(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6721606
(24)【登録日】2020年6月22日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】シェーグレン症候群の治療にける使用のための特定のトリフルオロエチルキノリン類似体
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20200706BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P37/02
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-554426(P2017-554426)
(86)(22)【出願日】2016年4月20日
(65)【公表番号】特表2018-513862(P2018-513862A)
(43)【公表日】2018年5月31日
(86)【国際出願番号】EP2016058810
(87)【国際公開番号】WO2016170014
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2019年3月15日
(31)【優先権主張番号】1506786.1
(32)【優先日】2015年4月21日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】514232085
【氏名又は名称】ユーシービー バイオファルマ エスアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレン、ロジャー アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】バロン、フランチェスカ
(72)【発明者】
【氏名】ファーイ、ウィリアム アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ナヤール、サバ
【審査官】
大西 隆史
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−537183(JP,A)
【文献】
BOWMAN, Simon and BARONE, Francesca,La Presse Medicale,2012年 9月,Vol. 41, Issue 9, Part 2,pp. e495-e509,DOI: 10.1016/j.lpm.2012.05.024
【文献】
BAUDOUIN, C. et al.,La Ravue de Medicine Interne,2004年 5月,Vol. 25, Issue 5,pp. 376-382,DOI: 10.1016/j.revmed.2003.10.009
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61P 1/00−43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のN−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}ピリド[3,2−d]−ピリミジン−4−イルアミンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む、シェーグレン症候群の治療および/または予防のための医薬組成物。
【請求項2】
シェーグレン症候群の治療および/または予防のための医薬の製造のための、N−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}ピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミンまたはその薬学的に許容可能な塩の使用。
【請求項3】
シェーングレン症候群が原発性シェーグレン症候群である、請求項1に記載の医薬組成物、または請求項2に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既知の化合物の新規な治療的使用に関する。より詳細には、本発明は、シェーグレン症候群の治療においてフッ素化エチル側鎖を含む特定の置換キノリン誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
N−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−ピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミンは、W2012/032334に具体的に開示される。その刊行物に記載されている化合物は、特に有害な炎症、自己免疫性、心血管性、神経変性、代謝性、腫瘍学的、侵害受容および眼科的状態の治療において、医薬品として有益であるとことが述べられている。
【0003】
しかしながら、WO2012/032334において、そこに記載されている化合物が、シェーグレン症候群の治療において有益であり得ることの特定の開示または示唆はない。
【0004】
シェーグレン症候群は、免疫細胞が、外分泌腺、主に唾液腺および涙腺を攻撃して破壊する慢性自己免疫疾患である。シェーグレン症候群の特徴的な症状は、特に口(口腔乾燥症)および目(眼球乾燥症;乾性角結膜炎)の乾燥を発生する。シェーグレン症候群は、皮膚、鼻および膣の乾燥を引き起こし、腎臓、血管、肺、肝臓、膵臓、脳および末梢神経系を含む他の身体の器官に影響を及ぼし得る。シェーグレン症候群は、「第1の」疾患(それ自体で生じる)として、または「第2の」状態としてのいずれかに臨床的に分類され、それは、全身性エリテマトーデスまたは関節リウマチなどの少なくとも1つの他の結合組織疾患と関連して起こる。
【0005】
シェーグレン症候群は、最大で人口の3%までに現われ、地理的な蔓延の変化は、ほとんどまたは全くないと考えられる。女性は男性より9倍多く病気を発症する可能性が高い。発症の平均年齢は、40〜60歳であり、シェーグレン症候群の罹患率は、年齢とともに増加する。
【0006】
シェーグレン症候群は、身体の重要な器官に損傷を与え、症状が安定し、悪化し、または寛解する可能性がある。一部の患者は、乾燥した目と口の軽度の症状しか経験がないが、他は、良好な健康のサイクルを衰弱させて、その後重度の病気を患う。多くの患者は、個別に症状を治療することができるが、他の人は、目のかすみ、目の不快感、再発性口腔感染、耳下腺の腫れ、嗄声および嚥下と食べることの困難に耐えなければならない。衰弱する疲労や関節痛は、生活の質を著しく低下させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、シェーグレン症候群のための治療法は知られておらず、腺分泌を回復する効果的な治療もない。既存の治療は、一般的には、対症的で支持的であり、水分補充療法(例えば、目と口の乾燥の症状を緩和するため)および様々な形態の潤滑を含む。慢性的なドライアイの治療のためのシクロスポリン、唾液の流れを刺激するためのセビメリンまたはピロパルピンを含む処方薬が利用可能である。メトトレキサートおよびヒドロキシクロロキンなどの抗炎症剤もまた、筋骨格症状の改善のために処方されている。しかしながら、広範な重篤な副作用がある場合に限り、現在利用可能な医薬品は、理想的ではない。
【0008】
驚くべきことに、N−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)−キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}ピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミンは、シェーグレン症候群のインビボ動物モデルにおいて効果的であることが、現在わかっている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、シェーグレン症候群の治療および/または予防において使用のために、式(A)のN−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}ピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミン:
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0010】
本発明はまた、シェーグレン症候群の治療および/または予防のための方法を提供し、この方法は、そのような治療を必要とする患者に有効量の上記のような式(A)のN−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}ピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミンまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。
【0011】
本発明はまた、シェーグレン症候群の治療および/または予防のための医薬の製造のための、上記のような式(A)のN−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}ピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミンまたはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
シェーグレン症候群の有効な治療および/または予防のために、医薬組成物が提供され得、これは、医薬担体に関連して、上記のような式(A)のN−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}ピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む。典型的な医薬組成物は、経口、口腔、非経口、経鼻、局所、眼科、若しくは直腸投与に適した形態、または吸入または送気による投与に適した形態をとり得る。
【0013】
経口投与について、医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤または懸濁剤の形態をとり得るか、またはそれらは、使用前に水または他の適切な賦形剤を用いて構成のための乾燥生成物として提供され得る。口腔投与について、組成物は、錠剤またはトローチ剤の形態をとり得る。非経口投与について、組成物は、注射用、例えばボーラス注射または注入用に処方され得、皮下投与について、または長時間作用処方、例えば、移植または筋肉内注射によって投与され得るデポー製剤で処方され得;注射のための処方は、単位剤形、例えば、ガラスアンプルまたは複数回投与容器、例えば、ガラスバイアルで表され得、油性または水性賦形剤中の懸濁液、溶液またはエマルションとしてそのような形態をとり得るか、または有効成分は、使用前に、適切な賦形剤、例えば、無菌の発熱物質を含まない水を用いる構成のための粉末形態であり得る。経鼻投与または吸入による投与について、組成物は、加圧パックまたはネブライザー用のエアロゾルスプレー提示の形態をとり得る。局所投与について、組成物は、軟膏またはローションの形態をとり得る。眼科投与について、組成物は、微粉化した懸濁液または軟膏として処方され得る。直腸投与について、組成物は、坐剤として処方され得る。
【0014】
組成物は、例えば、Remington: the Science and Practice of Pharmacy, Pharmaceutical Press, 第21版, 2011年に記載されるように、製薬業界で周知の慣例によって処方され得る。
【0015】
シェーグレン症候群の治療および/または予防における使用のために、N−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}ピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミンまたはその薬学的に許容可能な塩は、体重の約1ng/kg〜1000mg/kg、一般的には約2ng/kg〜500mg/kg、典型的には約5ng/kg〜200mg/kg、適切には約10ng/kg〜100mg/kg、理想的には約1日投与量で適切には投与され得る。有効成分は、典型的には、1日1〜4回の投与計画で投与されるだろう。10ng/kg〜50mg/kg、より詳細には10ng/kg〜40mg/kgの
【0016】
所望の場合、N−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}ピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミンまたはその薬学的に許容可能な塩は、別の薬学的に活性な薬剤、例えば、メトトレキサートまたはヒドロキシクロロキンなどの抗炎症性分子と一緒に併用投与され得る。
【0017】
本発明の特定の側面について、以下説明する。
N−{(R)−1−[8−クロロ−2−(1−オキシピリジン−3−イル)キノリン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−ピリド[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミン[以下、「化合物(A)」という]は、シェーグレン症候群を模倣するマウス唾液腺における異所性リンパ節形成(ectopic lymphoneogenesis)の誘導可能なモデルにおいてインビボで研究された。得られた結果を添付図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、0日目から予防的に賦形剤または化合物(A)で処理されたマウスの唾液腺におけるカニューレ挿入後15日目のリンパ球プロフィールのFACS(蛍光活性化細胞選別)を示す。賦形剤: n = 3匹のマウス 化合物(A): n = 5匹のマウス MZ B細胞 =辺縁帯B細胞 FO B細胞 =濾胞性B細胞 * p < 0.05 ** p < 0.01
【
図2】
図2は、カニューレ挿入後3日目から治療的に賦形剤または化合物(A)で処理したマウスの唾液腺におけるカニューレ挿入後15日目のリンパ球プロフィールのFACS分析を示す。賦形剤: n = 4匹のマウス 化合物(A): n = 5匹のマウス MZ B 細胞 =辺縁帯B細胞 FO B細胞 =濾胞性B細胞 * p < 0.05 ** p < 0.01
【
図3】
図3は、0日目から予防的に賦形剤または化合物(A)で処理されたマウスの唾液腺におけるカニューレ挿入後15日目にTLO(三次リンパ器官)関連遺伝子の遺伝子発現を示す。示された遺伝子をコードするmRNA転写物の定量的RT−PCR分析は、ハウスキーピング遺伝子に標準化した。RQとして提示された相対的発現値は、カニューレ挿入後0日目の唾液腺の値で較正された。賦形剤: n = 3匹のマウス 化合物(A): n = 2匹のマウス * p < 0.05
【
図4】
図4は、0日目から予防的にまたはカニューレ挿入後3日目から治療的に賦形剤または化合物(A)で処理されたマウスの唾液腺のカニューレ挿入後15日目のTLO関連遺伝子の遺伝子発現を示す。賦形剤: n = 3匹のマウス 化合物(A),カニューレ挿入後0日目: n = 3匹のマウス 化合物(A),カニューレ挿入後3日目: n = 3匹のマウス * p < 0.05 ** p < 0.01 *** p < 0.001
【実施例】
【0019】
方法
化合物(A)は、in J. Immunol., 2012, 189, 3767−3776においてM. Bombardieriらによって記載された誘導性異所性リンパ組織形成のインビトロマウスモデルにおいて評価され、これは、シェーグレン症候群の認識された動物モデルである。
【0020】
簡潔には、野生型(C57BL/6)マウスは、顎下腺排出管の逆行カニューレを介して複製欠損アデノウイルス5(AdV5)(10
8p.f.u.)を与えられ、カニューレ挿入後の特定の時点で、犠牲にした。化合物(A)または賦形剤対照は、それぞれカニューレ挿入後の0日目または3日目のいずれかで開始する予防的および治療的の両方で毎日チューブによる栄養補給によって投与された。単離されたマウス唾液腺における免疫細胞状態を評価するために、単一細胞懸濁液のフローサイトメトリーおよび定量的リアルタイムPCRを使用して、サンプル中のタンパク質およびmRNA発現を評価した。
【0021】
唾液腺の酵素消化およびフローサイトメトリー
間質細胞消化
化合物(A)または賦形剤のいずれかを投与されたマウスから複製欠損AdV5注入唾液腺が、異なる時点で処分したマウスから単離された。腺を切開し、氷上でRPMI−1640(2%FCS含有)(1mL)中に入れた。全ての唾液腺を回収したら、RPMI−1640を除去し、酵素混合物(2%FCS、0.8mg/mLのディスパーゼ、0.2mg/mLのコラーゲナーゼP、および0.1mg/mLのDNアーゼIを含むRMPI)(2mL)で置換した。唾液腺を小片に切断し、管を、マグネティックスターラーを用いて水浴中で37℃でインキュベートした。20分後、唾液腺切片を、1mLピペットを用いて非常にゆっくりとピペットし、組織をさらに破壊し、ほとんどの細胞を放出させた。混合物を水浴中で置き換え、大きな断片を30秒間沈降させ、その後酵素混合物を除去した。氷冷FACS緩衝液(PBS中の0.5%のBSA、2mMのEDTA)(10mL)を添加し、遠心分離した(1800rpm、4分、4℃)。
【0022】
遠心分離後、新鮮な酵素混合物(2mL)を消化管に添加した。内容物を、1mLのピペットを使用して静かに混合し、1mLのピペットを使用して定期的に穏やかに混合しながらインキュベートした。10分後、細胞を1mLのピペットを使用して30秒間激しく混合した。断片を再度沈降させ、上清を除去し、以前に遠心した細胞ペレットに添加し、新鮮な酵素混合物(2mL)を消化管に添加した。次に軽く保たれた場合、全ての残りの唾液腺断片が完全に消化されるまで、消化混合物を5分ごとに1mLピペットを使用して激しく混合した。最後に、各採取管が唾液腺の細胞内容物全体を含むまで、上清を各除去(1800rpm、4分、4℃)後、遠心分離した。細胞を70μmのナイロンメッシュでろ過し、血球計を使用して計数した。
【0023】
フローサイトメトリー分析
単一細胞懸濁液を、以下の抗体の「カクテル」との氷冷FACS緩衝液(PBS中0.5%BSA、2mM EDTA)中、4℃で30分間、希釈抗体(100μL)と共にインキュベートした:CD45 PERCPCY5.5(1:300)またはCD45 eFluor780(1:800)クローン30−F11、CD3e PECY7またはFITC (1:100)クローン145−2C11、CD4 efluor450 (1:100)クローンRM4−5、CD62L PE(1:500)クロ−ンMEL−14、CD44 FITC(1:500)クローンIM7、CD8a APC(1:400)クローン53−6.7, B220 FITC (1:200)またはB220 efluor450(1:50)クローンRA3−6B2、CD23 PE(1:200)クローンB3B4、CD19 PE(1:200)またはAPC−CY7(1:100)クロ−ン1D3およびCD5 FITC (1:100)クローン53−7.3 (eBioscienceからの全て)およびCD21 APC (1:50)クローン 7G6 (BD Biosciencesから)。Ki67の細胞内染色を、製造業者のプロトコールに従って固定化/透明性緩衝液セット(Fixation/Permeabilization Buffer Set)(eBioscience)を使用することによって行った。
【0024】
すなわち、所望の抗体のカクテルによる表面染色後、細胞を、FACS緩衝液で洗浄し、固定化/透明性緩衝液セット(Fixation/Permeabilization Buffer Set)(eBioscience)(350μL)に再懸濁し、4℃で30分間インキュベートした。細胞を、4分間、1800rpmで固定化/透明性緩衝液セット(Fixation/Permeabilization Buffer Set)(eBioscience)で2回洗浄し、続いて20分間、4℃でKi67 Alexa−Fluor647(1:50)クローンB56(BD Biosciences)でインキュベートした。次に、細胞を緩衝液で洗浄し、FACS中に再懸濁し、非生存細胞を排除するために、設定された前方/側方散乱ゲートを有するCyan−ADP(Dako)を用いて分析した。データをFlowJoソフトウェア(Tree Star)を用いて分析した。
【0025】
結果
単離されたリンパ球に対するフローサイトメトリーによって確認されるように、賦形剤処理マウスと比較して、TおよびB細胞の数の有意な減少が、化合物(A)で予防的に処理されたマウスのカニューレ状の唾液腺においてインビボで観察された(
図1)。同様に、TおよびB細胞の数の有意な減少は、単離されたリンパ球に対するフローサイトメトリーによって確認されるように、賦形剤処理マウスと比較して、カニューレ挿入後3日目から化合物(A)で治療的に処理されたマウスのカニューレ状の唾液腺においてインビボで観察された(
図2)。
【0026】
TLO関連遺伝子の遺伝子発現プロファイルもまた、化合物(A)で予防的に処理されたマウスにおいて有意に阻害された(
図3および4)。この減少は、カニューレ挿入後3日目から治療的に処理されたマウスにおいて保存された(
図4)。
【0027】
結論
これらの研究は、化合物(A)は、シェーグレン症候群の認識されたインビボ動物モデルにおいて、炎症病巣の解離および唾液腺炎症の解消において、予防的または治療的に投与された場合に効果的であることを証明する。