(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1原反から繰り出す第1ウェブ材および第2原反から繰り出す第2ウェブ材を間欠搬送する間欠搬送装置であって、前記第1および第2ウェブ材はともに、検知点を含み印刷ピッチで反復される印刷柄を有し、
前記間欠搬送装置は、
前記第1ウェブ材の前記検知点を検知する第1センサと、
前記第1センサより下流に配置された第1搬送ローラ対と、
前記第1センサの検知信号に基づいて前記第1搬送ローラ対を駆動し、前記第1ウェブ材が前記第1搬送ローラ対によって当該第1ウェブ材の前記印刷ピッチ毎に間欠搬送されるようにする第1モータと、
前記第2ウェブ材の前記検知点を検知する第2センサと、
前記第2センサより下流に配置された第2搬送ローラ対と、
前記第2センサの検知信号に基づいて前記第2搬送ローラ対を駆動し、前記第2ウェブ材が前記第2搬送ローラ対によって当該第2ウェブ材の前記印刷ピッチ毎に間欠搬送されるようにする第2モータと、
前記第1および第2搬送ローラ対より下流に配置された下流搬送ローラ対と、
前記下流搬送ローラ対を駆動し、前記第1および第2ウェブ材が重ね合わされた状態で前記下流搬送ローラ対によって搬送されるようにする下流モータと、
第1支点で支持され、前記第1支点の周りに揺動可能な第1アームと、
第2支点で支持され、前記第2支点の周りに前記第1アームと同じ方向に揺動可能な第2アームと、
前記第1アームに第1連結点で連結されるとともに前記第2アームに第2連結点で連結されたリンクと、を備え、前記第1および第2支点、および、前記第1および第2連結点をジョイントとする平行四辺形のリンク機構が構成され、さらに、
前記第1支点から距離をおいて前記第1アームに支持され、前記第1搬送ローラ対より下流かつ前記下流搬送ローラ対より上流に位置し、前記第1ウェブ材に係合する第1テンションローラと、
前記第2支点から前記距離と同じ距離をおいて前記第2アームに支持され、前記第2搬送ローラ対より下流かつ前記下流搬送ローラ対より上流に位置し、前記第2ウェブ材に係合する第2テンションローラと、
前記リンク機構を介して前記第1および第2テンションローラを付勢し、テンションを前記第1および第2ウェブ材に付与する付勢部材と、を備え、
前記第1および第2ウェブ材の前記印刷ピッチが互いに異なるとき、前記第1および第2ウェブ材のうち少なくとも前記印刷ピッチが短いウェブ材が前記テンションによって延伸され、前記第1および第2ウェブ材の印刷ピッチが互いに整合する、
ことを特徴とする間欠搬送装置。
【背景技術】
【0002】
製袋機には、印刷柄のあるプラスチック袋を、複数のウェブ材によって製造するものがある。この場合、ウェブ材は、それぞれ、一定の印刷ピッチをもって印刷された印刷柄を有する。
【0003】
例えば、製袋機は、それぞれ原反から繰り出された各ウェブ材を印刷ピッチで間欠搬送する間欠搬送装置を備える。間欠搬送装置は、各ウェブ材を重ね合わせた状態で、その下流に配置された処理装置へ間欠搬送する。処理装置として、ヒートシール装置やクロスカット装置が用いられる。処理装置は、ウェブ材を、間欠搬送毎に処理し、それによってプラスチック袋がウェブ材によって製造される。
【0004】
各ウェブ材が互いに重ね合わされるとき、各ウェブ材の印刷柄は、互いに整合されなければならない。各ウェブ材の印刷ピッチに微小な誤差があると、その微小な誤差の累積によって、各ウェブ材の印刷柄がずれるという問題がある。
【0005】
そこで、特許文献1−3では、間欠搬送装置は、ウェブ材の印刷ピッチを矯正する。特許文献1では、ウェブ材が加熱によって延伸されて印刷ピッチが矯正される。ただし、加熱がウェブ材にとって好ましくないこともある。特許文献2、3では、ウェウ材が複数のころの転動によって延伸されて印刷ピッチが矯正される。ただし、複数のころを転動させるために、大型のころ駆動機構が必要である。
【0006】
特許文献4、5の間欠搬送装置は、平行四辺形のリンク機構を用いて、各ウェブ材の位置関係にずれが生じないようにしている。ただし、このリンク機構は、1枚の大幅のウェブ材が原反から繰り出され、長さ方向にスリットされて、各ウェブ材に分割されるときにだけ利用されるものである。
【0007】
本発明は、新規な形式で印刷ピッチを矯正しつつウェブ材を間欠搬送することができる間欠搬送装置を提供することを目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明に係る間欠搬送装置の一実施形態が説明される。
【0020】
図1は、印刷柄を有するプラスチック袋を連続して製造する製袋機の上流部分を概略的に示す。製袋機は、第1原反3を支持し、第1原反3から第1ウェブ材1を連続的に繰り出す第1繰出装置5と、第2原反4を支持し、第2原反4から第2ウェブ材2を連続的に繰り出す第2繰出装置6と、を備える。
【0021】
図5Aの平面図の通り、第1ウェブ材1は、一定の印刷ピッチで反復された印刷柄50を有する。印刷柄50には、後述の検知点51が所定の位置に含まれている。
図5Bの底面図の通り、第2ウェブ材2は、一定の印刷ピッチで反復された印刷柄52を有する。印刷柄52には、後述の検知点53が所定の位置に含まれている。したがって、検知点51,53は印刷ピッチ毎に繰り返される。第1および第2ウェブ材1,2は、それぞれ、プラスチックの連続フィルムである。
【0022】
間欠搬送装置7は、この製袋機に組み込まれ、第1および第2繰出装置5,6より下流に配置されている。間欠搬送装置7は、第1原反3から繰り出された第1ウェブ材1および第2原反4から繰り出された第2ウェブ材2を印刷ピッチ毎に間欠搬送する。間欠搬送装置7は、第1および第2ウェブ材1,2を互いに重ね合わせ、重ね合わされた状態で送り出す。
【0023】
製袋機は、第1繰出装置5と間欠搬送装置7との間に配置された第1ダンサー装置8と、第2繰出装置6と間欠搬送装置7との間に配置された第2ダンサー装置9とを備える。第1ダンサー装置8は、第1ウェブ材1にテンションを付与して、第1ウェブ材1の連続搬送を間欠搬送に適切に切り替える。第2ダンサー装置9は、第2ウェブ材2にテンションを付与して、第2ウェブ材2の連続搬送を間欠搬送に適切に切り替える。第1および第2ダンサー装置8,9は、実施形態では
図1の通り独立に構成されているが、1つのユニット内に上下に構成されてもよい。
【0024】
図2は、製袋機の下流部分を概略的に示す。処理装置10,11,12が、間欠搬送装置7より下流に配置されている。第1および第2ウェブ材1,2が処理装置10,11,12によって処理され、プラスチック袋が第1および第2ウェブ材1,2によって連続的に製造される。
【0025】
縦ヒートシール装置10、横ヒートシール装置11、および、クロスカット装置12が、処理装置として用いられている。互いに重ね合わされた第1および第2ウェブ材1,2が、間欠搬送毎に、縦ヒートシール装置10によってその連続方向にヒートシールされ、横ヒートシール装置11によってその幅方向にヒートシールされ、クロスカット装置12によってその幅方向にカットされる。それによって、プラスチック袋が製造される。
【0026】
再び、
図1を参照して、間欠搬送装置7は、第1ウェブ材1の印刷柄50の検知点51を検知する第1センサ13と、第1センサ13より下流に配置された第1搬送ローラ対14と、第1センサ13からの信号に基づいて第1搬送ローラ対14を駆動する第1モータ15と、をさらに備える。
【0027】
第1センサ13として、光学センサが用いられている。第1ウェブ材1の検知点51が第1センサ13によって光学的に検知される。第1搬送ローラ対14として、ゴムローラが用いられている。第1モータ15として、サーボモータが用いられている。第1搬送ローラ対14が第1モータ15によって駆動されると、その少なくともどちらか一方のローラが回転する。第1搬送ローラ対14が第1モータ15によって駆動されると、第1搬送ローラ対14に挟まれた第1ウェブ材1が搬送される。
【0028】
第1センサ13および第1モータ15は、制御装置16に接続されている。第1モータ15は、第1センサ13からの信号に基づいて制御装置16によって制御されて第1搬送ローラ対14を駆動し、第1ウェブ材1は当該第1ウェブ材1の印刷ピッチ毎に第1搬送ローラ対14によって間欠搬送される。
【0029】
この制御の詳細が説明される。
まず、第1ウェブ材1がその印刷ピッチ毎に間欠搬送されるように、第1搬送ローラ対14の回転数が設定される。第1ウェブ材1に含まれる検知点51は、例えば、検知を容易にする観点から、印刷柄上の印刷ピッチ毎に繰り返されるコントラストの大きな点(コントラスト変化点)である。検知点51は、印刷柄50に含まれた特定のマークやコードでもよい。第1センサ13は、第1ウェブ材1が間欠搬送において一時停止するときに第1ウェブ材1の検知点51と対向するように配置される。この位置が初期位置とされる。また、第1センサ13は、第1ウェブ材1の搬送方向およびその反対方向に移動可能であり、適切な移動機構によって移動される。
【0030】
第1ウェブ材1が一時停止する度に、第1センサ13が第1ウェブ材1の検知点51を検知する。印刷柄50の印刷ピッチは一定ではあるが、何らかの原因でずれることがある。そこで、このとき、第1センサ13は、その可動範囲内を微少ながら移動することで、検知点が初期位置からずれているか否かを検知し、そして、検知点が初期位置からずれていれば、検知点の初期位置からのずれ量を検知する。検知終了後、第1センサ13は初期位置に戻る。
【0031】
検知されたずれ量は制御装置16に送られ、制御装置16はそのずれ量に基づいて第1モータ15を制御する。具体的には、検知点51が初期位置よりも下流にあれば、第1ウェブ材1が搬送され過ぎていることを意味する。したがって、制御装置16は、第1モータ15の回転量を減らす。一方、検知点51が初期位置よりも上流側であれば、第1ウェブ材1の搬送不足を意味する。したがって、制御装置16は、第1モータ15の回転量を増やす。
【0032】
上記の繰り返しにより、第1ウェブ材1がその印刷ピッチ毎に間欠搬送される。
【0033】
上記制御は間欠搬送毎に行なわれている。これに代えて、たとえば、検知点51のずれ量が複数回検知された後に、その複数回のずれ量の平均値が演算され、第1モータ15がその平均値に基づいて制御され、その回転量が変更されてよい。
【0034】
上記構成によれば、第1ウェブ材1の印刷ピッチが品質や外部環境などが原因で所望のピッチからずれているとき、第1搬送ローラ対14による第1ウェブ材1の間欠搬送量はそれに合わせて変化するように制御される。
【0035】
間欠搬送装置7は、第2ウェブ材2の印刷柄52の検知点53を検知する第2センサ17と、第2センサ17より下流に配置された第2搬送ローラ対18と、第2センサ17の信号に基づいて第2搬送ローラ対18を駆動する第2モータ19と、をさらに備える。
【0036】
第2センサ17として、光学センサが用いられている。第2ウェブ材2の検知点53が第2センサ17によって光学的に検知される。第2搬送ローラ対18として、ゴムローラが用いられている。第2モータ19として、サーボモータが用いられている。第2搬送ローラ対18が第2モータ19によって駆動されると、その少なくともどちらか一方のローラが回転する。第2搬送ローラ対18が第2モータ19によって駆動されると、第2搬送ローラ対18に挟まれた第2ウェブ材2が搬送される。
【0037】
第2センサ17および第2モータ19は、制御装置16に接続されている。第2モータ19は、第2センサ17からの信号に基づいて制御装置16によって制御されて第2搬送ローラ対18を駆動し、第2ウェブ材2は当該第2ウェブ材2の印刷ピッチ毎に第2搬送ローラ対18によって間欠搬送される。
【0038】
この制御の詳細が説明される。
まず、第2ウェブ材2がその印刷ピッチ毎に間欠搬送されるように、第2搬送ローラ対18の回転数が設定される。第2ウェブ材2に含まれる検知点53は、例えば、検知を容易にする観点から、印刷柄上の印刷ピッチ毎に繰り返されるコントラストの大きな点(コントラスト変化点)である。検知点53は、印刷柄52に含まれた特定のマークやコードでもよい。検知点51および検知点53は、同一の特徴を有しても、異なる特徴を有してもよい。第2センサ17は、第2ウェブ材2が間欠搬送において一時停止するときに第2ウェブ材2の検知点53と対向するように配置される。この位置が初期位置とされる。また、第2センサ17は、第2ウェブ材2の搬送方向およびその反対方向に移動可能であり、適切な移動機構によって移動される。
【0039】
第2ウェブ材2が一時停止する度に、第2センサ17が第2ウェブ材2の検知点53を検知する。印刷柄51の印刷ピッチは一定ではあるが、何らかの原因でずれることがある。そこで、このとき、第2センサ17は、その可動範囲内を微少ながら移動することで、検知点53が初期位置からずれているか否かを検知し、そして、検知点53が初期位置からずれていれば、検知点53の初期位置からのずれ量を検知する。検知終了後、第2センサ17は初期位置に戻る。
【0040】
検知されたずれ量は制御装置16に送られ、制御装置16はそのずれ量に基づいて第2モータ19を制御する。具体的には、検知点53が初期位置よりも下流にあれば、第2ウェブ材2が搬送され過ぎていることを意味する。したがって、制御装置16は、第2モータ19の回転量を減らす。一方、検知点53が初期位置よりも上流側であれば、第2ウェブ材2の搬送不足を意味する。したがって、制御装置16は、第2モータ19の回転量を増やす。
【0041】
上記の繰り返しにより、第2ウェブ材2がその印刷ピッチ毎に間欠搬送される。
【0042】
上記制御は間欠搬送毎に行なわれている。これに代えて、たとえば、検知点53のずれ量が複数回検知された後に、その複数回のずれ量の平均値が演算され、第2モータ19がその平均値に基づいて制御され、その回転量が変更されてよい。
【0043】
上記構成によれば、第2ウェブ材2の印刷ピッチが品質や外部環境などが原因で所望のピッチからずれているとき、第2搬送ローラ対18による第2ウェブ材2の間欠搬送量はそれに合わせて変化するように制御される。
【0044】
間欠搬送装置7は、第1および第2搬送ローラ対14,18より下流に配置された下流搬送ローラ対21と、下流搬送ローラ対21を駆動する下流モータ22と、を備える。制御装置20が設けられており、下流モータ22は制御装置20に接続されている。この制御装置20は、先の制御装置16と独立している。
【0045】
下流搬送ローラ対21として、ゴムローラが用いられている。下流モータ22として、サーボモータが用いられている。下流搬送ローラ対21が下流モータ22によって駆動されると、その少なくともどちらか一方のローラが回転する。下流搬送ローラ対21が第2モータ22によって駆動されると、第1および第2ウェブ材1,2は、下流搬送ローラ対21に導かれ、互いに重ね合わされ、下流搬送ローラ対21に挟まれ、重ね合わされた状態で搬送される。
【0046】
下流モータ22は、制御装置20によって制御されて、下流搬送ローラ対21を駆動し、第1および第2ウェブ材1,2は、これらに付与されるテンションが一定となるように間欠搬送される。第1および第2ウェブ材1,2の間欠搬送量は、実施形態では予め決定されている。
【0047】
間欠搬送装置7は、平行四辺形のリンク機構30をさらに備える。
図3は、リンク機構30を詳細に示す。間欠搬送装置7は、第1支点33で装置フレーム(図示略)に支持され、第1支点33の周りに揺動可能な第1アーム31と、第2支点34で装置フレームに支持され、第2支点34の周りに、第1アーム31と同じ方向に揺動可能な第2アーム32とを備える。第1および第2アーム31,32は、互いに同じ長さ、同じ形状を有する。第1および第2アーム31,32は、互いに間隔をおいて平行に配置されている。
【0048】
さらに、間欠搬送装置7が、第1および第2アーム31,32の間に配置されたリンク35をさらに備える。リンク35は、第1アーム31に第1連結点36で連結され、第2アーム32に第2連結点37で連結されている。これによって、第1および第2支点33,34、および、第1および第2連結点36,37をジョイントとするリンク機構30が構成されている。
【0049】
間欠搬送装置7は、第1支点33から所定の距離Lをおいて第1アーム31に支持された第1テンションローラ38と、第2支点34から同じ距離Lおいて第2アーム32に支持された第2テンションローラ39とをさらに備える。第1テンションローラ38は、第1搬送ローラ対14より下流かつ下流搬送ローラ対21より上流に位置し、第1ウェブ材1に係合している。第2テンションローラ39は、第2搬送ローラ対18より下流かつ下流搬送ローラ対21より上流に位置し、第2ウェブ材2に係合している。第1および第2テンションローラ38,39は、リンク機構30によって、互いに同期し、同じ揺動量で揺動する。
【0050】
間欠搬送装置7は、リンク機構30を介して第1および第2テンションローラ38,39を付勢し、テンションを第1および第2ウェブ材1,2に付与するための付勢部材40をさらに備える。付勢部材40として、シリンダが用いられている。付勢部材40は、第1または第2アーム31,32に連結されており、第1および第2ウェブ材1,2に一定のテンションを与え続ける。付勢部材40は、リンク機構30に作用し、第1および第2テンションローラ38,39をその揺動方向に付勢する。それによって、テンションが第1および第2テンションローラ38,39に係合する第1および第2ウェブ材1,2に付与される。
【0051】
複数の第1ガイドローラ24が、第1搬送ローラ対14より下流かつ下流搬送ローラ対21より上流に配置されており、第1ウェブ材1に係合する。複数の第2ガイドローラ25が、第2搬送ローラ対18より下流かつ下流搬送ローラ対21より上流に配置され、第2ウェブ材2に係合する。第1テンションローラ38と第1ガイドローラ24の位置関係は、第2テンションローラ39と第2ガイドローラ25の位置関係と一致する。
【0052】
図3の通り、区間Aには、2つのパスラインがある。一方は、第1センサ13(すなわち、第1センサ13が第1ウェブ材1の検知点51を検知する初期位置)から下流搬送ローラ対21までの第1ウェブ材1用のパスラインである。他方は、第2センサ17(すなわち、第2センサ17が第2ウェブ材2の検知点53を検知する初期位置)から下流搬送ローラ対21までの第2ウェブ材2用のパスラインである。区間Aは、第1搬送ローラ対14/第2搬送ローラ対18から下流搬送ローラ対21までの区間Bを含む。間欠搬送装置7は、区間Bの両パスライン長さが互いにほぼ同じになるように構成され、かつ、区間Aの両パスライン長さは互いに同じになるように構成されている。
【0053】
第1および第2テンションローラ38,39がリンク機構30によって揺動されると、両パスライン長さは変化する。第1および第2テンションローラ38,39は互いに同期して同じ揺動量で揺動するので、両パスライン長さは、第1および第2テンションローラ38,39の転動によって同じ量だけ短くまたは長くなる。つまり、第1および第2テンションローラ38,39が揺動しても、区間Aの両パスライン長さが互いに同じに維持されるように第1間欠搬送装置7は構成されている。
【0054】
第1ウェブ材1は、その印刷ピッチで区間Bへ間欠搬送される。第2ウェブ材2は、その印刷ピッチで区間Bへ間欠搬送される。第1および第2ウェブ材1,2の印刷ピッチは通常互いに同じで一定に設定されている。第1および第2ウェブ材1,2との間で印刷ピッチのずれがないとき、区間Bへの間欠搬送量は、第1および第2ウェブ材1,2とでは互いに同じである。さらに上述の通り、区間Aの両パスライン長さは互いに同じである。したがって、第1および第2ウェブ材1,2が互いに重ね合わされるとき、それらの印刷柄51,53は互いに整合する。
【0055】
印刷ピッチのばらつきにより、第1および第2ウェブ材1,2との間で印刷ピッチのずれがあると、間欠搬送量は、第1および第2ウェブ材1,2とで互いに異なる。
【0056】
この場合、第1および第2テンションローラ38,39が区間Bおいて付勢部材40によって付勢され、テンションが1および第2ウェブ材1,2に付与され、第1および第2ウェブ材1,2のうち少なくとも印刷ピッチの短いウェブ材が延伸される。区間Aの両パスライン長さは、前記テンションによって印刷ピッチが長い方のウェブ材の長さに合わされる。したがって、印刷ピッチが短い方のウェブ材が前記テンションによって印刷ピッチの長いウェブ材に合うように延伸されて、短い方の印刷ピッチが長い方の印刷ピッチに矯正される。つまり、この延伸によって、第1および第2ウェブ材1,2の印刷ピッチが互いに整合する。その結果、区間Aに含まれる印刷ピッチ数およびウェブ材長さは、第1および第2ウェブ材1,2で同じになる。
【0057】
この時に付勢部材40によって第1および第2ウェブ材1,2に付与されるテンションは、両ウェブ材1,2が区間Bでたるむことのないように予め設定されている。下流搬送ローラ対21の駆動力は、当該テンションがかかった状態でも第1および第2ウェブ材1,2を搬送するに足る駆動力があれば良い。印刷ピッチが短いウェブ材がテンションによって延伸されるとき、印刷ピッチが長いウェブ材もテンションによって延伸されてよい。前述の構成によれば、印刷ピッチが短いウェブ材の延伸量は、印刷ピッチの長いウェブ材の延伸量よりも大きくなり、このような場合でも第1および第2ウェブ材1,2の印刷ピッチが互いに整合する。
【0058】
以上の通り、第1および第2ウェブ材1,2の印刷ピッチが互いにずれていても、自動的に矯正される。第1および第2ウェブ材1,2は、それらの印刷柄が互いに整合した状態で下流搬送ローラ対21によって間欠搬送される。印刷柄がずれていないプラスチック袋が処理装置10,11,12によって製造される。
【0059】
本発明に係る間欠搬送装置7によれば、センサ13,17、20,搬送ローラ対14,18,21、モータ15,19,22、リンク機構30、テンションローラ38,39、および付勢部材40の組合せによって、印刷ピッチを矯正しながら、ウェブ材1,2を間欠搬送することができる。この間欠搬送装置7は、印刷ピッチを矯正するために加熱したり、ころ、および、当該ころの駆動機構などを追加したりする必要がなく、新規な形式の印刷ピッチの矯正を提供する。
【0060】
以下で別の実施形態が説明される。第1センサ13は、間欠搬送毎に、初期位置を通過する瞬間の検知点51を検知し、第1モータ15がその瞬間に制御装置16によって停止されてよい。また、第1センサ13が、間欠搬送が終了した時点で初期位置においてまだ検知点51を検知していないとき、第1センサ13が検知点51を検知するまで上流に移動してよい。制御装置16は、このときの第1センサ13の移動量をずれ量とし、このずれ量に基づいて第1モータ15を駆動し、第1ウェブ材1が第1搬送ローラ対14によって当該ずれ量だけさらに搬送されるようにする。
【0061】
同様に、第2センサ17は、間欠搬送毎に、初期位置を通過する瞬間の検知点53を検知し、第2モータ19がその瞬間に制御装置16によって停止されてよい。また、第2センサ17が、間欠搬送が終了した時点で初期位置においてまだ検知点53を検知していないとき、第2センサ17が検知点53を検知するまで上流に移動してよい。制御装置16は、このときの第2センサ17の移動量をずれ量とし、このずれ量に基づいて第2モータ19を駆動し、第2ウェブ材2が第2搬送ローラ対18によって当該ずれ量だけさらに搬送されるようにする。
【0062】
図4の実施形態は、より精度の高い制御を提供する。
図4の通り、下流センサ23が、下流搬送ローラ対21の上流側に設けられている。下流センサ23は、第1センサ13と同じく、第1ウェブ材1の印刷柄50の検知点51を検知する。また、下流センサ23は、制御装置20に接続されている。下流モータ22は、下流センサ23の検知信号に基づいて制御装置20によって制御されて、下流搬送ローラ対21を駆動する。
【0063】
下流センサ23、下流送ローラ対21、及び下流モータ22は、第1および第2ウェブ材1,2の間欠搬送に関し、第1センサ13、第1搬送ローラ対14、及び第1モータ15が第1ウェブ材1を間欠搬送するときと同様に動作する。すなわち、検知点51の初期位置からずれ量が検知され、下流モータ22が制御装置20によってずれ量に基づいて制御され、その回転量が変更される。
【0064】
もちろん、
図4の実施形態においても、前述した第1および第2センサ13,17と同様に、検知点51,53のずれ量が複数回検知された後に、その複数回のずれ量の平均値が演算され、下流モータ22がその平均値に基づいて制御されて、その回転量が変更されてよい。
【0065】
前述の通り、第1および第2ウェブ材1,2が下流搬送ローラ対21に達するまでに、両ウェブ材1,2の印刷ピッチが互いに整合しているので、下流センサ23は、第1ウェブ材1の検知点51に代えて、第2ウェブ材2の検知点53を検知するように配置されてよい。
ウェブ材1,2は、印刷ピッチで反復された印刷柄を有する。第1ウェブ材1は、その印刷ピッチで第1搬送ローラ対14によって区間Aに間欠搬送される。第2ウェブ材2は、その印刷ピッチで第2搬送ローラ対18によって区間Aに間欠搬送される。第1および第2ウェブ材1,2は、互いに重ね合わされた状態で下流搬送ローラ対21によって区間Aから間欠搬送される。第1および第2ウェブ材1,2に係合する第1および第2テンションローラ38,39は、リンク機構30を介して付勢部材40によって付勢されている。