(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の作業台を図に示した実施形態に基づいて説明する。本願図中のX方向は水平方向における作業台の長手方向、Y方向は水平方向における作業台の短手方向、Z方向は作業台の上下方向(鉛直方向)を示している。以下で説明する実施形態では、金属部材のブラスト加工処理と塗装を行うときに使用する作業台を例示する。
【0012】
図1〜
図4に例示する本発明に係る第1の実施形態の作業台1は、網状の天板2と、天板2を支持する複数の梁部材3(3a、3b)と、梁部材3a、3bを支持する支脚4とを備えて構成されている。さらに、作業台1は、天板2の上面よりも低い位置に配置されて面方向が上下方向で互いに対面する一対の防護壁6と、この一対の防護壁6の間に形成されるタグ収納部7とを備えている。この実施形態の作業台1は、さらに、一対の防護壁6の間に設置され、タグ収納部7に収納されるタグ21を支持するタグ支持部9を備えている。
【0013】
なお、この実施形態では、網状の天板2を備えた作業台1を例示しているが、作業台1は例えば、複数の棒状部材(丸鋼や四角鋼など)や複数の板状部材(平鋼など)等を組み合わせて形成された格子状の天板2や柵状の天板2を備えた構成にすることもできる。
【0014】
図1及び
図2に示すように、四角形状の外枠を構成する梁部材3a、3bと、外枠の内側に配置されて作業台1の長手方向(X方向)に延在する梁部材3cと、外枠の内側に配置されて作業台1の短手方向(Y方向)に延在する梁部材3dとによって、天板2を支持する格子状のフレームが形成されている。そして、梁部材3で形成されたフレームの上に天板2が設けられている。フレームの四隅には、それぞれ支脚4が設けられている。
【0015】
外枠を形成する梁部材3a、3bはL形鋼(山形鋼、アングル鋼)で構成されており、L形鋼の一方の壁面が作業台の外側に面し、他方の壁面が上側に位置するように配置されている。外枠を構成する梁部材3a、3bどうしを連結する梁部材3c、3dは、溝形鋼(チャンネル鋼)で構成されている。梁部材3cは溝形鋼の凹部が作業台の中央側(横側)になるように配置されており、梁部材3dは溝形鋼の凹部が作業台の中央側(横側)になるように配置されている。天板2は金網で構成されており、支脚4は鋼管と底板とで構成されている。梁部材3a〜3d、天板2、および支脚4はそれぞれ溶接によって接合されている。
【0016】
外枠を構成する梁部材3a、3bの外側には、平面視でそれぞれの梁部材3a、3bの短手方向に離間した位置に板状部材5が設けられている。板状部材5はそれぞれ、梁部材3a、3bと平行に、梁部材3a、3bの長手方向に延在配置されている。板状部材5は、梁部材3a、3bの外側の壁面と板状部材5の内側の壁面とが対面するように、面方向が上下方向になるように配置されている。
【0017】
この梁部材3a、3bと板状部材5とが、面方向が上下方向で互いに対面する一対の防護壁6を構成している。そして、この一対の防護壁6の間の空間がタグ収納部7となっている。板状部材5は、梁部材3a、3bの長手方向の端部において梁部材3a、3bとそれぞれ溶接で接合されている。梁部材3a、3bと板状部材5のそれぞれの上端部と下端部の高さ位置は、それぞれ同じ高さ位置に設定されている。
【0018】
天板2の下方に配置された梁部材3cにも同様に、平面視でそれぞれの梁部材3cの短手方向に離間した位置に板状部材5が設けられている。板状部材5は、梁部材3cと平行に延在配置されている。板状部材5は、梁部材3cの壁面と板状部材5の壁面とが対面し、面方向が上下方向になる状態で配置されている。
【0019】
この梁部材3cと板状部材5も、同様に面方向が上下方向で互いに対面する一対の防護壁6を構成している。そして、この一対の防護壁6の間の空間がタグ収納部7となっている。板状部材5は、板状部材5の長手方向端部において梁部材3dと溶接で接合されている。梁部材3cと板状部材5のそれぞれの上端部と下端部の高さ位置は、それぞれ同じ高さ位置に設定されている。タグ収納部7が設けられた位置の天板2には、タグ収納部7と天板2の上面とを連通するスリット8が形成されている。即ち、タグ収納部7の上方は天板2で覆われておらず、開口した状態になっている。
【0020】
図3および
図4に示すように、この実施形態のタグ支持部9は、一対の防護壁6の下端部どうしの間にそれぞれ架け渡されて互いに離間する複数の棒状部材9aで構成されている。タグ支持部9は、複数の棒状部材9aの他にも例えば、互いに離間する複数の板状部材や網状部材等で構成することもできる。タグ支持部9は例えば、一対の防護壁6の上下方向の中途の位置に配置することもできる。
【0021】
なお、この実施形態では、梁部材3と板状部材5によって一対の防護壁6とタグ収納部7を構成しているが、一対の防護壁6とタグ収納部7は、並列した2枚の板状部材5や2本の梁部材3によって形成することもできる。また、本発明の作業台1では、支脚4やタグ支持部9を有しない構成にすることもできる。防護壁6、タグ収納部7、及びスリット8を設ける位置はこの実施形態に限定されず、作業台1を使用する条件に応じて適宜決定できる。ブラスト加工処理を行う作業台1にする場合には、天板2、梁部材3、支持脚4、板状部材5、及びタグ支持部9を金属部材で形成することが好ましいが、天板2、梁部材3、支持脚4、板状部材5、及びタグ支持部9は他にも例えば、樹脂部材や木材等で形成することもできる。梁部材3(3a〜3d)を構成するそれぞれの部材の形状も特に限定されない。
【0022】
次に、この作業台1を使用して部材や部品などの被塗装物20のブラスト加工処理や塗装を行なう方法を説明する。
【0023】
図3および
図4に示すように、まず、天板2の上面にタグ21が取付けられた被塗装物20を載置する。そして、被塗装物20に取付けられたタグ21をタグ収納部7に差し込んで収納する。タグ21をタグ収納部7に収納した状態にすると、タグ21が天板2の上面に露出せずに、タグ21の両面が対面する一対の防護壁6によって保護された状態となる。次いで、タグ21をタグ収納部7に収納した状態で、被塗装物20に対してブラスト加工処理や塗装を行う。そして、ブラスト加工処理や塗装が終了した後に、タグ21をタグ収納部7から抜き出す。
【0024】
このように、本発明によれば、被塗装物20に取付けられたタグ21を作業台1に設けられたタグ収納部7に差し込んで収納することで、タグ21が作業台1の天板2の上面に露出せずに、タグ21の両面が一対の防護壁6によって保護された状態となる。これにより、ブラスト加工処理や塗装を行うときに、研磨材や塗料は防護壁6によって遮られる。これにより、タグ21に研磨材や塗料が当り難くなるので、ブラスト加工処理や塗装におけるタグ21の損傷や汚損を簡易に防止することができる。従来ではタグ21を保護するために多くの作業工数を要していたが、本発明ではタグ21の保護に要する作業がタグ21のタグ収納部7への抜き差しのみとなるので、ブラスト加工処理や塗装作業の大幅な軽労化を図ることができる。
【0025】
さらに、従来の保護方法では、タグ21を折り曲げる必要があるため、タグ21にRFIDなどの無線IDチップを埋め込むことが困難であったが、本発明の作業台1では、タグ21を折り曲げずに保護できるので、タグ21に無線IDチップを埋め込むことが可能となる。また、タグ21をタグ収納部7に収納した状態で、ハンディリーダ等でのタグ21の読み込みが可能となる。
【0026】
本発明の作業台1は、新規に製造することもできるが、既存の作業台を改造することで本発明の作業台1を形成することも可能である。即ち、作業台1は、既存の作業台に防護壁6とタグ収納部7とを付設することによって製造することもできる。例えば、既存の作業台に板状部材5やタグ支持部9などを付設することで、既存の作業台に一対の防護壁6及びタグ収納部7を簡易に形成することができる。それ故、本発明の作業台1の構成は工作性にも優れており、非常に汎用性が高い。特に、この実施形態のように、一対の防護壁6の一方を梁部材3で構成すると本発明の作業台1を非常に簡易に製造することができる。
【0027】
図4に示すように、タグ収納部7の幅W(一対の防護壁6どうしの離間距離W)は、使用するタグ21の厚さに応じて適宜設定できるが、タグ21の厚さよりも大きく、タグ収納部7に研磨材や塗料が入り難い程度に小さく設定する。具体的には、例えば、タグ21の厚さよりも5mm以上大きく、かつ、タグ21の厚さに10mmを加えた幅以下に設定するとよい。より具体的には、被塗装物20の管理に利用されるタグ21の厚さは概ね1mm〜2mm程度なので、タグ収納部7の幅Wは例えば、6mm以上12mm以下に設定するとよい。
【0028】
タグ収納部7の幅Wをタグ21の厚さに10mmを加えた幅寸法以下にすると、ブラスト加工処理や塗装を行うときに、研磨材や塗料がタグ収納部7に入り難くなるので、タグ21の損傷や汚損を防止するには有利になる。また、タグ21をタグ収納部7に収納したときにタグ21の傾きが大きくならず、タグ21の両面が一対の防護壁6とほぼ平行な状態になるので、タグ収納部7に研磨材や塗料が入ってきた場合にも、タグ21の表面に研磨材や塗料が直接当たり難くなり、タグ21の表面が損傷や汚損するリスクを低減するには有利になる。
【0029】
さらに、タグ収納部7の幅Wをタグ21の厚さよりも5mm以上大きくすることで、タグ21のタグ収納部7への抜き差しが行い易くなり、タグ収納部7に研磨材や塗料が詰まることを防ぐにも有利になる。
【0030】
一対の防護壁6の上下方向の長さL(タグ収納部の深さL)は、タグ21のサイズに応じて適宜設定できるが、タグ21の長手方向の長さよりも長く設定する。具体的には例えば、タグ21の長手方向の長さの1.5倍以上2.5倍以下に設定するとよい。より具体的には、被塗装物20の管理に利用されるタグ21の長手方向の長さは概ね100mm程度なので、一対の防護壁6の上下方向の長さLは例えば、150mm以上250mm以下に設定するとよい。
【0031】
一対の防護壁6の上下方向の長さLをタグ21の長手方向の長さ寸法の1.5倍以上にすると、タグ21をタグ収納部7の研磨材や塗料が当り難い十分に深い位置に配置できるので、タグ21の損傷や汚損を防止するには有利になる。さらに、一対の防護壁6の上下方向の長さ寸法をタグ21の長手方向の長さ寸法の2.5倍以下にすることで、必要以上に防護壁6が過大になることを防ぎ、作業台1の軽量化を図ることができる。
【0032】
この実施形態のように、一対の防護壁6が天板2の下方に配置され、タグ収納部7と天板2の上面とを連通するスリット8を天板2が備える構成にすると、作業台1の内側にタグ収納部7を設けることができるので、タグ21を収納できる位置を増やすことができる。これにより、ブラスト加工処理や塗装を行う際の被塗装物20の配置の自由度を高めることができる。これに伴い、被塗装物20とタグ21とを接続する針金22を短くできるので、被塗装物20の管理の作業性の向上にも寄与する。この作業台1では、天板2の下方にタグ収納部7を設けた場合にも、天板2に形成されるスリット8は幅が狭く、タグ収納部7の上方に被塗装物20を載置することもできるので、被塗装物20を載置できるスペースを大きく確保することができる。
【0033】
タグ支持部9を備えた構成にすると、被塗装物20とタグ21とを接続する針金22が長い場合にも、タグ21をタグ支持部9で支持できる。そのため、タグ21が防護壁6の下端部よりも下方に落下することを防ぐことができる。これにより、タグ21を一対の防護壁6によってより確実に防護することができるので、タグ21の損傷や汚損を防止するには益々有利になる。また、タグ支持部9を設けることで、針金22の長さを調整する必要がなくなるので、タグ付け作業などの軽労化にも寄与する。
【0034】
さらに、この実施形態のように、タグ支持部9を、一対の防護壁6の下端部どうしの間にそれぞれ架け渡されて互いに離間する複数の棒状部材9aで構成すると、棒状部材9aどうしの間にすき間が設けられていることで、タグ収納部7に研磨材や塗料が入ってきた場合にも、タグ支持部9に研磨材や塗料が溜まり難くなる。それ故、タグ収納部7に研磨材や塗料が詰まる不具合を防ぐには有利になる。なお、タグ支持部9を互いに離間する複数の板状部材や、網状部材で構成した場合にも同様の効果を発揮することができる。
【0035】
タグ支持部9を互いに離間する複数の棒状部材9aや板状部材で構成する場合には、隣り合う棒状部材9a(板状部材)どうしの離間距離は、タグ21の短手方向の長さよりも短く設定するとよい。棒状部材9aどうしの離間距離をタグ21の短手方向の長さよりも短くすることで、隣り合う棒状部材9aの間のすき間にタグ21が落下し難くなる。具体的には、例えば、棒状部材9aどうしの離間距離は、タグ21の短手方向の長さの0.3倍以上0.8倍以下に設定するとよい。より具体的には、被塗装物20の管理に利用されるタグ21の短手方向の長さは概ね50mm程度なので、隣り合う棒状部材9aどうしの離間距離は例えば、15mm以上40mm以下に設定するとよい。
【0036】
棒状部材9aどうしの離間距離をタグ21の短手方向の長さの0.3倍以上にすることで、隣り合う棒状部材9aの間のすき間が十分に大きくなるので、タグ収納部7に研磨材や塗料が詰まる不具合を防ぐには有利になる。さらに、棒状部材9aどうしの離間距離をタグ21の短手方向の長さの0.8倍以下にすることで、隣り合う棒状部材9aの間のすき間にタグ21がより落下し難くなるので、タグ21の損傷や汚損を防止するには有利になる。
【0037】
図5〜
図7に、本発明に係る第2の実施形態の作業台1Aを示す。
【0038】
図5に示すように、この作業台1Aは、天板2の上面よりも低い位置に配置されて面方向が水平方向で互いに対面する一対の防護壁6と、この一対の防護壁6の間に形成されるタグ収納部7とを備えている。
【0039】
この実施形態では、外枠を形成する梁部材3a、3bが溝形鋼で構成されており、溝形鋼の凹部が作業台の中央側(横側)になるように配置されている。そして、外枠を構成する梁部材3a、3bの下方に板状部材5が設けられている。
図7に示すように、板状部材5は、水平方向に延在する梁部材3a、3bの下面の下方に離間した位置に配置されている。板状部材5は、面方向が水平方向になる状態で配置されており、梁部材3a、3bの下面と板状部材5の上面とが対面した状態になっている。
【0040】
この梁部材3a、3bの下面と板状部材5の上面とが、面方向が水平方向で互いに対面する一対の防護壁6を構成している。そして、この一対の防護壁6の間の空間がタグ収納部7となっている。板状部材5は、長手方向の両端部においてそれぞれ支脚4と溶接で接合されている。この作業台1Aも、先に示した実施形態の作業台1と同様に既存の作業台に防護壁6とタグ収納部7とを付設することによって製造することもできる。この作業台1Aを使用して被塗装物20のブラスト加工処理や塗装を行なう方法は先に示した実施形態と同じである。
【0041】
この作業台1Aのように、面方向が水平方向の一対の防護壁6と、タグ収納部7とを備えた構成にした場合にも先に示した実施形態の面方向が上下方向の一対の防護壁6及びタグ収納部7と同様の効果を発揮することができる。即ち、被塗装物20に取付けられたタグ21を作業台1Aに設けられたタグ収納部7に横から差し込んで収納することで、タグ21が作業台1Aの天板2の上面に露出せずに、タグ21の両面が一対の防護壁6によって保護された状態となる。これにより、ブラスト加工処理や塗装を行うときに、研磨材や塗料は防護壁6によって遮られる。これにより、タグ21に研磨材や塗料が当り難くなるので、ブラスト加工処理や塗装におけるタグ21の損傷や汚損を簡易に防止することができる。
【0042】
また、
図6に示すように、この実施形態では、作業台1Aの短手方向に延在する梁部材3dにも平面視でそれぞれの梁部材3dの短手方向に離間した位置に板状部材5が設けられている。板状部材5は、梁部材3dと平行に、隣り合う梁部材3cと梁部材3cの間の長手方向に延在配置されている。板状部材5は、梁部材3dの壁面と板状部材5の壁面とが対面するように、面方向が上下方向になるように配置されている。即ち、この実施形態では、天板2の下方において、作業台1Aの長手方向と短手方向にそれぞれ延在するように、格子状に一対の防護壁6とタグ収納部7が設けられている。この実施形態のタグ支持部9は、網状部材9bで構成されている。
【0043】
このように、作業台1Aの長手方向と短手方向にそれぞれ延在するように、格子状に一対の防護壁6とタグ収納部7を設けた構成にすると、タグ21を収納できる位置を増やすことができるので、ブラスト加工処理や塗装を行う際の被塗装物20の配置の自由度を高めるには益々有利になる。
【0044】
さらに、この実施形態では、梁部材3の位置とは別に、2枚の板状部材5によって形成された一対の防護壁6とタグ収納部7を設けている。2枚の板状部材5は、一方の板状部材5の壁面と他方の板状部材5の壁面とが対面するように、面方向が上下方向になるように平行に配置されている。板状部材5は、それぞれ梁部材3b、3dと溶接で接合されている。
【0045】
2枚の板状部材5の上端部と下端部の高さ位置は、同じ高さ位置に設定されている。天板2のタグ収納部7が設けられた位置には、タグ収納部7と天板2の上面とを連通するスリット8が形成されている。
【0046】
このように、梁部材3と梁部材3の間に2枚の板状部材5によって一対の防護壁6とタグ収納部7を形成すると、梁部材3の位置に限定されることなく、タグ21を収納できる位置を増やすことができる。それ故、ブラスト加工処理や塗装を行う際の被塗装物20の配置の自由度を高めるには益々有利になる。
【0047】
図8〜
図10に、本発明に係る第3の実施形態の作業台1Bを示す。
【0048】
図8に示すように、この作業台1Bは、天板2の上面よりも高い位置に配置されて面方向が水平方向で互いに対面する一対の防護壁6と、この一対の防護壁6の間に形成されるタグ収納部7とを備えている。
【0049】
この実施形態の天板2は、複数の棒状部材2aを互いに離間させて配設した柵状の天板2で構成されている。棒状部材2aは、作業台1Bの短手方向に延在配置されており、棒状部材2aの長手方向端部はそれぞれ梁部材3aの上面に溶接で接合されている。
【0050】
この実施形態では、天板2(棒状体2a)の上方に板状部材5が設けられている。板状部材5は面方向が水平方向になる状態で配置されており、梁部材3a、3bの上面と板状部材5の下面とが対面した状態になっている。梁部材3aの上方に配置された板状部材5の下面は、天板2(棒状部材2a)に溶接で接合されている。梁部材3bの上方に配置された板状部材5と梁部材3bの間には、天板2を構成する棒状部材2aとは別の棒状部材10が梁部材3bの短手方向に延在するように挟み込まれている。そして、梁部材3bの上面と板状部材5の下面がそれぞれ棒状部材10に溶接で接合されている。
【0051】
この実施形態では、この板状部材5の下面と梁部材3a、3bの上面とが、面方向が水平方向で互いに対面する一対の防護壁6を構成している。そして、この一対の防護壁6の間の空間がタグ収納部7となっている。この作業台1Bも、先に示した実施形態の作業台1、作業台1Aと同様に既存の作業台に防護壁6とタグ収納部7とを付設することによって製造することもできる。この作業台1Bを使用して被塗装物20のブラスト加工処理や塗装を行なう方法は先に示した第2の実施形態と同じである。
【0052】
この作業台1Bのように、面方向が水平方向の一対の防護壁6と、タグ収納部7とを天板の上面よりも高い位置に備えた構成にした場合にも先に示した第2の実施形態の作業台1Aと同様の効果を発揮することができる。この実施形態のように、タグ収納部7を天板2の上面よりも高い位置に設けると、被塗装物20とタグ21とを接続する針金22を短くできるので、被塗装物20の管理の作業性の向上を図るには有利になる。
【0053】
この作業台1Bでは、板状部材5と梁部材3a、3bとによって一対の防護壁6を構成しているが、例えば、天板2の上方に離間した位置に板状部材5を配置し、板状部材5によって構成される防護壁6と天板2とでタグ収納部7を形成することもできる。この場合には、タグ21の上面のみが防護壁6によって保護され、タグ21の下面は天板2によって支持されて保護されない状態となるが、研磨材や塗料を下から上に向って吹き付けない限り、研磨材や塗料はタグの下面に当りづらい状態となる。
【0054】
なお、上記で例示した第1〜第3の実施形態の作業台1、1A、1Bの構成は適宜組み合わせることができる。例えば、面方向が上下方向の一対の防護壁6で形成されたタグ収納部7と面方向が水平方向の一対の防護壁6で形成されたタグ収納部7のいずれか一方のみを備えた構成にすることもできるし、両者を備えた構成にすることもできる。また、例えば、防護壁6を板状部材5のみで構成した作業台にすることもできる。