(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ルート導出部は、前記推奨ルート上に通行の支障となる現象に関する情報を取得すれば、前記推奨ルート上に通行の支障となる現象に関する情報に基づき、前記推奨ルートを改めて導出する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る情報表示システムに含まれる画像形成装置を複合機に適用した場合の複合機を含む情報表示システム24の外観を示す概略図である。
図2は、
図1に示す情報表示システム24の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1および
図2を参照して、情報表示システム24は、画像を形成する画像形成部15を含む第1電子装置としての複合機11と、情報を表示する表示部としてのタッチパネル45を含む第2電子装置としての携帯端末装置41とを含む。携帯端末装置41としては、たとえば、スマートフォンやタブレットPC等が挙げられる。
【0014】
まず、複合機11の構成について説明する。複合機11は、複合機制御部12と、操作部13と、第一の読取部14と、画像形成部15と、給紙カセット16と、手差しトレイ17と、ハードディスク18と、ネットワーク23と接続するためのネットワークインターフェース部19とを備える。複合機制御部12は、複合機11全体の制御を行う。なお、複合機制御部12は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、一時的にデータを記憶する主記憶メモリ20を含む。操作部13は、複合機11側から発信される情報やユーザーの入力内容を表示するタッチパネル型式の表示画面21を含む。操作部13は、印刷部数や階調等の画像形成の条件といった画像形成に関するユーザーからの入力を受付ける。第一の読取部14は、セット位置にセットされた原稿を読取位置に搬送する原稿搬送装置としてのADF(Auto Document Feeder)22を含む。第一の読取部14は、ADF22または載置台上にセットされた原稿の画像を読取る。給紙カセット16は、複数設けられており、それぞれ複数枚の用紙をその内部に収納することができる。手差しトレイ17は、複合機11の側部に設けられており、手差しで画像を形成する用紙をセットすることができる。給紙カセット16および手差しトレイ17はそれぞれ、後述する第一世代の原稿をセットさせる原稿セット部として作動する。画像形成部15は、第一の読取部14により読取られた原稿の画像データやネットワーク23を介して送信された画像データを基に、給紙カセット16や手差しトレイ17から搬送されてきた用紙に画像を形成する。ハードディスク18は、送信された画像データや入力された画像形成条件等、画像形成に関するデータを記憶する。なお、上記した第一世代の原稿は、地図を示した地図原稿である。
【0015】
次に、複合機11に備えられる複合機制御部12の構成について説明する。
図3は、複合機制御部12の構成を示すブロック図である。
図3を参照して、複合機制御部12は、入力受付部31と、第二世代画像情報生成部32と、画像情報マーク生成部33と、画像形成制御部34とを備える。入力受付部31は、第一の読取部14により読取られた第一世代の原稿に対してユーザーの要求するユーザー情報の入力を受付ける。上記した操作部13は、入力受付部31として作動する。第二世代画像情報生成部32は、入力受付部31により受付けられたユーザー情報、および第一の読取部14により読取られた地図原稿に基づいて、地図原稿に関連する第二世代の原稿の画像情報を生成する。画像情報マーク生成部33は、第二世代画像情報生成部32により生成された第二世代の原稿の画像情報を地図原稿の画像に盛り込んだ画像情報マークを生成する。画像形成制御部34は、画像情報マーク生成部33により生成された画像情報マークを原稿セット部によりセットされた第一世代の原稿に上書きして画像形成部15により画像情報マークの画像を形成するよう制御する。
【0016】
また、第二世代画像情報生成部32は、地図情報取得部35と、ルート導出部36とを含む。地図情報取得部35は、第一の読取部14により読取られた地図原稿の画像のうち、地図の縮尺の情報である縮尺情報および地図によって示された位置の情報である位置情報を取得する。ルート導出部36は、地図情報取得部35により取得された縮尺情報、位置情報、入力受付部31により入力を受付けられた出発地情報、および目的地情報に基づいて、出発地から目的地に至る推奨ルートを導出する。また、画像情報マーク生成部33は、ルート導出部36により導出された推奨ルートの情報を第二世代の原稿の画像情報として盛り込んで画像情報マークを生成する。これらの構成については、後に詳述する。
【0017】
次に、携帯端末装置41の構成について説明する。携帯端末装置41は、携帯端末装置制御部42と、ネットワーク23と接続するための携帯端末装置ネットワークインターフェース部43と、携帯端末装置記憶部44と、情報を表示する表示部としてのタッチパネル45と、画像情報マークを付加された原稿の画像を読取る第二の読取部46とを備える。携帯端末装置制御部42は、携帯端末装置41全体の制御を行う。携帯端末装置記憶部44は、画像データや種々のデータを記憶する。タッチパネル45は、携帯端末装置41の情報を表示すると共に、入力のインターフェースとなる。第二の読取部46は、タッチパネル45と反対側の面に設けられたカメラ機構で対象となる原稿の画像を撮影することにより、原稿の画像を読取る。なお、第二の読取部46は、画像情報マークを付加されていない通常の原稿の画像も読取可能な構成である。
【0018】
次に、携帯端末装置41に備えられる携帯端末装置制御部42の構成について説明する
図4は、携帯端末装置制御部42の構成を示すブロック図である。
図4を参照して、携帯端末装置制御部42は、判断部51と、抽出部52と、表示制御部53とを備える。判断部51は、第二の読取部46により読取られた地図原稿の画像に画像情報マークがあるか否かを判断する。抽出部52は、判断部51により画像情報マークがあると判断されれば、第二世代の原稿の画像情報を複合機11の第二世代画像情報生成部32から抽出する。表示制御部53は、第二の読取部46により読取られた地図原稿の画像に、抽出部52により抽出された第二世代の原稿の画像情報を合わせてタッチパネル45に表示するよう制御する。これらの構成についても、後に詳述する。
【0019】
次に、上記した情報表示システム24を用いて、第一世代の原稿として地図を示した地図原稿に基づいて携帯端末装置41に推奨ルートを表示する場合について説明する。
【0020】
図5は、地図原稿に基づいて携帯端末装置41に推奨ルートを表示する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図5を参照して、まず、ユーザーは、地図原稿をADF22にセットする。複合機制御部12は、地図原稿のセットを検知し、操作部13のスタートキーの押下を検知すると、第一の読取部14により地図原稿の画像を読取る(
図5において、ステップS11、以下、「ステップ」を省略する)。
【0021】
ここで、第一の読取部14によって読取られる第一世代の原稿である地図原稿について簡単に説明する。
図6は、地図原稿の一例を示す図である。なお、地図原稿は、上側が北の方角である。
図6を参照して、地図原稿61には、南北方向に延びる線路62によって繋がっている第一の駅63aと第二の駅63bとが示されている。すなわち、第一の駅63aの隣の駅が第二の駅63bとなる。第一の駅63aの方が北側に位置している。地図原稿61には、それぞれ南北方向に間隔を開けて設けられ、東西方向に延びる二本の道路64a、64bと、それぞれ東西方向に間隔を開けて設けられ、南北方向に延びる二本の道路65a、65bとが示されている。道路65bは、線路62に沿って延びている。道路64aと道路65bとの交差点に第一の駅63aが位置する。道路64bと道路65bとの交差点に第二の駅63bが位置する。また、地図原稿61には、道路65a沿いであって道路64b側に近い位置、すなわち、道路65aと道路64bとの交わる交差点の近くに建物66が示されている。さらに地図原稿61には、他に目印やランドマークとなり得る建物67a、67b、67c、67dが示されている。なお、このような建物66等や第一の駅63a等の座標の情報、すなわち、緯度のデータや経度のデータについては、予めハードディスク18に日本地図に示されている有名な建物等として登録され、記憶されていることにしてもよい。
【0022】
このような地図原稿61の画像を第一の読取部14により読取る。地図情報取得部35は、第一の読取部14により読取られた画像のうち、地図原稿61の縮尺の情報である縮尺情報および地図原稿61によって示された位置の情報である位置情報を取得する(S12)。
【0023】
ここで、縮尺情報の取得について、縮尺情報が地図原稿61内に示されている場合には、これを利用する。具体的には、地図原稿61内に縮尺情報が示されている場合、OCR(Optical Character Recognition)機構により、縮尺を示す数値や文字を地図原稿61の画像から読取って、これを利用する。一方、縮尺情報が示されていない場合には、例えば地図原稿61上に示されている目標物、具体的には、たとえば、地図原稿61上にそれぞれ示されている第一の駅63aの名前と第二の駅63bの名前をOCR機構によって抽出し、実際の第一の駅63aと第二の駅63bとの間の距離から地図原稿61の縮尺の情報を算出するようにしてもよい。すなわち、地図情報取得部35は、第一の読取部14により読取られた地図原稿61に示された目標物の情報から縮尺情報を算出して取得する。実際の第一の駅63aと第二の駅63bとの間の距離の情報については、ネットワーク23を経由してインターネットから取得してもよいし、予めハードディスク18に日本地図の詳細情報が記憶されている場合には、これを利用してもよい。
【0024】
位置情報の取得については、地図原稿61に示されている第一の駅63aの名前や第二の駅63bの名前、道路64a、64b、65a、65bの名前が示されていれば、OCR機構でこれを読取り、利用する。具体的には、ハードディスク18に記憶されている第一の駅63a等の緯度および経度のデータを用いて位置情報を取得する。地図原稿61上に示されている建物66、67a〜67dの名前から導出される緯度および軽度のデータを利用して位置情報を取得することにしてもよい。
【0025】
次に、出発地情報および目的地情報を取得する(S13)。この場合、入力受付部31として作動する操作部13の表示画面21等を介して、出発地の情報および目的地の情報の入力を受付けることにより行う。具体的には、第一の読取部14により読取られた地図原稿61の画像を表示画面21に表示し、出発地としてタッチにより指定された位置、および目的地としてタッチにより指定された位置のタッチを検知することにより行う。
【0026】
その後、推奨ルートの選択の条件を受付けたか否かが判断される(S14)。この条件の受付についても、入力受付部31により行われる。具体的には、たとえば、操作部13の表示画面21において、ユーザーからの文字や数値の入力に基づいて行われる。
【0027】
ルート導出部36は、推奨ルートの選択の条件を受付ければ(S14において、YES)、選択された推奨ルートの選択の条件に応じて、出発地と目的地とを結ぶ推奨ルートを導出する(S15)。
【0028】
そして、第二世代画像情報生成部32は、導出された推奨ルート、たとえば、出発地と目的地とを結ぶ最近のルートの情報に基づいて、地図原稿に関連する第二世代の原稿の画像情報を生成する(S16)。その後、画像情報マーク生成部33は、第二世代画像情報生成部32により生成された第二世代の原稿の画像情報を地図原稿の画像に盛り込んだ画像情報マークを生成する(S17)。この場合の画像情報マークは、たとえば、目的地の建物の形状に沿った形状の二次元コード等のマークにより盛り込まれている。
【0029】
ここで、ユーザーは、第一世代の原稿である地図原稿61を第一の読取部14により読取らせた後、原稿セット部である手差しトレイ17にセットする。画像形成制御部34は、手差しトレイ17に第一世代の原稿である地図原稿61がセットされたことを検知すると(S18において、YES)、画像情報マーク生成部33により生成された画像情報マークをセットされた地図原稿61に上書きして画像形成部15により画像情報マークの画像を形成するよう制御する(S19)。その後、画像が形成された地図原稿71が出力される(S20)。
【0030】
図7は、画像情報マークが形成され、上書きされた地図原稿71を示す図である。
図7を参照して、地図原稿71には、上記した地図原稿61に示された線路62、駅63a、63b、道路64a、64b、65a、65b、建物66a〜66dが示されていると共に、建物66aの上にAR(Augmented Reality(拡張現実))マーカーとしての画像情報マーク72が示されている。すなわち、画像形成制御部34により、二次元コードで表される画像情報マーク72が上書きされている。なお、この
図7における地図原稿71に示す画像情報マーク72については、理解の容易の観点からハッチングで図示している。画像情報マーク72には、第二世代画像情報生成部32により生成された画像情報が盛り込まれている。すなわち、第二世代の原稿の画像情報が地図原稿61に付加されることになる。
【0031】
また、上記したS14において、ルート選択の条件を受付けなければ(S14において、NO)、複数の推奨ルートを導出する。具体的には、出発地から目的地まで最も短い時間で辿り着く「最短ルート」、出発地から目的地までの距離が最も短い「最近ルート」、道幅が広く交差点が少なく比較的通行人や交通量が少ない「安全ルート」、商店街やアーケードを多く通り、傘がなくても雨に濡れる状況が少ない「雨天時ルート」といった観点から複数の推奨ルートを導出する(S21)。複数の推奨ルートが導出された後のS16以降の処理については、上記と同様である。
【0032】
次に、このようにして出力された第一世代の原稿、具体的には、画像情報マークが上書きされた地図原稿71を携帯端末装置41で見た場合について説明する。
【0033】
図8は、携帯端末装置41で地図原稿71を見た場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図8を参照して、携帯端末装置41を介して地図原稿71を見た場合、カメラ機能を利用した第二の読取部46は、地図原稿71の画像を読取る(S31)。そして、判断部51は、読取られた地図原稿71の画像の中に、画像情報マーク72があるか否かを判断する(S32)。判断部51により画像情報マーク72がないと判断されれば(S32において、NO)、通常の一般的な原稿の画像と認識され、そのままタッチパネル45に表示される(S35)。この場合、判断部51により画像情報マーク72があると判断されるので(S32において、YES)、抽出部52は、第二世代画像情報生成部32から第二世代の原稿の画像情報を抽出する(S33)。そして、表示制御部53は、第二の読取部46により読取られた第一世代の地図原稿71の画像に、抽出部52により抽出された第二世代の原稿の画像情報を合わせてタッチパネル45に表示するよう制御する(S34)。
【0034】
図9は、タッチパネル45に表示された地図原稿71を示す図である。
図9を参照して、地図原稿71を表示したタッチパネル45には、入力された出発地73aと、同じく入力された目的地73bと、出発地73aから目的地73bに至る矢印で示された推奨ルート74とが表示されている。すなわち、地図原稿71上には示されていないが、携帯端末装置41のタッチパネル45上において、出発地73a、目的地73b、および推奨ルート74が電子的に表示されている。この場合、出発地73aと目的地73bとが双方ともタッチパネル45の画面内に収まる範囲で表示されている。なお、出発地73aは黒丸で、目的地73bは白丸で図示している。この
図9に示される画像、すなわち、タッチパネル45に推奨ルート74等が示されている画像が、第二世代の原稿の画像となる。
【0035】
このような情報表示システム24によれば、複合機11により、地図原稿61を読取り、入力受付部31により受付けられたユーザー情報に基づいて、地図原稿61の画像に関連する第二世代の原稿の画像情報を生成し、さらに画像情報マーク72を生成して、地図原稿61に上書きしている。また、携帯端末装置41により画像情報マーク72があると判断されれば、第二世代画像情報生成部32から第二世代の原稿の画像情報を抽出して携帯端末装置41のタッチパネル45に第二世代の原稿の画像情報を表示する。こうすることにより、ユーザーの要求に応じた事前に準備されていない第二世代の原稿の画像情報を生成して、地図原稿71に反映させることができる。また、この場合、一つの原稿でユーザーの要求する情報を取得することができる。したがって、ユーザーの利便性を良好にすることができる。
【0036】
なお、表示制御部53は、以下のような表示を行うよう制御してもよい。
図10は、タッチパネル45に比較的狭い範囲を表示する場合のタッチパネル45の表示の一例を示す図である。
図10を参照して、表示制御部53は、
図10中の位置76aに携帯端末装置41がある場合、具体的には、目的地73bがタッチパネル45の表示画面領域内に収まらず、出発地73aの近辺がタッチパネル45の表示画面領域に収まるよう表示されている場合には、表示画面領域内において出発地73aおよび出発地73aから向かう推奨ルート75aの一部が表示されるよう制御する。また、表示制御部53は、
図10中の位置76bに携帯端末装置41がある場合、具体的には、出発地73aがタッチパネル45の表示画面領域内に収まらず、目的地73bの近辺がタッチパネル45の表示画面領域に収まるよう表示されている場合には、表示画面領域内において目的地73bおよび目的地73bへ向かう推奨ルート75bの一部が表示されるよう制御する。さらに、表示制御部53は、
図10中の位置76cに携帯端末装置41がある場合、具体的には、出発地73aおよび目的地73bの双方がタッチパネル45の表示画面領域内に収まらず、地図原稿71の他の領域がタッチパネル45の表示画面領域に表示されている場合には、出発地73aの位置を示す矢印77a、および目的地73bの位置を示す矢印77bが表示されるよう制御する。なお、携帯端末装置41の位置、すなわち、携帯端末装置41を所有するユーザーの現在地の情報については、携帯端末装置41に備えられているGPS(Global Positioning System)機能等により取得することができる。
【0037】
また、表示制御部53は、以下のような表示を行うよう制御してもよい。すなわち、表示制御部53は、S14において推奨ルートの選択の条件を受付けなかった場合、S21において導出した複数の推奨ルートを表示するよう制御する。こうすることにより、S14において推奨ルートの選択の条件を受付けなかった場合において、複数の推奨ルートを表示し、表示された複数の推奨ルートの中からユーザーの望むものを選択することができるので、ユーザーの推奨ルートの選択の幅を広げることができる。
【0038】
ここで、複数の推奨ルートは、ユーザーの選択により一つずつ表示するようにしてもよい。こうすることにより、よりタッチパネル45の表示を見やすくすることができる。この場合、定期的に複数の推奨ルートを切り替える表示をしてもよいし、ユーザーの選択により複数の推奨ルートのうちの一つを実線や色分けした表示とし、他を点線や他の色とした表示とするようにしてもよい。
【0039】
また、上記の実施の形態において、表示している推奨ルートの通行に支障をきたすような事象が発生した場合、このような情報を取得して、推奨ルートの表示に反映させるようにしてもよい。すなわち、ルート導出部36は、推奨ルート上に通行の支障となる現象に関する情報を取得すれば、推奨ルート上に通行の支障となる現象に関する情報に基づき、推奨ルートを改めて導出する。
【0040】
図11は、改めて導出された推奨ルートを表示したタッチパネル45に表示された地図原稿71の一例を示す図である。
図11を参照して、タッチパネル45には、目的地である建物66からの帰り道を示している。この場合、建物66が出発地となる。そして、道路64bが事故等により通行止めになった場合、当初導出されていた最短ルートである建物66から第二の駅63bまでの推奨ルートに対し、建物66から第一の駅63aまでの推奨ルートを新たに導出する。そこで、当初、すなわち、事故前の推奨ルートであった建物66から第二の駅63bまでの推奨ルート78aを破線で示し、建物66から道路64bを回避して第二の駅63bと線路62で繋がっている第一の駅63aへ向かう推奨ルート78bを実線で示すようにする。このように構成することにより、より実情に即したユーザーにとって有益な情報を提供することができる。このような推奨ルートの改めての導出は、たとえば、線路62を通る電車が遅延していた情報を取得した場合等にも適用することができる。
【0041】
すなわち、たとえば、画像情報マーク72が上書きされた地図原稿71および携帯端末装置41をユーザーが携えて、現地、すなわち、地図原稿71に示された位置に向かったとする。ここで、道路64bの通行止めが発生していた場合、ユーザーは、たとえば近くのコンビニエンスストア内に設置されている複合機11を利用して、再度上書きすることにより、より容易にユーザーの
望む最適な推奨ルートの情報を取得することができる。
【0042】
なお、上記の実施の形態においては、第一世代の原稿として地図原稿を用いることとしたが、これに限らず、他の原稿、たとえば、昔の時刻表の原稿を第一世代の原稿として用いることとしてもよい。この場合、第二世代の原稿としては、現在の時刻表の原稿となる。表示としては、昔の原稿の時刻の部分に現在の時刻を上書きするよう表示することにしてもよいし、表示の位置をずらせてもよい。さらに、複数の世代に亘って変遷するものであれば、複数の世代に亘って表示するようにしてもよい。この場合、世代ごとに色分けして表示するようにしてもよい。世代ごとの時刻表のデータについては、ネットワーク23を経由してインターネット等から取得することができる。
【0043】
また、上記の実施の形態においては、入力受付部31は、操作部13の表示画面21からの入力を受付けることとしたが、これに限らず、たとえば、目的地等が把握できる手書きのメモや目的地が記載されたチケット等を第一の読取部14によって読取らせることにより入力を受付けることとしてもよい。
【0044】
なお、第一の読取部14で読取らせる地図原稿61について、たとえば、レストランやスーパーマーケット等といったお店側が提供する詳細な情報が簡略化された簡易地図がある。このような簡易地図の場合、道路の間隔や目標の建物の位置が実際のものと若干ずれている場合がある。このような抽象度が高い場合でも、お店の位置情報を住所等から算出し、実際の道路や建物等との整合性を取るようにする。そして、このような算出されたお店のデータ等をハードディスク18に記憶して蓄積するようにする。蓄積されたデータを利用して、以後の位置情報の取得等に役立てることができ、精度の高い位置情報の取得等を行うことができる。
【0045】
また、上記の実施の形態においては、出発地から目的地へ向かう推奨ルートを表示することとしたが、これに限らず、たとえば、地図上に表れている地域に関する過去の情報、たとえば、昔に田畑であったといった情報や川や池があったといった情報を第二世代の原稿の画像情報として表示するようにしてもよい。このような情報については、過去の地図情報をハードディスク18等から取得するようにしてもよい。
【0046】
なお、上記の実施の形態においては、画像情報マーク72は、建物66の位置に上書きすることとしたが、これに限らず、他の位置、たとえば、推奨ルートに重ならない位置に画像情報マーク72を形成することにしてもよいし、地図原稿71の余白の位置に形成することとしてもよい。すなわち、画像形成制御部34は、地図原稿71の余白に、画像情報マーク72の画像を形成するよう制御するようにしてもよい。
【0047】
なお、上記の実施の形態においては、画像形成制御部34は、画像情報マーク生成部33により生成された画像情報マークを原稿セット部によりセットされた第一世代の原稿に上書きして画像形成部15により画像情報マークの画像を形成することとしたが、これに限らず、画像形成制御部34は、画像情報マーク生成部33により生成された画像情報マークを、原稿画像に形成するよう制御することとしてもよい。すなわち、原稿画像の生成と共に、画像情報マークを付加した画像を生成して1枚の用紙に出力する。こうすることによっても、一枚の原稿でユーザーの要求する情報を取得することができる。したがって、ユーザーの利便性を良好にすることができる。
【0048】
また、上記の実施の形態において、第1電子装置としての複合機11が、第一世代の原稿に関連する第二世代の原稿の画像情報を、複合機11と第2電子装置としての携帯端末装置41とに接続された電気公衆回線に接続された記憶装置に送信し、抽出部52が第一世代の原稿に関連する第二世代の原稿を記憶装置から抽出するよう構成してもよい。
【0049】
なお、上記の実施の形態において、第1電子装置として画像形成装置を採用することとしたが、これに限らず、画像を形成する画像形成部を含む他の装置を採用することにしてもよい。また、第2電子装置として携帯端末装置を採用することとしたが、これに限らず、情報を表示する表示部を含む他の装置を採用することにしてもよい。さらには、第1電子装置と第2電子装置とが共通である構成としてもよい。
【0050】
また、この発明に係る第1電子装置は、以下の構成としてもよい。すなわち、この発明に係る第1電子装置は、画像を形成する画像形成部を含む第1電子装置、および情報を表示する表示部と、画像情報マークが付加された第一世代の原稿の画像を読取る第二の読取部と、第二の読取部により読取られた第一世代の原稿の画像に画像情報マークがあるか否かを判断する判断部と、判断部により画像情報マークがあると判断されれば、第二世代の原稿の画像情報を第1電子装置から抽出する抽出部と、第二の読取部により読取られた第一世代の原稿の画像に、抽出部により抽出された第二世代の原稿の画像情報を合わせて表示部に表示するよう制御する表示制御部とを含む第2電子装置を備える情報表示システムに含まれる。第1電子装置は、第一の読取部と、原稿セット部と、入力受付部と、第二世代画像情報生成部と、画像情報マーク生成部と、画像形成制御部とを備える。第一の読取部は、第一世代の原稿の画像を読取る。原稿セット部は、第一世代の原稿をセットさせる。入力受付部は、第一の読取部により読取られた第一世代の原稿に対してユーザーの要求するユーザー情報の入力を受付ける。第二世代画像情報生成部は、入力受付部により受付けられたユーザー情報、および第一の読取部により読取られた第一世代の原稿に基づいて、第一世代の原稿に関連する第二世代の原稿の画像情報を生成する。画像情報マーク生成部は、第二世代画像情報生成部により生成された第二世代の原稿の画像情報を第一世代の原稿の画像に盛り込んだ画像情報マークを生成する。画像形成制御部は、画像情報マーク生成部により生成された画像情報マークを原稿セット部によりセットされた第一世代の原稿に上書きして画像形成部により画像情報マークの画像を形成する、若しくは画像情報マーク生成部により生成された画像情報マークを原稿画像に形成するよう制御する。このような構成としてもよい。
【0051】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。