(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6720811
(24)【登録日】2020年6月22日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】照明器具用架台
(51)【国際特許分類】
F21S 8/08 20060101AFI20200629BHJP
F21V 21/116 20060101ALI20200629BHJP
F21W 131/103 20060101ALN20200629BHJP
【FI】
F21S8/08 420
F21V21/116
F21W131:103
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-193010(P2016-193010)
(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-56043(P2018-56043A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】辻 正賢
(72)【発明者】
【氏名】樋口 暁紀
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭48−052372(JP,U)
【文献】
特開2013−251062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/08
F21V 21/116
F21W 131/103
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具を被取付部材に取り付けるための照明器具用架台において、
前記照明器具を設置するための取付部と、
前記取付部の両側部にそれぞれ設けられた、前記取付部を補強する2つの補強部と、
2つの前記補強部との間を連結する連結部と、
を備え、
前記補強部は、直角三角形状をなし、直角三角形状の斜辺が内側に窪むように曲線を描く形状であり、
前記取付部の一端側は、台形形状に切り欠かれており、
2つの前記補強部の端部のうち、前記取付部の前記一端側の端部が前記被取付部材に押し付けられたとき、2つの前記補強部が互いに広がる方向に働く力を前記連結部が抑制することを特徴とする照明器具用架台。
【請求項2】
前記連結部の一方の端辺は、前記取付部を正視したとき、前記台形形状の切り欠かれた切欠端と同一直線状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具用架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具をポールや壁面などに取り付けるための照明器具用架台に関する。
【背景技術】
【0002】
投光器などの照明器具を支柱に取り付ける方法として、例えば特許文献1に記載のような投光器架台などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−17202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の投光器架台では、支柱に取り付ける台取付バンドと、照明器具を設置する投光器取付板が複雑な構造で取り付けられており、組み立て作業が複雑で、重量も重かった。
また、簡易な構造として金属板を折り曲げて形成された架台も存在するが、架台の重量が重かった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、照明器具を設置する照明器具用架台を簡易な構造としながら、軽量化する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具用架台は、照明器具を設置するための取付部と、この取付部の
両側部
にそれぞれ設けられ
た、取付部を補強する
2つの補強部と、
2つの補強部との間を連結する連結部と、を備え、補強部は、直角三角形状をなし、直角三角形状の斜辺が内側に窪むように曲線を描く形状
であり、取付部の一端側は、台形形状に切り欠かれており、2つの補強部の端部のうち、取付部の前記一端側の端部が被取付部材に押し付けられたとき、2つの補強部が互いに広がる方向に働く力を前記連結部が抑制する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、補強部の形状に曲線を形成することにより、簡易な構造で、照明器具を取り付ける取付部を補強するとともに、軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具用架台100をポール300に設置した状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1の照明器具用架台100を側面から見たときの状態を示す側面図である。
【
図3】
図1の照明器具用架台100を上面から見たときの上面図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具用架台100を示す斜視図である。
【
図5】
図4の照明器具用架台100を他の角度から見たときの斜視図である。
【
図6】
図4の照明器具用架台100の五面を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)は背面図である。
【
図7】実施の形態1に係る照明器具用架台100を壁面400に設置した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図1の照明器具用架台100を側面から見たときの状態を示す側面図である。
【
図9】
図1の照明器具用架台100を上面から見たときの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
本実施の形態について、
図1〜
図9を用いて説明する。
この実施の形態の架台100は、照明器具200を電柱、支柱などのポール300や壁面400に取り付けるためのものである。
【0011】
架台100は、照明器具200を設置するための取付部110と、この取付部110の両側にそれぞれ設けられる2つの補強部120と、この2つの補強部120同士を連結する連結部130と、照明器具200を取付部110に固定する照明器具締結具140と、照明器具200が落下するのを防止するための落下防止具150を有する。この架台100は、例えば、1mm〜4mm厚の金属板を折り曲げ加工、プレス加工、溶接加工などにより形成する。
【0012】
また、取付部110は、一端側にポール300が取り付けられるように台形状に切りかかれた取付端部111と、照明器具200を取り付けるための照明器具取付穴112と、落下防止具140が取り付けられる落下防止具取付穴113が形成される。
【0013】
取付端部111は、切りかかれた台形形状のうち、上辺部分がポール300に当接する切欠端111aである。
【0014】
補強部120は、取付部110から略垂直方向に立設された立設部121と、この立設部121のうち、ポール300が取り付けられる一端側に形成された壁取付部122と、を有する。
【0015】
立設部121は、ポール300が取り付けられる一端側に、2つの長方形状、楕円形状または長円形状の長穴121aが形成される。この長穴121aは、バンド500によって、ポール300に架台100を締結するためのものである。
【0016】
立設部121は、略直角三角形状をなし、底辺121bに相当する部分が取付部110に接し、高さ121cに相当する部分がポール300に当接するとしたとき、斜辺121dに相当する部分は、曲線を描く形状となっている。この曲線は、底辺121b、高さ121c側に窪んだ放物線を描いている。このように、斜辺121dを曲線とすることによって、立設部121の面積(体積)を少なくすることができ、重量を軽くすることができる。また、斜辺121dに角部を有するように立設部121の面積を小さくすると、この角部に応力が集中しクラックが入る恐れがあるが、曲線で形成しているので、応力が集中せずに分散されるため、斜辺121dを直線とした場合と比べても立設部121の強度が落ちることなく、ほぼ同等の強度を保つことができる。
【0017】
壁取付部122は、架台100の外方に向かって突出するように形成され、壁面400に取り付けるためのネジ、ボルトなどの壁面締結具410が挿入される固定穴122aが形成される。
【0018】
連結部130は、平面部131が形成され、この平面部131が取付部110に対して略平行となるように、補強部120に取り付けられる。この連結部130の端辺131aは、架台100がポール300に取り付けられたとき、ポール300に接触する。つまり、連結部130の一方の側端部(端辺131a)は、取付部110を正視したとき、台形形状の切り欠かれた切欠端111aと同一直線状に配置されている。これにより、架台100がポール300に取り付けられたとき、取付部110の一端と、立設部121の一端とともに、連結部130の端辺が接触するので、架台100は、ポール300に対して安定した状態(ガタツキやポール300に対する傾きが少ない状態)で取り付けられることができる。
【0019】
照明器具締結具140は、ネジ穴が照明器具取付穴112と連通するように、取り付け部110に溶接、溶着または接着されたナット141と、このナット141に締結されて、照明器具200を固定するボルト142と、を有する。
【0020】
落下防止具150は、照明器具200に巻きつけられるワイヤー151と、このワイヤー151が取り付けられる落下防止取付金具152と、落下防止具取付穴113に挿入され、落下防止取付金具152を取付部110に締結する落下防止締結具153とを有する。この落下防止具150は、照明器具200を取付部110に固定している照明器具締結具140が万が一外れた場合に、照明器具200が地面などに落下するのを防止するためのものである。
【0021】
落下防止締結具153は、ナット153aとこのナット153aに締結されるボルト153bとを有する。
【0022】
次に照明器具200をポール300に取り付けるための架台100の取り付け方法について説明する。
まず、ポール300に架台100の端部である取付部110の一端側(取付端部111)と、補強部120の一端側(高さ121c)と、連結部130の端辺131cを接触を当接させる。この状態で、バンド500を、2つの補強部120の長穴121aを連通するようにして、ポール300に巻きつける。なお、長穴121aは補強部120にそれぞれ2つ存在するので、バンド500を2本使用して締め付けることにより、架台100をポール300に締結する。
【0023】
次に、架台100の取付部110に照明器具200を載せ、ボルト142を照明器具取付穴112に挿通して、ナット141に締結することにより、照明器具200を架台100に設置する。
【0024】
このとき、取付部110に取り付けられた照明器具200の加重が取付部110にかかり、取付部110が変形しようとする。しかしながら、この取付部110は、補強部120により補強されているので、取付部110の変形が抑制される。なお、補強部120は、取付部110の変形を抑制するために応力がかかり、補強部120の斜辺121dにも加重がかかるが、上述のように、斜辺121dが曲線で形成されているので、その加重による応力が分散される。従って、補強部120を軽量化するとともに、取付部110の変形を抑制することができる。
【0025】
また、照明器具200の加重によって、補強部120がポール300に押し当てられたとき、補強部120同士が広がる方向に力がかかるが、2つの補強部120を連結部130によって連結することにより、2つの補強部120が広がるのを抑制することができる。
【0026】
最後に照明器具200を壁面400に取り付けるための架台100の取り付け方法について説明する。
【0027】
壁面400には壁面取付具410が設けられている。この壁面取付具410は、例えば予め壁面400に取り付けられているアンカーボルト411と、このアンカーボルト411にネジ留めされるナット412からなる。
まず、アンカーボルト411に取り付けられるナット412を外し、このアンカーボルト411を固定穴122aに挿入させる。これにより、壁面取付部122は、壁面400に面接触する。
次に、アンカーボルト411から外したナット412をアンカーボルト411に締め直し、壁面400とナット412で、壁面取付部122を挟み込み、架台100を壁面400に取り付ける。
次に、壁面400に固定した架台100に照明器具200を設置するが、照明器具200を架台100に取り付ける方法及び作用効果は、架台100をポール200に取り付ける場合と同様であるため、説明を省略する。
【符号の説明】
【0028】
100 架台、110 取付部、111 取付端部、111a 切欠端、112 照明器具取付穴、113 落下防止具取付穴、120 補強部、121 立設部、121a 長穴、121b 底辺、121c 高さ、121d 斜辺、122 壁取付部、122a 固定穴、130 連結部、131 平面部、131a 端辺、140 照明器具締結具、141 ナット、142 ボルト、150 落下防止具、151 ワイヤー、152 落下防止取付金具、153 落下防止締結具、153a ナット、153b ボルト、200 照明器具、300 ポール、400 壁面、410 壁面取り付け具、411 アンカーボルト、412 ナット、500 バンド。