【実施例】
【0151】
本明細書を通じて用いた化学的略号は以下のとおりである。dbaはジベンジリデンアセトン、EtOAcは酢酸エチル、dppfは1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、DCMはジクロロメタン、SPhosはジシクロヘキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−3−イル)ホスフィン、THFはテトラヒドロフランである。
【0152】
〔化合物1の合成〕
【化30】
【0153】
100mLのTHF中の9−(3−ブロモフェニル)−9H−カルバゾール(5 g, 15.52 mmol)及び4−ブロモジベンゾ[b,d]チオフェン(4.08 g, 15.52 mmol)の溶液中に、ヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液(2.5 M, 21.34 mL, 34.1 mmol)を−78℃で滴下して添加し、1時間撹拌した。ジフェニルジクロロシラン(3.19 mL, 15.52 mmol)をTHF(10 mL)に溶かし、先のリチオ化した混合物に滴下して添加した。この混合物を夜通しで室温まで温まるようにし、水及びNH
4Cl溶液で失活させ、EtOAcで抽出し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させ、固体をDCMから再結晶して化合物1を白色固体として得た(3.4 g, 36%)。
【0154】
〔化合物2の合成〕
【化31】
【0155】
エーテル(70 mL)中のジベンゾ[b,d]チオフェン(4.80 g, 26.1 mmol)の溶液中に、ヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液(2.5 M, 9.48 mL, 23.70 mmol)を−78℃で滴下して添加し、その溶液が室温まで温まるようにし、次に35℃のオイルバスで2時間加熱して、ジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イルリチウムの赤色溶液を得た。
【0156】
別のフラスコ中で、エーテル(70 mL)中の1,3−ジブロモベンゼン(2.56 mL, 21.20 mmol)の溶液に−78℃で、ヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液(2.5 M, 9.48 mL, 23.70 mmol)の溶液を添加し、次にこの温度で3.5時間撹拌してm−ブロモフェニルリチウムの溶液を調製した。このm−ブロモフェニルリチウム溶液を−78℃で、エーテル(70 mL)中のジフェニルジクロロシラン(4.88 mL, 23.70 mmol)の溶液に滴下して添加した。得られた反応溶液をこの温度で2時間撹拌した後、上で調製したジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イルリチウムの溶液を滴下して導入した。得られた溶液を夜通しで室温までゆっくり温まるようにした。それを水で失活させ、エーテルで抽出し、Na
2SO
4上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、残留物を溶出液としてヘキサン/DCM(9/1, v/v)を用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製して、(3−ブロモフェニル)(ジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イル)ジフェニルシランを白色粉末として得た(3.84 g, 31%)。
【0157】
【化32】
【0158】
m−キシレン(50 mL)中の(3−ブロモフェニル)(ジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イル)ジフェニルシラン(3.4 g, 6.52 mmol)、9H−3,9′−ビカルバゾール(2.4 g, 7.17 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.119 g, 0.130 mmol)、SPhos(0.107 g, 0.261 mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(1.253 g, 13.04 mmol)の混合物を、140℃に窒素下で夜通し加熱した。室温に冷やした後、それをセライト(登録商標) の短い詰め物を通し、トルエン及びDCMで洗った。一緒にした有機溶液を蒸発させ、残留物を溶離液としてヘキサン/DCM(7.5/2.5, v/v)を用いるシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製して、化合物2(4.2 g, 83%)を白色粉末として得た。
【0159】
〔化合物3の合成〕
【化33】
【0160】
−78℃において、エーテル(50 mL)中のジベンゾ[b,d]フラン(4.98 g, 29.6 mmol)の溶液中に、ヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液(2.5 M, 9.48 mL, 23.70 mmol)を滴下して添加し、その溶液が室温まで温まるようにし、20時間撹拌して、ジベンゾ[b,d]フラン−4−イルリチウム溶液を得た。エーテル(50 mL)中の1,3−ジブロモベンゼン(2.56 mL, 21.20 mmol)の溶液に−78℃で、ヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液(2.5 M, 9.48 mL, 23.70 mmol)の溶液を添加した。この反応溶液をこの温度で3.5時間撹拌した後、−78℃で、エーテル(50.0 mL)中のジクロロジフェニルシラン(4.88 mL, 23.70 mmol)の溶液に添加した。得られた反応溶液をこの温度で2時間撹拌した後、上で調製したジベンゾ[b,d]フラン−4−イルリチウムの溶液を滴下して導入した。この反応混合物を夜通しで室温までゆっくり温まるようにし、その時点で水で失活させ、エーテルで抽出し、Na
2SO
4上で乾燥させた。濾過及び溶媒を蒸発させて、残留物を溶出液としてヘキサン/DCM(9/1, v/v)を用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製して、(3−ブロモフェニル)(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ジフェニルシラン(6.2 g, 52%)を白色粉末として得た。
【0161】
【化34】
【0162】
m−キシレン(50 mL)中の(3−ブロモフェニル)(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ジフェニルシラン(3 g, 5.93 mmol)、9H−カルバゾール(0.992 g, 5.93 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.109 g, 0.119 mmol)、SPhos(0.097 g, 0.237 mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(1.1 g, 11.87 mmol)の懸濁液を、140℃で窒素下で夜通し還流させた。室温に冷やした後、それをセライト(登録商標) の短い詰め物を通し、トルエン及びDCMで洗った。一緒にした溶液を蒸発させ、残留物を溶離液としてヘキサン/DCM(7.5/2.5, v/v)を用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー、及びDCMからメタノールでの沈殿によって精製し、化合物3を白色粉末(3.2 g, 91%)として得た。
【0163】
〔化合物4の合成〕
【化35】
【0164】
m−キシレン(50 mL)中の(3−ブロモフェニル)(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ジフェニルシラン(2.75 g, 5.44 mmol)、9H−3,9′−ビカルバゾール(1.81 g, 5.44 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.10 g, 0.10 mmol)、SPhos(0.089 g, 0.22 mmol)、及びナトリウムt−ブトキシド(1.05 g, 10.88 mmol)の懸濁液を、140℃で夜通し加熱した。室温に冷やした後、それをセライト(登録商標) の短い詰め物を通し、トルエン及びDCMで洗った。一緒にした溶液を蒸発させ、残留物を、溶離液としてヘキサン/DCM(8/2, v/v)を用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物4を白色粉末(3.5 g, 85%)として得た。
【0165】
〔化合物5の合成〕
【化36】
【0166】
ジオキサン(300 mL)中の1−(3−ブロモ−9H−カルバゾール−9−イル)エタノン(13.80 g, 47.9 mmol)、4,4,4′,4′,5,5,5′,5′−オクタメチル−2,2′−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(14.59 g, 57.5 mmol)、酢酸カリウム(9.40 g, 96 mmol)、dppf(0.585 g, 0.958 mmol)、及びPd
2(dba)
3(0.877 g, 0.958 mmol)の混合溶液を、N
2下で夜通し還流させた。室温まで冷やした後、それを水(250 mL)で希釈し、EtOAc(3×70 mL)で抽出した。有機相を単離し、Na
2SO
4上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、残留物を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(9/1, v/v)を用いてシリカ上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、それと同じ溶媒から再結晶して、1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9H−カルバゾール−9−イル)エタノン(10.5 g, 65%)を白色結晶として得た。
【0167】
【化37】
【0168】
トルエン(100 mL)及び水(20 mL)中の1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9H−カルバゾール−9−イル)エタノン(10.00 g, 29.8 mmol)、1,3−ジブロモベンゼン(17.59 g, 74.6 mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.689 g, 0.597 mmol)、及びK
2CO
3(12.37 g, 89 mmol)の混合溶液を、N
2下で夜通し還流させた。室温に冷やした後、有機相を単離し、溶媒を蒸発させた。残留物を、溶離液としてヘキサン/DCM(1/1, v/v)を用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製して、1−(3−(3−ブロモフェニル)−9H−カルバゾール−9−イル)エタノン(2.5 g, 23%)を白色固体として得た。
【0169】
【化38】
【0170】
トルエン(180 mL)及び水(5 mL)中の1−(3−(3−ブロモフェニル)−9H−カルバゾール−9−イル)エタノン(2.50 g, 6.86 mmol)、9−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル−9H−カルバゾール(2.53 g, 6.86 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.063 g, 0.069 mmol)、(SPhos)(0.056 g, 0.137 mmol)、及びK
3PO
4(4.74 g, 20.59 mmol)の混合溶液をN
2下で夜通し還流させた。室温に冷やした後、有機溶液を単離した。溶媒を蒸発させて、残留物を、溶離液としてヘキサン/DCM(1/1から1/4, v/v)を用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(3−(3′−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1′−ビフェニル]−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル)エタノン(3.2 g, 89%)を白色結晶として得た。
【0171】
【化39】
【0172】
THF(50 mL)、水(50 mL)、及びエタノール(50 mL)中の1−(3−(3′−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1′−ビフェニル]−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル)エタノン(3.30 g, 6.27 mmol)及びKOH(3.5 g, 62.7 mmol)の混合溶液を1時間還流させた。室温まで冷やした後、それを水で希釈し、EtOAc(4×50 mL)で抽出した。有機画分を集め、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮して、白色固体として3−(3′−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1′−ビフェニル]−3−イル)−9H−カルバゾール(2.6 g, 86%)の沈殿物を生じさせた。
【0173】
【化40】
【0174】
キシレン(150 mL)中の3−(3′−(9H−カルバゾール−9−イル)−[1,1′−ビフェニル]−3−イル)−9H−カルバゾール(2.70 g, 5.57 mmol)、(3−ブロモフェニル)(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ジフェニルシラン(2.82 g, 5.57 mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(1.071 g, 11.14 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.102 g, 0.111 mmol)、及びSPhos(0.091 g, 0.223 mmol)の混合物溶液をN
2下で18時間還流させた。室温に冷やした後、10%NaHCO
3の水溶液(100 mL)を添加して1時間撹拌した。有機相を単離し、Na
2SO
4上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、残留物を、溶離液としてヘキサン/DCM(7/3, v/v)を用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物5(3.3 g, 65%)を白色粉末として得た。
【0175】
〔化合物6の合成〕
【化41】
【0176】
トルエン(150 mL)及び水(50 mL)中の(3−ブロモフェニル)(ジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イル)ジフェニルシラン(3.50 g, 6.71 mmol)、9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9H−カルバゾール(2.478 g, 6.71 mmol)、K
2CO
3(1.9 g, 13.42 mmol)、及びPd(PPh
3)
4(0.155 g, 0.134 mmol)の混合溶液を、N
2下で夜通し還流させた。室温に冷やした後、有機相を単離した。溶媒を蒸発させて、残留物を、溶離液としてヘキサン/DCM(4/1, v/v)を用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物6(3.3 g, 72%)を白色固体として得た。
【0177】
〔化合物7の合成〕
【化42】
【0178】
トルエン(30 mL)及び水(10 mL)中の(3−ブロモフェニル)(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ジフェニルシラン(3.5 g, 6.92 mmol)、9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9H−カルバゾール(2.56 g, 6.92 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.127 g, 0.138 mmol)、SPhos(0.114 g, 0.277 mmol)、及びK
2CO
3(2.87 g, 20.77 mmol)の混合物を、夜通し100℃に加熱した。室温に冷やした後、有機相を単離した。溶媒を蒸発させて、残留物を、溶離液としてヘキサン/DCM(9/1, v/v)を用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物7(3.3 g, 72%)を白色固体として得た。
【0179】
〔化合物10の合成〕
【化43】
【0180】
ジオキサン(350 mL)中の3−ブロモ−9−フェニル−9H−カルバゾール(27.5 g,72.5 mmol)、4,4,4′,4′,5,5,5′,5′−オクタメチル−2,2′−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(36.8 g, 145 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.664 g, 0.725 mmol)、SPhos(1.191 g, 2.90 mmol)、及び酢酸カリウム(17.80 g, 181 mmol)の混合溶液を、薄層クロマトグラフィーが完全な転化を示すまで110℃に加熱した。室温まで冷やした後、反応混合物をセライト(登録商標)の詰め物を通した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(97/3から96/4, v/v)を用いてシリカ上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9H−カルバゾール(10.4 g, 39%)を白色固体として得た。
【0181】
【化44】
【0182】
トルエン(500 mL)及び水(50 mL)中の3−ブロモ−9H−カルバゾール(6.75 g, 27.4mmol)、9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9H−カルバゾール(12.15 g, 32.9 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.251 g, 0.274 mmol)、SPhos(0.450 g, 1.097 mmol)、及びK
2PO
4(25.3 g, 110 mmol)の混合溶液を窒素下で10時間還流させた。室温に冷やした後、反応混合物をジクロロメタンで抽出し、食塩水で洗った。一緒にした有機溶液をNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて粗生成物を得て、これをDCM/ヘキサン(1/1, v/v, 1200 mL)から再結晶して、9H,9′H−3,3′−ビカルバゾール(6.66 g, 59%)を黄色固体として得た。
【0183】
【化45】
【0184】
m−キシレン(50 mL)中の(3−ブロモフェニル)(ジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イル)ジフェニルシラン(2.75 g, 5.27 mmol)、9−フェニル−9H,9′H−3,3′−ビカルバゾール(2.154 g, 5.27 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.097 g, 0.105 mmol)、SPhos(0.087 g, 0.211 mmol)、及びナトリウムtert−ブトキシド(1.013 g, 10.55 mmol)の混合溶液を、窒素下で夜通し還流させた。室温に冷やした後、それをセライト(登録商標)の短い詰め物を通し、トルエン及びDCMで洗った。一緒にした溶液を蒸発させ、残留物を、溶離液としてヘキサン/DCM(3/1, v/v)を用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物10(3.7 g, 83%)を白色粉末として得た。
【0185】
〔化合物11の合成〕
【化46】
【0186】
m−キシレン(50 mL)中の(3−ブロモフェニル)(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)ジフェニルシラン(2.75 g, 5.44 mmol)、9−フェニル−9H,9′H−3,3′−ビカルバゾール(2.222 g, 5.44 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.100 g, 0.109 mmol)、SPhos(0.089 g, 0.218 mmol)、及びナトリウムtert−ブトキシド(1.046 g, 10.88 mmol)の混合物を、窒素下で夜通し還流させた。室温に冷やした後、それをセライト(登録商標)の短い詰め物を通し、トルエン及びDCMで洗った。一緒にした溶液を蒸発させ、残留物を、溶離液としてヘキサン/DCM(3/1, v/v)を用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物11(3.6 g, 79%)を白色粉末として得た。
【0187】
比較例
〔比較化合物CC−1の合成〕
【化47】
【0188】
トルエン(200 mL)及び水(10 mL)中の4−(3−ブロモフェニル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(7.15 g, 21.08 mmol)、9−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール(7.78 g, 21.08 mmol)、SPhos(0.173 g, 0.422 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.192 g, 0.211 mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(9.71 g, 42.2 mmol)の溶液を、窒素下で夜通し還流させた。室温に冷やした後、有機相を単離し、乾燥するまで蒸発させた。残留物を、溶離液としてヘキサン/DCM(9/1から1/1, v/v)を用いてシリカゲル上でのカラムカラムクロマトグラフィー、ヘプタンからの再結晶、及び減圧下での昇華によって精製して、CC−1(6.4 g, 61%)を白色結晶として得た。
【0189】
〔比較化合物CC−2の合成〕
【化48】
【0190】
ジベンゾ[b,d]チオフェン(10 g, 54.3 mmol)をTHF(500 mL)に溶かし、その溶液を−78℃に冷やした。n−ブチルリチウム(40.7 mL, 65.1 mmol, ヘキサン中1.6 M)を次に滴下して添加した。混合物を次に室温まで温め、5時間撹拌した後、−78℃まで再度冷やした。別のフラスコ中で、ジクロロジフェニルシラン(4.5 mL, 21.7 mmol)を10mLのTHFに溶かして、反応混合物に滴下して添加し、これを次に夜通しで室温まで温めた。反応混合物をEtOH(10 mL)で失活させ、全ての溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物にDCM(200 mL)及び水(200 mL)を添加し、層が分離した。水層をさらにDCMで2回洗い、合わせた有機物を水及び食塩水で洗った。減圧下での溶媒の除去により、14.7gの灰白色固体が得られた。この粗生成物を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(95/5〜90/10, v/v)を用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィーにかけて、比較化合物CC−2(5.4 g, 45%)を白色固体として得た。
【0191】
〔比較化合物CC−3の合成〕
【化49】
【0192】
THF(50 mL)中の9−(3−ブロモフェニル)−9H−カルバゾール(5 g, 15.52 mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(9.7 mL, 15.5 mmol, ヘキサン中1.6 M)を−78℃で滴下して添加し、混合物を2時間、−78℃で撹拌した。別のフラスコ中で、ジクロロジフェニルシラン(1.5 mL, 7.1 mmol)を10mLのTHFに溶かして、反応混合物に滴下して添加し、これを次に夜通しで室温まで温めた。EtOAc(50 mL)及び水(50 mL)を添加し、層が分離した。水層をEtOAcでさらに2回洗い、一緒にした有機物を水及び食塩水で洗った。溶媒を蒸発させて、残留物を、溶離液としてヘキサン/DCM(7/3, v/v)を用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー、ヘキサンからの再結晶、及び減圧下での2回の昇華(<10
−5Torr)によって、CC−3(1.7 g, 33%)を白色結晶として得た。
【0193】
本明細書に記載した様々な態様は例示の目的であり、本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解される。例えば、本明細書に記載した多くの物質及び構造は、本発明の精神から離れることなく、その他の物質及び構造で置き換えることができる。特許請求の範囲に記載した本発明は、したがって、本明細書に記載した具体的な例及び好ましい態様からの変形を含むことができ、それは当業者には明らかである。本発明が何故機能するのかについての様々な理論は限定することを意図していないことが理解される。