粒子安定性、化学的安定性、および薬動学に悪影響を及ぼすことなく、エタボン酸ロテプレドノール(LE)MPPを最終滅菌のためにガンマ線を照射することができ、グリセリンは、ガンマ線照射からLE MPPを化学的保護することを示している。
配合物のガンマ線照射は、化学分解およびフリーラジカルの生成を引き起こす可能性があり、特に水性配合物の懸案事項である。LEは、2つのエステル結合の加水分解性切断または酵素による切断を介してPJ−91およびPJ−90となることで代謝されるように作られたソフトステロイドである。LEがガンマ線照射に曝露された場合、17α−[(エトキシカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−3−オキソアンドロスタ−4−エン−17−カルボン酸クロロメチルエステル(テトラデカ)および17α−[(エトキシカルボニル)オキシ]−3,11−ジオキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボン酸クロロメチルエステル(11−ケト)が形成される。LEがガンマ線を照射された場合、11−ケトは少量存在するようにみえるのに対して、テトラデカの量は、急速に増加して1%を超える。
【0350】
例10〜11に記載されている方法と同様の方法を使用して、LEおよび異なる濃度のグリセリンを含む配合物が形成された。表13は、配合物がガンマ線照射に曝露された後のLEのある分解物の濃度を示す。分解物の濃度は、25kGyの線量で、コバルト60ガンマ線照射供給源を使用して、ガンマ線照射の対象となった直後(「ガンマ線照射初期」)、およびガンマ線照射の対象となってから4週後(「ガンマ線照射後4週間」)に測定した。グリセリンを含まないLE MPPにおいて、LE MPPのガンマ線照射後にテトラデカの量は18倍増加した。対照的に、1.2%または2.4%のグリセリンを有するLE MPPでは、ガンマ線照射後、わずかなテトラデカしか形成されなかった。驚くことに、PJ−91およびPJ−90のレベルは、全ての場合において低減した。ガンマ線照射後、11−ケトは観察されたが、11−ケトのレベルは0.2%を超えなかった。この結果は、グリセリンが配合物中に存在する場合、ガンマ線照射により、ずっと少量のテトラデカしか生成されないことを示している。異なる濃度のグリセリンが使用され(例えば、1.2重量%および2.4重量%)、生成した配合物は、ガンマ線照射への曝露後、同様のレベルのテトラデカを生成した。これらの結果は、予期されないもので、一般的に等張化剤として使用されるグリセリンは、ガンマ線照射中に配合物に化学的な保護を付与することができることを示唆している。
【0351】
粒子配合物の化学的安定性に加えて、配合物の物理学的安定性もまた高い重要性がある。
図33Aに示されているように、塩化ナトリウムおよびグリセリンを含有するLE MPP配合物は、25kGyのガンマ線照射への曝露後、1カ月にわたり粒径に何の変化も示さなかった。
【0352】
LE MPPの薬動学(PK)に対するガンマ線照射の効果も試験することによって、LE MPPの性能がガンマ線照射により影響を受けないかどうか調べた。インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへのLE MPP(25kGyでガンマ線照射が施された)(配合物1ガンマ、配合物2ガンマ)の単回の点眼は、ガンマ線照射に曝露されていないLE MPP(配合物1、配合物2;
図33B)が生成したレベルと同じレベルのLEをウサギの角膜中に生成した。
図33Bにおいて、配合物1(および配合物1ガンマ)は、配合物2(および配合物2ガンマ)よりも高いレベルのPluronic(登録商標)F127を含んでいた。これらの結果は、LE MPPは、粒子安定性、API(活性医薬成分)化学的安定性、またはLE MPPのPKに対して副作用を起こすことなく、ガンマ線照射により最終的に滅菌することができることを実証している。
【0353】
(例14)
本非限定的例は、配合物の水での希釈中に、NaClが、本明細書に記載されているLE MPP配合物の安定性に有利であることを示している。
【0354】
LEおよび1種または複数の等張化剤(例えば、NaCl、チロキサポール、グリセリン、およびSSC(クエン酸ナトリウムおよび約1%NaClの水溶液))を含む配合物が、例10〜11に記載されている方法と同様の方法を使用して形成された。表14は、配合物を水で10倍希釈する前後に、動的光散乱(DLS)により測定した、LE配合物の粒径および多分散指数(PDI)を示している。配合物がNaClを含まないエントリー1、4、および5では、粒径(直径により測定)は、おそらく粒子の凝集により、配合物を水で希釈すると、約2〜3倍増加した。エントリー4および5においても、PDIはまた約2〜3倍に増加した。対照的に、配合物がNaClを含むエントリー2、3、6、および7においては、配合物を水で希釈しても、粒径は比較的に一定のままであった。エントリー2、3、および7においてもまた、PDIの有意な増加はなかった。NaCl(等張化剤)の粒子配合物への添加は、配合物のイオン強度を増加させ、粒子の凝集を引き起こすことで粒子配合物を不安定にすることが一般的に知られているので、これらの結果は予期していなかった。反対の効果がここでは観察された。
【0355】
【0356】
(例15)
本非限定的例は、眼に局所的に投与された場合、同様のサイズの非MPPと比較して、LE MPPが曝露の増加をもたらしたことを示している。
LE MPPを、同様のサイズの非MPPであるLE SDS粒子と比較した(表15)。LE SDS粒子は、粒子をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)でコーティングしたことを除いて、例10〜11に記載されている方法と同様の方法を使用して生成された。従来の粒子、例えば、SDSでコーティングしたものなどは、眼の中の急速に排除された周辺の粘液層により大規模にトラップされ、急速に排除される。LE MPPは、粘液への接着性を回避し、粘液を介して効果的に浸透することによって、根底にある組織に直接的に持続性薬物放出を促進することができる。インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへのLE MPPの単回の点眼は、相当する用量のLE SDSと比較して、両方とも同様のサイズのナノ粒子であるにもかかわらず、角膜中のLE濃度のAUCにおいて4.4倍の向上をもたらした(
図23A)。さらに、LE SDSおよびLotemax(登録商標)(市販の微小粒子)は粒径が異なるにもかかわらず、LE SDSと共に投薬したウサギから得たLE濃度は、Lotemax(登録商標)と共に投薬したウサギから得たLE濃度に統計的に相当した(
図23B)。これらの結果は、MPPを用いて配合した薬物の、眼内での曝露を向上させるMPPの能力は、単にMPPの小粒子サイズだけによるものではないことを実証している。
【0357】
【0358】
(例16)
本非限定的例は、眼に局所的に投与した場合、Pluronic(登録商標)F127でコーティングしたLotemax(登録商標)と比較して、LE MPPが曝露の増加をもたらしたことを示している。
LE MPPを、F127(0.5重量%)をLotemax(登録商標)に加えた配合物、Lotemax(登録商標)+F127と比較した。インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへのLE MPPの単回の点眼は、相当する用量のLotemax(登録商標)またはLotemax(登録商標)+F127と比較して、角膜中で有意により高いLEの曝露をもたらした(
図24)。LE MPPは、Lotemax(登録商標)およびLotemax(登録商標)+F127よりも角膜中のLE濃度のAUCをそれぞれ4.4倍および2.3倍、結果として向上させた。Lotemax(登録商標)+F127は、Lotemax(登録商標)単独と比較して、角膜中のLE濃度のAUCを2倍増加させる結果となるが、これらの結果は、MPPを用いて配合された薬物の、眼内での曝露を向上させるMPPの能力が、単に配合物中のPluronic(登録商標)F127の存在によるものだけでないことを実証している。
【0359】
(例17)
本非限定的例は、LE MPPを含む配合物が、Lotemax(登録商標)と比較して、眼の前方の腔所におけるLEの曝露を向上させることを示している。
LE MPPからのLEの曝露の向上は、眼の表面に移動するばかりでなく、眼球内に浸透することを実証するために、LE MPPおよびLotemax(登録商標)配合物から得た、房水中のLEレベルを比較した。インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへのLE MPPの単回の点眼は、Lotemax(登録商標)の用量と比較して、Lotemax(登録商標)用量は20%多いという事実にもかかわらず、房水中で有意により高いLEレベルをもたらした(
図25)。LE MPP(0.4%のLEを含有)により、Lotemax(登録商標)(0.5%LEを含有)よりもAUC
0-3時間の3倍の向上が結果として生じる。これらの結果は、MPP技術を用いて達成可能である曝露の向上は、眼の表面だけに限定されず、前方の腔所にまで拡大されることを実証している。さらに、LEの用量は、LE MPP配合物では20%低下させることができ、しかもLotemax(登録商標)と比較して曝露の向上を達成することができる。
【0360】
(例18)
本非限定的例は、20%少ないLEを含有するLE MPPを含む配合物は、Lotemax(登録商標)と比較して、ウサギの眼および血漿において改善された曝露を示したことを実証する。
【0361】
LE MPPからの曝露の向上は、現在市販されている配合物、例えば、Lotemax(登録商標)などよりも低い用量で長持ちさせることができることを実証するため、Lotemax(登録商標)より20%低い用量でLE MPPを投与した。LE MPPおよびLotemax(登録商標)由来のLEおよびその主要代謝物のうちの2種、PJ−91およびPJ−90のレベルを求めた。インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへの0.4重量%のLEを含有するLE MPPの単回の点眼は、0.5重量%のLEを含有するLotemax(登録商標)の用量と比較して、Lotemax(登録商標)用量がLE MPP用量よりも20%多いという事実にもかかわらず、試験したすべての組織/流体(例えば、結膜、角膜、房水、虹彩および毛様体の本体(ICB)、中枢性網膜、および血漿)において有意により高いレベルのLEをもたらした(
図26A〜
図26R)。薬物動態学的パラメーターを表16に列挙する。これらの結果は、LE MPP配合物では、LEの用量を20%低下させることができ、しかもLotemax(登録商標)よりも向上した曝露を達成することができることを実証している。
【0362】
【0363】
(例19)
本非限定的例は、ペグ化コポリマーおよび非PEG化芯形成ポリマーを含有する、フルチカゾンを充填したMPPのフルチカゾン放出プロファイルを実証する。
本明細書に記載されている方法と同様の方法(例えば、例21に記載されている方法)に従い、フルチカゾンと、主要ポリマーとしてPLA7A(Surmodics 100DLA7A、MW=108KDa)、および2次的ポリマーとしてペグ化コポリマー(例えば、100DL9K−PEG2Kまたは8515PLGA54K−PEG2K)とを共沈殿させることにより、フルチカゾンを充填したMPPを調製した。試験したポリマー成分の比は10/90、20/80、および30/70(PLA7Aは全ての場合において主成分)であった。生成した粒子の特性に対する、ブロック組成物の影響(すなわち、PEGブロックのMW対疎水性ブロックのMW)を探究するために様々なペグ化コポリマーを試験した。特に、生成した粒子が、粘液を浸透し、薬物放出を制御し、配合工程全体を通してコロイド安定性を維持する能力を査定した。
【0364】
多くの組成物が満足できる薬物放出および粘液浸透をもたらしたが、良好なコロイド安定性は、これらの大部分で達成することができなかったことが判明した(
図27を参照されたい)。現在の配合物工程は遠心分離および再懸濁によるMPPの単離および精製を含むので、コロイド安定性は特に重要である。一つには、遠心分離ステップ後に得た生成物を再懸濁することができないことにより、多くの組成物のコロイド安定性が乏しいことが明白となった。良好なコロイド安定性ならびに薬物放出に対する良好な制御(例えば、この例の場合のように、インビトロにおける、24時間にわたる連続的放出)を有するMPPを生成した組成物は、比較的低い粒子中のPEG総含有量(例えば、ポリマー総含有量の約3重量%未満)で、粒子上にPEGの比較的高い表面カバレージ(例えば、1nm
2当たり少なくとも約0.18のPEG鎖)を有するようにみえる。言い換えると、PEG−コポリマーを有するPLA7Aと、比較的短い疎水性ブロック(例えば、100DL9K−PEG2K)との組合せは、比較的長い疎水性ブロック(例えば、8515PLGA54K−PEG2K)を有するPEG−コポリマーの同様の組合せよりもさらにコロイド安定したMPPを結果として生じる(
図27を参照されたい)。
【0365】
(例20)
本非限定的例は、ソラフェニブを含むMPPは、ヒト頸膣部粘液中への取込みを回避し、粘液を介して拡散することができたことを実証する。
ソラフェニブを含むMPPは、本明細書に記載されている方法に従い調製することができる(例えば、例21および29において記載されている方法)。従来のナノ粒子および本明細書に記載されているMPPの、ヒト頸膣部粘液中での移動性は、例2および10においてそれぞれ記載されているようなバルク輸送および/または顕微鏡法により特徴付けられていた。結果は
図28A〜
図28Bに示されている。従来のナノ粒子がヒト頸膣部粘液中にトラップされているのに対して、本明細書に記載されているMPPは取込みを回避し、粘液を介して拡散することができた。
【0366】
(例21)
本非限定的例は、MPPとして配合されたソラフェニブ、(小分子受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)の局所用送達が、眼の網膜および脈絡膜中のソラフェニブレベルを大きく向上することを実証する。本例はまた、眼の前眼部組織のソラフェニブレベルは、MPP放出速度に依存するので、眼の後方でのソラフェニブレベルに有意に影響を及ぼすことなく減少させることができることを示している。
比較的高速の薬物放出を有する、ソラフェニブを充填したMPP(MPP1)を微粉砕手順により調製した:薬物およびPluronic F127(F127)を含有する水性分散液を粉砕媒体として酸化ジルコニウムビーズと共に撹拌し、動的光散乱で測定した場合、粒径が300nm未満に減少するまでこれを続けた。本方法は、眼用製品における使用のためのFDA認可された賦形剤を利用し、MPPの安定した水性ナノ懸濁液を生成した。
【0367】
ソラフェニブを、本明細書に記載されているコーティングで装飾した生分解性のポリマー性ナノ粒子に封入することによって、比較的に遅い薬物放出動態(MPP2)を有する、ソラフェニブを充填したMPPを調製した。例えば、ソラフェニブ遊離塩基(LC Labs)、PLA(ポリ乳酸、100DL7A、Surmodics)、およびPLA−PEG(ポリ(エチレングリコール)−co−ポリ乳酸、100DL−mPEG2K、Surmodics)をテトラヒドロフラン中に含有する溶液を、過剰のPluronic(登録商標)F127水溶液に制御された速度で、撹拌しながら加えた。生成された粒子を室温で撹拌することによって揮発物を蒸発させ、封入されていないソラフェニブを結晶化させた。封入されていないソラフェニブの結晶を、適切なサイズのガラス繊維フィルターを介して濾過により除去した。ナノ粒子を遠心分離により濾液から単離し、水性のPluronic(登録商標)F127で一度洗浄した。ナノ粒子の最終生成物をPluronic F127中に再懸濁させた。
MPP配合物中のソラフェニブ濃度をHPLCで確認した。MPPのサイズを、ZetasizerナノZS90(Malvern Instruments)を使用して、動的光散乱により測定した。37℃で、50mMリン酸緩衝液(pH7.4)中、0.5%Tween80の存在下でインビトロの薬物放出を評価することによって、シンク条件、例えば、飽和溶解度よりずっと下である実験条件などを確定した。
MPPまたは非MPPの比較対照物の単回の局所用投与後のソラフェニブの薬動学を、契約している研究組織において、ニュージーランド白ウサギ(NZW)で評価した。ソラフェニブの水性懸濁剤を非MPP比較対照物として使用した。各動物には、両眼(n=6)に、5mg/mLソラフェニブを含有する50μL点眼を行った。角膜ならびに眼の後方からの脈絡膜および網膜の8mm穴を含めた眼の組織を様々な時間点で収集した。AMD治療に対する標的であるため、ヒト網膜黄斑が存在することになる眼の後方領域を標的として設定するために穿孔機を使用した。ソラフェニブレベルをLC/MSで求めた。
【0368】
上に記載のように配合したMPP1およびMPP2は、それぞれ187nm(PDI=0.172)および222nm(PDI=0.058)のZ−平均直径を有する安定したナノ懸濁液を形成した。MPP1は、本質的に、純粋な薬物ソラフェニブの懸濁液であるため、薬物放出は主として薬物溶解により駆動され、この薬物溶解は比較的急速である。MPP2の場合、薬物ソラフェニブはPLAポリマー中に封入され、薬剤充填量は20%であった。PLAの分子量、PLAとPLA−PEGとの比、およびPLA−PEGの組成を含むMPP2のポリマー組成は、MPP1とは十分に区別された放出速度を達成するために系統的に変化させた。MPP2配合物は、インビトロにおいて、約24時間にわたり連続的な薬物放出を実証した。
【0369】
角膜において、単回用量の高速放出MPP1配合物は、比較対照物から生成されるものよりも最大18倍まで高いソラフェニブレベルをもたらし、少なくとも6時間にわたり、比較対照物よりも少なくとも7倍の向上を持続させた。対照的に、遅い放出のMPP2配合物は、6時間にわたり着実に持続させた比較対照物よりも約3倍の向上のみをもたらした。しかし、後眼部組織において(例えば、網膜および脈絡膜)、MPP1およびMPP2の両方が、比較対照物よりも十分に優れた、同様に高いソラフェニブレベルをもたらした(
図29A〜
図29B)。実際に、比較的に低い効力の、第1世代RTK阻害剤であるソラフェニブに対して、MPP配合物により生成された網膜中のソラフェニブレベルは、VEGFR−2(37ng/g)およびPDGFR−β(14ng/g)に対して報告された細胞IC
50値に迫るまたはこれを超えるものであった。さらに、両方のMPP配合物は、Draize採点法により査定した場合、十分に許容されるものであった。
【0370】
これらの結果は、本明細書に記載されているMPP、およびその組成物は、局所用投与を介して眼の後方までの医薬品の送達を大きく向上することができるという概念の証拠を実証するばかりでなく、MPPとして配合された小分子RTK阻害剤の局所用送達は、広範囲の眼疾患、例えば、AMDなどの処置において潜在能力を有し得ることもまた示唆している。
【0371】
(例22)
本非限定的例は、LE MPPを含む配合物が、Lotemax(登録商標)ゲル剤と比較して、ウサギの眼の房水中のLEの曝露を改善したことを実証する。
LE MPP由来のLEの曝露の向上が、市販されている懸濁配合物だけではなく、市販されているゲル製剤とも比較して、より低い用量で持続させることができることを実証するために、LE MPP(0.4%LEで投薬)およびLotemax(登録商標)ゲル剤(0.5%LEで投薬)が使用された場合のLEのレベルを求めた。ゲル剤および軟膏剤の配合物は、粘性マトリクス中でLEを送達することにより、眼の中での曝露の増加を目指して広く使用されている。ゲル剤および軟膏剤配合物は、多くの場合、視野がぼやけ、あまり付け心地が良くなく、液体点眼剤よりも付けるのが難しい。
LE MPPを生成するため、本明細書に記載されている方法に従い微粉砕手順を利用した。例えば、LEおよびPluronic(登録商標)F127(F127)を含有する水性分散液を、粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が約300nm未満に減少するまでこれを続けた。以前に記述された特徴付け方法に基づき、ヒト頸膣部粘液中で粘液移動性を特徴付けた。
インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへのLE MPP(KPI−121)の単回の点眼は、Lotemaxゲル剤(登録商標)の用量と比較して、Lotemax(登録商標)ゲル剤の用量が20%より高く、粘性マトリクス内にあるという事実にもかかわらず、房水中でより高いLEレベルをもたらした(
図30)。LE MPPのAUC
0-3は、Lotemax(登録商標)ゲル剤より1.5倍高かった。LE MPPのC
maxは、Lotemax(登録商標)ゲル剤よりも2.4倍高かった。これらの結果は、本明細書に記載されているMPPは、Lotemax(登録商標)ゲル剤に使用されている粘性マトリクスより優れており、LEの用量は、LE MPP配合物を用いて20%低下させることができ、しかもLotemax(登録商標)ゲル剤と比較して同様または向上した曝露を達成することができることを示している。
【0372】
(例23)
本非限定的例は、ニュージーランド白ウサギの房水中でLE MPPが用量依存性曝露を示すことを実証する。
LE MPP配合物からのLEの曝露が用量依存性であることを実証するために、用量決定試験を実施した。LE MPPを生成するため、本明細書に記載されている方法による微粉砕工程を利用した。例えば、薬物およびPluronic(登録商標)F127(F127)を含有する水性分散液を粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が約300nm未満に減少するまでこれを続けた。以前に記述された特徴付け方法に基づき、ヒト頸膣部粘液中で粘液移動性を特徴付けた。希釈を実施して、0.4%、0.5%、0.6%、または1%LEを含むLE MPP懸濁液を得た。インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへのLE MPPの単回の点眼は、与えられた用量に依存する、ウサギの房水中のLEレベルをもたらした(
図31A〜
図31B)。これらの結果は、LE MPPが用量依存性薬動学(PK)を示すことを実証している。
【0373】
(例24)
本非限定的例は、LE MPPが、1種または複数のイオン性成分、例えば、塩化ナトリウムなどの存在下で安定的に配合され得ることを実証する。
LE MPPをイオン性成分、例えば、イオン性の塩などと配合することができ、このような配合物中で物理的に安定したままであることができることを実証するために、ヒトにおける周知の安全性プロファイルを有する等張化剤である塩化ナトリウムをLE MPP中に導入した。イオン性成分は粒子懸濁液を不安定にする傾向にあるため、イオン性成分を粒子懸濁液に加えるべきではないことが一般的に当技術分野で知られている。驚くことに、これはLE MPPには当てはまらない。
【0374】
オスモル濃度約300mOsm/kgの配合物を達成するためには、配合物中の塩化ナトリウムの濃度は通常約0.9%であることが知られている。1.2%グリセリンと0.45%塩化ナトリウムの組合せはまた一般的に、等張溶液を生成し、異なるレベルの塩化ナトリウムを比較するためにこれを試験した。
ナノ粒子を生成するために、本明細書に記載されている方法による微粉砕工程を利用した。例えば、LEおよびPluronic(登録商標)F127(F127)を含有する水性分散液を粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が約300nm未満に減少するまでこれを続けた。動的光散乱(DLS)を使用して配合物中の粒径をモニタリングすることによって、生成された等張配合物の物理学的安定性を試験した。
図32に示されているように、2つの異なる濃度の塩化ナトリウムを含有する配合物中の粒子はサイズが極めて安定していることが発見された。
図32において、三角形のマーカーと共に描写されているデータは、円形のマーカーと共に描写されているデータよりも配合物中により高いパーセンテージのNaClを有した。これらの結果は、LE MPPは、イオン性成分、例えば、塩化ナトリウムなどの存在下で、安定した組成物へと配合することができることを実証している。
【0375】
(例25)
本非限定的例は、Pluronic(登録商標)F127およびジクロフェナクまたはケトロラックを含有する粒子は、粘液浸透性であり得ることを実証する。
NSAIDを含有する芯を含み、表面改変剤(例えば、Pluronic(登録商標)F127)を含む粒子が粘液浸透性となり得ることを実証するために、2種のNSAID、すなわち、ジクロフェナクおよびケトロラックを試験した。
ジクロフェナクまたはケトロラックを含有する粒子を形成するため、本明細書に記載されている方法による微粉砕手順を利用した。一組の実験において、Pluronic(登録商標)F127と、ケトロラック遊離酸およびジクロフェナク遊離酸のうちの1つとを含有する水性分散液を、粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が約300nm未満に減少するまでこれを続けた。同様のサイズの非MPP比較対照物を生成するために、Pluronic(登録商標)F127の代わりに面改変剤としてSDSを使用したことを除いて、同様の微粉砕手順を利用した。以前に記述された顕微鏡法に基づき、生成された粒子の粘液移動性をヒト頸膣部粘液中で特徴付けた。ジクロフェナクの場合、以前に記述されたバルク輸送方法により粘液移動性をさらに特徴付けた。結果は
図41に示されている。データは、Pluronic(登録商標)F127と、ケトロラックおよびジクロフェナクのうちの1種とを含有する粒子は粘液浸透性であるのに対して、SDSと、ケトロラックおよびジクロフェナクのうちの1種とを含有する粒子は粘液浸透性でないことを実証している。
【0376】
(例26)
本非限定的例は、ブロムフェナクカルシウムを含むMPP、ならびにその組成物および/または配合物を形成する方法を実証する。
例2に記載されている方法と同様の方法を使用して、芯としてブロムフェナクカルシウムを、および粘液不活性な表面改変剤としてPluronic(登録商標)F127(F127)を含むMPP、ならびにこれらのMPPを含む組成物および/または配合物を調製した。一組の実験において、ブロムフェナクカルシウムおよびPluronic(登録商標)F127を含有する水性分散液中で、粉砕媒体として酸化ジルコニウムビーズを使用してブロムフェナクカルシウムをナノ微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が300nm未満に減少するまでこれを続けた。生成したナノ微粉砕懸濁液は、所望する場合、より低い濃度に希釈することができる。一部の実験では、ブロムフェナクカルシウムを水、125mMのCaCl
2、または50mMのトリス緩衝液中で微粉砕することによって、3種の配合物を得た。3種の配合物中で得たMPPの粒径を動的光散乱で測定し、結果を
図34に示す。すべての3種の配合物は、約200nmのZ−平均直径および多分散指数<0.2を有した。これらのデータは、ブロムフェナクカルシウムMPPは、サイズが小さく、均一であり、したがって眼への適用に対して適切であることを実証している。
【0377】
(例27)
本非限定的例は、ブロムフェナクカルシウムを含むMPP、ならびにその組成物および/または配合物が室温で保存した場合、安定していることを実証する。
ブロムフェナクカルシウム、ならびにその組成物および/または配合物を含むMPPは、例26の方法により調製することができる。MPP、組成物、および/または配合物を室温で数日保存し、MPPの粒子Z−平均サイズおよび多分散指数を動的光散乱で求めた。結果を
図35A〜
図35Dに示す。これらのデータは、ブロムフェナクカルシウムMPPは、室温で保存した場合、長期間にわたり良好な粒径安定性を維持したことを実証している。
ヒト頸膣部粘液中のブロムフェナクカルシウムMPPの粘液移動性の向上が蛍光性顕微鏡法および高分解能暗視野顕微鏡検査法(データは示されていない)で確認された。
【0378】
(例28)
本非限定的例は、ブロムフェナクカルシウムMPPを含有する組成物および/または配合物中の賦形剤がブロムフェナクカルシウムMPPの化学的安定性を改善し得ることを実証する。
MPP中のブロムフェナクカルシウムの化学的安定性を改善するため、微粉砕ステップに対して、および以下のいずれかの最終配合物に対して、異なる賦形剤組成物を探究した(1)ブロムフェナクの溶解度を低下させる、または(2)ブロムフェナクが最も安定するpH範囲を維持する。表20は、2種の緩衝剤(125mMCaCl
2および50mMトリス)中の、ならびに、比較のため、非緩衝水中でのブロムフェナクカルシウムMPPのpHおよび溶解度を示している。125mM CaCl
2中でのブロムフェナクカルシウムMPPの化学的安定性は、薬物溶解度を減少させ、50mMトリス中では、溶液のpHを約8で維持したが、これは水中の場合と比較して著しく向上したものであった。
【0379】
【0380】
(例29)
本非限定的例は、ソラフェニブまたはリニファニブを含有するMPPは、ウサギの眼の後方において、ソラフェニブまたはリニファニブの曝露を向上させたことを実証する。
粘液浸透の向上は、眼の最前部において有用であるばかりでなく、眼の後方においても曝露の向上をもたらすことができることを実証するために、2種の受容体チロシンキナーゼ阻害剤、ソラフェニブおよびリニファニブをMPPとして配合した。血管内皮成長因子受容体(VEGFR)上に作用する小分子RTK阻害剤は、加齢黄斑変性(AMD)の治療法としての潜在能力を有する。RTK阻害剤の局所用送達が眼の後方において十分なレベルのRTK阻害剤を提供することができるとすれば、現在の治療法で使用されている反復した硝子体内注射を回避することができる。RTK阻害剤の眼の後方への送達は、後眼部組織に影響を及ぼすいくつかの他の疾患においても有利となる。
RTK阻害剤(例えば、ソラフェニブおよびリニファニブ)を含有するMPPを生成するため、エタボン酸ロテプレドノールに対して使用された手順と同様の微粉砕手順を利用した:RTK阻害剤およびF127またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する水性分散液を粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が約300nm未満に減少するまでこれを続けた。以前に記述された特徴付け方法に基づき、ヒト頸膣部粘液中で粘液移動性を特徴付けた。ソラフェニブおよびリニファニブは、F127と共に微粉砕した場合、処理してMPPにし、SDSと共に微粉砕した場合、処理して非MPPにした。
【0381】
インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへの0.5%ソラフェニブ−MPPの単回の50μLの点眼は、2時間の時点において、非MPP対照からのソラフェニブレベルより45倍高い、細胞のIC
50より96倍高い、ウサギの網膜中のソラフェニブレベルをもたらした(
図36A)。ヒト網膜黄斑が存在することになる中心の直径8mmの穴を網膜から開けることによって、AMD治療法の標的として設定される眼の後方でのソラフェニブレベルを測定した。ソラフェニブ−MPPは、統計学的に有意な量でソラフェニブ非MPPよりも優れている。
インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへの2%リニファニブ−MPPの単回の50μLの点眼は、中心に穴を開けた網膜において、試験した4時間全部にわたり非MPP対照からのリニファニブレベルより約2倍高く、4時間の時点において、細胞のIC
50より777倍高いリニファニブレベルをもたらした(
図36B)。MPPと非MPPとの間の差は再び統計学的に有意であった。
これらの結果は、向上した粘液浸透が眼の後方でのより高い薬物曝露を可能にすることができることを実証している。この技術の適用を使用して、眼の表面または眼の後方に関わらず、眼のあらゆる組織における薬物曝露を改善することができる。
【0382】
(例30)
本非限定的例は、MGCD−265またはパゾパニブを含有するMPPが、ウサギの眼の後方において、治療的関連のあるレベルのMGCD−265またはパゾパニブを生成したことを実証する。
治療的関連のある(例えば、治療に効果的な)レベルで、小分子RTK阻害剤を眼の後方へ送達するためのMPP技術の広い適応性を実証するために、さらなる2種の化合物:MGCD−265およびパゾパニブを試験した。
【0383】
MPPを生成するために、エタボン酸ロテプレドノールに対して使用した手順と同様の微粉砕手順を利用した:MGCD−265またはパゾパニブおよびF127を含有する水性分散液を、粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が約300nm未満に減少するまでこれを続けた。以前に記述された特徴付け方法に基づき、ヒト頸膣部粘液中で粘液移動性を特徴付けた。MGCD−265およびパゾパニブの両方は、F127と共に微粉砕した場合、処理してMPPにした。
インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへの0.5%パゾパニブ−MPPの単回の50μLの点眼は、4時間の時点で、中心に穴を開けた網膜において、細胞のIC
50より9倍高いパゾパニブレベルをもたらした(
図37A)。
インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへの2%MGCD−265−MPPの単回の50μLの点眼は、30分の時点で、網膜において、細胞のIC
50より37倍高く、4時間の時点で、細胞のIC
50より116倍高い、MGCD−265レベルをもたらした(
図37B)。
これらの結果は、例29と共に、様々なRTK阻害剤をMPPとして配合することができ、局所用投与を用いて眼の後方において達成されたRTK阻害剤のレベルは、RTK阻害剤の活性のある濃度(細胞のIC
50)に関連することを実証している。
【0384】
(例31)
本非限定的例は、セジラニブ−MPPの単回の局所用投与が、24時間の間、ウサギの眼の後方において治療的関連のある薬物レベルをもたらしたことを実証する。
24時間にわたりウサギの眼の後方において治療的関連のある薬物レベルを維持するための、薬物を含有するMPPに対する潜在能力を実証するため、RTK阻害剤であるセジラニブをMPPとして配合した。薬物の局所用送達が眼の後方において薬物の治療的関連のあるレベルを提供することができるとすれば、現在のAMD治療法で使用されている反復した硝子体内注射を回避することができる。理想的には、この局所的治療により、眼の後方における薬物レベルが維持されることによって、投薬の常習性が低くなる。
MPPを生成するために、エタボン酸ロテプレドノールに対して使用した手順と同様の微粉砕手順を利用した:セジラニブおよびPluronic(登録商標)F127を含有する水性分散液を、粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が約300nm未満に減少するまでこれを続けた。以前に記述された特徴付け方法に基づき、ヒト頸膣部粘液中で粘液移動性を特徴付けた。セジラニブは、F127と共に微粉砕した場合、処理してMPPにした。
インビボにおいて、HY79b着色されたウサギへの2%セジラニブ−MPPの単回の50μLの点眼は、24時間の時点で、細胞のIC
50より4,800倍上の、ウサギ脈絡膜中のセジラニブレベルをもたらし(
図38A)、24時間の時点で、細胞のIC
50よりも1,000倍上の、ウサギ網膜中のセジラニブレベルをもたらした(
図38B)。これらの結果は、MPP技術を用いて、眼の後方において達成可能である曝露は、治療的関連のある範囲となることができること、および関連する薬物曝露を長い期間(例えば、少なくとも24時間)にわたり維持することができることを実証している。
【0385】
(例32)
本非限定的例は、アキシチニブ−MPPの単回の局所用投与は、24時間の間、オランダベルトウサギの眼の後方において、治療的関連のあるアキシチニブレベルをもたらしたことを実証する。
24時間の期間にわたりウサギの眼の後方において、治療的関連のある薬物レベルを維持するための、MPPに対する潜在能力を実証するため、RTK阻害剤であるアキシチニブをMPPとして配合した。薬物の局所用送達が、眼の後方において薬物の治療的関連のあるレベルを提供することができるとすれば、現在のAMD治療法で使用されている反復した硝子体内注射を回避することができる。理想的には、この局所的治療により、眼の後方における薬物レベルが維持されることによって、投薬の常習性が低くなる。
【0386】
ナノ粒子を生成するため、エタボン酸ロテプレドノールに対して使用した手順と同様の微粉砕手順を利用した:アキシチニブおよびF127を含有する水性分散液を粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が約300nm未満に減少するまでこれを続けた。以前に記述された特徴付け方法に基づき、ヒト頸膣部粘液中で粘液移動性を特徴付けた。アキシチニブは、F127と共に微粉砕した場合、処理してMPPにした。
インビボにおいて、オランダベルトウサギへの2%アキシチニブ−MPPの単回の50μLの点眼は、24時間の時点において、細胞のIC
50より1,100倍上の、ウサギ脈絡膜中での治療的関連のある薬物レベル(
図39A)、および24時間の時点において、細胞のIC
50より37倍上のウサギの網膜中のレベル(
図39B)をもたらした。これらの結果は、MPP技術を用いて眼の後方において達成可能である曝露は、治療的関連のある範囲となることができること、および関連する薬物曝露を長い期間にわたり(例えば、少なくとも24時間)維持することができることを実証している。
【0387】
(例33)
本非限定的例は、アキシチニブ−MPPが、ウサギVEGF(血管内皮成長因子受容体)チャレンジモデルにおいて、血管漏出を減少させたことを実証する。
眼の後方の眼疾患の処置において、MPP技術の治療用潜在能力を実証するために、アキシチニブ−MPPを急性VEGF−チャレンジモデルにおいて試験した。このモデルにおいて、オランダベルトウサギにVEGFの硝子体内注射を施し、血管系の増大を刺激した。フルオレセイン血管造影を使用して、ウサギがどの程度異常な血管系および漏出を発症したかを判定した。ビヒクル、アキシチニブ−MPP、またはAvastin(登録商標)で処置後のフルオレセイン血管造影からの代表的な画像が
図40A〜
図40Cに示されている。ビヒクルを投薬されたウサギは、多量の血管増大、ねじれ、および漏出を示した。ヒトにおけるAMDを処置するためにFDA認可外として、アキシチニブとは異なる作用機序で一般的に使用されるAvastin(登録商標)で処置したウサギは、レチナール脈管構造に何の変化も示さなかった。アキシチニブ−MPPで処置したウサギは、一部の血管増大を示したが、ビヒクル群よりも有意に少ない漏出を示した。これらの結果は、MPP技術を使用して眼の後方において達成可能な曝露は、急性チャレンジモデルにおいて血管漏出を有意に減少させるには十分であり、AMDおよび他の眼の後方眼疾患の効果的な治療としての潜在能力を有することを実証している。
【0388】
(例34)
本非限定的例は、表面改変剤として、Pluronic(登録商標)F127、Tween80(登録商標)、またはPVAを含有するLE MPPは、Lotemax(登録商標)と比較して、ウサギにおけるLEの改善された曝露を示したことを実証する。
LEの曝露を向上させるLE MPPの能力が、表面改変剤としてのF127のLE MPP中への包含に限定されないことを実証するために、さらに2種の表面改変剤:Tween80(登録商標)およびポリビニルアルコール(PVA)を試験した。Tween80(登録商標)は、頭部基を形成するペグ化ソルビタンと、アルキルテイルとからなるFDA認可された表面改変剤である。Tween80(登録商標)は、とりわけ、オリゴマー性であること、したがって分子量が有意に低いという点で、一連の他の表面改変剤(例えば、F127およびPVA)とは異なる。PVAは、例えば、ポリ酢酸ビニルを部分的に加水分解し、ポリ酢酸ビニルおよびポリビニルアルコールのランダムコポリマーを作り出すことによって生成される、FDA認可されたポリマーである。PVAは、とりわけ、PEGを含有していないという点で、一連の他の表面改変剤(例えば、F127およびTween80(登録商標))とは異なる。例4〜6において、一部のPVAは、粘液浸透を可能にするが、他のPVAは可能にしないことが示されている。この区別された粘液浸透挙動は、PVAの分子量および加水分解の程度により制御し得る。これらの例からの結果に基づき、約2kDaの分子量を有し、約75%加水分解されたPVAが、LE MPPの粘液浸透特性の実験に対して選択された。
【0389】
LE MPPを形成するため、本明細書に記載されているような微粉砕手順を利用した。一組の実験において、LEを含有する水性分散液およびF127、Tween80(登録商標)、およびPVA(2kDa、75%加水分解)から選択される1種の表面改変剤を粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が約300nm未満に減少するまでこれを続けた。以前に記述された特徴付け方法に基づき、ヒト頸膣部粘液中で粘液移動性を特徴付けた。すべて3種のLE MPP(すなわち、LE−F127、LE−Tween80、およびLE−PVA)が粘液浸透特性を示した(
図42)。
インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへの、3種のLE MPPのうちのそれぞれ1種の単回の点眼は、同様に投与した用量のLotemax(登録商標)からのLEレベルより有意に高い、ウサギ角膜中LEレベルをもたらした(
図42)。これらの結果は、薬物を含有するMPP、組成物、および/または配合物が、粒子の粘液浸透特性に基づき、薬物の曝露を向上することを実証している。
【0390】
(例35)
以下の非限定的例は、エタボン酸ロテプレドノール(LE)をコア材として含む粘液浸透粒子の生成において、異なる表面改変剤の査定について記載している。
本例において、比較的疎水性の医薬品であるLEは、様々な界面活性剤または安定剤の存在下で、微粉砕媒体と共に水性懸濁剤として微粉砕された。分子量(MW)、HLB値(界面活性剤に対して)および加水分解の程度(PVAに対して)を含めた、試験した界面活性剤および安定剤の特徴を表21に列挙する。LE粒子が均一に小さくなるまで、すなわち、動的光散乱で測定した場合(DLS)、Z−平均直径(D)≦500nmおよび多分散指数(PDI)<0.20となるまで微粉砕工程を行った。LEナノ粒子に対する、DLSで測定した、生成された粒径および多分散指数もまた表21に列挙されている。
すべての表面改変剤が、微粉砕中に粒径減少を効果的に支援し、安定したLEのナノ懸濁液を生成することができるわけではない。Span(登録商標)20、Span(登録商標)80、Kollidon(登録商標)12PF、Kollidon(登録商標)17PFが表面改変剤として使用された場合、LEの安定したナノ懸濁液を得ることはできなかった。
【0391】
生成されたナノ懸濁液由来のLEナノ粒子粘液浸透能力を、再構成した頸膣部粘液(CVM)(例2において記載されている通り)において高分解能暗視野顕微鏡により特徴付けた。典型的な試料調製物中で、20μLの再水和されたCVMおよび5%w/vのLEのナノ粒子濃度での0.5μLのナノ懸濁液を顕微鏡スライド上に堆積させた。DPPCまたはDPPC+2PEG−PE中で微粉砕したLEの場合、1%w/vのLEの濃度での1μLのナノ懸濁液を使用した。15秒の長さおよび一時的な解像度66.7ms(15フレーム/秒)で、高い倍率(100×)での暗視野顕微鏡下、粘液試料内の無作為抽出領域のビデオを撮った。記録したビデオの中で、十分に確立した陽性対照(Pluronic(登録商標)F127中で微粉砕したLEナノ粒子、「移動性」または「粘液浸透性」)および陰性対照(SDS中で微粉砕したLEナノ粒子、「移動性がない」または「粘液浸透性でない」)に対して、粒子の動きの程度(すなわち、粒子全体の速度および移動性であるようにみえる粒子の量)を目視により比較することによって、ビデオにおけるLEナノ粒子の移動性を判定し、それぞれ「移動性」および「移動性がない」に分類した。
【0392】
結果は、以下の表面改変剤は、LEナノ粒子に粘液浸透性を付与することを示唆している:Brij(登録商標)35、Brij(登録商標)98、Brij(登録商標)S100、Cremophor(登録商標)EL、Cremophor(登録商標)RH40、TPGS、Triton(登録商標)X−100、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)80、Solutol(登録商標)HS、チロキサポール、PVA2K75、PVA13K87、PVA31K87、PVA31K98、PVA85K87、およびPVA130K87。
LEナノ結晶に粘液浸透性を付与する界面活性剤の特徴を特定するために、様々な界面活性剤と共に微粉砕することによって得られたLEナノ粒子に対する移動性を、使用した界面活性剤のMWおよびHLB値についてマッピングした(
図43)。いかなる理論にも拘束されることを望むことなく、この結果は、HLB>10を有する界面活性剤は、CVM中で移動性のLEナノ結晶を生成することができるのに対して、HLBが10未満の界面活性剤は、CVM中で非移動性のナノ結晶(例えば、SDS、DPPC、DPPC+PEG2K−PE)を生成するか、または安定したナノ結晶懸濁液(例えば、Span(登録商標)20およびSpan(登録商標)85)を形成する能力を有さないことを示唆している。
【0393】
LEナノ結晶に粘液浸透性を付与するPVAの特徴を特定するために、様々なPVAと共に微粉砕することによって得られたLEナノ粒子に対して移動性を、使用したPVAのMWおよび加水分解程度に対してマッピングした(
図44)。加水分解程度>95%および分子量>31kDaの両方の特性を有するこれらのPVAは、安定したナノ結晶または粘液浸透性であるものを生成することができなかったことが観察された。いかなる理論にも拘束されることを望むことなく、PVAの非加水分解性セグメント(酢酸ビニル)は、PVA中のこれらのセグメントの含有量が十分である場合(例えば、一部の実施形態では2%以上)、芯粒子の表面との効果的な疎水性連結を提供することができる;その一方で、コーティングした粒子表面に存在するPVAの親水性セグメント(ビニルアルコール)は、コーティングした粒子に親水性を付与し、コーティングした粒子を、粘液との接着性の相互作用から遮蔽することができると考えられている。
【0394】
(例36)
粘液浸透性の向上が眼の最前部においてのみ有用であるばかりでなく、眼の後方での曝露の向上ももたらすことができることを実証するため、受容体チロシンキナーゼ阻害剤(RTKi)であるアキシチニブをMPPとして配合した。血管内皮成長因子受容体(VEGFR)に作用する小分子RTKiは、加齢黄斑変性(AMD)のための治療法として潜在能力を有する。局所用送達が眼の後方において十分なレベル薬物を提供することができるとすれば、現在の治療法で使用されている反復した硝子体内注射を回避することができる。眼の後方への送達は、後眼部組織に影響を及ぼすいくつかの他の疾患においても有利となる。
【0395】
ナノ粒子を生成するため、エタボン酸ロテプレドノールに対して使用した手順と同様の微粉砕手順を利用した:薬物およびPluronic F127(F127)またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する水性分散液を粉砕媒体と共に微粉砕し、動的光散乱で測定した場合、粒径が300nm未満に減少するまでこれを続けた。以前に記述された特徴付け方法に基づき、ヒト頸膣部粘液中で粘液移動性を特徴付けた。アキシチニブは、F127と共に微粉砕された場合、粘液浸透性として特徴付け(すなわち、MPPを生成する)、およびSDSと共に微粉砕された場合、非粘液浸透性として特徴付けた。
インビボにおいて、ニュージーランド白ウサギへの0.5%アキシチニブ−MPPの単回の50μLの点眼は、網膜中で、細胞のIC
50よりも100倍上の治療的関連のある薬物レベルをもたらした(
図45)。これらの結果は、曝露の向上は、MPP技術を用いて、眼の後方で達成可能であり、治療的関連のある範囲に到達することを実証している。
【0396】
(例37)
本非限定的例は、着色されたLong Evansラットへの粒子の単回の局所用投与後の、インビボにおける、従来の粒子(CP)および粘液浸透粒子(MPP)の眼の滞留時間における差を例示する画像化データを示す。
CP(近赤外線蛍光性(780nm/820nm)カルボキシル化ポリスチレン粒子、200nm直径)をPhosphorex、Inc.から購入し、さらなる改質なしに使用した(DI水で0.9%w/wの粒子濃度まで希釈したことを除いて)。CPをPluronic(登録商標)F127と組み合わせて、0.9%w/wの粒子濃度および0.9%w/wのPluronic(登録商標)F127濃度を得ることによって、MPPを上述のCPから調製した。インビボでの画像化実験において、着色されたLong Evansラット(n=8)に、5μlの用量のCPを左眼に投与し、MPPを相当する粒子濃度で右眼に投与した。一定の感度で、均一な画像増幅を提供するHeidelbergカメラを使用して、投与後2、4、および6時間の時点で(n=2/時間点)画像を記録した。
さらに均一の分布およびより大きな角膜の染色が、MPPを投与した眼において観察され(
図46)、これは、MPPが眼の表面でより長い滞留を提供することを裏付けている。それほど大きくはないが、結膜の染色による差もまた明らかとなった(データは示されていない)。
【0397】
(例38)
本非限定的例は、Pluronic(登録商標)F127でコーティングしたポリスチレン(PS)粒子の粘液中の相対速度と、Pluronic(登録商標)F127の粒子表面上の密度との間の関係を示す。
一組の実験において、様々な濃度のPluronic(登録商標)F127の存在下、室温で少なくとも24時間の間、カルボキシル化PSナノ粒子の水性分散液(200nm、0.5%w/v)を平衡化した。Pluronic(登録商標)F127分子の、得たPS/Pluronic(登録商標)F127ナノ粒子の表面上の密度を以下の通り定量化した。PS/Pluronic(登録商標)F127混合物を超遠心分離機することによって、粒子の沈降を完了させた。その結果、PSに結合したPluronic(登録商標)F127が粒子と共に沈殿した;PSに結合していないPluronic(登録商標)F127は、上清中に残留した。得た上清(C
F127、遊離)中のPluronic(登録商標)F127の濃度をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した。この実験では、G1362A屈折率検出器および分析用Agilent PLgel 5μm Mixed−Cカラムを装備したAgilent 1100 HPLCシステムを利用した。結合したPluronic(登録商標)F127(C
F127、結合)の濃度を以下のように計算した:
C
F127、結合=C
F127−C
F127、遊離
(式中、C
F127は、混合物中に存在するPluronic(登録商標)F127の総濃度である。次いでPS表面積(F127/nm
2)当たりのPluronic(登録商標)F127分子の数を以下のように計算した:
【数3】
(式中、N
Aは、アヴォガドロ数であり、C
F127、結合は、結合したPluronic(登録商標)F127のモル濃度(モル/L)であり、SAは、製造業者(Invitrogen)仕様から計算したPS粒子の比表面積(nm
2/g)であり、C
PSは混合物中のPSの質量濃度(g/L)である。製造業者(BASF)により特定されたPluronic(登録商標)F127の数平均分子量を計算に使用した。
【0398】
蛍光顕微鏡法および例1および4〜6に記載されているような複数の粒子トラッキングソフトウエアを使用して、PS/Pluronic(登録商標)F127粒子の粘液浸透能力をヒト頸膣部粘液中の相対速度として測定した。特に、試料は、対象となる粒子であり、陰性対照は、ポリマーコーティングのない、200nmの蛍光性カルボキシル化−改変されたポリスチレン粒子であり、陽性対照は、2または5kDaのPEGの高密度コーティングを有する200nmの蛍光性ポリスチレン粒子であった(十分に確立した、より低い粘膜付着挙動を有する)。試料、陰性対照、および陽性対照は、これらの蛍光色により互いに区別した。典型的な実験では、≦0.5μLの粒子懸濁液を、陽性対照および陰性対照と共に、20μLの新鮮な頸膣部粘液に加えた。CCDカメラを装着した蛍光性顕微鏡を使用して、66.7ミリ秒(15フレーム/秒)の一時的解像度で、100×の倍率下で、各タイプの粒子:試料、陰性対照、および陽性対照に対する各試料内のいくつかの領域から15秒動画を記録した。次に、最先端の画像プロセシングソフトウエアを使用して、少なくとも3.335秒(50フレーム)タイムスケールにわたり複数の粒子の個々の軌線を測定した。
【0399】
図47に示されている結果は、Pluronic(登録商標)F127でコーティングしたPS粒子の粘液中の相対速度が、粒子表面上のPluronic(登録商標)F127分子の密度が増加すると、増加したことを示した。
【0400】
他の実施形態
本発明のいくつかの実施形態が本明細書中に記載され、例示されてきたが、当業者であれば、機能を実施するための、ならびに/または結果および/もしくは本明細書に記載されている利点のうちの1つもしくは複数を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に想定し、このような変形および/または修正のそれぞれは、本発明の範囲内であるとみなされる。さらに一般的には、当業者は、本明細書に記載されているすべてのパラメーター、寸法、物質、および構成は例示的であることが意図されており、実際のパラメーター、寸法、物質、および/または構成は、本発明の教示が使用される特定の適用(複数可)に依存することになることを容易に理解されよう。当業者であれば、慣用的試験だけを使用して、本明細書に記載されている本発明の特定の実施形態に対する多くの同等物を認識する、または確かめることができる。したがって、上に列挙した実施形態は、例としてのみ提示され、添付の特許請求の範囲およびこの同等物の範囲内で、具体的に記載され、特許請求されたものとは他のやり方で本発明を実施することができることが理解されるものとする。本発明は、本明細書に記載されているそれぞれ個々の特徴、システム、物品、物質、キット、および/または方法を対象とする。さらに、2種以上のこのような特徴、システム、物品、物質、キット、および/または方法のあらゆる組合せは、このような特徴、システム、物品、物質、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、本発明の範囲内に含まれる。
【0401】
不定冠詞「a」および「an」は、本明細書の明細書および特許請求の範囲の中で使用する場合、反対であると明らかに示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
「および/または」という句は、本明細書中の明細書および特許請求の範囲において使用する場合、要素の「いずれかまたは両方」がこのように結合したことを意味する、すなわち、ある場合には接続的に存在する要素であり、他の場合には、非接続的に存在すると理解されるべきである。反対であると明らかに示されていない限り、具体的に特定されたような要素と関連しているか、または関連していないかに関わらず、「および/または」節により具体的に特定された要素以外の他の要素が存在してもよい。したがって、非限定的例として、「Aおよび/またはB」の言及は、「含む」などの制限のない言語と関連して使用された場合、一実施形態では、Bを含まないA(B以外の要素を含んでもよい);別の実施形態では、Aを含まないB(A以外の要素を含んでもよい);さらに別の実施形態では、AとBの両方(他の要素を含んでもよい)などを指すことができる。
【0402】
明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用する場合、「または」は、上記に定義されたような「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内のアイテムを分離する場合、「または」または「および/または」はすべてを含むと解釈されるものとし、すなわち、数字のうちの、または要素のリストのうちの少なくとも1つを包含するばかりでなく、1つより多くも含み、さらなる列挙されていないアイテムも含んでもよい。明らかに反対を示す唯一の用語、例えば、「〜のうちの1つのみ」または「〜のうちの正確に1つ」または、特許請求の範囲で使用された場合、「からなる」は、数字または要素のリストのうちの正確に1つの要素の包含を指すことになる。一般的に、「または」という用語は、本明細書で使用する場合、排他的用語、例えば、「いずれか」「〜のうちの1つ」「〜のうちの1つのみ」または「正確に1つの」などに先行された場合、排他的代替形態(すなわち「どれか一方であり両方ではない」)を示すように解釈されるものとする。「から基本的になる」が特許請求の範囲内で使用された場合、特許法律の分野で使用されているその通常の意味を有するべきである。
本明細書の明細書および特許請求の範囲で使用する場合、「少なくとも1つの」という句は、必ずしも、要素のリスト内に具体的に列挙されたそれぞれおよびすべての要素の少なくとも1つを含むわけではなく、要素のリストの中の要素のいずれの組合せも除外せずに、1種または複数の要素のリストに関連して、要素のリストの中の要素のうちのいずれか1種または複数から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解すべきである。この定義はまた、具体的に特定されたこれらの要素と関連しているか、または関連していないかに関わらず、「少なくとも1つの」という句が指す要素のリスト内に具体的に特定された要素以外の要素が存在してもよいことを可能にする。したがって、非限定的例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」または、同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bは存在せずに、少なくとも1つのA(1つより多くのAを含んでもよい)を指すことができ(B以外の要素を含んでもよい);別の実施形態では、Aは存在せずに、少なくとも1つのB(1つより多くのBを含んでもよい)を指すことができ(A以外の要素を含んでもよい);さらに別の実施形態では、少なくとも1つのA(1つより多くのAを含んでもよい)および少なくとも1つのB(1つより多くのBを含んでもよい)を指すことができる(他の要素を含んでもよい)。
【0403】
特許請求の範囲、ならびに上記明細書の中で、すべてのつなぎ言葉、例えば、「含む(comprising)」「含む(including)」、「保持する」、「有する」、「含有する」、「含む(involving)」「保持する(holding)」などは制限のない、すなわち、これらを含むが、これらに限定されないことを意味することを理解されたい。唯一のつなぎ言葉「からなる」および「から本質的になる」は、それぞれ閉じられたまたは半ば閉じられたつなぎ言葉であるものとし、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に示されている通りである。
[付記]
[付記1]
エタボン酸ロテプレドノールを含む芯粒子であって、エタボン酸ロテプレドノールが芯粒子の少なくとも約80重量%を構成する芯粒子、および
芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子と;
1種または複数の眼科的に許容される担体、添加剤、および/または希釈剤と、
を含む、眼に投与するのに適した医薬組成物であって、
1種または複数の表面改変剤が、
a)親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであって、前記疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し、前記親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成するトリブロックコポリマー、
b)ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、該ポリマーが少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、該ポリマーが少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、合成ポリマー、または
c)ポリソルベート
の少なくとも1種を含み、
1種または複数の表面改変剤が、芯粒子の外表面上に少なくとも0.01分子/nm2の密度で存在し、
1種または複数の表面改変剤が、医薬組成物中に約0.001重量%〜約5重量%の量で存在し、
複数の被覆された粒子が、約1μm未満の平均最小断面寸法を有する、医薬組成物。
[付記2]
エタボン酸ロテプレドノールを含む芯粒子であって、エタボン酸ロテプレドノールが、芯粒子の少なくとも約80重量%を構成する芯粒子、および
1種または複数の表面改変剤を含むコーティングであって、1種または複数の表面改変剤が、ポロキサマー、ポリ(ビニルアルコール)、またはポリソルベートの少なくとも1種を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子と;
1種または複数の眼科的に許容される担体、添加剤、および/または希釈剤と
を含む、眼に局所投与するのに適した医薬組成物であって、
1種または複数の表面改変剤が、芯粒子の外表面上に少なくとも0.01分子/nm2の密度で存在し、
1種または複数の表面改変剤が、医薬組成物中に約0.001重量%〜約5重量%の量で存在し、
複数の被覆された粒子が、約1μm未満の平均最小断面寸法を有する、
医薬組成物。
[付記3]
エタボン酸ロテプレドノールを含む芯粒子であって、エタボン酸ロテプレドノールが、芯粒子の少なくとも約80重量%を構成する芯粒子、および
芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子と;
1種または複数の眼科的に許容される担体、添加剤、および/または希釈剤と、
を含む医薬組成物を患者の眼に投与すること
を含む、患者の眼における炎症、黄斑変性、黄斑浮腫、ぶどう膜炎、ドライアイ、および/またはその他の障害の治療方法であって、
1種または複数の表面改変剤が、
a)親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであって、前記疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し、前記親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成するトリブロックコポリマー、
b)ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、該ポリマーが少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、該ポリマーが少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、合成ポリマー、または
c)ポリソルベート
の少なくとも1種を含み、
1種または複数の表面改変剤が、芯粒子の外表面上に少なくとも0.01分子/nm2の密度で存在し、
1種または複数の表面改変剤が、医薬組成物中に約0.001重量%〜約5重量%の量で存在し、
複数の被覆された粒子が、約1μm未満の平均最小断面寸法を有する、
治療方法。
[付記4]
エタボン酸ロテプレドノールを含む芯粒子であって、エタボン酸ロテプレドノールが、芯粒子の少なくとも約80重量%を構成する芯粒子、および
1種または複数の表面改変剤を含むコーティングであって、1種または複数の表面改変剤が、ポロキサマー、ポリ(ビニルアルコール)、またはポリソルベートの少なくとも1種を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子と;
1種または複数の眼科的に許容される担体、添加剤、および/または希釈剤と、
を含む医薬組成物を患者の目に投与すること
を含む、患者の眼における炎症、黄斑変性、黄斑浮腫、ぶどう膜炎、ドライアイ、および/またはその他の障害の治療方法であって、
1種または複数の表面改変剤が、芯粒子の外表面上に少なくとも0.01分子/nm2の密度で存在し、
1種または複数の表面改変剤が、医薬組成物中に約0.001重量%〜約5重量%の量で存在し、
複数の被覆された粒子が、約1μm未満の平均最小断面寸法を有する、
治療方法。
[付記5]
医薬品またはその塩を含む芯粒子であって、医薬品またはその塩が、前記芯粒子の少なくとも約80重量%を構成し、かつ前記医薬品またはその塩が受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬を含む、芯粒子および
芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子と;
1種または複数の眼科的に許容される担体、添加剤、および/または希釈剤と、
を含む、眼に投与するのに適した医薬組成物であって、
1種または複数の表面改変剤が、
a)親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであって、前記疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し、前記親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成するトリブロックコポリマー、
b)ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、該ポリマーが少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、該ポリマーが少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、合成ポリマー、または
c)ポリソルベート
の少なくとも1種を含み、
1種または複数の表面改変剤が、芯粒子の外表面上に少なくとも0.01分子/nm2の密度で存在し、
1種または複数の表面改変剤が、医薬組成物中に約0.001重量%〜約5重量%の量で存在し、
複数の被覆された粒子が、約1μm未満の平均最小断面寸法を有する、
医薬組成物。
[付記6]
医薬品またはその塩を含む芯粒子であって、医薬品またはその塩が、前記芯粒子の少なくとも約80重量%を構成し、かつ前記医薬品またはその塩が受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬を含む、芯粒子、および
芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子と;
1種または複数の眼科的に許容される担体、添加剤、および/または希釈剤と、
を含む医薬組成物を患者の眼に投与すること
を含む、患者の眼における黄斑変性、黄斑浮腫、および/または別の障害の治療方法であって、
1種または複数の表面改変剤が、
a)親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであって、前記疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し、前記親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成するトリブロックコポリマー、
b)ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、該ポリマーが少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、該ポリマーが少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、合成ポリマー、または
c)ポリソルベート
の少なくとも1種を含み、
1種または複数の表面改変剤が、芯粒子の外表面上に少なくとも0.01分子/nm2の密度で存在し、
1種または複数の表面改変剤が、医薬組成物中に約0.001重量%〜約5重量%の量で存在し、
複数の被覆された粒子が、約1μm未満の平均最小断面寸法を有する、
治療方法。
[付記7]
医薬品またはその塩を含む芯粒子であって、医薬品またはその塩が、芯粒子の少なくとも約80重量%を構成し、かつブロムフェナクカルシウム、ジクロフェナク遊離酸、またはケトロラク遊離酸を含む芯粒子、および
芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子と;
1種または複数の眼科的に許容される担体、添加剤、および/または希釈剤と、
を含む、眼に投与するのに適した医薬組成物であって、
1種または複数の表面改変剤が、
a)親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであって、前記疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し、前記親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成するトリブロックコポリマー、
b)ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、該ポリマーが少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、該ポリマーが少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、合成ポリマー、または
c)ポリソルベート
の少なくとも1種を含み、
1種または複数の表面改変剤が、芯粒子の外表面上に少なくとも0.01分子/nm2の密度で存在し、
1種または複数の表面改変剤が、医薬組成物中に約0.001重量%〜約5重量%の量で存在し、
複数の被覆された粒子が、約1μm未満の平均最小断面寸法を有する、
医薬組成物。
[付記8]
医薬品またはその塩を含む芯粒子であって、医薬品またはその塩が、芯粒子の少なくとも約80重量%を構成し、かつブロムフェナクカルシウム、ジクロフェナク遊離酸、またはケトロラク遊離酸を含む芯粒子、および
芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子と;
1種または複数の眼科的に許容される担体、添加剤、および/または希釈剤と、
を含む医薬組成物を患者の目に投与すること
を含む、患者の眼における炎症、黄斑変性、黄斑浮腫、ぶどう膜炎、ドライアイ、緑内障、および/またはその他の障害の治療方法であって、
1種または複数の表面改変剤が、
a)親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであって、前記疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し、前記親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成するトリブロックコポリマー、
b)ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、該ポリマーが少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、該ポリマーが少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、合成ポリマー、または
c)ポリソルベート
の少なくとも1種を含み、
1種または複数の表面改変剤が、芯粒子の外表面上に少なくとも0.01分子/nm2の密度で存在し、
1種または複数の表面改変剤が、医薬組成物中に約0.001重量%〜約5重量%の量で存在し、
複数の被覆された粒子が、約1μm未満の平均最小断面寸法を有する、
治療方法。
[付記9]
コルチコステロイド、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬、血管新生阻害薬、プロスタグランジン類似体、NSAID、β−遮断薬、および炭酸脱水酵素阻害薬からなる群から選択される医薬品またはその塩を含む芯粒子および
芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子と;
1種または複数の眼科的に許容される担体、添加剤、および/または希釈剤と、
を含む、眼に投与するのに適した医薬組成物であって、
1種または複数の表面改変剤が、
a)親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであって、前記疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し;前記親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成し、前記疎水性ブロックが芯粒子の表面と会合し、前記親水性ブロックが被覆された粒子の表面に存在し、被覆された粒子を親水性にするトリブロックコポリマー、
b)ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、該ポリマーが少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、該ポリマーが少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、合成ポリマー、または
c)ポリソルベート
の少なくとも1種を含み、
1種または複数の表面改変剤が、芯粒子の外表面上に少なくとも0.01分子/nm2の密度で存在し、
1種または複数の表面改変剤が、医薬組成物中に約0.001重量%〜約5重量%の量で存在する、
医薬組成物。
[付記10]
コルチコステロイド、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬、血管新生阻害薬、プロスタグランジン類似体、NSAID、β−遮断薬、および炭酸脱水酵素阻害薬からなる群から選択される医薬品またはその塩を含む芯粒子および
芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子を含む組成物を対象の眼に投与すること、ならびに
対象の眼組織に医薬品を送達すること
を含む、対象における眼の状態を治療、診断、予防、または管理するための方法であって、
1種または複数の表面改変剤が、
a)親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであって、前記疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し;前記親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成し、前記疎水性ブロックが芯粒子の表面と会合し、前記親水性ブロックが被覆された粒子の表面に存在し、被覆された粒子を親水性にするトリブロックコポリマー、または
b)ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、該ポリマーが少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、該ポリマーが少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、合成ポリマー、または
c)ポリソルベート
の少なくとも1種を含む、方法。
[付記11]
コルチコステロイド、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬、血管新生阻害薬、プロスタグランジン類似体、NSAID、β−遮断薬、および炭酸脱水酵素阻害薬からなる群から選択される医薬品またはその塩を含む芯粒子および
芯粒子を取り囲む表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子を含む組成物を対象の眼に投与すること
を含む、対象における医薬品の眼での生物学的利用能を改善する方法であって、
芯粒子上のコーティングが、投与された場合の医薬品の眼での生物学的利用能を、コーティングのない芯粒子として投与された場合の医薬品の眼での生物学的利用能に比較して改善するのに十分な量で組成物中に存在する、方法。
[付記12]
コルチコステロイド、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬、血管新生阻害薬、プロスタグランジン類似体、NSAID、β−遮断薬、および炭酸脱水酵素阻害薬からなる群から選択される医薬品またはその塩を含む芯粒子および芯粒子を取り囲む表面改変剤を含むコーティングを含有する複数の被覆された粒子を含む組成物を対象の眼に投与することを含む、対象の組織中での医薬品濃度を向上させる方法であって、
組織が、網膜、黄斑、強膜、または脈絡膜からなる群から選択され、かつ
芯粒子上のコーティングが、投与された場合に組織中の医薬品濃度を、コーティングのない芯粒子として投与された場合の組織中の医薬品濃度に比較して少なくとも10%増加させるのに十分な量で組成物中に存在する、方法。
[付記13]
医薬組成物の反復投与によって、対象における眼の状態を治療する方法であって、
対象の眼にエタボン酸ロテプレドノールを含む医薬組成物を2回以上投与することを含み、連続する投与間の期間が、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約36時間、または少なくとも約48時間であり、
眼組織に送達されるエタボン酸ロテプレドノールの量が、対象における眼の状態を治療するのに有効である、方法。
[付記14]
医薬組成物の反復投与によって、対象における眼の状態を治療する方法であって、
対象の眼に1種または複数の医薬品を含む医薬組成物を2回以上投与することを含み、連続する投与間の期間が、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約36時間、または少なくとも約48時間であり、
1種または複数の医薬品が、エタボン酸ロテプレドノール、ソラフェニブ、リニファニブ、MGCD−265、パゾパニブ、セジラニブ、アキシチニブ、ブロムフェナクカルシウム、ジクロフェナク遊離酸、ケトロラク遊離酸、およびこれらの組合せからなる群から選択され、
眼組織に送達される医薬品の量が、患者における眼の状態を治療するのに有効である、方法。
[付記15]
コルチコステロイドを含む芯粒子および
芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子
を含む、眼への投与によって眼前部障害を治療するのに適した医薬組成物であって、
1種または複数の表面改変剤が、
a)親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであって、前記疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し、前記親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成するトリブロックコポリマー、
b)ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、該ポリマーが少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、該ポリマーが少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、合成ポリマー、または
c)ポリソルベート
の少なくとも1種を含み、
複数の被覆された粒子が、約1μm未満の平均最小断面寸法を有し、
芯粒子上のコーティングが、眼に投与された場合に、投与の30分後に角膜または眼房水からなる群から選択される眼前部の構成要素中のコルチコステロイド濃度を、コーティングのない芯粒子として投与された場合の組織中コルチコステロイド濃度と比較して、少なくとも50%増加させるのに十分な量で存在する、医薬組成物。
[付記16]
コルチコステロイドを含む芯粒子および
芯粒子を取り囲む1種または複数の表面改変剤を含むコーティング
を含有する複数の被覆された粒子を含む組成物を対象の眼へ投与すること、ならびに
眼瞼結膜、眼球結膜、または角膜からなる群から選択される眼前部組織におけるコルチコステロイドの眼科上有効なレベルを投与後に少なくとも12時間維持すること
を含む、眼への投与によって眼前部障害を治療する方法であって、
1種または複数の表面改変剤が、
a)親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであって、前記疎水性ブロックが少なくとも約2kDaの分子量を有し、前記親水性ブロックがトリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成するトリブロックコポリマー、
b)ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであって、該ポリマーが少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、該ポリマーが少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、合成ポリマー、または
c)ポリソルベート
の少なくとも1種を含む、方法。
[付記17]
ポロキサマーが、少なくとも約2kDaの分子量を有する疎水性ブロックを含み、ポロキサマーが、ポロキサマーの少なくとも約15重量%を構成する親水性ブロックを含む、付記1から16までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記18]
表面改変剤が、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーを含み、前記疎水性ブロックは、少なくとも約2kDaの分子量を有し;前記親水性ブロックは、トリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成し、前記疎水性ブロックが芯粒子の表面と会合し、前記親水性ブロックが被覆された粒子の表面上に存在し、被覆された粒子を親水性にする、付記1から17までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記19]
対象の眼前部組織に医薬品を送達することを含む、付記1から18までのいずれか1つに記載の方法。
[付記20]
対象の眼後部組織に医薬品を送達することを含む、付記1から19までのいずれか1つに記載の方法。
[付記21]
表面改変剤が、芯粒子に共有結合で結合している、付記1から20までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記22]
表面改変剤が、芯粒子に非共有結合で吸着している、付記1から21までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記23]
表面改変剤が、被覆された粒子の表面上に、1平方ナノメートルにつき、少なくとも約0.01分子、少なくとも約0.02分子、少なくとも約0.05分子、少なくとも約0.1分子、少なくとも約0.2分子、少なくとも約0.5分子、少なくとも約1分子、少なくとも約2分子、少なくとも約5分子、少なくとも約10分子、または少なくとも約20分子の密度で存在する、付記1から22までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記24]
表面改変剤が、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する直鎖ポリマーを含む、付記1から23までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記25]
トリブロックコポリマーの親水性ブロックが、トリブロックコポリマーの少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、または少なくとも約60重量%、かつ/またはトリブロックコポリマーの約80重量%以下を構成する、付記1から24までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記26]
トリブロックコポリマーの疎水性ブロックが、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、または少なくとも約6kDa、かつ/または約20kDa以下、約10kDa以下、または約8kDa以下の分子量を有する、付記1から25までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記27]
トリブロックコポリマーが、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)
−ポリ(エチレンオキシド)またはポリ(エチレングリコール)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレングリコール)である、付記1から26までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記28]
トリブロックコポリマーの親水性ブロックが、ポリ(エチレンオキシド)もしくはポリ(エチレングリコール)、またはこれらの誘導体を含む、付記1から27までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記29]
ポリ(エチレンオキシド)またはポリ(エチレングリコール)ブロックが、少なくとも約2kDa、少なくとも約3kDa、または少なくとも約4kDaの分子量を有する、付記1から28までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記30]
トリブロックコポリマーの疎水性ブロックが、ポリ(プロピレンオキシド)である、付記1から29までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記31]
ポリ(プロピレンオキシド)ブロックが、少なくとも約1.8kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約2.5kDa、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、または少なくとも約5kDaの分子量を有する、付記1から30までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記32]
表面改変剤および/またはポリマーが、少なくとも約2kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約100kDa、または少なくとも約120kDaの分子量を有する、付記1から31までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記33]
ポリマーが、約200kDa以下、約180kDa以下、約150kDa以下、約130kDa以下、約100kDa以下、約80kDa以下、約50kDa以下、または約30kDa以下の分子量を有する、付記1から32までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記34]
ポリマーが、少なくとも約40%加水分解されている、少なくとも約50%加水分解されている、少なくとも約60%加水分解されている、少なくとも約70%加水分解されている、少なくとも約80%加水分解されている、または少なくとも約90%加水分解されている、付記1から33までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記35]
ポリマーが、約94%以下、約90%以下、約85%以下、または約80%以下加水分解されている、付記1から34までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記36]
合成ポリマーが、ポリビニルアルコールである、付記1から35までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記37]
芯粒子のそれぞれが、結晶性医薬品またはその塩を含む、付記1から36までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記38]
芯粒子のそれぞれが、非晶性医薬品またはその塩を含む、付記1から37までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記39]
芯粒子のそれぞれが、固体医薬品の塩を含む、付記1から38までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記40]
芯粒子のそれぞれが、ポリマー、脂質、タンパク質、またはこれらの組合せ中に封入された医薬品またはその塩を含む、付記1から39までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記41]
医薬品が、治療用薬剤または診断用薬剤の少なくとも1種である、付記1から40までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記42]
医薬品が、小分子、ペプチド、ペプチド模倣体、タンパク質、核酸、または脂質の少なくとも1種である、付記1から41までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記43]
医薬品またはその塩がコルチコステロイドである、付記1から42までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記44]
医薬品またはその塩が、エタボン酸ロテプレドノールである、付記1から43までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記45]
医薬品またはその塩が、抗VEGF剤を含む、付記1から44までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記46]
医薬品またはその塩が、チロシンキナーゼ阻害薬を含む、付記1から45までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記47]
医薬品またはその塩が、25℃で、約1mg/mL以下、約0.1mg/mL以下、または約0.01mg/mL以下の水溶性を有する、付記1から46までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記48]
医薬品が、芯粒子の少なくとも約50重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%を構成する、付記1から47までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記49]
芯粒子が、少なくとも約10nm、少なくとも約50nm、または少なくとも約100nm、かつ1μm以下の平均サイズを有する、付記1から48までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記50]
被覆された粒子が、少なくとも約10nm、少なくとも約50nm、または少なくとも約100nm、かつ1μm以下の平均サイズを有する、付記1から49までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記51]
被覆された粒子が、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1.0を超える相対速度を有する、付記1から50までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記52]
付記1から51までのいずれか1つに記載の組成物および1種または複数の薬学上許容される担体を含む医薬組成物。
[付記53]
付記1から52までのいずれか1つに記載の組成物を含む、対象の眼に局所投与するのに適した医薬製剤。
[付記54]
芯粒子上のコーティングが、投与された場合に組織中の医薬品濃度を、コーティングのない芯粒子として投与された場合の組織中の医薬品濃度に比較して少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%増加させるのに十分な量で組成物中に存在する、付記1から53までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記55]
眼の状態が、眼後部の状態である、付記1から54までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記56]
眼の状態が、網膜障害である、付記1から55までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記57]
眼の状態が、炎症、黄斑変性、黄斑浮腫、ぶどう膜炎、ドライアイ、または緑内障である、付記1から56までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記58]
対象がヒトである、付記1から57までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記59]
組織が、網膜、黄斑、強膜、または脈絡膜である、付記1から58までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記60]
組成物が、医薬品の1種または複数の分解物を含み、かつ分解物のそれぞれまたは少なくとも1種の濃度が、医薬品に重量に対して約2重量%以下、約1重量%以下、約0.8重量%以下、約0.6重量%以下、約0.4重量%以下、約0.2重量%以下、約0.15重量%以下、または約0.1重量%以下である、付記1から59までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記61]
組成物の多分散性指数が、約0.5以下、約0.4以下、約0.3以下、約0.2以下、約0.15以下、約0.1以下、または約0.05以下である付記1から60までのいずれか1つに記載の組成物または方法。
[付記62]
医薬組成物が、眼への局所投与に適している、付記1から61までのいずれか1つに記載の組成物。
[付記63]
医薬組成物が、眼中への直接注入に適している、付記1から62までのいずれか1つに記載の組成物。
[付記64]
医薬組成物を眼に局所投与することを含む、付記1から63までのいずれか1つに記載の方法。
[付記65]
医薬組成物を眼中に直接注入で投与することを含む、付記1から64までのいずれか1つに記載の方法。
[付記66]
眼科上有効なレベルが、IC50またはIC90値である、付記1から65までのいずれか1つに記載の方法。
[付記67]
医薬品またはその塩が、コルチコステロイドである、付記1から66までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記68]
医薬品またはその塩が、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害薬である、付記1から67までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記69]
RTK阻害薬が、ソラフェニブ、リニファニブ、MGCD−265、パゾパニブ、セジラニブ、アキシチニブ、またはこれらの組合せである、付記1から68までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記70]
医薬品またはその塩が、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬である、付記1から69までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記71]
シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬が、COX−2阻害薬である、付記1から70までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記72]
医薬品またはその塩が、血管新生阻害薬である、付記1から71までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記73]
医薬品またはその塩が、プロスタグランジン類似体である、付記1から72までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記74]
医薬品またはその塩が、NSAIDである、付記1から73までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記75]
医薬品またはその塩が、β−遮断薬である、付記1から74までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記76]
医薬品またはその塩が、炭酸脱水酵素阻害薬である、付記1から75までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記77]
医薬品またはその塩が、エタボン酸ロテプレドノールである、付記1から76までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記78]
医薬品またはその塩が、ブロムフェナクカルシウムである、付記1から77までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記79]
表面改変剤が、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの配置を含むトリブロックコポリマーであり、前記疎水性ブロックは少なくとも約2kDaの分子量を有し、前記親水性ブロックは、トリブロックコポリマーの少なくとも約15重量%を構成する、付記1から78までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記80]
表面改変剤が、ポリマーの主鎖上にペンダントヒドロキシル基を有する合成ポリマーであり、少なくとも約1kDaかつ約1000kDa以下の分子量を有し、少なくとも約30%かつ約95%未満加水分解されている、付記1から79までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記81]
表面改変剤がポリソルベートである、付記1から80までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記82]
表面改変剤がポリ(ビニルアルコール)である、付記1から81までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記83]
組成物が、約0.5以下、約0.3以下、又は約0.2以下の多分散性指数(PDI)を有する、付記1から82までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記84]
組成物が、約0.1以上かつ約0.5以下、約0.1以上かつ約0.3以下、または約0.1以上かつ約0.2以下のPDIを有する、付記1から83までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記85]
コーティングが、約100nm以下、約50nm以下、約30nm以下、または約10nm以下の厚さを有する、付記1から84までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記86]
組成物中に存在する表面改変剤の全量が、約0.001重量%〜約5重量%、約0.01重量%〜約5重量%、または約0.1重量%〜約5重量%である、付記1から85までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記87]
組成物が、1種または複数の遊離した表面改変剤を含み;溶液中の遊離した表面改変剤および粒子表面上の表面改変剤は、同一の表面改変剤でもよく;溶液中の遊離した表面改変剤および粒子表面上の表面改変剤は、組成物中で互いに平衡状態にあってもよい、付記1から86までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記88]
医薬品またはその塩(A)が、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A18もしくはA19、または本明細書中で同定されるA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A18もしくはA19の種から選択される、付記1から87までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記89]
表面改変剤(B)が、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8もしくはB9、または本明細書中で同定されるB1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8もしくはB9の種から選択される、付記1から88までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記90]
1種または複数の眼科上許容される担体、添加物、および/または希釈剤が、グリセリンを含む、付記1から89までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。
[付記91]
医薬組成物が、医薬品の1種または複数の分解物を含み、各分解物の濃度が、医薬品の重量に対して約1重量%以下である、付記1から90までのいずれか1つに記載の医薬組成物または方法。