(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
キャパシタアレイにおいて、第1外部電極又は第2外部電極の第1頭部又は第2頭部の総面積をAt、第1垂直部又は第2垂直部の面積をAmと定義する場合、0.2≦Am/At≦0.9を満たす、請求項1に記載の電子部品。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。また、類似の機能及び作用を果たす部分には図面全体にわたって同一の符号を付す。
【0024】
さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外する意味ではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0025】
本発明の実施形態を明確に説明するために方向を定義すると、図面に表示されているX、Y、Zはそれぞれ、積層型キャパシタとキャパシタアレイの長さ方向、幅方向、及び厚さ方向を示す。
【0026】
ここで、幅方向は、誘電体層が積層される積層方向と同一の概念として用いられることができる。
【0027】
図1は本発明の一実施形態に適用される積層型キャパシタを概略的に示す斜視図であり、
図2(a)及び
図2(b)は、
図1の積層型キャパシタに適用される第1及び第2内部電極をそれぞれ示す平面図であり、
図3は
図1のI−I'線に沿った断面図である。
【0028】
まず
図1〜
図3を参照して、本実施形態の電子部品に適用される積層型キャパシタの構造について説明する。
【0029】
図1〜
図3を参照すると、本実施形態の積層型キャパシタ100は、本体110と、本体110のX方向の両端部にそれぞれ形成される第1及び第2外部電極131、132と、を含む。
【0030】
本体110は、複数の誘電体層111をZ方向に積層した後に焼成したものであり、キャパシタ本体110の互いに隣接する誘電体層111の間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずは確認し難いほど一体化することができる。
【0031】
また、本体110は、複数の誘電体層111と、誘電体層111を挟んでY方向に交互に配置される、互いに異なる極性を有する第1及び第2内部電極121、122と、を含む。
【0032】
また、本体110は、キャパシタの容量形成に寄与する部分としての活性領域と、上下マージン部として、Z方向に上記活性領域の上下部にそれぞれ設けられるカバーと、を含むことができる。
【0033】
かかる本体110は、その形状に特に制限はないが、六面体形状であることができ、Z方向に互いに対向する第1及び第2面1、2と、第1及び第2面1、2と互いに連結され、X方向に互いに対向する第3及び第4面3、4と、第1及び第2面1、2と連結され、且つ第3及び第4面3、4と連結され、互いに対向する第5及び第6面5、6と、を含むことができる。
【0034】
誘電体層111は、セラミック粉末、例えば、BaTiO
3系セラミック粉末などを含むことができる。
【0035】
上記BaTiO
3系セラミック粉末は、BaTiO
3にCa又はZrなどが一部固溶された(Ba
1−xCa
x)TiO
3、Ba(Ti
1−yCa
y)O
3、(Ba
1−xCa
x)(Ti
1−yZr
y)O
3又はBa(Ti
1−yZr
y)O
3などがあり得るが、これに限定されるものではない。
【0036】
また、誘電体層111には、上記セラミック粉末と共に、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、及び分散剤などがさらに添加されることができる。
【0037】
上記セラミック添加剤としては、例えば、遷移金属酸化物又は遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)又はアルミニウム(Al)などが用いられることができる。
【0038】
第1及び第2内部電極121、122は、互いに異なる極性が印加される電極であって、誘電体層111上に形成されてY方向に積層されることができる。また、一つの誘電体層111を挟んで本体110の内部にY方向に沿って互いに対向するように交互に配置されることができる。
【0039】
また、第1及び第2内部電極121、122は、一端が本体110の第3及び第4面3、4を介してそれぞれ露出することができる。
【0040】
このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁されることができる。
【0041】
このように本体110の第3及び第4面3、4を介して交互に露出する第1及び第2内部電極121、122の端部は、後述する本体110のX方向の両端部に配置される第1及び第2外部電極131、132とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0042】
上記のような構成により、第1及び第2外部電極131、132に所定の電圧が印加されると、第1及び第2内部電極121、122の間に電荷が蓄積される。
【0043】
このとき、積層型キャパシタ100の静電容量は、活性領域においてY方向に沿って互いに重なる第1及び第2内部電極121、122の重なり面積と比例する。
【0044】
また、第1及び第2内部電極121、122を形成する材料は、特に制限されず、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、パラジウム−銀(Pd−Ag)合金などの貴金属材料、及びニッケル(Ni)及び銅(Cu)のうち1つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成することができる。
【0045】
このとき、上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0046】
第1及び第2外部電極131、132には、互いに異なる極性の電圧が提供される。第1及び第2外部電極131、132は、本体110のX方向の両端部に配置され、第1及び第2内部電極121、122の露出する部分とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0047】
第1外部電極131は、第1頭部131aと、第1バンド部131bと、を含むことができる。
【0048】
第1頭部131aは、本体110の第3面3に配置され、第1内部電極121において本体110の第3面3を介して外部に露出する部分と接触することで、第1内部電極121と第1外部電極131とを互いに接続させる役割を果たす。
【0049】
第1バンド部131bは、第1頭部131aから本体110の第1及び第2面1、2の一部まで延長され、第1金属フレーム140と接続される部分である。
【0050】
このとき、第1バンド部131bは、固着強度の向上などのために、必要に応じて第1頭部131aから本体110の第5及び第6面5、6の一部までさらに延長されるように形成されることができる。
【0051】
第2外部電極132は、本体110のX方向の他端部に形成される。
【0052】
このとき、第2外部電極132は、第2頭部132aと、第2バンド部132bと、を含むことができる。
【0053】
第2頭部132aは、本体110の第4面4に配置され、第2内部電極122において本体110の第4面4を介して外部に露出する部分と接触することで、第2内部電極122と第2外部電極132とを互いに接続させる役割を果たす。
【0054】
第2バンド部132bは、第2頭部132aから本体110の第1及び第2面1、2の一部まで延長され、第2金属フレーム150と接続される部分である。
【0055】
このとき、第2バンド部132bは、固着強度の向上などのために、必要に応じて第2頭部132aから本体110の第5及び第6面5、6の一部までさらに延長されるように形成されることができる。
【0056】
一方、第1及び第2外部電極131、132は、めっき層をさらに含むことができる。
【0057】
上記めっき層は、第1及び第2ニッケル(Ni)めっき層と、上記第1及び第2ニッケルめっき層をそれぞれカバーする第1及び第2錫(Sn)めっき層と、を含むことができる。
【0058】
図4は本発明の一実施形態に適用される電子部品の概略的な構造を示す斜視図であり、
図5は
図4の分離斜視図である。
【0059】
図4及び
図5を参照すると、本実施形態の電子部品は、水平方向であるX方向に連続して配列される複数の積層型キャパシタ100を含むキャパシタアレイと、上記キャパシタアレイのY方向の一側面に配置され、複数の積層型キャパシタ100のそれぞれの第1外部電極131と接続される第1金属フレーム140と、上記キャパシタアレイのY方向の他側面に配置され、複数の積層型キャパシタ100の第2外部電極132と接続される第2金属フレーム150と、を含む。
【0060】
第1金属フレーム140は、複数の積層型キャパシタ100のそれぞれの第1外部電極131に接合されて、隣接する第1外部電極131を互いに連結する共通電極の役割を果たすことができる。
【0061】
かかる第1金属フレーム140は、第1水平接合部141と、第1水平実装部143と、第1垂直部142と、を含む。
【0062】
第1水平接合部141は、X方向に長く形成され、複数の第1外部電極131のそれぞれの第1バンド部131bの上側部分に接合されて、複数の第1外部電極131の第1バンド部131bの上側部分を電気的及び物理的に互いに連結する。
【0063】
このとき、それぞれの第1外部電極131の第1バンド部131bの上側部分において第1水平接合部141と対応する位置に導電性接着部170が設けられることができる。
【0064】
導電性接着部170は、高温半田又は導電性接合材などからなることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0065】
第1水平実装部143は、第1水平接合部141とZ方向に向かい合うように配置され、基板への実装時に接続端子の役割を果たす。
【0066】
また、第1水平実装部143は、積層型キャパシタ100の下面からZ方向に所定距離だけ離隔するように配置される。
【0067】
また、第1水平実装部143には、X方向に沿って少なくとも一つ以上の第3切開部145が形成されることができる。
【0068】
第1垂直部142は、第1水平接合部141の先端から下側に延長され、下端が第1水平実装部143の先端と連結される。
【0069】
また、第1垂直部142は、複数の第1外部電極131のそれぞれの第1頭部131aと接合されて、複数の第1外部電極131の第1頭部131aを電気的及び物理的にX方向に連結する。
【0070】
また、第1垂直部142には、X方向に沿って少なくとも一つ以上の第1切開部144が形成され、第1外部電極131の第1頭部131a全体の面積より小さい面積で形成されることができる。
【0071】
これにより、第1垂直部142が、X方向においてそれぞれの第1外部電極131の第1頭部131aの中央部分に位置するようになる。
【0072】
このとき、それぞれの第1外部電極131の第1頭部131aにおいて第1垂直部142と対応する位置に導電性接着部180が設けられることができる。
【0073】
また、第1垂直部142のX方向の長さは、すべての積層型キャパシタ100の第1外部電極131と接続できるように、キャパシタアレイの長さとほぼ同様に設定されることができる。
【0074】
第2金属フレーム150は、複数の積層型キャパシタ100のそれぞれの第1外部電極132に接合されて、隣接する第2外部電極132を互いに連結する共通電極の役割を果たすことができる。
【0075】
かかる第2金属フレーム150は、第2水平接合部151と、第2水平実装部153と、第2垂直部152と、を含む。
【0076】
第2水平接合部151は、X方向に長く形成され、複数の第2外部電極132のそれぞれの第2バンド部132bの上側部分に接合されて、複数の第2外部電極132の第2バンド部132bの上側部分を電気的及び物理的に互いに連結する。
【0077】
このとき、それぞれの第2外部電極132の第2バンド部132bの上側部分において第2水平接合部151と対応する位置に導電性接着部170が設けられることができる。
【0078】
第2水平実装部153は、第2水平接合部151とZ方向に向かい合うように配置され、基板実装時に接続端子の役割を果たす。
【0079】
また、第2水平実装部153は、積層型キャパシタ100の下面からZ方向に所定距離だけ離隔するように配置される。
【0080】
また、第2水平実装部153には、X方向に沿って少なくとも一つ以上の第4切開部155が形成されることができる。
【0081】
第2垂直部152は、第2水平接合部151の先端から下側に延長され、下端が第2水平実装部153の先端と連結される。
【0082】
また、第2垂直部152は、複数の第2外部電極132のそれぞれの第2頭部132aと接合されて、複数の第2外部電極132の第2頭部132aを電気的及び物理的にX方向に連結する。
【0083】
また、第2垂直部152には、X方向に沿って少なくとも一つ以上の第2切開部154が形成され、第2外部電極132の第2頭部132a全体の面積より小さい面積で形成されることができる。
【0084】
これにより、第2垂直部152は、X方向においてそれぞれの第2外部電極132の第2頭部132aの中央部分に位置するようになる。
【0085】
このとき、それぞれの第2外部電極132の第2頭部132aにおいて第2垂直部152と対応する位置に導電性接着部180が設けられることができる。
【0086】
また、第2垂直部152のX方向の長さは、すべての積層型キャパシタ100の第1外部電極132と接続できるように、キャパシタアレイの長さとほぼ同様に設定されることができる。
【0087】
一方、本実施形態の電子部品は、キャパシタアレイにおいて、第1又は第2外部電極131、132の第1又は第2頭部131a、132aの総面積をAt、第1又は第2垂直部142、152の面積をAmと定義する場合、0.2≦Am/At≦0.9を満たすことができる。
【0088】
本実施形態によれば、複数の積層型キャパシタを含むキャパシタアレイを含むことにより、高容量の実現が可能であり、金属フレームを用いてキャパシタアレイと実装基板との間の間隔を確保することにより、基板に実装する際に基板からのストレスが積層型キャパシタに直接伝達されないようにすることで、電子部品の熱信頼性及び機械的信頼性を向上させることができる。
【0089】
一方、キャパシタアレイの両側面に金属フレームを接合する場合、常温での接合状態は良好であるが、電装部品のように使用温度の変動が大きい環境下では、互いに接合された金属フレームと積層型キャパシタの外部電極との熱膨張係数の差によって接合界面に応力が発生し、接合力の劣化及びクラック不良が発生する可能性がある。
【0090】
本実施形態によると、第1及び第2垂直部142、152は、X方向に第1及び第2切開部144、154が形成されることで、第1及び第2垂直部142、152の一部に金属フレームのない不連続面が設けられる。
【0091】
これにより、第1及び第2金属フレーム140、150の電気的及び物理的接合性を一定レベルに確保しながらも、第1及び第2垂直部142、152と第1及び第2外部電極131、132とが接合される面積を部分的に減少させ、熱衝撃による応力の発生を抑制することができる。
【0092】
このとき、第1及び第2切開部144、154によって減少した第1及び第2垂直部142、152における接合力は、第1及び第2金属フレーム140、150の第1及び第2水平接合部141、151と、第1及び第2外部電極131、132の第1及び第2バンド部131b、132bとがそれぞれ接合されることによって発生する接合力により補償されることができる。
【0093】
したがって、第1及び第2金属フレーム140、150の接合力劣化及びクラック不良を同時に防止することができ、電子部品の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0094】
図6は
図4の電子部品にカプセル部が形成されている様子を示す斜視図である。
【0095】
図6を参照すると、キャパシタアレイをカプセル化するカプセル部160をさらに含むことができる。
【0096】
カプセル部160は、エポキシのような絶縁性樹脂からなることができ、第1及び第2金属フレーム140、150において第1及び第2水平実装部143、153を除いた電子部品の残りの部分がすべてカプセル化するように形成されることができる。
【0097】
カプセル部160は、キャパシタアレイと第1及び第2金属フレーム140、150との接合状態を向上させ、且つ外部環境からの信頼性を向上させる役割を果たすことができる。
【0098】
図7は本発明の他の実施形態に適用される電子部品の概略的な構造を示す斜視図であり、
図8は
図7の分離斜視図である。
【0099】
図7及び
図8を参照すると、本実施形態の電子部品は、キャパシタアレイがZ方向に少なくとも2層以上積層されることができる。
【0100】
上側に位置したキャパシタアレイは、第1バンド部131bの下側部分が第1金属フレーム140の第1水平接合部141の上面に接合されることができ、第2バンド部132bの下側部分が第2金属フレーム150の第2水平接合部151の上面に接合されることができる。
【0101】
一方、図面には、キャパシタアレイが2層に積層されている構造が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャパシタアレイは、必要に応じて3層以上積層されることができる。
【0102】
図9は
図7の電子部品にカプセル部が形成されている様子を示す斜視図である。
【0103】
図9を参照すると、複数のキャパシタアレイをカプセル化するカプセル部160'をさらに含むことができる。
【0104】
カプセル部160'は、エポキシのような絶縁性樹脂からなることができ、第1及び第2金属フレーム140、150において第1及び第2水平実装部143、153を除いた電子部品の残りの部分がすべてカプセル化するように形成されることができる。
【0105】
図10は本発明の他の実施形態に適用される電子部品の概略的な構造を示す斜視図であり、
図11は
図10の分離斜視図である。
【0106】
図10及び
図11を参照すると、本実施形態の電子部品は、キャパシタアレイがZ方向に少なくとも2層以上積層されることができる。
【0107】
上側に位置したキャパシタアレイは、第1バンド部131bの下側部分が第1金属フレーム140'の第1水平接合部141の上面に接合されることができ、第2バンド部132bの下側部分が第2金属フレーム150'の第2水平接合部151の上面に接合されることができる。
【0108】
ここで、上述の
図7に示された実施形態と異なる点は、第1金属フレーム140'の第1垂直部142が、上側に配置されたキャパシタアレイを構成する積層型キャパシタ100における第1外部電極131の第1頭部131aに接合されるようにZ方向に延長される第1延長部142aを有することができ、第2金属フレーム150'の第2垂直部152が、上側に配置されたキャパシタアレイを構成する積層型キャパシタ100における第2外部電極132の第2頭部132aに接合されるようにZ方向に延長される第2延長部152aを有することができるという点である。
【0109】
このとき、複数の第1延長部142aの間に第1スペース部が形成されることができ、複数の第2延長部152aの間に第2スペース部が形成されることができる。
【0110】
これにより、上側に位置したキャパシタアレイにおいて第1及び第2延長部142a、152aと第1及び第2外部電極131、132との接合面積が減少し、熱衝撃による応力の発生をさらに抑制することができる。
【0111】
また、上側に位置したキャパシタアレイには、それぞれの第1外部電極131の第1頭部131aにおいて第1垂直部142の延長部142aと対応する位置に導電性接着部180'がさらに設けられることができる。
【0112】
上側に位置したキャパシタアレイには、それぞれの第2外部電極132の第2頭部132aにおいて第2垂直部152の延長部152aと対応する位置に導電性接着部180'がさらに設けられることができる。
【0113】
一方、図面には、キャパシタアレイが2層に積層されている構造が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャパシタアレイは、必要に応じて3層以上積層されることができる。
【0114】
また、本発明の電子部品は、必要に応じて上記キャパシタアレイが多層多列構造からなることもできる。
【0115】
図12は
図10の電子部品にカプセル部が形成されている様子を示す斜視図である。
【0116】
図12を参照すると、複数のキャパシタアレイをカプセル化するカプセル部160''をさらに含むことができる。
【0117】
カプセル部160''は、エポキシのような絶縁性樹脂からなることができ、第1及び第2金属フレーム140'、150'において第1及び第2水平実装部143、153を除いた電子部品の残りの部分がすべてカプセル化するように形成されることができる。
【0118】
実験例
図13〜
図18は金属フレームの構造に応じた曲げ変形テストの結果をそれぞれ示すグラフである。
【0119】
それぞれのサンプルに用いられた積層型キャパシタは、長さと幅が3.2mmと2.5mmであり、10uFの電気的特性を有するように製造したものである。また、テストに用いられたキャパシタアレイは、かかる積層型キャパシタ10個を2層×5列の構造で配列し、−55℃〜125℃の温度サイクルを100回行って構成したものである。
【0120】
そして、金属フレームは、水平実装部と積層型キャパシタの底面との間の間隔が0.25mmとなるようにした。
【0121】
以下、キャパシタアレイにおいて一方の外部電極の頭部の面積をAt、上記頭部と接合される金属フレームの垂直部の面積をAmと定義し、各サンプルの金属フレームの形態を説明する。
【0122】
図13は比較例であって、金属フレームの垂直部に切開部が形成されておらず、Am/Atが1.0であるものであり、
図14は垂直部のX方向の長さがキャパシタアレイのX方向の長さより短くて垂直部のX方向の両端部に切開部が形成され、Am/Atが0.9であるものである。
【0123】
図15は垂直部にX方向に4つの切開部が形成され、Am/Atは0.95であるものであり、
図16は垂直部にX方向に4つの切開部が形成され、且つ切開部の幅を
図15の切開部の幅より大きくしてAm/Atが0.9であるものである。
【0124】
図17は垂直部のX方向の両端部に切開部が形成され、内側に4つの切開部が形成され、且つ切開部の幅を
図16の切開部の幅より大きくしてAm/Atが0.20であるものであり、
図18は垂直部のX方向の両端部に切開部が形成され、内側に4つの切開部が形成され、且つ切開部の幅を
図17の切開部の幅より大きくしてAm/Atが0.10であるものである。
【0125】
かかるサンプルを用いて外部電極の頭部の面積と金属フレームの垂直部の面積の変化による熱変形応力の影響を比較するために、曲げクラックテストを行う。
【0126】
曲げクラックテストは、基板に電子部品を実装した後、電子部品が実装された基板面を下に向けて配置し、電子部品の両側から所定距離だけ離隔した位置にそれぞれ支持台を位置させて行われる。その後、電子部品が実装された基板面の反対面を、基板が10mmほど変形するまで押し続けながら電子部品又は実装部にクラックが発生するか、又は電流値が急激に増加するかを確認して測定する。
【0127】
図13〜
図18を参照すると、比較例の場合、4回の曲げ変形不良が現れ、切開部があっても垂直部の両端部にのみ形成されている
図14の場合、曲げ変形不良が現れた。
【0128】
また、垂直部の内側に切開部がある場合、曲げ変形不良がほぼ現れなかったが、Am/Atが0.95である
図15のサンプルと、Am/Atが0.10である
図18のサンプルでは、曲げ変形不良が現れた。
【0129】
したがって、曲げ変形不良が現れていないAm/Atの好ましい数値範囲は、0.9以下、0.2以上であることが分かる。
【0130】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。