(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
導電性材料から成り、相手側の雄端子の雄型接続体が挿入される円柱状の内部空間が設けられた雌型接続体、及び、電線の導電部が電気的に接続される電線接続体を有する端子本体と、
導電性材料から成り、前記雌型接続体の内周面に沿って前記内部空間に収容され且つ前記雌型接続体に対して電気的に接続されると共に、前記内部空間に挿入された前記雄型接続体に対して電気的に接続される接点部材と、
を備え、
前記接点部材は、前記雌型接続体の前記内周面の周方向に沿って弧状に形成された弧状部と、前記弧状部に連結された状態で前記内部空間に配置される連結部と、前記弧状部における周方向の一端から径方向の外側に突出させた第1力点部と、前記弧状部における周方向の他端から径方向の外側に突出させた第2力点部と、を有し、
前記弧状部は、弾性変形により弧状の曲率を小さくして弾発力を発生させた状態で前記内部空間に収容され、かつ、前記内部空間への収容後に元の形状に戻るよう曲率が大きくなっていくものであり、その弧状の外周面側で前記雌型接続体の前記内周面に対して電気的に接続される第1接点部として機能し、
前記弧状部と前記第1力点部と前記第2力点部は、互いに相俟って、前記雌型接続体の前記内周面に対する前記第1接点部の浮き上がりを抑える浮上抑制部として機能し、
前記連結部は、前記内部空間に挿入された前記雄型接続体によって前記内部空間の径方向の外側に向けて押動され、かつ、前記雄型接続体に対して電気的に接続される第2接点部として機能し、
前記雌型接続体は、前記内部空間への収容後に前記弧状部が元の形状へと戻る際に前記第1力点部を係止可能で、前記第1力点部から一方の周方向の押圧力を受けると共に、その押圧力に抗した反力を前記第1力点部に作用させる第1受け部と、前記内部空間への収容後に前記弧状部が元の形状へと戻る際に前記第2力点部を係止可能で、前記第2力点部から他方の周方向の押圧力を受けると共に、その押圧力に抗した反力を前記第2力点部に作用させる第2受け部と、を有することを特徴とした接続端子。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る接続端子の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
[実施形態]
本発明に係る接続端子の実施形態の1つを
図1から
図14に基づいて説明する。
【0017】
図1から
図4の符号1は、本実施形態の接続端子を示す。この接続端子1は、所謂雌端子であり、相手側の雄端子Tm(
図2)との間で物理的且つ電気的な接続が構築される。この接続端子1は、端子本体10と接点部材20とを備えており、これらを互いに組み付けることで形成される。
【0018】
端子本体10は、金属等の導電性材料から成る。この例示の端子本体10は、導電性の金属板を母材とし、切断や折り曲げ等のプレス加工を施して成形される。この端子本体10は、雌型接続体30と電線接続体40と連結体50とを有する。
【0019】
雌型接続体30は、雄端子Tmの雄型接続体Tm1を挿入させるべく雌型に形成された部位であり、その挿入に伴って互いを電気的に接続させる。ここで、雌型接続体30は、柱状に成形された雄型接続体Tm1に合わせて、柱状の内部空間31を有する筒状に成形されている。雄型接続体Tm1は、その筒体の一端の開口31aから内部空間31に対する挿入と抜去が行われる。この例示では、雌型接続体30の内部空間31と雄型接続体Tm1を円柱状に成形している。この例示の雌型接続体30は、その外形については問わないが、円柱状の内部空間31を少なくとも有するものとして成形しており、その軸線に沿って雄型接続体Tm1の挿入と抜去が行われる。ここでは、板状の母材を折り曲げ加工して円筒状に雌型接続体30を成形することで、その内方に円柱状の内部空間31を形成している。
【0020】
電線接続体40は、電線Cの導電部Cw(
図2)が電気的に接続される部位である。その接続は、例えば、加締め等の圧着加工によるもの、溶接によるもの、半田付けによるものなど、如何様なものであってもよい。この例示では、母材を折り曲げ加工してU字状の電線接続体40を形成している。その電線接続体40は、互いに対向している2つのバレル片部41を有しており、それぞれのバレル片部41を導電部Cwとしての電線Cの芯線に巻き付けて、その導電部Cwに圧着させることで、この導電部Cwに対して物理的且つ電気的に接続させる。
【0021】
連結体50は、雌型接続体30と電線接続体40との間に介在させた部位であり、これらを連結させる。
【0022】
接点部材20は、この端子本体10における雌型接続体30の内周面32(
図4)に沿うように形成されたものであり、挿入口としての開口31aから内部空間31に収容される。この接点部材20は、その挿入状態において、雌型接続体30に対して電気的に接続されると共に、挿入口としての開口31aから内部空間31に挿入された雄型接続体Tm1に対して電気的に接続される。この接点部材20は、金属等の導電性材料から成る。この例示の接点部材20は、導電性の金属板を母材とし、切断や折り曲げ等のプレス加工を施して成形される。
【0023】
この接点部材20は、雌型接続体30に対して電気的に接続される第1接点部21と、内部空間31に挿入された雄型接続体Tm1に対して電気的に接続される第2接点部22と、を有する。
【0024】
第1接点部21は、雌型接続体30の内周面32の周方向に沿って弧状に形成されたものであり、その弧状の外周面21a(
図5)側で雌型接続体30の内周面32に対して電気的に接続される。この第1接点部21は、その内周面32に対して、周方向における少なくとも半周分の範囲内で接触させる。この例示では、その半周分の範囲内で第1接点部21と内周面32とを接触させている。この例示の第1接点部21には、外周面21aにおけるその範囲内に、径方向の外側に向けて膨出させた球面状の複数の接点21bを形成している。それぞれの接点21bは、周方向に沿って略等間隔で配置されている。第1接点部21は、それぞれの接点21bを介して雌型接続体30の内周面32に接触させる。
【0025】
第2接点部22は、第1接点部21に連結された状態で内部空間31に配置される。この第2接点部22は、その内部空間31に挿入された雄型接続体Tm1によって内部空間31の径方向の外側(内周面32側)に向けて押動される。この第2接点部22は、その押動されている部分(被押動部)において雄型接続体Tm1と接触するので、その被押動部が接点となり、雄型接続体Tm1に対して電気的に接続される。
【0026】
この接点部材20は、その第1接点部21と第2接点部22とを少なくとも1つずつ備える。例えば、接点部材20は、雌型接続体30の軸線方向(挿抜方向)に沿って互いに間隔を空けて配置した少なくとも2つの第1接点部21を有すると共に、隣り合う2つの第1接点部21を連結させる連結部としての複数の第2接点部22を有する。それぞれの第1接点部21は、内部空間31と同心上で、かつ、互いを軸線方向でオフセットさせたが如き状態に配置する。そして、それぞれの第2接点部22は、内部空間31に挿入された雄型接続体Tm1によって内部空間31の径方向の外側に向けて押動された際に、径方向の外側へと撓むように形成する。ここでは、隣り合う2つの第1接点部21の間で径方向の内側に向けて凸となる弧状に形成しており、その凸状における径方向の内側の頂点部分が接点としての被押動部となる。
【0027】
ところで、この接点部材20は、雄型接続体Tm1が内部空間31に挿入される前の状態で、第1接点部21の接点21bを雌型接続体30の内周面32に接触させておくことが望ましい。換言するならば、接点部材20は、その挿入前の状態で、雌型接続体30の内周面32からの第1接点部21の浮き上がりを抑えることによって、その内周面32に対する全体の浮き上がりを抑えておくことが望ましい。
【0028】
そこで、本実施形態の接続端子1には、雌型接続体30の内周面32に対する接点部材20の浮き上がりを抑える浮上抑制構造を設けている。その浮上抑制構造は、接点部材20に設けた後述する浮上抑制部23と、雌型接続体30に設けた後述する第1及び第2の受け部33a,33bと、で構成する(
図3)。
【0029】
本実施形態の接点部材20には、雌型接続体30の内周面32に対する第1接点部21の浮き上がりを抑える浮上抑制部23を設けている。その浮上抑制部23は、雌型接続体30の第1及び第2の受け部33a,33bとの関わり合いの中で、雌型接続体30の内周面32に対する第1接点部21の浮き上がりを抑え、これによって、その内周面32に対する接点部材20の浮き上がりを抑える部位である。
【0030】
本実施形態の浮上抑制部23は、雌型接続体30の内周面32の周方向に沿って弧状に形成し、かつ、その弧状の曲率の変化に伴って弾発力を発生させるように形成する。そして、この浮上抑制部23は、その弾発力に応じた押圧力を雌型接続体30に作用させると共に、その押圧力に抗した雌型接続体30からの反力が入力されることで、雌型接続体30の内周面32側に向けた押し付け方向の力を発生させるように形成する。この浮上抑制部23は、その押し付け方向の力を利用して、雌型接続体30の内周面32に対する第1接点部21の浮き上がりを抑えるものである。このため、浮上抑制部23は、その押し付け方向の力を第1接点部21に対して伝えることができるように、その力の伝達が可能な位置に配置する。例えば、浮上抑制部23は、第1接点部21に直接的又は間接的に連接させてもよく、第1接点部21に一体化させてもよい。
【0031】
この浮上抑制部23は、その押圧力を雌型接続体30に作用させると共に、その反力が入力される2つの力点部(第1力点部23aと第2力点部23b)を有する。第1力点部23aは、浮上抑制部23における周方向の一端に設ける。また、第2力点部23bは、浮上抑制部23における周方向の他端に設ける。
【0032】
雌型接続体30は、その第1力点部23aとの関わりを持つ第1受け部33aと、第2力点部23bとの関わりを持つ第2受け部33bと、を有する。第1受け部33aは、第1力点部23aを係止する部位であり、この第1力点部23aから押圧力(浮上抑制部23の曲率の変化に伴う弾発力に応じたもの)を受けると共に、その押圧力に抗した反力を第1力点部23aに作用させる。第2受け部33bは、第2力点部23bを係止する部位であり、この第2力点部23bから押圧力(浮上抑制部23の曲率の変化に伴う弾発力に応じたもの)を受けると共に、その押圧力に抗した反力を第2力点部23bに作用させる。
【0033】
この浮上抑制部23は、そのそれぞれの反力によって、雌型接続体30の内周面32側に向けた押し付け方向の力を発生させる。これにより、本実施形態の接続端子1は、雌型接続体30の内周面32に対する第1接点部21の浮き上がりを抑えることができるので、これに伴って雌型接続体30の内周面32に対する第2接点部22の浮き上がりも抑えることができ、その結果として、雌型接続体30の内周面32に対する接点部材20の浮き上がりを抑制することができる。
【0034】
従って、この接続端子1は、雄型接続体Tm1を雌型接続体30の内部空間31へと挿入させる際に、この雄型接続体Tm1の接点部材20に対する衝突を回避し、この雄型接続体Tm1による第2接点部22の径方向の外側への押動動作を可能にする。よって、この接続端子1は、雌型接続体30と接点部材20との間及び雄型接続体Tm1と接点部材20との間のそれぞれの電気的な接続が可能になるだけでなく、接点部材20の耐久性を向上させることができる。そして、この接続端子1は、自らの耐久性だけでなく、雄型接続体Tm1の耐久性をも向上させることができる。
【0035】
更に、この接続端子1は、接点部材20の浮き上がりの抑制が可能なので、雌型接続体30に蓋部材等を被せなくても、雌型接続体30からの接点部材20の脱落を抑えることができる。このため、この接続端子1は、雄型接続体Tm1の挿入作業性を向上させることができる。
【0036】
以上示したように、本実施形態の接続端子1は、接点部材20の浮き上がりの抑制効果及びこれに付随する効果について、端子本体10と接点部材20という必要最小限の部品で構成することができる。よって、この接続端子1は、自らの生産性の向上や原価の低減を図ることができると共に、挿入される雄端子Tmとの関わりの中でも生産性の向上や原価の低減を図ることができる。
【0037】
また更に、この接続端子1においては、浮上抑制部23の第1力点部23aと第2力点部23bがそれぞれ周方向で逆向きの押圧力を作用させるので、その第1力点部23aと第2力点部23bと第1受け部33aと第2受け部33bによって、雌型接続体30に対する接点部材20の周方向の位置ズレを抑えることができる。
【0038】
ここで、本実施形態の雌型接続体30は、内方における接点部材20と対向する壁面であり、その接点部材20が配置されていない場所に、複数の接点部34を設けている(
図3)。その接点部34は、内部空間31で径方向の内側に膨出させた膨出部として形成されたものである。内部空間31に挿入された雄型接続体Tm1は、接点部材20とそれぞれの接点部34とで挟持され、この接点部材20と接点部34によって内部空間31での保持力が確保されている。従って、この雄型接続体Tm1は、雌型接続体30に対する電気的な接続が、接点部材20を介して間接的に成されると共に、接点部34によって直接的に成される。
【0039】
また、この接続端子1においては、雄型接続体Tm1の挿入及び抜去に伴う雌型接続体30に対する接点部材20の軸線方向の位置ズレを抑える位置ズレ抑制構造が設けられている。そのために、接点部材20は、径方向の外側に突出させた第1被係止部25と第2被係止部26とを少なくとも1つずつ有している(
図3及び
図4)。そして、雌型接続体30は、第1被係止部25を内部空間31に対する雄型接続体Tm1の挿入方向で係止する挿入方向係止部35と、第2被係止部26を内部空間31に対する雄型接続体Tm1の抜去方向で係止する抜去方向係止部36と、を有している。つまり、この接続端子1においては、第1被係止部25と挿入方向係止部35とで雄端子挿入時の接点部材20の位置ズレ抑制構造が構成され、かつ、第2被係止部26と抜去方向係止部36とで雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造が構成されている。
【0040】
雄端子挿入時の接点部材20の位置ズレ抑制構造は、接点部材20が開口31aから内部空間31に挿入されてきた際に、第1被係止部25が挿入方向係止部35で係止されるので、接点部材20を内部空間31の所定位置に収容し、その位置で止めておくことができる。そして、この位置ズレ抑制構造は、内部空間31への雄型接続体Tm1の挿入時に、雄型接続体Tm1との摩擦力等で接点部材20が雌型接続体30に対して動こうとしたとしても、第1被係止部25と挿入方向係止部35との間の係止作用によって、接点部材20を内部空間31の所定位置に止めておくことができる。従って、この位置ズレ抑制構造は、接点部材20の内部空間31に対する軸線方向の位置ズレを抑えることができるので、雌型接続体30と雄型接続体Tm1との間の電気的な接続状態を保ち続けることができる。
【0041】
雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造は、内部空間31からの雄型接続体Tm1の開口31a側への抜去時に、雄型接続体Tm1との摩擦力等で接点部材20が雌型接続体30に対して動こうとしたとしても、第2被係止部26が抜去方向係止部36で係止されるので、接点部材20を内部空間31の所定位置に止めておくことができる。従って、この位置ズレ抑制構造は、接点部材20の内部空間31に対する軸線方向の位置ズレを抑えることができるので、再び雄型接続体Tm1が挿入された際に、雌型接続体30と雄型接続体Tm1との間を電気的に接続させることができる。
【0042】
このように、本実施形態の接続端子1は、これらの位置ズレ抑制構造と先の接点部材20の浮上抑制構造とが相俟って、雌型接続体30に蓋部材等を被せずとも、雌型接続体30からの接点部材20の脱落を抑えることができる。
【0043】
接続端子1における接点部材20と雌型接続体30の具体的な形態について以下に説明する。
【0044】
本実施形態の接点部材20は、内部空間31における底部側(言うなれば、それぞれのバレル片部41を繋ぐ底部に連なる部分が存在している側)に配置する。但し、この接点部材20の内部空間31における周方向の配置は、必ずしも本例示の形態に限定するものではなく、その周方向における何れの位置であってもよい。この接点部材20は、2つの第1接点部21と、これらを繋ぐ6つの第2接点部22と、を備えている。それぞれの第1接点部21は、内部空間31において、一方が開口31a側に配置され、他方が連結体50側に配置されている。そして、それぞれの第2接点部22は、それぞれの第1接点部21の周方向に沿って略等間隔で配置されている。
【0045】
この接点部材20においては、開口31a側の第1接点部21と浮上抑制部23とを互いに一体化させた1つの弧状体24として設けている。このため、その弧状体24には、その外周面21aに第1接点部21における複数の接点21bが設けられていると共に、その周方向の両端に浮上抑制部23における第1及び第2の力点部23a,23bが設けられている。第1力点部23aは、弧状体24の周方向の一端から径方向の外側に突出させた片部として形成している。一方、第2力点部23bは、弧状体24の周方向の他端から径方向の外側に突出させた片部として形成している。
【0046】
ここで、この接点部材20は、窄めたりしながら軸線方向(内部空間31への挿入方向に沿う方向)における各位置の曲率を適宜変化させ、その各位置を小さくした状態で内部空間31に挿入していくことになる。しかしながら、この接点部材20は、従来の接点部材のように雌型接続体の内部空間で円筒状になる場合、その挿入時の曲率の変化量が大きくなり、耐久性を低下させてしまう可能性がある。更に、そのような円筒状になる接点部材の場合には、軸線方向における各位置の曲率の変化量が大きくなるので、雌型接続体の内部空間への接点部材の挿入作業が行い難くなっている可能性がある。また、その挿入作業に替えて、雌型接続体の円筒状への折り曲げ成形に伴い接点部材を内方に包み込む場合でも、その接点部材は、円筒状に窄めた状態で雌型接続体の母材上に配置しなければならない。このため、従来の接続端子は、耐久性と生産性の点で向上の余地がある。
【0047】
そこで、この接点部材20は、雌型接続体30の内周面32の周方向における一部に沿うように、その外観形状を形成する。この接点部材20においては、弧に対する中心角が180度よりも大きくなるように弧状体24を形成すると共に、弧に対する中心角が略180度となるように連結体50側の第1接点部21を形成する。弧状体24の弧の大きさは、円環とならない範囲内で中心角を設定する。このため、この接点部材20は、弧状体24よりも連結体50側の体格について、弧に対する中心角が略180度になっており、円筒状にはなっていない。従って、この接続端子1においては、円筒状の従来の接点部材と比較して、曲率の変化量を小さく抑えた状態で、接点部材20を内部空間31に挿入することができる。よって、その接点部材20は、その挿入時の曲率の変化を弾性域の範囲内に止めることができるので、その耐久性を向上させることができる。更に、この接点部材20によって、この接続端子1は、その生産性も向上させることができる。
【0048】
具体的に、この接続端子1においては、接点部材20を内部空間31へと収容する際に、例えば、連結体50側の第1接点部21の曲率を大きくして窄めた状態で、この第1接点部21を開口31aから挿入し、その後、浮上抑制部23としての機能を持つ弧状体24の曲率を小さくして弾発力を発生させた状態で、この弧状体24を開口31aから挿入する。このため、弧状体24は、内部空間31への収容後に、元の形状に戻るよう曲率が大きくなっていき、第1力点部23aと第2力点部23bとから第1受け部33aと第2受け部33bとに対して、各々周方向の押圧力を作用させる。この弧状体24は、
図3の視点から見て、第1力点部23aから時計回り方向の押圧力を作用させ、第2力点部23bから反時計回り方向の押圧力を作用させる。つまり、この弧状体24は、第1力点部23aと第2力点部23bから第1受け部33aと第2受け部33bに対して、それぞれ周方向で逆向きの押圧力を作用させる。
【0049】
雌型接続体30は、第1力点部23aと第2力点部23bのそれぞれの配置に合わせた位置であり、そのような押圧力を受けることができるような位置に第1受け部33aと第2受け部33bとを設ける。その第1受け部33aと第2受け部33bは、雌型接続体30の開口31a側の端部から軸線方向に沿って切り欠いた切欠きであり、その切欠きの周方向における一方の側壁を利用する。ここでは、
図3の視点から見て、第1力点部23aに対応させて配置した切欠きにおける周方向の2つの側壁の内、時計回り側に存在している側壁を第1受け部33aとして利用し、第2力点部23bに対応させて配置した切欠きにおける周方向の2つの側壁の内、反時計回り側に存在している側壁を第2受け部33bとして利用する。このため、第1力点部23aと第1受け部33aは、第1受け部33aを成す切欠きに第1力点部23aが収まるように形成する。そして、第2力点部23bと第2受け部33bは、第2受け部33bを成す切欠きに第2力点部23bが収まるように形成する。
【0050】
弧状体24には、第1受け部33aから第1力点部23aに対して押圧力に抗した反力が作用すると共に、第2受け部33bから第2力点部23bに対して押圧力に抗した反力が作用する。つまり、その第1受け部33aと第2受け部33bからは、第1力点部23aと第2力点部23bに対して、それぞれ周方向で逆向きの反力を作用させる。これにより、この弧状体24には、雌型接続体30の内周面32側に向けた押し付け方向の力が発生する。このため、接点部材20においては、その内周面32に対する弧状体24(開口31a側の第1接点部21と浮上抑制部23)の浮き上がりが抑えられ、これに伴い、第2接点部22や連結体50側の第1接点部21の内周面32に対する浮き上がりも抑えられる。従って、この接続端子1においては、接点部材20の内周面32に対する浮き上がりを抑制することができる。
【0051】
ここで、この例示の雌型接続体30は、内周面32における接点部材20が配置されていない場所に4つの接点部34を備える。具体的には、開口31a側の端部に周方向に間隔を空けて2つの接点部34を備えると共に、連結体50側の端部に周方向に間隔を空けて2つの接点部34を備える(
図1から
図4)。開口31a側の接点部34は、内周面32よりも径方向の内側に膨出させた球面状の膨出部である。連結体50側の接点部34は、内周面32よりも径方向の内側に膨出させた弧状の膨出部であり、軸線方向に延在させている。
【0052】
更に、この例示では、雄端子挿入時の接点部材20の位置ズレ抑制構造と雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造を次のように構成している。
【0053】
雄端子挿入時の接点部材20の位置ズレ抑制構造において、第1被係止部25は、接点部材20における弧状体24側の端部に設ける。この例示の第1被係止部25は、内部空間31に収容された接点部材20において弧状体24よりも開口31a側に設けた片部であり、周方向に間隔を空けて2つ配置している。一方、この第1被係止部25を係止する挿入方向係止部35は、それぞれの第1被係止部25の配置に合わせた位置であり、雌型接続体30における開口31a側の端部に周方向に間隔を空けて2つ設ける。この例示の挿入方向係止部35は、雌型接続体30の開口31a側の端部から軸線方向に沿って切り欠いた切欠きであり、その切欠きの軸線方向における底壁を利用する。このため、第1被係止部25と挿入方向係止部35は、その切欠きに第1被係止部25が収まるように形成する。この雄端子挿入時の接点部材20の位置ズレ抑制構造は、このような構成によって、先に説明したように、雌型接続体30に対する接点部材20の軸線方向の位置ズレを抑えることができる。更に、この位置ズレ抑制構造は、その切欠きの周方向におけるそれぞれの側壁と第1被係止部25との間の間隔を各々狭めることによって、雌型接続体30に対する接点部材20の周方向の位置ズレを抑えることもできる。
【0054】
また、雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造において、第2被係止部26は、接点部材20における弧状体24側の端部に設ける。この例示の第2被係止部26は、内部空間31に収容された接点部材20において弧状体24よりも開口31a側に設けた片部であり、周方向に間隔を空けて2つ配置している。一方、この第2被係止部26を係止する抜去方向係止部36は、それぞれの第2被係止部26の配置に合わせた位置であり、雌型接続体30における開口31a側の端部に周方向に間隔を空けて2つ設ける。この例示の抜去方向係止部36は、第1受け部33aと第2受け部33bに関わる上記切欠きにおける他方の側壁の一部を更に周方向へと切り欠いた切欠きであり、その切欠きの軸線方向における開口31a側の側壁を利用する。このため、第2被係止部26と抜去方向係止部36は、その切欠きに第2被係止部26が収まるように形成する。この雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造は、このような構成によって、先に説明したように、雌型接続体30に対する接点部材20の軸線方向の位置ズレを抑えることができる。更に、この位置ズレ抑制構造は、その切欠きの周方向におけるそれぞれの底壁と第2被係止部26との間の間隔を各々狭めることによって、雌型接続体30に対する接点部材20の周方向の位置ズレを抑えることもできる。
【0055】
[変形例1]
次に、接点部材20と雌型接続体30の具体的な形態の変形例について、
図6から
図10を用いて説明する。ここでは、便宜上、この変形例に関わる接続端子を接続端子2と称する。
【0056】
本変形例の雌型接続体30は、円柱状の雄型接続体Tm1が収容される略円柱状の内部空間31を有するものであり、筒状に形成されている。この雌型接続体30は、中心角が180度よりも大きい弧から成る内周面32を少なくとも有しており、その内周面32に対する接点21bを備えた本変形例の接点部材20が配置される(
図6から
図8)。この雌型接続体30は、その内周面32に対向する内方の壁面に複数の接点部34を設けている(
図7及び
図10)。この例示では、先の実施形態の具体例と同様の4つの接点部34を設けており、内部空間31に挿入された雄型接続体Tm1が接点部材20とそれぞれの接点部34とで挟持される。
【0057】
本変形例の接点部材20は、前述した実施形態の具体例の接点部材20と同様の2つの第1接点部21と6つの第2接点部22とを備えている。但し、本変形例の接点部材20は、内部空間31に収容された際の開口31a側で、かつ、開口31a側の第1接点部21よりも開口31a側に、浮上抑制部23を備えている(
図8)。
【0058】
この接点部材20においては、弧に対する中心角が略180度となるようにそれぞれの第1接点部21を形成する一方、弧に対する中心角が180度よりも大きくなるように浮上抑制部23を形成する。浮上抑制部23の弧の大きさは、円環とならない範囲内で中心角を設定する。ここでは、ランドルト環形状となるように浮上抑制部23を形成している。このため、この接点部材20は、浮上抑制部23よりも連結体50側の体格について、弧に対する中心角が略180度になっており、円筒状にはなっていない。従って、この接続端子2においては、前述した実施形態の具体例の接続端子1と同じように、曲率の変化量を小さく抑えた状態で、接点部材20を内部空間31に挿入することができる。よって、この接続端子2は、その耐久性と生産性を向上させることができる。
【0059】
具体的に、この接続端子2においては、接点部材20を内部空間31へと収容する際に、例えば、連結体50側の第1接点部21の曲率を大きくして窄めた状態で、この第1接点部21を開口31aから挿入し、その後、開口31a側の第1接点部21の曲率を大きくして窄めた状態で、この第1接点部21を開口31aから挿入する。そして、この接続端子2においては、浮上抑制部23の曲率を大きくして弾発力を発生させた状態で、この浮上抑制部23を開口31aから挿入する。このため、浮上抑制部23は、内部空間31への収容後に、元の形状に戻るよう曲率が小さくなっていき、第1力点部23aと第2力点部23bとから第1受け部33aと第2受け部33bとに対して、各々周方向の押圧力を作用させる。本変形例の浮上抑制部23は、
図9の視点から見て、第1力点部23aから反時計回り方向の押圧力を作用させ、第2力点部23bから時計回り方向の押圧力を作用させる。つまり、この浮上抑制部23は、第1力点部23aと第2力点部23bから第1受け部33aと第2受け部33bに対して、それぞれ周方向で逆向きの押圧力を作用させる。
【0060】
雌型接続体30は、第1力点部23aと第2力点部23bのそれぞれの配置に合わせた位置であり、そのような押圧力を受けることができるような位置に第1受け部33aと第2受け部33bとを設ける。本変形例の雌型接続体30は、開口31a側の端面よりも軸線方向で内側に、ランドルト環形状に形成されたランドルト環状部37が設けられている。第1受け部33aと第2受け部33bは、そのランドルト環状部37における切欠きのそれぞれの側壁を利用する。ここでは、
図9の視点から見て、そのそれぞれの側壁の内、反時計回り側に存在している側壁を第1受け部33aとして利用し、時計回り側に存在している側壁を第2受け部33bとして利用する。このため、第1力点部23aと第2力点部23bと第1受け部33aと第2受け部33bは、第1力点部23aと第2力点部23bとがランドルト環状部37の切欠きに収まるように形成する。
【0061】
浮上抑制部23には、第1受け部33aから第1力点部23aに対して押圧力に抗した反力が作用すると共に、第2受け部33bから第2力点部23bに対して押圧力に抗した反力が作用する。つまり、その第1受け部33aと第2受け部33bからは、第1力点部23aと第2力点部23bに対して、それぞれ周方向で逆向きの反力を作用させる。これにより、この浮上抑制部23には、雌型接続体30の内周面32側に向けた押し付け方向の力が発生する。このため、接点部材20においては、その内周面32に対する浮上抑制部23の浮き上がりが抑えられ、これに伴い、この浮上抑制部23に連接されている開口31a側の第1接点部21の内周面32に対する浮き上がりも抑えられる。よって、この接点部材20においては、第2接点部22や連結体50側の第1接点部21の内周面32に対する浮き上がりも抑えられる。従って、この接続端子2においては、接点部材20の内周面32に対する浮き上がりを抑制することができる。
【0062】
ここで、本変形例の接続端子2は、次のような雄端子挿入時の接点部材20の位置ズレ抑制構造と雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造を備える。雄端子挿入時の接点部材20の位置ズレ抑制構造は、前述した実施形態の具体例の接続端子1と同じように構成されたものであり、接点部材20の2つの第1被係止部25と雌型接続体30の2つの挿入方向係止部35とを備えている。一方、雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造は、接点部材20に設けた第2被係止部26と雌型接続体30に設けた抜去方向係止部36とで、以下の如く構成している。
【0063】
本変形例の第2被係止部26は、浮上抑制部23から径方向の外側で且つ内部空間31への収容時の開口31a側に突出させた片部である。本変形例の雌型接続体30には、開口31a側の端部に、内方と外方とを連通させる貫通孔38が形成されている(
図8)。この例示では、その貫通孔38の開口31a側の側壁を抜去方向係止部36として利用する。このため、第2被係止部26と抜去方向係止部36は、その貫通孔38に第2被係止部26が挿入されるように形成する。この雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造は、このような構成によって、先に説明したように、雌型接続体30に対する接点部材20の軸線方向の位置ズレを抑えることができる。更に、この位置ズレ抑制構造は、その貫通孔38の周方向におけるそれぞれの側壁と第2被係止部26との間の間隔を各々狭めることによって、雌型接続体30に対する接点部材20の周方向の位置ズレを抑えることもできる。
【0064】
[変形例2]
次に、接点部材20と雌型接続体30の具体的な形態の別の変形例について、
図11から
図14を用いて説明する。ここでは、便宜上、この変形例に関わる接続端子を接続端子3と称する。
【0065】
本変形例の雌型接続体30は、前述した実施形態の具体例の雌型接続体30と同じように、円筒状に形成されている(
図11から
図13)。この雌型接続体30は、内周面32における接点部材20が配置されていない場所に4つの接点部34を備える(
図12及び
図14)。この例示では、先の実施形態の具体例と同様の4つの接点部34を設けており、内部空間31に挿入された雄型接続体Tm1が接点部材20とそれぞれの接点部34とで挟持される。
【0066】
本変形例の接点部材20は、内部空間31において周方向で実施形態の具体例とは逆側(略180度ズラした位置)に配置したものであり、2つの第1接点部21と、これらを繋ぐ4つの第2接点部22と、を備えている。それぞれの第1接点部21は、内部空間31において、一方が開口31a側に配置され、他方が連結体50側に配置されている。そして、それぞれの第2接点部22は、それぞれの第1接点部21の周方向に沿って略等間隔で配置されている。この接点部材20においては、前述した実施形態の具体例の接点部材20と同様に、開口31a側の第1接点部21と浮上抑制部23とを互いに一体化させた1つの弧状体24として設けている(
図13)。尚、この接点部材20の内部空間31における周方向の配置は、必ずしも本変形例の形態に限定するものではなく、実施形態と同様のものであってもよい。
【0067】
本変形例の弧状体24の外周面21aには、第1接点部21における複数の接点21bの他に、浮上抑制部23における第1及び第2の力点部23a,23bが設けられている。本変形例の第1及び第2の力点部23a,23bは、外周面21aから径方向の外側に向けて膨出させた球面状の膨出部として形成されている。本変形例の弧状体24は、後述するように弧に対する中心角が180度よりも大きくなるように形成し、周方向における一端に第1力点部23aを設けると共に、周方向における他端に第2力点部23bを設ける。本変形例では、このような第1及び第2の力点部23a,23bが設けられているので、雌型接続体30の内周面32における第1力点部23aとの接点部分が第1受け部33aとなり、その内周面32における第2力点部23bとの接点部分が第2受け部33bとなる(
図12)。弧状体24においては、例えば、その中心と第1受け部33aとを繋ぐ第1仮想線分と、その中心と第2受け部33bとを繋ぐ第2仮想線分と、を設定し、第1仮想線分と第2仮想線分の成す角度が180度よりも大きくなるように、第1及び第2の力点部23a,23bを形成する。更に、第1力点部23aと第2力点部23bは、第1受け部33aと第2受け部33bとに対して各々押圧力を作用させることができるように、例えば、その膨出量を設定する。
【0068】
この接点部材20においては、弧に対する中心角が180度よりも大きくなるように弧状体24を形成すると共に、弧に対する中心角が略180度となるように連結体50側の第1接点部21を形成する。弧状体24の弧の大きさは、円環とならない範囲内で中心角を設定する。このため、この接点部材20は、弧状体24よりも連結体50側の体格について、弧に対する中心角が略180度になっており、円筒状にはなっていない。従って、この接続端子3においては、前述した実施形態の具体例の接続端子1と同じように、曲率の変化量を小さく抑えた状態で、接点部材20を内部空間31に挿入することができる。よって、この接続端子3は、その耐久性と生産性を向上させることができる。
【0069】
具体的に、この接続端子3においては、接点部材20を内部空間31へと収容する際に、例えば、連結体50側の第1接点部21の曲率を大きくして窄めた状態で、この第1接点部21を開口31aから挿入し、その後、浮上抑制部23としての機能を持つ弧状体24の曲率を大きくして弾発力を発生させた状態で、この弧状体24を開口31aから挿入する。このため、弧状体24は、内部空間31への収容後に、元の形状に戻るよう曲率が小さくなっていき、第1力点部23aと第2力点部23bとから第1受け部33aと第2受け部33bとに対して、各々径方向の外側に向けた押圧力を作用させる。
【0070】
弧状体24には、第1受け部33aから第1力点部23aに対して押圧力に抗した反力が作用すると共に、第2受け部33bから第2力点部23bに対して押圧力に抗した反力が作用する。これにより、この弧状体24には、雌型接続体30の内周面32側に向けた押し付け方向の力が発生する。このため、接点部材20においては、その内周面32に対する弧状体24(開口31a側の第1接点部21と浮上抑制部23)の浮き上がりが抑えられ、これに伴い、第2接点部22や連結体50側の第1接点部21の内周面32に対する浮き上がりも抑えられる。従って、この接続端子3においては、接点部材20の内周面32に対する浮き上がりを抑制することができる。
【0071】
ここで、本変形例の接続端子3は、次のような雄端子挿入時の接点部材20の位置ズレ抑制構造と雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造を備える。雄端子挿入時の接点部材20の位置ズレ抑制構造は、前述した実施形態の具体例の接続端子1と同じように構成されたものである。但し、本変形例では、接点部材20に3つの第1被係止部25が設けられていると共に、その3つの第1被係止部25に対応させた3つの挿入方向係止部35が雌型接続体30に設けられている。一方、雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造は、接点部材20に設けた第2被係止部26と雌型接続体30に設けた抜去方向係止部36とで、以下の如く構成している。
【0072】
本変形例の第2被係止部26は、接点部材20における連結体50側の端部に設ける。この例示では、連結体50側の第1接点部21に対して軸線方向に間隔を空けて配置された弧状部を第2被係止部26として利用する(
図13)。一方、本変形例の雌型接続体30は、連結体50側の端部に、径方向の内側に傾倒させた傾倒部39を備えている。この例示では、その傾倒部39の連結体50側の端面を抜去方向係止部36として利用する。このため、本変形例の接点部材20は、連結体50側の第1接点部21と第2被係止部26との間に、接点部材20の内部空間31への収容後に傾倒部39が挿入される貫通孔27を備えている。この雄端子抜去時の接点部材20の位置ズレ抑制構造は、内部空間31からの雄型接続体Tm1の開口31a側への抜去時に、雄型接続体Tm1との摩擦力等で接点部材20が雌型接続体30に対して動こうとしたとしても、第2被係止部26としての弧状部が傾倒部39の連結体50側の端面(抜去方向係止部36)で係止されるので、接点部材20を内部空間31の所定位置に止めておくことができる。従って、この位置ズレ抑制構造は、接点部材20の内部空間31に対する軸線方向の位置ズレを抑えることができる。更に、この位置ズレ抑制構造は、その貫通孔27の周方向におけるそれぞれの側壁と傾倒部39との間の間隔を各々狭めることによって、雌型接続体30に対する接点部材20の周方向の位置ズレを抑えることもできる。