特許第6722172号(P6722172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6722172核動力炉のための核燃料ペレットを製作する方法および核燃料を製作して使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722172
(24)【登録日】2020年6月23日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】核動力炉のための核燃料ペレットを製作する方法および核燃料を製作して使用する方法
(51)【国際特許分類】
   G21C 3/62 20060101AFI20200706BHJP
   C04B 35/51 20060101ALI20200706BHJP
   B28B 11/00 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
   G21C3/62 220
   C04B35/51
   B28B11/00
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-510636(P2017-510636)
(86)(22)【出願日】2015年4月24日
(65)【公表番号】特表2017-533406(P2017-533406A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(86)【国際出願番号】EP2015058938
(87)【国際公開番号】WO2016037712
(87)【国際公開日】20160317
【審査請求日】2018年2月8日
(31)【優先権主張番号】62/047,323
(32)【優先日】2014年9月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504446548
【氏名又は名称】ウェスティングハウス エレクトリック スウェーデン アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】ヴィデグレン ハンス
【審査官】 藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−211871(JP,A)
【文献】 特公昭50−027552(JP,B1)
【文献】 特開平06−094869(JP,A)
【文献】 特表2002−519677(JP,A)
【文献】 特開昭56−030681(JP,A)
【文献】 特公昭46−022279(JP,B1)
【文献】 特開平01−248092(JP,A)
【文献】 特表2002−537565(JP,A)
【文献】 特開2012−088317(JP,A)
【文献】 特開2006−029797(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0185731(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 3/62
G21C 21/02
C04B 35/51
B28B 11/00−17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核動力炉のための核燃料ペレットを製作する方法であって、
粉体形態の核燃料材料を提供するステップ、
いわゆる生ペレットが得られるように前記粉体を押圧するステップ、
前記生ペレットに加えられる添加物を含む液体を提供するステップ、
前記添加物を有する前記液体が前記ペレットに入り込むように、前記生ペレットを前記液体と接触させるステップ、
上記のように処理された生ペレットを焼結するステップ、
を含み、
前記添加物は、この種の添加物が加えられなかったペレットが同様に焼結される場合に得られる粒度と比較して、前記核燃料材料におけるより大きな粒度が前記焼結ステップ後の前記ペレット中に存在するようなものであり、
前記添加物は、前記焼結されたペレットにおける前記より大きな粒度を生じさせる物質を構成するかまたは含み、前記添加物は、Bおよび/またはCrでできているかまたはそれを含み、前記物質は選択され、そして前記方法は、前記焼結ステップの前またはその間に、前記物質がその量の少なくとも90%まで、前記ペレットのうちの前記添加物を有する前記液体が入り込んだ少なくとも外方部分を去るように実行される、
方法。
【請求項2】
前記添加物は、前記液体中に分散した粒子の形である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生ペレットへの前記液体の浸透深さを、すなわち前記添加物の浸透深さを制御するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記浸透深さを制御するステップは、
含まれた添加物を有する前記液体の粘性、
前記生ペレットを、前記添加物を有する前記液体と接触させるときに、前記生ペレットに加えられる、前記添加物を有する前記液体の量、
のうちの一方または両方を選択することによってなされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記生ペレットの外方部分が前記生ペレットの内方部分に比べて実質的により多くの液体を、そして延いてはより多くの添加物を含むように、前記生ペレットへの、前記添加物を有する前記液体の前記浸透深さは制御され、そうすると、前記焼結されたペレットは、内方部分に比べて外方部分においてより大きい粒度を有する、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
添加物を有する前記液体は選択され、そして前記方法は、添加物を有する前記液体が前記生ペレットの粒と粒との間に存在する孔へと入り込むように実行される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
添加物を有する前記液体は選択され、そして前記方法は、添加物を有する前記液体が前記生ペレットの粒に存在する孔へと、少なくともいかなる実質的な程度までも、入り込まないように実行される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
添加物を有する前記液体は選択され、そして前記方法は、添加物を有する前記液体が前記生ペレットの粒に存在する孔へも入り込むように実行される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記液体は選択され、そして前記方法は、前記焼結ステップの前またはその間に、前記液体が完全にまたは少なくとも99%まで前記ペレットを去るように実行される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記添加物はBを含み、前記Bの少なくとも90%は11Bである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記添加物が前記液体中に溶解しないように、そして前記生ペレットにおける前記核燃料材料が前記液体によって溶解されないように、前記液体は選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記液体は、油である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
核燃料を製作して使用する方法であって、
請求項1〜12のいずれか1項にしたがって複数の核燃料ペレットを製作すること、
前記核燃料ペレットを被覆管内に配置すること、
前記コア内の前記核燃料材料の少なくとも20%が請求項1〜12のいずれか1項にしたがって製作されるペレットでできているように、核動力プラントにおける核動力炉のコア内に、前記核燃料ペレットを有する前記被覆管を配置すること、
エネルギーを生成するために前記核動力炉を運転すること、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核動力炉のための核燃料ペレットを製作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核燃料ペレットを製作する異なる方法は、当業者に知られている。粉体形態の核燃料材料から核燃料ペレットを製作することは、一般的である。核燃料材料は、例えば、UO(Uが235Uに関してリッチにされる)でもよい。粉体材料は、他の添加物(例えばUおよびバインダ材料)を含んでもよい。粉体は、いわゆる生ペレットを形成するために押圧される。この技術分野における「生ペレット」の概念は、それが焼結される前に押圧されたペレットを意味する。生ペレットは、このように炉においてその後焼結される。焼結されたペレットは、正しい直径および表面仕上げを得るために、その後挽かれる。
【0003】
焼結されたペレットの粒度を増加させるために、若干の添加物を粉体に含むことも公知である。例えば、特許文献1は、この種の添加物の若干の例を挙げて、核燃料ペレットがどのようにして製作されてよいかについて記述する。
【0004】
特許文献2は、粒度を増加させるために過酸化水素溶液が二酸化ウラン粉体に加えられることを記載する。
【0005】
特許文献3は、核燃料の熱伝導率を強化するために、多孔性二酸化ウランアレンジメントがアリルヒドリドポリカルボシランの形における前駆体液体によって浸透されることを記載する。
【0006】
本発明の背景として、さらなる現象は、言及されなければならない。この現象は、高燃焼度構造(HBS)またはリム構造と呼ばれている使用される核燃料ペレットの構造である。核燃料が原子炉(すなわち高燃焼度)においてより長時間使用されたときに、新規な再構成された構成は、燃料ペレットの外側の薄い領域に現れる。この現象は、例えば、V.V. Rondinella et al. in Materials Today, 2010年12月、第13巻、No.12、ページ24−32による記事「The high burn−up structure in nuclear fuel」に記載されている。HBSは、核燃料ペレットの外側領域の粒が非常に小さい粒に細別されることを意味する。HBSが現れる外側領域は、例えば、100μm未満の厚さでもよい。
【0007】
この文書において材料の特定のパーセンテージが言及されるときに、他に何も言われない場合、これは重量パーセントに関する。
【0008】
この文書において特定の粒度が言及されるときに、他に何も言われない場合、これは、いわゆる二次元(2D)の粒度(すなわち平面において測定される粒度)に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第00/49621 A1号
【特許文献2】独国特許第3235944 A1号
【特許文献3】国際公開第2005/041208 A2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、核燃料ペレットを製作する方法であって、その方法は、核燃料ペレットへの添加物の添加をよりよく制御することが可能であり、その添加物は粒度を増加させる、方法を提供することである。さらなる目的は、比較的単純なやり方で実施されることができるこの種の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、請求項1に記載の方法によって達成される。
【0012】
本発明によれば、生ペレットが形成された後、粒度を増加させる添加物がこのように加えられる。したがって、生ペレットを押圧する前に粉体に添加物を加えることは必要でない。添加物が液体中に提供されるので、添加物が生ペレットへと入る範囲を制御することができる。粒度を増加させる添加物の添加の改良された制御は、したがって達成される。さらに、添加物を有する液体を生ペレットに適用することは、全く容易である。
【0013】
本発明による方法を実施する1つのやり方によれば、前記添加物は、前記液体中に分散する粒子の形態である。添加物は、このように、生ペレットにおける孔へと深く入り込んでよい粒子の形態である。この種の粒子のキャリアとして液体を使用することは、有利である。粒子が液体中に分散するので、粒子は、液体に溶解しない。
【0014】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、方法は、生ペレットへの液体の、そしてこれにより添加物の、浸透深さを制御するステップを含む。浸透深さを制御することによって、添加物を有する液体がペレットのどの領域において存在するかを制御することができる。これにより、添加物がペレットのどこに存在するかを制御することができる。
【0015】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、浸透深さを制御する前記ステップは、以下のうちの一方または両方を選択することによってなされる:
含まれた添加物を有する液体の粘性、
生ペレットを、添加物を有する液体と接触させるときに、生ペレットに加えられる、添加物を有する液体の量。
特定の粘性を有する液体を選択することによって、液体の浸透深さを制御することができる。どれくらいの量の液体が生ペレットに加えられるかを制御することによって、浸透深さは、制御されてもよい。添加物粒子のための特定の粒度を選択することによって、または、特定の粒径分布を選択することによって、浸透深さは、制御されることもできる。より大きな粒子に比べてより小さい粒子は、生ペレットの中により深く入り込む傾向がある。
【0016】
例えば、ペレット上に、添加物を有する一定量の液体を噴霧することによって、または、所定時間の間、添加物を有する液体に生ペレットをさらすことによって(例えば、添加物を有する生ペレットを液体中に浸漬することによって)、生ペレットに加えられる、添加物を有する液体の量は、制御されることができる。
【0017】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、生ペレットの外方部分が生ペレットの内方部分に比べて実質的により多くの液体を、そして延いてはより多くの添加物を含むように、生ペレットへの、添加物を有する液体の浸透深さは制御され、そうすると、焼結されたペレットは、内方部分に比べて外方部分においてより大きい粒度を有する。焼結されたペレットの外方部分において粒度をより大きく制御することが、このようにできる。本発明の発明者は、核燃料ペレットが核燃料ペレットの外方部分(HBSが発生する)においてより大きな粒度を有する場合に、上記したHBSの発生が防止されてよいかまたは遅延されてよいことを理解した。
【0018】
外方部分および内方部分は、異なるやり方で定められてよい。例えば、半径rを有する円筒状の核燃料ペレットを考慮する場合、内方部分は、例えば、ペレットの中心から外側へ例えば0.6rまでの核燃料ペレットの部分でもよい。そして、外方部分は、例えば、(粒がより大きいことを要求されるのに応じて)0.8r〜rの間、または0.9r〜rの間、または0.95r〜rの間に位置する核燃料ペレットの部分でもよい。粒度が外方部分においてより大きいと述べられるときに、これはまた、異なるやり方で定められてもよい。例えば、外方部分の平均2D粒度および内方部分の平均2D粒度を考慮する場合、外方部分の平均粒度は、内方部分の平均粒度より大きい少なくとも50%、好ましくは少なくとも100%でもよい。
【0019】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、添加物を有する前記液体は選択され、そして前記方法は、添加物を有する液体が生ペレットの粒と粒との間に存在する孔へと深く入り込むように実行される。生ペレットは、生ペレットにおける粒と粒との間に、および生ペレットにおける粒の内側に孔を有する。粒の内側の孔は、通常、粒と粒との間に存在する孔よりも小さい。したがって、液体が粒と粒との間に存在する孔に深く入り込むことは、(例えば、特定の粘性を選択することによって)制御されることができる。
【0020】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、添加物を有する前記液体は選択され、そして前記方法は、添加物を有する液体が生ペレットの粒と粒との間に存在する孔へと深く、少なくともいかなる実質的な程度までも入り込まないように実行される。この変形例によれば、添加物は、粒へといかなる実質的な程度までも入り込まないが、しかし添加物は、粒と粒との間に存在する孔に加えられる。
【0021】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、添加物を有する前記液体は選択され、そして前記方法は、添加物を有する液体が生ペレットの粒と粒との間に存在する孔へも深く入り込むように実行される。この変形例によれば、添加物は、粒の孔へもこのように入る。本発明については、生ペレットにおいて添加物が加えられる場所を制御することがこのように可能である。
【0022】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、前記液体は選択され、そして前記方法は、焼結ステップの前またはその間に、液体が完全にまたは少なくとも99%までペレットを去るように実行される。液体がペレットを去るので、液体(および液体を構成する材料)は、焼結されたペレット中に存在しない。したがって、液体は、添加物のキャリアとして作用して、製作されたペレットの特性に影響しない。
【0023】
好ましくは、液体は、ペレットを加熱するステップの間にペレットを去る。これは、焼結ステップの前の別々の加熱ステップ、または焼結ステップの間に実行される加熱のいずれかでありえる。後者の変形例は、別々の加熱ステップが必要でない利点がある。
【0024】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、前記添加物は、焼結されたペレットにおけるより大きな粒度を生じさせる物質を構成するかまたは含み、前記物質は選択され、そして前記方法は、焼結ステップの前またはその間に、物質が完全に、または少なくとも90%まで、好ましくは少なくとも95%まで、より好ましくは少なくとも99%まで、ペレットの少なくとも外方部分を去るように実行される。若干の添加物は、中性子経済に影響を及ぼしてよい。すなわち、それらは中性子を吸収してよい。他方では、前述したように、核燃料ペレットの少なくとも外方部分における大きな粒は、HBSを防止するために有利である。したがって、焼結ステップの前か間に、ペレットを去る物質(しかしそれはより大きな粒を生じさせる)を使用することは、有利でもよい。これは本発明によってより容易になりもする。というのも、本発明については、添加物はペレットの外方部分にだけ加えられてよいからである。添加物が外方部分において存在するだけである場合、例えば、焼結ステップのような加熱ステップの間、添加物がペレットを去ることはより容易である。
【0025】
物質がより大きな粒を生じさせることがなぜ述べられるかは、ここで説明される。物質は化合物に含まれてよい。そうすると、添加物は、より大きな粒を生じさせる物質を含む化合物である。化合物の残余は、より大きな粒を生じさせる物質のキャリアとして主に作用してよい。例えば、添加物はUBでもよい。この場合、Bはより大きな粒を生じさせる。しかし、化合物UBのUそれ自体は、より大きな粒に実質的には寄与しない。これは、したがって、物質が大きな粒を生じさせるとクレームにおいて述べられる理由である。物質は、好ましくは元素(例えばBまたはCr)である。添加物は、そのような1つの物質よりも多くのものを含んでよい。
【0026】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、前記添加物は、Bおよび/またはCrでできているかまたはそれを含む。これらの材料は、粒度を増加させる有利な物質である。
【0027】
Bを含む添加物は、例えば、UB、BC、ZrBまたはちょうどBでもよい。
【0028】
Crを好ましくは含んでよい添加物は、酸化クロムの形態(例えばCrO、CrOおよび/またはCr)である。
【0029】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、前記添加物はBを含み、前記Bの少なくとも90%は11Bである。同位元素10Bの形のBは、中性子吸収体として作用する。しかしながら、付加的なBの目的が粒度を増加させることであり、中性子吸収体として作用しないことである場合には、同位元素11Bを使用することが好ましい。というのも、若干のBが焼結されたペレット中に残留する場合、このBはこの場合、中性子吸収体として作用しないからである。
【0030】
少なくとも98%まで前記添加物においてそれが同位元素11Bの形で存在するように、Bは、例えば、選択されてよい。
【0031】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、添加物が液体中に溶解しないように、そして生ペレットにおける核燃料材料が液体によって溶解されないように、前記液体は選択される。添加物または生ペレットが液体によって溶かされるように液体が添加物または生ペレットと相互作用しないことが好ましい。
【0032】
本発明による方法を実施するさらなるやり方によれば、前記液体は、油、好ましくは鉱物油である。この種の液体は、添加物のためのキャリアとして作用するための有利な特性を有する。さらに、適切な鉱物油を選択することによって、適切な粘性が達成される。
【0033】
本発明はまた、核燃料を製作して使用する方法に関する。この方法は、以下を含む:
前のやり方のいずれか1つにしたがって複数の核燃料ペレットを製作すること、
核燃料ペレットを被覆管内に配置すること、
核動力プラントにおける核動力炉のコア内に、核燃料ペレットを有する被覆管を配置することであって、そうすると、コア内の核燃料材料の少なくとも20%、好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは100%は、前のやり方のいずれか1つにしたがって製作されるペレットでできている、配置すること、
エネルギーを生成するために核動力炉を運転すること。
【0034】
実際の核動力炉において本発明による方法によって得られた有利な核燃料ペレットを用いることによって、製作された核燃料の利点は、エネルギーを生成するための核動力炉プラントにおいて、このように達成される。核動力炉は、好ましくは、本発明による方法によって製作される核燃料ペレットを含む数千本の被覆管を備える。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明による方法を実施するやり方のフローチャートを概略的に示す。
図2図2は、本発明により製作されるペレットの粒度がペレットの半径方向においてどのように変化してよいかという実施例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
当業者は粉体から核燃料ペレットを作り出す方法を知っているので、この種の方法のすべての詳細が本明細書に記載されるというわけではない。しかしながら、本発明に関連する主要なステップは記載されている。
【0037】
図1は、本発明による方法を実施するやり方の主要なステップを概略的に示す。
【0038】
粉体形態の核燃料材料が提供される。核燃料材料は、UOに基づいてよい。そしてそれは、235Uに関してリッチにされる。粉体は、その他の材料(例えば、バインダ材料、U、可燃物中性子吸収体、ポア形成物および焼結助剤)を含んでもよい。粉体は、少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%、UOを含んでよい。
【0039】
「生の」ペレットが形成されるように、粉体は押圧される。生ペレットは、多孔性である。例えば、押圧されたペレットの50%は、孔から成ってよい。
【0040】
添加物が提供される。添加物は、焼結されたペレットの粒度を増加させるものである。添加物は、例えばUBの形で、例えば、B(より大きな粒度を生じさせる)を含んでよい。一実施形態によれば、Bは、11Bの形である。
【0041】
別の変形例によれば、添加物は、Crでもよい。
【0042】
添加物は、好ましくは粒子の形(すなわち粉体)である。粒子が生ペレットの孔に深く入り込むことができるように、粒子の寸法は、十分に小さくなければならない。そしてその中へと粒子が貫通しなければならないことが意図される。粒度は、例えば、約1μmでもよい。
【0043】
液体が提供される。液体は、鉱物油でもよい。鉱物油は、所望の粘性(例えば320センチストークの動粘度)を有するように選択されてよい。
【0044】
添加物は、液体と混ぜ合わされる。好ましくは、添加物粒子は、液体中に分散する。すなわち、添加物粒子が液体に溶解しないように、そしてまた、生ペレットにおける核燃料材料が液体に溶解しないように、液体は選択される。
【0045】
生ペレットは、添加物を有する液体との接触へともたらされる。生ペレットは、例えば、添加物を有する液体へと浸漬されてもよいし、または、添加物を有する液体は、生ペレット上に噴霧されてもよい。
【0046】
生ペレットへの液体の、そしてこれにより添加物の浸透深さは、制御される。液体の適切な粘性を選択することによって、または、添加物を有する、生ペレットに加えられる液体の量を制御することによって、これは、なされることができる。例えば、ペレット上に一定量の液体を噴霧することによって、または、所定時間の間、添加物を有する液体中に生ペレットを浸漬することによって、これは、なされることができる。粒度または粒径分布によって浸透深さを制御することも可能である。
【0047】
本発明による方法を実行する1つのやり方によれば、添加物が生ペレットの外方部分にだけ加えられるように、浸透深さは制御される。
【0048】
例えば、添加物を有する液体の粘性、または添加物粒子の寸法を制御することによって、添加物が入る生ペレットにおける孔を制御することも可能である。例えば、生ペレットにおける粒と粒との間に存在する孔に添加物が実質的に入り込むだけであることは、制御されてもよい。あるいは、生ペレットにおける粒と粒との間に存在する孔に添加物が入り込むことも、制御されてよい。
【0049】
そのように処理された生ペレットは、次いで、焼結される。例えば、ペレットが約1800℃の最終的な温度まで加熱される異なるゾーンを含む炉において、これは、通常の焼結プロセスによってなされることができる。
【0050】
加熱プロセスの間それが蒸発するように、液体は、好ましくは選択される。液体を蒸発させるために、実際の焼結の前に別々の加熱ステップがあってもよい。しかしながら、この種の別々の加熱ステップは必要なくてもよい。というのも、焼結プロセスの間、液体は蒸発するからである。
【0051】
本発明による方法を実施する1つのやり方によれば、また、焼結ペレットにおけるより大きな粒を生じさせる物質は、加熱プロセスの間、例えば焼結ステップの間、ペレットを去る(蒸発する)。
【0052】
核燃料ペレット全体の粒度を増加させることが望ましいときに、添加物および液体の粘性は、全部のペレットが添加物を有する液体によって浸透されるように選択されてもよい。しかしながら、前述したように、添加物を有する液体の浸透深さを制御することは、可能である。本発明を実施する好適なやり方によれば、添加物が生ペレットの外周部分にだけ実質的に入り込むように、浸透深さは制御される。生ペレットが次いで焼結されるときに、より大きな粒は、ペレットの外方部分において主に得られる。
【0053】
図2は、このやり方で処理されるペレットにおいて粒度がどのように変化してよいかについて概略的に示す。x軸は、焼結されたペレットの半径を示す。半径r1.0は、したがってペレットの外周面である。ペレットの半径は、例えば、約4.6mmでもよい。図2のy軸は、平均2D粒度を示す。図2のカーブは、平均2D粒度が半径によってどのように変化するかについてしたがって示す。図2は、本発明のこの実施形態によれば、実質的により大きい粒度が焼結されたペレットの外方部分において得られることをしたがって示す。これは、特に、上記したHBSの発生が防止されることができるかまたは遅延されることができる効果がある。
【0054】
複数の核燃料ペレットが、本発明の方法にしたがって作り出される。
【0055】
製作されたペレットは、被覆管内に配置される。
【0056】
被覆管は、核動力炉のコア内に配置される。そうすると、コアは、本発明により製作されたペレットを有する数千本の被覆管を含む。
【0057】
原子炉は、エネルギーを生成するために運転される。
【0058】
本発明は、本明細書に記載されている実施例に制限されなくて、以下の請求項の範囲内で変更されることができて、修正されることができる。

図1
図2