(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
成分(A)の脂肪酸塩としては、一般式(1)
【0010】
(式中、R
1は炭素数9〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Xはアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン由来のアンモニウム又は塩基性アミノ酸を示す)
で表されるものが好ましい。
より具体的には、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等の塩が挙げられる。これらの中では、洗浄力及び泡立ちを向上させる観点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸の塩から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウム;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などが挙げられる。これらの中では、水とのなじみの良さをと洗浄力を両立させる観点から、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルギニンから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、カリウム、アルギニンから選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、カリウムを少なくとも含むことがさらに好ましい。
【0011】
成分(A)の脂肪酸塩は、例えば、組成物中で、未中和の脂肪酸と、中和剤とを混合することにより、脂肪酸塩を形成させ、組成物中に存在させることができる。
中和剤は、塩基性を示す化合物であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、塩基性アミノ酸等が挙げられる。これらのうち、洗浄力を向上させる観点、及び水とのなじみの良さを向上させる観点から、水酸化カリウム及び水酸化ナトリムから選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、水酸化カリウムを少なくとも含むことがより好ましい。
【0012】
成分(A)の脂肪酸塩は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、加水時の粘度上昇を抑制し、泡立ち、水とのなじみの良さ、肌のなめらかさを向上させる観点から、含有量は、脂肪酸換算値として、液体皮膚洗浄剤中に5質量%以上であり、6.5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、18質量%以下であり、16質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、12質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A)の含有量は、脂肪酸として、液体皮膚洗浄剤中に5〜18質量%であり、6.5〜16質量%が好ましく、8〜15質量%がより好ましく、10〜12質量%がさらに好ましい。
【0013】
成分(B)のアニオン界面活性剤は、成分(A)以外のもので、通常の皮膚洗浄剤に用いられるものであれば良く、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルケニルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アシルイセチオン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、スルホ脂肪酸メチルエステル塩、脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル塩、モノアシルグリセリン硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、脂肪酸アミドエーテルリン酸、エーテルカルボン酸又はその塩、N−アシルアミノ酸塩等が挙げられる。
【0014】
これらのうち、泡立ち、洗浄力、肌のなめらかさを良好にする観点から、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、及びエーテルカルボン酸又はその塩から選ばれる少なくとも1種含むことが好ましく、少なくとも2種含むことがより好ましく、特にアルキル硫酸エステル塩及び/又はアルキルエーテル硫酸エステル塩と、エーテルカルボン酸塩とを少なくとも含むことが好ましい。
【0015】
成分(B)として用い得るアルキル硫酸エステル塩としては、下記一般式(2)で表されるアルキル硫酸エステル塩が挙げられる。
R
2OSO
3M
2・・・(2)
(式(2)中、R
2は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を示し、M
2は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びグルクアンモニウムから選ばれるカチオンを示す)
【0016】
一般式(2)中、R
2としては、泡立ち、洗浄力を良好にする観点から、炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数8〜16の脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数10〜16の脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。さらには、炭素数8〜16のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基がより好ましく、炭素数10〜14のアルキル基又はアルケニル基がよりさらに好ましい。
M
2としては、上記と同様の観点から、アルカリ金属、アンモニウムが好ましく、アルカリ金属がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。
【0017】
かかるアルキル硫酸エステル塩としては、具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられる。これらのうち、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン及びラウリル硫酸アンモニウムから選択される1種以上を含むことが好ましい。これらの化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、かかるアルキル硫酸エステル塩の市販品としては、例えば、エマール0S(花王社製、ラウリル硫酸ナトリウム)、エマール10PT(花王社製、ラウリル硫酸ナトリウム)、エマールTD(花王社製、ラウリル硫酸トリエタノールアミン)、エマールAD−25R(花王社製、ラウリル硫酸アンモニウム)等が挙げられる。
【0018】
成分(B)として用い得るアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、下記一般式(3)で表されるアルキルエーテル硫酸エステル塩が挙げられる。
R
3O(CH
2CH
2O)
nSO
3M
3・・・(3)
(式(3)中、R
3は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を示し、M
3は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びグルクアンモニウムから選ばれるカチオンを示し、nは平均付加モル数を示し、0.5〜20である)
【0019】
一般式(3)中、R
3としては、泡立ち、洗浄力を良好にする観点から、炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数8〜16の脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数10〜16の脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。さらには、炭素数8〜16のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基がより好ましく、炭素数10〜14のアルキル基又はアルケニル基がよりさらに好ましい。
nは、上記と同様の観点から、0.5以上が好ましく、また12以下が好ましく、5以下が好ましく、4以下がさらに好ましく、2以下がよりさらに好ましい。具体的なnの範囲は、0.5〜12が好ましく、0.5〜5がより好ましく、0.5〜4がさらに好ましく、0.5〜2がよりさらに好ましい。
M
3としては、上記と同様の観点から、アルカリ金属、アンモニウムが好ましく、アルカリ金属がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。
【0020】
かかるアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、具体的には、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン(1)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、及びポリオキシエチレン(2)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらのうち、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、及びポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される1種以上を含むことが好ましい。なお、本明細書において、これらの化合物のかっこ内の数値は、エチレンオキシドの平均付加モル数を意味する。
また、かかるアルキルエーテル硫酸エステル塩の市販品として、例えば、エマール125HP(花王社製、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、エマール125A(花王社製、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム)、エマール227(花王社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)等が挙げられる。
【0021】
成分(B)として用い得るエーテルカルボン酸又はその塩としては、下記一般式(4)で表されるエーテルカルボン酸又はその塩が挙げられる。
R
4O(CH
2CH
2O)
mCH
2COOM
4・・・(4)
(式(4)中、R
4は炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を示し、mは平均付加モル数で、0.5〜10の数を示し、M
4は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す)
【0022】
一般式(4)中、R
4としては、泡立ち、洗浄力を良好にする観点から、炭素数12〜16のアルキル基が好ましく、炭素数12〜14のアルキル基がより好ましい。
また、上記と同様の観点から、エチレンオキシドの平均付加モル数mは、2〜5であるのが好ましい。
M
4としては、水素原子;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウム;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸由来のアンモニウム等が挙げられる。これらのうち、上記と同様の観点から、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン、及びアルギニンから選択される1種又は2種以上が好ましく、ナトリウム、及びカリウムから選択される1種又は2種がより好ましい。
【0023】
かかるエーテルカルボン酸又はその塩としては、上記と同様の観点から、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレンパルミチルエーテルカルボン酸又はその塩から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸またはその塩、及びポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸又はその塩から選択される1種又は2種を含むことが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸又はその塩を含むことがさらに好ましい。
また、かかるエーテルカルボン酸又はその塩の市販品として、例えば、AKYPO RLM 45CA(花王社製)、AKYPO LM 26C(花王社製)等が挙げられる。
【0024】
成分(B)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、泡立ち、洗浄力、肌のなめらかさを向上させる観点から、含有量は、液体皮膚洗浄剤中に2.2質量%以上であり、2.5質量%以上が好ましく、3.2質量%以上がより好ましく、3.8質量%以上がさらに好ましく、7質量%以下であり、6.6質量%以下が好ましく、6.2質量%以下がより好ましく、4.8質量%以下がさらに好ましい。また、成分(B)の含有量は、液体皮膚洗浄剤中に2.2〜7質量%であり、2.5〜6.6質量%が好ましく、3.2〜6.2質量%がより好ましく、3.8〜4.8質量%がさらに好ましい。
【0025】
成分(C)の両性界面活性剤としては、通常の皮膚洗浄剤に用いられるものであればいずれでも良く、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤;2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン型界面活性剤;ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアミドベタイン型界面活性剤;ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型界面活性剤などが挙げられる。
これらのうち、泡立ちを向上させ、すすぎ時のぬるつきを抑制する観点から、酢酸ベタイン型界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤及びアミドベタイン型界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、スルホベタイン型界面活性剤及びアミドベタイン型界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、スルホベタイン型界面活性剤を少なくとも含むことがさらに好ましい。より具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウリン酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウリン酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、ラウリルヒドロキシスルホベタインを少なくとも含むことがさらに好ましい。
【0026】
成分(C)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、加水時の粘度上昇を抑え、水とのなじみの良さ、泡立ちを向上させ、すすぎ時のぬるつきを抑制する観点から、含有量は、液体皮膚洗浄剤中に0.2質量%以上であり、0.4質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.4質量%以上がさらに好ましく、4.0質量%以下であり、2.5質量%以下が好ましく、1.9質量%以下がより好ましく、1.6質量%以下がさらにより好ましい。また、成分(C)の含有量は、液体皮膚洗浄剤中に0.2〜4.0質量%であり、0.4〜2.5質量%が好ましく、1.0〜1.9質量%がより好ましく、1.4〜1.6質量%がさらに好ましい。
【0027】
本発明において、成分(C)に対する成分(B)の質量比(B)/(C)は、水とのなじみ、泡立ちを良好にし、すすぎ時のぬるつきを抑制する観点から、5/3以上であり、1.7以上が好ましく、2.2以上がより好ましく、2.8以上がさらに好ましく、10以下であり、6以下が好ましく、4.3以下がより好ましく、3.3以下がさらに好ましい。また、成分(C)に対する成分(B)の質量比(B)/(C)は、5/3〜10であり、1.7〜6が好ましく、2.2〜4.3がより好ましく、2.8〜3.3がさらに好ましい。
【0028】
成分(D)の炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム等のアルカリ金属塩;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等のアンモニウム塩などが挙げられる。
これらのうち、液体皮膚洗浄剤の性状を水溶性とする点、及び組成物の適度な取り出しやすさと、泡立ち及び洗浄性を両立させる観点から、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムから選ばれる少なくとも1種が好ましく、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムの少なくとも1種、並びに炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムの少なくとも1種を含むことがより好ましく、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含むことがさらに好ましい。
【0029】
成分(D)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、水とのなじみの良さや、肌のなめらかさを向上させ、液体皮膚洗浄剤の粘度低下を抑制する観点から、含有量は、液体皮膚洗浄剤中に0.2質量%以上であり、0.4質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、1.8質量%以上がさらに好ましく、7質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、3.5質量%以下がより好ましく、2.5質量%以下がさらに好ましい。また、成分(D)の含有量は、液体皮膚洗浄剤中に0.2〜7質量%であり、0.4〜5質量%が好ましく、1〜3.5質量%がより好ましく、1.8〜2.5質量%がさらに好ましい。
【0030】
成分(E)のポリオールとしては、通常の皮膚洗浄剤組成物に用いられるものであれば良く、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、トレハロース、スクロース等の水酸基を3個以上含有するポリオール(3価以上のポリオール);エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量2000以下)、ポリプロピレングリコール(平均分子量1500以下)等の水酸基を2個含有するポリオール(2価のポリオール)が挙げられる。
これらのうち、水とのなじみ、泡立ちを良好にする観点から、3価以上のポリオールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール及びマルチトールから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、グリセリン及びジグリセリンから選ばれる1種又は2種を含むことがより好ましく、グリセリンを含むことがさらに好ましい。また、2価のポリオールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びイソプレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましく、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を含むことがさらに好ましい。
【0031】
成分(E)としては、特に液体皮膚洗浄剤の加水時の粘度上昇を抑制し、水とのなじみを良好にする観点から、2価のポリオールを含むことが好ましい。また、成分(E)が3価以上のポリオールを含む場合、ポリオール中に少なくとも2価のポリオールを併せて含むことが好ましく、ポリオール中に2価のポリオールを5質量%以上含むことがより好ましく、10質量%以上含むことがさらに好ましい。
【0032】
成分(E)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、液体皮膚洗浄剤の加水時の粘度上昇を抑制し、水とのなじみ、泡立ちを良好にする観点から、含有量は、液体皮膚洗浄剤中に0.1質量%以上であり、0.4質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましく、0.9質量%以上がさらに好ましく、10質量%以下であり、7.5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましい。また、成分(E)の含有量は、液体皮膚洗浄剤中に0.1〜10質量%であり、0.4〜7.5質量%が好ましく、0.7〜3質量%がより好ましく、0.9〜1.8質量%がさらに好ましい。
【0033】
本発明において、成分(E)に対する成分(B)の質量比(B)/(E)は、加水時の増粘を抑制し、水へのなじみ、泡立ちを良好にする観点から、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、2.5以上がさらに好ましく、10以下が好ましく、6以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。また、成分(E)に対する成分(B)の質量比(B)/(E)は、0.5〜10が好ましく、0.6〜6がより好ましく、2.5〜5がさらに好ましい。
【0034】
成分(F)の水は溶媒として用いられ、含有量は、液体皮膚洗浄剤中に40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、54質量%以上がさらに好ましく、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。また、成分(F)の含有量は、液体皮膚洗浄剤中に40〜90質量%が好ましく、50〜85質量%がより好ましく、54〜80質量%がさらに好ましい。
本発明においては、組成物中に成分(D)の炭酸塩が含有されているため、組成物中に酸が存在すると、成分(D)の炭酸塩が酸と反応して炭酸ガスが発生し、適度な粘度が実現せず、適度な取り出しやすさと溶け崩れ性の両立が困難となる。このため、成分(A)のみならず、その他の成分(例えば、後記成分(G)等)が酸性成分である場合には、中和されていることが好ましい。
成分(A)とその他の酸性成分の合計に対する中和率は、適度な取り出しやすさと溶け崩れ性の両立を向上させる観点から、0.90〜1.10が好ましく、0.95〜1.05がより好ましい。
【0035】
本発明の液体皮膚洗浄剤は、さらに、(G)水溶性高分子を含有することができ、泡立ち、肌のなめらかさを良好にすることができる。
かかる水溶性高分子は、通常の皮膚洗浄剤に用いられるものであればいずれでも良い。
水溶性高分子としては、例えば、アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロース、高重合ポリアルキレングリコール、カチオン性ポリマー等が挙げられる。
【0036】
アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体としては、アクリル酸/アクリル酸アルキルクロスポリマー等が挙げられ、例えば、ペムレンTR−1、ペムレンTR−2、カーボポールETD2020、カーボポール1382、カーボポール1342(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)、AQUPEC HV−501ER(住友精化社製)等の市販品を使用することができる。
【0037】
ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロースは、セルロースの水酸基における水素原子の一部がヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基で置換されているものであり、これら以外の置換基を有していても良い。
具体的には、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
これらは、セルロースに苛性ソーダを反応させてアルカリセルロースとし、次いで、塩化メチル、モノクロル酢酸、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を作用させ、セルロースの水酸基における水素原子をヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メチル基、カルボキシメチル基等に置換して得られるものである。
【0038】
これらのセルロースは、泡立ち性及び泡持続性を向上させる観点から、平均置換度は0より大きく、0.5以上がより好ましく、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。また、重量平均分子量は、液体洗浄剤組成物への溶解性、泡立ち性及び泡持続性を向上させる観点から、200,000以上が好ましく、500,000以上がより好ましく、650,000以上がより好ましく、3,000,000以下が好ましく、2,000,000以下がより好ましく、1,600,000以下が更に好ましい。
なお、本発明において、平均置換度は、NMRにより求められ、重量平均分子量は、標準物質をポリエチレンオキシドとしてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)−多角度レーザー光散乱検出装置(MALLS)システムを用いることにより測定される。
【0039】
ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましく、平均置換度が0.5〜2、重量平均分子量が650,000〜1,600,000のものが好ましい。
【0040】
ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロースとしては、例えば、ヒドロキシエチルセルロースでは、CELLOSIZE QP52000H(ダウ・ケミカル社製)、HECダイセル SE400、SE500、SE600、SE850、SE900(以上、ダイセルファインケム社製)等;ヒドロキシプロピルメチルセルロースでは、METOLOSE 60SH、65SH(以上、信越化学工業社製)、BENECEL E50、E4M、E10M、F4MC、K99C、K4M、K15M、K35M、K100M、K200M(以上、ASHLAND社製)等の市販品を使用することができる。
【0041】
高重合アルキレングリコールとしては、本発明においては重量平均分子量が2万以上のポリアルキレングリコールであり、泡立ち、泡量を良好にする観点から、重量平均分子量は40万以上が好ましく、100万以上がより好ましく、150万以上がさらに好ましく、また、500万以下が好ましく、350万以下がより好ましく、250万以下がさらに好ましい。また、高重合ポリアルキレングリコールにおけるアルキレン基の炭素数としては、同様の観点から、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、具体的なアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
高重合アルキレングリコールとしては、具体的には、POLYOX WSR N−10、POLYOX WSR N−60K(重量平均分子量 200万、ダウ・ケミカル社製)、ALKOX E−100(重量平均分子量 300万、明成化学工業社製)、ALKOX E−30G(重量平均分子量 40万、明成化学工業社製)、ALKOX E−240(重量平均分子量500万、明成化学工業社製)等の市販品を使用することができる。
【0042】
カチオン性ポリマーとしては、アミノ基、イミダゾリル基、ピリジル基、これらの塩又は4級化塩等を含有するポリマーであり、水とのなじみ、泡立ち、肌のなめらかさを良好にする観点から、カチオン電荷密度が、2meq/g以上のものが好ましく、2〜8meq/gがより好ましく、3〜7meq/gがさらに好ましい。
ここで、カチオン電荷密度とは、ポリマーを構成するモノマーユニット中のカチオン電荷の当量数(meq/g)をいう。
【0043】
かかるカチオン性ポリマーとしては、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー;ジメチルジアリルアンモニウムクロリドと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等、他のモノマーとの共重合体;ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
【0044】
より具体的には、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー(マーコート100;NALCO社製:電荷密度6.2meq/g)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体(マーコート295;NALCO社製:電荷密度5.9meq/g)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体(マーコート280;NALCO社製:電荷密度5.0meq/g)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体(マーコート550;NALCO社製:電荷密度3.2meq/g)、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(花王社製:電荷密度4.8meq/g)、塩化メチルビニルイミダゾリウムとビニルピロリドンの共重合体(ルビカットexcellence;BASF社製:電荷密度6.1meq/g、ルビカットFC550;BASF社製:電荷密度4.4meq/g)等が挙げられる。
【0045】
カチオン性ポリマーとしては、水とのなじみ、泡立ち、肌のなめらかさを良好にする観点から、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体が好ましい。
【0046】
成分(G)の水溶性高分子としては、水とのなじみ、泡立ち、肌のなめらかさを良好にする観点から、少なくともカチオン性ポリマーを含むことが好ましく、カチオン性ポリマーとアクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロース及び高重合ポリアルキレングリコールから選ばれる1種又は2種以上とを含むことがより好ましく、カチオン性ポリマー、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロース及び高重合ポリアルキレングリコールを含むことがさらに好ましい。
より具体的には、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド及び塩化メチルビニルイミダゾリウムとビニルピロリドンの共重合体から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド及び塩化メチルビニルイミダゾリウムとビニルピロリドンの共重合体から選択される1種又は2種以上と、アクリル酸/アクリル酸アルキルクロスポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、高重合ポリエチレングリコール及び高重合ポリプロピレングリコールから選択される1種又は2種以上とを含むことがより好ましく、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド及び塩化メチルビニルイミダゾリウムとビニルピロリドンの共重合体から選択される1種又は2種以上と、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、高重合ポリエチレングリコール又は高重合ポリプロピレングリコールとを含むことがさらに好ましい。
【0047】
成分(G)は、水とのなじみ、泡立ち、肌のなめらかさを良好にする観点から、含有量は、液体皮膚洗浄剤中に0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、1.5質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。また、成分(G)の含有量は、液体皮膚洗浄剤中に0.01〜1.5質量%が好ましく、0.05〜0.8質量%がより好ましく、0.1〜0.3質量%がさらに好ましい。
【0048】
本発明の液体皮膚洗浄剤は、さらに、(H)非イオン性界面活性剤を含有することができ、泡立ち、洗浄力を向上させることができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、(ポリ)アルキルグリセリルエーテル、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
これらのうち、泡立ち、肌のやわらかさを良好にする観点から、非イオン性界面活性剤のHLBは、8以上が好ましく、9以上がより好ましく、9.5以上がさらに好ましく、また、18以下が好ましく、16以下がより好ましく、14以下がさらに好ましい。また、成分(H)のHLBは、8〜18が好ましく、9〜16がより好ましく、9.5〜14がさらに好ましい。
本発明において、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)は、(Σ無機性値/Σ有機性)×10により計算される。ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値が算出される(例えば、甲田善生 著、「新版 有機概念図―基礎と応用―」3頁〜17頁、95〜102頁、三共出版 1984年発行 参照)。また、2種以上の界面活性剤を用いた混合界面活性剤のHLBは、各界面活性剤のHLBをその配合比率に基づいて加重平均して得られる。
【0049】
成分(H)の非イオン性界面活性剤としては、泡質、洗浄力を良好にする観点から、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド及びアルキルアルカノールアミドから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド及びアルキルアルカノールアミドから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、アルキルアルカノールアミドを含むことがさらに好ましい。
【0050】
成分(H)として用い得るアルキルアルカノールアミドとしては、下記一般式(5)で表されるアルキルアルカノールアミドが挙げられる。
【0052】
(式中、R
5COは、炭素数8〜20のアシル基を示し、R
6は、水素原子、メチル基又はヒドロキシエチル基を示す)
【0053】
一般式(5)中、R
5COは、炭素数8〜20のアシル基が好ましく、炭素数10〜18のアシル基がより好ましい。また、R
6は、水素原子又はメチル基が好ましい。
【0054】
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルの市販品としては、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(12EO)(エマノーン112(HLB13.7)、花王社製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの市販品としては、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル(エマルゲン121−G(HLB15.0)、花王社製)、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(エマルゲン109P(HLB12.0)、花王社製)、ポリオキシエチレン(20)オクチルドデシルエーテル(エマルゲン2020G(HLB13.0)、花王社製)、ポリオキシエチレン(25)オクチルドデシルエーテル(エマルゲン2025G(HLB15.6)、花王社製)等が挙げられる。
アルキルポリグルコシドの市販品としては、デシルグルコシド(マイドール10(HLB14.0)、花王社製)、ラウリルグルコシド(マイドール12(HLB14.6)、花王社製)等が好ましい。
アルキルアルカノールアミドの市販品としては、コカミドMEA(アミノーン C01−S(HLB10.7)、花王社製)、ラウラミドDEA(アミノーン L−02(HLB12.5)、花王社製)等が挙げられる。
【0055】
成分(H)の含有量は、泡立ち、洗浄力を向上させる観点から、液体皮膚洗浄剤中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。また、成分(H)の含有量は、液体皮膚洗浄剤中に0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.5〜1質量%がさらに好ましい。
【0056】
本発明の液体皮膚洗浄剤は、さらに(I)パール剤を含有することができ、製剤の光沢感、水へのなじみを良好にすることができる。
パール剤として、具体的には、グリコールジ脂肪酸エステルが好ましく、エチレングリコールジオレート、エチレングリコールジラウレート、エチレングリコールジステアレート、プロピレングリコールジラウレート及びプロピレングリコールジステアレートから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、エチレングリコールジオレート、エチレングリコールジラウレート及びエチレングリコールジステアレートから選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
【0057】
成分(I)の含有量は、製剤の光沢感、水へのなじみを良好にする観点から、液体皮膚洗浄剤中に0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましく、4質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。また、成分(I)の含有量は、液体皮膚洗浄剤中に0.01〜4質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.4〜2質量%がさらに好ましい。
【0058】
本発明の液体皮膚洗浄剤は、更に、通常の洗浄剤に用いられる成分、例えば、成分(A)、(B)、(C)及び(H)以外の界面活性剤、成分(E)以外の保湿剤、油性成分、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、増粘剤、塩類、スクラブ剤、香料、冷感剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、植物エキス等を含有することができる。
【0059】
本発明の液体皮膚洗浄剤は、すすぎ性を向上させる観点から、油性成分を含有することができる。油性成分は液体皮膚洗浄剤中に、泡立ち、洗浄力を良好に保持する観点から、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。ここで、油成分とは、水と相分離する疎水性の物質であり、油脂、炭化水素油、エステル油、高級アルコール(炭素数10以上)、シリコーン油等が含まれる。
【0060】
本発明の液体皮膚洗浄剤は、肌のなめらかさを良好にする観点から、さらにカチオン性界面活性剤を含有することができる。カチオン性界面活性剤は液体皮膚洗浄剤中に、肌のなめらかさを良好にし、すすぎ時のぬるつきを抑制する観点から、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
【0061】
本発明の液体皮膚洗浄剤は、通常の方法により、配合成分を混合することにより製造される。
例えば、以下の工程1、工程2、工程3及び工程4を含む方法により製造することができる。
(工程1)予め成分(F)を60〜80℃に加熱する工程、
(工程2)工程1で加熱された水に、成分(A)の未中和物と、中和剤(水酸化カリウム等)とを、中和率95〜105%になるように混合して、脂肪酸塩含有組成物を得る工程、
(工程3)工程2で得られた脂肪酸塩含有組成物と、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)、必要に応じて成分(G)、成分(H)、成分(I)及びその他の成分を順次添加し、混合する工程、
(工程4)工程3で得られた混合物を20〜35℃に冷却する工程。
ただし、用いるその他の成分として、成分(A)の未中和物以外のその他の酸性成分が存在する場合、成分(D)が酸性成分と反応して炭酸ガスが生じるおそれがあるため、上記工程2において、成分(A)の未中和物及びその他の酸性成分を混合した後に、中和剤を添加して成分(A)の未中和物及びその他の酸性成分を所定の中和率に中和させ、上記工程3へ移行するのが好ましい。
例えば、成分(B)の一部が酸性成分である場合、以下の工程1’、工程2’、工程3’及び工程4’を含む方法により製造することができる。
(工程1’)予め成分(F)を60〜80℃に加熱する工程、
(工程2’)工程1’で加熱された水に、成分(A)の未中和物、成分(B)の未中和物、必要に応じてその他の酸性成分(EDTA等)と、中和剤(水酸化カリウム等)とを、中和率95〜105%になるように混合して、脂肪酸塩含有組成物を得る工程、
(工程3’)工程2’で得られた脂肪酸塩含有組成物と、成分(B)の残部、成分(C)、成分(D)及び成分(E)、必要に応じて成分(G)、成分(H)、成分(I)及びその他の酸性成分以外の成分を順次添加し、混合する工程、
(工程4’)工程3’で得られた混合物を20〜35℃に冷却する工程。
【0062】
本発明の液体皮膚洗浄剤を収納する容器としては、粘度、容量に応じ、ボトル、チューブ、ポンプ、パウチ等の種々の容器を選択することができる。その材質は、プラスチック、ガラス、金属、あるいはこれらの複合体のいずれも用いることができる。液体皮膚洗浄剤の適度な取り出しやすさ及び経済性に優れることから、パウチ容器又はボトル容器が好ましく、ボトル容器がより好ましい。
パウチ容器とは、例えば、印刷適性に優れ、対内容物バリア性のある外側樹脂フィルム層とシール性(熱シール性等)に優れた内側樹脂フィルム層等を適宜積層した樹脂製の胴部フィルム同士の左右両縁部および底縁部をシール(熱シール等)して作られる平型袋状容器、あるいは前記樹脂製フィルム同士の間に別の樹脂製フィルムを挟み込み、周縁部をシールして作られる自立性の袋状容器(いわゆるスタンディングパウチ)等を指す。
【0063】
ボトル容器としては、特に制限されずに使用することができる。ボトル容器の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等の樹脂容器、及びガラス容器から適宜選択される。また、ボトル容器の構造は、単層又は2層以上の層構造とすることが好ましい。
【0064】
本発明の液体皮膚洗浄剤は、洗い上がりの肌のなめらかさに優れ、泡立て時に水とのなじみが良く溶け残りにくいため、素早くすすぎを完了することができることに特徴がある。溶け残りが多いと液体皮膚洗浄剤の濃度が高い状態で皮膚上に残っているため、すすぎにくくなる。液体皮膚洗浄剤の洗いあがりの肌のなめらかさを向上させるには、脂肪酸塩によるきしみ感を低減させるため、脂肪酸塩以外のアニオン性界面活性剤を多く配合することで実現することができる。しかし、製剤を取り出し、泡立て時の加水によって、液体皮膚洗浄剤の粘度が著しく増加してしまうという現象が生じる。そのため、製剤の溶け残りが生じ、すすぎ時にすすぎ残りが生じやすくなり、ぬるつく、すすぎに時間がかかってしまうという問題が生じる。しかし、本発明では、上記の構成をとることにより、泡立ち及び洗浄力を良好に維持しつつ、洗い上がりの肌のやわらかさを向上させ、水を加えても増粘が抑えられ、水とのなじみが良いため、すすぎ時にすすぎ残りがなく、ぬるつかず、素早くすすぎを完了することができるという優れた効果を奏する。
【0065】
本発明の液体皮膚洗浄剤は、30℃において液体状であり、容器からの取り出しやすさを向上させる観点から、30℃における粘度は、1000〜8500mPa・sが好ましく、1100〜8000mPa・sがより好ましく、1200〜6500mPa・sがさらに好ましい。
なお、本発明において、粘度は、B型粘度計/ VISCOMETER TVB−10M(TOKI SANGYO CO.,LTD製)を用い、30℃で測定する。
【0066】
本発明の液体皮膚洗浄剤は、例えば、洗顔料、ボディーソープ、ハンドソープ等として好適であり、ボディーソープがより好ましい。
本発明の液体皮膚洗浄剤は、皮膚、より具体的には、頭皮、顔、身体、手足等のいずれかに塗布し、水で洗い流すことにより、使用することができる。
【0067】
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
【0068】
<1>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)脂肪酸塩 5〜18質量%、
(B)成分(A)以外のアニオン界面活性剤 2.2〜7質量%、
(C)両性界面活性剤 0.2〜4質量%、
(D)炭酸塩 0.2〜7質量%、
(E)ポリオール 0.1〜10質量%、
(F)水
を含有し、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、5/3〜10である液体皮膚洗浄剤。
【0069】
<2>成分(A)の脂肪酸塩が、好ましくは、一般式(1)
【0071】
(式中、R
1は炭素数9〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Xはアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン由来のアンモニウム又は塩基性アミノ酸を示す)
で表されるものであって、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸の塩から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸から選ばれる少なくとも1種を含むことがさらに好ましい前記<1>記載の液体皮膚洗浄剤。
【0072】
<3>成分(A)の含有量が、好ましくは、脂肪酸換算値として、液体皮膚洗浄剤中に6.5質量%以上であって、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、16質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、12質量%以下がさらに好ましい前記<1>又は<2>記載の液体皮膚洗浄剤。
<4>成分(B)のアニオン界面活性剤が、好ましくは、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、及びエーテルカルボン酸又はその塩から選ばれる少なくとも1種含むものであって、少なくとも2種含むことがより好ましく、アルキル硫酸エステル塩及び/又はアルキルエーテル硫酸エステル塩と、エーテルカルボン酸塩とを少なくとも含むことがさらに好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
【0073】
<5>成分(B)のアニオン界面活性剤のうち、アルキル硫酸エステル塩が、好ましくは、下記一般式(2):
R
2OSO
3M
2・・・(2)
(式(2)中、R
2は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を示し、M
2は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びグルクアンモニウムから選ばれるカチオンを示す)
で表されるものであって、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン及びラウリル硫酸アンモニウムから選択される1種以上を含むことがより好ましい前記<4>記載の液体皮膚洗浄剤。
【0074】
<6>成分(B)のアニオン界面活性剤のうち、アルキルエーテル硫酸エステル塩が、好ましくは、下記一般式(3):
R
3O(CH
2CH
2O)
nSO
3M
3・・・(3)
(式(3)中、R
3は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を示し、M
3は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びグルクアンモニウムから選ばれるカチオンを示し、nは平均付加モル数を示し、0.5〜20である)
で表されるものであって、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、及びポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される1種以上を含むことがより好ましい前記<4>記載の液体皮膚洗浄剤。
【0075】
<7>成分(B)のアニオン界面活性剤のうち、エーテルカルボン酸又はその塩が、好ましくは、下記一般式(4):
R
4O(CH
2CH
2O)
mCH
2COOM
4・・・(4)
(式(4)中、R
4は炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を示し、mは平均付加モル数で、0.5〜10の数を示し、M
4は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す)
で表されるものであって、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレンパルミチルエーテルカルボン酸又はその塩から選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸またはその塩、及びポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸又はその塩から選択される1種又は2種を含むことがさらに好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸又はその塩を含むことがよりさらに好ましい前記<4>記載の液体皮膚洗浄剤。
【0076】
<8>成分(B)の含有量が、好ましくは、液体皮膚洗浄剤中に2.5質量%以上であって、3.2質量%以上がより好ましく、3.8質量%以上がさらに好ましく、6.6質量%以下が好ましく、6.2質量%以下がより好ましく、4.8質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<9>成分(C)の両性界面活性剤が、好ましくは、酢酸ベタイン型界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤及びアミドベタイン型界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含み、スルホベタイン型界面活性剤及びアミドベタイン型界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、スルホベタイン型界面活性剤を少なくとも含むことがさらに好ましい前記<1>〜<8>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
【0077】
<10>成分(C)が、好ましくは、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウリン酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種を含み、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウリン酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、ラウリルヒドロキシスルホベタインを少なくとも含むことがさらに好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<11>成分(C)の含有量が、好ましくは、液体皮膚洗浄剤中に0.4質量%以上であって、1.0質量%以上がより好ましく、1.4質量%以上がさらに好ましく、2.5質量%以下が好ましく、1.9質量%以下がより好ましく、1.6質量%以下がさらにより好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<12>成分(C)に対する成分(B)の質量比(B)/(C)が、好ましくは、1.7以上であって、2.2以上がより好ましく、2.8以上がさらに好ましく、6以下が好ましく、4.3以下がより好ましく、3.3以下がさらに好ましい前記<1>〜<11>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
【0078】
<13>成分(D)の炭酸塩が、好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムから選ばれる少なくとも1種であって、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムの少なくとも1種、並びに炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムの少なくとも1種を含むことがより好ましく、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含むことがさらに好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<14>成分(D)の含有量が、好ましくは、液体皮膚洗浄剤中に0.4質量%以上であって、1質量%以上がより好ましく、1.8質量%以上がさらに好ましく、5質量%以下が好ましく、3.5質量%以下がより好ましく、2.5質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
【0079】
<15>成分(E)のポリオールが、3価以上のポリオールとして、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール及びマルチトールから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、グリセリン及びジグリセリンから選ばれる1種又は2種を含むことがより好ましく、グリセリンを含むことがさらに好ましい前記<1>〜<14>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<16>成分(E)のポリオールが、2価のポリオールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びイソプレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましく、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を含むことがさらに好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
【0080】
<17>成分(E)が、好ましくは、2価のポリオールを含む前記<1>〜<16>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<18>成分(E)の含有量が、好ましくは、液体皮膚洗浄剤中に0.4質量%以上であって、0.7質量%以上がより好ましく、0.9質量%以上がさらに好ましく、7.5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<17>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<19>成分(E)に対する成分(B)の質量比(B)/(E)が、好ましくは、0.5以上であって、0.6以上がより好ましく、2.5以上がさらに好ましく、10以下が好ましく、6以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
【0081】
<20>成分(F)の水の含有量が、好ましくは、液体皮膚洗浄剤中に40質量%以上であって、50質量%以上がより好ましく、54質量%以上がさらに好ましく、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<19>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<21>さらに、(G)水溶性高分子を含有する前記<1>〜<20>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<22>(G)水溶性高分子が、好ましくは、アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロース、高重合ポリアルキレングリコール、カチオン性ポリマーから選ばれるものであって、カチオン性ポリマーがより好ましい前記<21>記載の液体皮膚洗浄剤。
<23>成分(G)の含有量が、好ましくは、液体皮膚洗浄剤中に0.01質量%以上であって、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、1.5質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい前記<21>又は<22>記載の液体皮膚洗浄剤。
【0082】
<24>さらに、(H)非イオン性界面活性剤を含有する前記<1>〜<23>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<25>(H)非イオン性界面活性剤が、好ましくは、HLB8以上であって、9以上がより好ましく、9.5以上がさらに好ましく、HLB18以下が好ましく、16以下がより好ましく、14以下がさらに好ましい前記<24>記載の液体皮膚洗浄剤。
<26>(H)非イオン性界面活性剤が、好ましくは、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド及びアルキルアルカノールアミドから選択される1種又は2種以上を含み、アルキルアルカノールアミドを含むことがより好ましく、下記一般式(5):
【0084】
(式中、R
5COは、炭素数8〜20のアシル基を示し、R
6は、水素原子、メチル基又はヒドロキシエチル基を示す)
で表されるアルキルアルカノールアミドがさらに好ましい前記<24>又は<25>記載の液体皮膚洗浄剤。
<27>成分(H)の含有量が、好ましくは、液体皮膚洗浄剤中に0.05質量%以上であって、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい前記<24>〜<26>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
【0085】
<28>さらに、(I)パール剤を含有する前記<1>〜<27>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<29>(I)パール剤が、好ましくは、エチレングリコールジオレート、エチレングリコールジラウレート、エチレングリコールジステアレート、プロピレングリコールジラウレート及びプロピレングリコールジステアレートから選ばれる少なくとも1種であって、エチレングリコールジオレート、エチレングリコールジラウレート及びエチレングリコールジステアレートから選ばれる少なくとも1種がより好ましい前記<28>記載の液体皮膚洗浄剤。
<30>成分(I)の含有量が、好ましくは、液体皮膚洗浄剤中に0.01質量%以上であって、0.1質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましく、4質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい前記<28>又は<29>記載の液体皮膚洗浄剤。
【0086】
<31>油性成分の含有量が、好ましくは、液体皮膚洗浄剤中に3質量%以下であって、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<30>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<32>カチオン性界面活性剤の含有量が、好ましくは、液体皮膚洗浄剤中に5質量%以下であって、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<31>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
【0087】
<33>好ましくは、パウチ容器又はボトル容器に充填され、ボトル容器がより好ましい前記<1>〜<32>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<34>30℃における粘度が、好ましくは、1000〜8500mPa・sであって、1100〜80000mPa・sがより好ましく、1200〜65000mPa・sがさらに好ましい前記<1>〜<33>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
【0088】
<35>好ましくは、洗顔料、ボディーソープ、ハンドソープであって、ボディーソープがより好ましい前記<1>〜<34>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
<36>皮膚、より好ましくは、頭皮、顔、身体、手足等のいずれかに塗布し、水で洗い流すことにより、使用する前記<1>〜<35>のいずれか1記載の液体皮膚洗浄剤。
【実施例】
【0089】
実施例1〜39、比較例1〜13
表2〜表5に示す組成の液体皮膚洗浄剤を製造し、粘度及び加水時の粘度を測定するとともに、水とのなじみの良さ、泡立ち、洗浄力、すすぎ時のぬるつきのなさ及び肌のなめらかさを評価した。結果を表2〜表5に併せて示す。
【0090】
(製造方法)
(工程1)予め成分(F)を80℃に加熱する。
(工程2)工程1で加熱された水に、成分(A)の未中和物と成分(B)の未中和物(ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸)とEDTAと、水酸化カリウムとを、中和率が95〜105%になるように混合して、脂肪酸塩含有組成物を得る。
(工程3)工程2で得られた脂肪酸塩含有組成物と、成分(B)の残部(ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム)、成分(C)、成分(D)、成分(E)、成分(G)、成分(H)、成分(I)を順次添加し、混合する。
(工程4)工程3で得られた混合物を35℃に冷却する。
(工程5)工程4で得られた混合物にフェノキシエタノール及び香料を順次添加し、混合して液体皮膚洗浄剤を得た。
【0091】
(評価方法)
(1)粘度測定:
各液体皮膚洗浄剤を容器(スクリュー管(キャップ・パッキン付)透明 NO.7 50mL 35×78×20mm(マルエム社製))に約50g気泡が入らないように充填し、30℃設定のウォーターバスに約1時間静置して調温した後、測定時間1分で粘度を測定した。粘度測定機はB型粘度計/VISCOMETER TVB−10M(TOKI SANGYO CO.,LTD製)を用いた。
まず、(i)の条件で測定し、測定値が精度範囲内であり、安定した測定値が得られれば、測定値として採用する。しかし、測定値が精度範囲外であるか、精度範囲の上下限のため安定した測定値が出ない場合は、(ii)の条件で測定する。この操作を繰り返し、安定した測定値を求める。なお、各回転数における組成物の測定時間は、いずれも1分間であった。
(i)No.M4 : 6rpm
(ii)No.M4 : 12rpm
(iii)No.M4 : 30rpm
(iv)No.M3 : 30rpm
(v)No.M2 : 30rpm
(iv)No.M1 : 30rpm
【0092】
(2)加水時の粘度測定:
各液体皮膚洗浄剤を100mLビーカーに50g正確に量りとり、2gのイオン交換水を加えた後に、気泡が入らないように30分間攪拌して、サンプルを調整した。
その後、(1)と同様にして、粘度を測定した。
また、(1)で測定した粘度に対する、加水時の粘度の割合(加水時の粘度/粘度)を求めた。この値が、1.0以下であれば、加水した際に増粘しないことを示す。
【0093】
(3)水とのなじみの良さ:
専門パネラー3名により、各液体皮膚洗浄剤0.5gを掌に取り出し、水5gを加えて10回手をすり合わせたときの水とのなじみの良さを、水とのなじみが非常に良い場合を5、水とのなじみが非常に悪い場合を1とし、5段階で評価した。結果は、パネラー3名の平均値を求め、小数点第一位で四捨五入した値で示した。
【0094】
(4)泡立ち:
専門パネラー3名により、各液体皮膚洗浄剤0.5gを掌に取り出し、水5gを加えて10回手をすり合わせたときの泡立ちを、泡立ちが良い場合を5、泡立ちが悪い場合を1とし、5段階で評価した。結果は、パネラー3名の平均値を求め、小数点第一位で四捨五入した値で示した。
【0095】
(5)洗浄力:
専門パネラー3名により、前腕部に、カーボンブラック着色したモデルコメド皮脂(表1)を3.5cmφの円型に20μL塗布し、30分乾燥した後、各液体皮膚洗浄剤の2.5質量%水溶液を1g、10回円を描くように人差し指で軽くマッサージし、水道水で十分にすすいだ。洗浄後の状態を、汚れが全くない状態を5、汚れが全く落ちていない状態を1とし、5段階で評価した。結果は、パネラー3名の平均値を求め、小数点第一位で四捨五入した値で示した。
【0096】
(6)すすぎ時のぬるつきのなさ:
専門パネラー3名により、各液体皮膚洗浄剤0.5gを用いて、片腕前腕部を洗浄し、すすぎ時のぬるつきのなさを、全くぬるつかない状態を5、非常にぬるつく状態を1とし、5段階で評価した。結果は、パネラー3名の平均値を求め、小数点第一位で四捨五入した値で示した。
【0097】
(7)肌のなめらかさ:
専門パネラー3名により、各液体皮膚洗浄剤0.5gを用いて、片腕前腕部を洗浄し、タオルドライ後1分後に肌のなめらかさを評価した。肌が非常になめらかな状態を5、肌が非常にきしむ状態を1とし、5段階で評価した。結果は、パネラー3名の平均値を求め、小数点第一位で四捨五入した値で示した。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】
【表4】
【0102】
【表5】
【0103】
本発明の液体皮膚洗浄剤はいずれも、加水時の増粘が抑制され、水とのなじみ、泡立ち、洗浄力、肌のなめらかさ、すすぎ時のぬるつきのいずれの項目においても優れた効果を有するものであった。
しかし、比較例1〜4から明らかなように、成分(B)の脂肪酸塩以外のアニオン性界面活性剤を多く含有させることによって、肌のなめらかさは向上しているが、加水による増粘が生じ、水とのなじみが著しく低下していくことが分かる。一方、成分(E)のポリオールを含有する実施例7〜11においては、成分(B)を多く含有させても加水による増粘が抑えられ、水とのなじみと肌のなめらかさがいずれも良好であることが分かる。
また、本発明の構成の一部が欠けている比較例5〜13においては、本発明の液体皮膚洗浄剤と比べて水とのなじみ、泡立ち、洗浄力、肌のなめらかさ、すすぎ時のぬるつきのいずれかの項目において著しく劣るものであった。
【0104】
実施例40、41
実施例1〜39と同様にして、表6及び表7に示す組成のボトル容器入り液体皮膚洗浄剤を製造した。
得られた液体皮膚洗浄剤はいずれも、加水時の増粘が抑制され、水とのなじみに優れ、泡立ちが良好で、洗浄力に優れ、すすぎ時のぬるつきも抑えられ、洗浄後には肌がなめらかに仕上がった。
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】