(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6721708
(24)【登録日】2020年6月22日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】冷却された接点要素を具備するプラグインコネクタポート
(51)【国際特許分類】
H01R 13/533 20060101AFI20200706BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20200706BHJP
【FI】
H01R13/533 A
B60L53/16
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-549848(P2018-549848)
(86)(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公表番号】特表2019-511093(P2019-511093A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2017056063
(87)【国際公開番号】WO2017162494
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2018年11月20日
(31)【優先権主張番号】102016105347.3
(32)【優先日】2016年3月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516018245
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト イー−モビリティ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PHOENIX CONTACT E−Mobility GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ディルク・モセケ
【審査官】
鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/051510(WO,A2)
【文献】
特表2011−519145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40−13/533
H01R 4/58− 4/72
H01R12/00−12/91
H01R 3/00− 4/22
H01R24/00−24/86
B60L 1/00− 3/12
B60L 7/00−13/00
B60L15/00−58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側プラグインコネクタ部品(40)に接続させるためのプラグインコネクタ部品(3)であって、
前記相手側プラグインコネクタ部品(40)の関連する相手側接点要素(400)に電気的に接触させるための接点要素(31,32)であって、前記相手側プラグインコネクタ部品(40)の前記相手側接点要素(400)に接触させるための接点部分(310)と、電流を伝送するために負荷ライン(21,22)に接続させるためのシャンク部分(312)と、を備えている前記接点要素(31,32)を備えている前記プラグインコネクタ部品(3)において、
チャネル(317)が、前記接点要素(31,32)の内部において延在しており、少なくとも1つの冷却剤配管(23〜26)が、前記接点要素(31,32)を通じて冷却剤を案内するために、前記チャネル(317)に流通するように接続可能とされ、
前記チャネル(317)が、第1の冷却剤配管(23,24)に流通するように接続可能とされる第1の端部と、第2の冷却剤配管(25,26)が流通するように接続可能とされる第2の端部とを備えており、
前記チャネル(317)が、前記第1の端部と前記第2の端部との間において冷却剤を案内するように構成され、
前記冷却剤が、前記負荷ライン(21,22)の内側に且つ前記負荷ライン(21,22)と同軸に配設されている前記第1の冷却剤配管(23,24)を介して供給され、流れ方向(F1)において前記チャネル(317)の内部に流入し、前記冷却剤が、接続要素(315)を介して前記チャネル(317)から流出し、流れ方向(F2)において前記第2の冷却剤配管(25,26)を介して排出され、その結果として前記接点要素(31,32)を通じて冷却剤を流し、
前記接続要素(315)が、前記チャネル(317)に接続され、前記第2の冷却剤配管(25,26)が、前記接続要素に接続可能とされ、前記接続要素(315)が、前記接点要素(31,32)に取り付けられ、前記接続要素(315)が、L字状の形態とされ、前記接続要素の内部に形成されていると共に前記接点要素(31,32)の前記チャネル(317)に流通可能に接続されている流路を備え、前記冷却剤を前記チャネル(317)から排出することができることを特徴とするプラグインコネクタ部品(3)。
【請求項2】
前記接点要素(31,32)が、前記接点部分(310)と前記シャンク部分(312)とを形成している一体的な本体を備えており、前記チャネル(317)が、前記接点要素(31,32)の内部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラグインコネクタ部品(3)。
【請求項3】
前記シャンク部分(312)が、円筒状とされることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラグインコネクタ部品(3)。
【請求項4】
前記チャネル(317)が、前記シャンク部分(312)と同軸に延在していることを特徴とする請求項3に記載のプラグインコネクタ部品(3)。
【請求項5】
前記接点要素(31,32)が、前記シャンク部分(312)の径方向内側において延在している取付コネクタ(313)を備えており、前記第1の冷却剤配管(23,24)が、前記チャネル(317)に流通するように接続するために、前記取付コネクタ(313)に接続可能とされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラグインコネクタ部品(3)。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラグインコネクタ部品(3)と、前記プラグインコネクタ部品(3)に接続されているケーブル(2)であって、前記接点要素(31,32)及び少なくとも1つの冷却剤配管(23〜26)に接続されている負荷ライン(21,22)を案内する前記ケーブル(2)と、を備えていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
前記負荷ライン(21,22)が、導電性配線ケース(210)を備えており、
冷却剤配管(23,24)が、前記導電性配線ケース(210)の内側において前記導電性配線ケース(210)と同軸に案内されていることを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記導電性配線ケース(210)が、前記導電性配線ケース(210)が少なくとも部分的に前記シャンク部分(312)の周囲を囲むように、前記接点要素(31,32)の前記シャンク部分(312)に押圧されていることを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記冷却剤配管(23,24)が、前記導電性配線ケース(210)の内側において前記導電性配線ケース(210)と同軸に案内されており、前記冷却剤配管(23,24)が前記接点要素(31,32)の前記チャネル(317)に流通可能に接続されるように、前記接点要素(31,32)に接続されていることを特徴とする請求項7又は8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
さらなる冷却剤配管(25,26)が、前記ケーブル(2)の内部に案内されており、前記負荷ライン(21,22)の外側で延在しており、前記さらなる冷却剤配管(25,26)が前記チャネル(317)に流通可能に接続されるように前記接点要素(31,32)に接続されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書きにおける、相手側プラグインコネクタ部品に接続するためのプラグインコネクタに関する。
【0002】
このようなプラグインコネクタ部品は、相手側プラグインコネクタ部品の関連する相手側接点要素と電気的に接触するための接点要素を備えている。接点要素は、相手側接点要素と接触させるための接触部分と、電流を伝送するための電力線に接続させるためのシャンク部分とを備えている。
【0003】
このようなプラグインコネクタ部品は、特に電動車両(電気自動車とも呼称される)を充電するための充電プラグや充電ソケットとして利用可能とされる。この場合には、例えばケーブルは、充電ステーションに接続されており、充電ステーションと車両との間に電気的接続を確立するために、車両の関連する相手側プラグインコネクタ部品に差込可能とされる充電プラグの形態をしたプラグインコネクタ部品を備えている。
【0004】
特に充電電流は、直流又は交流として伝送可能とされるが、特に充電電流が高アンペア数の、例えば200Aより高い、300Aより高い、又は350Aの直流の形態とされる場合には、充電電流によって、ケーブル及びケーブルに接続されているプラグインコネクタ部品が加熱される。
【0005】
特許文献1に開示される充電ケーブルは、冷却剤のための供給配管及び戻り配管を具備する冷却剤配管を有しており、これにより冷却材を充電ケーブルに流入及び流出させることができる。特許文献1に開示される冷却剤配管は、車両のエネルギー貯蔵室からのエネルギー損失に起因する熱を発散させるために、及び充電ケーブル自体を冷却するために利用される。
【0006】
電気自動車を充電するための充電システムでは、熱が、充電プラグを充電ステーションに接続するためのケーブルのみならず、例えば充電プラグが充電ソケットに差し込まれた場合に確立される電気自動車の充電ソケットの、例えば電気接点を関連する相手側接点要素に接続させるための接点要素のような、例えば充電プラグ、特に充電ソケットにおいて発生する。このような接点要素は、例えば銅材料のような導電性金属材料から作られており、充電電流が接点要素を介して流れる場合に加熱される。当該接点要素の寸法は、接点要素が十分な通電容量を有するように且つ接点要素の加熱が制限されるように、伝送すべき充電電流に基づいて決定される。この場合には、伝送すべき充電電流が大きくなるに従って、接点要素の寸法も大きくなる。
【0007】
しかしながら、関連する設備空間の要件、重量、及びコストを考慮しつつ、充電電流の増大に抗して接点要素の大きさを拡大することについては、制限が設けられている。従って、比較的小さい接点要素を介して高い充電電流を伝送する必要がある。
【0008】
特許文献2に開示される電気自動車を充電するための充電システムでは、冷却剤配管が、充電ケーブルの内側に案内されており、充電ケーブルによって、熱が、充電ケーブルに接続されているプラグインコネクタ部品の領域から発散される。
【0009】
特許文献3に開示される接点要素では、冷却リブが、接点要素のシャンクに配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許第102010007975号明細書
【特許文献2】国際公報第2015/119791号パンフレット
【特許文献3】米国特許第8835782号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の解決すべき課題は、例えば電気自動車を充電するための充電システムで利用するための、高い通電容量を有することができる接点要素を有しているプラグインコネクタ部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
当該課題は、請求項1の特徴を有する主題によって解決される。
【0013】
本発明では、プラグインコネクタ部品は、接点要素の内部において延在しているチャネルであって、少なくとも1つの冷却剤配管が、接点要素を通じて冷却剤を案内するために、チャネルに流通するように接続可能とされる、チャネルを備えている。
【0014】
チャネルを接点要素に設けることによって、接点要素を通じて冷却剤を直接案内することができる。このようにして、プラグインコネクタ部品が動作している際に電流が接点要素を介して導かれた場合に発熱部分を直接冷却することができる。
【0015】
プラグインコネクタ部品が例えば充電プラグとして構成されている場合に、及び、例えば直流電流のような充電電流を伝送するための負荷ラインが接点要素に接続されている場合に、充電プロセスの最中に接点要素において熱が発生する。冷却剤が接点要素のチャネルを通じて導かれるので、熱が接点要素において吸収され、接点要素から発散されるので、大きい通電容量を確保しつつ、接点要素の寸法を比較的小さくすることができる。
【0016】
接点要素は、好ましくは金属材料から作られており、例えば接触ソケットや接触ピースの形態をした接触部分とシャンク部分とを形成している一体的な本体を備えている。チャネルは、例えば一体的な本体に穴を形成することによって、一体的な本体に形成されている。従って、チャネルは、一体的な本体の内部に延在しているので、冷却剤は、一体的な本体を通じて導入可能とされ、一体的な本体の熱を相殺することができる。
【0017】
接点要素は、略円筒状の基本形状を有している。従って、負荷ラインを接点要素に接続するためのシャンク部分も円筒状であるので、負荷ラインは、接点要素と電気的に接触させるために、シャンク部分に差し込まれるか、又は押し付けられる。
【0018】
この場合には、チャネルが、例えばシャンク部分と同軸に延在しているので、チャネルは、接点要素の内部において軸線方向に延在しており、冷却剤は、接点要素を通じて長手方向に流れることができる。
【0019】
チャネルは、冷却剤のための閉じたガイドを備えているので、冷却剤は、チャネルに流通可能に接続されている一方の冷却剤配管を介してチャネルの内部に導入可能とされ、チャネルに流通可能に接続されている他方の冷却剤配管を介してチャネルから排出可能とされる。従って、チャネルを通じた冷却剤流れが確立され、当該冷却剤流れによって、熱が接点要素において吸収され、案内され排出される。
【0020】
例えば、チャネルは、第1の冷却剤配管に流通するように接続可能とされる第1の端部と、第2の冷却剤配管が流通するように接続可能とされる第2の端部とを備えている。チャネルが、第1の端部と第2の端部との間において冷却剤を案内するように構成されているので、チャネルは、接点要素の内部に流路を備えており、冷却剤は、接点要素を通じて流れることができる。
【0021】
接点要素が、第1の冷却剤配管に接続するために、シャンク部分
の径方向
内側において延在している取付コネクタを備えている。取付コネクタが、例えばシャンク部分と同軸に配置されており、シャンク部分が、例えば中空シリンダーを形成しており、冷却剤配管は、径方向外方のシャンク部分と径方向内方の取付コネクタとの間に形成された間隙に差し込み可能とされるので、冷却剤配管と取付コネクタの内側に延在しているチャネルとの間に流体接続を確立することができる。
【0022】
例えば、冷却剤は、取付コネクタに接続されている第1の冷却剤配管を介して供給可能とされる。この場合には、第1の冷却剤配管が、例えば負荷ラインの導電性配線ケースの内部に延在しているので、冷却剤配管が、負荷ラインの内側で案内され、負荷ラインにおいて熱を吸収することができる。負荷ラインに接続するために、負荷ラインの内部において接点要素に案内される冷却剤配管を備えることによって、負荷ラインの導電性配線ケースが、例えば接点要素のシャンク部分に押し付けられ、例えばスリーブ要素によって押し付けられる。対照的に、冷却剤配管は、取付コネクタに取り付けられており、接点要素の内部において延在しているチャネルに流通可能に接続されている。
【0023】
冷却剤回路を確立するために、接続要素が、好ましくは接点要素に取り付けられており、チャネルに流通可能に接続されており、第2の冷却剤配管が、接続要素に接続されている。第2の冷却剤配管は、例えば冷却剤を排出するために利用されるので、第1の冷却剤配管を介して冷却剤を供給すると共に第2の冷却剤配管を介して冷却剤を排出することによって、冷却剤回路を確立することができる。
【0024】
接続要素は、プラスチック材料又は金属材料から作られている。接続要素は、例えばL字状の形態とされ、接続要素の内部に形成されていると共に接点要素のチャネルに流通可能に接続されている流路を備えているので、冷却剤をチャネルから排出することができる。
【0025】
一の実施例では、プラグインコネクタ部品は、ケーブルに接続されており、接点要素に接続されている負荷ラインと少なくとも1つの冷却剤配管とが、ケーブルの内部において案内されている。プラグインコネクタ部品が例えば充電プラグとして形成されている場合には、ケーブルは、例えば充電ステーションに対する接続を確立するので、プラグインコネクタ部品は、電気自動車の例えば充電ソケットの形態をした関連する相手側プラグインコネクタ部品に差し込み可能とされるので、電気自動車の電池を充電するために、充電ステーションと電気自動車との間に電気的接続を確立することができる。
【0026】
一の実施例では、負荷ラインが、導電性配線ケースを備えており、冷却剤配管が、導電性配線ケースの内部において案内されている。導電性配線ケースは、銅製のストランド網組(又は銅製のストランド)によって実現されており、負荷電流を伝送するために利用される。冷却剤配管が、導電性配線ケースと同軸に且つ導電性配線ケースの内側において延在しているので、冷却剤配管の内部を流れる冷却剤は、少なくとも負荷ラインに沿って熱を低減させるために、負荷ラインにおいて熱を直接吸収することができる。冷却剤は、負荷ラインの内側に配置された冷却剤配管を通じて流れ、負荷ラインに接続されている接点要素を通過するので、負荷ラインと負荷ラインに接続されている接点要素との両方において冷却が実現される。
【0027】
導電性配線ケースは、例えば接点要素のシャンク部分に押し付けられているので、導電性配線ケースは、少なくとも部分的にシャンク部分の周囲を囲んでいる。従って、シャンク部分は、導電性配線ケースと電気的に接触するので、例えばシャンク部分に押し付けられているスリーブ要素によって確実に接続することができる。
【0028】
負荷ラインの導電性配線ケースがシャンク部分に押し付けられており、好ましくは、負荷ラインの導電性配線ケースに案内される冷却剤配管は、シャンク部分と同軸に配置された径方向内方の取付コネクタに取り付けられるので、接点要素に接続される。取付コネクタは、冷却剤配管を接点要素の内部において延在しているチャネルに流通可能に接続しているので、冷却剤を冷却剤配管を介してチャネルの内部に流入させることができる。
【0029】
冷却剤回路を確立するために、好ましくは、さらなる冷却剤配管が、ケーブルの内部に案内されており、負荷ラインの外側で延在しており、且つ、負荷ラインとは別体でケーブルの内部に配設されている。さらなる冷却剤配管が、接点要素に接続されており、且つ、チャネルに流通可能に接続されているので、例えばさらなる冷却剤配管を介して接点要素のチャネルから冷却剤を排出することができる。
【0030】
冷却のために利用される冷却剤は、例えば気体又は液体とされる。例えば冷却剤回路を確立するためにチャネルの内部に導入されチャネルから排出される空気流が挙げられる。
【0031】
本明細書で説明したタイプのプラグインコネクタ部品は、例えば電気自動車を充電するための充電システムの充電プラグ又は充電ソケットとして利用可能とされる。このようなプラグインコネクタ部品は、例えば充電ケーブルに配置されており、充電ケーブルを介して充電ステーションに接続されている。このような充電プラグは、充電ステーションと電気自動車との間において充電電流を伝送するために、例えば電気自動車の充電ソケットに差し込むことができる。
【0032】
本発明の基本的な技術的思想について、図面に表わす実施例を参照しつつ以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】電気自動車を充電するための充電システムを表わす。
【
図2】充電プラグの形態をしたプラグインコネクタ部品を表わす。
【
図3】2つの接点要素を具備するプラグインコネクタ部品のサブアセンブリを表わす。
【
図7】
図5の断面A−Aに沿った他の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、電動車両4(電気自動車とも呼称される)を充電するために利用される充電ステーション1を表わす。充電ステーション1は、充電電流を交流電流又は直流電流として供給するように構成されており、ケーブル2を有している。ケーブル2の一方の端部201は、充電ステーション1に接続されており、ケーブル2の他方の端部200は、充電プラグの形態をしたプラグインコネクタ部品3に接続されている。
【0035】
拡大図である
図2に表わすように、プラグインコネクタ部品3は、ハウジング30にプラグイン部分300,301を有している。プラグイン部分300,301によって、プラグインコネクタ部品3は、電動車両4の充電ソケットの形態をした関連する相手側プラグインコネクタ部品40とプラグインした状態で係合可能とされる。このようにして、充電ステーション1は、充電電流を電流ステーション1から電動車両4に伝送するために、電動車両4と電気的に接続可能とされる。
【0036】
例えば高速充電プロセスに関連して、電動車両4を急速充電するためには、伝送された充電電流は、高いアンペア、例えば200Aより大きい、任意には350A以上の電流でとされる。このような高い充電電流を考慮して、熱損失がケーブル2のみならず、プラグインコネクタ部品3及び充電ソケット40にも発生する。これにより、ケーブル2、プラグインコネクタ部品3、及び充電ソケット40が加熱される。
【0037】
プラグインコネクタ部品3は、プラグイン部分300,301に複数の接点要素を備えている。例えば、充電電流を直流電流の形態で伝送するための2つの接点要素が、プラグイン部分301に配置されている一方、例えば、アースPE接点と制御信号を伝送するための信号接点とを提供するための接点要素が、プラグイン部分300に配置されている。
【0038】
図3は、プラグイン部分300,301が形成されているハウジング部品302を具備するプラグインコネクタ部品3のサブアセンブリの実施例を表わす。とりわけ2つの接点要素31,32がハウジング部品302に配置されており、接点要素31,32の接点部分310,320(
図4参照)は、下側プラグイン部分301の内部に突出しており、プラグインコネクタ部品3が関連する相手側プラグインコネクタ部品40に差し込まれた場合に相手側プラグインコネクタ部品40の相手側接点要素400に電気的に接触する(
図1参照)。接点要素31,32の接点部分310,320は、接触ソケットとして形成されているので、接触ピンとして形成されている相手側接点要素400と係合するので、接点要素31,32と相手側接点要素400との間に電気的接触が確立される。
【0039】
図4〜
図7に表わす接点要素31,32の実施例では、ケーブル2の内部に案内されている負荷ライン21,22が、接点要素31,32に接続されている。負荷ライン21,22は、充電ステーション1と電気自動車4との間において電流(直流電流)を伝送するために利用され、負荷ライン20,21それぞれが、銅製のストランド網組の形態をした導電性配線ケース210,220を備えている。導電性配線ケース210,220は、例えば電気絶縁体に囲まれており、関連する接点要素31,32のシャンク部分312に取り付けられているので、接点要素31,32に電気的に接触している。
【0040】
導電性配線ケース210,220をシャンク部分312に機械的に堅固に接続するために、金属製の円筒状スリーブ要素314が、シャンク部分312に取り付けられている。シャンク部分312に押し付けられた導電性配線ケース210,220が、円筒状スリーブ要素314によってシャンク部分312に押し付けられている。この場合には、円筒状スリーブ要素314は、シャンク部分312に取り付けられた後に、適切な圧縮工具を利用することによって、導電性配線ケース210,220を介在させつつシャンク部分312に押し付けられる。
【0041】
冷却剤配管23,24が、導電性配線ケース210,220の内側に案内されており、負荷ライン21,22の内側に負荷ライン21,22と同軸に受容され且つ案内されている。このようにして、冷却剤配管23,24を通じて流れる冷却剤は、負荷ライン21,22において熱を直接吸収し、負荷ライン21,22からの熱を発散させるので、ケーブル2の延在している負荷ライン21,22の長さに沿った負荷ライン21,22の(過度な)加熱を防止することができる。
【0042】
接点要素31に関する
図5〜
図7に表わすように、接点要素31,32それぞれの冷却剤配管23,24は、取付コネクタ313とシャンク部分312との間に形成されている周囲間隙319に冷却剤配管23,24を差し込むことによって、円筒状のシャンク部分312の径方向内側に配置されている取付コネクタ313に取り付けられている。従って、冷却剤配管23,24は、接点要素31,32のチャネル317に流通可能に接続されているので、冷却剤配管23,24とチャネル317との間において冷却剤を流すことができる。
【0043】
接点要素31,32は、シリンダー軸線を形成している長手方向軸線Lを具備する略円筒状の基本形状を有している。接点要素31,32は、関連する相手側接点要素400と長手方向軸線Lに沿ってプラグイン係合可能とされ、負荷ライン21,22は、長手方向軸線Lに沿って接点要素31,32と隣接している。
【0044】
接点要素31,32は、金属体として一体に形成されており、接点部分310,320に隣接している円筒状部分311を備えている。シャンク部分312は、円筒状部分311から軸線方向に突出している。チャネル317は、接点要素31,32において、例えば穴として、円筒状のシャンク部分312及び円筒状部分311と同軸に形成されており、接点要素31,32の内側に延在している。従って、熱は、チャネル317を通じて流れる冷却剤によって、接点要素31,32において吸収され、接点要素31,32から発散される。
【0045】
L字状ピースの形態をした接続要素315は、円筒状部分311に取り付けられており、接続要素315は、流れチャネル318を備えている。さらなる冷却剤配管25,26は、接続要素315に形成されている取付コネクタ316に取り付けられているので、さらなる冷却剤配管25,26が、チャネル317に流通可能に接続されており、冷却剤回路が形成されている。
【0046】
例えば
図6及び
図7に表わすように、冷却剤は、負荷ライン21,22の内側に且つ負荷ライン21,22と同軸に配設されている冷却剤配管23,24を介して供給されるので、流れ方向F1においてチャネル317の内部に流入することができる。冷却剤は、接続要素315を介してチャネル317から流出し、流れ方向F2においてさらなる冷却剤配管25,26を介して排出されるので、その結果として接点要素31,32を通じて冷却剤を流すことができる。
【0047】
冷却剤流れが、負荷ライン21,22と負荷ライン21,22に接続されている接点要素31,32との両方において熱を吸収する。例えば空気のようなガス状流体を冷却剤として利用することができるが、(非導電性の)冷却剤液体を利用することが考えられると共に利用可能でもある。
【0048】
冷却剤配管23,24は、接点要素31,32に電気的に接続されている負荷ライン21,22の同軸に且つ負荷ライン21,22の内側に配設されているが、接点端子31,32の接続要素315に接続されているさらなる冷却剤配管25,26は、負荷ライン21,22の外側で延在している。負荷ライン21,22は、負荷ライン21,22の内部で案内される冷却剤配管23,24を有しており、
負荷ライン21,22及びさらなる冷却剤配管25,26は、ケーブル2の内側に配設されているので、充電ステーション1からプラグインコネクタ部品3に至るまで延在している。
【0049】
本発明の基本となる技術的思想は、上述の実施例に限定される訳ではなく、全く異なる実施例によっても原理的に実施可能である。
【0050】
本明細書で説明したタイプのプラグインコネクタ部品は、電気自動車を充電するための充電システムにおいて利用可能とされる。しかしながら、関連する相手側プラグインコネクタ部品にプラグイン接続するための他の用途においても、本明細書で説明したタイプのプラグインコネクタ部品を利用することが考えられると共に利用可能でもある。
【0051】
冷却剤を導くためのチャネルが接点要素に直接作られているので、接点要素を直接冷却することができる。従って、接点要素において熱を効率的に吸収し、接点要素から当該熱を効率的に排出することができる。
【0052】
冷却剤配管が負荷ラインの内側にも延在しているので、負荷ラインにおいても熱を効率的に吸収することができる。冷却剤配管が、負荷ラインと同軸に且つ負荷ラインの内側に延在しているので、冷却剤配管は、負荷ラインの導電性配線ケースの内側に広範囲にわたって配置されている。これにより、熱を冷却剤配管及び当該冷却剤配管で導かれた冷却剤に効率的に導くことができる。
【0053】
直流電流を伝送するために利用される接点要素の冷却について上記の如く説明したが、これに限定される訳ではない。原則として、本明細書で説明したタイプの冷却は、交流電流を伝送するために利用される接点要素にも適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 充電ステーション
2 ケーブル
3 プラグインコネクタ部品
4 電動車両(電気自動車)
21 負荷ライン
22 負荷ライン
23 冷却剤配管
24 冷却剤配管
25 さらなる冷却剤配管
26 さらなる冷却剤配管
30 ハウジング
31 接点要素
32 接点要素
40 相手側プラグインコネクタ部品
200 (ケーブル2の)他方の端部
201 (ケーブル2の)一方の端部
210 (負荷回線21の)導電性配線ケース
220 (負荷回線22の)導電性配線ケース
300 (プラグインコネクタ部品3の)プラグイン部分
301 (プラグインコネクタ部品3の)プラグイン部分
302 (プラグインコネクタ部品3の)ハウジング部品
310 (接点要素31の)接点部分
311 円筒状部分
312 (接点要素31,32の)シャンク部分
313 取付コネクタ
314 円筒状スリーブ要素
315 (接点端子31,32の)接続要素
316 取付コネクタ
317 (接点要素31,32の)チャネル
318 流れチャネル
319 周囲間隙
320 (接点要素32の)接点部分
400 (相手側プラグインコネクタ部品40の)相手側接点要素
F1 流れ方向
F2 流れ方向
L 長手方向軸線