【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1に記載の方法、請求項9に記載の電子装置、請求項16に記載の吸入トレーニングシステム、又は請求項17に記載の情報記憶媒体によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0012】
本発明の1つの態様によれば、方法が、
− 吸入トレーニング装置を用いた患者の吸入過程中に、吸入器のマウスピース内の空気流を定量化するステップと、
− 吸入トレーニング装置から受け取られた空気流信号を電子装置によって評価するステップと、
− 電子装置により、評価した空気流信号の1又は2以上の時変特性と共に変化する視覚フィードバックを患者に提供するステップと、
を含む。
【0013】
適切な吸入トレーニング装置、吸入器及び電子装置については、以下でさらに説明する。
【0014】
本発明において使用する「定量化」という用語は、空気流の特性を数値面で求めることを示す。例えば、定量化は、1又は2以上の測定結果を含むことができる。
【0015】
本発明において使用する「評価」という用語は、例えば、空気流信号又は空気流信号値の分析、解釈、確認、フォーマット及び/又は処理を含むことができる。評価は、空気流信号又は空気流信号値に基づく計算及び/又は演算を含むこともできる。
【0016】
視覚フィードバックを提供するステップは、写真、写真シーケンス、アニメーション及び/又はビデオを表示するステップを含む。
【0017】
本発明の方法によれば、視覚フィードバックは、評価した空気流信号の1又は2以上の時変特性と共に変化する。換言すれば、視覚フィードバックの出現及び/又は発生は、評価した空気流信号の時間変動する少なくとも1つの特性に依存する。
【0018】
本発明の方法は、効果的で快適でコスト効率の高い吸入過程のトレーニングを可能にする。さらに、患者が自身の吸入過程を制御し、所望の吸入技術に向けて補正することを可能にする。患者は、電子装置によって提供されたフィードバックに基づいて、患者をコントローラとして制御が行われるように吸入過程を、従って空気流を変化させることができる。
【0019】
フィードバックの提供は相互作用的であり、すなわち個別学習のための介入及び制御の可能性を患者が利用できるようにすることが好ましい。これを行うために、例えば、情報の選択及び表現タイプを患者の予備知識、関心及び必要性に適合させることができ、又は患者によって操作することができる。本発明では、単に情報を利用可能にするだけでは相互作用的フィードバックは構成されない。
【0020】
視覚フィードバックは、空気流の体積流量及び/又は継続時間と共に変化することが好ましい。体積流量は、単位時間当たりに所与の表面を通過する空気の体積であり、多くの場合l/分として表される。
【0021】
この場合、本発明の方法は、
− 体積流量が第1の閾値未満である時に第1の視覚フィードバックを提供するステップと、
− 体積流量が第2の閾値を超えた時に第2の視覚フィードバックを提供するステップと、
− 体積流量が第1の閾値を超えて第2の閾値未満である時に第3の視覚フィードバックを提供するステップと、
を含むことが好ましい。
【0022】
従って、吸入過程を制御するための目標通路が定められる。
【0023】
この場合、本発明の方法は、空気流の継続時間に依存して第3の視覚フィードバックを変化させるステップをさらに含むことが好ましい。
【0024】
視覚フィードバックは2次元又は3次元オブジェクトを含み、方法は、空気流の体積流量及び/又は継続時間に依存してオブジェクトのサイズ及び/又は色及び/又は位置を変化させるステップを含むことが好ましい。
【0025】
本発明の方法は、患者の吸入過程の正しい吸入のための音声指示及び/又は最適化のためのアドバイスを提供するステップを含むことが好ましい。
【0026】
本発明の方法は、トレーニング中に吸入トレーニング装置及び/又は電子装置によって患者の呼気の存在を検出し、患者の呼気が検出された時に第4の視覚フィードバックを提供するステップを含むことが好ましい。トレーニング中に患者が吸入器のマウスピース内に意図せずに息を吐き出した場合、これによって誤った又は非効率的な患者の挙動が不当に強化される可能性がある。従って、トレーニング中に患者の呼気の存在を検出することにより、患者の吸入過程の効果的なトレーニングが可能になる。
【0027】
本発明の方法は、トレーニング中に電子装置によって吸入トレーニング装置及び/又は特定のタイプの吸入器の存在を検出し、トレーニング中に吸入トレーニング装置及び/又は特定のタイプの吸入器が検出された時にのみ、空気流に関連するフィードバックを提供し、及び/又はトレーニング中に吸入トレーニング装置又は特定のタイプの吸入器が検出されなかった時に患者に警告を示すステップを含むことが好ましい。
【0028】
吸入トレーニング装置及び/又は特定のタイプの吸入器の存在を検出するステップは、例えば、トレーニング中に吸入トレーニング装置によって生成される基準音によって実現することができる。
【0029】
本発明の別の態様は、患者の吸入過程を訓練及び/又は制御する電子装置に関する。電子装置は、情報の取り込み、送信及び/又は出力が可能であり、個人が容易に持ち運ぶことができるポータブル通信装置であることが好ましい。ポータブル通信装置の典型的な用途は、通話、データ送信、ゲーム、文書処理、テーブル処理、画像処理、写真撮影及び音楽再生である。ポータブル通信装置の典型的な例は、携帯電話機、スマートフォン、タブレットPC、ハンドヘルド装置及びPDAである。本発明の範囲内の電子装置は、吸入トレーニング装置から分離又は独立した装置である。
【0030】
本発明の電子装置は、
− 吸入トレーニング装置から受け取られた、患者の吸入過程中における吸入器のマウスピース内の空気流を定量化する信号を評価し、
− 評価した信号の1又は2以上の時変特性と共に変化する視覚フィードバックを患者に提供する、
ように構成される。
【0031】
この実施形態では、特に吸入トレーニング装置から受け取られた空気流信号を評価し、及び/又は単純で、直観的で、確実で、コスト効率の高い方法で患者にフィードバックを行うために電子装置の機能を活用することができる。同時に、この実施形態では、患者の吸入過程の訓練に関し、単純かつコスト効率の高い方法で電子装置の機能を拡張することができる。
【0032】
ポータブル通信装置の人気が高いので、吸入トレーニングのためだけに特別な電子装置を購入したいと望まない患者にも吸入トレーニングへのアクセスを提供することができる。ポータブル通信装置の所有者は、ポータブル通信装置の扱いに慣れているので、本発明において特許請求する実施形態は、より簡単でより速い最適な吸入過程の学習も可能にする。多くの個人は、常にポータブル通信装置を持ち運んでいるので、本発明において特許請求する実施形態は、頻度が高く、場合によっては規則正しい吸入トレーニングをもたらすことができる。さらに、本発明において特許請求する実施形態は、操作の容易さ及び吸入トレーニングの手軽さを高める。
【0033】
電子装置は、空気流の体積流量及び/又は継続時間と共に変化する視覚フィードバックを患者に提供するように構成されることが好ましい。
【0034】
本発明の電子装置は、
− 体積流量が第1の閾値未満である時に第1の視覚フィードバックを提供し、
− 体積流量が第2の閾値を超えた時に第2の視覚フィードバックを提供し、
− 体積流量が第1の閾値を超えて第2の閾値未満である時に第3の視覚フィードバックを提供する、
ように構成されることが好ましい。
【0035】
本発明の電子装置は、空気流の継続時間に依存して第3の視覚フィードバックを変化させるように構成されることが好ましい。
【0036】
本発明の電子装置は、患者の吸入過程の正しい吸入のための音声指示及び/又は最適化のためのアドバイスを提供するように構成されることが好ましい。
【0037】
本発明の電子装置は、トレーニング中に患者の呼気の存在を検出し、患者の呼気が検出された時に第4の視覚フィードバックを提供するように構成されることが好ましい。
【0038】
本発明の電子装置は、トレーニング中に吸入トレーニング装置の存在を検出し、トレーニング中に吸入トレーニング装置が検出された時にのみ、空気流に関連するフィードバックを提供し、及び/又はトレーニング中に吸入トレーニング装置が検出されなかった時に患者に警告を示すように構成されることが好ましい。
【0039】
本発明の電子装置は、吸入トレーニング装置から受け取られた信号内における特徴的な音声信号の存在を検出するように構成されることが好ましい。通常、人間の声は、平坦な音響スペクトルを有しておらず、むしろ最も低いフォルマント周波数から開始する一連の等間隔の山と谷で構成される。電子装置は、吸入トレーニング装置から受け取られた信号がそのような特徴的な音声信号又はスペクトルに偏っている場合には、空気流評価を一時的に中断するように構成することができる。従って、声の影響に対する堅牢性が向上する。
【0040】
電子装置は、例えばスピーカなどの、音響フィードバックのための装置、及び/又は、例えば画面などの、視覚フィードバックのための装置を有することが好ましい。
【0041】
電子装置は、測定され、処理され、及び/又は評価された信号を別の電子装置に無線送信するように設計されることが好ましい。このようにして、例えば医師に信号を送信し、医師は、この信号に基づいて診断結果を準備し、及び/又は吸入過程を改善するアドバイスを与えることができる。
【0042】
電子装置は、可能な限り最適な効果的吸入時間T
in,effを実践するように設計され、又はそのように使用できることが好ましい。このようにして、患者は、可能な限り最適な効果的吸入時間を達成することができる。効果的吸入時間は、吸入トレーニング過程の吸入中の時間であり、特に薬剤量又は投薬量の送達をシミュレートした模擬吸気時間である。具体的には、効果的吸入時間は、投薬量の吸入と模擬送達とが重複する時間部分である。
【0043】
この効果的吸入時間に基づいて、吸入投薬量(iDoD)を推定することができる。このiDoDは、特に薬剤が一般に一定速度で送達される場合に適用される。吸入投薬量は、送達投薬量の百分率として得ることができる。効果的吸入時間及び吸入投薬量は、吸入過程の質を表す。
【0044】
電子装置は、効果的吸入時間を実践するために、効果的吸入時間を決定するように設計されることが好ましい。電子装置は、効果的吸入時間を決定するために、送達時間又は噴霧時間を決定することができる。送達時間又は噴霧時間は、投薬量の送達をシミュレートした時間である。送達の終了は、一定の送達継続時間又は噴霧継続時間(SDur)によって固定されることが好ましい。効果的吸入時間は、噴霧継続時間の百分率で得られることが好ましい。
【0045】
1つの好ましい実施形態では、送達時間が吸入過程又は吸入の時間(T
in)外である場合、すなわち吸入過程の開始前に送達時間が過ぎた場合、効果的吸入時間は0%である。この実施形態では、送達時間が完全に吸入過程の時間内にある場合、効果的吸入時間は100%である。
【0046】
吸入過程の開始前に送達が開始され、吸入過程の終了後に終了した場合、効果的吸入時間は、以下の式に従って決定されることが好ましい。
T
in,eff[%]=T
in*100/SDur
【0047】
吸入過程の開始後であって終了前に送達が開始され、吸入過程の終了後に終了した場合、効果的吸入過程は、以下の式に従って決定されることが好ましい。
T
in,eff[%]=(1−(Δ+SDur−T
in)/SDur)*100
Δは、送達の開始と吸入過程の開始との間の差分であり、すなわち吸入過程の開始後に送達が開始された場合にはΔが正の値を有し、吸入過程の開始前に送達が開始された場合にはΔが負の値である。
【0048】
吸入過程の開始前に送達が開始され、吸入過程の開始後かつ終了前に送達が終了した場合、効果的吸入過程は、以下の式に従って決定されることが好ましい。
T
in,eff[%]=(Δ+SDur)/SDur*100
Δは、送達の開始と吸入過程の開始との間の差分である。
【0049】
具体的には、効果的吸入時間を決定する際には、吸気時間のみを吸入時間T
inとみなすことができる。従って、呼吸又は呼気を止めることによって吸気が中断された場合、これらの時間は、吸入時間から差し引かれることが好ましい。
【0050】
これとは別に、又はこれに加えて、電子装置は、吸入過程において生じた体積流量又は流量、及び/又はここでは生じた流速を決定又は推定するように設計することができる。これらの2つの物理量は、吸入過程の質を高度に表す。
【0051】
電子装置は、流速を決定又は推定するように設計することもできる。吸入される薬剤の速度は、薬剤をどこに定置すべきか(喉、肺)に応じて異なることが分かっている。従って、吸入が正しかったかどうかの判定においては、流速が関心事項になり得る。電子装置は、やはり吸入が適正又は十分であったことを保証するために、一定の流速間隔内に流れが存在していた時間、又は一定の下限を上回っていた時間を決定又は推定するように設計することもできる。
【0052】
本発明の別の態様は、患者の吸入過程を訓練及び/又は制御する吸入トレーニングシステムに関する。
【0053】
本発明の吸入トレーニングシステムは、後述するような吸入トレーニング装置と、後述するような吸入器と、上述したような電子装置とを含む。
【0054】
この吸入トレーニングシステムは、患者の吸入過程の効果的で、単純で、確実で、快適で、コスト効率の高いトレーニング、トレーニング中に患者によって生じた空気流の正確な定量化、患者に優しいリアルタイムなフィードバック、及び患者による吸入過程の制御を可能にする。
【0055】
吸入トレーニングシステムは、トレーニング中に患者の呼気の存在を検出するように構成されることが好ましい。トレーニング中に患者が吸入器のマウスピース内に意図せずに息を吐き出した場合、これによって誤った又は非効率的な患者の挙動が不当に強化される可能性がある。従って、トレーニング中に患者の呼気の存在を検出することにより、患者の吸入過程の効果的なトレーニングが可能になる。
【0056】
吸気流又は呼気流を測定し、各個々の流量レベルの周波数スペクトルを吸気及び呼気について別個に抽出した結果、一般に吸気流では、呼気流に比べて、より平坦なスペクトル応答が生じることが分かった。このことは、低周波エネルギー含量と高周波エネルギー含量との間の比率を計算した場合に、呼気では吸気よりも大きな比率が生じることを意味する。吸入トレーニングシステムは、これらの2つの周波数クラスタを分離する好適な閾値を定めることによってこの関係を利用する。例えば、300Hzのフィルタを用いて低周波信号のコンテンツを評価し、7000Hzのフィルタを用いて高周波信号のコンテンツを評価したところ、約10〜30l/分の低流量では、70という閾値が吸気と呼気を良好に分離することが確認された。
【0057】
しかしながら、高流量に向かうほど、吸気及び呼気のスペクトル曲線は、それぞれ次第に類似してくる傾向にあり、すなわちこの分離は、高流量では感度を有していない。この状況に対処するために、上記の流動音スペクトルの別の特徴的な傾向、すなわち低周波領域では呼気音スペクトルの方が相補的な吸気音スペクトルよりも高レベルに達するという傾向に基づいて別のキューを採用する。この観察に基づけば、呼気流の存在を表すさらなるインジケータは、低周波信号エネルギーである。吸入トレーニングシステムは、低周波信号エネルギーが7という閾値を超えた場合に呼気を検出したと判断することが好ましい。この閾値は、約50〜90l/分の高流量において吸気と呼気との間の適切な分離をもたらす。
【0058】
好ましい閾値の定義は、高度な検出特異性を有すること、すなわち吸入トレーニングシステムは、患者が実際に正しく吸入を行っている間に呼気についての警告を与えるべきではないという明らかな目的を持って行った。
【0059】
本発明の別の態様は、上述したような電子装置の情報記憶媒体に関する。情報記憶媒体には命令が記憶され、この命令は、プロセッサによって実行された時に、少なくとも、
− グラフィカルユーザインターフェイスを初期化するステップと、
− 吸入トレーニング装置から受け取られた信号値を処理するステップと、
− 処理した信号値の1又は2以上の時変特性と共に変化する視覚フィードバックを、グラフィカルユーザインターフェイスを介してユーザに提供するステップと、
を実行させる。
【0060】
本発明において特許請求する情報記憶媒体は、効果的で、単純で、確実で、コスト効率の高い患者の吸入過程訓練を可能にする。
【0061】
欧州特許出願公開第14001266号に、本発明の目的に適した、患者の吸入過程を訓練する吸入トレーニング装置が記載されており、この特許出願は引用により本明細書に組み入れられる。この吸入トレーニング装置は、患者に薬剤を供給するように設計された吸入器のマウスピースへの取り付け、及び好ましくマウスピースからの取り外しが可能なハウジングと、患者の吸入過程中に吸入器のマウスピース内に生じる空気流を測定するように適合されたマイクとを含む。
【0062】
吸入トレーニング装置のハウジングは、ハウジング組み立て中に共にスナップ嵌めされる2つのハウジング部分で構成されることが好ましい。2つのハウジング部分は、吸入器のマウスピースに適合するように設計された2つの単純な機械部品である。従って、マウスピース上にしっかりと収まる頑丈でコスト効率の高いユニットが最短の公差チェーンで形成され、これによって正確なマイク位置、吸入器のマウスピースと吸入トレーニング装置のハウジングとの間の漏れを最小化することに関して最良の性能が確実になり、これによって測定精度及び最終的に機械的安定度が裏付けられる。さらに、ハウジングは、その内部にマイク、さらなる電子機器及びケーブルを収容して保護するのに十分な空間を有する。
【0063】
吸入トレーニング装置は、効果的で快適で確実な吸入過程訓練を可能にする。
【0064】
両ハウジング部分は、滑らかな表面を有する成形プラスチック、具体的にはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)で作製されることが好ましい。この実施形態は、コスト効率の高い構造と、吸入過程を訓練する患者が吸入トレーニング装置上を例えば指でなぞり又は引っ掻くことによって生じる取り扱いノイズの低減を可能にする。従って、この実施形態は、より高い測定精度を可能にする。
【0065】
測定精度は、両ハウジング部分を低摩擦層で、具体的には光沢のあるクロムで少なくとも部分的に被覆することによってさらに高めることができる。滑らかなABS面と、光沢のあるクロムで被覆した同じ表面との間には、15dBもの摩擦ノイズ差が存在し得ることが分かった。
【0066】
ハウジングは、吸入器のマウスピースに密封取り付けできるように、成形された分割線を含むことが好ましい。この実施形態は、確実な吸入過程トレーニング、頑丈な構造及び正確な流量測定を可能にする。
【0067】
マイクは、吸入器のマウスピースに吸入トレーニング装置を取り付けた時に、ハウジング内の、吸入器のマウスピースの外側の、吸入器のマウスピースの空気孔の近傍に位置することが好ましい。これにより、吸入器の機能に介入する必要なく、或いは吸入器の設計を変更する必要なく正確な流量測定が可能になる。この実施形態では、吸入器の流路の空気力学的挙動が変化しない。こうすることにより、吸入トレーニング装置の存在(又は不在)によって吸入器の医学的適応性が影響されなくなる。
【0068】
ハウジングは、マイクの周囲に、具体的には発泡プラスチック又は軟質シリコーンで作製されたパッド及び/又はスリーブを含むことが好ましい。これによってマイクの絶縁性が向上し、吸入トレーニング装置からマイク内への振動結合が減少する。これにより、取り扱いノイズがさらに減少し、流量測定精度が向上する。
【0069】
マイクは、エレクトレットマイクであることが好ましい。
【0070】
マイクは、吸入器のマウスピースの空気孔を通る空気流のノイズを測定するように適合されることが好ましい。音響学では、ほとんどの中実材料では音が良好に伝わることがよく知られている。患者が吸入器を用いて吸入を行うと、吸入器内の流路が、流量及び乱流に応じて特徴的な流動ノイズ音を生じる。この音の一部が、吸入器の中実構造を通じて伝わる。中実材料では損失が小さいので、この音は、原則的に吸入器表面のあらゆる場所で検出することができる。吸入器のマウスピースの空気孔を通る空気流のノイズを測定する好ましい実施形態は、効果的で確実なトレーニング、及びトレーニング中の正確な流量測定を可能にする。
【0071】
マイクは、指向性を示し、具体的にはカージオイド、スーパーカージオイド、ハイパーカージオイド、又は双方向特性を示すことが好ましい。指向性マイクの特性は、吸入器のマウスピースの外部から生じる信号をマイク自体が無効にするが、内部から生じる音には影響しないことを可能にする。従って、トレーニング中の周囲ノイズからの影響を低減して流量測定精度を高めることができる。
【0072】
吸入トレーニング装置は、上述した電子装置へのインターフェイスを提供することが好ましい。具体的には、電子装置へのインターフェイスは、オーディオジャック、特に3.5mmTRRSヘッドホンコネクタによって実現される。オーディオジャックは、典型的にはアナログオーディオ信号に用いられるコネクタファミリの総称である。通常、オーディオジャックは、典型的には2つ、3つ又は4つの接点を有する円筒形である。4接点バージョンは、TRRSコネクタとして知られており、Tは「先端」を表し、Rは「リング」を表し、Sは「スリーブ」を表す。最新のオーディオジャックでは、3つの標準サイズ、すなわち、6.35mm、3.5mm及び2.5mmが利用可能である。
【0073】
3.5mmTRRSヘッドホンコネクタは、ポータブル通信装置の世界的に最も一般的なコネクタであり、従って提案する実施形態は、吸入トレーニング装置が幅広いポータブル通信装置と互換性を有し、1つの変形例しか必要としないことを確実にする。提案する実施形態は、患者の吸入過程の快適でコスト効率の高いトレーニング、及び患者に優しいリアルタイムなフィードバックを可能にする。
【0074】
しかしながら、たとえメーカーが3.5mmTRRSヘッドホンコネクタの物理フォーマットについて同意していても、電子機器のインターフェイス接続に関連する様々な詳細については意見が食い違う。最も基本的な違いの1つはマイク接続の極性であり、例えば、Apple社の装置ファミリと、Samsung社、HTC社、LG社、Sony社、Motorola社、Microsoft社、Blackberry社及びNokia社などの他のほとんどのメーカーとの間で異なる。以下の表に、典型的な接続スキームを示す。
【表1】
【0075】
吸入トレーニング装置は、TRRSヘッドホンコネクタの接続スキームに応じて電気的接続をマイク及び接地に入れ替えるように構成された電子機器を含むことが好ましい。具体的には、マイクとTRRSヘッドホンコネクタとの間の接続部に配置されたアナログ電子スイッチを用いて、マイク接続の異なる極性を自動的に処理する。特に、マイクのバイアス電圧(すなわち、マイク接続部の正電圧)を用いて関連する切り換えを直接選択し、従って必要に応じてマイク接続と接地接続とを入れ替える。このようなアナログ切り換えは、優れた音声特性と、1オームを十分に下回る極めて限られた抵抗とをもたらす。
【0076】
マイク接続の極性に加え、マイクと接地コネクタとの間のインピーダンスレベルに関連して、外部接続が確立されていることを特定のポータブル通信装置がいつどのように認識するかにもわずかな違いがある。
【0077】
吸入トレーニング装置は、マイクが動作する周波数範囲を電子装置のアナログフロントエンド感度の関数として調整するように構成された電子機器を含むことが好ましい。空気流を評価するには、吸入トレーニング装置のマイクによって測定される、流れによって誘発されるノイズを分析すべきであり、通常、このことは、(例えば、選択した周波数帯域内の)音圧レベルを一定の音圧レベルに変換した後に、ノイズと流れとの間の確立された相関パターンを用いて適切な流量レベルを決定することを意味する。しかしながら、この処理は、十分に定められた電子装置の音響特性、具体的にはアナログフロントエンド感度と線形性、並びに(広帯域信号では)周波数範囲と線形性を想定したものである。
【0078】
通常、電子装置は、高品質な音声に対処するために、200Hz〜20000Hzの周波数範囲をフィルタ処理する。吸入トレーニング装置の観点からすれば、乱流ノイズは、一般に少なくとも100Hz〜10000Hzの周波数にわたる広帯域ノイズプロファイルを有するが、通常、流動信号は、例えば500Hz〜1000Hzの(とりわけ吸入器のタイプに依存する)狭帯域内で良好に伝わる。従って、吸入トレーニング装置の好ましい実施形態では、電子装置の音響特性、具体的にはそのアナログフロントエンド感度に応じて、マイクが動作する周波数範囲を調整することができる。
【0079】
増幅直線性については、吸入トレーニング装置は、潜在的な(未知の)圧縮を生じにくくするために、通常の音声振幅範囲を標的にすることが好ましい。しかしながら、吸入トレーニング装置の電子機器は、ほとんどの制限のある電子装置の線形領域内に留まるように調整可能であり、これによって全ての選択された電子装置に対する十分に一様な電子機器インターフェイスが確実になる。
【0080】
吸入トレーニング装置は、トレーニング中に基準音を生成するように構成された電子機器を含むことが好ましい。従って、この基準音は、常にマイク信号と共に生じて既知の基準を利用可能にする。この基準音は、吸入トレーニング装置の電子機器内に明確に定められた(例えば、約10kHzの)周波数及び振幅の正確な発振器を実装して基準音をマイク信号に混合させることによって実現される。
【0081】
基準音発振器は、低電圧演算増幅器、及び1.2Vの振幅を定める精密電圧コントローラの周囲に構成されることが好ましい。
【0082】
吸入トレーニング装置のハウジングは、吸入器のマウスピースに取り付けられる時に、ハウジングの誤った位置付け(例えば、正しい位置からの上/下及び/又は右/左の回転)を防ぐように設計されることが好ましい。
【0083】
ハウジングは、トレーニング中に薬剤の放出及び/又はあらゆる流体の小出しを防ぐように設計されることが好ましい。具体的には、吸入器のマウスピースに吸入トレーニング装置を取り付けた時に、吸入トレーニング装置のハウジングの一部が、吸入器の薬剤放出アクチュエータを覆う。この実施形態は、吸入トレーニング装置が、例えばEU医療機器指令(MDD/93/42/EEC)などの規制上の要件及び米国医療機器指針(FDA 21 CFR第820部)に従うことを確実にする。
【0084】
電子装置は、具体的にはトレーニング中に吸入トレーニング装置によって生じる基準音により、吸入トレーニング装置及び/又は特定のタイプの吸入器の存在を検出するように構成されることが好ましい。この目的のために、上述したような吸入トレーニング装置によって生じる基準音を利用して、特に特許請求する吸入トレーニング装置がインターフェイス(3.5mmTRRSヘッドホンコネクタ)を介して電子装置に差し込まれたことを確実に自動的に検出することができる。そうでない場合、電子装置は、流れの検出に関するフィードバックを提供しないように構成することができる。
【0085】
吸入訓練は、具体的にはオンラインポータルを介して注文してインストールできる、電子装置に適合するソフトウェアの支援によって行われることが好ましい。通常、このソフトウェアは「アプリ」と呼ばれる。アプリを使用することにより、柔軟性及び操作性が向上する。
【0086】
アプリは、例えば空気流信号の評価、並びに患者及び/又は第三者へのフィードバックに使用することができる。これを行うために、本発明の情報記憶媒体を用いてアプリを利用可能にし、又は実行することができる。情報記憶媒体は、ポータブル通信装置において使用されるように作製され、特に空間要件、エネルギー消費量、信頼性及びデータ伝送速度に関して最適化されることが好ましい。
【0087】
以下、アプリの好ましいステップについて説明する。
【0088】
アプリの好ましいステップでは、第1のステップにおいてアプリを開始する。その後のステップにおいて、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を起動し、好ましくは電子装置の画面上に表示する。具体的には、視覚的開始指示又は視覚的トリガ指示も表示する。
【0089】
別のステップにおいて、例えば変更されたGUIの内容を表示するために、GUIが更新されたアプリを用いてループ機能を開始する。
【0090】
スタート指示又はトリガ指示は、アプリを用いて評価されることが好ましい。具体的には、ユーザ又は患者の入力、特にユーザ又は患者によるスタート指示又はトリガ指示の作動をモニタする。入力をモニタすることにより、スタート指示又はトリガ指示が作動したかどうかの判定が行われることが好ましい。スタート指示又はトリガ指示が作動したと判定された場合、アプリは、2つの平行分岐に従うことが好ましい。
【0091】
一方では、第1の分岐において、(特に画面上で)視覚的停止指示が作動したかどうかをモニタすることが好ましい。このモニタリングにより、停止指示が作動したかどうかの判定が行われることが好ましい。他方では、停止指示のモニタリングと平行な第2の分岐において、吸入トレーニング装置から受け取られた1又は複数の信号値が読み出される。アプリ又は電子装置は、信号値の処理、特に信号値のデジタル化及び格納を引き起こすことが好ましい。
【0092】
第2の分岐内の別のステップにおいて、アプリ又は電子装置を用いて体積流量プロファイルを求める。
【0093】
第2の分岐内では、アプリ又は電子装置によって吸入過程の開始がモニタされることが好ましい。このモニタリングにより、吸入過程が開始されたかどうかの判定が行われることが好ましい。ここでは、アプリ又は電子装置が、トリガ指示の作動が吸入過程の開始として解釈されるように設計され、これによって吸入過程が開始されたとの判定が行われることが好ましい。
【0094】
吸入過程が開始されたと判定された場合、一方では、アプリ又は電子装置によって開始時間が特定されることが好ましい。また、タイムキーパを介して、アプリ又は電子装置によってさらなる時間値を特定できることが好ましい。
【0095】
吸入過程が開始されたと判定された場合、他方では、アプリ又は電子装置によって吸入過程の終了がモニタされることが好ましい。このモニタリングにより、吸入過程が終了したかどうかの判定が行われることが好ましい。ここでは、アプリ又は電子装置が、(特に画面上の)トリガ指示の作動の繰り返し又は終了指示の作動の繰り返しが吸入過程の終了として解釈されるように設計され、これによって吸入過程が終了したという判定が行われることが好ましい。
【0096】
吸入過程が終了したと判定された場合、アプリ又は電子装置によって停止時間が特定されることが好ましい。
【0097】
規定の吸入過程の開始から開始して所定時間(例えば、20秒)が経過した後に吸入過程の終了をモニタすることによって吸入過程が終了した旨の判定が行われなかった場合、アプリ又はシーケンスは終了又は中止されることが好ましい。アプリ又は電子装置によって中止が確認された場合、アプリは終了する。例えば、GUIをそれ以上表示されないように終了させることができる。さらに、時間値をリセットすることができ、及び/又はメモリを解除することができる。
【0098】
停止時間が特定された場合、アプリ又は電子装置によってタイムキーパが特定されることが好ましい。さらに、電気信号値の評価が行われることが好ましい。従って、例えばアプリ又は電子装置を用いて、上述したような効果的吸入時間及び/又は吸入投薬量を決定することができる。
【0099】
評価の結果をGUI上に表示し、そのためにGUIを更新することができる。
【0100】
さらに、アプリ又は電子装置は、アプリ又は電子装置によって求められた流量が毎分約40リットルの値を上回った時、及び/又は毎分約20リットルの値を下回った時に、患者及び/又は第三者にフィードバックが行われ、特に警告表示が出力されるようにされることが好ましい。
【0101】
停止指示が作動したと判定された場合には、GUIが更新され、及び/又は中止が確認されることが好ましい。アプリは、(特に画面上で)中止指示を作動させることによって終了又は中止させることもできる。
【0102】
本発明の別の態様は、上述したような吸入トレーニングシステムによる吸入過程の実行時に、患者を、具体的には慢性閉塞性肺疾患を患う患者をトレーニングする方法に関する。患者は、この方法により、上述したような吸入トレーニングシステムの使用についてトレーニングされる。この方法は、
− 吸入トレーニングシステムの吸入トレーニング装置を吸入トレーニングシステムの吸入器上に、具体的には吸入トレーニングシステムの吸入器のマウスピース上に取り付けるステップと、
− 吸入トレーニングシステムの吸入トレーニング装置を吸入トレーニングシステムの電子装置に接続するステップと、
− 吸入トレーニングシステムの電子装置上で動作するアプリケーションを開始するステップと、
− 吸入過程を開始するステップと、
− 吸入過程を所定時間にわたって維持するステップと、
− 上述したような吸入トレーニングシステムの電子装置によって提供された視覚フィードバックに基づいて吸入過程を適合させるステップと、
− 吸入過程を停止するステップと、
のうちの少なくとも1つを含む。
【0103】
この方法は、吸入トレーニング装置及び/又は吸入器の位置を補正するステップを含むことが好ましい。この目的のために、電子装置は、吸入トレーニング装置及び/又は吸入器の誤った位置を検出するように構成されることが好ましい。
【0104】
この方法は、吸入トレーニング装置、吸入器及び/又は電子装置を、例えば保守のために交換するステップを含むことが好ましい。
【0105】
吸入トレーニングシステムの吸入トレーニング装置を吸入トレーニングシステムの電子装置に接続するステップは、(例えば、ワイヤの少なくとも1つのプラグに差し込むことによって)有線で、又は(例えば、Bluetooth(登録商標)によって)無線で行うことができる。方法は、吸入トレーニング装置を電子装置と再接続し、及び/又は吸入トレーニング装置を電子装置から分離するステップを含むことが好ましい。
【0106】
方法は、吸入トレーニング装置を吸入器から、具体的には吸入器のマウスピースから取り外すステップを含むことが好ましい。
【0107】
方法は、例えば故障後に、又は反復のために、吸入過程を再開するステップを含むことが好ましい。
【0108】
吸入過程を適合させるフィードバックは、吸入トレーニング装置から受け取られた信号の1又は2以上の時変特性と共に変化し、この信号は、患者の吸入過程中における吸入器のマウスピース内の空気流を定量化することが好ましい。
【0109】
この方法は、アプリケーションのトレーニングモード、具体的には上述したようなトレーニングモードを開始するステップを含むことが好ましい。
【0110】
本発明の別の態様は、吸入過程の実行時、及び/又は吸入トレーニングシステムの使用時に、患者を、具体的には慢性閉塞性肺疾患を患う患者をトレーニングするキットに関する。このキットは、
− 吸入トレーニング装置、具体的には上述したような吸入トレーニング装置と、
− 吸入器、具体的には上述したような吸入器と、
− 電子装置、具体的には上述したような電子装置と、
− 吸入トレーニング装置、吸入器及び/又は電子装置を使用するための指示と、
を含む。
【0111】
この指示は、電子装置によって視覚的及び/又は聴覚的に提供されることが好ましい。
【0112】
この指示は、上述したような吸入トレーニングシステムによる吸入過程の実行時に、患者をトレーニングする方法を患者にさらに伝えることが好ましい。具体的には、この指示は、上述したような方法ステップを行うように患者を導く。
【0113】
本発明の別の態様は、吸入トレーニング装置の奨励方法に関する。この方法は、
− 吸入トレーニング装置を通じて吸入過程をトレーニングすることが、正しい量の薬剤を正しい時点に肺の所望の領域に供給する役に立つこと、
− 吸入トレーニング装置を通じて吸入過程をトレーニングすることが、パッシブ(受動的)ドライパウダー吸入器に比べて相対的に低流量で長時間にわたって吸入を行う役に立つこと、
− 吸入トレーニング装置を通じて吸入過程をトレーニングすることが、吸入過程を制御し、所望の吸入法に向けて補正する役に立つこと、
− 吸入トレーニング装置が、薬剤を吸入しない吸入過程のトレーニングを可能にすること、
− 吸入トレーニング装置が、効果的で、単純で、確実で、快適で、コスト効率の高い吸入過程のトレーニングを可能にすること、及び、
− 吸入トレーニング装置が、トレーニング中に生成される空気流の正確な測定を可能にすること、
から成る群から選択された少なくとも1つのメッセージを患者に伝達するステップを含む。
【0114】
本発明の別の態様は、吸入トレーニング装置の奨励のための情報記憶媒体又は印刷物に関する。この視聴覚装置又は印刷物は、
− 吸入トレーニング装置を通じて吸入過程をトレーニングすることが、正しい量の薬剤を正しい時点に肺の所望の領域に供給する役に立つこと、
− 吸入トレーニング装置を通じて吸入過程をトレーニングすることが、パッシブ(受動的)ドライパウダー吸入器に比べて相対的に低流量で長時間にわたって吸入を行う役に立つこと、
− 吸入トレーニング装置を通じて吸入過程をトレーニングすることが、吸入過程を制御し、所望の吸入法に向けて補正する役に立つこと、
− 吸入トレーニング装置が、薬剤を吸入しない吸入過程のトレーニングを可能にすること、
− 吸入トレーニング装置が、効果的で、単純で、確実で、快適で、コスト効率の高い吸入過程のトレーニングを可能にすること、及び、
− 吸入トレーニング装置が、トレーニング中に生成される空気流の正確な測定を可能にすること、
から成る群から選択された少なくとも1つのメッセージを患者に伝達する。
【0115】
以下、図面の説明の前にいくつかの用語について詳述する。
【0116】
本発明における「吸入過程」という用語は、患者の吸入を含むことが好ましく、吸入は、短い時間間隔にわたって中断することができ、従って連続した素早い吸気を含むことができる。さらに、吸入過程は、空気又は患者の吸気及び/又は呼気及び/又は咳の停止を含むこともできる。
【0117】
本発明における「患者」という用語は、吸入器を使用しなければならない、及び/又は吸入器を使用したいと望む個人、特に気道疾患、具体的には喘息又は慢性閉塞性肺疾患を患っており、吸入器を用いて疾患を治療中の個人を意味することが好ましい。
【0118】
本発明における「流れ」及び「空気流」という用語は、乱流の有無に関わらず、測定可能な空気の流動として定義される。
【0119】
本発明の上記の態様及び特徴、並びにさらなる説明及び特許請求の範囲から導出される本発明の態様及び特徴は、互いに関係なく実装することも、いずれかの組み合わせで実装することもできる。
【0120】
本発明のその他の利点、特徴、特性及び態様は、特許請求の範囲、及び図面を用いた以下の好ましい実施形態の説明から明らかになるであろう。