【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
空気入りタイヤであって、
ベルト部と、
タイヤ幅方向外側に延びて接地端に開口し、タイヤ幅方向内側の端が閉塞端であ
り、前記閉塞端からタイヤ幅方向外側に直線状に延びて前記接地端に開口するショルダーラグ溝がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられたトレッド部と、を備え、
前記ショルダーラグ溝は、前記トレッド部の表面から前記表面に対して垂直方向に延びる溝であって、前記トレッド部の表面から前記ショルダーラグ溝の溝底の側に延び、前記溝底に進むに連れて前記ショルダーラグ溝の溝幅中心の側に近づく傾斜壁面を前記ショルダーラグ溝の両側の溝壁それぞれに有し、
前記ベルト部の最大幅ベルトの端からタイヤ幅方向内側の前記ショルダーラグ溝の領域において、前記ショルダーラグ溝の前記トレッド部の表面における溝幅がタイヤ幅方向内側に向かって減少するが、少なくとも前記ショルダーラグ溝の両側の傾斜壁面の、前記垂直方向に対する溝壁角度が前記タイヤ幅方向内側に向かって小さくなることにより、溝断面積を一定に維持した部分が、タイヤ展開幅の半分の少なくとも20%の長さ、タイヤ幅方向に設けら
れ、
前記溝断面積を一定に維持した前記部分は、前記溝断面積が前記部分の平均溝断面積に対して97〜103%の範囲内にある部分である、ことを特徴とする空気リタイヤである。
【0009】
前記部分における前記溝壁角度は、10〜35度の範囲で変化する、ことが好ましい。
【0010】
本発明の他の一態様は、空気入りタイヤであって、
ベルト部と、
タイヤ幅方向外側に延びて接地端に開口し、タイヤ幅方向内側の端が閉塞端であ
り、前記閉塞端からタイヤ幅方向外側に直線状に延びて前記接地端に開口するショルダーラグ溝がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられたトレッド部と、を備え、
前記ベルト部の最大幅ベルトの端からタイヤ幅方向内側の前記ショルダーラグ溝の領域において、前記ショルダーラグ溝の、前記トレッド部の表面における溝幅がタイヤ幅方向内側に向かって減少するが、少なくとも前記ショルダーラグ溝の溝深さが変化することにより、溝断面積を一定に維持した部分が、タイヤ展開幅の半分の少なくとも20%の長さ、タイヤ幅方向に設けられ
、
前記溝断面積を一定に維持した前記部分は、前記溝断面積が前記部分の平均溝断面積に対して97〜103%の範囲内にある部分である、ことを特徴とする空気入りタイヤである。
その際、前記空気入りタイヤのタイヤセンターラインから前記タイヤ展開幅の4分の1、離れた位置から前記接地端までの、前記ショルダーラグ溝の領域における最大溝深さに対する最小溝深さの比は、0.8以上である、ことが好ましい。
【0011】
その際、前記比は、0.85以上0.95以下であり、
前記溝壁角度は、前記部分において15度〜25度の範囲で変化する、ことが好ましい。
【0012】
本発明の他の一態様は、空気入りタイヤであって、
ベルト部と、
タイヤ幅方向外側に延びて接地端に開口し、タイヤ幅方向内側の端が閉塞端であるショルダーラグ溝がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられたトレッド部と、を備え、
前記ベルト部の最大幅ベルトの端からタイヤ幅方向内側の前記ショルダーラグ溝の領域において、前記ショルダーラグ溝の、前記トレッド部の表面における溝幅がタイヤ幅方向内側に向かって減少するが、前記ショルダーラグ溝の溝壁角度及び溝深さの少なくともいずれか一方が変化することにより、溝断面積を一定に維持した部分が、タイヤ展開幅の半分の少なくとも20%の長さ、タイヤ幅方向に設けられ、
前記ショルダーラグ溝は、前記閉塞端に近づくにつれて前記ショルダーラグ溝の溝深さが徐々に浅くなるように傾斜した溝底傾斜面を備え、
前記空気入りタイヤのタイヤ径方向に沿ったプロファイル断面において、前記閉塞端における前記トレッド部の表面の法線に対する前記溝底傾斜面の傾斜角度は、20度以上45度以下である、
ことを特徴とする空気入りタイヤである。
【0013】
前記溝断面積を一定に維持した前記部分は、前記空気入りタイヤのタイヤセンターラインから距離L1離れた位置から距離L2離れた位置にあり、
前記距離L1は、前記タイヤ展開幅の半分の40〜60%に相当する距離であり、
前記距離L2は、前記タイヤ展開幅の半分の70〜90%に相当する距離である、ことが好ましい。
【0014】
前記溝断面積を一定に維持した前記部分のタイヤ幅方向の長さは、前記タイヤ展開幅の半分の35%の長さ以下である、ことが好ましい。
【0015】
また、本発明の他の一態様は、空気入りタイヤの製造方法であって、
ベルト部を備えた加硫前の生タイヤを成形するステップと、
前記生タイヤを金型で囲み加熱するステップと、を備え、
空気入りタイヤのトレッド部に、タイヤ幅方向外側に延びて接地端に開口し、タイヤ幅方向内側の端が閉塞端であ
り、前記閉塞端からタイヤ幅方向外側に直線状に延びて前記接地端に開口するショルダーラグ溝がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられるように、前記金型は、ショルダーラグ溝形成用の一方向に
直線状に延在した複数の凸部を備え、
前記凸部は、前記トレッド部の表面に対応する金型表面から前記金型表面に対して垂直方向に延びる
突出部であって前記金型表面から突出側に進むに連れて前記凸部の突出幅中心の側に近づく傾斜壁面を前記凸部の両側の側壁それぞれに有し、
前記凸部のそれぞれは、前記生タイヤの前記ベルト部の最大幅ベルトの端からタイヤ幅方向内側に対応する前記凸部それぞれの領域において、前記凸部それぞれの突出基部における幅がタイヤ幅方向内側に向かって減少するが、少なくとも前記凸部それぞれの両側の側壁の、前記垂直方向に対する壁傾斜角度がタイヤ幅方向内側に向かって小さくなることにより、前記凸部それぞれの断面積を一定に維持する部分が、タイヤ展開幅の半分の少なくとも20%の長さ、タイヤ幅方向に設けられ、
前記断面積を一定に維持する前記部分は、前記凸部の前記断面積が前記部分の平均凸部断面積に対して97〜103%の範囲内にある部分である、ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
その際、前記断面積を一定に維持する部分は、前記壁傾斜角度の変化の他に、前記凸部それぞれの突出高さも変化する、ことが好ましい。
【0016】
本発明の他の一態様は、空気入りタイヤの製造方法であって、
ベルト部を備えた加硫前の生タイヤを成形するステップと、
前記生タイヤを金型で囲み加熱するステップと、を備え、
空気入りタイヤのトレッド部に、タイヤ幅方向外側に延びて接地端に開口し、タイヤ幅方向内側の端が閉塞端であ
り、前記閉塞端からタイヤ幅方向外側に直線状に延びて前記接地端に開口し、タイヤ径方向を溝深さ方向とするショルダーラグ溝がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられるように、前記金型は、ショルダーラグ溝形成用の一方向に
直線状に延在した複数の凸部を備え、
前記凸部のそれぞれは、前記生タイヤの前記ベルト部の最大幅ベルトの端からタイヤ幅方向内側に対応する前記凸部それぞれの領域において、前記凸部それぞれの突出基部における幅がタイヤ幅方向内側に向かって減少するが、少なくとも前記ショルダーラグ溝の溝壁に対応する前記凸部それぞれの突出高さが変化することにより、前記凸部それぞれの断面積を一定に維持する部分が、タイヤ展開幅の半分の少なくとも20%の長さ、タイヤ幅方向に設けられ
、
前記断面積を一定に維持する前記部分は、前記凸部の前記断面積が前記部分の平均凸部断面積に対して97〜103%の範囲内にある部分である、ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
また、本発明の他の一態様は、空気入りタイヤの製造方法であって、
ベルト部を備えた加硫前の生タイヤを成形するステップと、
前記生タイヤを金型で囲み加熱するステップと、を備え、
空気入りタイヤのトレッド部に、タイヤ幅方向外側に延びて接地端に開口し、タイヤ幅方向内側の端が閉塞端であるショルダーラグ溝がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられるように、前記金型は、ショルダーラグ溝形成用の一方向に延在した複数の凸部を備え、
前記凸部のそれぞれは、前記生タイヤの前記ベルト部の最大幅ベルトの端からタイヤ幅方向内側に対応する前記凸部それぞれの領域において、前記凸部それぞれの突出基部における幅がタイヤ幅方向内側に向かって減少するが、前記ショルダーラグ溝の溝壁に対応する前記凸部それぞれの突出高さ及び側壁の壁傾斜角度の少なくともいずれか一方が変化することにより、前記凸部それぞれの断面積を一定に維持する部分が、タイヤ展開幅の半分の少なくとも20%の長さ、タイヤ幅方向に設けられ、
前記金型は、前記生タイヤの前記トレッド部にトレッドパターンを形成するための2つの部分金型を備え、
前記部分金型のそれぞれは、前記凸部を備え、
前記金型が前記生タイヤを囲むとき、前記凸部のそれぞれが、前記生タイヤのトレッド部内をタイヤ幅方向外側から内側に向かって入り込む、ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。