【実施例】
【0024】
試験方法
H−引抜接着力(H−pull adhesion)の測定は、歪み計を使用してASTM D4776−10に従って行った。Y.Iyengar,J.appl.Polym.Sci.,1878,22,801〜812による記述のような標準ゴムストックを使用してH−引抜試料を成型した。接着力の値は、少なくとも5個の試料の平均として重量ポンド(lbf)の単位で記録される。
【0025】
比表面積は、Micromeritics ASAP 2405多孔度計を使用して液体窒素温度(77.3K)における窒素吸着/脱着により測定した。試料は、別段の注記がない限り測定の前に150℃の温度で一晩ガス抜きされ、吸着した水分に起因する減量を求めた。0.05〜0.20の相対圧P/P
0の範囲にわたって5点の窒素吸着等温線を収集し、BET法(S.Brunauer,P.H.Emmett and E.Teller、J.Am.Chem.Soc.1938,60,309)に従って分析した。Pは、試料上方の平衡ガス圧であり、P
0は、一般には760トルを超える試料の飽和ガス圧である。
【0026】
引張応力−歪み測定は、歪み計を使用してASTM D412−06aの方法Aに従って行った。ダンベル引張試験片を、方法Aに記載のようにDie Cを使用して切り取った。引張試験の結果は、6個の試料の平均として記録される。
【0027】
実施例
実施例および表中で使用される省略形は、mL(ミリリットル)、mmole(ミリモル)、wt(重量)、THF(テトラヒドロフラン)、ECP(エピクロロヒドリン)、VBC(4−ビニルベンジルクロリド)、VPM(N−(4−ビニルフェニル)マレイミド)、MBDGA(4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン))、AS(4−アミノスチレン)、EMI−24(2−エチル−4−メチルイミダゾール)、TGA(熱重量分析)、ATR IR(減衰全反射赤外分光法)、VPL(ビニルピリジンラテックス)、RFL(レゾルシノール−ホルムアルデヒド−ビニルピリジンラテックス)、BET(ブルナウアー−エメット−テラー比表面積)、T(温度)、MD(縦方向)、XD(幅方向)、phr(ゴム重量100に対する配合剤重量)である。
【0028】
注記されない限り実施例は、Aldrich Chemical Company,Milwaukee,WIによって供給される材料を使用して調製された。これにはP
1tBuホスファゼン、P
1tBu[(CH
2)
4]
3ホスファゼン、P
2tBuホスファゼンのTHF溶液(2M)、P
4tBuホスファゼンのヘキサン溶液(1M)、および4−ビニルベンジルクロリド(90%工業銘柄)、GenTac(登録商標)FSビニルピリジンラテックス(ビニルピリジン−ブタジエン−スチレンターポリマーエマルション、水中41%の全固形物)が含まれる。Omnova Solutions Inc.のAlcogum(登録商標)6940増粘剤(ポリアクリル酸ナトリウム塩、固形物11%)およびAlcogum(登録商標)SL 70分散剤(アクリラートコポリマー、固形物30%)、Akzo Nobel Surface Chemistry,Chattanooga,TNのAquamix(商標)125(Wingstay(登録商標)L、ヒンダード高分子フェノール系酸化防止剤、固形物50%)およびAquamix(商標)549(2−メルカプトトルイミダゾール亜鉛、固形物50%)分散液、PolyOne Corp.,Massillon,OHのAmax(登録商標)OBTS促進剤(N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド)およびAgeRite(登録商標)Resin D酸化防止剤(重合1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン)、R.T.Vanderbilt Co.,Norwalk,CNのDPG促進剤(ジフェニルキニジン)、Akrochem Corp.,Akron,OHのSantoflex(登録商標)6PPDオゾン劣化防止剤(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン)、Solutia/Flexsys(登録商標)America,Akron,OHのN−(4−ビニルフェニル)マレイミドは、Acros Organicsによって供給されるか、またはT.Hagiwara等、Macromolecules,vol.24,p.6856〜6858(1991)に従って調製された。Kevlar(登録商標)29コード(仕上げ剤なし、1500デニールヤーンの2プライ)、RFL被覆Kevlar(登録商標)29コード、およびKevlar(登録商標)パルプ1F361(BET 7〜9m
2/g)は、E.I.DuPont de Nemours and Company,Wilmington,DEから得た。反応は120℃で乾燥されたガラス器具を使用して窒素下で行われた。
【0029】
下記実施例は、本発明を例示するために示され、それを限定するものとは決して解釈されるべきではない。すべての部数および割合は、別段の指定がない限り重量を基準とする。本発明の方法または方法群によって調製される実施例は数値によって表示される。対照例または比較例は文字によって表示される。比較例および本発明の実施例に関係するデータおよび試験結果を表1〜6中に要約する。
【0030】
実施例1
Kevlar(登録商標)29コードを長さ1.5インチに切断し、それらを個々にガラス瓶に入れ、真空下で80℃で一晩乾燥した。瓶を窒素でパージされたグローブボックスに移した。コード試料を様々な無水溶媒(5mL)で覆い、可視変化を調べながら様々なホスファゼン塩基(10滴)で処理した。次いでコードを一晩そのまま放置した。表1は、観察された可視変化を、それらホスファゼン塩基について文献中で報じられているpK値と共に要約する。それらの結果は、P
4tBuホスファゼンが、繊維表面をトルエンまたはTHFのような非極性溶媒中に溶解させることなく繊維表面で多価陰イオンを生じさせるのに十分に高いpK値を有することを示している。P
2tBuホスファゼンは、多価陰イオンを生じさせるのに十分に高いpK値を有し、繊維表面をDMSO中で溶解させる。
【0031】
【表1】
【0032】
実施例2
Kevlar(登録商標)29コード(3m)をガラス撹拌棒上に巻取り、Teflon(登録商標)テープを使用して固定した。コードは、約1g(アミド基8.4ミリモル)の重量であった。このアッセンブリを真空下で120℃で乾燥した。グローブボックス内部において、Teflon(登録商標)撹拌棒、二股アダプター、気密性Teflon(登録商標)スターラーベアリング、およびガス注入口を備えた200mL管中で、無水トルエン(100mL)に溶かしたP
4tBuホスファゼン(0.82mL、0.82ミリモル、9.8モル%)の溶液を調製した。コードをこのホスファゼン溶液に浸漬すると即時の色変化を生じ、これを30℃に加熱した。45分後、コードは赤みがかったオレンジ色になり、また溶液は無色であった。2時間後、本質的に何も変化はなく、したがってコードを、窒素に覆われた状態を保ちながら200mL管中のエピクロロヒドリン(0.66mL、8.4ミリモル、100モル%)の無水トルエン(100mL)溶液に移した。25℃で1時間の後、そのオレンジ色は多少薄れ、また一晩撹拌の後、その色は薄れてほとんど完全に黄色に戻った。新鮮なトルエンに数回浸漬することによってコードを洗浄した。分析のためにコードの試料を真空下で乾燥した。TGAは、グラフトされた基に起因する200〜400℃の間の1.6重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理コードと比べてC−H結合の2800〜3000cm
-1において吸光度の増加を示した。H−引抜接着力は、未処理コードの5.2重量ポンドと比べて6.8重量ポンドであった。
【0033】
実施例3
グラフト反応のために、より少量のP
4tBuホスファゼン(0.21mL、2.5モル%)および4−ビニルベンジルクロリド(0.14g、0.84ミリモル、10モル%)を使用して実施例2の手順を繰り返した。グラフト化の20分後、赤みがかったオレンジ色は薄くなって黄色になり、1時間後には淡黄色になった。一晩撹拌後、コードを前述と同様に後処理し、分析した。TGAは、グラフト化された4−ビニルベンジル基に起因する200〜400℃の間の0.7重量%の減量を示した。H−引抜接着力は9.6重量ポンドであった。
【0034】
実施例4
より多量のP
4tBuホスファゼン(0.42mL、5モル%)および4−ビニルベンジルクロリド(1.1g、7ミリモル、83モル%)を使用して実施例3の手順を繰り返した。グラフト化の5分後、その色は薄くなって黄色がかったオレンジ色になり、2時間後には淡黄色になった。一晩撹拌後、コードをメタノールに浸漬することによって急冷し、メタノールおよびトルエンでそれぞれ2回洗浄した。TGAは、グラフト化された4−ビニルベンジル基に起因する200〜400℃の間の0.1重量%の減量を示した。H−引抜接着力は10.6重量ポンドであった。
【0035】
実施例5
より多量のP
4tBuホスファゼン(0.84mL、10モル%)および溶媒として無水THFを使用して実施例4の手順を繰り返した。グラフト化の5分後、色は薄くなって黄色がかったオレンジ色になり、一晩後には淡黄色になった。TGAは、グラフト化された4−ビニルベンジル基に起因する150〜400℃の間の0.9重量%の減量を示した。H−引抜接着力は10.1重量ポンドであった。
【0036】
実施例6
グラフト反応のために4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)(3g、7ミリモル)を使用して実施例5の手順を繰り返した。グラフト化の30分後、その色はわずかに薄くなり、一晩後には黄色がかったオレンジ色になった。TGAは、グラフト化されたエポキシ基に起因する200〜400℃の間の1.8重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理コードと比べてヒドロキシル基の3500cm
-1、C−H結合の2800〜3000cm
-1、および芳香族基の1510cm
-1において吸光度の増加を示した。H−引抜接着力は7.2重量ポンドであった。
【0037】
実施例7
Kevlar(登録商標)29コード(3m)をガラス撹拌棒上に巻取り、Teflon(登録商標)テープを使用して固定した。コードは、約1g(アミド基8.4ミリモル)の重量であった。このアッセンブリを真空下で120℃で乾燥し、次いでグローブボックスに移した。グローブボックス内部において、Teflon(登録商標)撹拌棒、二股アダプター、Teflon(登録商標)スターラーアダプター、およびガス注入口を備えた200mL管中で、P
4tBuホスファゼン(1.7mL、1.7ミリモル、20モル%)の無水THF(100mL)溶液を調製した。コードをこのホスファゼン溶液に浸漬すると即時の色変化を生じた。室温で15分後、コードは赤みがかったオレンジ色になり、また溶液は透明になった。約2時間後、VBC(1.0mL、7ミリモル)を、ホスファゼン溶液中に浸漬されたコードを含有する管に直接に加えた。色は急速に薄れてオレンジ色になり、また一晩撹拌後、色は薄れて黄色になった。そのコードを、メタノールおよびTHF中にそれぞれ2回浸漬することによって急冷し、洗浄した。次いでトルエン中で貯蔵した。分析のためにコードの試料を真空下で乾燥した。TGAは、グラフトされた4−ビニルベンジル基に起因する270〜470℃の間の1.2重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理コードと比べてC−H結合の2800〜3000cm
-1および芳香族基の1510cm
-1において吸光度の増加を示した。H−引抜接着力は10.8重量ポンドであった。
【0038】
実施例8
65〜70℃および1トルで真空蒸留したVBCを使用して実施例7の手順を繰り返した。TGAは、グラフトされた4−ビニルベンジル基に起因する150〜400℃の間の2.2重量%の減量を示した。H−引抜接着力は11.7重量ポンドであった。
【0039】
実施例9
ホスファゼン処理されたコードを、THF(100mL)に溶かしたVBCの新鮮な溶液に移したことを除いて実施例8の手順を繰り返した。TGAは、グラフトされた4−ビニルベンジル基に起因する170〜400℃の間の0.5重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理コードと比べて芳香族基の1510cm
-1において吸光度の増加を示した。H−引抜接着力は9.8重量ポンドであった。
【0040】
実施例10
より少量のP
4tBuホスファゼン(0.8mL、10モル%)を使用して実施例8の手順を繰り返した。TGAは、グラフトされた4−ビニルベンジル基に起因する200〜400℃の間の0.3重量%の減量を示した。H−引抜接着力は10.7重量ポンドであった。
【0041】
実施例11
グラフト反応のために、より少量のP
4tBuホスファゼン(0.8mL、10モル%)およびN−(4−ビニルフェニル)マレイミド(1g、5ミリモル、60モル%)を使用して実施例9の手順を繰り返した。一晩のグラフト反応の後、グラフトされたコードは、まだ赤みがかったオレンジ色であった。コードは、メタノール中で急冷し、洗浄した後に多少の色を保持した。TGAは、マレイミド基のグラフト重合に起因する200〜520℃の間の4.3重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理コードと比べてC−H結合の2800〜3200cm
-1において吸光度の増加と、イミド基および芳香族基の1701、1512、1392、および1182cm
-1において強い吸光度と、ビニル基の987および910cm
-1において吸光度とを示した。H−引抜接着力は13.3重量ポンドであった。
【0042】
実施例12
より少量のP
4tBuホスファゼン(0.4mL、5モル%)を使用して実施例11の手順を繰り返した。一晩のグラフト反応の後、グラフトされたコードはまだ濃いオレンジ色であり、したがって40℃で2時間、次いで60℃で2時間反応を続けた。コードは、メタノール中で急冷し、洗浄した後に多少の色を保持した。TGAは、マレイミド基のグラフト重合に起因する400〜530℃の間の6.3重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理コードと比べてC−H結合の2800〜3000cm
-1において吸光度の増加と、イミド基および芳香族基の1701、1512、1390、および1182cm
-1において強い吸光度と、ビニル基の985および910cm
-1において吸光度とを示した。H−引抜接着力は12.9重量ポンドであった。
【0043】
実施例13
グラフト反応のために4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)を使用して実施例11の手順を繰り返した。TGAは、エポキシ基のグラフト重合に起因する200〜500℃の間の3.4重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理コードと比べてアミド基の3200cm
-1において吸光度の減少と、C−H結合の2800〜3000cm
-1および芳香族基の1512cm
-1において吸光度の増加とを示した。H−引抜接着力は6.6重量ポンドであった。
【0044】
実施例14
P
4tBuホスファゼン処理を一晩続けてから、グラフト反応のために4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)で処理したことを除いて実施例13の手順を繰り返した。TGAは、エポキシ基のグラフト重合に起因する200〜500℃の間の6.4重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理コードと比べてアミド基の3200cm
-1において吸光度の減少と、ヒドロキシル基の3500cm
-1、C−H結合の2800〜3000cm
-1、および芳香族基の1512cm
-1において吸光度の増加とを示した。H−引抜接着力は7.1重量ポンドであった。
【0045】
比較例A
Kevlar(登録商標)29コードの未処理試料のH−引抜接着力は5.2重量ポンドであった。
【0046】
比較例B
グラフト反応のためのいずれのモノマーも使用することなしに実施例14の手順を繰り返した。TGAは、150〜400℃の間の1.5重量%の減量を示した。H−引抜接着力は5.8重量ポンドであった。
【0047】
比較例C
P
4tBuホスファゼンの代わりにカリウムtert−ブトキシド(0.2g、1.8ミリモル、21モル%)を使用して実施例7の手順を繰り返した。コードを一晩処理してから、グラフト反応のためのVBCを加えた。TGAは、200〜450℃の間の0.4重量%の減量を示した。H−引抜接着力は6.3重量ポンドであった。
【0048】
比較例D
Kevlar(登録商標)29コード(4.5m)をガラス撹拌棒上に巻取り、Teflon(登録商標)テープを使用して固定した。コードは約1.5g(アミド基12.6ミリモル)の重量であった。このアッセンブリを真空下で80℃で乾燥した。Teflon(登録商標)撹拌棒、二股アダプター、気密性Teflon(登録商標)スターラーベアリング、およびガス注入口を備えた200mL管中で、メチルスルフィニル陰イオンのDMSO溶液(100mL)を、その管に水素化ナトリウム(0.15g、6.25ミリモル、50モル%)を加え、固形物が完全に溶解するまで窒素下で70℃に加熱し、室温に冷却することによって調製した。コードはこの溶液に浸漬すると即時にわずかな色変化を生じた。15分後、コードは淡い黄色がかったオレンジ色になった。1時間後、コードはミディアムオレンジ色になり、また溶液は黄白色になった。窒素で覆われた状態を保ちながらコードを200mL管中の、4−ビニルベンジルクロリド(1mL、7.1ミリモル、56モル%)の無水THF(100mL)溶液に移した。25℃において1時間後、色は変化しなかった。3時間後、そのオレンジ色のわずかな退色があるに過ぎなかった。一晩撹拌の後、色のさらなる退色はなかった。コードを新鮮なメタノールに数回浸漬することによって洗浄して、それをその元の色に戻し、トルエン中で貯蔵した。分析のためにコードの試料を真空下で乾燥した。TGAは、グラフトされた基に起因する300〜500℃の間の1.3重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理コードと比べてC−H結合の2800〜3200cm
-1、芳香族基の1510cm
-1、およびビニル基の980および910cm
-1において吸光度の増加を示した。H−引抜接着力は9.0重量ポンドであった。
【0049】
本発明の実施例2〜14および比較例A〜Dを、それらの結果と共に表2に要約する。
【0050】
【表2】
【0051】
実施例15〜21、比較例E〜G
実施例8、10、11、12および比較例B、C、Dのグラフトされたコードを、様々な固形物%に希釈したビニルピリジンラテックス中で浸漬(ディップ)し、実験台に平行に吊り下げて空気乾燥することによって処理した。数個の試料は二度浸漬された。TGAの結果およびH−引抜接着力の値を表3に示す。
【0052】
比較例HおよびI
Y.Iyengar(J.appl.Polym.Sci.,1978,22,801〜812)が述べているような標準RFL配合物で被覆されたKevlar(登録商標)29コードは、一般に約30重量ポンドのH−引抜接着力の値を示す。RFL被覆コードおよび標準ゴムストックの数バッチを試験して、表3に示すようにこれらの値を確かめた。
【0053】
【表3】
【0054】
実施例22〜26
実施例13のMBDGAをグラフトしたコードの試料を、メタノールに溶かした0.3%の2−エチル−4−メチルイミダゾール、または0.3%の2−エチル−4−メチルイミダゾールを含有する2−ブタノンに溶かした6%の4−アミノスチレン、または2−ブタノンに溶かした20%の4−アミノスチレンのいずれかで処理した。次いで処理されたコードのうちの幾本かを、固形物25%まで希釈したビニルピリジンラテックス中で浸漬した。各処理の後、コードを実験台に平行に吊り下げて空気乾燥した。TGAの結果およびH−引抜接着力の値を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
実施例27〜33
実施例14のMBDGAをグラフトしたコードの試料を、10%のエタノールおよび0.5%の2−エチル−4−メチルイミダゾールを含有する4−アミノスチレンの10%水溶液、または20%のエタノールおよび1%の2−エチル−4−メチルイミダゾールを含有する4−アミノスチレンの20%水溶液のいずれかで処理した。処理されたコードをさらに、130℃で5分間熱処理し、かつ/または固形物25%まで希釈したビニルピリジンラテックス中で浸漬した。各処理の後、コードを実験台に平行に吊り下げて空気乾燥した。TGAの結果およびH−引抜接着力の値を表5に示す。
【0057】
【表5】
【0058】
実施例34
Kevlar(登録商標)パルプマージ1F361(90g、固形物56%)を、高せん断ミキサー(IKA Ultra−Turrax Model SD−45)を使用して、60℃に加熱された3.5Lの脱イオン水中に分散させて、滑らかなスラリー(固形物1.4%)を得た。約2200mLのスラリーを高せん断ミキサーで再び分散させ、真空濾過して湿潤パルプの塊を得た。次いでこれを脱イオン水で洗浄した。湿潤パルプは過剰の水分を除去するための圧縮も吸引もされなかった。この湿潤パルプを砕いて大きな塊にし、広口真空瓶に入れた。瓶をSo−Low超低温冷凍庫(−40℃)に入れて湿潤パルプを一晩凍結した。その瓶を、ドライアイスで冷却したトラップを有する連続凍結乾燥器に取り付け、高真空(30ミリトル)下に置いた。水分のトラップを取り除いている間のみ、その瓶を冷凍庫中に置いてパルプを凍結された状態に保った。水が凍結した塊から昇華し終わったらパルプを室温までゆっくり温めた。高真空下で一晩乾燥することによってパルプは完成し、32gを得た。比表面積は、1.8%の減量後、16.4m
2/gであった。
【0059】
この凍結乾燥されたKevlar(登録商標)パルプ(1.5g、アミド基12.6ミリモル)の一部を、大型の撹拌棒を備えた200mL丸底フラスコ中に入れ、真空オーブン中で120℃で乾燥した。フラスコをグローブボックスに移し、無水THF(75mL)で処理した。このパルプをヘキサン(1.3mL、10モル%)に溶かしたP
4tBuの1M溶液で処理して最初にそれに赤さび色を与え、それを約1時間かけてオレンジ色に退色させた。4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)(2.7g、6.4ミリモル)をTHF(25mL)中に溶解し、パルプスラリーに加えた。一晩撹拌後、スラリーをTHF(100mL)で希釈し、パルプを真空濾過によって回収した。そのオレンジ色のパルプを、フィルターケーキの圧密化を避けながらメタノールで二度、次いで脱イオン水で二度洗浄することによって急冷した。その湿潤パルプを250mL丸底フラスコに入れ、次いで超低温冷凍庫(−40℃)に入れて湿潤パルプを一晩凍結した。そのフラスコを、ドライアイスで冷却したトラップを有する連続凍結乾燥器に取り付け、高真空下に置いた。水が凍結した塊から昇華し終わったらパルプを室温までゆっくり温めた。高真空下で一晩乾燥することによってパルプは完成し、1.74gを得た。比表面積は4.6%の減量後、15.4m
2/gであった。TGAは、グラフトされたエポキシ基に起因する200〜435℃の間の10.1重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理パルプと比べてアミドのNH基の3300cm
-1において吸光度の減少、また脂肪族基の2800〜3000cm
-1と芳香族基の1612および1512cm
-1において吸光度の増加を示した。
【0060】
実施例35
18.4m
2/gの比表面積を有する凍結乾燥されたKevlar(登録商標)パルプ(1.5g、アミド基12.6ミリモル)を、大型の撹拌棒を備えた200mL丸底フラスコ中に入れ、窒素でパージされたグローブボックスに移した。そのパルプを無水THF(100mL)で処理し、一晩撹拌した。溶媒をデカントして取り除き、そのパルプを新鮮なTHFで再処理した。溶媒を再びデカントして取り除き、次いでパルプを約100mLのスラリーを得るのに十分なTHFで処理した。そのパルプを、ヘキサン(1.9mL、15モル%)に溶かしたP
4tBuの1M溶液の段階的添加によって処理して、最初にそれに赤さび色を与え、それを約1時間かけて濃いオレンジ色に退色させた。溶媒をデカントして取り除き、その濃いオレンジ色のパルプを新鮮なTHF(100mL)で処理した。4−ビニルベンジルクロリド(0.9mL,6.4ミリモル)をピペットで1滴ずつ加えた。約2時間の撹拌後、パルプの色は退色してより淡いオレンジ色になった。一晩撹拌した後、色は退色して黄色になった。パルプを真空濾過によって回収し、THF、メタノール、次いでTHFで洗浄した。パルプを真空下で乾燥して1.54gを得た。比表面積は3.9%の減量後、3.3m
2/gであった。TGAは、グラフトされたビニルベンジル基に起因する200〜400℃の間の4.0重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理パルプと比べてアミドのNH基の3300cm
-1における吸光度の減少と、脂肪族基の2800〜3000cm
-1および芳香族基の1512cm
-1における吸光度の増加とを示した。
【0061】
実施例36
17.3m
2/gの比表面積を有する凍結乾燥されたKevlar(登録商標)パルプ(16g、アミド基130ミリモル)を3L三つ口モートンフラスコに入れ、真空オーブン中で120℃で乾燥した。フラスコは、ステンレス鋼の撹拌棒、気密性Teflon(登録商標)スターラーベアリング、隔膜、および窒素でパージする間のガス注入口を有する還流冷却器を備える。カニューレによって無水THF(1L)をフラスコに移し、撹拌してパルプを部分的に分散させた。グローブボックス内部で、ヘキサン(13mL、10モル%)に溶かしたP
4tBuの1M溶液を無水THF(1L)に加え、次にそれをカニューレによってモートンフラスコに加えてパルプを淡いオレンジ色に変えた。その混合物を軽度に還流するまで加熱すると、その間に色はより濃いオレンジ色に強まった。約1時間の撹拌後、オレンジ色のパルプは溶液中に細かく分散し、その混合物を室温まで冷却した。グローブボックス内部で、4−ビニルベンジルクロリド(9mL、64ミリモル)を無水THF(100mL)に加え、次いでそれをカニューレによってそのモートンフラスコに加えた。パルプは、一晩続けた撹拌により黄色に戻った。真空濾過フラスコに連結されたガラスフリットチューブを使用して溶媒をフラスコから除去した。パルプをメタノール(1200mL)で3回、次いで脱イオン水(1200mL)で3回洗浄した。その湿潤パルプの一部を高真空下で乾燥することにより、25.8%の固形物の割合が決定した。TGAは、グラフトされたビニルベンジル基に起因する200〜400℃の間の2.6重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理パルプと比べてアミドのNH基の3300cm
-1における吸光度の減少を示した。
【0062】
実施例37
14.3m
2/gの比表面積を有する凍結乾燥されたKevlar(登録商標)パルプ(16.2g、アミド基130ミリモル)を3L三つ口モートンフラスコに入れ、真空オーブン中で120℃で乾燥した。フラスコは、ステンレス鋼の撹拌棒、気密性Teflon(登録商標)スターラーベアリング、隔膜、および窒素でパージする間のガス注入口を有する還流冷却器を備える。カニューレによって無水THF(1L)をフラスコに移し、撹拌してパルプを部分的に分散させた。グローブボックス内部で、ヘキサン(13mL、10モル%)に溶かしたP
4tBuの1M溶液を無水THF(1L)に加え、次にそれをカニューレによってモートンフラスコに加えた。パルプは、加えた溶液のすぐ近くが赤さび色になったが、その色は撹拌と共に薄くなって淡いオレンジ色になった。その混合物を軽度に還流するまで加熱すると、その間に色はより濃いオレンジ色に強まった。約3時間の撹拌後、オレンジ色のパルプは溶液中に細かく分散し、その混合物を室温まで冷却した。グローブボックス内部で、4−ビニルベンジルクロリド(9mL、64ミリモル)を無水THF(100mL)に加え、次いでそれをカニューレによってそのモートンフラスコに加えた。パルプは一晩撹拌すると黄色に戻った。混合物をメタノール(100mL)で急冷した。次いで、真空濾過フラスコに連結されたガラスフリットチューブを使用して溶媒をフラスコから除去した。パルプをメタノール(1200mL)で3回、次いで脱イオン水(1200mL)で3回洗浄した。その湿潤パルプの一部を高真空下で乾燥することにより、27.0%の固形物の割合が決定した。TGAは、グラフトされたビニルベンジル基に起因する200〜400℃の間の2.4重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理パルプと比べてアミドのNH基の3300cm
-1における吸光度の減少を示した。
【0063】
実施例38
14.0m
2/gの比表面積を有する凍結乾燥されたKevlar(登録商標)パルプ(16g、アミド基130ミリモル)を3L三つ口モートンフラスコに入れ、真空オーブン中で120℃で乾燥した。フラスコは、ステンレス鋼の撹拌棒、気密性Teflon(登録商標)スターラーベアリング、隔膜、および窒素でパージする間のガス注入口を有する還流冷却器を備える。カニューレによって無水THF(1L)をフラスコに移し、撹拌してパルプを部分的に分散させた。グローブボックス内部で、ヘキサン(13mL、10モル%)に溶かしたP
4tBuの1M溶液を無水THF(1L)に加え、次にそれをカニューレによってモートンフラスコに加えてパルプをオレンジ色に変えた。その混合物を軽度に還流するまで加熱すると、その間に色はより濃いオレンジ色に強まった。約2時間の撹拌後、オレンジ色のパルプは溶液中に細かく分散し、その混合物を室温まで冷却した。グローブボックス内部で、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)(11g、26ミリモル)を無水THF(100mL)中に溶解し、次いでそれをカニューレによってそのモートンフラスコに加えた。オレンジ色のパルプは、一晩撹拌するとあまり濃くない色になった。混合物をメタノール(100mL)で急冷し、次いで真空濾過して黄色のパルプを回収した。パルプをメタノール(1200mL)で3回、次いで脱イオン水(1200mL)で3回洗浄した。その湿潤パルプの一部を高真空下で乾燥することにより、24.6%の固形物の割合が決定した。TGAは、グラフトされたエポキシ基に起因する200〜500℃の間の4.0重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理パルプと比べてアミドのNH基の3300cm
-1における吸光度の減少を示した。
【0064】
実施例39
14.0m
2/gの比表面積を有する凍結乾燥されたKevlar(登録商標)パルプ(16g、アミド基130ミリモル)を3L三つ口モートンフラスコに入れ、真空オーブン中で120℃で乾燥した。フラスコは、ステンレス鋼の撹拌棒、気密性Teflon(登録商標)スターラーベアリング、隔膜、および窒素でパージする間のガス注入口を有する還流冷却器を備える。カニューレによって無水THF(1L)をフラスコに移し、撹拌してパルプを部分的に分散させた。グローブボックス内部で、ヘキサン(13mL、10モル%)に溶かしたP
4tBuの1M溶液を無水THF(1L)に加え、次にそれをカニューレによってモートンフラスコに加えて、オレンジ色を与えた。その混合物を軽度に還流するまで加熱すると、その間に色はより濃いオレンジ色に強まった。約4時間の撹拌後、オレンジ色のパルプは溶液中に細かく分散し、その混合物を室温まで冷却した。グローブボックス内部で、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)(11g、26ミリモル)を無水THF(100mL)中に溶解し、次いでそれをカニューレによってそのモートンフラスコに加えた。パルプは、一晩撹拌すると黄色がかったオレンジ色になった。混合物をメタノール(200mL)で急冷し、次いで真空濾過して黄色のパルプを回収した。パルプをメタノール(1400mL)で3回、次いで脱イオン水(1400mL)で3回洗浄した。その湿潤パルプの一部を高真空下で乾燥することにより、24.1%の固形物の割合が決定した。TGAは、グラフトされたエポキシ基に起因する200〜500℃の間の4.1重量%の減量を示した。ATR IRは、未処理パルプと比べてアミドのNH基の3300cm
-1における吸光度の減少を示した。
【0065】
実施例40
16.8m
2/gの比表面積を有する凍結乾燥されたKevlar(登録商標)パルプ(16g、アミド基130ミリモル)を3L三つ口モートンフラスコに入れ、真空オーブン中で120℃で乾燥した。フラスコは、ステンレス鋼の撹拌棒、気密性Teflon(登録商標)スターラーベアリング、隔膜、および窒素でパージする間のガス注入口を有する還流冷却器を備える。カニューレによって無水THF(1L)をフラスコに移し、撹拌してパルプを部分的に分散させた。グローブボックス内部で、ヘキサン(6.5mL、5モル%)に溶かしたP
4tBuの1M溶液を無水THF(1L)に加え、次にそれをカニューレによってモートンフラスコに加えてオレンジ色のパルプを得た。その混合物を軽度に還流するまで加熱した。約4時間の撹拌後、オレンジ色のパルプは溶液中に細かく分散し、その混合物を室温まで冷却した。グローブボックス内部で、N−(4−ビニルフェニル)マレイミド(2.6g、13ミリモル)を無水THF(100mL)中に溶解し、次いでそれをカニューレによってそのモートンフラスコに加えた。パルプは、一晩撹拌すると黄色がかったオレンジ色になった。混合物をメタノール(200mL)で急冷し、次いで真空濾過して黄色のパルプを回収した。パルプをメタノール(1400mL)で3回、次いで脱イオン水(1400mL)で3回洗浄した。その湿潤パルプの一部を高真空下で乾燥することにより、26.4%の固形物の割合が決定した。TGAは、マレイミド基のグラフト化重合に起因する200〜475℃の間の2.7重量%の減量を示した。ATR IRは、グラフトされたイミドカルボニル基の1707cm
-1における吸光度を示した。
【0066】
比較例J
実験室ブレンダーを使用してKevlar(登録商標)パルプ1F361(40g、固形物50%)を水(1000g)中に分散させて、均質なスラリーを得た。Alcogum(登録商標)6940(10g、固形物11%)、Alcogum(登録商標)SL 70(2.2g、固形物15%)、Aquamix(登録商標)549(4.1g、固形物15%)、およびAquamix(登録商標)125(4.3g、固形物14.5%)をブレンダーに加え、分散させてスラリーにした。天然ゴムラテックス(108g、固形物62%)をブレンダーに加え、分散させてスラリーにした。このスラリーを蓋のない容器に注ぎ、ブレンダージャーを水で洗い流してすべてのスラリーを回収した。このラテックスを、pHが5.8〜5.2の間になるまで穏やかに撹拌しながら塩化カルシウム(26重量%)および酢酸(5.2重量%)を含有する水溶液を加えることによって凝固させた。凝固した塊を回収し、押圧してできるだけ多くの水性相を除去した。次いでこの塊を窒素パージ下の真空オーブン中で一晩乾燥して、23%のパルプを含有する天然ゴムマスターバッチを得た。
【0067】
下記材料、すなわち天然ゴム(192.5g)、マスターバッチ(50.25g)、ステアリン酸(6.94g、3phr)、酸化亜鉛(6.94g、3phr)、ゴム用イオウ(3.70g、1.6phr)、Amax(登録商標)OBTS(1.85g、0.8phr)、DPG(0.92g、0.4phr)、Santoflex(登録商標)6PPD(4.62g、2phr)、およびAgeRite(登録商標)Resin D(2.31g、1phr)を、カムミキシングブレードを備えたC.W.Brabender Prep−Mixer(登録商標)に加えることによって5phrのパルプを含有するゴム化合物を調製した。この化合物を75〜100rpmで80〜95℃で25〜30分間混合し、次いで混合チャンバーおよびブレードから取り出した。この化合物をさらに、6インチ×幅12インチのロールを有するEEMCO 2本ロール実験室ミルを使用して混合し、均質化した。この最終化合物を厚さ2.0〜2.2mmのシートにした。ミルにかけたシートから2枚の4インチ×6インチのプラーク(plaque)を縦方向に切り取り、また別の2枚のプラークを幅方向に切り取った。これらプラークを160℃で圧縮成型して天然ゴムを加硫した。
【0068】
この加硫されたプラークからダンベル引張試験片を切り取った。その引張特性を表6に示す。
【0069】
実施例41
比較例Jの手順を一部変更して、実施例22のMBDGAをグラフトしたパルプを22%(15g)およびビニルピリジンターポリマーを37%含有する天然ゴムマスターバッチを、その他の材料の必要な量を調整し、かつその他の添加剤および天然ゴムラテックスの前にGenTac(登録商標)FSビニルピリジンラテックス(61g、固形物41%)を加えることによって調製した。次いで比較例Jで述べたと同様にこのゴム配合物を作製し、試験した。その引張特性を表6に示す。
【0070】
【表6】
次に、本発明の態様を示す。
1. 繊維表面にモノマー基がグラフトされているポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)からなる繊維の製造方法であって、
(i)乾燥して吸着水分を除去したポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)の繊維を準備するステップと、
(ii)前記繊維を溶解しない非極性溶媒中において、前記繊維を、ジメチルスルホキシド中で少なくとも21のpKaを示すホスファゼン塩基で処理して、前記ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維の表面のアミド部位で陰イオンを生じさせるステップと、
(iii)前記陰イオン部位にモノマーをグラフトして前記ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維の表面に反応性官能基を導入するステップと
を含む、方法。
2. 前記ホスファゼン塩基が、ジメチルスルホキシド中で少なくとも30のpKaを示す、上記1に記載の方法。
3. 前記溶媒が、トルエンまたはテトラヒドロフランである、上記1に記載の方法。
4. 前記ホスファゼン塩基が、イミノホスホラン、ホスファゾホスファゼン、アミノホスファゼン、グアニジノホスファゼン、またはホスファトランである、上記1に記載の方法。
5. 前記ホスファゼン塩基が、tert−ブチル−P4−ホスファゼンある、上記1に記載の方法。
6. 前記モノマーが、ハロゲン化アリル、置換塩化ベンジル、置換N−フェニルマレイミド、または置換エポキシである、上記1に記載の方法。
7. 前記置換塩化ベンジルが、4−ビニルベンジルクロリドまたは3−ビニルベンジルクロリドであり、前記置換N−フェニルマレイミドが、N−(4−ビニルフェニル)マレイミドであり、また前記置換エポキシが、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、エピクロロヒドリン、またはエピブロモヒドリンである、上記6に記載の方法。
8. 繊維表面にモノマー基がグラフトされているポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)からなる繊維の製造方法であって、
(i)乾燥して吸着水分を除去したポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)の繊維を準備するステップと、
(ii)前記繊維を溶解しない非極性溶媒中において、前記繊維を、ジメチルスルホキシド中で少なくとも21のpKaを示すホスファゼン塩基で処理して、前記ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維の表面のアミド部位で陰イオンを生じさせるステップと、
(iii)前記陰イオン部位にモノマーをグラフトして前記ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維の表面に反応性官能基を導入するステップと、
(iv)ステップ(iii)の前記グラフトされた繊維をプロトン性溶媒で洗浄して、前記繊維の前記表面に結合していない残余の塩基化合物およびグラフト化剤を抽出するステップと
を含む、方法。
9. 繊維表面にモノマー基がグラフトされているポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)からなる繊維の製造方法であって、
(i)乾燥して吸着水分を除去したポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)の繊維を準備するステップと、
(ii)前記繊維を溶解しない非極性溶媒中において、前記繊維を、ジメチルスルホキシド中で少なくとも21のpKaを示すホスファゼン塩基で処理して、前記ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維の前記表面のアミド部位で陰イオンを生じさせるステップと、
(iii)前記塩基で活性化された繊維を非プロトン性溶媒で洗浄して、過剰の塩基化合物を排除するステップと、
(iv)前記陰イオン部位にモノマーをグラフトして前記ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維の前記表面に反応性官能基を導入するステップと、
(v)ステップ(iv)の前記グラフトされた繊維をプロトン性溶媒で洗浄して、前記繊維の前記表面に結合していない残余の塩基化合物およびグラフト化剤を抽出するステップと
を含む、方法。
10. 上記1、8、または9に記載の方法によって処理された繊維を含む連続フィラメントヤーン、コード、短繊維紡績糸、不織布、フロック、パルプ、またはチョップドストランド。
11. 上記1、8、または9に記載の方法によって処理された繊維を含む繊維強化複合材。
12. 上記1、8、または9に記載の方法によって処理された繊維を含む繊維強化ゴム物品。
13. 上記1、8、または9に記載の方法によって処理され、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンゴムラテックスで被覆された繊維を含む、ゴム化合物に使用するのに適した浸漬コード。
14. 上記1、8、または9に記載の方法によって処理された繊維を含む繊維状パルプ。