(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筐体の内部には、前記送風手段によって前記筐体の内部に取り込まれた空気の一部が前記蒸発器および前記第1凝縮器を順に通って前記混合空間へ送られるように形成された第1風路と、前記送風手段によって前記筐体の内部に取り込まれた空気の一部が前記蒸発器および前記第1凝縮器を介さずに前記混合空間へ送られるように形成された第2風路と、が設けられている請求項1または請求項2に記載の除湿機。
前記送風手段によって前記第2凝縮器を通過する空気の風量は、前記送風手段によって前記蒸発器を通過する空気の風量よりも多い請求項1から請求項3の何れか1項に記載の除湿機。
前記送風手段によって前記蒸発器および前記第1凝縮器を順に通って前記混合空間へ送られた空気の温度は、前記送風手段によって前記蒸発器および前記第1凝縮器を介さずに前記混合空間へ送られた空気の温度に対して、同じもしくは高い請求項1から請求項4の何れか1項に記載の除湿機。
前記送風手段によって前記第2凝縮器を通過する空気と前記第2凝縮器との接触面積は、前記送風手段によって前記第1凝縮器を通過する空気と前記第1凝縮器との接触面積よりも大きい請求項1から請求項6の何れか1項に記載の除湿機。
前記筐体が水平面に置かれた状態において、前記送風手段によって前記第2凝縮器を通過する空気の流れ方向及び鉛直方向に垂直な方向における前記第2凝縮器の寸法は、前記送風手段によって前記第1凝縮器を通過する空気の流れ方向及び鉛直方向に垂直な方向における前記第1凝縮器の寸法よりも大きい請求項1から請求項8の何れか1項に記載の除湿機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して、実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。また、本開示では、重複する説明については適宜に簡略化または省略する。なお、本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の除湿機1の正面図である。
図1は、除湿機1の外観を示している。除湿機1は、例えば、室内の湿度を低下させることを目的として使用される。
図2は、実施の形態1の除湿機1の断面図である。
図2は、
図1におけるA−A位置での断面を示す。
図2は、実施の形態1の除湿機1の内部の構成を示している。
【0012】
図1および
図2に示すように、除湿機1は、筐体10を備える。筐体10は、自立可能に形成されている。筐体10には、吸込口11および吹出口12が形成されている。吸込口11は、筐体10の外部から内部へ空気を取り込むための開口である。吹出口12は、筐体10の内部から外部へ空気を送り出すための開口である。
【0013】
本実施の形態において、吸込口11は、筐体10の背面に形成されている。吹出口12は、筐体10の上面に形成されている。なお、吸込口11および吹出口12は、任意の場所に設けられてよい。例えば、吸込口11は、筐体10の側面に形成されてもよい。吸込口11が筐体10の背面でない部分に形成された除湿機1は、当該筐体10の背面が壁に接触または近接した状態で使用可能となる。
【0014】
除湿機1は、送風手段の一例として、送風ファン21を備える。送風ファン21は、筐体10の内部に収容される。筐体10の内部には、吸込口11から吹出口12へと通じる風路が形成されている。送風ファン21は、この風路に配置されている。送風ファン21は、筐体10の内部に空気を取り込み、取り込んだ空気を筐体10の外部へ送る装置である。
【0015】
また、除湿機1は、蒸発器31、圧縮機32、第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bを備える。蒸発器31、圧縮機32、第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bは、
図2に示すように、筐体10の内部に収容される。
【0016】
除湿機1は、除湿手段を備える。除湿手段とは、空気中の水分を除去するためのものである。除湿手段は、熱媒体回路によって構成される。熱媒体回路とは、熱媒体が循環する回路である。
図3は、実施の形態1の熱媒体回路を模式的に示す図である。本実施の形態の熱媒体回路は、
図3に示すように、蒸発器31、圧縮機32、第1凝縮器33a、第2凝縮器33bおよび減圧装置34によって形成される。
【0017】
蒸発器31、圧縮機32、第1凝縮器33a、第2凝縮器33bおよび減圧装置34には、熱媒体が流れる。蒸発器31、圧縮機32、第1凝縮器33a、第2凝縮器33bおよび減圧装置34は、熱媒体が流れる配管を介し、環状に接続される。
【0018】
蒸発器31、第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bは、熱媒体と空気との間での熱交換を行うための熱交換器である。圧縮機32は、熱媒体を圧縮させる装置である。減圧装置34は、熱媒体を減圧させる装置である。減圧装置34は、例えば、膨張弁またはキャピラリーチューブ等である。
【0019】
蒸発器31、圧縮機32、第1凝縮器33a、第2凝縮器33bおよび減圧装置34は、それぞれ、熱媒体の入口および出口を有している。蒸発器31の出口は、圧縮機32の入口に接続される。圧縮機32には、蒸発器31を通過した熱媒体が流入する。圧縮機32は、当該圧縮機32に流入した熱媒体を圧縮する。圧縮機32によって圧縮された熱媒体は、当該圧縮機32の出口から流出する。
【0020】
圧縮機32の出口は、第2凝縮器33bの入口に接続される。第2凝縮器33bの出口は、第1凝縮器33aの入口に接続される。第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bには、圧縮機32によって圧縮された熱媒体が流れる。
【0021】
第1凝縮器33aの出口は、減圧装置34の入口に接続される。減圧装置34には、第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bを通過した熱媒体が流入する。減圧装置34は、当該減圧装置34に流入した熱媒体を減圧させる。減圧装置34によって減圧した熱媒体は、膨張する。
【0022】
減圧装置34の出口は、蒸発器31の入口に接続される。蒸発器31には、減圧装置34によって減圧した熱媒体が流入する。本実施の形態において熱媒体は、蒸発器31、圧縮機32、第2凝縮器33b、第1凝縮器33aおよび減圧装置34を順に通過する。減圧装置34を通過した熱媒体は、再び蒸発器31を流れる。本実施の形態において熱媒体は、このように熱媒体回路を循環する。なお、熱媒体回路における第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bの接続順序は、逆でもよい。
【0023】
図4は、実施の形態1の筐体の内部の風路を模式的に示す図である。
図4は、
図2の断面図の一部を模式的に示したものに相当する。
図2および
図4を参照して、筐体10の内部に形成された風路および当該風路に配置された各部品の構成について、より詳細に説明する。
【0024】
熱媒体回路を形成する蒸発器31、第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bは、
図2および
図4に示すように、吸込口11から吹出口12へと通じる風路に配置される。本実施の形態において、蒸発器31、第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bは、送風ファン21と吸込口11との間に配置される。
【0025】
第2凝縮器33bは、吸込口11から吹出口12へと通じる風路において、送風ファン21の上流側に配置される。また、第1凝縮器33aは、吸込口11から吹出口12へと通じる風路において、第2凝縮器33bの上流側に配置される。本実施の形態において第1凝縮器33aと第2凝縮器33bとは、隣り合った状態で並べられている。
【0026】
第1凝縮器33aと第2凝縮器33bとの間には、予め設定された寸法の隙間がある。この隙間を、本開示では、混合空間41と称する。すなわち、筐体10の内部には、第1凝縮器33aと第2凝縮器33bとの間に、混合空間41が形成されている。混合空間41は、吸込口11から吹出口12へと通じる風路において、第2凝縮器33bの上流に形成される。
【0027】
吸込口11から吹出口12へと通じる風路には、第1風路および第2風路が含まれる。換言すると、筐体10の内部には、この第1風路および第2風路が形成される。第1風路は、送風ファン21によって筐体10の内部に取り込まれた空気の一部が蒸発器31および第1凝縮器33aを順に通って混合空間41へ送られるように形成された風路である。第2風路は、送風ファン21によって筐体10の内部に取り込まれた空気の一部が蒸発器31及び第1凝縮器33aを介さずに混合空間41へ送られるように形成された風路である。
【0028】
本実施の形態の筐体10の内部には、第1風路の一例である除湿風路42が形成される。また、本実施の形態の筐体10の内部には、第2風路の一例であるバイパス風路43が形成される。
図2および
図4に示すように、除湿風路42およびバイパス風路43は、それぞれ、吸込口11から混合空間41へと通じる風路である。
【0029】
除湿風路42は、送風ファン21によって筐体10の内部に取り込まれた空気の一部が蒸発器31と第1凝縮器33aと第2凝縮器33bとを順に通過するように形成される。蒸発器31および第1凝縮器33aは、この除湿風路42に配置されている。除湿風路42は、吸込口11から、蒸発器31および第1凝縮器33aを介して、混合空間41へと至る。
【0030】
バイパス風路43は、送風ファン21によって筐体10の内部に取り込まれた空気の一部が蒸発器31および第1凝縮器33aを介さずに第2凝縮器33bを通過するように形成される。バイパス風路43は、蒸発器31および第1凝縮器33aを迂回するように形成される。バイパス風路43は、吸込口11から、蒸発器31および第1凝縮器33aを介さずに、混合空間41へと至る。
【0031】
第1風路の一例である除湿風路42と第2風路の一例であるバイパス風路43とは、任意の方法によって形成される。一例として、筐体10の内部には、仕切部材50が設けられる。仕切部材50は、除湿風路42とバイパス風路43とを区切る部材である。仕切部材50は、例えば、平板状である。
【0032】
本実施の形態において仕切部材50は、
図2および
図4に示すように、蒸発器31および第1凝縮器33aの上方に設けられる。除湿風路42は、この仕切部材50の下方に形成される。バイパス風路43は、仕切部材50の上方に形成される。本実施の形態においてバイパス風路43は、蒸発器31および第1凝縮器33aの上方に形成される。
【0033】
本実施の形態の除湿風路42およびバイパス風路43は、筐体10と仕切部材50とによって形成されている。なお、筐体10と仕切部材50とは、一体的に形成されてもよい。また、除湿風路42およびバイパス風路43は、上述したように、任意の方法によって形成されればよい。筐体10の内部には、仕切部材50が設けられていなくてもよい。また、除湿風路42およびバイパス風路43は、筐体10および仕切部材50とは別の部材によって形成されてもよい。
【0034】
次に、
図2および
図4を参照して、本実施の形態の除湿機1の動作について説明する。
図2および
図4における矢印は、除湿機1が動作している際の空気の流れを示している。
【0035】
除湿機1は、送風ファン21が回転することによって動作する。上述したように、除湿機1は、例えば、室内で使用される。送風ファン21が回転すると、吸込口11から吹出口12へ向かう気流が筐体10の内部に発生する。送風ファン21によって気流が発生させられることにより、室内の空気A1が吸込口11から筐体10の内部へ取り込まれる。
【0036】
筐体10の内部へ取り込まれた空気A1は、除湿風路42とバイパス風路43とに分岐する。空気A1の一部である空気A2は、除湿風路42へ導かれる。また、空気A1の一部である空気A3は、バイパス風路43へ導かれる。空気A3は、筐体10の内部へ取り込まれた空気A1のうち、除湿風路42へ導かれた空気A2以外の部分である。
【0037】
除湿風路42へ導かれた空気A2は、蒸発器31を通過する。蒸発器31を通過する空気A2と当該蒸発器31を流れる熱媒体との間で熱交換が行われる。蒸発器31には、上述したように、減圧装置34によって減圧した熱媒体が流れる。蒸発器31には、筐体10の内部へ取り込まれた空気A1よりも低温の熱媒体が流れる。蒸発器31を流れる熱媒体は、当該蒸発器31を通過する空気A2から熱を吸収する。
【0038】
蒸発器31を通過する空気A2は、当該蒸発器31を流れる熱媒体によって吸熱される。蒸発器31を通過する空気A2は、蒸発器31を流れる熱媒体によって冷却される。これにより、結露が発生する。すなわち、空気A2に含まれる水分が凝縮する。凝縮した水分は、空気A2から除去される。空気A2から除去された水分は、例えば、筐体10の内部に設けられた貯水タンク13に貯められる。
【0039】
蒸発器31によって水分が除去された空気A2は、第1凝縮器33aを通過する。第1凝縮器33aを通過する空気A2と当該第1凝縮器33aを流れる熱媒体との間で熱交換が行われる。第1凝縮器33aを流れる熱媒体は、当該第1凝縮器33aを通過する空気A2によって冷却される。
【0040】
第1凝縮器33aを通過する空気A2は、当該第1凝縮器33aを流れる熱媒体によって加熱される。第1凝縮器33aを通過した空気A2は、混合空間41へと至る。このように、除湿風路42へ導かれた空気A2は、蒸発器31および第1凝縮器33aを通って混合空間41へと送られる。
【0041】
また、バイパス風路43へ導かれた空気A3は、
図4に示すように、蒸発器31および第1凝縮器33aを通過することなく混合空間41へと送られる。混合空間41には、除湿風路42を通過した空気A2とバイパス風路43を通過した空気A3とが送られる。
【0042】
混合空間41では、除湿風路42を通過した空気A2とバイパス風路43を通過した空気A3とが混合される。空気A2と空気A3とが混合されることによって、混合空気B1が生成される。混合空気B1は、
図4に示すように、第2凝縮器33bを通過する。第2凝縮器33bを通過する混合空気B1と当該第2凝縮器33bを流れる熱媒体との間で熱交換が行われる。第2凝縮器33bを流れる熱媒体は、当該第2凝縮器33bを通過する混合空気B1によって冷却される。
【0043】
第2凝縮器33bを通過する混合空気B1は、当該第2凝縮器33bを流れる熱媒体によって加熱される。混合空気B1が熱媒体によって加熱されることにより、乾燥空気B2が生成される。乾燥空気B2は、室内の空気A1よりも乾燥した状態の空気である。乾燥空気B2は、送風ファン21を通過する。送風ファン21を通過した乾燥空気B2は、吹出口12から、筐体10の外部へ送り出される。このようにして、除湿機1は、乾燥空気B2を当該除湿機1の外部へ供給する。
【0044】
本実施の形態の除湿機1は、筐体10の内部に取り込まれた空気の一部が蒸発器31、第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bを順に通過するように構成されている。また、除湿機1は、筐体10の内部に取り込まれた空気の一部が蒸発器31および第1凝縮器33aを介さずに第2凝縮器33bを通過するように構成されている。本実施の形態の除湿機1であれば、上記の構成により、蒸発器31を通過する空気の風量と第2凝縮器33bを通過する空気の風量とをそれぞれ適切な量にすることが可能となる。
【0045】
本実施の形態において、筐体10の内部には、混合空間41が形成されている。混合空間41では、除湿風路42を通過した空気A2とバイパス風路43を通過した空気A3とが混合されることによって、混合空気B1が生成される。本実施の形態であれば、除湿風路42を通過した空気A2の温度を上昇させることなく、第2凝縮器33bを通過する混合空気B1の風量を増やすことが可能となる。これにより、より適切な温度の混合空気B1を第2凝縮器33bに通過させることができる。また、第2凝縮器33bを通過する混合空気B1の風量をより適切にすることができる。第2凝縮器33bを流れる熱媒体は混合空気B1によって効率よく冷却される。本実施の形態であれば、熱媒体が効率よく冷却され、第2凝縮器33bにおける熱交換の効率がより良好になる。
【0046】
上記の実施の形態における蒸発器31、第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bは、例えば、平板状であってもよい。平板状の蒸発器31および第1凝縮器33aは、最大面積を有する面が、空気A2の流れの向きに直交するように配置される。平板状の蒸発器31および第1凝縮器33aは、一例として、互いに平行に配置される。また、平板状の第2凝縮器33bは、一例として、平板状の蒸発器31および第1凝縮器33aに対して平行に配置されてもよい。
【0047】
第2凝縮器33bは、第1凝縮器33aから一側方向に一定の距離だけ離れている。第1凝縮器33aは、第2凝縮器33bから上記一側方向の反対に一定の距離だけ離れている。第1凝縮器33aと第2凝縮器33bとの間隔は、蒸発器31と第1凝縮器33aとの間隔に比べて大きく形成されてもよい。第1凝縮器33aと第2凝縮器33bとの間の隙間の一側方向に沿った寸法は、蒸発器31と第1凝縮器33aとの間の隙間の一側方向に沿った寸法より大きくてもよい。混合空間41は、蒸発器31と第1凝縮器33aとの間に形成された隙間よりも広く形成されてもよい。
【0048】
混合空間41がより広く形成されることにより、当該混合空間41では、空気A2と空気A3とがより均一に混合される。混合空間41がより広く形成されることにより、混合空気B1の温度分布が均一になる。混合空気B1の温度分布が均一になることにより、第2凝縮器33bを流れる熱媒体は当該混合空気B1によって効率よく冷却される。これにより、第2凝縮器33bにおける熱交換の効率がより良好になる。
【0049】
また、混合空間41で空気A2と空気A3とが混合されることによって、より適切な温度の乾燥空気B2が吹出口12から吹き出される。本実施の形態によれば、過度に低温な空気または過度に高温な空気が吹き出されることが防止される。本実施の形態によれば、除湿機1の使用者の不快感がより軽減される。
【0050】
上記の実施の形態において、第2凝縮器33bには、混合空気B1が通過する。混合空気B1は、除湿風路42を通過した空気A2とバイパス風路43を通過した空気A3とが合流したものである。筐体10の内部は、第2凝縮器33bを通過する混合空気B1の風量が除湿風路42内の蒸発器31を通過する空気A2の風量よりも多くなるように構成されてもよい。例えば、筐体10の内部は、空気A2と空気A3とが合流した混合空気B1の全てが第2凝縮器33bを通過するように構成されてもよい。
【0051】
これにより、蒸発器31を通過する空気の風量を増やさなくても、第2凝縮器33bを通過する空気の風量をより多くすることができる。第2凝縮器33bを通過する空気の風量がより多くなることにより、当該第2凝縮器33bにおける熱交換の効率がより良好になる。また、蒸発器31を通過する空気の風量が少なく維持されることにより、当該蒸発器31が空気を除湿する性能を良好な状態に保つことができる。
【0052】
なお、筐体10には、吸込口11に加えて、当該筐体10の内部に空気を取り込む開口が別途形成されてもよい。この開口は、例えば、第2凝縮器33bを通過する空気の風量が蒸発器31を通過する空気の風量よりも多くなるように形成される。本構成によれば、蒸発器31の性能と第2凝縮器33bの性能とを、より容易に良好にすることができる。
【0053】
第1凝縮器33aは、例えば、バイパス風路43に配置されてもよい。第1凝縮器33aがバイパス風路43に設けられることによって、除湿機1をよりコンパクトにすることができる。
【0054】
図2及び
図4に示すように、第1凝縮器33aの大きさは第2凝縮器33bの大きさと異なっていてもよい。これにより、除湿風路42を通過した空気A2の温度と第2凝縮器33bを通過して吹出口12から送り出される乾燥空気B2の温度とを、それぞれ、より適切な温度にすることが可能になる。また、第2凝縮器33bは、例えば、蒸発器31および第1凝縮器33aよりも大きく形成されてもよい。これにより、例えば仕切部材50等を必要とせずに、筐体10の内部にバイパス風路43をより容易に形成することが可能になる。
【0055】
なお、蒸発器31、第1凝縮器33aおよび第2凝縮器33bは、互いに同程度の大きさであってもよい。バイパス風路43は、同程度の大きさの蒸発器31と第1凝縮器33aと第2凝縮器33bとが互いにずれた状態で配置されることによって、形成されてもよい。
【0056】
また、
図2および
図4に示すように、筐体10が水平面に置かれた状態において、第2凝縮器33bの上端は、第1凝縮器33aの上端よりも上方にあってもよい。これにより、バイパス風路43を、蒸発器31および第1凝縮器33aの上方に配置可能となる。蒸発器31および第1凝縮器33aの上方に配置されたバイパス風路43は、例えば、蒸発器31および第1凝縮器33aに取り付けられたU字型の継手を介さずに吸込口11から混合空間41へと至る。また、蒸発器31および第1凝縮器33aの上方に配置されたバイパス風路43は、蒸発器31、圧縮機32、第1凝縮器33a、第2凝縮器33bおよび減圧装置34を接続する配管を介さずに吸込口11から混合空間41へと至る。バイパス風路43に障害物がなくなることにより、当該バイパス風路43を流れる空気A3の風量を適切な量にすることがより容易となる。
【0057】
また、上記の実施の形態の除湿機1は、一例として、除湿風路42を通過した空気A2の温度がバイパス風路43を通過した空気A3の温度に対して同じもしくは高くなるように、構成される。例えば、空気A2の温度が空気A3より低温である場合、混合空間41において当該空気A2の温度は、当該空気A2が当該空気A3と混合されることで、上がる。これに対し、上記の実施の形態であれば、混合空間41において、空気A2の温度を空気A3によって低下させることが可能となる。これにより、より低温の混合空気B1を生成することが可能となる。より低温の混合空気B1が第2凝縮器33bを通過することで、当該第2凝縮器33b内の熱媒体がより効率よく冷却される。上記の実施の形態であれば、第2凝縮器33bにおける熱交換の効率をより良くすることができる。
【0058】
図5は、実施の形態1の除湿機1の第1の変形例を示す図である。
図5は、本変形例における筐体10の内部の構造を模式的に示している。
図5は、
図1におけるB−B位置での断面を示す。
図5に示すように、筐体10が水平面に置かれた状態において、第2凝縮器33bの横幅は、第1凝縮器33aの横幅より広くてもよい。第2凝縮器33bの横幅とは、当該第2凝縮器33bを通過する混合空気B1の流れ方向及び鉛直方向に垂直な方向における当該第2凝縮器33bの寸法である。第1凝縮器33aの横幅とは、当該第1凝縮器33aを通過する空気A2の流れ方向及び鉛直方向に垂直な方向における当該第1凝縮器33aの寸法である。
【0059】
第2凝縮器33bの横幅が第1凝縮器33aの横幅より広くなることにより、バイパス風路43をより容易に形成することができる。また、バイパス風路43は、例えば、
図5に示すように、蒸発器31および第1凝縮器33aの左方及び右方に形成される。これにより、バイパス風路43を通過した空気A3は、より効率よく混合空間41へ導かれる。また、第2凝縮器33bがより大きくなることにより、当該第2凝縮器33bの性能はより良好になる。
【0060】
また、
図6は、実施の形態1の除湿機1の第2の変形例を示す図である。
図6は、上記の実施の形態における
図4に対応する図である。
図6に示すように、除湿機1は、複数の第2凝縮器33bを備えていてもよい。これにより、除湿機1の除湿手段を構成する熱媒体回路において熱媒体がより効率よく凝縮される。本変形例であれば、除湿機1のエネルギー効率がより良好になる。また、
図6に示すように、複数の第2凝縮器33bの1つの大きさは、当該複数の第2凝縮器33bの別の1つの大きさと異なっていてもよい。大きさの異なる第2凝縮器33bが筐体10内に配置されることにより、筐体10内の風路の設計の範囲がより広くなる。
【0061】
図7は、実施の形態1の除湿機1の第3の変形例を示す図である。
図7に示すように、筐体10には、吸込口11に代えて、第1開口11aおよび第2開口11bが形成されてもよい。第1開口11aは、例えば、筐体10の背面に形成される。第2開口11bは、例えば、筐体10の上面に形成される。第1開口11aおよび第2開口11bは、筐体10の外部から内部へ空気を取り込むための開口である。本変形例によれば、筐体10の外部から内部へ空気を取り込むための開口が複数あることによって、第2凝縮器33bを通過する空気の風量をより多くすることができる。
【0062】
第1開口11aから取り込まれる空気は、本実施の形態の各図における空気A2に対応する。第1開口11aから取り込まれる空気A2は、蒸発器31および第1凝縮器33aを順に通過する。また、第2開口11bから取り込まれる空気は、本実施の形態の各図における空気A3に対応する。第2開口11bは、当該第2開口11bから取り込まれる空気A3が蒸発器31及び第1凝縮器33aを介さずに混合空間41へ送られるように形成される。例えば、蒸発器31と第1凝縮器33aと第2凝縮器33bとが水平方向に並んでいる場合、水平方向における第2開口11bの位置は、第1凝縮器33aと第2凝縮器33bとの間になる。
図7に示す変形例においても、上記した実施の形態および各変形例と同様、蒸発器31を通過する空気の風量と第2凝縮器33bを通過する空気の風量とをそれぞれ適切な量にすることが可能となる。また、熱媒体が効率よく冷却され、第2凝縮器33bにおける熱交換の効率がより良好になる。
【0063】
なお、上記の実施の形態及び各変形例において、混合空気B1と第2凝縮器33bとの接触面積は、空気A2と第1凝縮器33aとの接触面積よりも大きくてもよい。筐体10の内部は、このように構成されてもよい。本構成によれば、第2凝縮器33bにおける熱媒体と混合空気B1との熱交換がより効果的に行われる。