(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる券売機(販売機)1の斜視図である。この券売機1は、例えば飲食店において客が商品(調理メニュー)に対応する食券を購入するために設置されるものである。
【0016】
同図に示すように、券売機1の正面上部には入力用のキー操作部となるタッチパネル11が設置されている。タッチパネル11には客が商品購入をはじめとする所定の操作を行うための画面が表示される。客はタッチパネル11に表示されている商品の絵やボタン等の画面を指でタッチ(押下)することで、所望の商品の食券を購入することができる。即ち、タッチパネル11は、注文するメニュー(商品)を選択入力する選択入力手段である。券売機1の正面のタッチパネル11の下側には、マイク(音声入力装置)13とスピーカ(音声出力装置)14とが設置され、その下側には、紙幣挿入口15、紙幣返却口17、硬貨投入口19、硬貨返却口21、食券取出口23、お釣り返却レバー25、呼出ボタン27等が設けられている。またタッチパネル11の側部には、文字入力部29が設置されている。
【0017】
マイク13は、利用者の声をそのまま音声データ(任意情報)として入力する任意情報入力手段である。スピーカ14は、利用者に券売機1の操作等についての情報を音声で出力するものである。紙幣挿入口15は入金に際して紙幣が投入され、紙幣返却口17からはお釣りや返金等の払い出し金の内の紙幣が排出される。硬貨投入口19は入金に際して硬貨が投入され、硬貨返却口21からは払い出し金の内の硬貨が排出される。食券取出口23からは食券が排出される。お釣り返却レバー25はお釣りの返却を指示するために操作されるレバーである。呼出ボタン27は例えば券売機1の動作にトラブルが生じているようなときに客が店員を呼び出すために操作されるボタンである。
【0018】
図2は券売機1のシステム構成の一例を示す図である。同図に示す券売機1のシステム構成は、CPU31、フラッシュメモリ33、RAM35、タッチパネル11、操作キー部37、マイク13、スピーカ14、通信部39、発券指示手段41、発券手段43、文字入力部29、紙幣処理部45、硬貨処理部47を備えている。
【0019】
CPU31は券売機1の処理動作全体を制御する制御手段である。RAM35は主記憶装置に該当するものであり、CPU31が演算処理を実行する際の作業領域として用いられる。またRAM35においては1回の入金に応じた入金金額、現在の残高等のデータを記憶する一時記憶エリアが設定される。RAM35には商品ファイルが記憶されている。
図3はRAM35に記憶される商品ファイルの一例を示す図である。同図に示すように商品ファイルは、各商品の商品コード(商品識別情報)、商品名、価格等の各種商品情報からなっている。フラッシュメモリ33は補助記憶装置に該当するものであり、CPU31が実行するプログラム(このプログラムには、下記する
図6の処理をCPU31に実行させる券売機用プログラムを含んでいる)の他、CPU31が演算処理に際して利用する各種の設定データ等が記憶される。なおフラッシュメモリ33に代えて、例えばハードディスク等の他の記憶装置を用いても良い。
【0020】
タッチパネル11はCPU31の制御によって所定の画面を表示する。またCPU31はタッチパネル11に対して行われた操作に応じて出力される操作信号に基づき所定の制御処理を実行する。このタッチパネル11は、発券する商品(メニュー)を選択入力する選択入力手段を構成する。操作キー部37は上記タッチパネル11と同様に入力用のキー操作部であり、
図1との対応ではお釣り返却レバー25及び呼出ボタン27に該当する。CPU31は操作キー部37(お釣り返却レバー25、呼出ボタン27)に対して行われた操作に応じて、お釣りの返却や店員呼び出しのための制御処理を実行する。通信部39は外部との通信を実行する送信手段(又は送受信手段)であり、例えばネットワークまたは専用回線を経由して外部装置と通信を行う機能を有する。有線、無線を問わない。
【0021】
発券指示手段41はタッチパネル11で選択された商品の食券の発行を制御して指示する手段であり、食券への印字内容等のデータ(文字入力部29等からのデータも含む)を発券手段43に送信する。発券手段43は、選択された商品についての必要な情報を食券の用紙に印刷し、印刷した食券を食券取出口23に排出する機構部を備えて構成されている。
【0022】
文字入力部29は手書きによる文字入力をそのまま下記する任意情報の画像データとして入力する任意情報入力手段となっている。入力には、タッチペン(スタイラペン)等の入力用デバイスを用いても良いし、直接指を押し当てて入力しても良い。
【0023】
紙幣処理部45は紙幣に関する処理全般を行う。具体的には、紙幣処理部45は紙幣の鑑定処理として、紙幣挿入口15から投入された紙幣の種別を判定する。また紙幣処理部45は紙幣挿入口15から投入された紙幣の金種毎の枚数をカウントする。また紙幣処理部45は釣銭の返却の際に、券売機1内部の紙幣収納庫に格納されている紙幣の内から必要な金種の紙幣を選別して必要枚数を紙幣返却口17に排出させる。
【0024】
硬貨処理部47は硬貨に関する処理全般を行う。具体的には、硬貨処理部47は紙幣処理部45と同様、硬貨の鑑定処理、硬貨の金種毎の枚数カウント、券売機1の内部に収納された硬貨の内から必要な金種の硬貨を選別して硬貨返却口21から排出する等の動作を実行する。
【0025】
図4は、券売機1を用いて構成される券売システム(販売システム)100を示す概略ブロック構成図である。この券売システム100は、店舗における商品管理システムでもある。同図に示すように券売システム100は、管理装置(ストアコントローラ)110と、券売機1と、POS端末(POSレジスタ)130と、キッチン端末150とを、LAN170を介して接続し、各装置間でデータ通信を行うように構成されている。LAN170は有線、無線の何れであっても良い。また券売機1、POS端末130、キッチン端末150は、何れも複数台設置しても良い。
【0026】
管理装置110は、券売システム100全体を制御するコンピュータであって、券売機1、POS端末130、キッチン端末150で用いられる各種データを管理しており、商品データなどを記憶し、適宜各機器に配信する。また管理装置110は、券売機1やPOS端末130で会計処理された会計済みデータを会計後に受信し、受信した会計済みデータを記憶し実績集計等を行う。
【0027】
POS端末130は、券売機1で販売する商品以外の商品を販売する際等に、店員(場合によっては客)が操作する端末であり、販売する商品の登録と会計とを行う。またこのPOS端末130によって券売機1で販売できる商品についてもその登録と会計が行えるようにしても良い。
【0028】
キッチン端末150は、この例では、商品の調理指示シートを印刷するキッチンプリンタであり、一般に調理場近傍に設置される。
図5はキッチン端末150の構成の一例を示す概略ブロック図である。同図に示すようにキッチン端末150は、CPU151と、ROM153と、RAM155と、印刷部157と、通信部159とを、バス161によって相互に接続して構成されている。CPU151は、各種プログラムを実行する。ROM153は、例えば、CPU151において実行される各種プログラム等を記憶する。RAM155は、例えば管理装置110から受信したファイル(例えば商品ファイル等)や、券売機1から受信したデータ(例えば、下記するメニュー情報や任意情報等)を一時記憶する。印刷部157は、調理指示シートを印字して出力する。通信部159は、LAN170を介して、他の装置と送受信を行うものである。そして、調理場で調理する店員は、キッチン端末150からプリントアウトされる調理指示シートに従って調理を行う。キッチン端末150は、券売機1で食券が発行される際、あるいはPOS端末130で商品を販売した際に送信される調理指示命令を受け取り、前記調理指示シートを印刷する。なおキッチン端末150は、キッチンプリンタの代りに、画像で調理指示を行う装置(キッチンモニタ)であっても良い。
【0029】
図6は、券売機1における券売処理の処理手順の一例を示す動作フロー図である。また
図7は、券売機1のタッチパネル11に表示される画面G1の一例を示す図である。そして、例えば
図7の画面G1をタッチして操作することで、タッチパネル11に表示されている各種メニュー(商品)の内の注文したい所望のメニューを選択、入力する(ステップST1−1)。選択・入力することで注文されたメニュー(商品)は、RAM35に記憶される(ステップST1−2)。
【0030】
次に、券売機1の文字入力部29に、前記タッチパネル11では指定できない利用者の細やかな要望である任意情報を、タッチペン又は直接指で、手書き入力する。
図8は、手書きされた文字入力部29の一例を示す図である。同図に示すように、文字入力部29の画面G2中のイメージ入力画面G21には、手入力による文字「ねぎだく」が表示されている。また画面G2中には、入力取消ボタンG23や入力完了ボタンG24も表示されている。即ち、手入力を行った後、入力完了ボタンG24を押下(タッチ)すれば、前記手書き文字のイメージ画像(画像情報)がデータとしてRAM35に記憶され(ステップST1−3,ST1−4)、ステップST1−5に移行する。手書き入力を行わない場合は、文字入力部29への入力を行わないことで、ステップST1−3から直接ステップST1−5に移行する。
【0031】
そして、タッチパネル11において、利用者が、その商品についての商品選択と手書き入力(実際に手書き入力を行った場合と行わなかった場合の両者を含む)を完了したと判断した場合は、例えばタッチパネル11上の図示しない「完了」ボタンを押下することで入力操作を完了し(ステップST1−5)、次のステップST1−6に移行する。一方、タッチパネル11上の図示しない「完了」ボタンが押下されるまではステップST1−3に戻り、任意情報が入力されるのを待つ。前記図示しない「完了」ボタンが押下されると、RAM35に、選択した商品(メニュー)に関するメニュー情報(商品コード、商品名、価格、取引番号等)の他に、任意情報の有無やその内容を、紐付けて記録する。
【0032】
次に、ステップST1−6において、次の商品を選択しない場合は、例えばタッチパネル11上の図示しない「食券発行」ボタンを押下することで、発券手段43によって、食券を発券する(ステップST1−7)。同時に、それまでに記憶した情報をLAN170を経由してキッチン端末150に直接、または管理装置110を介してキッチン端末150に送信する(ステップST1−8)。ここでそれまでに記憶した情報とは、前記タッチパネル11によって入力された1又は複数のメニュー情報と、これら各メニュー情報に紐付けられ前記文字入力部29によって入力された任意情報とである。
【0033】
前記情報を受信したキッチン端末150では、調理指示シートを印刷して排出する。
図9は、調理指示シートS1の一例を示す図である。各調理指示シートS1はハーフカット線C1によって連結されており、全ての調理指示シートS1に調理を指示されたメニューS11、個数S12、レシート番号S13等が印字されている。さらに任意情報が入力されたメニューについては、その手入力による文字そのものが任意情報S14としてそのまま印字されている。この調理指示シートS1においては、メニュー情報であるメニューS11の大きさよりも、任意情報S14の大きさの方を大きく表示することが好ましい。これにより任意情報S14を見逃し、顧客の要望に応えられずに不満を生じさせる、といった事態を減らすことができる。
【0034】
なお、前記ステップST1−6において、次の商品を選択する場合は、例えばタッチパネル11上の図示しない「注文続行」ボタンを押下することで、ステップST1−1に移行し、次の商品の選択を行う。
【0035】
以上説明したように、券売機1は、注文するメニュー(商品)を選択入力する選択入力手段(タッチパネル11及びタッチパネル11やCPU31を用いて行われるステップST1−1,ST1−2等)と、前記選択入力手段とは異なる入力方法(この例では手書き入力による方法)で任意情報(タッチパネル11では指定できない利用者の細やかな要望等)を入力する任意情報入力手段(文字入力部29及び文字入力部29やCPU31を用いて行われるステップST1−3,ST1−4等)と、前記選択入力手段で入力されたメニュー情報と、前記任意情報入力手段で入力された任意情報とを紐付けて外部(この例ではキッチン端末150やPOS端末130)へ出力する出力手段(CPU31を用いて行われるステップST1−8等)と、を備えて構成されている。これによって、例えば、「急ぎです」、「ねぎだく」、「汁なし」、「つゆだく」、といった任意情報を、メニュー情報と併せてPOS端末(サーバ)130やキッチン端末150等に容易且つ簡単に出力することができ、利用者の細やかな要望に応えることができる。
【0036】
また上記券売機1では、任意情報入力手段として手書き入力による手段を用いているが、これによって、簡易且つ確実に任意情報を入力することができ、またキッチン端末150等に出力でき、正確にその情報を伝達することができる。
【0037】
また上記券売機1では、メニュー情報と共に、任意情報入力手段で入力した内容を調理指示シート(券)S1に印刷するので、その内容を店員に容易且つ正確に把握させることができる。また、何らかの形で会員情報を取り込む(例えば、会員カードや非接触IDを読み取る、顔などの画像認識を行うなど)構成にしておけば、この会員情報に紐付けて任意情報を記録しておくことができるので、次回以降入店するときに履歴として参照できるようになる。これによって、次回以降の入店時に、任意情報の入力を省くことができ、操作時間を短くすることができる。
【0038】
ところで上記券売機1では、上記ステップST1−3,ST1−4において、手書き入力による方法(任意情報入力手段)を用いているが、その代りに、またはそれと共に、上記ステップST1−3、ST1−4において、音声入力による方法(任意情報入力手段)を用いても良い。即ち例えば、前記ステップST1−1,ST1−2において、券売機1のタッチパネル11を操作することで、所望のメニューを選択し記憶した際に、そのタッチパネル11の画面上に、例えばポップアップ画面を表示して、「ご要望がありましたら、音声入力ボタンにタッチして音声入力して下さい。」のような表示を所定時間行う。またはスピーカ14を利用して上記と同様の音声を出力する。そして前記ポップアップ画面中に表示された音声入力ボタンを押下して、券売機1の所定位置に設置したマイク13に任意情報を利用者の音声によって入力する。券売機1に入力された音声データは、RAM35にそのまま記録される(ステップST1−3,ST1−4)。
【0039】
そして、前記ステップST1−8において、注文したメニュー情報等と共に、前記音声データもキッチン端末150に送信する。前記音声データを入力したキッチン端末150では、例えばキッチン端末150において調理指示シートを発券するタイミングで、前記音声を出力させる。さらに例えばキッチン端末150から発券される調理指示シートに例えばバーコードや注文を識別する番号を印字しておき、それらをキッチン端末150に設置した図示しない読取手段によって再度読み取ったり、番号入力したりすることで、再度音声を聞くことができる構成等としても良い。
【0040】
以上のように、音声入力することにより、簡易に任意情報を入力することができる。音声は、上記のように、入力した音声のまま記憶させても良いが、その代りに、入力した音声を音声認識手段によって言葉(文字列)として認識させ、この認識した言葉をRAM35に記憶し、調理指示シート等に文字(活字等)で印字しても良い。
【0041】
また上記例では、キッチン端末150としてキッチンプリンタを用いたが、その代りに、キッチンモニタを用いた場合は、調理指示シートに印字する代わりに、モニタ上に調理指示内容を表示するので、それに合わせて上記任意情報を表示すれば良い。この任意情報には、下記する文字認識した言葉も含む。また、キッチンモニタの場合も、前記キッチンプリンタの場合と同様に、メニュー情報よりも任意情報を大きくモニタ上に表示することが好ましい。
【0042】
また上記例では、任意情報入力手段として、手書き入力を行う文字入力部29を用いているが、手書き入力の代りに、文字入力部29にキーパッドを表示して文字入力する構成としても良い。また上記例では、手書き入力した文字は画像データとしてそのまま記憶したが、その代りに、入力した文字を文字認識手段によって言葉(文字列)として認識させ、この認識した言葉を記憶させても良い。さらに文字入力部の代りに、動画を録画する撮影手段を任意情報入力手段としても良い。例えば日本語を読み書きできない外国人が、ボード中の複数の絵の中の何れかを指さし、これによって任意情報を認識できるように構成する。動画の内容は、例えばキッチンモニタで再生することによって、その要望を厨房等に伝える。また、カメラで録画したジェスチャー(全身の動き、手の動き、目線の動きなど)により、「つゆだく」などの量を表現したり、「つゆだく」などの量をメーターの量で設定可能にする(例えばビーカーの絵にどれだけ液体が溜まるかを示すような絵)などしても良い。
【0043】
また上記例では、注文するメニューを選択入力する選択入力手段としてタッチパネルを用いたが、例えば機械式のスイッチを押下することで注文を行う構成等、他の各種構成の選択入力手段であっても良い(任意情報入力手段についても同様である)。また任意情報の内容は、選択入力手段からの入力方法とは異なる入力方法(入力ルート)で入力する情報であればよく、場合によっては選択入力手段から入力される情報と同一の情報(例えばメニュー情報等)であっても良い。また上記例では出力表示手段としてキッチン端末を用いたが、出力表示手段はPOS端末でも、その他の外部機器でも良く、また券売機であっても良い。券売機の場合、食券やレシートにメニュー情報と任意情報を出力しても良い。またメニューとしては、飲食物に限らず、券売機を使用する各種商品であれば良い。
【0044】
以下の各発明は、それぞれ上記券売機1の発明と併せて、または上記発明とは別の独立した発明として、実施することができる。また下記する各発明において用いている券売機やタッチパネル等の各構成要素であって、前記券売機1で用いた各構成要素と同一の表現をしている構成要素は、符号を付していなくても同一又は相当する構成要素であり、以下で説明する事項以外の事項については、前記実施形態と同じである。
【0045】
〔他の発明(その1)〕
図10は、POS端末130の概略ブロック図である。同図に示すように、POS端末130は、このPOS端末130の動作を制御するCPU131と、客の買上情報等を記憶するハードディスク133と、CPU131が実行するプログラムを記憶するROM135と、種々の情報を記憶するRAM137と、タッチパネルになっていて商品の名称や価格等を表示すると同時に入力部(下記する入力部147と共に)になっている表示兼操作部139と、レシート印字部141と、現金や金券等を保管するドロワ部143と、LAN170を経由して管理装置110等の外部機器と通信する通信部145と、POS端末130を操作させる各種の操作キー等からなる入力部(キー入力部)147と、を備え、これら各構成要素を互いにバス149を介して接続して構成されている。そして、予め、一日の売上の目標値を設定し、この目標値をRAM137に記憶しておく。この例では、目標値を7万円とする。
【0046】
図11は、POS端末130において、会計キーを押下した際の動作フロー図である。同図に示すように、POS端末130において、その会計キー(表示兼操作部139に表示した会計キーでも良いし、入力部147に設けた会計キーでも良い)を押下して、その1つの会計処理を完了すると(ステップST2−1)、その会計処理による売り上げをそれまでの1日の全体の売上に加えて新たな売上合計を算出する(ステップST2−2)。そして、算出した売上合計が、前記目標値を初めて達成した場合は、目標達成時の会計完了キー音を出力する(ステップST2−4)。例えばその音は、「パンパカパン」のような特別な音(売上目標達成時のお知らせ音)とする。一方、ステップST2−3において、算出した売上合計が、前記目標値に至らない場合、または前記目標値を前回以前に既に超えている場合は、通常の会計完了キー音を出力する(ステップST2−5)。例えばその音は、「ガチャン」のような通常の会計完了時の音とする。
【0047】
このように構成すれば、目標達成を目標達成時に即座に店内にいる店員全員で知ることができ、店員の士気を高めることができる。特に例えばPOS端末130が複数台設置されていて、複数の店員がPOS端末130を操作しているような場合、売上目標を達成したPOS端末130以外のPOS端末130を操作している周囲の店員にも売上目標を達成したことをその場で認識できるので、POS端末130を操作している店員全体の士気の向上をより効果的に図ることができる。
【0048】
また設定により、売上が上がっていくに従って、段階的に会計完了キー音を変更していく(例えば段階的に音階を上げていく等)ように構成しても良い。また例えば、前記POS端末130で目標が達成されたときに、キッチン端末150(例えばその発券時)にキッチン端末150から目標達成時の音を発するように構成し、厨房での士気を高めるように構成しても良い。また音を発する代わりに(または音と共に)、キッチン端末150の印刷部157で印刷される調理指示シート(キッチンモニタの場合はその表示画面)に、売上目標を達成した旨を表示しても良い。
【0049】
〔他の発明(その2)〕
前記券売機1において、釣銭を払い出すタイミング(払い出しと同時又はその前後、
図6に示す例の場合は、ステップST1−7と同時又はその前後のタイミング)で、募金の勧誘を行うように構成しても良い。動作手順の一例としては、例えば、食券の取引終了(前記ステップST1−7,ST1−8)→お釣りボタンが押される(お釣りボタンを押下しなくてもお釣りが払い出される構成の場合はこの工程は不要)→募金専用ページをタッチパネル11に表示する、等である。募金専用ページには、例えば、「このお釣り、募金しませんか?」等の文言を表示する。利用者はこの表示を見て、券売機1の隣に設置してある募金箱に、お釣りを募金する。
【0050】
また券売機1からお釣りを払い出す前に、前記募金の勧誘を行い、お釣り(全部又はその一部)を券売機1から払い出さないで、その払い出さない金銭を募金するという方法を用いても良い(募金された金銭は、券売機1内に貯留される)。
【0051】
〔他の発明(その3)〕
高額紙幣(例えば一万円札)を入金できない券売機1の場合、券売機1のタッチパネル11の画面に、万札両替依頼ボタン(高額紙幣両替依頼ボタン)を設けるように構成しても良い。利用者が、このボタンを押下することで、例えば券売機1からキッチン端末150やPOS端末130に、万札両替依頼信号が送信され、キッチン端末150やPOS端末130に、万札両替依頼表示(高額紙幣両替依頼表示、例えば「両替要望あり」等の文言)を行う。
【0052】
これによって、店員は券売機1の所に行き、利用者の一万円札を、手交にて速やかに両替することができる。利用者は両替された貨幣を用いて券売機1を利用することができる。また、利用者が券売機1の所望のメニューを選択した後に、万札両替依頼ボタンを押下する構成としても良い。この場合も、店員が手交にて両替を行うが、その際、選択したメニューの料金分差し引いたお釣りを手渡すようにしても良い。
【0053】
〔他の発明(その4)〕
上記券売機1には、その食券取出口23から、店員のシフト情報、あるいは勤怠情報をシートに印字して出力する構成・機構を付加しても良い。ここでシフト情報とは、店員一人一人の勤務時間帯や曜日等のスケジュールを決めた情報をいう。また勤怠情報とは、店員一人一人の出勤と欠勤に関する情報をいう。この例の場合、券売機1は、
図4に示す券売システム100の管理装置110を介してクラウドに接続されており、クラウド側に集計されている前記シフト情報や勤怠情報を券売機1に取り込み、前記シートに印字し、出力する。
【0054】
これによって、券売機1の食券取出口23を、食券の発行のみでなく、店員のシフト情報や勤怠情報を得るためのシートの発行手段として兼用することが可能になる。
【0055】
〔他の発明(その5)〕
例えば飲食店を一人で運用しているような場合で、券売機の利用を停止したい場合がある。このような場合、従来は、店員が調理場を出て券売機まで行き、その販売画面の切り替え操作を行わなければならなかった。このため、調理場と発券機の往復が必要となり、店員の負担が大きくなっていた。また、店員が券売機へ移動するときに、券売機が注文を受け付けてしまい、終業の予定時刻を誤ってしまうことにも繋がっていた。
【0056】
本発明では、前記キッチン端末150として、キッチンモニタを用いる。キッチンモニタは、
図5に示すキッチンプリンタ150の印刷部157を、タッチパネルに変更した構成(他の構成は同一)を有する。タッチパネルは、券売機1からの調理指示を表示する表示手段であると同時に、所望の操作を指示する操作手段である。
【0057】
そしてこの発明の場合、前記キッチンモニタ(キッチン端末150)のタッチパネルに、図示しない券売機画面切替画面を表示する構成とする。券売機画面切替画面には、例えば、券売機1のタッチパネル11に表示する画面を、販売画面と販売中止画面と準備中画面の内から選択するボタンが表示されている。販売画面は、メニューを選択する画面であり、昼用販売画面や夜用販売画面や季節によって変更する画面等、種々の切り替えが可能となるように構成しても良い。販売中止画面は、例えば食材がなくなったメニューの販売を中止するような場合に表示する画面である。準備中画面は、店舗を開く前又は閉じる際に表示する画面である。
【0058】
そして、調理場にあるキッチンモニタのタッチパネルを操作することで、LAN170を介して券売機1を遠隔操作し、券売機1のタッチパネル11に表示する画面を所望の画面に切り換える。これによって、厨房と券売機1間を店員が往復しなくても良くなって店員の負担が軽減でき、また券売機1のタッチパネル11を迅速で的確な画面に容易に変更することができる。
【0059】
〔他の発明(その6)〕
券売機では、取引中に釣銭が出なくなったり、決済後の発券ができなかったり等、取引中の事故が発生することがある。このようなとき、従来の券売機のタッチパネルに表示されるジャーナル画面は、異常な取引情報があった場合でも、白黒表記しかできなかった。このため、店員は、利用者の証言とジャーナル情報とを照合するのであるが、異常な取引のジャーナルの記述を探すのに時間が掛かってしまっていた。
【0060】
そこでこの発明では、券売機1のタッチパネル11に表示されるジャーナル画面において、目立つように、文字と背景に色(色彩)を付けて色分け表示をする構成とした。即ち、色分けして目立たせる内容は、例えば、(1)“払出金額不明”、“未払い金額”等、取引の異常に関する表記、(2)釣銭回収、訂正処理等、出金に関する表記、(3)開店処理、閉店処理等、データの日付変更に関する表記、等である。
【0061】
このように色分け表示を行うことで、異常な取引の区別がし易くなり、店員の、記述を探す負担を軽減することができる。
【0062】
〔他の発明(その7)〕
従来、券売機を設置している店舗で、両替や商品説明を求める場合、客は、券売機の呼出ボタンを押下することで店員を呼び出していた。しかしながら、客と店舗とのコミュニケーション全てについて、店員を呼び出していると、呼び出して実際に券売機1まで店員が駆け付けるまでに時間が掛かるばかりか、駆けつけて客の説明を聞いてから対策を行うため、さらに対応に時間が掛かかってしまうという問題があった。
【0063】
そこで本発明では、券売機における呼出ボタンを押下することで、券売機のタッチパネル(画面)と、厨房のキッチンモニタのタッチパネル(画面)とのやり取りができる構成とし、利用者と店員とがコミュニケーション(質疑応答等)できるようにした。
【0064】
即ち本発明では、予め質問と回答のパターンを、クラウド等の記憶手段に登録しておき、これら予め用意した質問と回答のパターンを用いて利用者と店員間のコミュニケーションを行う構成とした。
【0065】
具体例を説明する。
例えば、利用者(客)が一万円札を両替したいと考えた場合を例に説明する。
この場合、利用者が券売機の呼出ボタンを押下することで、券売機のタッチパネルの画面に、例えば下記質問が表示される。
『どのようなお問い合わせでしょうか?選択してください。
質問ボタン1:一万円札を両替したい
質問ボタン2:五百円硬貨を両替したい
質問ボタン3:違う商品を押してしまった
質問ボタン4:商品の説明を聞きたい
質問ボタン5:券売機が使用できない
質問ボタン6:トイレを借りたい
質問ボタン7:戻る 』
【0066】
この表示に対して、利用者は、前記質問ボタン1を押下する。
質問ボタン1の押下によって、その質問内容がキッチンモニタに直接又は管理装置を介して間接に伝送され、厨房のキッチンモニタ(タッチパネル)に、利用者の質問内容と回答例とが、例えば下記のように表示される。
『呼出ボタンが押されました。
呼出内容:一万円札を両替したい
注意事項:店長のみ対応できる内容です。アルバイトのみの場合は、店長不在の為、両替は対応できません。を選択してください。
回答ボタン1:対応しますのでしばらくお待ちくださいますか?
回答ボタン2:列から離れてお待ち下さい。注文は係の者が直接受け付けます
回答ボタン3:申し訳ございません。釣銭不足の為、対応できません
回答ボタン4:店長不在の為、両替は対応できません
回答ボタン5:無視 』
【0067】
この表示に対して、店員は、前記回答ボタン1を押下する。
回答ボタン1の押下によって、その回答内容が券売機に直接又は管理装置を介して間接に伝送され、券売機(タッチパネル)に、店舗の回答と返答例とが、例えば下記のように表示される。
『お店の回答
対応しますのでしばらくお待ちくださいますか?
選択してください。
返答ボタン1:わかりました
返答ボタン2:待てないのでやめます 』
【0068】
この表示に対して、利用者は、前記返答ボタン1を押下する。
返答ボタン1の押下によって、その内容がキッチンモニタに直接又は管理装置を介して間接に伝送され、キッチンモニタに結果が、例えば下記のように表示される。
『呼出ボタンが押されました
呼出内容:〔一万円札を両替したい〕
店の回答内容1:〔対応しますのでしばらくお待ちくださいますか?〕
客の回答内容1:〔わかりました〕
対応方法
店長は、金庫から千円札10枚を取り出して対応して下さい。
これは、アルバイト店員にはやらせないでください。 』
【0069】
以上の質疑応答の結果、店長は一万円札の両替の為に、金庫から千円札10枚を取り出す。
【0070】
以上のように、券売機のタッチパネルと、キッチンモニタのタッチパネルを用いた相互の質疑応答により、利用者と店員とのコミュニケーションを円滑に行うことが可能になる。また、呼出ボタンを押下した質問の項目によって、商品説明等のバイト店員でも対応できる内容なのか、お金の扱い等が含まれていて店長でないと対応出来ない内容なのかの切り分けができるため、店舗の運用を円滑化できる。特に、忙しい時の対応の効率化を図ることができる。またキッチンモニタには対応方法が表示されるので、円滑な対応を行うことができる。
【0071】
〔他の発明(その8)〕
国や地域によって、好まれる券売機の明るさがある。つまり、日本の国民にとって最適な明るさでも、他国の国民にとって最適な明るさではない場合がある。
【0072】
そこでこの発明では、券売機のタッチパネルの画面に光量調整ボタンを表示させ、光量を調整できるようにした。光量調整ボタンは、券売機の画面に常に表示しても良いが、例えば言語を切り替えたときに表示させても良い。例えば、日本語画面から英語画面に切り換えた際、切り換えた英語画面に光量調整ボタンを大きく表示し(その際、画面自体の光量は少し落としても良い)、光量調整可能とする。これによって、各国民に最適な光量に調整した画面で券を発券することが可能になる。
【0073】
光量調整ボタンを表示する別のタイミングとして、券売機に対面した利用者が目を隠す行為を行ったときに、光量調整ボタンを表示するように構成しても良い。目を隠すということは、券売機の画面が明るすぎるということなので、その明るさを調整するために光量調整ボタンを表示する。目を隠す行為が生じたことを確認する手段としては、例えば、年齢認証に広く使われているカメラを券売機に設置し、これによって利用者の目を監視すること等によって行う。利用者が目を隠したことを認識すると、例えば画面の光量を押えて(落として)眩しくなくすると共に、光量調整ボタン(光量調整画面)を表示する。これによって、各人に最適な光量の画面に容易に調整することができる。
【0074】
〔他の発明(その9)〕
本発明は、利用者が券売機で食券を購入する際に、その利用者が、商品を受け取る時間を指定できる構成とした発明である。発券される券には、指定された時間を書き込む。このように構成すれば、利用者に都合のよいときに商品を受け取ることができる。逆に、店側において商品が完成する時間を指定してこれを券に書き込むように構成しても良い。このように構成すれば、商品が完成するまでの時間を、利用者が有効に利用できる。
【0075】
また券売機のタッチパネルに、例えば、「お急ぎ 500円」のような優先ボタン(お急ぎボタン)を表示し、この優先ボタンを押下して所定の料金(500円)を割増料金として入金するように構成しても良い。そして、このようにして券を購入した利用者の席待ちや配膳を優先的に行うようにする。
【0076】
〔他の発明(その10)〕
タッチパネルを有する券売機は雨に弱く、このためこの種の券売機を屋外に設置して使用すると、雨水の影響で故障につながる恐れがある。このため従来は、券売機のタッチパネルの画面に、「販売中止」や「準備中」と大きく表示させたり、券売機の電源をOFFにして、券売機の使用中止を表現している。しかしながら、券売機の使用中止をこのように表現すると、券売機は店舗の入口付近や店頭に設置されることが多いので、店舗自体が準備中であると利用客に勘違いされてしまい、売上の低下につながってしまう恐れがあった。特にタッチパネル型の券売機は、画面が明るくて目立つ為、影響が大きい。
【0077】
そこで本発明は、券売機のタッチパネルの画面に、「いらっしゃいませ、店内で注文を受け付けます」、「雨天の為、店内で注文を受け付けます」のような、現在営業していることを表示する、営業中表示画面を表示する構成とした。さらに、券売機に人が接近したことをセンサによって検知し、前記営業中表示画面と同様の音声を流すように構成しても良い。このように構成すれば、券売機は使用できないが、店舗は営業していることを利用者に知らせることができ、その営業が阻害されることを防止できる。
【0078】
〔他の発明(その11)〕
本発明は、発行する食券の偽造防止を効果的に図るため、以下のように券売機を構成する。即ち、券売機の食券の偽造防止策として、食券に偽造防止手段を設ける。偽造防止手段としては、香料を使用する。つまり、食券に香料を塗布し、且つ所定期間毎にその香料の種類を変化させる。前記所定期間としては、例えば、一日、半日等である。香料として食品の臭いを使用することで、食欲減退に繋がりにくくするのが好適である。即ち例えば、香料の種類としては、バターの匂い、醤油の匂い、マーガリンの匂い、コーヒーの匂い、チョコレートの匂い、イチゴの匂い、レモンの匂い等がある。
【0079】
また香料によっては、食欲減退を招く恐れがあるが、そのような恐れを防止するため、香料を塗布する部分を食券の片側のみとし、この塗布した片側部分を店員が切り取って回収することで、残った半券には匂いが残らない構成としても良い。
【0080】
所定期間毎に香料の種類を変化させることで、店員は食券の偽造に気付き易くなり、未然に損害を防止することができる。
【0081】
なお上記例では、香料を偽造防止手段としたが、香料以外でも、例えば、印や文字列を印字してこれを所定期間毎に変化させること、券に所定形状のカット(切り欠き、孔)を入れてこれを所定期間毎に変化させること、券に印刷するマークの色を所定期間毎に変化させること等、種々の偽造防止手段を用いても良い。
【0082】
〔他の発明(その12)〕
例えばテーマパークや観光施設の飲食店の場合、休日時の混雑や、団体客の急増等によって、急に利用者が増えることがある。団体客や家族客は、多人数で商品の選択と会計を行う傾向にあるため、一度に大量の注文が券売機に入ることになる。近年の飲食店では、人員不足で、このような事態に運営が追いつかず、その結果、飲食を提供するまでの時間が掛かり過ぎてしまうという問題があった。このような問題は、利用者の満足低下につながり、その飲食店の評価を低下させてしまうばかりか、店員に過密労働を強いてしまう。
【0083】
そこで本発明では、券売機にゲーム機能を搭載し、券売機での食券購入操作の途中に、ゲームできるようにし、食券購入までの時間を遅延させるように構成した。即ち、ゲームのプログラムを券売機の記憶手段に記憶させておき、例えば食券購入操作時に、そのタッチパネルにゲーム呼出ボタンを表示し、このゲーム呼出ボタンを押下することで、ゲームを開始できるようにする。ゲーム中の画面に、このゲームを停止できるゲーム停止ボタンを表示し、ゲームの途中であってもゲームをいつでも終了できるように構成する。用意するゲームは、例えば10秒〜30秒程度で完了する簡易的なもの(例えばくじ引きゲーム等の抽選手段)とし、勝利者には商品の割引や食券を付与できるように構成する。
【0084】
以上のように構成することで、店舗側では、1つの取引の購入操作時間を遅延できて、繁忙期に、注文速度が落ちて、店舗の運営を緩やかにすることができる。一方、利用客側は、待ち時間に楽しみが増えるので、待つことへのストレスが緩和される。
【0085】
〔他の発明(その13)〕
従来、券売機において、券の発券動作中に紙切れが発生すると、料金は入金されたが、券は発券されない状況になる場合があった。即ち一般に、券を印刷するロール紙には、ニアエンドマークが付されており、このニアエンドマークをニアエンドセンサが検知すると、所定の印字距離で印字を停止する。このため、店舗において常に正規のロールを使用していれば、上記のような問題は生じない。しかしながら、ロール紙を自作する店舗等もあり、そのような場合、ニアエンドセンサがニアエンドマークを検出した時点での残りの紙の長さが、正規品に比べて短い場合がある。そのような場合、券が発券されなかったり、ロール紙の芯の部分まで紙にしてしまったりする等の問題が生じる。そして上述のように券が発券されない場合、利用者は店員を呼ぶ等してその対応を求める。このため、利用者及び店員の両者に負担が掛かってしまう。
【0086】
具体的な例を説明する。まず、利用者が券売機に入金し、タッチパネルに表示されている所望のメニューを選択・押下する。これによって券売機は発券動作を行うが、紙切れの為、券を排出できず、タッチパネルに「販売中止」が表示される。このため利用者は、呼出ボタンを押下することで、店員を呼び出し、自分がお金を入金していること、食券が出てこないことを店員に伝える。店員は利用者の話から、ジャーナルか監視カメラで入金を確認する。そして店員は利用者に返金する等の対応を行う。
【0087】
そこで本発明においては、券売機の発券手段において、ニアエンドセンサがニアエンドマークを検出した後に、例えば下記の何れかの条件(発券停止条件)に当てはまれば、この券売機による券の販売を中止するように制御する構成とした。
(1)発券する券の枚数(指定枚数)
(2)発券するシートの距離(指定距離)
(3)現在の発券動作の終了
(1)の指定枚数や(2)の指定距離は、タッチパネルに表示した専用画面によって設定・変更可能に構成する。
【0088】
このように構成すれば、券売機において、券の発券動作中に紙切れすることが無いので、利用者及び店員の両者の負担を軽減することができる。
【0089】
具体的な例を説明する。ここで券売機は、既にニアエンドセンサがシートのニアエンドマークを検出していて、あと1枚の発券で販売中止になるタイミングであるとする。即ちまず、利用者が券売機に入金し、タッチパネルに表示されている所望のメニューを選択・押下する。これによって券売機は発券動作を行い、発券する。利用者は券を受け取る。これによって、前記後1枚の発券が終了したことになるので、券売機はその後の入金を受け付けず、タッチパネルには例えば「販売中止」と表示する。これによって、ジャーナルや監視カメラで入金を確認したり、利用者に返金したりする等の煩雑な対応を回避することができ、シートの交換のみを行えばよくなり、利用者及び店員の両者の負担を軽減することができる。
【0090】
〔他の発明(その14)〕
従来、キッチンモニタは、厨房における作業指示(注文内容)を表示する装置である。本発明は、このキッチンモニタに業務上のタスクを表示するように構成し、これによって店内の業務の円滑化を図ることとした。前記業務にかかるメッセージは、クラウドや、メールから送信するようにする。
【0091】
例えば、キッチンモニタに、「14:00に店長に電話して下さい」や、「都合のいい時に早めに電話下さいby情報管理部」や、「16:00に現金回収をする」等を表示する。
【0092】
このようにキッチンモニタに業務上のタスクを表示するように構成すれば、キッチンモニタを用いて、調理指示ばかりでなく、業務上の情報を伝達でき、店舗の運用に関する連絡を円滑に行うことができる。
【0093】
〔他の発明(その15)〕
従来、商品持ち帰りの店舗で、商品の提供まで時間がかかる場合、利用者は、店舗の前やカウンターの周辺で待機しなければならなかった。
【0094】
そこで本発明では、商品提供の情報を、会員カードに紐付けした連絡先に連絡するように構成した。具体的には、会員カード(会員証、カード以外の媒体でも良い。以下の発明でも同様)を使用して決済を済ませた場合、商品を提供できること(商品が完成したこと)を、会員カードに登録されている連絡先に連絡する機能を設ける構成とする。例えば連絡先がメールアドレスであれば、指定のメールアドレスに、商品が提供できるという情報を、メールにて自動送信する。また連絡先が電話番号であれば、指定の電話番号に、商品が提供できるという情報を、自動音声にて報知する。
【0095】
例えば、券売機において所望の持ち帰り商品を選択して、会員カードを使用して決済を済ませる。このとき、券売機のタッチパネルの画面に、以下のような表示を行う。
『提供の準備ができましたら連絡します。よろしいですか?(平均30分待ち)
複数ある場合は何れかを選択して下さい。
□携帯Eメール:○○○@○○.jp
□携帯番号:03−○○○−○○○○
□LINE:XXAABB
□連絡不要 』
【0096】
そして利用者が何れかの選択肢を選択してこれを押下すれば、商品が完成した際(例えばキッチンモニタに表示されている商品を店員が押下して、その完成を入力した際)に、選択した連絡先に、商品提供の情報を送信する。
【0097】
このように構成すれば、商品の完成まで利用者が券売機の付近で待っている必要がなくなり、例えばショッピングモール等で利用する場合、待ち時間中に買物等をすることができる。
【0098】
〔他の発明(その16)〕
この発明は、会員カードを利用して券を購入した際に、今月の利用合計額を食券に印字する発明である。即ち例えば、券売機で会員カードを使用して決済を済ませた場合、券売機は、LANによって接続されている管理装置(ストアコントローラ)やクラウドにこの会員カードによって今月購入された利用合計金額を問い合わせる。このとき、今回の利用金額も同時に管理装置やクラウドに送信する。管理装置やクラウドは、前記券売機からの問い合わせに応じて、前記会員カードの今月の利用合計金額(今回の利用金額も含む)を算出し、券売機にそのデータを送信する。券売機は、今回購入した商品名等と共に、受信した今月の利用合計金額を、券に印字して排出する。
【0099】
例えば、食券には以下のような内容を記載する。
『お客様控え 2016.□□.△△
スタンダードラーメン
450円
前回までのポイント 368点
今回のポイント 5点
総ポイント 373点
今月のお買い上げ額 \6,520
今月あと480円お買い上げで来月はポイント3倍です』
【0100】
この例の場合、利用合計金額の他に、この会員カードに貯められたポイントも印字している。このように構成すれば、食券を購入する度に、この会員カードによるその月の利用合計金額が分かるので、利用者にとって便利である。また利用合計金額と共にポイントも表示することで、両者の関係が明確となり、的確なポイントの貯め方等も容易に把握することができる。即ち、利用者にとって有効な情報を提供できる。
【0101】
〔他の発明(その17)〕
この発明は、券売機のタッチパネルに、店舗お手伝い画面を表示し、この店舗お手伝い画面に表示した作業内容に関するボタンを押下することで、作業内容に応じた作業対応チケットを発行する発明である。
【0102】
例えば、会員カードを券売機の読取部に当てることで、会員専用画面を表示させる。次に会員専用画面中に表示されている店員ヘルプボタンを押下することで、店舗お手伝い画面を表示させる。店舗お手伝い画面には、例えば、〔トイレ清掃〕、〔床清掃〕、〔皿洗い〕、〔フロア清掃〕等、現在お手伝いしてもらいたい作業内容に関するボタンが表示されている。そして例えば、床清掃を行った(またはこれから床清掃を行う)会員は、前記〔床清掃〕ボタンを押下することで、作業対応情報を入力する。これによって作業対応チケットが印字され、券売機の食券取出口から排出される。券売機の上記作業対応情報は、管理装置に送信され、記憶されるので、店長は、その作業対応情報と、実際の清掃時間や清掃の品質を見極め、作業を行った会員に対し、作業に応じた入金手続きを後日行う。
【0103】
このように構成すれば、アルバイト等を行いたい会員と、アルバイト等を求める店舗間において、券売機を媒介として、スムーズな取引を行うことができる。
【0104】
〔他の発明(その18)〕
本発明は、券売機を香典の収集機(受付機)として利用する発明である。即ち例えば、券売機を葬儀場の受付に設置し、そのタッチパネルに、受付画面を表示する。受付画面には、例えばこの券売機にて受付を行うことや、タッチペンや指による手入力(氏名や住所の手入力)を文字入力部において行うことや、紙幣挿入口や硬貨投入口から香典を受け付けること等を表示する。
【0105】
そして前記文字入力部に、手書きで氏名や住所を記載することで、その文字入力データを券売機の記憶手段に記憶し、一方紙幣挿入口や硬貨投入口から投入された香典の金額を算出してそのデータを前記住所氏名と紐付けて記憶手段に記憶する。一方、前記住所氏名と香典の金額とを紐付けて記憶した後、券(受付票)を発券する。券には、会葬御礼の表示や、住所氏名や、香典の金額等を印字する。これによって、会葬いただいた人の正確な情報と、香典の額の正確な情報が得られるばかりか、香典の紛失などの問題も確実に防止することができる。また券を受け取った人にとっては、領収書代わりにもなる。
【0106】
〔他の発明(その19)〕
本発明は、タッチパネル式の券売機において、所望の商品を選択した際、その画面に、選択した商品の絵を大きく表示し、この絵に直接文字や絵を書き込みできる構成としたものである。利用者は、この絵に、所望の細かい注文を書き込む。書き込まれた内容は、キッチンモニタ等の店舗側に設置したモニタにこれを表示し、利用者の要求に応えた商品を作成する。
【0107】
このように構成すれば、利用者の詳細な要望(詳細なレイアウト等)を店員が容易に理解することができ、利用者の満足度を向上させた商品を提供することができる。店員の為に、モニタに表示した画面をプリント(カラープリント)できるようにプリンタを設置(又はモニタにプリンタ機能を搭載)してもよい。また利用者の為に、出力された券に前記絵を印字しても良い。これによって、例えば、多彩なトッピングを注文できるラーメン店において、トッピングの配置や種類を絵で明確に示したラーメンを注文したり、ネイルアートの店において、爪のデザインを絵で明確に示したネイルアートを注文したりすることができる。
【0108】
〔他の発明(その20)〕
店舗に、強盗が押し入ったとき、券売機を破壊されることがある。券売機を破壊されると、券売機の修理の為、時間と修理費用がかかり、店舗の運用再開に支障を来たしてしまう。
【0109】
そこで本発明では、厨房のキッチンモニタからの遠隔操作によって、下記のような操作を行えるようにした。即ち、強盗による券売機の損傷を軽減するためのモードをキッチンモニタに設ける。例えば、(1)券売機内部の紙幣や硬貨を収納している金庫のロックを遠隔操作で解除する、若しくは、券売機から緊急時用の金庫のカギを発射させる。(2)強盗が券売機の現金を取り易いように、券売機のタッチパネル画面に金庫を開けるための操作案内を表示する。この案内には、損傷の少ない壊し方等を含める。(3)硬貨を全て回収箱へ落として、強盗が取り易いように促す。(4)予め指定した金額を設定して払い出す。
【0110】
一方、強盗を攻撃するためのモードを設ける。例えば、(1)券売機の内部にカメラを内蔵させて強盗の写真を取る。即ち、券売機内部にカメラを内蔵させておき、券売機の中を開くと強盗の写真を撮影する。(2)アラートを管理会社等に送信する。(3)紙幣と硬貨をペイントするペイント機構を内蔵させる。(4)強盗へカラーボールを発射する発射機構を設ける。(5)券売機のタッチパネルにアラート画面を表示する。(6)警告音を鳴らす。(7)警察へ通報すると同時に管理会社のコールセンターに連絡する。
【0111】
〔他の発明(その21)〕
本発明は、店員等が券売機の金庫を開いた際に、写真を撮影する構成としたものである。これによって店員による内引きを防止することができる。
【0112】
〔他の発明(その22)〕
本発明は、券売機のタッチパネルに、商品の感想等を表す文字(文章)を表示できる構成としたものである。例えば、券売機のタッチパネルに表示した販売画面において、所望の商品を押下してその商品を選択した際、選択した商品について、それまでに利用した利用者の感想(文章など)が、テロップのように流れて表示するように構成する。また新たに利用した利用者が新たな感想を入力することができるようにする。
【0113】
〔他の発明(その23)〕
券売機の操作案内の表示方法について、券売機に異常が発生したときに、数字からなるエラーコードからその操作案内を表示する方法や、店員自らが目次画面からその操作案内を表示する方法がある。このような時に、上記エラーコードや目次等の閲覧回数を記録してランキングを表示するように構成すれば、どのような項目が良く利用されているかを簡単に確認でき好適である。閲覧される項目は、エラーに限らない。
【0114】
〔他の発明(その24)〕
従来、券売機では、鍵スイッチにより販売画面と管理画面の切替操作を行っている。コストの都合で、鍵スイッチは、端末共通で、同型の鍵にて運用されている。しかしながらこのように構成すると、管理画面の操作により、不正に出金操作が行われ、不正に出金されてしまう虞がある。即ち、従来の操作手順は、例えば、〔鍵スイッチON〕→〔管理画面(管理メニュー)表示〕→〔紙幣と硬貨の払出操作〕の操作手順となり、同型の鍵スイッチを用いれば、出金を行うことが可能となっていた。
【0115】
そこで本発明では、鍵スイッチをONにして管理画面へ遷移する前に、パスワード認証画面を表示する構成とした。これによって、不正な出金操作等を防止することができる。パスワードは、これを変更できる画面を用意しておき、これによってさらに不正防止効果を高めることが好ましい。またこのパスワードは暗号化せずに、券売機内の規定のテキストファイルに保存しておけば、店員がパスワードを失念したときに、保守担当者がパスワードを判断できるようになる。即ち、本発明の操作手順は、例えば、〔鍵スイッチON〕→〔パスワード認証画面〕→〔管理画面(管理メニュー)表示〕→〔紙幣と硬貨の払出操作〕の操作手順となる。これによって鍵スイッチだけでは管理画面へ遷移できなくなり、不正操作を効果的に防止することができる。
【0116】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。