(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような装飾用のリブ材を公共施設等に施工するときには、そのリブ材自体に防火性があることが要求される。そのため、例えば
図12に示すように、リブ材は、断面矩形状の芯材1と、その芯材1の四周のうちの表面1a及びそれに隣接する2つの側面1b,1bの3つの面を覆う板状の不燃材料からなる表面材10とを備えたものとし、表面材10を、芯材1の表面1aを覆う部分である表面部11と、各側面1bを覆う部分である側面部12,12とにVカットで分け、それら表面部11及び各側面部12を傾斜面30で突き合わせる。そして、このリブ材について、建築基準法の規定に基づく防火材料の認定を取得することが考えられる。
【0006】
しかし、その場合、以下の問題が生じる。すなわち、防火材料の認定試験は、本来、対象物の表面からの防火性能について認定するものであり、立体的なものに対応しておらず、認定書に記載される内容は、厚さと断面構成を示す説明図であって、厚さ以外の他の寸法は無限大と扱われる。従って、上記のリブ材についても断面形状での認定となり、不燃材料からなる表面材10における表面部11のうち表側(
図12上側)から見て傾斜面30の部分は認定の範囲から外れ、表面部11において芯材1の表面1aに対応する範囲のみが防火材料の認定範囲Bとして認定されることとなり、その結果、認定範囲Bが狭くなるという問題が生じる。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その主たる目的は、芯材の表面及び両側面を不燃性材料の表面材で覆ったリブ材やルーバー材等の装飾用不燃性角材の構造に工夫を加えることにより、その装飾用不燃性角材について防火材料の認定を取得する際の認定範囲から外れる部分を可及的に少なくし、認定範囲を増大させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的の達成のため、この発明では、芯材を覆う不燃性材料の表面材において、芯材の表面に配置される表面部を芯材よりも張り出させて、その張出し部分によって防火材料の認定範囲を拡げるようにした。
【0009】
具体的には、第1の発明に係る装飾用不燃性角材は、表面、及び該表面に連続する1対の側面を有する断面矩形状の角材からなる芯材と、この芯材の少なくとも表面ないし両側面を連続して覆うように配置され、該芯材に一体的に接着された不燃材料からなる表面材とを備えている。そして、表面材は、上記芯材の表面よりも広い幅を有しかつ該芯材の表面に該表面から幅方向に張り出した断面矩形状の張出部を形成するように接着された平板状の表面部と、上記芯材の両側面にそれぞれ接着され、上記表面部側の先端部が上記張出部に連続する1対の側面部とを有し、上記芯材は、上記表面材の両側面部と平行に延びる複数の火山性ガラス質複層板からなる板状の基材が全て該表面材の両側面部の対向方向に沿って積層された積層体であり、
上記芯材の複数の基材は、少なくとも2種類の厚さを有していて上記積層体の積層方向中央に対し対称に配置されており、上記側面部の先端部は、その厚さ方向の少なくとも一部で上記張出部の裏面と突き合わされていることを特徴とする。
【0010】
この第1の発明では、装飾用不燃性角材の表面材は不燃材料からなり、その表面材における表面部は平板状で、その幅方向の両端部に芯材の表面から幅方向に張り出した断面矩形状の張出部が形成され、その張出部裏面が側面部における先端部の少なくとも一部で突き合わされた状態となっている。すなわち、この芯材の表面から張り出した断面矩形状の張出部がある分だけ表面部の幅が大きくなり、その表面部は、表側から見て全体が防火材料の認定範囲に含まれるようになり、表面部において芯材の表面に対応する部分を超えた張出部までの範囲が防火材料として認定され、その認定の範囲を大に確保することができる。
【0011】
また、芯材は、
火山性ガラス質複層板からなる複数の基材を表面材の両側面部の対向方向に沿って積層した積層体であり、
それらの複数の基材は、少なくとも2種類の厚さを有していて積層体の積層方向中央に対し対称に配置されているので、その火山性ガラス質複層板からなる基材の積層方向が表面材の表面部と直交する方向であっても、防火材料としての認定の範囲を大に確保することができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、上記側面部の先端部の内面に、張出部を収容する収容部が該先端部の内側角部を段差状に切り欠くことによって形成され、側面部の先端部は、上記収容部において張出部の裏面と突き合わされていることを特徴とする。
【0013】
この第2の発明では、側面部の先端部内面に収容部が形成され、この収容部に表面部の張出部が収容されており、その収容状態では、側面部の先端部が収容部において張出部の裏面と突き合わされている。この構造でも、第1の発明と同様に、張出部の分だけ表面部の幅が大きくなり、その表面部において芯材の表面に対応する部分を超えた張出部まで防火材料として認定され、その認定の範囲を大に確保することができる。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、上記側面部の先端部のうち収容部を除いた部分の頂面は張出部の表面に比べて張出部裏側に位置しており、上記頂面と張出部の張出方向の先端面との間に、表面材の一部をなす断面三角形状の充填部が配置されていることを特徴とする。
【0015】
この第3の発明では、側面部の先端部のうち収容部を除いた部分の頂面が張出部の表面よりも張出部裏側に位置し、その頂面と張出部の張出方向の先端面との間に充填部が配置されているので、第1の発明と同様に、表面部において芯材の表面に対応する部分を超えた張出部まで防火材料として認定され、その認定の範囲を大に確保することができる。また、これら表面部の張出部と側面部との間に断面三角形状の充填部が介在されているので、装飾用不燃性角材の表面側角部に充填部による面取り部を容易に形成することができる。
【0016】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、表面材が火山性ガラス質複層板であることを特徴とする。
【0017】
この第4の発明では、表面材として火山性ガラス質複層板を用いたときに、防火材料としての認定の範囲を大に確保することができる。
【0018】
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれか1つにおいて、表面材の1対の側面部と、芯材における積層体の少なくとも積層方向両端の基材とは互いに同じ厚さとされていることを特徴とする。
【0019】
第6の発明は、第3の発明の装飾用不燃性角材を製造する方法であって、所定幅の細長板状の表面材素材と芯材とを用意し、その表面材素材の表面にシート材を接着した後、表面材素材の裏面に、収容部と、該収容部に対し表面材素材の幅方向中央側に隣接する充填部とを有する2つの凹条を充填部両側で上記シート材が残るように形成して、展開状態の表面材を得る。そして、この展開状態の表面材の幅方向両側部を各凹条で裏側に直角に折り曲げて、両凹条間の内側部を表面部としかつ凹条の外側部をそれぞれ側面部としながら、上記表面部を上記芯材の表面に、また側面部を芯材の側面にそれぞれ接着することを特徴とする。
【0020】
この第6の発明では、細長板状の表面材素材の表面にシート材が接着され、その状態で、表面材素材の裏面に、収容部と充填部とを有する2つの凹条が充填部両側でシート材が残るように形成されて、展開状態の表面材が得られる。しかる後、この展開状態の表面材の幅方向両側部が各凹条の位置で裏側に直角に折り曲げられ、両凹条間の内側部が表面部とされかつ凹条の外側部がそれぞれ側面部とされ、その表面部が芯材の表面に、また側面部が芯材の側面にそれぞれ接着される。このようにすることで、第3の発明の装飾用不燃性角材を容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明した如く、本発明の装飾用不燃性角材によると、断面矩形状の芯材にその表面ないし両側面を連続して覆うように不燃材料からなる表面材を一体的に接着して、その表面材は、芯材の表面に接着された平板状の表面部と、芯材の両側面に接着された側面部とを備えたものとし、その表面部の幅を芯材の表面よりも広くして、表面部に芯材の表面から幅方向に張り出した断面矩形状の張出部を形成した。また、芯材は、表面材の両側面部と平行に延びる複数の火山性ガラス質複層板からなる板状の基材が全て表面材の両側面部の対向方向に沿って積層された積層体とした。
芯材の複数の基材は、少なくとも2種類の厚さを有していて積層体の積層方向中央に対し対称に配置した。このことにより、その張出部の分だけ表面部の幅を大きくして、その表面部全体が防火材料の認定範囲に含まれるようになり、その認定の範囲を大に確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0024】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る装飾用不燃性角材としての不燃リブ材Aを示し、この不燃リブ材Aは芯材1を備えている。
図2にも示すように、芯材1は断面矩形状の細長い角材状のもので、表面1aと、その表面1aに連続する左右1対の側面1b,1bと、両側面1b,1bに連続する裏面1cとを有する。具体的には、芯材1は、例えば幅14mm、厚さ6mmの3枚の基材2,2,…を厚さ方向である左右方向、すなわち後述する表面材10の両側面部12,12の対向方向に沿って積層した積層体からなり、その積層体の積層方向に対向している左右の面が側面1b,1bとされ、同積層方向に直交する方向の一方が表面1aとされ、他方が裏面1cとされている。芯材1の各基材2は、火山性ガラス質複層板(例えば大建工業株式会社製の商品名「ダイライト」等)が好適に用いられる。
【0025】
上記芯材1には表面材10が一体的に接着されている。この表面材10は、例えば厚さ6mmの火山性ガラス質複層板(例えば大建工業株式会社製の商品名「ダイライト」等)の不燃材料からなるもので、芯材1の表面1aないし両側面1b,1bを連続して覆うように配置されて該芯材1に接着されている。具体的には、表面材10は、上記芯材1の表面1aに接着された細長い平板状の表面部11と、芯材1の左右側面1b,1bにそれぞれ接着された細長い平板状の1対の側面部12,12とを有する。表面部11及び側面部12,12の厚さは互いに同じで例えば6mmであり、芯材1の基材2と一致している。つまり、表面材10において、その表面部11から折り曲げられた状態の各側面部12は、芯材1の積層体をなす左右両端の基材2と整列させて、芯材1の積層体の積層方向両端に位置する基材2を表面材10と同じとする狙いがあり、各側面部12の厚さは芯材1における左右両端の基材2と同じとしている。尚、表面部11及び側面部12,12の長さも互いに同じで、芯材1の長さと一致している。
【0026】
表面部11は、上記芯材1の表面1aよりも広い幅(例えば26mm)を有しかつ芯材1の表面1aに該表面1aから幅方向両側に例えば4mmずつ張り出すように接着されており、この芯材1の表面1aから幅方向両側に張り出した部分により断面矩形状の張出部11a,11aが形成されている。
【0027】
一方、左右の側面部12,12は互いに同じもので、芯材1の左右中央に対し面対称に配置されており、各側面部12においてその表面部11側(
図1で上側)にある先端部が上記表面部11の張出部11aに連続している。具体的には、各側面部12における先端部の内面(芯材1側の面)には、該先端部の内側角部を段差状に切り欠くことによって収容部13が形成され、この収容部13に上記表面部11の張出部11a(その一部である裏側部)が収容されている。
【0028】
そして、上記各側面部12の先端部(表面部11側の端部)は、上記張出部11aの裏面と突き合わされている。すなわち、側面部12は、上記収容部13において、側面部12の内側に位置している部分(側面部12の厚さ方向に沿って延びる部分)にて張出部11aの裏面と突き合わされている。
【0029】
さらに、上記側面部12の先端部のうち収容部13を除いた部分の頂面12aは、張出部11aの表面に対しその延長面上となるように面一状に位置しておらず、張出部11aの表面に比べて裏側に例えば2.8mmだけずれて位置しており、この頂面12aと張出部11aの張出方向の先端面との間に段差部14が形成されている。この段差部14に、表面材10の一部をなす断面三角形状(詳しくは断面が直角二等辺三角形状)の充填部15が段差部14を埋めるように配置され、この充填部15により表面部11の表面と側面部12の側面とが面取り状に連続している。
【0030】
尚、表面材10は、上記火山性ガラス質複層板の他に、ケイカル板、パルプセメント、岩綿板等の不燃基材であってもよい。また、芯材1に表面材10を接着するための接着剤としては、酢酸ビニル、エチレン酢ビ、ビニルウレタン、クロロプレンゴム系等が好適に用いられる。
【0031】
次に、上記不燃リブ材Aを製造する方法について説明する。まず、
図2に示すように、3枚の基材2,2,…を厚さ方向に積層した積層体からなる芯材1を用意する。また、
図3に仮想線にて示すように、所定幅(例えば67.6mm)を有する細長板状の表面材素材10′を用意する。この表面材素材10′は表面材10となるもので、それと同じ厚さの1枚物の不燃材からなる板材である。そして、表面材素材10′の表面に化粧材としてのシート材17を一体的に接着する。シート材としては、コート紙、オレフィン、塩ビ、PET、突板等が好適に用いられる。
【0032】
その後、上記表面材素材10′の裏面に、段差状の収容部13と、該収容部13に対し表面材素材10′の幅方向中央側に隣接する充填部15とからなる2つの凹条20,20を各充填部15両側で上記シート材17が残るように形成する。このことで、
図3に示すように、展開した状態の表面材10が得られる。
【0033】
このとき、各凹条20には、表面材素材10′の幅方向外側に収容部13が、また幅方向中央側に充填部15がそれぞれ位置し、充填部15はその直角頂部が表面材素材10′の裏側に突出し、直角頂部の対辺がシート材17に接着されている。そして、このように表面材素材10′の表面にシート材17を接着しておくことで、表面材素材10′の裏面に凹条20,20が形成されて、表面材素材10′が表面部11、側面部12,12、充填部15,15に分離されても、それらはシート材17に一体的に保持されたままとなり、散らばることはない。
【0034】
次いで、上記展開状態の表面材10の裏面及び各凹条20の内部、又は芯材1の表面1a及び側面1b,1bに接着剤を塗布してから、表面材10の幅方向両側部を各凹条20における充填部15両側のシート材17にて裏側に直角に折り曲げて芯材1に前側から被せ、両凹条20,20間にある内側部を表面部11としかつ凹条20の外側部をそれぞれ側面部12,12としながら、表面部11を上記芯材1の表面1aに、また側面部12,12を芯材1の側面1b,1bにそれぞれ接着する。尚、シート材17は化粧材であるので、残したままにしておく。以上により、
図1に示す不燃リブ材Aが製造される。
【0035】
このように、不燃リブ材Aの製造の際には、予め、表面材素材10′の表面にシート材17を接着した状態で、表面材素材10′の裏面に収容部13と充填部15とを有する凹条20,20をシート材17が残るように形成し、展開状態の表面材10の幅方向両側部を各凹条20で裏側に直角に折り曲げて、芯材1の表面1a及び側面1b,1bに接着するので、
図3に示すように、展開状態の表面材10は、表面部11の幅方向両端部に充填部15,15を介して側面部12,12がシート材17によって一体的に連続している構造となり、その分、表面材10の表面部11、側面部12及び充填部15を1枚の表面材素材10′から容易に形成することができ、不燃リブ材Aの製造が容易となる。
【0036】
尚、上記のようにシート材17を用いずに、表面材10の表面部10、充填部15及び側面部12をそれぞれ分離させた状態で形成することもできる。
【0037】
したがって、この実施形態においては、不燃リブ材Aは、芯材1と、その表面1a及び側面1b,1bに被せられて接着された火山性ガラス質複層板等の不燃材料からなる表面材10とからなり、表面材10における表面部11は平板状で、その幅方向の両端部に芯材1の表面1aから幅方向に張り出した断面矩形状の張出部11a,11aが形成され、この各張出部11aは、側面部12の先端部内面の収容部13に収容され、この収容部13において側面部12の内側部が張出部11a裏面と突き合わされた状態となっている。このような構造では、芯材1の表面1aから張り出した断面矩形状の張出部11a,11aがある分だけ表面部11の幅が大きくなり、その表面部11は、表側から見て全体が防火材料としての認定範囲Bに含まれるようになり、その認定範囲Bは、表面部11において芯材1の表面1aに対応する部分を超えた張出部11a,11aまでとなって、その認定範囲Bを大に確保することができる。
【0038】
また、各側面部12の先端部のうち収容部13を除いた部分の頂面12aが張出部11aの表面よりも張出部11a裏側に位置し、その頂面12aと張出部11aの張出方向の先端面との間に断面三角形状の充填部15が配置されているので、不燃リブ材Aの表面側角部に充填部15による面取り部を容易に形成することができる。
【0039】
さらに、不燃リブ材Aの芯材1は、複数の基材2,2を表面材10の両側面部12,12の対向方向に沿って積層した積層体であるので、一般に芯材1として基材2,2の積層体を用いると、その基材2,2の積層方向に沿って防火材料の認定が行われるのに対し、基材2,2の積層方向が表面材10の表面部11と直交する方向であっても、防火材料としての認定範囲Bを大に確保することができる。
【0040】
(実施形態2)
図4〜
図6は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、
図1〜
図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、不燃リブ材Aのサイズ、芯材1の積層構造等を変更したものである。
【0041】
すなわち、
図4は実施形態2に係る不燃リブ材Aを示す。その芯材1は、
図5に示すように、例えば幅84mm、厚さ9mmの8枚の厚肉基材2a,2a,…と、この厚肉基材2aと同じ例えば幅84mmであるが、それよりも薄い厚さ6mmの1枚の薄肉基材2bとを、後者の薄肉基材2bの厚さ方向両側にそれぞれ4枚の厚肉基材2a,2a,…が位置するように厚さ方向である左右方向(表面材10の両側面部12,12の対向方向)に沿って積層した積層体からなる。そして、この積層体の積層方向に対向している左右の面が側面1b,1bとされ、同積層方向の直交する方向の一方が表面1a(その幅は上記例では例えば78mm)とされ、他方が裏面1cとされている。厚肉基材2a及び薄肉基材2bはいずれも火山性ガラス質複層板(例えば大建工業株式会社製の商品名「ダイライト」等)が好適に用いられている。
【0042】
一方、表面材10は、例えば厚さ9mmの火山性ガラス質複層板(例えば大建工業株式会社製の商品名「ダイライト」等)の不燃材料からなるもので、芯材1の表面1aないし両側面1b,1bを連続して覆うように配置されて芯材1に接着されている。表面材10の表面部11及び側面部12の厚さは互いに同じであり、側面部12の厚さは芯材1における左右両端の基材2と一致している。表面部11及び側面部12の長さも互いに同じで、芯材1の長さと一致している。
【0043】
表面部11は、上記芯材1の表面1aよりも広い幅(例えば92mm)を有しかつ芯材1の表面1aに該表面1aから幅方向両側に例えば7mmずつ張り出すように接着されており、この張り出した部分により断面矩形状の張出部11a,11aが形成されている。
【0044】
一方、左右の側面部12,12は互いに同じで、芯材1の左右中央に対し面対称となっている。各側面部12における先端部の内面(芯材1側の面)には、該先端部の内側角部を段差状に切り欠いてなる収容部13が形成され、この収容部13に張出部11aが収容されている。
【0045】
そして、上記側面部12の先端部の収容部13において、側面部12の内側に位置する部分に張出部11aの裏面が突き合わされている。
【0046】
さらに、上記側面部12の先端部のうち収容部13を除いた部分の頂面12aは、張出部11aの表面に比べて裏側に例えば2.8mmだけずれて位置しており、この頂面12aと張出部11aの張出方向の左右側面との間に段差部14が形成され、この段差部14に断面三角形状の充填部15が段差部14を埋めるように配置され、この充填部15により表面部11の表面と側面部12の側面とが面取り状に連続している。
【0047】
図6は展開状態の表面材10を示している。不燃リブ材Aのその他の構成及び製造方法は実施形態1と同じである。従って、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0048】
(参考形態)
図7〜
図9は参考形態を示し、上記実施形態2において、芯材1の構造を変更したものである。
【0049】
この参考形態では、芯材1は、表側芯材4と裏側芯材5との貼り合わせ体からなる。表側芯材4は、実施形態2と同様に、例えば幅39mm、厚さ9mmの8枚の厚肉基材2a,2a,…と、この厚肉基材2aと同じ例えば幅39mmであるが、それよりも薄い厚さ6mmの1枚の薄肉基材2bとを後者の薄肉基材2bの厚さ方向両側にそれぞれ4枚の厚肉基材2a,2a,…が位置するように厚さ方向である左右方向(表面材10の両側面部12,12の対向方向)に沿って積層した積層体からなる。基材2a,2bは、火山性ガラス質複層板(例えば大建工業株式会社製の商品名「ダイライト」等)の不燃材料からなる。従って、表側芯材4の表面の左右方向の幅(基材2a,2bの積層方向の大きさ)は例えば78mmであり、表裏方向の厚さ(基材2a,2bの幅方向の大きさ)は例えば39mmである。
【0050】
一方、裏側芯材5は、表側芯材4の裏側に一体的に接着されたLVLからなり、その表面の左右方向の幅は表側芯材4と同じ例えば78mmであり、表裏方向の厚さは表側芯材4よりも大きくて例えば44mmである。このことで、芯材1は実施形態2の芯材1と略同じサイズとなっている。尚、
図7及び
図9では、裏側芯材5を構成するLVLにおける単板を示していないが、LVLは、複数の単板が表側芯材4の基材2a,2bと同様に、厚さ方向である左右方向(表面材10の両側面部12,12の対向方向)に沿って積層されている。
【0051】
この参考形態では、表面材10は実施形態2のものと同じである(
図4及び
図6参照)。その他の構成は実施形態2と同様であり、よって、この参考形態でも実施形態2と同様の作用効果が得られ、芯材1が火山性ガラス質複層板とLVLとの貼り合わせ体であっても、防火材料としての認定範囲Bを大に確保することができる。
【0052】
(実施形態3)
図10は実施形態3に係る不燃リブ材Aの要部を示し、表面材10における充填部15を省略したものである。すなわち、この実施形態では、上記実施形態1において、表面材10における側面部12の先端部のうち収容部13を除いた部分の頂面12aは、張出部11aの表面に対しその延長面上となるように面一状に位置しており、この頂面12aと張出部11aの張出方向の左右側面との間に段差部14が形成されておらず、この段差部14に配置される断面三角形状の充填部15も設けられていない。その他の構成は実施形態1と同様である。
【0053】
したがって、この実施形態の場合、不燃リブ材Aの表面側角部に充填部15による面取り部が形成されていないものの、その他については実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0054】
(実施形態4)
図11は実施形態4に係る不燃リブ材Aの要部を示し、表面材10における側面部12の収容部13を省略したものである。すなわち、この実施形態では、上記実施形態1において、表面材10における表面部11の各張出部11aは、芯材1の表面1aから幅方向両側に側面部12の厚さと同じ寸法(例えば6mm)だけ張り出している。そして、側面部12の先端部の内面(芯材1側の面)に収容部13は形成されておらず、側面部12の先端部はその厚さ方向の全体で張出部11aの裏面に突き合わされている。その他の構成は実施形態1と同様である。
【0055】
したがって、この実施形態でも、実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0056】
(その他の実施形態)
尚、上記各実施形態では、表面材10は、芯材1の表面1aないし両側面1b,1bを連続して覆うように配置されているが、芯材1の裏面1cをも覆うように配置されていてもよい。